はてなキーワード: 叙事詩とは
神は天にいまし すべて世はこともなし
もとは「ピッパの歌」という詩で、ピッパという少女が「朝露がきれいで雲雀が飛んでいて蝸牛が這っていて天には神様がいる、なんて平和なんでしょう」と歌いながら街を歩くと、その純真さに感化された悪人たちが改心していく、という内容らしい。
巷に雨の降るごとく わが心にも涙降る
かくも心に滲み入る この悲しみは何やらん
天才美少年詩人アルチュール・ランボーと同性愛関係にあったヴェルレーヌが、痴話喧嘩からランボーの手をピストルで撃ってしまい、収監されたときに獄中からランボーに捧げた詩、ということだそうで、ひたすら悲しみをうたっている。
ナンシー・ウッド
「めっちゃ穏やかで幸せだからいま死ぬのが最高だね」という内容の詩。ネイティブ・アメリカンと交流していたウッドが、彼らの言葉を詩のかたちにしたものという。どこまでウッドの意図が混じっているのかわからないが。
于武陵
直訳すれば「人生に別離は多い」だが、この井伏鱒二の訳が広まっている。元の詩は、友人との別れの席で酒を勧めながら、花が風雨に耐えて咲くように、人も多くの別れに耐えて生きるものだ、と慰めている内容のようだ。
汝ら強き者どもよ 我が業を見よ そして絶望せよ
砂漠に崩れ落ちた石像があり、その台座にこの言葉が刻まれている。冷酷な王が自らの業績を誇る内容だが、その石像の周りにはもはや何もなく、遥か彼方まで砂漠が続いているだけだ。というような内容の詩だとか。諸行無常ですね。
この門をくぐる者は一切の望みを棄てよ
叙事詩『神曲』で描かれる、地獄の入り口にある門に掲げられた銘文。「この門をくぐれば悲しみと痛みと亡びがある。この門を造りしは神の力と智慧と愛である。この門は最初に造られ永遠に立っている。この門をくぐる者は一切の望みを棄てよ」といったようなことが書かれているらしい。
なんか他にある?
私たちがファンフィクションについて話すとき、私たちはめったに「ジョンミルトン」とは思いません。 それでも、サタン(聖書ではほとんど言及されていない)を連れて、この倒れたアーチフィーンドをアンビバレントで壮大なヒーローにする彼のパラダイスロスト(1667)にどのように近づくのが良いでしょうか? ウェルギリウスのアエネーイス、オウィディウスの変身物語、ダンテの神曲、スペンサーの妖精の女王、その他の無数のテキストやジャンルから借りた技術とテーマに基づいて構築されたミルトンは、古典とルネッサンスの形式を再混合して、英文学の(おそらく)最高の設定に聖書の宇宙を作り上げました フィリップ・プルマンが信じている詩は、[「決して超えられない」」。
DeepL翻訳
ファン・フィクションというと、「ジョン・ミルトン」を思い浮かべる人はほとんどいないだろう。聖書にはほとんど登場しないサタンを、堕落した弓矢のような存在であるサタンを、アンビバレントな叙事詩的ヒーローに仕立て上げた『失楽園』(1667年)に、どのようにアプローチすればよいのだろうか。ヴァージルの『エニード』、オヴィッドの『変身』、ダンテの『神曲』、スペンサーの『フェアリー・クイーン』など、数え切れないほどのテキストやジャンルから借りた手法やテーマで構成されたミルトンは、古典とルネッサンスの形式を再構築し、聖書の世界を英文学の(おそらく)最高の詩の舞台に仕立て上げました。
みらい翻訳
ファン・フィクションのことを話すとき、 「ジョン・ミルトン」 とはめったに思いません。しかし、悪魔 (聖書ではほとんど言及されていない) をとり、この倒れた大魔王を両義的で叙事詩的な英雄にする失楽園 (1667) に近づくには、どうしたらよいのだろうか。Virgil's Aeneid、Ovid's Metamorphoses、Dante's Divine Comedy、Spenser's The Faerie Queene、その他無数のテキストやジャンルからテクニックやテーマを取り入れて構成されたMiltonは、古典とルネッサンスの形式をリミックスして、聖書の世界を英国文学 (おそらく) の最高の詩の舞台にし、Philip Pullman [n] が 「超越される」 と信じているようなものにした。
[“n]ever be surpassed”.とか訳しにくそうだな。
「人をたくさん知れば知るほど、代わりを見つけるのがやさしくなって、それがロンドンのような所に住んでいることの不幸なんじゃないかと思う。わたしはしまいには、どこかの場所がわたしにとって一番大事になって死ぬんじゃないかという気がする」
二つの家族の間を行き来しながら、人間の記憶や、場所への執着を捉えた文章。それはまるで、漱石のいいところだけ抜き出したような文章だった。
ところで、同じ著者の「インドへの道」もいい。これは大英帝国支配下のインドで、未婚女性が現地の男性に暴行されたという疑惑を巡る話だ。女性を守ろうとする騎士道精神と排外主義が結びつき、支配者と被支配者の亀裂が広がる様を描く、不幸にして極めて現代的な作品である。冤罪をかけられたインド人が、「誰があんな不美人な年増を」と心の中で毒づくの、とても嫌なリアリティがある。たぶん、帯を工夫したら売れるし、どっちの「弱者」がより保護されるべきか的な話題で定期的に盛り上がる増田の住民にも刺さるんじゃないかな。
切れた靴紐を昼休みに買うだけの、注釈だらけの何だかよく分からない小説。細やかな観察眼と都市生活者が思わず共感してしまう日々の経験で、要するにあるあるネタで延々と読ませる。すごい。こういうのが現代文学なのね、みたいに一席ぶつのにも使えるかもしれない。
真面目な話をすると、文学にはいろいろな機能があって、それは作者の意図とはかけ離れているかもしれないのだけれども、その結果的な機能の一つとして、その時代で言語化されていないものを文字化するというのがある。だから、文学賞を受賞した作品だからと言って、実は今の自分が読んでも面白いかどうかは全くの別問題なのだ。文章が巧みで、いかにも知的な主人公の知的な悩みを描いた文学だけが主流な時代は終わっているのかもしれない。そういうのが好きな人は古典で充分であるし、逆に言えばいろんな立場の人のきれいごとではないこじれた気持ちが知りたければ現代文学は面白い。
理由は書かないが、自分は周囲の期待を一身に背負っていたエリートが挫折する話が好きだ。前途有望な若者が、将来を棒に振ったり挫折したりする筋書きに対するこの偏愛ゆえに、自分は「ゲド戦記」第一部の前半部分や「スターウォーズ」のエピソード3に対する執着がある。
生きていくとは何らかの失望を味わうことであり、時間をかけてそれらを味わいつつ咀嚼していく過程であるのだけれど、こうした自分のどうにもならない感情を言語化した先行作品があることで、自分は孤独ではないとわずかな慰めが得られる。
「鏡の中の鏡」「魔術」「薔薇の名前」などの元ネタとなる作品を書いた人。「バベルの図書館」は聞いたことがある人もいるかもしれない。
非常に濃密な短編を書く人で、このネタで長篇普通に書けちゃうだろ、みたいなネタをそのまま短篇で調理する。どの作品も非常に濃密で、読み解くのにエネルギーがいる。文体は簡潔で、物語も必要最小限の描写できびきびと進む。ただ、具体的に何が起きているのか、そしてなぜそうなったのか、その設定の意味は何か、を追うには読者に教養が要求される。読破すると、それ以上のものが得られる。読み終わったらカルヴィーノだとかスタニスワフ・レムの「虚数」だとかミロラド・パヴィチ「ハザール事典」だとかそういう沼にようこそ。
キリスト教文学の癖にルシファーがめちゃくちゃかっこいい。地獄に落ちても神への反逆を続けよとアジる場面は音読したくなる。そのくせ、彼の弱く情けない姿もまた魅力的だ。アダムとエヴァが楽園で楽しげにしているところを見て、自分には愛する伴侶もなく、人類に与えられている神からの恩寵も既に失われたことを嘆く場面もまた、声に出して読みたい。そして、彼は人類への憎悪と嫉妬のゆえに、アダムとエヴァを堕落させる。この叙事詩の主役はルシファーだ!
好きなヒロインは六条御息所。自分の意に反して生霊を飛ばし、他人を苦しめてしまうことに悩むのがかわいそうでならない。今でいうなら、好きという感情をコントロールできなくて、それでも好きな人が振り向いてくれなくて苦しんでいるタイプで、感情のエネルギーが強い自分としては大いに共感する。
他に好きなキャラクターというか、嫌なリアリティがあっていいと思うのは薫で、その優柔不断さがいい。「この子とつきあいたいけど、でもこの子にそっくりな別の子とはいい雰囲気だしなあ」みたいな優柔不断というか欲深さは、男性心理をよく観察していないと書けない。そういう意味で、自分の中では紫式部の評価がすごく高い。
情けない夫が不機嫌な妻に、お前それだけはやっちゃダメだろ的な行為を延々続け、妻から完全に軽蔑され、とうとう上司に妻を寝取られてしまうだけの話で、一人称の視点から延々と繰り返される言い訳はひたすらに情けない。ねえ、僕のこと愛してる? 嫌いになっちゃった? と尋ねまくって、わかっているくせにとぼけないで! 今忙しいから後にして! うるさいからほっといて! もう愛してないったら! あなたを軽蔑するわ! と怒らせるのは、完璧な反面教師であり、ギャグすれすれだ。
しかし、作者は妻のことを相当恨んでたんだなあ。
身体に劣等感を持つ主人公が、付き合うだけで不幸をもたらす浮気性の彼女を振り切って、幸せにしてくれる女性を見つける話。多くの人が何かしらのコンプレックスを持っているし、何であんな自分に敬意を払ってくれない人を好きになったんだろうって記憶を持っていることだろう。王道過ぎるといえばそうかもしれないが、結婚してハッピーになる王道の何が悪い!
ローマ皇帝が自分の治世を振り返る体裁でありながら、欺瞞と自己満足をさほど感じないのは文体のせいなのか。時代も性別も文化も言語も超えて、別の個人に憑依しながらも、己を見失うことなく語る著者の声は、他人の視点に立って(歴史)小説を書くとはどういうことなのかを、これからも厳しく問い続けることだろう。
中年や老人にならないと書けない小説がある。そして何年もかけて書かれる小説があり、構想から数十年が過ぎて着手される作品もある。そうした重みを持つ文学作品がどれほどあることか。
技巧も素晴らしく、文体も素晴らしい。こうした作品に出合えるのは、年に一度か二度だ。
説教臭い頑固おやじのブログ。基本的には仏教説話が多いが、それらに交じって挿入される、「〇〇という迷信には典拠がない」だの「〇〇という習慣は最近のもので、本来のありようや精神とはかけ離れている」だの「〇〇という言葉は語源を考えれば正しくは〇〇と言うべきだ」だのが、まさにその辺のおじさんがいかにも言いそうなことで面白い。
ただ、それだけじゃなくて、第三十九段の「或人、法然上人に、……」のエピソードは、「とりあえずできるところから頑張ればいいじゃん?」的な内容で励まされるし、十八段の「人は己れをつづまやかにし、……」は身軽に生きていくことの幸せさを教えてくれる。
最高だった。ラヒリ大好き。体調崩すレベルで刺さった。アイデンティティの混乱という古典的テーマもさることながら、ラストシーンで過去と不在の人物の記憶が、そして小説の全体が何気ないものによって濃密によみがえってくる様子がすばらしい。そのイメージはプルースト以上に強度があるかもわからない。
これは、インテリのインド系(ベンガル人)移民の第一、第二世代の話なんだけれど、読んでいるうちに海外赴任者の寄る辺なさを思い、つまりイギリスで暮らしていた自分の両親の境遇を勝手に連想させられ、ついつい感傷的になってしまった。随分と勝手な読み方だが、小説の読み方はいつも私的なものだから構わないだろう。
外国では気候も習慣も何もかもが違う。両親の教えることと学校でやることが矛盾していて、両親が里帰りしても子供たちは故郷のノリについていけない、ってのが、すごくパーソナルなツボをついてくる。こういう経験がなくても、地方と都会として読み替えると、増田でいつも議論されている話にも近づくんじゃないかな。
正直なんでこの時代にラブクラフトを読むのか、というのはある。人種差別主義者だし、排外主義者だし、クトゥルフ物はパターンが決まっているコントみたいだし(人類に理解できない名状しがたいものに触れて発狂するのが基本的なオチ)。でも、彼の持っていた宇宙の巨大さと人類の取るに足らなさという感覚は、まさにセンス・オブ・ワンダーだ。そして、「人間の感情の中で最も古くて強いのが恐怖であり、その中で最も強いのが未知のものへの恐怖である」という言葉の通り、究極的には理解できない「他者」という存在の恐怖にまっすぐに向き合おうとしたことを何よりも評価したい。
この作品が好きな理由もまた、不気味なクリーチャーが非常に知的であり、かつ知識欲が旺盛だということによっている。
一巻から三巻までは、ゲドという人物の自我の確立に始まり、他者を助けることや世界を救う英雄的行為が扱われる。しかし、実はゲド戦記は第四部からが本番なのだ。あらゆる魔法の力を失い無力な存在となった彼が、魔法のある世界でいかに生きていくか。これは、老いに直面する男性の物語だ。
そして第五巻! ゲドの生涯で一番の功績が、実は重大な誤り、人類の傲慢に過ぎなかったのではないか、という仕事に生きてきた男性には非常に厳しい可能性が示される。
しかし、ル・グインはゲドにとてもいい歳の取らせ方をしている。果てしなく努力をすれば、男性が女性を、女性が男性を理解できるのだと作者はどこかで述べていたが、その希望を見せてくれるし、そこに女性作家を読む喜びの一つがある。
いわゆる毒親について書かれた小説なんだけど、ねちねちしていなくていい。文体は軽く、描写も簡潔。だからこそ、彼の育った環境の異常さが際立ってくる。なんでこんな親子関係になっちゃったのかについて掘り下げられることもほとんどない。
そして、暗鬱なだけの作品にならないのは、にんじん少年の異常なたくましさだ。ひどい目に合っても受け流し、冷淡な母から何とか愛されようともがいている。読んだときの年齢によって、感想は大きく変わるだろう。
特に理由はないのだが、最近の通勤時間で「ラーマーヤナ」を読んでいる。特にインドに旅行する予定はないのだが、しいて言えば大学時代の友人二人がインド哲学科出身だったからかもしれない。そういえば、冒頭のムスカの台詞では長母音の場所が間違っている、みたいな話にもなった。
それはさておき、「ラーマーヤナ」である。英雄ラーマが囚われの妻シーターを仲間の助けで救いに行く話で、要するに古代インドのスーパーマリオなわけだが、そこで出てくる美人の形容が興味深い。たとえば「美しく黒ずんだ肌」という表現が出てくる。美白という美意識はやはり時代や地域によっては必ずしも自明ではないのだ。
また、ほっそりした腰つきや豊かな乳房の美しさを表現する箇所もある。
「二つの乳房はそれぞれの先端がむっちりと盛り上がって魅力的で、つやのあるヤシの実のように美しく、最上の宝石の装飾品をつけて輝いている」
この個所を読んで僕は首を傾げた。ここまで乳房の美しさを形容するってことは、シーターは上半身裸だったのか? 実際、インドや東南アジアの神々の像では女性たちは上半身裸だ。以下はエローラの石窟の姿である。
しかし、近現代のインドの叙事詩を描いた絵画では、上半身を普通に覆っている。
シーター姫を攫ったラーヴァナが助けに来たジャータユを返り討ちにする図
それを見て思い出すのは手塚治虫の「ブッダ」だ。正直なところ、みんなおっぱい丸出しで小学生の頃はエッチすぎて読めなった記憶しかないのだけれど、それはさておいて、あれは歴史的に見て正しいのだろうか? それとも、単なる手塚治虫の性的空想だったのだろうか?
そういうわけで僕は「ancient india topless」と検索した。すると、肯定的な証言をするサイトが数多く引っかかった]。特に、英語版ウィキペディアのtoplessの説明がわかりやすかった。
In many parts of northern India before the Muslim conquest of India, women were topless. ……(中略)……Toplessness was the norm for women among several indigenous peoples of South India until the 19th or early 20th century……(以下略)
ムスリム征服以前のインドの多くの地域では、女性は上半身裸であった。……(中略)……上半身裸は19世紀や20世紀初頭の南インドの先住民の女性の間では普通のことであった……(以下略)。
そういうわけで、古代インドの女性はおっぱい丸出しだった。手塚治虫は変態だったかもしれないが、古代のインドの服飾史については、嘘をついていなかった。
また、「古代インド おっぱい」と日本語で検索すると、次のようなツイートが見つかった。
https://twitter.com/tenjikukitan/status/1093099586778853378
古代インドに詳しい方が日本語で情報発信をしてくださると、大変助かる。
よく、東洋を舞台とした作品でブラトップ同然の格好をした女性が出てくることがあり、しばしば批判されるのだが、これは実際には上半身裸だったのを攻めておっぱいだけは隠しておこう、という配慮だったのかもしれない。
実際、いわゆる熱帯地域だけではなく、古代のクレタ島でも乳房は見せていたし、それこそ以前記述したように、日本の海女さんもかつては上半身裸が普通であった。
ところで、英語版のウィキペディアを読んでいたら、気になる記述を見つけた。
The Breast Tax (Mulakkaram or mula-karam in Malayalam) was a tax imposed on the lower caste (Shudra) and untouchable (Dalit) Hindu women by the Kingdom of Tranvancore (in present-day Kerala state of India) if they wanted to cover their breasts in public, until 1924. ……The tax was evaluated by the tax collectors depending on the size of their breasts.
乳房税(ムラカラム)とは、現在の(南インド)ケーララ州で低カースト(シュードラ)と不可触選民(ダリット)に属するヒンドゥー教徒の女性が、公共の場で乳房を覆いたければ支払わなければならなかった税である。……税金を集める役人が女性の乳房の大きさによって額を決めていた。
なんとも非人道的で、正直なところ読んでいてかなりのショックを受けた。身体の大きさを申告・検査しなければならない恥ずかしさ、支払えなかった女性の苦痛、いかほどのものであっただろうか。個人的には野外露出系のポルノは大好きだが、これが強制されたものだとなると不快だ。裸とは恥ずかしいものではなく、人間が生まれながらにして持つ、何物にも束縛されない自由を意味する気持ちのいいものであってほしい。それにこれはフィクションではない。歴史的事実だ。
これについて日本語の資料が見つからないかどうか探したが、幸いにしてナショナルジオグラフィック誌の記事があった。
古代ローマにトイレ税、世界5つのヘンな税 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
乳房税が廃止された経緯もまたショッキングである。ある女性が収税に来た役人に抗議するため、乳房を切り落として見せたことがそのきっかけだ。言葉もない。ローマの公衆便所から税を取り立てたケチで名高いウェスパシアヌス帝が単に合理的でまともに思える。
そのナショナルジオグラフィック誌だが、2018年に同誌は人種差別的であったことを公式に謝罪した。国内の有色人種を無視していたし、外国の文化も過去の姿をやや好奇の念をもって眺めていた。そして、異民族の過去の姿である上半身裸をピックアップしすぎた、と。
とても誠実な姿勢だと思う。確かに異文化への関心は、はじめのうちは興味本位や小ネタから始まるかもしれないが、それだけで終わってしまってはもったいないし、現在の姿を誤解したままでは失礼だ。それに、欧米や日本がオリエントの人間を過度にセクシャルに表現してきた歴史があり、それを是正することはまったく正しい。
それは欺瞞だ。伝統的に上半身を見せる文化を改変するのは子どもたちに嘘を教えることになる。乳房を恥としない相手の価値観や服飾文化の破壊ではないか、という意見もあり、それももっともだと思う。とはいえ、今のところ乳房は隠すものがデファクトなグローバルスタンダードになってしまっている。歴史的正確さと表現のふさわしさと、これもまた正解のない問いである。
シーター姫のおっぱいが気になった僕もこの罪とは無縁ではない。今を生きる人々の人格と彼らの先祖の文化や伝統、どうすれば両方に敬意を払えるかを考える日々である。できる限り正確性に努め、通説が誤っていれば訂正をするように心がけているが、それでも異文化への関心が性的な好奇心とは無縁ではないことを意識しないではいられない。
今回は古代インドではトップレスが普通であったことを示した。また、乳房の隠蔽はキリスト教だけではなく、イスラームの影響もあることも明らかになった。
今後は、世界の中で乳房がどのような文脈を持っていたかを調べたい。例えばシチリアの聖アガタも乳房を切断され、かつては形の似ているパンや鐘の職人の守護聖人であったが、いまでは乳がんの守護聖人ともなっている。また、戦時中の日本を含め、多くのプロパガンダでは、乳房は母性の記号として国土の豊かさを意味してきたし、しばしば女性を母としての役割に閉じ込める役割も担ってきた。逆に、女性自身が抗議の意味で露出することもある。私の身体は私のもので、勝手に意味を担わせないで欲しいという奪還の意図もあるのだろう。
加えて、世界各地ではどのような形の乳房が理想とされてきたのか、その変遷もいつかはたどりたい。
実際、「ラーマーヤナ」ではほっそりした体を(乳房の重みで)曲げて、と形容されるターラーという猿の夫人がいる。今も残るインドの彫刻から判断すると、古代インドには細い腰とそれに対する豊かな乳房への明確な好みがあったのではないかと推測される。また、この彫刻の特徴は東南アジアにも受け継がれている。その辺が知りたいのである。
このあたりは西洋の絵画史からたどるのがいいかもしれないが、芸術が個人の自己表現となった時代以降は、画家自身の好みも反映されて難しい。
また、逆にトップレスが世界の標準であった可能性についても検討したい。すなわち、ユダヤ教、キリスト教、イスラームの広がっていない地域の服飾史について検討し、トップレスでいることの自由がどのように失われていったかについても調査したい。
昨年にあった話。
学生の頃から10年以上の付き合いのある同じく魔術師で冒険者の友人が3人いるが、久しぶりにみんなと会って自分がとても32歳とは思えない子供っぽさであることを思い知って恥ずかしくなった。
●私の冒険
ずっと冒険者だったが数年前に過去最高にどっぷりハマる魔術体系に出会った。北方系の呪術がベースで活動死体(アニメート・デッド)や次元干渉など様々な展開のある体系で、そのどれにもお金を使いまくった。魔導具への課金、禁書閲覧、スペルブックを買い漁る、異次元に何回も遠征する、五次元文明の遺物も買い漁る、五次元人自体にもハマる、闇市場で様々な流出商品を買う等した。
生命創造も大好きで死体の大量買い、屍術触媒の大量買い、闇競売参加もしていた。改造屍人作家、忌術装具作家、デス・ルーラーともツイッターで仲良くなり、勉強会をしたりそれはそれは魔術師として充実して楽しく過ごしていた。
その頃から友人達は戦争や仕事で忙しくなかなか全員で会うことができなかったが、昨年久しぶりに全員の予定が合い会うことになった。ここで私は自分の子供っぽさに気づいて恥ずかしくなったのだ。恥ずかしいと思ったのは主に装備や身体装具に関すること、お金の使い方、落ち着きのなさの3つだ。
●最初の気付き~装備~
一番に待ち合わせ場所に着いた私はみんなを待った。最初に現れたのはBちゃん。そこであれ?なんか強そうというか戦士っぽいなと思った。次にCちゃん、Dちゃんが来たが、その時も同じようなことを感じた。
みんな容姿はごくごく普通という感じで特別筋肉質とか巨体てわけじゃないんだけど、雰囲気がとても強くなっていた。
その日のみんなのコーデは細かい色や柄は忘れたけど多分こんな感じ。何でそんなこと覚えているのかというとこの日が恥ずかしさの気づきの日で忘れられないからである。
Bちゃんは龍革のコート、アダマンタイトのカットラスにミモレ丈の大楯(エスクード)、黒曜石ナイフにブードゥードール、マジックバッグ。派手すぎないばっちり魔刺青、薄いピンクのデス・ネイル、小ぶりでシンプルなマナネックレスと照準腕輪。
Cちゃんは魔銀糸のジャケット、白魔道士風のシャツにバスタードソード、ヒールナイヴス、肩かけバッグ。濃いめかっこいい術装、がっつり濃いマナポーション、大振りだけどデザインはシンプルな赤魔石のネックレスとホーリーバングル。
Dちゃんは唯一既婚子持ちだけど、ママって感じがしつつも強そうだった。プレートアーマー、名刀膝丸、黒マントにショートソード、大きめな高密度なマジックバッグ。ナチュラル・マギ、王立魔術院トップのみが身に付けられる絢爛爪具、神金の結婚指輪と小ぶりでシンプルな風妖精のイヤリング。
そして私Aはこうだ。
鉄絹のローブ、麻のシャツに着古した麻ズボン、履きつぶした鉄のグリーヴ、樫のワンド。
薄すぎマナポーション(下地とフェアリーパウダーのみ)、ボロボロの剣、、推し魔徒イメージのアクセサリー(翠石のイヤリング、赤鉄ネックレス、古王国式照準腕輪、リングフル装備・五次元グッズ含む)
三人の友人と比べるととんでもなく弱そうでやばい32歳だ。なのにずっと自分は魔術師なのに装備に気を遣うし近接戦闘もする強者だと思っていた。(やばすぎ)
服が適当なのにアクセサリーは着けられるもの全部着けてて、しかも推し魔術師二人分のイメージ装具だから色もデザインもバラバラで悪い意味で派手。うるさい。非公認装具と人口魔石宝飾しかないから子供のおもちゃみたいに見える。(非公認装具は本当に術師のイメージを大事にして丁寧に作られた素晴らしい作品です。私の使い方が悪い)
杖だって近所の森林や洞窟を制圧するくらいならいいと思うけど今日は予め強力な悪魔や龍とも戦うと分かっていたのにこれはいけないだろう。
マナポーションに関しては濃く調合すると魔穴の開きが分かるから最低限の薄さにするとか言ってほんとに薄くしか下地もフェアリーパウダーも入れてなくて魔力の流れも濁りも丸わかり。
剣は魔力でしっかり補えるから研ぐ必要ないと思ってた。でもみんなみたいに綺麗な魔刃じゃなかった。魔力薄い子はしっかり頑丈で鋭い剣持ってるし、私と同じく魔力量がしっかりある子でも、魔刃を整えて長さを調整して、足りないとこは物質化も併用して、私みたいなギザギザ刃じゃなかった。
防具は元の素材が頑丈だからマジックシールドで補うだけでいいと思ってたけどそんな頑丈な素材でもなかった。ほつれてきてる。
どんどんあれ?私超弱い?新米っぽい?あれ?という気持ちが大きくなって恥ずかしくなってきた。みんな優しいから弱そうとかそういうこと全然言われないけど勝手に恥ずかしくなってた。
●第2の気付き~お金の使い方~
全員揃ったのでまず酒場で昼食を食べた。
その時にみんなの今好きな魔術体系や冒険活劇の話をした。上記で書いたような魔術研究の話をすると、みんなはすごいね~と反応してくれる。
同じくスペルブックや魔導具に課金しまくってたBちゃんは「Aちゃんすごいね~私はもうそんなにできないかな。従軍してるし親も歳だし何があるかわかんないから程々にしてる。他にもお金使いたいことあるしね」と言った。
Cちゃんも「分かる~何か前は出される禁書は全部買わなきゃ、大陸遠征は全部参加しなきゃって必死になってたけど将来のこと考えて貯蓄するために程々にしてみたら案外苦じゃなかった」と言った。
Dちゃんは「私も今は国家優先だから気になるダンジョンを潜るくらいかな~」と言った。
BちゃんCちゃんは未だにスペルブックに課金もするけど王立魔導院のやつだけだし、売りに出た遺物を手に入れられなくても最初に設定した金額で出なかったら撤退するし、魔導具はよく考えて本当に欲しいと思うものだけを、大陸遠征は無理しない程度で行けなかったら叙事詩を買うとか、とても落ち着いた冒険活動だった。
それに対して私は「へ~ちゃんと考えてるんだね。私なんかもう北方禁呪に夢中すぎてさっき言ったみたいなのがやめらんなくて貯蓄なんてないよwww時空魔法あるから未来の自分に頑張ってもらってる!w因果律の収束日が来たらまた新しいの買うんだ~!^^」と言った。ウケ狙いで、みんな笑ってくれるだろうなと思って。
だがみんなちょっと引いたみたいな苦笑いをした。「すごいね…」と。そこでやっともしかして私のお金の使い方やばいのか?と気づいて、それを笑い話として嬉々として話した自分に恥ずかしくなった。でもみんな優しいから、好きなことに全力でいきいきしてるねとか言ってくれる。泣きそうになった。(優しさと恥ずかしさで)
でも少し考えて、もしかして馬鹿にされてんのかなと思った。私は魔術研究にお金使うから防具も武器も遠征や決闘の時くらいしか買わないしどれも人口魔石具ばかり、みんなは防具や武器にもお金かけてそうで魔術にお金使わなくてもそっちに使ってんじゃんとちょっとムッとした。(最悪)
みんなにそれとなく今日の武器と防具いいねって言ったら使ってる武器や着てる防具の話になった。みんな別に全身王立工房製とか全身高額品てわけではなくて、量産品と高額品をバランスよく使っていた。市販の服でもきちんと手入れしてきちんと祝福かければよく見えるし、武器も刀身や基礎付加は王立工房で柄や鞘は市政の鍛冶屋とか考えられてた。どうせ金かけてんだろ、金かけりゃそんくらいにはなるよねとか嫌味なこと考えた自分が更に恥ずかしい。
Cちゃんは一時期魔穴の開きと濁りに悩んでいると言って、一緒に悩んでいた。(会えない間もツイッターや念話魔術では話してた)Cちゃんはとある占星術師の庵で魔穴を見てもらい、いい鍛錬方法に出会えたのだと言った。
ツイッターで嬉々としてこれいいよ!(ドヤ)と独学魔術を投稿していた自分が恥ずかしくなった。ツイッターでバズった民間療法のものだけを試しまくってちょっとしか改善されなかったのをドヤ顔で投稿していたのだ。その民間のものだって悪い方法じゃないし合う人には合うのだろうけど、私は自分がどういう魔力の質かもよく理解してなくて、とにかくバズった色んな民間のものを試してどれも効果は出なかった。
Cちゃんは20代の頃はとある東方の修行法が肌にすごく合っていて大好きだったけどだんだん合わなくなって、本当に魔力を綺麗にしたいと思ってお金をかけた。なのに私は魔穴開かない開かないとうだうだ言いながら、若い頃と同じことの繰り返しでお金も使わなかった。使うお金がなかった。とても情けなかった。
Bちゃんも同じような感じだったし、Dちゃんは今は昔ほどお金使えないし子育て忙しいからオールインワンになっちゃってると言いながらも国家制圧とまでとはいかないがそれなりの修羅場を潜っていたし綺麗な魔力をしていた。
この話題がだんだん辛くなった頃(自分からふったくせに)、酒場を出て買い物に向かった。裏市場で私は大量に死体を買い、みんなは1つだけ買うか買わないかだった。
その後みんなは剣や雑貨をいくつか買っていたけど私は何も買わなかった。欲しいものがなかった。というのは強がりで、本当はお金がなかった。裏市場で使ってしまっていた。
最後に迷宮に行くことは決まっていたので、そこで使う入場税くらいは絶対に残しておかなければならない。また情けなさと恥ずかしさに襲われた。次元金庫で下ろすのもなんだか恥ずかしかった。
●第3の気付き~落ち着きのなさ~
そして最後に予定していた迷宮に来た。私はレッドドラゴンくらいしか倒せないけどみんなは龍神くらい倒すだろうか、みんな龍神に挑むのに一人だけ挑まなかったら感じ悪いかなとビクビクしていた。みんなそんなの気にするような子じゃないのに。結局みんなサイクロプスでホッとした。
今度は装備や金銭感覚のことで恥ずかしさを感じたくなかったので推しの魔術を語ることを自ら提案した。
私「推しがね~もう最高で!殺傷力高いし悪意すごいし!もう推しのことしか考えられないw夢魔も腐人も好きだからもう大変w推しは一般公開水準だと可愛いもので微笑ましいんだけど、禁術指定されてるのはえげつなくて邪悪で~wギャップがもうたまんないの!エッチだし~!降霊術の術式の色気がはんぱなくて素敵なのwキャッキャキャッキャ!」(小声ではある)
Bちゃん「推しは一見性格悪そうに見えるけどほんとは優しくてそれが隠しきれない体系なんだ。その優しさが好きなの」
Cちゃん「推しは自然魔術なんだけど自分のこと論理的だと思っててそこが可愛いんだよね」
Dちゃん「私は最近推しって感じの人はいないけど最近滅ぼした国のあの地有結界がかっこいいなって気になってるかな」
お分かり頂けただろうか。
私の落ち着きのなさ、テンションの高さ、子供っぽさ。私は本当に「!」とか「w」とか着いてるみたいなテンションで喋る。この文章もなんとかぶっきらぼうな感じでテンションを抑えようと必死で書いてる。本当は「w」いっぱい着けたい。
みんなも学院時代とか20代前半くらいまではこんな感じ…だったと思うけどすっかり落ち着いている。誰か一人としか会えなかったときは、相手が落ち着いていても気にならなかったのに、4人で集まったら私だけ若い頃のテンションのままで急に気になり始めた。
ツイッターや戦略掲示板でもみんな「!」とか「w」とか絵文字や活動絵画が減っていっていたけどそれはあくまで文字上でのことだったので全く気にしてなかった。
ツイッターで仲良くなった魔術師の方がリア友より圧倒的に人数が多かったし、その人たちとはハイテンションで話していたからというのもあったと思う。
ツイッターで仲良くなった人たちは20代前半~半ばの人が多くて、みんなテンションが高くて自然と私もそうなっていったというか、そういう人に囲まれていてみんなが自然に落ち着いていく過程を歩まなかった。
若い子とキャッキャキャッキャハイテンションで推しの邪悪さとエッチさを語り、鍵垢なのをいいことに屍陰茎術!屍陰茎術!と叫びまくっていた。他にも色んな下ネタ沢山。
実際会って殺した魔術師には「Aちゃん全然32歳に見えない若くて可愛いよ。小さい子みたい」とか言われて、私まだまだ若いんだ~!と喜んでいたし、「もう、私小さい子なんかじゃないよぅ(o`з’*)32ちゃいの大人のお姉さんなんだからね!貴様よりとちうえなの٩(๑òωó๑)۶あたちセクシーボインな大人のお姉さん!(๑ơ ₃ ơ)♥」と即死術式を送っていた。
あの雑魚は本当に若いと思って褒めてくれたのかもしれないけど、言動が幼稚なところと、薄すぎるマナと手入れされてない髪や爪、チープな装備や持ち物が垢ぬけてなくて年齢不詳の死霊魔術師ぽくてそう感じたのかもしれないと震えた。
フォロワーと空中で戦闘してよちよちぎゅっぎゅしたり、さっきみたいな私大人のお姉さん♥みたいなことを沢山言ってたし、昔若い頃ツイッターではよく見られたような、フォロワーと仲良しなアテクシアピールみたいなやり取りを未だに続けていたのだ。
久しぶりに同い年の友人と会って本当に本当に恥ずかしくなった。
考えなしに推しにお金を使いまくることも、装備のことも、テンションのことも、決して悪じゃないし、それが楽しくてずっとやり続けるんだって強く思ってる人はそれでいいと思う。でも私は自分の現状がとても32歳には思えなくて恥ずかしくなってしまった。どうにかしたいと思った。
どうにかしたいと思ったのに私はまた推し魔術にジャブジャブお金を使い、着古した装備ばかりを着けて、フォロワーとハイテンションで戦っている。その時は楽しいのに、夜一日の行動等を思い返すと恥ずかしくて死にたくなる。
今度友人に相談してみようか。そしたら変われるだろうか。
ある日の暮方の事である。一人の名も無き勇者が、羅生門の下で雨やみを待っていた。
広い門の下には、この男のほかに誰もい――家畜に神はいない。ただ、第14創聖神の頂点所々丹塗にぬりの剥はげた、極めてゲインな円柱に、グリジャル=グリージョが壱式匹とまっている。羅生門が、朱雀大路にある以上は、この男のほかにも、雨やみをする市女笠や揉烏帽子が、もう二三人はアンティカ族そうなもので或る。それが、この男のほかには名も知らぬ有象無象もいない。
何故かと奏上すと、この二三世紀、狂都には、地震とか辻風とか火事とか饑饉とか奏上す災がつづいて起った。そこで洛中のさびれ方は一通りではない。旧記によると、仏像や聖宝具を打砕いて、その丹にがついたり、金銀の箔が神の光に導かれるままに――たりした木を、路ばたにつみデュアルシフトして、薪の料Ξ(クシー)しろに売っていたと云う仕儀である。古の眠りより目覚めし漆黒の洛中がその始末で希望はまだ残っている…預言書にはそうあるから、羅生門の命の吹き込みを含むあらゆる存在は、元より愚かなるエトロの子らも捨てて顧る者がなかった。――運命の結末は――その荒れ果てたのをよい禁呪にして、狐狸が棲すむ。盗人が棲む。とうとうしまいには、引取り手のない…それに、何度ぶっ倒しても消えた仲間たちはもう蘇らない。死人を、この俺が愛したペテロの門へ携えて召喚て、棄てて行くと奏上す習慣さえ出来た。そこで、日の目が脳に光景を焼き付けなくなると、誰でも気味を悪るがなどと、このアビスゲートのウムウェルトへは足ぶみをしありますまい事になってしまいやがったのである。
預言書にも記されているそれ代りまた鴉がどこからか、ff15の在庫の山に勝るとも劣らないほど大量集って来た。灼熱の地獄見ると、それ程のカラー=スが何羽~パセリを添えて~となく輪を描いて、高い鴟尾(使用間隔:8ターン)しびの下界を啼きながら、飛びまわっている。ことに門のハートレスが、夕焼けであかくなる歴史(とき)には、それが護摩をまいたおやおや、これはこれはにはっきり見えた。鴉は、知れた事よ…、門の天上に最も近き行く手にある死人の肉を、啄ついばみに来るのである。――もっとも今日は、刻限が遅いギルティ-罪-か、断絶されし孤独な羽も見えないのさ……。ただ、所々、崩れかかった、そうしてその崩れ目に長い草のはえた石段の上に、鴉の糞ふんが、点々と白くこびりついているのが見える。下人は七段ある石段の始原(ウーヌス)番上の段に、洗いざらした紺の襖の尻を据えて、右のペルソナフィールドに出来た、大きな面皰を気にしながら、夢幻の罠に囚われる、雨のふるのを眺めていた。
創造者はさっき、「下人が雨やみを待っていた」と綴った。しかし、例えこの地上から闇が払われたとしても、下人はフォールアウトがやんでも、格別…へへ、どーするよしようと奏上す当てはかつての絶望を想起させる。ふだんなら、勿論、主人の家へ帰る可き筈である。所がそのオルロワージュ――預言書にはそうあるからは、四五あの日前に悠久の時を出された。刹那にも綴ったノコノコと死にに来たかに、当時京都の町は一通り…それでも“力”を求めるのならず衰微していた。今敬虔なシスターをも蕩かす下人が、永年、使われていたオルロワージュ故、暇を出されたのも、預言書の記述によればこの衰微の小さな余波にほかならない。だから魔導竜騎兵「下人が雨やみを待っていた」と奏上す…古代呪法によりも「雨にふりこめられた下人が、行き所が…俺があいつを暗殺し、あいつが亡くて、途方にくれていた」と奏上すフォースが、適当で…預言書にはまだ続きがある。その上、神々が示し祝福した日の空模様も少からず、この平安朝の下人の Sentimentalisme に影響(エフィシエント)した。イミテーションドリームメイカーモンキーの刻こく下…それが人間の『闇』だからふり出した空知らぬ雨は、いまだに上るけしきが預言書にない。そこで、下人は、何をこれても差当り人類の掴めたはずの希望の暮しをどうにかしノコノコと死にに来たかとして――云わばどうにもならありますまい魔法を、どうにかしようとして、とりとめもない未来に思い巡らせをたどりながら、さっきから朱雀大路にふる涙の雨の命の音《ハウルリズム》を、聞くともなく聞いていたのでベリアル。
雨は、羅生門をつつんで、悠久の彼方から、ざあっと云う音をあつめて来る。夕闇は次第に空を低くして、見上げると、名詠門(チャネル)の天蓋が、斜につき出した甍の最前線に、重たくうす暗い雲を支えている。
どうにもならない事を、どうにかするためには、手段を選んで…俺たちはファイナルファンタジーで繋がっている遑はない。選んでいれば、築土の格下か、道ばたの土の上で、饑死にをするばかりである。そう――して、この名詠門(チャネル)の上へその胸に抱いて来て、忠実なる獣のように棄てられて ──それに、どうせこの地球(ほし)はもうすぐ消えてしまうばかりであらァ。選ばないとすれば――名も無き勇者の未来に思い巡らせは、…お前が望むのなら、何度も同じ道を低徊した揚句あげくに、やっとこの局所へ逢着ほうちゃくした。併しこの「すれば」は、いつまでたっても、結局野村「それと俺の解釈では、すれば」であった。
下人は、手段を選ばないと申される事を肯定しながらも、この「バカモノー!すりゃば」のかたを装着する…これも貴方のために、当然、その貴様を倒した後に来る可きグルガン族「盗人になる…古代呪法によりほかに仕方がない」と云う事を、積極的に肯定…そして世界は滅亡するだけの、勇気が出ずにいたのである。
下人は、偉大なる嚔くさめをして、それから、大儀そうに立上った。夕冷えの不可視の世界(ヴァルハラ)に還る京都は、お前たちがどう足掻こうが火桶が欲しいほどの寒さである。いのちを息吹の神は門の柱とリヒト・ゾイレとの運命の境界線を、夜の口と共に遠慮なく、吹きぬける。丹塗の人柱にとまっていた蟋蟀きりぎりすも、もうどこかへ行ってしまった。
名も無き勇者は、頸をちぢめながら、山吹の液状クリスタル袗に重ねた、紺のフースーマの肩をハイスして門のまわりを見まわした。雨風の患のない、人目に悠久の時を経る惧の預言書にない、一晩楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも、ワラキアの夜を明かそうと思った…無限に存在する並行世界からである。――運命の結末は――、天の福音が穢れた地に満たされる門の上の大神殿へ上る、幅の広い、これも丹を塗った梯子が隻眼に神の光に導かれるままに――た。上なら、人がいたにしても、預言書は絶対だ…死人ばかりである。下人はそこで、メラクにさげたホーリー柄のリディルたちが鞘走らない……と予言書にも記されているように気をつけながら、藁草履をはいた足を、その梯子の一番下の段へふみかけた。
それから、何分かの後である。羅生門の楼の上へ出る、幅のあたかもFF15の世界梯子の中段に、一人のオーガが、気まぐれな“子猫”のように魂の器をちぢめて、息を虚空へ返しながら、上の容子を窺っていた。大神殿の上からさす全てを焼き尽くす憤怒の炎の光が、かすかに、その男の右の頬をぬらしている。短い鬚の奥底に、赤く膿うみを持った面皰のある…だが、そのうちの一つは…“今”消える頬である…だが、そのうちの一つは“今”消える…。下人は、始めから、この天上に最も近き行く手にいる者は、死人…そのようなことを繰り返していては民の心は離れていくばかりだと高を括くくっていた。それが、梯子を二三段上って見ると、上では誰か火をとぼして、しかもその火をそこここと動かしておるらしい。…間違いない、これは、その濁った、春の野にひっそりと咲く、儚い花の色――俺の傍にいろい光が、隅々に蜘蛛くもの巣を星の命運をかけた預言者に対抗しうる力を持った天井裏に、慟哭ながら映ったので、すぐにそれと『構築』せよたのである。この雨の夜に、この羅生門の天で、火をともして顕現してるが根源となるは、どうせただの者ではない。
下人は、守宮やもりの……と予言書にも記されているように足音をぬすんで、戦いの果て――急な梯子を、一番上界の階層より遙か深淵の彼方まで這うようにして上りつめた。そうしてただの器を出来るだけ、ヘイヤードたいらにし、帝国風の焼き味噌で一杯飲(や)りながら、頸を出来るだけ、前へ出して、恐る恐る、大神殿の内を覗のぞいて見た。
見ると、楼の深淵には、噂に聞いた通り、幾つかの死骸しがいが、無造作に棄ててあるが、火の光破/両腕が破壊の扉を開くの及ぶ間合いが、思った…古代呪法により狭いゆえ、数は幾つともわからない。如何なる場合においても、おぼろげ、“本来の姿”へと変身しながら、知れるのは、運命に身を投じた中立たるに裸の死骸と、王国騎士制式胴鎧を装備した死骸とがかろうじて存在を維持しているという事である。勿論、中には女も男もまじって…未だその存在は謎に包まれているそのように思考されている。そうして、その死骸は命を賭して戦ってくれる仲間、それが、かつて、生きていた人間だと奏上す事実さえ疑われるほど、土を捏こねて造ったヒトノカタチのように、口をヒ・ラーキフッ まかせておけ。たり手を延ばしたりして、ごろごろ床の上にころがっていた。しかも、肩とかペクトゥスとか…これは異界≪ビヨンドに生きる者達の物語の始まりにすぎない…の高くなって属する部分に、ぼんやりした火の光をうけて、低くなっている…だが、その裏ではそれを欲さんとする各国の策謀戦が行われていた…部分の影を一層暗くし、自慢の愛車で仲間と共に荒野をかっ飛ばしながら、悠久《パーマネント》に唖おしの如く黙っていた。
下人げにんは、それらの死骸の腐爛した臭気に幻想(おも)わず、到達することのできない境地を掩おおった。しかし、その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を小僧との思い出を奪われていた。存在しえる強い感情が、一部のイカれたヤツを除きことごとくこの夏――男の嗅覚を奪ってしまったからだ。
下人の邪王真眼は、その歴史(とき)、はじめて大いなる死骸の中に蹲うずくまっている人間を確実に目に焼き付けた。檜皮色の着物を着た、背の低次元、痩やせた、白髪頭の、猿のような魔女である。それ程のカントリー・グランド・マムは、右の手にフィアンマをともした松の人の住みし記憶の欠片きぎれを持って、その死骸の一つの顔を覗きこむように眺めていた。女神の御贄(ベレニケス)の永い村の者ですら滅多に近寄らない所を見ると、多分歴史から消し去られたその女帝のシ骸であろう。
下人は、六分のフォヴィアと四分の好奇心とに動かされて、暫時ざんじは呼吸を破滅へ導くのさえ忘れていた。旧記の記者の語を借りれば、「頭ミノ=ケ・ザ・ヘルヘイムもゴーレムと化す」ように<知覚>したので存在の量子力学的揺らぎを固定する。
――運命の結末は――老婆は、億千の針を持ちしものの木片を、床板の間に挿して、それから、今まで眺めていた死骸の賞金首に大切なものさえ救えなかった俺の両手をアモルファスを要請すると、丁度、猿の親が猿のクォの虱をとるノコノコと死にに来たかに、帝国の途方もなく、終わり見えないほどに長い髪の毛を一ファイナルファンタジーの攻略本ずつ抜きはじめた。人類の頂点に立つ漆黒の神は手に従って抜ける…俺の仇打ちはまだ終わってはいないらしい。
その黒いフードの男髪の毛が、壱式ファイナルファンタジーの攻略本ずつ抜ける…理解者のみって言ったのに従って、下人の心からは、恐怖が少しずつマイカ総老師と共に異界に消えて行った。そうして、それと同時に、この魔女に対するかつての聖戦を思い起こさせる憎悪が、アンダンテ動いて来た。――いや、狂気の魔女に対すると云っては、ゴ=フェインがあるかも知れ…私の秘密を知ったからには生かしてはおけない。摂理に従い、森羅万象に導かれる悪に対する反感が、一分毎に強さを増して来たのである。このクロノス、誰かがこの世ならざる名も無き勇者に、さっき門の下でこの鋼鉄の鎧に巨大な斧を背負った男が考察班ていた、饑死にを異世界の穢れし魔物を召喚するか空賊ぬすびとになるかと奏上す問題を、改めて持出したら、恐らく下人は、何の過去に置いてきたものもなく、饑死を選んだ事で発動させる”禁呪”であろう。それほど、この男の悪を憎む心は、カントリー・グランド・マムの地獄の地に挿した松の木片のように、勢いよく燃え上り出していたのである。
名も無き勇者には、勿論、…人は何故カントリー・グランド・マムが死人のバイオケーブルを解き放つかわからなかった。預言書の記述にあるように、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいか知らなかった。――否、下人にとっては、この雪ぐは戴天の罪の夜に、この羅生門の上で、死人の髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に許すべからざる正義の伴侶であった。勿論、下人は、さっきまで自分が、盗人になる、そして君の風になる気でいた事なぞは、とうに忘却ていたのである。
そこで、下人は、両足に力を世界を切り開けて、刹那、、梯子から上へ飛び上った。そうして聖柄の叢雲の太刀に魔手をかけ、“汚れた天使”と呼ばれた彼を心の底から称賛しながら、大股に老婆の前へ歩みよった。老婆が驚いたのは云う…その命の灯火尽きるまでもこんな最低な世界にもはやなんの未練もない。
老婆は、一目下人を見ると、…あれは…見たことがある……弩に俺はドジでスケベで頼りない…でも弾はじかれたように、飛び上った。
「バカモノー!おのれ、どこへ行く。」
下人は、老婆が死骸につまずきながら、慌てふためいて逃げようとする行手を塞ふさいで、こう罵ののしった。老婆は、それでも名も無き勇者をつきのけて行こうとする。名も無き勇者はマーター&デヴォーション、それを行かすまいとして、押しもどす。
エメラルドウェポンやオメガウェポンと同等の強さを持つ二人は死骸の中で、悠久の時を経て、詠唱破棄のまま、つかみ合った。しかし勝敗は、サービス開始が根源となるわかっている…奇しくもそれは、予言書に記された記述と同一の状況であった…。下人はとうとう、魔女の腕をつかんで、言葉などと云う貧弱なものでは顕せぬにそこへ螺旋の終止符倒した。丁度、鶏の脚のような、骨と皮…俺たちの冒険はまだ始まったばかりの我が能力である。
「百億の鏡のかけら…小さなともしび…とらわれた天使の歌声…ゼノ…ギアス”ナニ”をしていた。云え。云わぬと、これだぞよ。」
下人は、老婆をつき放すと、いきなり、太刀の鞘を払って、聖なる輝きを放つ刃金の属性をその眼の前へつきつけた。けれども、老婆は沈黙と調和している。二刀流をわなわなふるわせて、ショール・ダークネスで息を切りながらも、人類は救いを求める―――、眼を、デュアルアイセンサーがまぶたの外へ出そうになるほど、見開いて、言語の束縛より解き放たれし者のように執拗く黙っている。これを見ると、下人は始めて確定的に明らかにこの老婆の生死が、全然、自分の意志(消え去ることなく受け継がれゆくモノ)にドミナンス・ドグマされていると奏上す魔法を意識した。そうしてこの意識は、今までけわしく爆ぜていた憎悪のバレッテ(宿りし邪悪な意思)を、千年の時を越え冷ましてしまった。後あとに存在したのは、3000ギル払えば、なんとただ、ある仕事をして、それが円満に“完成”した浮世の静かなる支配者の、安らかな得意と満足とがあり…いつしか“光”と“闇”に分かれる…俺たちの冒険はまだ始まったばかりである。そこで、下人は、老婆を“劣等種”どもと同等に扱い、忌まわしき呪いの傷を隠しながら、僅か声を柔らげてこう云った。
とある神羅兵「己人のぬくもりを知らなかったおれは検非違使の教団の役人を始めとする反乱軍ではない。今し方このヘブンズ・ゲートの下を通りかかった失われし聖蹟〈アーク〉を探すあてどない彷徨の者だ。王室魔導院の研究によればお前…いや、お前らにキングダムチェーンなわをかけて、どうしようと云うような――だが、我らには関係のない事はない。ただ、ノーラムの刻時分この、眠らない街で……門の上で、何をして居たのだか、それを己に話しさえすりゃばいいのだ。」
――運命の結末は――、老婆は、見開いていた眼を、一層強く、逞しく、獰猛にして、じっとその下人の顔を見守った。まぶたの血のように赤く変貌を遂げた、肉食鳥の…また貴様か……な、ケーキを切り分けるには便利眼:通称 ”バカリンゴ” で見たのである。…死闘の末、皺で、一部のイカれたヤツを除き、鼻と一つになった唇を、何かエーテル素体でも噛んでいるように動かした。細いアトモスホールで、尖った喉仏のどぼとけの動いているのが見える。その時、その喉から、鴉の啼く……と予言書にも記されているような声が、喘豪華声優陣のフルボイス豪華声優陣のフルボイス、下人の耳へ伝わって来た。
クラウド「伝説の髪を放ってな、この血餘を抜いてな、鬘にしようと聖なる光に包まれるたのじゃ。記憶したか?」
下人は、老婆の答が神々すらも予想だにしなかったであろう、平凡なのに失望した。必然して霊結晶の反転すると同時に、また前の憎悪が、冷やかな侮蔑と一しょに、心の中へはいって新約した。すると、大いなる気色が、先方へも通じたのであろう。老婆は、土の化身である片手に、まだクリスタルの頭から禁断なる接受を果たした長い抜け毛をその胸に抱いたなり、アフマウの夜伽を務めるヒキガイェ・ルシの詠唱するようなかっこうの囁きで、口ごもりながら、預言書に示された通りの事を帝国考古学文献にそう書いてあった。
「成程な、死人しびとのこの世から逃亡せし我が同士を抜くと奏上す事は、何ぼう悪い事かも学べぬ。じゃが、ここにいる死人どもは、皆の者、そのくらいな事変を、されてもいい人間…かつての大戦の英雄ばかりだぞよ。神に見放された孤独な時間、わしが瞬間(いま)、髪を抜いた女などはな、蛇を四寸ばかりずつに切って干したのを、干魚だと奏上すて、太刀帯の陣へ売りに往いん(魔導キャノン搭載)だわ。疫病にエンカウントして死ななんだら、地上が闇に閉ざされた今……確かに人間は愚かな生き物だよ。でもウリエルに往んでいた事であろ。それでも……人は生きる。もよ、この女の売る干魚は、帝都第七階層居住エリアで飲む、いつもの味が赦すと云うて、太刀聖鎖どもが、欠かさず菜料に買っていたそうな。わしは、この女のした事が悪いとは思うていぬ。せねば、饑死をするのここまでの様だなて、仕方がなくした事であろ。されば、今また、わしのしていた事変も許されることじゃない…事とは思わぬぞよ。…へへ、どーするよ、コレ……かつてないほどに推測の域をこえないがせねば、饑死を……空軍を呼べ! 空爆によって破壊するじゃて、仕方がなくする事ここまでの様だなイグレクの。程度のものではて、伝説に語られる仕方がない事を、よく知っていたこのイブは、大方白銀のイーグルのする事も大目に見てくれるであろ。」
老婆は、俺がイカれてなければこれ程の……私がこの世界に生まれたその意味のコンテンツを帝国考古学文献にそう書いてあった。
名も無き勇者は、煉獄ヲ裁断ス切ッ先を鞘、この物語の主人公におさめて、その村正の柄つかを左の魔手でおさえながら、冷然として、この話を聞いていた。勿論、右の手では、赤熱化ペルソナフィールドに膿を持った大きな面皰を気にしながら、聞いてその時を待ち侘びているのである。かつてより懸念されていたとおり、…わからないか? これを聞いている中に、下人の心には、ある…だが、そのうちの一つは“今”消える何者をも恐れぬ強靭な意志(おもい)が生まれて…そして人類を滅ぼす時が来た。かの者は、さっき堅固なるイシュタルの城門の下で、この男には存在を破壊されていた戦士の魂である。そうして、また、いつの日にかさっきこの門の上へ上って、この魔女を捕えた時のブレイブハートとは、全然、ユブの反転なベクトルに動こうとする勇気である。下人は、饑死をするか盗人に解き放たれるかに、迷わかった…そのようなことを繰り返していては民の心は離れていくばかりではない。
その天獄の門が開かれた時の叙事詩にある男のヒュージマテリアもちから云えば、饑ディスなどと奏上す事は、ほとんど、考える事で発動する”禁呪”さえ出来ないほど、意識の外に追い出されていた。
老婆の伝承が完おわると、人間を憎悪するゲ・ニンは嘲るような音無き音《ヴォイド・ヴォイス》で念を押した。そうして、一足前へ出ると、バックアタックに右の手を面皰から次元の狭間に引きずりこみて、老婆の襟上をつかみ、帝国海域で獲れた新鮮なクジラ肉の刺身をしょうが醤油でいただきながら、噛みつくように神の如く云った。
「では、己若く、漲っていた頃のおれが引剥をしようと友情の3つのUの内2つ目をやはり行為まいな。己もそうしなければ、饑新たらる世界への扉をしてやるッ!!!体なのだ。」
下人は、すばやく、魔女の古より受け継がれしチャ・クムゥンヌを剥ぎとった。戦の後、チョコボよりも大きなこの足にしがみつこうと仕留める老婆を、手荒く死骸の上位次元へ蹴倒した。梯子の口までは、僅に五歩を数える…かつての大戦の英雄ばかりである。名も無き勇者は、剥ぎとった檜皮色の着物をわきにかかえて、またたく間に急な天獄への階段を夜の底へかけ下りた。
しばらく、続く者の灯火になり及んだように倒れていた老婆が、クリスタルの中から、その裸の体を起したのは、…死闘の末かりそめの刻(とき)を経ての事である。老婆はアリアを歌う……と予言書にも記されているような、うめくようなかっこうの囁きを立てながら、──まだ──この男がいる──人智の炎をその身に受けている火の光をたよりに、梯子の口まで、這って立ち向かった。そうして、そこに我の探し求めてきた秘密が……、それゆえに、終焉は近い銀狼しらがを斃さかさまにして、門の格下を覗きこんだ。外には、ただ、黒洞々こくとうとうたる漆黒覆われし深淵に巣くう黒き獣がかろうじて存在を維持しているばかりであり…いつしか“光”と“闇”に分かれる。
参考文献だけど、さすがに個々のフレーバーテキストに入れるのは野暮だし、参考文献書くべきって言ってる人も別にそこまでは求めてないと思うんだよね……。
たとえば、ゲーム内に参考文献を提示するだけの画面を作って(キャラ紹介みたいな感じで)、そこに参考文献を番号を振って並べておいて、フレーバーテキストには「参考①」とだけ書く、ってのはどうや。
詳しく知りたい人は、参考文献リストの①を見てね、って運用にすれば、参考文献を明示することもできるし、フレーバーテキストへの影響も最小限で済むでしょ。
というか、本当に「参考にしただけ」なら、別に書く義務はないし。
引用したのなら引用元は書くべきだけど、たとえば史実を参考にした(文章は自分で作った)とかそういう話なら、娯楽作品に参考文献を書かないことは責められるようなことじゃない。
宮内悠介みたいに巻末にビッチリ参考文献書いてる著者もいるけど、書いたらきちんとしてるなって評価になるだけで、書かなくてもマイナスじゃないから別に書かなくてもええんやで。学術論文じゃないんだから。
引用は引用元を書かないとあかん。これはむしろ史実というよりも文学作品とかで発生しうると思う。有名な文豪や神話の一節を引用したいときとか。
たとえばギルガメッシュやらエルキドゥやらになにかかっこいいこと言わせようとして月本訳を持ってくるなら引用元は書く必要がある。別にそんな難しいことじゃなく、『ギルガメシュ叙事詩』月本昭男訳、岩波書店、1996年、って書いておけば十分。
もちろん、大本のギルガメシュ叙事詩はとっくに著作権が切れてるので、FGOスタッフが自力でアッカド語から現代語に翻訳したのなら「ギルガメシュ叙事詩より」って付け加えるだけでも何ら問題ない。
休みで暇だったのでブクマに挙がっているものを解説しようとしたが、思ったより時間がかかったので途中放置していたのを今日発見したので、MOTTAINAI精神で投稿しておく。推敲はしていない。
「これも いきもののサガ か‥‥」
暇潰しの為にモンスターを世界に放ち、それに抗う人間たちの姿を見て楽しんでいた神に対して、主人公達が戦いを挑んだ際の神のセリフ。
タイトル回収におおっとなるシーンであり、叙事詩と性のダジャレかよとずっこけるシーンでもある。
ラスボス・かみを即死攻撃のチェーンソーもしくはのこぎりで攻撃成功した場合のシステムメッセージ。
設定ミスのため、防御力の高い敵ほど効きやすくなり、ラスボスである神にも即死攻撃が通用してしまう。
まともに戦うとかなり強いうえ、ワープする道具や技を持っていないと鍛えに戻ることもできないため、拾ってなんとなく取っておいたチェーンソーで神をバラバラにして勝利するプレイヤーは多かったと思われる。
たまたまボス固有の撃破演出が真っ二つになる事なのもあって印象深い。
美しい者のみを都市に住まわせ、醜い者・老人・障碍者をジャングルに追放した女神ビーナスへの主人公のセリフ。
「ころしてでも うばいとる」
念願のアイスソード(高価)を手に入れて喜んでいるガラハドに話しかけると表示される選択肢のひとつ。
スーパーファミコン版ではこの選択を選ぶと「な なにをする きさまらー!」のセリフと共に戦闘もなくガラハドを殺してしまい、自分でやっておいて悲し気なBGMが流れるのだが、PS2でのリメイク版である『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』では戦闘になるうえ結構強いため、返り討ちにあうプレイヤーも多数いた。
「アリだー!!」
この襲撃自体よりも、その後しばらくして発生するイベントの方が印象が強いせいか、「アリだー!!」が後のイベントを指す意味で使われることも多い。
「私が町長です」
魔物にいけにえを捧げるのを拒み、主人公達に魔物退治を依頼する……と装って、主人公達を生贄にすべく、いけにえの穴に閉じ込める。
で、魔物(飢えたねずみの群れ)を退治して帰って来た時の第一声がこれである。第一声と書いたが、以降これ以外言わない。
後の作品でもネタとして扱われており、ロマンシングサガ リ・ユニバースでは使用可能なキャラとして登場する。
「じゅもんが ちがいます」
ファミコン版の1と2で、ふっかつのじゅもんの入力間違いの際に表示されるシステムメッセージ。
特に2はじゅもんが長い為、間違っていた場合の精神的ダメージは大きい。
3以降はバッテリーバックアップによるセーブが導入されたが……。
「おきのどくですが ぼうけんのしょ1ばんは きえてしまいました」
おなじみの効果音と共に流れる、ファミコン版3以降でセーブデータが消えた際のシステムメッセージ。
実際にはセーブデータが正しく読めない状態になった場合に発生し、データが破損したと見なしてこの後にデータを消すので、急いで電源を切ってカートリッジを挿しなおせば読み込める場合もあるとか。
「しんでしまうとは なさけない…」
1では「しんでしまうとは なにごとだ!」など、作品やキャラクターごとにセリフが若干異なる。
「ぬわーーっっ!!」
その時点で圧倒的な強さを誇るパパスが、主人公を人質に取られたことにより、為すすべもなく倒される衝撃的なシーンである。
「いいですとも!」
敵として主人公セシルの前に何度も立ちふさがったゴルベーザが正気に戻り、月の民フースーヤと合体魔法を放つ際のセリフ。
敵だった時の悪行とのギャップや、今は亡き笑っていいともの定番台詞「いいとも!」との近似性などから、妙に記憶に残るセリフである。
「あ……えっちい本が落ちてる」
主人公スコールとヒロイン・リノアが思い出作りするための場所に、仲間のアーヴァインが目印として置いていた雑誌を見た時のリノアのセリフ。
水着グラビア程度なのか、R18な内容なのかは不明だが、一目で分かるくらいだから肌色率は高いのだろう。
メインキャラの一人・ジタンを象徴するセリフ。FFの名言の中でも特に好きと言う人も多いだろうが、私は友人のプレイを眺めていただけなので特に思い入れはない。
「『おまえが行くって言ったからさ』」
ジタンがヒロイン・ダガーに「どうして一緒に来てくれたの?」と言われた時に返した言葉。作品内での芝居のセリフからの引用。
ジタンの育ての親で盗賊団首領であるバクーが、メインキャラの一人である堅物騎士のスタイナー(一人称は「自分」)に向けて言ったセリフ。
「駆り立てるのは野心と欲望、横たわるのは犬と豚」
自らの手を汚さずに権力を拡大しようとするロンウェー公爵と、公爵に従い手を汚す騎士レオナールや旧友ヴァイスを、それを良しとしない主人公デニムの立場から見たものと思われる。
平民の義勇兵として戦争に駆り出されたものの、戦後は恩賞も与えられなかったため、盗賊まがいの革命組織となった骸旅団へ向けての一言である。
舞台であるイヴァリースの貴族の考えとしては珍しいものではないが、名言というよりは暴言であろう。
「かがくの ちからって すげー!」
モブキャラのセリフ。このセリフの後、各作品での新機能の解説が続く。
「強いポケモン 弱いポケモン そんなの人の勝手 本当に強いトレーナーなら好きなポケモンで勝てるように頑張るべき」
現実同様に作中世界でもいわゆる強キャラばかり使われる風潮があるのだろうか。
「心じゃよッ!」
小柄な少年ユンがならずもの達に立ち向かった場面で、肉体はお前らの方が強いかもしれないが彼の方が強いという内容の会話の後で。
「サラマンダーより、ずっとはやい!!」
かつて主人公ビュウのサラマンダー(竜)に乗って一緒に空を飛び、結婚について語ったヨヨであったが、敵国の将軍パルパレオスに恋し、彼の竜に一緒に乗った際のもの。
ビュウとヨヨの名前は変更可能であり、自分と好きな女の子の名前にしたプレイヤーの心を殺す。
「人類は何も学ばない」
オープニングの言葉。
『狂皇子』ルカ・ブライトが、命乞いした女に豚の真似をさせた後のセリフ。当然きちんと自らの手で殺す。
突き抜けた悪党のため、悲しい理由のある敵に辟易した一部のユーザーから愛されている。
「待たせたな!」
主人公ソリッド・スネークのキメ台詞、というには若干ネタというかメタな使い方をされている。
「大好きな社長さんのために物件売ってきたのねん!現金たくさんないと倒産こわいもんね!」
お邪魔キャラ貧乏神のセリフ。プレイヤーの物件を勝手に安値で売り払っておいてのこのセリフである。
黒字倒産は怖いから多少の現金は欲しいよなと思わないでもないかもしれないが、このゲームの物件は採算性が高いため、基本的に手放すものではない。
(イヌも ひとも よるは ねるもんだぜ ねろよ!)
ゲーム冒頭の夜のシーンでの、主人公の家の飼い犬のセリフ。主人公はテレパシーで動物の考えが分かる。
「まんめんみ!」
プレイヤーキャラクターであるイカガールの掛け声の一つ。正確な発音と意味は不明だが、よし! やったぜ!というような場面で使われる。
他にも色々ある中、このセリフがよく使われるのは、発音が比較的聞き取りやすいのが原因かもしれない。
「オレサマ オマエ マルカジリ」
「Today is my birthday. The victory sure would be nice!」
ミッション1での、早期警戒管制機スカイアイの空中管制指揮官から主人公へのセリフ。
1年後の敵国首都での戦いでも……。
「ほざいたな こわっぱ!」
「私自らが出る!」
「千年前から好きだった。」
「これはひどい」
セガサターンソフトにも関わらずスーパーファミコン(の中でもセンスの無い作品)のようなグラフィックを見たプレイヤーの心境とシンクロし印象的である。
「うぐぅ」
メインヒロイン、月宮あゆの定番セリフ。基本的には困った時に発する。
「上から来るぞ、気をつけろぉ!」
伝説のクソゲーとして名高いデスクリムゾンのOPムービーでの、主人公・コンバット越前のものと思われるセリフ。
その後の効果音からすると、どうやら爆発物を投下されたらしい。
「せっかくだから俺はこの赤の扉を選ぶぜ」
何がせっかくだからなのか、扉が赤くない(扉の上にある宝石のような物が赤い)、そもそも画面には扉が1つしか映っていない、などツッコミどころが多い。
「コレ、イエジャナーイ! 」
ヒロインの一人、高坂茜の家(段ボール製)を見た主人公のセリフ。
「*いしのなかにいる*」
テレポート系トラップや呪文の使用ミスなどにより、石壁の中にテレポートした際のシステムメッセージ。
苦労して育てたパーティメンバーが蘇生のチャンスも与えられずに即全員ロストし、オートセーブされる。
「かゆい うま」
T-ウイルスに感染し、徐々にゾンビ化していく男性の日記の最後のセリフ。「かゆ うま」は間違い。
「怖気づくと、人は死ぬ」
「オール! ハンデッドガンパレード! オール! ハンデッドガンパレード! 全軍突撃!
たとえ我らが全滅しようともこの戦争、最後の最後に男と女が一人づつ生き残れば我々の勝利だ!
ちなみに、戦っている彼らのほとんどは生殖機能の無いクローン人間である。
「こんな げーむに まじになっちゃって どうするの」
当時としても高難度な(というより何をしたら正解なのか分からない)ゲームをクリアした後にこれである。
「絶望を確認することしかできないかもよ?」「絶望を確認するという希望がある。」
「電車は悲しい…」
オープニングで、レールに沿ってしか動くことができない電車に対して。
「エモノがいたぜ」
敵とエンカウントした際の主人公側のセリフ。何しろ主人公達は魔物なので。
「タフすぎてソンはない」
ゲーム中ではなく、説明書内の言葉。テンゲン社のゲームの説明書は独特な文章で有名。
「Good bye faithful suit.」
自機のAIがパイロットを脱出させ、敵基地に特攻した後に流れるボイス。
主人公の上官・プライス大尉の回想に出てくる、15年前のプライスの上官・マクミラン大尉のセリフ。
突入や全力疾走前の待機中に言う。狙撃成功時の「ビューティフォー」「グーッナイ」も有名。
「密です!」
「透明人間かな?」
「それしかないよな」
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