はてなキーワード: 総合職とは
大学はお互い国立で、就活はお互い内定何個も貰いつつ、最終的に私は国内大手総合職。彼は大手の内定を蹴って人材系ベンチャーへ就職。
学生時代はお互い同等で楽しかったし、お互い夢を持って入社したはいいものの…あまりにもお互い世間知らずだったなと。
開けてみるとこっちは残業込み額面年収700万。社宅。ボーナスあり、福利厚生あり。仕事の裁量は思ったよりもあって毎日楽しい。貯金額は1000万超えました。
一方、彼の年収は300万にも届かない。おまけに家賃補助なし、奨学金の返済、夢を語る「交流会」と称した無駄なら飲み会で出費続き、貯蓄は0に近い。見込み残業制だから長時間労働のくせに残業代はつかない。ストックオプションは貰っていない。人数いないから当然休みも取れないし、育休とかもってのほか。「経験を積む!」とか言いながら、結局人材系ベンチャーは面接練習のための人数を雇用するから、経験したことといえば学生の志望動機の添削の仕方笑
転職の意向は「いっしょに働いてる人が尊敬できるからしばらく続けたい」と言って未定のまま。それって貴方が散々言ってた安住とどう違うの?
特に企業の夢も見通しもないまま低賃金でなんとなく綺麗なオフィスでなんとなくカタカナ言葉使ってなんとなく夢を語って…
私がお金立て替えたり家事してあげたりしたその結果が「受け持ってた学生が1人内定して実績になった」???世の中を変えるとか豪華してたのはどこへいったの?
まぁ長く付き合って悲しいけど、正直将来は描けないかな。結婚は損得じゃないって分かってたつもりだけど、あまりにもメリットがない。一緒に生きていきたかったけど、もう諦める。
後輩たちの理想になることは諦めた。
だからせめて、少しくらいは続くたくさんの後輩が働きやすくなるように。
本当は、性別なんて関係なく、なるべく多くの人が健やかに生きていける社会になるのが一番だけど、日本というジェンダーギャップが大きい国に生きる女のひとりとして、女性が輝ける社会になりますようにと願いたいと思う。
塩谷舞さんのnote記事を読んで、私も筆を執ってみようと思った。あんな風に前を向ける記事ではないけれど。(リンクのつなぎ方がわからなかったので気になる人は探してみてほしい)
小学校の時は、男友達とよく遊んでいた。一番仲良しだった幼馴染は女の子だったけれど、年の近い兄弟がいたせいか、外でフットベースやどろけいに明け暮れていたように思う。リカちゃん人形やたまごっちにはあまり興味がなくて、ハイパーヨーヨーとミニ四駆は持っていた。そして単純に身体を動かすことが好きだった、そういう小学生だった。
小学校4年生まではスカートが嫌いでズボンばかり履いていたし、つまるところあまり「女の子っぽくなかった」のだと思うが(そもそも女の子っぽいとかぽくないとか、そういうのが時代錯誤なのはさておき)、幸か不幸か男の子と仲良くしていても、とやかく言われずに済んだのは幸いだったと思う。男の子と仲良くしている女の子の中には男好きだと陰口を叩かれている子もいたのだが、「まあAちゃんだし」と言われて女子から目の敵にされることはなかった(と、思う)。今になって思えば、女の子たちから「女」と認識されていなかったのだろう。要は、あの子は恋愛対象にはならないからOK、ということだ。
お互いを好き合った男女がカップルになったりしていて(同性カップルもいたのかもしれないが、私の耳に入ることはなかった)、仲が良さそうな男女がいれば噂になった。そして私は相も変わらず休み時間は割と男友達と話していた方だったと思うのだが、「Aちゃんだし」という理由で特に噂の対象にはならなかった。おかげさまで僻まれることもなかった。
やっぱり、「女」ではなかったのだと思う。そしてそれは私としても自覚している。
そういう環境で育ったので、「男」だとか「女」だとか、そういうものには鈍感というより興味がわかないまま中学3年になり、進学先を決めることになった。私の出身都道府県には、今では珍しい公立の男女別学校があった。こだわりがない故に別学校を選ぶ必要もなかったのだが、当時私を可愛がってくれていた先生が、「あなたは絶対に女子高が合うと思う」と言ってくれたという単純な理由で、私は女子高を目指すことにした。
結論から言えば、私は本当にあの時にあの女子高を目指した自分を褒めてやりたいと思っている。
ギャルもヲタクも皆一緒に学校行事に参加して勉強で競い合って最高の3年間だった。楽しかったというのもあるが、何より変な気を遣う必要がなかったのだ。当時から制服はスカートとズボンが選べたし、当たり前だが誰と仲良くしていようと噂されることだってなかった。
強くて逞しい人が多かったから、比較して自分の小ささに凹むことはあったけれど、とても刺激を受けたのもまた事実だ。
共学校が駄目だと言いたいわけでも、男女別学であるべきだ!と思っているわけでもない。
ただ、あの3年間は間違いなく私の自立心を育てていて、「女だから」は理由にならないし、する必要がないことを学んだ。
日本という国において、絶対に、女子校が担っている役割は大きい。
そういう、とても私にとって意味のあった3年間を過ごし、大好きな分野の学問を学ぶため大学に進学し、こんなにも文理で男女差があるのかと驚いた。
高校では半々とまではいかなくとも、どの学年も大体文系の方が少し多いくらいで、理系の女子も多かった。(どうでもいい余談だが私はゴリゴリの文系である)自分も文系なのでとやかく言えないのだが、何で女子は文系が圧倒的に多いんだ?と不思議に思ったものである。
入学してから数日、久しぶりに皆で連れ立って食事をし、皆で一緒に次の教室へ移動した。
多分1週間も持たなかった。
一瞬で最初のグループからは離れ、ひとりで食堂に向かったら、浮足立つ新入生のグループが多い食堂で、明らかに新入生であろう女子が、ひとりラーメンを啜っていた。
そうだよなあ、好きにお昼くらい食べるよなあ、と安心し、少し離れたところで同じくラーメンを食べた。彼女とは今でも連絡を取る仲である。
女子高を卒業し、大学は学部もバイト先も女子が大半を占めるコミュニティの中で過ごし、たまたま男女比9:1の会社に就職した。
総合職を選んだ以上、男も女も関係なく業務に邁進するのみ!という心意気だったのだが、割と早々にしんどくなって泣いた。ひどいセクハラを受けたわけでも女を捨てることを強要されたわけでもないのだが、「男も女も関係ない」という自分の意識と、「圧倒的に男が多い集団の中にいる若い女子」である事実を上手く融合させることが出来なかった。
どうしたって「女」を上手く利用している子の方が可愛がられる。可愛がられたいわけではないが、「女を捨てる」ことも出来なくて(いやしなくていいんだけど)、何とも中途半端な位置になり、色んなバランスが崩れて勝手にしんどくなった。
男社会の中で女であることに甘えられない・出してはいけないのだというプレッシャーはあるのに、貴重な女子社員として意見を求められるという矛盾した立場にいて、「女」を肯定すればいいのか否定すればいいのかわからなくなっていった。
「女」が主語になるコミュニティで生きていると、自分の意識もそれに近づいていくのだと気づいたときが、一番怖かった。
「女は女に厳しい」「女は気まぐれだからやりづらい」「女は甘えればいいと思ってる」「女はすぐ子どもを産むからここから離脱する」「女は…」
前述のとおりあまり「女」としてカウントされない私は、そういう声もよく耳に入った。要は男性がそういう話をしている場面に出くわしやすいし、そういう話題を振られることが多かった。「Aさんは違うけど、」という枕詞を挟んだ上で、「女は…」と語られる。
今でこそ「それ、女じゃなくて〇〇さんでしょ(要は個人の話)」と言えるようになったけれど、しばらくの間は擁護をすれば自分もそう思われるのではないかと思うと怖くて、この手の話題が出た時に否定することが出来なかった。ずっと悔やんでいる。
会社の人が噂をする「女は…」に自分が入ることが怖くて、これは私を少しずつ蝕んでいき、この立場でこの仕事を続けながら「結婚」と「出産」を選ぶことは出来ない、と思うようになってしまった。
性自認は確かに女なのに、自分が女であることを肯定できなくなっていった。
もちろん、活躍している女性だっているし、今の現状に満足出来ている女性がいるのもわかっている。
自分が気にしなければいいのだとも思うけれど、30年生きてきていい加減わかっている。私は他人の声を気にせずいられるタイプではない。
いっそこの業界が嫌いになれたら良かったなと思う。
女性の採用も増えたけれど、まだまだ圧倒的に男が多いこの業界を飛び出していけば、もう少し気楽に働けるのかもしれない。
でも、会社のことは変だと思っているし、決して誰もが働きやすい会社ではないと思っているけれど、この業界が担っている社会的役割だとか、やりがいだとか、そういうのは好きなのだ。
だから、やっぱり続けたい。
優遇してくれとは思っていない。
ただ、男性と同じところに立たせてほしい。
男だってつらい、という声も聞くけれど、男優位に作られた社会で、女と同様男にも悩みがあるだなんてどうして言えるんだ。立っている場所が違うということをわかっているんだろうか。
結婚適齢期で子どもを持つ同期が増えた。「やっぱ子育てもしながらっていうのは大変だよ」と言った彼は、毎日残業していた。彼は優秀な同期で、残業しなければ終わらないような会社の仕組み自体どうなんだとは思っているけれど、彼が毎日残業出来るのは奥さんが子どもの面倒を見ているからだ。他人の家庭に口を出すつもりはないし、1人が稼いで1人が家事を行うと決めているのであればそれも良いと思う。
ただ、この状態の総合職(男性)が圧倒的に多いこの会社で、この人たちと同じようにキャリアを積んでいくには、同じように働くしかないのだ、と思うと、まだまだ社会的に女性が家庭を守るべきという風潮が強い中でそんなことが可能なのか?と絶望する。
「キャリアと子育ての両立に男だって同じように悩む」と言っていたけれど、本当に同じなんだろうか。
同じだったら何故男女でこんなに差が出るんだろう。
「女は昇進させない」というほどひどい会社ではない。女だってちゃんと昇進できる。ただし、子育てを優先せざるを得なかった人たちの昇進スピードが落ちるから、見渡した時に男女で差があるように見えてしまうのではないか。だって男で子育てを優先した人は圧倒的に少ない。子育てを頑張りながら同じように昇進していくことはかなり大変なのではないか。周りを見渡してそう感じ、夜中に大泣きするくらい悩んだ。悩んで、今はとりあえず結婚・出産は考えられない、と判断した。
男性も本当に同じように悩むんだろうか。
大多数の男性社員と同じようにキャリアを積めた女性の、独身・子どもはいない率に茫然とする。
きっとこの人たちも大変だった。この人たちはもっともっと苦労して、女性が活躍できる場を広げてくれた。
ただ、こうでなければたどり着けなかったんだな、と思うと、自分が思い描いていた将来とは違うのだ。
一緒に頑張ろうと言っていた同世代の女性が、何人も「もういいかな、仕事は。子ども産んで適当にやっていくよ」と言うようになった。あんなにたくさん将来のことを話したのに、もう話せなくなってしまった。そういう道を選んだ、というよりは、諦めたんだな、と思った。
幸いなことにと言えばいいのか、この会社は「子どもを産んで適当にやっていく」ことも出来る。制度は整っているし、相談すれば配慮もしてもらえる。
そうだ、確かにたくさんいる。でも多分、男性の同期と同じようにキャリアを積んだ人は少ない。
だって私は現時点で、お子さんがいる先輩方を結構な人数追い抜いている。
それでいい、という女性がたくさんいるのもわかっている。でも、それでいい、と思わせるような構造になってしまっていることが、そもそも問題なのではないか。
男は、子どもがいようがいまいがほとんどが同じようにキャリアを積んでいくのに。
気が付けば私も、昔の私がその姿を見て茫然とした人たちと同じように、仕事だけを取る方の道に進み始めている。
これだけ家庭と仕事の両立が叫ばれる時代に、家庭を持たずに道を進んでいくことは、きっと後輩たちの光にはなり得ないのだと思う。私が昇進したところで、私が思ったのと同じように「あの人独身だしな…」と感じるんだろう。自分も思ったんだから、自業自得なのはわかっているが、なんて地獄だここは。
男性諸君は、諸先輩方を見上げて、「あの人独身だしな…」と思うことがあるのか?女性の待遇が上げられないというのなら、いっそ男性も同じように悩む社会になればいい。
そういう呪いにも近い気持ちが渦巻いている。出さないように、細心の注意は払っているけれど。
後輩たちの目標にはなりづらいかもしれないけれど、せめて家庭と両立を頑張ろうとする女性たちが働きやすくなるように、手助けが出来る社員にくらいはなろうと思う。
そもそも平等に働くことさえ出来なかった時代に、女性の社会進出の場を切り開いてくれた先人のように、後に続く後輩たちのために粛々と働くのだ。
自分がラッキーなのもわかっている。男性優位な社会で、男が圧倒的に多い会社に、総合職として入れたのだから。
それなりに力がある立場になろうと思えばなれる。トップダウンと言われようとも、権力を駆使して変えてやりたい。大企業が変わることは、多分それなりに意味を持つ。
私の心がそれまでに折れなければの話だけど。
日本社会のジェンダーギャップを埋める、ひとつの駒くらいにはなれるように。
なれるかな。
なれたらいいな。
この国に対してくそくらえとも思うけど、たくさんお世話になった人もいるから。
少しでも社会がよくなれば、それが一番の恩返しになると信じている。
寂しさを感じたのでなんとなく始めて半年経った。そろそろ飽和したかなと思うので引退。
人とのコミュニケーションはそれなりに楽しめたが、刺せないレベルの顔面なので、実際交際には繋がらなかった。
・30代前半男
【Pairs】
・マッチしたのは150人くらい、実際会ったのは5人
・オタク趣味や、リアルでは好きな人が少ない趣味の会話ができる人が見つかり楽しめた
・落ち着いている、感じのよい人が割合多かった。公務員とか多くて陰キャとしては居心地がいい
・ディズニー好き多すぎて辟易した。どの女性も変わり映えしなく話題に困る
・ここ最近中国系のサクラと思しきプロフィールが増えてきた(年収1000万とか、プロフィールの整合性とかに違和感がある)
・挑戦した中では一番使いやすかった
【Tinder】
・マッチしたのは50人くらい、会えたのは0人
・1日に飛ばせるいいね数が多い
・マッチしても帰ってこない
【タップル】
・マッチしたのは50人くらい、会えたのは0人
・いいねするにもパスするにもカード(1日に20枚配布される)を消費する。
・そのくせ同じ画像を使ったプロフィールが3連続出てきたりする。3割くらいはサクラだなと感じた
・使い勝手がひどく悪い
【Bumble】
・海外駐在している友人に勧められた。海外ではポピュラーらしい
・海外志向の女性が多く、ネットでいわゆるポカホンタスと言われる系統が多い
・地方都市では使っている人がいない。検索範囲を100kmにしてようやく見つかる
・首都圏ではそれなりに賑わっているらしいから引っ越したらまた挑戦してみたい
以上。
一人が好きで友達付きあいも多くないので気づかなかったけど、案外コミュニケーションって面白いなと思えたのが一番の収穫。
あとはこんなこと言ったら怒られそうだが、自分とは生活圏が違う人の存在を感じることができた。
これまで出会ってきた周りにいる人がそうだから、大学を出て、総合職として務めて、出世を目指して、
というのが普通だと感じてしまっていた。本当はいろんな仕事があって、いろんな人生の送り方があることに気づいた。
それは反省すべき点だと思った。
リアルでの関係性を深められないことが悩みだったけど、メッセージと電話ベースのやりとりは続いたのでコミュニケーション力には
支障が無いなという自信が持てて、受け入れてもらうためには外見を見直せばよいのだなと思えるようになった。
「どんな選び方しても2世3世議員を減らせないだろう」って?
うーん。よく言われるネタだけど、「政治家選抜共通テスト」くらいやったらいいと思うんだよ。あるいは既存の試験が適切だと判断できるなら、司法試験でも、あるいはたとえば国家公務員(総合職・大卒程度)試験を面接以外受けて成績公表でもいい。少なくとも官僚になる奴は基本的にはこれに合格してるわけだし、それと同等の能力があることくらいは示すべきでは。もちろん、別に新たに試験を設けるのもあり。制度の作られた20世紀中頃とは異なり、家庭事情から公教育すらまともに受けられない人というのは大きく減少し、また、社会も高度複雑化した。そんな現代においては、それぞれの専門性はもった上で、かつ、行政について最低限の知識があることくらいは担保できないと、議員活動の上で色々とマズいんじゃないかな。こうやって立候補の前に網を掛けるだけで、中身のないタレント候補や2世3世議員の乱立を、少しは減らせると思うんだよね。とりあえず参議院だけでも導入してみるとか、どうかな。一度受検すれば5年は有効で、期限の切れる前年から当年までの間に再び受検しないと、国政選挙に関わる被選挙権を失う、とする。つまり「政治家免許更新制度」ですね。全国津々浦々の教員ですら全員これを自費で行っているのだから、遙かに職責の重い政治家の皆さんが、まさか「能力の証明など不必要だ!」とかおっしゃらないでしょうし。
陶片追放は、ポピュリズムを強化するものなので、正直あまり効果はないという気がするんですよね。選出するところで民衆の知性が働かないのに、追放に際して働くと期待できる根拠がないので。また、マイナスを恐れた政治家が、失点だけないようにばかり振る舞うのもマイナスで、やはりその地位には一定の安定保証が必要だと思うんですよ。それよりも、国政選挙において、選挙本来の形に則るなら、結局「その人がどういう活動してきて、どういう思想の下、どういう政治をしていくのか」を公正にチェックした選挙公報に基づき投票する、という仕組みを整備するのがいいんじゃないかと思うんですよね。「地盤・看板・鞄(金)」で決まる選挙にしないためには、その原点に立ち返るしかないでしょう。
これをするには、ネット投票の仕組みを整備しないといけないんですが、
・選挙葉書で投票サイトにアクセスすると、ランダムに選ばれた二人の人間について、その選挙公報が示される。
・これを4~5回繰り返したら、投票終了。
みたいな選挙にする(ぶっちゃけ、この前増田で少しバズった「戦う猫の話」のkittenwarからアイデアを得た。)、つまり、PoliticianWar。選挙に金も時間もかからないし、公報の内容は選挙管理委員会によってファクトチェックかけられて、必要字数のみ、かつ、正しい内容しか掲載できないようにする。(いま、民間で選挙のときにオープンしてるサイトみたいなのを想定してもらってもいいと思う。)
これで、「地盤看板鞄」関係なく、お金もかからない選挙が実施できると思うんだけど、どうだろう。というか、これで困るのって「地盤看板鞄」頼りの選挙ばかりしてきた人たちですよね? あと、「それでも結局芸能人含めた有名人が有利じゃね?」と思われるかもしれない。それは否定できないけど、「全く公平に比較対象を用意した」状態なら、「よく分からないから有名人に入れる」みたいな人の数を少しは減らせると思うし、それなら、現状より少しはマシになると思う。あと、投票率も上がるし、「全然知らない人に○したけど、あの人その後どうなったんだろう……」みたいに、政治への関心も高まると思うんだけど、どうだろう。
いずれにしても、元増田の「気持ち」が「就活で上手く行かなくて劣等感を持ってた"都会の民間企業の総合職"に対する合理化(防衛機制)」であることなんて2秒で分かるし、しょうもない「ワークショップ」(それ自体がフェイクだったとしてもとにかく何らかの表面的な交流だろう)の結果で無理矢理作り出した合理化なんて薄氷にも程があるってことも5秒くらいで分かることなわけで、そんなことで元増田の心の課題は何も解決しないこともみんな分かってると思うけど。
元増田が本当に心の課題を解決したいんだったら、さっさと「都会の民間企業の総合職」に転職でもすればいいわけよ。
親がどうとか家族がどうとか、地方を離れられない理由があるのかは分からんけど、結局最低でもそれをやらない限り、しょっぱい優越感で無理矢理納得させようとしても無理だろ。
私は地方公務員の女だ。関東圏のとある都市の市役所で働いている。
私立の大学で文系科目を修め、リーマンショックの時期に冗談抜きで大手民間企業100社に祈られ、ほうほうの体で公務員になった。だから、私は民間企業を知らない。営業職が何をするのかも、経理に経費を精算をしてもらうまでのやりとりも、接待も海外出張もテレワークも何もかも知らない。
「公務員は9時5時でやる気がない」「公務員はノルマがないヌルい仕事」「公務員は民間では全く役に立たない」という世間の評判に翻弄されながらも、サビ残を厭わず、クレーマーにも笑顔で耐え、上司の無茶振りにも嫌な顔をせず、地獄のような霞ヶ関出向からも生還した。
公務員としてはよくやっている方だと自認しているし、一定の評価ももらっている。しかしながら、私の心の中はいつも「私は民間を知らない」というコンプレックスに苛まれていた。私の苦労は民間の社員の苦労に比べたら大したことはなく、私の仕事っぷりは民間では全く歯が立たないと、信じていた。
そんな私だが、最近、民間企業の同年代の女性社員たちが参加するマーケティング系のワークショップに、縁あって参加した。
私のグループは私を含めて4人の参加者がおり、彼女たちが働く企業は、みんな私が志望しては玉砕した大手企業だった。私はただ1人のノルマを知らない公務員というだけでなく、彼女たちが勤める企業に採用されなかった劣等生でもある。私は初めから彼女たちに対して卑屈な気分になっていた。
グループの女性たちは、みな堂々と社名を名乗り、民間の総合職の女性らしい華やかさだった。グラデーションカラーの髪や、テレワーク中で、と照れ笑いするスウェット姿は、私が普段暮らす役所の中ではついぞ見かけない。彼女たちはzoomの画面越しに自己紹介した私の顔を見て、
と聞いてきた。私は微笑み、
「公務員って聞くとそういうイメージあるよね。でも私は企画部門だよ。経営戦略を立てるところ」
とできるだけ丁寧に答えた。彼女たちはよくわかっていない様子だったが、そうなんだ、と明るく答えた。
ワークショップのテーマは地方創生だった。私の本分である。私はみんなの意見を聞き、地方創生の実態や課題について話すのがいいのかな、と自分の中で役割のあたりをつけ、議論に参加した。
1人の、某携帯キャリアのマーケティング職の女性が口火を切った。
「地方は元気がないから、地方に元気を与えるような、そう、例えば都心の子供と地方のお年寄りを繋ぐサービスはどうかな?」
「もしそうなったら素敵だね。そうしたら、そのサービスで、どんな地方の課題が解決できるのかな?どんな価値が生まれる?」
私が尋ねると、マーケティングの彼女は考え込み、代わりに引き受けたのはインフラ系企業の研究職の女性だった。
「地方のお年寄りはやることもなくてきっと寂しいよ。それに、自分の知っている地域の遊びとかを教えれば、子供も楽しんでくれるし嬉しいんじゃない?そうだ、忙しいワーキングママの代わりに子供の面倒を見てあげられればいいよ!ねえ、そういうの、いいんじゃない?」
「確かに高齢化が進む地域は子供が減ってるから、寂しいと感じる人もいるかもね。共働きのお母さんも仕事に家事にで忙しいもんね。じゃあ、そのサービスは、どうやって収益を出すの?」
私が再び尋ねると、今まで微笑んでいるだけだった自動車メーカーの広報担当の女性が、やや苛立った様子で言った。
「そんなの地方がお金を出すんじゃない?だって、『地域が元気になる』んだよ?」
残りの2人も、私を非難する目つきで見、メーカーの彼女に続いた。
「そうだよ、お年寄りが元気になれば、地方も助かるんじゃない?」
「やってみないとわかんないんだし、まずはこれで話を始めようよ。細かいこと言ってたら、始まらないよ」
みんなの表情には、ありありと「だから公務員は頭が固い」「民間のスピード感が分かっていない」と書いてあった。私は弱々しく笑い、
「地方の自治体も、慈善事業じゃないから、何のために地元のお年寄りと都心の子供を交流させるか分からないと、お金は出せないと思うよ」
と答えるのがやっとだった。
その後、私と彼女たちは噛み合うことなく、それでも私たちのグループは地方のお年寄りと都心の子供をマッチングさせ、zoom上で昔ながらの遊びを教えるプラットフォームを製作する企画書をまとめた。ステークホルダーは、地方のお年寄り、子供、子供の面倒を見てほしい親、そして地域活性化を目指す自治体であり、「地域活性化」を目指す自治体が出資するシステムである。「民間のスピード」に、私は口出しをすることができなかった。
私は民間企業を知らない。就職活動をして、100社から断られたからだ。新卒で市役所に入った。出向していた時期もあるが、それも霞ヶ関でだったので、結局はお役人の仕事しか知らない。根っからの公務員だ。なので、民間企業の社員に激しいコンプレックスを持っている。私の知らない、私なんかには絶対に成し遂げられないことをしている人たちが、羨ましくて恐ろしかった。
だけど、地方の年寄りがzoomで見ず知らずの子供の子守りをするサービスの企画書に、いらすとやのイラストを貼り付けながら、私は一体何に怯え、何に憧れていたんだろう、と思った。公務員はぬるくて、民間企業は厳しい。公務員は劣等、民間企業は優秀。でも、そんなの会社によることだろうし、優秀か否かだって社員によって異なるだろうに。
ワークショップは淡々と進み、私たちの班の企画書は、講師から「このサービスに本当にお金を出せるのか、今度どこかの役所に聞いてごらん」という感想をいただいた。まあその通りなんだけど、と私は内心で下唇を突き出した。それでも、彼女たちは一様に満足げであった。私以外は東京の企業に勤めているので、週末リアルで会うそうである。私に対しても、礼儀正しく「東京まで会いに来ないか」と尋ねてきたが、私は真面目な公務員らしく、緊急事態宣言中を理由に断った。
先に去ったものです。
「15年目の2種係長」の方でした。
今は外資で研究職に就いてるけど毎日やりがいがあって相応の役職もあって本当に楽しい。
こちらとしては総合職の方々が組織改善を進めてくれることを期待するしかないんですが、結局はちゃんと現状を理論的に分析できる貴方のような優秀な方々はさっさと違うところに行き、賢いと勘違いしている方々だけが残って何もせずに昇進→マネジメントなんて学ばないから前例踏襲のみを目標に何も変えようとせず数年を過ごし、既定路線の昇進→そしてほとんど新卒(30歳未満)採用だけなので内輪だけの競争体制となりゴミ生産が繰り返される悪循環という構図はこれからも変わらないと思います。
今後の人生が幸多からんことを、そして貴方のスペックが正しく生かされ社会に還元される職場が見つかりますよう、お祈り申し上げます。
などなど、自分自身で考えることができていない人が多い。そもそも科学的な営みの経験がない人が圧倒的多数なので仕方のないことなのかもしれない。
少なくとも総合職ならば、必死に勉強するものだと思っていたのだけど違うの?
ゴミの山からゴミを生成する簡単なお仕事。最近では上司の前任の前任が作り始めたゴミをまた今年も生成している。国民の役に立つことをしたいなぁ。
諸先輩方と似たようなキャリアパスを辿ると考えたら通勤中に吐きそうになった。その日は仕事に行けず休んでしまったのでいよいよ重症。キャリアパスの幅が広い省庁とか羨ましい。
何度キーボードをクラッシュしようと思ったかわからないくらいゴミ。なお、一般的な職員のITリテラシーもゴミの模様。ワード、エクセル、パワポ、ワード、エクセル、パワポ、ワード、エクセル、パワポ・・・。ワード、エクセル、パワポも使いこなせていないのにAI・RPAとか言い出すお年寄りたち。せめて本屋で平積みされている本を何冊か読んでからお願いします。
補佐クラスがマネジメントをまるでしていない。できていない。誰が何をするのか整理しようよ。その上は言わずもがな。
4年目の総合職係長と、15年目の二種係長が同じ役職ってなんなんだろうと。できる一般職の人はさっさと昇進すべきだし、自分が賢いと勘違いしているアホな総合職・一種を昇進させるのは周囲に迷惑をかけるのでやめてもらいたい。
残業が長いこと自体はそこまで気にしていない。これまので過去最長は平日のみで月120時間なのでそこまででもない。なお、国会のせいではなかった。残業時間が長いことについては、初めから覚悟していたし、年間平均を取れば大学院の方が労働時間が長かったので正直余裕。研究室での実験と比較すれば当社比でホワイトまである。
何が問題なのかと言われれば、7時間以上残業して生成されたものがゴミであり、私はwordの使い方以外何も成長しておらず、残業代が支払われれば私の口座に振り込まれることで税金が消費されていくという徒労感。国民のための仕事なんだと、自分が成長していっているんだという実感を心から持てるのであれば、1日くらい寝なくても別に構わないと思って職を選んだし、これは今でも変わらない。残念なことに心からそう実感できたのは、今までて3日くらいしかない。
幸いにして、セクハラ・パワハラの被害には自分は遭わなかったと思っている。ただ、怒鳴るアホとかチクチク文句を垂れるお姉様(ババア)とか、いまだにいらっしゃるので、自分がそうならないための記録も兼ねてデスノートに記録したりはしていた。パワハラで辞めてしまった人もいた。官房の人事課に不快な案件について詳細をメールするなど細かい作業は怠らなかったこともあってか、私は異動で考慮してもらえたのかもしれない。個人的に一番辛かったのはスメハラです。息をしないのは流石に不可能だった。
動いた結果、想像の斜め上を超越してしまう出来事が最近生じまして・・・。周りを変えるとかそんなこと言わずに自分を守るためにとっとと去ろうと決心したところ。転職活動のためにいろいろと勉強する時間も作りたいし、もう言われたことだけを超速で終えるマンになってしまった。
然り。昔の自分をひっぱたきたい。
コロナの状況で転職市場がまるで読めないけれど、次の異動までに転職するつもり。仕事もコロナもそうだけど、何より京都に帰りたい。転職できたらこれに対するアンサーを書きますので、楽しみにしててください。
山口一男(シカゴ大学社会学教授) vs 女子大生起業家で、山口一男先生を必死に擁護していた社会学者が、嘘の説明で女子大生起業家ことショーンさんを批判していました。とりあえず見つかった嘘を紹介。
嘘:「山口一男先生は「所得の男女差は差別が一因」と言っていない」
ショーン君さぁ…… anond:20210203122538
うん?差別?突然出てきたが何の話だ。実際に解析結果では「係長‐課長‐部長という意思決定ラインの登用には男性が優先されている」し、少なくとも引用元では山口先生はそれを差別と呼んでいないぞ。
トラバ君さぁ…… anond:20210204133924
勤続年数と労働時間等で補正(寿退社や時短の影響を除外)しても職階の男女格差は残る。これに対して「係長‐課長‐部長という意思決定ラインの登用には男性が優先されていると考えられる」と山口先生は言った。そして山口先生はショーン君の引用元ではそれを差別と呼んでいない。
指摘の引用元と思われる経済産業研究所 BBLセミナー 女性の活躍推進―男女賃金格差解消の障害は何か?の中身は次の通り。
人的資本(注 教育により蓄積された知識や熟練、学歴とか)が同じであっても、係長‐課長‐部長という意思決定ラインの登用には男性が優先されていると考えられ、これが男女の所得格差の大きな一因となっています。(略)こういった性別と強く相関する企業内コース制度は、英米基準では明らかな女性への間接差別制度とみなされますが、わが国の雇用機会均等法改正における間接差別の定義には、未だ明示されていません。
(山口 2016)24ページ(PDFでは8ページ目)右段 下から5行目の段落から引用(社会学者増田君が参考文献に挙げている)
重要な業績である大卒か否かより,生まれが男性であるか女性であるかが,課長以上の管理職になる可能性の大きな決定要因なのである。これが大卒女性であってもその大部分が管理職候補から外される総合職 ・ 一般職の区別などのコース制を通じた企業の女性に対する間接差別の結果であると思われる。
「A(男女の所得格差)の大きな一因は、B(出世コースで男性が優先されるという差がある)から」
「B(出世コースで男女に差がある)は、C(差別)の結果」となる。
トラバ君さぁ…… (リンク先は上にあり)から別の個所を引用。
ショーン 「山口 男女差別と解釈」と解釈(ショーンによればエビデンスなし)が正しい。そらエビデンスもないわ。言ってないんだから。これは元増田でも書いた。はっきり書いた(※2)。なぜトラバ君は読んでいないのか。
山口一男先生は男女差別とは言っていないと、社会学者増田君は繰り返し説明したと強調しているので、勘違いや打ち間違いではない。(山口 2016)に「女性に対する間接差別」とはっきり書いてあるにも関わらず。
2つ理由を考えたが、違いそう。社会学者増田君、なんで嘘ついたん?
理由1 社会学者増田君が「Aの原因はB、Bの原因はC」から「CはAの原因の1つ」という(高校生でもわかる)論理関係を理解できなかった
→嘘をつく気はなかった(社会学者増田君がかわいそうすぎるので却下)
理由2 参考文献の内容が難解だった
参考文献を「差別」でワード検索をかければ、上の引用はすぐ見つかる。その周辺を読めば明らか。
→これが理由なら、ワード検索すらさぼって文献に目を通さないで批判するのが社会学者という実例
社会学者はできるのかな?
(山口 2014) ホワイトカラー正社員の管理職割合の男女格差の決定要因 (PDF) 日本労働研究雑誌 No. 648.
この増田を出汁にするようですまないが、女性は一生ソコソコの待遇で働きたければ機械系エンジニアを目指すのも考えて欲しい。
俺自身は高専→大学編入→さらに院で修士号取得というコースで母親以外の女とは架空の生き物かな?という青春時代だったが、
社会人になって会った女性エンジニアたちはバリキャリってほどカリカリしてもなく、家庭も持ちながら地道に働き続けている方が多かった。
人生の中で仕事を離れる時期があるのは出産・子育てする女性だけでなくて、自分の大学や会社での同期だった男連中だって鬱や不摂生からの病気やらでしばらく療養となった者はいるが、エンジニアとして再就職はまあなんとかなってる。
これもまた出汁にするようだが、女性に人気の一般事務とかアパレル小売とか、または大卒でも転勤が当たり前だったり一旦退職すると戻りにくい文系総合職よりも、エンジニアの方が充実した職業人生になる(可能性が高い、と思う)。
1) 元々出世意欲が低く打診しても断られる
まるで“山口先生が知らない問題”であるかのような口ぶりだが、2)と3)は山口先生の解析で男女の賃金格差の主因足りえないことが示されている(個別でも組み合わせても)。山口先生が研究で(たぶん)扱っていない1)についても要因の一つたり得るがエビデンスは少ない。
1) → 出世意欲の男女差では賃金/管理職割合格差を説明しきれない(調査も少ない)。
2) → 勤続年数が同じ(寿退社しない)でも格差は残る。また夫選びは勤続年数に影響を与えるファクターたり得るが、勤続年数そのものは格差の主因ではないことは今言った通り(※7)。
3) → 学歴で補正しても格差は残る。また大学での専攻の男女差でも格差を説明しきれない。
※7:ダグラス=有沢の法則というものが知られており、これは夫婦間の給与格差が大きいほど妻の就業(継続)確率が下がるというもの。日本ではちらほらとエビデンスがあり、勤続年数を媒介として男女の給与格差に影響を与え得る要素の一つ。
最後にもう一度確認です。私と山口先生は結果としてのファクトの認識は共有しています。そこに異存はありません。
twitter.com/SeanKy_/status…
問題は解釈のほうです。確かに前世紀なら男女雇用機会均等法などを必要としていたこともあり、男女差別があったと言っていいでしょう。
しかし、2020年女性管理職30%の目標に起業が本気で取り組み、男性の育休を強制的に取らせる施策が広がるこの時代に、女性に昇進を打診しても断ってしまう問題や、自分より所得の高い夫を選び寿退社してしまう問題、進学段階で工学系に進まない問題に取り組む必要が出ているのです。
本気で取り組んですごーい。2020年までに女性管理職30%の目標が出たのは2003年で、女性躍進法が2016年、そして今年やっぱ無理だから2030年までに延長。本気の努力凄いなあ。男も強制されると育休をとるなんてスゴイね!ほんとに凄い時代だよ取得率8%だけど。
なおショーン君の挙げたいずれもが男女の給与格差の主因ではないことは既に示した通り。解析結果を“ファクト”と呼ぶなら、君が挙げた3つは解釈どころではなく“ファクト”に反する主張だよ(※8)。
そして実はさりげないすり替えがある。「自分より所得の高い夫を選び寿退社してしまう問題」?先のツイートでも「2) 夫選びの指向で寿退社が多くなる」と言ったね。
思い出してほしいが、夫選び云々でショーン君が言ってたのは「女が転勤についてこない夫を選ぶ問題」だ。
これが寿退社(結婚を機とした離職)とどう関係するんだ?結婚したら即座に転勤を命じられる慣習でもあるのか日本には。寿退社するなら転勤は関係ないし、転勤時の夫婦の不一致で辞めるならそれは寿退社じゃない。
いやまあ『「妻の出世を邪魔する夫」を選ぶ妻』より、「金持ち男と結婚して退社する女」をディスる方が楽とは思うがね。
※8:繰り返すが、それらは当然ファクターの一つたり得る。もっと言えば説明力があんまり高くないファクターでもある。そしてそれだけでは説明できない男女格差が存在するのが“ファクト”である。
nikkei.com/article/DGXLAS…
2019年の男の育休取得率8%弱なんだけど。みずほは2015年で1.5%、2021年現在未達成(恐らく)。宣言するだけで「頑張ってる!」って……
まあ男にも男の事情があるのさ。男が育休取れない(“取らない”とは言うまい)のは女の育児家事のハイウェイトと鏡うつしだ。根性論でどっちが悪いというもんでもない。
大企業/大きな事業所では私の論が成り立つが、小さな事業所では成り立たないのはnoteでも書いた通りです。
ただし、両者は表裏一体で、大企業では休職・退職に対する労働力の調整を転勤の強制によって行えるのに対して小さな事業所ではそれが出来ないわけですが、
中小企業は配置転換や転勤させるにもその補充元がいないので、最初から問題を回避するために退職や休職をしなそうなメンバーを選んでいるというセレクションバイアスが差別の原因であり、解消するには「転勤を受け入れる従業員のいる大きな事業所にしろ」という話になってしまうと。
間接差別と統計的差別を直球でぶち上げてくるなんて、ショーン君は凄いなあ。
第7条 事業主は、募集及び採用並びに前条各号に掲げる事項に関する措置であって労働者の性別以外の事由を要件とするもののうち、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令で定めるものについては、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。
簡単な要約は
間接差別とは、
① 労働者の募集又は採用に当たって、労働者の身長、体重又は体力を要件とするもの
② コース別雇用管理における総合職の労働者の募集又は採用に当たって、転居を伴う転勤に応じることができることを要件とすること
「ある企業が一定の嗜好をもって被雇用者を選別する場合(白人がいいとか男がいいとか)、実際のパフォーマンスで白人/黒人、男性/女性で差がなくとも格差が生じる。ただし、それは経済的に不合理であり(より優秀な黒人や白人を逃がす)、合理的に被雇用者を選ぶ別の企業との競争で不利になるため、差別的な企業は市場から淘汰されていく」という理論。
統計的差別論にはいくつかのタイプがあるがここではPhelpsのものを紹介する。
「“雇用者側が評価する資質について、志願者/被雇用者には個人差がある”かつ“雇用者側が評価する資質について、志願者/被雇用者の属するグループ間に統計的な差が存在する”ことが前提。そのうえで、志願者/被雇用者の個人の資質を見極めるより、グループ間の統計的な差を知る/調べる方がコストが低く済む場合、個人ではなくその属するグループに基づいて扱い(雇用の可否、賃金や昇進、教育投資等)を決定する方が(経済的に)合理的である。その結果、統計的差別は淘汰されずに市場に残り続ける。」
例を挙げるなら、ある女性社員個人が早期に離職するか分からない場合、女性全体の統計的データをもとに長時間労働せず早期離職するものと判断してOJT等の投資を控える。
3人に2人の女性が早期離職する場合、大きなコストをかけて誰が辞めるか誰がそうでないかを見極めるより、全員に投資しない選択をした方が安く済む。
3人に1人の女性社員が長時間労働を厭わず定年までバリバリ働く場合でも関係ない。合理性の前の致し方ない犠牲というやつである。
別の例なら男性保育士。男性は女性より圧倒的に性犯罪を犯しやすいという統計的データにもとづき、男性保育士の性犯罪リスクを厭って採用を見送るあるいは女性保育士より低く評価するなど。
山口先生は長年この統計的差別を批判している。「差別はいけない」というだけでなく、「本当に合理的かそれ?」という批判である。
詳しくは山口(2008,2010)でも読んでくれもう疲れた。
いやあ疲れました。ここまで書いてもうギブアップ。まだ件のtogetterまとめは続くけど、これ以上はキツい。精神的にも実作業的にも。
山口先生も災難だったろう。自分の名前出して間違ったこと言ってる人がいるから訂正したら、論点でジャグリングしながら錐揉み回転で突っ込んでくるんだもん。そら逃げるわ。
この増田書くのに結構時間かけて文献読んで論理チェックしてと、得るものは無し。絶対コラムとか講演のために時間使った方がいいわ。不毛。
そもそもネットバトル自体、ツイッター歴1年と3カ月、総ツイート500ちょいのライトユーザーたる山口先生には厳しかろう。
もっとネットバトルに慣れてる、そうだなNATROM先生あたりならきっと最初に「まず“時短や離職で賃金格差が生じた”というのは撤回するということでよろしいですか?」とか詰めるだろう。
とまれ、ここまで書いた分だけでも賢明な諸君はいろいろ察してくれるだろう。僕ぁもう疲れたよ。
念のために言っておくが、山口先生や他の研究者が挙げている男女賃金格差の要素は、それぞれ解決すべき問題の一つである。正体不明のファクターなんて対処しようがないからね。
しかしその解決は社会的な要因あるいはシステムへの介入(企業の自助努力だけでなく国からの援助も含む)によるものであり、個々人の意識や行動にそれを求める精神論はお呼びではない。
最後に一言で件のtogetterまとめの流れを言えば、“起結転転転転転転転”。ではさようなら。
山口一男 (2008) 男女の賃金格差解消への道筋―統計的差別の経済的不合理の理論的・実証的根拠.日本労働研究雑誌 50(5), 40-68.
山口一男 (2010) 常勤者の過剰就業とワーク・ファミリー。コンフリクト.RIETI-DP 10-J-008
山口一男 (2014a) ホワイトカラー正社員の管理職割合の男女格差の決定要因.日本労働研究雑誌 56(7), 17-32.
山口一男 (2014b) ホワイトカラー正社員の男女の所得格差―格差を生む約 80%のメ
山口一男 (2016) 男女の職業分離の要因と結果―女性活躍推進の今一つの大きな障害について. RIETI-DP 16-J-001.
馬欣欣,乾友彦 (2016) 正規社員が管理職になる決定要因およびその男女間の格差―従業員と企業のマッチングデータに基づく実証分析―.RIETI-DP 16-J-015.
馬欣欣,乾友彦,児玉直美 (2017) 管理職における男女間格差 : 日本の従業員と企業のマッチングデータに基づく実証分析 (小特集 日本の格差問題).経済研究 68(2), 114-131.
Gijsbert Stoet, David C. Geary (2018) The Gender-Equality Paradox in Science, Technology, Engineering, and Mathematics Education. Psychological Science 29(4), 581-593.
Gijsbert Stoet, David C. Geary (2020) Corrigendum: The Gender-Equality Paradox in Science, Technology, Engineering, and Mathematics Education. Psychological Science 31(1), 110-111.
Sarah S. Richardson, Meredith W. Reiches, Joe Bruch, Marion Boulicault, Nicole E. Noll, Heather Shattuck-Heidorn (2020) Is There a Gender-Equality Paradox in Science, Technology, Engineering, and Math (STEM)? Commentary on the Study by Stoet and Geary (2018). Psychological Science 31(3), 338-341.
とある増田経由でこのtogetterまとめにたどり着いたが。これはひどい。
山口先生の解析では山口(2008)で“男女の所得格差は男性に比べ女性に非正規雇用が多いことが一因ではあるが、より大きな原因は正規雇用者中の男女格差で、特に女性の管理職昇進率が男性に比べ著しく低いことが要因だ”ということが示され、さらに山口(2014ab)で勤続年数・就業時間・年齢・学歴・職場の種類だけでは男女の管理職割合/所得の格差を説明しきれない(これらの項目が全て同じだったとしてもまだ大きな男女格差が残る)ことが示された(※1,2)。
つまり、ショーン君の「山口一男氏を始めとして、多くの研究から所得の男女格差は女性が辞めたり時短にした結果によって生じているもので、そうしなければ女性の所得は男性並みであることが分かっておりますので、女性も自信をもって主たる家計支持者になって大丈夫ですよ。」は間違い。
むしろ何で山口先生の名前出したん?たぶん読んでないでしょ君。それで本人から訂正されるって一番恥ずかしいやつぅ。
……とまあ本来はここで終わり。あるいは、少し後退して「賃金の男女格差の要因の一部には女性が辞めたり時短にすることが含まれうる」と主張を弱めるか。はたまた「貴方の論文/解析は間違っている」と文献を挙げるか自分の研究結果を出すか。
※1:就業時間と管理職割合の関係は因果が両方向(長く労働する社員は管理職になりやすい/管理職になると労働時間が長くなる)だが、前者だけを考慮している。そのため、就業時間の実際の説明力は解析結果よりもっと弱い。
※2:平均の就業時間ではなく、就業時間区分に分けてその割合で解析している。理由としては平均値だとあまり男女差は無いが、区分分けすると“長時間労働者”区分の割合で男女差が大きくなるため。平均差より区分分けして解析した方が労働時間の説明力が高くなる。山口(2014a)では具体的に述べてはいないが山口(2014b)では週当たり平均労働時間の男女差は約4時間だが区分分けすると労働時間50時間以上の区分で女性割合が男性の3分の1になる。
ここからショーン君は鮮やかな論点ずらしを見せる。「男女格差は女性が辞めたり時短にした結果」という自分の発端のツイートとそれへの指摘は無視して、別の話を始める。
まあショーン君も実際に解析結果見て「あ、ヤベ」って思ったんだろうなあ。他の人の研究でも女の時短とか離職は数あるファクターの一つに過ぎないし。
『「男女格差は女性が辞めたり時短にした結果」ではありませんよ。要素の一つにすぎません』に反論しようがない。
でも凄いよショーン君は。まるで最初っからそう言ってたみたいに論点ずらすんだもん。ネット論客かくあるべし、みたいな?尊敬はしないけど。
1) 日本でも同じ勤続年数・職位・職階であれば所得の男女差はない
2) 日本の所得の男女差はa.勤続年数・職位・職階の分布の違いとb.職種の分布の違いで説明できる
というのが基本かと思います。
うんうん。まあもう少し言えば補正後も男女差は残るし、職階の分布の男女差の説明変数の一つが勤続年数なんだけど、まあ細かいことはいいんだよ。
山口先生と私が違っているのはそのファクトの解釈です。山口先生は例えば《意思決定ラインの登用には男性が優先されていると考えられ》とここに男女差別があるのだという解釈になっています。ですが、この解釈には直接的なエビデンスがありません。
うん?差別?突然出てきたが何の話だ。実際に解析結果では「係長‐課長‐部長という意思決定ラインの登用には男性が優先されている」し、少なくとも引用元では山口先生はそれを差別と呼んでいないぞ。
事務職コースみたいな、女性が多く(というか実質女性向け職)かつ賃金・昇給が低く抑えられている企業内コース制度のことは間接差別だと言ってるけど。
2020年管理職30%目標など企業も努力しており、その中で問題になってくるのが「女性に昇進を打診しても断られる」「管理職候補だった女性が寿退社してしまう」という問題です。女性の昇進意欲については山口先生の間接的データの解釈とは別に直接的エビデンスが存在します。
うぅん!?“昇進意欲”なるものが唐突に出てきた。え?女の時短や離職で賃金格差が生じてるんじゃなかったの?
しれっと別の話始めないでよショーン君。たぶん山口先生も混乱したでよ。
例えば、『多様な選択を可能にする学びに関する調査報告書』(gender.go.jp/research/kenky…)では女性の昇進意欲は男性のそれの半分です。パーソルの調査(rc.persol-group.co.jp/research/activ…)でも同様の結果で、日本の女性はアジアの中でも管理職昇進意欲が最低で、男女のオッズ比も最も大きい。
「女性に昇進を打診したのに断られる」という企業の困惑は実際そうでしょう。引用先から図表を持ってくるとこのようになります。
この問題は日本に限った話ではなく、例えばスーザン・ピンカーが「なぜ女は昇進を拒むのか」(hanmoto.com/bd/isbn/978415…)という本を書いていたりしますが、この本の主張はともあれ多かれ少なかれ「女性に昇進を断られる」という問題は現実的な話ではあります。
いやしれっと進めないでよね。それに女は昇進意欲が小さいんじゃい!と連呼されてもさ、それが職階分布の男女差をどれくらい説明できるのかなんも言ってないじゃん?(※3)
いやはややっぱりすり替えがうまい。女は昇進意欲が小さいというエビデンスを、それによって職階分布の男女差ひいては男女の賃金格差が生じているというエビデンスに誤認させてる。
山口先生がただ結果を述べているだけなのを「男女差別があるのだという解釈」ということにして信頼を毀損しようとする。
やりますねえ!
※3:たしか昇進・労働意欲の影響を調べた解析もあった気がする。あ、これだ馬&乾(2016)。これだと係長への昇進は意欲で一部説明可能だが課長以上はできないって結果。ちなみにこの調査では、管理職割合については属性格差(人的資本の男女差)より評価格差(人的資本の評価における男女格差。例えば同じ人的資本を持つ男女では男性の方がより評価されるなど)の影響の方が大きく、男女の職階差は差別的扱いに由来するものと結論付けている。馬ら(2017)でも昇進意欲の影響を見てるがこちらはもっと説明力が少ない。
次に、寿退社の話です。スローター「仕事と家庭は両立できない?」とその種になっているコラム"Why Women Still Can’t Have It All"(theatlantic.com/magazine/archi…)やサンドバーグ「Lean In」では夫選びの重要性が説かれます。妻の出世に協力的な夫でないと出世は難しいと言う話です。
こらまたアクロバティックな方向転換。なぜに夫選びの話に?
43歳でFacebookのCOO(その前はGoogle、さらにその前は米財務省の首席補佐官、その前はetc.)のスーパーウーマン、シェリル・サンドバーグが「女のリーダー少なすぎ!女だからって仕事辞めなくていいよ!子育ても仕事も両立できるし、バリバリ働けばキャリアだって男に負けない!頑張れ頑張れできるできる!!」と抜かすLean In (悪意的要約)と、それに「いや無理だし」と返しているアン・マリー・スローターを同じ意図で引用するってどういう脳みそだ。ほんとに読んだん?
夫選びに限定したって、サンドバーグは「理解のある夫くんが居れば無問題」、スローターは「夫は重要だけど、それだけじゃ無理」と言っている。
ちなみにショーン君の引用しているアン・マリー・スローターの文は日本語訳があるので置いとくよ。→https://courrier.jp/news/archives/77602/
最近の共働き志向の中では「出世に伴う転勤・引っ越しについてくる配偶者か否か」という問題で表出しやすくなっています。先生も研究者ですからポストを得るのに引っ越しが必要であり、現実的に引っ越しについてくる配偶者か別居を選ぶかしか選択肢がないのはご存じでしょう。
ただし、引っ越しについてくる夫を選ぶ女性が極めて少ないのは、中野円佳「育休世代のジレンマ」(kobunsha.com/shelf/book/isb…)4章2「なぜ夫選びに失敗するのか?」や、
あるいは有名どころで上野千鶴子のインタビュー(toyokeizai.net/articles/-/224…)にもそれは表れています。他人に白河桃子『「専業主夫」になりたい男たち』も同じ旨が書かれます。
女性が結婚相手選びで所得を重視するのは婚活産業や少子化関連の調査から明瞭で、言ってしまえば女性は自分の出世の邪魔になる夫を選んでしまうのですが、ここを変えようとしてもプライバシーへの干渉になるので、現実問題としてはここが非常に大きなボトルネックになっています。
まだまだ続くよ夫選びの話。ええい印象論はいい。エビデンスを出せエビデンスを。
って言うか最初に言ってた寿退社の話はどうなった。転勤・引っ越しと寿退社に何の関係があるんじゃ。
ちなみに山口(2014a)は制約は多いながらも「既婚および子供の有る女性/男性は、そうでない場合より昇進し難い/易い」という解析結果をだしている。あとさっき引用した馬&乾(2016)では結婚は女性の昇進に影響なし、男性にプラス。
しかし解釈は容易ではない(※4)。「夫が足引っ張るせいで妻が出世できない」のエビデンスには全く足りない。
あとこのツイートからわかるのはショーン君の「女が悪いフィルター」の強さかな。
「出世の邪魔になる夫」の問題じゃなくて『「出世の邪魔になる夫」を選ぶ女』の問題って言うんだぜ。賭けてもいいが、ショーン君ならDV被害はDV男を選ぶ女の問題って言ってくれるはず。
①/② 結婚が男性/女性(の昇進)にプラス/マイナスの効果を生じる
③/④ 独身が男性/女性(の昇進)にマイナス/プラスの効果を生じる
⑤/⑥ 昇進が男性/女性の結婚にプラス/マイナスの効果を生じる
①~⑥は全部同時に成立しうるし、①③⑤は⑦と、②④⑥は⑧と、⑦は⑧と排他である。
さらにプラス/マイナスが具体的に何によってもたらされるかも考えねばならない。超複雑!
最後に専門職の話。これは、実は「ジェンダーギャップ指数が良好な国ほど女性のSTEM系進学率が低くなる」現象があり、Gender-Equality Paradoxという名前で他国でも問題提起されています(eprints.leedsbeckett.ac.uk/id/eprint/4753…)。
問題提起?されたなあ確かに。その論文Stoet&Geary (2018)の信頼性についてだがね。
発端はこの論文に興味を持った他の研究者がデータから結果の再現を試みるも失敗したこと。よく見たらデータ自体も合わない(例えばポーランドの女性のSTEM学位取得率は43%だが、論文中では27%くらいになってる)ことが判明。著者らに問い合わせたんだ。
すると――聞いて驚け!――この論文の著者らはMethodsにも書いていない、非公開の独自の計算方法を用いて数値を算出していたのだと。
でまあ指摘を受けた著者は論文の大幅な――元論文の1割以上、1,113語にも及ぶ――修正をしている(Stoet&Geary, 2020)。
その訂正の多さもさることながら、元論文では言い切っていたところを「傾向(propensity)」という弱い表現に差し替えてる。つまり非公開の手法でデータいじって主張を誇張してたわけだ元論文は。
ぶっちゃけ個人的にはアウトもアウトな話だと思うんだけど、皆さんどう思う?
さらにそれを指摘した学者らの出したRichardson et al. (2020)では、国の数や男女平等の指標等が変わるだけで男女平等とSTEM分野の男女格差の相関は消えることが示された(=Stoet&Geary (2018)に再現性なし)。Richardsonら曰く「複数の指標や手法を試して結果の一貫性を確認すべき。自説に合う結果が出たやつだけ使うのはダメ」とのこと。
おっと、引用元の解説を長々しすぎた。Gender-Equality Paradox云々は置いといて、ショーン君が言いたいことは分かるよ。「女の選好のせい。女が悪い」でしょう?
良い手だが、それは結局ファクターの一つを提示したに過ぎない。それの説明力や、それがどの程度社会的に形成されたものであるのかが重要だ。
ちなみに山口先生の解析では、男女の専攻の選好は理工学部を除き、男女の職業分を説明しない。その理工学部にしても最大推定で約50%しか男女の職業分離を減少させない(※5)。
勘違いしないでほしいが、男女の選好の違いは男女のSTEM分野ないしより広い範囲の職業選択において重要なファクターの一つであることは間違いない。
論点はそれがどれくらい生物学的(対処不能)でどれくらい社会的(対処可能)であるかということだ。極端な主張の人達――100%生物学的 or 100%社会的――もいるがね。
※5:
男女の大学の選好の違いの多くは、男女の職業分離を説明しないが、例外は理工学部の女性の増大で、もし理工学部女性の割合が男性と同等になり、かつ彼女たちの職業分布が男性の理工学部卒の職業分布と同じになるという2条件が満たされるなら、タイプ1型(※6)の専門職割合の男女格差が最大の推定でほぼ半減すると期待できる。
※6: タイプ2専門職=教育・養育、医療・健康・看護、社会福祉分野の専門職から医師・歯科医師、大学教授(教員)を除いたもの。
タイプ1専門職=医師・歯科医師、大学教授(教員)およびタイプ2に含まれない専門職。
1) 元々出世意欲が低く打診しても断られる
まるで“山口先生が知らない問題”であるかのような口ぶりだが、2)と3)は山口先生の解析で男女の賃金格差の主因足りえないことが示されている(個別でも組み合わせても)。山口先生が研究で(たぶん)扱っていない1)についても要因の一つたり得るがエビデンスは少ない。
1) → 出世意欲の男女差では賃金/管理職割合格差を説明しきれない(調査も少ない)。
2) → 勤続年数が同じ(寿退社しない)でも格差は残る。また夫選びは勤続年数に影響を与えるファクターたり得るが、勤続年数そのものは
つい先日、地方から東京に引っ越しをしてきた会社の同期(彼は転職した)と久しぶりに会った。
その時に、就活や会社のキャリアの話になったので、備忘として書こうと思う。
私は、一時期は業績悪化に苦しんだが、今は(一応)絶好調の某メーカで勤務している。
就活した時は、アベノミクスのおかげで、売り手市場であったこともあり、いくつか内定を貰った中で、何となくこの会社を選んだ。
その時に、私は所謂「意識が高く、よく分からないけど凄い人」が同期にまぁまぁの数がいた。彼らは留学で海外に1-2年在籍しているため語学堪能であり、何やら学生団体のトップ(副リーダではない。なぜこそこを拘っていた)をやっていたりなどである。そうした人達は、採用担当者が主催する複数のメーカと人材会社が集まる「日本のメーカ再興!」を標榜するセミナーに参加していた。
正直、当時の僕は、「こいつら貴重な学生時代を何に使っているのやら・・・」という不思議な面持ちで眺めていた。
また、このイベントを担当する採用担当者が「海外大卒、NYの投資銀行に内定貰っていた、人事一筋にも関わらず、現場を、顧客を知っている感」を出す人で、何となく馬が合わない気がして、距離を置いていた。
ある時、イベントに参加している同期と会話しているうちに何とな参加意図に気付いた。採用担当者と仲良くなることで、配属に有利になるようにアプローチしていたのかなと。
というのも、採用面接時は職種・担当業界別で希望を提出の上、面接・内定を貰うのだが、実態は内定で頭数を揃えた後に、全てシャッフルするのである。なので、シャッフルされた時に、行きたい部署に行けるようにアプローチしていたのである。これを聞いた時は強かだなと思った。入社前からちゃんとそういうことを抜かりなくするのだなと。彼らは、意識高いと揶揄されるけど、こういった強さがあるのかと。
加えて、さらに「意識が高く」かつ採用担当者が「一本釣り」した学生は、そうしたシャッフル関係なしに、行きたい部署に配属が約束されていることも知った。つまり、同期には、なぜか日銀、DBJ(DBJ!、DBJ!、DBJ!)、外銀、コンサル、国家総合職等の内定を蹴った不思議な同期が何人かいたのだが、そうした「真に優秀で意識高い学生」には、企画部門、財務・投資部門などの新卒では配属が難しい、もしくは殆どない部門の配属を約束することで獲得していたのである。
この時、人事の建前と本音を知った。すなわち、「建前」としては新卒一括採用でみんな平等に競争だが、「本音」としては平等に競争ではなく、すでに評価に当然として差がついているということである。ただ、知ったとしても私は、当時はピュアに、入社後頑張れば、チャンスが貰えるのだろうと思っていた。
営業部門の配属になったが、長年信頼関係を築いてきた顧客ではなく、新規の顧客であったため、苦労する。
商材もよく言えば新しい製品、悪く言えば実績のない製品であるため、売れない。
新規顧客ゆえに営業の人員が足りず、人を獲得できないため、海外に行くチャンスもなく、異動のチャンスもない。
キリが上げれば仕方ない。ただ、正直、この点に実はあまり不満はなかった。なぜ何ら、これは自分が創っていけるということであるからである。それは凄く楽しい。
ただ、一歩引いて見れば違った景色が見えてくる。
長年築いてきた顧客から注文も定期的に獲得し、実績を順調に積み上げる同年代の営業。
実績のある製品ゆえに、顧客の関心の獲得がしやすく、受注につなげやすい。
得意様である顧客ゆえに、専属のリソースがあり、案件を形成できる。
自分が泥を啜るような労力をかけても、その労力もかけずに実績と経験値を積んでいく同年代の営業を見ているうちに、何とも言えない疲労が募る。
自分が泥を日本で啜るような労力をかけている間、簡単に、若くして海外駐在にいく同年代達。
会社曰く「異動しなくても、経験は積める。チャンスは用意されている。」
仕事は楽しい反面、何か変なギャップ、異物を抱えつつ仕事していた。
そして何となく会社の建前と本音に気付いた。すなわち、「建前」としては人財でありみんな大切だが、「本音」は一部の人を除いて、特に大切でも何でもないので見ていなく、その人のキャリアや志向に応える気はないという、今に思えば至極当然のことにである。
気付いた時、悔しいとかではなく、納得感と、会社に対する忠誠心や義務感から解かれた気分だった。別にあなたが期待に応えなくても、自分でどうにかすれば良いのかと。
近日、私は会社に辞表を表明する予定である。不思議と怖いというよりは、もっと自分で人生を創れるチャンスがあるのだなという気持ちで期待感にある。現職には色々学べたゆえに、特に恨みも辛みもない。ただ、感謝も、私も育てくれた人々以外は、特にない。単に、仕事の楽しさ以上に、不満があったから辞めるだけ。