2021-01-24

強かな意識高い人、人事の建前と本音と、会社の建前と本音

つい先日、地方から東京引っ越しをしてきた会社の同期(彼は転職した)と久しぶりに会った。

その時に、就活会社キャリアの話になったので、備忘として書こうと思う。


私は、一時期は業績悪化に苦しんだが、今は(一応)絶好調の某メーカで勤務している。

就活した時は、アベノミクスのおかげで、売り手市場であったこともあり、いくつか内定を貰った中で、何となくこの会社を選んだ。


その時に、私は所謂意識が高く、よく分からないけど凄い人」が同期にまぁまぁの数がいた。彼らは留学海外に1-2年在籍しているため語学堪能であり、何やら学生団体トップ(副リーダではない。なぜこそこを拘っていた)をやっていたりなどである。そうした人達は、採用担当者主催する複数メーカ人材会社が集まる「日本メーカ再興!」を標榜するセミナーに参加していた。


正直、当時の僕は、「こいつら貴重な学生時代を何に使っているのやら・・・」という不思議な面持ちで眺めていた。

また、このイベント担当する採用担当者が「海外大卒NY投資銀行内定貰っていた、人事一筋にも関わらず、現場を、顧客を知っている感」を出す人で、何となく馬が合わない気がして、距離を置いていた。


ある時、イベントに参加している同期と会話しているうちに何とな参加意図に気付いた。採用担当者と仲良くなることで、配属に有利になるようにアプローチしていたのかなと。


というのも、採用面接時は職種担当業界別で希望を提出の上、面接内定を貰うのだが、実態内定で頭数を揃えた後に、全てシャッフルするのである。なので、シャッフルされた時に、行きたい部署に行けるようにアプローチしていたのである。これを聞いた時は強かだなと思った。入社からちゃんとそういうことを抜かりなくするのだなと。彼らは、意識高いと揶揄されるけど、こういった強さがあるのかと。


加えて、さらに「意識が高く」かつ採用担当者が「一本釣り」した学生は、そうしたシャッフル関係なしに、行きたい部署に配属が約束されていることも知った。つまり、同期には、なぜか日銀DBJDBJ!、DBJ!、DBJ!)、外銀、コンサル国家総合職等の内定を蹴った不思議な同期が何人かいたのだが、そうした「真に優秀で意識高い学生」には、企画部門財務投資部門などの新卒では配属が難しい、もしくは殆どない部門の配属を約束することで獲得していたのである


この時、人事の建前と本音を知った。すなわち、「建前」としては新卒一括採用でみんな平等競争だが、「本音」としては平等競争ではなく、すでに評価に当然として差がついているということである。ただ、知ったとしても私は、当時はピュアに、入社後頑張れば、チャンスが貰えるのだろうと思っていた。


とはいえ人生はまぁうまくいかない。


営業部門の配属になったが、長年信頼関係を築いてきた顧客ではなく、新規顧客であったため、苦労する。

商材もよく言えば新しい製品、悪く言えば実績のない製品であるため、売れない。

案件を作っても、リソースが足りないので断念する。

新規顧客ゆえに、社内の優先度が低く、味方がいない。

新規顧客ゆえに営業人員が足りず、人を獲得できないため、海外に行くチャンスもなく、異動のチャンスもない。

キリが上げれば仕方ない。ただ、正直、この点に実はあまり不満はなかった。なぜ何ら、これは自分が創っていけるということであるからである。それは凄く楽しい


ただ、一歩引いて見れば違った景色が見えてくる。

長年築いてきた顧客から注文も定期的に獲得し、実績を順調に積み上げる同年代営業

実績のある製品ゆえに、顧客の関心の獲得がしやすく、受注につなげやすい。

得意様である顧客ゆえに、専属リソースがあり、案件形成できる。

得意様ゆえに、社内の優先度は高く、上層部の覚えも目出たい。


自分が泥を啜るような労力をかけても、その労力もかけずに実績と経験値を積んでいく同年代営業を見ているうちに、何とも言えない疲労が募る。

自分が泥を日本で啜るような労力をかけている間、簡単に、若くして海外駐在にいく同年代達。

会社曰く「異動しなくても、経験は積める。チャンスは用意されている。」

仕事楽しい反面、何か変なギャップ、異物を抱えつつ仕事していた。


そして何となく会社の建前と本音に気付いた。すなわち、「建前」としては人財でありみんな大切だが、「本音」は一部の人を除いて、特に大切でも何でもないので見ていなく、その人のキャリア志向に応える気はないという、今に思えば至極当然のことにである


気付いた時、悔しいとかではなく、納得感と、会社に対する忠誠心義務から解かれた気分だった。別にあなたが期待に応えなくても、自分でどうにかすれば良いのかと。


近日、私は会社辞表を表明する予定である不思議と怖いというよりは、もっと自分人生を創れるチャンスがあるのだなという気持ち期待感にある。現職には色々学べたゆえに、特に恨みも辛みもない。ただ、感謝も、私も育てくれた人々以外は、特にない。単に、仕事の楽しさ以上に、不満があったから辞めるだけ。

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