はてなキーワード: 世捨て人とは
正確には12年か
出会った頃の夫は
借金滞納、税金滞納、パチンカス、29才派遣アルバイトという救いようのないクズだった
正社員になるもブラックなんちゃってIT企業で月の手取りは15万
私は私で母を亡くし前の彼氏に裏切られ別れてついでに会社は廃業と借金すらないけど無職
そんな2人が元々夫が生活していた1Kのマンションで暮らし始めた
アルバイトの頃のが手取りがよく約28万程だったようで家賃は7万円
15万の手取りから7万円家賃で消えたら当然生活出来るはずもなく
土日に新宿歌舞伎町にある今は亡きパチンコ屋P店に設定⑥を狙いに並ぶというthe底辺の生活を私達はしていた
それでも夫はパチスロで勝っていた人なので高設定を掴んで生活の足しにする暮らしを2年はしていた気がする
カチカチくんというグッズ片手に丸一日パチ屋で過ごしていた
私はもう世捨て人というか未来をみる気持ちもなく生きていたらいいかなとその2年無職のままだった
確かパチスロにも規制が入って前程勝てなくなり、夫も出向先が変わったことで仕事の方にスイッチが入り毎晩深夜帰宅
私もようやくいろんなことが考えられるようになり派遣として働き始めた
私が考え始めたのは
・滞納している住民税の支払い
・根はすごく真面目
・地頭がいい
・自分のためには何も頑張らない
まずは片付けられるところから住民税は分割して払い、債務整理は司法書士に依頼することにした
借金は元々先輩に騙されて名義を貸して作ったものらしく本人もどれだけあるか把握してなかったのでCICやJICCなどで信用情報を取り寄せた
割愛すると2年かけてすべて精算し運が良かったことにすぐ信用情報も綺麗になった
その間に夫にプロポーズもされた(私が仕向けたようなものだけど)
ただ夫は転職したい会社が出来たらしく英語を勉強し始めたので結婚は先延ばしにした
でもその時働いていた会社の出向先でその企業で働いてる人と知り合い直接面接を通してもらうことが出来た
人事は正直難色を示していたようだけど一次面談の担当だった外国人上司にどうしてもこの人材が欲しいと言ってもらえたのが決定打だったよう
仕事は当然ハードで午前様当たり前、海外出張もあり産後里なしの私は一人で育児することがほとんどだったけどそこは不思議と辛くなかった
そして2021年の今は駅近のタワーマンションを買って家族で幸せに暮らしている
駅近タワーマンションにしたのは利便性といつか地元に帰るために売れるところにしたというだけで別にタワーマンションに住みたかったわけではないけれど
夫と時折10年前はこんな未来まったく想像してなかったよねと話す
10年前は年収270万円1Kの部屋でパチスロで食い繋いでいた私達が
タワーマンションに住んで未来のために積み立てもして子供を育てて暮らしている
いつかタイミングのいいところで今の家から平屋の家に引っ越して穏やかに暮らすことが次の夢
一度も人に話したことがなかったから吐き出してみてスッキリした
夫は現在も努力し続けているし大変そうだけど休みの日に家族で笑って過ごすことはなによりの贅沢だと思ってくれているみたいでよかった
子供が大人に近づいて人生につまづいたらこんな時もあったんだよと話すのはいいかもしれない
おわり
適齢期を過ぎると結婚が難しい、○歳までに結婚しないと、的な言説に違和感があって書く。
なお、子どもについては考えていないので、出産育児の観点は皆無。そこを重視する人には全く参考にならないであろうことは、最初に断わっておく。
10代の頃は、人見知りな性格のせいで、男子生徒と親しくなるということが、そもそもなかった。恋に恋する的なやつで、ほとんど話したことのないイケメンに憧れてみたり、話したこともない男子から告白されて付き合ってみたけどすぐに別れたのが、10代の恋愛と呼べそうな経験のすべて。大学生になって、デートする機会は何度かあったけど、それ以上の進展はなかった。
20代。
就職した職場で出会った人と付き合った。ひと回り年上(婚歴なしの独身)で、会社員だけどちょっと世捨て人ぽい雰囲気があって、ガツガツしていないところが、当時の私にはちょうどよかった。映画や本や音楽や、芸術の鑑賞と、恋愛の温もりを教えてもらった、と思う。結局5、6年付き合って、多分恋愛の時間が終わったのだと思う。生活感がなくて、実年齢より若く見えると思っていたけど、だんだん年寄り臭く感じるようになってきて、理不尽かもしれないけど、旅行先のホテルで、彼が旅行カバンから取り出した着替えがコンビニの白い袋に入っているのを見たとき、なんかすごく嫌になって、それだけが理由ではないけれど、その後別れた。
30代。
環境を変えようと転職して、そこで出会った人を好きになり、時間をかけて仲良くなったつもりで、告白して振られて両想いと思い込んでいたのでびっくりした。世界の見え方が変わったし、どんなに思っても望み通りにならないことがあるんだと知った。おそらくまともな人々は子供の頃から知っていることなのだろうが…。あともう一つ知ったのは、本気で好きな女に対して、草食系な男などいないということ。そんな学びの多い失恋体験ではあったが、失恋は辛かった。新しい恋を求めて、マッチングアプリを始めた。アプリの出会いは玉石混合。「下着泥棒(再犯)で捕まりましたが、今は更生を目指して頑張っています」というメッセージをもらったこともあるし、何度か会って好印象だったけれど、ちょっとした違和感があって、その人のフルネームでググったらお金を騙し取られたという被害が見つかって驚愕したこともあった。けれど、実害(お金、身体、心)は被ることなく、良い出会いもたくさんあり、自分の職場や交友関係だけでは出会うことがなかったような人たちと、食事をしたり、親しく話す時間を過ごせたのは良い体験だった。新幹線に乗って会いに来てくれた人や、ランボルギーニでドライブに連れて行ってくれた人、ミシュランの3つ星レストランでご馳走してくれた人、史跡を案内してくれた人、新しい趣味を始めるきっかけになった人。そのうちの一人と1年ほど付き合って、でも結局別れたりしているうちに30代が終わった。
40代。
改めてマッチングアプリで出会いを探す。そろそろ結婚したくなってきたので(それまでは婚活というよりは恋活。性欲は強くなく、不倫とかセフレとかは嫌で、真面目なおつきあい希望なんだけど、結婚願望が強い人は無理だった)、プロフィールもその方向で作成。1ヶ月で良い人と出会って、数ヶ月デートして、半年くらい付き合って結婚した。価値観が合って、人生で会った誰よりも素の自分でいられる人と結婚することになってよかった。その上、収入は今まで付き合った彼氏たち(平均より少し高いくらい)とは桁違いに高い。
だらだら書いてしまったけれど、女性はある程度の歳を過ぎて独身でいると、「結婚したいのにできない」というキャラか、「結婚なんて必要ないと肩肘張っている」キャラの二者択一を迫られる場面が多くて、それがずっと違和感だった。結婚したい人と出会ったら、結婚したいタイミングになったら、結婚する。結婚したくないわけじゃなく、でも何歳までに結婚したいとかそういうのはない、とずっと思っていたから(それを言うと、後者の強がりキャラに分類されるだけ)。
精神の成熟や経験で、適齢期は人それぞれなので、自分の適齢期で結婚したらいいんじゃないでしょうか。
20代の時に比べたら少なくはなるけれど、若さに群がってくる人に時間を割く必要がなくて、有益な出会いも多い。
私の場合、20代や30代で結婚しなくて本当に良かったと思っている。
相手の問題ではなく、当時は自分自身が未熟過ぎて、自分にふさわしい相手についても、一緒に生きるということにについても、理解できていなかったから。
俺は算数からダメだったぞ!他の科目はまあまあできたけど算数だけはダメ、九九も苦手、分数の計算なんてできねえ、それが俺!
中学入ってからも全然ダメ!方程式なんてわからねえ!幾何学もわからねえし確率もわからねえ!なぜならば九九が苦手で分数の計算もできないから!基礎が出来ねえと全部ダメ!不思議なことに理科はべらぼうに出来たぞ!理数系とか言って理科の才能と数学の才能はセットにされがちだけど、俺は例外なんだと思って生きてきた!理科はできるけど数学はできないニュータイプ、それが俺!
中学のときは数学で4点取ったこともあるぞ!数学苦手だけど授業はちゃんと聞いてたからテスト1問目のお情けの超簡単な小問だけ解けたぞ!
授業はちゃんと聞いてたけど家では1秒も勉強しなかったから数学はマジで出来なかった!
数学できない事とは関係は無いが、中2で学校をバックレてやったぞ!同級生はなぜか俺をぶん殴る、俺をキモがる、味方なんていねえ、どいつもこいつもゴミばっかり、教師共も「タバコの吸い殻が落ちてた」なんて糞しょうもない理由で学年全員呼び出して葬式みたいに説教しやがって、糞喰らえ!あんなとこに居たら気が狂うぞ!
バックレをキメているうちに中3になったぞ!バックレてから1日も中学には行かなかったけど、かーちゃんが泣いて「高校には行ってくれ」と言うので高校受験をしてやったぞ!受験勉強なんてしなかった!したくなかったからな!流石に受験前日にやっと数学の教科書を眺めてみたけどなんも分からなかったぞ!でも何故か偏差値30くらいの高校に入れた!ボーダーフリーってやつだな!ま、俺は数学以外はできるからな!
高校の数学は2クラスに分かれていた!デキる奴のクラスとデキない奴のクラスだ!俺は数学デキないから当然デキないクラス!授業が簡単な分、テストも簡単ってことだろ?ラクできてよかったぜ!
偏差値30の高校の下位クラスだったから流石の俺でもテストの点は悪くなかったぞ!でも因数分解だの二次関数だの三角比だの習ったけど意味はマジでわからなかった!この頃の俺は三角比は0から90度までだと思ってたぜ!でも単位円ってやつを使えば任意の実数度に対して三角比は定義できるんだな!知らなかったぜ!デキるクラスの奴は単位円で習ってたらしいけどな!別に悔しくないけどな!
ところで高校の数学は糞つまらないけど高校の理科は面白い!知ってたか?しかも面白い上に簡単だ!ま、理科の中でも物理って奴だけは因数分解だの二次関数だの三角比だのが出てきてよくわからなかったけどな!
理科ってやつは大学の理学部ってやつか工学部ってやつで勉強できるらしい!理学部は世捨て人みたいな奴が行く所らしい!俺は世を捨ててないから工学部に行くぞ!は?工学部は受験に数学が必要?入学してからも数学ばっかりやる?意味わかんね~~~。この数学とかいうゴミ科目、どこまで俺の邪魔をすれば気が済むんだよ。死ねば?
受験生の偉さは使っているチャートの色で決まるぞ!知ってたか?チャートってのは数学の糞有名な参考書だ!赤チャート、青チャート、黄チャート、白チャートの4種類がある!赤が一番偉くて白が一番ザコ!天地がひっくり返ってもこの序列だけは変わらねえ!大学に入っても、社会人になっても、定年退職しても、あの世に行っても、受験期にどのチャートを使っていたかで偉さが決まる!一番難しい「赤」はガチムズの問題までカバーしている!その次の「青」は東大からそこそこの大学までカバー!黄色はそこそこの大学からそれ以下まで幅広くカバー!白は論外のクソザコ!俺は迷わず白を買ったぞ!ッカー、俺も電車で赤チャート見せびらかしたかったわ~
俺は数学なんて何もできねえ!当時高3だったけど7の段があやふやだった!笑いたきゃ笑え!受験しようと決意したときにセンター試験の数学の模試を受けた!結果は4点!クソワロタ!
でも俺は白チャートで糞みたいに勉強した!電車だと青チャートを持った進学校のエリート共に囲まれて恥ずかしかったけど勉強した!因数分解をして、二次関数をして、三角比をして、三角関数をして、微分をして、積分をして、他にもいろいろやった!やったけどできねえ!ボケが!でも高校の先生につきっきりで教えてもらって白チャートなら少しは解けるようになった!数学のことは嫌いだけど白チャートは好きかもしれない!
俺はセンター試験ってやつを受けた!センター試験は60点が平均になるように問題が作られている!60点取れたら受験生の平均だ!ちなみに偏差値30と言えば下位2%のクソザコ学力らしい!偏差値30の高校で下のクラスの俺が何点取れるかな!結果・・・・・・・・38点!ワロタ!全然出来なくてワロタ!でもなぜか大学受かってワロタ!化学96点でワロタ!生物94点でワロタ!
そのまま大学の講義が始まったぞ!解析学だの線形代数だの意味不明な数学の講義が始まったぞ!特に解析学とかいうのがムズい!突然三角関数を微分し始めておったまげたぞ!三角関数って微分できるんだな!知らなかったぞ!でも三角関数の微分って高校の範囲らしいな!センター試験の対策しかしてなかったから習ってなかった!おったまげた!
みーんな高校で習ってることが俺だけ出来なくてワロタ!俺の数学のデキなさを周りに馬鹿にされそうでビビリ散らかしながら講義を受けて、帰ったら泣きながら復習したぞ!流石に皆大人だから馬鹿にしてくる奴はいなかったけど、ドン引きしてる奴は多かったぞ!そこそこ勉強して単位だけは取ってやった!
そのまま数学使う系の科目は全部単位だけ取って適当に就職して今に至る!今でも仕事で数学は使うけどやっぱり俺は数学が出来ないぞ!
数学とかいう糞科目はいつも俺の人生の邪魔をする!俺が言いたいのは、一生懸命努力すれば苦手な科目もいつかきっとできるようになるよ、なんてお花畑な話ではない!そんなわけあるか!出来ねえもんは出来ねえ!数学なんて人類にわかるわけなかったんだ!人間に数学が出来ないのはネズミが空を飛べないのと同じくらい当然のことだ!だから今数学の勉強してる奴、数学には何も期待するな!出来ねえものは出来ねえ!今数学が出来ない奴は一生出来るようにならないぞ!それでも必死こいて数学を勉強してる奴、お前は偉いぞ!数学の糞野郎はお前のことを絶対に認めないだろうが、俺はお前を認めるぞ!数学デキない奴バンザイ!
MUA(mailer)チェンジしようと思ったけどアドレス帳の移植がうまくいかない。必須項目が空欄になってる行があるのだ。そういえば真面目にアドレス帳なんて作ってこなかったな。まともな社会人なら名刺交換したあとに手入力でせっせとデータ追加するんだろけど( ^ω^)・・・そんなことしてないから、姓名がともに空欄なアイテムが散見。手作業でその行を抜いていくというのも手。しかしこういうギークじゃない作業はやりたくない。どうすっかな?そういって今までずっとあのMUAを使い続けてきたんだよな( ^ω^)・・・正規表現置換でもできそう。姓名は最初の2列に来てるから、「^,,.+\n」を片っ端から削除していけばいいのか?ActiveMailだと姓名+メアドさえあれば食うみたいだから、そうやって姓名すらない行を削除すれば、あとはエクセル作業で最低限フォーマットになるよう手作業で列削除。金輪際2度とメールをやり取りしない人のデータも削除したいけどそれは手作業(非ギーク)になっちゃうもんな( ^ω^)・・・たぶん今の半世捨て人モードだと結構すっきりしたアドレス帳になりそ
私の故郷はとても寒い場所にあって、そこで大人になるまで暮らしていました。
事情があって町を出てから初めて、あぁ、私はここから本当に離れたかったのだなと気がつきました。
一人暮らしを始めた日は大雨警報が出ていて、ラジオからは空港で足止めになった人がインタビューを受ける声が聞こえました。
これから暮らす知らない街は嫌がらせのように道が入り組んでいて、番地の順番はひどく不規則でした。土砂降りの中、散々迷ってほうほうのていでアパートに辿り着いたとき、私は全身ずぶ濡れで、まるで服のままシャワーを浴びたかのようでした。
電気がまだ通っていなかったので部屋の中は真っ暗でした。ドアを開けると、安くて古い家特有の匂いがして、一歩進むごとに床がぎしぎし鳴りました。アパートの廊下の灯りに照らされて、自分だけの部屋に一人佇む私のシルエットが浮かぶのが見えました。
それを見た瞬間、お腹の底からわーっと力強いエネルギーのようなものが湧き上がってきました。
半径数十、いや数百キロメートル圏内には私のことを知っている人はたぶん誰もいなくて、その事実はしびれるような幸福感をもたらしてくれました。
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色々な街に住むための行動を起こしたのではなく、そのときどきで必要な行動をした結果色々な街に住むことになったのですが、
無意識のうちに移動を伴うような選択をしてきたのかもしれません。
夜の車窓から見える街の明かりのせいで心細くなるので、旅は好きではありませんが、
知らない街でそこの住人に擬態して生活するのはとても楽しいことでした。
その土地の美しい景色、独自の生活様式、特徴的な食べ物、そしてそこに住む人々について知るたびに、自分がまるで文化人類学者であるかのような気がしました。
そして、
何か嫌なことがあったり、滅多にないことでしたが人間関係にまつわるトラブルに見舞われたとき、
最悪引っ越せばいい、と思えるようになってからは、悲しい気持ちや、人への執着や、期待といったものを水に流すことができるようになりました。
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今の街に来てから、もう四年間が経ちました。
適度に都会だけれども人々にはよそよそしさがなく親しげで、食べ物も美味しくて、とてもいいところだと思います。
ですが、しばらく同じ場所に住んでいると何だか息苦しくなってきて、変化が欲しくなってきます。
本来ならばこんなに長くここにいるつもりはなかったのですが、なぜ留まり続けているかというと我ながら陳腐だなぁと少し呆れるのですが、好きな人ができたからです。
ここに来てしばらくして知り合ってすぐ好きになってしまったのですが、半ば世捨て人のような生活をしてきたので自分に自信がなく、そのため何らかの働きかけをする勇気が出ませんでした。なので、特別な関係になりたいとは考えていませんでした。
そう思っていたのですが、ちょっとしたきっかけでとても親しくなって、一年ほど前からお付き合いしています。
その人は、私と雰囲気は少し似ているのですが、
穏やかで、よく考えてからゆっくり話すタイプで、生まれてからずっとここで暮らしていて、子供の頃からの友人と今でも親しくしていて、とにかくそういった意味で全然性質が違う人です。
ずっと一緒にいたいなと思います。真偽のほどは不明ですが、その人も同じように言ってくれます。
ある日、一緒に遠出したときに、私たちの住む街を見下ろせる小高い丘のようなところに行きました。
道中で、この街が好きですかと恋人に尋ねました。彼は、好きですねと答えました。
眼下に広がる街の明かりはとても綺麗で、繋がれた手のおかげで心細くなかったのですが、
私はずっとこの街で暮らすのだろうか?本当に?
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ときどき漠然とした言い知れぬ不安に襲われるのは、私のアイデンティティが脅かされているからだと思います。
ずっと同じ場所で暮らしていくのなら、これまでのやり方、最悪引っ越せばいいという姿勢ではいられません。
それに、恋人と過ごしていると、自分の境界がわからなくなるような気持ちになるのでした。
うまく言えないのですが、
一緒にいると、彼の体から出てくる粒子の細かい不思議な粉が私の肺の奥深くまで入り込んで、頭がだんだんぼうっとしてきて、
そうしている間に二の腕やらふくらはぎやらの軟らかい場所から順番に食べられていくようなイメージが浮かびます。
最近では、自分が無意識のうちに彼のような言動や考え方をしていることがあります。
このまま放っておくと、私は恋人とこの街に徐々に侵食されて、いつか個を失ってしまうのではないかという気がしています。
でも、それも悪くないと考える自分もいます。それどころか、むしろそうしたいとすら思っているのかもしれません。最近は自分のことがよくわからなくなってきています。
だんだんぼんやりしていく頭の中で、今まで暮らしてきた街の景色や人々、初めて一人暮らしをしたときのわくわくするあの感じ、寒くていつも天気が悪い白くて小さな私の故郷のことなどを考えて、
旅をしてきたのではないはずなのに、楽しい旅だったなと、胸のところがすうすうするけれども懐かしくて暖かい気持ちになって涙がこぼれました。
お前みたいな世捨て人ばかりじゃないんだよ