2017-12-20

anond:20171220080242

そういう体験をしたのは20代後半のときドストエフスキー罪と罰」を読んだときだけだな。

でも、本の内容よりも、そのとき自分の体調の悪さが関係してたとしか思えないんだよね。

以下、自分語りが始まります自分語り嫌いな人は戻ってね。

読み始めた当時は体調が絶不調。

頻繁に発熱し、意識朦朧とし、寝ても悪夢を見る日々。

それ以前から出ていた皮膚の症状のため、病院には通っていた。

皮膚の症状は「難病だけどこれは予後がいいタイプ」と言われていて、治療を始めていた。

治療を始めたタイミングで、皮膚ではなく体調が絶不調になり、当時は治療薬のせいで悪化したのではないかと本気で思っていた(素人思い込み)。

自分とは一生縁がないと思っていた難病を告知されただけでもショックななかで、日々悪化していく体調をかかえた私は登場人物たちの絶望感にシンクロしていった。

作中でラスコーリニコフが熱を出して寝込んでいる。私も40度を超える発熱に苦しみながらそれを読む。

ラスコーリニコフやスヴィドリガイロフが悪夢を見る。私も悪夢を見る。

地獄を疑似体験しているような気分でおかしくなりそうだった……。

物語後半のスヴィドリガイロフの描写に至るところで私の体調不良ピークを迎えた。意識朦朧としている。全身の関節と筋肉に激痛が走る。高熱が続く。

スヴィドリガイロフとともに、自分ももうどうにかなってしまいそうだった。

なんとか読み終わったあと、私は救急車で運ばれて入院した。

入院して、難病の病名が、予後が良いと言われていたものからそうではないものに変わった。

点滴で脱水症状を補いつつ大量に薬を投与された私は副作用により集中力が激減し、1年くらいは本を読むどころかテレビを観ることさえできなくなった。

こうやって自分人生と強烈にリンクした作品は一生忘れられない。

病気寛解状態を保っている今、久しぶりに罪と罰を読んだとしたら、きっと当時とは違う印象を覚えるだろう。

でも今は「悪霊」のほうが読みたい気分だーい。

記事への反応 -
  • 今は全然だけど、中学生くらいまでは読書少女だった。 本が大好きでいつも本を読みながら学校から帰っていたし、結構な厚みのある本もよく読んでいた。 たくさん本を読んでいたが...

    • そういう体験をしたのは20代後半のときにドストエフスキー「罪と罰」を読んだときだけだな。 でも、本の内容よりも、そのときの自分の体調の悪さが関係してたとしか思えないんだよ...

    • (エンデとは趣が異なることを承知の上で書く) 中学生の頃に買って読んだク・リトル・リトル神話集(ドラキュラ叢書)が怖かった。「永劫より」とか良くできた話で怖い。 読んだあ...

    • anond:20171220080242

      • 例えば、おかしくもないのにくすくす笑ったり、自己満足的・自己陶酔的な笑いをすることがあります。また、高慢な態度、しかめ顔、わざとらしい態度、悪ふざけなども特徴的な症状...

    • まさに物語の中のバスチアンと同じ状態ですね 私はアラフォー独身で子供に読ませる当てもないけれど、今でもあの本は持っています

    • 収容所群島かな

    • 「今自分はなにかとてつもないものを読んでいる」と感じた経験は一度だけある。   川又千秋の『幻詩狩り』という本。読んでる間じゅうずっとゾワゾワしてた。

    • 映画化される前に読んだ鈴木光司「リング」が怖かった。 今は貞子が使い古されてゆるキャラ扱いになってしまったけど、 物語の中の呪いが自分にも降り掛かってしまったかのような気...

    • タイトルだけ見て「私は果てしない物語怖くなったなー」と思いながら中身を見たら 増田さんも同じ作品でびっくり! あれ読んでると自分もバスチアンみたいな状況なのではないか?と...

    • 「リング」シリーズ、読んで本当に怖いのはループでした。 https://anond.hatelabo.jp/20171220154744

    • 恐怖ではないけど、似たような読書体験はあります。 一番好きな作家の新刊を読む時です。その作家の新刊は年に2、3冊しか出ませんが…。 発売日に新刊を入手し、家に帰って読む...

    • この話言わんとすることとは性質を異にするけれども 思春期に「近代科学を超えて」(講談社学術文庫) を読んでいたときは 読んでいるそばから自分の世界観がグングン変わっていくの...

    •   斎藤道三と 織田信長の 生涯を 描いた 『 国盗り物語 』に始まり    『 播磨灘物語 』 『 新史太閤記 』 『 関ヶ原 』 『 夏草の賦 』   まで 順番に 読み進めたら 止...

    • もしかしてだけど、「王」の話?読むの怖かったのって。   読書オススメサイトでこの本の抜粋があって、 そこで挙げられてた 『自分の空想の中で王になると、現実から乖離してく』 ...

    • 安吾の桜の森の満開の下でこれになった。あれ読むと背中がぴくぴくしてくるんだよなあ。

    • 太宰治の人間失格を、途中で断念。 私のような、無神経な性格には難しかった。 読む気が失せた。 だから、断念して、本棚に。 しかし、何年後?人間失格を読みました。 今は、デリ...

    • 自分も果てしない物語を小学生の時に読んで強烈な印象を受けた。今までで一番、読んだことを覚え続けている本だと思う。 小学生の時に自分も大量に本読んでだけど、読んだ本で覚え...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん