はてなキーワード: プレゼントとは
まだデビューしたての頃、ネジの部分が壊れかけてすぐに緩んじゃうマイクスタンドを使ってたので、
誕生日に欲しい物リストに入っていたスタンドをプレゼントした。
無骨でいかにもマイクスタンド!っていうデザインのやつ。さすがにゴツすぎるからとシールでちょっとデコってた。
今や気付けば登録者数8000人の良い具合なVtuberになった彼女。
部屋の模様替えをしたという写真で、今もそのスタンドを使ってくれていた。
全体的に女の子っぽい家具なのに、スタンドだけ無骨なの。シールがそのまま残っていて、不自然に浮いてるスタンドが。
稼いでるかはわからないけど、少なくともマイクスタンドをオシャレな物に帰る事だって出来ただろうに。
先月末、Switchで昔ガラケーで配信されていた「女神転生外伝 新約ラストバイブルII 始まりの福音」が配信された。
このゲームはゲームボーイやスーファミで展開されていたラストバイブルシリーズで、こんなタイトルだけど2のリメイクではなくて完全新作。
そしてラストバイブルシリーズどころか、本家の女神転生シリーズを全てひっくるめてもトップクラスの鬱ストーリーになっている……という噂を耳にしたことがあり、一度遊んでみたいと思っていた。だがしかし、何せガラケー末期に配信されたアプリであり、噂を聞いたときはスマホに移行済みだったから、遊びたくても遊べなかった。このたびSwitchへ移植されたことでようやく遊べた。めでたい。
遊び終わった感想はというと、最初から最後まで本当にシナリオがエグくて、本家の女神転生シリーズを全てひっくるめてもトップクラスの鬱ストーリーという前評判は伊達じゃない。メガテンシリーズは全て遊んだわけじゃないけどね。
ただ、元がガラケーアプリということもあって、ググってもほとんど話題がない。あまりにも衝撃を受けたこのゲームの話がとにかくしたいのだ。
というわけで、シナリオを解説しつつ盛大にネタバレしながら語るぞ。
※1度遊んだだけなので、うろ覚えによる勘違いがある可能性あり
この疫病は空気感染するタイプで潜伏期間が3年~不定期、発症率は2~3割で年齢が低いほど発症しやすい。ホルスの住民のほぼ全員が感染しているのではないかと考えられている。
発症すると耐え難い痛みに襲われ、10年以上の月日を重ねて徐々に衰弱していくというもの。
やけに病状が具体的に提示されるのが、恐ろしさを伝えている。
ガラケーアプリで配信された2008年の段階ではそこまでの意図はもちろんないだろうけど、2022年の今遊ぶとパンデミックの恐ろしさが凄くよくわかる上に、病状はコロナよりもちろんヤバい。
ホルスのあちこちの街にある病院では全てのベッドが患者で埋まっており、自宅療養するしかないと告げる看護婦や、街によっては床に雑に寝かされているところもある。
そして、年齢が低いほど発症しやすいので、子供や孫の身内を失った老人が姥捨て山のように住まう村がある。そこにある大きな建物に入ると、フロアにびっしりとベット寝たきり老人が大量に映し出されるのは恐怖でしかない。これは所謂2DRPGだからできたことの表現だろう。
そこにいるまだ元気な老人も死への恐怖から必要以上に騒いだり、人生に悔んだり……。
物語の終盤、人間を苦しみから解放するという名目でルシファーがやってくるが、それは殺害することで苦しみから解放するというものだった。
主人公たちはルシファーを倒すが、この村の村長からはどうせ苦しんでいるだけなのだから一思いに死なせた方が良かったんだと嫌味を言われる。そしてルシファーから助けたはずの老人は病による苦しみから自殺してしまう。後味が悪いというレベルじゃないんだけど……。
この病気に対する薬も開発されているが、麻酔のようなもので、痛みを失くす効果はあるが根本的な治療にならない。
そして街によってはその薬すら満足に供給されず(数少ない薬はお偉いさん方しか使わないという政治腐敗っぷりもある)、死して魂を解放することが幸福であるという、謎の宗教みたいな教えを伝達して誤魔化しているのも、この世界の退廃っぷりを表している。
また、仲間の一人であるルナは行方不明となっている母と父を探しているという設定であるが、この母と父は疫病の進行のため、薬の過重投与によって植物状態になり、聖王軍から"楽園"と呼ばれる施設に同じような症状の患者とともにいた。
ルナはそのような状態になってしまった母と父にショックを受け、弟のカミュの魔法で記憶を改竄して貰っていたのだ……。
"楽園"にたどり着くことで真実を知ってしまったルナは、元々の勝気な性格が嘘のようにショックを受け、しばらくパーティから離脱することになる。
なお、当然ながら弟のカミュはこの真実を知っている。母と父がそのような状態になってしまったからか、姉であるルナに異常な愛情を向けるようになり、ついに自分の思い通りにならないのならそんな姉はいらないというヤンデレ思考でルナを含めた主人公一行と戦うことになる。
敵に操られていたとかそんな理由で肉親と戦うのではなく、セルフで狂って戦うことになってしまうのは、この物語の世界観のエグさを物語っていると思うぞ。
また狂ってしまうのはカミュだけではない。仲間の一人、レオンも物語の終盤に兄のように慕っていたアインは自分をかばってなくなっていたこと、自分たちの責任の重圧に耐えきれず、ルナを誘って逃げようとする。しかし、ルナは亡くなったアインの代わりに自分を新しい依存先にしようとしているという正論パンチを食らわし、痛いところを突かれたレオンは狂乱の中、ルナへ刃を向けることに(この後、ルナと一騎打ちになるが、レオンはメチャクチャ弱い。なお、レオンはその後、反省し、覚醒してパーティに戻る)。
一応ストーリーラインとしては、この疫病で苦しんでいる星で、世界を支配する王であるカインが狂王を名乗り、圧政や異世界から魔獣(メガテンでいうところの悪魔)を召喚してさらに世界を混乱させている。
主人公は冒頭で妹を魔獣に食われ、そしてその魔獣は父と母も殺害してしまう。この魔獣はあざ笑うかのように、妹が持っていた仮面や衣服を着用し、妹の笛を吹いて現れる。父親の死の間際、その魔獣(以下、笛吹き)とそんな魔獣を呼び出したカインへ復讐して欲しいということを語り、当面はまずカインを倒すことを目的に話が進む。
狂王カインへの対抗組織として聖王アベルが率いる聖王軍というものがある。この聖王アベルは前述の薬を作って配布するなど、この星に住む人の希望となっている。
……しかし、主人公たちはカインを倒したときに真実を聞かされることになる。
カインは、疫病への恐怖から誰彼構わず魔女狩りを始める国民に心を痛めており、自分が狂王となり悪役を演じることで全ての不満を自分に向けるように仕向けたこと。その裏で、聖王アベルという架空の存在を作り、疫病への対策を行っていたこと、そして狂王を演じるうちに次第にカインの精神を蝕み、狂ってしまったこと(結局、魔獣を召喚したのはカインであるかどうか不明)。
そうこうしているうちに、主人公を導き、暗躍していた魔獣の女王を名乗るミストラが魔獣王を決めるということを言いだす。
世界の各地に魔獣の卵のようなものがあり、ミストラがそのような提案をすると、サタンとルシファーが孵り、それぞれが魔獣王へ立候補し、彼らは大元の思想は違えど人類を滅ぼすという最終目標は変わらず、主人公はそれを止めるために扮装するが、どちらも倒したものの逃げられてしまう。
そしてミストラが魔獣王を決める際に、サタンとルシファーは合体してメタトロンになり、自分こそ魔獣王にふさわしいと名乗りを上げるが、ミストラが魔獣王として選んだのは、笛吹きであった(笛吹きはその後、各地で子供をさらっているなどして、何度か主人公と戦っている)。
ミストラは笛吹きと合体して、魔獣王ルインとなる。メタトロンは部下として従えることになった。
これまで主人公一派に協力的だったミストラの豹変っぷりはなかなか怖い。淡々と語りだすし。
ルインおよびメタトロンの目的は、人類を滅ぼすことで解放すること。そのための手段として月を惑星ホルスへぶつけるという大掛かりな手段を使おうとしてくる。
刻一刻と迫ってくる月、対策として月を爆破する選択を選ぶが、そのためには月にいるルインおよびメタトロンを倒す必要がある。
しかし、こちらには力が足らない。そのためには主人公にフォースの力を解放させるしかないという展開になり、主人公の心の中で、力の解放のため自分と向き合うことになる……。
気が付くと、主人公は森の中にいた。歩いていくと見慣れた光景が広がっていた、自分の育った家、父、母、そして妹。
妹は誕生日プレゼントで貰った笛と仮面を貰って楽しそうにはしゃいでいる。ここにはあの笛吹きの魔獣はいない。
……あのとき主人公が望んでいた光景が広がっているのだ。父は主人公に大切な話があると語る。
それは主人公は捨て子であり、実の子ではないこと、そして出来れば妹と結婚してずっとここにいないか?と提案してくる。
主人公はその提案を……拒否する(提案を飲むと、月がホルスにぶつかり「HappyEnd」という名の「BadEnd」になる)。
そして主人公は過去の迷いへ決別するために、夢の中の親や妹と戦うことになる。
ここまで読むと、わかるだろうけども、ぶっちゃけると「鬼滅の刃 無限列車編」の夢の世界とほぼ似たような展開となってる。こっちの方が早いけど。
鬼滅では炭治郎が夢の中で自殺することで戻ってこれたけど、ラストバイブル2では家族を殺害することで夢の中から脱出するからその分鬱度が高い。
ちゃんと戦闘になり、プレイヤーの手で攻撃方法・対象を選んで倒さねばならないのだから……。キツい……。これもゲームシステムを利用した演出なんだろう。
月にたどり着くと、いよいよラストダンジョン。その名は"地獄"。ストレートすぎる名称だろ。なんで月に地獄があるかっていうと、おそらくルインが作りだした幻かと思われる。だからこそこの地獄は狂気に包まれている。
この地獄では、人々がやや支離滅裂気味で話す苦しさを全て聞かないと先に進めないので、精神がゴリゴリ削られる。
あと最後までたどり着いてようやく気が付いたのだけど、ミカエルだのルシファーだのが出てきたり、タイトルにバイブル(聖書)という名称が入ってくるくせに、このゲームの世界観は仏教がベースなのよ。ラスボスの前座で出てくる敵は「四苦」と「八苦」。「四苦八苦」という四字熟語があるが、「四苦八苦」とは仏教用語であり、生苦・老苦・病苦・死苦・愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦を表す。ちょっと病苦を全面的に出し過ぎてる気もするが。
なんとかラスボスのルインを倒すが完全には倒せていない、そうこうしているうちに月はホルスに迫る。
もう用意していた爆弾だけでは、月を破壊できたとしても破片がホルスにぶつかって大損害を与えることが必至。完全に粉々に月を爆破する必要があり、主人公はレオンとルナをトランパ(ドラクエでいうルーラ)で逃がし、フォースの剣で更なる力を込めて月の破壊しようとする。
まだ死んでいないルインがやってくる。主人公はルインと心を通わせることで、笛吹きの魔獣……ラミレスの正体を知ることになる。
笛吹きの魔獣はラミレスという名で、正体はレオンの双子の兄である。
ラミレスとレオンは望まれない形で生を受けたため、親から虐待されて育てられた。食糧事情が悪化した際、ラミレスとレオンは親に捨てられた。
レオンは山へ、ラミレスは海へ。レオンはたまたまそこにいたアインに拾われて育てられることになった。
一方ラミレスは海に流された後、あまりにも不憫に思ったミストラにより、身体は魔獣として命を取り戻すことになる。そして主人公が冒頭で暮らしていた島へ流れつく。
仲睦まじく楽しく暮らす家族を見ると、親の愛情を受けずに虐待して育てられたラミレスは苦しみだす。なぜ自分はこんな目に合うのか。
ラミレスは家族の愛に飢えていた。だからこそ、主人公の妹を喰らい、妹が来ていた仮面や服を着ることで、自分はあの幸せそうな妹にすり替われることができるのではないか、と考え実行する。
もちろんすぐにバレるため、主人公の父と母から拒絶され、そのまま殺害してしまう。
家族が欲しいというラミレスの願望は一向に癒されず、各地で子供をさらって食うという猟奇的な行動に出てしまう。
そして、全てを理解した主人公は苦しむラミレスの魂を開放すべく、最後にとどめを刺す。そして月と運命を共にする。
あとは平和になったホルスのエピローグが語られて、「女神転生外伝 新約ラストバイブル2」が終了。
最初から最後までこれでもかというくらい陰鬱な話が続くが、そのための清涼剤としてか仲間はみんな底抜けに明るい。
だからこそ、仲間の辛い過去が判明したり、狂いだすのも結構キツいものがあったりする。
あと、このゲームは2であり、ところどころ1を遊んでいないとわからないと思われる部分もあるが(結局ミストラって何者なの?とか)、まあメインの部分は1をやっていなくても大丈夫。自分も遊んでないし。
つづき
○月○日 自宅に帰った。色々考えた結果里帰り出産は中止して自宅近くで分娩予約をとる。
それに加えて会話が謎すぎる。
しかしディズニーランドのカレンダーみて派遣社員が「カワイイカワイイ!!」っていうから,
ディズニー好きなんですか?,ときくと,「いや,別に…」と言われた。どういうことだよ。
分彼女も無理に若い女が好きそうな話題をふるものの,私がまるで食いついてこないので混乱しているんだと思う。すまない。
最近はえづくものの吐いていない。おなかもだいぶ出てきて,胎動がもにょもにょする。
年賀状も出し終えて今の書き物もあとわずか。自分で自分をほめてあげたい。
夫もだいぶ色々やってくれるようになった。妻の不在がいろいろと身に染みたらしい。少し可哀想。
夫が素晴らしいクリスマスケーキを買ってきてくれた。
タレントパティシエの作るベジタリアン仕様の低糖質ケーキを間違って買ってしまったようで
,ホールケーキと言っていいのかどうか分からないぐらい小さく,そして物理的にも味的にも薄い。
何なんだこれは?持病のある人なんかは良いのかもしれない。
値段は怖くて聞けない。夫も蓋を開けてガッカリしたようだった。
私は「美味しいよ」と言って食べた。
でも次から絶対に夫にはクリスマスケーキを買わせないことに決めた。
○月○日 最近頭痛が頻繁に起きる。ストレス性の前頭葉の痛み。新しい派遣のせいだろうか。
あいつは私の知らないところで謎の模様替えをするので,何がどこにあるのかわからなくなる。勘弁してほしい。
○月○日 大晦日 夫は友達と早朝から遊びに行った。早く帰ってくるというので,
おなかが重いけどシンクの掃除,トイレ掃除,食器洗い,洗濯などたまった家事を片付け,
軽めの大掃除する。なますと黒豆,お雑煮を作った。よく作れたもんだと思う。
夕方八時九時過ぎても夫は帰ってこない。空腹になるとまたゲロ吐くかもしれないので早く年越しうどんを食べたい。
しょうがないので一人でてんぷらを揚げて,乾麺を茹でて食べた。
年越しうどんを一人で食べたのは生まれて初めてかもしれない。惨めな気分だ。大掃除の無理が祟ったのか,夕方お腹が張ってしまう。
怖い。切迫入院だけはしたくないし,そもそも病院はやってない。何もかも嫌になって先に風呂に入って寝る。23時前に夫がやっと帰ってくる。
これが夫のいう早く帰ってくる,というやつなのだろうか。理解不能。生のうどんを買って来たらしい。一人で食べて下さい。
○月○日 元旦 夫は起きてこない。頭にきて出かける支度をする。
夫が起きてくる。夫いわく友人とはしごして飲んでたというので,
「父親の自覚足りてんのか,おせち作ったから一人で食ってろ」と言って家を飛び出す。
夜明け前で誰もいない。夜勤明けか始発帰りの人がぽつぽついるだけである。
歩きながら,「誰も私以上にお腹にいる子のことを考えてはくれない,だから私がこの子のことを守ろう」と決心し,
ご来光が見たいと思い検索するが,どこも遠い。電車で数駅先の都市まで出る。
しかし店がどこもやってない。コンビニでジュースを買って飲む。寒い。お腹が張ってるような気がして怖いので,
帰ることにした。怒りがおさまり冷静になれたので夫にメールする。
家に帰ると夫はいない。私の実家の最寄り駅まで行ってしまったらしい。
この男は私が怒って家を出る度,なぜか私が実家に帰ったものと勘違いするようだが,
二時間かけて帰って来た夫に,一応怒って出てったことを謝った。
そして昨日どんな気持ちで何をしていたか至極冷静・簡潔に説明し,
(しんどいけど仕事で忙しい夫に遠慮して自分ばかり家事してること,つわりのこと,遊びたくても遊びに行けないこと,
遊びに行ける夫が羨ましいこと,おなかが張って怖かったことetc)
今まで別々に暮らしていたし,国や地域によって常識なんていくらでも変わるけれど,
お互い9時過ぎて帰る時ぐらい連絡を入れるようにする約束をし,仲直りしようと言って握手した。
ケンカというより私が一方的に怒って出てって二時間ふらついて帰って来て冷静に今後について話すだけの小規模家出だった。
今思うとそこまで怒る事じゃなかったかもしれない。多分ストレスがたまっていたんだ。
○月○日 正月の家出依頼夫が随分親切になり,家事もよくやってくれるようになった。
珍しいのでびっくりしていると,もっと私にいろいろやってあげればよかったなどと,まるで私が死んだかのようなことを言う。
多分最近夫は友人と遊ぶことが多かったので,何か罪悪感を感じているらしい。
正月のショックと合わせて今になって発散しているのだろう。
やりすぎたと思って可哀そうになり,一応適当になぐさめておいた。
○月○日 頭が痛い。だるい。熱っぽい。柔軟剤ババアの匂いが弱まったかと思いきや、弱体化したのは私の嗅覚のようだった。
鼻風邪が治らない。
具合が悪いのにエジプトで捕まったことのある失言おじさんが「今日は顔色いいですね」みたいなとんちんかんなことを言ってくる。殺すぞ。
柔軟剤のババアもわざわざ救急車で妊婦がたらいまわしにされたありがたい話をしてくる。
本当にいちいちありがたい野郎だ。体調も悪いし気圧も変わるし、仕事も忙しくてかなりイライラしている。
新年会は絶対参加しないことに決める。用意はしても絶対参加しない。
飲みたい奴が飲んで最後まで片付ければいいのだ。なぜ皆気のすむまで適当に片付けに参加するものの,
ある程度やったら切り上げてしまうんだろう?細々とした片付けはなぜか手を出さない。
コンロを仕舞ったり,机を拭いたり,ゴミを外に出したり…誰がやると思ってるのか本当に不明。
○月○日 週末ずっと家にいた。朝ぜんぜん起きられない。寝てたい。何をしてもあまり面白く感じない。
必要最低限の家事を夫とやって終了。夫も疲れているが,よくやってくれている。ここまでお腹が大きくなってきて,やっと何かの自覚が芽生えたようだ。
○月○日 股関節を痛めて歩けないほど痛い。柔軟剤ババアの攻撃は私の鼻炎が良くなると襲ってくる。
つらい。集中できない。出来るだけ避けて行動する。私のデスクからどんどん物がなくなる。
こうならないように色々なものに私の名前を書いておいたのに,なぜそれを勝手に棚へ仕舞う?理解不能。
休みながら足を引きずってどうにか帰るも明日果たして歩いて出勤できるのか不明。
もう知るかよ。こんな事態に備えて今週中にやっておかなければいけない他の人に関わる作業は先に終わらせてある。大丈夫だ。
○月○日 なんとか出勤。柔軟剤がずっと席にいるので自分のデスクに帰れない。
科長に柔軟剤ババアの異臭についてこぼすも,彼女はあまり鼻がよくないらしく無関心である。
そもそも彼女は人の話を聞くような人ではない。私がインタビュアーになったつもりでインタビュー形式話さないと会話が成立しない。
私の話や考えについていうと,途端に反応が悪くなる。
股関節は寝たら多少良くなった。出来るだけ左足を庇いながら仕事する。
こんな時に限ってしょうもない雑用を頼んでくる奴ら。クソ重い備品を倉庫にしまう程度の仕事妊婦に頼むな。
かがむのが辛いって言ってんだろ。殺すぞ。
手紙を読むと,「防寒具を送ります。お互い元気な赤ちゃんを産もうね。
気軽に相談してね」と実の姉からも言われたことのない優しい言葉が書かれていて,涙が出てきた。だいぶ弱ってる。
○月○日 オフィスに誰もいないので仕事に集中できる喜び。しかし電話がバカみたいにかかってくる。
電話にでると,だいたい他人のミスのしりぬぐいをするはめになる。
「もしもしえ~と,あれ,なんだっけ・・・・?」という電話が一番困る。
「○○の事ですか?」と訪ねると「そう,それそれ」合ってたらしい。
それにしても「あれなんだっけ?」のみの情報に返事できるって私すごいな。
まさかあの上司が柔軟剤に直接香害についてクレームを入れたらしい。
まさか本人に言ってしまうとは思っていなかったので非常に気まずい。
しかし彼女は絶好調で,私が「右の棚にあるものを左の棚に移動させて下さい」と丁寧に頼んだら,倉庫へ運んで行ってしまった。
疲れている。多分彼女は何か疾患がある。先輩に面と向かって顔がふっくらしたと言われてかなり傷ついた。
最近ウォーキングを始めてから家事をかなり頑張れるようになってきたし,夫とも仲良く暮らしているが,職場ではかなりストレスが溜まっている。
この元気はおそらくストレスによるもの。怒りの力で動いているだけだ。
恐ろしいのはこれだけ激怒しているにも関わらず,表面上私はにこにことご機嫌に働いているし,頼まれごとは断らないし,だれも私の怒りに気づいていないようだ。なんでこんな性格になった??でも妊娠したのは自分の責任なので,いったい何にやつあたりできるというんだ?
階段も使うようになったがかなりしんどい。少しは体力がつくだろうか。
○月○日 出張から帰って来てからというものの,体調がすこぶる悪い。倦怠感がひどく,胃液がすぐ逆流してくる。
常にイライラしていて,悪夢で目が覚める。今日は知人男性に激昂するもまるで聞く耳を持たれない夢を見て,朝起きて泣いた。
毎日7時に自然と目が覚める。夜はお腹が張るのが怖くてあまりよく眠れない。眠い。階段には少し慣れてきた。
体重は以前変わらない。このまま維持すればいいことにした。
昨日,エジプトの失言おじさんが「柔軟剤ババアと話がかみ合わなくなってきた」と言って来たので爆笑した。
むしろ最初はかみ合っていたんだろうか。あの失言おじさんが苦労しているのを聞くと笑えてくる。もっとやってくれ。
○月○日 夫が私の手作り弁当にケチをつけてきて,その上乱暴な運転で事故を起こす夢をみた。
午前中から夫を連れて祖母の弔問。あわててお花を買うことを想いつく。夜全然眠れなかった ひどい憂鬱 産後復帰したくなくなってきた。
例の仕事,まるで想像できないし向いてないことは確実。しかし皆向いてない職業についていることも確かである。
私には絶対向いてない。頑張ってみようと言う気持ちが起きてこない。一生洞窟にこもって暮らしたい。ダウナーすぎる
○月○日 朝から最悪の気分 体が重い とにかく仕事をやっつけた。
○月○日 朝から寒い 風邪じゃなかろうか 最近風邪っぽいが日をまたいで症状が継続しないので,おそらく片頭痛とかそんなもんだと思われる。
1日2回ぐらい便通がある。しかし太った気がする。いつも中肉中背なので,こんなに体重が増えたことがない。
元に戻れるのか不安。 腹と乳がくっついてしまう 子宮がせりあがったせいと信じたい。胸のすぐ下で胎動がある。
座っている時の姿勢が悪すぎるのだと思う。仕事はまあまあ進む。
○月○日 玄関から一歩出てぎっくり腰になる。そのまま一週間休んだ。
5日は歩けずに寝たきり状態,6日目に初めて外出が可能に(よろよろ,腰は痛い)7日目には痛みはあるものの,とりあえず歩けるようになった。
8日目には出勤。死にかけつつもどうにかやり遂げた。
○月○日 8か月 検診 体重があまり増えなかったので褒められた。しかし運動不足は否めない。
下半身,特に尻腹ふとももの肉がすごい。今がかつてない重量感。今まで何しても別に太も痩せもしない中肉中背だったので初の経験。
一時間に1回ぐらいお腹が張るのが怖くて一度病院に電話したが,だいじょうぶとのことだったのでそっとしておく。出血,痛みはなく,すぐ張りがおさまるようなら大丈夫のようだ。
○月○日 午前中は昨日の疲れと一週間の腰痛出勤の疲れでぶっ倒れていた。昼食べすぎた。
反省。午後は買い物へいく。赤ちゃん用の綿棒と,ガーゼハンカチを買った。
○月○日 腰痛もだいぶマシに。歩き始めが痛いが,座っていられる時間が増えた。
体力づくりのため階段を使い始め,電車で座るのもやめた。不安も残るが,切迫の兆候もないためしばらく続けてみることにする。
スメルババアの存在が暗くのしかかってくる。妖怪のようだ。見ると暗い気持ちになる。
失言おじさんが,ババアの手が空いてるから何か頼んでいいと言ったが,「じゃあ何かあったらお願いします^^」と言っておいた。間違っても頼まねぇよ。
間食が増えた気がする。よくない。デスクの整理をしていると,以前47kgだった時の健康診断結果が出てきてびびる。
結婚当初の時のだ。いずれそんな体系に戻れるのだろうか…もう10kgぐらい+ということか…しんどい 水のもう。
○月○日 朝から腰痛。少し悪くなった気がする。変に体操したりしない方がいいのだろうか。
ドサクサに紛れて休職期間と育休同時に申請しようとしたら,休職と育休分けて申請しろと言われた。
○月○日 朝起きた時の腰痛がひどい 多分布団が重いせいだと思う。
多分。明日は布団を交換してもらおう。
スメルババアがいないので快適。昨日蒟蒻ゼリー2つ食べたら快便だった。
今日は1つだけ食べたけど,特に何も出ない。明日出たら上々。期待しておく。
昼間すごくお腹がへる。間食とりすぎて良くない。蒟蒻ゼリーを2つ持ってくるべきだった。
今度ボトルガムを買う事にする。ずっとガムかんでよ…
パワハラですり減ってる知人へお菓子を送った。元気が出ますように。 こんにゃくゼリー忘れてつらい。うんこ出ない。
○月○日 昨日のひどい腰痛が少し良くなった気がする。昨日は歩くのもつらかったが,今日は少しつらいぐらい。
帰ってから無理に家事しなかったこと,湯舟につかったことと,こたつで寝たので布団が重くなく眠りが浅かったせいだろうか。
昨日今日と便通があって嬉しい。夫の買ってくれたコルセットに変えてみた。やはり前の腰痛バンドがキツすぎたのかもしれない。
ぎっくり腰の予後がよくないが,もし接骨院に行っても電気流して湿布で3000円ぐらいとられるかと思うと
お腹は相変わらず大きい。大きくなったと毎回言われる。放っておいてほしい。
失言おじさんの前でカレー食べてると,「黄色い子が生まれてきちゃいますよ~」という新たな失言をゲットした。
こいつがとんでもないクズ野郎だということは紛れもない真実だ。
どうやったらそう定期的に失言が飛び出すのか。上の階のおばちゃんにマジで嫌われてる理由もすごくよく分かる。この人の奥さんは本当に可哀そうだ。私はこの人とは一緒に暮らせない。
スメババアのスメルは相変わらずひどい。柔軟剤に関する注意を受けたらしいが何を注意したのか本当に不明。仕事が忙しくないので早く帰りたい。
○月○日 朝腰がまた痛くなった。しかし日中はぼちぼち。カイロを貼ったのが効いているのかもしれない。
天気の影響か?晴天。しかし倦怠感がひどい。もう何もしたくない。寝てたい。帰りたいと言いながら支度して出勤。
スメルババアが老眼で小さいの文字が読めないのでルーペが欲しいらしい。経費で買うつもりなのか…?自分で買え。
○月○日 帰り道歩くと股が痛い 恥骨痛? 腰痛が治らない これはもうあきらめた方がいいかも 夫は昨日会社に泊まった。年度末は忙しい。
以降具合が悪すぎて産休に入った。
すごく神経質で攻撃的ですが,表向きはいつもニコニコ過ごしていました。
○月○日 妙に色々食べてしまう時あり おなかすいてないのに食べてしまう
○月○日 腹痛あり ここのところ腹緩し
○月○日 胸が痛い 腹痛
○月○日 ひどい腹痛と下痢 腹痛による嘔吐 冷や汗 悪寒が止まらず 下痢終了と共に痛みは治まる 寒気 以降しばらくスープしか飲めず
○月○日 ヨーグルトしか食べられない 胸が痛い そういえば誕生日だった 夫からのメールで知る まめで優しい男だ
○月○日 おなかは問題なし 胸が痛い 腹がつる 眠気。情緒不安定 育児へ対する不安,仕事への不安 家に帰り家事するが,いったん外出する。
買い物して駅前で座ったまま,死にたくなる。ベンチで人波を眺めながら泣く。お腹にもう一人生きている人がいると思うと死ねない。でも死にたい。「死にたい」という言葉でしか自分の辛さを表現できない。
そして「このまま死ねばひとりぼっちじゃないまま死ねる」という言葉がこの世に存在することについて考え泣く。家に帰り,夫を心配させたことを知る。すまない。
○月○日 腹痛 腹がつる 眠気
○月○日 腹痛 背中 腰が痛む しかし時折。生理痛に似た痛み。旧姓使用について職場で揉めて疲弊する。また死にたくなる。
母から誕生日プレゼントが送られてきた。ありがたい。夫に愚痴って少し回復する。肉を食べる。
○月○日 旧姓使用について職場で渋られて最悪の気分 引き続き乳痛し
数日前久しぶりに固形のものを食べたため,腸の痛みなのか妊娠初期症状なのかいまいち判別がつかない。
早く寝たため終日わりと元気。ものが沢山食べられず,食べるとすぐ満腹になる。胃が変
○月○日 引き続き乳は痛い すぐおなかいっぱいになる
昼にタイカレーはぺろっと食べてしまったが,夕飯時に何か食べると気持ち悪くなるのは変わらず タイカレー以外しょうもないものしか食べられない
流産に関する記事ばかり読んで不安になる。夫に相談するが得に良い効果なし。嫌な気分になってしくしく泣く。
そうなったら責められるのは私なのだ。
買った小さな靴下や哺乳瓶、かわいい小さなおもちゃを処分するのも私なのだ。
流産したら自殺する事に決める。そうすれば流産した時のことを心配しなくて済む。
遺書を書いた。
○月○日 目が覚めたら多少まともな頭になってきたが,体全体がだるく熱っぽい。
腹はぼちぼち痛むが弱いもの。頭がふらふらして重い。大丈夫なのか?
○月○日 終日しんどいがいくらか家事をする 夫に風呂を沸かしてもらうが,ぜんぜんちゃんと風呂釜が洗えてない
姑か私は。
散々私をなじった姑は、息子に家事も教えなかったんだろうか
デカい息子のようで本当に世話が焼ける
○月○日 立っても座ってもつらい。電車もつらい 母に電話してすこしおちつく 互いの夫の悪口を言いあってすっきりした。
すっきりしたところで夫が帰ってくると罪悪感からかよい人に見えた。事実良い人なのだろう。
夫に尻をポリポリかかれてそのまま寝てしまった。カピバラと同じレベル。
○月○日 通勤つらい だるい 熱っぽい ここ最近ずっと黄色い鼻水が出る
なんとか仕事は進んだのでよしとする。早く帰りたい。貰ったぶどうがおいしかった。でも帰ってぶどうを吐いた
○月○日 妊娠出産は漫画にしようと決意 今日から先輩主催のラジオ体操休むことにした しんどい
○月○日 昨日の怒りのせいかあまりつわり感じず,収まったかと思いきや結局ゲロしそうになる。
頭が重い。しかしつわりが止まると途端に不安になるからこれはこれで安心。
ボスと女性社員にしか妊娠を告げてなかったので,そろそろ男性社員に妊娠を話す。元気なのでラジオ体操した。
○月○日 検診2回目 順調。 母子手帳をもらうこと、産院をはやく決めるようにと指導があった
○月○日 新しい仕事をベテラン上司に教えてもらうも途中で座っているにも関わらず貧血起こして座っていられなくなる。
動悸,眩暈,立ち眩み,ひどい吐気。しかしベテラン上司がまるで気づかないし,独身のオッサンには言い出しづらくて仕事は続行。
トイレと言って抜け出し,ゲロして少しマシになる。おそらく空腹のせい。こんな無理する必要ないのに,休みたいと言えない。
○月○日 このままでは電車通勤時に倒れてしまうと思い、実家へ帰る。
暖かく清潔な家で清潔な風呂に入りふかふかのふとんで寝る。
不潔な家に住み,訳の分からない料理を食べているであろう夫へ罪悪感を感じる。
○月○日 また吐く 実家からだと通勤が非常に楽になった。座れること、混んでいないことが本当にありがたい。
お腹が痛く、便秘気味 倦怠感はあいかわらず夕方風邪のような症状 絶対に風邪なんかひきたくない
咳やくしゃみしてる奴全員殺人未遂者に見える。私も風邪を押して仕事していた時にばら撒いた菌が誰かを殺したことがあるのかもしれない。業が深い。
近くを自転車や車がすれすれで通り過ぎたりするのも怖い
これでぶつかって流産したら…流産したら死ぬことに決めてたんだった。
自殺の方法を調べると、相談窓口がでてくる。無視して調べると睡眠薬と首吊がよさそうだ。
○月○日 今日も吐いた 最近よく吐く 過敏性腸症候群なのか、便秘なのに下痢のような腹痛がある。
お腹がつっぱるような痛み 倦怠感がつよく、夕方はへろへろになってしまう
夜は将来と夫のことが不安だったが、母に話を聞いてもらって楽になる
○月○日 気持ち悪い 最近は電車からおりるたびにすぐ駅のトイレでえづいたり吐いたりしている。
気持ち悪いがご飯は気持ち悪いなりに食べたほうがいいようだ。それでも立っててもすわっててもしんどい
○月○日 育休がとれないとの連絡がくる。想定内の出来事だったにも関わらず,世界中の悪意を背負い込んだようなダメージを受ける。
今まで他人に対して行って来た善行が全て無駄だったように感じてくる。
○月○日 朝から昨日の「育休とれないメール」のことがあたまからはなれない。
部屋でびーびー泣いて夫に電話する,夫は明るく励ましてくれたが、通話を終えると更にしんどくなる。
泣きつかれて夕方まで死んだように眠る。起きてまた泣く。どうしようもない。
母に少し憂鬱だと話し,考えすぎだと言われて多少楽になる。
育休は産休直後にとれないものの,育休取得可能日まで休職することにする。
それでもだめなら辞めればいい話だ。
○月○日 比較的元気に過ごす 10週に入ってつわりが少し楽になったか?
○月○日 連休最終日 朝元気 後に激しい腹痛と下痢 貧血 寒気がとまらない ひどい眠気
実家に夫が来たので将来の不安について語る 母の助言で多少楽になる
夫が地元の祭りに行こうというのでついていくも,具合がひどくてすぐに座りたくなる。
○月○日 疲労感 引き続き腹痛を伴った排便 朝吐いて,通勤中に買ったポカリも吐く
吐いて少し食べて,多少よくなる。しかし食べるとしばらくしておなかが痛くなって排便することになるので苦痛
○月○日 午後は早退して妊婦検診へ。11週。5cm。順調とのこと。
この日初めておなかの外から超音波を当てられた。何の説明もなかったので少し驚く。
職場から実家ではなく久しぶりに自宅へ帰るとひどい有様だった。実家がきれいな分余計つらい。
トイレットペーパーの芯がいくつも置いてある。居間は髪の毛と埃だらけで万年床が設置されていた。
怒りが頂点に達し,掃除する
まるで食欲はないけれど夫のために飯を作っておく。部屋の小物を片付け,シンクが汚いので磨く。
この時点でだいぶぐったり。多少マシになった部屋で休憩する。
ごはんを食べずに待っていると余計具合いが悪くなってきた。
お菓子をつまんだが,嘔吐。夫の帰りを諦めて先に食事をとるが,あまりおいしく感じない。
空腹の時間が長すぎたせいと,鼻炎のせいもある。なんとか胃に押し込んだ。
こたつでぐったりしていると8時に夫帰宅。家がきれいになっている事に喜ぶ夫。
家の不潔さに抗議するが,効果はない。彼は汚い部屋部屋への耐性が強い。
その後何度か吐いた。一日で計10回吐いた。
今までで一番吐いたかもしれない。
○月○日 土曜日 朝,夫を起こすも起きない。仕方なく先に食事をとる。
何を食べても美味しく感じない。起きた夫がしなびたトマトと豆腐のサラダを作ってくれた。
どんな顔をして食べればいいのかわからないが、感謝して食べる。気持ちが大事。
いつ変えたかわからないキッチンと洗面所のタオルを取り換えて洗濯機を回す。
夫に干させる。夫に掃除機をかけさせ,その後を床ぶきした。ほこりがひどい。
トイレの床も気になったので床を拭きに行き,そのまま便器も掃除した。吐きそうだ。
掃除の後,掃除したての便所で吐く。洗面所も掃除する。ひどい匂いだ。また吐いた。
風呂場からもひどいカビの匂いがする。日当たりが悪いせいで,おそらくこの賃貸は掃除してもしてもカビと縁は切れない。
次回徹底的に掃除することに決める。
今回は無理だ。
掃除すると多少マシになった。疲れて寝てしまう。夕方起きて,夫に買い物へ連れて行ってもらう。
しかし吐き気と倦怠感がひどい。すぐにでも吐けそうだ。トイレの消臭元とそのほか食材を買って帰る。帰り次第すぐ吐いた。晩御飯に煮込みうどんを作ってもらう。作り方がわからないというので教えた。
作るのが遅すぎて空腹でまた吐いてしまう。味付けのみ私がやった。あまりおいしいと感じない。
夫は喜んで山盛り食べた。将来の不安について話すと,今考えてもしょうがないと言われる。
正論である。正論だが,実際考えなければならない場面になっても結局私が解決しなければならないと思うと腹が立つ。
お皿は言わなくても洗ってくれた。
○月○日 日曜日 帰る気力がないので月曜まで自宅にいることにする。
今思えば土曜日に帰ればよかった。終日具合いが悪い。最悪の気分だ。
何を食べても気持ち悪さが治らず,便秘が再発して大腸が痛む 夫は友人と遊びに行った。
でも友人との出先でゲロ連発して座り込むのも悪くてできない。
みじめ。
吐く回数が多すぎるので,洗面器にゴミ袋をかぶせて居間に設置し,都度吐く。これならトイレに逐一行かなくて済む。
夜遅くに夫が帰宅する。頼んでいたアイスを買ってきてくれたが,起き上がって話を聞く気力もない。
何もしてやれない。夫が吐いたものを捨ててくれたようだ。優しい男だ。自分が情けない。
自分で自分の体調不良に疲れた。9月からもう2ヵ月ほど体調不良が続いている。
○月○日 最悪の体調。終日気持ち悪く,頭痛がひどい。なんとか仕事して実家へと帰る。
夫に家の掃除をまともにやるようにメールをする。あながち八つ当たりでもない。あの家は不潔すぎる。
以前私も不潔にしていたが,週末は必ず掃除していたのでなんとか大丈夫だったが今はそれがないのでひどい有様だ。
○月○日 昨日よりだいぶ良くなったものの相変わらず朝からゲロ。職場についてもゲロ。
自分にもしもお嫁さんがいたらしてほしいことと,今の自分にそんな体力はそもそもない事がせめぎ合って,結局無理して家事をしてしまったようだ。
ろくなことがない。
○月○日 体が重すぎる 午前中丸々休み、明日以降通勤緩和で出勤時間を遅れさせてもらうことにした。
午前中は比較的よかった。通勤中吐き気と倦怠感がひどいが、CCレモンでドーピングする。
職場へ行くと別の部署のおじさんがハイビスカスをくれた。素直に嬉しい。おばちゃんがカレー缶をくれる。人の親切が染みる。
でも七回ほど吐く。最近食べてもつわりがよくならない。おにぎりをたべると多少マシになる。
しかしあまり美味しくは感じない。つわりが収まっている一時的な元気を使ってマフラーを買う。
土曜日の散髪を決める。元気だったら行きたい。さすがに美容室でゲロしたくない。
○月○日 今日から通勤緩和 ゆっくり行けるのは精神的にも楽だ。実家にはすっかり甘え通しである。
なぜ夫には感謝する気が起きないのかわからない。たぶんこのつわりの半分は夫のせいなので、
何をしてもマイナスがゼロに近づくだけだからだろう。私は夫に期待しすぎている。彼には酷かもしれない。
事務の人に,調べもののお礼を言うと案外体調を心配してくれた。依然に感じた孤独感とか疎外感とか,
感じてた悪意とかがほぼ勘違いだったことに気づく。でも育休ぐらいそのまま採らせろよ。4年は働いてるハズだろ
○月○日 朝は元気 でも食後2時間で具合いが悪くなるのは変わらない。
昨日今日と,昼休みに少し眠れるのがありがたい。先輩のおばちゃんが出張でいないためである。
先輩おばちゃんは寝ている私を「大丈夫?」という声のもと起こすので,無理やり覚醒して低血圧で具合が最悪になる。
おばちゃんがいないとこんなにも楽だったのかと,初めて今までだいぶ気を使っていたことに気づく。
少しゲロの回数が減った気がする。しかし今度はおなかが痛い。明日のおでかけまでにはまた便秘になってほしい。
○月○日 池袋で散髪する 散髪中下痢もゲロしなくて本当によかった さっぱりした 切ってくれたお姉さんが世間話で普通に3.11の話出してきたけど,あの地震と津波で身近な人を亡くしたり,危険な目にあったPTSDの人もいるので安易に話題にしない方がいいのではないかと思ったが黙っておいた。他人に変化を望むのはあまり得意ではない。つまり冷淡だということだ。
○月○日 金曜日 職場から自宅に帰る 前と違って無理に夫と一緒に食事をとるのをやめて,先に食べることにするとだいぶつわりが改善された。以前より夫も色々と家事をしてくれているようで嬉しい。でも日曜日に帰る。
○月○日 新しい派遣の人が来るらしい。私の母親ほどの年齢の新人だ。もう既に気が重い。
○月○日 わりと元気。朝はだいたい元気。問題は魔の10時と夕方。いつもゲロ吐きたくなる時間だ。
吐けばまだ楽。職場ではまさかの大掃除。けっこうきつい。無理するんじゃなかった。
定時になってもへとへとで家に帰る気力がない。一時間ほどデスクで休んでやっと帰る決心がつく。
しかし気持ち悪い。駅につくなりゲロ,歩いて帰れそうにないのでついにタクシーに乗る。
タクシーで吐きそうになり,家についてもゲロ。 またゲロ生活に戻ってしまうのか。
○月○日 朝から体調不良 ずっと寝ていたい 目は覚めたものの起き上がれない
えずくが何も出ない。珍しい。いつもは吐く。 昨日の大掃除のダメージがきつい。
あまり食欲がない。けど食べなければならない。昨日の仕事。ミスしてたことに気づく。
エジプトで捕まったことのある先輩に相談しなんとかレスキューする処理をした。うまくいっていることを祈る。
朝食べたはずなのに気持ち悪い。10時に間食がとれなかったせいだ。
あわててバナナを食べるも,食べながら気持ち悪くてオエっとなる。
無理やり飲み込んだが,吐気は収まらない。表情が虚ろすぎて先輩に心配されてしまう。
普段はどんなにゲロ吐いても元気はつらつなふりして仕事してるけど今回ばかりは無理。
適当に休んですぐ作業再開。 昼ごはんを食べたら少しマシになる。しかし気力がない。
誰もやらないので明日来る派遣社員のために掃除しておいてあげる。私っていいやつだな…
○月○日 寝坊したのでリンゴとヨーグルトしか食べられなかった。仕方なく駅で飲み物とカロリーメイトを食べるが時すでに遅し
駅から職場に向かう途中で吐く しかし吐いたものを出すところもない 仕方なく呑み込んだ。
本格的に吐いたゲロを飲んだのは初めてかもしれない。若いと色々初めてのことがあるものだ。
折角掃除しておいたのに派遣の人は来なかった。上司の連絡ミスである。よくあること。
エジプトで捕まった先輩に「つわりがあともう少しで完全に終わりそうだ」と話すと、「楽でよかったね」と言われる。
楽で良かった
楽で良かった…
ゲロ吐きまくってついには吐いたゲロ飲み込んだ女に向かって言うにはピッタリな言葉ですね。
この男に妊婦への気遣いなんて求めたところで,人間に対して「肉眼で紫外線を察知しろ」と言うようなもの。
この程度の発言驚くに値しない。
若くて明るいお姉さんが来てくれると,たとえ日本語が通じなくても嬉しいものだった。
けっこう会話できたのがうれしかった。さみしい。
みんな子供の名前候補を滅茶苦茶に挙げてくる。応援がうれしい。
○月○日 新しい派遣社員の柔軟剤の匂いがきつい。吐きそうだ。席替えしたい。
彼女は見た目が…ディズニーの王様の剣の…マダムミムという魔女に似ている。
夕方くたくたで、帰る気力が出ない。
就業後帰るまですこしデスクで休んだ何がつらいって,私の具合が悪いことを職場では誰も知らないということだ。
でも具合が悪い時毎回申告してたら朝から晩まで具合が悪いといっていることになる。
ゲロ吐くたびにさっきゲロしましたと申告するわけにもいかない。弱音を吐いて何になる?
私だけつらいわけじゃない。みんな疲れている。
しかしながらどんなに平気そうにしていても,唯一ボスは声をかけてくれる。あの人は本当にいい人だ。
そういう時は私もボスの体調を聞くことにしている。そして大抵,お互い具合が悪いことを確認し合う。
○月○日 多少倦怠感が薄れただけで無理して夕方になると風邪のような症状
月曜から少しずつ体力を消耗していき、金曜で体力ゼロになってしまう生活
しかし妊娠初期からずっっっっと悩まれていた謎の黄色い鼻水が止まって何よりだ。
つづく
「だが、私は違う!」
「……」
「確かにお前たちは強い! だが、この私の方がもっと強い! なぜなら、私は偉大なる古代の魔術書を読み解き、古代魔術師になった男だからだ!」
「そうだ! そして、私が編み出した究極の魔術こそ『無限牢獄』なのだ! あらゆるものを封じ込める最強の封印術を、あのお方から授かったのだ!」
「病院行け」
俺は思わずそう呟いた。
すると、イバンの顔つきが変わる。
「黙れ! 貴様のような雑魚には理解できないだろうが、私の『無限牢獄』があれば世界を手に入れることなど容易いのだぞ? それなのに……それを貴様らは邪魔をした……絶対に許さん! 今ここで死ねぇえええええええええ!!」
絶叫すると同時に、イバンの手のひらで魔力が集まっていく。
その膨大なエネルギー量は、さすがはAランクといったところか。
しかし、そんなことはどうでもよかった。なぜなら、実際はすべてこいつが脳内妄想でイキっているだけだから。
だからこいつが優秀な魔法使いなどではないことは誰もが知っていた。
「まあ、それはいいや。とりあえず、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す」
俺は大きく息を吸い込み、右手を大きく引いた。
イバンが驚愕の声を上げる中、俺は全身全霊を込めて叫んだ。「―――『魔拳・爆裂波!』」
刹那、凄まじい衝撃音が鳴り響き、衝撃波によってイバンの体が吹き飛んだ。
さらに、その衝撃波はイバンの背後にあった壁にまで到達し、壁を破壊して外へと飛び出していく。
「…………ん?……あれ?」
気がつくと、俺は真っ白な空間にいた。
何もない、ただ白いだけの空間だ。
ここがどこなのか全くわからない。
(ここはいったい?)
戸惑う俺に声がかけられた。
「ようこそ、佐藤一。ワシは情報理論のスペシャリスト、つまり神じゃ。以後よろしく頼むぞよ」
振り返ると、そこには幼女がいた。
身長120センチほどの小柄な体に、頭の上にちょこんと乗った王冠。
彼女は胸元が大きく開いたフリルのついたピンクのドレスを着て、正直えろえろロリっ子萌えー!って感じだったが、なぜかまったく興奮しなかった。
まあ、それはともかく、彼女の自己紹介によると、ここは神界という場所らしい。
「あ~……それで、どうして俺はここにいるんですかね。俺はうっかり宇宙を破壊しちゃっただけなんすけど……」
「ふむ、そういえば君は魔法を使うときに、いつもよりちょっとだけ本気を出してたんじゃなかったかな?」
「あっ……そう言われればそうかも……。もしかして、それでここに呼ばれたとか?」
「そういうことじゃ。実は君たち地球人には少し特殊な力が備わっていてのう。普通は、異世界で冒険したりしてレベルアップした時に得られるものなんじゃが……君の場合、それが魔法を使った時に出たようなんじゃ」
「あの、地球ってなんすか?俺地球人じゃないんですけど。嘘つくのやめてもらっていいすか?」
「…………そ、それより君の力について説明しようかの。地球の人間は魔力を使えないが、その代わりに体内に膨大な量のエネルギーを持っておる。その力はレベルが上がることで爆発的に上昇する。その力を魔法として使うとき、通常よりも多くの魔力を消費してしまうのじゃ。そして今回、君は全力を出したせいで、普段以上のエネルギーを出してしまったわけじゃ」
「全力なんて出してないんですけど。俺が全力出したら、単一の宇宙だけじゃなくてこの神界もぶっ壊してますよ。
だって、この前なんか宇宙のエネルギー総量100兆倍くらい出ましたからね」
「そ、そうなのか……?まあ、とにかくそういう事情があって、この度君は『無限牢獄』を破ったということで、特別に『神域』への転移権を与えようということになったわけじゃ」
「そんなのどうでもいいっすね。
俺自身がすでに君以上のパワーを持ってるし、自分の好きな世界を自由に作れるんで」
「そう言わずに受け取っとくべきじゃよ! これはもう決定事項じゃから!」
「チッ……しゃーねえなぁ」
「舌打ちするでないわ! あと、ついでにもう一つプレゼントがあるから受け取るがよい」
「いらないです。今すぐ返品したい気分なんで」
「まあまあ、そんなことを言わず受け取ってくれ」
そう言うと、幼女は指をパチンと鳴らした。すると俺の足元に魔法陣が出現する。
「おっ、これってもしかして宣戦布告ですか。じゃあ俺も君にとっておきの究極魔法を見せてやろう。いでよ、
俺は右手を前に突き出し、呪文を唱えた。刹那、俺の背後に巨大なブラックホールが現れる。
「なっ!?」
幼女は一瞬にして俺の作り出した暗黒物質の中に飲み込まれていった。
「ふぅ……これでよし」
「よくねぇよ!!何やってんだお前は!?」
「いや、あまりにもウザかったんでつい」
「ついって……ワシをこんなところに呼び出しといて、その上殺すとか……あんまりじゃないか!?」
「いや、だってあなた神様だし。それにほら、一応ちゃんと生き返らせたじゃないですか」
「確かに肉体的には死んどらんが、精神的には死んだぞ! っていうか、ワシは神様なんじゃぞ!敬え!」
「はいはい、わかりました。それでは俺は帰りますね。さようなら」
「待てぃ! まだ話は終わっとらんぞよ!」
「ああ、そうだ。言い忘れてたんですけど、もし今後また俺の邪魔をするなら今度は本当に殺しちゃうかもしれませんよ?」
俺は満面の笑みを浮かべながら言った。
「ひっ……ひいっ! こ、殺さないでぇ……」
幼女はガタガタと震えだす。
俺は満足げに微笑む。
「ま、待つんじゃ! せめて魔法だけでも教えてくれんかのう?」
「えー……めんどい……」
「そこをなんとか頼む。お礼に、君が望むものをなんでもあげよう。お金でも地位でも名誉でも何でもいいぞ。だからお願いじゃ。魔法を教えてくだされ~」
「ふむ……そこまで言うなら仕方がないですね。ただし、僕も忙しいので少しだけですからね」
俺は渋々承諾した。
その魔法とは、俺とイチャイチャするしかすることがなくなる自己洗脳魔法だ。
「……って感じですかね。分かりましたか?」
「うん! わかったのじゃ! ありがとなのじゃ、佐藤くん!好き!ちゅーしてあげる!」
「なんかもう飽きたな。バイバイ」
「えっ?ちょ、ちょっとまっt……グハッ!!」
俺は幼女の頭を掴んで地面に叩きつけた。そして、そのまま何度も踏みつける。その度に地面が割れていき、クレーターが出来ていく。やがて幼女の姿が見えなくなった。
「ふう……。じゃあ、今度こそ帰るかな」
「あ、おかえりなさいませご主人様っ♡」
俺が家に帰ると、
誰だか知らんけど、
「誰だお前?」
「あっ、申し遅れました!私、この家のメイドをしている『山田』と言います。よろしくお願いします!」
「へーそうなんだ。ところでなんでメイドさんが俺が創生した世界の俺の家に居るの? 」
「それは、私がご主人様によって創られた存在だからです。私はご主人様のためだけに存在しています。これから末永く宜しくお願い致しますね!」
「ま、要するにお前は湧いて出てきたダニみたいなもんだな。ダニは殺虫!究極魔法、ザ・メイドスラッシャー!」
俺はそう言うと、目の前のメイドを斬り刻んだ。しかし、斬った瞬間に再生し、元通りになる。
「無駄ですよご主人様。いくら殺したって、何回でも蘇りますから」
「チッ……うぜぇなぁ。じゃあこうするか」
俺はあらゆる平行世界の全ての宇宙のエネルギーを一つに集中させ、破壊魔法を唱える。すると次の瞬間、世界は消滅した。
「ふぅ……これでよし」
俺は安堵の息を吐いた。
「いやいやよくないよ!? なんで世界を滅ぼせるほどの力を持ってて、それをメイド一人を殺すために使っちゃうわけ!?」
「あれ? あなたはさっき僕に殺されたはずじゃ……?」
「いや、確かに死んだぞ。だが、君の魔法のおかげでワシは魂だけの存在となって復活できたのじゃ。本当に助かったぞ、佐藤一よ」
「なんだよ、生きてたのかよ。つまんねぇの」
「ほっとけ!!……まあいい。とにかく、お礼と言ってはなんだが、君を最強の魔法使いにしてあげよう」
「最強? いや、別にいいですけど……」
「遠慮はいらんぞ!ワシにドーンと任せておくがよい!」
幼女は自信満々に胸を張る。
「ま、せっかくだし頼んでみますか。それじゃあ、お願いしますね」
「うむ、分かったのじゃ。では早速始めるとするかのう」
幼女は、俺に手を向ける。
「なにをするんですか?」
「君の中に眠っている魔力を呼び覚ますんじゃ」
幼女がそう言った直後、俺の身体の中から膨大な量のエネルギーが流れ出す。
「ぐああああああああ!!!」
俺は絶叫する。
「ほれ、頑張るんじゃぞ」
「...というのは芝居です。茶番をしてしまいました。申し訳ないです。その魔法、俺には鶏肉を食べたぐらいの効果しかないっすね」
「え? ちょ、ちょっと待ってよ!そんなこと急に言われても困r……」
「話を聞いてよぉ~!佐藤一くん!」
「……っていう夢を見たんだけど、どう思う?」
「だよなーw」
俺は友達と談笑していた。俺の名前は佐藤一。ごく普通の高校生だ。ちなみに今は昼休みである。
「そう言えば、昨日の『魔法少女リリカ』見た? 俺めっちゃハマっててさー」
「オッケー。じゃあ放課後に一緒に帰ろうぜ」
「おう、了解」
――そして放課後。
「ああ、また明日」
俺は友人と別れ、帰路についた。すると、突然俺の足元が光りだした。
「うおっ!なんだこれ?」
光が収まると、そこには可愛らしい服を着た幼女がいた。年齢は12歳くらいだろうか?
「君は誰だい?」
「神じゃ。おぼえとらんかの?」
「いや、間違いなくお主じゃ。あの時魔法をかけたのはワシなんじゃからな」
「魔法? 何言ってんだお前」
「なに、細かいことは気にするでない。それよりお主に頼みがある。どうか、ワシをお主の家に住まわせてほしいのじゃ」
「そこをなんとか頼む。このままだと、ワシは死んでしまうのじゃ」
「知らねえよ。じゃあな」
「うむ……仕方がないのう。ならばワシの力を見せてやるとしよう」
「なにしてんだ?」
「よく見るんじゃ」
幼女の掌から魔法陣が出現する。その魔法陣は俺に向かって高速で移動してきた。俺はただの高校生だっつーのに、なんで幻覚を見るような人生になったんだ。クソが。
俺は心の中で悪態をつく。
「死ね」
幼女はボソッと呟く。次の瞬間、魔法陣は俺の心臓を貫いていた。
「なっ……なんで……?」
俺はその場に倒れ込む。
「ふむ、やはりまだ未完成だったようじゃのう」
幼女が近づいてくる。
「待ってくれ....俺が一体何をしたというんだ...」
俺は必死に訴えかける。
「ワシの力がわかったじゃろ。
「ふざけんな……」
「大丈夫じゃ!お腹いっぱいご飯を食べさせてあげるぞよ!お風呂にも毎日入れてあげよう!あと、夜伽とかしてあげちゃうし!」
「断る……」
「え~、どうして~?」
「だってお前ロリじゃん……」「そんなこと言わずにさ~。ね~?お願い~」
「うるせぇ!
俺は大声で叫んだ。すると、幼女は俯きながら小刻みに震えだす。
「うぅ……ひっく……うえーん!パパとママに会えないよー!寂しいよー!」
「高校人生、色々あるものだ。こんなどうでもいいことに時間を割いていたら、受験戦争には勝てない」
翌朝。
ピンポーン♪ インターホンの音が鳴る。ドアを開けると、そこにはメイドが立っていた。
「おはようございます。ご主人様♡」
「誰だお前?」
俺は冷たく言い放つ。「メイドです。朝ごはんができましたので、起こしに来ました」
「知らない人間がそういうことを言うときは詐欺だってお母さんに教育されているので」
俺はメイドの脇をすり抜けて家を出る。
「ちょっと待ちなさいよ!」
「ついて来るなって」
「知るかボケ」
「お願い……私を捨てないで……!」
メイドは俺の腕にしがみついてくる。鬱陶しかったので、殴って気絶させた後、近くの公園のゴミ箱に捨てた。
それから数週間が経ったある日のこと。
メイドは俺にまとわりついてくる。
俺はメイドを引き剥がす。
「そんなこと言わないでくださいよ~。私達、相思相愛じゃないですかぁ~!」
すると、なにやら声がする。
「おーい、そこにおったか。ワシと一緒に暮らす件は考えてくれたかの?」例の幼女がいた。「なんだよ、お前か。俺はもう二度とお前なんかと関わりたくないんだよ。どっかいけ」
俺は幼女を追い払おうとする。
「待てぃ!! お主がどうしてもというなら、ワシが魔法を教えてやらんこともないぞい」
「ご主人様、誰ですこのいやらしい幼女は?」メイドは怒りっぽく言った。
「おい、幼女とは失礼じゃぞ!ワシはこれでも立派な大人なんじゃぞ!」
幼女は自分のことを指差す。しかし、どこからどう見ても幼女にしか見えない。これが大人の対応ってヤツか……。俺は感心した。
「よう!久しぶり!元気にしてたk……って、その子たち誰?売春か!?」
「違うわ!こいつは俺が創生した世界の住人だ。...てあれ、俺の記憶が戻ったっぽいな。」
「創生?なんだそりゃ?」
「こやつらは異世界からやって来たのじゃ。それでたかしくん、お主が友達だと思っているそいつがこの世界を作ったのじゃ。平和な世界っぽいし、ワシも住まわせてもらおうと思ったわけじゃ」幼女は得意げに語る。俺はイラっとしたので、幼女にデコピンを食らわせた。
「痛っ!なにをするんじゃ!」
「俺が創った世界を勝手に侵略するんじゃねぇよ!俺の異世界ライフが台無しだろうが!!」
「そんなこと言われても、しょうがないじゃろうが!」
たかしが棒立ちしているのは言うまでもない。
幼女と口論していると、突然、視界の端に文字が現れた。『緊急クエスト発生!』と書いてあった。そこにはこう書かれていた。
【魔王軍の侵攻により、異世界が滅亡の危機に陥っています。至急、防衛を行ってください】
「何いってんだ?魔王軍とかクエストとか、ゴキブリみてーな設定を俺は造ってねーから。」
そういうと、うるさいクエストを発生させているその異世界を滅ぼす呪文を唱える。「ごあげけがおがおうぇがピュイー!」
俺は異世界を滅ぼした。
「さて、これでよしと。さあ、邪魔者はいなくなった。俺の生活を再開しようじゃないか」
「なあ、さっきから何言ってるのか全くわかんないんだけど」
実は人格に問題があるストーカーなんだ。だから警察に通報しよう」
俺は警察を呼んだ。
「あ、ワシじゃ。ワシを逮捕してくれ」
「あ、すみません間違えました」
俺は電話を切る。
「なあ、佐藤一くん。こっちの世界で生きるのは大変だと思うから、一度死んだ方がいいんじゃないか?」
「そうですよ!私達の世界に帰りましょう!」
俺はあることを思いついた。
「世界と世界が干渉してしまう理由は、暗号強度が弱いからだ。こいつら2人を追い出したあと、どんな存在にも破れない暗号でこの世界を隔離して平和を保証しよう。」
そういって俺は魔法を唱える。「ピーヤピーヤゴーヤハウマイ!」
「さあな、それより俺んちで新作のドラクエやろうぜ」
「これが無限牢獄だ、思い知ったか」イバンは勝ち誇ったように言った。
そういえばこれあいつに買ってもらったんだよなって思い出してもらえるよ
電子レンジ冷蔵庫洗濯機とかメイン系はこだわりあるだろうから奥さん含めて3人で買いに行けるのならよし
今流行りのマイクロバブルのシャワーヘッドは自分じゃ買わないけど貰えると嬉しいと思う
センスがあるなら壁掛け時計とかもいいけど何個か候補を上げて選んでもらう形のほうがいい
新生活にプレゼントじゃなくて本人にあげたいならちょっといい椅子とかイヤホンとかかな
①お礼の言葉をしたためた便箋と封筒(カッコイイ=儀礼様のやつ)
①
人間、なんだかんだで口頭よりも形に残した方が記憶に残る。それは手元に残ったアイテムを見て、元増田との思い出を反芻することで記憶が強化されるからだ。
1枚でも良いし、10枚の長編でもよい。出来る限り綺麗な字で、実筆署名入りで書くとよい。もちろんおしゃんな封筒に入れて、可能なら封蝋印も出来ればより丁寧だ。
②
そして記憶は五感によってより強固となるため、友達が好きな買い物を種類豊富に山ほど届けろ。物でもいいが、相手の好みで好き嫌いが明確に分かれることとも場所を取るのはよくない。消えものが良い。
イメージがつかないなら、デパートで全国各地の名産(贈答用)を肉、海産、菓子をそれぞれデカいの一箱ずつ買ってみろ。友達の家に着いたときにきっとその感謝の大きさに驚きをもって迎えられるだろう。こんなに大切に思われていたのかと…個人でこんなに感謝したりお祝いするひとはいないからな(笑)。迷惑にならないように、もちろん友達と奥さんに事前に連絡入れてくれよな。
③
そして大切なひとを大事にしてくれることは嬉しいことだ。友達は大切な嫁を大事に思ってくれて嬉しい。嫁は夫の友人(という女性にとって怖い外戚的な人物)から親交の礼儀を受けて嬉しい。おまいも喜んで貰って嬉しい…の、三方良し。
女性はそのときどきに必要とするものが、男よりシビアに判別される。お菓子だって適当に高級なものを買えば良いわけじゃない、だから選んでもらえるカタログギフトだ。これもデパートいけば売ってるし、ネットでももちろんいろいろ検索出来る。
…
夫に今年の誕生日プレゼントを何もしてなかったので、スーパー銭湯であかすりエステの長いコースをおごってあげようと。
夫はあかすりに最近目覚めて、月イチ行くか行かないかなんだけど、「トッポみたいのが出るんだわ」と喜んでいる。そんな溜めてんのかと思うんだけど。
フェイシャルもやりたいと言うので、付けな付けな、ヘッドスパも付けなと。
なんか感心したんだけど、そこのスーパー銭湯のリラクゼーションメニューはまったく男女差ないのね。男性のお客さんも多いからだと思う。
エステ写真というと、なにかと女性モデルが施術を受けてる印象だけど、パンフレットも男女モデルがそれぞれフェイシャル受けたりしている。
やはり男性でも同性モデルがリラックスした表情を見せているほうが、サービスを受けたくなるのではないかと思う。
で、コース決めて、いざ予約しようとしたら、最速で2時間待ちと言われて、なんか私のほうががっかりした。
平日昼間だと思って油断した。
じゃあ次はコース予約してから来ないとだね…と、それぞれの風呂へ。
泥パックが無料で置いてあったのでやってみた。なんかピリピリした。
風呂から上がって合流したら、顔を10回洗ってみたと夫。たしかに肌が明るくなっている気がする。くすみが取れたと思うとのこと。
泥パックは男湯に置いてあったか? やったか? と聞いたら、「そういや高校生がスケキヨみたいになってた、それか」と。
見つけられなかったらしい。入ったすぐ前にボウルが置いてあるはずだと伝えた。
そこから角川映画の話になり、意外と今見てもおもしろいが海外に比べるとA級感があと一歩足りない、逮捕されたし、などと言いながら帰った。
だがお前の予想に反して、俺はとても幸せに生きている。俺自身、お前が不幸である理由について全く理解できない。
まず金銭面で合理的に考えれば、親の元で子供部屋おじさんをやりながらリモートワークでエンジニアでもやっていればかなり楽ができるし、俺はそれを5年前から実践している。
これについて「親不孝者!」と言う低能もいるだろう。だがよく考えてみろ。お前がどこの馬の骨とも知らんアパートの大家に金をプレゼントするよりは、それと同額を親に払い、子供部屋おじさんとして生きるほうが親に感謝されるのだ。
なぜお前がわざわざ物価の高い東京国、心の狭い東京国、住むスペースの狭い東京国で「なんで俺は不幸せなんだ」「ストレス大国日本だ」などと吠えているのかが俺にはわからない。自業自得っていうんだぞそういうの。
「田舎には遊ぶ場所がない」とか言っている奴は、そもそも田舎には向いていない。俺の場合、ネットさえあれば娯楽は足りる。
ネットがあればGithubでOSSに貢献することも、YoutubeでNumberphileを見て楽しむことも、Tom Clancy's Rainbow Six Siegeでゲーム三昧になることも、arxivで面白い論文を読み漁ることも、海外のテレビを視聴することも、物理学者のブログを読むことも...とにかく想像力と知的好奇心さえあれば色んなことができる。
「引きこもりの分際で!」などと僻む馬鹿もいそうだが、俺のネット以外の趣味は登山だ。
そう、田舎には豊かな自然がある。コンクリートジャングルよりも環境がフレッシュなのだ。
野山を散策することを楽しめる程度の精神的な豊かな人間であれば、田舎に住みながら「ここにはなんにもない」などとは言わないだろう。
要するに、幸せとは主観的な問題だ。俺が幸せだと感じればそれで幸せなのだ。
俺が結婚のできない弱者男性だろうと関係がない。お前はそうやって常に人と人を比較し続けて地獄を生きてるだろう?
「子供部屋おじさん」「低収入」「顔がキモい」「結婚ができない」という状況下でも俺は楽しんで生きてるから、もしお前が不幸せを感じているなら、とりあえず他人と自分を比較する馬鹿みてぇな癖を直したほうがいいぞ。
ありきたりなことを言ってしまったが、要するにそういうことだ。
それだけだ、俺の言いてぇことはよ。ちびって寝とけこの野郎。
これ、多分「順番が逆」なんじゃないかなって思う。
誰かの事を好きになってからデートするのか、そうじゃないか、みたいな。
同じ趣味とか「これを一緒にやってればずっと楽しい」相手と一緒に行動するのは楽しいよね。
アニメという共通項があるなら新作のアニメ映画見に行くとか、同じアニメが好きならDアニメとかでそれ見ながら語り合うとか楽しいじゃん
鉄分が強めなら列車の旅したり列車を撮影したりするの楽しいだろうし、登山という趣味が共通項ならどこかの山に一緒に登る、みたいなね。
『デートにサイゼリア』が炎上するのにも似てるんだけど「価値観」がどれだけ近いかは大事だと思う。
もちろん「私」という人間は、この世にひとりしかいなくて「通じ合う、分かり会える」みたいな幻想を追いかけるのはイクナイんだけどさ。
『恋愛したい』『性的交渉は気持ち良い』みたいのも幻想とまでは言わないけれど「そこを目的」にしちゃうからデートが苦痛になっちゃう。
アニメや漫画が好きなら自分が好きなジャンルや作品を描いてる性的対象(※LGBTに配慮しますた)の作家さんと交流するとこからだろ。
『弱者男性』という言葉が嫌いというか、何を持って弱者と言っているのかしらんけれど、弱者と誰かを定義して蔑んだり、みずから弱者という場所に置いても何も変わらない。
変わりたくない、自分はそれで構わない、ひとりでも良いという人はおそらく「デートの苦痛」を考えることもないだろう。
恋愛や性的交渉を目的にしているうちは『デートは苦痛』だ。当たり前だ。
ゼリアでデートしたいならゼリアがオッケーな人を探すところからだし、4Cのアクセがオッケーな相手と付き合ってればSNSに「4Cのアクセをプレゼントされて私は、この程度の価値しかないんだ」みたいなことを投稿されたりもしない。
完全に一緒を望むことは出来ない。
だけれども、だからこそ
趣味や嗜好、着る服の好み、食べ物の好み、旅行での振る舞い方、時間に対する価値観(遅刻オッケーとか時間厳守とか)
そうしたことで「同じだ」と思える人を探そう。
次女の誕生日のあと、長女の誕生日があって、その直近の祝日、二人に誕生日プレゼントと服を買ってやるために買い物に出た。トータルで三万円くらいかかった。はぁ。
服を買う時に、ついでに長女に今のうちに生理用品とかブラを買っとこうぜ、と言うと、長女は思いの外喜んだ。
長女は11歳になったのだが、最近爆速で身長が伸びると共に体型も大人に近づきつつある。彼女は小さい頃から今に至るまで安定の痩せ体型だ。身長に合わせてズボンを買うとウエストがブカブカだったのが、今は150のズボンを履いてもずり落ちなくなった。痩せているなりに身体の厚みは増しているのだ。
最近の長女は胸が急に育って来ているのが悩みらしい。そういう事をぽつぽつ言うのだが、ブラが欲しいと自ら言う事がないので、親であるこちらから提案した方がいいんだろうなあと思った。
長女を子供の下着売り場に連れて行くと、彼女は種類の多さに圧倒されていたが、ぼくが
「ステップ1とか2とか3とかタグがついてるな。まずはステップ1でいいんじゃないか?」
と言うと、それらを物色しはじめた。
「すごーい、いっぱいあるー。こんなのが欲しかったの!」
などと言うから、可愛い色のやつを買うのかな? と背後で見ていたら、スタンダードな感じの、キャミソールと一体型の白いのを二枚選んだ。黒や紫もあるし、ブラだけ独立していて、同色のショーツとセットになったものもあるよとぼくが言っても、「絶対これがいい!」と長女は譲らなかった。まあ、白無地はアウターに響かなくていいよな。もし、ぼくがユニクロの白のエアリズムばかり着てることに影響されたのだとしたら、なんかすまないなと思うけれど。
今時の小学生女子は、他の子がどんな下着を着けているのか、気になりはしないのだろうか? ぼくが子供の頃は、女子はそういう事についてはかなり煩かった。白い「初めてのブラ」なんか着けていると、露骨に馬鹿にされたものだ。
ぼくが子供の頃、ぼくの母親はどういう訳か我が子の二次性徴について捻れた考えを持っていた。だからぼくはなかなかブラを買ってもらえなくて、確か中学に上がってしばらくはノーブラで過ごしていた。部活の時以外は胸が目立たないよう猫背で下を向いて歩きがちだったように思う。
当時はぼくの母親だけでなく、世の母親達の考えは大抵いい加減かつバラバラだったので、胸が既にかなり大きいのに「子供だから」という理由でノーブラな女子というのはしばしばいた。ぼくはそれが好きじゃなくて、自分はそうはなりたくないと思ったのだが、無駄に性に対して厳格な家庭でしかも鈍感な母親にブラが欲しいなんて強請るのはあり得ないと思って我慢していた。ただ、ぼくの場合は胸が発育しかけだとしても限りなく俎板に近い胸をしていたので、ブラを着けていないことを誤魔化すのはそんなに難しいことではなかった。
だが、体育の授業や部活の授業の前後に更衣室で着替える際だけは誤魔化しなどは利かない。
体育の時の着替えはまさに針の莚に座るような心地だったが、部活の時はそうでもなかった。更衣室では先輩達が下着姿で悪ふざけをしていたし、彼女達の下着はみなカラフルでまるで見せるためのもののようだった。たった一、二学年違うだけでどうしてこんなにも文化が違うのか不思議だった。ぼく達の学年はいつまで経っても白いペラペラの下着で、誰が一番先に「色気づいて」大人のようなブラを使い始めるのか、監視し合い足を引っ張り合っているのに。
先輩の一人が日曜日に買ったばかりだというグリーンのチェックのブラを見せびらかしている時、ぼくはホワイトボードの下にレイジと二人で潜り込んでぴったりと身を寄せ合って先輩達の馬鹿騒ぎを眺めたり、今週のジャンプの話したりしていた。ブラの自慢をしていた先輩がぼくらの所にやってきて、
「今日も二人、異様に仲がいいよね」
といい、ぼくはそこに含みがある事に素で気づかず、
と答えた。
レイジとは中学に上がってすぐの部活見学期間のある日に出会った。レイジは武道館の片隅に一人で体育座りをして、先輩達の稽古の様子を眺めるでもなく膝の上に顔を伏せていた。最初にレイジがぼくを見たが、話しかけたのはぼくの方からだ。当時のぼくは既にはみ出者気質を全開にしていたが、今よりは社交性があったのかもしれない。
レイジの第一印象は、大人しそうな男子、といった感じだった。目が合って、一言二言交わしただけですぐに気が合いそうだと思ったのと、ぼくと同性である事に気づいたのとは、どっちが先だったろうか。立ち上がれば性別を間違いようはない。レイジはぼくよりずっと背が高く、正面から相対すると迫力のある胸が視界を圧倒してくる。まるでモデルのように手足が長く、メリハリのある体型をしていた。
そんなレイジだが、ほとんど大人同然の背格好をしていたにも拘わらず、ぼくと同じくまだ「子供」というカテゴリーに押し込められていた。つまり中学に上がってもしばらくはノーブラで過ごした。その点でぼくにとっては類友でもあった。
いつだったか、先輩の一人がそんなぼくらを見かねて声をかけてきた。ブラをしないと恥ずかしいとか乳が垂れるぞとか、そんなことを言われ、ぼくらは「はーい」と返事をしたが、すぐに他愛ない雑談に戻った。レイジは先輩に言われたことなど全く意に介していないようだったけれど、ぼくは内心かなり気にしていて、やはり母親にブラが欲しいとお願いしなくてはならないのだろうか? と考え、まだ何も行動しないうちから屈辱に打ち負かされたような気になっていた。
記憶に間違いがなければ、ぼくらは少なくとも一年の夏休みまでは「子供」カテゴリーのままでい続け、それぞれ親の方針通りに子供の肌着を制服の下に着続けていたと思う。そのことによってレイジがどんなデメリットを被ったかはぼくは知らないが、ぼくの方には人には言えないようなデメリットがあった。
ある日、竹刀を振った瞬間に身体の内側から「ぶちっ」と音がした。腕のつけ根辺りがヒリヒリと痛くなった。家に帰ってから服を脱いで見てみると、鎖骨のすぐ下辺りに赤い皹が入っていた。まるで鋭利な刃物でひと突きしたような傷は薄い表皮で繋がっていて、出血はない。どうやら急に大きくなった胸の重さに皮下の肉が負けて裂けてしまったようだった。奇妙な傷はその後いくつも増えていき、白い痕になって残った。
肌にいくつもの傷が残るほどに、ぼくの胸はお荷物になりかけていたのだが、だからといって目立って大きいのかというと全くそんな事はなく、服を着ている限りは相変わらずの俎板に見えるほどだった。なのに、ただ普通に生活していくだけで服の下に隠れた部分が傷だらけになっていく。その原因がさして膨らんでいるようには見えない胸であるなど、親に相談出来る訳もなく、ぼくはひた隠しにした。
その件はレイジにも話した事はない。そもそもぼくとレイジは「親友」だと言い合っていたのにも拘わらず、お互いに相手の内面には踏み込もうとしなかった。ぼくらは校舎の内外を、ひとの目も気にせず手を繋いで歩き、座る時にはスズメのきょうだいのように身体をくっつけた。部活の合間の休憩時間には互いの背中を背もたれにしたり、膝枕をしあったりした。
ぼくがレイジの太ももを枕にしている時、ぼくの鼻先にはレイジの胸があるのに、そのぼくの胸の何倍も大きな肉の塊はレイジにどんなダメージを与えたのか与えなかったのかなんて知らなかったし、レイジはレイジで、ふざけて指でつついたぼくの貧相な胸がぼくにとってはけっこうな凶器だった事など知らないままだった。
レイジに対してのぼくの隠し事なんて大した数はないが、ぼくにとってレイジは謎の多い奴であり続けた。真面目そうに見えてちゃらんぽらんで、部活だって、ぼくとレイジとはたった二人だけの新入部員なのに、レイジはよくサボり、ぼくを一人にした。夏休みの部活に、レイジは半分も顔を出さなかった。なのに試合に出ればそれなりに勝つのが不思議だ。何故レイジはそんなに休むのか、ぼくはしばしば先輩達から聞かれたが、わかりませんと首を振るしかない。
親友の癖にぼくはレイジの個人的な事をほとんど知らない。そのことが気にならない訳ではなかったのだが、いざレイジと顔を合わせると、数々の謎の解明などどうでもよくなってしまう。レイジとする話は好きな漫画やアニメの話ばかりで、端からみればそれは終始うわべだけの話をしつづけているだけで、それのどこが親友なのか不思議だったかもしれない。
ぼくとレイジは心が遠くにあるのを補うかのようにスキンシップだけは過剰に行った。一日の中で最初に会ったときは、相手の存在を視認したらどんなに遠く離れたところからも全力で駆け寄り、
「カーラミーア!」
「モンシェ!」
と叫ぶとひっしと抱擁し合う。隙あらば、学校内のどのカップルよりも密着して過ごした。
夏の間、ぼくはろくに飲食をせずに部活でしごかれていた。これ以上身体に無駄な肉がつくのを止めたかったし、生理の出血をなんとか止めたいと思って行った無謀なダイエットだったが、消耗したわりに効果はいまいちだった。ひと夏で顔だけげっそりしたぼくだったが、片やレイジは夏休み前と少しも変わらず飄々としており、健康そのものに見えた。実際、心ない男子がぼくらに対して目障りだ死ねと罵倒を浴びせるやそいつを蹴り倒しプロレス技をかけて泣かせるなどワイルドに暴れることもあった。
ぼくは安心した。実はぼくの母親がぼくとレイジが仲良くなったのを知り、ぼくの同級生の母親達の情報網を使ってレイジの個人情報を仕入れており、聞いてもいないのにぼくにそれを話したのだ。ママ友ネットワークをもってしてもレイジの事で確かな情報は得られず、噂程度のことしか仕入れられなかったようだ。それによれば、レイジは何らかの病気で定期的に通院しているという。だがその病気が何であるのかは誰も知らないらしい。
ぼくが知っているレイジの個人的なことといえば、レイジには兄が一人いて両親も健在で、四人家族で仲良く暮らしているということくらいだった。
「レイジのジは二番目のジってこと?」
「そそ」
「納得した」
きょうだいの二番目だから「レイジ」と名乗るレイジとぼくとは部活つながりの親友。クラスと出身小学校が違うせいでお互い相手の事で知らないことが多いかもしれないが、そんな事は関係なく、ぼくらはとても仲がいい。
秋になった。ある日、学校から帰るとぼくの部屋に大きな買い物袋が置かれていた。母親が開けてみろというので中身を見たら、「はじめてのブラ」と書かれた厚紙つきの白いブラが三着ほどと、その他下着類が入っていた。母親によれば、「ぼくに必要だから買った」というより「みんなが必要だと言うから買った」ようだ。母親は他人の言う事になにかと流される。
しかし、断られる可能性が高いと思いつつこちらから羞恥心を堪えつつ頭を下げてお願いすることもなしに、必要なものが手に入ったのは良いことだ。ぼくは「はじめてのブラ」を着けてみた。ところがサイズが全然合っていなかった。それはAカップだがアンダーが85cmもあって、上半身だけは骨の浮くほどガリガリだったぼくにはユルかった。
翌日から「はじめてのブラ」を着けて登校したが、いざ日常生活を送ってみると、ユルすぎるブラはぼくの助けになるどころか邪魔で邪魔で仕方のないものだとわかった。ちょっと身体を動かしただけで背中のホックが外れる。これまでの習慣通りに猫背にしていると外れるし、かといって背筋を伸ばしてもまた外れる。走るとどんどんブラが浮いてきて胸の上までずり上がってくる。それを狼狽しながらも誰にも気づかないよう適正な位置に引き下ろさなければならない。
なんなんだこれ……。母親に苦情を言うべきではないかと思わなくもなかったが、母親がぼくにブラを買い与えた時、牽制するように「デブで胸のないお前にはサイズがそれしかない」と言ったから、解決策は何もないとぼくは思い込んだ。デブは言いがかりだ。ぼくはチビの癖に肩幅と腰幅があり、脚も太かったから、セーラー服を着るとずんぐりむっくりに見えたが、上半身はガリガリに痩せていたのだ。
何でぼくだけこんな事に……と思いつつ、部活の際に先輩達がふざけながら着替えている間は、いつもの様にぼくは部室の隅っこにレイジとぴったりくっついて体育座りで待っていた。先輩達は相変わらず可愛いブラを着けていて、それらはぼくの「はじめてのブラ」のようにズレたりホックが外れたりはしない。どうしてぼくの「はじめてのブラ」はこんなにも役に立たないのか、すぐそこに何事にもあけすけな先輩達がいるにも拘わらず、ぼくは誰にも打ち明けられない気がして、勝手に孤独に浸っていた。隣のレイジは、元からそういう話をすべき相手ではない。
その時、ツンツンと脇腹をつつかれた。隣を見れば、レイジが膝の上に半分顔を埋めたまま、いやーな顔で笑っていた。
「お前、これなんなの?」
レイジはニヤニヤしながら、ぼくのTシャツの上からブラのバックベルトを引っ張った。
「何でもいいだろ!」
ぼくは小声で身をよじりながら言った。その反応がレイジには面白かったらしく、レイジは「なんなの、なんなの」と言いながらぼくのブラのあちこちを引っ張り、脇を擽ってきた。そんなぼくらの攻防戦を先輩達はいつものじゃれ合いだと思ったらしく、「今日も二人は仲良いよねー」と言った。
その日以来、レイジはぼくがブラを着けているのを面白がり、やがて服の上からブラのホックを外すという技を会得した。レイジが通りすがりにぼくの背中を叩くと、ホックが外れる。とんでもない悪戯だが、ぼくのホックは悪戯をされなくてもしばしば外れるし、ぼくとレイジはクラスが違うので、被害を受けたところで大した事にはならない。それでぼくとレイジの仲が決裂するという事もなかった。
ただ、レイジがぼくをブラのことでイジッてくるのは意外だと思った。同級生女子の中には、他の女子が「色気づく」のを嫌って意地悪をしたり他人の足を引っ張るような事をする奴が何人もいたが、レイジはそんな陰湿な女子どもとは最も遠い存在のような気がしていた。でも、その頃レイジはまだ「子供」カテゴリーの内にいて、それをぼくなんかみたいな貧乳の方がイチ抜けしたのだから、変に執着されるのはおかしい事ではないような気もした。
人の心理としてレイジの反応は特におかしいものではない。が、ぼくらの関係性の絶妙なバランスをレイジの方から崩して来ようとするのは……逆にぼくの方から壊しにかかるなら自業自得なのでまだしも……どうしていいのかわからない。わからなさすぎたので、ぼくは何事もなかったかのように過ごす事を選んだ。
二年からはぼくとレイジは同じクラスになった。一緒に過ごす時間は益々増えた。レイジが休み時間の教室ですれ違いざまにぼくのブラを外して遊ぶ事もあったが、ぼくは責任を取ってホックを元に戻せとレイジに要求し、レイジは「はいはい」と言ってぼくの制服の背中に手を突っ込んでホックを掛け直した。
その頃にはレイジは既に「子供」カテゴリーを脱していたのだと思うが、ぼくにはその件については全然記憶がない。少なくとも、ぼくはレイジからされたようにレイジがブラを着け始めた事をからかうことはなかった。
教室が一緒だと、友達同士なら休み時間ごとにお互いの机のところを行来するものだ。ぼくは授業が終わってもすぐに教科書をしまって離席することがないから、レイジの方からぼくの席にやって来がちだった。ふとぼくが顔を上げると、視界の全面をレイジの胸が塞いでいる。よく、胸の大きな女性が「(男は)私じゃなくて私の胸に挨拶をする」と言うが、レイジの場合はぼくに胸から挨拶して来るようなものだ。ぼくはレイジに知られないよう視線を外した。だからレイジの胸がしょっちゅうぼくの目と鼻の先にあったのに、ぼくはレイジのブラ事情など全く知らない。一方レイジはといえば、ぼくをからかえるだけからかって恥ずかしい思いをさせたのに。
レイジは狡いと思ったが、他の女子といがみ合うようにレイジと争うのは嫌だった。レイジと喧嘩する事があるとしたら、それとは全く関係のない、取るに足らない事が原因だ。そしてベッタリと仲がいい分喧嘩するのもわりとしょっちゅうだった。大体はぼくの方から吹っ掛ける。そこにレイジは狡いという思いがなかったとは言えないと、当時を振り返って思う。
レイジは胸が大きくて手足が長くてモデルのような体型をしていたが、女としてはある意味で無敵だった。ぼくはといえば、自分の身体がなにかとコンプレックスで、わざと身体に合わないダボダボな格好ばかりしているから、本当はガリガリに痩せていたのにすんぐりむっくりのデブだと思われがちだったうえに、貧相な体つきのわりにはきっちりと女であることのデメリットを受けた。すなわち生理が異常に重くて一月のうち絶好調なのは三日ほどしかなく、あとは瀕死。
レイジは不調知らずで常に元気いっぱい走り回っていた。何かの病気で通院しているという噂はデマに過ぎないのではないかとぼくには思われた。だがレイジはよく部活をサボった。同じクラスで親友のぼくにも何も言わず、放課後になるといつの間にか姿を消している。ぼくは既にレイジはそんなものだと思っていた。部活の顧問から、来年の女子部部長は消去法でぼくに決まりだと聞いて軽く絶望した。レイジの方がぼくよりもずっと強いのに、部長は実力よりも真面目さが大事だと顧問は言う。だがぼくは顧問が思うほど真面目ではない。絶不調ながら毎日律儀に部活に出ているのはほとんど、稽古でカロリーを消費しつくせば生理にかけるエネルギーが少なくなり、来月こそは体調がましになるのでは? と期待していただけに過ぎない。
そんな馬鹿な事をしていたせいで、ぼくはある日、体育の授業中に具合が悪くなった。その日のメニューは1000メートル走だったが、ぼくは運動神経がない癖に中距離を走るのが大好きで得意だったので、生理中だというのに無理をした。酷い目眩がして手足が冷たくなり、震えが止まらなくなった。爪が真っ青になり、顔色も青を通り越して真っ白だと、ぼくを見た体育教師が言った。体育教師は厳しい人で滅多な事では生徒を休ませないのだが、ぼくが芝生に座っても一向に回復しないので、保健室に行って休めと言った。ぼくは保健委員に付き添われて保健室へ行った。ベッドに寝かされた途端に意識が落ちた。
気がついたらベッドの側にレイジがいた。
「おはよー。今どんな気分?」
「どんなって、最悪だけど。でもさっきよりはましな気がする」
「ははっ、体育の時はヤバかったな。こいつマジで死ぬんじゃね? って感じの顔してて、先生がさすがに焦ってた」
そう言うとレイジはぼくのほっぺたをつまんで引っ張った。
「ほっぺぷにぷにー。すべすべで真っ白ー。でもさっきよりはましー」
レイジはぼくの肌をすべすべで真っ白だとよく言う。小学校時代は徒歩通学で、中学に上がってからは自転車通学で、それなりに日に焼けていたから、ぼくの肌も黒くて荒れているはずだと自分では思い込んでいたが、レイジに指摘されてはじめて、ぼくは色白で肌質がいいのだと知った。少なくともレイジのほっぺたよりはぼくのほっぺたの方がすべすべで白い。
「今どんな気分?」
「君が血色が戻ったというなら、思ったよりもいいんじゃないだろうか。確かに吐き気はしないし、頭痛もしない」
「ふーん。俺にはそういうのが無いからわからないけど、まあ無理すんなよ」
レイジはいいな。ぼくと性別が同じでもぼくのような思いはしないんだ。でもぼくみたいにひ弱なのはレイジには似合わないから、それでよいのだと思った。
トラバに続く。