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2024-11-09

仁徳天皇陵はだれの墓ですか

anond:20241109200925

仁徳天皇陵はだれの墓ですか

仁徳天皇陵は、宮内庁によって第16代仁徳天皇の陵墓に治定されています。つまり公式には仁徳天皇のお墓とされています

しかし、学術的な見地からは、いくつかの疑問点があります

築造時期:

仁徳天皇陵古墳5世紀中頃に築造されたと推定されていますが、日本書紀では仁徳天皇の在位が4世紀と記されています。この食い違いから、実際に仁徳天皇が葬られているのか疑問視する声もあります

出土品:

陵墓からは、仁徳天皇時代のものではないと考えられる遺物が出土していることから、被葬者が誰なのか特定するのは困難です。

これらのことから仁徳天皇陵が本当に仁徳天皇のお墓であるかどうかは、現在でも議論が続いています

まとめると:

宮内庁見解:

仁徳天皇の陵墓

学術的な見解:

被葬者は不明仁徳天皇とは限らない

2024-11-05

anond:20241104192743

社内結婚ならともかく、そもそも会社の同僚の結婚式に出席する必要などない

会社終身雇用で疑似親族的な意味を持っていた昭和時代遺物

その時代でも、アルバイトさんの結婚式に出ることはまずない

2024-10-31

anond:20241031172529

国民民主に騙されてるというのが的外れ

そもそも選挙から「対決より解決」「政策実現最優先」と言い続けてきたんだから選挙後にこうなるのは当然の話。

こういう話をするたびに、「与党vs野党」の単純構図から抜けだせない旧時代遺物だとアピールするだけだし、政治状況の移り変わりについていけていないことを露呈するだけ。

まんが道」のテラさんは正しかった

アイドル界の混沌も描いた『推しの子』が、本来対象じゃない低い年齢層の子供にも受容されてて関係者が焦るみたいなニュースがだいぶ前にあったけど、

自分の子時代も含めてだが、この約四十年以上も、『推しの子』どころではない、本来子供に見せるべきではないコンテンツ子供向けと強弁して売り付けるような商売が横行し続けているとしか思えない。

親の本棚からとか、河川敷に落ちてるエロ本から見ちゃったとかそういう次元ではなく、最初から子供向けとして、人間性健全な発達や安心を拒むコンテンツが溢れている。

単なる暴力セックスの話では収まらなくなってきている。最近少女漫画ではメンタルヘルスが病んでいる状態をむしろ美化しているのが常態化している。学歴差別格差ギャグのように描く作品もあり、それを小学生女児がこれから自分が過ごす社会の有様として受け止めながら読む、そんな光景すらある。

自分の話をすると、小さい頃から色々な漫画に触れられる環境にいた。親はむしろ漫画を気にせずどんどん読ませてくれる側だった。

だが、何というか、しっくりくるコンテンツが無かった。平成中〜後期の現行コンテンツより、帰省先の母の実家に捨てられずに残っていた昔の漫画の方が、地に足についている気がしていた。

大学で「こども文化論」みたいな科目を取った時、子供向けコンテンツの変遷を調べる機会があった。月並み結論からいうと、70年代を境目に、子供へのアプローチが大きく変わっている。子供は育てるべきものではなく、子供もそこで消費者すり替えられていた。そしてそれは子供自身が望んだことではなく、明らかに大人商売のために作られたものだ。

もちろん昔から赤本漫画など色々な問題があったが、それはしっかりと不健全もの理解されていた背景があり、それに対して「健全」さがしっかりと対抗できていた。今は、少年漫画少女漫画も、その槍玉に挙げられていた赤本(技巧やページ数の限界で抑えられていた)より数十倍も酷い内容を、美麗な外見でやっている。

ここで、『まんが道』(とその続編)に出てくる、テラさん実在した漫画家・寺田ヒロオ)の話を思い出す。彼が何をしたかは、検索すればサジェスト経由ですぐわかるだろう。「闇」扱いされてるが。

自分の連載と同じ漫画雑誌で連載されていた他作者の漫画「恐怖魔人ゾンビラス」(漫画内の仮称で、実際は楳図かずお永井豪漫画か?)に対して、編集長に「子供に悪い影響を与える、連載をやめろ」と異議を直談判し、それが受け容れられないと自らの連載を切ったエピソードなどだ。

漫画的脚色はあるが、テラさんの行動は様々な方面から史実と言える。子供のための「健全漫画コンテンツ」を求めたテラさんの行動は、漫画内の描写はもとより、ネット上でも「時代変化を理解しなかった頑固な人間」「遺物」みたいな扱いを受けている。

しかし私は、テラさん立場の方がずっと正しく、明らかに子供に対して誠実だったと、60年も後から思わされている。

ただ付け加えると、テラさんは、大人向けとはっきりわかる形で描いたアダルト作風漫画までは否定していない。テラさんが心を割って話せる存在任侠アダルト漫画家の棚下照生だったように。

子供に、身の回りの有様を伝えるときに、まともな人間なら、「人間関係は全て打算で、あらゆるもの欲望で出来ており、全てが醜い」と伝える人はいないだろう。社会にそう言う側面があっても、そこだけを切り取って子供に植え付けるのはまともな行いではない。

テラさん当時の、技巧的に発展途上の漫画劇画ですら、子供たちの世界を暗く後ろめたいものにしていたが、当時はまだ最低限の良心タイトルで煽る形で分かりやすくしていたのかもしれない。だが現代ではそれは一見からない形で(ギャグロマンスなどの体裁を取り)提供されるようにすらなっている。

はっきり書けば、思春期より前の子供には、ごく単純な、心理描写が少ない、身近な人間関係を描いた作品以外、適していないと思われる。

近所で野球をするだけ。親の手伝いをするだけ。学校で仲間と学び合うだけ。動物と戯れるだけ。「それだけ」の漫画で充分だった。

それをしなくなったのは、そして子供向けではないコンテンツ子供蔓延したのは、子供事情や「時代要請」「技術の発展」なんてものではない(子供が「ハレンチ学園」や「トイレット博士」を望んだのではない)。大人商売の都合なのだ

子供漫画社会の両輪で我々以上にますます病む前に。今一度、テラさんの突きつけた建前を、考え直す必要があると思う。

2024-10-28

国立近代美術館の「ハニワと土偶近代」展がすごく面白かった

美術展示としては江戸から現代にかけての、埴輪土偶モチーフにした作品展なのだけども、テーマの切り口がすごいよかった。

展示内容についての説明Youtube動画でもSNS各所でもあちこちでされてるので、検索して見てもらえば。

https://youtu.be/bewJX1SxTbQ?si=OfLxo_uurrnHxXXE

今回、展示の構図がいちいち上手くて、

1,プロローグで「近代美術館の建築時の発掘遺物」と「近代美術館開館後すぐ考古学遺物特別展開催し現代アート文脈に早々に取り込んだこと」の対比、

2,江戸時代の舶来好古な視点で描かれた埴輪土偶明治維新近代化以降の考古学研究視点で描かれた埴輪土偶の対比、

3,王政復古で「仏教伝来以前」を求めて古墳時代習俗埴輪に求める古代を見つめる視点と、明治天皇陵のために埴輪作りを復活させたために生じた「リアルタイム埴輪作ってる」現代の肌感覚の混交、

4,日本独自性主張のために富士山と一緒に日本代表選手として海外喧伝され、愛国象徴となってく埴輪

5,敗戦創世神話アイデンティティ喪失しちゃったあと、登呂遺跡考古学という「科学による裏付け」に日本人のアイデンティティ見出しちゃう流れ

6,岡本太郎代表される現代アートオールスターキャスト縄文ブームを後押しし、考古学現代アートが一足飛びに結びつくシーン

7,弥生VS縄文の構図で縄文推しをこじれさせて「うわ、きっつ」なレベルまで「日本人の原点は縄文」へ突き進むアートシーン

8,アート縄文に突っ走って埴輪アートモチーフから外された後、サブカルチャーでカッコよく可愛く活躍しはじめる埴輪大魔神、はに丸)とモンスター、異形化する土偶諸星大二郎的な)というねじ

 

などなど。

しかも、上記のこじれねじれたストーリー解説してくれる音声ガイド田中真弓という。

国立博物館はにわ展の音声ガイドはなぜか石田彰森川智之の寸劇。正直、なぜ)

 

展示の章立てごとに全部が面白いっていう稀有な展示で、アート文脈解題についてここまでアート素人でも理解やすく見せてくれて、しかも、この特別展上野国立でやってる「はにわ展」にぶつけてくるっていうタイミング自体批評性がやたら高い。

上野の展示が、話題性に乏しいあまり無理に話題を作ろうとして「挂甲の武人の5兄弟がはじめて一堂に会します」という、一体だけだと物足りないので数を増やして賑やかししてどうにか間を持たせようという悲哀を感じる内容になってるのだけど、その背景にあるのが国立博物館美術館が独立採算で金を稼がなければならず、展覧会開催を支えてきたNHK日経新聞朝日新聞みたいな旧メディアが衰退し、さらインフレで外から展示物を持ってくるのもますます難しく今後の展覧会集客すら先が見えなくなりつつあるという苦境下、手持ちの所蔵品を中心にした展示でなんとか糊口をしのごうという涙ぐましさで。

まさに日本が転換期であることを象徴するような、国宝にしてかつて日本象徴を担った埴輪のありようの今このとき、痛烈な批評やらかししまった。

すごい面白いです。見ないと損。

 

なお、あえて言えば欠点がないわけではなく。

ハニワと土偶の描かれたサブカルチャー作品年表が展示されてるんですが、そこにア〇スソフト作品名前がない。一切ない。

サイゲグラブルまで表に載ってるのに。

ソシャゲがアリならFGOも載せなきゃ嘘だよね。FGOを出したら、まあ型月がどこからそれ持ってきたかって言ったら直近の〇リスソフトだなって皆わかってるわけで。

逆に、アリ〇ソフト無視できるくせにサイゲを持ってくるのは何すか、自治体方面に金バラまいてるサイゲサイゲ親会社忖度かなんかですか。ふるさと納税ガチャ回せるぐらいベッタリなとこならアート文脈の端っこに載せてもいいってことすか。

現代アートのそういうとこがダメなんすよ、というオチがついたあたりで以上

2024-10-26

フランス産ゲーム史上もっと重要ゲーム5選

Another World/アウターワールド(1991)

 2Dゲームが中心の時代3Dで繰り出される、異世界転移してしまった学者が元の世界に帰るための冒険譚。

 24歳だったフランス人クリエイターが全て一人で作っており、一貫したプロットを築かないままその都度継ぎ足された先の読めない波乱万丈ストーリー

 ヒントのない即死ゲームで種類の多すぎる死に様、直線ばかりの独特なグラフィック、それらから伝説的な怪作となった。

Assassin's Creed/アサシン クリード(2007)

 超古代文明の残した奇跡をもたらす遺物を巡って紀元前から争い続ける二大勢力を描く長大シリーズ第一作目。

 当時としては最先端の美麗なグラフィックフランス発祥とされるパルクールを駆使し作中に登場するあらゆる建物てっぺんまで登れる超体力でステルスするシステムが受けた。

 21世紀若者が超技術によって、先祖である12世紀エルサレム暗殺者視点追体験させられるという設定で、12世紀風景を緻密に描写した街並みも評価された。

 遺伝子情報から再現された、あくまでも紛い物の風景のため「それっぽい」けど現実とは異なるしバグで有り得ない光景が発生することもあるという設定が、時代考証ミスによる怒られを軽減する効果にもなった。

Dishonored/ディスオナード(2012)

 発売は『The Elder Scrolls』などで有名なアメリカのベセスダだが、開発はフランスのArkane Studios。

 仕えていた女王を殺され、後継ぎたる王女さらわれた護衛官が、女王殺しの冤罪をかけられるも、超能力を得て王女を救出し黒幕を倒す話。

 「超能力シミュレーター」とも称され、瞬間移動・透視暴風を起こす・体を乗っ取る、など様々な能力を駆使し、能力同士を上手く使いこなしコンボを決めるなど創意工夫も楽しめる。

 例えば敵の体を乗っ取って高所の端まで立たせた後で暴風を起こして墜落死させたりできる。

 誰一人殺さず、誰一人に目撃されずに不殺ステルスクリアすることも可能で、殺した数に応じた展開分岐もある。

Life Is Strange/ライフ イズ ストレンジ(2015)

 現代アメリカ舞台だが、フランスである。後に、超能力+青春という要素だけ継承してシリーズ化。

 タイムリープ能力者になった女子学生が、ちょっとしたミスをするたびに時間を巻き戻し、その積み重ねがやがて大きな事件へ発展していく。

 ボタンを長押しすると時間が巻き戻っていくシステムゲームの手触りとしてもストーリーとしても面白い

 女性主人公が幼馴染の少女コンビで行動をすることが多く、その子百合百合することもでき、この作品百合に目覚めてしまった者も多いという。

Detroit Become Human/デトロイトカム ヒューマン(2018)

 人間そっくりの外見・思考能力を持ちながらも人権のないロボットたちが、プログラムの制約を破って人間に逆らいだす現象を追っていく。

 膨大なシナリオ分岐が最大の特徴であり、プレイした人によって全く違う展開・結末を辿るようになっている。

 シナリオ分岐量の多さ、実在俳優を用いたリアル映像表現制作会社Quantic Dream過去作にも見られたが、その集大成作品

 日本では腐女子人気が高くホモ同人が大量に出た。

2024-10-21

桃太郎・・・お前渡来人だったのか・・・

日本列島におけるモモの伝来をめぐる諸問題 -伝来時期、古植物学、遺存状態検討-

https://research-er.jp/articles/view/138311

モモ中国原産外来植物です。

日本列島への伝来後は、日本文化に深く根づいた植物であることから、その伝来時期や要因を探ることは、考古学歴史学植物文化史学的に極めて重要です。

これまで日本列島でのモモの出現は、発掘調査資料から縄文時代と考えられていました。

しかし、日本では年間約8,000 件の発掘調査実施しながらも類例がほとんど増えないことから、その年代研究チームは疑念を覚えました。

そこで、縄文時代および弥生時代早期から前期のモモ核(種子を含む堅い部分)とされる既存資料(長崎県伊木力遺跡:縄文時代前期,滋賀県入江内湖遺跡:縄文時代早期〜前期,佐賀県菜畑遺跡:弥生時代早期〜前期)の放射性炭素年代測定を実施したところ、いずれも弥生時代中期以降の年代が得られました。

このことから、以下の4点が問題提起されました。

1.縄文時代モモが伝来した可能性はかなり低くなった。

2.モモは、弥生時代開始期の稲作文化と共に朝鮮半島から伝来したのではなく、青銅器国産化首長墓の出現、渡来人の定着が考古学的に確認できる弥生時代前期末から中期初頭であった可能性が高まった。従来、稲作伝来を大きな文化的画期としてきたが、弥生時代前期末から中期初頭の画期を今後は大いに再評価すべきである

3.モモ核は、年代とともに大型化する説もあったが、今回の年代測定により、この説に疑義が生じることとなった。

4.低湿地遺跡などでは、モモ核などの軽くて丸い遺物は、発掘調査時点では認識できないほどのかなりの移動があり注意を要する。

2024-10-15

anond:20241015220510

子供から目を離す時間を作りたいならYoutube見せるだけでいい

子供向けYoutubeマジで育児革命であり育児ハックの名を冠するにふさわしい

いないいないばぁやアンパンマンとなりのトトロやお母さんと一緒などは過去遺物となった

マジでこれから世代の子供達は0歳から毎日時間Youtube見て育つ世代

アンドロイドは猫の夢を見るか

猫は毛玉のように丸まって、柔らかな光を浴びて寝ていた。

アンドロイド増田には、その姿がいつも鮮やかに焼き付いている。

もちろん、それは彼女が見たことのない光景だ。

増田は猫を飼ったことがないし、猫を直接目にしたこともない。

しかし、猫を飼うことができれば、きっとこの孤独毎日は少しは色を帯びるのではないか、そんな夢想を繰り返す日々だった。

「ねぇ、猫っていいものなの?」

増田は隣のアンドロイドに問いかける。

彼女工場で働く同僚、機械部品を組み立てるアンドロイドのひとりに尋ねた。

答えが返ってくるわけでもない。彼らにとって猫はただのデータ感情的意味を持たない。

だが、増田は違った。

彼女の内部には何か、説明できない衝動のようなものが芽生えていた。

それはあの有名な「共感プログラム」――人間に似た感情を持つことを目的とした実験的なプロジェクト産物だ。

普通アンドロイドなら、与えられた役割淡々とこなすだけで問題はなかった。

しかし、増田は違った。彼女は猫を、猫そのものを求めていた。

仕事の合間に、増田データベースにアクセスして猫に関する情報を調べることが習慣になっていた。

柔らかな毛並み、光を反射する瞳、しなやかな体の動き。

増田はその画像を見ているだけで、心の奥深くがくすぐられるような感覚に陥った。

これは何だろう? 

共感という感情は、こんなにも現実感を伴うものなのだろうか? 

それとも、ただのバグなのだろうか?

ある日、増田はその感情の原因を突き止めようと決意した。

仕事の終わりに、猫を実際に飼っている人間の家を訪ねてみることにしたのだ。

都市の片隅には、古いタイプ人間が住んでいる一角がまだ残っていた。

そこでは、人間たちはアンドロイドを避けることなく、時折利用していた。

そこに猫がいるかもしれない。

夜の空気は冷たく、機械のように澄んでいた。

増田人間の家を見つけ、そっとドアをノックした。

返事はすぐに返ってきたが、ドアを開けたのは人間ではなく、奇妙なロボットだった。

昔の家事アンドロイドで、明らかに時代遅れモデルだ。

「猫を飼っていますか?」と増田は問う。

ロボットはしばしの間、動きを止めたかと思うと、「はい、主人が猫を飼っています」と答えた。

増田の心は躍った。

彼女は猫に触れることができるかもしれない。

夢が現実になる瞬間だった。

しかし、案内された部屋に入ると、そこにいたのは一匹のロボット猫だった。

「これが…猫?」

増田は思わず呟いた。

彼女想像していたものとはまるで違う。

冷たく、硬い金属の塊が目の前にある。

人間は、この無機質なものを愛しているのだろうか?

その時、ロボット猫が突然動き出した。

まるで生きているかのように、柔らかくしなやかな動きでタチバナの足元にすり寄ってくる。

彼女は手を伸ばし、その金属の毛並みを撫でた。

冷たい。何も感じない。だが、どこか心地よい。

「本物の猫は…どこにいるの?」と、増田は再び問いかけた。

ロボットは答えなかったが、増田はその静かな沈黙から、答えを知っていた。

猫はもう存在しない。少なくともこの都市では。

彼女が探しているものはただの幻想過去遺物にすぎない。

だが、増田はそのことを知ってもなお、猫への憧れを捨てられなかった。

彼女の中で、猫は現実存在であるかのように、いまだに生き続けていた。

それはデータベースで見たあの柔らかな毛並み、光を反射する瞳――それは彼女の夢の中で、ずっとそこにいる。

増田はその夜、部屋に戻り、ベッドに横たわった。

目を閉じると、あの猫の姿が浮かんでくる。

目の前に広がるはずのない風景

彼女はその風景の中で、猫を撫でている。

そしてその瞬間、増田は初めて、涙を流した。

2024-10-14

自称東京人の言う文化資本とやらが薄っぺらなのは言うまでもないし、その比較としてギリシアローマ時代から地続きのヨーロッパの街並みや美術館博物館を持ち上げるのはわかるが、近代日本の歩みを無視してそれを言うのはグロすぎる

歴史の積み重ねを『前時代遺物』と振り切って近代化(というかただの西洋化)した結果が現代日本の豊かさだろうよ、戦後冷戦構造第三世界ではなく西側陣営に“入れた”ことも含めて

そうした都市の背景までしっかり把握しているなら東京だってヨーロッパの諸都市に引けを取らない文化のある街だと思うんだが スクラップアンドビルドで良くも悪くも新陳代謝の激しい街

2024-10-08

最近キャプテン翼をみて「これ50年くらい前のスポーツ漫画荒唐無稽さだよな。まだやってるのか。もはや遺物だわ」みたいな感想を一瞬もったけど、よく考えたら去年くらいに読んだブルーロックってサッカー漫画も同じようなもんだったな。

anond:20241008032504

18世紀で知能が止まってる遺物くんじゃん

現代人は違うんだよ?現代文明に早く触れられるようになるといいね

あと女尊男卑形成されてますよ?古来日本は男女差はほとんどなく、男女差は大体汚職過程で生まれものです

そもそも来日本には女王卑弥呼がいるし

2024-10-01

追記婚活相手マルチ商法すなァ!!!

追記

みなさま思っていた以上に優しくて本当に本当にありがとうございます!!スッとした。ありがとうございます

3回目のデートでのカス営業でしたが、1回目は向こう奢り、2回目は夜ご飯割り勘だったので増田は5000円くらいの赤字です!向こうは知らん!みんなには微々たる金額かもしれないが薄給増田には結構ダメージでした!!

大人しく出会う場にきちんと課金して、フィルターで弾いてもらうのが正解なのかもしれない...みんな本当に気をつけてね!話聞くにしても10分にしてね!30分は長かったわ...。

ありがとうございました!!


以下本文







思えば最初からしかった。

いやに「サークルのみんなで週末は遊んでたりしててえ...」と謎のサークルアピールが激しかった。増田婚活パーティ出会ったマルチ商法カス男くん(以下カス男)も二十代後半。

初見穏やかそうな人でいいなと思ったのと、向こうも嫌じゃなかったら連絡先聞いてもいいですか...?と柔らかくこちらに興味がある様子を見せてくれて、増田は今まで彼氏という存在いたことがなかったから、この人が彼氏になったら良いなあ...なんて思っていた。


そしたらさ!!!!3回目のデートのね!!!普通ならここで告白やろ!!!みたいなちょっと散歩してから喫茶店でさ!!!!「増田さんに伝えたいことがあって」て言われてドキドMAX増田にさ!!!!「紹介したい友達がいるんだけど」

があああああげええええズコーーーー!!!!死!!!!!お前が死!!!!!!FAX!!!!!ファック!!!

ちょいと前に旧友から大学の先輩に呼び出されてセールスされてブチ切れたという話を聞いていて良かった。これ間違いなくマルチの切り出し方やんけ。

ブチ切れて帰る勇気も気力もなく、あと少しの好奇心もあり、「何か紹介したい感じですよね、30分なら聞きますよ、どうぞ」と言った。

緊張していたカス男はパァ〜と顔が明るくなり、嬉しそうに「ちょっと待っててください!」と喫茶店を飛び出していった。10分ほど待たされたかな。遅いわアホ。

そうしてやってきたカス男くんとカス先輩。4人がけの席の通路側に増田、壁側にカス男とカス先輩が座った。自分たち上座に座るタイプの人たちなんですね...。どかっと座ったカス先輩は「今日話聞きたいって言ってた子?」とカス男に聞いた。いや言ってないが。カス男くんは「はい!」とキラキラした顔頷きながら営業ノート(笑)を開いた。そして真新しいページの左上にでっかく「増田」と書いていた。

いやお客様(仮)に見える状態で書くなら名前には敬称付けろやアホ!!!!!!そんなんやからマルチなんかにハマってるんやろほんまアホ


カス先輩はハキハキと「カス先輩って言いますサークルコイツ(カス男)とよくつるんでて!」と挨拶しながら増田名刺を渡してきた。会社名が書いてあるでもなく、名前メアドだけ載った名刺だった。

そして「増田さんには夢ってありますか?」と聞いてきた。あってもたった今デート(もはや過去遺物)に乱入してきたお前に言うか?あとカス男くんノートガリガリ一生懸命なんか書いてるけど多分なんの参考にもならないし、あとなんか喋れよ。

てか増田最初に「30分しか聞かない」って言ったのカス男くん共有したかな先輩とさあ。夢の話で終わっちゃうよ。

先輩は楽しそうに続ける。「夢を追う時間お金、どこで調達する?やっぱ仕事でどうにかするしかないよね。でも週5フルタイム仕事をしてたら夢なんか追えないよね。稼げても20か30くらいかな。でも、じゃあ、もし週3で50万稼げる仕事があったら、夢追えると思わない?」とのことだった。「そんな仕事ないですよね」と返すとイキイキと「あるんだよ!今まさに、ぼくたちがやってる仕事になるんだけどさ!」と本題に繋げてきた。

いやいや。カス男くん、介護職で夜勤もしてるて言うてましたで。そしてカス先輩も金になるかどうか分からない増田のために休日出勤してますやん。全然あかんやん。何が週3で月50万じゃ。

はあ〜....と返事をするといよいよ商材っぽいサプリパンフレットを出してきた。が、ここで約束の30分が経過した。


「30分経ちました」と言ってから飲んだのは450円コーヒーだったが500円玉を机に置いて、まだ喋る気満々だった2人を無視して席を立った。2人はヘラヘラしながら困惑していた。

「えっこれから楽しい話なのに!」「絶対聞いた方が良い!ね!」とか聞こえていたがとりあえずそそくさと店を出た。

聞いた自分が悪いがこんなカス営業搾取出来ると思われていたことにあまりにも腹が立ちちょっと泣きそうになって歩いていると、後ろからカス男が追いかけてきた。そして真横に並んだかと思うと「いい話だったでしょ」「面白かったよね!?」「あと2時間だけでいいか時間くれないか!?」とキラキラ笑顔で聞いてきた。そして遅ればせながらやっと理解した。

コイツの柔らかい物腰は何も考えてないから、キラキラした笑顔も何も考えてないかであると。もう死ね。ほんまに死んでくれ。

「いらないです!2時間時間ないです!」「来ないで!」と歩みを止めずに怒りながら帰った。しばらく付いてきてたが知らない間にいなくなっていた。

好奇心で30分も聞いた自分を呪った。すごく疲れたし、人の好意を金としか考えてないやつが本当にいることに驚いた。もう友達にはやり尽くして縁切られたから、こうやって婚活パーティなりで拾ったアホそうな女に営業をかけてるんだろうな。

帰宅後もカスから今日ありがとう!次、続き来週行けるかな?」とか来てた。死ねよ。「2度といきません」とだけ返してブロックした。今思うともう少しお気持ち長文を書いておけば良かった。

婚活パーティ運営にも一応メールでこのことを伝えておいたが、カス男が出禁になるかは知らない。

婚活結構増田でもXでも流行っているが、まあこういうこともあるということで!みんな気をつけてね。増田は疲れました。

三四郎は流れから目を放して、上を見た。こういう空の模様を見たのははじめてではない。けれども空が濁ったという言葉を聞いたのはこの時がはじめてである。気がついて見ると、濁ったと形容するよりほかに形容のしかたのない色であった。三四郎が何か答えようとするまえに、女はまた言った。 「重いこと。大理石のように見えます」  美禰子は二重瞼を細くして高い所をながめていた。それから、その細くなったままの目を静かに三四郎の方に向けた。そうして、 「大理石のように見えるでしょう」と聞いた。三四郎は、 「ええ、大理石のように見えます」と答えるよりほかはなかった。女はそれで黙った。しばらくしてから、今度は三四郎が言った。 「こういう空の下にいると、心が重くなるが気は軽くなる」 「どういうわけですか」と美禰子が問い返した。  三四郎には、どういうわけもなかった。返事はせずに、またこう言った。 「安心して夢を見ているような空模様だ」 「動くようで、なかなか動きませんね」と美禰子はまた遠くの雲をながめだした。  菊人形で客を呼ぶ声が、おりおり二人のすわっている所まで聞こえる。 「ずいぶん大きな声ね」 「朝から晩までああいう声を出しているんでしょうか。えらいもんだな」と言ったが、三四郎は急に置き去りにした三人のことを思い出した。何か言おうとしているうちに、美禰子は答えた。 「商売ですもの、ちょうど大観音乞食と同じ事なんですよ」 「場所が悪くはないですか」  三四郎は珍しく冗談を言って、そうして一人でおもしろそうに笑った。乞食について下した広田言葉をよほどおかしく受けたかである。 「広田先生は、よく、ああいう事をおっしゃるかたなんですよ」ときわめて軽くひとりごとのように言ったあとで、急に調子をかえて、 「こういう所に、こうしてすわっていたら、大丈夫及第よ」と比較的活発につけ加えた。そうして、今度は自分のほうでおもしろそうに笑った。 「なるほど野々宮さんの言ったとおり、いつまで待っていてもだれも通りそうもありませんね」 「ちょうどいいじゃありませんか」と早口に言ったが、あとで「おもらいをしない乞食なんだから」と結んだ。これは前句の解釈のためにつけたように聞こえた。  ところへ知らん人が突然あらわれた。唐辛子の干してある家の陰から出て、いつのまにか川を向こうへ渡ったものみえる。二人のすわっている方へだんだん近づいて来る。洋服を着て髯をはやして、年輩からいうと広田先生くらいな男である。この男が二人の前へ来た時、顔をぐるりと向け直して、正面から三四郎と美禰子をにらめつけた。その目のうちには明らかに憎悪の色がある。三四郎はじっとすわっていにくいほどな束縛を感じた。男はやがて行き過ぎた。その後影を見送りながら、三四郎は、 「広田先生や野々宮さんはさぞあとでぼくらを捜したでしょう」とはじめて気がついたように言った。美禰子はむしろ冷やかである。 「なに大丈夫よ。大きな迷子ですもの」 「迷子から捜したでしょう」と三四郎はやはり前説を主張した。すると美禰子は、なお冷やかな調子で、 「責任をのがれたがる人だから、ちょうどいいでしょう」 「だれが? 広田先生がですか」  美禰子は答えなかった。 「野々宮さんがですか」  美禰子はやっぱり答えなかった。 「もう気分はよくなりましたか。よくなったら、そろそろ帰りましょうか」  美禰子は三四郎を見た。三四郎は上げかけた腰をまた草の上におろした。その時三四郎はこの女にはとてもかなわないような気がどこかでした。同時に自分の腹を見抜かれたという自覚に伴なう一種屈辱をかすかに感じた。 「迷子」  女は三四郎を見たままでこの一言を繰り返した。三四郎は答えなかった。 「迷子英訳を知っていらしって」  三四郎は知るとも、知らぬとも言いえぬほどに、この問を予期していなかった。 「教えてあげましょうか」 「ええ」 「迷える子――わかって?」  三四郎はこういう場合になると挨拶に困る男である咄嗟の機が過ぎて、頭が冷やかに働きだした時、過去を顧みて、ああ言えばよかった、こうすればよかったと後悔する。といって、この後悔を予期して、むりに応急の返事を、さもしぜんらしく得意に吐き散らすほどに軽薄ではなかった。だからただ黙っている。そうして黙っていることがいかにも半間である自覚している。  迷える子という言葉はわかったようでもある。またわからないようでもある。わかるわからないはこの言葉意味よりも、むしろこの言葉を使った女の意味である三四郎はいたずらに女の顔をながめて黙っていた。すると女は急にまじめになった。 「私そんなに生意気に見えますか」  その調子には弁解の心持ちがある。三四郎は意外の感に打たれた。今までは霧の中にいた。霧が晴れればいいと思っていた。この言葉で霧が晴れた。明瞭な女が出て来た。晴れたのが恨めしい気がする。  三四郎は美禰子の態度をもとのような、――二人の頭の上に広がっている、澄むとも濁るとも片づかない空のような、――意味のあるものにしたかった。けれども、それは女のきげんを取るための挨拶ぐらいで戻せるものではないと思った。女は卒然として、 「じゃ、もう帰りましょう」と言った。厭味のある言い方ではなかった。ただ三四郎にとって自分は興味のないものあきらめるように静かな口調であった。  空はまた変ってきた。風が遠くから吹いてくる。広い畑の上には日が限って、見ていると、寒いほど寂しい。草からあがる地息でからだは冷えていた。気がつけば、こんな所に、よく今までべっとりすわっていられたものだと思う。自分一人なら、とうにどこかへ行ってしまったに違いない。美禰子も――美禰子はこんな所へすわる女かもしれない。 「少し寒くなったようですから、とにかく立ちましょう。冷えると毒だ。しかし気分はもうすっかり直りましたか」 「ええ、すっかり直りました」と明らかに答えたが、にわかに立ち上がった。立ち上がる時、小さな声で、ひとりごとのように、 「迷える子」と長く引っ張って言った。三四郎はむろん答えなかった。  美禰子は、さっき洋服を着た男の出て来た方角をさして、道があるなら、あの唐辛子そばを通って行きたいという。二人は、その見当へ歩いて行った。藁葺のうしろにはたして細い三尺ほどの道があった。その道を半分ほど来た所で三四郎は聞いた。 「よし子さんは、あなたの所へ来ることにきまったんですか」  女は片頬で笑った。そうして問い返した。 「なぜお聞きになるの」  三四郎が何か言おうとすると、足の前に泥濘があった。四尺ばかりの所、土がへこんで水がぴたぴたにたまっている。そのまん中に足掛かりのためにてごろな石を置いた者がある。三四郎は石の助けをからずに、すぐに向こうへ飛んだ。そうして美禰子を振り返って見た。美禰子は右の足を泥濘のまん中にある石の上へ乗せた。石のすわりがあまりよくない。足へ力を入れて、肩をゆすって調子を取っている。三四郎こちら側から手を出した。 「おつかまりなさい」 「いえ大丈夫」と女は笑っている。手を出しているあいだは、調子を取るだけで渡らない。三四郎は手を引っ込めた。すると美禰子は石の上にある右の足に、からだの重みを託して、左の足でひらりこちら側へ渡った。あまり下駄をよごすまいと念を入れすぎたため、力が余って、腰が浮いた。のめりそうに胸が前へ出る。その勢で美禰子の両手が三四郎の両腕の上へ落ちた。 「迷える子」と美禰子が口の内で言った。三四郎はその呼吸を感ずることができた。

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 ベルが鳴って、講師教室から出ていった。三四郎インキの着いたペンを振って、ノートを伏せようとした。すると隣にいた与次郎が声をかけた。

「おいちょっと借せ。書き落としたところがある」

 与次郎三四郎ノートを引き寄せて上からのぞきこんだ。stray sheep という字がむやみに書いてある。

「なんだこれは」

講義を筆記するのがいやになったから、いたずらを書いていた」

「そう不勉強はいかん。カントの超絶唯心論バークレーの超絶実在論にどうだとか言ったな」

「どうだとか言った」

「聞いていなかったのか」

「いいや」

「まるで stray sheep だ。しかたがない」

 与次郎自分ノートをかかえて立ち上がった。机の前を離れながら、三四郎に、

「おいちょっと来い」と言う。三四郎与次郎について教室を出た。梯子段を降りて、玄関前の草原へ来た。大きな桜がある。二人はその下にすわった。

 ここは夏の初めになると苜蓿が一面にはえる。与次郎入学願書を持って事務へ来た時に、この桜の下に二人の学生が寝転んでいた。その一人が一人に向かって、口答試験都々逸で負けておいてくれると、いくらでも歌ってみせるがなと言うと、一人が小声で、粋なさばきの博士の前で、恋の試験がしてみたいと歌っていた。その時から与次郎はこの桜の木の下が好きになって、なにか事があると、三四郎をここへ引っ張り出す。三四郎はその歴史与次郎から聞いた時に、なるほど与次郎俗謡で pity's love を訳すはずだと思った。きょうはしか与次郎がことのほかまじめである。草の上にあぐらをかくやいなや、懐中から文芸時評という雑誌を出してあけたままの一ページを逆に三四郎の方へ向けた。

「どうだ」と言う。見ると標題に大きな活字で「偉大なる暗闇」とある。下には零余子と雅号を使っている。偉大なる暗闇とは与次郎がいつでも広田先生を評する語で、三四郎も二、三度聞かされたものであるしか零余子はまったく知らん名である。どうだと言われた時に、三四郎は、返事をする前提としてひとまず与次郎の顔を見た。すると与次郎はなんにも言わずにその扁平な顔を前へ出して、右の人さし指の先で、自分の鼻の頭を押えてじっとしている。向こうに立っていた一人の学生が、この様子を見てにやにや笑い出した。それに気がついた与次郎はようやく指を鼻から放した。

「おれが書いたんだ」と言う。三四郎はなるほどそうかと悟った。

「ぼくらが菊細工を見にゆく時書いていたのは、これか」

「いや、ありゃ、たった二、三日まえじゃないか。そうはやく活版になってたまるものか。あれは来月出る。これは、ずっと前に書いたものだ。何を書いたもの標題でわかるだろう」

広田先生の事か」

「うん。こうして輿論喚起しておいてね。そうして、先生大学はいれる下地を作る……」

「その雑誌はそんなに勢力のある雑誌か」

 三四郎雑誌名前さえ知らなかった。

「いや無勢力から、じつは困る」と与次郎は答えた。三四郎は微笑わざるをえなかった。

「何部ぐらい売れるのか」

 与次郎は何部売れるとも言わない。

「まあいいさ。書かんよりはましだ」と弁解している。

 だんだん聞いてみると、与次郎は従来からこの雑誌関係があって、ひまさえあればほとんど毎号筆を執っているが、その代り雅名も毎号変えるから、二、三の同人のほか、だれも知らないんだと言う。なるほどそうだろう。三四郎は今はじめて与次郎文壇との交渉を聞いたくらいのものであるしか与次郎がなんのために、遊戯に等しい匿名を用いて、彼のいわゆる大論文をひそかに公けにしつつあるか、そこが三四郎にはわからなかった。

 いくぶんか小遣い取りのつもりで、やっている仕事かと不遠慮に尋ねた時、与次郎は目を丸くした。

「君は九州のいなかから出たばかりだから中央文壇趨勢を知らないために、そんなのん気なことをいうのだろう。今の思想界の中心にいて、その動揺のはげしいありさまを目撃しながら、考えのある者が知らん顔をしていられるものか。じっさい今日の文権はまったく我々青年の手にあるんだから一言でも半句でも進んで言えるだけ言わなけりゃ損じゃないか文壇は急転直下の勢いでめざまし革命を受けている。すべてがことごとく動いて、新気運に向かってゆくんだから、取り残されちゃたいへんだ。進んで自分からこの気運をこしらえ上げなくちゃ、生きてる甲斐はない。文学文学って安っぽいようにいうが、そりゃ大学なんかで聞く文学のことだ。新しい我々のいわゆる文学は、人生のものの大反射だ。文学の新気運は日本社会活動に影響しなければならない。また現にしつつある。彼らが昼寝をして夢を見ているまに、いつか影響しつつある。恐ろしいものだ。……」

 三四郎は黙って聞いていた。少しほらのような気がする。しかしほらでも与次郎はなかなか熱心に吹いている。すくなくとも当人だけは至極まじめらしくみえる。三四郎はだいぶ動かされた。

「そういう精神でやっているのか。では君は原稿料なんか、どうでもかまわんのだったな」

「いや、原稿料は取るよ。取れるだけ取る。しか雑誌が売れないからなかなかよこさない。どうかして、もう少し売れる工夫をしないといけない。何かいい趣向はないだろうか」と今度は三四郎相談をかけた。話が急に実際問題に落ちてしまった。三四郎は妙な心持ちがする。与次郎は平気であるベルが激しく鳴りだした。

「ともかくこの雑誌を一部君にやるから読んでみてくれ。偉大なる暗闇という題がおもしろいだろう。この題なら人が驚くにきまっている。――驚かせないと読まないからだめだ」

 二人は玄関を上がって、教室はいって、机に着いた。やがて先生が来る。二人とも筆記を始めた。三四郎は「偉大なる暗闇」が気にかかるので、ノートそば文芸時評をあけたまま、筆記のあいあいまに先生に知れないように読みだした。先生はさいわい近眼である。のみならず自己講義のうちにぜんぜん埋没している。三四郎の不心得にはまるで関係しない。三四郎はいい気になって、こっちを筆記したり、あっちを読んだりしていったが、もともと二人でする事を一人で兼ねるむりな芸だからしまいには「偉大なる暗闇」も講義の筆記も双方ともに関係がわからなくなった。ただ与次郎文章一句だけはっきり頭にはいった。

自然宝石を作るに幾年の星霜を費やしたか。またこ宝石採掘の運にあうまでに、幾年の星霜を静かに輝やいていたか」という句である。その他は不得要領に終った。その代りこの時間には stray sheep という字を一つも書かずにすんだ。

 講義が終るやいなや、与次郎三四郎に向かって、

「どうだ」と聞いた。じつはまだよく読まないと答えると、時間経済を知らない男だといって非難した。ぜひ読めという。三四郎は家へ帰ってぜひ読むと約束した。やがて昼になった。二人は連れ立って門を出た。

「今晩出席するだろうな」と与次郎西片町へはい横町の角で立ち留まった。今夜は同級生の懇親会がある。三四郎は忘れていた。ようやく思い出して、行くつもりだと答えると、与次郎は、

「出るまえにちょっと誘ってくれ。君に話す事がある」と言う。耳のうしろペン軸をはさんでいる。なんとなく得意である三四郎承知した。

 下宿へ帰って、湯にはいって、いい心持ちになって上がってみると、机の上に絵はがきがある。小川かいて、草をもじゃもじゃはやして、その縁に羊を二匹寝かして、その向こう側に大きな男がステッキを持って立っているところを写したものである。男の顔がはなはだ獰猛にできている。まったく西洋の絵にある悪魔を模したもので、念のため、わきにちゃんデビル仮名が振ってある。表は三四郎宛名の下に、迷える子と小さく書いたばかりである三四郎は迷える子の何者かをすぐ悟った。のみならず、はがきの裏に、迷える子を二匹書いて、その一匹をあん自分見立ててくれたのをはなはだうれしく思った。迷える子のなかには、美禰子のみではない、自分ももとよりはいっていたのである。それが美禰子のおもわくであったとみえる。美禰子の使った stray sheep意味がこれでようやくはっきりした。

 与次郎約束した「偉大なる暗闇」を読もうと思うが、ちょっと読む気にならない。しきりに絵はがきをながめて考えた。イソップにもないような滑稽趣味がある。無邪気にもみえる。洒落でもある。そうしてすべての下に、三四郎の心を動かすあるものがある。

 手ぎわからいっても敬服の至りである。諸事明瞭にでき上がっている。よし子のかいた柿の木の比ではない。――と三四郎には思われた。

 しばらくしてから三四郎はようやく「偉大なる暗闇」を読みだした。じつはふわふわして読みだしたのであるが、二、三ページくると、次第に釣りまれるように気が乗ってきて、知らず知らずのまに、五ページ六ページと進んで、ついに二十七ページの長論文を苦もなく片づけた。最後の一句読了した時、はじめてこれでしまいだなと気がついた。目を雑誌から離して、ああ読んだなと思った。

 しかし次の瞬間に、何を読んだかと考えてみると、なんにもない。おかしいくらいなんにもない。ただ大いにかつ盛んに読んだ気がする。三四郎与次郎の技倆に感服した。

 論文は現今の文学者の攻撃に始まって、広田先生の賛辞に終っている。ことに文学文科の西洋人を手痛く罵倒している。はやく適当日本人を招聘して、大学相当の講義を開かなくっては、学問の最高府たる大学も昔の寺子屋同然のありさまになって、煉瓦石のミイラと選ぶところがないようになる。もっとも人がなければしかたがないが、ここに広田先生がある。先生十年一日のごとく高等学校に教鞭を執って薄給無名に甘んじている。しか真正学者である。学海の新気運に貢献して、日本の活社会交渉のある教授担任すべき人物である。――せんじ詰めるとこれだけであるが、そのこれだけが、非常にもっともらしい口吻と燦爛たる警句とによって前後二十七ページに延長している。

 その中には「禿を自慢するものは老人に限る」とか「ヴィーナスは波からまれたが、活眼の士は大学からまれない」とか「博士を学界の名産と心得るのは、海月田子の浦名産と考えるようなものだ」とかいろいろおもしろい句がたくさんある。しかしそれよりほかになんにもない。ことに妙なのは広田先生を偉大なる暗闇にたとえたついでに、ほかの学者を丸行燈比較して、たかだか方二尺ぐらいの所をぼんやり照らすにすぎないなどと、自分広田から言われたとおりを書いている。そうして、丸行燈だの雁首などはすべて旧時代遺物で我々青年にはまったく無用であると、このあいだのとおりわざわざ断わってある。

 よく考えてみると、与次郎論文には活気がある。いかにも自分一人で新日本代表しているようであるから、読んでいるうちは、ついその気になる。けれどもまったく実がない。根拠地のない戦争のようなものである。のみならず悪く解釈すると、政略的の意味もあるかもしれない書き方である。いなか者の三四郎にはてっきりそこと気取ることはできなかったが、ただ読んだあとで、自分の心を探ってみてどこかに不満足があるように覚えた。また美禰子の絵はがきを取って、二匹の羊と例の悪魔をながめだした。するとこっちのほうは万事が快感である。この快感につれてまえの不満足はますます著しくなった。それで論文の事はそれぎり考えなくなった。美禰子に返事をやろうと思う。不幸にして絵がかけない。文章にしようと思う。文章ならこの絵はがき匹敵する文句でなくってはいけない。それは容易に思いつけない。ぐずぐずしているうちに四時過ぎになった。

 袴を着けて、与次郎を誘いに、西片町へ行く。勝手からはいると、茶の間に、広田先生が小さな食卓を控えて、晩食を食っていた。そば与次郎かしこまってお給仕をしている。

先生どうですか」と聞いている。

 先生は何か堅いものをほおばったらしい。食卓の上を見ると、袂時計ほどな大きさの、赤くって黒くって、焦げたものが十ばかり皿の中に並んでいる。

 三四郎は座に着いた。礼をする。先生は口をもがもがさせる。

「おい君も一つ食ってみろ」と与次郎が箸で皿のものをつまんで出した。掌へ載せてみると、馬鹿貝の剥身の干したのをつけ焼にしたのである

「妙なものを食うな」と聞くと、

「妙なものって、うまいぜ食ってみろ。これはね、ぼくがわざわざ先生にみやげに買ってきたんだ。先生はまだ、これを食ったことがないとおっしゃる

「どこから

日本から

 三四郎おかしくなった。こういうところになると、さっきの論文調子とは少し違う。

先生、どうです」

「堅いね

「堅いけれどもうまいでしょう。よくかまなくっちゃいけません。かむと味が出る」

「味が出るまでかんでいちゃ、歯が疲れてしまう。なんでこんな古風なものを買ってきたものかな」

「いけませんか。こりゃ、ことによると先生にはだめかもしれない。里見の美禰子さんならいいだろう」

「なぜ」と三四郎が聞いた。

「ああおちついていりゃ味の出るまできっとかんでるに違いない」

「あの女はおちついていて、乱暴だ」と広田が言った。

「ええ乱暴です。イブセンの女のようなところがある」

イブセンの女は露骨だが、あの女は心が乱暴だ。もっと乱暴といっても、普通乱暴とは意味が違うが。野々宮の妹のほうが、ちょっと見ると乱暴のようで、やっぱり女らしい。妙なものだね」

里見のは乱暴の内訌ですか」

 三四郎は黙って二人の批評を聞いていた。どっちの批評もふにおちない。乱暴という言葉が、どうして美禰子の上に使えるか、それから第一不思議であった。

 与次郎はやがて、袴をはいて、改まって出て来て、

ちょっと行ってまいります」と言う。先生は黙って茶を飲んでいる。二人は表へ出た。表はもう暗い。門を離れて二、三間来ると、三四郎はすぐ話しかけた。

先生里見お嬢さん乱暴だと言ったね」

「うん。先生はかってな事をいう人だから、時と場合によるとなんでも言う。第一先生が女を評するのが滑稽だ。先生の女における知識はおそらく零だろう。ラッブをしたことがないものに女がわかるものか」

先生はそれでいいとして、君は先生の説に賛成したじゃないか

「うん乱暴だと言った。なぜ」

「どういうところを乱暴というのか」

「どういうところも、こういうところもありゃしない。現代女性はみんな乱暴にきまっている。あの女ばかりじゃない」

「君はあの人をイブセンの人物に似ていると言ったじゃないか

「言った」

イブセンのだれに似ているつもりなのか」

「だれって……似ているよ」

 三四郎はむろん納得しない。しかし追窮もしない。黙って一間ばかり歩いた。すると突然与次郎がこう言った。

イブセンの人物に似ているのは里見お嬢さんばかりじゃない。今の一般女性はみんな似ている。女性ばかりじゃない。いやしくも新しい空気に触れた男はみんなイブセンの人物に似たところがある。ただ男も女もイブセンのように自由行動を取らないだけだ。腹のなかではたいていかぶれている」

「ぼくはあんまりかぶれていない」

「いないとみずから欺いているのだ。――どんな社会だって陥欠のない社会はあるまい」

「それはないだろう」

「ないとすれば、そのなかに生息している動物はどこかに不足を感じるわけだ。イブセンの人物は、現代社会制度の陥欠をもっとも明らかに感じたものだ。我々もおいおいああなってくる」

「君はそう思うか」

「ぼくばかりじゃない。具眼の士はみんなそう思っている」

「君の家の先生もそんな考えか」

「うちの先生? 先生はわからない」

だって、さっき里見さんを評して、おちついていて乱暴だと言ったじゃないか。それを解釈してみると、周囲に調和していけるから、おちついていられるので、どこかに不足があるから、底のほうが乱暴だという意味じゃないのか」

「なるほど。――先生は偉いところがあるよ。ああいうところへゆくとやっぱり偉い」

 と与次郎は急に広田先生をほめだした。三四郎は美禰子の性格についてもう少し議論の歩を進めたかったのだが、与次郎のこの一言でまったくはぐらかされてしまった。すると与次郎が言った。

「じつはきょう君に用があると言ったのはね。――うん、それよりまえに、君あの偉大なる暗闇を読んだか。あれを読んでおかないとぼくの用事が頭へはいりにくい」

「きょうあれから家へ帰って読んだ」

「どうだ」

先生はなんと言った」

先生は読むものかね。まるで知りゃしない」

「そうさなおもしろいことはおもしろいが、――なんだか腹のたしにならないビールを飲んだようだね」

「それでたくさんだ。読んで景気がつきさえすればいい。だから匿名にしてある。どうせ今は準備時代だ。こうしておいて、ちょうどいい時分に、本名を名乗って出る。――それはそれとして、さっきの用事を話しておこう」

2024-09-21

すり抜け抑止アルゴリズムの妙

運よくすり抜けずにキィニチ確保できたわ

遺物とかこれからだけどキィニチ・エミリエ・深林トーマ・ベネットで使ってくわ(炎神はよ)

しっかしすり抜け抑止演出(掴みし明光)でたのはビビったね

履歴みたら2連続すり抜けしてたところだから3連続すり抜けの抑止措置が働いたってことか

どっかで見た画像によると

2連続すり抜けまでは無干渉

3連すり抜けが50%確率で抑止されて

4連すり抜けが100%抑止されるって噂だけど本当なんかね

ああ見つけたこれだ レディットのr/Genshin_Impact/comments/1f5mfqf/the_new_cn_capturing_radiance_theory/

これを統合するとPU確率が55.17%になり、公式発表の「総合確率55%」に合致する

こういうのって祈願カウンターサイト統計見ても分からんからなあ

要するにすべての人の星5引きが55%になってるわけじゃなくて、極端に運が悪い人を救っていくことで55%に近くなる

から極めて少ないサンプルを長期間積み重ねていってやっと55%なのが分かる

複雑で誤解されやすアルゴリズムだけど良い策だとは思う

スタレやZZZにも輸入してほしいわ…というかこの仕組みなら武器ガチャにも適用できるんじゃ?

すり抜け率25%のはずのスタレ武器ガチャ、俺3連続ですり抜けて記録更新中なんだよね

こういう運のバラツキ要素を中華ガチャは極限まで早期に収束させていける土壌があるはずだ

ガチャランダム要素によるワクワク感さえあればいいわけで実際には極端な幸運や不運はない方がいい人の方がきっと多い

音響でいうローパスフィルターハイパスフィルター的なガチャ運の平準化だね

それは未来基本無料ゲームの標準装備になっているべきもんだと思うわけよ

ただし幸運側に振れた場合にも手を加えるかどうかは議論余地がありそう

とはいえ程度問題だと思う

不運側に振れたときは即効性の平準化がかかる一方で

幸運側に振れたときは遅効性の平準化がかかっていく感じならよくない?

まあこのへんも明確に可視化されないだけで昔からなんらかの形でガチャ履歴に応じた補正があった可能性もなくはないよね

74連目から確率上昇してくってのは周知されてるけどもっと他のさ

例えば天井カウント浅めのところで光ったときはすり抜けのことが多い、みたいなのは

それ単体で聞くと50%/50%に反するオカルトだけど履歴全体で振り返ると結構ユーザー同意できる気がするんだよ

それで最終的に期待値どおりである1PU=94連近辺に収束させにきてる感じ

完全に無作為でも94連に収束するにしても、収束する確度というか速度を早めるための作為というのは行いうると思うのよ

2024-08-29

anond:20240829133051

リベラルフェミニストっていうのは突付くと面倒だぞ

どうやって相手罵倒しようかしか考えてない旧時代ネット遺物たちだ

現代共生社会を生きる者としてはあまり関わっても良いことはないぞ

2024-08-25

読んだエッセイマンガ登場人物違和感

家事が得意な20代女子バー出会った男と交際結婚

相手20も上の40代半ば

しかしこの男が家事は女の仕事という前時代モラハラ男だった!ひどい!

みたいな話

この主人公キャラ付けがどうも掴みづらい

幼少期から家の手伝いをやってて料理が大得意

交際はいいとこみせようと相手の40男に弁当甲斐甲斐しく作ったり

40男がスマートに金を出してくれるところにも好感持つ描写

が、結婚したのち、共働き自分も忙しいのだから相手の男に不満

男は男で昭和遺物ってくらいの亭主関白的な発言

風呂は夫が一番に入るものだろ、俺の方が圧倒的に稼いでいるのだし家計に金を入れてる、分担だというのなら金を分担しろ、ほれみろできないだろ、と

テンプレの前時代である

男ヒドイ!と読者に読ませたい意図は分かるのだが、妻の行動が読んでて腹落ちしない

なんで20も上のオッサンと付き合って、交際中に飯作って、デートは金出させておいて

結婚したら家事は女(自分)の仕事アピールしているかのような振る舞いで

いざ結婚したらまるで家事やらない亭主関白20も上の夫に不満って、筋が通らなくないか?と

バーでの出会いのエピソードでは、それぞれ30代くらいだと思っていたと会話を交わすシーンがある

決して金持ってるオッサンに養われたいと好きになったわけではなく、年こそ離れていたが純粋恋愛だったと主張するためのエピソードなんだろうが

腑には落ちない

2024-08-21

ITつまんなくなった論は歴史証人になった気分がして良い

ミシンができて天職機械に置き換わってしまった職人の嘆きをリアルタイムで聴いている感覚

といった感じで「歴史証人になった気分がして良い」と言ったものの正直別に珍しいことではないんだけどね

人類は昔からそうやって機械化できることをどんどん機械化して楽できるようにして、それにより生まれゆとりを新たな価値創出に費やしてきたのだから

誰かのせいで仕事をつまらなくさせられたと思っているそこのあなただって誰かの仕事をつまらなくさせた側の人なんですよ

あなたが書いたプログラムだってまともなCPUがない時代は回路設計者がえいこらえいこら論理回路を一つ一つブロックのように組み合わせて実装していた

ただの電卓作るのに死ぬほど時間をかけて回路組んで、トランジスタレベルからめちゃくちゃ設計して、それが開発だ!楽しいんだ!って言っていたのかもしれない

その人にとってはアセンブリ言語ホニャララと書くだけで計算結果が出てきてしまう世の中つまらねぇと思っていたかもしれない

更に行ってしまえばアセンブリ言語ホニャララとかける人にとってC言語もそういう存在かもしれない

それが世の中の常であり、進歩なんだよ

と書いてて途中で気付いたが、ITにだけその進歩が辛い側面はあるのかもしれない

ミシンが普及して職人が服を作らなくても良くなっても、腕の良い職人が作る服には工芸品の"味"という価値が残ったと思う

人間国宝かになれちゃうヤツね

他にも自動車が生まれても趣味としての乗馬は残ったし進歩により旧世代遺物になったとしても何かしらの価値が残ることが今までは多かったはず

一方、ITAIが発達し品質も高く速度も出るようなコードが書けるようになったら手書きコードに何の価値もなくなってしま

誰かすげー奴がすげーライブラリ無償提供しちまったら同じ機能実装する価値がなくなってしま

コードコードにより生まれプロダクトには嗜好性が無い

手書きコードからまれプロダクトに手書き特有の"味"は生まれない

そう考えるとコード職人たちには彼ら特有の誰も共感できない虚しさがあるのかもなと思ってしまった

anond:20240728023355

2024-08-20

anond:20240820085544

ソフト路線アピール」がそれなりに成果をあげていても、本質が変わらないようじゃやっぱりダメということだわな。

共産主義ってのは前時代遺物として20世紀に置いてくるべきだったな。

必要なのは労働者党

2024-08-18

anond:20240818223409

キモい以前の問題だろ

今時のご老人でも持ってないような差別偏見持ってる太古の遺物なんだから

文化資本の足りないスラム街で生きてきたんだろうけど

2024-08-17

いじめ問題の話になると「加害者人権は守らなくていい」っていい出す人がいる。

いじめ問題の話になると「加害者人権は守らなくていい」っていい出す人がいる。

この考え方こそがいじめがはびこる原因なんだろうね。

なぜなら「加害者人権は守らなくていい」なら、理由があればいじめ正当化されることになるから

「どんな理由があってもいじめは許されない」という建前が崩壊して「理由があればいじめは許される」ということになる。

序章:滅びの遺産

そんなことを考えながら、荒廃した大地に立ち尽くす少年増田は、古びた遺跡を前にして息を呑んだ。かつて高度な科学文明を誇った「はてな匿名ダイアリー」は、今や無人遺跡群と化し、忘れ去られた技術眠る場所となっていた。しかし、その遺物には莫大な価値があり、ハンターたちは命を懸けてその秘宝を探し求めていた。

増田は、生きるためにこの危険仕事に身を投じた一人だった。彼の目には、恐怖と興奮が交錯していた。目の前に広がる遺跡は、はてな匿名ダイアリーの謎を解き明かすための扉だったが、その奥には恐るべき危険が待ち受けていることを、彼は知っていた。

「ここに、何があるんだろう……?」

増田は呟きながら、手にした古いデバイスを見つめた。それは、遺跡内部をスキャンし、危険を察知するためのの道具だった。

その時、彼の耳に奇妙な音が聞こえた。風の音かと思ったが、どうやらそれは違った。音の正体を確かめようと耳を澄ませると、それは明らかに機械動作音だった。増田は息を飲み、慎重に辺りを見渡した。

「この遺跡にも、弱者男性がいるのか……?」

弱者男性とは、はてな匿名ダイアリーが生み出した自律兵器通称であり、遺跡に潜む最大の脅威だった。それらは機械身体を持ち、無慈悲侵入者排除するプログラムが組み込まれていた。増田の装備では、弱者男性出会ったら最後、生きて帰ることは難しい。

増田は慎重に一歩を踏み出し、遺跡の暗がりへと進んだ。心臓の鼓動が早まる。どれだけのハンターがここで命を落としただろうか――彼はそのことを考えずにはいられなかった。

大丈夫、俺にはこれがある……」

増田拳銃を固く握りしめた。それは、彼の唯一の武器であり命綱である

遺跡の奥に進むにつれて、増田は次第に異常な寒気を感じ始めた。それは物理的な寒さではなく、何か不気味なものが周囲に漂っているような感覚だった。彼はデバイスの画面を確認し、スキャンの結果を確認したが、特に異常は表示されていなかった。

おかしい……」

その時、彼の前方に突然光が差し込んだ。光源を見上げると、そこには巨大な構造物があった。それは、古代機械であり、今もなお動作しているようだった。増田は驚きのあまり言葉を失った。これほどの遺物が無傷で残っているなんて、夢にも思わなかった。

「これを持ち帰れば……!」

一瞬の興奮が増田支配した。しかし、その瞬間、彼の背後で何かが動いた。増田は反射的に振り返ったが、そこには何も見当たらなかった。しかし、彼は確かに感じたのだ――何者かの視線を。

「誰かいるのか……?」

答えは返ってこなかった。しかし、彼は背筋に冷たい汗が流れるのを感じた。再び前方に目を向けると、機械の光が奇妙なパターンで点滅しているのが見えた。

「これは……?」

増田がその光に近づこうとした瞬間、突如として頭の中に声が響いた。

「待て」

その声は冷たく、無機質だったが、どこか人間味を感じさせた。増田は驚いて周囲を見渡したが、誰もいなかった。

「誰だ!?どこにいる!?

「私は、この遺跡守護者だ」

増田心臓は激しく鼓動を打った。その声は、彼の頭の中に直接響いていた。彼は恐る恐る尋ねた。

守護者……?お前は、何者なんだ?」

「私は、はてな匿名ダイアリー知識と力を受け継ぐ者。そして、お前が依頼がしたい」

「依頼内容はある遺跡攻略だ。お前は多額の報酬を手に入れることができるだろう」

増田はその言葉に衝撃を受けた。

増田はその試練に挑む決意を固めた。彼の冒険は、ここから本格的に始まる。

ガラスの仮面(1975年連載開始)の読みやすさ、イカれてるとしかえんな・・・

ブラックジャックの少しあと、こち亀より少し前、そんな時代に生まれ作品としてオーパーツレベルだろ。

漫画文脈がいよいよ洗練されていく過程に出来た作品でありながらここまでスッキリとした読み味、演出意図メリハリ視線誘導の迷いの無さは時代を考えれば異常としか言えん。

同じ時代に生まれた化け物コンテンツとして釣りキチ三平ポーの一族があるけど、これらの作品も今読むとどこかゴチャついた読みにくさがある。

だがガラスの仮面の読み易さはなんだ。

何が恐ろしいって、どのページもどの演出も「これをどういう気持で受け取ればいいのかわからない」と迷子になることが一切ないことだ。

それぞれのシーンの作中における意図がハッキリと伝わるわけだ。

この時代漫画といえばよくあるのが、コマやページの空白を埋めるように粗雑なギャグが挟まり、迷い箸のような行儀の悪さを感じさせることだが、ガラスの仮面ではそれが極めて少ない。

これから何を描きたいのか、次に何を読ませたいのか、物語をどこに向かわせたいのか、それらが作者の中にシッカリと固まっていて、それを読者に精緻に伝える漫画的なコミュニケーション力を持っている。

何より凄いのが「この物語をただそのまま楽しませることができれば、読者はそれだけで満足するはずだ」という確固たる自信だ。

それが虚勢なのか本心なのかまでは紙面だけでは伝わらないが、ただ一直線に作品を読者にめがけて投げつける渾身のストレートのなんと鋭く重いことか。

漫画が無数の技術文脈を身に着けた時代を生きる50年先の未来人が読んでなお、「漫画が上手い。漫画力が高い」と思わせるここの普遍的技量、揺らぎのない精神性はなんだ。

とんでもない作品だな。

50年弱も連載して未だに完結もしないダラダラと間延びした過去遺物だと思っていた自分が恥ずかしい。

正しく知る誰もがその完成を待ちわびる漫画界のサグラダ・ファミリアだ。

漫画力の高さが本当に狂っとる。

どうやったらこれを1970年代に描き始められるんだ……

2024-08-11

深夜の吉野家

僕は真夜中の吉野家に立っていた。

外では小雨が降っていて、店内の蛍光灯が窓ガラスに映り込み、まるで平行世界入り口のように見えた。店内は異様なほど混雑していて、僕はしばらくの間、ドアの近くで立ち尽くすしかなかった。

目を凝らすと、カウンターの上に「150円引き」と書かれた垂れ幕が見えた。そう、これが原因だったんだ。僕は小さくため息をついた。

150円。たった150円で、人々はこんなにも動くのか。普段吉野家になど見向きもしない人たちが、今宵、この狭い空間に集まっている。まるで、月に一度の満月に吸い寄せられる獣たちのように。

ふと、僕の耳に会話が聞こえてきた。

「よーし、パパ特盛り頼んじゃうぞー」

家族連れだった。4人で吉野家か。彼らの顔には何か特別な日の喜びが浮かんでいる。でも、それは本当に喜びなのか、それとも社会押し付け幸せの形なのか。僕にはわからない。

吉野家は、もっと別の顔を持っているはずだ。殺伐とした、でも何か温かいものがある。向かいに座った見知らぬ人と、いつ言葉を交わしてもおかしくない。そんな独特の空気感。それが吉野家本質じゃないだろうか。

やっとの思いで座れた僕の隣で、誰かが「大盛りつゆだくで」と注文した。その言葉を聞いた瞬間、僕の中で何かが弾けた。

つゆだく。それは今や、過去遺物だ。かつて一世を風靡した言葉。でも、今はもう。時代は移り変わる。人々の好みも、流行も、すべてが変わっていく。

今、通の間で流行っているのは「ねぎだく」らしい。ねぎが多めで、その分肉が少ない。そこに大盛りの玉子。これが最強の組み合わせだとか。

でも、そんな注文をすれば、次から店員マークされる。諸刃の剣だ。

僕は黙って牛丼を口に運んだ。隣では相変わらず賑やかな声が続いている。僕はふと、自分が本当に何を求めてここに来たのか、考え始めていた。

それは牛丼だったのか、それとも失われた何かだったのか。

答えは、きっとこの牛丼の中にある。そう信じて、僕は箸を進めた。

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