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はてなキーワード: 一人ぼっちとは

2021-05-06

休暇でコメダに行って少しだけ人間性を取り戻した話

社会人2年目。

有給休暇申請5月9日までの長期連休を生成。

GW中は程々に遊んで、なとなく今日ゆっくりしようかなぁ~という気分の中、

普段はなかなか行けないコメダ珈琲で、普段は買うだけでなかなか読めない本を消化することに。

10時ごろにお店についていい気分だったけれども、お昼時にもなるとお店が混んできた。

店員さんの良く通る声で、番号札をとって案内待ちのお客さんがいることに気づいた。

気を利かせたつもりになって、そそくさとお店を出る準備をしてお会計に向かう。

案内待ちのお客さんへ目が行き、気が付く。

座って順番を待っているのはことごとくおじいさん,おばあさんだった。

よくよく店内を見回すとみんな中年からおじいちゃんおばあちゃんと呼ぶのが適当な方々。

心の中で悪態をつく。

「こいつらはいつでも来れるじゃん、どうしてたまにしか来れない俺が気を利かせて出ていかなきゃならんのだ」

「これが愛想のいいご夫婦や、素敵なお姉さんだったら...」なんて考えるとまた気が付く。

見返りを求めて行動していたこと。見返りがなく腹を立ててしまたこと。自分自身が思っていたよりも攻撃的だったこと。

本当は向かいのおばさんみたいにずっと居座て夕方まで本を読んでいたかった。

他人の見よう見まねで勝手に精一杯になって、それが自分の思い通りの結果にならなくて...。

自分のやりたいこともできない上に、こんな惨めな思いをするなんて。

はじめこそ腹が立ってどこかに老人の悪口拡散して、このもやもやを発散しようかと考えていた。

だけれど悪口を考えている間に、自分のことでしか自分を語れない自分あほらしくなってしまった。

自分はこれだけした、だからお前らもこれくらいするのは当然」

いつからこんな考えの人間になってしまったんだ。

今回の件もまた別の機会にコメダ行けばいいだけだしね。なんら大したことはないんだよね。

ただこうした気づきをもたらしてくれたのはGWと休暇のおかげ。

以前からこうした自己中心的気質はあったのだけれど、一時期はずいぶんマシになっていた。

ただ今回は4月から一気に仕事が増えてパンクしかけていたし、相当余裕がなかったんだと思う。

何よりきつかったのは もの凄く良いことがあってもすぐに悪いが起こるので、結局毎日ストレス不安さらされていたこと。

次点会社都合で見知らぬ田舎に飛ばされて一人ぼっちなこととか。

余裕はマジで大事

余裕をください。

2021-05-05

寝落ち通話相手に付き合ってもらえない

わたし:

30代前半女 一応社会人 彼氏いない歴3年 精神障害者

相手:

20代後半男 学生 恋人にふられたばかり メンヘラ

3年前に付き合ってた元彼の知り合い

男にふられて自暴自棄になったタイミング相手恋人にふられたタイミングがちょうど同じだった。

一晩通話して、お互い一人ぼっちからとりあえず孤独ごまかすために一緒にいてみようか(≠付き合う)という話になった。

その後ほぼほぼ毎晩寝落ち通話をして、1週間くらい過ぎたときに会うことになった。

ご飯を食べたあと相手の家に直行して、私から求めてセックスをした。

相手から私さえ気持ちよければいいという気持ちが伝わってきて、ああ私は相手から求められていないんだなと悲しくなった。

会ってもう数日したら相手が好きになってしまっていて、付き合ってほしいと伝えたら今のところ恋愛対象として見ていないと言われてしまった。

寝落ち通話をしては翌朝のんびり話したりして、相手生活の一部になってしまっていて、この生活相手未来恋人に奪われるのが怖くなってしまった。

それからも何度か好きだ、どうか私のことも好きになってほしいと伝えたけれども

恋人としてじゃないけれども好きではある、恋愛対象として見るには私のことを知ることが必要だとか

一緒に何らかの困難を乗り越える必要があるだとかでほんのり期待を持たされる断り方をされている。

先日相手が家に来たときスキンシップをとっても嫌がられないどころか頭をなでてもらったりした。幸せだった。

どうしてこれだけ近いところにいるのに付き合ってもらえないんだろう。

相手がつらいときは私に声をかけてくれるし、私も彼がつらいときは優先して話を聞いている。

正直付き合ったところで今の関係とどう変わるのかという思いもあるんだけれど、

やはり今の関係相手未来恋人に奪われてしまうのが怖くて仕方がない。

すっぱり諦めさせてもらえるのならそれがいいとすら思う。

2021-04-30

anond:20210430165703

むかしか

一生懸命頑張ると

だれかが、呪う

から、どうにかして、一人ぼっちにならないといけない 哀れだなと思う

みんな、どうして僕を

呪うの?

帰る場所

止まった風の風景

探しに行こうと声掛けて

誰かと

並んで来た筈が

つのまにか一人ぼっち


風の匂いを思い出す

緑いろに光は消えて

並んで来た筈誰かさん

気が付いた時一人ぼっち


川の音から思い出す

全く思い出せないことを

夢の川路の夢路より

流れてきたのは誰だっけ


夢の夢夜の川路より

流れてきたのは誰だっけ

2021-04-22

anond:20210422174655

そもそもアメリカより2桁も被害が少ない日本が、アメリカ禁酒法並みの騒ぎという段階で

 

みんなで引きこもって、うつうつくしく会話もしないで黙々と食事してくれ

どうなるか?

からないわけがない

会話しないで、一人ぼっち食事したら免疫力がどうなるか、医者がわからないわけがない、それでもいうのだから、なにかがある。

わかるまでは従うしか無い

2021-04-09

一人ぼっち休日

一人暮らしだけど、ここ数年はずっと近所に住む友人が土日を一緒に過ごしてくれていた

明日明後日は友人に予定があるらしく、久しぶりに一人で休日を過ごすことになる

コロナ禍でなければ実家に帰っていたけれどもそういうわけにもいかないので、一人でなんとかするしかない

寂しいけど人と繋がれる何かがなく(一人暮らしライン嫌い、ツイッターもほぼ誰ともつながってない)、どうしたらいいのかって今更思い悩んでる

一人暮らしのみんな、コロナ禍で休日何してるの?

2021-04-05

多分一生独り身だと思う

親が亡くなって一人ぼっちになったので、周りから早く結婚しろと言われることが増えた。

多分自分アセクシャルだし結婚願望もない。

でも自分に何かあればペット心配だし、同居人はほしいかな〜って願望は少し湧いてきて、友情結婚とかも調べた。

でも色々考えてたら他人をそこまで信じられるか?ってところに落ち着いてしまった。

そもそも結婚願望がない理由ひとつが親戚とのトラブルで、血縁関係を作りたくないって気持ちがずっとある

同居人ができたとして色々なものが共用物になることに耐えられるか、うまく行かず解消することになったらどんなトラブルになるか。

とか考えてたら無理だなってなった。

別に他人を信じられないほど疑い深いわけじゃない。

友達としてなら信じられるけど、家族としては信じられないだけ。

って考えてたら結婚する人間すげえな〜って思った。

赤の他人だった人間と金や物を共有できるのすごいな。赤の他人を親戚にするのもすごい。僕にはとてもできない。

2021-03-26

35歳のSEゲーム実況者に嫉妬して自分人生に泣いた

ゲーム実況YouTubeを酒を飲みながら見ている。

仕事が忙しい自分の代わりに手軽にゲームを楽しめるし

一人ぼっち空間が気にならなくなっていく。

ゲーム実況YouTuberは、多くの広告収入を得るが、生殺与奪の権YouTubeに握られている、

芸能人のような、はたまた不安定ギャンブラーのような、別世界人間たち。

そんな不安定世界にに身を置く人々を遠い目で見ながら過ごしていた。

スマホには知らんYouTuberが売春逮捕されたとニュースが流れていく。

それなりに忙しく中間管理職をしている、安定した会社員である自分とは、縁のない生き方だと画面越しに楽しんでいた。


しかし、ある日突然その心は打ち砕かれた。

とあるタイトルの実況を見てるうちに、フルコンというゲーム実況者を見つけた。

操作がうまく、落ち着いたトークが心地よい。登録者15万人くらいの中堅クラス配信者ところだろうか。

いい実況者を見つけたな、とテキトー動画再生しているうちに偶然知ってしまった。


彼は、SEだったのだ。

フリーランスSEで、仕事をしながらYouTuberをやっていたのだ。


自分が「配信者は収入生活不安定からな、スキルを身に着けて会社員やってる自分のほうが安牌だ」なんて浸ってたら

安定もスキル武器にしたまま、YouTuberで活躍している存在発見してしまった。

たとえ今後ゲーム実況がうまくいかなくなっても、彼はきっと普通に生活していくのだろう、

安定を手にしたまま、ゲーム実況者という不安定の海をぐんぐん泳いでいたのだ。


急に喉の奥が詰まる感覚がした。知るのが怖いのに、彼について知りたくなった。検索が止まらない。

彼には、嫁さんと子供がいた。とても仲良さそうな家族動画リストの下に並んでいた。

自分が「仕事が忙しいから」と言い訳しながら遠ざけていた、恋愛家族すらも手に入れていた。

彼は、バンドもやっていた。そこそこ人気らしく、アニメ主題歌も手掛けたり、全国ツアーを回ったりしていた。

ギターボーカルみたいな目立つポジションじゃない、堅実な屋台であるドラム担当

自分学生時代ベースをやっていたのに、結局うまく声をかけられなくてバンドも組めず、ひとり延々と練習していた。

彼は、友達もたくさんいて、いつも楽しそうにみんなでゲームしていて、ゲームうまいから芸能人ともコラボしていた。

楽しそうに、いろんなものを手に入れていた。


泣いてしまった。一人の部屋で声を上げながら泣いた。

自分が誇示していた「安定」とはいったい何だったんだろう、何のために生きていたんだろう。

本当は、何かになりたかったのではないのか。ゲーム実況だって、本当は自分がやりたかったんだろ?

そんな生き方が、実はうらやましかったんだろ?「不安定」というレッテルを貼って、見て見ぬ振りしてただけだろ?

いつも「忙しいから」で言い訳して、いつも何も挑戦しなかった。失敗するのが怖かった。ゲーム実況も、恋愛も、友人関係を広げることも、何もかも。

新卒で入った会社SEとして偶然そこそこ認められただけで、それだけに必死につかまってプライドを守っていた。

そんなちっぽけな自分を、直視できなかったんだろ?


すべてを、自分のほしかったすべてを持った存在を見つけてしまった。


もう少し落ち込んだら、次こそは、次こそは行動に移したい。安定にしがみつきながら、不安定に挑戦したい。

まずは久しぶりにゲームを買うところから始めたい。




2021-03-22

孤独

当時私は二十五歳の青年で、丸まるの内うちのあるビルディングオフィスを持つ貿易商合資会社S・K商会のクラークを勤めていた。実際は、僅わずかばかりの月給なぞ殆ほとんど私自身のお小遣こづかいになってしまうのだが、と云ってW実業学校を出た私を、それ以上の学校へ上げてくれる程、私の家は豊ゆたかではなかったのだ。

 二十一から勤め出して、私はその春で丸四年勤続した訳であった。受持ちの仕事会計の帳簿の一部分で、朝から夕方まで、パチパチ算盤そろばんだまをはじいていればよいのであったが、実業学校なんかやった癖に、小説や絵や芝居や活動写真がひどく好きで、一いっぱし芸術が分る積つもりでいた私は、機械みたいなこの勤務を、外ほかの店員達よりも一層いやに思っていたことは事実であった。同僚達は、夜よな夜なカフェ廻りをやったり、ダンス場へ通かよったり、そうでないのは暇ひまさえあればスポーツの話ばかりしていると云った派手はでで勇敢で現実的な人々が大部分であったから、空想好きで内気者うちきものの私には、四年もいたのだけれど、本当の友達は一人もないと云ってよかった。それが一際ひときわ私のオフィス勤めを味気あじきないものにしたのだった。

 ところが、その半年ばかり前からというものは、私は朝々の出勤を、今迄いままで程はいやに思わぬ様になっていた。と云うのは、その頃十八歳の木崎初代が初めて、見習みならいタイピストとしてS・K商会の人となったかである木崎初代は、私が生れるときから胸に描いていた様な女であった。色は憂鬱ゆううつな白さで、と云って不健康な感じではなく、身体からだは鯨骨くじらぼねの様にしなやかで弾力に富み、と云ってアラビヤ馬みたいに勇壮うそうなのではなく、女にしては高く白い額に左右不揃いな眉まゆが不可思議な魅力をたたえ、切れの長い一ひとかわ目に微妙な謎を宿し、高からぬ鼻と薄過ぎぬ唇が、小さい顎あごを持った、しまった頬ほおの上に浮彫うきぼりされ、鼻と上唇の間が人並ひとなみよりは狭くて、その上唇が上方にややめくれ上った形をしていると、細かに書いてしまうと、一向初代らしい感じがしないのだが、彼女は大体その様に、一般美人の標準にはずれた、その代りには私丈けには此上このうえもない魅力を感じさせる種類の女性であった。

 内気者の私は、ふと機会を失って、半年もの間、彼女言葉も交わさず、朝顔を見合わせても目礼さえしない間柄であった。(社員の多いこのオフィスでは、仕事共通ものや、特別に親しい者の外は、朝の挨拶などもしない様な習わしであった)それが、どういう魔(?)がさしたものか、ある日、私はふと彼女に声をかけたのである。後になって考えて見ると、この事が、いや私の勤めているオフィス彼女入社して来たことすらが、誠に不思議めぐり合せであった。彼女と私との間に醸かもされた恋のことを云うのではない。それよりも、その時彼女に声をかけたばっかりに、後に私を、この物語に記しるす様な、世にも恐ろしい出来事に導いた運命について云うのである

 その時木崎初代は、自分で結ゆったらしい、オールバックまがいの、恰好かっこうのいい頭を、タイプライターの上にうつむけて、藤色セル仕事着の背中を、やや猫背にして、何か熱心にキイを叩たたいていた。

HIGUCHI HIGUCHI HIGUCHI HIGUCHI HIGUCHI ……

 見ると、レタペーパの上には、樋口ひぐちと読むのであろう、誰かの姓らしいものが、模様みたいにベッタリと並んでいた。

 私は「木崎さん、御熱心ですね」とか何とか云うつもりであったのだ。それが、内気者の常として、私はうろたえてしまって、愚かにも可成かなり頓狂とんきょうな声で、

樋口さん」

 と呼んでしまった。すると、響ひびきに応じる様に、木崎初代は私の方をふり向いて、

「なあに?」

 と至極しごく落ちついて、だが、まるで小学生みたいなあどけない調子で答えたのである彼女樋口と呼ばれて少しも疑う所がないのだ。私は再びうろたえてしまった。木崎というのは私の飛とんでもない思違おもいちがいだったのかしら。彼女彼女自身の姓を叩いていたに過ぎないのかしら。この疑問は少しの間私に羞恥しゅうちを忘れさせ私は思わず長い言葉を喋しゃべった。

あなた樋口さんて云うの? 僕は木崎さんだとばかり思っていた」

 すると、彼女も亦またハッとした様に、目のふちを薄赤くして、云うのである

「マア、あたしうっかりして。……木崎ですのよ」

「じゃあ、樋口っていうのは?」

 あなたのラヴ? と云いかけて、びっくりして口をつぐんだ。

「何なんでもないのよ。……」

 そして木崎初代は慌あわてて、レタペーパを器械からとりはずし、片手で、もみくちゃにするのであった。

 私はなぜこんなつまらない会話を記したかというに、それには理由があるのだ。この会話が私達の間にもっと深い関係を作るきっかけを為なしたという意味ばかりではない。彼女が叩いていた「樋口」という姓には、又彼女樋口と呼ばれて何の躊躇ちゅうちょもなく返事をした事実には、実はこの物語根本こんぽんに関する大きな意味が含まれていたかである

 この書物かきものは、恋物語を書くのが主眼でもなく、そんなことで暇どるには、余りに書くべき事柄が多いので、それからの、私と木崎初代との恋愛の進行については、ごくかいつまんで記すに止とどめるが、この偶然の会話を取交とりかわして以来、どちらが待ち合わせるともなく、私達はちょくちょく帰りが一緒になる様になった。そして、エレベーターの中と、ビルディングから電車停留所までと、電車にのってから彼女巣鴨すがもの方へ、私は早稲田わせだの方へ、その乗換場所までの、僅わずかの間を、私達は一日中の最も楽しい時間とする様になった。間もなく、私達は段々大胆になって行った。帰宅を少しおくらせて、事務所に近い日比谷ひびや公園に立寄り片隅かたすみのベンチに、短い語らいの時間を作ることもあった。又、小川町おがわまちの乗換場で降りて、その辺のみすぼらしいカフェに這入はいり、一杯ずつお茶を命じる様なこともあった。だが、うぶな私達は、非常な勇気を出して、ある場末ばすえのホテルへ這入って行くまでには、殆ど半年もかかった程であった。

 私が淋さびしがっていた様に、木崎初代も淋しがっていたのだ。お互たがいに勇敢なる現代人ではなかったのだ。そして、彼女容姿が私の生れた時から胸に描いていたものであった様に、嬉しいことには、私の容姿も亦また彼女が生れた時から恋する所のものであったのだ。変なことを云う様だけれど、容貌については、私は以前からややたのむ所があった。諸戸道雄もろとみちおというのは矢張やはりこの物語重要な役目を演ずる一人物であって、彼は医科大学卒業して、そこの研究室である奇妙な実験従事している男であったが、その諸戸道雄が、彼は医学生であり、私は実業学校の生徒であった頃から、この私に対して、可成かなり真剣な同性の恋愛を感じているらしいのである

 彼は私の知る限りに於おいて、肉体的にも精神的にも、最も高貴ノーブルな感じの美青年であり、私の方では決して彼に妙な愛着を感じている訳ではないけれど、彼の気難しい撰択に適かなったかと思うと、少くとも私は私の外形について聊いささかの自信を持ち得うる様に感じることもあったのである。だが、私と諸戸との関係については、後に屡々しばしば述べる機会があるであろう。

 それは兎とも角かく、木崎初代との、あの場末ホテルに於おいての最初の夜は、今も猶なお私の忘れ兼かねる所のものであった。それはどこかのカフェで、その時私達はかけおち者の様な、いやに涙っぽく、やけな気持ちになっていたのだが、私は口馴れぬウィスキイをグラスに三つも重ねるし、初代も甘いカクテルを二杯ばかりもやって、二人共真赤まっかになって、やや正気を失った形で、それ故ゆえ、大した羞恥を感じることもなく、そのホテルカウンタアの前に立つことが出来たのであった。私達は巾はばの広いベッドを置いた、壁紙にしみのある様な、いやに陰気な部屋に通された。ボーイが一隅の卓テーブルの上に、ドアの鍵と渋茶しぶちゃとを置いて、黙って出て行った時、私達は突然非常な驚きの目を見交わした。初代は見かけの弱々しい割には、心しんにしっかりした所のある娘であったが、それでも、酔よいのさめた様な青ざめた顔をして、ワナワナと唇の色をなくしていた。

「君、怖いの?」

 私は私自身の恐怖をまぎらす為に、そんなことを囁ささやいた。彼女は黙って、目をつぶる様にして、見えぬ程に首を左右に動かした。だが云うまでもなく、彼女も怖がっているのだった。

 それは誠に変てこな、気拙きまずい場合であった。二人とも、まさかこんな風になろうとは予期していなかった。もっとさりげなく、世の大人達の様に、最初の夜を楽しむことが出来るものと信じていた。それが、その時の私達には、ベッドの上に横になる勇気さえなかったのだ。着物を脱いで、肌を露あらわすことなど思いも及ばなかった。一口に言えば、私達は非常な焦慮しょうりょを感じながら、已すでに度々たびたび交わしていた唇をさえ交わすことなく、無論その外の何事をもしないで、ベッドの上に並んで腰をかけて、気拙さをごまかす為に、ぎこちなく両足をブラブラさせながら、殆ど時間もの間、黙っていたのである

「ね、話しましょうよ。私何だか小さかった時分のことが話して見たくなったのよ」

 彼女が低い透き通った声でこんなことを云った時、私は已すでに肉体的な激しい焦慮を通り越して、却かえって、妙にすがすがしい気持になっていた。

「アア、それがいい」私はよい所へ気がついたと云う意味で答えた。

「話して下さい。君の身の上話を」

 彼女身体を楽な姿勢しせいにして、すみ切った細い声で、彼女の幼少の頃からの、不思議な思出おもいでを物語るのであった。私はじっと耳をすまして、長い間、殆ど身動きもせずそれに聞き入っていた。彼女の声は半なかば子守歌の様に、私の耳を楽しませたのである

 私は、それまでにも又それから以後にも、彼女の身の上話は、切れ切れに、度々たびたび耳にしたのであったが、この時程感銘かんめい深くそれを聞いたことはない。今でも、その折の彼女の一語一語を、まざまざと思い浮うかべることが出来る程である。だが、ここには、この物語の為には、彼女の身の上話を悉ことごとくは記す必要がない。私はその内から、後にこの話に関係を生じるであろう部分丈けを極ごく簡単に書きとめて置けばよい訳である

「いつかもお話した様に、私はどこで生れた誰の子なのかも分らないのよ。今のお母さん――あなたはまだ逢わないけれど、私はそのお母さんと二人暮ぐらしで、お母さんの為にこうして働いている訳なの――その私のお母さんが云うのです。初代や、お前は私達夫婦が若かった時分、大阪川口かわぐちという船着場ふなつきばで、拾って来て、たんせいをして育て上げた子なのだよ。お前は汽船待合所の、薄暗い片隅に、手に小さな風呂敷包ふろしきづつみを持って、めそめそと泣いていたっけ。あとで、風呂敷包みを開けて見ると、中から多分お前の先祖のであろう、一冊の系図書けいずがきと、一枚の書かきつけとが出て来て、その書きつけで初代というお前の名も、その時丁度ちょうどお前が三つであったことも分ったのだよ。でもね、私達には子供がなかったので、神様から授さずかった本当の娘だと思って、警察手続てつづきもすませ、立派にお前を貰もらって来て、私達はたんせいをこらしたのさ。だからね、お前も水臭い考えを起したりなんぞしないで、私を――お父さんも死んでしまって、一人ぼっちなんだから――本当のお母さんだと思っていておくれよ。とね。でも、私それを聞いても、何だかお伽噺とぎばなしでも聞かせて貰っている様で、夢の様で、本当は悲しくもなんともなかったのですけれど、それが、妙なのよ。涙が止めどもなく流れて仕様がなかったの」

 彼女の育ての父親が在世ざいせいの頃、その系図書きを色々調べて、随分本当の親達を尋たずね出そうと骨折ったのだ。けれど系図書きに破けた所があって、ただ先祖名前や号やおくり名が羅列られつしてあるばかりで、そんなものが残っている所を見れば相当の武士さむらいの家柄には相違ないのだが、その人達の属した藩はんなり、住居なりの記載が一つもないので、どうすることも出来なかったのである

「三つにもなっていて、私馬鹿ですわねえ。両親の顔をまるで覚えていないのよ。そして、人混みの中で置き去りにされてしまうなんて。でもね。二つ丈け、私、今でもこう目をつむると、闇の中へ綺麗きれいに浮き出して見える程、ハッキリ覚えていることがありますわ。その一つは、私がどこかの浜辺の芝生の様な所で、暖かい日に照らされて、可愛い赤あかさんと遊んでいる景色なの。それは可愛い赤さんで、私は姉ねえさまぶって、その子のお守もりをしていたのかもしれませんわ。下の方には海の色が真青に見えていて、そのずっと向うに、紫色に煙けむって、丁度牛の臥ねた形で、どこかの陸おかが見えるのです。私、時々思うことがありますわ。この赤さんは、私の実の弟か妹で、その子は私みたいに置去りにされないで、今でもどこかに両親と一緒に仕合せに暮しているのではないかと。そんなことを考えると、私何だか胸をしめつけられる様に、懐しい悲しい気持になって来ますのよ」

 彼女は遠い所を見つめて、独言ひとりごとの様に云うのである。そして、もう一つの彼女の幼い時の記憶と云うのは、

「岩ばかりで出来た様な、小山があって、その中腹から眺めた景色なのよ。少し隔へだたった所に、誰かの大きなお邸やしきがあって、万里ばんりの長城ちょうじょうみたいにいかめしい土塀どべいや、母屋おもやの大鳥おおとりの羽根を拡ひろげた様に見える立派な屋根や、その横手にある白い大きな土蔵なんかが、日に照てらされて、クッキリと見えているの。そして、それっ切りで、外ほかに家らしいものは一軒もなく、そのお邸の向うの方には、やっぱり青々とした海が見えているし、その又向うには、やっぱり牛の臥た様な陸地がもやにかすんで、横よこたわっているのよ。きっと何ですわ。私が赤さんと遊んでいた所と、同じ土地景色なのね。私、幾度その同じ場所を夢に見たでしょう。夢の中で、アア又あすこへ行くんだなと思って、歩いていると、きっとその岩山の所へ出るに極きまっていますわ。私、日本中を隅々まで残らず歩き廻って見たら、きっとこの夢の中の景色と寸分違わぬ土地があるに違いないと思いますわ。そしてその土地こそ私の懐しい生れ故郷なのよ」

ちょっとちょっと」私はその時、初代の話をとめて云った。「僕、まずいけれど、そこの君の夢に出て来る景色は、何だか絵になり相そうだな。書いて見ようか」

「そう、じゃあもっと詳しく話しましょうか」

 そこで、私は机の上の籠かごに入れてあったホテルの用箋ようせんを取出して、備そなえつけのペンで、彼女が岩山から見たという海岸景色を描いた。その絵が丁度手元に残っていたので、版にしてここに掲かかげて置くが、この即席そくせきのいたずら書きが、後に私にとって甚だ重要な役目をつとめてくれ様などとは、無論その時には想像もしていなかったのである

「マア、不思議ねえ。その通りですのよ。その通りですのよ」

 初代は出来上った私の絵を見て、喜ばしげに叫んだ。

「これ、僕貰もらって置いてもいいでしょう」

 私は、恋人の夢を抱いだく気持で、その紙を小さく畳たたみ、上衣うわぎの内ポケットしまいながら云った。

 初代は、それから又、彼女物心ついてからの、様々の悲しみ喜びについて、尽きぬ思出を語ったのである。が、それはここに記す要はない。兎とも角かくも、私達はそうして、私達の最初の夜を、美しい夢の様に過すごしてしまったのである。無論私達はホテルに泊りはしないで、夜更よふけに、銘々めいめいの家に帰った。

2021-03-02

口を聞かない、仲間はずれなどは「いじめ」として糾弾されるべきなのか?

誰でも付き合う人間を選ぶ権利があると思うのよ。ナンパされたら別に無視してもいいし、一緒に草野球をやるメンバーは気の合う人だけで構成していいはずだ。気に入らんやつが混ぜて〜と言ってきてもお断りしていいはずだし、それを咎めるやつはおらんだろう。

そこで思うのが学校において「口を聞かない」「仲間はずれ」がイジメとしてカウントされる件である事務的なやり取りを除けば、気の合う人だけと絡むことが許されるべきだ。「仲間はずれ」をイジメとして加害扱いするのは、「全員と仲良く」あることを強制しているようで、間違っている気しかしない

「仲間はずれ」がイジメとしてカウントされうのは、仲間がいないと学校教育を受けることが難しくなるという「クラス制」のせいではなかろうか。これが大学のように毎度教室を移動し、生徒メンバーが固定されていなければ、別に一人ぼっちであることは教育を受け続けることの支障にはならない(寂しい思いはするかもしれんが、加害行為被害者であるという意識はないだろう)

俺は「クラス制」こそがイジメだと思うのよね。

2021-02-22

anond:20210222100919

昔話に出てくる酒癖悪くて離れて一人ぼっちで住んでるけど村人の危機には猟銃もって一応助けてくれる感じの人っぽい。

2021-02-05

新しい世界や人に出会う度、感じる

あの人が好き。あの人だけが好き。

この心は動かないし奪われない。

 

 

それを実感したいから私はあちこち見聞に行く。

欲張りかな?と思うけど、もしあの人が何らかの理由で突如世界からいなくなったら私は一人ぼっちになってしまう。それはイヤだし不安だし怖いので友人も欲しいと思う。

 

 

一方あの人は私が好きで大事過ぎて他は何もいらなくて私を閉じ込めて全てを縛りつけてずっと手元に置きたいって人だ。

だけど「俺にはそんな権利無いよ」と束縛願望なんて絶対口にしないし行動もしないズルい所もある。

 

 

私は性差無く仲良くしてくれる人は皆大事交流したいんだけど、あの人は昔から私の友人話は聞きたくない、特にから異性の友人は大嫌いだな人だ。

大切で大事な私が自分以外の人と楽しく過ごすのがイヤなんだと思う。そこは想像に固くない。

社交ダンスですらジェラってた)

 

 

からこの最近出会った新しい世界、友人の事は話さないし答えない事にしてし、極力異性の友人の話はしないし、するとしても若干フェイクを入れてた。

が、今回それが裏目に出た。

で、かなり怒らせた。

あの人の視点からしたら99%私が悪い。

客観的に見たらそんな事は無いんだけどね)

 

 

しかし、今回の状況は相当マズい。

色々脳内シミュレーションしてるけど、例え進捗があったとしても今後新しい世界や友人はもう作れないんだろうなって思う。

 

今の世界や友人を全て捨てろと言われ、依存させられ、予備のルートは潰され、自由生活や心はもがれちゃうんだろうなって思うと少し悲しい。

けどフル監視生活になるならそれはそれで嬉しいと思ってしま自分いるから複雑だ…

2021-01-30

フェードアウトされて悲しい

相手気持ちが私にはないかしょうがないんだけど、他に連絡できる人もいないしほんとに一人ぼっちになった

私は誰のことも大切な存在と思えないんだから、人からも大切にされなくても仕方ないよな

気楽でいいんだけどさみしい

2021-01-27

anond:20210127093622

死の間際でも一切家族に会えず、苦しみながら一人ぼっちで死んでいくことになるのがコロナ死。

俺が高齢者ならそんな死に方は嫌だなあ。

2021-01-15

日曜日に死にたくなって、人生が真っ暗闇で

テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ

月曜日仕事をはじめ

火曜日仕事に飽きて

テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ

水曜日一人ぼっち

木曜日はインスタで鬱

テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ

金曜日仕事ばかりで

土曜日仕事ばかりで

テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ

ともだちよこれが私の

一週間の日常です

テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ

2021-01-03

anond:20210102185818

緊急事態宣言のような曖昧ものでなく、「複数名で入れる飲食店特に酒を出してる所は休業を要請する」ってはっきり言った方がいいと思う。

カラオケも一人ならOK複数名での利用はアウト。

一人客中心でも、バーのように店員や客同士で会話がありそうなところは休業。

結局さ、いつからか同グループ内ではマスクなしで飲食していいよ、て間違ったメッセージを出してしまったんだよな。

というか、会話のある場所こそが一番問題だったのにね。

絶対に会話のない一人ぼっちで飯食ってる奴同士をアクリル板で仕切ってる現状は、愚の骨頂と言っていい。

グループ席のテーブル上にこそ、アクリル板を立てるべきだったんだよ。

2020-12-28

弔事

本日はご多用の中、葬儀に参列賜りましたこと心より御礼申し上げます

さて、息子の私がこのような形式張った挨拶をすることに、母は笑っているかもしれません。

生前の母の人柄をご存知の方であれば、想像にかたくないと思います

少しばかり、厳かな式にはそぐわない砕けた挨拶となるかもしれませんが、ご容赦ください。

母は先日、穏やかに息を引き取りました。私はこれまで長く母の顔を見て来れずにおりました。

訃報を受け、対面した母は、記憶の中よりもやや痩せて、静かに眠っておりました。

かに眠る、というのはよく聞く言い回しですが、考えてみれば些か妙な表現です。煩く眠るということがないのですから

しかしながら、母の鼾が聞こえないというのも、妙な感じがしたために、私は母の頬に手を触れて、確かに温度がないことを実感しました。それが、静かに眠るということだと思いました。

母は生前カメラ眼鏡レンズを作る工場へ長年勤めておりました。

熱を持ったガラス薬品にまぶしながらラインに載せる作業をしていたため、指先はいつも荒れていました。

冬場にはあかぎれを起こしながら、家事をこなしていました。

さな頃の私は手の掛かる子供でした。小学生くらいの頃、どうしても学校行きたくない日がありました。

お腹が痛いだのといってはトイレに篭り、熱があるかもと言っては体温を測り、なんでもないと母にばれると玄関先で地蔵になりました。

母は車で私を学校に届けようとしますが、私はてこでも動きませんでした。「置いていってしまうよ、家に一人ぼっちにしてしまうよ」と母は言いました。

実のところ、私は家に一人で留守番するのも怖かったのです。母が一緒に仕事を休んでくれることを期待していたのでした。

母が玄関を出ていってしまったので、「置いてかないで」と、私は泣きそうになりながら、母の後を追って外に飛び出しました。

そのことを今日になり思い出すのは、きっと私が置いていかれてしまったような気持ちいるからなのでしょう。小さい子どものような思いは、この歳になってもあるものです。

しかしながら、母はたくさんのものを残してくれています。お母さん、ありがとう。寂しい思いも含めて、私の大切な荷物です。

故人に代わり、皆様より生前のお付き合いにご厚情いただきしたこと感謝申し上げ、弔事と代えさせていただきます

本日は、誠にありがとうございます

2020-12-17

anond:20201217155710

女はっていうより30歳になるとほとんどの人は親が死んで一人ぼっちになるからだよ

2020-12-14

葛藤

読書したい

勉強したい

仕事を続けたい

料理がしたい

人生は短い

仕事で忙しい

から効率的にやらなきゃ

時間割を作らなきゃ

でもそれは嫌だ

まるで物事に振り回されているようだ

自分をなくしたくない

そんなの楽しくない

世界は悲しみに満ちている

でも僕は色々を楽しむ

それはいいのか

いやだめだ

一人ぼっち

それを改善しないまま

趣味に走るのか

一人でやっても

楽しくないよ

虚しいよ

でも

一人はだめだってのは決めつけだ

時間は過ぎてくよ

もう若くないのに

でも

何でも若いうちにってのは嫌いだ

趣味って意味あるの

それを死ぬまでやって後悔はないの

そうやって

常に未来を見続けるのは馬鹿

やればできるだろう

でも

大事なのは動機なんだ

そうじゃないと

なんにも意味がない

楽しめない

結果を求めてるんじゃない

過程も楽しみたいのさ

二律背反

葛藤

めんどくさい

めんどくさい

2020-12-11

anond:20201211155926

親が死んだ後に一人ぼっちの家に帰ってくる自分想像したら独り身はしんどいと思って結婚したよ

あとは一人暮らし風邪ひいて寝込んだりすると結婚したいって思う人が多い印象

独り言が多い人たち

社会人になって、独り言が多い人が少なくないことを知った

会社で、誰かにしかけてるのかと思ったら、独り言ってのはどきっとする

独り言一人ぼっちの時にしてほしい

制御できてないんだろうか

独り言ボリュームが狂っていて、話しかけているレベル独り言を発したり、唸ったり、いきなり自分の頭を叩き始めるのは、めちゃくちゃ怖いのでやめてほしい

2020-12-07

街の人混みで肩がぶつかってキレるのは教養がないか

果てない草原風がビュビュンと一人ぼっちとどっちが泣きたくなるかで2つ丸をつけられるようになりなよ

それが人間

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