はてなキーワード: 専門性とは
いや、もちろん女性が情報処理能力の面で男より優れてると言ってるわけじゃないよ
女性が家事が上手いのはたぶんそういう教育がなされるからだろうね
昨日の福島瑞穂議員の質疑、大事なことを指摘してるんですが、福島さんも20分で相手が金田さんでは何も聞けないに等しいですね。言いたいことがいろいろあるのはわかるけど、もう少し絞って、連続した質疑の中で回答を得るようにしていってほしいんですけれども。挙げられた指摘としては、TOC条約が求めている、既遂、未遂を除いたovertact(顕示行為)として、予備行為を認めることができる可能性をかつての答弁では否定していなかったこと、2006年の段階では128まで絞ったのに、なんで前よりひどくなってる案をしゃあしゃあと出してるのか、とか聞いていましたが、一番びっくりしたのが、金曜日に枝野さんと林局長の間で行われた、故意のある1人と故意のない1人が、計画をした場合に、テロ等準備罪は成立するか、と福島さんが、確認で聞いたときに、噂のボールドヘッドマスクマンがレクしにきて、暫くしゃべった後に、金田さんが「ご通告がないのでただちにお答えすることができない」という驚きの回答。金田さん、枝野さんの質疑聞いてなかったのか、聞いてたのに理解できなかったのか、理解したけど答えたくなかったのか、どれにしても最悪なんですけど、ナンナノこの人。この、すでにやった質疑の中で明らかにされたことを確認することまで通告しろって言い出したらもう口頭で議論する意味ないやん。勉強不足どころか、いったい何ならわかるのかというレベル。
あと今日、参院厚生労働委員会で、精神保健福祉法が採決されそうなのも注目ですし、衆院法務員会の共謀罪の参考人質疑も聞かねばならず今日中にはまあ無理かなと思うんですが。今日は、宮崎岳志議員の質疑から。
これマジでうれしいから、みんなやってほしい。ほんとにうれしい。参考資料もアップしておいてくださればなおうれしかった。
玉木雄一郎議員の質疑に対して、「日本の獣医学部は東大を除いてTOP50に入ってないからレベルが低く、人畜共通感染症など水際対を担うには力不足だから新設して、世界に冠たる先端ライフサイエンス、水際対策のカリキュラムを5,6年次に行う加計学園の新設学部が担うのがふさわしい」みたいな答弁を山本幸三大臣がしたので、加計学園系の大学のレベルについて質疑を行う宮崎岳志議員。(下部の参考表どうぞ)この玉木議員の質疑での山本答弁は専門知に対する軽視があふれでとるなと思いました。ご興味があればごらんください。
「玉木議員の質疑の中で、既存の獣医学部では、人獣共通感染症や、水際対策など、先端ライフサイエンス研究の推進に対応できないんだと述べられた、「国際的な評価機関のランキングで、2017年度版で東京大学が34位に入っているだけであります。わが国の獣医学教育の評価は必ずしも高いとは言いがたい、そういう状況にあります。こうしたことから国際的にも通用する獣医師の養成に重点的に取り組む必要がある」と答弁されているんですが、これは日本の獣医学部教育のレベルが高くないので、国際的に通用する獣医師の重点的な養成に取り組むには、加計学園に、日本最大の獣医学部(定員160)を新設するしかない、こういう意味でよろしいでしょうか」
「獣医学部における教育内容につきましては、国際獣疫事務局、OIE(口蹄疫の清浄化確認とかで話題になったね)といいますけども、の提言を受けまして、わが国でも平成23年、モデルコアカリキュラム、これは11講義21科目あるということですが、策定され、既存の16大学も教育内容の充実に向けて、カリキュラムの確実な実施について取り組んでおられると承知しております。一方で今回新設する獣医学部は、4年次までの課程はモデルコアカリキュラムを中心に配置した上で、5,6年次には、先端ライフサイエンスや、水際対策のカリキュラムを履修可能とすることにより、高い専門性を備えた獣医師を養成することとしております。こうした新たな取り組みは、既存の獣医学部で取り組むのは難しいと判断されるところであり、そうした国際競争力を養う上で、いろんな刺激を与えるものと承知をしております。」(人獣共通感染症、水際対策云々いえばいうほど、鳥インフルエンザセンターのある京産大の適合性が際立つ罠)
千葉科学大学が銚子市(負債400億)の補助金(92億円)に対して、望まれた経済効果(経済効果69億円、財政効果79億円といっていたのが、実際は19億円、14億円)がなかったことから、地域貢献を求められているがいい回答をせずもめている件、市長が加計学園の客員教授で岡山の副知事だった人(野平匡邦氏)が誘致したけど、市民が完全に分裂してる件などに触れています。
「大学が設置されると、うまくいかないということもあります。そこで、大学設置計画履行状況調査というものを文科省が行っております。その中で軽いものには改善意見、深刻なものには是正意見というものをつける、わけですが、過去3年間に是正意見が付された大学は年度ごとに何校ずつだったのか、文科省お願いします」
義家
「(略)平成26年度は31校、平成27年度は10校、平成28年度は2校ということになっております」
「26年度から現在の制度になっておるわけですが、3年間で約50弱ということだと思います。改善意見はほぼほぼ半分ぐらいの学校にはついてくるんですが、是正意見をもらうのはやっぱりなかなか大変なことなんですね。まずここに添付をいたしましたフライデーですね。2015年3月27日号、漢字の書き順、be動詞の使い方から始まる授業、定員割れは当たり前、誰でも入れるFランク・・・・こういう記事であります。この冒頭に出てくるのが千葉科学大学なんですね。「英語で書かれた文章を読み解くトレーニングを行う、第1回オリエンテーション、第2回be動詞、第3回現在形」まぁこういう授業をやっている。あるいは、数学Iの授業ですね、分数表現、不等式、小数表現、などという授業をやっている。この中ほどを見ますと、「対象校約500校のうち、半数の250校が指導を受けたのであるが、その中でもきつい指導を受けたのが、冒頭の各校である。千葉科学大学危機管理学部、環境危機管理学科、「英語I、基礎数学など大学教育水準とは見受けられない授業科目がある」、またもう一つの資料、こちらは日本経済新聞ですが、より上品な書き方はしてありますけども、同じような内容です。おしまいに実際のシラバスを乗せさせていただきましたが、最初be動詞から始まって、過去形、最後に感嘆表現ということですから、まぁ中学英語ということでしょうか、それに近い水準のものが行われている。こういった状況に対して、是正意見はどのようなものであって、それに対して、どのように改善をしたのかということを文科省に説明願えますか」
義家
「(指摘を説明)適切な内容に修正するか、リメディアル教育で補完することと指摘したところでありまして、是正意見に対しては、設置計画履行状況調査委員会において、調査を実施し、適切に対応されたと判断しております。」
「お手元の資料、これが、大学側が対応をまとめて、文科省に提出したものですが、留意事項等に関する履行状況・・・・これが先ほどの是正意見に対応するところですが、「シラバス上に大学の教育水準にふさわしくないと受け取られかねない表現があったため、実際に学生に施している教育内容に鑑み、大学教育水準にふさわしい表現に訂正した」と書いてある、つまりこれシラバス直しただけなんです。授業の中身を改めましたということはここには書いてない。補習を充実させましたとは書いてますけどね。結局指摘された状況を表に見えないようにしましたということです。もう一つ資料ありますけども、千葉科学大学の定員充足率です。一番右に入学率、定員に対して何人入学したのかと私が足しましたけども、環境危機管理学科、40人の定員に対して14人しか集まっていない。今度加計学園に獣医学部作らせようとしてるんですが、動物危機管理学科というところは40人に対して21人しか集まっていないんですね(この千葉科学大学の動物危機管理学科での教育知見があるから獣医学部教育できるよ、といっている。)半分なんですよ。薬学部博士課程になると、1人も入学する人はいないという状況です。さらに薬学部では、出願者と受験者数というのが大きく異なることがあるんですね。千葉科学大学の場合には、48人出願したんですが、実際には28人しか受けなかった。もちろん他の学校でもこういうことは散見されるんですが、ひどいときには半分を下回ることもあるんです。なぜこういうことがおきるのかというと、これは厚生労働省にお願いできますか。」
「(受験日に体調を崩したり受験できなかった、卒業見込みで出願したものの、受験資格がなくなった場合が考えられる)」
「薬学部に限らず、医療系はほぼほぼですが、国家試験のある学部では、新卒合格率というのを重視します。誰でも彼でも卒業させて、受験させると、新卒合格率が下がってしまいますので、受かりそうにない場合には留年をさせて受験させないということがよく起こります。特に私立では、入学者数に比べて、受験者数が極端に少なくなるということがあるんですね。今年行われた、薬剤師試験で私立の大学の中で、受験者数がもっとも少なかった大学はどこでしょうか」
森
「国家試験の薬剤師試験につきましては、各大学の中で、定員が異なっているため、一概に多寡を議論することはふさわしくないと思いますが、本年の薬剤師試験の受験者数がもっとも少なかった私立大学は千葉科学大学でございます。」(千葉科学大学は定員120で、私立大学の中ではちょうど真ん中ぐらいの規模)
「私立大学薬学部56校あります。この合格者数で見ましても、数ですよ、数。一番低かったというわけではないんですが、56校中54番目ということになっている。合格者数で見てもほぼ最低ラインですよ。大学経営にご苦労されているのは仕方ないことですよ。そういうことはあるでしょう。別にこの大学だけが厳しいわけでもないですよ。非常に厳しいほうだとは思うけども。なぜね、国家戦略をこういう大学に任せるのか。東大はたったの34位ですよ。トップ50に一校しか入ってないですよと、国家戦略これでいいんですか、先端ライフサイエンスこれでいいんですか、これで、国家戦略特区で、世界に冠たる拠点を作るんですよ、といったところがですね、今言ったような状況のところで大丈夫ですか。逆に、なぜそういうところにこれだけの優遇をして、許可したんですか、ということを言いたいわけです。資料の一番最後をご覧ください。入学して6年後、どれぐらい合格できる、という表があります。えー6年薬学部のですね、定員は当初200人だったんですが、入学希望者が集まらないので現在は120人になっている。また入学者も当時140人程度だったのが現在では70人程度となっている。結局147人入学したけれども、6年のときに国家試験受けた人は44%しかいない。残りの56%の人は受験までたどりつけていない。合格した人は3割ですよ。31%、45人。翌年見ても同じですよ。117人入学しましたが、6年のときに受験された方は40人しかいません。全体の34%ですよ。残り3分の2は受けることすらできなかったんです。受かった人22%ですよ。残り78%はどうしたか、留年して翌年受ける人もいるでしょう。27年度学士を受領した人は44名しかいない、これだけ卒業したということだと思いますが、43人昨年退学をされている。留年者数を見ると、薬学部2年で47人、6年の時に42人留年してます。卒業させないで、国家試験を受けられないように持って行くと、受けても受からないというご判断なんでしょうけれども、留年する人はするし、やめる人はやめていくということなんでしょう。これ1年学費200万ぐらいかかりますんでね。6年間だったら1200万かかるわけですよ。生活費入れたら1500万とか1800万とかかかるんじゃないですかね。これで1年、2年留年するって大変なことですよね。こういう状況だということなんですが、これは薬学部に限りませんが、国家試験の新卒合格率を高めに誘導するために留年させるような卒業延期という手法が広がっている実態がある。文科省はどう思っているのか。」
義家
「(指摘されたような状況は)詳しく調査はしていないが、一部の大学で、国家試験に限らず、入学者に比べて、進級者が極めて少なくなっていることは憂慮している。そこで、こうした大学については、進級基準や指導内容等について必要な情報を公開していくよう、文部科学省としても適切にうながしていく」
「承知してないとか言っちゃだめですよ。議員のご子息でも、医学部、薬学部行かれてる方も多いので、みんな知ってることなんですよ。結局文科相が新卒合格率という形で評価をして、低いところには、指導したり、ペナルティをかけているからこういったことがおきてるんで、これを改めない限り、改善することはないんですが、今日はそれではなく、教育のレベルに関して、先ほど言ったように是正意見がつく、あるいは教員が集まらないとか、生徒数が集まらないとか、そういうことで改善意見もつけられていて、加計学園系の3大学すべてに毎年かかっているような状況なんです。薬剤師の合格率も実質的には極めて低い状況になっていて、資格職であるけれどもなかなかうまくいかない。そういう状況の大学があるのは、それは実際にあるんだし、一概にここだけを攻めるんではないけれども、しかし、国家戦略として、人獣共通感染症の水際対策をやるとか、レベル4の衛生施設を作って、日本にエボラとか、人獣共通ということなので、鳥インフルエンザが中心かもしれませんが、そういったものや、先端ライフサイエンス研究がね、遅れているから、それに力をいれるんだとか、日本は東大ですら34位にしか入っていないからけしからん、その次に至ってはトップ50にもはいっていないではないか、ここは加計学園に新しい獣医学部を作ってもらって、世界に通用する国際的な獣医師を育成しようとか、そういうことで認定をするには、やはりちょっと力不足ではないかといわざるを得ない。ですから前回も、その前も申し上げました。定員160人作るなら、80と80で京都産業大学と2箇所じゃなんでいけなかったんですか、40ずつあと3箇所作って全国各地に配置とかにしたほうがよかったんじゃないですか。もう時間がありませんので、大臣に忌憚のないご意見を伺いたかったですが、これ日本の国家戦略をこういうところに任せる形になってますけど、ほんとにこれで大丈夫ですか。」
「この近年の感染症の拡大に伴い、各地域での水際対策や新薬の開発などの、先端ライフサイエンスの実施など、獣医師が新たにとりくむべき課題がでてきていることは確かであります。こうした新たな分野で活躍する獣医師の養成は、必ずしも、新たな獣医学部のみが行うものではありませんが、。ただ新たな人材ニーズに対応して、思い切ったカリキュラムの再編成や、専任教員の入れ替えを行うことは、カリキュラムがすでに確立している既存の獣医学部が行うには限界があると考えております。このため、新しい学部を設置し、新たなニーズに対応することが、効果的、合理的であると考えるところであります。なお特区について、毎年度行う評価において、新たに設立される獣医学部が当初の目的を達成できているかについては、適切に対応してまいりたいと考えております。」
「この学校がふさわしいということを検討されたかについてお答えいただいてないんですよ。今カリキュラムの話しかされてない。この学校が現在運営されている状況を、ちゃんと検討されて、それでもふさわしいとされたのか、そこだけお答えください。」
「個々の大学の内容等については、私が所管するところではないわけでありますが、少なくとも。提案の中で意欲的な取り組みをされるということは評価に値すると考えておりますし、将来は、えー、そのーえー職務(?)をきちんと果たされているかについては、えーしっかりと適切に対応してまいりたいと思っております」
「衆目の一致するところではないからこそ、いろいろな憶測を呼ぶのだということを付け加えまして、今日の質疑を終了します。」
ちなみに、今日で国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案は可決されました。
いやほんとに千葉科学大学のレベルが低いというつもりはないけど、既存のが低いからっていう理屈を持ち出した以上、どんなご立派なところなんですかーって、北大とかから言われるのは仕方ないんじゃないですかね。
参考表葉トラバに。
いやITだったらなるよ。日本の大半の企業はITじゃないし専門性何も無くて社内調整ばっかやってるような仕事大量にあるじゃん。その辺の話。ITだったらいいんだよそこは。
すまん、雇用者の視点でビザサポは金がかかるが、天引感覚に思っておけば良いといいたかった。
実際は天引き無しで
何を言っているのか分からないのできちんと論理的に意味が通る文章で書いてくれ。
最初から海外に目を向けるような超優秀な奴ではなく、韓国にはざらにいる新卒だが、日本人と比べると優秀な層をターゲットにスカウトする。
だからそんな奴にお前が提供できる価値はなんなの?最低限日本の普通の新卒の倍くらいの給料(もちろんビザサポート分は別にした上でだぞ)は最初から払えるの?今後のキャリアに繋がるような専門性の高い仕事を用意できんの?
「超優秀層」は日本の普通の新卒の給料の3~5倍くらいが標準的なスタートラインだからな。
小学生から掲示板やチャットにハマって、中学生でテキストサイトを運営してそこそこ有名になった(雑誌に載るていど)ころから10年が経った。今では2chも個人ニュースサイトも個人テキストサイト(noteとかミディアムとかに当たるのか?)も興味なし。つまらないとは言わないけど私には合わない。twitterもいっときはハマったけど、私がインターネットに欲してるのは「読みもの」だから、そもそもソーシャルネットワークとは関係がなかった。タイムリーで、専門性もあって、レトリックにもキモい味わいがあって、2chみたいな匿名性も残されている増田は、私にとってインターネット最後の砦。っていう日記を同じベッドで馬鹿ヅラして寝てる彼氏の隣で書けば増田文学みたいになれるかな?って思ったんだけど、いまいちだったわ。でも「最近のインターネットはつまらない」とは言ってないだけ偉くない?意識してないけどそもそも若者や新しいカルチャーに理解があるほうだったんだなって自分で思うと安心する。あとカレーにちょい足しするのにオススメな具材教えて、今流行ってるし明後日くらいに作るから。
海保けんたろーさんという人がちょい炎上しているようですね。なんだか楽しそうです。
まぁ事情はよく分かりませんが,著者は論理的な反論をご希望とのことで,なんというか,職業研究者としての腕が鳴ります。
ということで,以下の記事を査読してみました。長いので,お好きな方だけ読んでください。
動員の少ないバンドはライブするのを止めてもらえないだろうか | 海保けんたろーの思考集積場
本論文は,ライブハウス業界の抱える諸問題を指摘し,それらを解決するための手法を提案したものでした。
著者が強い問題意識を有していることは理解できますし,音楽業界の当事者からこういった提案がなされる事自体には一定の価値があるものと評価できます。
しかし,残念ながら論文としての質は掲載するレベルに達しておらず,今回は【不採択】とさせて頂きます。
全般的に術語の定義が曖昧であり,推論の根拠も乏しく,論理展開には問題が多いと言わざるを得ません。
また,社会に大きな影響を及ぼすことが予想される手法について,そのメリットのみを強調するのでは,あまりにも議論が一面的です。
さらに,そのメリットも,どういった基準によって評価されたものなのか明示されておらず,了解することが困難でした。
ただし,ライブハウスのサービスを向上させるという目的については,一定の価値を認めることができます。
将来的な再投稿に向けて,以下に示すコメントが有益なものとなることを祈ります。
こんばんは。海保けんたろー(株式会社ワールドスケープ代表/ドラマー)です。
言いたいことはタイトルに書いてしまったが、要は「動員数がとても少ないバンドはライブを減らしてほしい」というぼくからのお願いである。
#1
主題文が明示されており,本論文の趣旨を読者に提示することができています。
しかし,タイトルでは「止めてもらえないか」と述べていますが,ここでは「減らしてほしい」と述べており,既に論旨の不一致が認められます。
止める,と,減らす,が同一の行為を指すとは考えにくいことです。正確な記述に修正して下さい。
まず、先に誤解を避けておきたいのだが、
「オレたちは別に売れたいとか、プロとしてやっていきたいとかは思ってない!社会人として働きながら、趣味としてライブをしたりしたいんだ!」
というバンドは、この件に該当しない。
そういう音楽活動は大いにアリだと思うし、そういう人たちにつべこべ言う気もない。
大いに趣味を楽しんでほしい。
あと、「チケットノルマいらないから出演してくれ」と言われてライブハウスに出演しているバンドもこの限りではない。
そういうバンドは、お金以外の何かしらの理由でライブハウスに求められているから、問題ない。
問題なのは、いわゆるプロ志向でありながら、チケットノルマを課され、それ以下の動員しかできない、というようなバンドである。
#2
ここで著者はバンドを3類型していますが,各類型を簡潔な名称で表現してくれれば,可読性が高まります。
#3
これは定量的に分類可能な類型でしょうか。もしくは,定性的なものでしょうか。その点を明らかにしたうえで,類型の正当性について根拠を補強してください。
#4
特定のバンドが収まる類型は,時間的・空間的要因によって変動しうるものだと推測されます。
たとえば,ライブハウスAではノルマ無しでブッキングされているバンドが,その他のライブハウスではノルマを求められるといったことは無いのでしょうか。
この点を明らかにしたうえで,その場合の評価について明言してください。
はっきり言おう。
#5
「今のライブハウス業界が腐っている」,という評価を前提に書かれているようですが,この評価を裏付ける引用文献など付け足してはいかがでしょうか。
立場や専門性の異なる読者も前提を共有できるよう,この評価の根拠を補強し,それがどの程度普遍的なものなのか説明してください。
なおその際,「ライブハウス業界」と「腐っている」という術語の定義を明確化すると了解可能性が高まるでしょう。
普段ライブハウスに出入りする習慣のない人はピンとこないかもしれないが、
よく声が上がるのはこのあたりだろうか。
・スタッフが愛想悪い、分煙がされていない、ドリンクが薄い、食べ物がない、などの「ライブハウス・サービス悪い問題」
・集客についての努力をほとんどせず、出演するバンドの集客に全面的に頼っているという「ライブハウス・集客しろ問題」
・本来は協力関係にあるはずの出演するバンドからお金を取ることで、商売を成立させているという「ライブハウス・チケットノルマ問題」
どれもずっと言われている根の深い問題だ。
#6
「ずっと言われている」とありますが,査読者はこの前提を共有していないため,了解できません。
「ずっと」という表現は過去の一定時点からの永続性を意味するものと推測されます。
その時点がいつのことを指すのか明確化したうえで,それが永続的であるという根拠を示してください。
また,ここに挙げられている3つの見解について,引用文献を付け足すなど,根拠を補強してください。
加えて,この3点をあえて選択的に取り上げることの正当性についても,説明が必要です。
#7
そもそも論になりますが,上記3点はライブハウス自体の問題であり,
それらが著者が言うところの「業界」を含む社会全体にどのような影響を及ぼしているのかが述べられていません。
そのため,上記の問題が解決されると,誰に・どのようなメリットが・どの程度生じるのか分かりません。この点を明確化してください。
#8
問題の定義はあやふやですが,著者なりの提案手法を明示していることは評価できます。
しかし,提案手法以外の方法がレビューされておらず,他手法と比較した場合の利点が分かりません。
こういった複雑な社会問題にあって,解決手法が1つしか無いということは考えにくいことです。
ある手法を選択することの正当性は,その効率性や有効性等の相対的な評価によって担保されます。
以上の点について,論述を追加してください。
#9
1つ前のコメントとも関連しますが,問題(preintervention)の状態が明確化されていないため,
介入によって期待される結果(postintervention)がどのようなものなのか分かりません。
少なくとも,手法を提案する前にこの点を明らかにしておく必要があります。
#10
「すべて解決」という表現は,上に挙げた問題が根絶されるという意味でしょうか。
そうした劇的な効果は,劇的な変化でもありますので,かえって別のところに問題が生じる可能性は無いのでしょうか。
手法による正の効果と負の効果を天秤にかけても,なお正の効果が大きいと考えられるのであれば,この手法が選択される可能性は高まります。
この点について説明を加えてください。
#11
「チケットノルマ分も動員できないバンド」は上記3類型における,「プロ志向でありながら、チケットノルマを課され、
それ以下の動員しかできない」バンドのことを指しているものと理解しました。
類型の名称が変化していることで,了解可能性が損なわれています。統一してください。
少なくともキャパ100〜300くらいの都内ライブハウスは、出演者が激減してスケジュールの7〜8割が空くことになるだろう。
出演者がいないということはもちろん集客もできないので、売上が立たなくなる。
#12
この予測に用いられたデータを明示してください。二次情報であれば,出典を明示してください。
データを確認できない以上,この予測が正答なものなのか,評価することができません。
また,「ぼくの感覚」を結論の根拠としていますが,これは根拠薄弱と言わざるを得ません。
#13
上記3類型に収まるバンド数の比率は明示されていませんが,スケジュールの7-8割程度が空いてしまうということは,
現存するバンドの7-8割程度が「プロ志向でありながら、チケットノルマを課され、それ以下の動員しかできない」バンドだということでしょうか。
この点についても正確なデータを報告して下さい。
#14
多くのライブハウスが閉店することで生じる負の影響についても予測しておく必要があります。
仮にそれがメリットと比べて過大なものであれば,この手法を積極的に用いることは勧められません。
たとえば,ライブハウスで働く人々の失業など,提案手法による負の影響は容易に予測できます。
この点は提案手法の評価に直結するものですので,明確な論述が必要です。
#15
本論は,100-300程度のキャパシティを有する東京都内のライブハウスに限定したものということでよろしいでしょうか。
では、この「残るライブハウス」はどんな所だろうか?
それは、音もいい、立地もいい、スタッフの愛想もいい、分煙がされている、飲食物がおいしい、集客努力もしている、そんなライブハウスではないだろうか?
向上できなかったライブハウスは消えるのだ。
そして当然、ライブハウスが激減するということは、そこに出演できるバンドの数も激減する。
音楽的にも素晴らしく、集客もできる、レベルの高いバンドしかライブハウスに出演できなくなるのだ。
「今夜は暇だから駅前のライブハウスに寄ってってみようかな」というお客さんだって増えてくるはずだ(今は皆無と言っていい)。
理想的ではないだろうか。
#16
多くのバンドがライブをやめれば,ライブハウス間の競争が引き起こされ,その結果としてサービスの質が向上する,というロジックだと読めます。
非常に単純化された図式ではありますが,検討に値する予測だといえます。予測される結果を,前述された3つの問題と対応させた形で記述すれば,よりわかりやすくなるのではないでしょうか。
FigureやTableを利用するなど,提示方法を工夫して下さい。
#17
「音楽的に素晴らしく」とありますが,これは定量的に評価可能な性質でしょうか。この点は,提案手法の結果を事後的に評価する際に重要な観点となります。
#18
「理想的」という全般的な評価を述べていますが,この評価はどのような観点から下されたものなのでしょうか。評価の基準を明示して下さい。
#19
3類型のうち,「プロ志向でありながら、チケットノルマを課され、それ以下の動員しかできない」バンドが多数であることを前提に議論が進んでいるようですが,
その根拠が示されていないため,上記のような「激減」や「競争」が実際に発生するのか,判断がつきません。
仮に3類型の比率が著者の想定と異なる場合(たとえば趣味のバンドが過半数を占める,など),提案手法の実行によってどのような結果が得られるのでしょうか。
提案手法が有するであろう社会に与える影響の大きさを考慮すると,その実行を正当化するためには,より綿密な論理展開と,データによる裏付けが求められます。
仮に現段階で3類型の比率を定量的に測定していないのであれば,測定を行い,データを追加すべきです。そうしないのであれば,結論をトーンダウンすべきです。
#20
提案手法の実行可能性について,一切の評価が行われていません。手法の具体的な手続きとともに,その実行可能性について説明して下さい。
仮に実行可能性が低いのだとしたら,それは提案手法の手続きに運用上の問題があることを示唆します。
それが予め分かっているのであれば,はじめからその点をクリアできる手法を提案すべきです。
しかし、残念ながら現状はそうなっていない。
なぜなら、動員できないバンドが喜々としてチケットノルマを支払うことによって、ダメなライブハウスを生き残らせてしまっているからだ。
#21
「ダメなライブハウス」とは,前述された3つの問題を抱えるライブハウスのことでしょうか。明確な記述をお願いします。
#22
著者の言う「ダメなライブハウス」が存在することの,何が問題なのでしょうか。
言い換えれば,著者による提案手法によって3つの問題が解決した場合に,得られるものは何なのでしょうか。
それらが現存することで,どういった問題が生じているのか明らかにしたうえで,解決の必要性を論じて下さい。
提案手法は多くのヒトに影響を及ぼす大規模なものです。なかには,負の影響を受ける者もいることでしょう。
それでもなお,提案手法の実行を正当化したいのであれば,よほど重大な効果が必要になります。
本当にやめてほしい。
#23
減らしてほしいのか,やめてほしいのか,論旨を一貫させてください。
以下、ありそうな反論
A.そうですね、広めの練習スタジオにお客さん入れてやったり、ライブバー的な狭いところでやればいいと思います。
#24
趣味のバンドが出演するライブハウスについては不問とのことですので,そのような店舗が受け皿になる可能性はあるでしょうか。
その可能性があるとしたら,この提言は不十分なものだと考えられます。
Q.数が少なくたって楽しみにしてくれるファンがいるんだ!
A.同上です。
#25
適切なサイズの会場でライブを行えば良いという提言でしょうか。むやみに省略せず,正確に記述して下さい。
A.自分の動員が少ないなら、対バンの動員も大抵少ないですよね?だとするとそのやり方は効率悪いので別の宣伝方法考えたほうがいいと思います。
#26
1文目の推論について,根拠を明示して下さい。
#27
一度に行える宣伝方法は一種類とは限らず,これを別の宣伝方法と並行させることは可能です。
いくつかありうる方法のうちの1つを特定的に実施不可能にする必要があるのでしょうか。
Q.そんなライブハウスばかりじゃない!●●はとても素晴らしいハコだ!
#28
ここで言う例外について,具体化して下さい。
#29
2文目の推論について,根拠を明示して下さい。
#30
修正箇所が明示されていません。どこをどのように修正したのか示して下さい。
※追記記事はこちら >> 謝罪と反論(動員がないならライブ止めろ記事について) (2017/5/10 7:04)
以上です。
なんか今バズってるらしい男性保育士の記事だけど最後の方に問題がたくさんあって怒りが収まらないので自分の思考を整理するためにメモします。
https://travel.spot-app.jp/hoikuen_nagahashiryo/
たくさんコメ(http://b.hatena.ne.jp/entry/s/travel.spot-app.jp/hoikuen_nagahashiryo/)がついているようだけども、はっきりいって的外れ。手ばなしにいい記事とか言ってる人のセンスがわからない。自分の差別意識に気づいていないのかな???
1ページ目の保育の現場のレポートはとてもいいと思います。現場を知らない人がこういうのなんだって知るのは大事。
このページの前半も、とてもいい。
保育園の整備の必要性だとか、保育士の専門性、子育てを核家族が担うのは限界がある現代で、保育園が保護者に子育ての専門知識やスキルのインプット・サポートになっているという指摘は本当にその通り。
https://travel.spot-app.jp/hoikuen_nagahashiryo/2/
千葉市長の掲げた「男性保育士活躍推進プラン」にSNSから批判がたくさんあったことに関する話に及んだところで、千葉市長は、自分にコメントを寄せたアカウントなどを全部過去発言なども遡って調べたと言って、こう述べる。
「マジです。この問題は、真面目に研究しなくてはならないと思いまして。で、調べていくと、“ジェンダーフリー”の生き方を持った方々で、例えば女性の権利を守るために活動している方が非常にこだわっていらっしゃることも分かりました。もちろん、保育園に預けていた経験のある方で反対意見を出していた人もいましたけれども、それは本当にレアなケースで。例えばその人たちの中には、“旦那が自分の娘のオムツを替えているだけでも嫌”みたいな意見を言っている人もいました。でもそれはもう、ポリシーの話ですからね。生き方の」
ここのあたりの段落よんで、それまですごくいいねこの記事!って思っていた心がボキっとへし折られました。
私の周りで男性保育士活躍プランが出た時に批判していた意見を思い出すと、(かなりざっくりまとめると)実際に現実に起こっている小児への性的虐待をいかに防ぐか、そこが大事なのに、その議論をしなくて男性保育士を増やそう〜っていうのってどうなの?っていうことだったと記憶している。
(市長も「自分に寄せられたコメントを調べて」意見を言っているので、私も自分の周りでみかけたコメントから意見しますね)
で、そういうコメントの多くは、過去に学校とか教育現場で男性の教育者、あるいは家族や親族の中で年長の男性から向けられる性的な眼差しや振る舞い、そういったものに感じる「いやーな感じ」を思い出して、「やめてほしい」っていう感覚を抱いている、そう見受けられた。
この千葉市長の答え方の問題点は、そういう、過去の性被害体験につながるようなものも含まれているはずの批判を、十把一絡げに「“ジェンダーフリー”の生き方を持った方々」と雑にまとめてるところだと思う。はっきり言ってこれはセカンドレイプではないですか?
この発言によって、「性的虐待の心配がある」という指摘が、「うるさいフェミニズムがなんか言ってる」という文脈にすり替えられてしまっていて、問題が矮小化されて対策が全く取られなくなってしまう。子どもを主役に考えるはずなのでは?子ども守れないよねこれじゃ?
性的被害やそれを守ろうとする人の意見をこうやって矮小化するのは、被害を防ぐことはできないどころか、温床にしてしまう可能性もあって本当に危険。
「とはいえ、例えば“性犯罪の9割が男性だ”という意見なども出ていました。こういう意見は、男性として受け止めなければいけない現実っていうこともありますよね」
「それはある種の真実でもあるし、そのご意見に至るなんらかのご経験をされてきたことを受け止めなければならないと思います。しかし、我々が議論しているのは、保育という世界の話です。ですから、保育という中において望むべきものについて、少なくても公的な側はしっかりと筋を通さなければならないと思います」
ここにきてトンデモ感が倍増。保育の世界の問題、と切り取って、対策を打とうとしないのは、いじめの問題を教育現場で「教育の問題なんで」って言って、本当は暴行脅迫、金銭の搾取なのに刑事事件にしないのと同じくらい悪質。
そもそも、ジェンダーフリーの何が悪いんですか?と小一時間問い詰めたい。
インタビューの最後の方で、「“男性の子育て”を多くの市民に理解してもらうという意味もありましたけど」とか言っているくせに、なんでジェンダーフリーに批判的なの?
ジェンダーフリーってそもそも「女性を守る」ってこの市長はインタビューで言っているけど、女性の方が男性に比べてハードモードだから、そこから守ろうよって言っているだけで、別に男女の間に格差がなければわざわざ守ろうとしなくてもいいはず。
女性の方が小さい・若いうちからレイプに遭いやすかったり、性的搾取(JKビジネス、って狂ってるよね、まだ学校行ってる高校生で医学的にも発達過程だったりするんじゃないの?な存在で性的サービス受けるとかさ…)されやすかったり、女性だけ家事育児を担うような風潮があったり、その影響で男性が正社員長時間労働化するから男性の方が賃金高くなって格差があったりするから、そこをイーブンにしようとするだけじゃん?
だから、ジェンダーフリーになったら、子育てに理解のある男性も増えるし、男性保育士も増えるだろう?なのに、そういうダブルスタンダードに気づかずになんとなく言っている。
そういうところが、ほんと〜〜〜にムカつきました!
あと、そもそも論として、「男性保育士活躍推進プラン」の政策的な面に対して分析すると、ダイバーシティを促進するために男性保育士の働きやすい環境を整備するというものらしいんですが。
https://www.city.chiba.jp/kodomomirai/kodomomirai/unei/documents/danseihoikusi.pdf
これ、つまり、男性保育士の数がめちゃめちゃ少ないから、将来男性保育士がこれだけ増えるように数値目標を立てましょう。それを達成するために魅力を発信したり、働く環境の整備をしたりしましょう。ということみたいなんですが。
環境とか魅力の発信もだいじだろうけれども、そもそも根本的に増やすために、じゃあなんで男性保育士がこんなに少ないの?っていうのをまずかんがえてほしい。
去年の待機児童問題の国会の議論以降いろいろ発表されてますが、ざっくり、女性だけで比較しても、全産業平均より5万少ない、男女全部平均すると、全産業平均に比べて10万少ないって言われてる。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201605/CK2016050102000129.html
http://www.sankei.com/life/news/161205/lif1612050042-n1.html
冒頭記事にもある通り、子供の命と発達を担う責任重大な仕事で、最近はブラックな現場も多いというし、それだけ働いて、手取りが少なかったら、そりゃみんな辞めるよね?
ましてや、「結婚したら一家の稼ぎ頭」を期待される性役割分担を負いやすい、男性が、長く働けるだろうか?
だから、男性を増やすという施策をするよりかは、とにかく保育士という仕事の待遇をもっとよくする、根本的にはこれが男性保育士も増える本当の解決策だと思うんだよね。
もちろんトイレとかないんだったらそういうのの整備は大事だけど。でも給料安くてもトイレと休憩室よくなったから続けよ、って思わないよね。
あと、男性保育士批判を批判してる人に、子供を主役に考えてないっていう人いるけど、それも違うとおもう。
子供の性虐待防止のための現場の仕組みをもっとしっかり作ることが、男女関係なく、現場の保育士への疑いも晴らすし、子どもの安全も高める。
あと性虐待ではないけど、保育園での死亡事故は毎年報道されていて、これは根本的には「お昼寝中のうつぶせ寝をさせてはいけない」みたいなスキルの共有ができていなかったり、人手が足りなすぎて泣いちゃってる子どもをぐるぐる巻きにしちゃったりという、結局は現場の保育士への教育・人的リソースが足りていないせいでおきている。
だから、性虐待、暴力的虐待、ネグレクト、いろいろふくめて、子どもの安全性を高めるために、保育士の配置を増やしたり、研修のリソースを増やしたり、ということで対応するべきで。
そういう対応をちゃんとして、男性保育士に子どもを世話されたくない、という恐怖心を持っている人も、男性保育士が増えても大丈夫、って思えるような仕組み作りをしないといけないはずでは。
ネットの世論は福島から自主避難した横浜の児童へのおごりの強制は「いじめだろ!みとめろよ!」っていうのに、保育園で虐待を防ごうよっていう話にはなんでこんなに気づかないんだろうね。まあみんなが保育園行くわけではないからしょうがないのかな…
なんか今バズってるらしい男性保育士の記事だけど最後の方に問題がたくさんあって怒りが収まらないので自分の思考を整理するためにメモします。
https://travel.spot-app.jp/hoikuen_nagahashiryo/
たくさんコメ(http://b.hatena.ne.jp/entry/s/travel.spot-app.jp/hoikuen_nagahashiryo/)がついているようだけども、はっきりいって的外れ。手ばなしにいい記事とか言ってる人のセンスがわからない。自分の差別意識に気づいていないのかな???
1ページ目の保育の現場のレポートはとてもいいと思います。現場を知らない人がこういうのなんだって知るのは大事。
このページの前半も、とてもいい。
保育園の整備の必要性だとか、保育士の専門性、子育てを核家族が担うのは限界がある現代で、保育園が保護者に子育ての専門知識やスキルのインプット・サポートになっているという指摘は本当にその通り。
https://travel.spot-app.jp/hoikuen_nagahashiryo/2/
千葉市長の掲げた「男性保育士活躍推進プラン」にSNSから批判がたくさんあったことに関する話に及んだところで、千葉市長は、自分にコメントを寄せたアカウントなどを全部過去発言なども遡って調べたと言って、こう述べる。
「マジです。この問題は、真面目に研究しなくてはならないと思いまして。で、調べていくと、“ジェンダーフリー”の生き方を持った方々で、例えば女性の権利を守るために活動している方が非常にこだわっていらっしゃることも分かりました。もちろん、保育園に預けていた経験のある方で反対意見を出していた人もいましたけれども、それは本当にレアなケースで。例えばその人たちの中には、“旦那が自分の娘のオムツを替えているだけでも嫌”みたいな意見を言っている人もいました。でもそれはもう、ポリシーの話ですからね。生き方の」
ここのあたりの段落よんで、それまですごくいいねこの記事!って思っていた心がボキっとへし折られました。
私の周りで男性保育士活躍プランが出た時に批判していた意見を思い出すと、(かなりざっくりまとめると)実際に現実に起こっている小児への性的虐待をいかに防ぐか、そこが大事なのに、その議論をしなくて男性保育士を増やそう〜っていうのってどうなの?っていうことだったと記憶している。
(市長も「自分に寄せられたコメントを調べて」意見を言っているので、私も自分の周りでみかけたコメントから意見しますね)
で、そういうコメントの多くは、過去に学校とか教育現場で男性の教育者、あるいは家族や親族の中で年長の男性から向けられる性的な眼差しや振る舞い、そういったものに感じる「いやーな感じ」を思い出して、「やめてほしい」っていう感覚を抱いている、そう見受けられた。
この千葉市長の答え方の問題点は、そういう、過去の性被害体験につながるようなものも含まれているはずの批判を、十把一絡げに「“ジェンダーフリー”の生き方を持った方々」と雑にまとめてるところだと思う。はっきり言ってこれはセカンドレイプではないですか?
この発言によって、「性的虐待の心配がある」という指摘が、「うるさいフェミニズムがなんか言ってる」という文脈にすり替えられてしまっていて、問題が矮小化されて対策が全く取られなくなってしまう。子どもを主役に考えるはずなのでは?子ども守れないよねこれじゃ?
性的被害やそれを守ろうとする人の意見をこうやって矮小化するのは、被害を防ぐことはできないどころか、温床にしてしまう可能性もあって本当に危険。
「とはいえ、例えば“性犯罪の9割が男性だ”という意見なども出ていました。こういう意見は、男性として受け止めなければいけない現実っていうこともありますよね」
「それはある種の真実でもあるし、そのご意見に至るなんらかのご経験をされてきたことを受け止めなければならないと思います。しかし、我々が議論しているのは、保育という世界の話です。ですから、保育という中において望むべきものについて、少なくても公的な側はしっかりと筋を通さなければならないと思います」
ここにきてトンデモ感が倍増。保育の世界の問題、と切り取って、対策を打とうとしないのは、いじめの問題を教育現場で「教育の問題なんで」って言って、本当は暴行脅迫、金銭の搾取なのに刑事事件にしないのと同じくらい悪質。
そもそも、ジェンダーフリーの何が悪いんですか?と小一時間問い詰めたい。
インタビューの最後の方で、「“男性の子育て”を多くの市民に理解してもらうという意味もありましたけど」とか言っているくせに、なんでジェンダーフリーに批判的なの?
ジェンダーフリーってそもそも「女性を守る」ってこの市長はインタビューで言っているけど、女性の方が男性に比べてハードモードだから、そこから守ろうよって言っているだけで、別に男女の間に格差がなければわざわざ守ろうとしなくてもいいはず。
女性の方が小さい・若いうちからレイプに遭いやすかったり、性的搾取(JKビジネス、って狂ってるよね、まだ学校行ってる高校生で医学的にも発達過程だったりするんじゃないの?な存在で性的サービス受けるとかさ…)されやすかったり、女性だけ家事育児を担うような風潮があったり、その影響で男性が正社員長時間労働化するから男性の方が賃金高くなって格差があったりするから、そこをイーブンにしようとするだけじゃん?
だから、ジェンダーフリーになったら、子育てに理解のある男性も増えるし、男性保育士も増えるだろう?なのに、そういうダブルスタンダードに気づかずになんとなく言っている。
そういうところが、ほんと〜〜〜にムカつきました!
あと、そもそも論として、「男性保育士活躍推進プラン」の政策的な面に対して分析すると、ダイバーシティを促進するために男性保育士の働きやすい環境を整備するというものらしいんですが。
https://www.city.chiba.jp/kodomomirai/kodomomirai/unei/documents/danseihoikusi.pdf
これ、つまり、男性保育士の数がめちゃめちゃ少ないから、将来男性保育士がこれだけ増えるように数値目標を立てましょう。それを達成するために魅力を発信したり、働く環境の整備をしたりしましょう。ということみたいなんですが。
環境とか魅力の発信もだいじだろうけれども、そもそも根本的に増やすために、じゃあなんで男性保育士がこんなに少ないの?っていうのをまずかんがえてほしい。
去年の待機児童問題の国会の議論以降いろいろ発表されてますが、ざっくり、女性だけで比較しても、全産業平均より5万少ない、男女全部平均すると、全産業平均に比べて10万少ないって言われてる。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201605/CK2016050102000129.html
http://www.sankei.com/life/news/161205/lif1612050042-n1.html
冒頭記事にもある通り、子供の命と発達を担う責任重大な仕事で、最近はブラックな現場も多いというし、それだけ働いて、手取りが少なかったら、そりゃみんな辞めるよね?
ましてや、「結婚したら一家の稼ぎ頭」を期待される性役割分担を負いやすい、男性が、長く働けるだろうか?
だから、男性を増やすという施策をするよりかは、とにかく保育士という仕事の待遇をもっとよくする、根本的にはこれが男性保育士も増える本当の解決策だと思うんだよね。
もちろんトイレとかないんだったらそういうのの整備は大事だけど。でも給料安くてもトイレと休憩室よくなったから続けよ、って思わないよね。
あと、男性保育士批判を批判してる人に、子供を主役に考えてないっていう人いるけど、それも違うとおもう。
子供の性虐待防止のための現場の仕組みをもっとしっかり作ることが、男女関係なく、現場の保育士への疑いも晴らすし、子どもの安全も高める。
あと性虐待ではないけど、保育園での死亡事故は毎年報道されていて、これは根本的には「お昼寝中のうつぶせ寝をさせてはいけない」みたいなスキルの共有ができていなかったり、人手が足りなすぎて泣いちゃってる子どもをぐるぐる巻きにしちゃったりという、結局は現場の保育士への教育・人的リソースが足りていないせいでおきている。
だから、性虐待、暴力的虐待、ネグレクト、いろいろふくめて、子どもの安全性を高めるために、保育士の配置を増やしたり、研修のリソースを増やしたり、ということで対応するべきで。
そういう対応をちゃんとして、男性保育士に子どもを世話されたくない、という恐怖心を持っている人も、男性保育士が増えても大丈夫、って思えるような仕組み作りをしないといけないはずでは。
ネットの世論は福島から自主避難した横浜の児童へのおごりの強制は「いじめだろ!みとめろよ!」っていうのに、保育園で虐待を防ごうよっていう話にはなんでこんなに気づかないんだろうね。まあみんなが保育園行くわけではないからしょうがないのかな…
研究と教育を切り離せという意見がありますが、研究していないと教育できない(特に上位の大学では)ので、研究と教育を切り離すのは難しいです。
ただ、事務職員でもできるような仕事を教員がやっているというのは確かにそうで、一員としても謎なままやらされています。試験監督はその最たるもの。
文章を作成したり校正したりという作業は、事務職員の基礎学力があって、文章の推敲ができるレベルならよいのですがそうでない大学では事務職員ができないから教員がやらないといけないのかもと思ったりもします(短大で教えたことがある方はわかると思いますが、短大には日本語がままならない方もおり、でもそういう方が「エクセルができます」とか言って大学の職員に採用されたりする。)文科省に出す書類は分厚く大量なので、文章の読み書きになれた文系の教員でないと作成したり誤字脱字を修正したりというのが難しいようです。教員が見て初めて修正された部分がいくつもありました。
事務と教員のパワーバランスの問題もあります。私がいたところでは、事務の職員が「忙しくてできない(実際は能力が低くてさばききれない)」と投げ出した仕事を教員がやらざるを得ない状態でした。やらないと管理職に「あの教員が働かないから辞めさせろ」と言いに行くのです。
比較的偏差値の高い大学で、大学の事務職員が卒業生だと基礎学力もモラルも愛校心もあり、それほど大きな問題は起きないのですが、いろいろな大学があり事務職員も多様なので、事務の能力や意欲の問題からできない(やらない)で教員にやらせている仕事が結構あるように思います。
プログラムとかで短期に教員、事務職員を雇用してという形で予算が出るので、教員は予算をとるための書類書きや事務仕事に追われます。事務職員もいろいろな人が雇われるので質もばらつきが出ます。文科省の予算のつけ方を変えるのが一つの解決策なのでは。
===
コメントが付いたので追記です。
一時私立大で非常勤をし、ある国立大学で学位を取り、ある国立大学のプログラムで働いていた者の意見です。
「東大は~」という意見がありますが、東大とは前提として違うところがいろいろあり、こちらも東大の状況をよく知らないので何とも言えないところがあります。ただ、東大の~研究所でも学部生の授業を持っていたり、院生の指導をしていたり学振PDを受け入れたりというのを結構聞きます。独立行政法人の研究所でバイトしていた時もありましたが、そこは研究だけしていたら良いようでいて、意外と他の大学の非常勤に行っている人が多かった。教えることを通して学ぶこともあるので、研究だけ、教育だけと分けなければいけない、というものでもないのではと思います。教育と研究を両方やるのは別に普通だけれど、教員が事務仕事や生活指導のような雑務を異様に多くやるのが問題なのではと私は思います。
事務は事務が専門で、教員は教育と研究が専門なのだから、教員が事務仕事をやるのはおかしいというのは確かに最もで、本来はそうあるべき(かつてはそうだった)のかもしれません。ただ、現実として、試験監督や文科省に提出するプログラム運営に必要な分厚い書類を若手が作らされるというのはあり、それを拒否することはできません。他大ではもしかするとそのあたりの事務仕事も事務の方がやっているのかもしれませんが、私がいたプログラムでは事務仕事は大量にあり、だれも逃れられない状態にありました。事務の専門を尊重してというのはやってきましたが、その事務の専門性も危うく(日本語が危ういとか仕事に対する意識の低い職員が少なからずいる)教員が教員の専門を尊重されることはほとんどなかった。若手の教員は次々に変わっていき、「代わりはいくらでもいるんだ」という態度を管理職からも事務からもとられていて、すべてを受け入れないといられない状態でした。若手研究者が過多で足元を見られて酷使されるというのはポスドク問題とも関係してくる問題なので、文科省が競争させてプログラムにお金をつけるという方針であることだけに起因するものではなく、複合的に生じた問題のように思います。
http://anond.hatelabo.jp/20170321193517
Q. なんで誰もブコメやトラバで質問していないのに答えているの?
A. これは他業種の初対面の人に高確率で聞かれる質問なんで、先に幾つか解答示しておいたほうがブコメがつきやすいんじゃないかな…と思って、
幾つか例題的な意味合いで挙げといた。
Q. 服買った後、店の出入口まで袋持ってくれてお見送りしてくれるみたいなアレなんなの?
A. これは、自分たちのお店で買ってくれた、選んでくれたことに対する最大限の感謝の気持ちを表している。
うちの店はそれなりに商品単価の高い店なので、買い上げに至るまでのお客様とのコミュニケーションも密になるし、時間もかかる。
ただ、ブコメのような意見も多いのも分かっているので、お客様の空気を読んで百貨店路面店以外の、駅ビルやショッピングモールのような入店数の多いディベではその限りではない。
百貨店のような客層では、見送らないことでクレームになる可能性も高い。客層によって、お見送りに対しての感じ方は様々だ。
ブコメの人よ…お見送りは、販売員がお客様に、商品を自社で選んでくれた最大限の感謝を込めて見送っている…と思ってほしい。
Q. どの位置(価格、客層、出店場所)のショップかで接客方針は180度違うとおもうのでそれも書いて欲しい。
A. これは多少フェイクを入れるが、
価格帯・季節にもよるが平均単価3〜5万。メンズ・ウィメンズ両方扱っている。雑貨・靴・アクセサリー・生活雑貨も扱ってるので、商品はかなり幅広い。
出店場所・自分の店は路面店。同ブランド他店は百貨店・ショッピングモール・駅ビル等様々。
Q. 「本当に似合わないものは基本絶対に勧めない」のはわかったが、いざ着せてみたら案外似合ってなかったってパターンは全くない感じ?もしあるならなんて言うのか気になる。
A. 実はこのケース結構ある。基本試着に入る前にある程度予想はつくが、実際着試着してみてわかる情報は圧倒的に多い。
ので、通販もいいが、対面販売で試着したおした方が本当に自分に似合うものってわかると思う。
イチ客として、親とか友達から言ってもらえなかった意見も、販売員さんからスバリと言われて気づいたこと学んだことが自分も多いので。
本当にいい販売員さんは、冷静に本当のことをお客様に失礼にあたらない範囲ではっきりという。
試着してみてイマイチであれば、まずお客様の反応をうかがってお客様の本心や感想を先に言ってもらって、こちらも出方を決める。
お客様本人が本心でどう思っているかによって、接客も変わるケースだ。
似合っていない(カラーが肌色から浮いている・そもそもサイズ感あってない)にもかかわらず、お客様本人は大満足している・どうしてもこれが着たい!みたいなケースも実はあるので。
似合っていなくてお客様が不安に思っているのなら、自店の商品で試着しているもので、お客様の意図や体型にあった類似商品や代替商品を提案してみる。
お客様がそちらで納得してくれるケースも多い。
ちなみに、似合ってないのにその場で大満足しているお客様にも、さりげなく「こういうのもありますよ」と似合いそうなものは必ずいくつか提示する。
本人大満足で持ち帰って他人から「似合ってねえじゃん、それ」と言われ変心し、クレームになる可能性もあるので。
Q. アパレルって平均年齢が低いことが多いよね。それに対してはどう思う?これから増田はアパレルに骨埋めんの?
A. 弊社は販売員の平均年齢が割と高いので、自分も販売としてならあと10年ぐらいはいられるかもしれない。
現状なら販売のスキルだけなら超人手不足業界なんで販売としての転職先はいくらでもある。
ただ、通販の拡大やアパレル自体の業態変換で、今後販売の地位はどんどん低下していく、または専門性が高められていき、
この仕事はすごくツラいのに求められることと責任(売り上げ)はものすごく多くて、見返りが圧倒的に少ない。
こんな現状だから、人も育つ前に見切りつけて、猛スピードでどんどん辞めていく。
他業種に転職する際、スキルの潰しが利かないというのもマイナスだ。
自分としてはこの仕事に誇りとプライドがあるので、詳しくは言えないが販売員の地位が向上するような仕事をしていきたい…と温めている部分はある。
経団連が発行する「採用選考に関する指針」では、以下のような文言がある。
http://www.keidanren.or.jp/policy/2016/081_shishin.pdf
学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、採用選考活動については、以下で示す開始時期より早期に行うことは厳に慎む。
ところが3月前の時期であっても「インターン」や「OB懇談会」なる名のもとに事実上の採用選考を実施しているのが実態である。結局早く洗脳した者勝ちなので、年末から動いているところすらある。たちが悪いのは共同研究のための訪問を装って、その実は研究にはまったく興味はなく、学生へのコンタクトが目当てであるような企業。恋愛でもこんな見え透いたアプローチは成功しませんよ。世の中には経団連会員ではない企業もあるし、指針には何の法的根拠もないので、「採用選考に関する指針」は事実上形骸化している。そんな中、真面目に指針を守っている企業は偉いのだけど、学生確保という意味では確実に出遅れている様子。完全に正直者が馬鹿をみる世界である。
そしてこの日記で問題にしたいのは企業の人事部社員や、人事部配下でリクルーターを任されている若手から中堅の社員はおそらく以下のことをまったく考えたこともないであろうということ。
専門性を追求するために大学院に進学した学生が一番力を発揮できる時期に「就職活動」に無駄に忙殺され、研究活動がまったく進まなくなる。そしてそのことに頭を悩ましている大学教員は少なくないのである。今の時期教員仲間と会話すると、この話題がため息混じりに出てくる。
就職氷河期は過ぎ去り、就職率は大幅に改善したというのに学生は企業の採用情報や学生間の情報に踊らされ、必要以上に就職活動に没頭し、長いと半年近くも研究や学業から一切手をひいてしまう。かくして本来であれば大学院在学中に成果が出たであろう研究は停滞し、結局修士課程を修了するまでに大きな成果を得ることはない。ましてや博士進学などをじっくり検討する時間的猶予すらない。せっかく時間をかけて研究のシードを育ててもこれではまったくの徒労に終わってしまう。そして学生からしてみれば大きな成果に向けて十分に時間をかけて日々積み重ね、最後までやりぬくという一連の経験を得る機会を喪失する。もう少し大きい視点で言えば国の研究開発力を測る尺度の一つである、論文数も減ってしまう。
そんな悩みを抱える大学教員に対して「OB懇談会」と称して部屋の予約や学生の確保などをお願いしてくるあどけないリクルーター達がいる。学生から貴重な研究・学業活動の時間をとりあげた上、さらに教員に採用活動の片棒をかつげというのである。お願いする方はちょっとしたお願いしているつもりだろうけど、依頼を受ける側は複数企業からお願いされるので、その対応に追われる。そして本来は研究を進めてほしい学生に向かって就職活動のために時間を割いてほしいと頭を下げるという何とも欺瞞に満ちた行動を迫られるのである。そんな昨今の採用活動事情に対して苦々しく思っている教員は少なくないことを知っておいても良いと思う。言われるがままに業務を遂行しているリクルーターではなく、裏にいる人事部に届いてほしいもの。
悪いのは一体だれか?企業の人事部だけが悪いということは決してない。根本的な問題は、企業が高等教育機関である大学に期待していないこと、そして学生も大学に期待していないことにある。結果として大学は社会の期待に応えていない。このあたりは下記の考察が良くまとまっているのだけど、一言で言えばシステムに問題がある。
http://toyokeizai.net/category/japan-university
海外の大学と日本の大学のシステムを比較すると恐ろしく事情が異なっているので、愕然としてしまう。例えば下記の書籍を参照するとそれが良くわかる。世界最高の大学教育システムを確立したアメリカで問題がないわけではないのだけど、日本の大学システムの問題は更に根深い。
アメリカの大学の裏側 「世界最高水準」は危機にあるのか? (朝日新書)
これでは技術競争で負けるのも必然。負の連鎖が断ち切れない限り、国際的に通用する充実した研究教育は成し得ないし、研究開発力や発信力に関して海外との差はますます開くばかりだろう。昨今の採用活動を見るにつけ、この負の連鎖の根深さを感じずにはいられない。
身だしなみやコミュニケーション能力で採用者に「気に入ってただく」よう頑張るよう指導するわけだ。
それは他に売りがなくお前なんかとっかえがきく存在だからこそ「お気に」してもらいましょうねと言ってるようなもんだ。
とっかえがきかないよう、専門性を高めるとか(別に学部の研究の話だけじゃない、実務的な能力でも些細でも他にはない能力を磨くなどの)指導はしないしそういう戦略については話もしないわけだ。おかげでとっかえがきく売りがない人物だから、一生雇用主の顔を伺わないといけない。
事務でさえExcelでマクロ使えるでもいいそれで生産性あげられたり他分野の専門知識(会計や法務ね)を持ったり、とっかえがきかない戦略って立てられるとおもうんだけど指導しない。
(※ちなみに実際には誰でもとっかえなんてきくんだとかいう批判はいらない。ここでの趣意と違うから)
もちろん雇用主としてはとっかえがきく部品の方がいいんだって話もある。雇用関係で主権握れるからね。
バックヤードの仕事でさえ最近誰でもできるでしょって外部化が進んで、ひどい会社が増えてる。
優秀な会社はバックヤードも圧倒的で書類関係の社内速度が速いわ伝達はできてるわでそこでも他社との差別化ができる。
そういうことをアピールできれば、むしろとっかえがきかない人になる方が被雇用者にとっては圧倒的にいいんだから、そう指導すればいいのに。
中国もアメリカも欧州も失業者はスキルアップをするし新卒もできることを一生懸命増やそうとする。
一方日本は面接マナーや服装やコミュニケーション能力を磨きましょうという指導で、社会人の再勉強時間も率も先進国最低。
これって被雇用者を一億総奴隷化計画なんじゃないの?雇用者が手綱を握れるよう業務の属人性を下げて被雇用者のパーツ化が進めてる。
2社(代理店と制作会社)しか経験はないが、こいつはやべー!と思った同僚について書く。
30代後半(当時)。他のプログラマーが1日でやる仕事に1週間かかる。
技能が足りていないのかと思いきや、ほとんど働いていなかった。
タイムカードを切ってからほとんど外出していたようだ。堂々としすぎていて周りが異変に気づかなかった。
もちろん試用期間満了を待たずさようなら。
20代前半(当時)。デザイナーとは名ばかりでECサイトの更新用画像の制作ぐらいしかやってこなかったようだ。
ただしその経験だけは3年以上あるので、本人の中でデザイナーとしてのキャリアが築かれてしまっている。(らしい)
なにも出来なかったので必ず誰かがペアを組むのだが、相手にほぼすべてを押し付けてネットサーフィン。
試用期間終了とともにさようなら。
30代前半(当時)。理解力が破滅的で、隣に座って手取り足取り指示してくれるディレクターが必要。
文字からは情報を得られないが会話からは得られるタイプだったのかと。
1日で終わる仕事を、説明してくれる人がいないからという理由で、食事、おやつ、動画鑑賞の合間に1週間かけてこなすように。
デザイン内の画像を勝手にネットから盗用していたことも後々発覚。
30代前半(当時)。コミュ力難ありな人ではあったが仕事はできた。
ストレスが爆発したのか、ある日突然キレてモニタをなぎ倒して絶叫しながら逃亡。2度と出社することはなかった。
引き継ぎなしの中、仕事を受け負い完了させた若手ディレクターはすごいと思った。モニタ弁償を求めなかった会社もすごい。
未だに同じ業界におり、会社のフェイスブックアカウントの投稿へイイネ!してくるのが衝撃である。
30代前半(当時)。半年を過ぎた頃から、修正指示や内容変更など軽微なものでもすぐキレるようになる。
スキルには問題がなかったが、若手ディレクターに「細かくデバッグしてんじゃねえよ」と詰め寄り問題に。
最終的には社内の異性に強引に言いよったことを注意されて自主退社。
SNSに言いよった異性や会社の悪評を書きまくりその後ちょっとしたトラブルに。
30代後半(当時)。見積もりした後はクライアントにいいなりのメール転送係と化し、主な業務は不倫。
スケジュール調整できない。要件定義できない。思いつきで指示だけはする。
最終的に案件を大炎上させて、制作になすりつけようとするもチーム全体から糾弾されて退社。
セミナーやイベントでの目撃情報が社内で共有されており、未だにWEB界隈にいる事実が信じられない(≒許せない)同僚多数。
30代前半(当時)。特定の国籍の社員を無視。国籍を理由に挙足取り、罵倒。
大きなミスをした翌日、火消しを他人に押し付けて厄払いへ行くなどしてチーム一同困惑。
社長直々に注意されるが改める意思がないらしく決裂。起業する形で退社。
30代前半(当時)。プログラマーとしての腕は文句無し。が、コンプレックスをこじらせて若手デザイナーに八つ当たり。
デザイナーを言いくるめて実装しやすいデザインに作り変えさせる、勝手にデザインを変更するなどを繰り返したしたため、軽く注意されて逆ギレ。
デザイナーとして他社へ転職していったが、スキル不足ですぐクビに。その後落ち着かずに点々としている様子。
特別嫌われていた人では無かったのに、去り際の立ち振る舞いの悪さでかなり評判を落とした。
(おだて上手なディレクターさえいれば今も会社でやっていけたのかもしれない。)
書き出してみて分かったこと。
専門性の高い職業はスキルが噛み合わないなどの問題で早期に折り合いがついているのに対して、
コミュニケーションを軸とした職種は半年以上働かないと相性や人となりが分からない。
4月から人事にも関わるように言われているが、採用の難しさを感じる…。
驚きなのは、ヤバかった社員のほとんどが未だにWEB業界で働いてること。(SNSってこわい)
関わって痛い目にあった人に関しては、ブラックリストに入れて同業者で共有したいぐらいだ。
狭いWEB業界なので「○○さんってどんな方でしたか?」と連絡がくることがあるが、自分は同僚を評価する立場の人間じゃないからいつもはぐらかしてしまうんだよね。
その間に3回の転職をした。
1社目は1年、2社目は2年、3社目は6.5年、4社目の現在は3年目。
転職理由は様々で、パワハラ・モラハラとそれに起因するであろう体調不良が大半。
理由や事情はともかく、まず、「長く続けられないやつだ」と認定されてもやむを得ない。
次に、各社で行ってきた業務内容はバラバラで、「専門性はない」と認定されてもやむを得ない。
これ以上の転職などを考えるわけではないが、振り返ったときに何も残っていない自分自身を嫌悪する。
現在の価値観は多様化しているとはいえ、この経歴を見て「様々な経験を持つ多様性のある人間だ」と評してくれる企業はないであろうことは想像に難くない。
よしんばあったとしても、最低限現在の収入を維持できるような待遇は得られないであろうことは想像に難くない。
つらい。
年齢的に考えて、飛躍的に何かが伸びるということも考えにくく、先行きも明るくはない。
これまでがんばってこなかった自己責任だといわれればそれまでだが、もう生きていく自信もなければ、結婚もしてないし、生きる意味も目的も見出せないわ。
俺本当に何のために生まれてきたんだろ。
DeNAが問題になっているけど、専門性が高い記事と言われている(実質朝日新聞傘下の)シノドスも院生を安く使って記事を集めさせているよ。院生はどんどん変わっていくから実質使い捨て。
専門性の高い記事であろうとなかろうと、インターネットメディアの構造はたいして変わらないみたいだ。
著作権侵害とか若者を安く使い捨てとかそういうやくざなことをしなくてもまともな形で成立するインターネットメディアってないものか。
そういうビジネスモデルの構築を必死で考える必要がある。ほぼ日とかDPZとか悪い評判聞かないけど、ビジネスモデルとしてどうなのかな。
今回閉鎖されたサイトもアクセスがあるってことは需要がそれなりにあるっていうことだから、まともな形での運営ができるようにさえすればいいと思うんだけど。
博士をとってから大学で博士研究員として1年ほど働いたが、先日、民間企業から内定をいただいて大学を去ることになった。転職の活動をする中で思ったことを書き残しておきたい。自分と同じ程度に何も考えず、ちゃらんぽらんに博士課程に進もうとしている人の参考になればよいと思う。
1.スペック
男29 バイオ系 医学研究科所属(non-MD) 特筆すべき業績は無い
いわゆるピペド的な分野だけど、医学系に所属していたことが就職にプラスとなった模様。
1日6時間勤務で時給1670円。つまり日給1万円。額面20万程度なので、手取りは16~17万ほど。残業手当や休日出勤手当についての規定はいろいろ事細かに書いてあるが、残業や休日出勤は存在しないことになっている。生物相手の仕事なので6時間の中で全ての仕事を収めることが不可能である。場合によっては夜中に始めなければいけない実験もある。また、生物には曜日も関係ない。大学院生の頃、研究室に行かない日は年10日ほどだった。卒業前、ポスドクになってもそのペースで仕事ができると思っていたのだが、お金をもらう身分になるとそれができなくなった。給料が発生しないのに研究室に行くことが馬鹿らしくなってしまった。こういうことを言うと、休みがほしいと言ってるようでは研究者に向かない、と言われたりするのだが、そういう問題ではないだろう。だって、こちらは契約書を交わして雇用されている身分なのである。そういう意味では民間企業で働く人と同じだ。上の言い分がまかり通るなら、サービス残業ができないような会社員だって、その会社の仕事に向いてないと言ってよいことになるのではないか。少なくともこれまではてブ等で言われてきた基準から考えれば、即退職すべき職場と言えるはずだ。
これはうちの大学だけの問題ではなく、どこの大学でも聞いてみると似たような人が居る。教授たちはポスドクの生活について特になんとも思っていないし、月20万も出してやれば逃げていかないと思っているらしい。「サイエンスにサティスファイ」していれば飲まず食わずでやっていけると思っているのだろう。
それでも、百歩譲って、自分の好きな研究をしているなら、お金をもらわずに働いてもまだ納得がいく。しかし、雑務に追われて研究ができない大学教員同様、ポスドクも上でオーバーフローした雑用をこなしているだけで時間が過ぎていく。毎週末出張に行かされたり、インターンの学部学生の面倒を見たり、他大学の学生やスタッフに技術指導をしたり、シンポジウムの運営を手伝ったり、種々の書類を書かされたり、というのが日々の業務である。それでいて、世間からは、研究者なんて劇団員とか芸人とかそういう類なのだから待遇が悪くても仕方が無いだろう、お金がもらえるだけいいでは無いか、というようなことを言われるので腹が立つ。
活動期間はトータル4ヶ月。ただそのうち一ヶ月半ほど忙しすぎて何も動けない期間があった。覚えている限り、13社応募した。うち、3社は転職エージェントと音信不通になった。2社は転職エージェントから応募を断られた。残りのうち、4社は書類で落ちて、4社で面接に呼ばれた。最終的に2社から内定をもらった。
専門知識が活かせそうな職であれば、研究職、非研究職に関わらず応募した。そのため、最初は何がやりたいのかもはっきり固まっておらず、書類審査に通りにくかった。後半は、希望の業界や職種が絞れてきたことと、求人票から書類審査に通りそうなものがある程度わかるようになってきたので、思ってたよりもあっさり終わった。
巷では博士まで行くと就職が無い、特にバイオ系は終わっているというような話が多かったので、活動を始める前は心配していたが、別にそんなことはなかった。ただ、研究職に絞っていたらそう早く決まらなかったかもしれない。自分の実験技術はニッチな職人芸で、企業の研究で活かせるかというと微妙だったし、業績も研究職を目指すには寂しいので書類選考がかなり厳しかった。それに、やっぱり分子生物学を直接活かせる分野はまだそんなに無いというのも思った。
博士課程で身につけるべき専門性やスキルは、研究以外にも活かせる道があると思うので、研究以外のことにも興味を持てる人だったら、博士まで出たからといって特に就職で不利になることはないと思う(能力的に博士として平凡な人でも)。
4.博士進学すべきか
私は博士進学したことを全く後悔していない。ポスドク期間は精神的につらかったが、大学院生の間は、研究を通じてエキサイティングな経験ができたと思う。
博士を取るのは、学士や修士に比べたらかなり大変ではあるが、その分、達成感がある。私は基礎研究分野なので、その視点に絞って言うが、博士というのは世界で初めて誰も到達してない場所まで登り、そこから新たな景色を見せることができた人に与えられる称号だと思っている。博士課程で行う研究なんて、そうたいしたものではないけれども、でもどんな小さなことであれ、世界で一番になる経験というのはなかなかできるもんじゃない。だから、もし学部や修士課程で研究を面白いと感じているなら、その先の山まで登ってみることは悪い経験にはならないと思う。
もちろん、リスクやデメリットはいろいろあるし、向いている向いていないもあるけど、条件が合えばリスクは限りなく小さくできる。博士課程に進学しようと思ったらお金が必要であるが、親から全く援助が受けられなくても、プラス収支で博士課程を卒業することは不可能ではない。最近、貧困の原因になっているとも言われている学生支援機構の奨学金だが、大学院で借りた奨学金は3分の1の確率で半額または全額が免除されることはあまり知られていないのではないか。免除されなかったら大きな借金を背負うことになるのでハイリスクな賭けではあるが、単純なギャンブルではないので勝率を上げることはできる。免除される枠は大学ごとに割り当てられているので、学内の相対評価で勝てれば良い。背伸びして良い大学院に入ると大変かもしれないが、小さな大学でアクティビティの高いラボに入れれば免除される可能性はかなり高くなる。私もこのパターンで、日本全体では平凡な大学院生だったと思うが、所属大学では上位に入れた。それから、最近はお金を出してでも学生を囲いたい大学院もあるから、この辺をうまく使えればお金がなくても進学は可能である。卒業後の就職のことに関しては上に書いたとおりである。実感として、そんなに不利だとは思わなかった。研究を続けるか別の道を歩むかの決断はあるかもしれないが、仕事を見つけること自体は難しいことではない。
優秀な人が将来の懸念から、博士過程を避けるようになっているという話をよく聞く。それがどの程度本当なのか私はよく知らないが、本当だとすれば残念なことである。真に優秀な人はおそらく研究者として残っていけるだろうし、別の道を探すことだって難しくはないだろう。重要なのは進学前の情報収集だ。良い指導者(色々な意味で)に出会うことは極めて重要である。
5.学術界に言いたいこと
それはそうと、博士課程を卒業した後、ポスドクの待遇は酷い。なんなら、学生のころよりも生活が苦しくなったりする。私の待遇でも、社会保険と厚生年金に入れるだけ全体としてはマシだと言われるようなレベルである。
博士まで取った人なら、仕事くらい自分で見つけてこられるだろう。だから、別に今いるポスドクをみんな救済しろと言いたいわけではない。ただ、せめてルールくらい守れと言いたいだけだ。大学や予算枠の規定で仕方がないのか知らないが、秘書や実験補助員と同じ枠でポスドクを雇用し、ポスドクにだけ特別な暗黙のルールを適用することはいい加減やめた方がいい(秘書や実験補助員は定時で帰るし、定時で帰れるように配慮される)。本来、研究者を時間給で雇うのが間違いなのだが、全員を正規雇用できないというのもわかる。だから、正規雇用されなくてもいいから、パートタイムで雇うならその規定をきっちりと適用してほしい。そんな中途半端な研究者は要らないと思うなら雇わなければいい。自分だって、ボスからポスドクとして残ってほしいと言われたから残ったのである。必要だと思うなら、必要性に応じてお金を出せばいいし、出せないなら逃げられても文句は言わないでほしい。
6.まとめ
大学院は超エキサイティングだったが、ポスドクの待遇が酷いため研究をやめることにした。
博士進学および研究は人生を賭けた博打であり、勝つためには運が多大に必要である。しかし、単に運だけで決まるわけではない。そこそこ得たいものを得て降りることは可能である。研究の過程を楽しく思えてかつ優秀な人には博士進学を勧める。