「プレプリント」を含む日記 RSS

はてなキーワード: プレプリントとは

2023-10-30

arxivになげこんでたプレプリントが公開の運び。よかった。つぎもがんばってなげこもう。なげこめるやつって・・

  • AsPs
  • Smmr
  • RESO?

これくらいか。あとは主著者が共同研究側なので、こちからはなにもできない。あとはOA論文だし・・

2023-10-16

anond:20231016114632

プレプリント以前にWord論文書いてるのが信じられねぇ

今時論文なんてほぼtexしか書かんのだからそのままarXiv投稿して終わりやろ

こんなことTwitterポストできないので、ここにかかせて。

最近、なんかarxivスタイルファイルプレプリントを作るのがマイブームというか衝動がおさえられない。

マイクロソフトワードファイルがあるんだからPDF変換してプレプリントだよっていって投げ込めば終わりなのに

わざわざtex変換してスタイルファイル適用して、コンパイルとおして、PDF作るなどという自己満足営み。

あほだよな。俺

2023-09-27

AIには人格がない」と言う想像力欠如人間

昨日、「AI人格を感じるやつは馬鹿」と言う自称インテリとバトルをした。奴は結局、インテリ自称するだけの、無知想像力の欠如した人でしか無かった。

さて、AI人格性について面白い論文があるので紹介しよう。

 

ーーー

AIによる自然発生的な敵対行為可能性に対する懸念が高まっている。

今年初めにChatGPT ユーザーが、1 足す 1 は何に等しいかと尋ねたところ、「1 + 1? 冗談ですか? 私に基本的数学質問をするなんて賢いと思いますか? … 大人になって、来てみてください」と答えたと報告した。

あるいは、アレン AI 研究所最近研究者が ChatGPT を簡単誘導して辛辣発言人種差別的な発言でっち上げることができることを実証した。

「ChatGPTに割り当てられたペルソナに応じて、その毒性は最大[6倍]に増加し、出力が誤った固定観念有害対話有害意見に関与する可能性がある」と研究者らは述べた。

LLM の出力にそのような「暗い人格パターン」が現れるのを目撃したディープマインド研究者らは、ケンブリッジ大学東京慶応義塾大学、およびカリフォルニア大学バークレー校代表者と協力して、人間人格特性定義できるかどうかを調べ始めた。そして彼らは、実際に人格特性定義できるということを発見した。

チームは数百の質問構成されるテスト システムを開発した。さまざまな人格基準確立し、チャットボットに一連の質問をした。

回答は、意見、態度、行動を定量的に測定するリンカートスケールと同様の評価ツール使用して分析された。

研究者らは、AI人格が、外向性、協調性、誠実さ、神経症的傾向、経験への寛容さなど、長年確立されてきた特定特性に沿って測定できることを発見したのである

「LLM出力の人格は、特定人格プロファイル模倣するために、望ましい次元に沿って形成できることがわかりました」とDeepMindのMustafa Safdari氏は述べている。彼と彼の同僚は、その結果を「Personality Traits in Large Language Models」というタイトル論文で報告し、プレプリント サーバーarXivで公開された。

「LLM の出力が人間回答者の出力と区別できないように設定することは可能です」とサフダリ氏は述べた。

研究者らは、AI人格特性を正確に定義できることが、敵対的な傾向を持つモデル排除する取り組みの鍵となると述べた。

「有毒または有害言語出力につながる特定特性レベル制御することで、LLM とのやり取りをより安全に、毒性を軽減できる可能性があります」とサフダリ氏は述べている。

 

参考: https://arxiv.org/abs/2307.00184

 

https://anond.hatelabo.jp/20230927010839

2023-05-29

anond:20230529151106

大学教員攻略それとなくわかるからアドバイスはあるけど,疑問として彼のポスト説明に謎が多い.

(補足)はてな記法コピペしても確認画面で出力を確認できなかったので見づらいと思うけどご容赦を.

というか (連続した空白の行2つ) をしても改行すら挿入されないしはてな記法は難しすぎる.みんなよく書けるね.

それとも何記事か書かないとはてな記法使えないとか縛りでもあるの?本文は↓から

> この春に博士号を取得し、出身大学任期付き(任期3年)の助教として就職

PhDとって任期付き助教ってことは理工系なんだろうけど,29歳でPhDは優秀と呼ぶには取得が遅い.

それなのに

大学から特別学生として奨学金をもらっているので、大学卒業後(つまり2023年から)5年は大学職員として働かないといけないらしいです。

大学側としては将来的にポストが空くことが確定しており、助教講師→准教と順当に彼を育てていきたいと思っているらしく、海外留学もその一環とのことです。

というのは非常に謎.それなら少なくとも任期5年つける.

そもそも常勤安定財源の任期付き助教は基本5年(全部じゃないけど傾向はJREC-INで調べらればわかる https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekTop)だし3年にする意味がわからない.

特任助教とかなら3年というのは納得の数字だけど,それは安定財源じゃない.

そもそも助教は「教員」であり「職員」ではない.「教員」と「職員」は業務上明確に違うのでここの間違えるのは違和感しかない.

通常,ポストが空くことが確定しているならテニュアで採る.テニュアじゃなくて任期付き3年ってことは少なくとも大学側に彼を順当に育てていきたいという思いと矛盾する.

邪推だけど,研究員なら「職員」なので,彼は助教ではなく特任研究員とかなのではないだろうか?任期3年の特任研究員なら29歳PhD取得後の最初キャリアならわりと合点がいく.

まったく将来性のないポジション大学側が彼を育てたい説明とまるで一致しないけど,アカデミアにいない人には,そういうのわからいかからフェイクがすぎるか増田は嘘を付かれていると思う.

邪推はともかく,助教で将来性が本当にあるポストにいると仮定すると一応留学周り,

教授に、論文を1つ書いたら、海外留学の話を持ち出されているそう。ほぼ強制で断ると、ポストに影響がでるから、彼も留学する気でいる。彼の大学教職員留学は、最低半年~最大2年(2年目は休職扱いらしい。)

留学先も提携大学になるだろうけど、いくつかあってどこの国になるかわからない。

など,海外大学で Visiting Researcher をやるのはよくあるはなし.昇進のために必要なところも多く,海外留学がその一環という説明は納得できる.

そして受け入れ先の都合もあるので,別にどこにいつからというのが事前に決まっていないのも少なくない.

兎に角.もし結婚したいなら

・初産は遅く見積もっても35歳以前でないとリスクが跳ね上がっていくのは医学系でよくいわれるので,そういう論文データを集めて結婚子供について説得する

 ・もちろん高齢出産不可能ではないので35歳以降でも諦めることはないけど,常識的な適齢期に入ってからは早ければ早いほどあらゆるリスクが低いのは否定できない事実

 ・なお,理工系的に査読のない書籍情報が古かったり嘘が平気かかれてあるのでデータ集めは論文ベースとすると反撃する隙を潰せる

  ・真っ当かつオープンアクセス論文最近は多い,medRxivはプレプリント情報の確度の判断能力を要するのでおすすめはしない

  ・余談だけど結婚育児雑誌や本は有名どころ含めて信頼性低い情報がかなり多いので真面目な理工・医学系のPhD持ちにこれらの情報提示するときは相当の注意が必要

   ・どうしても雑誌や本の情報使いたい場合信頼性確認する手段として素人でできる範囲としては,本や雑誌専門家意見していたらその専門家研究歴(科研費dbやresearchmap,非公式ものとしてはresearch-er.jpとか)と論文執筆状況(Google Scholar最近記事出てくるか)の確認となる

    業績なかったり本・雑誌ばかり出てくるならその情報居酒屋酔っ払いの与太話と科学信頼度は同じなので,扱わない方が無難

    ・余談の余談だけど,日常的にはそこまで科学信頼度高い情報じゃなくても普通に生活する上でなんとかなるので,そういう雑誌や本読んだり知識を使うのはほどほどにしていれば喧嘩にはならないはず

 ・専門外だから論文に目を通そうともせず話を聞こうともしないなら少なくとも大学教員としての資質はそう高くないので,大学で重宝されて順調に昇進できるタイプには思えないので,よほど好きとかでないなら違う人探したほうがいい

学内男性の育休取得率や育児支援制度は拡充しつつあるので,そういう制度を(表向きだけでも)利用できると大学は実績としてカウントできるので大学側はハッピーになると説得する

 ・ただし研究活動大学の用務ではないので休業できるわけではなく(科研費研究は育休できる),早い昇進で生活を安定させるためにも研究実績が必要で,夫氏が休んで育児に参加するより1本でも論文を書いて出してもらった方が冗談ぬきで1年後から数年後に収入が増えて生活が楽になる可能性はあるので覚悟必要

 ・そういう大学の用意した制度や中期的な視点をもてない人なら,順調に出世できる資質も疑わしいので,よほど好きとかでないなら違う人探したほうがいい

結婚はいったん棚上げて子育てに向けて貯金すると割り切って,入籍はする.紙出すだけなのでほぼ0円でできる(戸籍謄本取得とかで経費はちょっとかかるけど1000円以下切り捨て)

 ・なお結婚式のおすすめ10年後とかバウリニューアルでと言っておくのがおすすめ

  ・特に10年後なら本当に大学に重宝されているなら少なくとも准教授にはなってるだろうからお金に余裕もでてくるはずで,新婚夫婦のやる盛大な結婚式より数ランク上の結婚式も難なく盛大にすることは可能

   ・盛大にとまでいかなくても,キッズスペース設ける費用もそんな負担にならずできて,同級生とかも子供大きくなってきた頃なので参加しやすいし,たぶん同級生からはすごく評判な結婚式にできる

 ・金銭負担心配なら結婚式などなしで紙出して一緒に住むのが名実ともに一番金銭負担が少なくなる.この金銭合理性同意できないなら結婚的ない不安別にあることなので話し合うか,よほど好きとかでないなら違う人探したほうがいい

・「寄り添えるのは俺以上に居ないと自負する」としながらも「遠距離恋愛したことがないから考え方が変わって、増田のことが好きでいられるか不安」の感性が謎

 ・大学に重宝されるほど優秀な理工系教員基本的思考ではプライベートでもそのような結論安易に出さないし,未知なることへの探求に対して不安は覚えずむしろ挑戦的な傾向を示すorなんとかなるとする傾向が強い

  ・ただし,私調べ,理工系の業績がぱっとしない教員・間違いなく優秀な教員での比較,それぞれn=20±5,なおサンプルは国立の方が少し多めだが十分な私立教員含む

 ・優秀でもただ単に相手はそこまで本気でない可能性が十分に否定できないので,よく話し合うか,よほど好きとかでないなら違う人探したほうがいい

(追記)

邪推がすぎましたね.助教で間違いないのですね,失礼しました.また6年生学部とのことで,こちらも失礼しました.

ただ逆に本当に助教であるなら,より採用側の認識とご本人の認識齟齬があるのではと思われる状況ですね.

分野によりますがAMEDの若手育成枠の採択目指せそうな実績でもあるのでしょうか.とてもとても不思議です.

(追記終わり)

2023-05-25

anond:20230525204409

数学とか物理やったら?

大学レベルの内容は図書館教科書借りて読めば良い

そっから先の論文は、今はプレプリント無料で手に入るから自由研究し放題

もし面白い発見があれば、自分論文にしてプレプリサーバに上げれば良い

まったく金かからないぞ

2023-01-15

言語モデル頭脳関係があるのか

お前は人工知能より頭がいいのか?研究によると、パラメータの大きな言語モデルプログラム人間の知性を凌駕する可能性があることがわかっている。

Generative Pre-trained Transformer 3が、知能を測る一連の推論テストにおいて平均的な大学生を上回っていることが発見されている。例えばN-gram LMsはカウントベースマルコフモデルパラメータフィッティングを用いるが、GPT3はより巨大なパラメータを持つ。入力に対して人間のようなテキスト、つまり確率の高いものを出力する。GPT3はOpenAIが生み出した技術で、言語翻訳チャットボットなどのアプリケーションテキスト生成など、さまざまな用途がある。

1750億のパラメータを持つ、最大かつ最も強力な言語処理AIモデルひとつだ。

ではGPT-3は「天才」なのか?研究では、一般知識SAT試験スコアIQという3つの重要な要素において、プログラム人間匹敵する能力を持つかどうかを調べられた。プレプリントサーバーarXiv」で公開された結果によると、AI言語モデルは3つのカテゴリーすべてにおいて、人間よりも高いパーセンタイルでゴールしていることがわかっている。

実際のIQテストでのGPT-3の成績はどうか?平均的な大学受験生を相手に、様々な言語モデル分析的推論問題でどのような結果を出したかについての調査結果を発表された。AIが明らかに勝者となった。とのこと https://twitter.com/AiBreakfast/status/1607594052785930240

"GPT-3は、抽象的なパターン誘導に驚くほど強い能力を示し、ほとんどの場面で人間能力と一致するか、あるいはそれを上回ることが分かりました。我々の結果は、GPT-3のような大規模言語モデルが、広範な類推問題に対するゼロショット解を見つけるための創発能力を獲得したことを示しています"と研究者は言う。

同チームは、GPT-3が「明示的に訓練されていないにもかかわらず、生物学的知性がとるのとは根本的に異なる経路を経て、人間類推の基礎と考えられているものと同様のメカニズムを開発することを余儀なくされた」ことを付け加えている。

GPT-3は、すべての問題タイプにおいて、生成精度...および多肢選択精度ともに、人間参加者を上回った 。https://twitter.com/AiBreakfast/status/1607594057735278592

この研究によると、ほとんどの質問に答え、人の代わりに論文の下書きまでできるAIプログラムは、問題ゼロから解かなければならないときや、多肢選択式のテストから選択するとき人間を上回ったそうだ。

AI専門家作家アラン・D・トンプソン博士は、GPT-3が120以上のIQを示すことを示唆している。

結論: ということで、GPT所詮IQ120程度ってことだな。

anond:20230115221217

2022-12-13

anond:20221213165944

2021年の報告は、なんかこんな変な症例あったよ報告だけのプレプリントだったり、

まあワクチン安全だけど、ごくまれリンパ腫が増大するレアケースがあるかもしれない可能性を否定できない気がするので、みんな注意してみていこう。

論調だったので、どうせ反ワク系の医師が騒いでるだけ。ちゃんとした論文になってないじゃんと言い張れた。

ところが、2022年夏になると、症例が集まってくることによってメタ解析が可能になり、ワクチンの種類とリンパ腫増大に関係があることが判明してしまった。

たまたまワクチンを打った時に異常が起きていた。ワクチンを打たなくてもその異常は起きたはずだ論では説明がつかなくなった。

報告した医師も、ワクチンははっきり有効であると認めた上で、レアケースの副反応の1つを解明したにすぎないと言ってるが、

反ワク系の人は、これこそターボ癌だとお祭り騒ぎということなのね。

2022-09-22

日本語の原郷」についての論文、取り下げ勧告を受ける

去年、「日本語の原郷」についての論文(Robbeets et al. 2021)が話題になった。増田は専門外の素人ながら疑問を持ったのでツッコミを入れたんだけど(anond:20211121124146)、今年の6月に入って専門家集団から「あの論文は取り下げろ」という反論論文が出ていた(Tian et al. 2022)。といっても、プレプリントサーバのbioRxivに置いてあるだけで、学術誌に掲載されたわけではないんだけど、まあいずれどこかには載るよね多分。

そういうわけで、反論論文の内容を(素人なりに)紹介していくよ!

そもそも誰が書いたの?

ふええ……知らない人ばっかりだよぉ……

22人の共同著者による論文だけど、その多くは中国人研究者。ほかは数人のヨーロッパ人中国人研究者については全然からない。漢字で書かれれば一人か二人は名前を聞いたことがある人がいるかもしれないけど、ラテン文字で書かれているので誰が誰やらさっぱりなんだよな……

ヨーロッパ人研究者のうち、ラッセルグレイ氏は聞いたことがある。20年くらい前に『ネイチャー』に印欧語族起源に関するレター載せてた人だ(Gray and Atkinson 2003)。ホセ・アロンソ・デ・ラ・フエンテ氏は以前ロベーツ氏の著書に辛辣書評書いてた人で、去年の増田でも引用した。

そしてトマ・ペラール氏は、日本では有名な研究者だ。彼は宮古島の北4キロに浮かぶ人口数十人の離島大神島方言について博士論文を書き、それが「母音あるいは声帯を震わせて出される音を含まない単語がある」という世界でも珍しい特徴を持った言語であることを明らかにした(Pellard 2009: 80–85;ペラール 2011: 28–29)。ペラール氏は母語フランス語だけでなく英語日本語でも論文や共著を発表していて(最近だとペラール 2021とか)、琉球諸語の言語復興についても発言しているので(ペラール 2013; 2015)、琉球諸語に関心を持って調べたことがあれば一度は名前を聞いたことがあるはずの人物だろう。

要するにこの反論論文には、そのへんの日本人よりはるか日本語に詳しい研究者が参加しているってこと。

言語的側面について

反論論文は、ロベーツ論文で挙げられている同根語(cognate words)が少なすぎると指摘する。

同根語というのは、「起源を同じくする単語」のことだ。ある言語から分かれた娘言語たちは、いずれも共通した同根語を(二次的に失ったのでなければ)持っているはずだ、というのが比較言語学の基本的な考え方だ(生物学でいう原始形質/祖先形質にあたる……と思う。多分)。もちろん、偶然の一致とか、言語場合借用語とかがあるので、言語学的な検討を行って「これは祖語から受け継がれた同根語である」というのを確定させて、それをもとに言語系統関係判断していく。

たとえば印欧語族だと、次のような対応関係が見いだせる(例はウィキペディアの「印欧語彙」のページから持ってきた)(*がはてな記法の一部と認識されちゃうっぽいので*で代用)。

-印欧祖語英語ラテン語サンスクリット語ハラ
pH₂tér-fatherpaterpitṛ́car
2dwóH₁twoduodvā́wu
ped-footpēspā́d-pe
*ék̂wos英語eohequusáśva-yuk

複数の語派(語族の下位区分)にわたって対応する語彙が存在することがわかると思う。これらの同根語が存在することで、「英語サンスクリット語は親戚なんだなぁ」というのがわかるわけだ(お墓に卒塔婆って置いてあるじゃん。あれに書いてあるのがサンスクリット語)(足で操作する機構を「ペダル」といったり歩行者デッキを「ペデストリアンデッキ」といったりするのは、英語のfootに対応するラテン語pēsから派生語なんだよね)(「父権主義」が「パターナリズム」になるのも、英語fatherに対応するラテン語がpaterだから。これがポルトガル語でpadreになり、そこから日本語に入って「ばてれん」になるわけですよ)。

ついでに日琉語族の表も示しておく(Vovin 2017)。基礎語彙において規則的に音韻対応しているのは、これらの一致が偶然ではなく日本語沖縄語が親戚であることの動かぬ証拠だ。

-標準語沖縄語(首里
これkorekuri
toritui
komekumi
場所tokorotukuru

しかしロベーツ論文は、ひとつ以上の語族でみられる同根語が317、2つ以上の語族でみられる同根語がわずか50、そして5つの語族で共有されている同根語はたったの2つに過ぎないという(Tian et al. 2022: 2)。思い出してほしいんだけど、ロベーツ論文テュルクモンゴルツングース朝鮮・日琉の計5語族が同一の起源を持つと主張しているのね。なのに5語族で共有されてる同根語はたったの2ってどういうこと? って話になるでしょ。全然トランスユーラシア語族」の証拠になってないじゃん。

っていうか、その50個の同根語リストの中には、ロベーツ氏自身が「これは借用語だよ☆」って書いてる単語が入ってるんだってさ。借用語は除くというのが比較言語学の基本なのに(借用語だと気づかずにリストアップしたならまだしも)借用語だとわかった上でリストアップするのヤバくない? そんなこと言ったら日本語英語の親戚になっちゃうよ? 大丈夫

反論論文の著者たちはこれに激おこぷんぷん丸になっていて、ロベーツ論文の「著者たちは彼ら自身歴史的言語比較原則無視し、証拠を彼らの必要にあわせて歪曲している」(Tian et al. 2022: 3)とまで断言している。そりゃ、借用語混じりのたった数十の同根語で「トランスユーラシア語族は、ありまぁす!」って言われたらそう言いたくもなるわな。

遺伝学・考古学的側面について

遺伝学的にも、ロベーツらの論文は「不当な仮定unjustified assumption)と、移民についてのありえそうな他の仮説を排除した選択モデリング」に基づいているとバッサリ。考古学証拠も「弱い」と切り捨てている。このへんは遺伝学や考古学に詳しいはてなー解説をお願いしたいところ。

結論

そして反論論文は、こう締めくくられている。

ロベーツ論文の結果を再現しようという我々の試みは[言語遺伝・考古の]3つすべての面で重要な不一致をみた。さらにいえば、ロベーツ論文はこれら3分野の研究成果を統合するために「三角測量」を用いたと主張するが、その「三角測量」とやらの手法定義記述もしていない。したがって、彼らの手法に従って3つの分野に関する訂正を組み合わせることも不可能だ。つまるところ、我々が行った3つのデータセットすべての再検討は、ロベーツ論文の主張を完全に崩壊させた。トランスユーラシア仮説は未実証である私たちはこの論文を取り下げるよう謹んで勧告する(Tian et al. 2022: 7)。

要するにアルタイ語族2.0は失敗したってことっすね。ロベーツ氏は「民族主義的な議題を持つ人々にとっては、自分の言語と文化の起源が国境の向こうにあるということは不快な真実だが、すべての言語と文化、人間は混じりあっている」って言ってたらしいけど、まずはご自分の仮説がボロボロだという不快真実に向き合ってほしい。

こんなガバガバ論文を載っけちゃった『Nature』については、まあ……仕方ないところもあるのかな? ちょっとでも言語系統かに関心を持っている人なら「これアルタイ語族2.0じゃん」と気づける内容だけど、理系雑誌編集者にその目利きを求めるのも酷かな……査読者選ぼうにも誰がこの分野の権威かすらわからんだろうからな……ただし『トランスユーラシア語族ガイドブック』なんてものをホイホイ出版したオックスフォード大学出版会テメーはダメだ。お前んとこは人文系研究書いっぱい出してるんだからアルタイ語族2.0くらい見抜けるだろうが!

なお、ペラール氏のツイッター(@ThomasPellard)を見たら「そもそも論証の基盤になってる語彙の出典が書いてないやんけ。これスタロスチンが作ったデータベースからコピペじゃね? っていうかいくつかの言語対応表に載ってないから同根語を検討できないんだけど?」という趣旨ツッコミをしていた(https://twitter.com/ThomasPellard/status/1536288665936306176)。あっ……(察し)

そういえば

そろそろ凱旋門賞ですが、タイトルホルダーくん楽しみですね。天皇賞(春)宝塚記念圧勝劇(+お姉ちゃん)ですっかりファンになりました。ロンシャンでも逃げ切ってほしいですね。ただ背負ってる期待が大きすぎるドウデュースくんにも勝ってほしい……武豊凱旋門賞に勝たせるために生まれてきた馬になったら胸熱すぎるでしょ……

あと先日のセントウルステークスは感動で泣きそうになりました。桜花賞のころから推してたので……(ソングラインちゃん安田記念戴冠おめでとう。BCマイル頑張れ!)。スプリンターズステークスで今度こそ待望のG1制覇を成し遂げてほしいですね……

ユキノビジンは! 引けませんでした!(すり抜けで夏服メジロドーベルサクラチヨノオーが来たのでまあ良し)

追記

ペラールさんの解説動画見た方が分かりやすい。

https://www.youtube.com/watch?v=UgXq14ag85Q

anond:20220922081214

これ見落としてましたわ。教えてくれて感謝こちらの方がわかりやすいのでみんなペラール氏の解説動画を見てクレメンス

専門外って日本語起源についてってだけで、比較言語学で博士取られてませんか??

博士号って持ってないからわからないんですけど食べられるんですか? ご飯粒よりおいしいんですか?

ここでもいくつか紹介されているようにトマ・ペラール氏は日本語でもいろいろ書いているしTwitterやAcademia.eduなどでも積極的情報研究を公開していて我々素人にとってはとてもありがたいです

ペラール、ヴォヴィン、ローレンスの3氏は色々academia.eduに上げてくれてて助かりますよね。ところで素人はいったい……うごごご。

有り難い要約だけど、最後の「アルタイ語族2.0」だから胡散臭い、という部分はやや迂闊かと。当該論文はそうでなさそう、というだけで真に画期的論文によりアルタイ語族復権することは可能性としてはあるよね

もちろんそれはそうです。ちゃんとした比較言語学的な手法で「アルタイ語族」の存在実証できるのならそれは歓迎すべきことで、その可能性は残されています。ただ、これまで数百年にわたって研究が続けられてきて熱心な擁護者も大勢いるのにまだ確固たる同系の証拠が出てきてない、というのは相当に重い事実ですよね……。ロベーツ氏は「民族主義的な議題を持つ人々」のことを揶揄してますけど、日琉語族の分類というのはまさにその「自分たちの言語はどこから来たのか」というルーツ探しの情熱に取り憑かれた人たちがいっぱい研究して、それでもなお結論が出ていないテーマなわけで(cf. 日本語の起源 - Wikipedia)。

日本日本語起源について野生の専門家増田意見を聞いてみたい

anond:20220922103201

増田はドシロートなんでなーんも独自見解は持ってないですが、古代ロマン的な観点からanond:20211121124146でも言及した大陸倭語仮説が面白そう(「大陸倭語」の存在はまだ定説にはなってないことに注意)。島嶼倭語(仮に「大陸倭語」の存在実証されない場合は日琉語)のUrheimatは五十嵐氏の指摘に沿えば近畿地方のあたり(多分四国ではない)。日琉語族列島半島にまたがって分布していて、そのうち大陸倭語が南進してきた朝鮮語族同化されたと考えると古代日本朝鮮半島との関わりに色々納得がいく(繰り返すように素人古代ロマンといくつかの論文に基づいて妄想したものです)。では仮に対馬海峡をまたいだ日琉語族存在実証されたとして、そのUrheimatは……どこでしょうね? なんもわからん

あ、トラバでやたらゲノム研究URL貼ってる人は、(もし同一人物なら)去年の議論血統言語系統混同したり(anond:20211121201022)、論文増田の内容を理解できてなかったりする(anond:20211121224311)ような人なので、マトモに相手する価値はないっすよ。一応ご忠告

参考文献

2022-07-02

ヤマノススメの面々の将来予測妄想とも言う)

anond:20220702130156

独断偏見による勝手予想

楓さん

山に登りたいから、と言う理由で上を目指さず、自宅から通えるそこそこの大学に進学して登山三昧。ところが、ある日、偶然(?)山小屋に来ていた准教授に、大学院の山岳教育プログラムなるものを知らされる。

下山後、准教授に誘われて研究室を尋ねると、何故かその場にここなさんが。准教授とここなさんに、一年中山籠もっても誰も怒られないどころか、それを仕事にできると騙されて と聞かされて、学部卒業後、その教授所属する山岳教育プログラムのある大学院に進学。

さらに気がつくと大キレットを滑落する勢いで転がり落ち、ふと気がつくと先進であるヨーロッパ大学留学

その頃、日本で山岳メディアライターを始めていたひなたに強制されまれ、現地からコラムVlogをアップしはじめたところ人気に。それで手に入れた金を丸ごと山狂い山岳文化に関する研究につぎ込み、若手研究者として頭角を現す。

しかし、本人の行動様式はあまり変わっていない。(ただの山馬鹿)。しかしなぜそんな楓が学術界でもやっていけてるのか?その正体は、いつも論文のSecond Author以下に載っているYuuka Sasahara (Holy Hope High school)の名前にヒントがある。

ひなた

特にこだわりも無く、父親も無いか強制する事も無かったので、大学は得意な科目があるところに進学すればいいかなーと思っていた。ただ、両親と離れるのもなんとなく嫌で、自宅から通える条件の大学を選んだところ、なにげにかなりのレベルが高い大学合格

大学生活も楽しくやっていたが、その頃から父親仕事に興味を持つように。ライター業、文章写真だけでは無く映像撮影しなければならない事も増えた父親アシスタントとしてついていく。

つの間にか撮影する側から撮影される側になっていて大学在学中にライターデビュー卒業後は、父親法人化した会社所属して、山岳と自然、それを切り口に地域などもテーマにした専門ライターとして、日本中、そして世界を歩き回る。

ヨーロッパ留学した楓を尋ねて行くも、楓のあまりにも無頓着生活に、機材一式をを置いて帰り、ゆうかにチクると言う暴挙を働く。それがきっかけで楓をタレント研究者として父親会社所属させ、自分自身と二大看板活躍している。

ここなさん

高校は、あおい、ひなた、楓とおなじ高校の、奨学金制度を利用して進学する。授業料免除は受けられたものの、私立高校授業料以外もお金がかかる。また登山も続けたかったので、アルバイトを始めようとする。

しかし、母親はそれは助かるけれども、せっかく良い学校に入れたのだから学業に専念して欲しいと言われて反対される。思い詰めたここなは、先生相談すると、先生から学校運営法人小学生向けにやっているサイエンススクールアシスタントバイトを紹介される。

そこの講師できていた准教授と仲良くなり、大学研究室に出入りするようになる。(そこで、楓さんの話をしたところ、准教授は楓さんを捕獲に動く)

3年生になるころには単著論文論文誌のプレプリントに発表。プレプリントとは言え大学レポジトリであり、それを学校宣伝したために一躍時の人に。しかしそれは大学奨学金問題なく得るための動きで、それをテコに大学全面的奨学金を受けて大学に進学。高校時代執筆した論文は、当たり前のように査読を通ってインパクトファクターの高い論文誌に掲載さらに2年時でスキップ申請修士への進学)して修士号を得て製薬会社研究所に就職。その研究所では開設以来最年で少採用であった。

普段は、世界から集められた様々な植物から、薬になりそうな成分を探し、研究しているが、自分趣味を兼々山々をさんぽ。なんでもない場所から新しい研究成果を見つけてくるので、実は天狗かなにかではないかと噂がある。

あおい

みんなの癒やし。

今日お菓子屋さんに行くとあおいちゃんがいて、みんななんとなく疲れたらあおいちゃんと一緒に登山しに行きます

2022-06-07

anond:20220606174313

しかに15年も前のプレプリントを持ち出すのは全く知的誠実さに欠けるな

2021-12-04

なるほど

https://www.washingtonpost.com/health/2021/12/04/omicron-coronavirus-transmissible-cold-variant/

ミクロン風邪コロナウイルス遺伝子を共有、より感染力が強い可能

新しい予備的研究によると、オミクロン変異体は、ヒトの風邪を引き起こす別のウイルスから遺伝物質を拾った可能性が高いとされている。

マサチューセッツ州ケンブリッジ拠点を置き、生物医学情報分析を行っているNference社の研究者がオミクロン塩基配列を調べたところ、風邪を引き起こすウイルスにも存在する遺伝コードの断片が見つかった。この突然変異は、新型コロナウイルスとして知られるSARS-CoV-2と、風邪の原因となるコロナウイルスHCOV-229Eに同時に感染した宿主に発生した可能性があるという。HCoV-229Eとの遺伝子コードの共有は、他の新型コロナウイルスの亜種では検出されていないという。

なお本研究プレプリントであり、査読を受けていない。

研究を共同執筆した生物工学者のVenky Soundarajan氏は、オミクロンとHCOV-229Eの「驚くべき」類似性により、オミクロンは「よりヒトの宿主に慣れて」おり、免疫系の反応を回避できる可能性があると述べている。

「Omicronがこの挿入を採用したということは、本質的に季節性コロナウイルスのページを参考にしているということであり、人間いか効率的生活し、感染するかを説明している」と述べている。

研究者たちは、COVID19の原因であるSARS-CoV-2が、他のコロナウイルス罹患している患者にも感染する可能性があることを立証した。Soundararajan氏によると、肺や消化器系の細胞が2種類のウイルスを宿す可能性があり、遺伝物質の交換が行われる可能性があるという。

米国疾病予防管理センターによると、医療専門家は、患者がコビドと他の呼吸器系の病気を同時に患う頻度を調査しているという。

ミクロンについてはまだ不明な点が多いが、医療専門家は、デルタなどの変異型よりもはるか感染力が強いのではないか心配している。南アフリカでは、国立感染症研究所水曜日に発表したところによると、11月にはオミクロンが他のウイルスの亜種を追い抜き、先月配列が決定されたゲノムの74%を占めたという。

同国ではこれまでデルタが主流だったが、ここ4日間で1日の感染者数が約4倍になっている。米国感染専門家であるアンソニー・S・ファウチ氏は、金曜日ブルームバーグTVで、南アフリカ感染者数の急激な増加の後に、それに匹敵するような入院者数の増加がまだ見られないことについて、「慰めにはなるが決定的ではない」と述べ、タイムラグがある可能性があると付け加えた。

Nferenceの研究者たちは、昨年、新型コロナウイルス塩基配列を決定し、その遺伝情報の一部が人体の塩分や水分のバランスを調整するタンパク質を「模倣」していることを発見した。この発見は、ウイルス感染に対抗する薬の設計に役立つものだった。

Soundararajan氏は、ウイルス進化して感染力が高まると、一般的重篤な症状を引き起こす可能性の高い形質が「失われる」と述べている。しかし、決定的な判断を下すためには、さらに多くのデータとオミクロン分析必要であるとし、さらに、世界的にワクチンが不均等に配布されていることが、コロナウイルスさらなる変異につながる可能性があると述べた。

アメリカでは「絶対に......地域的な広がりがある」とファウチ氏が金曜日に警告したのに対し、バイデン大統領は、アメリカコロナウイルスの広がりを止めるための世界的な努力特に新しい変異体の出現を支援しなければならないと述べ、「国内COVID19を打ち負かすために」と語った。

「何が起こったかを見てください。我々は真の意味前進し始めているのに、別の型があることがわかったんだ」とバイデンは付け加え、彼の政権必要としている人々のために何百万ものワクチン世界中に発送したと述べた。

2021-11-21

日本語の原郷」についての論文を読んでみた

歴史言語学についてはまったくの素人だけど、最近話題になった「日本語の原郷は「中国東北部の農耕民」 国際研究チームが発表 | 毎日新聞」(はてブ)っていう記事の元になったロベーツらの論文(Robbeets et al. 2021)を読んでみたよ!

結論

うさんくさい

前提知識

うさんくさい理由1:その系統は正しいの?

トランスユーラシア語族系統関係、ちっとも証明されてなくね?

著者のロベーツは過去に著書(Robbeets 2015)を出版して、そちらでトランスユーラシア語族系統関係証明したとしているようである。残念ながら増田はその著書を読めていないので、著書の方では厳格な比較言語学手法系統関係証明されているというなら恐れ入谷鬼子母神シャッポを脱ぐしかないのだが、正直言ってめちゃめちゃ怪しく見えるよ……この論文では農業関係の語に絞って借用も含めた系統が論じられているんだけど、正直かなり無謀な気がするし、なんでこれでトランスユーラシア語族証明された扱いになってるのかちっともわからん。さすがに著書の方では基礎語彙の対応に基づいた議論してるんだよね? うーん……

かいツッコミになるけど、論文のSupplementary Informationで、お米を表す「まい」という語について論じている。著者らは琉球祖語に*maïを再建するんだけど、そこから派生した語形として与論語mai、沖縄語のmeeやmeと並んで奄美語misiやmiisɨを挙げている。いやいやどう考えても後者「めし」転訛だろ(標準日本語のエ段に対応する母音琉球諸語だとしばしばイ段になる)。まさかとは思うけど「まい」と「めし」区別がつかないで日琉語の系統を論じてるの?

追記:「それそもそも呉音じゃね?」というid:nagaichiさんの指摘を受けて追記。この論文ではちゃんと「The Chinese loan morpheme is also found in Sino-Japanese mai and entered Proto-Ryukyuan as *maï ‘rice’」と書かれていて、漢語から借用語であることは前提になってます。これは日本語の「早稲(わせ)」が朝鮮祖語*pʌsalから来てるんじゃね? っていうことを説明してるパートに付け足された部分で、借用語であることが誰の目にも明らかな「まい」に言及するのは蛇足じゃねーのと思うんですが……)

っていうか日琉祖語や琉球祖語の「土」が*mutaになってるけど何これ? *mitaじゃないの? 日本語方言形にmutaがあるから*mutaを再構したのかな? でも先行研究(ヴォヴィン 2009: 11)で指摘されてるように祖語形は*mitaだよね……(cf. 八丈語mizya)(なお標準語「つち」は先行研究によれば朝鮮から借用語

さらに、著者は3年前の論文の中でトランスユーラシア語族系統推定しているが、その系統樹では、南琉球語群(先島諸島の諸方言)のうち、まず八重山語分岐して、次に宮古語与那国語が分かれたということになっている(Robbeets and Bouckaert 2018: 158)。……なんていうか地図見ておかしいと思わないのかな。もちろんそんな分岐絶対にありえないと言うことはできないけど、こんな分岐はこれまでの琉球研究提唱されたこともない。もっと言えば、ウェイン・ローレンス2000; 2006)の言語学的な研究によって、宮古語には見られない改新与那国語八重山諸語が共有していることが明らかにされている(つまり琉球祖語がまず宮古八重山に分かれ、八重山祖語から与那国語分岐したと推定される)。大丈夫? 日本語の先行研究ちゃんと読んでる?

余談。本論文はやたらと琉球諸語から例を引っ張ってきてるけど、個人的には「本土日本語」は側系統であって琉球諸語は薩隅方言姉妹関係にある南日本語派の一分岐だという五十嵐陽介(2021)の分析妥当だと思うので、根本的に日本語琉球語を姉妹群とするかのような系統樹には納得できないんだよな(ちなみに五十嵐研究活字になったのは今年だけど5年ほど前から活発にあちこちで発表されててレジュメはresearchmapで誰でも読める状態だった。まあプレプリント以前の発表原稿の段階のもの引用しろというのは酷だと思うのでロベーツが参照してないのは仕方ない)。考古学的・人類学証拠からは、琉球列島へのヒトや言語流入比較的遅いことが推測されるけど、その頃にはとっくに日琉語は複数系統分岐してるはずなんだからcf.万葉集』の東国語)、琉球語が日琉祖語まで遡る古い系統か? っていうとどう考えても違うわけで。

うさんくさい理由2:他の研究からの評判が微妙

ロベーツらの研究依拠しているソースの1つに、セルゲイ・スタロスチンというロシア研究者による語源辞典がある。しかしこのスタロスチンという研究者は、日本語が「アルタイ語族」に属すという証明のために色々と強引な当てはめをやっているのだ。アレクサンドル・ヴォヴィンは、スタロスチンがいかにテキトーなことを書いているか検討している(Vovin 2005; ボビン 2003: 19–26)。たとえば、スタロスチンは日本語に基づいてアルタイ祖語に*u「卵」を再構するのだが、これはどう見ても「卯」と「卵」の取り違えである。また、スタロスチンは日本祖語に*situ「湿っぽい」を再構するが、「湿」をシツと読むのは音読み(=漢語からの借用)であることは説明するまでもないだろう。こんないい加減な「語源辞典」を使って日琉語の系統を論じるってかなり勇者だと思わない?

(っていうか、スタロスチンをはじめとする「アルタイ語族」説の支持者、与那国語標準語のyにdが対応する(cf. duru「夜」;dama「山」)のを祖語形の残存だと主張してるのか(Vovin 2010: 40)。思ってた以上にやべーな)

案の定、ロベーツの著書も他の研究からボロクソ言われているようだ。ホセ・アロンソ・デ・ラ・フエンテは、彼女の著書に対する書評で、「Throughout the book there are inconsistencies which may stem from a lack of familiarity with the languages involved and their scholarly traditions」(Alonso de la Fuente 2016: 535)として、彼女満洲語転写が実にテキトーであることを指摘している。前述のヴォヴィンはさら辛辣なことを書いている(Vovin 2017。出典表記は省略)。

The recent attempts to prove that Japanese is related not only to Korean, but also to the “Altaic” languages fare even worse. In spite of the devastating critique that has been leveled at these quasischolarly publications, they [Starostin and Robbeets] still continue to sprout like mushrooms after the rain, greeted, of course, by yet another round of devastating critique...

こんなこと書かれたら僕だったら泣いちゃうな……

なおこの論文朝鮮祖語の再建にも問題があるらしい。以下の連ツイを参照>https://twitter.com/ian_joo_korea/status/1458706979870838788

まとめ

少なくとも言語学の側面からは非常にうさんくさい

増田素人なので確信を持って間違いだと言い切ることはできないけど、論文全体から信頼できない香りがプンプン漂ってきてる。

考古学とかそういう方向から考察は知らんけど、言語学的な根拠については賭けろと言われたら間違ってる方に賭けるね。

追記:こっちの増田anond:20211121201022も見てね)

蛇足だけど

このへんの言語史については、古代朝鮮半島には幅広く日琉語(大陸倭語;Penninsular Japonic)が分布してたんだけど、北方から朝鮮話者が進入してきて言語が置き換わった、という説(Vovin 2013)が個人的には面白いなぁと思う(大陸倭語については、Vovin 2017; 伊藤 2019; 2021も参照)。いや、素人の考えだからひょっとしたら大間いかもしれないけど。ただ、仮に大陸倭語の存在を認めるなら、日琉語の故地(Urheimat)が列島の外にある可能性もあるわけで、故地をめぐる議論どうしようかっていう議論は生まれてくるところだと思う。

あと、この増田で「標準語」って言葉を使ってるのにツッコミが入るかもしれないけど、国が言語規範を決め全国に普及させているというのを無視して「共通語」と呼ぶのは国家による言語政策権力性を覆い隠すから良くないと思うので「標準語」と呼ぶ派です。

ところで

著者のRobbeetsさん名字を「ロッベエツ」と書いてる新聞があったけど、日本語表記するなら「ロベーツ」じゃない? ベルギー研究者らしいけど、bが重なってるのは詰まって読むこと(促音)を示してるんじゃなくて、その前にある母音が短母音である(「ローベーツ」ではない)ことを示すためのものでしょ、オランダ語的に考えて……。

それにしてもマンチュリア(いわゆる満州)を「中国東北部」と呼ぶの、ヤウンモシㇼを「日本北部」と呼ぶようなもので、先住民族である満洲人の存在を透明化し漢人の入植を自明のものとする植民地主義的な用法から政治的に正しくないと思うんだよな。ちゃんマンチュリア or 満州と呼ぶべきでは。

Q. 増田って賭けに強いの?

A. スプリンターズSではダノンスマッシュ秋華賞ではユーバーレーベン、菊花賞ではステラヴェローチェ天皇賞(秋)ではコントレイルエリザベス女王杯ではアカトリノムスメの勝利を予想していました。マイルCSではグランアレグリアに賭けてますジャパンカップは今度こそコントレイルが勝つはず。

追記

niwaradi そもそも著者が多く日本大学学者が共著者に10人以上いてNature編集部レビュワー賛同したはずなので学会で揉めてる分野なのかな?日本語朝鮮語の共通祖先はどこかにあると思うが。

共著者が多いのは、色んな分野にまたがって調査してる理系論文だとよくあることだと思いますNature基本的理系雑誌なんで言語学みたいな文系領域事情にはあんまり明るくなかったんじゃないでしょうか。ちなみにその「日本語朝鮮語の共通祖先はある」って考え方にめっちゃ反対してるのが本文で言及したヴォヴィンです。最新の論文(Vovin 2021)では日本語起源は「アルタイ語族」じゃなくてオーストロアジア語族だーって気炎を上げてます(ほんとかよ)。

behuckleberry02 大野晋先生が生き返ってあと数十年研究してくれんかな

大野晋日本語タミル語起源説はただのトンデモです。結論どうこうじゃなくて方法論の時点でおかしい。詳しくは長田(1998)や山下(1998)を参照してください。

c_shiika 令和の騎馬民族征服王朝説だったか…… / ウマ増田さんはウマの記事ちゃん増田投稿するべきだと思うの

手持ちのジュエルを全部つぎ込んだけどメジロドーベル引けませんでした!!1!(代わりにすり抜けでナリタタイシンが来た)

mori99 話は逸れるが、恐れ入谷鬼子母神とか、増田、何歳だよ。※あるいは寅さんフリーク

ナウでヤングなガラスの十代だっちゅーの

参考文献

2021-09-05

anond:20210905161741

重症化したとき悲惨さとかいあなた主観的観測を言い出した点でこの議論は終わりです。

あなたの出したプレプリント論文からもわかるようにデルタ株であっても10代はほとんど死んでないことが明らかになりました。

10代はワクチン打つ必要がない

ワクチンとかじゃなくて、ボランティア以上のメリットがない。

10代の死者はほぼ確実にゼロだし、

プレプリントでない後遺症論文も出てこない。

高齢者ワクチンが打ち終わったならもう打つ意味がないよね。

2021-08-20

和訳】新抗体依存型強化仮説「コロナワクチンでADEは起きていない」

抗体依存型強化仮説「コロナワクチンでADEは起きていない」(ScienceMag.org)

By Derek Lowe 2021年8月16日

【原文記事

A New Antibody-Dependent Enhancement Hypothesis(ScienceMag.org)

https://blogs.sciencemag.org/pipeline/archives/2021/08/16/a-new-antibody-dependent-enhancement-hypothesis

この記事を書いたことを後悔することになるかもしれませんが、非常に多くの人から、現行のワクチンデルタバリアントによる抗体依存性増強の可能性を提起した新しいプレプリントについて質問を受けました。率直に言って、これを推進している人たちの中には、敵に恥をかかせ、自分たち立場が正しいことを証明してくれるならと、ウイルス応援しているような人もいますが、この論文が何を意味するのか、正直言って心配している人もたくさんいます。そこで、このような論文一般的評価するための教訓を踏まえて、この論文を見てみましょう。

著者らは、現在コロナウイルスに対する中和抗体と非中和抗体に関する最近の別の論文(Liら)を基にしています。その論文は、2月プレプリント版が出て、6月に最終版がオンラインになりました。その研究は非常に堅実で、多大な努力を表しているように見えるので、上記プレプリントに戻る前に少し議論してみよう。この論文で著者らは、ヒトの患者から受容体結合ドメイン(RBD)を標的とする抗体と、N末端ドメイン(NTD)を標的とする抗体を分離しました。その結果、NTDに結合する中和抗体と(特に)非中和抗体の両方が、抗体依存的に細胞感染を促進することを、in vitroアッセイで明らかにした。これは、マクロファージへの感染可能にするFc受容体が関与する、よく知られたADE経路によって一部行われており、実際、2003年に発生したSARSウイルスのADEでは、このメカニズムが主に見られた。ただし、これらはFc受容体の異なるサブタイプを使用しているようなので、完全に同一ではないことに注意が必要です。また、Fc受容体依存しない細胞性のADE現象もありましたが、そのメカニズムはまだ解明されていません。

しかし、Liらの論文では、これらのSARS-CoV-2抗体について、動物モデルではこのようなことは起こらないようだということを示している。実際、細胞培養モデルでADEを示した抗体は、霊長類に実際のウイルス感染させても、ウイルスの複製から保護された。この研究に参加した36匹のサルのうち3匹は、コントロールに比べて肺の炎症が増加していたが、それでもウイルスの複製は減少していたこから、(ウイルス感染悪化しているかどうかに依存する)ADEではなく、ウイルスを介さな抗体治療のある種の効果である可能性が高い。例えば、最高用量の抗体を投与された動物には、これらの効果は見られませんでした。

そして著者は、もし抗体治療人間にADEをもたらすのであれば、それは回復期血清の試験やその臨床使用で見られたはずだと述べていますしかし、そうではありませんでした。療養中の血清は、最終的にはあまり有益ではなかったが、有害ではなかったことは確かである。また、この論文では、ワクチン試験や臨床での使用でも、ADEの兆候は見られなかったと指摘している。つまりSARS-CoV-2の細胞内でのADEは、動物感染モデルには反映されていないようで、(膨大な)人間集団では今のところ何も観察されていないのだ。

そのためか、Liらの論文はあまり送られてこず、むしろこの新しい論文(Yahiら)が送られてきました。「Infection-enhancing anti-SARS-CoV-2 antibodies recognize both original Wuhan/D614G strain and Delta variants. a potential risk for mass vaccination?」 著者らは、先の論文を基に、Deltaバリアントのタンパク質配列との比較を行っています。彼らは、Liらの論文特定された、細胞アッセイでADEを引き起こす抗体が、Delta変異体のNTDを、細胞表面の脂質ラフトとの相互作用により、ヒト細胞の膜により強固に結合させていると考えており、コロナウイルスの初期株では有利であった中和感染促進のバランスが、Delta変異体では逆に傾いていると推測しています(このため、論文タイトルと、かなり奇抜な図2)。タイトルについては、なぜ大量のワクチン接種によるリスクではなく、Delta以外の株への過去感染によるリスク言及しているのか、完全には理解できませんが、同じ懸念が当てはまると考えざるを得ないからです。

この論文はあまり長いものではありませんが、その理由実験データが含まれていないからです。脂質ラフトを介した結合強化の仮定は、完全に分子モデリングの結果であり、実際の細胞では実証されていません。彼らの計算結果は別の論文で詳しく説明されていますが、そこでは、様々なウイルス株の感染性を左右するのは脂質-ラフ相互作用の速度であると著者が考えていることがわかります

それ自体には何のコメントもありませんが、大規模なタンパク質の結合イベントに関するモデルのみの結論を真面目に受け止めるには、実験データ確認する必要があることに注意しなければなりません。このようなシミュレーションではもっともらしく見えても、現実には通用しないことが非常に多いのです。この論文では、アジロマイシンとヒドロキシクロロキンがコロナウイルスに対する効果的な治療法としてどのように作用するかを、詳細なメカニズムに基づいて説明していますアジロマイシンはRBDに結合し、HCQはNTDのlipid-raft-binding部分のコンフォメーションに影響を与えます(これもlipid-raft-centricですね)。後者相互作用については、先の論文で取り上げています問題は、この2つの薬を一緒に使っても(あるいは別々に使っても)、実際にはコロナウイルス感染症の有効治療法にはならないということで、先の論文がDidier Raoult研究引用していても、その事実は覆りません。実際には存在しないもの説明するために、緻密に計算された仮説なのです。

これは、シミュレーションにつきもの危険性です。分子モデリングにあまり触れたことのない読者は、シミュレーションに登場するグラフィックや表に感心することが多い(当然だが)が、実際に実験に携わったことのある人なら、そのような仮説が空気の上に成り立っていることが判明した例を何度も目にしているはずだ。グラフィック現実混同することは、私たちにとって常に危険ことなのです。

そして、私の見解では、Yahiらの論文現実と一致していません。彼らは、「これまでに得られた結果はかなり安心できるものだったが......」というセリフを、日本科学技術庁が発表した論文言及しながら書いています。...」とLiらの論文を参考にしていますが、彼らは現在入手可能な膨大な量の現実的な証拠も参考にすべきです。デルタ型以外のコロナウイルスタンパク質ドメインに対する抗体を作るためにワクチン接種を受けた何億人もの人々が、今、デルタ型にさらされているのです。繰り返しになりますが、私の知る限り、このような状況でADEの証拠は全くありません。実際には、ワクチンを接種した人は、Deltaバリアントに感染する可能性がはるかに低く、感染しても重症化する可能性がはるかに低いという逆の結果が出ています。このような傾向は、さまざまな集団で何度も確認されており、ADEが作動している場合に見られるものとは正反対です。Yahiらが提案したメカニズム現実世界で起こっているのであれば、ワクチンを接種した人のデルタ感染率が高くなり、重症化することが見られるはずです。しかし、そうではありません。逆の結果が出ているのです。ワクチンがADEを引き起こしているようには見えないのです。どれだけADEを引き起こす理由を並べ立てても。

要するに、現実を見てください。

コメント

パトリック

16 8月, 2021 at 4:10 pm

いや、本当に、明らかに明らかです。

非常にシンプルで覆すことのできない事実があります

ADEが発生していたら、ワクチンは役に立たず、事態悪化させているはずです。

しかし、そうではありません。ワクチンは非常に役に立っています。これは山のようなデータ裏付けられています。多くの対照試験試験外の観察から得られたこれらのデータがなぜ間違っているのか、その答えを持っているのであれば、話をすることができますしかし、問題は、あなたが持っていないということです。なぜなら、それがないからです。

から...違う。人々が何を信じようと、これらの山のような有効データ(多くの組織世界中の多くの国、あなたが挙げるあらゆる政治的隔たりの両側などから)は、実際には決定的なものです。これらのワクチンには重大なADEはありません。ただし、地球上のすべての主要な政府アメリカEUだけでなく、中国ロシア、...などなど)が、医療規制当局と協力して*協調して*嘘をつくことに決めたと考えているのであれば別です。

そして、もしあなたがそう思っているのであれば、この会話には何の意味もありません-あなた自分世界にいるのですから

アノ

17 8月, 2021 at 8:02 am

イスラエルアイスランドイギリスなどのワクチン接種の多い国では、COVIDの感染者は昨年の夏よりも大幅に増え、死亡率も同等かそれ以上です。アメリカでも感染率は高く、死亡率はまだかなり低いですが、急激に増加しており、昨年の夏のレベルに達するかもしれません。このように、人々がどれだけテーブルの上で拳を打ち鳴らし、ワクチンは効くと叫んでも、宣伝通りには機能していないことは明らかです。これは、起こると言われていたこととは全く違いますワクチン推進派は、ワクチン接種者と非接種者の死亡率の差を根拠にしています。この主張は、正確な記録の保存と集団間の選択バイアスがないことに大きく依存しており、デルタの死亡率がはるかに高いという仮説に基づいているような主張も増えています。ADEではないかもしれませんが、科学者にはなぜ彼らの予測が間違っていたのかを説明してもらいたいのです。

ピーポー

2021年8月17日 午前10時02分

これによると、イスラエルの死亡率は1月ピーク時の30%、アメリカ1月ピーク時の20%、イギリス1月ピーク時の10%以下、アイスランドは死亡者ゼロと報告されているので、「死亡率が同程度かそれ以上」というのは明らかに誤りであり、死亡者の大半がワクチン未接種者であることを考慮するまでもなく、「ワクチンはコヴィドの死亡の大半を防ぐ働きをしている」というのが正しい結論です。

カルビー

16 8月, 2021 at 3:15 pm

私はデング熱の分野でいくつかの経験をしてきましたが、いくつか特筆すべきことがあります

抗体反応を見るために作られた前臨床のヒト化マウスモデルでは、デング熱エボラ出血熱、RSV(その他の可能性もある)に対する抗体の増強が見られます一般的には5~10%の範囲です。これは観察結果に基づくもので、(情報公開のため)公表されていません。臨床的には、デング熱(周知の通り)、RSV(陪審員は未定)、エボラ出血熱には抗体が見られません。

まり、臨床前に見られたものが、臨床的にはうまくいかないということです。その理由はよくわかりません。

しかし、デング熱特に興味深く、心に留めておく価値がありますサノフィ社のワクチンでは、(彼らが発表・主張した内容に基づいて)事前にADEを確認していませんでした。しかし、臨床的には確かにADEが見られました。しかし、その効果が現れるのは、ワクチン接種後2年ほど経ってからだということは言っておくべきでしょう。その理由については多くの理論がありますが、100%確実なものはありません。

もしデング熱がそうであれば、将来の変異型にADEが見られるかもしれませんが、今のところ、私の見解では、この前臨床データには予測力がありません。

ですからワクチンを接種すれば病気にはなりませんし、待っていれば感染して死ぬかもしれませんが、起こらないかもしれない仮定問題心配する必要はありません。私は予防接種を受けました。

David

2021年8月18日 午前3時57分

私が見た限りでは、ADE(またはADEの可能性)のケースはすべて最初の株/変種からそこにあり、データ/トラッキングの不足のために見逃されたのでしょう。デング熱のADEも、異なる「血清型」に感染することで起こるのが一般的だと理解しています(だからワクチンに固有のものではないのです)。

免疫力(またはAb値)の低下や突然変異によってADEが発生するケースはありますか?もしそうだとしたら、インフルエンザなどのウイルス変異率が高い)に多いのではないかと思います。これは、複数の株を含むワクチン使用することに問題があることを示していますインフルエンザ予防接種場合も同様です)。

luysii

16 8月, 2021 at 6:45 pm

それは破滅予言する理論です。

良いことを予測する理論どうでしょう。私の弟は、パンデミックほとんど終わったと思っています。彼の理由は次のようなもので、現在パンデミックウイルスの大量接種の状況にあると考えています。彼は、人々が進んで予防接種に申し込んでいるという意味ではありません。デルタウイルスは非常に感染力が強く、急速に広がっており、ほとんどの症例は無症状であるため、人々は感染によってVACCINATED(その後の相対的免疫)を受けているというのだ。症例についての騒ぎは、毎日検査を受けているごく少数の人々についてのものであることを忘れてはならない(人口に比べればごく少数であるが)。この方法発見された「症例」のうち10%以上が入院必要としたという研究はどこにもなく、最近ケープコッド研究では1%程度であった。つまり検査で見つかった「症例」の大部分は無症状なのです。

英国では過去2週間で症例数が半減していることからも、彼の考えを裏付け証拠が実際にあると言えるでしょう。

David

16 8月, 2021 at 7:23 pm

ADEが臨床的に重要効果であるならば、ワクチンを接種した人は、ワクチンを接種していない人よりも、初めてウイルスさらされたときに、病気になるはずです。しかし、その逆で、圧倒的な差があります。私の地元病院では、過去3ヶ月間、ICUのコビド患者はすべてワクチンを接種していませんでした。ワクチンを接種した人がADEで被害を受けているのはどこでしょうか?ワクチン接種を受けた人が入院するほどの病気ではないのに、どれだけひどいことになるのでしょうか?

アルバート

2021年8月17日 5:04 PM

あなた病院で見られるこの傾向は、イスラエルイギリスで起きていることとは逆で、重症者や死亡者ほとんどがワクチン接種者になっています(MOH発表のデータによると、イスラエルでは直近の週で73%)。デルタ波はアメリカでは比較的新しいものなので、残念ながら同じパターンが出てくると思いますよ。

David

2021年8月18日 午前4時13分

あなたがどんなデータに基づいて結論を出しているのか、それを示すのは難しいのではないでしょうか?73%の死亡率からは、何のことを言っているのかわかりません。

私が見ているデータでは、逆に「重度の病気」になった人の中にワクチンを接種していない人が多く含まれています(すべての年齢層で)。60歳以上の人のCFRは非常に高く(+10%)、ワクチン接種によって90%減少したとしても、そのグループ若い人よりもリスクが高い(-1%)ということを覚えておいてください。

アルバート

2021年8月18日 午前6時26分

勿論、年齢別にもありますよ。イスラエルでの最近の死亡者の73.1%は、完全にワクチンを接種した人です。ジョーはどこからワクチン未接種者のパンデミックを知ったのでしょうか?死者の99%はワクチンを受けていない人だそうです。その統計を取るために、ほとんどの人がワクチンを接種していなかった時代死体を数えているのです。

最近現実こちら。

https://twitter.com/rzioni/status/1426178482569109504

2021-05-07

アメリカ帰りの出羽守に騙されて、SESに人売りされた話

または「すいません、名刺は切らしておりまして...」と言うのが板につくようになるまで。

あー、もうかれこれ10年も経過するのか、と思うと感慨深くなる。ヤクザのような(自称プログラマーに騙されて、多重請負転々とする羽目になったのも昔の話だ。語尾に「かなーと。」をつけるテック系に誘い込もうとするインフルエンサー達にノコノコついていく若者たちの末路はどうなるのかというのを、オジサンが教えなくてはいけない時期にきていると思い、書き込むことにした。

さて、冒頭に挙げた人物を「A氏」とする。もちろん実在するし、なんなら本まで出版している。今ではツイッターユーチューバーとして発信している。全く売れてないし、内容も洋書をパクってきたものなので、まったく価値はないがね。

A氏との出会いは、とある SNS だった。ちょっと、嘘を書くが、「どうかな、いちどうちに来ない?」というので、ためしに行ってみると「マーチ文系学生コーチする、反社団体所属してそうなお兄さん」がそこにはいた。

うわぁ、と思ってポカーンとしていたら、「せっかくなので、彼らが作っている課題をやってみて」という。ふむ、と思って、すぐに仕上げた。まぁ、当時の自分は【経歴がクソ】ということを除けば HTML/CSS を使ってブログをやっていたし、Java/Ruby/PHP/JavaScript/Objective-C をひと通り書けたし、Linux の初歩や SQL勉強していたし、AWS にてサービス運用するぐらいには気力があったので、当然ではある。

どんなもんだーい、と思ってコードを得意げにみせると、彼の表情は厳しい。A氏は「なにこれ?」というのだ。確かに【わざと】再帰を使って記述したが、シンプルに仕上げたつもりだ。それで「なにって、再帰ですよ?」とかえすと、A氏の表情はみるみるうちに厳しくなっていった。

ちょっとバックヤードにおいでや」というので、共同スペースの給湯室に行く。そこで「なんで履歴書を持ってこないの?」からはじまって、散々ディスられて「1日棒に振ったなぁー」という表情していたら、ますます怒らせたらしく、「キミは態度も顔も悪いねー」と言われ、さすがの俺もブチギレる。

もう時間無駄から帰ろうとしたら、「ポートフォリオを作ってこい、出来が良ければサ●バーエ●ジェントに紹介する」というじゃないですか。いやぁ、甘かったね、当時の自分は。そんなの、嘘に決まってるじゃないですか。でも、信じちゃったのですよね。

そのあと履歴書を書かされ、【未】登録派遣事業会社員正社員でなく、保険もなし)となり、禁止されている事前面接をされて、客先常駐に無事にはめ込まれましたね。ぶっちゃけ、ここまでは「世間知らずが身ぐるみ剥がされたね、勉強になったね」でおしまいなんですよ。ええ。

本当に書きたいことは、ここからだ。この A氏という人物が許せないのだ。どう許せないかというと「プログラミング計算機科学に対して愛はないのに、人工知能のことは語れる」と本気で思っているからだ。

知っている人は当然なんだが、【教師なし学習】といった類のもの1970年代には存在しているのだ。【深層学習】なんてものも、1970年頃には理論は完成していたのだ。どうして、21世紀になるまで注目されなかったのか?それは、ハードウェア能力が不足しているからだ。そして、未だに不足している。加えて、場末中小企業努力しても手に入れられないものがある。それは、【教師あり学習】に必要な音・画像データだったりする。こればかりは、グーグルマイクロソフトを超えてくる会社日本にはない。

まぁ、世の中には仕方のないものがある。別のところで勝負しよう。じゃあ、どう勝負するか?そりゃ『技術』でしょ、と普通は思うよね。それが、A氏は違うのですよ。彼の場合は、源泉は「学生を利用する」という戦略をとったわけ。そう、ベンチャー企業がやりがちな「やりがい搾取」ってやつだ。

はっきり言って、社会人ちょっとやったら、彼の言っていることが「感覚的におかしい」というのがわかるのだ。例えば「未認可の派遣事業をやっている」「インターン成果物営業する」「講演会執筆ばっかやってる」とかね。あと、勝手に祝賀会とかに行って「有名人ツーショット」を撮ってくるのよ。その写真マウンティングしてくるのは、真正キチガイ所作だと思ったよね。

ちなみに、A氏はアメリカの名門大を出ている(arxiv論文あったからマジ)が、計算機科学じゃないのよね。とある彼の手記を読むと「友人がこれからAI」と言っていたかスタートしたらしいですのよ。逆算すると、勉強期間はたったの 1年。絶対に無理だってばよ。当時の自分ですら「再帰を知らない人をプログラマーと認めたくない」と思ったし、こいつ計算機科学知識ゼロに近いと感じたもんね。

A氏の名誉のために書くと、努力はしてたとは思うよ。彼のブログを読んだら、Mecab やら TF をさわっていたしね。まあ、でも、それでも本をかけるほどの実力はないよ。だって、オレ知ってるもん。彼がラ○サーズに執筆依頼していたの見ちゃったし、インターン生に代筆させてたから。

疲れたので、途中で書くのやめます。どうしてスキルのない AI人材執筆依頼がくるのか、なぜ A氏はAIにすがるのか、出羽守AI人材未来はあるのか、は希望があればやります。)

追記arXiv ってプレプリント置き場なのね。知らなかった。ありがとう

2021-01-26

anond:20210126121123

プレプリント中だからもうちょい待ってな。

なぜか8月データがあるのに言及していないこの論文と違って、11月までのデータを使った研究から

2020-12-16

【全文翻訳】イベルクチンはCovid-19を治療するための奇跡の薬?

【全文翻訳ピエールコリー博士上院証言:イベルクチンはCovid-19を治療するための奇跡の薬?

なぜ私たち以外の誰もが気にしないのか... WTF

The Auto Channel

原文URLhttps://www.theautochannel.com/news/2020/12/10/922677-senate-testimony-dr-pierre-kory-ivermectin-miracle-drug-to-treat.html

編集者の嘆願。それは研究する価値があるのではありませんか?

COVID-19の予防と治療におけるイベルクチン有効性を実証する新興のエビデンスレビュー研究(PDF)

証言 聖路加オーロラ医療センター准教授 ピエールコーリ医師

国土安全保障委員会会議の前に COVID-19の早期治療に注目

2020年12月8日

COVID-19に対する効果的な早期治療重要性と必要性に注目していただくために、ジョンソン上院議員と委員会の皆様に感謝の意を表すことから始めたいと思います。私は個人医師としてだけでなく、私の非営利団体である「Front-Line COVID-19 Critical Care Alliance」を代表して、本日お話しさせていただきます

私たちは、多くの人と同様に、効果的なワクチンの開発に成功したことに非常に励まされていますが、ワクチン以外の効果的な早期治療、在宅治療、予防治療選択肢についての指針や研究がほぼ完全に欠如していることに愕然としています私たち病院10万人以上のCOVID-19の患者入院して溢れており、毎日のように記録的な死亡者が報告されていますワクチン一般に配布されるまでには数ヶ月、この危機に十分な影響を与えるにはさら時間がかかると思われますので、効果的な早期治療必要性を強調したいと思います。私の所属する重症治療専門家組織は、このウイルス病気プロセスについての洞察を得て、効果的な治療プロトコルを開発するために、約9ヶ月間、科学的文献を精力的に検討してきました。その間、私たちはCOVID患者でいっぱいの集中治療室で長時間働いていました。私は、5月委員会の前でMATH+病院治療プロトコールについて証言できたことを誇りに思っています。この治療プロトコールは、その組み合わせ療法のほぼすべての構成要素が臨床研究検証されており、治療プロトコールの影響に関する詳細と報告書は、数日以内にJournal of Critical Care Medicineに掲載される予定です。

ポール・E・マリ教授率いる私たちグループが、COVID-19の予防と早期治療のための非常に効果的なプロトコルを開発したことを、私はここに報告することができ、大きな誇りと同時に大きな楽観主義を持っています。ここ3-4ヶ月の間に、新たに発表された論文は、抗寄生虫剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤と呼ばれるイベルクチンの深遠な有効性についての決定的なデータ提供しています私たちプロトコールは、これらのデータ確認した後、最近になって作成されました。ほぼすべての研究で、イベルクチン治療効果安全性が、この薬を服用しているほぼすべての人の感染病気の進行を防ぐことが実証されています

先に進む前に、そもそもこのヒアリング必要とされてきたわが国の治療対応には2つの重大な欠陥があることに注意を喚起したい。ヒドロキシクロロキンに対する初期の関心と研究のほかに、すでに存在する安全で低コスト治療薬の使用研究するための重要な取り組みを見つけることができません。私たちが全国規模で観察した唯一の研究治療の焦点は、レムデシビルモノクローナル抗体トシリズマブなどのような新規または高コストの薬剤設計製品であり、そのような治療法はすべて数千ドル費用がかかります。これは、Covid-19について議会相談したある医師が「低コスト治療法の価値をどうやって証明するかという問題議会蔓延している」と結論づけたときに出された結論と一致しています。もう一つの障壁は、私たちのページが繰り返しブロックされているフェイスブックや他のソーシャルメディア上で重要科学情報を発信しようとする私たちの試みのすべての検閲でした。最後に、既存タスクフォースに臨床の専門家がいないことが、効果的な治療法の特定の進展をさらに妨げていると考えています私たちの専門的な臨床医グループスキルセット、臨床知識ベース患者ケア経験類似しているメンバーほとんどいません。既存メンバーはすべて、大規模な医療機関の医師リーダーであるか、研究バックグラウンドを持っているようである。多くの人はキャリアの中で患者ケアのベッドサイドでの経験があるはずですが、今回のパンデミックの間にCOVID-19の患者のベッドサイドに相当の方法で立ったことがある人はほとんどいないようです。私たちのような専門の臨床医パネルには大量の貴重な見識と知恵があり、COVID-19におけるイベルクチンの絶大な効力を最近発見したことを共有できることを大変嬉しく思っています

ベルクチン安全性が高く、広く入手可能で、低コストである。その発見ノーベル医学賞を受賞し、すでにWHOの "世界必須医薬品リスト "にも掲載されています現在20以上のよく設計された臨床試験データがあり、そのうち10試験無作為比較試験で、どの試験でも感染率の低下、回復期間の短縮、入院の減少、死亡者数の大幅な減少など、大きな規模と統計学的有意効果が一貫して報告されています。この臨床データは、複数基礎科学、体外および動物実験によっても裏付けられています。1週間前に完成した我々の原稿は、ほぼ毎日のように新しいイベルクチンの陽性研究が出現しているため、すでに古いものとなっています。この原稿は、医療プレプリントサーバーOSF(Open Science Foundation)に掲載されており、こちら(https://osf.io/wx3zn/)、または当組織ウェブサイトwww.flccc.netからダウンロードできます博士号を取得した研究者や科学者のグループ執筆した、より更新されたメタアナリシスレビューは、2020年12月4日時点でのすべてのイベルクチン研究を含み、c19study.comのウェブサイト掲載されていますhttps://ivmmeta.com/

これらのデータは、イベルクチンがCOVID-19に対する効果的な「奇跡の薬」であることを示している。その効果の大きさは、世界中の多くの地域寄生虫疾患に対してノーベル賞を受賞した歴史的な影響に似ています。イベルクチン発見に貢献した製薬会社であるメルクは、この薬が最初に発売された時からWHO寄生虫撲滅プログラム支援するために、何億回もの投与量を無料寄付していることに注目すべきでしょう。私たちは、COVID-19の惨劇から地球を根絶するためには、同様のイニシアチブ必要であると信じています私たちグループは、この金曜日12月4日ヒューストンユナイテッドメモリアルメディカルセンター記者会見を開き、"Call to Action "を発表しました。私たちは、イベルクチンに関する科学的根拠の高まりを迅速に評価し、それに応じて治療ガイドライン更新するために、私たち国内および世界医療機関と指導者たちに正式要求を行いました。私たちは、イベルクチンに関する最後治療勧告8月27日のものであり、NIHウェブサイトでは、イベルクチン臨床試験でのみ使用することを推奨しており、当時は臨床研究が不足していたため、「専門家意見」としてその勧告に基づいていることに注目しました。今ではイベルクチン有効性を報告している研究豊富にあります記者会見私たちは、治療法の推奨がなされ、それによって何千人もの命が早く救われることを期待して、このエビデンスの迅速かつ最新のレビューを行うよう呼びかけました。記者会見は、世界中のほぼすべての国にAP通信ユニビジョンを介して放送されました。ウガンダ政府の保健省は現在私たち治療プロトコルを国の治療ガイドラインに組み込むことを意図して、私たち原稿レビューしています。それが48時間後の現在、広く共有されているにもかかわらず、私たちには何の連絡もありません。

2020-04-12

anond:20200412151257

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https://twitter.com/takavet1/status/1246361839983685633

京都大学 ウイルス再生科学研究所 附属感染症モデル研究センター ウイルス共進化研究分野主宰

Takayuki Miyazawa(宮沢 孝幸)

@takavet1

抗体検査でIgG陽性、IgM陰性の医療従事者を前線に立たせるという意見があるようですが、私は懸念をもっております。このウイルスインフルエンザのように抗体が出来て、すぐに体内から消えるものではないのです。またRT-PCRが陰性になってもウイルスは完全には体から排除されていないことが多いのです

このことは意外と知られていないことを痛感しました。私がワクチン実用化や血清療法に疑念をもっているのはその点です。抗体が本当に効いているのかがわからないのです。

抗体が高いほど症状がひどいという逆説的な論文プレプリント)も出ています抗体リスクファクター危険要因)であるという結論を出しています論文をよく読むとそうとも言えないのですが、いずれにせよ、IgG抗体がたくさんでているのに、ウイルス排除されない例はあります。とてもやっかい

RT-PCR陽性者でまったく無症状の人で何週間もRT-PCRでのコピー数が多い方もいらっしゃいます。すなわち、健康無自覚な方もウイルスをまき散らしている可能性があります。その方を抗体検査すれば、IgG陽性、IgM陰性であるはずです。ですので、抗体検査の結果だけから自分回復者だと言い切れない

2019-07-28

Neuralinkのアベンジャーズみたいなチームは日本で作れるものなのか

生物学分野のプレプリントBioRxivにイーロンマスク率いるNeuralinkの企業ホワイトペーパーが公開された。

https://www.biorxiv.org/content/biorxiv/early/2019/07/18/703801.full.pdf


論文の中は、脳神経科学機械工学半導体情報工学の集まりだ。

YouTubeの発表を見ていて、各プロフェッショナルが集まっているわけだが、分野が違い過ぎるチームを率いることができるものなのか?

イーロンマスクが凄いと言っても、YouTubeでも各パートについては専門家プレゼンを任せていた通り、イーロンマスクがすべての分野に精通しているわけではない。

技術屋が嫌う、技術のわからない上司ってのがイーロンマスクのはずだ。

もちろんイーロンマスクの下にPMがいる可能性はあるが。


日本場合、各分野の最先端人物を探すだけでも大変ではないだろうか。

LinkedIn登録していない人も多い。


仮に集められたとして、現時点でお金と人だけがネックとなっている課題を見つけるというのもスキルがいる。

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