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2020-07-13

同人女が段々と精神的に追い詰められていく話(前編)

※この話は一応現実のものとして書いてありますが一部えっそれガチで言ってるの?と思われそうな箇所が多々あります

妄想現実かは貴方自身判断してください。

まあなんか暇つぶしに下手な小説読むようなノリでどうぞ

※長いですし文章も下手なので読みにくいと思います記憶もおぼろげな部分もあります。ご了承ください。

いじめストーカーなど胸糞悪い話ばかりで救いがあまりないですがそれでも大丈夫という方はどうぞ

登場人物紹介

私:かれこれ十数年以上オタクやってる同人女二次元から三次元までいろいろ手を出してる。BLでもなんでも好き。かわいくはない。

友人S子:高校の友人そのいち。かわいい。鹿の間ちゃんに似てる。

友人M:高校の友人そのに。ハロプロオタ。

友人Y?:M美の友人。一応友人(?)

友人G:高校の友人そのさん。三次元同人女

友人O:高校の友人そのよん。アパレル店員

イケメンS?:イケメン

職場の男Y:同僚の同い年の男。私に謎のアプローチをかける。

職場の女Y:年上。仕事を教えてくれた人。子供が二人いる。

職場の女M:年上そのに。

ことのはまり2016年夏頃。

高校友達二人S子Mと地元遊園地で行われる合コンに行ったことだ。

そこで私たち三人はイケメンを含む三人と出会った。

その日は何故か深夜までカラオケで遊び、後日また会うことになった。

このときイケメンに舞い上がっていた私はあろうことかそのイケメンアプローチ(?)をかけようとする。が、拒絶される。(当たり前)

拒絶された理由はS子だ。S子はいつの間にかイケメンと付き合う流れになっていたのだ。何故言ってくれなかったのか。そう思った私は思い立ってS子含め五人全員をLINEブロックすることにした。

(余談だが五人をブロックする直前、私は職場パワハラにあっており、そのパワハラ同僚の特徴が自己愛性人格障害とピッタリ合った。それで五人のグループLINE自己愛みたいな人に気を付けるんだよと最後LINEし、そのあとすぐブロックをした。これがあとになってヤバいことになる原因とはいざ知らず……)

ブロックをした次の日、めまいが酷く立ち上がれなかった私はその後メニエール病と診断されることとなる。(余談)

めまいが30秒から1分おきにやってくる症状のせいでまっすぐに歩けなくなった私はそれでも外出し、本屋に通ったりしていた。

その頃だろうか。周りで変な輩が出没するようになったのは。

ある日映画レンタルしようと本屋をうろついていると、前の方からにやにやしながら私の歩き方を真似してくる男がいた。すぐに不審者がいるなあと思った私は無視をした。男はいつの間にかいなくなっていた。

その後、勢いでブロックしたこと反省した私は(友人も少なかったこともあり)再び五人と連絡を取り合うことにした。まずはと友人Yに連絡をし、映画を見に行くことなった。映画を見終わった後、私のインスタのアカウントが何故かS子とMにフォローされており(二人のアカウントは非公開になっていた)何だか気味が悪かった私は友人Yにそのことを言うと友人Yはそう?と笑って流すだけだった。(周りでは右のテーブルも左ものテーブル私たち話題を出しており、少し怖くなった。が、偶然聞いていただけだろうと流した)そのあと、連絡をもう一度取り合いたいという話をした。

その頃、新しく入った職場にYという男がいた。Yは何故か私に謎のアプローチをしてきており、それをなんとなく気づかないふりをしていた。

新しい職場に慣れたおかげかどういうわけかめいから復活していた私はあちこち出かけていた。その一つにリサイクルショップがある。そこへらんま1/2がないか探しにきたついでにBL本もちらっと見たときだ。男二人組がにやにやしながら私が見ていた本棚を見て何か喋っているのを見かけたときは。そのときは珍しいけど腐男子かな?とスルーしたのだけれど、その後移動した私はその二人組がついて来ていることに気付いた。気のせいだろうと何度か立ち止まったりあちこち移動したがまだついて来ている。気味悪く思った私はとりあえずお目当ての商品も見つからなかったことだしと帰ることにした。そのあとすぐに友人MにそのことをLINEすると気のせいじゃない?(笑)と返ってきた。

と、ここまでは気のせい程度に感じなかった出来事がここからだんだんとえ?おかしくない?どゆこと?になってしまう。

ある日私はS子と県外へ遊びに来ていた。昼食時、喋っていると「かわいい」と連呼する女の子二人組がいた。ちらっと見るとこっちを見ていたので多分S子を見て言ったのだろうと思いスルーした。

その頃私は合コンに一人で行こうと急に思い立ち、何度か通っていた。仕事にいらだっていた私は眼鏡の男に酷く当たってしまう。男と行った公園で道行く人に何故か、「かわいい」と連呼される。そしてもう彼女だと勘違いしていた男をフッて、そして最後に行った合コンで私はやっぱり何かがおかしいなと強く感じるようになっていた。急に知らない男にお疲れ様ですと言われる。このときに何回言われたかからいくらい言われ、なんだこいつらとビビる。その日の帰り、駐車場の近くを歩いていると、にやけた顔の男二人に「あ、あいつじゃね?」と言われ何故か頭をペコリと下げられた。まあどうでもいいかこちらも頭を下げて流していたが段々と流し切れなくなっていた。

あと映画見に行ったら途中で泣いてたのを見られ(真っ暗の中をポロっと泣いただけ)女二人組にあいつ泣いてたよ(笑)と罵られた。映画中人の顔見てたのか?と帰ってからちょっと怖くなる。

職場の話に戻る。職場の同僚Yが謎のアプローチをかけてきていたという話だったが、ついにその話に乗ってしまう(?)LINEで話を聞いてみたのだ。よくわからんけどどこか行こうか?的な話を持ち掛けたのだと思う。そうすると彼は何故か私を突っぱねて何それ?お前なんか知るか。確かそんな感じで話は終わってしまう。何故か?頭がはてなになった私は次の日ちょっと不機嫌気味に彼に接した。すると彼はその日からアプローチをしてくることになった。私のミスをいちいち指摘したり電話を何度もかけてきては出ないということを繰り返したのだ。いままでの態度と打って変わった彼を私はこいつは自己愛性人格障害と決めつけ、職場の一人の女性Yにこいつは自己愛性人格障害から~とLINEで言いふらした。彼女は何それ(笑)と軽く流した。その頃、疲れた私は友人Mと映画に行き、焼き肉店職場のYとMがヤバいという話を冗談交じりで話した。そのあとじゃあね、と友人Mに意味深に笑われた。その次の日から何故かMからいじめもはじまった。職場の男Yが私が通うジムに同じく通いはじめたらしく、もうストーカーだよと職場の女Yが言っていた。Yも何故かどんどんおかしくなり、職場で妙な笑い声を出したり、Mと一緒に私でない他の人の悪口まで言い出していた。Mは真冬冷房をつけてくしゃみをしていた。その後もMやYによる私の荒探しは続き、ついに仕事終わりのジムで私の仕事ミス(に見せかけてそうでもない話)の話の最後にもうやめれば?と書いてあるのを見た私はなんだかめんどくさくなり仕事を辞めることにした。

辞めたすぐあとに映画へ行こうと車のエンジンをつけたらすぐ近くの高架下でエンジン音が鳴り響いて真っ暗な中からライトつけた車が後ろに来てビビり散らしながらいつもとは別の道で映画館のレイトショーに行くと、男二人と謎の臭い男がいた。(謎の臭い男はYと後に判明する)男たちはあい喪女なんだよ~的なことを言ってこっちをちらっと見て無視かよと言い、いつもの祈るポーズ(よくやっちゃう)をしてたらあいつ祈ってるの?と笑われた。帰り際「県中に噂ばら撒いてやる~ぶっ殺す?」的なことをサラッと言われる。

その後、東京で行われる好きなアーティストライブに行きたかった私は短期派遣に行くことにした。それが地獄を見ることになる原因になるのも知らずに……。

その日短期派遣職場に行った私は、そこで会う人が会う人が最後合コンで会った人が多いなと思っていた。もちろんそれ以外にもいるのだけれど結構大きな職場だったのでまあそういうこともあるかと流していた。

初日から私の椅子の近くであれがだめだこれがだめだと私の悪口を喋り続けていた。それが前の職場Y、Mの小言そっくりなのだ真夏暖房つけるところもそっくりで知り合いでもいるのかと疑った。

その後いじめエスカレートしていき、ついに私のロッカー(その頃気が狂いだしていた私はロッカーの鍵を何故か二回回していた)の中のスマホの中身を見られたのだ。スマホは不幸にも鍵がかかっておらず、LINER指定三次元小説などを全部見たらしい。「全部見たよ~あははは~~」みたいなことを言っていた。そのあとも精神バランスは崩れ、めまいが再発していたのだがそれでも意地で通い続けようとした。あとはいろいろあったので箇条書きにしておく。

・辞める電話をかけようとエントランス近くをうろついてたらどこいったあいつ?あっいたー!と大声で叫ばれた。猿かお前は。

・猿女が携帯持ち込み禁止職場携帯を持ち込んで犬の音声を流し、コタロウコタロウ、と犬の名前を?連呼していた。何事かと思ったがその次の日に親戚の可愛がっていた犬(名前はコタロウ)が謎の失踪を遂げた。

椅子を汚いのに交換される。

マウスを触ったら汚いと言われ無言で同僚にマウス交換される。

食堂で座っていた椅子ロッカー近くに移動される。

映画タイトル名を出され、よっぽど好きなんだねと言われる。(劇場内は三人しかいなかったがそういえば一人こっちを見て笑う変な女がいた)

・辞めようとしてジムに行くと猿女が自慢げにこの人を職場いじめてるんだ!みたいなことを言っていた。

ホームセンターへ行くとまた職場の人が偶然通りかかってお疲れ様です(笑)と言いながら去っていった

ペットショップに行ったら男女二人組が犬の前でずっとわざとらしい笑い声をあげていて通りかかるとこっちを真顔で見てきてまた笑い声を出してた

・休む連絡を入れるとき事務職の人から謝った方がいいよと諭される。

ついでにまともだと思ってた二人から電話越しに笑い声を上げられお疲れ様です(笑)みたいな感じで電話を切られる。

食堂からどんどん人がいなくなる(いじめる奴か面白がってる人?しか残らなくなる)

・あまりにも辛いのでつい気が狂って音楽聞きながらご飯食べてたら何聞いてるのって後ろでうろうろ何往復も歩かれた。

・唇のリップ音出ただけで馬鹿にしてるのかとキレられる。

トイレの放尿音を録音される。(まともな人が電話越しに報告?してくれた)

遅刻しただけでラブホ行ってたんじゃないと噂された

・同じ仕事をしている同僚の一人には仕事を早くする方法を教え私には教えなかった。

などなど色々あったが仕事は辞めることにし、病院に行くことにした。

病院精神科)でもいろいろあり、

病院一個目に行ったら近所のおばさんらしき人が私を見てにやにやしながら何事かを言ってた(何も悪くないのに病院に来てたらしく看護師さんに追い返されてた)

病院二個目で問診票を書いている間、周りにいた人に音読され、一緒に来ていた姉と母に問診票を見えないように隠された。

病院短期派遣職場の人が偶然いて、何事か喋っていた。

・めちゃくちゃ睨んでくる作業着の男の人がいた。無視してたらフンって風に去っていった。

ベビーカーを引いた女の人がおばさまと待合室で喋りだしたが受付に行く気配がなかった

・同時期に短期派遣に入ったまともな人がこの惨状を見てエレベーターボタンを連打して逃げて行った。そのあと姿を一回も見てない

・猿女がポテトヘッド(笑)馬鹿にしてきた(私の部屋にはポテトヘッドがいる)

・しなくていい残業をさせ、一回でも仕事確認を忘れようものなら終わった…と言いいちいち監視をしてくる(?)

ライブに行く前に、急に京都祖父の納骨を私父祖母の三人で行くことになった。

偶然繁忙期なのに一人ずつ部屋が空いているホテルがあり、そこへ泊ることになった。

久しぶりに旅行が出来ると浮かれていた私は後にテンションがだだ下がりすることとなる。

つづく。

ご飯の誘いはアリかナシか

匿名しかこんなこと聞けないからここに書くけど、

今この状況で、東京において、知り合いを少人数のご飯(夜、合計2~3人程度)に誘うっていうのは非常識なのかな?

もともと職場飲み会なんて好きじゃないし、仕事上のやり取りがメールなりSlackなりで済むようになって気持ち的にはずいぶん楽に日々過ごせるなぁと思ってた。結婚しているので、日常の話し相手、互いのケアをする人はいる。

から4月頭くらいからの数か月は、個人的にはあまりメンタルへの影響もなく平穏に過ごせていると思っていた。

でも、ここ数週間、けっこうグラグラ来てる。

感情的になってしま時間と、どうにもやる気の出ない時間が交互に、気持ち激しめの傾きでくる感じがあって、自分でもやや躁鬱っぽいなと思っている。

それで思い当たったのは、仕事無関係の知り合いと、なんとなく酒を飲みながらなんとなく話をする時間っていうのが、意外と大事だったのかもしれない、ということ。まさに不要不急なんですけどね。

なんとなく、今のネット世論趨勢としては「GOTOキャンペーンやる政府ソバカすぎる」「緊急事態宣言早くしろ」的なところが多数派のような印象があり、なにせニュースソース世論ソースネットしかない(テレビないです)人間としてはやっぱりそういう感じなのかな~と思っていたのだが、東浩紀なんかはわりと逆の意見みたいね

多数派がどっちかという認識がもしかすると間違っている(バイアスがかかっている)可能性もあるが、とにかく世の中混沌としてて何が何だかここ数週間で一気にわけわかんなくなってきているので、冒頭に書いたご飯の誘いが、それ自体もう異常者扱いされる行為なのか、わりといける感じなのか、わからないんだ。

なんでもいいか意見をくれ。

同人増田増田

ここ最近増田ジャンルにど~~~~~~~~~~~~しても不満がある

自分の狭い心のせいで、自分が悪いだけなんだが、吐き出したいのでここで吐く

よく分からないとか増田に興味ないって人はブラウザバック推進

自己満カキコです





最近増田イナゴ女が多い

それも原作増田を読んだ事がない上で、原作設定準拠じゃない投稿トラバをする悪質な輩が多い

イナゴが多いってゆうのは人気ジャンル証拠っていうのは分かるけど、だからってマナー悪いやつが多すぎない?

ツイで流行った投稿から増田に流れて来て、空気も読まずに誰も聞いてない愚痴やら伏字隠語だらけの臭い同人話やらイナゴ同士の馴れ合いトラバやらetcetc。。。。。。

あのさ、増田って何だか分かってんのかイナゴ??????

増田っていうのは、うんこ漏らしたとかパンティーとか再投稿は甘えとかのジャンルなんだけど????? は?????????

それをやれ同人BLだ夢だ学級会だと、このジャンルからやってたらまず書かないにわか二次小説書いて楽しい?????????

は? 他の増田小説とか見た? そんな長文書いてるのほとんどお前らイナゴだよ? リアル世界空気が読めないって言われないか

ツイで表立ってゆうとそれこそ学級会開かれるから言わないけど、私のFF内でもおんなじ事思ってる人多いよ?

あ~~~~~ハイそこ~~~~~~!!!!! 老害ガー古参ガーとか耳塞ぐんじゃねぇよてめぇの事だよ

それって増田でやる意味ある????? このジャンルでやるより某五番匿名掲示板ジャンルとか某青鳥鍵垢ジャンルとかのがよっぽどお似合いだと思うんだけど?????????

ゴミを書くな女体化とかうんちトラバネタでお遊びするんだったらオリでやればいいと思うんだけど????????

は~~~~~~~!!!!!! 分かってんだよてめぇら、本物のチラ裏に書いてもトラバ来ないもんなぁ? 承認欲求満たせないもんなぁ? だから増田イナゴに来てチヤホヤされたいんだもんなぁ? 愚痴吐いて「お~~~~辛かったね~~~~貴女は悪くないよ~~~~よちよち~~~~」ってされたいもんなぁ?

からって増田に来るんじゃねえよイナゴども! 増田に来たんだったら通信料払って原作増田読みこんどけよ! ま~どうせイナゴなんだから通信料わずにFreeWiFi村でDLして読むんだろうけどw

長文つかれた。よく書けるなみんな

とは言い切れない増田住まいな歴良いハト回文

おはようございます

なんだか変に涼しい感じで曇っているのにカラッとしている不思議梅雨空模様よ。

話題に困ったときには、

天気の話しをすれば良いじゃないと言うけど、

雨ですね!雨ですな!で終わっちゃわない?

から

天気の話をすれば良い、とは言い切れない!

の「とは言い切れない!」ってところ強調したいんだけど、

それ付け加えたらなんかペコパっぽくならないかしら?

肯定してるのか否定しているのかなんだか言ってて謎になってきたけど。

そんなわけで

今日の私のテーマは「とは言い切れない!」を上手に使ってみることをテーマにして生きてみるわ。

そりゃ

口に出したらこの人ペコパに随分引っ張られてんな!って思われちゃうから

心の中でそっとそうやって肯定ツッコミしてみるわ。

うそうに

もう気が付いたらこんな時間ビックリよ!とは言い切れない!

って言ったらなんだか心の時間に余裕ができる感じ!

早くランチに行かなくちゃ!とは言い切れない!

今行ったらまだお店混んでそうだから

もうちょっと後の方が良いかもしれないわね!

これで簡単にペコパ感出せるわ!ってことに気付いた、とは言い切れない!

ってやっぱそうよね。

いきなりペコパさんになるのは難しいわね。

でも私はペコパさんが昔ローラースケートみたいなのを履いてた頃のネタが好きよ。

どんな内容だったか忘れちゃったけど、とは言い切れない!

やばい

やっぱペコパさん感醸しだせちゃうわ!とは言い切れない!

やっぱ無理かー。

簡単にはやっぱり難しいわね。

もうずっと、とは言い切れない!って言い続けていたら終わりが見えないわよ。

延々と続いちゃうわ!とは言い切れない!ってところで今日はこの辺にしておくわ。

上手い具合にまとまったわね!

うふふ。


今日朝ご飯

昨日ちょっと食べ過ぎちゃったので

今朝は控えめにコーヒーだけいただいたわ。

でも結局お昼ランチ食べちゃう昼食何だから仕方ないわね。

食べたいものは食べたいもの

デトックスウォーター

桃で回ってきて結構桃たくさん並んでたわよ。

1つ498円とかはまだ高いけど、とは言い切れない!感じで

旬先取りで桃もウォーラーにしてみたわ。

と言うことで今日は桃ウォーラー!とは言い切れない!

って明らかに

ひゅーひゅーな桃ウォーラーだっつーの!


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2020-07-12

はてな匿名ダイアリーのお陰で文章を書く楽しさが分かった

昔は自由帳にお絵描きする感覚ト書きショートストーリーを書く事が好きだったけど

今は日記というかその日あった事や思った事を書き出してみるという楽しさが分かった気がする

自分なんかでもその気になればこれだけ頭の中から文字を捻りだせるんだなあ…って読み返すと何だか自信が出てくる

日記に誰かからの反応があると自分の書いた文章でも他人に何かを思わせる事が出来るのか…と嬉しくなってくる

文章を書く事って楽しいんだな、ってこのサービスを始めて久しぶりに思い出せた気がするなあ…とてもありがたい事です

2020-07-10

anond:20200710085221

まあ…差別する側だから何がどう差別になっているのか気付きにくい、っていうのはあると思う

それでも「何だか不愉快にしているみたいだ」と察して隠れる事を選べた人達は偉大だったんだなあと尊敬する

【補足有り】「君はそれが本当に好きなんだね」と人に言われて嬉しいなあ…と思ったけど実際はどうなんだろう

個人的に以前から思う所のあった作品について少し長めの感想文を書いてみた。

好きという感情も好きでないという部分もあったけど、その作品の人が読んで嫌な思いをしないように出来るだけ好きな所を強調しながら文章を考えた。

書き上げた後に「これはもう好きだと思う」「好きでないなら何なんだ?」というコメントを頂き、その作品に対して好きではない部分も確かにあったにも関わらず自分の「好き」という気持ち肯定してもらえたみたいで何だかしかった

「そうか、好きでない部分があっても自分はこの作品を好きと言っても良いのか…」と長年モヤモヤしていた所が晴れたようでも嬉しかった。

でもやっぱり自分がその作品の事を本当に好きかと聞かれると素直に「そうです」と言えない、という気持ちもある。以前に自分よりもその作品が好きであろう人達に「お前はファンじゃない、どうせ好きじゃないんだろ」と言われた事があるから

自分はその作品感想は書けるけど、リアルタイム積極的作品お金を落としていた訳では無い。人気がある事を知ってから見始めた後追いのファンだし関連商品は幾つか買ったけどその気になれば数えられるくらいの量でしかない。

その作品が本当に好きな人達はムック本も特集雑誌玩具リアルタイムで積極に購入して作品買い支えていたのだから、その人達の方が好きだし熱量があるのは分かっている。リアルタイムで追った、という思い入れがまず違うもん。

そういう人達作品長所短所も全て承知の上で作品の事を「好き」でいるのに、そこまでの熱力を持っていないし作品に対して好きな所と同じだけ気になる所も結構ある自分が、作品の事を好きなんてその人達の前で言えない。

だって自分はそういう人達の前で「この作品は好きだけど気になる所もある」という話が出来ないから逃げ出して他の場所感想文を書いたんだから。本当に好きなら自分はこう思うって言える筈だよな、が自分の好きの基準になっている。

【補足】

自分の中での「好き」の基準はそれに対して恋をしているように盲目になれるかどうかかもしれないと気付いた

痕も靨というのか自分には明確な短所欠点も含めて「大好きだ!」と全肯定出来るキャラクター作品があってそれの事は自分は大好きだと素直に思える。

「好きだけど気になる所もある」作品に対してはそういう全肯定出来るくらい好きだという気持ちが湧いてこなかったので自分の中では素直に「好き」なんだと思えないでいる。結論は出なくてもこれから先も好きか否かで悩む気がする。

オタク界隈には「原作が好きだから!」が一番強い動機じゃないのに二次創作をする人も居ると聞いて、何だか納得した話

はてな匿名ダイアリーには毎日のように女性オタクが書いたと思われる日記投稿される。

自分は是々こういう界隈に居るのだけど、こういう人が居て不快気持ちになった」という内容の物が多いような気がする。全てに目を通せている訳では無いけど

そう言う話を目にする度に「その人はどうしてそういう嫌な思いをする場所に留まるのだろう?」と感じていた。趣味なら自分が楽しむためにやるべきで楽しめなくなったら離れる物だと思っていたか

「好きな作品解釈自分と違う人が居る」「自分が好きなCPと違うCP流行っている」「自分の好きな作家さんによく知らない人が絡んでいる」など分かるような内容もあればよく分からないなあと思うような物もある

CPというのも「別に原作で好き合ってる訳でもない二人が実は好き合っている」と考えるのが好きみたいで、解釈違いだと不快になっているCP別に原作で好き合ってる二人でもないらしい。どちらも同じに見えるけど違うんだろうな。

何でその人にとって毎日神経をすり減らすような場所から離れないのかよく分からなかったけど、ある日「女性他者との交流感情が激しく揺さぶられるような事がとても好きなんだ」という感じの話を聞いた。

他者との交流が好きだから同好の士を探して共通話題で盛り上がったり、逆に考え方が違う相手喧嘩という形で交流したり、交流したいと思っているけど中々出来ない作家さんに絡んで行ける他人に嫌な気持ちを抱くのかな?

交流」という要素を重視して、むしろ原作より自分の作った二次創作他人に読んでもらったり他人の作った二次創作を読む事の方が好きという人も結構居るらしい。そういう人達にとって「原作」は二次創作のための燃料らしい。

その気持ちは、とても分かる。二次創作を作るために目を皿のようにして原作をチェックする事で原作に対する理解度が深まってより好きになったり、大好きなキャラクター自分の手で描いたり動かしたり出来るのは本当に楽しいし、まるで原作の延長のような素晴らしい二次創作を書いてくれる人の事は第二の原作者のように思えるというか、ファンでありながら素敵な作品提供してくれる創造主とも思える…ある種原作者以上に親愛の情を感じるかもしれない。

二次創作の場というのは、本当に楽しい。ひょっとしたらある日原作に触れるより二次創作に触れている方が楽しい、という逆転現象が起こるかもしれない。他人作品感想を送ったり、逆に感想を貰うのもとても楽しいし嬉しい。

そんな楽しい場所からこそ離れたくないし、自分不愉快にさせる相手に対する嫌な気持ちは強烈なんだろうな…。長年あるジャンルから離れられなかったけど、色々な要因が積み重なって最後には離れてしまった人の話などはとても物悲しい雰囲気だし。嫌だと思う事があっても中々離れられないし、嫌という気持ちが蓄積しても決定的な何かが起こるまでは我慢してある日爆発する事が多いんだろうか。自分限界が来るまで溜めこんじゃう人は損をしてしまう。

原作への理解度や愛が非常に重視されるのが女性向けの二次創作の特徴だと常々聞いている。このキャラ原作での描写から考えて誰々が好きだろう、こういう事はしないだろう、という考察が大変熱心に行われているらしい。

男性向けの二次創作界隈は原作に対してそこまで詳しくなくても拒絶はあんまり強くないような印象がある。今人気のジャンルから描けば売れる、と作る人も読む人も思っていそうだし、需要供給合致しているからそれで良い。

女性向けの二次創作界隈は軽い気持ちで参入する事は許されない、と聞いた事がある。同人活動あくまファン同士の交流がメインなので決して利益を出してはいけないとも聞いた。本当にストイック人達なんだなあ…と思う。

まあR-18作品になるとジャンル性別関係なくこのキャラはこういう事しないような…こういう事を言わないような…と言う描写は増えてくる物だと思う。そういう時男性向けなら「まあいいじゃん」で済ませられる所も女性向けでは「このキャラはこんな事しない、こんな事言わない、この組み合わせはあり得ない」という議論が盛り上がるらしい。このキャラは多分同性じゃなくて異性が好きなんじゃないかな…という議論は起きないらしいけどまあそこは言いっこなしにしたい。

自分が描きたいタイプや展開に適しているキャラが居るから」という理由二次創作をする原作を選ぶ人も居るとこの前聞いた。これも二次創作は人の目に留まる事が多いし創作活動楽しいから起こる事なんだろうな…と思った。

全く関係ないけど女性作家さんが一般作品でもどことなBL連想させるような描写を入れたがる、という印象が自分の中で強いのは小野不由美先生栗本薫先生の影響だろうなあ…と思ってしまうのは勝手思い込みかしら。

取っ散らかって自分でも何を言いたいのか分からなかったけど、「二次創作という行為はそれだけで楽しいから原作の事が大好きという動機以外でも始めてる人も居る」と知って「そういう人も居るんだなと思った」と書きたかったのかな…

2020-07-09

anond:20200709222249

居るんじゃないかなあ…高校生大学生自称してる人も結構居るし今も何だかんだでまとめサイトは5chのスレ記事にしているしで

追記】「好きでない」と「嫌い」は厳密には別の感情じゃないかな…と思った話

最近異世界生物」というジャンルがとても流行っているらしい

現実世界で何らかの事故に巻き込まれて死んだ人間が、その時の知識を持ったまま異世界で生まれ変わり別人としての人生を送るお話、の事をそう言うんだと思っている

小説家になろうという小説投稿サイトでも非常に人気があるらしく、そこから書籍化漫画化もされた「ナイツ&マジック」と「転生したらスライムだった件」という作品アニメを僕は見た事があるし最後まで楽しませてもらった

異世界転移物」というジャンルもあってこちらは別人として異世界で生まれ変わるのではなく現代人が異世界召喚されるタイプ作品の事を指すのかな?

一昔前の作品だと「魔法騎士レイアース」なんかがそうだろうし最近だと「ドリフターズ」がそうかな。小説原作作品なら「Re:ゼロから始める異世界生活」はOVA作品劇場で公開される程の大人気作だった。

ゲームをしている最中にそのゲームの設定と似た世界に呼び出されるタイプ作品もあって「オーバーロード」「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」なんかがそうなんだと思う

大人異世界コメディこの素晴らしい世界に祝福を!」など主人公現実で死んだ後に異世界蘇生されてそのままの姿で暮らす転生と転移中間のような作風の物もあるそうな

ここ5年ほど毎年のように何らかの異世界物がヒットしてこれから先もその人気は続くと思う。僕は近頃とても流行っているこの「異世界生物」があまり好きではない。気になる作品は見るから嫌いでもないと思う。

異世界転移物はそこまで気にならないので、どちらかというと転生要素が気になっているのかもしれない。別人として生まれ変わったのに性格記憶前世人生から地続きで、そこが異世界生物の楽しみ所なんだろうとも思うけど。

異世界生物主人公は周囲の人間と比べて非常に高い能力を持っていたり優秀な頭脳があるので活躍する。同年代人間と比べると子供の頃から非常に魅力的で、頼れる指導者として周囲に集まってきた人々を助ける。

それは良い。主人公から活躍するのは自然な流れだと思う。ただ、その非常に優れた主人公達と戦う事になる敵役達には同情する。ナイツ&マジックに登場した侵略国家ジャロウデク王国」は主人公の属する「フレメヴィーラ王国」に哀れなくらい一方的ボコボコにされてしまったし、転移物だけどオーバーロード主人公アインズ様の率いる「ナザリック地下大墳墓」と敵対した現地の勢力は、一方的蹂躙されあまり悲惨な末路を迎える事が多く悲しくなる。

これは正確には異世界物というよりあまりに敵味方の強さに差がある事から生じる蹂躙の要素が僕は苦手なだけだと思う。主人公達の活躍が見たいとはファンなら誰もが思うだろう事だから、そこに突っ込むのは筋違いだとも分かる。

ここまで書いてから言うのも何だけど、僕は異世界物の事は嫌いではない。自分の好みではないので予め見ないようにする、という事が多いだけで「嫌い」だと強烈に思う所までは行かない。何だかんだで興味のある作品は見るし。

小説家になろう」が原作アニメ漫画から異世界に転生や転移した人が主役だから、という理由でその手の作品を反射的に攻撃する人達も居る。そういう人を見ると一昔に所謂美少女ゲームライトノベルが「所詮エロゲ」「所詮ラノベ」と叩かれていた事を思い出す。最近めっきり見なくなったけど、そういう人達を僕は好きでなかったし今も好きじゃない。自分が昔こういう事を言っている人達を見て嫌だったから、自分はそういう人達と同じ事を言いたくない。

初めは「好きでない」だった感情が何度もその好みではない物に触れている内にやがて「嫌い」に変わっていくのかもしれない、と思う。僕はこれから異世界物を嫌いにならないよう、好きでない程度の適切な距離で付き合っていたい。

追記

とは言っても、僕にはどうしても積極的に手を取りたくないジャンル作品はあるし、恐らく偏見勝手先入観でよく知りもしないジャンルに悪意を持っているんだろうな…と思う事もある。これじゃ他人に何かを言って良い訳がない。

僕は自分が好きな作品二次創作はあまり読まないようにしている。自分の考えとその二次創作を書いている人の考え方が違ったら嫌だな…と思うし、その事で相手を嫌いになったり自分が嫌な思いをする事が嫌だから避けている。

BL、憑依、逆行、ヘイト、ざまあ系などのジャンル一次創作二次創作わず苦手で深く知れば多分嫌いになってしまうだろうな、と思っているから手に取らないようにしているし、そういう要素があるかもというだけで警戒してしまう。

「今は嫌いという感情を持っていないけど関わると嫌ってしまうだろうから避ける」というのはもうほぼ嫌いの前段階ではないかという気もする。一度何かを嫌ってしまうと猛烈にその嫌いな物について考えてしまう事もあるし、その嫌いな物が視界に入っただけで意識を奪われるくらい夢中になってしまう事もある。だから自分はきっとこれの事を好きではない」と思った時は本当に嫌ってしまう前にある程度距離を取るのがお互いのため…なんじゃないかなぁ、と僕は思っている。

2020-07-08

anond:20200708131034

>>だから私は、最初直感で好きになったCPジャンルが人気になればそこを離れる。なるべく、なるべく件数の少ない深海へと潜る。

違うかったな、ごめん。好きになったカプが大きかったらそこを離れて別のカプ探すんだ…。ますますよく分からなくなった。好きでもないカプの創作するってこと?だよね?覇権ジャンル渡り歩く175と何が違うんだろう…逆バージョン175…私の中の女将さんが「そこに愛はあるんか?」って言ってる。

>>マイナージャンル社会はないよ。界隈なんてものもない。あるのは数人の狂人だけだ。狂人集落訪問者のいないホルガ村。

覇権ジャンルもでかいホルガ村だよね。

>>なあそこの愛憎ドロドロ界隈疲れた同人作家、療養してかない?こっちの水は甘依存

結局私が何に引っかかってるのかって言ったらここなんだろうな。創作スタートライン違うくない?好きになったキャラ、カプだからするんじゃないのか?

何だかすごくモヤモヤしてるんだけど上手く言えないな。まとまってないのに言及してごめんね。また自分の中で腑に落ちたらお話しにくるかもしれない。

沙慈・クロスロードは00の一期と二期の変化を象徴するキャラクターだったのかな?機動戦士ガンダム00世界においてソレスタルビーイングを敵視する存在はどうなるんだろう?という話

anond:20200707043149

ソレスタルビーイングアンドレイについて僕が思っていた事は結構書けた。僕が00についてこんな思っていた事を書き出すのはこれが初めてだと思う。まだまだこの作品について書きたい事はあるかもしれない。

沙慈・クロスロードというキャラクターが居る。三大国家群の一つ「ユニオン」に属する経済特区日本で両親の遺してくれた保険金などを頼りに姉と二人で暮らす工学部学生で、日本引っ越してきた刹那のお隣さんでもあった。

彼にはルイス・ハレヴィという仲の良いガールフレンドが居た。スペインから留学生であり、沙慈は彼女のお母さんから公認を受けお付き合いをしていた。沙慈とルイスとお母さんのやり取りは、00の本編には珍しく底抜けに明るい。

視聴者目線の平凡な立ち位置キャラクターなのかな?と思いきや、ルイスが何か事故に巻き込まれたと聞くや否や居ても立ってもいられず単身日本からスペインまで飛ぶなど行動派であるペアリングを渡して愛の告白もする。

ルイスソレスタルビーイングの実働部隊である「チームトリニティ」の襲撃により両親と親戚を失い、自身左手から先を失った。ガンダムビーム兵器に含まれる毒性により、再生医療も受けられない程の障害を肉体に負った。

報道機関に勤務する沙慈の姉であり唯一の肉親「絹江・クロスロード」は、ソレスタルビーイングとその創設者イオリア・シュヘンベルグ」の謎を追いイオリアの追跡取材をする内に真実へ近づいてしまい、傭兵サーシェスに殺害される。

この二つの事件が立て続けに起こった事から、沙慈はそれまであくまでその存在疑問視するだけだったソレスタルビーイングという組織に対して明確な悪意を持つようになる。プトレマイオスチームが直接の犯人という訳では無いけど…。

二期でも彼はメインキャラクターとして登場する。日本を離れスペースコロニーで若き技術者として働いていた彼は、地球連邦政府保安局反政府勢力に加担している嫌疑をかけられある日突然逮捕された。お、Zガンダムみたい。

沙慈は囚人収容するコロニーで反連邦政府勢力を専門に対応する特殊部隊アロウズ」の囚人掃討作戦に巻き込まれ、対人兵器ロボットにもう殺される!という危うい所で刹那に救出される。刹那、生身でロボット倒したよ!

刹那に救出された後、沙慈はプトレマイオス保護されるのだが…刹那ソレスタルビーイングガンダムマイスターであり、5年前から武力介入を行っていた事を知り沙慈は怒る。沙慈の関係者を傷付けたのがプトレマイオスチームではないにしても、同じ組織に属していた相手からしょうがないと思う。一期でロックオン自分家族を殺した仇と同じ組織に属していた、というだけで自爆テロとは直接関わりない刹那に怒ったので、これはもう感情問題だと思う。

沙慈は刹那の同僚であり生まれ付いてのガンダムマイスターであるティエリア・アーデ」に「君は現実を知らなすぎる」と叱られる。プトレマイオスチームで沙慈を叱る事が出来るのがティエリアだけだったのは、彼が沙慈とは真逆に戦いの中で生きてきた戦いしか知らない人間だった事もあるんだと思う。他のメンバーは沙慈のように平和日常の中で生きてきた経験もあるので、大切な人と日常を奪われて怒る沙慈を本気で叱る事は出来なかったんだろうか…?と思った。

ソレスタルビーイング武力介入とその影響で大切な人間を失った遺族の立場から、沙慈はソレスタルビーイング辛辣言葉をぶつける。ソレスタルビーイングが掲げる「紛争根絶」という理念とは全く関わりのない事で親しい人間が傷付いたのだから、当然だと思う。ソレスタルビーイングメンバーもそんな沙慈に「わかってもらおうとは思わない。恨んでくれても構わない」という態度しか取れない。ここら辺はWのヒイロとノベンタ元帥のお孫さんの話を少し思い出すな…。

ところがある時沙慈の立ち位置が変わる。ソレスタルビーイングから反政府勢力「カタロン」の施設に預けられた彼は、脱走を決意する。元々沙慈はカタロンの構成員だと誤解されて死にかけたのだから良い感情なんてある訳がない。

カタロンの構成員に嘘をつき上手く脱走に成功した沙慈は連邦軍に見つかり、カタロン関係者だと思われ連行される。そこで連邦軍屈指の人格者セルゲイ大佐に、自分にかかった嫌疑を解いてもらうためこれまでのいきさつを話した。

そこからカタロンの地下施設情報漏れアロウズ攻撃を受けたカタロンに数えきれない犠牲者が出てしまう。沙慈はこの時、自分がこれまで非難してきたソレスタルビーイングと同じ加害者側になってしまった。間接的にだけど。

これ以降沙慈は自分を責めるようになり、被害者としてソレスタルビーイングを責める事を控えるようになった。それどころか人員不足プトレマイオスの戦力を補うために、ダブルオーガンダム支援戦闘機オーライザー」のパイロットを務めるようにもなる。一期で戦いを傍観する第三者だったキャラが、二期では自分も戦いに加わる当事者になった。これはソレスタルビーイングの起こした変革であり、戦いは誰にとっても他人事では有り得ないというメッセージだと思う。

…けれど。沙慈の複雑なところは当人も勿論ソレスタルビーイング活動による犠牲者なんだけど、一期でソレスタルビーイングの出した名もない犠牲者達の代弁者でもあった事だと僕は思っている。沙慈以外に「自分達は武力行使なんかしていなかったのに貴方達の活動犠牲になった!」とソレスタルビーイングに怒りをぶつけるキャラクターが00には居なかった。ガンダムから出てくるのはどうしても軍人ばかりで、そういう意味でも沙慈みたいなキャラは珍しかった。

その沙慈がソレスタルビーイングに与するようになったので、機動戦士ガンダム00には「ソレスタルビーイング犠牲者」という立ち位置存在が居なくなってしまった。勿論プトレマイオスメンバー達は自分達の行動が多数の犠牲者を生み出している事を重々承知して、戦術予報士の「スメラギ・李・ノリエガ」が半ばアルコール依存症になっているのはそういう理由から、だと僕は思っている。軽く見返すとスメラギさんはいつでも酒を飲んでる気がする…作戦後とか。

ただ沙慈がオーライザーに乗った事で救われた人間あの世界に多く存在するし、黒幕の策略でアロウズ側に付いてしまったルイス最後には沙慈と結ばれたのも沙慈が「ルイスを取り戻すために」刹那達と力を合わせて戦ったからだ。

二期での戦いを終えた後、沙慈はソレスタルビーイングを離れ軌道エレベーター整備士として働いている。アロウズと戦うソレスタルビーイング活躍を称える新政権プロパガンダ映画にも沙慈に相当する人物は出て来なかった。

これは機動戦士ガンダム00という作品において「沙慈はソレスタルビーイングと共に戦った」けど「沙慈はソレスタルビーイングの一員ではない」という表現だったんだろうか?と今になって気付いた。沙慈は戦いをする人ではなかった。

この日記を書くために00を軽く見返していて、「ソレスタルビーイングメンバーには守る物が無い」事が共通点としてあるのかもしれない…と思った。二期の沙慈は姉を亡くしルイスとも離れ離れでもう失う物がないから命懸けで戦えた。劇場版の沙慈はルイスという大切な人を取り戻せたので戦いから離れた。アレルヤマリーという大切な人と再会出来たので一時プトレマイオスを降りた。と考えると何だか僕の中では腑に落ちるような気がする…全く根拠はないけど。

グラハム・エーカーというキャラクターが居た。1話でAEUのスペシャル2000回で模擬戦なエースを倒した主人公刹那を2話のラストで襲う相手で、ガンダム00でアリー・アル・サーシェスと並んで人気が高かった敵役の一人だと思う。

MSに乗らない1話から「失礼!」と断りを入れながら本当に失礼な事をする愉快な人だった。僕は00を視聴する前からこのグラハムという人が人気である事を知っていたし、実際に本編を見てなんと魅力的なキャラだ!と惚れ込んだ。

このグラハムは三つの超大国家群の一つ「ユニオン」の軍隊ユニオン直属米軍第一航空戦術飛行隊通称MSWADに所属する軍人で、ユニオンの最新鋭MSユニオンフラッグ」を与えられたエースパイロットであり、操縦技術も高い。

00に登場したキャラクターの中でも最もガンダム交戦した回数が多いパイロットだろうし、その度にちゃん生還しているので操縦技術だけでなく判断力が優れている事が分かる。登場回は大体善戦してるし流石ですグラハム中尉

この人は幾度となくガンダムと戦いながら一度も仕留めるに至らず、また共にフラッグを駆る「フラッグファイター」であった部下や愛機を改修してくれた恩人ガンダムとの戦いで失った事から、戦う内にガンダムに対して恨みを抱くようになる。同時にMSという兵器を扱うパイロットとして「ガンダム」の圧倒的な性能に心奪われ、魅了された。ガンダムの性能は作中に出てきた台詞から三大陣営の最新鋭機の6倍以上の性能があるらしく、夢中になっても仕方がないとも思う。

ガンダムに対して歪んた愛憎を持ち一期の最期で主役機「ガンダムエクシア」へ襲い掛かる彼を主人公刹那は歪んでいると見なし、断ち切る事を決意した。グラハム自分を歪ませたのはガンダム存在だ、と主張した。正しく愛だね。

結局一期最後の戦いはエクシアフラッグの相討ちという形で終わる。グラハムは亡くなった二人の部下の仇を取れたと満足し、エクシアフラッグは大破した。中の人はどちらも生きてたけど、二期で出番があるからこんな所で死ねない。

二期で再登場したグラハムは周囲からミスター・ブシドー」と呼ばれ刹那の駆るガンダムと戦い決着をつける事にのみ執着する面白いけど歪んだ人物になっていた。一期で生き延びた後他に生きる意義を見つけられなかったんだと思う。

結局グラハム刹那との決闘に敗れ、刹那自分トドメを刺すように求めるが刹那は「生きて明日を掴む事が自分にとっての戦いである」と言い、グラハムにも「生きて戦え」と告げた。グラハムは一期でも二期でも死ねなかったけど、劇場版まで生き延びられて本当に良かったと思う。グラハム地球連邦軍に復帰し、フラッグの後継機でもある可変MSブレイヴ」を駆る強襲部隊ソルブレイヴスの隊長就任し大活躍する。劇場版はグラハムファン必見だと思う!

グラハム劇場版で二期の自分の行いを愚行と呼び、ガンダムではなく刹那を超えたいと言う。そして地球外生命体「ELS」との決戦で刹那通り道を作るために華々しい最期を遂げた。刹那と対になる主人公のような気がしてくる。

ここからが本題で…グラハムだけでなく沙慈もそうなんだけど、一期の戦いでソレスタルビーイングに恨みを持った人間は二期でソレスタルビーイング寄りの立ち位置になっている気がする。そういう段階は二期で終わったからだろうけどね。

機動戦士ガンダム00では対話相互理解重要性が何度も訴えられる。今は敵対していても相手と話し合って分かり合おうと努力した人は何らかの形で努力が実っている。宇宙世紀ニュータイプ達が目指していた物だと思う。

ところで小説版00によると刹那が量子ジャンプを行ってから地球に帰還するまでの50年の間も「世界各地から争いの火は消えなかった。」「大戦に発展しかけた事もある。」とマリナが述懐している。グラハムが主演を務める00の続編もその時代舞台になると言われている。ELSが平和象徴である花になっても争いは無くならなかった。コロニー公社労働者のような問題はELSが居てもどうにもならないだろうし仕方ないのかもしれない。突如現れ地球でも暴走したELSのような存在人類が受け入れるのも難しかったと思う。その気になれば人間を触れるだけで殺せる存在が、地球全土から集められた軍事力の大半を壊滅させた後何か友好の意思を示してきたとしても、怖いだけだと思うし…。

地球連邦軍の損失率は戦いが終わった後には50%を超えていたと思われる。ELSとの戦いで親族を亡くした遺族は、果たしてELSという存在を許せるだろうか。ELSとは関係なく7年前にソレスタルビーイング紛争根絶を掲げ武力介入を行っていた時それが原因で親しい相手を亡くした人間はまだ恨みを抱えていたかもしれない。対話相互理解なんて絶対にごめんだ、という人もひょっとしたら居たかもしれない。作中には出て来ないので僕の想像だけど。

サーシェスやリボンズのように相手と分かり合う気がなく争いをやめる気もない人物世界から排除される。僕は「劇場版の後だとそういう人は最終的に殺されてしまうんだろうな」と00が好きな人の前で言ってしまった事がある。その時は「どうせ00観てないで言ってるんだろうけど」と相手を怒らせてしまった。確かに劇場版にそういう人物は出ていないか勝手想像だし、怒らせてしまたこっちの言い方が悪かった。話に水を差してると受け取られても仕方がないと思う。

グラハムが主演が務める続編では、ガンダムマイスターとしてソレスタルビーイングに加わったグラハムエクシアの改修機に乗り「空白の50年」を戦うと予想されている。ああやっぱり00の続編早く見たいですね!もう楽しみで仕方ない。

追記

ソレスタルビーイングは「人類がやがて宇宙に飛び立った時に宇宙火種にならないように」というイオリアの壮大な願いを実現するための組織…と考えてもいいのかな。実は本編前から結構怖い事もやっていて、ガンダムに搭載するためのGNドライヴは一期が始まる90年くらい前に完成していたんだけど、木星圏で20年以上かけてGNドライヴを作り上げた技術者達を機密保持理由に皆殺していたり…08MS小隊ギニアス兄さんもやってたけど、悪役っぽいかな。

ところで僕はガンダム00の悪役だとチームトリニティ長男「ヨハン・トリニティ」とイオリア計画を捻じ曲げていた黒幕リボンズ・アルマーク」が好きだ。この二人は計画の一部としてやがて死ぬ事が決定されていた。ヨハンは任務以外の何にも興味を示さず狂暴な弟や妹をろくに諫めない人だったけど、ガンダムマイスターとして与えられた使命には誰よりも忠実でストイックな人だったしあの最期にはどうしても同情を禁じえない。リボンズイオリア計画を円滑に進めるために生み出された人造人間だけど、使い捨ての駒として終わるのが嫌だったか計画を乗っ取って自分支配者側になる事を目指すという…冷ややかな性格に見えて実は創造主への反骨心が原動力だったって所がとても良いと思う。

ソレスタルビーイング計画って人類全体の事を考えてはいても個人の事は全く考えてないんだろうなと思うからGNドライヴ製作に携わった人達もチームトリニティプトレマイオスチームもイノベイドも死んで人類のためになってねって扱いなのは正直怖い。だから使われるのではなく自分が使う側になってやるんだってリボンズは悪役だけど「ただ計画に従うだけで終わってたまるか!」ってガッツを感じるのが好きなのかな…と書いていて思った。やってる事は悪役だけど。

ところで機動戦士ガンダム00には「in those days」というキャラクター原案を担当された高河ゆん先生による各キャラクター内面について掘り下げられた漫画作品があるけれど、僕はこの漫画で描かれたリボンズ解釈が大好きだ。ソレスタルビーイングスポンサーでもある国連大使アレハンドロ・コーナー」の小姓をリボンズ結構楽しんでやっていて大使が亡くなった事を本当は少し残念に思っていたり、計画がどんどんズレて次々修整せざるを得ない状況に内心殆ど余裕がなかったり、実は親であるイオリア人間ばかりを見て子供である自分の方を見ず愛してくれなかった事に大変なコンプレックスを持っていたり…アニメの冷ややかな悪役という雰囲気も良いけど、この漫画の実はとても繊細な内面打たれ弱いリボンズ人間臭くて「これはこれでとても良い!」と僕は思うアニメ世界でもリボンズが改心すればまた彼は肉体を作り直して復活できるのだろうか?実際にグラハムは復活したので少しだけ期待しても良いかな。

もしかしてイオリアという人は大切に思える誰か特定個人が居なかったかあんな壮大な計画を思い付き実行出来たのかな?と少し思う。もし居たとしても「世界を良い方向に変革したい」という使命感が勝ったのかもしれないけど。

00の感想を書いている内にやっぱり僕は00が好きなんじゃないだろうか、という気がしてくる。「やっぱり好きな方なんだろうなあ」というこの距離感で00とは末永く付き合っていきたいなあ。

2020-07-07

信じてハマったジャンル異世界、もしくは地獄だった

はじめに

TLの流れに触発されて、ここ最近の苦しみを言語化することにした。フェイクも混ぜたり、ある程度ぼかしているので、読みにくかったらごめん。

信じてハマったジャンル異世界異文化すぎて苦悩しまくったオタクの長話を、話半分でいいから聞いてくれないか


自身について少しだけ説明

絵を描くオタク。なんでも好きだがボーイズラブが一番好き。作風がやや独特なので一見すると腐女子っぽくないかも?

漫画エロとかは大好きだけど描かないし描けない。フォローフォロワーは 1:20~ くらいでそんなに影響力はない。


地獄の始まり

このジャンルは、いわゆる「女性向けの流行ジャンル」ではない。

私が異性の友達に「これ気になってるんだ」と話したところ、「女子でこれ珍しくない?」と言われたほどである

まあそれでも私はそのジャンルメチャクチャ惹かれていたので、絵をあげたりする用のTwitterアカウントを作った。

推しを同じく推している者たちがいないか毎日SNSPixivをチェックした。

孤独でも創作はできるが、やっぱり同じようにハマっている者がいれば、精神の安定につながる。シンプル安心するし。

そして、このジャンルにハマっているオタクたちを、見つけた。

見つけたはずだった。


可視化できるタイプ地獄

推しサーチを続けていた私は、ついにそのときを迎えてしまう。

フォロワーもしくはフォロイーと萌え語りをする人々────いつもの光景である。内容がまったく意味不明だっただけで。

文中の単語は確かに、そのジャンル特有のものだったので、話の筋は理解できた。ただ、その話の中心であろうキャラが全くもって謎だった。

「そんなキャラいたっけ……」となった私は、その萌え語りの主たちのアカウントページへ飛んだ。


そう。異世界との出会いである


メディア欄には、推しのような、推しではないような……よくわからないキャラクターがいた。

ツイートを見る限り”それ”には性格が新たに付与されていて、元来の推し性格とは別物だった。なにこれ

謎のキャラクターが着用している服が、推しの別衣装だったか何となくはわかった。

理解はできなかったが。

しかも、その価値観が、このジャンル・その推しへのスタンダード価値観になっているようだった(少なくとも、初心者の私にはそう見えた)。

そして、人々がハマっているCPは、私がハマっているのと同じ A×Bだった。パッと見は。

地獄はこれだけでは終わらなかった。

攻めであるAも、謎のキャラ改変を受けていた。私はもう何が何だかからなくて、その日はTwitterを閉じて絵を描いた。

後日、私は情報を整理した。それでようやくそCPが、私の好きな「A×B」ではなく、「A×B」から派生したCPだと理解した。


諦めたくねえ

私はというと、むちゃくちゃ焦った。私はそんな派生CPにハマる気は毛頭ない。だってA×Bが最高すぎてここに来たのだ。

そもそもA×B(もしくは、B×A)は、公式からコンビのように扱われており、けして供給がないわけではない。


私は恐れた。この手の現象が起こっているジャンルは「終わりかけ」なのだ

流行が終わり、王道ネタは描き(書き)つくされ、公式から供給もない。だから、誰かが考えたパロディ派生ネタ王道になる。

脳裏に浮かんだのは「撤退」の二文字だ。Twitterアカウントを消し、知り合いだけの鍵垢で一人壁打ちをしていようと思った。


そのときに、救世主出会った。その人のことは、 Xさん と呼ぶことにする。

XさんはコンスタントハイクオリティなA×Bの小説を生み出していた。一人で。

本気で、この人が光だと思った。うれしかった。

光栄なことにフォローも返してもらえて、お話もできた。「撤退」の二文字は消えた。

それからは、意欲のおもむくままに絵を描いて、萌え語りしまくった。


nか月が経過して、たくさんの人がA×Bにハマってくれた。Xさんの存在が大きすぎた(私にそこまでの影響力はないので)。

あの派生CPを見かけることはまだ全然あるし、新しくジャンルに来た人が、すぐそっちにハマってしまうのを見かけて悲しくなったこともある。

でも、諦めなくてよかったという思いはめちゃくちゃ強い。本当によかった。

おわりに

派生CPね~~~という感情

二次創作に貴賤はない……というのが建前ではある。こっちだって「AとBが恋仲である」なんてIFを妄想してそれを創作しているわけだし……

でも「誰かが考えた、性格も顔立ちも違う人間2人のCP」って、それはこのジャンルでなくてよくないか?と強欲な腐女子は思ってしまう。

一次創作でいいじゃん、としか言えないのが本音だ。この二人じゃなくたっていいだろ、とも。

そんなことをできる立場ではないのに、問いたいのだ。「あなたたちが愛しているのは、本当にこのジャンルか?」ということを。

これからも私はこのジャンルで、「このジャンルが好きだ」「でも、あのCPは許せない」という感情を抱えて生きていく。


もし今そういう派生系のCPにハマっている、またはこれからハマるかも、という人がいるなら。こういう苦しみぬいたオタクがいるってことを知ってほしい。

それだけ。

待つ

今年の初めから流行し始めた新型の感染症のせいで、今年は花火大会ほとんどが中止になるかもしれません。

未知のウイルス世界中蔓延して自由に外出できなくなって、人々がマスクを奪い合う日常というのはまるで現実離れしていて、私は春からずっと誰かが作った映画や本の中に迷い込んでしまったような気分がしています

今日は少しひんやりしているなと思いながら、傘を持っていない方の手のひらで反対側の二の腕をあたためました。家の中に居て雨の音を聞いていると保護されているような気持ちになるのに、外に出るととたんに心細くなるのはどうしてなのでしょうか。

傘を指してどこかへ急いでいく人々が目の前を横切っていきます。私は待ち合わせ場所が間違っていないか不安になりました。そういえば、本屋さんで待ち合わせをしようと決めただけで、具体的な場所指定していなかったことに気づきました。待ち合わせといえば当然入り口だろうと思い込んでいたのです。

腕時計の針はここに到着してから15分が経過したことを告げていました。

私は今、街で一番大きな本屋さんの入り口に立っています。この本屋さんにはいくつもフロアがあるので、別の階に探しに行ってもどこかですれ違ってしまうかもしれません。あたりを見回すと、どの人も私の待ち人そっくりに見えて、でもよく見ると決してそうではないのでした。

誰かを待っている時間というのはおそろしくゆっくりと流れます。どこのコーナーに行ってどんな本を見ようかとわくわくしていた気持ち、そして会えるのを楽しみにしていた気持ちが、自分の中で少しずつしぼんでいくのがわかりました。

夏にこうして誰かを待っていると、私は子供の頃の花火大会の日の夕方の、長い長い時間のことを思い出します。

中学校制服をどうやって手に入れればよいのだろうと考えていた記憶があるので、きっとあれは小学校六年生の頃だったのだと思います。いつだったか、転校してきたクラスメイトのおうちに一度か二度お邪魔させてもらったことがあった気がしますが、それ以外では子供の頃に誰かとの交流経験することはなかったように記憶しています。当時の私にとってそれは日常でした。

から、今考えると、花火大会に誘われたということのほうがおかしなことではあったのです。

自分の掌を開いて見つめていると、しばらく忘れていたはずのあの日出来事が鮮やかに蘇ってきました。

****

その日はよく晴れていて、花火大会はまず中止にならないだろうと教室で誰かが話していました。お祭り屋台で何を買うか、楽しそうに相談する声が聞こえました。私には関係のない話でした。

私は机のしみを数える作業に戻りました。それに集中していたので、教室の窓側で立ち話をしていたクラスメイトのうち一人が私の方にやってきて話しかけてくれたときは本当にびっくりしてその場で飛び上がりそうになったのを覚えています最初は人違いをしているのではないかと思いました。待ち合わせ時間場所はまだ決まっていないから、夕方連絡網を見て電話するねと言われて、私は彼女の気が変わらないうちに思って急いで頷きました。

下校して家に着いたときは15時くらいだったと思います

私は電話線が抜けていないか何度も確かめながら、誰もいない家の中で電話を待ちました。貯金箱を割ってみると、思っていたよりお金は入っていなくて、でも一番安い何かなら買うことができるかもしれないと考えました。

他の女の子たちは浴衣を着てくるのかもしれません。私は、一緒に並んでいて皆がなるべく恥ずかしくならないように、持っている中で一番ましだと思う服に着替えました。

****

待っている時間永遠のように長く感じられました。

水色の空がオレンジ色になって、薄紫色に変わって、それから深い群青色に染まりました。電話の前で座り込む私の影が長くなって、それからだんだん見えなくなりました。

目をつぶると、目の前に深いあかがね色をしたびろうどの緞帳が現れました。私は幕が上がっていないステージの内側で片足立ちをして、始まるのを今か今かと緊張しながら待っている踊り子になっています

まだ幕は上がりません。どんどん足が疲れてくるので、そうしたら反対側の足で片足立ちをします。それをずっと繰り返しながら、踊りのステップを忘れてしまわないよう頭の中でそらんじています

何かを待っているとき、私はいつもこうして踊り子のことを想像しました。これは私が何度も繰り返して読んだお気に入りの本に入っていたおはなしの一つに由来するイメージです。このイメージを頭に浮かべていれば、不安気持ちが少し紛れるような気がしたものです。

私はふたたび手触りのよさそうな緞帳を見つめました。何度も何度も交互に片足立ちをして、そのときが来るのをじっと待っています

もう外はすっかり夜でした。

遠くで花火が上がりました。それからしばらくして、祭囃子の音が小さく聞こえてきました。

私は真っ暗な部屋でしずかにそれらに耳を傾けます。目を閉じて、わたあめふわふわとした触感や、水の入ったカラフルヨーヨーのひんやりとした温度や、りんごあめやいちごあめの甘さを想像しました。わたし貯金箱に入っていたお金では、きっとどれも買うことはできなかったのだから、これでよかったのだと思いました。クラスメイトに気を遣わせるようなことにならなくて本当によかったのだと。

目の前で花火のにおいがするような気がしました。煙がしみるので私は目をしばたたかせました。お金を握っていた手はすっかり汗ばんでいて、手を開くと金属くさいにおいが立ち昇りました。

****

誰かが呼ぶ声がしてはっと我に返ると、私はふたたび雑踏の中にいました。隣には恋人が立っていて、私に何か話しかけていました。

私は、花火大会あの日からずっと今まで待っていたような気がしました。やっぱりちゃん約束していたんだというほっとした気持ちと、待っている人が約束を守ってくれたうれしさと、待っていた時間の悲しさが胸の中でごちゃごちゃに混ざり合いました。

黙っている私に、待ち合わせまであと三十分もあるのに先に来ていたのでとても驚きましたと彼は言いました。そういわれて昨日の電話の内容を思い出してみると、待ち合わせ時間は十七時だったことに気が付きました。それでかばんのなかにいつも入れている小さなメモ帳を見てみると、十七時にT書店で待ち合わせ、と私の字で書かれていました。メモまで取ったのに待ち合わせを一時間早く間違えていたのです。一人で勘違いをして一人で悲しくなっていたことを恥ずかしく感じました。それにしても、一時間遅く間違えなくて本当に良かったと思いました。

そういえばK市の花火大会は今年も開催されるらしいですよと本屋さんのエスカレーターに乗っている時に恋人が教えてくれて、今年も行こうということになりました。

去年の花火大会は、前日まで一週間も雨が降り続いていました。花火大会当日も結局雨だったのだけどなぜか開催になって、傘をさしながら足元を泥だらけにして一緒に見たことを思い出しました。私にとってその日は花火大会に初めて行く日で、しかも隣には好きな人がいて、これは現実なのだろうかと何度も疑ったものでした。

私たち距離は今のように近くはなくて、その頃はまだ手を繋いだことがありませんでした。

手が冷えていたのでエスカレーターの手すりがあたたかいなと思っていたら、一段下にいた恋人が隣にきて私の手を握ってくれました。

私は今とても幸せだと思います。こうして一緒に過ごしている間は何も余計なことを考えないでいられるのですが、一人になるといつも罪悪感をおぼえました。恋人に優しくされるたびに子供の頃の私と今の私とのコントラストが強くなっていくように感じられて、何だかとても悪いことをしているような気持ちになるのです。

子供の頃の私はきっとここではないどこか違う世界に行くか、別人に成り代わりたかったのだと思います大人になった私は今こうして別人に成り代わって、別の世界にやって来たつもりでいました。でも結局のところ過去自分現在自分は分かちがたく連続しているのだということが、今更になって漸くわかってきたような気がしました。

私は恋人の手を握り返しました。本当は横並びに乗ったらいけないとわかっているのですが、ずいぶん待ったのだからこのくらい良いだろうと勝手なことを思いました。

2020-07-06

承認されすぎてツイッターアカウントを消した

昨今感想屋とか、おけパとか面白い単語流行っているのだけど、その中でも「こっち側」の人間意見を見つけられなかったので自分用のメモとして書いておく。

先月ツイッターアカウントを消した。

フォロワーが5桁以上存在するアカウントだった。

楽しいツイッター

好きな推しCPが出来て、親しい仲間内で同時に作ったアカウントだった。

当初は親しい身内だけフォローして他には誰とも繋がらず、互いに推しの絵を描いたり各々の好きな話をしてキャッキャと遊んでいた。

今思うと、私はこれが好きだった。私の求める二次創作は、好きな絵を描いて、好きな妄想をして、親しい友人と分かち合って、原作考察したり。それで充分だった。

なので同人誌とかを作る気も起きなかった。神の絵や同人誌を読むのはもちろん好きだったけど、仲良くしたいなんて微塵も思わなかったし。何しろ住む世界が違うので。

ただひたすらそうやって友人と楽しく過ごしていたら、フォロワーが増えていた。

他の友人も新しい友人を作って遊んだりしていたので、楽しそうだなあ、と思いながら絵を見た事がある人を探してフォローを返した。

相互フォローを増やして、楽しく会話した。もちろん以前からの友人とも同じように話した。

フォローからリプライも来るので、それなりに返事をした。漫画や絵をアップすれば感想が来るので、ありがたく返事した。

おけパが起きる

そんな中で、友人から「クソマシュが来た」という報告を受けた。

今思うとこれは「おけパ現象」だったんだけど、つまり私と親しくするな、お前が親しくしていい相手ではない みたいな内容だったらしい。

全然意味がわからなかったが、私は友人が傷つくのは嫌だし、ツイッターで会話するのをやめた。ディスコードで喋ればいいし。

程なくして、私はそのクソマシュを送った相手最近相互フォローになって楽しく会話をしていた相手だという事に気づいた。

なんでああいうのって匂わせツイートみたいのししまうんでしょうね。

「あの人にはいいねするのに、私にはいいねがないのは実力不足なんだな・・・

リプライ優先順位を感じると、落ち込んで眠れない・・・

今まで自分の事だなんて微塵も思って居なかった謎のツイート群が、友人とツイッターで絡まなくなったら途端に消えたので察した。

ちなみにTLが高速で流れていいねができないなんて普通だし、親しい人間は脳直でリプライできるからすぐ返してしまうだけです。

当然私は何となく距離を取り、楽しく会話できなくなった。

他の話題タブー

私が何だかツイッター違和感を感じ始めていた頃、別の友人が最近始まったソシャゲにハマっていた。

序盤だけでいいからやって!と言われ、推しの論を説かれ、普通面白かったので面白かった、とツイートした。

友人が描いて!というからちょっと絵も描いた。友人はとってもとっても喜んでいたので私は嬉しくなった。

が、まあこれは予測できた事態なんだけど、「もう〇〇は描かないんですか?!」「ジャンル移動するなら垢消せ」みたいなリプやマシュマロが届いてしまう。おけパ現象も発生した。

意図がよくわからないけど、「〇〇のジャンル落ち目から早く覇権の〇〇に移動した方がいいですよ!」とかも来る。

私は自分ジャンル推しを捨てる気は更々ないし、覇権から好きになるなんて言う事は全くないので普通に気分が悪い。

ただ、私も不注意だったなあ、と思い、今後一切そのジャンルの話や絵は出さない事に決めた。友人とは鍵垢で喋ればいいし。

同化

それでも推しCPの事は好きなので、絵を描いたりしていたものの、様々な要因から喋りづらいのは事実なので日常ツイートをした。

日常ツイートタイムラインを流されるのを嫌う人が居るのはわかっている。なので1日2、3ツイート程度。

内容も「好きな服セールで買った」「このお菓子うまい」「髪切った」とか毒にも薬にもならないツイートだった。

ただ不可解な事に、そんなどうでもいいツイートにすら大量にいいねリプライがついてしまうし、

あげくの果てには「私も同じ服を着たい」「あなたがこのお菓子を食べていたので私も食べた」「同時に髪を切りたい」などとのリプライが届いた。

最初ギャグだと思っていたのだけど、どうやら本気のようで、なんだか私は肝が冷えた。

ライフハックを真似る事は私もあるけれど、私のそれはただの日常行動で、インフルエンサーとして生きている訳でもないし、ただのオタクです。

きっとこれが嬉しい人もこの世には居るんだろうけど、私は単純に怖かった。

過剰な承認

なんとなく怖くなってきた私は信頼できる相手だけいる鍵垢にこもり、最終的にインターネットも見ないで過ごした。

私は多趣味な方で、絵を描くのも一つの趣味だと思っている。お金を稼ごうとか、命をかけようとか全然思っていない。

インターネットを見なくても、絵を描かなくても、お菓子を作ったり、DIYをしたり、筋トレをしたり。コロナの中でも楽しく生活をしていた。

親しい人間とはLINEとか、別の媒体で会話をしていたし孤独も無かった。そもそも孤独を厭う方でもないし。

そういう訳で数日後久しぶりにツイッターに顔を出した所、怒涛の勢いで自分の事を心配するリプライフォローフォロー外問わず届いた。

「死んだかと思った」「あなたが居ない間毎日毎日寂しくて辛かった」「あなたツイートしてくれないと生きる意味がない」みたいなあまりにも重たい文章が並び、私はちょっと青ざめた。

これが家族とか恋人なら仕方ない部分もある。しかし顔も本名も知らない私にどうしてそこまでの感情を持つのか、理解できなかった。

消した

もうツイートはやめて、鍵垢で過ごそう、絵も鍵垢にアップして最初みたいに、仲間内だけでキャッキャしよう・・・

そう思って鍵垢で過ごしていたものの、なんと鍵垢を捜索され「どうしても心配だったので鍵垢を見つけて、生きている事がわかって救われた」などとDMを貰った。

ああ、もうだめだ・・・と思った。私がインターネット上で生きている事がもはや義務だった。そんな義務のためにツイッターを始めた訳では無かった。

きっと皆私よりツイッター自体を重たく所持している。そんな中で私がツイッターを軽んじすぎているのかもしれない。それなら尚更よくない。

私が数日間居なくなっただけで大騒ぎしている人々が、私が垢消しした時どんな反応をするか想像できたけど、結局私からしたら顔も名前も知らない人でしかない。

自己中心的と言われればそれまでだけど、私は自分のためにアカウントを消した。

きっと半年もすれば皆新しい神を得て私の事は忘れてくれると思う。

いつものことではある

実はこれ、はじめての事ではなくてもう何度も繰り返している。

どうしてこうなるのか自分ではわからないし、人にも相談し続けて来たけれど、皆首をひねるばかりで同じ立場人間が居なかった。

実際最近の諸々の件を見ても、こっち側の悩みを持つ人は探せなかったし、まあ、言えないよね・・・という部分もある。

ただ少数派でも居るには居るんじゃないかと思うし、あと、もうツイッターアカウントを作るのはやめよう・・・という誓いを込めて記した。

多分大多数のひとは私の気持ちがわからないし、羨ましい!身勝手だ、享受すべき、なんて考えると思う。

でも私がアカウントを消してしまったのは事実なので、もしアカウントを消して欲しくない神が居る人は、こういうケースも考えて欲しいな、という話。

追記

最後のDMの件だけ説明不足だったので追記するけど、DMは開放してない。

鍵垢じゃなくて、5桁フォロワーの居るアカウントの方に送られたんだよね。相互フォロワーから

アカウントは消すほどでもなく、放置しておけばいいかなと思っていたけれど、そのDMを見て消した。

2020-07-05

スポーツ差別

まず私はスポーツが苦手で、主に学生時代に嫌な思いをしてきたことについてスポーツに対しておそらく逆恨みしています

スポーツ界での人種差別などの問題を度々耳にする。

特に何かプロスポーツを視聴していたりはしないので詳しいことは知らないが、業界の方々がそうした問題に対して懸命に取り組んでいるであろうことは、何となく分かる。

業界の中での問題への取組みは実に結構だと思う。

だが、何だか、外の世界に対して、「スポーツ界は人種差別を無くすことに貢献している。皆さんは私達に従うべきだ。」と言ったPRには、はっきり言って感情的には何かすごい腹立たしいものは感じる。

差別とは本来人間の優劣に関わらないステータスについて、優劣をつけることだと思う。

肌の色がAの人はBの人より優れている。

国籍がAの人はBの人より優れている。

男性の方が女性より、あるいは女性の方が男性より優れている。

身長が高い人は、低い人より優れている。

スポーツ界が賞賛助長している「運動能力が高く、相手をただ身体的に打ち負かした我々は、相手より優れている」という思想がそれらと何が違うのか?

そうした思想を外の世界にもばら撒いている連中が一体どういうつもりで、外の世界に対して反差別などと説教を垂れるのか?

人種差別はいけない。あっ、でも運動能力に優れている我々は劣っている連中より優れた人間から」というメッセージしか聞こえず、また、どうしても咀嚼できない。

別に運動能力が高いことが優れているなどとは言っていない。優れたプレーによる感動を与えているだけだ。」というのは詭弁に過ぎない。

肌の色や所属する国にだってそれぞれ良い所はあるだろう。

だが、肌の色や国籍などについて、蔑むことはしないでも、一部のステータスの人々のみ賞賛することが差別ではないというのだろうか?

スポーツ界の人々は運動能力の優劣が人間の優劣と言っているわけでは無い、勝手勘違いする連中が悪いとでも言うのだろう。

だが例えば未成熟子供達が運動能力の高さを徹底的に賞賛しているスポーツ番組を見て、「俺は運動能力が優れているから、運動音痴のあいつより偉いんだ、だから傲慢に振舞っていんだ」とか「運動音痴の自分ダメ人間なんだ」という思考を植えつけられていないとでも言うのだろうか?

勘違いする子供達が悪いとでも言うのだろうか?

以上のように思うのは、もちろん、他人説教されたくないという感情が主たる原因だと思う。

ただ、どうしても自分には、いわゆる不当な差別的な感情と、スポーツなどといった他人を打ち負かす行為を称賛する感情を別のものであると捉えることができない。

おそらくはそれは私自体が悪しき価値観を持ったどうしようない人間であるからなのだろう。

2020-07-04

文章力があまりにも低いので、日記を書いて練習してるんだけど、自分にとって自明なことも書くの? 背景とか、なぜそうしたのかとか。ブログみたいに誰かに公開するものならともかく、非公開なもの必要

ただ一方で、そういうことを書かないと単なる事実の羅列になって、何だか違うような気もしてる。誰か教えて。

オッチャンのかおりがした日

どこにも書くところが無いので、ここに書く。

私は出張である

全国に出張するので各所でいろいろな人と会う。

公私ともに会い、特にとある地方都市に行く際に、この数年はオッチャンに会いに行っていた。

オッチャンは、私のじいちゃんの弟である

小さいときから遠方にいるにも関わらず、可愛がってもらっていた。

大人になって今の生活をするようになった時、オッチャンは既に90歳近かった。

その都市に行くときは声をかけ、オッチャンを連れて飲みに行っていた。

なんだか、近い将来、いなくなってしまうような気がして。

徐々に足元がおぼつかなくなって…年齢を考えたら当然なのだけど。

それでも2軒はハシゴして、1軒目はおごってもらって、2軒目はおごって…みたいな感じで、楽しくやっていた。

とても元気なオッチャンだった。

携帯を持たない人だから、日程が決まればオッチャンの家のFAXを送っていた。

手描きで「このホテルに泊まるから、XX日の〇〇時に会おう」と、毎度送っていた。

いつもそうしてたのに、ある日、見知らぬ電話番号からしか携帯電話の番号から電話がかかってきた。

『今回は行けないのさぁ。帯状疱疹にかかっちゃってさぁ。歩けないんだあ~。情けねえよ…。』

と気落ちした声が聞こえてきた。

「良いよ、元気になったらまた行こうよ。ところで、携帯持ったの?」

と聞くと、

『これは息子のさぁ。ごめんなXXちゃん!またな!』

これが元気なオッチャンとの会話の最後になった。

それ以降は数年かけて徐々にボケていくオッチャンとのお付き合いになった。

ある日はオッチャンの家で、ある日は入院している病床で。

自分の子供を弟と間違ってしまうような段階にあっても、不思議とオッチャンは私のことは理解できたようだ。

その時は、飲みに行けないなら挨拶だけでもと、アポ無しでオッチャンの家に行った。

運良く会えたこの時、足は動かないが頭はハッキリとしていた。

それからは居るか居ないかからない家にとりあえず寄るようにしていた。

会えなかったら「行ったけどいなかったわ。またな!」とFAXを送っていた。

亡くなる直前に寄った際、オッチャンの家のインターフォンボタンを押すと、知らない女の人が出た。

彼女はオッチャンの娘だった。

初対面だった。

実は、オッチャンの子供とは面識がなかったのだ。

彼女は開口一番、

『うちの父はもうだめです。もう、誰もわからなくなってしまいました。』

と言われたので、それでもいいよ、どこにいるの?と聞くと、

『〇〇病院のXXX号室です』

と回答があった。

不安を抱えながらも、すぐに病院に行き、教えてもらった病室に行った。

そこにいたオッチャンは痩せて、骨と皮だけになって寝ていた。

ペシペシ叩いて、

「おい、オッチャン、わかるか?くたばっとるな?」

と声をかけると、オッチャンは嬉しそうな顔をして、

今日はどうしたの?いやー、えらいところに来て!』

と言った。

仕事や。おっちゃん、今度飲みに行く言うて、こんなトコおったらあかんちゃうんか?ホンマに行けるんか?」

あかん、もうあかん。もう、一緒に行けないのさ。ごめんなあ』

そんな話をしていると看護師さんが来て、

『え、笑ってる?話ししてる?XXさん、この人だれ?来てくれて、そんなに嬉しいの!?良かったねえ!』

『お姉さん、この子はな、ワシの甥っ子さー、大阪にいるんだあ、大阪から来たんだよう』

嬉しそうにしているオッチャンと、それを見て喜んでいる看護師さんを見て、今は関東に住んでいるとツッコめずに黙っていた。

それから数ヶ月でオッチャンは亡くなった。

ちょうどコロナの時だったから行けず、今になって行ったのだ。

家に行って、生前好きだったビールを置いて。

一応拝んで。

遺影に「これでも飲みなよ。またな。」と言って。

そのままオッチャンの子供達と飲みに行った。

彼らの話を聞くと、こうだった。

最後病院で会った時には既に誰が誰かわからない状態だった。

認知症が進んで、笑うことも起き上がることもできなくなっていた。

・なのに私が行ったら、私のことを分かっているし、起き上がるし笑ってるし、病院入口まで見送りに行くし、と信じられなかった。

看護師さんに、あんなに楽しそうに会話をしていたのは不思議だ、奇跡のような話だ。と言われた。

こんな内容を不思議だ、不思議だと真剣な顔で言われ、こちらも何だか不思議な気分だった。

そんな不思議な気分になっていた時、オッチャンの子供のふとした仕草が、オッチャンとリンクした。

【ああ、オッチャンはいないけど、ここにいるんだ。この人はオッチャンじゃないけど、やっぱりオッチャンの子供なんだ。】

そんな事を考えていると

『XXちゃん、いままで挨拶しかしたことなくて、実際のところは初めて話ししたけど、楽しかったよ。また声かけてな、飲みに行こう!』

と言い、去っていった。

その姿がオッチャンに瓜二つだった。

なぜだか今更、「ああ、本当にオッチャンは死んだんだ」と、涙が溢れてきた。

涙をハンカチで拭きながら、鼻水をマスクで隠しながら、さっさとホテルの部屋に戻った。

オッチャンが繋いでくれたこの縁は、大事にしなくちゃならないなと、思った。

2020-07-01

anond:20200701151300

卒業するべきっつーか、自然卒業する

何だかんだで大人中年)向けのアニメって

からあってファン層が中年になった、ってもの以外では無いもん

あとは精々子供と一緒に見てるって程度

子供も親と一緒に見なくなる歳になるとそのまま離れる

旅が終わる気がする

私の故郷はとても寒い場所にあって、そこで大人になるまで暮らしていました。

事情があって町を出てから初めて、あぁ、私はここから本当に離れたかったのだなと気がつきました。

一人暮らしを始めた日は大雨警報が出ていて、ラジオから空港で足止めになった人がインタビューを受ける声が聞こえました。

これから暮らす知らない街は嫌がらせのように道が入り組んでいて、番地の順番はひどく不規則でした。土砂降りの中、散々迷ってほうほうのていでアパートに辿り着いたとき、私は全身ずぶ濡れで、まるで服のままシャワーを浴びたかのようでした。

電気がまだ通っていなかったので部屋の中は真っ暗でした。ドアを開けると、安くて古い家特有匂いがして、一歩進むごとに床がぎしぎし鳴りました。アパート廊下の灯りに照らされて、自分だけの部屋に一人佇む私のシルエットが浮かぶのが見えました。

それを見た瞬間、お腹の底からわーっと力強いエネルギーのようなものが湧き上がってきました。

半径数十、いや数百キロメートル圏内には私のことを知っている人はたぶん誰もいなくて、その事実はしびれるような幸福感をもたらしてくれました。

****

それから数年間、色々な街を転々としてきました。

色々な街に住むための行動を起こしたのではなく、そのときどきで必要な行動をした結果色々な街に住むことになったのですが、

無意識のうちに移動を伴うような選択をしてきたのかもしれません。

夜の車窓から見える街の明かりのせいで心細くなるので、旅は好きではありませんが、

知らない街でそこの住人に擬態して生活するのはとても楽しいことでした。

その土地の美しい景色独自生活様式、特徴的な食べ物、そしてそこに住む人々について知るたびに、自分がまるで文化人類学者であるかのような気がしました。

そして、

何か嫌なことがあったり、滅多にないことでしたが人間関係にまつわるトラブルに見舞われたとき

最悪引っ越せばいい、と思えるようになってからは、悲しい気持ちや、人への執着や、期待といったものを水に流すことができるようになりました。

****

今の街に来てから、もう四年間が経ちました。

適度に都会だけれども人々にはよそよそしさがなく親しげで、食べ物も美味しくて、とてもいいところだと思います

ですが、しばらく同じ場所に住んでいると何だか息苦しくなってきて、変化が欲しくなってきます

本来ならばこんなに長くここにいるつもりはなかったのですが、なぜ留まり続けているかというと我ながら陳腐だなぁと少し呆れるのですが、好きな人ができたからです。

ここに来てしばらくして知り合ってすぐ好きになってしまったのですが、半ば世捨て人のような生活をしてきたので自分に自信がなく、そのため何らかの働きかけをする勇気が出ませんでした。なので、特別関係になりたいとは考えていませんでした。

そう思っていたのですが、ちょっとしたきっかけでとても親しくなって、一年ほど前からお付き合いしています

その人は、私と雰囲気は少し似ているのですが、

穏やかで、よく考えてからゆっくり話すタイプで、生まれからずっとここで暮らしていて、子供の頃からの友人と今でも親しくしていて、とにかくそういった意味全然性質が違う人です。

ずっと一緒にいたいなと思います。真偽のほどは不明ですが、その人も同じように言ってくれます

ある日、一緒に遠出したときに、私たちの住む街を見下ろせる小高い丘のようなところに行きました。

道中で、この街が好きですかと恋人に尋ねました。彼は、好きですねと答えました。

眼下に広がる街の明かりはとても綺麗で、繋がれた手のおかげで心細くなかったのですが、

私はずっとこの街で暮らすのだろうか?本当に?

****

ときどき漠然とした言い知れぬ不安に襲われるのは、私のアイデンティティが脅かされているからだと思います

ずっと同じ場所暮らしていくのなら、これまでのやり方、最悪引っ越せばいいという姿勢はいられません。

それに、恋人と過ごしていると、自分境界がわからなくなるような気持ちになるのでした。

うまく言えないのですが、

一緒にいると、彼の体から出てくる粒子の細かい不思議な粉が私の肺の奥深くまで入り込んで、頭がだんだんぼうっとしてきて、

そうしている間に二の腕やらふくらはぎやらの軟らかい場所から順番に食べられていくようなイメージが浮かびます

最近では、自分無意識のうちに彼のような言動や考え方をしていることがあります

このまま放っておくと、私は恋人この街に徐々に侵食されて、いつか個を失ってしまうのではないかという気がしています

でも、それも悪くないと考える自分もいます。それどころか、むしろそうしたいとすら思っているのかもしれません。最近自分のことがよくわからなくなってきています

だんだんぼんやりしていく頭の中で、今まで暮らしてきた街の景色や人々、初めて一人暮らしをしたときのわくわくするあの感じ、寒くていつも天気が悪い白くて小さな私の故郷ことなどを考えて、

旅をしてきたのではないはずなのに、楽しい旅だったなと、胸のところがすうすうするけれども懐かしくて暖かい気持ちになって涙がこぼれました。

2020-06-30

anond:20200630105219

まぁそれはそれとして。

「持ち手すごいしっとりしてんだけど」

「手汗がね・・・

というやり取りが何だか良かった。

その後の展開ための単なる布石と言えばそうなのだけど、

二人が同じ温度感自然に話せていて、気負わず、打ち解けている感じがした。

2020-06-29

二次元無責任中出しに対してあまり良い感情を持てなくなった

オラッ!孕めッ!って竿役は無責任中出しするけどもし万が一子供が出来ちゃったら女の子人生が狂っちゃうよね

そりゃ中絶って手段もあるけど中絶は下手すると二度と子供を作れなくなる可能性もあるそうだし、赤ん坊を殺してしまうのも何だか抵抗感があるし…

まあレイプ目ボテ腹で虚ろな笑顔を浮かべてる女の子も勿論好きだけどさ、竿役がキチンとゴムを付けてるとこの人紳士だな…ってそれだけで好感持てるようになっちゃった

誰が弁当つくったっていいだろ

妻と幼稚園の子ども2人の4人暮らし

おれは趣味裁縫なので、子どもの手提げかばんだとかエプロンやら何かのケースやら、

幼稚園必要だと言われるのが楽しみで、そのたびに針でちくちく作ってた。

あと、料理趣味なので、結婚以来、朝飯と土日の3食はオレにやらせろ、と言ってきたし

可愛い弁当を作るのも楽しいので、子ども幼稚園に通いだしてから1年近くずっとお弁当を作らせてもらってた。

これは趣味なので、決して誰かにやらされて嫌々というわけではなく

毎日子どもが「昨日のお弁当可愛いかった!みんなすごいって言ってた!」とか言ってくれればうれしいし、

幼稚園から何かの入れ物を作って持ってこいというお知らせが来れば、「ふふふ・・・腕が鳴るぜ・・・」と

子どもと一緒にデザインを考えたりしてキャッキャやるのも含めて楽しかったのだが、

先日妻に「子どもエプロンとか手提げとかは、もうネットで買うから。もう作らなくてよい」

「お弁当はもう幼稚園給食を頼むから、作らなくてよい」と言われてしまった。

あなたも忙しいのに何だかいからとか言っていたが、半分趣味でやってんだから大変だなんて思ったこと無いし

子どもも喜んでるんだからいいじゃん、と言ったところ、泣き出してしまった。

幼稚園で「あそこのウチはママではなくてパパがお弁当や手提げを作ってる」ということから

「あそこんちの奥さん主婦として無能なのでは」というヒソヒソ話をされている、というのが妻の言い分。

まあ、確かに近所のママさんに「○○ちゃんのお弁当可愛いって幼稚園で有名ですよ!」とか

「きょうの○○ちゃんワンピース旦那さんが作ったんでしょ?すごいわ!」とか言われたら

うれしいんだが、べつに妻が何もしないからやっている訳ではなく、やるのが好きだからやってるだけ。

本当にヒソヒソ話をされているのかどうかも分からないし(ストレスでそう感じているだけかもしれない)、

もし本当ならほっときゃいいじゃねえか、何にもできないパパよりよっぽどいいじゃねえかと思うのだが。

妻は訳も分からず傷ついて、

子どもは楽しみにしているパパの弁当を食べられなくなり

おれは溢れるクリエティティを発揮する場所を失っている。

なんだか誰も得しないことになってる。

とても大きなごん狐

 これは、私が小さいときに、村の茂平というおじいさんからきいたお話です。

 むかしは、私たちの村のちかくの、中山というところに人類を守るためのお城があって、中山さまという将軍さまが、おられたそうです。

 その中山から、少しはなれた山の中に、「ごん狐」という狐がいました。ごんは、一人ぼっちゴジラよりも大きな狐で、しだの一ぱいしげったアマゾンのような原生林の中に穴をほって住んでいました。そして、夜でも昼でも、あたりの村へ出てきて、いたずらばかりしました。はたけへ入って東京ドーム十個分の芋をほりちらしたり、菜種油の貯めてあるタンクへ火をつけて村を焼き払ったり、百姓家の裏手に建っている発電用風車の羽をむしりとっていったり、いろんなことをしました。

 或秋のことでした。二、三年雨がふりつづいたその間、ごんは、外へも出られなくて穴の中にしゃがんでいました。

 雨があがると、ごんは、ほっとして穴からはい出ました。空はからっと晴れていて、ごんが穴からたことを知らせる警戒警報が地の果てまできんきん、ひびいていました。

 ごんは、村を流れる黄河十倍ぐらいある川の堤まで出て来ました。あたりの、すすきの穂には、まだ雨のしずくが光っていました。川は、いつもは水が少いのですが、三年もの雨で、水が、どっとまし、辺りの村々は全て水没していました。ただのときは水につかることのない、川べりの大きな鉄塔や、世界一長い橋が、黄いろくにごった水に横だおしになって、もまれています。ごんは川下の方へと、すっかり水没した高速道路を歩いていきました。

 ふと見ると、川の中にシュワルツネッガーを百倍屈強にしたような人がいて、何かやっています。ごんは、見つからないように、そうっと原生林の深いところへ歩きよって、そこからじっとのぞいてみました。

「兵十だな」と、ごんは思いました。兵十はその名の通りグリーンベレーの選りすぐりの兵隊十人を瞬殺したという人類最強の男で、盛り上がった筋肉によってぼろぼろにはち切れた黒いきものをまくし上げて、腰のところまで水にひたりながら、魚をとる、総延長五十キロに及ぶ定置網をゆすぶっていました。はちまきをした顔の横っちょうに、お盆が一まい、大きな黒子みたいにへばりついていました。

 しばらくすると、兵十は、定置網の一ばんうしろの、袋のようになったところを、水の中からもちあげました。その中には、車や家や橋の残骸などが、ごちゃごちゃはいっていましたが、でもところどころ、白いものきらきら光っています。それは、鯨ぐらい太いうなぎの腹や、ジンベエザメぐらい大きなきすの腹でした。兵十は、体育館ぐらいの大きさのびくの中へ、そのうなぎやきすを、ごみと一しょにぶちこみました。そして、また、袋の口をしばって、水の中へ入れました。

 兵十はそれから、びくをもって川から上りびくを山の峰においといて、何をさがしにか、川上の方へかけていきました。

 兵十がいなくなると、ごんは、ぴょいと原生林の中からとび出して、びくのそばへかけつけました。ちょいと、いたずらがしたくなったのです。ごんはびくの中の魚をつかみ出しては、定置網のかかっているところより下手の川の中を目がけて、大谷翔平投手のような豪速球でびゅんびゅんなげこみました。どの魚も、「ドゴォォォン!」と音を立てながら、にごった水の中へもぐりこみ、大きな水柱を立てました。

 一ばんしまいに、太いうなぎをつかみにかかりましたが、何しろぬるぬるとすべりぬけるので、手ではつかめません。ごんはじれったくなって、頭をびくの中につッこんで、うなぎの頭を口にくわえました。うなぎは、キュオオオオオオンと超音波のような叫び声を上げてごんの首へまきつきました。そのとたんに兵十が、向うから

「うわア石川五右衛門アルセーヌ・ルパン怪盗セイント・テールを足して三で割らない大泥棒狐め」と、地球の裏側でも聞こえるような大声でどなりたてました。ごんは、びっくりしてとびあがりました。うなぎをふりすててにげようとしましたが、うなぎは、ごんの首にまきついたままごんを縊り殺さんと巨大重機のような力で締めあげてはなれません。ごんはそのまま横っとびにとび出して一しょうけんめいに、超音速旅客機コンコルド並みの速度でにげていきました。

 ほら穴の近くの、ごんの挙動監視するためのセンサーの下でふりかえって見ましたが、兵十は追っかけては来ませんでした。

 ごんは、ほっとして、象ぐらいの大きさのうなぎの頭をかみくだき、なおも圧搾機のような力で締めあげてくる胴体を渾身の力でやっとはずして穴のそとの、草の葉の上にのせておきました。

 十日ほどたって、ごんが、大日本プロレス代表する悪役レスターである地獄カントリーエレベーター”弥助の家の裏を通りかかりますと、そこの、いちじくの木で懸垂をしながら、弥助が、おはぐろをつけていました。総合格闘技界の若きカリスマ、”溶接王”新兵衛の家のうらを通ると、新兵衛がダンベルを上げながら髪をセットしていました。ごんは、

「ふふん、格闘技村に何かあるんだな」と、思いました。

「何だろう、異種格闘技戦かな。異種格闘技戦なら、プレスリリースがありそうなものだ。それに第一、告知ののぼりが立つはずだが」

 こんなことを考えながらやって来ますと、いつの間にか、表に手掘りで地下30キロまで掘り抜いた赤い井戸のある、兵十の家の前へ来ました。その大きな、兵十が歩くたびに立てる地響きによってこわれかけた家の中には、大勢の人があつまっていました。よそいきのコック服を着て、腰に手拭をさげたりした三ツ星シェフたちが、厨房で下ごしらえをしています。大きな鍋の中では、本日メインディッシュである比内地鶏胸肉の香草和え~キャビアを添えて~”がぐずぐず煮えていました。

「ああ、葬式だ」と、ごんは思いました。

「兵十の家のだれが死んだんだろう」

 お午がすぎると、ごんは、村の墓地へ行って、坐像としては日本一の高さの大仏さんのかげにかくれていました。いいお天気で、遠く向うには、ごんから人類を守るためのお城の大砲が光っています墓地には、ラフレシアより大きなひがん花が、赤い布のようにさきつづいていました。と、延暦寺東大寺金剛峯寺増上寺永平寺など日本中の名だたる寺から一斉に、ゴーン、ゴーン、と、鐘が鳴って来ました。葬式の出る合図です。

 やがて、世界各国から集った黒い喪服を着た葬列のものたち七十万人がやって来るのがちらちら見えはじめました。話声も近くなりました。葬列は墓地はいって来ました。人々が通ったあとには、ひがん花が、跡形もないほど木っ端微塵にふみおられていました。

 ごんはのびあがって見ました。兵十が、白いかみしもをつけて、3m程の位牌をささげています。いつもは、赤い閻魔大王みたいな元気のいい顔が、きょうは何だかしおれていました。

「ははん、死んだのは兵十のおっ母だ」

 ごんはそう思いながら、頭をひっこめました。

 その晩、ごんは、穴の中で考えました。

レスリング女子世界チャンピオンだった兵十のおっ母は、床についていて、巨大うなぎが食べたいと言ったにちがいない。それで兵十が定置網をもち出したんだ。ところが、わしがいたずらをして、うなぎをとって来てしまった。だから兵十は、おっ母に世界三大珍味を始め、ありとあらゆる有名店の美味しいものは食べさせても、巨大うなぎだけは食べさせることができなかった。そのままおっ母は、死んじゃったにちがいない。ああ、巨大うなぎが食べたい、ゴテゴテに脂が乗って胃もたれがする巨大うなぎが食べたいとおもいながら、死んだんだろう。ちょッ、あんないたずらをしなけりゃよかった。」

 兵十が、世界一深い井戸のところで、指懸垂をしていました。

 兵十は今まで、おっ母と二人きりで、ストイックなくらしをしていたもので、おっ母が死んでしまっては、もう一人ぼっちでした。

「おれと同じ一人ぼっちの兵十か」

 こちらの道場の後から見ていたごんは、そう思いました。

 ごんは道場そばをはなれて、向うへいきかけますと、どこかで、いわしを売る声がします。

いわしやすうりだアい。いきのいいいわしだアい」

 ごんは、その、いせいのいい声のする方へ走っていきました。と、弥助のおかみさんが、裏戸口から

いわしを五千匹おくれ。」と言いました。いわしの仲買人は、いわしつんトラック三百台を、道ばたにおいて、ぴかぴか光るいわしを満載にした発泡スチロール容器を三百人がかりで、弥助の家の中へもってはいりました。ごんはそのすきまに、車列の中から、五、六台のトラックをつかみ出して、もと来た方へかけだしました。そして、兵十の屋敷の裏口から屋敷の中へトラックを投げこんで、穴へ向ってかけもどりました。途中の坂の上でふりかえって見ますと、兵十がまだ、落ちたら骨まで砕け散る井戸のところで小指一本で懸垂をしているのが小さく見えました。

 ごんは、うなぎつぐないに、まず一つ、いいことをしたと思いました。

 つぎの日には、ごんは栗がなった木々を山ごと削りとって、それをかかえて、兵十の家へいきました。裏口からのぞいて見ますと、兵十は、鶏のささみ肉十キロの午飯をたべかけて、茶椀をもったまま、ぼんやりと考えこんでいました。へんなことには兵十の頬ぺたに、かすり傷がついていますボクシング世界ヘビー級王者と戦った時も傷一つつかなかった兵十の顔にです。どうしたんだろうと、ごんが思っていますと、兵十がひとりごとをいいました。

「一たいだれが、いわしトラックなんかをおれの家へほうりこんでいったんだろう。おかげでおれは、盗人と思われて、いわし仲買人のやつに、ひどい目にあわされかけた。まさかトラック三百台が一斉に突っ込んでくるとはな。受け止めるのはなかなか骨だったぞ」と、ぶつぶつ言っています

 ごんは、これはしまったと思いました。かわいそうに兵十は、いわし仲買人にトラック三百台で突っ込まれて、あんな傷までつけられたのか。

 ごんはこうおもいながら、そっと兵十の三十年連続総合格闘技世界王者防衛を記念して建てられた東洋一の大きさを持つ道場の方へまわってその入口に、山をおいてかえりました。

 つぎの日も、そのつぎの日もごんは、山を丸ごと削り取っては、兵十の家へもって来てやりました。そのつぎの日には、栗の山ばかりでなく、まつたけの生えた松の山も二、三個もっていきました。

 月のいい晩でした。ごんは、ぶらぶらあそびに出かけました。中山さまのお城の下を間断なく降り注ぐ砲弾を手で払いのけながら通ってすこしいくと、非常時には戦闘機が離着陸するために滑走路並みに広くなっている道の向うから、だれか来るようです。話声が聞えますチンチロリンチンチロリンと緊急警報が鳴っています

 ごんは、道の片がわにかくれて、じっとしていました。話声はだんだん近くなりました。それは、兵十と加助というムエタイ世界王者でした。

「そうそう、なあ加助」と、兵十がいいました。

「ああん?」

「おれあ、このごろ、とてもふしぎなことがあるんだ」

「何が?」

「おっ母が死んでからは、だれだか知らんが、おれに大量の土砂を、まいにちまいにちくれるんだよ」

「ふうん、だれが?」

「それがはっきりとはわからんのだよ。おれの知らんうちに、おいていくんだ」

 ごんは、ふたりのあとをつけていきました。

「ほんとかい?」

「ほんとだとも。うそと思うなら、あした見に来いよ。俺の屋敷を埋め尽くす土砂の山を見せてやるよ」

「へえ、へんなこともあるもんだなア」

 それなり、二人はだまって歩いていきました。

 加助がひょいと、後を見ました。ごんはびくっとして、小さくなってたちどまりました。加助は、ごんには気づいていましたが、そのままさっさとあるきました。吉兵衛という館長の家まで来ると、二人はそこへはいっていきました。ポンポンポンポンサンドバッグを叩く音がしています。窓の障子にあかりがさしていて、兵十よりさらに大きな坊主頭うつって動いていました。ごんは、

連合稽古があるんだな」と思いながら井戸そばにしゃがんでいました。しばらくすると、また三万人ほど、人がつれだって吉兵衛の家へはいっていきました。千人組手の声がきこえて来ました。

 ごんは、吉兵衛館長主催の一週間で参加者の九割が病院送りになるという連合稽古がすむまで、井戸そばにしゃがんでいました。兵十と加助は、また一しょにかえっていきます。ごんは、二人の話をきこうと思って、ついていきました。中山将軍が最終防衛ライン死守のために投入した戦車部隊ふみふみいきました。

 お城の前まで来たとき、振りかかる火の粉を払いながら加助が言い出しました。

「さっきの話は、きっと、そりゃあ、怪獣のしわざだぞ」

「まあそうだろうな」と、兵十は飛んできた流れ弾をかわしながら、うんざりした顔で、加助の顔を見ました。

「おれは、あれからずっと考えていたが、どうも、そりゃ、人間じゃない、怪獣だ、怪獣が、お前がたった一人になったのをあわれに思わっしゃって、いろんなものをめぐんで下さるんだよ」

「そうかなあ」

「そうだとも。だから、まいにち怪獣お礼参りをするがいいよ」

「無茶を言うな」

 ごんは、へえ、こいつはつまらないなと思いました。おれが、栗や松たけを持っていってやるのに、そのおれにはお礼をいわないで、怪獣にお礼をいうんじゃア、おれは、引き合わないなあ。

 そのあくる日もごんは、栗山をもって、兵十の家へ出かけました。兵十は道場で縄登りのトレーニングを行っていました。それでごんは屋敷の裏口から、こっそり中へはいりました。

 そのとき兵十は、ふと顔をあげました。と狐が屋敷の中へはいったではありませんか。こないだうなぎをぬすみやがったあのごん狐めが、またいたずらをしに来たな。

「ようし。」

 兵十は立ちあがって、中山の城に設置してある、対ごん戦に特化して開発された砲身長30mの520mm榴弾砲をとってきて、火薬をつめました。

 そして足音をしのばせてちかよって、今門を出ようとするごんを、ドンと、うちました。ごんは、びくともしませんでした。兵十は五百発ほど打ち込みました。ごんはかすり傷一つ負っていません。兵十は榴弾砲を剣のように構えると、ごんの足に五千連撃を叩き込みました。ようやくごんは足をくじいてばたりとたおれました。兵十はかけよって来ました。家の中を見ると、家の大部分が栗山で押しつぶされているのが目につきました。

「おやおや」と兵十は、うんざりした顔でごんに目を落しました。

「ごん、やはりお前だったのか。いつも栗山をくれたのは」

 ごんは、お礼を言われることを期待したきらきらした目で、うなずきました。

 兵十は榴弾砲を地面に叩きつけました。青い煙が、まだ筒口から細く出ていました。

他人の反応欲しさにどんどん変な事や過激な事を言おうとしてるのが何だか自覚出来てきた

承認欲求って怖いな…誰にも期待されてないくらいが丁度良いのさの精神でありたいけど

ネットでさえ誰にも反応されない独り言を呟いてるだけ、って状況は孤独感でどうにかなりそうだし…

承認欲求を拗らせるのは女神様だけで十分だよ…

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