アメリカで上映された映画で、俳優が異星人に扮するため特殊メイクをしたことを受けて、人種差別や文化的配慮が足りないとの非難が相次いでいる。
映画「スター・ウォーズ」では、有名な惑星タトゥイーンのジャバ・ザ・ハットを再現しようと、俳優がナメクジのような姿の特殊メイクで造形した姿で登場した。この造形の考案者はヒキガエルとチェシャ猫を合わせた姿と述べている。
顔や体型を特殊造形して風刺するいわゆる「アプライエンスメイク」は、全宇宙的にはきわめて侮辱的な風習だと広く受け止められている。ジャバのイメージはアメリカの大衆文化に大きな影響を与え、彼の名前は肥満や腐敗の象徴としてフィクション作品や政治風刺に度々用いられている。「ジャバ・ザ・ハットのように見える」という言葉は、それを向けられた相手が「太っている」または「外見が醜い」という意味で用いられる。
タトゥイーン星出身ハット族の作家兼コラムニスト、リチャードソン氏は、ツイッターでこの作品の問題を指摘。ハット族は、「笑いのオチや小道具」ではないと主張した。
氏はツイッターで、「#アプライエンスメイクで出演するアメリカ星の人へ。ハット族だというのは、オチや小道具じゃないんだ。ジョークが必要? もっと腕のいい作家を雇って。ハット族キャラが必要なら、英語を話すタトゥイーン人俳優を雇って。でもお願いだから、#アメリカ星でアプライエンスメイク止めて。カッコ悪いよ」と書いた。
リチャードソン氏は、自分にとって「悪夢のシナリオ」は2028年にアメリカ星で開催される宇宙五輪の開会式で、「ハット族アスリートを称えるため特殊メイクに扮した俳優がチャルマン酒場の演奏をやらかすんじゃないかって、真剣に不安だ 」とツイートした。