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2018-01-20

anond:20180120171308

え?ネオリベはまだ田中角栄財政出動反対の文脈で使ってんの?

逆だろ。田中角栄悪夢がここまで切望されるようになってるのはお前らのせいなのでは。

【追記】

田中角栄バブルじゃねえしwww

2018-01-19

眠いけど眠れない

デスクワークフリーランスだ。

今月は毎日タスクが詰まっていて、まともに休みがない。

体力がなくなって疲れが溜まっており、眼精疲労を感じることも多く、ゆっくり眠りたい。

しかし、よく眠れない。

まず、眠くなって横になってもなかなか眠れない。脳のスイッチが切れないというか、雑然とした思考が止まらなくなってしまい、数十分〜一時間以上眠りに落ちないこともよくある。

睡眠導入剤使用しても、「眠い」という段階までは加速するのだが、最後スイッチがなかなか切れない。

そして、睡眠時間が短い。

私は睡眠が長く、標準で8時間寝る事を基準としている。

しかし、このスイッチの切れない状態を経由すると4〜5時間で目が覚めてしまい、身体回復しない。

眠りが浅い時は決まって夢を見るのだが、大抵が悪夢なので気も休まらない。

連鎖して昼前に眠くなってしまう。

このループが抜け出せずに困っている。

睡眠環境が悪く(昼間は常時トラック乗用車エンジン音、扉の開閉音、人の話し声という騒音が絶えない。また、仕事柄昼間に寝ることもよくある)スケジュールが途絶えないストレスもあるだろうが、手軽に脳のスイッチを切る方法はないだろうか

毎日気絶するように眠りたい。

スマホ離れしたいんだけどどうしたらいい?

いや、こんな時間に布団で増田書いてる時点でやめる気ゼロだろって思われそうだけど悪夢見て目が覚めちゃって…

父ちゃんが死んでしまった夢見て…(今月三回目)

どんどんスマホ触ってる時間が増えてヤバイ

仕事私生活ストレス重なって現実逃避してるのもあると思う

ただ目と脳の限界

英語アプリ音楽も目覚ましもはてブスケジュールもこの中だから手放せないんだよね…

最近は大じゃなくておしっこの時でもトイレに持ち込んで無駄に座ってる始末

取りあえず目覚ましは昔のガラケー引っ張り出してきて夜は別の部屋で充電しとこうかなって思ってるんだけど…

2018-01-17

槇原敬之の声、歌詞

「こんな俺でも生きていていいんだ」という気持ちにさせてくれる。

マッキーの声がこんな自分肯定してくれる。

マッキーの歌の中に出てくる主人公は、どれも不完全で、否定的な感じがする。

きっと、それが自分に適合するんだと思う。

逃げてばかりで、嫌なことから目を背けて生きている。

それでも、自分を大切に、って言ってくれる。

すると、自然と、なんとか生きていこうと思える。

ちょっと前に、多分、いままで心のどこかで必死に、でも、騙し騙しでせき止めてきた何かが、本当に些細な出来事によって崩壊して。

すると、今までしてきた普通生き方(少なくとも自分では普通だと思っていた)ができなくなって、周りと同じようにこなしてきた日常生活が途端に怖くてたまらなくなった。

今まで毎日挨拶を交わしていたはずの友人とも会うことがままならなくなって、いつのまにか人と接することを拒否するようになり、人間関係が滅茶苦茶になった。

順調に進んでいたはずの人生のレールから脱線した。

どうしてこうなったのか、自分でもよくわからないし、今でも悪い夢を見ているんじゃないかという錯覚に襲われるけど、多分これは現実

もうなにもかも投げ出して消えたいと思うこともあるけれど、弱い自分はそれを行動に移すことも出来ずに、泣き寝入りをする。

そんなときマッキーの歌を聴いて、それで事態好転するわけではないけれど、冷静になることができる。

解決の糸口は今も見つからないけど、なんとかもがいて行こうと思う。

あと少しで、この悪夢から目をさますことができるかもしれない。

2018-01-15

孤独死したくなければ誰でもいいから籍を入れろ」を読んだ。

バカがと思った。言いたいことはいくつもあるがとりあえず二つに絞る。

1、なんで煽りインチキ宗教並みなのか。

さっさとやれや。さもないと悲惨なことになる…という煽りは正直インチキ宗教の勧誘と同じだ。

私は友人に誘われそういうところのセミナーを一時間ばかり聞いていたことがあるがそれをしないことがどうして悲惨かばかり滔々と語っていた(8割くらい)。似ている。

もし加入すればこんないいことがあります(聞いてると詐欺しか思えないが)を少し主張する分インチキ宗教のほうが幾分ましかもしれない。

結婚しないと老後がーだの孤独がーだの煽るのばかりだ。

オウム真理教終末論ぽいのを説いて事件引き起こし結構問題になったが、冷たく例えるとそれ。いうなれば結婚真理教

あの手のインチキ宗教勧誘は1000人煽って一人でもバカが引っかかれば成功なんだけども結婚煽りもそれでいいのかね。

結婚教の連中はそれでもいいのかもしれないが。

2、こいつ孤独の恐ろしさをあまりにも知らなすぎる。

誰でもいいからとか本当に正気かこいつと思う。ちょっとでも孤独の恐ろしさ知っていたら出てこない発言だ。

私には偽装派遣で一人誰も知らない連中ばかりのIT派遣にたたき出されて死が頭にこびりつくレベル孤独に1年苛まれ経験がある。

私に限らないならもっとひどい例もある。時折起きる小中学生いじめ自殺や去年自殺の原因が発覚して大問題になったTENNさんの事例だ。

端的に表するとはなから一人の苦痛が0から1とするなら周りから全く受け入れてもらえない私が経験した悪夢が50から精々100くらいだと思う。

それでも耐え抜けたから。あと一年は無理だったと思うけど。

そこにいじめが入り時々発生する自殺学生悲劇はきっと桁が上がって1000くらいだろう。彼らには逃げる選択肢ほとんどないからな。

信じるものに裏切られて自分でその責任を抱え込み死を思い込むしかなかったTENNさんの孤独もそれこそ1000か2000の苦痛だったと思う。

孤独とは最悪そのレベルまで行きつくものだ。ハナッから一人なんて孤独のうちに入らないんだよ。

仮にそれが少しでもわかっていてそれでも一人が仮に嫌だというのなら「ちゃんといい人を探して選ぼう」とは言えるかもしれん。多分そういう人ならいるだろうし少なくとも理解はできる。

でも「誰でもいいから選べ」なんてクソバカなセリフは口が裂けても言えないはずだ。それが一番危険なことだからだ。

こんな甘ちゃんに孤独は怖いんだぞと語られるのがものすごくあり得ない。

2018-01-07

そうだ改宗しよう!

10年前って差別叩きとか少なかったじゃん

差別問題に限らず、

現在増田で延々と議論されてる問題殆どは当時問題では無かったと思うわけですよ。

増田先進的な人間が集まっているというよりは、

ネットリアル特性の要因が大きいけど、

現在増田議論されているような内容は

数年したら、ワイドショー始めとして職場なんかでも日常的に話題になる可能性が高いわけですよ。

まり現実増田と化した状態

ただでさえ、増田のアホみたいな「叩き(マウンティング?)」でイライラするのに、

現実増田になったらそれは悪夢だと思います

そうなったら、私は改宗しようと思います

イスラム教に。

アメリカ星は無知惑星と思われる」 映画の異星人メイク

アメリカで上映された映画で、俳優が異星人に扮するため特殊メイクをしたことを受けて、人種差別文化的配慮が足りないとの非難が相次いでいる。

映画スター・ウォーズ」では、有名な惑星タトゥイーンのジャバ・ザ・ハットを再現しようと、俳優ナメクジのような姿の特殊メイクで造形した姿で登場した。この造形の考案者はヒキガエルとチェシャ猫を合わせた姿と述べている。

顔や体型を特殊造形して風刺するいわゆる「アプライエンスメイク」は、全宇宙的にはきわめて侮辱的な風習だと広く受け止められている。ジャバのイメージアメリカ大衆文化に大きな影響を与え、彼の名前肥満や腐敗の象徴としてフィクション作品政治風刺に度々用いられている。「ジャバ・ザ・ハットのように見える」という言葉は、それを向けられた相手が「太っている」または「外見が醜い」という意味で用いられる。

タトゥイーン星出身ハット族の作家コラムニスト、リチャードソン氏は、ツイッターでこの作品問題を指摘。ハット族は、「笑いのオチ小道具」ではないと主張した。

氏はツイッターで、「#アプライエンスメイクで出演するアメリカ星の人へ。ハット族だというのは、オチ小道具じゃないんだ。ジョーク必要? もっと腕のいい作家を雇って。ハット族キャラ必要なら、英語を話すタトゥイーン人俳優を雇って。でもお願いだから、#アメリカ星でアプライエンスメイク止めて。カッコ悪いよ」と書いた。

リチャードソン氏は、自分にとって「悪夢シナリオ」は2028年アメリカ星で開催される宇宙五輪開会式で、「ハット族アスリートを称えるため特殊メイクに扮した俳優がチャルマン酒場演奏をやらかすんじゃないかって、真剣不安だ 」とツイートした。

「大失態だ! だからお願いだから、今すぐアメリカ星人はアプライエンスメイク止めて」

2017-12-27

小学校の「帰りの会」のような悪夢染みた卓だった

集団から暴力と悪意をぶつけられる感覚は何回経験しても慣れない

ポモで埋まった異世界生活

https://twitter.com/shinkai35/status/945771033696509952 へのリプライです。書くところが無いので、ここに書きます。この話は全てフィクションで、実在人物組織には一切関係ありません。

1.ブラウン管に広がる世界

その日、文筆家しんかいはPCから出るピピピ・・・と言う異音で目を覚ました。翌日が休日である事に安心しきって、ついついツイッターリツイートされてきたポストモダニスト著作いかおかしい話であるかを語っていたはずなのだが、顔にキーボードの模様をつける結果となっている。実感は沸かないが寄る年瀬には勝てない。相対主義が何を主張しようが、ヒトにはその限界がある。そんな事を思いながら、テレビスイッチを入れようとしたとき、しんかい異変に気づいた。

部屋に置いてあるそれは、平面的で画面が大きな液晶テレビではなく、画面は小さいが奥行きのある立方体、昔懐かしいブラウン管のもので、ダイアル式のスイッチチャンネル選択するそれだ。電源のオン/オフ金属トグルスイッチがついており、もしかしたら産まれから実際に目にしたテレビの中でもっとも古いものかも知れない。背面から出て壁につながっているテレビ線のコード同軸ケーブルではなく、平たいプラスチックの両端に二本の細い線があるものだ。もう平成も終わろうとしているのに昭和過ぎる。が、昭和であってもテレビの裏の埃は変わらない。くしゃみが出てきた。

パチンと電源を入れる。ヴォンと音を立てた後、数秒の間を置いて粗い絵が映し出された。4Kや8Kのテレビ宣伝をみるたびに、もう走査線の本数を向上させてもと思うが、いやおう無しにでもその重要性を認識せざるを得ない絵だ。北朝鮮テレビよりひどい。2017年12月27日、朝7時のニュースが始まった。アナウンサーの「おはようございます」は、普段通りの番組だが、他は普段通りとは言い難いものであった。見慣れたコンピュータグラフィックス今日見出しが、アナウンサーの横の黒板に置き換えられている。ボードですらない。何より、国家放送第一と言っている。

しんかいチャンネルを回してみた。チャンネルはかくんと90度づつ回転し、四つしかチャンネルが無いことがわかる。ぐるっと一回転させる。四つあるチャンネルのうち、一つは白黒の画素が激しく入れ替わるノイズが流れていたが、三つは使われていた。国家放送第二、国家放送第三、ノイズ最初国家放送第一。どうやら、国家放送しかないようだ。第二はこの時間帯なのに正しい文学について解説し、第三は老人が正しい体操実践している。しんかいは、この時点でテレビ登場人物全員が、カーキ色の上着を着ており、一列に並んだ大きめのボタンをきっちり留めていることに気づいた。

チャンネル国家放送第一に戻す。国民服のようなものを着たアナウンサーが読み上げるのは交通事故気象情報と言うところは、公共放送ニュース番組と同じだ。しかし、一つ一つについて解説を丁寧に与えていく。しばらく唖然としながら番組を見つめ、思わず「何だ?」とツイートした。ニュース解説があるだけであったら、驚かなかったかも知れない。しかし、先々月の災害被災者感情を、微分可能多様体と言う単語を持ち出して説明しようとしている。そう、ポストモダンだ。ポストモダンについては日本有数の知識を有すると自認しているが、寒気についてのポストモダン解釈は初めて聞く。

はっきり認識はできているが、全く理解ができない状況。自らの視覚聴覚を信じることができない。思わず、「テレビポストモダンになっている」となっているとツイッターに書き込む。「え、愛知だけでは?」「柄谷行人が死んだりでもした?」「ポストモダンに“なる”はおかしいだろう」とリプライが返って来る。誰もこのポモな国家放送を観てはいないようだ。ブラウザーポータルサイトニュースを見ても、特段、テレビ放送に関するものはない。ツイッターフェイスブック検索でも、しんかいと同じものを見ている人はいないようだ。

このブラウン管テレビけが、ポモな国家放送を流しているのであろうか。アンテナ線は壁につながっているが、これはモックなのであろうか。手の込んだ悪戯しか考えられない状況ではあるのだが、手の込みすぎたところが気になった。目の疲れを感じる。気づくと一時間国家放送を観ているのだが、同じ内容が繰り返し放送されているわけではない。チャンネルは三つ。ブラウン管テレビ昭和風ではあるが、チャンネルスイッチは特製だ。粗雑な出来とは言え、かなりの労力だ。現実とも夢とも断言できない。

しんかいは電器店にいって、他のテレビを観ることに決めた。冷静に考えればテレビを摩り替えられたとしか思えないわけで、窃盗警察に届出を行なうべきだが、この国家放送が持つリアリティがそれを躊躇わせた。無理な体勢で寝てしまったので二度寝の誘惑もあるが、“ブラウン”管からの一つの連想が心をざわめかしていた。ブラウン管発明者はフェルディナントだが、ポストモダン思想批判者にも有名なブラウンジェームズロバートブラウンがいる。

著作「なぜ科学を語ってすれ違うのか」でブラウンは、国家などの社会的構築物が必然ではなく、人々の考えの偶発的な結果によるものと考えると、社会が人々の考えを統制しだしてファシスト国家に陥る危険性を指摘していた。また、ポストモダン科学方法への懐疑は、科学の進展を阻害し、技術進歩を阻害する事になる。つまりブラウン管に映し出される世界徹頭徹尾ポストモダン支配された世界と言える。

ポモの危険性を指摘してきたしんかいにとっては悪夢しか言いようが無いのだが、しんかいは心踊っている自分自覚していた。日常からにじみ出る不穏な世界兆候アニメでは親しんだ別世界がそこにある。「けものフレンズ」は好物だ。このときしんかいは、柄谷行人の『日本近代文学の起源』の結核の話をすっかり忘却していた。ポストモダン思想支配された世界であれば、繁華街の電器店がいか危険場所であるかは、最もしんかい理解しているはずであるのにである

2.服装以外は昭和40年

テレビに見入っていたので気づかなかったが、家を出る前に、アパートの部屋が狭くなっている事に気づいた。振り返れば玄関が見える狭さなので迷子にはならないが、間取りも見覚えが無い。六畳一間と台所、バストイレ付きではあるが、便器和式である。昨夜、帰宅する家を間違えたのであろうか。しんかい映画パトレイバー the Movie」の帆場のアパートしか、似たような物件を見たことが無い。

机の上のPCの下には、書きかけの原稿用紙が散らばっていた。題は「科学のためのポストモダン思想からの脱却」とある。見覚えのある字ではあるが、自分のものを含めて久しく手書き文字を読んでいないので、誰のものかは思い出せない。大判封筒も置いてある。宛名は、自分であった。送り主は「鈴木幸子」とある。中はゲラ刷りで、赤が入っていた。出先で原稿を読もうと封筒を手に取る。

ポストが大きい金属製の重い扉をあけると、アパートの外側の廊下に出た。二階だ。表札は確かに自分名前が書かれている。鍵がないので施錠できないがやむを得ない。ところでここは一体どこなのか。スマートホンを出して地図アプリ位置検索をかける。すぐに「こんな所でスマホが使えるわけが・・・」と思うが、現在位置はあっさり示された。GPSの電波は届いている。インターネットも使えた。自分場所が異世界なのか、そうでないのか、明らかになってきた状況を元にしても判断が出来ない。

かなりの資力が必要になるが、古いアパートの部屋に自分を押し込む事は可能だ。しかし、衛星測位システム電波までは防ぐ事ができなかったのであろう。聖戦士ダンバイン以来、主人公が異世界に飛ばされる娯楽作品に親しんできたしんかいは、密かに期待した状況が否定されて落胆する。まだ十分な確信が持てないが、これは壮大な仕掛けの悪戯だ。街の中心部に向かえばはっきりするであろう。しんかいは、金属の音を響かせながら階段を降りていった。

5分後、しんかい自分が異世界にいる事を確信した。悪戯とすれば、神の仕業であろう。スマホ地図アプリ位置情報は機能していたが、道路の舗装が汚く、空気が汚れていて、高いビルが無いので空が見上げやすい。そして、旅行先でしかたことが無い路面電車が走っていた。しんかいの知る名古屋市には市電が無い。しかし、ベージュと赤と緑のカラーリング路面電車が走っている。地図アプリ位置情報は、間違いなく名古屋だ。

道を歩く人々の服装は、男性国家放送局アナウンサーが着ていた国民服女性もんぺ姿である。しんかいは人々が自分凝視するのが気になって仕方が無かった。しんかいの格好はPコートチノパンである。この世界では明らかに浮いている。この恥ずかしさをツイートして紛らわせたい衝動に駆られたが、文章だけでは何を書いても気がおかしくなったと思われるであろう。国民服もんぺ女性市電が映った写真を撮って、「ここはどこ?」とつけてアップロードをした。「戦時中名古屋市」とリプライがつく。

戦時中なのであろうか。朝のニュースではそのような事は一切言っていなかったし、テレビ戦後で、カラー化は高度成長期最中だ。昭和40年代ぐらいが相場に思える。状況を把握するために、一日中テレビを観ていた方が良かったかも知れない。古くて小さな家電店が目に付く。中に入ると、期待通りテレビが置いてあり、放送を見ることが出来た。店主は商売っ気の無い老人で、都合が良いことに客に関心がないようであった。テレビ出演者は全員、国民服もんぺであり、ドラマですらそうであった。アパートの部屋のテレビけがおかしいと言うのは否定された。

しばらくテレビに見入っていたが、空腹を感じてきた。何かを食べたいと思うが、この世界食事をとる方法が思いつかない。飲食店はあるようだが、市電で使われている硬貨は見かけないものだった。この世界で使える金を持ち合わせていない。このままでは行き倒れ、帰宅をしても孤独死になってしまう。途方に暮れたところで、家電店に若い痩せた男が入ってきた。肌が白い。「単一電池・・・」と言ったところで、ゴホゴホと口を押さえて倒れこむ。指の隙間から見える、鮮血。小説の中でしか知らないが、即座に結核と言う単語が思いつく。店主は男の様子を気にせず、「ろうがいかい。向かいの店のホメオパシーが効くよ」と電池を出してくる。これは、不味い。

しんかいは、危機を感じて慌てて電器店の外に出た。ドンと人とぶつかる。「ごらぁ、前を見て歩け!」と旭日章のついた帽子かぶってサーベルをつけたおっさん、明らかに警官に怒鳴られる。反射的に「すいません」と謝るが、警官はしんかいを上から下まで舐めるように見ると、「おまいさん、なんちゅー格好をしている。ちょっと署まで来い。三日はぶち込んでやる」と言い出した。その瞬間、中で物が落ちて割れる音がした。「お客さん、ちょっと、しっかり」と言う店主の声がする。警官はそちらが気になったのか、店の中に入った。

しんかいは、その隙を見逃さず走り出した。一瞬「逮捕されれば食事は出るかも知れない」とも思ったが、この体制国家的な異世界では逮捕されれば拷問を受ける可能性もある。どこにも行く宛てが無いと言うわけでもない。持って来た封筒の裏側には、住所が書いてあった。何者かは分からないが、「鈴木幸子」を頼る事にしよう。少なくとも、この世界のしかいを知っている人物である事は確かだ。

2017-12-24

メリー処女

学生時代は夢見がちな小デブ喪女ピエロとしてブイブイ言わせていた。彼氏が居ない。好きな人少女漫画の彼。太った。たったそれだけのネタを繰り返し、ゼミでも女子会でもSNSでも笑いを取っていた。嘲笑だろうが苦笑だろうが別に良かった。エンターテイメントとして消費されることで、無味無臭なこの人生意味を持たせたかったのかもしれない。

  

2015年祖母が死んだ。

かなりの大往生だったのもあるし、遠方に住んでいて関わりが薄かったのもあるかもしれないが、悲しい以上にいいなあという気持ちが沸いた。

大勢の子どもとさら大勢の孫に見送られ天寿を全うした祖母尊敬した。

そこではっとした。彼女の孫である私は就職してX年。二十云歳にもたって彼氏ゼロのド処女だ。このままじゃ独りで死ぬしかないし、親に孫のひとりも抱かせてやれない。

祖母は片手で足りないくらの子を産んだ。既に母が自分を産んだ歳になっていた。

私は焦った。子どもが欲しい。

もともと子どもが好きで、漫然と産みたいな~とは思っていたけれど、このときはっきりと思った。産まなければ。

行きずりの男とではない、家庭をつくり子どもを産んで親を、そして天国祖母安心させたい。あと自分の老後のこともある。

そして私はそれから合コンと聞けば飛んでいき、友達からは男の紹介を募り、挙句婚活サイト登録したりして本腰を入れて彼氏を探すことにした。

 

彼氏がいない、彼氏ができないとは言っていたがなんのことはない。本気を出してなかっただけ。

そして一年後の2016年クリスマスイブ、初めての彼氏ができた。

 

 

相手は同じ歳、同じ血液型、おおらかで優しい人だ。趣味もそこそこ合って、2人ともおしゃべりなほうではないけれど無言も苦にならない(少なくとも私は…)穏やかな時間を過ごせる人。ちょっと不器用なところがあるけれど、そんなところも可愛い。あと多分童貞だ。

 

2人とも仕事が忙しく、住む場所はそこそこ距離が離れていた。だから会う回数はそれほど多くなかったし、お互い連絡不精でLINEすらままならなかったけれど初めての彼氏から何が正解かわからない。

童貞に違いないと思っているが、聞いたことはない。けれど、こういうの不慣れだからと言っていた。私も初めての彼氏、彼にとっても、多分初めての彼女。2人らしくゆっくり進んでいけばいいし、連絡も会うのも、2人のペースでいい。

 

そして1年。気づけばまだ処女だった。

処女どころじゃない。ファーストキッスも、それどころか手を繋いだことすらない。

 

 

?????????

 

 

ちょっと私、経験不足でそういう知識少女漫画BL同人誌しかなく申し訳ないのですが、二十云歳の恋愛って、そういうの割とすぐやってくるもんじゃないんですか?確かに少女漫画は手を繋ぐにもだもだしてますけど、でもそいつらは所詮中高生。出てくる二十代はみんな経験豊富な顔して大人ぶってますがな。女子中学生ヒロインアドバイスなんかしちゃってさ。BL同人誌なんかすごいよ。大体付き合うと同時にセックスしてますもん。

 

えー、いや。正直いくら牛歩でも3回目のデートくらいでキスくらいするのかなー、と思ってたし、経験値ゼロはい大人からホテルに連れ込まれることも想定してたんですけど、そう来たか

 

彼氏ができたと言うと、友達はみんな祝福してくれる。

喪女仲間は、完全に非処女を見る目で見てくるし、学生時代には普通に恋愛しつつ今たまたま彼氏がいない友人は完全に非処女仲間を見る目で見てくる。

久しぶりに会った彼氏持ちの友人は、「した後さー、筋肉痛にならない?」とか言ってくる。

え?そうなの?

BL同人誌じゃ腰とか尻とかよく痛いって言ってるけど、筋肉痛の件は存じ上げないんですけど。推しカプがスポーツマン同士だからかな???受けちゃんの趣味筋トレからかな??????

 

からない。

どうしてこうなったんだろう。

いや、どうしてどうにもなってないんだろう。

 

女は盾、防ぐか貫かれるか。

まさか目の前に剣士が立ちながら、攻撃ひとつも受けないとは思わなかった。

貫かれようにも、そもそも剣士が剣を構えてないんだもん。

から当たりにいけばいいのか?処女になんて重荷を背負わすんだよ世界は。

守る方法ばっかりで蹴散らし方教えてくれなかったじゃんかよー!

 

恋人を作ったら、自然消滅するものだと思ってた。処女

 

 

なんだろう。すっごくセックスがしたいわけじゃない。だって二十云年の人生で一度もしたことないし、せずにこれまで生きてきたから、これからもしなくたって生きていけると思う。

けど、この、処女と言う称号。これはなんとかしたい。できるだけ若いうちに、一分一秒でも若いうちに何とかしないと可能性はどんどん低くなっていく一方だ。

あと結婚したいし子どもが産みたいんですよ。この調子大丈夫なの?あれ?子どもってセックスしないとできなくない?じゃあ一生しないじゃすまなくない??

 

とりあえず女側の行動として何があるのかと大好きな襲い受けのBL同人誌を読んでみた。なんか攻めに薬盛ってピッキングして部屋に乗り込んでた。

そんな薬は現実には存在しないしピッキングはできない。はーい、打つ手なし。

 

 

そんな私に朗報です。

2017年クリスマスイブ辺り、ちょっと車で遠出しない?と彼氏

月曜は仕事から23日に出発してさなんて。

 

 

 

きた…………!!!

 

 

付き合って一年クリスマスイブ

遠くまで行って夜まで一緒。パーフェクトだ。こんなの、何もないはずがない。

 

しかし、ルナルナ先生がお前の次の生理12月22日だと告げている。これはよくない。

私は焦って産婦人科に行き、問診票の『性交渉経験』という悪夢みたいな欄を埋めて生理移動のためのピルをぶんどってきた。

うっすらとした吐き気と戦い数週間。前々日から毛の処理を開始し、当日朝には内洗浄までした。ボディスクラブを塗りたくり、ボディミルクもいつも以上に浴びた。よし、生理は来ていない。

もちろん不安もあったけど、覚悟は決めた。バージンさよなら時間だよ。

 

 

迎えた12月23日

彼の車に乗り込んで長い旅。車内での談笑。PAでの買い食い。無言の時間景色を眺めるのすら楽しかった。

 

そうしてついた目的地。そのとき、彼のスマホが鳴った。

昼ごはんのため話題のお店に並びながら彼は電話をする。

会話はわからないけれど、聞こえた単語は『明日』『了解

 

電話を終えた彼にどうかしたかと尋ねた。

平たく言うと、明日、同僚の引っ越しを手伝うことになったらしい。

 

はぁ、

明日ってーと、クリスマスイブですがな

それどころか、付き合って一周年記念日ですがな

 

 

いやいやいやいや、まさかまさかそんな!!

まぁ、ね!別に記念日にうるさくしたいわけじゃないし、大事だよね、同僚。

頼られるのは良い事だし、同僚といい関係を築いているとこ本当にすごいと思う!

ここから地元まで、5時間くらいか明日お昼とかに出発して夜手伝うとか?

えー、大丈夫?疲れとか…。タフだね…。うん…。

 

聞けなかった。そうなんだとしか、言えなかった。

明日?何時?私はどうするの?これからタイムスケジュールを教えて!?

なんて聞けなかった。

そういえば、普通にお泊まりだと思ってたけど…そんな話は一度もしていなかったね。

 

それから、まぁ何事もなかったかのようにおいしいごはんを食べ、きれいな景色をみて…

 

 

そして夜。

さぁ帰ろうかってなった。

 

あ、やっぱ帰るんだ…。

でも既に夜。帰ったら完全に真夜中になってしまう。

私はペーパードライバーだしそもそもAT限定運転を代わることはできない。

私は勇気を出して言った。所詮処女のちっぽけな知恵と勇気だ。けれど、私にとっては決死一言だった。

 

「今から大丈夫?どこかで休んでからでも…」

大丈夫!」

 

もうめっちゃ頼りがいがすごい

 

 

そして出発。

 

 

私も疲れで限界で、度々寝落ちしまっていたけれど、彼だってもちろん限界だったらしい。

正直車のふらつきに気づいていたし、ああ私は処女を失うことなくこの命を失うのかもしれないと思ったりもした。

 

けれど、まぁいいや。

このまま、処女のまま生きていくよりは、彼氏とのドライブ死ぬのも悪くないかもしれない。

寝ぼけた頭はそんなことまで考えていた。

 

 

そんなとき、転機が訪れた。

長く危険ドライブの後半も後半に差し掛かった時、彼がナビを無視したのだ!!!

 

予定では、申し訳ないことに私の地元まで送ってくれることになっていた。

それから少し引き返して彼は自分の家に帰るはずだった。

 

ナビはもちろん、私の家を指示している。けれど彼がそれを無視して進んだ方向の標識には、彼の家がある地名が書かれていた。

 

 

逆転ホームラン

 

完全に眠気が吹っ飛んだ瞬間だった。彼は疲れで限界で、今も車はふらついている。だから意識的にか無意識にかはわからないけれど、自分の家に向かっているのではないか

ただでさえ色々なところを歩き回った上に、長時間運転時間は既に0時をまわりクリスマスイブを迎えている。

一周年だもんね。クリスマスイブだもんね。

疲れたよね、いいよ、このまま彼の家に行って、ゆっくり休もうよ。わざわざ私の家なんて遠回りする必要ないよ。明日自力電車で帰るから

 

 

まぁナビは軌道修正してきて普通に私の家にたどり着きましたけどね。

 

 

最後のチャンスだった。

「うちでちょっと休んでく?」

言ってやろう。言うしかない。これが、最後のチャンスだ。

 

 

でも、我が家は今荒れ放題だった。

今日のためにどれにしようかと迷った服や下着が散乱し、プチシャワーセペの箱は転がっている。

あとBL同人誌も開かれている。

 

 

まぁ、言えないよねー。

気を付けてねと彼を見送り、そして昼まで寝て、泣きながらやけくそでこんなものを書いているクリスマスイブ

 

 

でもね、もし言えていたとして、断られたら。

今度こそ処女は立ち直れなかったから私の部屋が私を守ってくれたんだと思う。

それにね、どれだけ肌のケアをしたって、小デブは小デブなの。

なんなら今最強にフォルムやばい。小なんていらない。デブ

から、今じゃなかったんだと思う。

次のチャンスまでに痩せておくから。部屋もきれいにしておくから

そうして自分を守ってばかりで、一生処女なのかもしれない。

 

 

二十云歳、処女ネタにできているうちは余裕だった。彼氏を作って、合わなかったら別れたらいい。行動すればちゃんと恋人くらいつくれるはず。そう思ってた。実際できた。

で、彼氏ができて、ここからどうしたらいいのかわからない。少なくとも、今も処女だし、来年処女かもしれない。処女のまま、三十路を迎えるのかもしれない。彼氏がいるのに。

例えば別れて、次の人が見つかるだろうか。次の人が見つかったとして、スムーズにことが進むという確証は?そもそも彼に文句があるわけじゃない。私の処女を奪う気がないなら別れましょうなんて言えるなら、そもそももう処女じゃない気がする。

彼も、同じなんだろうか。彼女はできたがここからどうしたらいいのかわからないのかな。

ていうかそうじゃなきゃ困る。このデブは抱けないけど、とりあえずキープと思われているならもう開放してほしい。

 

 

どうしよう、未来不透明すぎる。

N君。もしみていても引かないで。

ただデート中、ちょっと休もうかってなったとき喫茶店じゃなくてホテルに連れてってくれてもいいんだよ。

連れていきたくないっていうならせめて…せめて、結婚のことや子どものことについてどう考えているのか教えて…。

重くてごめん。アラサー女は不安なんだよ。

 

 

とりあえず、食べるものがないから家を出た。近所のケーキ屋にカップルがいっぱいいて砂を吐きたくなったけどそんな権利はない。だって私には彼氏がいる。同僚の手伝いをしている優しい彼氏がいる。ひとりで寂しいけれど誰からも連絡はない。だって彼氏いるから。

はぁ…牡蠣買って帰ろう。

 

 

メリークリスマスイブ

2017-12-20

劇団 竹の公演『人形を殺す』を見に行った記録

ちょっと前のハナシになるけど、都内の小劇団の公演を見に行ってきた。

というか、なんかこの2ヶ月、小劇団を観に行くことが多くて。

(いや、そんなマニアみたいに毎日、毎晩ってわけじゃないけど)

キッカケは、

  https://anond.hatelabo.jp/20170925212923

この劇団で。

でもって、出演していたキャスト新宿ゴールデン街バイトしているという情報を聞きつけて、その店を仕事の接待の2次会で使ったのよ。

いろいろと話も聞きたかったし。

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そしたら、その女優さん。

舞台の上の颯爽とした男装イケメンぶりとはまったく違うホニャホニャ~っとした実に気立ての良さそうなお嬢さんで。

思わず「よ~しオジサン太っ腹なところ見せちゃうぞ~!」と彼女の新しい公演のチケットを購入したのが一ヶ月以上前。

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演目は『人形を殺す』(劇団 竹/竹林 林重郎 作)

そして、ちょっと前に劇場に行ってきた。

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例によって記憶を記録に変えるため、ここに自分の感じた印象を残しておくことにする。

随所にその後の聞き取りで得たデータもはさんでいくんで、そこはご参考までに。

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■全体として

いろいろと語りたいことはあるけれど。

まずは。

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      まさかこのオッサンが芝居で爆泣きさせられるとは思わなかった。

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もう、その、なんだ。このイヤな感じに古びてネジれまくった心のどこに、こんな涙が残ってたのか、ってくらい。

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全体のアウトラインとしては。

(もう公演も終わったことだし、ネタバレいいよね?)

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とある一家の主人、フトシの葬儀に彼の隠し子ミツルが訪ねてくるところからストーリーは始まる。

子供世代にあたる長男、長女、後妻の連れ子、隠し子の4人を物語の中心として、彼らの記憶にある父、父の愛人、母、後妻の姿が交錯する。

回想を交えて次第に明らかになっていく機能不全家庭のかたち。

すでにそれぞれの人生を発見、構築して、最後手仕舞いとして葬儀に集まった子供世代が “その後の物語” を交換しあい、そして何を選択するか。

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という感じ。

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安直なプロモーター/宣伝担当者だったら “失われた家族の再生の物語” とか言うところだろうけど。

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これは “再生” じゃない、“自己修復” だ。

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どこからか聖なる光が降り注いで、そして全てが安直に元通りになるんじゃなくて。

命がけで力をあわせ、新しい家族システムとして自己修復していく物語だ。

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機能不全家庭のサバイバーたち、それぞれが心で悲鳴を上げながら過去を振り返り、つながりを模索して、あたらしい動態平衡を獲得する、そんな自己修復過程の身を切るような苦しみを描写し尽くした作品になっている。

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ただ、上に書いたような文芸路線の重たい家族ドラマってだけじゃない。

そこに、キリスト教ヒンドゥー教、アミニズム、シャーマニズムの神々が乱入し、信仰とヒトの関係性が語られ、西武ライオンズの奇跡の優勝が回想され、ときにタブラ4つ打ちテクノに合わせて踊る白装束の群舞とビデオプロジェクションのインサートシーンが交錯し、どこかサイケデリックな、なんというか……

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うん! そうだ! “現代の寓話” だ!

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これまたベタワードだけど、他に形容のしようがない。

(どうしても想像が及ばない人は、ここで、

 “もしも、もしも故・今敏監督が、重た~い家族自己修復ドラマ

  お得意の悪夢タッチケレン味タップリに撮ったら”

 というのを想像してみてください。

 当たらずといえども遠からずのはず)

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うん、これ以上語ってもしょうがない。全体としてはこんな感じ。

「傷ついた人は、傷ついた家族は、成熟とともに修復される……されるのか?」

というのがテーマ

そして俺、爆泣き。

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そして、本公演の劇団である “劇団 竹” の主催者にして劇作家、竹林林重郎氏の作劇術、というかタッチというか、そういうのも、なんとなく見えてきた。

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まず、基本はダイアローグ(1 on 1のトーク)。

モノローグでもポリローグでもなく。

回想シーンのフトシ、サダコその他は隣に聞き手がいるものとしてダイアローグカウントする)

ストーリーライン全体は

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 隠し子ミツルと長女ツグミの対話

 ーーここで父フトシの隠された2重生活と、実の子以上に愛され、

   育まれてきたミツルの姿が明かされる

      ↓

 ツグミと長男シュウタの対話

 ーーいまではヤンママシンママとなったツグミの愛に飢えた幼少期への思いが爆発

      ↓

 シュウタと連れ子ヒデフミの対話

 ーー今となっては過去に見切りをつけ、自身の “家族” を獲得したヒデフミに対して、

   ここでシュウタの最大にして最後の働きかけが大爆発

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という大枠の流れに、回想シーンとして

 ・父フトシと母ノリコの外食

  (後に愛人となるヤスコを含めると3人以上が登場するのはここだけ、だったかな?)

 ・フトシとヤスコの逢瀬

 ・堕胎をうながす継母サダコと反発するツグミ

 ・夢の中でシュウタに、出奔という自分ギリギリの選択を明かす母ノリコ

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といずれも1 on 1。

対話の一方が次の対話に持ち越されるバトンリレー形式で話がすすむ。

(例外はサダコが壁のロザリオを叩きつけるシーンと、ノリコの出奔シーンくらいか)

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というわけでダイアローグ主体の作劇なので。

最後に全兄弟が登場する対話のシーンを見たかった気もするが、そこはビデオ後日談が語られることで代替されている。

というか、前半のツグミ役のキャストのあの演技を見たら、後半まで登場したら、おそらく彼女のメンタルがもたないだろう。

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ラムネさん「んふふ~、それはどうでしょ~?」

俺「おおっ! あなたツグミを演じたラムネさん! アレくらい、余裕っすか?」

ラムネさん「んふふ~」

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と、明確な答えは得られず。

ただ、別に彼女のコンディションに配慮したわけではなく、たんに作劇上、そうなっただけらしい。

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余談。

確かなことは。

無軌道な妊娠と出産、自分を一番に思っていた継母を鬱病と自殺に追い込んでしまった(と考えている)彼女が過去を悔いて流す涙。

ツグミの慟哭はそれだけの迫真・魂の演技だった。

余談終わり。

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もう1つ。

ストーリーを裏から支える暗喩のレベルが。

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 気にしなければ流すこともできる。

 気にして、拾い上げるつもりがあればハッキリと分かる。

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というレベルキッチリ統一してあるのが気持ちいい。

(いや、これは俺の思い上がりで、拾い上げてないレベルメタファーがドッサリあるのかもしれないけど)

たとえば。

ミツルツグミが同時に正座をといて、「ここから深い話をしよう」という意図を見せたり、とか。

ヒデフミが現在ではロザリオ製造業に努めていて、毎日キリスト十字架にかけている、つまり、 “完全な棄教者” であることを暗示したり、とか。

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いろいろなレベルで多層的にメッセージが投げかけられてくるのが気持ちいい。

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そして、ストーリーに大きな比重を占めているビデオプロジェクションについて。

冒頭、中間エンディングと(自分が覚えている限りでは)3回、舞台の白壁をスクリーン代わりに、撮影・編集済みのビデオ映像が使われる。

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1回目はオープニングタイトルなので、深い意味はない。多分。

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2回目は、うーむ、解釈に困る。

シヴァヴィシュヌガネーシャブラフマーも出てきた、かな?)とヒンドゥーの神々がサイケデリックビデオコラージュで次々と諸々の事象と一緒にカットバックされる、ある種のイメージビデオ

BGMはタブラ4つ打ちデトロイトっぽいミニマルテクノ

ことなく、今敏っぽい。

無理して考えれば、愛人ヤスコ隠し子ヒデフミの家にあったという、キャラクター人形を並べたデタラメな祭壇から喚起されたイメージの奔流、というところだろうけど。

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というか、ストーリーのキーアイテムがいくつかあって。

1)キリスト教

家族システム自己修復の媒介者、というか見守り人としてのキリスト教の存在と、一般人レベルの、一般人なりの神学論争がたびたび登場する。

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2)多神教シャーマニズム

愛人ヤスコは沖縄のユタ(シャーマン、巫女)の血を引いている、という設定で、ここでキリスト教的な硬い理論体型ではすくい切れないアミニズム、シャーマニズムスピリチュアリズムの象徴として彼女の存在がたびたびクローズアップされる。

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3)フトシ人形

元愛人ヤスコいわく、「死んだフトシの魂が乗り移った人形」。

そもそも隠し子ミツルが「この人形を一緒に火葬してほしい」と持ち込んだところから全てのストーリーが始まっているわけで。

その後は、子供たちの亡き父に代わって踏まれるは、叩きつけられるは、この人形、まさに踏んだり蹴ったり。

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余談。

この人形、終演までよくボロボロにならずにもったよなぁ。

と思ったら、Twitterを見たら劇団の忘年会にまで生き残って参加してるし。

まじで何か乗り移ってね?

余談終わり。

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ビデオプロジェクションの3回目は、エンディング後日談)とスタッフロール

ここで、子供世代が集合して親睦を深める後日談が挿入され、ストーリーに一応の決着がつく。

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と、合計3回のビデオなんだけど。

うーむ、評価に困る。

なんというか、悪くは無いんだけど。

編集も音楽も上手すぎて、なんか、こう、才に疾りすぎているような印象を受けた。

芝居のシーンが不器用な人間たちの不器用なふるまいの話であれば、なおのこと。

逆にいえば、重苦しくなりがちな主題のハシやすめとしては、効果的だった、とも言えるけど。

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ラムネさん「あのビデオなんですけど~」

俺「おお! ラムネさん! ビデオがなんですか?」

ラムネさん「お客さんのアンケートでは、良かった人と、悪かった人が半々くらいだったみたいですよ~」

俺「うーむ、人によって評価はマチマチか。まあ、そんな感じだろうなぁ」

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観劇

で、さてさて。

終演後、もう、あふれる涙をぬぐいながら、挨拶に出ていた竹林氏に突撃インタビューを敢行してみる。

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俺「グスン、あ、あの、最後後日談ビデオなんですけど。やはり、あれは小さな子供たちを舞台に出せないっていう制約があってのことですか?」

(と、最初の軽いジャブのつもりの質問だったんだけど、誤解したらしく)

竹林さん「あ……あれなんですけど……ハッピーエンドってわけじゃ……ないんですよね。

あの子供たちは全員ツグミの子供かもしれないし……。ヒデフミとシュウタが家庭を持つ踏ん切りがついた……とも言えないわけで……。そこはお客さんの判断にゆだねるっていうか……」

.

え? あれ、ハッピーエンドじゃないの?

.

     ∧∧

    ヽ(・ω・)/   ズコー

   \(.\ ノ

 、ハ,,、  ̄

  ̄

.

そりゃないよ竹林さん! こっちは希望の光に魂が洗われるような涙を流した直後だっていうのに。

と、ともかく、気を取り直して次の質問をする。

俺「と、ともかく、アレです。そうだ! あれ、あれ! あのキャストの4人が白装束で踊るダンスシーン! あの挿入シーンには、やっぱりなにか意味が?」

竹林さん「あ……あのダンスシーンには……特に意味は……ないんですよね……」

.

     ∧∧

    ヽ(・ω・)/   またまたズコー

   \(.\ ノ

 、ハ,,、  ̄

  ̄

.

なんてこったい! 全部インスピレーションというか成り行きまかせかい! なんだよコラ! というか、あんな太っといストーリーを産み出しておいて、なんでそんな慢性自信喪失症みたいな振る舞いしとんねん!?

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ラムネさん「そんなこと、ないですよ~」

俺「おお! ラムネさん! するとあのダンスには深い意味が?」

ラムネさん「1つ1つの振り付けに意味を込めて、竹林さんが決めていったんです~。彼、ダンスができるわけじゃないんで、稽古の一番最初にダンスから始めていって、大変だったんですよ~」

俺「それじゃまた、なんであんなウソを……」

ラムネさん「まあ、あのヒト、照れ屋さんですからね~」

.

うーむ。

いろいろと事情はあるようだ。

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あらためて全体として

というわけで、あらためて全体としては。

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もう、激烈に良かった!

チケット代の倍くらいのモトは取った!

劇団竹、というか竹林林重郎氏は今後も追いかける! 決めた!

という感じ。

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キャストスタッフについて

本来なら、ここでキャストの印象から書くんだけど、先に言っておきたい。

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  こんな気持ちのいい観劇、生まれて初めて!!!

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映画で言うところのプロダクションデザイン、美術のレベルが俺的には空前絶後のハイレベル

舞台というかセットは “そこそこ成功した事業主が建てた一軒家の客間、中央には卓袱台” という固定化された空間なんだけど、まあ、ここの造作が細部まで実にリアル

フトシと妻の外食シーン、ネパール料理屋ではビールが銅製のタンブラーに入っていたりとか、細かいところまで実にリアリティのカタマリ!

サウンドも隅々までハイファイで、SEのキューイング(演劇用語では “ポン出し”だったっけ?)もタイミング完璧!

後ろを見れば、おお! これまでの観劇で初めて卓(コンソール)の収まったコントロールブースがある!!

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今回の劇場、スペース雑遊の設備なのか?

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ラムネさん「いえ~、あのブースは、わざわざ場所を確保して作ったんですよ~」

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ですよね~。

照明も特段の過剰な演出に走ることなく、的確。

何もしていないかっていうと、そんなことなく、舞台のシーン、ネパール料理屋のシーン、

シュウタが心から祈るシーンと、細かく細かく抑揚をつけている。

ともかく、作品の作家性、キャストもさることながら、舞台全体をバックアップするスタッフの力量が、もう、これまでとまるで違う!!

彼らにはノーベル賞ピューリッツァー賞紫綬褒章を金銀パールをそえて贈りたい。

それくらい気持ちよかった。

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劇場の “SPACE雑遊” もじつにいい。ほどよい温度で静かな空調。

ともかく見過ごされがちな観劇のための空間づくりだけど、ここまでストーリー没入を妨げない総合的な配慮は、うん! 控えめに言ってサイコー

この劇団って、いつもこんなハイレベルな制作陣なのか?

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ラムネさん「いえいえ~、前回までの公演は~」

俺「ふむふむ」

ラムネさん「セクマイ三部作っていって~、小さな民家を舞台にしたり~」

俺「なるほど」

ラムネさん「こんな舞台は初めてなんじゃないかな~」

.

うーむ、俺はひょっとしたこの劇団の大新機軸、大飛躍の場所居合わせたのかもしれない。そうだったら嬉しいな。

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そして、キャストなんだけど、はじめに言っておく。

キャスティング上の軽重はあれど、全員が全員、演技巧者の高能力者ばっかり!

どうなってるんだ!

これ、どうやって集めたの? スカウト? オーディション

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ラムネさん「今回のキャストは~、じつはこれまで仕事をしたことがあるヒトばっかりで~」

俺「なるほど、すでに信頼関係のあるキャストばっかりなのね。アナタも含めて。ということは~、二度と呼ばれないヒトもいたりとか?」

ラムネさん「んふふ~、それはどうでしょ~?」

.

うむ。ノーコメントなり。

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というわけで。

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■石川雄也(フトシ)

一家のお父さん。酒乱。浮気。全てにおいて、だいたいこの人が悪い。

コピー機の販社を起業して営業のためにキリスト教に入信ってのが痛いくらいにリアル

回想にしか登場しないのに、ほぼ主役。

劇団竹に所属

地味に驚いたのが、ワンカップ半分ならワンカップ半分、ビール1缶ならビール1缶と、アルコールが入った分だけ、確実に立ち振舞いを変えてくる。

上手くいかない事業と美女の誘惑、アルコールへの弱さと、たよりない大黒柱の悲哀を全身で表現。

もっといろんな所で見てみたいと思った。

いやだから見世物小屋の司会とかじゃなくて!

(↑そういう仕事をしていらっしゃるのデス)

.

■森川武(シュウタ)

長兄ってツラいよな。

いきなり子供が3人もできた父の辛い立場を理解したのは、このヒトだけ。

そして、彼の祈りのシーンで大事なことが示唆される。

それは、

.

 神はどこにいるのか。

 それは天上界でもオリュンポス山でもない。

 神は祈る心の裡(うち)にこそ顕現する

.

ってこと。

わからんけどね。あくまで俺の解釈)

ツグミの嘆きを受け止める。

そして、ヒデフミの “シンカー投げ” という決別の儀式を見守るだけだったところに、ロザリオのカツーン! という落下(これを偶然か神の啓示か、はたまたシンクロニシティか、どうとらえるかは、それこそ観客にゆだねられている)からの、もう、怒涛の、言いがかかりに近い、というか完全に言いがかりの引き止め工作。

ここに俺は、家族システムが血ダルマになりながら自己修復していく音を確かに聴いた、ような気がする。

そして俺、爆泣き。

劇団竹に所属

こうしてみると、キャスティングも要所々々はプロパーさんで固めているのね。わかる。

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ラムネさん「このヒト、普段は “コボちゃん” って呼ばれているんですよ~」

俺「おお! 言われてみれば確かに似ているwwww」

(このあと、コボコラの話に盛り上がること5分)

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■江花実里(ツグミ

劇団 架空畳に所属。通称ラムネさん。

あれ、おっかしーなー。

つい1ヶ月前に月蝕歌劇団を観たときには颯爽とした美青年明智小五郎(に化けた怪人二十面相)だったんだけどなー。

いま見ているのはチークの乗りも痛々しい元ヤンシンママだよ。

彼女の後悔の号泣からストーリーが本格的に回転し始める。

しかも、そこに至るまで、彼女の感情は3段階に分けて少しずつ前面に出てくる。

最初はミツル人生を聞いたとき。

次に自分人生を振り返った時。

最後に兄シュウタの腕の中で継母のサダコを想って感情を爆発させるとき。

役者ってすっげーな!

でも正直、この時の俺は爆泣きとまでは行かなかった。

でも、それでいいと思う。

この公演が竹林氏が観客の情動に仕掛けるカチ込みだとしたら、彼女は鉄砲玉というか切り込み隊であって。

あるいは、森川ー佐々木ラインという本隊の大規模侵攻の前に敵陣深く潜入する特殊部隊の役割であって。

「さて、この劇団、どんなものか見てやろう」という観客の批評眼をかいくぐってハートの深いところに潜入し、情動の扉をこじ開けて本隊の到着を待つ。

これが彼女のミッション

いや、実に良かった。

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■辻村尚子(ノリコ)

フトシの最初の妻。

夫の浮気のストレスから子供を虐待することを恐れ、みずから出奔。

舞台が2018年の設定なので、旦那事業の立ち上げ期が80年代末。

キャラ作りが、なんというか、トレンディドラマの女優そのもの

なんかW浅野時代の浅野温子が乗り移った感じだった。

彼女が居間のふちに腰かけて靴を履いて家を飛び出すところが2回、描写される。

つまり天丼なんだけど、

なんでだろ、ビデオその他の映像作品だと天丼って、うっとうしいだけなんだけど。

なんか、生身のキャストがやると重く感じるんだよな。

劇団 竹に所属

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■大森華恵(サダコ)

フトシの後妻。

うつ病で自殺。

なんというか、いろいろと痛ましい。

(継子とはいえ)娘への配慮と、大人の知恵と、世間知と、いろんなものに押しつぶされて最後の選択として自殺、か。

この舞台で、壁に掛けられたロザリオは合計3回、床に落下する。

2回はサダコが床にたたきつける。この時はSEのみの描写。

そして1回はシュウタの祈りに呼応して、本当に落下する。

ここでも天丼(繰り返し)が重たい。

なんというか、堅物で悩み事に弱そうな人物像を的確に体現。

クレジットがないからフリーの役者さんか?

.

ところで、ストーリーに挿入される白装束ダンス

石川、辻村、森川と3人までは劇団正メンバーなんだけど、彼女だけがゲストにも関わらずダンスに参加。

ダンスシーンについては、べつに拘束期間とか難易度とか、そんなことは関係なく、竹林氏のメッセージにそった人選なのだろう。

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佐々木光弘(ヒデフミ)

子供が十分な子供時代を生きられず、そのままムリヤリ大人になることを要求されたようなアンバランスな感じ。

わかる。

そして、いまでは自分も義父のようにシンカーが投げられることを義兄シュウタに示すため、最後キャッチボールを決別の儀式として実行する。

と、ここで舞台で実際にボールを投げるんだけど。

キャッチャーシュウタは後ろに下がって観客から見えなくなる。

おそらく板に座布団とか、そういうギミックボールを受けているはず。

.

ラムネさん「いえいえ~、あのシーンは本当にキャッチボールをしていますよ~」

俺「おいマジですかい?」

ラムネさん「本当に最初はキャッチボールの練習から始めました~」

俺「でも暴投とかしたら、危険じゃないですか?」

ラムネさん「ですから~、危険な場所には、あらかじめスタッフを座らせたりとか~」

うむ、配慮も危険対策もバッチリのもよう。

.

空飛ぶ猫☆魂に所属

みなさん、それぞれの所属先劇団の看板または主戦級の役者さんなのよね。

.

■森川結美子(ヤスコ

沖縄のユタの血を引く、占いもできるウェイトレス

なんというか、どの女優さんも年の頃もビジュアルも大差はない感じなのに、演技と役作りで、その、あれだ、いかにも浮気相手になりそうなフェロモ~ンなプリップリのツヤッツヤな感じに寄せてくるのがすごい。

ちなみに、ご本人に取材したところ、使われていた占いはネパール伝統の占星術(ピグラム暦、という独自の暦を使うそうだ)にタロットカードを組み合わせた架空のもの、とのこと。

.

■山川恭平ミツル

フトシとヤスコの子供(つまり隠し子)。

鉄道会社というカタい職業につき、シュウタ以下の兄弟とは別の、なんというか、まっすぐな人生を歩んできたことをうかがわせる人物造形。

朴訥。

観劇直後は「なんか印象が薄いなぁ」だったんだけど。

それも当然で。

俺も含めた観客は、彼の人物ではなく、彼を通して見せられるミツルヤスコの家庭の様子を見せられていたわけで。

キャラクター人形をでたらめに並べた狂った祭壇。

父フトシのハグ。

彼を通してフトシの別の人格と別の家庭を見せられていた。

この役者さんも、おそらく高能力者。ただ本人が嘆いたり動いたりしないだけで。

.

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んー、こんな感じか。

ともかく、全体としては。

この劇団、劇団 竹、そして主催の竹林林重郎氏は、買いです。

次の公演にも注目して良いです。

自分もそうするし。

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ハルキムラカミ的構想による「クトゥルーの呼び声」をめぐる三章

  1.粘土でできた羊


 思うに、人類にとって幸福なことは、ばらばらに与えられた情報ひとつにまとめることができないということだ。

 それはたとえば、象について何でも知っている人が、象使いについては何も知らないというように。


 ぼくは、こういったどうでもいいことの大半をデレク・フリンフィールド小説から学んだ。

 デレク・フリンフィールドが書いたのは、たとえばこんな話だった。

 ある男が毎夜、悪夢にうなされていた。

 男は悪夢で見たものモデルに、粘土像を作った。それは羊に似た何かだった。

 彼は、その意味を知りたくて粘土でできた羊を、ある考古学者のもとへ持っていった。

 考古学者はそれを見てとてもおどろいた。彼はアフリカで、ある部族につたわる伝説研究していたとき、現地の老人からこの世でいちばん恐ろしいものとして聞かされていたのが、《粘土でできた羊》の話だったからだ。

 その数日後、考古学者は突然心臓が止まって死んでしまう。それがこの小説の結末だ。

 これで、デレク・フリンフィールド作品としては、まともなほうなのだ

 この小説家は、母親の死を知らされると、チェ・ゲバラ肖像写真を抱いてビルから飛び降りしまった。

 やれやれ


  2.スパゲッティモンスター1973


 1973年のこと。

 その年、ぼくは毎日のようにスパゲッティをゆでていた。

 そのうちスパゲッティについて、とてもくわしくなっていた。

 いいかげんゆでるのにもあきた頃、Kのバーへビールを飲みに行った。

 しばらくピンボールをやってからカウンターに座った。

 すると女の子が話しかけてきた。

「ねえ、スパゲッティモンスターの話を聞きたくない?」

「聞きたいね」ぼくは答えた。

 ぼくはスパゲッティについてはとてもくわしかったが、スパゲッティモンスターについては何も知らなかったのだ。

ルイジアナの沼地に、ある宗教団体が住みついていました」

「ふむふむ」

「その団体の人たちは、近所の人たちをさらってきてはひどい方法で殺していました」

それはひどいね」

「それで、警察が出動して、ピストルばんばん撃って、信者はみんな逮捕されたんだけど、その時、狂信者の一人が大事そうに抱えていたふしぎな金属でできた彫像を、警察押収したの」

彫像?」

「そう、それがスパゲッティモンスターだったのよ」

「ふうん、で」

「これでこの話はおしまい

「えっ」

おしまいなの」

「ふうむ、その、スパゲッティモンスターって、《粘土でできた羊》みたいなものかな?」

 ぼくがたずねると女の子はきょとんとしていた。

 もちろん女の子は《粘土でできた羊》のことなど何も知っちゃいないのだった。

 やれやれ


  3.船が沈む話


 1984年ごろ、ぼくは広告関係仕事についていた。

 ある日、くだらないパーティに出席することになった。

 それはとても退屈なパーティで、ぼくは退屈していた。

 ある男が話しかけてきた。

「船が沈む話をしてやろうか」

「ああ、聞きたいね

 ぼくは退屈していたのでどんな話でもよかった。

「あるところにノルウェー人の船員がいた」

「ふむ、ノルウェー人ね」

「彼は船に乗って南太平洋を旅していたんだが、ある時、海図に載ってない無人島を見つけた。つまり海底から隆起した新しい島なんだな」

「ふむふむ」

「船員たちはその島を調べるために上陸した。するとそこには非ユークリッド的な建築があった」

「ううむ」

「その建築神殿のようなもので、大きな扉があった。船員たちが近づいて行くと、扉が開いてそこから恐ろしい怪物くるとぅーが姿を見せた。船員たちは皆あっというまに怪物に食い殺されてしまったが、スウェーデン人の船員一人だけは、何とか船まで逃げ帰り、島を脱出することができた。だが怪物は海まで追ってきた。そこでスウェーデン人は船を反転させ怪物にぶつけた。とぅくるーは沈んでゆき、船も沈んだ。スウェーデン人ボート脱出漂流することになった。その間、彼はくとぅるーの夢を見つづけ、救助されシドニー病院収容されたときには、すっかり気が狂っていたんだ」

「その、くとぅるーってどんなやつなの?」

「頭がスパゲッティみたいな怪物だよ」

「うーん、それってスパゲッティモンスターのこと?」

「何でもいいんだよ。何なら、《粘土でできた羊》でもね」

「えっ、……」

「それでな、そのノルウェー人の船員は、故郷ノルウェーの森に帰って、そこで井戸を掘りながら死んだそうだ」

「ん、ノルウェー人なの?」

「そうだよ」

「生き残った一人はスウェーデン人じゃなかった?」

「……どっちだっていいんだよ。何ならデンマーク王子ってことにしてもいい」

「あ、そう」

「じゃあ、こんどはデンマーク王子スパゲッティモンスターと闘う話をしてやろうか」

「もう、いいよ」

 ぼくがそう答えると、男はその場からはなれて、どこかへ行ってしまった。


 ぼくは家に帰ると、南佳孝の「スローブギにしてくれ」をかけながらビールを飲んだ。

 そしてその日11本目のタバコに火をつけた。

 吐き出した煙が流れて消えていくのを、ぼくはぼんやりながめていた。

anond:20171220080242

そういう体験をしたのは20代後半のときドストエフスキー罪と罰」を読んだときだけだな。

でも、本の内容よりも、そのとき自分の体調の悪さが関係してたとしか思えないんだよね。

以下、自分語りが始まります自分語り嫌いな人は戻ってね。

読み始めた当時は体調が絶不調。

頻繁に発熱し、意識朦朧とし、寝ても悪夢を見る日々。

それ以前から出ていた皮膚の症状のため、病院には通っていた。

皮膚の症状は「難病だけどこれは予後がいいタイプ」と言われていて、治療を始めていた。

治療を始めたタイミングで、皮膚ではなく体調が絶不調になり、当時は治療薬のせいで悪化したのではないかと本気で思っていた(素人思い込み)。

自分とは一生縁がないと思っていた難病を告知されただけでもショックななかで、日々悪化していく体調をかかえた私は登場人物たちの絶望感にシンクロしていった。

作中でラスコーリニコフが熱を出して寝込んでいる。私も40度を超える発熱に苦しみながらそれを読む。

ラスコーリニコフやスヴィドリガイロフが悪夢を見る。私も悪夢を見る。

地獄を疑似体験しているような気分でおかしくなりそうだった……。

物語後半のスヴィドリガイロフの描写に至るところで私の体調不良ピークを迎えた。意識朦朧としている。全身の関節と筋肉に激痛が走る。高熱が続く。

スヴィドリガイロフとともに、自分ももうどうにかなってしまいそうだった。

なんとか読み終わったあと、私は救急車で運ばれて入院した。

入院して、難病の病名が、予後が良いと言われていたものからそうではないものに変わった。

点滴で脱水症状を補いつつ大量に薬を投与された私は副作用により集中力が激減し、1年くらいは本を読むどころかテレビを観ることさえできなくなった。

こうやって自分人生と強烈にリンクした作品は一生忘れられない。

病気寛解状態を保っている今、久しぶりに罪と罰を読んだとしたら、きっと当時とは違う印象を覚えるだろう。

でも今は「悪霊」のほうが読みたい気分だーい。

2017-12-14

ニコニコ動画意見交換会を見た感想

10年間、ずっとニコ厨を続けてきた。現在プレミアム会員だ。

しかし、最近ニコニコはあまりにも使いにくい。プレミアム会員なのに動画読み込みがピタリと止まって動かない。再生途中にシークすればシークポイントで固まる。生放送は追い出される。正直言ってプレミアム会員であるメリットほとんどない。

少しネットで探るだけで、同じような意見をわんさかと見ることができる。みんな我慢ならなくなったのか、ついに今年プレミアム会員数が減少に転じてしまった。

ニコニコ唯一の強みと言ってもいい動画コメント、その数もどんどん下がり続けていると聞く。コメント数は最盛期の25%程度にまで落ち込んでいるという。

このままではニコニコは早ければ来年にも立ち行かなくなるだろう。誰の目にも明らかだ。

こういうニコニコ衰退が見え始めたタイミングでの、新バージョン(く)の発表告知。

ユーザーはみんな「ニコニコは尻に火がついて重い腰を上げざるを得なくなった」と思ったに違いない。そして「画質、重さ、完全解決」という、大風呂敷広げすぎに思えるブチ上げにもある程度の期待を寄せたと思う。「今度のニコニコもしかして本気なんじゃないか」と。だって、それをしないとニコニコは競合他社に潰されるんだから

史上最悪の(く)発表会

ニコニコ運営はもともと人をバカにしたような態度を取る事を是としてきた感がある。動画投稿者ユーザー目線を合わせているつもりなのか、ノリが大学サークルなのだ。「俺らすげえ面白いだろ?こっち来いよ」という戦略である。ここ数年まではそのノリが受けた。しかしこれは、ユーザーが許容しなければただの殿様商売にすぎない。

はっきり言って、ニコニコ運営のやることはまったく面白くない。面白かったのは動画投稿者でありエスプリのきいたコメントであり、ニコニコはそれを横取りしてきただけだ。「後押し」じゃない。「横取り」だ。

この「面白いことやってやろう」の危機感のなさが最悪の形で露見したのが11月28日の(く)の発表会だった。まず、自身が定めた10月30日の期限を守らず、期限が過ぎた後で突然の1か月近い発表延期の告知。この時点でかなりのユーザーニコニコを見限った。我慢して待ったユーザーが見せつけられたのは、うすら寒いゲームやら生放送エフェクト紹介に終始し、しかもそれを激重の新サービス上で限定公開で行うという、最悪のお遊戯会。新バージョンリリースさらに延期の2月28日。さんざん延期したにもかかわらず「画質、重さの解決」への答えはなかった。ユーザーの怒りは頂点に達し、圧倒的な数の悪評がネットにあふれ、プレミアム退会者が続出。

ニコニコ運営はこれを予見できなかったのか?たぶんできなかったんだろう。内輪で受ける面白さにしか興味がなかったニコニコには。

ニコニコ運営方針転換

さすがにこの状況に危機感を感じたのか、ニコニコ運営11月30日謝罪文を掲げた。そこには、画質、重さが解決できなかったお詫びと、来年1月までに画質を向上させる(投稿動画1080p、生放送は720p)約束などが記載されていた。12月3日に予定されていたニコキャスの発表は当然中止。

この謝罪文を見て、あれっ?と感じた。内容が真実なら、2か月で画質向上できることになる。「新バージョン2月28日から」という発表はいったい何だったのか?思いがけない批判殺到ビビった運営が、エンジニアを馬車馬のように働かせて強引に画質を向上させることにしたのか?それはドワンゴが今までやってきた行き当たりばったりの機能拡張と何ら変わらない対応なんじゃないのか?モヤモヤけが残った。そう思った人も多かったようだ。

そんな中、ドワンゴ取締役の栗田穣崇氏が「ユーザー意見をちゃんと聞く」とツイッターつぶやき始めた。以後、栗田氏が矢面に立っていく。

この時、ニコニコ面白い動画を見つけた。百花繚乱氏というニコニコでも名の売れたユーザーが発表会放送を見ながら厳しいツッコミを入れるというもの。彼の指摘はかなり的確なもの多かったので、見入った。百花繚乱氏はニコニコ公式イベントなどにも多数参加しているそうで、ニコニコ事情にも詳しいようだった。

意見交換会

栗田氏のもとにはたくさんの意見が行ったらしい。それに感激したからかどうかは知らないが、栗田氏主導で12月12日ユーザーとの意見交換会が開かれることになった。意見交換会ドワンゴ本社オフィスから生放送エンジニア鈴木氏とユーザー代表の百花繚乱氏も同席、時間は2、3時間一般プレミアムともに追い出しなし、コメントを徹底的に拾う方針と、かなりユーザー配慮したものになった。この放送を生で実際に見たが、最初の栗田氏のお詫び会見はかなり覚悟の見えるものだったと思う。以降、生粋エンジニアらしく誠実に技術面の説明をする鈴木氏、なるべくユーザー意見を拾おうと努める百花繚乱氏、対話重視を強調する栗田氏、ともにそれなりに好印象を与える放送だった。これを好感して翌日のカドカワ株価も上がったという。

ニコニコ運営は頑張っている。サーバ増強も、システム移行も、着々と進めている。1080p動画対応12月11日からまり、画質に関しても、前倒しで進めている。そういう放送だった。

まだ完全には信用していない

ニコニコ動画は変わったのか?いや、どうだろう。

「やります、やってますもっと告知します。いつできるかは、また知らせます」と栗田氏は繰り返していた。まあ、要するに、何もかもこれから、ということなんだろう。様子を見るしかない。

それよりも、栗田氏が放送冒頭で驚くべきことを言っていた。「川上運営責任者降板自分運営責任者となる」と。こんな大事なこと、口頭で一言で発表するようなものなのか?そもそも運営責任者とは何なのか?会長という立場運営責任を持つものではないのか?栗田氏が会長意見をすっ飛ばして何でもできるのか?そのあたりの説明が何もなかった。

あの悪夢の発表会の時、ニコファーレ壇上には3人の登壇者がいた。一人は最悪の発表をした川上会長、二人目は夏野剛取締役、そして三人目は今回「運営責任者」とやらになった栗田氏だ。つまり、栗田氏は川上会長とともに糞みたいな(く)を描いてきた張本人ではないのか?

意見交換会川上会長の姿はなかった。それは不満だが仕方ない。それより気になったのが、川上会長を悪の独裁者よろしくさんざん叩きまくり川上が降りたか問題解決」的な空気演出していたことだ。栗田氏は発表会で川上会長とともにいたのに、意見交換会川上会長を叩きまくる手のひら返しあんまりじゃないのか?あまり露骨川上叩きに、栗田氏と川上会長八百長プロレスしてるだけなんじゃないかと勘繰ってしまいたくなる。百花繚乱氏もツッコミに精彩を欠き、川上パージ放送空気づくりに一役買っていたように思う。途中から百花繚乱氏が率先してコメントに回答していくという、「あん運営の側なの?」的なおかしな状況になっていた。

自分が思うに、ニコニコの病巣は川上会長だけじゃない。こんな状態ユーザー意見だけ際限なく吸い上げる態度だけ見せられても、不安が募るばっかりだ。

栗田氏が言うには、これからもどんどんユーザー意見を聞き、取り入れるらしい。でも、八方美人ユーザー欲求ハードルをどんどん上げる。エンジニアに無茶なしわ寄せのないようにしてほしい。ユーザーが望んでいるのは「まずやるべき事をやれ」ただ一点なのだから

意見交換会の翌日、ニコニコ動画を見てみた。重さは相変わらずだ。そして、なんと動画検索結果に強制的検索とまったく関係ない広告動画が表示されるようになっていた。栗田氏は「ランキング広告汚染を何とかする」と言っていたが、検索結果は広告汚染してもいいと考えてるのか?

ニコニコ運営方針のちぐはぐさが否めない。

ニコニコ運営さんへ。プレミアム解約するとき速やかにできるように、プレミアム解約ページを分かりやすくしてください。

2017-12-11

anond:20171210225445

泣き疲れて寝て今起きた

夢に好きな人が出てきた 最悪だった

昨日好きな人元カノが出てくる夢は全部悪夢って言ってたのが理解出来た(好きな人はかなりその元カノに手酷い扱いを受けてて、若干トラウマになってる)

昨夜は好きな人部活マネージャーで 私より何倍もその人の事を知ってる本当に信頼してる友達電話して吐き出して Bad dayとFix youを聴きまくる事でどうにかした

時間が止まって欲しい とか 心が裂けそう とかって本当に思うものだとは考えてもみなかった 今でも昨日言われた言葉がいくつか 釘みたいに刺さって抜けない

今日学校を休む そしてずっとやろうと思ってやってなかった部屋の模様替えをする 好きな映画マンガポスターとかポストカードを貼りまくって自分好みの部屋に変える そしてテスト期間だったからって我慢してた映画を山ほど借りてきて見る それが終わったら一番の友達と落ち合って 小洒落カフェに入って甘ったるいケーキ紅茶でも飲みながら 励ましてもらう予定

You kick up the leaves and the magic is lost ” “But if you never try you'll never know. Just what you're worth ” って歌詞でやっぱり何度も泣いてしま

そのマネージャー通話してる時に 彼女好きな人今日の私が綺麗だったか聞いてもらった

綺麗だったってさ 何だかそれだけで少し救われた気分になった

2017-12-08

まりと終わりのストロングゼロ

朝ではない。昼でもない。走るしかない。機関銃の雨に撥ねる北の大地の泥は、マズルフラッシュにあてられて金雲母のように闇に輝く。

その間を浮遊するバイオチャフにより、ノイズを発するしか能のなくなったウェアラブルオペレーションバグを起こしてあさっての方向を走り回る援射ロボット

背にした土嚢の向こう側から迫るオート歩兵駆動音。隣には陸戦車コントローラを持ったまま冷たくなったT。

突入の見込みはとっくの昔に消えた。私たちに課せられたミッション28分前に破棄された。

この戦線脱出する術はない。すでに戦況は絶望的だ。

後に「雪解けの悪夢」として語られるこのトカチガ管制塔奇襲作戦を、ウラジミールドッグスたちはまさに犬であることを誇示するように食い散らかした。

迫撃砲の嘶く声。耳をつんざく着弾音。ヘッドギアを抱えて、礫岩の雨を受ける。死。幾度となく投げられた賽は今日ついに、その目を出したようだ。

損傷した鼓膜が耳鳴りを起こしている。乾いた血で固まった強化グローブギアを外して、右足を失った私は空を見上げる。白んできた銀色の空に浮かぶロシア無人爆撃機編隊。

通り過ぎると同時に降り注ぐ夥しい数の赤い粒たち。

白煙に包まれながらピンク色に発光する。カザンの血潮と呼ばれ、全道民を震え上がらせた光だ。

その美しさに、私は目を見開く。

これと同じようなものを、私は見た。

はるか昔の記憶に、アクセスする。


「ねえきみ、新入生だよね? よろしくね」

春の日差しのなか、彼女は赤らんだ顔で私にいった。あれはまだこの内戦の起きる前のこと。

19年前、北大入学してまもなく、花見を兼ねた新歓コンパで2歳年上の彼女に話しかけられた。

今日だけは20歳でもいいんだよ」

酒は固辞した。まったく融通がきかない童貞野郎だった。

「じゃあTくんがハタチになったら一緒に飲もうね」

そう一方的約束された。サークルに入りしばらくして飲み会が続き、楽しげに酩酊する同級生を見て、飲んでみてもいいか、と思うようになったが、彼女はそれを許さなかった。

意思が弱い男の子は嫌いだよ」

そういって彼女は私を見張るという名目でよく一緒にいるようになった。

彼女は私の家に入り浸り、朝まで他愛のない話をする。

彼女が飲んでいたチューハイはいつも同じで、アルコール度数の高いものだった。

今は価値が高騰し、市場には出回っていない。

「飲みやすいし、てっとり早く酔えるからねえ」

彼女はそういうと缶のなかを除きこんで笑った。勉強に明け暮れた学生生活の中で、彼女との時間幸福のものだった。


ただ私は知っている。この記憶が本物ではないことを。

19年前、ここにいる私は存在すらしていなかった。

正確にいうと私は、3年前に誕生したクローンだ。

この記憶ストロング計画と呼ばれる極秘クローン兵士計画の発起者である北大出身科学者のものである

Tは故郷に爆撃を受け、愛する人を失ったその憎悪から自ら軍研究所に志願し、計画を立ち上げた。

北の大地を侵すものに強い攻撃性を持ったTの記憶データ化され、1000のストロングアーカイブスに分けられた。

クローン兵士ダブルTたちはその中からランダムに196のアーカイブを植えられ、パーソナリティを獲得する。

ストロング196から1は平時より自由アクセスができるが、1つだけ全兵士共通封印された記憶がある。

そのアーカイブは彼らが死に至るときにだけアクセスが許される。

ストロングゼロ

それはTがもっと幸福だったとき記憶だ。まだ、この国が平和だったときの、幸福な。


春の嵐の中。銀色の空に桜吹雪が舞っている。

「買ってきたぞお~」

彼女が笑って、缶チューハイのたくさん入った袋をかかげる。

もう一方の手には20歳バースデーケーキを抱えて。

私は受け取ったポリ袋から、一本を取り出す。シルバーに映える桃色。

爆炎に飲み込まれながら、私は生まれて初めて、その味を知った。


ストロングゼロ ダブル桃 2027年

HGUCガルバルディβはもうそのまま出してくれ!

ここから変なアレンジとかやってくれるな!

バーザムの悪夢はごめんだぜ!

2017-12-07

anond:20171207150823

悪夢……そりゃどうしようね?

逆夢だったら、転じて福となす、でいいじゃん。

一回サイテーなことがあったら、

そのあとは浮上するのみでは??

2017-11-29

チキンラーメンの恐ろしい真実

今日、私は妙に腹が減っていた。

戸棚を開けるとチキンラーメンがある。私の大好物だ。

今思えばここでいつも通りにすればよかったのに。

空腹の誘惑は恐ろしい。

すでに一つの小袋を開けたのに、気づけばもう一つにも手をかけてしまったのだ。

空腹は判断力をも鈍らせる。

あいっか、腹減ってるしどうせ食べれるわ。

悪夢への序曲はもうすでに始まっていた。

ラーメン鉢に二つのその塊をいれ、私はお湯をそそぐ。

かぐわしい香りがいつもの倍私の鼻を刺激し、ずっと嗅いでいたい思いに駆られるが、

いつもの通りその思いを断ち切り、卵をかけたのちラップをかけ、数分まつ。いつもの倍、幸福時間を味わえるという期待を膨らませながら。

そして時間はやってくる。

私はラップをとり、まずチキンラーメン表象嗅覚で堪能し、

箸にラーメンを絡めたのち、それを口に運び、味わう。

うん、いつもの幸せだ。その感情とともに箸を進めていたが、

ある違和感を感じ始めた。そう、あれは食べ始めて7,8分ぐらいだっただろうか。

いつもならすでに食べ終わっているころだ。

身体はまだ空腹のせいか、食を求めている。なのに手は動かない。

改めててに力をこめると、なんだ、大丈夫か、手は動いた。

しかし、そのうち違和感は徐々に大きくなっていき、どうしても手は動かない。

私は最初なんらかの身体的疾患をうたがうが、そんな病気があるわけがない。

手が動かない原因を考えている私は、薄々感じはじめた。もう一人の私がいることに。

そう、チキンラーメンに飽きた私だ。

チキンラーメンは二つ食べると飽きる。実に明快で残酷真実

このことにより、手が動かない原因は簡単説明できる。

身体は求めていても、かわりばえのしない味を脳が拒絶したのだ。

ああ、チキンラーメンに対して「かわりばえのしない」なんて形容をしたのは初めてだ。

まさか

私はその半ば「アイデンティティ」であったチキンラーメンへの愛を

こんな空腹の誘惑で失ってしまうとは。

白昼に味わった悪夢だった。

そこで増田の皆さん、

チキンラーメンを飽きることなくたべる方法はないでしょうか。教えてください。

2017-11-25

さっき不吉な夢を見た

母親が死にかける夢だった

母親運転してて、自分助手席に乗っていた

母親はいつもは安全運転なのだが、その夢の中では荒々しい運転だった

とにかく急いでた。他に走ってる車がいるのに、速度は出てるし、日本なのに右の車線走ったり、歩道を走ったりするし、かなり急いでた

夢の中の自分は「大丈夫?」「あまり急がなくていいよ」とか、

母親尋常でない運転をなだめるよう、矢継ぎ早に言葉をかけていた

その度に母親は「大丈夫大丈夫」と言って、険しい顔で真正面を見据えていた

そして、「体調悪かったら病院に行こ?」と言ったら、

「無理!! 間に合わないかもしれないの!!!!!」と、母親が激しく反応した

すると、母親の口から、血の塊と血そのものが溢れ出した

何かの病気で、発症してたから急いでたんだ、とその時に分かった

でも夢だから、そんな劇的な場面の直後、運転だっていう事実がどっかに行った

立体駐車場みたいな所で二人で立ってた。でも母親は苦し気に背を折って、まだ吐血していた

自分はかなり驚愕していたけど、母親にこれ以上ダメージを与えないように、

なるべく穏やかに大丈夫大丈夫」とか言って母親の肩を抱えて、血で気道が塞がらないように横に寝させた

そして通りすがりの二人の男女を指さして「すみません! 救急車! 090……じゃぁない、901!」とか、てんで合ってない番号を叫んだ

二人は足を止めてくれて、スマホ救急車を呼んでくれた

それからは、まあ夢の中だから現実的じゃぁない事を交えつつ進んでいった

母親は口と心臓だけになるようなドロドロの液状になったり、そんな状態になっても生きていたり、

救急車描写もなく病院の中に場面が移ったり、ノンタイム父親が何故か隣にいて、

手術台には口と心臓母親が乗ってて、「よろしいですか?」って手術医が自分に訊いてきたり

それで、手術医が母親の気道に何故か刺さってた針を抜いた所で、さっき目が覚めた

それだけでも不吉な夢なんだけど、

なおさら不吉なのは今日実家から母親が車に乗って、アパート住まい自分に会いに来る日なんだ

悪夢はむしろ良い兆候とか聞くけど、流石にタイミングが悪すぎる

LINEで、現実母親に「今日は夢見が悪かった。体調気をつけよう」と送ったら、

ちゃんと「大丈夫大丈夫」って返信が来た。現実は上手い事行って欲しい

2017-11-22

息子(9ヶ月齢)が後頭部を強打してから俺の調子おかし

俺は頭脳ワークが多いため、睡眠不足が大敵である

なので、今は夫婦で寝室を分け、妻と息子(9ヶ月齢)は布団で、俺だけが従来通り寝室でベッドで寝ている。

先日、息子をベッドの上に乗せながら息子には常時気を配りながらベッド下に収納してある衣装ケースから着替えを出していた。

最近息子は往時の危なっかしさも薄れ、慎重に動くようになっていた。だから油断していた。あんなに速やかに無駄のない動きでベッドからバランスを崩して硬いフローリングの床に後頭部からダイレクトに落ちるとは、さすがに想定していなかった。

必死で手を伸ばしたが間に合わず、息子は後頭部を強打し、一瞬の後大泣きした。後頭部に大きなたんこぶが出来た。

本当に、本当に、たんこぶで済んで良かったと思っている。(まだ油断できないが。)あの落ち方はまずかった。意識不明・痙攣・嘔吐脳障害、死すらあり得たと思っている。

落下の瞬間から後に限っては、俺はベストを尽くしたと思う。衣装ケースの蓋は俺が踏み割ったため大破したし、俺は衣装ケースに両膝を強打し大きな青あざをこしらえた。

でも、間に合わなかった。

それから、俺の調子がどうもおかしい。

これまでは夜中に息子が起きて少し離れた部屋で泣いても妻が泣き静めるまで俺が目を覚ますことはほぼなかったが、最近は立て続けに2日連続目を覚まし、その後しばらく寝付けなかった。トイレで用を足した後トイレのドアのノブで後頭部を打った。息子とは完全に離れた位置にいた妻のちょっとした悲鳴(洗い物をしていて水が思いがけず飛び散ったためだった)にビクッとし、動悸がした。

そして昨夜は、息子関係悪夢にうなされ深夜に飛び起きた。

ここで、仮に息子の名前太郎とする。本当はもっとスタイリッシュエクセレント名前であるが、それ故俺たち夫婦家庭内では息子を、かわいらしい感じに名前を崩して呼んでいる。仮名太郎なので、仮にタローラとする。

夢の内容はこうである

ローラと、メカローラの2匹がいるのである。タローラは言うまでもなく俺たちの息子で、メカローラは外見がタローラに瓜二つで、動作もタローラと変わりない。別に同期して動くわけではないが、実質タローラが2人いるような感覚である。ただしメカローラメカなので、扱いもぞんざいでいいしご飯をやったりおむつを替えたりという世話は一切不要だ。服の色が微妙に違うのか、どちらがタローラかは俺たちには見分けがついていた。

なお、メカローラは、くるみのように背中でパカっと割れて、外見はタローラだが中身は鳩である。今思うと鳩も餌をあげないといけないのだがともかく特にケア不要なのであった。

ところが、タローラだと思っていたやつが、実はメカローラだということが判明した。なぜなら、数日前からメカローラが1匹追加されていたからだ。しか情報の共有ミスかなにかで、そのことを俺たちは知らされていなかった。つまり、数日前からメカローラ2匹になっていたはずが、俺たちはタローラ1人、メカローラ1匹だと思いこんでいたのだ。

俺は青ざめた。タローラだと思っていたやつがメカローラだった。となると、本当のタローラはどこへ!?俺たちは、数日前から、タローラを見失っていることになる!当然ご飯も与えていない!!タローラがいなくなっただけであれば俺たちは即座に気づいて探しに行き必要に応じて救助もできたはずだが、いつの間にかメカローラが増えていたせいで、数日もの大事なタローラをロストしていたことになる!!

最悪の事態が頭をよぎり、嘘だ、こんなことがあるはずがない、夢なら覚めてくれと思ったところで夢から覚めた。

目覚めは最悪だし、今も夢の中の自分を思い返すとぞっとする。

とにかく、息子にいつどんな重大事故が起きないかとヒヤヒヤする日々である。だからこんな夢を見るのだ。この日記も書きながら始終動悸が収まらない。

太郎(本当はもっとスタイリッシュエクセレント名前である)よ、早く元気に育っておくれ。

2017年アニメアニソンベスト5独断偏見で発表する

第1位『ネト充のススメOPサタデー・ナイト・クエスチョン

何だやたらかっこいい曲だなと思ったらフジファブリック提供していた。

イントロインパクト、サビでの開放感。全てが秀逸。最高。

歌っている中島愛さんは私は寡聞であるが最高。

 

第2位『Just Because!ED「behind」

当該アニメ音楽プロデュース担当している天才やなぎなぎ様が作詞作曲アニメに登場する声優さん3名が歌っている。

アニソンを更なる高みへと押し上げる名曲

ハーモニーが多用されていて美しい。歌うのはすごく難しそうだ。最高。

 

第3位『ブレンド・SOP「ぼなぺてぃーと♡S」

アニソン王道。元気で可愛い、ザ・王道。そして中毒性が高い。嫌いな人いるのかこの曲。

こころぴょんぴょん待ちにも引けを取らない素晴らしい楽曲。最高。

 

第4位『妹さえいればいい。OP「君さえいればいい」

考え得る最低最悪の気持ち悪い悪夢のような始まり方をした当該アニメだが、それでも見続けられているのはこの爽やかなOP曲のおかげだろう。

ああ、解毒される。

しか最近アニソンは曲展開が凝っている。一筋縄はいかない。最高。

 

第5位『このはな綺譚OPココロニツボミ

これまた秀逸な楽曲。静かにまり、サビでまるで違う曲のように花開く。

サビの展開も凝っている。どうすればこんな曲展開思い付くんだ。最高。

2017-11-16

信頼を失うという恐怖

突発的な病気で数日会社を休んでいる。

今日午後すぎになってようやく熱も下がり明日会社に行けると思う。

前職では1日休むと上司に呼び出され「なぜ休んだのか、休む必要はあったのか」を問いただされた。

休むやつは信用ならない、そういう社風だった。

かに社会人として自己管理はちゃんとすべきなのはわかっている。

自分でも思いつく限りのことをしていた。

しかしこの様である

熱もまた上がりさえしなければ明日会社に行ける。

でも私は信用に値する人間ではないと判断されているのではないか

干されるのではないか

不安でたまらない。

高熱と不安で何度も悪夢を見ては飛び起きた。

会社をクビになるのではと不安で仕方ない。熱くらいで休む自分は甘いのではと言う考えと、無理に出社して周りに感染させたり効率の悪いまま体調も悪化させるのならという考えがぐるぐるまわる。

休むやつは信用ならない。

かにそうだ。いつ穴をあけるかわからないやつは信用に値しない。

私は社会人失格なのだろう。

明日出勤できたらみんなに謝ってまわろう。

そして二度と体調を崩さないようにと考えると不安で仕方ない。

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