そういう体験をしたのは20代後半のときにドストエフスキー「罪と罰」を読んだときだけだな。
でも、本の内容よりも、そのときの自分の体調の悪さが関係してたとしか思えないんだよね。
読み始めた当時は体調が絶不調。
皮膚の症状は「難病だけどこれは予後がいいタイプ」と言われていて、治療を始めていた。
治療を始めたタイミングで、皮膚ではなく体調が絶不調になり、当時は治療薬のせいで悪化したのではないかと本気で思っていた(素人の思い込み)。
自分とは一生縁がないと思っていた難病を告知されただけでもショックななかで、日々悪化していく体調をかかえた私は登場人物たちの絶望感にシンクロしていった。
作中でラスコーリニコフが熱を出して寝込んでいる。私も40度を超える発熱に苦しみながらそれを読む。
ラスコーリニコフやスヴィドリガイロフが悪夢を見る。私も悪夢を見る。
地獄を疑似体験しているような気分でおかしくなりそうだった……。
物語後半のスヴィドリガイロフの描写に至るところで私の体調不良もピークを迎えた。意識が朦朧としている。全身の関節と筋肉に激痛が走る。高熱が続く。
スヴィドリガイロフとともに、自分ももうどうにかなってしまいそうだった。
入院して、難病の病名が、予後が良いと言われていたものからそうではないものに変わった。
点滴で脱水症状を補いつつ大量に薬を投与された私は副作用により集中力が激減し、1年くらいは本を読むどころかテレビを観ることさえできなくなった。
こうやって自分の人生と強烈にリンクした作品は一生忘れられない。
病気が寛解状態を保っている今、久しぶりに罪と罰を読んだとしたら、きっと当時とは違う印象を覚えるだろう。
でも今は「悪霊」のほうが読みたい気分だーい。
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anond:20171220080242
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