はてなキーワード: オカンとは
親ガチャ失敗したやつ、そんな親でも切れないんだよね。心のどこかで、「いつか自分を愛してくれるかもしれない」って、万に一つの奇跡を信じてる節を感じる。もしくは今より状況が悪化したら生きていけないという恐怖なのかもしれないけど。
虐待を受けた子が支援を拒否するケースがあって、思いを知らないと「何で?」ってなるけど「血のつながった親にこんなにひどいことされるんだから、血のつながらない人に保護されたら、どんな目に遭うかわからない」という恐怖心からそうなるらしい。
でも、血がつながっててもクレイジーサイコ親がいると同時に、血はつながっていなくても、見返りも求めずにお前の心配をしてくれる人もいるんだよ。
父親にオカンと妹殺されそうって増田がいたけど、親ガチャはマジで「くじ引きにハズレた」ってだけで、お前に落ち度なんか一個もないんだから、どうかそんな場所から逃げてくれ。生きて幸せになれよ。本当に。
中年というか30代付近になると多分、イオンしかない田舎みたいなルーチンでの生活というのをセルフで構築してしまう。
その結果、その中の一部意識が高い奴の中に田舎にいても毎日が輝くかどうかは自分次第とかいう糞のような結論に行き着き、田舎で子育てを始めてしまう。
その子供は何をするにもイオンとロードサイドしかねぇ田舎でおうちの中と外の人間のギャップに苦しみ、ヤンキーコミュニティに染まるか、どうやってこの地獄から抜け出すかを考えるようになる。
意識高い田舎移住民の子供の行動範囲には、親父とオカンに連れて行かれる山やら川やら良うわからん意識高い自然派人間達の意識高い店屋という場所も存在しているが、そこの家主に外の世界から来た人間を見てよりこじれるのが、田舎移住民の子供である。
いうほどオカンわかって話してるか?
コーンフレークじゃなくて、Haskellだとして、全体のネタを書き直してくださいっていう指示した結果
ボケ&ツッコミ「お願いしますー ありがとうございますー」
ツッコミ「あー ありがとうございますー ねっ 今Githubでスターをいただきましたけどもね」
ボケ&ツッコミ「ありがとうございますー」
ツッコミ「ねー 有り難いですよ ほんとにね」
ボケ「入れておきましょう」
ボケ「いきなりですけどね うちのオカンがね 好きなプログラミング言語があるらしいんやけど」
ツッコミ「プログラミング言語の名前忘れてもうて どうなってんねそれ」
ツッコミ「分からへんの? いや ほな俺がね おかんの好きなプログラミング言語 ちょっと一緒に考えてあげるから どんな特徴ゆうてたかってのを教えてみてよ」
ボケ「あのー関数型言語で、型システムが強力で、遅延評価するやつやって言うねんな」
ツッコミ「おー Haskellやないかい その特徴はもう完全にHaskellやがな」
ツッコミ「すぐ分かったやん こんなんもー」
ツッコミ「いやそうやろ?」
ボケ「オカンが言うには 将来の夢はそれで書かれたOSを使うことやって言うねんな」
ツッコミ「あー ほなHaskellと違うかぁ Haskell製のOSなんてまだ無いもんね」
ボケ「そやねん」
ツッコミ「HaskellはOSを作るのには向いてへんからなぁ」
ボケ「そやねんな」
ツッコミ「な? Haskell側もOS開発に任命されたら荷が重いよあれ」
ボケ「そやねんそやねん」
ツッコミ「Haskellってそういうもんやから ほなHaskellちゃうがなこれ」
ボケ「そやねん」
ツッコミ「あれほなもう一度詳しく教えてくれる?」
ツッコミ「Haskellやないかい モナドは確かに難しいねんHaskellの でも俺はね あれはHaskellの良いところやと思うねん 俺の目は騙されへんよ 俺騙したら大したもんや」
ボケ「まあねー」
ツッコミ「ほんであれよー いざ使ってみたらね モナドのおかげでコードがスッキリするねん 俺は何でもお見通しやねんから Haskellのモナドなんて」
ツッコミ「そうやろ」
ボケ「オカンが言うには プロダクションで使うにはまだ早いって言うねんな」
ツッコミ「ほなHaskellちゃうやないかい プロダクションでHaskell使ったら 上司がひっくり返すもんね Haskellはねー まだ研究段階やから実務では使いにくいねん」
ボケ「そやねんそやねん」
ツッコミ「な? Haskell使ってみたらだんだん罠が見えてくるから 最後ちょっとだけ避けてまうねんあれ」
ボケ「そやねんそやねん」
ボケ「そやねんな」
ツッコミ「Haskellちゃうがな ほな もうちょっとなんか言ってなかった?」
ボケ「学生の頃 なんでみんな憧れるんか分からんかったらしいねん」
ツッコミ「Haskellやないかい 学生の頃はHaskellとOCamlとLispに憧れるんやから あとSmalltalkも憧れたな Haskellそんなもんよ」
ツッコミ「そうやろ」
ボケ「オカンが言うには 関数型プログラミングの教科書に必ず載ってるっていうねん」
ツッコミ「ほなHaskellやないかい 教科書のサンプルコードにHaskellのコードが出てこんわけないやん」
ツッコミ「Haskellはね 関数型プログラミングの王道中の王道やねん」
ツッコミ「Haskellや絶対 ほな ほなもうちょっとなんかゆうてなかったか?」
ツッコミ「Haskellやないかい Yesodとかあるやろ な? RubyとかPythonの次はHaskellが来るって言われてるねん 俺はそう思うよマジで Haskellや絶対」
ツッコミ「そうやて」
ボケ「オカンが言うには ジャンルでいうたら数学やっていうねん」
ツッコミ「ほなHaskellやないかい ジャンルで数学言うたらHaskellしかあらへんやん な? Haskellは数学の理論がベースになってるんやで ラムダ計算とか圏論とかな」
ボケ「そやねんそやねん」
ツッコミ「ほなHaskellに決まりやないかい ほなもうちょっとなんかゆうてなかった?」
ツッコミ「Haskellやないかい Haskellは変数が不変やから 変数に感謝するのは当然やねん ね? 状態変更せんと安心して使えるからな」
ボケ「そやねんそやねん」
ツッコミ「Javaとかの変数は裏切るからアカンねん Haskellの変数は一生そばにおってくれるから最高やで」
ボケ「でも分かれへんねん」
ツッコミ「分からへんことない おかんの好きなプログラミング言語はHaskell もぉ」
ボケ「でもオカンが言うには Haskellではないって言うねん」
ツッコミ「ほなHaskellちゃうやないかい オカンがHaskellではないと言うんやから Haskellちゃうがな」
ボケ「そやねん」
ツッコミ「先ゆえよ 俺がラムダ計算の説明してる時どう思っててんお前」
ツッコミ「ホンマに分からへんがなこれ どうなってんねんもう」
ボケ「んでオトンが言うにはな」
ツッコミ「オトン?」
時間帯や一定の形式にはまった時間の中でみているときは、83-152の自宅を、このかたちの中でみているとも言えなくはないが、延岡なんぞバカしかいないようなところで
自宅をそういうふうに見ている者は想像できない上、仮に、ここを自宅としたとしても、誰も住んでいない空き家のような感じであり
うちの母親が存在する場所を、警察が見ているような形の中で見たことはないし、そんなことをしようとしたら、オカン光殺法で殺されるので、うちの1階に降りたときにそういう風にみたことはない。
あるときに、この形の中で動くと、犯罪者の悪魔が動かしているテクノロジーの恩恵を受け得られないともいえないが・・・ 富美山の南区において、そのような状態になることは
極めて難しいと言わざるを得ない。
亡きオカンの場合、海の向こうで生まれてすぐに帰国して以来、他界するまで同じ市内で暮らした。隣県の小都市に短期間だけ在住しただけで、ごく稀な旅行で数百km先の県で数日の観光をしただけだったようだ。生家は市内の中心地域にあり、結婚以後は数km離れた借家住まいで一生を終えた。
昭和の自動車のキャロルで、若い頃は走り回ったとか言っていたが、県内止まり、良くて隣県に1泊するかしないかだったと思われる。まったくもって、旅情など感じさせない、生活に追われるだけの女だった。
誰しも旅行を嗜むものでもないけれど、それにしたって。若くぎらついていた頃は丁度高度成長期に重なり、すべてが明るく美しく輝いて見えていてもおかしくなかったはずだ。職人の4人の子供のひとりで、裕福ではないにせよ、道楽がなかった祖父が遊ぶでもなく溜まった金で家電を導入していたらしいので、貧しくもなかったようだ。その中で育ち、それでも方々を旅行するという発想とは縁がない生活とはどういうことか。
映画『PERFECT DAYS』ではないが、座標を変えずに手を伸ばせば届く範囲に収まって、決して無理のない、一方では飛躍とか大胆な希望とは無縁の日常の永続に飽くことのない個人もいるということ。
「オカンがな、大谷の嫁さんやって噂されてる人の名前を忘れてしもたらしいねん」
「ちょっと一緒に考えてあげるから、どんな特徴ゆうてたか教えてみて」
「田中みな実やないか。ネットに噂が出とったで。その特徴はもう完全に田中みな実や」
「何が分からへんのよ」
「いや俺も田中みな実と思うてんけどな」
「いやそうやろ?」
「ほな田中みな実と違うかぁ。田中みな実は153cmのミニマムボディが魅力なのよ」
「そやねんな」
「もう一度詳しく教えてくれる?」
「田中みな実やないか。苗字が田中で11月生まれ。バッチリやろ」
「何が分からへんのよ」
「匂わせが一切ないらしいねん」
「ほな田中みな実と違うかぁ。田中みな実は、あざとさとぶりっこと匂わせが命なのよ。ほなもうちょっとなんかゆうてなかった?」
「田中みな実やないか。ミス青山コンテストの準ミスなのよ。もう田中みな実で決まりやろ」
「分からへんねんでも」
「なんで分からへんのこれで」
「オカンが言うにはな、今年30になる大谷の2歳年下らしいねん」
「ほな田中みな実ちゃうやないかい。田中みな実は美のカリスマで毎日メロン1玉食べてるけど37歳という事実は変えられないのよ」
「そやねんな」
「ホンマに分からへんがなこれ。どうなってんねんもう」
「んでオトンが言うにはな」
「オトン?」
「ゆりやんレトリィバァちゃうか?って言うねん」
「ありがとうございましたー」
エロ本にはBSS(僕が先に好きだったのに)というジャンルがある。
NTR(寝取られ)は現在付き合っている彼女をほかの男に奪われることに対してBSSは一方的に片思いしていた相手が後から出てきた男と付き合って「僕が先に好きだったのに!早く告白していれば僕が付き合えたかもしれないのに!」といった要素を含むものである。これが実際に自分の身に降りかかってかなり精神的にキているのでここに書く。
共通の友達もいないし相談できる相手もいないのでここで吐露させてくれ
大学の友人で卒業以来3年以上片思いをしていた相手に久しぶりに会ったら相手には彼氏がいた上に同棲も始めていた。
お互いオタクだったのとコミュニケーション能力もそれなりにあったのですぐに仲良くなってサークルの間はだらだら話してコミケがあれば一緒に行くような仲だった。
自分のパーソナルスペースが狭い自覚はあって彼女も同じように狭いのかたいして気にしていないのか異性なのに肩を寄せ合う、膝枕をする、肩を組んで同じスマホを見るみたいな、まぁ傍からみたらおかしい距離感だったと思う。
それが大学4年生になると二人でデートにも出かけることもあったし、出かけるときは手を繋ぐレベルまでになっていたので、当時彼女にその気があったのかもしれないと当時の自分も感じてはいたが卒業や就職のことで手一杯だったので「まぁこのままの関係でいいか」となんらアクションは起こさなかった。
結果特になにもなく卒業を迎えて俺は都内で就職、彼女は就職に失敗したのか地元に戻って実家で暮らしていたらしい。
卒業して最初の1年くらいはぽつぽつとメッセージのやりとりがあって、彼女はイラストを描けたので個人で依頼を受けたりアルバイトをして暮らしているということを聞いていた。
そのころから彼女はVtuberになる目標ができたようでセルフ受肉するためにキャラのデザインやらLive2dやらの進捗をたまに用事があって連絡したときに知らせてくれた。俺もLive2dのモデルを何回か作ったことがあるのでツールの使い方でわからないところがあれば相談に乗っていた。
卒業から1年半くらいが経った頃にモデルが完成してVtuber活動が始まった。
1年半の月日と俺自身がソロプレイのゲームしかやらない人間なので共通の話題もなくなりこのころには特に用事もないので連絡を取ることはなくなっていた。
自分はVtuberの配信を見ることも趣味の一つだったのでもちろん彼女の配信もちょくちょく見ていた。
実際彼女以外にもリアルの知り合いが何人かVtuberを始めていて知り合いの近況を知ることもまた楽しいので彼女以外の配信も見ていたしあくまで彼女もそのうちの一人という認識だった。
ただこの頃からかそのちょっと前からか、正確にはいつからかはわからない。
基本的に自分はあまり人と遊ぶ趣味を持っていない。アニメを見るのが好きで映画を見るのが好きでゲームもFPSよりはシミュレーションゲームやパズル系のゲームの方が好きだった。アニメも映画もとにかくいっぱい摂取したいので人と予定を合わせて見るなんて選択肢は眼中になかった。ゲームも大人数のなかでチャットコミュニケーションをとるのが億劫でMMOはやらなかったし命が軽いAPEXやvalorantもやらずもっぱらソロプレイ専用のゲームをするぐらいだ。
友達、というか知り合いを作るのは得意だったので大学にいたころはたくさん知り合いがいた。
大学のどこかに行けば誰かしら友達か知り合いがいる程度には大学で孤独を感じることなんて一度もなかった。とはいえ大半が知り合い程度なのでLINEを交換しても一度もメッセージを送らないなんてのはざらにあった。頻繁に連絡を取っていたのはサークルの友達か同じゼミのメンバーくらい。その友達とも別に趣味が合って一緒に遊んでいたわけでもなくだらだら飯を食ったりたまに大学終わりにアキバに出かけたりとかその程度。結局は同じ場所にいたから一緒にいただけの関係しか築けていなかった。
だから卒業した途端に友達がごっそりいなくなった。かつては覚えるのも大変なくらいいた話し相手も、頑張れば両手の指を使って数える必要があるよね、ぐらいに減った。
彼女はそんな中で残った数少ない一人だった。唯一残った女友達だった。
今までの人生で数少ないデートにも行ったことのある彼女。Twtterで楽しそうなところや美味しそうなところ、一人で行くにはキツいところを見かけるたびに気が付けば彼女と行く想像をしていた。
わかってる。これは女っ気のない自分がそういったところに行く妄想をしたときに唯一残った彼女を当てはめているだけだってことは。だからこれは恋じゃない。実際同じオタクではあるものの彼女とは趣味が合わないので付き合っても大して楽しい関係にはならないだろうという予想は(付き合ってもいないのに)した。
だから彼女の配信を見てはいたが連絡を取るようなことはしなかった。したとしても遠方にいる彼女に話すようなことはなかったし付き合ってもいないのに会いに行くのも気持ち悪いだろうと会うこともなかった。
配信をしている彼女は楽しそうだった。もともと同人女だった彼女はそこ経由でインターネット上に友達がたくさんいたようでVtuberを始めてからも同郷のVtuber友達ができたりと活発に活動していた。
最初はお絵描き配信やフリーゲーム実況をしていたが、デビューから3ヶ月程度経った頃その新しくできたVtuber友達の影響か某MMOと某FPSを始めるようになった。
特にMMOにはドはまりしたようで配信はMMOの実況と攻略が大半になりVtuberを含めた固定メンツでの攻略配信は実に楽しそうにしていた。
自分はMMO系に興味がないのでゲームの内容自体には全く興味がなかったが楽しそうにプレイをする人間を見て楽しんでいた。
彼女はMMOのリアイベにも行ったりして、自分も好きなゲームのリアイベに行っていたので「楽しいよね~~」と首肯するなど連絡は取らないながらも一方的に彼女の活動を眺める生活が続いた。
今までおしゃれなんぞには全く興味はなく、興味がないので人生の優先順位におしゃれが上がることはなかったが、社会生活を送るうえで普通の恰好、いわば「まともな人間」「電車で隣に若い女性が座って許された気がした」ような恰好をすることの重要性はひしひしと感じていたので余剰のお金を使って身だしなみを整えるようにした。 眼鏡をはずしてレーシックの手術を受けた(人生で一番QOLが上がる買い物だった)。 髪を伸ばしてパーマをかけた(一番芋臭さから脱却するのに有効だった)。 ソシャゲやデザインの知識から服を選んで周囲から「最近おしゃれになったね」と複数人に言われる程度にはなった。
時を同じくして大学時代の友人・先輩たちから久しぶりに遊ぼうとの誘いを受けることとが多くなった。 自分は就職したときがコロナ第一世代だったので卒業してしばらくは人と会って遊べるような雰囲気ではなかったため久しぶりに友達に会うのがすごい楽しみになった。
そして俺がおしゃれを始める少し前あたりから彼女が東京に戻ってきていることを配信で知った。
とはいえ3年近くも会っていない相手にいきなり「配信で見たけど東京に戻ってきたんだって?会おうぜ!」なんて言えるはずもなくただただ一方的に配信を眺める、それだけだった。
そんな折にかかってきた旧友からの遊びの誘いである。しかも複数の人から立て続けに。
「俺は見捨てられていなかったんだなぁ……」などとすこし感動もしたがそれと同時に「今なら彼女と会ういい口実になるのでは?」という気が湧き上がった。
言うは易し行うは難し、3年も会っていなかった相手にそんな気軽に連絡できるだろうか。否である。
結局彼女に連絡はできずにほかの旧友に会うことにした。
おしゃれをする前の自分を知っている友達に会うのは少しだけ勇気が必要だった。
初めておしゃれに目覚めた中学生がオカンに「あ~ら、おしゃれなんてして。ませちゃってぇ~~」と言われるみたいな反応をされたら心が耐えられない。
実際その心配は杞憂に終わった。みんなオーバーリアクションを取るわけでもなく「ええやん」みたいな反応をしてくれたので俺は傷つくことなく少しの自信を持ち帰ることができた。
それから自分でほかの旧友を誘って会いに行き、皆一様に茶化すことなく接してくれたので自分の今の恰好は何ら一般人としておかしくない普通の恰好をできていると改めて確認できた。
少しの自尊心を持ちえたこの機を逃すまじと彼女に連絡を取った。
「今度これ食べに行かない?」
彼女は二つ返事で承諾をくれた。
よーしよし! 二人の関係は昔となんら変わってない! 久しぶりになんなんだと悪印象を持たれているようなことはなかった!
OKをもらえた喜びと久しぶりに会える喜びで自分の恋心を自覚した。
まさか、いやそうだよな。自分の気持ちはつまりそういうことなんだよな。
まぁまずは会ってみよう。 実際に会ってこの気持ちを確認しよう。 また昔みたいに出かけてこの気持ちを確信に変えよう。
当日はだいぶ浮かれていた。
会う前に店で眉毛を整えてもらい、柄にもなくリンツのチョコを買い、1時間以上早く現地について店の場所とあわよくばの二件目の場所を下見した。
余った時間はスタバで茶をしばきながら何を話そうかと考えていた。
3年4年ぶりだしな、彼女の近況は配信で知ってるけど俺の近況は知らないしレーシックの話でもしようかな。そういえば最近引っ越して猫を飼ったって話をしていたな。猫飼いは自分の猫の話をしているときが一番楽しそうだしな。今何の仕事をしているのかな。いろいろ聞きたいこと話したいことがたくさんだ。
時間になって待ち合わせ場所に行くときはさながら初めて銀座のシャネルに行った時のように鼓動が早くなった。
……彼女だよな? マスクをしてるからわからん。 人間1年も会わなければ顔を忘れてしまうので自信はなかったが背格好は彼女そのものだったので声をかけた。
彼女だった。なにも変わっていなかった。
変わらんなぁ…… と思っていると。
「な~に、こじゃれてんじゃん 笑」
こじゃれてるは誉め言葉なのか……?
プラスの意味で受け取ってもいいのだろうか。 オカンなのだろうか。
まぁ細かいことを気にしても仕方ない。こじゃれた格好を会話の切っ掛けにして店に移動する。
昔と同じように話すが昔とは違ってパーソナルスペースは人並みに取るようになったようだ。まぁ数年ぶりだしな。
ことさら猫について話す彼女は楽しそうだった。いわく人生で最高にQOLを上げる存在だと。
「へぇ、じゃあ実家に帰省するときはペットホテルとかに預けてるんだ?」
「彼氏いるんだ…… どれくらい付き合ってるの」
震え声にならず平静を装えていた自分に助演男優賞をあげたい。さながら名バイプレイヤーとして各TVドラマの表番組裏番組に出演するような名俳優だったろう。
曰く2年ほど付き合っているらしい。MMOの固定メンツが切っ掛けだったと。
MMOを始めたのがその半年くらい前だから東京に来てすぐ付き合ったことになる。
なるほどなぁ……
俺がうだうだ連絡を取らずにいた間、彼女は共通の趣味で出会った相手とよろしくやっていたのである。
会う理由がなかったとはいえ知り合ってから数年あってそういう関係にならなかった自分と知り合って半年でそういう関係になった彼。その事実に心が揺らいだ。
理由なんかともかく東京に戻って来たと知ってからすぐ連絡を取っていたとしても俺が付け入るスキはなかったのだ。
頑張って平静を装いながら話を聞くと彼女が今住んでいる場所の家賃相場と彼女の収入が釣り合わないことに気が付いた。つい最近まで自分もその近くに住んでいたので「案外近くに住んでたんだね」とかなんとかいいつつ家賃のことを聞いてみると、
どーせーぇええええ????
ここ最近よく目にした言葉。 アラサーになった周囲からよく耳にする言葉。 それをまさか今ここで聞くとは思わなかった。
しかし考えてみれば自分もアラサー彼女もアラサー、将来のことを思えばなんらおかしくはない。
今さっき彼氏がいることを知ったのにそれに加えて同棲していることを知った自分は完全にキャパオーバー、見るからに動揺していたことだろう。助演男優賞剝奪である。
そこからは彼女の仕事の愚痴を聞いていたが正直気が気ではなかった。
猫の画像をTwitterに上げたときも、普段の配信のそばにも彼氏がいたのである。
きっと恋バナ配信の時も占いをしてきたと話した時も彼氏のことを思いながらしていたのだろう。
下手な下ネタを言うと不機嫌になった彼女は彼氏とは笑顔で話すのだろうな。
それらを思うと卒業してからの3年間が、大学時代からの7年間が崩れていく音がした。
彼氏の話は多くは聞けなかったがそれでもその端々からいい男なのだろうと思わせてくれる。
中学生の時告白して振られたことはあったがここまでの衝撃はなかった。
今までの人生、受験も就職もなんだかんだ最後には丸く収まったのでこのような衝撃は、可能性の途絶が目に見えるような経験をしてこなかった。
ああも喉が渇いてたまらず酒で潤したのは初めてのことだった。
昔のように手を繋がなかったのはパーソナルスペースうんぬんではない。彼氏がいるからほかの男と手を繋がないだけ。当然のことだ。
分かれて、電車に乗って家に帰って、寝ようとして眠れなくて、気絶するように寝て起きてしばらく経った今でも咀嚼しきれていない。
会う前に買ったリンツのチョコを店に忘れたことに気が付いた。今度取りに行ってくる。
わかってる。
昔から距離が近かったのは男としてではなく弟として思われてたことを。
わかってる。
もし付き合っていたとしても趣味は合わないし甲斐性もない自分では彼女を楽しませることはできなかっただろうと。
わかってる。
ここで「もし」なんて仮定と想像の話をしても負け惜しみにしかならないことを。
それでもこの思いを酸っぱい葡萄にしたくない。
あくまで行動に移さなかった愚かな自分のせいであることを噛みしめたい。
異性として好きだった。すらっとした見た目もタイプだった。大声で笑い決してヒステリックにならない自分をしっかり持った人だった。自己実現のために努力できるところも好きだった。数少ない友人の中でさらに少ない尊敬できると明言できる人間だった。
このことは彼女には話すのかな。いつか心に整理がついて、俺にもほかに大事な相手ができたら話せるのかもしれない。
それまでは1年に1回くらいあって近況を報告しあう友達でいたい。
いつかこの失恋も「そんなこともあったね」と笑い飛ばして酒の肴にできるようになったらうれしい。
俺もVtuberを始めたりして
東京生まれ東京育ち23区ど真ん中から出たことない人にとっての田舎
みたいな都下その他田舎扱いを見たんだけど、
田舎って23区とか関係なく、配偶者を旦那、嫁、と呼ぶ人たちのエリアだと思ってる。
「夫・妻呼び」と「嫁・旦那呼び」の人の間には経験的に明確な違いがある。
学歴、資産、収入、職業、居住地、出身地、生育環境ではハッキリ分けられない。
おそらく階級差なんだけど、何に起因するといっていいかわからん。
いい人とか優しい人に関係なく、「嫁・旦那」呼びができるという
なんか無神経な言語感覚、ひいては構造への無邪気な無神経さがあるんだよな。
「夫・妻」呼びの人が無神経じゃないとはいわないし、
「取り繕い」にすぎなかったりもするが、取り繕える、ということが重要なわけで。
あと、なんだかんだ高学校歴大手企業正社員女性はわりと「夫呼び」なのに対し、
男性は「嫁呼び」の人も多い。
これ、格差婚の場合もあるけど、ある程度の階層の人は同じ階層の人と結婚するので、
「男同士だと”妻”っていうのが気取ってるみたいで恥ずかしいから”嫁”って言ってる」
があるんじゃないかなと思うんだがどうだろ。
母親をオフクロとかオカンって呼ぶみたいな、それこそ田舎っぽいイキリを感じるんだが
普通に「妻」のほうが心象いいよ。