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2018-02-22

anond:20180222000430

ポッ拳オススメした人だけど楽しめなかったらゴメン!

あと、ダークライ普通に上級者向け要素多いので勝ちづらいのもムリないか・・・

ジラーチピカチュウみたいなわかりやすキャラの方が勝ち易いと思うけど、やっぱりやるなら好きなキャラで勝ちたいよね・・・

ダークライのサポは好み次第だけどエモンガフォッコオススメ

相手遠距離系のポケモン場合エモンガにして、遠距離ダークライの方が強い時にフォッコにする事で苦手範囲カバーします。

ツタージャ場合はそのどちらの場合機能するからツタージャもアリ。相方ラプラスはどう使えばいいかわかんないです。

カラカラ相手を引き寄せる飛び道具なので、ほねブーメランヒット確認からホーミング格闘当ててそこからダークホールが入る事あるので使ってる人多かったけど最近減ってる気がする

カラカラ相方ディグダも昔多かったけど今はカラカラの方が多め

ミュウツーが撃ってくるゲロビは破壊光線

ブロック貫通の上段技なのでDPだとしゃがみ移動できるダークライにとってはDPでは危険が無い技です。

ミュウツーのDPの飛び道具はサイコカッターも上段判定なのでしゃがみでノーダメージです。

FPでは素直にガードするのが吉。削りダメージ受けますが、相手共鳴ゲージ支払ってるので開幕以外で損してるのはミュウツー側。

スイクンゲロビは3種あって

ミラーコートこちらの飛び道具に対するカウンターブロック貫通。距離が遠いと見てからガード可能

ハイドロポンプは出す前のタメが長いか基本的コンボシメ用で警戒してもしょうがない。ブロック可能

空中から出すふぶきは、見てから最大ブロックカウンターできるから慣れたらむしろカモ行動なので慣れて。相手の足元が安全地帯なので、ふぶきが出現する前ならダークライのしゃがみ移動で潜り込めるかも。

背後を取ったらダークホールが確定で入ります

シャンデラゲロビについては前入れYの事だと思う。中段技だからしゃがんでも避けられない。Aのポケモンわざじゃないからガードしても削られません。

シャンデラ基本的にAで出すポケモン技は全種ブロック貫通だけどコレは通常技。

タメずに出すと即出る代わりに威力低くてブロック可能

タメて出すとブロック貫通で大ダメージなのでブロックに頼ると死ねます

ダークライだったらFPはサイドステップ回避しつつ分身からあくのはどうとかまきながら近寄るのがいいかと。

DPで出されるのはガードが基本なのですが、ガードばかりしてると遠隔投げの餌食なので読み合いですね。

DPの上Yタメで背中から攻撃して肉薄するのがいいかも。

エンペルトゲロビは下段のれいとうビームです。

コレはFPだと横に移動してるだけで当たらないです。(って言うかこのゲーム、だいたいの飛び道具が横に歩いてるだけでよけられます

あと、射程もそんな長くないので、エンペルトの怖いのはむしろ突進技のアクアジェットですね。

アクアジェットは何も考えずに連打してるとアクアジェットヒットからブロック技のいわくだきになるのですが

アクアジェットをガードしてからいわくだきは投げで掴めます

もちろんアクアジェットから派生でいあいぎり出されるとカウンターヒットなのでガード安定ですが、相手がワンパなら掴みましょう。

いあいぎりの方はブロック可能で、いわくだきブロック貫通です。

ただ、そもそもの話アクアジェット攻撃判定に当てれば迎撃できるので、ダークライとしては発動見てからではムリですが、攻撃置いておけば迎撃はしやすいです。

あと、このゲーム勝利への鍵は「使わなかった技」にあると思っています

基本的不要なわざは存在してないので

シャドークロー斬り派生タメとか近接戦では結構強いです。

後は飛び道具に頼るキャラにDPでの上Yタメで相手背中から攻撃できるので使ってなかったらオススメ

ダークライは行動後にRを押したり、ナイトメアシフト時にステップする事でフォロー効く行動があるので、把握しておくと相手からしたらなんだコイツ!って理不尽さを身につけられます

ゆめくいはカッコイイし強いのですが、各種Xで亀裂を押し付けつつAの悪の波動で削りまくってDPを終わらせない方が相手にとっては悪夢な事が多いです。

コイツ、ゆめくい狙ってるな」と思われると逆襲されやすいハズなので、ゆめくいはあくのはどうタメを警戒させてから、珠を4つ貯めてからがいいかも。

アクション道場を遊ぶたびに「コレつえーじゃん!」って発見があるので

アクション道場だけでもチュートリアル受けなおすとより楽しくなりますよ。

そして、できれば最初から5種の基本チュートリアル受けなおしてもらえたら

こういうシステムあったんかい!ってわかってくると思いますブロックキャンセルステップとかはちょっと難しいですよね・・・

基本的にどのキャラもDPは上Yが対空技、上Xが起き上がりの投げを拒否する技とおぼえておけば割と全キャラに応用ききます

そして、手っ取り早く強くなりたい場合は、ゲーム内の動画検索機能

ランクダークライ勝利してるログを漁ってみてください。

ダークライ基本的に強みを押し付けキャラです。

最強と最弱が同居しているポケモンなので、押し付ける事ができる強みへの知識を手に入れるだけで一気に凶悪な動きができるようになります

2018-02-21

[]2月20日

○朝食:ハムエッグ定食吉野家

○昼食:くるくる寿司スシロー

○夕食:ご飯、納豆、卵、ツナ缶

調子

有給なので、満を辞してこれを言いたい。

「ゆうきゅうー!」と。

色々と用事を済ませたり買い物に行ったりゲームをしたりと、休日満喫した。(何しろ満喫するために朝の6時に起きた)

まずは、この間行った病院で、一応念のため他の検査もしてもらっていたので、結果をもらいに行ってた。

問題なく健康だった、よかったよかった。

さらに、髪の毛を切りにいった、だいぶさっぱりしたので、いい感じ。

その足で、ゲームを扱っているお店を4件ほど回った。

また積むけど、いいんだ、積みゲーするのが趣味なんだよ。

嘘です、開き直りよくないねプレイしていきます

スイッチ

ポッ拳

ポケモンを題材にした格闘ゲーム

だいぶ前に、ストーリーモードだけクリアしてほったらかしていたのだけれど、はてなブックマークおすすめされたので、改めてプレイ開始。

今日からは、オフラインモードではなく、オンラインランクマッチプレイすることにした。

そのために、今日ゲームを扱っているお店を回って、スイッチLANケーブルを繋ぐ周辺機器を買って来た。

ついでに、ギルガルドカメックスDLカードも買おうかと思ったけど、売ってなかった。

こういうオンラインで人と対戦するゲームは久しぶりだな。(コマスター? あれはラティアスニャヒートメガゲン特攻するだけの運ゲー特化デッキを組んでるせいで、対話を完全に拒否ってるから……)

今日の成績は、7勝14敗。

使用ポケモンダークライニア共鳴サポートポケモンニャビーandアシマリ

初日なので成績はどうでもいいや。

まず今日わかったことは、ナイトメアモードじゃない時のダークライは、非常に戦いづらい。

負け筋は大体、ガンガン押されてナイトメアモードになるタイミングがなかったり、ナイトメアモードになれた時には体力がもうほとんどないみたいな感じだった。

特に遠距離が強い、シャンデラテールナーピカチュウの三匹にはパーフェクトゲームされてしまった。(しかピカチュウには二回)

勝ち筋は、ナイトメアモードになると、みんなガードを固める傾向があるので、そこをテクテク近づいて、下A。

この下A、覚醒中に出せる無限エクリプス(どうでもいいけど、無限エクリプスコーディングしなきゃいけない悪夢を見そうでこの技名嫌い)並みに減るうえに体力を回復できるので、積極的に狙いに行ってる。

あと、FPの下Y、これを置いて相手に引っ掛けるように立ち回ると、いい感じ。

から、これから鍛えたいのは「いかにしてナイトメアモードチェンジするか」っていう切り返し技術だなあ。

今のところ「おねがい!」って言いながら、Yを連打したり、ためAをカウンター気味に打ってからY連打したりって感じだからさすがに「おねがい!」はどうかと思うので、考えたい。

3DS

アイコンパズルタッピンゴ

ステージ59をクリアするところまでプレイ

このゲームの解いていく時「頭が加速」していく感じが、たまらない。

Shizuku

雫を動かして銀色の玉を取るパズルゲーム

一切ストーリーとか会話とかがないタイプゲーム

ボドゲでいう「アブストラクト」みたいな感じかな。

こういう3DS安価ゲームをアホみたいに積んでるんだけど、どれも割と楽しい

一筆書きの応用でかつ、無限ループに陥ったりもう動かせないところにはまったりするのを避けたりするのが、難しい。

こっちのパズルを解くときは、カードゲームコンボルート即興で考える時みたいな脳みその使い方をするのが楽しいね。

遊戯王OCGでシンクロ召喚ルートを考えたりするイメージ

(仮に僕がもう一人いたら間違いなく「Leafの雫と絡めた大爆笑おもしろブコメ」を書こうとする気がする)

2018-02-20

IFRSという惨禍

IFRS過激会計基準である既存会計概念を次々と破壊している。純資産概念を変え、また当期純利益概念までも変えてしまった(ちなみに日本基準もその概念直輸入している)。

IFRS適用した会社価値評価は難しい。IFRS適用した会社にはたいてい巨額ののれん残高がある。経営者によるのれんの定期償却負担回避の思惑が見え見えの場合ほとんどである。醜い。

IFRS証券市場破壊的な悪影響をもたらしたとしか思えないし、これからもこの悪夢のような惨禍をまき散らし続けるのかと思うとうんざりするが、このことを認識していれば被害はある程度抑えられると考えたい。

先ずはIFRS適用しましたという会社基本的投資対象から外すことにする。

2018-02-15

なんでもう一回肩パットって流行らねえの?

あれカッコイイだろ

カッコイから流行ったのに

なぜに人はカッコワルイと錯覚してしまうのだろう

早くこの悪夢から皆が覚めますように

2018-02-14

俺の人生メチャクチャにしたオカンチョコくれた

俺は「いらん」と一言だけ返した 聞こえるように舌打ちをして部屋に入った

俺はこれから漫画原稿を描かなければならないのに、完全に気力が失せた

心に傷を負うっていうけど、20数年生きてきて初めてそれが実感できた

胸がざわつき、脳が薄っすらと怒りに覆われ、倦怠感が全身を包む。

風邪を引いたみたいに思考がまとまらない。

オカンを傷つけた分、自分も傷ついたのだと実感した。

今日悪夢を見るだろう。

そうだな、今年家を出よう。もういい歳だ。

俺を生んだこと後悔してるよな。

アンタの理想だった高学歴エリートマンになれなくて御免な。

アンタが嫌いだった父親の顔を受け継いで御免な。

さいならオカン。アンタのいない街でひっそり死ぬことにするよ。

2018-02-08

働きたくないと思ってしまうこと

私は今の会社に勤めておおよそ2年半、管理職になって半年が経とうとしている。

といっても名ばかり管理職であり、訴訟となれば管理職と認められないとされてしま店長だ。

店長とは言うが人手不足故店には半月もいない日々が続いていた。



店舗間の移動をする、シフトのやりくりの為に使われるヘルプ店長代理。それが主だった私の役割


しかしたら働くことに張り合いを持てなくなってきたのかもしれない。

去年目標年収を決めた。

それにあわせて資格取得と転職をしようと決めた。

第一目標資格は取れた。これで他業種でも管理職になれるだけのスキルを得た。


それでも今の仕事を続けている。

さなミスが苦しい。

そして日常ルーチンで部下が起こしてしまミスカバーしきれなくて翌日に持ち越してしまう。


向いていないのではないかと思ってしまう。これでも前年営業成績1位は取れたのに。

今年だって前年比を順調に上回っているのに。

部下の管理能力と、自分営業力は違うそういうことでもないと痛感している。

私はできると声の大きい人に押しつぶされていることもとても悲しい。


ここに居たくない気持ちでいっぱいだ。


本当は空回って疲れているだけだ。分かっているからまだ頑張ろうと思う。


ここまで書いたところで新しい思ってもみなかったミスが発覚した。

なんと量りのグラムを1kg読み間違えていたという。

できないならできないと言え、体調管理をしっかりして欲しいと、敬愛する上司からパワハラと注意と心配とを受けた。

普段であれば凹むシーンだったが、大変申し訳ないことに体調が悪いことにも気付いていなかった。

ただ、こういったケアレスミスは酷く疲れていると起こる典型的ミスだ。

しかし、面白いことに当日私は正規の手順を踏み、2度もグラム確認し、グラムの余裕も取っていたのだった。

グラムの読み違いや、センチの測り間違いに注意しようという話をしたところだった。

私は過去に1度、10cmの測り間違いをしてクレームにつなげているのでとても敏感だったからだ。

そして体調が悪いことにも気が付いていない。


脳が死んでいる。疲れている。個人能力がどうこうというレベルではない。

活動限界を超えたエヴァがまともな仕事をするわけない。活動限界をなんだと思ってるんだ。


取り返しのつかないミスをする前で良かった。

磨耗している、それだけ。

から自分の力がないとかあの人が嫌いだとかは事実根拠とすれども、くだらない妄想だ。

去年の実績を根拠に今年もがっつり頑張れば、去年と同じように結果は出る。

体調管理はどうしても苦手だ。でも自分でどうにかできることだと思う。

上司迷惑かけないよう、助けになれるよう体調管理第一に頑張ろう。

去年は医者の世話にならなかった。それが健康錯覚していた原因だ。

転職するにしても目いっぱい頑張ろう。

現状に対して私にできることがあって良かった。



表題の働きたくないと思う気持ちは、誰にも迷惑をかけたくないというそれだった。

このままだと迷惑をかけてしまう。それが分かっていてもどうにもできないしどうにもならない。

そんな気持ちでいっぱいだった。

他人にかける迷惑けが時間に比例して膨らんでいく。

悲しいことばかりが思い出されて、過去を数えて時間を浪費してまた迷惑が膨らんでいく。


それでも通常の自分だとこれはありえないという自信と、環境が劣悪だというもっともらしい理由と、実行可能解決方法さえあれば心はいつでも持ち直せる。


これを失ったら間違いなく前後不覚だと申し訳ない気持ちも忘れて思わず笑ってしまうような、何かを把握していれば、いつでも本来自分軌道修正ができる。

そういえばここ5日程毎日過去に関連付けた悪夢を見ていたし、冷凍庫に入りきらない程の食料品を買ってしまっていたし、ブルーライトカットメガネを紛失していたし、鍵を二度も落としてしまっていた。

夜更かしはしていなかったし沢山食べて体重も増やしたのに。野菜も育たないほどの寒気らしいから仕方がない。

今売られている白菜は4倍の値段だから、4倍すごい。そして私は4倍の白菜にはなるには管理が甘すぎた。

4倍高くても当然普段よりおいしくないし栄養価も低い、費用対効果は最悪のぜいたく品だ。これは白菜が高くて買えなかった鬱憤混じりの戯言だ。

そうやって自分を許してしまって前を向くことにする。

2018-02-05

anond:20180205025330

現代の悪の科学者と言えば、

AIを用いてゲームプレイヤーからいかお金を搾り取るかを考案する悪夢企画書流出

https://gigazine.net/news/20180201-ai-game-revenue-model-nightmare/

みたいに、本来は表舞台にでることなく、ひっそりと邪悪研究をしているに違いないの。

2018-01-28

anond:20180128133853

ネットイナゴにぴったりな曲がありますよ。

凋叶棕「enemy of the society

空 黒く染める

数多の紙片 そこに蠢く害意

かくも不吉な記事

がなりたてる 身に覚えのない怪事件

何も知らない 何も知らない 嗚呼

誰かが見ている

私の一挙手一投足全て

そう

どこかから監視ている

けして許されることな

私が何を

叫んで訴えたところで

けして聞き入れられず

黒く濁った同胞の目が注がれる

過ごす眠れぬ夜

東の国の悪夢

何処にも逃げる場所などない

羽がひとつまたひとつ

毟られゆく

絡みつくはその悪意の手

自由を奪う

「事の真偽などどうだってよい」

面白くあればそれでよい」

慰み者

味方するものなど

誰もいない

拡散する網のよう

疎に失わず

「疑わしきは"我ら"が利益に」

「個の力など高が知れる」

弱き者!

尊厳も無く

真実も無く

ただ翻弄される

それは

いつかの報い

いつかの恨み

徒に害されぬなど

幸運なだけ

目をつけられぬだけ

平等平等に訪れる

飛ぶこともできず

穢土をのたうつ烏が一羽

その場所を狭め

最後にたどり着くのは何処なのか

けして見えない けして覚めない 嗚呼

近しき者さえ

もはや信用などできない

それらこそ或いは

私を貶める者達

汚れきった身で

生きる場所を全て追われて

そして終いにはもう

己が見下したものとなり果てる

これが

いつかの報い

いつかの恨み

徒に仇為すもの

誰もが敵で

誰もが仇で

嘆くのは己の弱さか

かに届け

この声よ届け

誰もいない荒野で独り

叫ぶ真実

消えゆく真実

周りには誰もいないのに

地に蹲る

私は私であろうとしたのに

その報いがこれかと

二度と飛ぶことのない天を仰ぐ

29歳になるのに高校時代を夢に見る

高校は肌に合わなくて大嫌いだったし人生で一番思い出したくない時期だ。

出席日数ぎりぎりしか通っていない。

毎日プレッシャー連続で思い出すだけで辛いししんどいので思い出したくない。

それなのにたまに夢を見る。

学校へ行かなきゃいけない。

早く準備をしないと間に合わない。行きたくない行きたくない行きたくない行きたくない行きたくない行きたくない

気が狂いそうになりながら、準備しなきゃ準備をするんだ準備しなければならないと自分に言い聞かせる。

どうやって準備するのか分からなくて途方にくれる。

そうしてるうちに時間はなくなってもうきっと1時間目には間に合わない。

2時間目に間に合うように準備しなければならない。

身体は動かなくて心が辛い。


夢の中ではこんな具合だ。

起きたら夢だということが分かってほっとして、それから何でまたこんな夢を見なきゃいけないんだ、アホかと自分を責める。

あれから10年以上経ってるのに。

いい加減忘れたい。

悪夢を見るのは懲り懲りだ。

2018-01-27

anond:20180127015237

今夜はどんな悪夢を見るんでしょうね。

願書出し忘れたあああああああああああああ

あ、まだ締め切り前だ、ギリギリ間に合うか!?

 

 

っていう夢を見て飛び起きた

今年で34歳になります

5時じゃねーか、悪夢

途中冷静になる間に「そうだ、仕事辞めて大学院入るんだった」って結論が出てきたんだけど

そんな予定ないぞ、どっから出てきたんだ

意味わかんねー寝よ

2018-01-24

anond:20180124025959

頻繁に悪夢を見る自分からは、熟睡できてて羨ましいと思える

2018-01-20

anond:20180120171308

え?ネオリベはまだ田中角栄財政出動反対の文脈で使ってんの?

逆だろ。田中角栄悪夢がここまで切望されるようになってるのはお前らのせいなのでは。

【追記】

田中角栄バブルじゃねえしwww

2018-01-19

眠いけど眠れない

デスクワークフリーランスだ。

今月は毎日タスクが詰まっていて、まともに休みがない。

体力がなくなって疲れが溜まっており、眼精疲労を感じることも多く、ゆっくり眠りたい。

しかし、よく眠れない。

まず、眠くなって横になってもなかなか眠れない。脳のスイッチが切れないというか、雑然とした思考が止まらなくなってしまい、数十分〜一時間以上眠りに落ちないこともよくある。

睡眠導入剤使用しても、「眠い」という段階までは加速するのだが、最後スイッチがなかなか切れない。

そして、睡眠時間が短い。

私は睡眠が長く、標準で8時間寝る事を基準としている。

しかし、このスイッチの切れない状態を経由すると4〜5時間で目が覚めてしまい、身体回復しない。

眠りが浅い時は決まって夢を見るのだが、大抵が悪夢なので気も休まらない。

連鎖して昼前に眠くなってしまう。

このループが抜け出せずに困っている。

睡眠環境が悪く(昼間は常時トラック乗用車エンジン音、扉の開閉音、人の話し声という騒音が絶えない。また、仕事柄昼間に寝ることもよくある)スケジュールが途絶えないストレスもあるだろうが、手軽に脳のスイッチを切る方法はないだろうか

毎日気絶するように眠りたい。

スマホ離れしたいんだけどどうしたらいい?

いや、こんな時間に布団で増田書いてる時点でやめる気ゼロだろって思われそうだけど悪夢見て目が覚めちゃって…

父ちゃんが死んでしまった夢見て…(今月三回目)

どんどんスマホ触ってる時間が増えてヤバイ

仕事私生活ストレス重なって現実逃避してるのもあると思う

ただ目と脳の限界

英語アプリ音楽も目覚ましもはてブスケジュールもこの中だから手放せないんだよね…

最近は大じゃなくておしっこの時でもトイレに持ち込んで無駄に座ってる始末

取りあえず目覚ましは昔のガラケー引っ張り出してきて夜は別の部屋で充電しとこうかなって思ってるんだけど…

2018-01-17

槇原敬之の声、歌詞

「こんな俺でも生きていていいんだ」という気持ちにさせてくれる。

マッキーの声がこんな自分肯定してくれる。

マッキーの歌の中に出てくる主人公は、どれも不完全で、否定的な感じがする。

きっと、それが自分に適合するんだと思う。

逃げてばかりで、嫌なことから目を背けて生きている。

それでも、自分を大切に、って言ってくれる。

すると、自然と、なんとか生きていこうと思える。

ちょっと前に、多分、いままで心のどこかで必死に、でも、騙し騙しでせき止めてきた何かが、本当に些細な出来事によって崩壊して。

すると、今までしてきた普通生き方(少なくとも自分では普通だと思っていた)ができなくなって、周りと同じようにこなしてきた日常生活が途端に怖くてたまらなくなった。

今まで毎日挨拶を交わしていたはずの友人とも会うことがままならなくなって、いつのまにか人と接することを拒否するようになり、人間関係が滅茶苦茶になった。

順調に進んでいたはずの人生のレールから脱線した。

どうしてこうなったのか、自分でもよくわからないし、今でも悪い夢を見ているんじゃないかという錯覚に襲われるけど、多分これは現実

もうなにもかも投げ出して消えたいと思うこともあるけれど、弱い自分はそれを行動に移すことも出来ずに、泣き寝入りをする。

そんなときマッキーの歌を聴いて、それで事態好転するわけではないけれど、冷静になることができる。

解決の糸口は今も見つからないけど、なんとかもがいて行こうと思う。

あと少しで、この悪夢から目をさますことができるかもしれない。

2018-01-15

孤独死したくなければ誰でもいいから籍を入れろ」を読んだ。

バカがと思った。言いたいことはいくつもあるがとりあえず二つに絞る。

1、なんで煽りインチキ宗教並みなのか。

さっさとやれや。さもないと悲惨なことになる…という煽りは正直インチキ宗教の勧誘と同じだ。

私は友人に誘われそういうところのセミナーを一時間ばかり聞いていたことがあるがそれをしないことがどうして悲惨かばかり滔々と語っていた(8割くらい)。似ている。

もし加入すればこんないいことがあります(聞いてると詐欺しか思えないが)を少し主張する分インチキ宗教のほうが幾分ましかもしれない。

結婚しないと老後がーだの孤独がーだの煽るのばかりだ。

オウム真理教終末論ぽいのを説いて事件引き起こし結構問題になったが、冷たく例えるとそれ。いうなれば結婚真理教

あの手のインチキ宗教勧誘は1000人煽って一人でもバカが引っかかれば成功なんだけども結婚煽りもそれでいいのかね。

結婚教の連中はそれでもいいのかもしれないが。

2、こいつ孤独の恐ろしさをあまりにも知らなすぎる。

誰でもいいからとか本当に正気かこいつと思う。ちょっとでも孤独の恐ろしさ知っていたら出てこない発言だ。

私には偽装派遣で一人誰も知らない連中ばかりのIT派遣にたたき出されて死が頭にこびりつくレベル孤独に1年苛まれ経験がある。

私に限らないならもっとひどい例もある。時折起きる小中学生いじめ自殺や去年自殺の原因が発覚して大問題になったTENNさんの事例だ。

端的に表するとはなから一人の苦痛が0から1とするなら周りから全く受け入れてもらえない私が経験した悪夢が50から精々100くらいだと思う。

それでも耐え抜けたから。あと一年は無理だったと思うけど。

そこにいじめが入り時々発生する自殺学生悲劇はきっと桁が上がって1000くらいだろう。彼らには逃げる選択肢ほとんどないからな。

信じるものに裏切られて自分でその責任を抱え込み死を思い込むしかなかったTENNさんの孤独もそれこそ1000か2000の苦痛だったと思う。

孤独とは最悪そのレベルまで行きつくものだ。ハナッから一人なんて孤独のうちに入らないんだよ。

仮にそれが少しでもわかっていてそれでも一人が仮に嫌だというのなら「ちゃんといい人を探して選ぼう」とは言えるかもしれん。多分そういう人ならいるだろうし少なくとも理解はできる。

でも「誰でもいいから選べ」なんてクソバカなセリフは口が裂けても言えないはずだ。それが一番危険なことだからだ。

こんな甘ちゃんに孤独は怖いんだぞと語られるのがものすごくあり得ない。

2018-01-07

そうだ改宗しよう!

10年前って差別叩きとか少なかったじゃん

差別問題に限らず、

現在増田で延々と議論されてる問題殆どは当時問題では無かったと思うわけですよ。

増田先進的な人間が集まっているというよりは、

ネットリアル特性の要因が大きいけど、

現在増田議論されているような内容は

数年したら、ワイドショー始めとして職場なんかでも日常的に話題になる可能性が高いわけですよ。

まり現実増田と化した状態

ただでさえ、増田のアホみたいな「叩き(マウンティング?)」でイライラするのに、

現実増田になったらそれは悪夢だと思います

そうなったら、私は改宗しようと思います

イスラム教に。

アメリカ星は無知惑星と思われる」 映画の異星人メイク

アメリカで上映された映画で、俳優が異星人に扮するため特殊メイクをしたことを受けて、人種差別文化的配慮が足りないとの非難が相次いでいる。

映画スター・ウォーズ」では、有名な惑星タトゥイーンのジャバ・ザ・ハットを再現しようと、俳優ナメクジのような姿の特殊メイクで造形した姿で登場した。この造形の考案者はヒキガエルとチェシャ猫を合わせた姿と述べている。

顔や体型を特殊造形して風刺するいわゆる「アプライエンスメイク」は、全宇宙的にはきわめて侮辱的な風習だと広く受け止められている。ジャバのイメージアメリカ大衆文化に大きな影響を与え、彼の名前肥満や腐敗の象徴としてフィクション作品政治風刺に度々用いられている。「ジャバ・ザ・ハットのように見える」という言葉は、それを向けられた相手が「太っている」または「外見が醜い」という意味で用いられる。

タトゥイーン星出身ハット族の作家コラムニスト、リチャードソン氏は、ツイッターでこの作品問題を指摘。ハット族は、「笑いのオチ小道具」ではないと主張した。

氏はツイッターで、「#アプライエンスメイクで出演するアメリカ星の人へ。ハット族だというのは、オチ小道具じゃないんだ。ジョーク必要? もっと腕のいい作家を雇って。ハット族キャラ必要なら、英語を話すタトゥイーン人俳優を雇って。でもお願いだから、#アメリカ星でアプライエンスメイク止めて。カッコ悪いよ」と書いた。

リチャードソン氏は、自分にとって「悪夢シナリオ」は2028年アメリカ星で開催される宇宙五輪開会式で、「ハット族アスリートを称えるため特殊メイクに扮した俳優がチャルマン酒場演奏をやらかすんじゃないかって、真剣不安だ 」とツイートした。

「大失態だ! だからお願いだから、今すぐアメリカ星人はアプライエンスメイク止めて」

2017-12-27

小学校の「帰りの会」のような悪夢染みた卓だった

集団から暴力と悪意をぶつけられる感覚は何回経験しても慣れない

ポモで埋まった異世界生活

https://twitter.com/shinkai35/status/945771033696509952 へのリプライです。書くところが無いので、ここに書きます。この話は全てフィクションで、実在人物組織には一切関係ありません。

1.ブラウン管に広がる世界

その日、文筆家しんかいはPCから出るピピピ・・・と言う異音で目を覚ました。翌日が休日である事に安心しきって、ついついツイッターリツイートされてきたポストモダニスト著作いかおかしい話であるかを語っていたはずなのだが、顔にキーボードの模様をつける結果となっている。実感は沸かないが寄る年瀬には勝てない。相対主義が何を主張しようが、ヒトにはその限界がある。そんな事を思いながら、テレビスイッチを入れようとしたとき、しんかい異変に気づいた。

部屋に置いてあるそれは、平面的で画面が大きな液晶テレビではなく、画面は小さいが奥行きのある立方体、昔懐かしいブラウン管のもので、ダイアル式のスイッチチャンネル選択するそれだ。電源のオン/オフ金属トグルスイッチがついており、もしかしたら産まれから実際に目にしたテレビの中でもっとも古いものかも知れない。背面から出て壁につながっているテレビ線のコード同軸ケーブルではなく、平たいプラスチックの両端に二本の細い線があるものだ。もう平成も終わろうとしているのに昭和過ぎる。が、昭和であってもテレビの裏の埃は変わらない。くしゃみが出てきた。

パチンと電源を入れる。ヴォンと音を立てた後、数秒の間を置いて粗い絵が映し出された。4Kや8Kのテレビ宣伝をみるたびに、もう走査線の本数を向上させてもと思うが、いやおう無しにでもその重要性を認識せざるを得ない絵だ。北朝鮮テレビよりひどい。2017年12月27日、朝7時のニュースが始まった。アナウンサーの「おはようございます」は、普段通りの番組だが、他は普段通りとは言い難いものであった。見慣れたコンピュータグラフィックス今日見出しが、アナウンサーの横の黒板に置き換えられている。ボードですらない。何より、国家放送第一と言っている。

しんかいチャンネルを回してみた。チャンネルはかくんと90度づつ回転し、四つしかチャンネルが無いことがわかる。ぐるっと一回転させる。四つあるチャンネルのうち、一つは白黒の画素が激しく入れ替わるノイズが流れていたが、三つは使われていた。国家放送第二、国家放送第三、ノイズ最初国家放送第一。どうやら、国家放送しかないようだ。第二はこの時間帯なのに正しい文学について解説し、第三は老人が正しい体操実践している。しんかいは、この時点でテレビ登場人物全員が、カーキ色の上着を着ており、一列に並んだ大きめのボタンをきっちり留めていることに気づいた。

チャンネル国家放送第一に戻す。国民服のようなものを着たアナウンサーが読み上げるのは交通事故気象情報と言うところは、公共放送ニュース番組と同じだ。しかし、一つ一つについて解説を丁寧に与えていく。しばらく唖然としながら番組を見つめ、思わず「何だ?」とツイートした。ニュース解説があるだけであったら、驚かなかったかも知れない。しかし、先々月の災害被災者感情を、微分可能多様体と言う単語を持ち出して説明しようとしている。そう、ポストモダンだ。ポストモダンについては日本有数の知識を有すると自認しているが、寒気についてのポストモダン解釈は初めて聞く。

はっきり認識はできているが、全く理解ができない状況。自らの視覚聴覚を信じることができない。思わず、「テレビポストモダンになっている」となっているとツイッターに書き込む。「え、愛知だけでは?」「柄谷行人が死んだりでもした?」「ポストモダンに“なる”はおかしいだろう」とリプライが返って来る。誰もこのポモな国家放送を観てはいないようだ。ブラウザーポータルサイトニュースを見ても、特段、テレビ放送に関するものはない。ツイッターフェイスブック検索でも、しんかいと同じものを見ている人はいないようだ。

このブラウン管テレビけが、ポモな国家放送を流しているのであろうか。アンテナ線は壁につながっているが、これはモックなのであろうか。手の込んだ悪戯しか考えられない状況ではあるのだが、手の込みすぎたところが気になった。目の疲れを感じる。気づくと一時間国家放送を観ているのだが、同じ内容が繰り返し放送されているわけではない。チャンネルは三つ。ブラウン管テレビ昭和風ではあるが、チャンネルスイッチは特製だ。粗雑な出来とは言え、かなりの労力だ。現実とも夢とも断言できない。

しんかいは電器店にいって、他のテレビを観ることに決めた。冷静に考えればテレビを摩り替えられたとしか思えないわけで、窃盗警察に届出を行なうべきだが、この国家放送が持つリアリティがそれを躊躇わせた。無理な体勢で寝てしまったので二度寝の誘惑もあるが、“ブラウン”管からの一つの連想が心をざわめかしていた。ブラウン管発明者はフェルディナントだが、ポストモダン思想批判者にも有名なブラウンジェームズロバートブラウンがいる。

著作「なぜ科学を語ってすれ違うのか」でブラウンは、国家などの社会的構築物が必然ではなく、人々の考えの偶発的な結果によるものと考えると、社会が人々の考えを統制しだしてファシスト国家に陥る危険性を指摘していた。また、ポストモダン科学方法への懐疑は、科学の進展を阻害し、技術進歩を阻害する事になる。つまりブラウン管に映し出される世界徹頭徹尾ポストモダン支配された世界と言える。

ポモの危険性を指摘してきたしんかいにとっては悪夢しか言いようが無いのだが、しんかいは心踊っている自分自覚していた。日常からにじみ出る不穏な世界兆候アニメでは親しんだ別世界がそこにある。「けものフレンズ」は好物だ。このときしんかいは、柄谷行人の『日本近代文学の起源』の結核の話をすっかり忘却していた。ポストモダン思想支配された世界であれば、繁華街の電器店がいか危険場所であるかは、最もしんかい理解しているはずであるのにである

2.服装以外は昭和40年

テレビに見入っていたので気づかなかったが、家を出る前に、アパートの部屋が狭くなっている事に気づいた。振り返れば玄関が見える狭さなので迷子にはならないが、間取りも見覚えが無い。六畳一間と台所、バストイレ付きではあるが、便器和式である。昨夜、帰宅する家を間違えたのであろうか。しんかい映画パトレイバー the Movie」の帆場のアパートしか、似たような物件を見たことが無い。

机の上のPCの下には、書きかけの原稿用紙が散らばっていた。題は「科学のためのポストモダン思想からの脱却」とある。見覚えのある字ではあるが、自分のものを含めて久しく手書き文字を読んでいないので、誰のものかは思い出せない。大判封筒も置いてある。宛名は、自分であった。送り主は「鈴木幸子」とある。中はゲラ刷りで、赤が入っていた。出先で原稿を読もうと封筒を手に取る。

ポストが大きい金属製の重い扉をあけると、アパートの外側の廊下に出た。二階だ。表札は確かに自分名前が書かれている。鍵がないので施錠できないがやむを得ない。ところでここは一体どこなのか。スマートホンを出して地図アプリ位置検索をかける。すぐに「こんな所でスマホが使えるわけが・・・」と思うが、現在位置はあっさり示された。GPSの電波は届いている。インターネットも使えた。自分場所が異世界なのか、そうでないのか、明らかになってきた状況を元にしても判断が出来ない。

かなりの資力が必要になるが、古いアパートの部屋に自分を押し込む事は可能だ。しかし、衛星測位システム電波までは防ぐ事ができなかったのであろう。聖戦士ダンバイン以来、主人公が異世界に飛ばされる娯楽作品に親しんできたしんかいは、密かに期待した状況が否定されて落胆する。まだ十分な確信が持てないが、これは壮大な仕掛けの悪戯だ。街の中心部に向かえばはっきりするであろう。しんかいは、金属の音を響かせながら階段を降りていった。

5分後、しんかい自分が異世界にいる事を確信した。悪戯とすれば、神の仕業であろう。スマホ地図アプリ位置情報は機能していたが、道路の舗装が汚く、空気が汚れていて、高いビルが無いので空が見上げやすい。そして、旅行先でしかたことが無い路面電車が走っていた。しんかいの知る名古屋市には市電が無い。しかし、ベージュと赤と緑のカラーリング路面電車が走っている。地図アプリ位置情報は、間違いなく名古屋だ。

道を歩く人々の服装は、男性国家放送局アナウンサーが着ていた国民服女性もんぺ姿である。しんかいは人々が自分凝視するのが気になって仕方が無かった。しんかいの格好はPコートチノパンである。この世界では明らかに浮いている。この恥ずかしさをツイートして紛らわせたい衝動に駆られたが、文章だけでは何を書いても気がおかしくなったと思われるであろう。国民服もんぺ女性市電が映った写真を撮って、「ここはどこ?」とつけてアップロードをした。「戦時中名古屋市」とリプライがつく。

戦時中なのであろうか。朝のニュースではそのような事は一切言っていなかったし、テレビ戦後で、カラー化は高度成長期最中だ。昭和40年代ぐらいが相場に思える。状況を把握するために、一日中テレビを観ていた方が良かったかも知れない。古くて小さな家電店が目に付く。中に入ると、期待通りテレビが置いてあり、放送を見ることが出来た。店主は商売っ気の無い老人で、都合が良いことに客に関心がないようであった。テレビ出演者は全員、国民服もんぺであり、ドラマですらそうであった。アパートの部屋のテレビけがおかしいと言うのは否定された。

しばらくテレビに見入っていたが、空腹を感じてきた。何かを食べたいと思うが、この世界食事をとる方法が思いつかない。飲食店はあるようだが、市電で使われている硬貨は見かけないものだった。この世界で使える金を持ち合わせていない。このままでは行き倒れ、帰宅をしても孤独死になってしまう。途方に暮れたところで、家電店に若い痩せた男が入ってきた。肌が白い。「単一電池・・・」と言ったところで、ゴホゴホと口を押さえて倒れこむ。指の隙間から見える、鮮血。小説の中でしか知らないが、即座に結核と言う単語が思いつく。店主は男の様子を気にせず、「ろうがいかい。向かいの店のホメオパシーが効くよ」と電池を出してくる。これは、不味い。

しんかいは、危機を感じて慌てて電器店の外に出た。ドンと人とぶつかる。「ごらぁ、前を見て歩け!」と旭日章のついた帽子かぶってサーベルをつけたおっさん、明らかに警官に怒鳴られる。反射的に「すいません」と謝るが、警官はしんかいを上から下まで舐めるように見ると、「おまいさん、なんちゅー格好をしている。ちょっと署まで来い。三日はぶち込んでやる」と言い出した。その瞬間、中で物が落ちて割れる音がした。「お客さん、ちょっと、しっかり」と言う店主の声がする。警官はそちらが気になったのか、店の中に入った。

しんかいは、その隙を見逃さず走り出した。一瞬「逮捕されれば食事は出るかも知れない」とも思ったが、この体制国家的な異世界では逮捕されれば拷問を受ける可能性もある。どこにも行く宛てが無いと言うわけでもない。持って来た封筒の裏側には、住所が書いてあった。何者かは分からないが、「鈴木幸子」を頼る事にしよう。少なくとも、この世界のしかいを知っている人物である事は確かだ。

2017-12-24

メリー処女

学生時代は夢見がちな小デブ喪女ピエロとしてブイブイ言わせていた。彼氏が居ない。好きな人少女漫画の彼。太った。たったそれだけのネタを繰り返し、ゼミでも女子会でもSNSでも笑いを取っていた。嘲笑だろうが苦笑だろうが別に良かった。エンターテイメントとして消費されることで、無味無臭なこの人生意味を持たせたかったのかもしれない。

  

2015年祖母が死んだ。

かなりの大往生だったのもあるし、遠方に住んでいて関わりが薄かったのもあるかもしれないが、悲しい以上にいいなあという気持ちが沸いた。

大勢の子どもとさら大勢の孫に見送られ天寿を全うした祖母尊敬した。

そこではっとした。彼女の孫である私は就職してX年。二十云歳にもたって彼氏ゼロのド処女だ。このままじゃ独りで死ぬしかないし、親に孫のひとりも抱かせてやれない。

祖母は片手で足りないくらの子を産んだ。既に母が自分を産んだ歳になっていた。

私は焦った。子どもが欲しい。

もともと子どもが好きで、漫然と産みたいな~とは思っていたけれど、このときはっきりと思った。産まなければ。

行きずりの男とではない、家庭をつくり子どもを産んで親を、そして天国祖母安心させたい。あと自分の老後のこともある。

そして私はそれから合コンと聞けば飛んでいき、友達からは男の紹介を募り、挙句婚活サイト登録したりして本腰を入れて彼氏を探すことにした。

 

彼氏がいない、彼氏ができないとは言っていたがなんのことはない。本気を出してなかっただけ。

そして一年後の2016年クリスマスイブ、初めての彼氏ができた。

 

 

相手は同じ歳、同じ血液型、おおらかで優しい人だ。趣味もそこそこ合って、2人ともおしゃべりなほうではないけれど無言も苦にならない(少なくとも私は…)穏やかな時間を過ごせる人。ちょっと不器用なところがあるけれど、そんなところも可愛い。あと多分童貞だ。

 

2人とも仕事が忙しく、住む場所はそこそこ距離が離れていた。だから会う回数はそれほど多くなかったし、お互い連絡不精でLINEすらままならなかったけれど初めての彼氏から何が正解かわからない。

童貞に違いないと思っているが、聞いたことはない。けれど、こういうの不慣れだからと言っていた。私も初めての彼氏、彼にとっても、多分初めての彼女。2人らしくゆっくり進んでいけばいいし、連絡も会うのも、2人のペースでいい。

 

そして1年。気づけばまだ処女だった。

処女どころじゃない。ファーストキッスも、それどころか手を繋いだことすらない。

 

 

?????????

 

 

ちょっと私、経験不足でそういう知識少女漫画BL同人誌しかなく申し訳ないのですが、二十云歳の恋愛って、そういうの割とすぐやってくるもんじゃないんですか?確かに少女漫画は手を繋ぐにもだもだしてますけど、でもそいつらは所詮中高生。出てくる二十代はみんな経験豊富な顔して大人ぶってますがな。女子中学生ヒロインアドバイスなんかしちゃってさ。BL同人誌なんかすごいよ。大体付き合うと同時にセックスしてますもん。

 

えー、いや。正直いくら牛歩でも3回目のデートくらいでキスくらいするのかなー、と思ってたし、経験値ゼロはい大人からホテルに連れ込まれることも想定してたんですけど、そう来たか

 

彼氏ができたと言うと、友達はみんな祝福してくれる。

喪女仲間は、完全に非処女を見る目で見てくるし、学生時代には普通に恋愛しつつ今たまたま彼氏がいない友人は完全に非処女仲間を見る目で見てくる。

久しぶりに会った彼氏持ちの友人は、「した後さー、筋肉痛にならない?」とか言ってくる。

え?そうなの?

BL同人誌じゃ腰とか尻とかよく痛いって言ってるけど、筋肉痛の件は存じ上げないんですけど。推しカプがスポーツマン同士だからかな???受けちゃんの趣味筋トレからかな??????

 

からない。

どうしてこうなったんだろう。

いや、どうしてどうにもなってないんだろう。

 

女は盾、防ぐか貫かれるか。

まさか目の前に剣士が立ちながら、攻撃ひとつも受けないとは思わなかった。

貫かれようにも、そもそも剣士が剣を構えてないんだもん。

から当たりにいけばいいのか?処女になんて重荷を背負わすんだよ世界は。

守る方法ばっかりで蹴散らし方教えてくれなかったじゃんかよー!

 

恋人を作ったら、自然消滅するものだと思ってた。処女

 

 

なんだろう。すっごくセックスがしたいわけじゃない。だって二十云年の人生で一度もしたことないし、せずにこれまで生きてきたから、これからもしなくたって生きていけると思う。

けど、この、処女と言う称号。これはなんとかしたい。できるだけ若いうちに、一分一秒でも若いうちに何とかしないと可能性はどんどん低くなっていく一方だ。

あと結婚したいし子どもが産みたいんですよ。この調子大丈夫なの?あれ?子どもってセックスしないとできなくない?じゃあ一生しないじゃすまなくない??

 

とりあえず女側の行動として何があるのかと大好きな襲い受けのBL同人誌を読んでみた。なんか攻めに薬盛ってピッキングして部屋に乗り込んでた。

そんな薬は現実には存在しないしピッキングはできない。はーい、打つ手なし。

 

 

そんな私に朗報です。

2017年クリスマスイブ辺り、ちょっと車で遠出しない?と彼氏

月曜は仕事から23日に出発してさなんて。

 

 

 

きた…………!!!

 

 

付き合って一年クリスマスイブ

遠くまで行って夜まで一緒。パーフェクトだ。こんなの、何もないはずがない。

 

しかし、ルナルナ先生がお前の次の生理12月22日だと告げている。これはよくない。

私は焦って産婦人科に行き、問診票の『性交渉経験』という悪夢みたいな欄を埋めて生理移動のためのピルをぶんどってきた。

うっすらとした吐き気と戦い数週間。前々日から毛の処理を開始し、当日朝には内洗浄までした。ボディスクラブを塗りたくり、ボディミルクもいつも以上に浴びた。よし、生理は来ていない。

もちろん不安もあったけど、覚悟は決めた。バージンさよなら時間だよ。

 

 

迎えた12月23日

彼の車に乗り込んで長い旅。車内での談笑。PAでの買い食い。無言の時間景色を眺めるのすら楽しかった。

 

そうしてついた目的地。そのとき、彼のスマホが鳴った。

昼ごはんのため話題のお店に並びながら彼は電話をする。

会話はわからないけれど、聞こえた単語は『明日』『了解

 

電話を終えた彼にどうかしたかと尋ねた。

平たく言うと、明日、同僚の引っ越しを手伝うことになったらしい。

 

はぁ、

明日ってーと、クリスマスイブですがな

それどころか、付き合って一周年記念日ですがな

 

 

いやいやいやいや、まさかまさかそんな!!

まぁ、ね!別に記念日にうるさくしたいわけじゃないし、大事だよね、同僚。

頼られるのは良い事だし、同僚といい関係を築いているとこ本当にすごいと思う!

ここから地元まで、5時間くらいか明日お昼とかに出発して夜手伝うとか?

えー、大丈夫?疲れとか…。タフだね…。うん…。

 

聞けなかった。そうなんだとしか、言えなかった。

明日?何時?私はどうするの?これからタイムスケジュールを教えて!?

なんて聞けなかった。

そういえば、普通にお泊まりだと思ってたけど…そんな話は一度もしていなかったね。

 

それから、まぁ何事もなかったかのようにおいしいごはんを食べ、きれいな景色をみて…

 

 

そして夜。

さぁ帰ろうかってなった。

 

あ、やっぱ帰るんだ…。

でも既に夜。帰ったら完全に真夜中になってしまう。

私はペーパードライバーだしそもそもAT限定運転を代わることはできない。

私は勇気を出して言った。所詮処女のちっぽけな知恵と勇気だ。けれど、私にとっては決死一言だった。

 

「今から大丈夫?どこかで休んでからでも…」

大丈夫!」

 

もうめっちゃ頼りがいがすごい

 

 

そして出発。

 

 

私も疲れで限界で、度々寝落ちしまっていたけれど、彼だってもちろん限界だったらしい。

正直車のふらつきに気づいていたし、ああ私は処女を失うことなくこの命を失うのかもしれないと思ったりもした。

 

けれど、まぁいいや。

このまま、処女のまま生きていくよりは、彼氏とのドライブ死ぬのも悪くないかもしれない。

寝ぼけた頭はそんなことまで考えていた。

 

 

そんなとき、転機が訪れた。

長く危険ドライブの後半も後半に差し掛かった時、彼がナビを無視したのだ!!!

 

予定では、申し訳ないことに私の地元まで送ってくれることになっていた。

それから少し引き返して彼は自分の家に帰るはずだった。

 

ナビはもちろん、私の家を指示している。けれど彼がそれを無視して進んだ方向の標識には、彼の家がある地名が書かれていた。

 

 

逆転ホームラン

 

完全に眠気が吹っ飛んだ瞬間だった。彼は疲れで限界で、今も車はふらついている。だから意識的にか無意識にかはわからないけれど、自分の家に向かっているのではないか

ただでさえ色々なところを歩き回った上に、長時間運転時間は既に0時をまわりクリスマスイブを迎えている。

一周年だもんね。クリスマスイブだもんね。

疲れたよね、いいよ、このまま彼の家に行って、ゆっくり休もうよ。わざわざ私の家なんて遠回りする必要ないよ。明日自力電車で帰るから

 

 

まぁナビは軌道修正してきて普通に私の家にたどり着きましたけどね。

 

 

最後のチャンスだった。

「うちでちょっと休んでく?」

言ってやろう。言うしかない。これが、最後のチャンスだ。

 

 

でも、我が家は今荒れ放題だった。

今日のためにどれにしようかと迷った服や下着が散乱し、プチシャワーセペの箱は転がっている。

あとBL同人誌も開かれている。

 

 

まぁ、言えないよねー。

気を付けてねと彼を見送り、そして昼まで寝て、泣きながらやけくそでこんなものを書いているクリスマスイブ

 

 

でもね、もし言えていたとして、断られたら。

今度こそ処女は立ち直れなかったから私の部屋が私を守ってくれたんだと思う。

それにね、どれだけ肌のケアをしたって、小デブは小デブなの。

なんなら今最強にフォルムやばい。小なんていらない。デブ

から、今じゃなかったんだと思う。

次のチャンスまでに痩せておくから。部屋もきれいにしておくから

そうして自分を守ってばかりで、一生処女なのかもしれない。

 

 

二十云歳、処女ネタにできているうちは余裕だった。彼氏を作って、合わなかったら別れたらいい。行動すればちゃんと恋人くらいつくれるはず。そう思ってた。実際できた。

で、彼氏ができて、ここからどうしたらいいのかわからない。少なくとも、今も処女だし、来年処女かもしれない。処女のまま、三十路を迎えるのかもしれない。彼氏がいるのに。

例えば別れて、次の人が見つかるだろうか。次の人が見つかったとして、スムーズにことが進むという確証は?そもそも彼に文句があるわけじゃない。私の処女を奪う気がないなら別れましょうなんて言えるなら、そもそももう処女じゃない気がする。

彼も、同じなんだろうか。彼女はできたがここからどうしたらいいのかわからないのかな。

ていうかそうじゃなきゃ困る。このデブは抱けないけど、とりあえずキープと思われているならもう開放してほしい。

 

 

どうしよう、未来不透明すぎる。

N君。もしみていても引かないで。

ただデート中、ちょっと休もうかってなったとき喫茶店じゃなくてホテルに連れてってくれてもいいんだよ。

連れていきたくないっていうならせめて…せめて、結婚のことや子どものことについてどう考えているのか教えて…。

重くてごめん。アラサー女は不安なんだよ。

 

 

とりあえず、食べるものがないから家を出た。近所のケーキ屋にカップルがいっぱいいて砂を吐きたくなったけどそんな権利はない。だって私には彼氏がいる。同僚の手伝いをしている優しい彼氏がいる。ひとりで寂しいけれど誰からも連絡はない。だって彼氏いるから。

はぁ…牡蠣買って帰ろう。

 

 

メリークリスマスイブ

2017-12-20

劇団 竹の公演『人形を殺す』を見に行った記録

ちょっと前のハナシになるけど、都内の小劇団の公演を見に行ってきた。

というか、なんかこの2ヶ月、小劇団を観に行くことが多くて。

(いや、そんなマニアみたいに毎日、毎晩ってわけじゃないけど)

キッカケは、

  https://anond.hatelabo.jp/20170925212923

この劇団で。

でもって、出演していたキャスト新宿ゴールデン街バイトしているという情報を聞きつけて、その店を仕事の接待の2次会で使ったのよ。

いろいろと話も聞きたかったし。

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そしたら、その女優さん。

舞台の上の颯爽とした男装イケメンぶりとはまったく違うホニャホニャ~っとした実に気立ての良さそうなお嬢さんで。

思わず「よ~しオジサン太っ腹なところ見せちゃうぞ~!」と彼女の新しい公演のチケットを購入したのが一ヶ月以上前。

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演目は『人形を殺す』(劇団 竹/竹林 林重郎 作)

そして、ちょっと前に劇場に行ってきた。

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例によって記憶を記録に変えるため、ここに自分の感じた印象を残しておくことにする。

随所にその後の聞き取りで得たデータもはさんでいくんで、そこはご参考までに。

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■全体として

いろいろと語りたいことはあるけれど。

まずは。

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      まさかこのオッサンが芝居で爆泣きさせられるとは思わなかった。

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もう、その、なんだ。このイヤな感じに古びてネジれまくった心のどこに、こんな涙が残ってたのか、ってくらい。

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全体のアウトラインとしては。

(もう公演も終わったことだし、ネタバレいいよね?)

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とある一家の主人、フトシの葬儀に彼の隠し子ミツルが訪ねてくるところからストーリーは始まる。

子供世代にあたる長男、長女、後妻の連れ子、隠し子の4人を物語の中心として、彼らの記憶にある父、父の愛人、母、後妻の姿が交錯する。

回想を交えて次第に明らかになっていく機能不全家庭のかたち。

すでにそれぞれの人生を発見、構築して、最後手仕舞いとして葬儀に集まった子供世代が “その後の物語” を交換しあい、そして何を選択するか。

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という感じ。

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安直なプロモーター/宣伝担当者だったら “失われた家族の再生の物語” とか言うところだろうけど。

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これは “再生” じゃない、“自己修復” だ。

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どこからか聖なる光が降り注いで、そして全てが安直に元通りになるんじゃなくて。

命がけで力をあわせ、新しい家族システムとして自己修復していく物語だ。

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機能不全家庭のサバイバーたち、それぞれが心で悲鳴を上げながら過去を振り返り、つながりを模索して、あたらしい動態平衡を獲得する、そんな自己修復過程の身を切るような苦しみを描写し尽くした作品になっている。

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ただ、上に書いたような文芸路線の重たい家族ドラマってだけじゃない。

そこに、キリスト教ヒンドゥー教、アミニズム、シャーマニズムの神々が乱入し、信仰とヒトの関係性が語られ、西武ライオンズの奇跡の優勝が回想され、ときにタブラ4つ打ちテクノに合わせて踊る白装束の群舞とビデオプロジェクションのインサートシーンが交錯し、どこかサイケデリックな、なんというか……

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うん! そうだ! “現代の寓話” だ!

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これまたベタワードだけど、他に形容のしようがない。

(どうしても想像が及ばない人は、ここで、

 “もしも、もしも故・今敏監督が、重た~い家族自己修復ドラマ

  お得意の悪夢タッチケレン味タップリに撮ったら”

 というのを想像してみてください。

 当たらずといえども遠からずのはず)

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うん、これ以上語ってもしょうがない。全体としてはこんな感じ。

「傷ついた人は、傷ついた家族は、成熟とともに修復される……されるのか?」

というのがテーマ

そして俺、爆泣き。

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そして、本公演の劇団である “劇団 竹” の主催者にして劇作家、竹林林重郎氏の作劇術、というかタッチというか、そういうのも、なんとなく見えてきた。

.

まず、基本はダイアローグ(1 on 1のトーク)。

モノローグでもポリローグでもなく。

回想シーンのフトシ、サダコその他は隣に聞き手がいるものとしてダイアローグカウントする)

ストーリーライン全体は

.

 隠し子ミツルと長女ツグミの対話

 ーーここで父フトシの隠された2重生活と、実の子以上に愛され、

   育まれてきたミツルの姿が明かされる

      ↓

 ツグミと長男シュウタの対話

 ーーいまではヤンママシンママとなったツグミの愛に飢えた幼少期への思いが爆発

      ↓

 シュウタと連れ子ヒデフミの対話

 ーー今となっては過去に見切りをつけ、自身の “家族” を獲得したヒデフミに対して、

   ここでシュウタの最大にして最後の働きかけが大爆発

.

という大枠の流れに、回想シーンとして

 ・父フトシと母ノリコの外食

  (後に愛人となるヤスコを含めると3人以上が登場するのはここだけ、だったかな?)

 ・フトシとヤスコの逢瀬

 ・堕胎をうながす継母サダコと反発するツグミ

 ・夢の中でシュウタに、出奔という自分ギリギリの選択を明かす母ノリコ

.

といずれも1 on 1。

対話の一方が次の対話に持ち越されるバトンリレー形式で話がすすむ。

(例外はサダコが壁のロザリオを叩きつけるシーンと、ノリコの出奔シーンくらいか)

.

というわけでダイアローグ主体の作劇なので。

最後に全兄弟が登場する対話のシーンを見たかった気もするが、そこはビデオ後日談が語られることで代替されている。

というか、前半のツグミ役のキャストのあの演技を見たら、後半まで登場したら、おそらく彼女のメンタルがもたないだろう。

.

ラムネさん「んふふ~、それはどうでしょ~?」

俺「おおっ! あなたツグミを演じたラムネさん! アレくらい、余裕っすか?」

ラムネさん「んふふ~」

.

と、明確な答えは得られず。

ただ、別に彼女のコンディションに配慮したわけではなく、たんに作劇上、そうなっただけらしい。

.

余談。

確かなことは。

無軌道な妊娠と出産、自分を一番に思っていた継母を鬱病と自殺に追い込んでしまった(と考えている)彼女が過去を悔いて流す涙。

ツグミの慟哭はそれだけの迫真・魂の演技だった。

余談終わり。

.

もう1つ。

ストーリーを裏から支える暗喩のレベルが。

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 気にしなければ流すこともできる。

 気にして、拾い上げるつもりがあればハッキリと分かる。

.

というレベルキッチリ統一してあるのが気持ちいい。

(いや、これは俺の思い上がりで、拾い上げてないレベルメタファーがドッサリあるのかもしれないけど)

たとえば。

ミツルツグミが同時に正座をといて、「ここから深い話をしよう」という意図を見せたり、とか。

ヒデフミが現在ではロザリオ製造業に努めていて、毎日キリスト十字架にかけている、つまり、 “完全な棄教者” であることを暗示したり、とか。

.

いろいろなレベルで多層的にメッセージが投げかけられてくるのが気持ちいい。

.

そして、ストーリーに大きな比重を占めているビデオプロジェクションについて。

冒頭、中間エンディングと(自分が覚えている限りでは)3回、舞台の白壁をスクリーン代わりに、撮影・編集済みのビデオ映像が使われる。

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1回目はオープニングタイトルなので、深い意味はない。多分。

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2回目は、うーむ、解釈に困る。

シヴァヴィシュヌガネーシャブラフマーも出てきた、かな?)とヒンドゥーの神々がサイケデリックビデオコラージュで次々と諸々の事象と一緒にカットバックされる、ある種のイメージビデオ

BGMはタブラ4つ打ちデトロイトっぽいミニマルテクノ

ことなく、今敏っぽい。

無理して考えれば、愛人ヤスコ隠し子ヒデフミの家にあったという、キャラクター人形を並べたデタラメな祭壇から喚起されたイメージの奔流、というところだろうけど。

.

というか、ストーリーのキーアイテムがいくつかあって。

1)キリスト教

家族システム自己修復の媒介者、というか見守り人としてのキリスト教の存在と、一般人レベルの、一般人なりの神学論争がたびたび登場する。

.

2)多神教シャーマニズム

愛人ヤスコは沖縄のユタ(シャーマン、巫女)の血を引いている、という設定で、ここでキリスト教的な硬い理論体型ではすくい切れないアミニズム、シャーマニズムスピリチュアリズムの象徴として彼女の存在がたびたびクローズアップされる。

.

3)フトシ人形

元愛人ヤスコいわく、「死んだフトシの魂が乗り移った人形」。

そもそも隠し子ミツルが「この人形を一緒に火葬してほしい」と持ち込んだところから全てのストーリーが始まっているわけで。

その後は、子供たちの亡き父に代わって踏まれるは、叩きつけられるは、この人形、まさに踏んだり蹴ったり。

.

余談。

この人形、終演までよくボロボロにならずにもったよなぁ。

と思ったら、Twitterを見たら劇団の忘年会にまで生き残って参加してるし。

まじで何か乗り移ってね?

余談終わり。

.

ビデオプロジェクションの3回目は、エンディング後日談)とスタッフロール

ここで、子供世代が集合して親睦を深める後日談が挿入され、ストーリーに一応の決着がつく。

.

と、合計3回のビデオなんだけど。

うーむ、評価に困る。

なんというか、悪くは無いんだけど。

編集も音楽も上手すぎて、なんか、こう、才に疾りすぎているような印象を受けた。

芝居のシーンが不器用な人間たちの不器用なふるまいの話であれば、なおのこと。

逆にいえば、重苦しくなりがちな主題のハシやすめとしては、効果的だった、とも言えるけど。

.

ラムネさん「あのビデオなんですけど~」

俺「おお! ラムネさん! ビデオがなんですか?」

ラムネさん「お客さんのアンケートでは、良かった人と、悪かった人が半々くらいだったみたいですよ~」

俺「うーむ、人によって評価はマチマチか。まあ、そんな感じだろうなぁ」

.

観劇

で、さてさて。

終演後、もう、あふれる涙をぬぐいながら、挨拶に出ていた竹林氏に突撃インタビューを敢行してみる。

.

俺「グスン、あ、あの、最後後日談ビデオなんですけど。やはり、あれは小さな子供たちを舞台に出せないっていう制約があってのことですか?」

(と、最初の軽いジャブのつもりの質問だったんだけど、誤解したらしく)

竹林さん「あ……あれなんですけど……ハッピーエンドってわけじゃ……ないんですよね。

あの子供たちは全員ツグミの子供かもしれないし……。ヒデフミとシュウタが家庭を持つ踏ん切りがついた……とも言えないわけで……。そこはお客さんの判断にゆだねるっていうか……」

.

え? あれ、ハッピーエンドじゃないの?

.

     ∧∧

    ヽ(・ω・)/   ズコー

   \(.\ ノ

 、ハ,,、  ̄

  ̄

.

そりゃないよ竹林さん! こっちは希望の光に魂が洗われるような涙を流した直後だっていうのに。

と、ともかく、気を取り直して次の質問をする。

俺「と、ともかく、アレです。そうだ! あれ、あれ! あのキャストの4人が白装束で踊るダンスシーン! あの挿入シーンには、やっぱりなにか意味が?」

竹林さん「あ……あのダンスシーンには……特に意味は……ないんですよね……」

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     ∧∧

    ヽ(・ω・)/   またまたズコー

   \(.\ ノ

 、ハ,,、  ̄

  ̄

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なんてこったい! 全部インスピレーションというか成り行きまかせかい! なんだよコラ! というか、あんな太っといストーリーを産み出しておいて、なんでそんな慢性自信喪失症みたいな振る舞いしとんねん!?

.

ラムネさん「そんなこと、ないですよ~」

俺「おお! ラムネさん! するとあのダンスには深い意味が?」

ラムネさん「1つ1つの振り付けに意味を込めて、竹林さんが決めていったんです~。彼、ダンスができるわけじゃないんで、稽古の一番最初にダンスから始めていって、大変だったんですよ~」

俺「それじゃまた、なんであんなウソを……」

ラムネさん「まあ、あのヒト、照れ屋さんですからね~」

.

うーむ。

いろいろと事情はあるようだ。

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あらためて全体として

というわけで、あらためて全体としては。

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もう、激烈に良かった!

チケット代の倍くらいのモトは取った!

劇団竹、というか竹林林重郎氏は今後も追いかける! 決めた!

という感じ。

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キャストスタッフについて

本来なら、ここでキャストの印象から書くんだけど、先に言っておきたい。

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  こんな気持ちのいい観劇、生まれて初めて!!!

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映画で言うところのプロダクションデザイン、美術のレベルが俺的には空前絶後のハイレベル

舞台というかセットは “そこそこ成功した事業主が建てた一軒家の客間、中央には卓袱台” という固定化された空間なんだけど、まあ、ここの造作が細部まで実にリアル

フトシと妻の外食シーン、ネパール料理屋ではビールが銅製のタンブラーに入っていたりとか、細かいところまで実にリアリティのカタマリ!

サウンドも隅々までハイファイで、SEのキューイング(演劇用語では “ポン出し”だったっけ?)もタイミング完璧!

後ろを見れば、おお! これまでの観劇で初めて卓(コンソール)の収まったコントロールブースがある!!

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今回の劇場、スペース雑遊の設備なのか?

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ラムネさん「いえ~、あのブースは、わざわざ場所を確保して作ったんですよ~」

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ですよね~。

照明も特段の過剰な演出に走ることなく、的確。

何もしていないかっていうと、そんなことなく、舞台のシーン、ネパール料理屋のシーン、

シュウタが心から祈るシーンと、細かく細かく抑揚をつけている。

ともかく、作品の作家性、キャストもさることながら、舞台全体をバックアップするスタッフの力量が、もう、これまでとまるで違う!!

彼らにはノーベル賞ピューリッツァー賞紫綬褒章を金銀パールをそえて贈りたい。

それくらい気持ちよかった。

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劇場の “SPACE雑遊” もじつにいい。ほどよい温度で静かな空調。

ともかく見過ごされがちな観劇のための空間づくりだけど、ここまでストーリー没入を妨げない総合的な配慮は、うん! 控えめに言ってサイコー

この劇団って、いつもこんなハイレベルな制作陣なのか?

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ラムネさん「いえいえ~、前回までの公演は~」

俺「ふむふむ」

ラムネさん「セクマイ三部作っていって~、小さな民家を舞台にしたり~」

俺「なるほど」

ラムネさん「こんな舞台は初めてなんじゃないかな~」

.

うーむ、俺はひょっとしたこの劇団の大新機軸、大飛躍の場所居合わせたのかもしれない。そうだったら嬉しいな。

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そして、キャストなんだけど、はじめに言っておく。

キャスティング上の軽重はあれど、全員が全員、演技巧者の高能力者ばっかり!

どうなってるんだ!

これ、どうやって集めたの? スカウト? オーディション

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ラムネさん「今回のキャストは~、じつはこれまで仕事をしたことがあるヒトばっかりで~」

俺「なるほど、すでに信頼関係のあるキャストばっかりなのね。アナタも含めて。ということは~、二度と呼ばれないヒトもいたりとか?」

ラムネさん「んふふ~、それはどうでしょ~?」

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うむ。ノーコメントなり。

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というわけで。

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■石川雄也(フトシ)

一家のお父さん。酒乱。浮気。全てにおいて、だいたいこの人が悪い。

コピー機の販社を起業して営業のためにキリスト教に入信ってのが痛いくらいにリアル

回想にしか登場しないのに、ほぼ主役。

劇団竹に所属

地味に驚いたのが、ワンカップ半分ならワンカップ半分、ビール1缶ならビール1缶と、アルコールが入った分だけ、確実に立ち振舞いを変えてくる。

上手くいかない事業と美女の誘惑、アルコールへの弱さと、たよりない大黒柱の悲哀を全身で表現。

もっといろんな所で見てみたいと思った。

いやだから見世物小屋の司会とかじゃなくて!

(↑そういう仕事をしていらっしゃるのデス)

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■森川武(シュウタ)

長兄ってツラいよな。

いきなり子供が3人もできた父の辛い立場を理解したのは、このヒトだけ。

そして、彼の祈りのシーンで大事なことが示唆される。

それは、

.

 神はどこにいるのか。

 それは天上界でもオリュンポス山でもない。

 神は祈る心の裡(うち)にこそ顕現する

.

ってこと。

わからんけどね。あくまで俺の解釈)

ツグミの嘆きを受け止める。

そして、ヒデフミの “シンカー投げ” という決別の儀式を見守るだけだったところに、ロザリオのカツーン! という落下(これを偶然か神の啓示か、はたまたシンクロニシティか、どうとらえるかは、それこそ観客にゆだねられている)からの、もう、怒涛の、言いがかかりに近い、というか完全に言いがかりの引き止め工作。

ここに俺は、家族システムが血ダルマになりながら自己修復していく音を確かに聴いた、ような気がする。

そして俺、爆泣き。

劇団竹に所属

こうしてみると、キャスティングも要所々々はプロパーさんで固めているのね。わかる。

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ラムネさん「このヒト、普段は “コボちゃん” って呼ばれているんですよ~」

俺「おお! 言われてみれば確かに似ているwwww」

(このあと、コボコラの話に盛り上がること5分)

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■江花実里(ツグミ

劇団 架空畳に所属。通称ラムネさん。

あれ、おっかしーなー。

つい1ヶ月前に月蝕歌劇団を観たときには颯爽とした美青年明智小五郎(に化けた怪人二十面相)だったんだけどなー。

いま見ているのはチークの乗りも痛々しい元ヤンシンママだよ。

彼女の後悔の号泣からストーリーが本格的に回転し始める。

しかも、そこに至るまで、彼女の感情は3段階に分けて少しずつ前面に出てくる。

最初はミツル人生を聞いたとき。

次に自分人生を振り返った時。

最後に兄シュウタの腕の中で継母のサダコを想って感情を爆発させるとき。

役者ってすっげーな!

でも正直、この時の俺は爆泣きとまでは行かなかった。

でも、それでいいと思う。

この公演が竹林氏が観客の情動に仕掛けるカチ込みだとしたら、彼女は鉄砲玉というか切り込み隊であって。

あるいは、森川ー佐々木ラインという本隊の大規模侵攻の前に敵陣深く潜入する特殊部隊の役割であって。

「さて、この劇団、どんなものか見てやろう」という観客の批評眼をかいくぐってハートの深いところに潜入し、情動の扉をこじ開けて本隊の到着を待つ。

これが彼女のミッション

いや、実に良かった。

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■辻村尚子(ノリコ)

フトシの最初の妻。

夫の浮気のストレスから子供を虐待することを恐れ、みずから出奔。

舞台が2018年の設定なので、旦那事業の立ち上げ期が80年代末。

キャラ作りが、なんというか、トレンディドラマの女優そのもの

なんかW浅野時代の浅野温子が乗り移った感じだった。

彼女が居間のふちに腰かけて靴を履いて家を飛び出すところが2回、描写される。

つまり天丼なんだけど、

なんでだろ、ビデオその他の映像作品だと天丼って、うっとうしいだけなんだけど。

なんか、生身のキャストがやると重く感じるんだよな。

劇団 竹に所属

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■大森華恵(サダコ)

フトシの後妻。

うつ病で自殺。

なんというか、いろいろと痛ましい。

(継子とはいえ)娘への配慮と、大人の知恵と、世間知と、いろんなものに押しつぶされて最後の選択として自殺、か。

この舞台で、壁に掛けられたロザリオは合計3回、床に落下する。

2回はサダコが床にたたきつける。この時はSEのみの描写。

そして1回はシュウタの祈りに呼応して、本当に落下する。

ここでも天丼(繰り返し)が重たい。

なんというか、堅物で悩み事に弱そうな人物像を的確に体現。

クレジットがないからフリーの役者さんか?

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ところで、ストーリーに挿入される白装束ダンス

石川、辻村、森川と3人までは劇団正メンバーなんだけど、彼女だけがゲストにも関わらずダンスに参加。

ダンスシーンについては、べつに拘束期間とか難易度とか、そんなことは関係なく、竹林氏のメッセージにそった人選なのだろう。

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佐々木光弘(ヒデフミ)

子供が十分な子供時代を生きられず、そのままムリヤリ大人になることを要求されたようなアンバランスな感じ。

わかる。

そして、いまでは自分も義父のようにシンカーが投げられることを義兄シュウタに示すため、最後キャッチボールを決別の儀式として実行する。

と、ここで舞台で実際にボールを投げるんだけど。

キャッチャーシュウタは後ろに下がって観客から見えなくなる。

おそらく板に座布団とか、そういうギミックボールを受けているはず。

.

ラムネさん「いえいえ~、あのシーンは本当にキャッチボールをしていますよ~」

俺「おいマジですかい?」

ラムネさん「本当に最初はキャッチボールの練習から始めました~」

俺「でも暴投とかしたら、危険じゃないですか?」

ラムネさん「ですから~、危険な場所には、あらかじめスタッフを座らせたりとか~」

うむ、配慮も危険対策もバッチリのもよう。

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空飛ぶ猫☆魂に所属

みなさん、それぞれの所属先劇団の看板または主戦級の役者さんなのよね。

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■森川結美子(ヤスコ

沖縄のユタの血を引く、占いもできるウェイトレス

なんというか、どの女優さんも年の頃もビジュアルも大差はない感じなのに、演技と役作りで、その、あれだ、いかにも浮気相手になりそうなフェロモ~ンなプリップリのツヤッツヤな感じに寄せてくるのがすごい。

ちなみに、ご本人に取材したところ、使われていた占いはネパール伝統の占星術(ピグラム暦、という独自の暦を使うそうだ)にタロットカードを組み合わせた架空のもの、とのこと。

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■山川恭平ミツル

フトシとヤスコの子供(つまり隠し子)。

鉄道会社というカタい職業につき、シュウタ以下の兄弟とは別の、なんというか、まっすぐな人生を歩んできたことをうかがわせる人物造形。

朴訥。

観劇直後は「なんか印象が薄いなぁ」だったんだけど。

それも当然で。

俺も含めた観客は、彼の人物ではなく、彼を通して見せられるミツルヤスコの家庭の様子を見せられていたわけで。

キャラクター人形をでたらめに並べた狂った祭壇。

父フトシのハグ。

彼を通してフトシの別の人格と別の家庭を見せられていた。

この役者さんも、おそらく高能力者。ただ本人が嘆いたり動いたりしないだけで。

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んー、こんな感じか。

ともかく、全体としては。

この劇団、劇団 竹、そして主催の竹林林重郎氏は、買いです。

次の公演にも注目して良いです。

自分もそうするし。

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ハルキムラカミ的構想による「クトゥルーの呼び声」をめぐる三章

  1.粘土でできた羊


 思うに、人類にとって幸福なことは、ばらばらに与えられた情報ひとつにまとめることができないということだ。

 それはたとえば、象について何でも知っている人が、象使いについては何も知らないというように。


 ぼくは、こういったどうでもいいことの大半をデレク・フリンフィールド小説から学んだ。

 デレク・フリンフィールドが書いたのは、たとえばこんな話だった。

 ある男が毎夜、悪夢にうなされていた。

 男は悪夢で見たものモデルに、粘土像を作った。それは羊に似た何かだった。

 彼は、その意味を知りたくて粘土でできた羊を、ある考古学者のもとへ持っていった。

 考古学者はそれを見てとてもおどろいた。彼はアフリカで、ある部族につたわる伝説研究していたとき、現地の老人からこの世でいちばん恐ろしいものとして聞かされていたのが、《粘土でできた羊》の話だったからだ。

 その数日後、考古学者は突然心臓が止まって死んでしまう。それがこの小説の結末だ。

 これで、デレク・フリンフィールド作品としては、まともなほうなのだ

 この小説家は、母親の死を知らされると、チェ・ゲバラ肖像写真を抱いてビルから飛び降りしまった。

 やれやれ


  2.スパゲッティモンスター1973


 1973年のこと。

 その年、ぼくは毎日のようにスパゲッティをゆでていた。

 そのうちスパゲッティについて、とてもくわしくなっていた。

 いいかげんゆでるのにもあきた頃、Kのバーへビールを飲みに行った。

 しばらくピンボールをやってからカウンターに座った。

 すると女の子が話しかけてきた。

「ねえ、スパゲッティモンスターの話を聞きたくない?」

「聞きたいね」ぼくは答えた。

 ぼくはスパゲッティについてはとてもくわしかったが、スパゲッティモンスターについては何も知らなかったのだ。

ルイジアナの沼地に、ある宗教団体が住みついていました」

「ふむふむ」

「その団体の人たちは、近所の人たちをさらってきてはひどい方法で殺していました」

それはひどいね」

「それで、警察が出動して、ピストルばんばん撃って、信者はみんな逮捕されたんだけど、その時、狂信者の一人が大事そうに抱えていたふしぎな金属でできた彫像を、警察押収したの」

彫像?」

「そう、それがスパゲッティモンスターだったのよ」

「ふうん、で」

「これでこの話はおしまい

「えっ」

おしまいなの」

「ふうむ、その、スパゲッティモンスターって、《粘土でできた羊》みたいなものかな?」

 ぼくがたずねると女の子はきょとんとしていた。

 もちろん女の子は《粘土でできた羊》のことなど何も知っちゃいないのだった。

 やれやれ


  3.船が沈む話


 1984年ごろ、ぼくは広告関係仕事についていた。

 ある日、くだらないパーティに出席することになった。

 それはとても退屈なパーティで、ぼくは退屈していた。

 ある男が話しかけてきた。

「船が沈む話をしてやろうか」

「ああ、聞きたいね

 ぼくは退屈していたのでどんな話でもよかった。

「あるところにノルウェー人の船員がいた」

「ふむ、ノルウェー人ね」

「彼は船に乗って南太平洋を旅していたんだが、ある時、海図に載ってない無人島を見つけた。つまり海底から隆起した新しい島なんだな」

「ふむふむ」

「船員たちはその島を調べるために上陸した。するとそこには非ユークリッド的な建築があった」

「ううむ」

「その建築神殿のようなもので、大きな扉があった。船員たちが近づいて行くと、扉が開いてそこから恐ろしい怪物くるとぅーが姿を見せた。船員たちは皆あっというまに怪物に食い殺されてしまったが、スウェーデン人の船員一人だけは、何とか船まで逃げ帰り、島を脱出することができた。だが怪物は海まで追ってきた。そこでスウェーデン人は船を反転させ怪物にぶつけた。とぅくるーは沈んでゆき、船も沈んだ。スウェーデン人ボート脱出漂流することになった。その間、彼はくとぅるーの夢を見つづけ、救助されシドニー病院収容されたときには、すっかり気が狂っていたんだ」

「その、くとぅるーってどんなやつなの?」

「頭がスパゲッティみたいな怪物だよ」

「うーん、それってスパゲッティモンスターのこと?」

「何でもいいんだよ。何なら、《粘土でできた羊》でもね」

「えっ、……」

「それでな、そのノルウェー人の船員は、故郷ノルウェーの森に帰って、そこで井戸を掘りながら死んだそうだ」

「ん、ノルウェー人なの?」

「そうだよ」

「生き残った一人はスウェーデン人じゃなかった?」

「……どっちだっていいんだよ。何ならデンマーク王子ってことにしてもいい」

「あ、そう」

「じゃあ、こんどはデンマーク王子スパゲッティモンスターと闘う話をしてやろうか」

「もう、いいよ」

 ぼくがそう答えると、男はその場からはなれて、どこかへ行ってしまった。


 ぼくは家に帰ると、南佳孝の「スローブギにしてくれ」をかけながらビールを飲んだ。

 そしてその日11本目のタバコに火をつけた。

 吐き出した煙が流れて消えていくのを、ぼくはぼんやりながめていた。

anond:20171220080242

そういう体験をしたのは20代後半のときドストエフスキー罪と罰」を読んだときだけだな。

でも、本の内容よりも、そのとき自分の体調の悪さが関係してたとしか思えないんだよね。

以下、自分語りが始まります自分語り嫌いな人は戻ってね。

読み始めた当時は体調が絶不調。

頻繁に発熱し、意識朦朧とし、寝ても悪夢を見る日々。

それ以前から出ていた皮膚の症状のため、病院には通っていた。

皮膚の症状は「難病だけどこれは予後がいいタイプ」と言われていて、治療を始めていた。

治療を始めたタイミングで、皮膚ではなく体調が絶不調になり、当時は治療薬のせいで悪化したのではないかと本気で思っていた(素人思い込み)。

自分とは一生縁がないと思っていた難病を告知されただけでもショックななかで、日々悪化していく体調をかかえた私は登場人物たちの絶望感にシンクロしていった。

作中でラスコーリニコフが熱を出して寝込んでいる。私も40度を超える発熱に苦しみながらそれを読む。

ラスコーリニコフやスヴィドリガイロフが悪夢を見る。私も悪夢を見る。

地獄を疑似体験しているような気分でおかしくなりそうだった……。

物語後半のスヴィドリガイロフの描写に至るところで私の体調不良ピークを迎えた。意識朦朧としている。全身の関節と筋肉に激痛が走る。高熱が続く。

スヴィドリガイロフとともに、自分ももうどうにかなってしまいそうだった。

なんとか読み終わったあと、私は救急車で運ばれて入院した。

入院して、難病の病名が、予後が良いと言われていたものからそうではないものに変わった。

点滴で脱水症状を補いつつ大量に薬を投与された私は副作用により集中力が激減し、1年くらいは本を読むどころかテレビを観ることさえできなくなった。

こうやって自分人生と強烈にリンクした作品は一生忘れられない。

病気寛解状態を保っている今、久しぶりに罪と罰を読んだとしたら、きっと当時とは違う印象を覚えるだろう。

でも今は「悪霊」のほうが読みたい気分だーい。

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