はてなキーワード: 研究室とは
当方、そこそこ規模の大きな私大の工学系4年生。研究室では一応機械学習めいたことをやっている。巷では某事件であれやこれやの議論が活発で、引用の仕方がまずいやら研究倫理上配慮に欠けるといった話を聞く。そこで、論文著者と同じような立場の学生として読んでいて思ったことがある。
『引用の仕方は習ったけど、研究倫理って勉強したこともないし、勉強する機会もなかったぞ?』
研究室やサークルの先輩を見ていて、「研究者」になるいう意識があるのかな? という事がしばしばある。それも仕方がない話で、現状工学系の院って「学部卒だと文系と肩を並べて就活する羽目になるのが嫌だから、修士を取って開発職として拾ってもらうか」という意識で進んでいる人も少なくない。院進学が「研究者になる」という意識ではなく「単純に学歴アップのために進学する」ような感じだ。今回、社系の研究者がTwitterやブログなどで引用の仕方の問題点などを取り上げているが、そもそも社系の院って「研究者」になる気がない限り行かないところであって、その辺で「院進学」に対する意識の違いがあるんだろうなあとは思った。もちろん自分たちがやっていることが「研究」であることはよくわかっているのだが、「研究者」である意識はないのではないかな、と感じる。
そもそも大学は高校や中学じゃないので「必要なことなら『教えてもらってない』は通用しない」というのはよく分かる。しかしながら、理系院生の現状意識は前述の通りなので、それではすこし無理があるだろう。それより研究テーマに対しての学習で皆あっぷあっぷだ。「研究倫理」について取り上げる教育の場って学生実験の場が適当なんだろうが、理工系の学生実験は課題が与えられて延々実験して解くようなものが多いので、そもそも研究倫理とか以前に研究室に放り込まれるまで「実験の設計」というものをしたことがない学生が大半だ。文社系だと学部レベルでもフィールドワークや研究設計などを自分でやるから、おのずと調査対象に対する配慮などを通して「研究倫理」を学ぶことが多いのではないかと思う。ちなみに、技術士資格の絡みで「技術者倫理」という授業は開講されているのだが、聞きに行ったところ技術者として作ったものにどう責任を持つかという話で、研究の話ではなかったように記憶している。もっとさかのぼると高校時代にちろっと触れたような気もするが、それは「遺伝子組み換え技術に関する生命と研究倫理」であって、今回「データを持ってくるだけでも研究倫理が問われることもあるのか」と初めて気づいた次第だ。「研究室に入ってから指導教員に教えてもらえれば」という話もあるが、正直指導教員間にも学生指導の熱意や認識の差を感じざる終えないで、不安が残る。(今回の一件も、指導教員が発表前に気づけばこんなことになってなかったんだろうし)中高大と「正しい引用の仕方や図番の振り方、『コンピューター』と『コンピュータ』が混在しているようなレポートを書いてはいけない」「実験中に火事を起こしたり使った液体を外にばらまくな」とは習ったが、「研究によそのデータを用いて、それを処理するときの留意点」などは習っていないし、この問題が明らかになるまで自分も考えたことがないことであった。(これは自分の推測だが、論文著者も「データとして使ったなら引用元として示さなければ『ならない』」という意識があったのでないだろうか)
乱文ながらしがない私大の一大学生として思うところを書いた。ある種工学系って就職予備校だよなと。(この話題は本題からそれるが)そこの学生に自発的に研究倫理を学ばすのって無理があるような気がする。もっとも、倫理感なんて言うものは学ぶものではなく養うもので、「習ってねーよ」というものでもないかもしれない。しかし、学部か修士課程で社会に出ようと思っている人間にとって、「自分の名前がネットで悪評立っている」というはどう考えても就活に響くし、そういうリスクがあるのであれば学会発表もおちおち出来ない。そういうところでは工学系の研究者のみならず、これまで個々人の思想やプライバシーも含みうるデータをを取り扱って研究していた社系の研究者の知見を生かして、今回の件であれば人工知能学会の方でも指針を示してもらえると我々学生も安心して発表で出来るのではないだろうか。
元増田です。ややこしい話なので追記ではなくこちらで応答します。
これ、正直、悩ましいところなんですよ。というのは、これを厳密に適用すると、一般書が死ぬからです。
講談社選書メチエとか筑摩選書とかああいう選書系は詳細な注をつけることもありますが、新書とかだと紙幅の関係上細かな典拠がつけられない場合があります。たとえば話題になっている中公新書の『応仁の乱』ですが、色んな史料を引用してきているし史料の名前も示しているのに、具体的にどの巻のどのページに書かれてるかまで書いてあるわけじゃないですよね。岩波新書の『多神教と一神教』だと、史料からの引用にそもそも典拠が書かれていません(参考文献リストに使った史料一覧が並んでるだけ)。でもそれをいちいち書いてたら新書サイズにならないわけです。
一人の研究者が、新書のような一般書と分厚い研究書の両方を書くことはよくあります。そして、後者において引用部分に典拠を記さないのは論外ですが、前者だと紙幅の都合上きちんと典拠を書けないことが起こり得るわけで、それは現状どうなのかと言われたら「良いことではないが、研究倫理に反する大問題というわけではない」と見做されているんじゃないかと思います。少なくとも、「ここは引用ですよ」というのがきちんとわかる(=自分の文章であるかのように装っていない)のなら、許されているんじゃないかな。引用元の文献リストがあって、地の文とちゃんと区別されている以上、この中のどれかから引用した、とわかるようになっているわけですし。
そしてもう1つネックになるのが、これが予稿だということです。「レジュメみたいなものだから、厳密な典拠表示はサボったけど、フルペーパーとして投稿するときにはきちんと典拠表示をつけるつもりでした」と言われたら、「そうか、まあでも本来、レジュメでも典拠をつけることが望ましいんだ。次からは気をつけてね?」と言うのが精一杯ではないでしょうか。これが剽窃みたいなケースなら研究室でこんこんとお説教して取り下げろと指導する必要がありますが、引用元の文献をきちんとリストアップしていて(著者名・URL・タイトルがきちんと書かれているのでまあ問題ないでしょう。逆にそういうきちんとしたリストだからこそ今回燃えてるというのが皮肉ですが)、どこからどこまでが引用か明示的に示されているのなら、そこまで大問題でもないような(この程度の不備でこっぴどく学生を叱りつけるとしたらそっちの方がハラスメントです)。
もちろん、それでも厳密に言えば著作権法違反にあたるわけだから、違法だ、告発すべきだ、という主張も可能です。何? 新書業界が死ぬ? 知ったことか、そんなムラの慣習が法に優先するわけないだろう、法は法だ、たとえ学生が書いて5,000人規模の学会の内部で報告する予定の正式な論文ではない予稿とはいえ、違法なんだから許されない――はい、これ、どうなるかおわかりですね。この論点で攻めるというなら私は止めません。が、その場合、例の朝日の記者さんが示唆したことをやられても文句は言えないんじゃないですかね……(刀剣乱舞は二次創作が許諾されてるといっても、じゃあハリー・○ッターや銀河英○伝説やデ○ズニーの二次創作はどうなの? ちょっとこれから著作権元に確認取って大丈夫? って話になっちゃうので……)
あと、twitterとかで、私が書いた増田から文章を長々と抜き出してそのあとに一言二言感想をつける方がそれなりにいらっしゃいます。賛成の立場や中立の立場でいらっしゃる方なら、きちんと読んでくれてありがとう、と思うのですが、「pixiv論文はけしからん!」とか主張してる人がそれやってるの見ると笑っちゃいます。お前のそれ、適正な引用の条件である文章の主従関係満たせてないから! 無断転載だから! っていう。なんで自分たちがネットでやることは許されてると思ってるんでしょうね。
これは私もうっかりしていました。機械分析にかけるのは適法な引用じゃない! と主張する人がいたのでこういう項目を立てたのですが、冷静に考えたら手作業で分析してたな、とあとになって気づきました。ただ、機械分析だから引用じゃない、と主張する人がいる以上、47条の7は提示しておく必要があるだろうと思います。
さて、47条の7は、次のような条文です。強調は引用者によります。
第四十七条の七 著作物は、電子計算機による情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の統計的な解析を行うことをいう。以下この条において同じ。)を行うことを目的とする場合には、必要と認められる限度において、記録媒体への記録又は翻案(これにより創作した二次的著作物の記録を含む。)を行うことができる。ただし、情報解析を行う者の用に供するために作成されたデータベースの著作物については、この限りでない。
今回の予稿は、電子計算機による解析の前段階として、手作業による分類を行っています。ということは、「目的とする場合」に該当するのでは? と思いますが、いかがでしょうか。最終的にはコンピュータで分析する予定だけど、その準備を手でやるよ、ってことですよね(もしこれが法律の解釈として問題があるのでしたら教えてください)。
ところで、この条文は、「著作物をまるまるコピーしてきて、それをコンピュータに読み込ませ、解析する場合」を想定したものです(違ったらごめんなさい)。しかし今回のように、もともとネット上に転がっていた文章を分析の素材にして、しかもそれが手作業である以上、
「pixivを見ながら手で数えました。コピー? 引用に必要な部分しかやってませんよ」
と言われたらそもそも著作権法上の問題はなんら発生しませんし(わたしたちがインターネットを見てるのと同じですからね)、大学の共用のパソコンとかなら別になるのかもしれませんが、自室でプライベートなパソコンを使ってコピーして、そのパソコンの中だけで分析を完結させていれば、30条で認められている「私的複製」にあたるので、やっぱり著作権法上の問題は存在しないのでは?(この辺、事実誤認等があったら教えていただきたいです)
休職中につき暇なので耳かきボイスについて語る。耳かきボイスが何か知らない人はとりあえず以下の動画を見て(聴いて)ほしい。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm28975957
この動画の少女は俗に炭酸ちゃんと呼ばれていて、とみみ作品の中でも随一の人気を誇っているのだがそれは置いておく。
一度体感してもらえばわかると信じているのだが、耳かきボイスを聴くということは単なる耳かきの疑似体験では決してなく、「バイノーラル録音された耳かきの振動と女性(男性)の囁き声による振動を脳に染み渡らせる」という唯一無二のエンターテインメントなのである。
さて、ここで俺のおすすめ耳かきボイスをいくつか紹介したい。今調べたらiTunesの耳かき関連項目が1297あった。買いすぎだろ。なお今回は18禁は意図的に外したのであしからず。
http://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ150001.html
とみみという人物は上記の動画のように高クオリティの耳かきボイスを40以上もニコ動に投稿している現人神のような存在なのだが、DLsiteでの販売作品も複数ある。その全作品がクオリティ・価格共に最高レベルであり「現人神のようなというより実際に神なのではないか?」という疑いが拭い去れない。そんな作品群から俺がひとつ推すとしたら本作になる。バイノーラル録音の心地良さをこれでもかと感じられることは間違いない。たっぷり1時間収録で216円という価格はもう他のサークルを殺しにかかっているとしか思えない。耳かきボイス界では有名な声優「かの仔」が珍しく少年っぽい声を演じている点も◎。なお耳かきシーンは存在しないがそんなことはどうでも良い。
http://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ146114.html
先に述べた「かの仔」が主催するサークルの作品からはこれを。1月から12月までの全12トラック、それぞれ季節感のあるエピソードを体験できる。ひとつひとつのトラックが短めなのでとても聴きやすく、耳かきボイス初心者にはうってつけではないかと思う。驚きなのは、全トラックで使用している耳かき道具が異なるというこだわり。そして注意書きには「リアルな音、リアルではないけど気持ちいいと思う音を収録しました。」の文字。これだよこれ。リアルかどうかとはあまり関係ない部分に耳かきボイスの真骨頂があると言っても過言ではない。あと音撫屋といえば耳ふー(耳に息を吹きかけるやつ)が最高オブ最高なので一度体験しろ。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm31249602
http://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ174597.html
このサークルはドラマCD寄りの作品が多いのだが、中でも本作はCV:浅見ゆいの癒やしパワーが全開になった傑作。それはもちろんシナリオの良さが故。綾辻さんという旅館女将のおっとりしたキャラクターが抜群で、更にいえばちょっとえっちい展開なのも最高である。個人的にはやはりタイトル通り添い寝のシークエンスが抜群に心地良かった。架空のキャラにうっとり恋してしまいそうになる危険な作品。
http://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ180495.html
音質の驚異的な高さという暴力でリスナーを殴りつけてくるサークルといえば桃色CODEである。本作でもそれは健在で、ラムネを開けるシュワッとした音、肩たたきのトントンという振動感、飲み会での盃を躱す音、全てが絶品という他ない。更にはBGM的にずっと聞こえている田舎の昼/夜らしい音、どう考えても実際に録音してきたとしか思えない。手間のかかり方が半端ではないのだ。更に本作ではなんとガチの怪談が3つも収録されている。稲川淳二よろしく語りかけるそれらは本当に背筋がゾクッとなるクオリティ。あまりに隙がなさすぎる。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm28771395
最後はニコ動の投稿から。たったの7分半ながらこの破壊力はヤバすぎる。甘々な恋人どうしの空気が全編に濃厚に漂っていて打ちのめされること請け合い。俺は「フヒヒッ」って笑うところで死にました。バイノーラルの音も申し分なし。珍しく流れているBGMも良く合っている。ところで投稿者のコメントによれば「個人的に頂いた音声ですが一人で聞いていると発狂しそうなので泣く泣くアップしました。」とのことで、もうさあ、もう!(発狂)
というわけで終わりだ。え? 有名所だけじゃねえかって? しかたねえだろ! 定番サークルだけでも聴ききれないくらいガンガン発売されてるんだからさあ! いやほんと、すみません。他におすすめあったら教えて。
「こだわる」って書いた元増田ですが、自分も、実は、隣の研究室が数学系だったりする学科の卒業者なので、数学に単著が多いことは知ってます。
「論文を書いた人だけが著者になるべき」という主張はよく聞くのですが、我々のような共著メインの分野でも、「第一著者が論文の大部分を書いている」という暗黙の了解があるので、単に表し方の違いであると思ってます。
なので、本当に本文の大部分を指導教員自らが書いている場合、第一著者が教員になったりしますよ。例えば、学生が卒業して就職してしまった後に、教員が論文化した場合、などに、たまにあります。
また、本当に二人で書いた時は、論文の最初のページの第一著者と第二著者の名前の後に脚注を入れて、第一著者と第二著者がequally contributedだ、と書いたりしますよ。
指導教員が書いていないのに共著に名前を連ねるのはギフトオーサーシップだとかいう批判はよく受けたりするのですが、第一著者が大部分を書いている事は皆知っているので、著者の表示方法の違いだと思われていることが多いです。
逆に、こちらの分野から、単著メインの分野を見ると、「指導教員が責任を取らずに学生に押し付けている」とか間違った理解を持っている方もいらっしゃいますねー。
分野によって違っていて、日本だけでどうこうできる問題ではないので、単に表示方法の違いだと見るのが良いのではないかな、と思います。
PixivのR-18小説をデータとして使った論文が炎上している
現在は議論が収束してきて倫理的に問題があった可能性があるという話になっている雰囲気がある
立命館大学の研究者による「pixiv論文」の論点とは──“晒し上げ”批判はどれほど妥当なのか(松谷創一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
この論文の件で著作権的に「引用するときは許可を求めろ」「データ分析に使うときは許可を求めろ」という話がたくさんTwitterに書かれているのを見かけた.通常の研究のデータ利用でそうなるのか?と疑問に思ったので,過去に学生として情報系の研究室に所属していた時の自分の経験と理解について書く.法律について詳しいわけではないのでこういう雰囲気でやられているのか程度のものだと思ってもらいたい.法的な誤りが含まれていたら指摘していただけると嬉しい.
データマイニング等の分野ではWeb上のデータをあつめ研究目的で使うのが普通になっている.
僕個人の経験の話になってしまうが,Web上に公開されている情報を研究に利用するときに許可を取っている機会を見たことはほとんどないし,Web上のテキストをクロールして使っている論文でデータセットの作成に関してそういったことに言及しているものもあまり見たことがない.英語論文でも論文自体にそういったことが書かれているのを見ない.つまりWebサービス上のユーザーの投稿を研究に利用する場合でも,Webサービス・ユーザーどちらからも許可を取らないのが日常的だった.
もちろんデータセットを作ることが目的である研究,作ったデータを再配布する場合においては許可を求めているのを見かける.
僕の理解では,公開情報を使ってデータの分析をする場合はデータを再配布しない限り著作権的に問題はなく当然著者の許可はいらないものだと考えている.
伝わらないたとえ話をすると,データを研究に使うのは本の感想を書くようなもので本の中身を転載・再配布したら問題になるがその本について感想や意見,分析を述べるだけなら著作権的には問題にならないと認識している.
今回問題になったPixivのような会員登録が必要なWebサービスの場合に公開情報にふくまれるのかはグレーゾーンかとも思われるが,自分の意見としては誰でも登録できる会員数2000万人以上のサービスの会員全員が見ることができるデータなので公開情報に準ずるものだと考えている.
「規約で転載が禁止されているから引用も禁止である」という話もTwitterで見かけたが,規約中で引用が禁じられていない以上引用は可能であるはずだと思われる.
仮に引用が規約で禁止されていた場合には話が多少変わってきて,規約と法律でどちらが優先されるかは議論の余地がありそう.究極的な結論を出すには司法の判断が必要になる可能性がある(法律に詳しい人の意見を聞きたい)
今回の場合にはR-18のコンテンツを全年齢の場で引用していたのでその点がどうかという意見はわかる.
もちろん引用する場合は出典を明示して無断で行う.ただしデータセットとして使ったWebテキストからの用例としてごく短い抜粋などについて出典を明示するのはほとんどみない.
ちなみに「人間を対象とした研究の時は倫理委員会を通せ」という話も見かけたが情報系でそういったものを通すので自分が見かけたことがあるのは,被験者に何か作業をしてもらいその人間の状態を計測するような研究ぐらいで,Webテキストを使った研究については見たことがない.
もちろん僕が経験した研究室や大学,分野の話なので場所が変わればルールも変わるだろう.
今回の論文の件で法律に詳しい方が詳細な解説をしてくださったり,研究利用する側に法的な問題があるのであればそれが周知されると嬉しい.
ブックマークコメントにPaintsChainerはどうなの?という話があったので追記します.
私見では機械学習で学習されたモデルの配布は元のデータを過剰に再現するようなものでない限り問題ないと思われます
以下の法律事務所のブログにいくつか記事があるので参考になるかもしれません.
もうずっと食事が喉を通らない。
固形物を口に入れた瞬間、それが喉に詰まって窒息したりあるいは気管に入って誤嚥性肺炎を起こすことを想像するからである。いままでモチを詰まらせたことも魚の小骨を引っ掛けたことも無いというのに不思議な話であるが、おれの頭の中では食事と死のイメージとが鮮やかに直結しており、視界に映り込んだ鼻の頭のようにあるいはピンク色をした象のように、意識しだすと止まらない。おれはやがて経腸栄養剤しか口にできず糖分を採りすぎて糖尿病になって失明し脚は壊死して腎臓を壊して透析で苦しんで死ぬ。親が大手病。年収が×××万円以上でなければ、なんとかと云う結婚紹介所におれを登録できないのだと云う。収入の不足分を補うためにかれとかれの母がもつ不動産を相続させるとも云った。過干渉。おれが未婚で長男でキモオタで身の回りの支度ができない無職のプー太郎で優良企業就業済既婚の弟がいるものだからそういう余計なお節介をされるのであろう。自分はその紹介所で妻との縁ができたのでお前もそこに入会せよと云う。おれくらいの年齢の頃、かれはすでに一と三分の二流くらいの企業に勤めていたからかれはその相談所に入会できたわけだが、28歳無職就業経験ゼロという現状そしておれのもつ素質たとえばわが指導教官にそれゆえにお前は研究者に向いてないと直々に云われるほどの社会性の無さなどの資質を鑑みれば、おれがその年収を達成することはとうてい困難なことに思われた。だからおれは早く家を出て住所も電話番号も秘匿して蒸発してしまいたいくらいなのだがおれの学費と生活費と住居費の××年分および奨学金の返済にかれの収入の大部分が充てられているという事実がある以上そういうわけには行かない。ところでかれはおれが野良博士という現代の不可触賤民であるにも関わらず一流有名企業に入れる実力を持っていると勘違いしているようで、どこぞの某大電機メーカーが博士卒を重点的に募集しているなどと有難いタレコミを呉れる。あるいは予備校の講師などしながら企業の研究職を狙えばどうか、などとも云う。博士の就職がいいと云っても景気がいいのは人工知能関連の分野だけだということをどうもかれは理解しておられないようである。おれはと云えば研究室にも行かず×年間も自宅に引篭もってノートの上の数式を弄っていただけの人生だったから、プログラミングのスキルも各種資格もろくに無く、きょうびどこの企業からも御呼びでない。頭の回転も遅く某社のSPIでは酷い点数を取ってしまったために面接すら受けさせてもらえない。これでは受験数学の問題など到底解けないだろう。登録していた就職斡旋屋からは貴方にはシンクタンクなどが向いているでしょうなどと調子の良い言葉をもらったが一か月経ち二か月経っても音沙汰が無い。当たり前である。何かの手違いで某外資社から研究内容を紹介する機会をもらったこともある。おれの能力を試すためにあえてそういうポーズを採ったのかもしれないが、かれらはおれの話を理解するそぶりを全く見せなかった。ショックを受けた。明らかに企業側の需要とのミスマッチが感じられた。おれのプレゼンに問題があった可能性は否定しないが、要するに世界でも十人くらいにしか価値を認めてもらえない仕事を延延黙黙やっていたということは、おれも同意するところである。その十人のうちの一人がわが指導教官だったのは幸運だったのか不運だったのか分からない。もともとおれは数学などで分からない問題があるとイライラが募り便通が悪くなり院試の頃は特に最悪で原因不明の腹痛で入院するくらいで、睡眠時間も食事の回数もゴリゴリと減っていき、歯ぎしりが止まらなくなり、かと思えば今日はサボりの日だと云ってネットサーフィンに明け暮れるものの心はまったく休まらず、夜中唐突に呻きながら自転車で遠出をしたり、風呂も洗濯もせず、機嫌は最悪で周囲に怒鳴り散らし、ただでさえ無口な性格だというのにいっそう塞ぎこんで誰にも相談できなくなり全て自分の力だけで問題解決したくなる人間だったから、博士課程に進学することは当然の帰結であった。おれが天才数学者だったなら上記のエピソードは天才の微笑ましい奇行としてウィキペディアの埋め草にでもなったのだろうが、悲しいことにおれはアホでマヌケでIMOメダリストなどからは程遠い知能の持ち主だったから学位をとるのに結局◆年もかかり(思考速度と問題解決能力が研究能力のすべてではないという当たり前の事実に気づけたことが大学院における唯一の収穫である)今では無職である。元から変だった自意識は余計に拗れメンタルは不調をきたした。食事が怖い。面接が怖い。唐突に脳血管の破裂が怖くなる。あれほど楽しかった学力試験が今では恐ろしい。自分の劣等具合を再確認させられるから。大学院など行かなければよかった。博士課程など行かなければよかった。満期取得退学しておけばよかった。学位など取らなければよかった。高卒で就職すればよかった。以上。
雑感
もともと文科省は獣医を増やしたくなさそう。新しい要請に対しても、今の定員・体制でやってくれという態度。
それをふまえて、「ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野」だけでなく、「既存の大学・学部では対応が困難」という条件がついた「日本再興戦略改訂2015」があったのだと思う。
その視点で見ると、京都は新たな分野の主張や、鳥インフルエンザ研究センターなど強い基盤を持つといった利点があるものの、「既存の大学・学部では対応が困難」へのアピールに欠けるように感じられた。たとえば、「地域振興に資する産業動物獣医学教育の実施」として、「1.産業動物獣医学に重点を置くシラバスの設定」「2.京都府農林水産技術センター畜産センター、碇高原牧場を活用する実践教育の充実化」「3.自治体、農業団体、生産農家でのインターンシップ」とあるが、これらは他の大学・自治体で提案する場合でも同様に書けることではないだろうか。その一方で、四国には獣医系大学がない現状で「危機管理発生時の学術支援拠点」を作り、四国ゾーンとして家畜の感染症の1次封じ込めを目指すというのは地域性に根ざした説得力があるように感じる。
まあでも、「日本再興戦略改訂2015」で「現在の提案主体による」と言ってるのはまあ気になりますかね。諮問会議では「地域での感染症に係る水際対策」とか「現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」としているし、それなりの目論見つけた上での言い方はしてるよね。
最近の話ではなく、昔の話です。ある大学に新設学科をつくることになりました。多くの新設学科にやってくるような人というのはその大学の中から異動する場合も、外からやってくる場合でも、あまり保守的じゃない人が来ることが多いです。新しいものをつくるのだから当然といえば当然かもしれません。
その学科のとある教授は当時の助教授(現在の准教授)のガチ公募を行い、東大出身の人を採用しました。そこから数年経ち、その准教授が別の大学で教授となったため、再度ガチ公募を行い、京大出身の人を採用しました。そこから数年経ち、当時の教授は退官しました。そして、その1年後に准教授は別の大学で教授となりました。
困ったのは学科に残った人たちです。とある研究室の教授も准教授もいなくなったのちに、その研究室の公募をして新たな教授と准教授を採用する必要が出ました。これまで東大、京大という順序で採っていたのでそれに倣って、教授を東大から、准教授を京大から採用しました。そのあとはその繰り返しで京大と東大から採用するルールが生まれました。
おそらく外から見ると初代教授の人が東大・京大と交互に採用をしたように見えたのかもしれませんが、単にそのときの公募で最も優秀な人を採用しただけに過ぎないのでした。しかし、いつのまにか暗黙のルールが生まれました。これは学閥ではありませんが、あとから来た人には崩すことは難しい伝統です。そして、この伝統の合理性はありません。私はどのようにすればよいのでしょうか?
http://anond.hatelabo.jp/20170511230227
を読んだ。
現在大学院生でまだ働いてないけどいろいろ書きたくなっちゃったから書く。
私は自分で考えろと臨機応変にって言葉が大嫌いだ。こればっかり使うひとは信用できないと思ってしまう。
この2つの言葉、シチュエーションによっては同じ意味になってしまうから先に決めておく。
自分で考えろ、に関してはわからないことを質問にした時に自分で考えろって言われたってシチュエーション。つまり一応はわからないことが聞ける環境。
臨機応変に、に関してはイベント的なシチュエーション。わからないことがすぐ聞けない環境を想像してもらえるといいかと。
まず自分で考えろの方。
ある程度の知識をつけることで自分で考えることが少しずつできるようになっていくわけで、最初から自分で考えろと突き放すのは違うのでは。
考えさせたいのであればその旨を伝え、多少のヒントを与え、後日考えた結果を提示してもらうように誘導するような形がいいと思う。
わからないことに対してはなんの進歩も得られないままわからずじまいなんて悲しい。生産性もないし言われた側はモヤモヤするだけ。
自分で考えろで突き放されて質問が出来なくなることは生産性を著しく低下させ、更に大きなミスを招く結果になりやすいと思うのは気のせいだろうか。
次に臨機応変に、の方。
臨機応変に~って言うけど、あなたと私の臨機応変な対応に対する認識が全く同じだと思ってるのだろうか。その臨機応変の定義はなんだ。
しかも、その状況下での臨機応変についての定義がなされてない場合、対応が気に入らなかった場合あとからいくらでも叱れるわけで。
後出しじゃんけんもいいところでは。
「私の理想の対応が何かを正確に理解して行動してほしい。出来ない場合は許さない」って言ってるのと大して変わらないだろう。
こちとらそんなことができるエスパーじゃないんだからちゃんとコミュニケーションをとってくれ。あなたと私の考えの違いを明らかにしてどうすべきか一緒に検討してくれたらお互いが楽だと思う。
というか急な事態に対してコミュニケーションをとってある程度の対策とか方針を整えてるのであれば、臨機応変に!なんて言葉そう多くは出てこないような気がするのだがどうなんだろうか。
好き勝手書いてるけど、私はまだ働いてない学生だからこんなことが言えるのかもしれない。
でも、これは大学の部活(大学の事務仕事だらけの部活だった)、研究室、長期・数ヵ月の短期・単発のいろんなバイトをやってきて自分が新人で教わる立場を数多く経験して思ったことだ。
私の場合大抵のことは理解→実行の形であればうまく動けるのに、考えずにとりあえず動け+臨機応変とか、そんなの自分で考えなさいって言われると本当にポンコツになってしまう。どうしたらいいんだろう。すごく生きづらい。頭が固いのかな、悲しい。
この生きづらさを増幅させないようにこの2つのワードを使うひとを避けることで多少はマシに生きてるのかもしれない(?)
来年就活なんだけど、自分で考えろとか臨機応変にを連呼するような上司がいる会社に当たってしまったらと思うと恐怖しかないや。どうしよう。
長い自分語りだった。
ちょっとルックスよい女性で且つ有名企業の社員だったからって、今までたくさんの中高年男性がひっそり過労死してもだまりこくってたやつらがやいのやいのブラック企業がどうこう騒ぎ出すの、今更ながらあらためて絶望感がはんぱない。あーはいはいそうやって義憤に血をたぎらせつつ、おちんちんも一緒にたぎらせてるんですね、と。
おなじ東大でも、アラサー独女でルックスにも別に恵まれてない私が○学部○号館でひっそり飛んでも博士課程のブラックぶり(研究室単位の話じゃなくて日本の大学院全体の問題ね、念のため)を世間は騒いでくれもしないんだろうなー。ていうかへたに騒がれたらどうせ2ちゃんまとめブログとかブコメとかで死んでからも性的に揶揄とかされそうだし。
気があうし彼氏よく笑うし生活してる世界全然違くて話してて楽しいから、すきだけど、彼氏が忙しすぎる(ほんとか知らんけど)しなんかわたしのこともうちょっと優先的に扱ってほしいなぁと思う。
性格が賢い人特有の?医学部特有の?自分大好きと部活めちゃがんばる感じ。
大量に覚えるのもできるし、上記の性格は医学部にめちゃ合ってるなぁと思うけど主に部活にバイトにテスト勉強で忙しそう。
そのほかには、部活以外でも友達と運動したり(わたしからしたら部活やっててそれ以外でまだ運動するんかいて思う)、1人で本読んでたり、暇さえあれば(3日以上の休みは)実家帰っててわたしとはデートしなくてもいいみたい。
いつもだいたい会うときはご飯食べてなかったらご飯食べて、お風呂はいって
一緒に寝てそしたら朝がきて、学校行くって流れ。ご飯自炊お互いしないのと、人の作ったご飯が食べられないらしくどっか食べに行く。
わたしは一緒になんかしたいよ〜〜 どったか出かけたいよ〜〜 家自転車で15分の距離だよ?!
週一では会ってるからそれ以上?デートしたいって思うのは贅沢なんかなぁ
耐えられなくなってちょっと全然会えない優先順位低いって感じるんだけど、、、?って文句言っちゃって、そしたらあいてるとしたら日曜日で、先に予定言ってくれたらあけてるじゃん 優先順位低くないよって言われて、実際平日はそうだったからたしかにってなってそこでは丸くおさまったんだけど
1週間くらいたって、じゃあ◯日はあいてないの?(わたしが今月唯一空いてる日曜日)ってきいたらんーそれはまだちょっとわからんって言われた。
まだわかんないってなに????
掘ったら研究室の用事とかなんやらが入るかもって言ってて もしはいったらしょうがないけど入らなかったらデートしようよってわたしは思うんだけど、そもそも約束してくれないことがショックだった。あんまり会う気ないんだなーっておもった。だから無理やり約束できなかった。最近会いたいって言われた記憶もない。向こうが会いたいと思う前にわたしが痺れ切らして連絡しちゃう。
最近急に家いっていい?って聞いていいよって言ってくれたためしがないよぉ
今日はほんとごめんって毎回言われる。
はぅ こんなにもやもやして、向こうもめちゃ「なんで今日はあかんの?!」って言われまくってお互いいいことなくない?
ヤレるから付き合ってんの?キーーーープっすかぁーーーー?でもわたし、こんな気きついし言いたいことまあそれなりに言うし、大変なのにいつもよしよししてくれてありがとーーーって思います。
わたしからライン全然しないから、連絡ほぼなかったりするけどそんとき、2日に一回くらい近況報告のラインが来るのはうれしいよーーー。
なんかどやったら同じくらいのペースで会いたいって思えるんかなー
てゆかわたしんことほんとにすきなのかなーーーー
最初はすきだよって言ってくれてたけど
わたし全くすきって言わない人なんだけどそしたらお互いなんも言わなくなって、記念日もお互い知らないふり(向こうはふりじゃなくて知らないんかもw)だしわたしそれはさみしい。そう思うならすきって言ったがいいよなぁーーーと思って、すきだなぁっておもうし、いまよっぱらってるからラインですきだよーーーーっていったら
違う話題の方に返信はきたけどスルーされた、、、酔っ払ってる感でとるからかな?w わたし酒めちゃのめるけど彼氏飲めないんよなぁー お酒の席の普段言えないこと言えるやつ2人で飲みながらやってみたいなぁー
すきだよーーーって返してほしかったけど、そうだよねわたしが望むセリフが返ってくるために会話してるわけじゃないもんね
わたしはとりあえずもっとコミュニケーションとりたいし、いつもみたいに平日の夜に会うだけじゃなくていろんなパターンで一緒の時間過ごしたいよーっ
忙しいのがんばってね
って思うけど別れて次いったがいいのかなぁ、、、会えたら楽しいけどなぁ
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2046年。東京オリンピックの年に生まれた人間が三十路に差し掛かる頃。
餃子チェーン店のテーブル席で、野暮ったい女がビールを飲みながらノートパソコンに何か打ち込んでいる。ひどいクマと死んだ魚のような目はまるで亡者だ。亡者がスウェットを着て餃子をつまんでキーボードを叩いている。
老紳士が現れる。ボウシを取り、くすんだ色のトレンチコートを脱ぎ、女の対面に当然のように座る。老紳士は老いているからか、挙動がぎこちない。
「やあ、赤坂くん」
女は答えず、画面を見ながらチャーハンをゆっくり口に入れ、咀嚼する。
女、赤坂は無視し続ける。ポッケからイヤホンを取り出し、耳にはめ込む。無言の意思表示だ。老紳士はしばらく黙っておいて、それから何を思ったか、半分衝動的に赤坂のパソコンをパタンと閉じてしまう。
「おい」
乱暴に、短い抗議の意を示す赤坂。老紳士はとぼけて、それを意にも介さず用件を切り出した。
「ロシア上空に、GPS衛星と偽装されたアメリカ軍の偵察軍事衛星がある。それにちょっと侵入(はい)ってきてほしい」
手に折りたたまれたコートのポケットをさぐり、メモリードングルを取り出す老紳士。赤坂はそれをむしり取って、小さな機械に差し込み、それを有線でパソコンに繋いだ。
「あいかわらず厳重だな」
「パソコンに直接差し込むのは、信用できる機器だけにしてるんです。教授、あなたからそう習ったはずですけど」
呆れる老紳士に皮肉を返すと、赤坂はメモリードングルに入った資料を開いた。
「5ページ目にリストされているETN-G-129がそれだ。表向きは、商用オフザシェル化の一環として宇宙関連企業のパラジウム社が受託し打ち上げたBlockⅢ代替のGPS衛星だ。しかし、実態はちょいと違う」
ある資料には、膨大かつ一般人には意味不明な数列が延々列挙されていた。2桁の16進数が大量に連なっている。しかし、彼女にはこれらの意味が分かる。
「そうだ。しかも、暗号化されていたものをご丁寧に平文にして転送している。NSAも随分と腑抜けたものだよ」
注文を取りに来た店員にお冷を頼んで追い返す老紳士。彼がひどい下戸であることを赤坂は知っていた。
「まあそうだな。依頼主はアメリカ側からのアクセスを止めさせろと言っているがな、それじゃあんまりつまらんだろ」
店員が会話を中断させ、水を置いていく。老紳士は一口、いかにも老人といったしぐさで飲む。
「赤坂くんの好きにしていい。おそらくコントロール系統はNORADに接続されている。君の腕ならば、衛星を踏み台に使うのも良かろう」
「それだったら、もう少しマシな手があるし、だいたい軍やら何やらに侵入するのはあなたの持ってくる依頼のせいじゃないですか」
「はて。ワシはバス接続の危険性以外にもこう教えたはずだがな。『君たちは楽しい楽しいオモチャを手に入れたのだ』とな」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
帰る途中。コンビニに立ち寄り、ソフトクリームを食べるための座席に座り、キーボード付き携帯端末を公衆無線ネットに繋ぐ。会員登録をしろとせがむ画面を消し、スクリプトをいくつか走らせると、すぐに管理者権限が手に入る。
いくつかプログラムを自動インストールさせ、オニオンルーティングとVPNで秘密の回線を作り出す。これで発信元の特定が困難になる。
そこから接続するのはとあるアメリカ軍人の個人端末だ。以前とあるショッピングサイトから流出した情報を使って、たやすく乗っ取る。今、アメリカはだいたい朝の10時。運が良ければ、軍人は軍施設内にいるはずだ。果たして、軍人は施設内におり、乗っ取った端末から施設の無線ネットに接続出来た。
軍用のシステムはちょっと頑丈で、コンビニのサーバほど簡単に侵入らせてはくれない。辞書攻撃を仕掛けつつ、母校たる東京電波大学の誇るスーパーコンピュータを使って秘密鍵の推測を行う。
20分程度かかって、なんとか秘密鍵を割り出した。同じ公開鍵が無線ネットの接続に使いまわされていたのはラッキーだった。こうして米軍のシステムに侵入できた。
しかし、いくら同じ米軍のシステムと言えど、見たところこの施設はただの空軍基地。件のスパイ衛星のコントロールシステムはそこには無いようだ。
そんなことは赤坂も最初から分かっていた。赤坂の狙いは、空軍基地にある衛星通信用のアンテナだ。これを使い、標的の衛星の近くにいる衛星にアクセスし、乗っ取り、そこから標的の衛星にアクセスするのだ。
これをやってみると上手くいかない。アンテナから衛星が遠すぎたのだ。仕方なく他の米軍基地をまた乗っ取り、やっと標的にアクセスできた。早速データベースを覗きこむ。
中身は、ロシアと米NSAの秘密鍵などでギッシリだった。これだけ色々あれば、次また教授が何か言ってきても楽になんとかなるだろう。
『衛星はーーNORADに接続されている。ーー踏み台にするのも良かろう』
教授のほざいたことをふと思い出し、コントロールシステムへの信号に偽装フレームを紛れ込ませてみる。偽装パケットには小さなフレームが仕込んであり、相手システムが受け取ると即座に実行され、こちらに諸々の情報を返してくる。すると米空軍の心臓を掌握したも同然である。
いささか満足し、帰る準備として証拠の記録であるセキュリティログを隠滅しようとして気づいた。セキュリティログが明らかに不自然だ。誰かが一部を消したのだーー赤坂が今やろうとしているように。
「私以外に、誰かが侵入っていたんだ。しかも、私とほぼ同時に」
少し気味が悪かったが、適当に証拠を処分し、衛星は傍受したデータではなくランダムに生成したデータを送信するようにしておいて、その場は終わりにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
レジに座り、大きなあくびをした。普段、赤坂は平成商会でアルバイトをしている。平成商会は新横浜にある、電子パーツの問屋だ。マニアと業者だけがやって来て、一般人にとってはガラクタにしか見えない物を買い漁る、知る人ぞ知る店である。
声をかけられ、顔を上げた。教授だった。ふざけている。そんなもの、彼が探しているはずもない。依頼の成果物を取りに来たのだ。
「これ、衛星のコンソールへのリンクです。米軍施設にあるコントロールシステムの電源が付いている限りは、自由に例の衛星をコントロールできます」
事も無げに言い、携帯端末に二次元コードを表示して差し出す。教授はうなずき、コードを写真に撮る。
「報酬はこれだ」
教授は提げてきた紙袋から何か取り出した。大きくて古臭い、中世のコンピュータの周辺機器だ。
「ずいぶん探したんだぞ」
「そうそう。ウチの大学のスパコンあるだろ。あれが短時間何者かによって不正利用されてたらしくてな。学内大騒ぎだ」
「ワシの研究室にもちょっと来てね、誰がやったか調べてくれって言うもんだから見てみたら驚いたよ。RAMに公開鍵がたっくさん入っておったよ。あれがNORADの鍵かね」
「いや、あれはどっかの米軍基地の鍵でした。NORADの鍵は私が大事に保管してます」
「鍵は大事に保管ね。当然だ」
教授が帰った後。店主の勧めでペケ86kを店頭に展示すべくパソコンに繋いでいる時。
「あの……すみません」
どこかから女の声がするではないか。嫌だな、怖いな、と思いながら声の方向をたどると、一つの端末が音声通信をしていた。
これだからP2P通信は。無視して通信ソフトを落とす。が、何度やっても立ち上がる。
「ちょっとお尋ねしたいんですが……」
電源を落としても、もう一度つく。コンセントを引き抜くと、別な端末に移る。
「もう、やめてくださいよう。ちょっとぐらい話きいてくれたっていいじゃないですか。ひどい」
「いやいや、あなたこそ誰なんですか……?米空軍の迎撃システムに侵入したの、あなたでしょ」
「私はただのバイトだ。消えろ」
キーボードを叩き、スクリプトを走らせて回線を遮断しようとするが、文字が入力できない。
「ネット切ろうとしてますよね。それはボクが困るので、キーボードの接続を切りました。ははっ」
ここで赤坂は確信する。こいつがあの不自然なログの正体だと。赤坂と同時にNORADをクラックしたハッカーだと。
「気持ち悪い」
「心外だなあ。ボクはあなたに興味があってはるばるここまで来たんですよ。ちょっとぐらい相手してください……」
「よっと」
後ろで声がする。メイドロボだ。やつは消えなかった。それは淡い期待に終わった。やつはメイドロボを乗っ取った。
ここの店主はメイドとレトロPCが大好きだ。置いてあるロボは無駄に美形の機種を買い、無駄にフリフリでクラッシックでステレオタイプなメイド服を着せられていたのだった。
http://www.gu-none.com/entry/rohnin
こんなエントリとブコメを読んでなんだか気になる部分があったので増田に書くよ!
普段もブログを書いているけど特定されるのが嫌だから増田だよ!
あと、文体でバレるのも嫌だから、テンションアゲアゲで行くよ!👍
まず、私は現役生だけど、はっきり言って浪人がどうとか気にしている人ほとんど見かけないよ!
サンプルが私の身の回りだけだし、そもそもお友達が少ない私なので、いろいろ偏っていると思うけど、
そんなこと気にして生きている人は見かけないね!というか、そんなこと気にしている暇が無いよ。単位くれ。マジで。
ただ、浪人生の方が優秀という話は、本当かも知れないと思ったよ!
というのも、研究室配属で人気がある研究室へ配属された学生の中に浪人生がたくさんいるからだよ!
私が聞いた限りだけど、人気ある研究室へ配属された学生のうち半分程度が浪人生らしいよ!結構だね!
この指標は個人が何を研究したいのかに依存しているから、これが浪人生が優秀だという証拠にはなりえないね!
でも、個人の目から見る限りではみんな自分を持っているというか、適当に生きていない感じがあるよ!
そういえばブコメに旧帝大でブログやっている人少ないみたいなコメントがあったね!(正直ここからが一番言いたいことだよ!)
はっきり言って、わざわざブログで「私は旧帝大卒です」とか「私が有名私大卒です」とか言う意味がわからないね!
なんでブログを書くときに自分の出自を明かす必要があるのかわからないよ!身バレの原因だし、驕っているようにしか見えないよ!
社会的に自分の学力を保証したいような場面ではもちろん学歴を示すほうが有利になるだろうけど、
そうじゃない場面で学歴を示すのは基本的にマイナスなんじゃないかな!
私もブログをやってもう2年ぐらいになるけど、旧帝大であることを示唆するようなことは一切書いていないよ!
だって、自分の記事の一番最初に「※ これは旧帝大卒の学生が書いた文章です」って書いているようなもんだからね!
それだけで燃えやすい原因になり得るし、自分が書いた文章を色眼鏡かけて読まれたくないからね!
ブログ書くんだから、素の文章で殴り合いたいよね!それで読んだ人が興味持ってくれたり、面白かったりしたら私の勝ちだからね!
そっちの方が楽しいでしょ!とか言いつつこの記事はガッツリ旧帝大とか書いているんだけどね!矛盾しているね!ごめんね!
あと、これは本当にどうでもいい話だけど、勉強ができる人ほど大学の名前を無視しているよ!もっというと人を、その人の現在を見ていると思うよ!
うちの研究室にも、東大どころか海外の大学に余裕で留学できるぐらい超絶優秀スーパーハイパー博士課程学生がいらっしゃるけど、
自分がやりたい研究を考えてうちの研究室に来ているからね!分野的にもっと上の研究室は海外にたくさんあるけど、
それでもうちに来るのはそれだけ特殊な分野の研究をやっているからかもしれないね!すごいね!
過去という意味では、最初にも書いていたけど、浪人がどうとか誰も気にしないね!逆に、今その人が何ができるかばかり考えている気がするね!
要するに、能力がどれぐらいあるかを見ているんだよね!よっぽど実力社会だと思うよ!今私もその中にいると思うと生きるのがつらいよ!みんな超優秀だもん。私も頑張ります。はい。
なんだか長くなっちゃったね!ごめんね!興味深いところが一つでもあったら嬉しいな!
最後に、私自体はインターネットの何処かで小さなブログをやっているよ!ふつうだったらここでURL貼るところなんだろうけど、もちろん貼らないよ!
ブコメにもあったけど,高専から大学への編入組は大変優秀な学生が多い.東大の場合,大学院から早稲田や慶応などの私立または他の国立大学から来る学生も多いが,彼らの優秀さは東大生の優秀さとそれほど変わることなく,ヤベー感はない.よくある優等生といった感じだ.
一方で,高専からの編入組は基本的にヤベー感が高い.ゲームで言えば初期パラメータの振り方,偏りすぎてません?という学生が多い.そういう学生が研究室での研究テーマと合致するとものすごーーーく成長し,バリバリと研究成果を生み出していく.(合致しないと辛いことになるのかもしれない)
おもうに高専編入組の優秀さの源泉は.通常の大学生が1-2年生のときに体験するサークル・飲み会などの乱痴気騒ぎと無縁であるからではないだろうか.ある意味で変人を変人のまますくすくと育てられるのが高専の良さでもあるので,偏った人の強みを育ててあげてほしい.数学大好き魔人とか組み込み大好き魔人とか.
4月は着任4日目から授業って、どうやればいんじゃと悶絶。
4月も中旬になると慣れてきて、何が合っても「まあいいか」とおおらかな気持ちで仕事ができるようになったよ。
4月が下旬になると、サボりかたを覚えてきた。学生よ、ごめんねダメな教員で。
GWが終わって絶賛5月病を発症中です。もう明日は授業やりたくない、天気が良いから休講にしたいぞい。
「高専というものは大学でも高校でもない」と言われていたが、まあ確かにそのとおりだ。
しかし、高専ってのは高専と大学の線型結合だ。つまり、全く新しい何かではなく
(高専) = 0.7 × (高校) + 0.3 × (大学)
って感じだよ。
学生は一様に都会への憧れを抱いていて、これじゃあ地方の未来はないよなあとため息が出る。
卒研はニコ動の「やってみた」(技術部)が許される雰囲気なので、研究テーマ考えるのが苦手な自分にはハードルが低くて良い。
レベル高い研究室は、学会発表くらいまで持っていけそうな雰囲気。学会で高専生が発表すると微妙な雰囲気になる理由がわかった。
高専に来て、間接的に「大学のクソみたいな教育でも大学生を育てているのだなあ」と感心し
高専の1年生だって、卒業までには大きく成長してますよ。ただ、ゴールが違うだけです。
数学を捨てたエンジニアに未来はあるのか? と思うほど学力崩壊してる。
就職率は高く、なんだかんだで卒業までに職を見つけているから社会的には許されるのだろう。
しかし、コレまで当たり前のようにしていた会話
(後輩)「めんどくさいから、級数解法でやってみたら傾向がみれていいんじゃないスカ」
こんな感じの会話ができないのは辛い。
学生は「こまけえこたぁいいんだよ!」なんて言わないが、いつも何も考えず装置を使ってる。
こういう大胆さってときに大発見につながるからちょっと羨ましい。
飲酒を注意したり、遅刻学生に声かけてみたり、チャリの乗り方にイチャモンつけたり
月に一度の看守ごっこしてみたり、体育祭を盛り上げてみたり...
正直、この方面はあまり興味がないのでテキトーにやって楽しむぞと思っている。
博士課程への進学を投資として捉えれば、たぶん生涯賃金では回収できないだろうと思う。
だけれど、上司からプレッシャーをかけられたり、追い詰められたりしないので良い。
残業代がデないという噂は本当だった、残業の付け方さえ教えてもらえなかった。
チョットでも準備をしようと思うと、帰宅時間が20時を超えてしまうので、終末に向けて疲労が貯まる。
土日は寝てるだけ。これはつまらん人生だな。もうすこし早く退勤する方法を検討中。
てか、システムが基本高校だから朝は勤怠管理されるし勝手に休講出来ないのがつらい。
職場の外では先生として見ないでください。学問の手本くらいにはなれますが、人生の手本にはなれません。反面教師です。
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魔性とは一体何なのか、何故彼女たちは魔を宿すに至ったのか、どうすれば魔に魅入られず無難にやり過ごすことが出来るのか、知りたい。
まず、私が魔性の女性に大きな関心を抱くようになった経緯をお話したい。
もう十年以上前の話だ。
大学に入ったものの、雰囲気が全く合わず、精神的に追い詰められていた。医療系の大学だったが、勉強する内容の重要性について頭では理解出来ていても、全く興味を持てなかった。授業も、半強制的に入部させられた部活動もストレスでしかなかった。
詳しいことは省くが、家庭の状況もあまり良くはなく、どこにも安らげる場所がなかった。独り暮らしでも出来ていればよかったのだろうが、地元の大学ということもあって親の意向により却下された。
経済的な問題ではなく単に束縛したかったのだと思う。ちなみに増田は男性なので、娘を心配する親心とかそういうものではない。
そんなこんなで、入学してから数年は、内面を押し殺して級友たちに愛想を振りまきつつ(閉鎖的な環境だったので、浮いてはならないという意識があった)、何とかかんとかやっていたが、ある時、留年した。
留年したことによる自尊心の損耗と、牢獄から抜け出る時期が遅れることへの絶望を覚えたのと同時に、大学からしばらく離れられるという安堵があったことは否めない。一年間の休養を経て大学に戻ったが、当たり前だが一つ下の学年と合流しての再出発だった。そこでPさんと言う女性に出会った。
Pさんは清楚な美人で、社交性もあり、学年の中でも慕われていた。成績も優秀な上、運動神経にも優れ、所属する部活動の大会では毎年優勝候補に挙がるほどだった。力のある教授が運営する研究室にも出入りしており、要するにパーフェクトに近い人だった
そんなPさんがどういうわけか私によくしてくれた。彼女の交友範囲はとても広かったが、特に学士や留年生のグループと仲良くしていて、その関係もあったのだろうが、傷心だった当時の私にとっては有難いことだった。
有難いと思っているだけで済ませられればよかった。
お察しの通り、彼女に恋をした。入学してから一瞬たりとて心の休まる時がなかった私にとって、彼女の笑顔は天使のそれに思えた。彼女はよく、誰にも見えない角度でわざわざ上目遣いになって、輝かんばかりの笑顔をこちらに向けてきた。
この他にも色々あったが、当時の私が非常に純粋であったことを差し引いても、Pさんのこちらに対する態度は異性への好意を示すものと解釈して問題なかったように思う。あの状況下で彼女の内心を疑う者はまずいないだろう(個人の主観ではあるが)。
ほどなくして私は彼女に告白をした。彼女の反応はすげないもので、私はとても焦った。何故? あれほど好意を向けてくれていたのに、どうして? 焦りから、青臭い感情を凝縮した内容のメールを送ってしまった。この一通のメールだけで、この後は一切電話をかけることもしなかったが、本当によかったと思っている。
あっさりと流したが、この時は本当にしんどかった。全身の血液がドス黒く濁り、冷たく沸騰しているような感覚が続いていた。そんな時、あるクラスメイトの男と話す機会があった。仮にYとする。
始めは野郎二人で食事をしながら世間話をしていたのだが、慰めてもらいたい気持ちがあったため、ついPさんとのことを話してしまった。するとYの血の気がみるみると引いていった。
まだ心の整理が出来ていなかった私は、どうして彼女はこちらに好意もないのにあんな態度をとったのか気になって仕方がなかった。むしろまだ好意を持ってくれているものとどこかで信じていた(よくある話だが)。だからYにも意見を求めた。そうしたらこの反応。何かがおかしいと思った。問い詰めた。確実にSは何かを知っている。何を?
私が引きそうになかったため、Yは遂に折れた。絶対に誰にも言うなよ、俺から聞いたってことも秘密だぞ、と念を押してからYは言った。
「宗教だよ」
今度はこちらの血の気が引く番だった。混乱する私に対してYは自分の携帯電話の画面を見せてきた。そこにはPさんからのメールがあった。
「セミナーに一緒にいきませんか? 料金は私の紹介で、特別料金の〇〇〇円です」
という内容が女の子らしいテンションで書いてあった。何のことはない、Pさんの正体は美人局だったのだ。そして私は獲物に過ぎなかった。かつてのYと同じく。Pさんがセミナー勧誘を切り出す前に私が舞い上がって告白をしたため、その後の展開は違ったが。
後にSから引き出した断片的な情報を基に彼女のブログを特定した。目を剥いた。子供の頃UFOを見た、宇宙のエネルギーを感じている、アセンション、などなど彼女が本物であることを認めざるを得ない内容がこれでもかと綴られていた。
彼女は様々な種類のカルトを次から次へと渡り歩いているようだったが、当時、彼女が入れ込んでいたのは代替医療詐欺をメインとするカルトだった。彼女は、医療系大学の学生という肩書を利用して、明らかに効果がないと思われる高額な代替医療商品の宣伝をブログ上で行っていた。彼女自身もモニターとなっていた。
本当に恐ろしかった。あの天使のような笑顔も、何もかもが嘘だったことが。そしてその嘘に踊らされていた私自身の滑稽なまでの無防備さが。
恐怖とともに、怒りと恥ずかしさ、情けなさが爆発的に湧き上がって全身がねじ切れそうになった。吐きそうだった。
ここで私は最大の失態を犯す。傷ついたプライドの代償行為。弄ばれたという被害者意識の炸裂。どこまでもみっともなく、どこまでも愚かな行動。
「前回のメールの内容は冗談だった。ところであなたのことは全て分かっているよ」
といった内容のメールをPさんに送ってしまった。勿論、前回のメールの内容が冗談なわけはなかったし、本気だった。何を今更としか言いようがない。見苦しいこと極まりない。
そして「あなたのことは全て分かっているよ」。これは示威行為だ。Pさんは自身の裏の顔を隠すべきものとして認識していた。事実、事が広く知れ渡ったら大きな問題となっただろう。まだ学生とは言え、医療者の端くれが代替医療詐欺に手を貸していたのだ。ブラックジョークでは済まされない。
私はPさんのアキレス腱を握っていた。そのことをあえてPさんに伝えることで、Pさんと同等以上の立場に戻ろうとしていた。惨めな男としか言いようがない。
さて、この行動がどんな結果を生んだか。
死ぬほど後悔することになった。
想像してみてほしい。私は留年生、つまり成績不良の劣等生だ。対してPさんは先述したようにどの角度から見ても完璧な優等生だった。学年内のどのグループとも交流があり、誰からも信頼されていた。教授陣からの好感度も高い。留年生で、味方がほとんど大学内にいない私が彼女に立ち向かうことは、自殺行為でしかなかった。
おそらくPさんはそこまで計算した上で、獲物を選定していたのだと思う。もし私を型に嵌めることができず、私が暴れ出したとしよう。周囲はこの状況をどう見るだろうか? 身の程を知らない勘違い劣等生が学年のマドンナに振られてトチ狂っているとしか思わないだろう。
そうした保険をかけた上でPさんは私に近づき、魅了してきたのだ。気づいた時は後の祭りだった。
私は学年内において孤立することになった。いや、孤立で済めばよかった。表立っては誰も口にしなかったが、私の学年内における扱いは完全に狂ったストーカーのそれだった。
告白を断られた時に送ったメールは既に広く出回っていた。Pさんが「勘違いされて変なメールが来た」と、多方面に流したからだ。このことはYが教えてくれた。だが、Yこそが最悪の敵だった。彼の立場にたって考えてみてほしい。
誰が私にPさんの正体を知らせた? 内通者は当然Pさんにとって敵となる。そうなることをYは恐れたのだ。Pさんと敵対して、この学年で、この大学で生きていけるわけがない。だからこそ、Yは誰よりも激しく私を攻撃してきた。Pさんに睨まれないために。彼自身が生き延びていくために。
私は全てを理解した。これ以上、足掻けば足掻くほど状況は悪くなってゆく。あの時点で私に出来たのは、ただひたすら身を縮めて、ひっそりと残りの学生生活をこなしていくことだけだった。復讐の手段がなかったわけではない。インターネットの掲示板に彼女のブログを貼り付けて拡散すれば、彼女とて無傷では済まなかったろう。
だがそれをして何になる? 私に対する大学内での風当たりはさらに強くなるだろう。裏では散々なことを言われていても、表向きは何もないことになっていた。私が何もしなければ、向こうも直接的には何もしない。そういう冷戦状態で安定していた。
その時期、何度か私の携帯電話に非通知の電話がかかってきたくらいで、特に何事もなかった。だから私はそれ以降、影になろうと必死に努力した。
こうした経緯で私は魔性の女性というものについて、大きな興味を抱くことになったのだった。
少し長くなってしまったので、一旦、ここで区切らせて頂く。私自身の魔性についての考察は次回に持ち越したい。ところで、もしよかったらこれを読んだ方の中で、魔性の女性について思うところがあれば、是非、コメント欄に書いてほしい。ブコメでもいい。魔性の女性について、自分の考えを整理するための参考にさせて欲しい。よろしくお願いします。
学校に行けなくなった。
新学期が始まった。
周りの人間は去年からの知り合いもいるし、そうじゃない人もいて
みんなが真面目に頑張っている。
教員も悪い人たちじゃない。
でも、学校に行けなくなった。
朝起きて準備して玄関に行って、そこから出ることが出来ず1限に間に合わない。
徒歩10分の距離が果てしなく長い。学校に向かう人々を見て足がすくむ。
真面目な空気、やらなきゃいけない空気、それが気持ち悪くて怖かった。
今までよりも狭い空間に、今年は定員を超えた人数が入学しており
研究室も窮屈になって、もう、学校に行くのもいることも、耐えられそうになかった。
休学や退学を考えた。
勉強や研究は好きだから続けたかったが、学校という場所を考えるだけで、心が痛い。
学費を払い、将来を期待する母親になんて言えばいいのかわからない。
「学校に行けなければ自殺」という選択はバカにされるかもしれないが、本人にとっては一大事だ。
見ている世界が狭いのだとも思う。
だが、今まで生きて来た世界から外に出る気力もなくなってきた。
誰かに助けてほしいわけじゃないけど、生きるのをやめたくなるくらいにはしんどい。
GW前でこの状態なのに、GWなんか迎えたら行かなくなるに決まっている。
その現実すらも怖い。