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はてなキーワード: 青空とは

2020-09-04

俺の眼は青空を見るためにあるんだ 契約書の書類を見るためではない

俺の耳は波の音を聞くためにあるんだ 上司の叱責を聞くためではない

俺の手は土に触れるためにあるんだ パソコンをカタカタするためではない

俺の舌はワインを味わうためにあるんだ カロリーメイトを一気食いするためではない

俺の魂は何のためにあるんだ 労働をするためではないだろう

anond:20200904005136

それはそうなのだ

青が優遇されがちなのが気になる

冷静さや理知的イメージからなのか…

青空!海!エモい!の延長なのか…

18歳で地元のS市を離れて、大学入学のため東京に移り住んでから、ちょうど18年経った。元来の要領の悪さにもかかわらず、何とか仕事も頑張ってるし、幸運に恵まれ結婚してくれる相手も見つかったし、生まれ子供ももう年長さんで毎日可愛い盛りだ。

東京暮らしは控えめに言ってとても楽しい他所から来た旅人視点で見回せば、こんなにもワクワクする非日常日常に溢れているのである。どこも混んでる事と渋滞が酷い事は当初は辟易したがすぐ慣れた。

今思えば、東日本大震災の時はまだ若かったのだ、近しい人たちの安否が確認できて、一ヶ月も経てば非日常日常は戻って来たのだ。あんなにたくさんの命が失われたのに。

コロナ禍、こんなにも長い変調の日々、絶対的な事なんて存在しないんだって、胸の中が薄ら寒くて、氷が徐々に溶けて広がっていくようだ。これまで考えもしなかったけれど、高校ちょっとだけ付き合ったあの人は今どんな風に暮らしているのかなとか、幽遊白書エンディングを聴き始めたり。ドイツ語がわからなくてテスト前日に泣きそうになった時のこと思い出したり。

それで、今週末は必ず、家族といつもの広い公園に行って、芝生にシートを広げて、サンドイッチを食べて青空を見上げると決めたのだ。水鉄砲を持っていって遊んでもいい。だから必ず晴れてほしいと思っている。

2020-09-03

半年間(ほぼ)ベッドメイク筋トレだけしてた

「私、増田阿野太郎は!恥ずかしながら!戻ってまいりました!」

暗い気持ちを誤魔化すために、久しぶりにあった両親の前で冗談めかしてそう答えた。つもりだった。

わずかな沈黙のあとで父親が「随分怖い喋り方になったな」と半笑いで応えてくれた。

母が怯えた目をしていたことに気づいた。

この半年の間に、人間から、遠ざかっていたのだ。

この物語フィクションである

嘘が多い。

私、増田阿野太郎が某実力組織への就職を決めたのは、大学を出て無職になった次の秋だった。

惰性で続けていた就活にもバイトにも嫌気がさしていた頃で、親の態度も少しずつ冷たくなっていた。

そんな頃に高校時代の友人に同窓会で勧められた。

曰く「パチンコばかりしている人間だらけの気楽な所だ」

曰く「お前は背も高いし意外と筋肉もあるから向いてる」

曰く「デスクワークもある」

なんとなくで、就職先を決めた。

試験はあっさり突破した。

簡単すぎて不安だった。

そして、気づけば私は税金で寝食を得る身になった。


蛆虫未満の朝は早い

総員起こしの前に歯磨きや洗面を済ませる。

着替えを用意し、寝ている間にズレたベッドシーツをベッド下に潜って引っ張りなおす。

そうして、何事もなかったかのようにベッドに戻り、ずっと寝ていましたよというオーラを漂わせつつ喇叭を待つ。

朝の体操点呼により貴重な血税を一斉にドブに捨てたあとは、朝の掃除である

上官の靴を磨かせていだくことの喜びを噛み締め、靴墨をこれでもかと塗りたくる。

そうして塗りたくられた靴墨がそこかしかに染み付いた床を必死に擦るのも、下々の者達の公務である

食事はかっ込むためのものであり、味は誰にも分からない。

二度目の点呼国旗への敬礼、朝の挨拶、行進、大事大事公務時間

まだ朝方なれど、既にどれ程の血税青空の下へ消えたのか。

勿論ゼロである

その分残業をすればいいのだから

特別公務員ザンギョーサセホーダイプランに加入している。

それを有効活用しないのは国損である

蛆虫が羽ばたく権利を得るために求められる最大のモノ、それはベッドメイク

1日はベッドメイクに始まりベッドメイクに終わる。

人生と同じだ。

ベッドで産まれベッドで死ぬ

もしも明日、訓練中に死んだとして、親が死に目に会いに来ても恥ずかしくないベッドメイクを。

シーツ三角折は乱さないように、

白い雪化粧は翻さないように、

たった一つのシワが、国民からの信頼を失墜させる。

武器を持つ兵隊に求められるもの、一糸乱れぬ斉一さ。

それをシーツに込められぬものが銃を持てば国民不安になろう。

国民を信頼させろ。

敵国に威勢を見せよ。

それがベッドメイクに現れる。

完璧なベッドメイクをする軍隊を前に、その絶対の統率を前に攻め込もうとするものがあるだろうか?

否!

絶対の統率!

目の輝き!

輝く靴!

アイロンの効いた軍服

輝くバッジ

銃弾よりも強きピカールの光が国家を守る!


無理だった。

血税がドブへと消える世界に私の心は耐えられなかった。

「なぜこんな安定した仕事を辞める?」

「定年後も自衛隊員という立派な経歴でガードマンでもバス運転手でもよりどりみどりだぞ?」

国民の役に立ちたいという気持ちは嘘だったのか?」

役に立ちたいから、こんな所にいたくねえんだ!

その言葉は流石に飲み込んだ。

半年間、税金無駄飯を食ったという意識が頭の中を渦巻いた。

もう疲れた


今、増田阿野太郎がなにをしているのかは、私も知らない

青空が見えてるのに断続的に雨

2020-08-26

自己演出思考をやめたい

今買い物に行ってきたんだけど、帰り道の空がザ・夏の暮れ方って感じでかなり素敵だった。

地平線(見えないけど)のあたりだけ黄色っぽくて、あとは夜空と青空中間くらいのなんとも言えない色。早朝かこの時間しか見られないかレア感あるよね。半月が出てるのも趣深かった。

で、俺はそれをよく見ようと上を向いて歩くんだけど、一方でずっと「ああ、空を見上げながら歩く情趣を解する俺…!」みたいなことを思ってるんだよな。すれ違った人が俺の視線につられて空を見てその綺麗さに気づき、さっきの青年はい感性だなと思う…みたいな妄想すらしている。

気持ち悪すぎる!!

この気持ち悪い自意識過剰自己演出的な行動をマジで物心ついたくらいからずっとやってる気がする。口に出したり人に言ったりするわけじゃないから多分そんなに鼻につかないとは信じたいんだけど、「素敵な感性を持っていて道端の花を見ても足を止めてしまう俺」をやっていることを客観視して自己嫌悪に陥ることがときどきある。

綺麗だと思う気持ちは嘘じゃないし、多分通行人がいなくても同じように振る舞うんだけど、でも通行人がいない場合妄想ギャラリーを作り出すんだよな。暗くて俺からは見えていないところに散歩中の人がいて、闇の中星を見上げる俺の姿に見惚れていた…みたいなストーリー無意識に作り上げて悦に入ってしまう。

自己認識として俺は顔もキモいし背も低いし猫背ヤバイ仕草がヘンなので見惚れられるハズがないというのはわかってるんだけど、それでもそういう妄想が止められない。

これどうしたらいいんだ。俺50のオッさんになっても「ああ〜童心を忘れず虹を見る俺!!」とか思いながら生きてんのかな。イヤすぎる

2020-08-23

僕の考えた最強の雨戸

高断熱で全面ソーラーパネル貼り、室内側にはLED照明が取り付けられてて、雨戸締めててもそこそこ室内は明るい、みたいなやつが欲しい。

うち、10時くらいか日没までずっと日光が焼付を続ける部屋なので、雨戸めっぱなしなんだけど、遮熱は良いんだけど室内が夜同然に暗くてなあ。

雨戸内側の照明は、ただのLEDよりは三菱電機青空照明みたいなのが欲しいね。 https://bit.ly/2EtWGek

2020-08-16

東京雷雨

8月に入ってからやたらと暑い

今日も朝からカンカン照りで、別に空にどれだけ雲があるか確かめたわけではないがイメージとしては「雲ひとつない青空」が広がっていた。

…はずなのに、お昼過ぎ、小さく「ごおっ」と聞こえた気がする。いや、聞き捨てていたのだが2回目の「ごおっ」でさっきも聞こえていたと認識する。

遠くの雷鳴だ。

まだ空にはたいして雲はないが、変な風が吹いているようないないような…。

夕立ちになったら嫌だな。と考えるとフラグが立ってしまうじゃないか。早く駅につかなくては…新しい靴なんだから…などと焦るほどフラグが立っていく。

              

駅に着き、電車に乗ったところで一天俄かにかき曇り、雷鳴とどろきボツボツッと大粒の雨が動き始めた列車の窓にぶち当たる。ガラスに斜めの水の線がたくさんできる。

窓は換気のために開けてあった。しかし開口部が10センチくらいの狭さなのと風向きのためか、車内にはあまり雨が降り込んでは来なかった。

線路沿いの道路はあっという間に濡れた黒っぽい色になり、土砂降りの雨が跳ね返って煙る。夕方のように陽はかげり、幾重もの雨の幕越しに向こうの建物ぼんやりと見える。

降車駅に着くまでに止むだろうか、とぼんやり思い、スマホの天気アプリを見てみるが何も知ることはできなかった。

2020-08-15

夏の懺悔

終戦の日は、Y君の命日です。

高校時代同級生Y君とは、それほど親しくありませんでした。同級生とは言っても、三年間で同じクラスだったのは一年生の時だけでした。その後は、時折廊下などで会った時に軽く話をし、稀にメールをする程度の仲でした。

Y君は、予備校の友人と二人で海水浴場に行って事故に遭ったそうです。酷く天気の悪い日で、彼らの他に誰も泳いでいなかったと伝え聴いています。それ以上Y君の死の理由は誰も話しません。みな察しがついているからです。

しかし、僕は彼の死の理由と向き合う必要があります。悼むだけでは足りないほどの仕打ちを、僕は彼にしてきました。

Y君と最初に話したのは、高校入学初日です。僕らの高校は、マンモス私立高校で、大概は公立高校受験に失敗した人間が行く学校でした。お世辞にも賢い学校とは言えません。それでも、それなりの生徒を集めて、特進クラスが二クラス編成されます。僕らのクラスはその一つでした。

入学からしばらくは、みな口々にどこの高校に落ちてこの学校に来たのかを話していました。例によってY君も学区一番の難関公立高校に落ちたそうです。最も、僕らの高校の進学クラスの大半は、その高校か、県下トップ公立高校を落ちてきた人間でした。

はじめは出席番号の近い者同士で輪になるものです。彼と僕の出席番号は二番違いでした。ゴールデンウィークに入る頃には友情の再編成が済み、僕らは別々の交友グループに加わって行きました。

から見ていて、グループの中のY君の地位は極めて低かったと記憶しています。彼らのグループはみなテニス部でした。Y君はいつもいじられる役回りを演じていました。自分から話を切り出しても「調子乗るなよ」という言葉を掛けられている様子をよく見かけました。

入学式が終わってすぐに、実力試験を受けさせられます。Y君の試験結果がどうであったか僕は知りません。少なくとも、僕より上ではなかったことは確かです。学年トップ十人は公表され、僕は四位でした。

第一志望でこの高校に進んだ僕は、周囲から奇異の目で見られていました。ただ一人、Y君だけは、周囲と少し違う反応をしていたのでよく覚えています。Y君の同じ中学校で、学区トップ合格間違いなしと言われて落ちた二人を、僕は下しました。そのことをY君は自分のことのように喜んでいました。

「四位なのに、第一志望でこの学校にきたんだね。」

「こういう人も来るくらいの高校なんだから俺も勉強しよう」

その時の僕にはまだ、そんな理由勉強をはじめようと思う理由理解できませんでした。彼にとって高校はどのような意味をもった場なのかと怪訝に思いました。今になって思えば、不本意入学した学校について、明るく思える理由を見つけられた日だったのでしょう。

とは言っても、その後Y君が試験ライバルとなることはありませんでした。二年生からは、進学クラス文系理系とで別れてしまい、一緒になることはありませんでした。英語の授業だけは進学クラスクラス合同で、レベルごとの三グループに別れて開かれていたが、ついに一緒になることはありませんでした。二年間、Y君は成績下位クラスから上がって来ませんでした。

交友グループが完全に別れてからも、僕はたまにY君と話す機会がありました。というのも通学に使う電車の駅が同じだったのです。そうかと言って一緒に通う約束をするような仲でもありませんでした。遭えば多少話をするといった具合でした。Y君はよく話しかけてきましたが、僕から何か話しかけたという記憶はあまりありません。

彼の家はごく近所でしたが彼の家に遊びに行ったことはありません。詳細な場所も知らず、団地の名前で知っているだけでした。僕は中学卒業後にこの街引っ越してきたので、同じ中学校出身というわけでもありません。彼が普段通学路にしていた道が、僕の部屋の窓から見えますしかし、駅との直線距離上に住んでいる人と思っているだけでした。

Y君はテニス部に入部していました。中学から続けていたと聴いていますしかし、同じクラステニス部から伝え聞くかぎり、部の中での実力ははじめから下位だったそうです。Y君は小柄で、先も細く、よく中学生のようだとからかわれていました。

Y君と同じグループテニス部員は、高校二年にあがるまでに部活を辞めてしまいました。部員の層は厚くないものの、後輩にも実力で追い抜かれ、Y君は引退まで団体戦メンバーに入ることはなかったそうです。

とき一年生の頃にY君と同じ班だったM君は強豪のサッカー部員でした。髪を染めピアスをしていたM君は、Y君に対していつも高圧的な態度をとり、掃除当番を押し付けて、誰よりも早く部活練習に行き、後にレギュラーの座を得ていました。少なくともY君はそのような気概を持ち合わせてはいないように見えました。

僕らの通った高校には、進学クラスを中心とした三泊四日の受験勉強合宿がありました。合宿中は山のように課題を出されました。ホテルに着いて早々、会議室に籠ってひたすらに特別授業を聴かされました。それが終われば翌日までに解いてこいとプリントを大量に渡されました。まともに取り組んで解き切れる量ではなく、教師もその事を知った上で出していた節がありました。それでも僕らは、教師の鼻を明かしてやろうと思って夜を徹して問題を解いていました。

Y君は、ちょっと問題を解いては周りに話しかけていました。「どこまで進んだ?」「この問題どう解くの?」と。そして周囲が邪魔そうな顔をすると自虐的に謝った後、「よし、俺も集中する」と宣言して問題に取り組み、三十分と保たずに振り出しに戻るのでした。

高校二年の頃、しばしば僕はY君のクラスでごく親しい友人と受験勉強ノウハウや、進行状況について情報交換をしていました。そこに、部活休みになってY君が加わったことが何度かあります

Y君が、自分勉強について詳細を語ったことはありませんでした。自分より成績の良い人間発言には同意をし、自分と「同等程度以下」と思っている人間発言にはあまり信用していないような素振りをしていました。しかし、前者が後者発言賛同すると、途端に賛同し出す、風見鶏な態度で話に加わっていました。

僕らはみな自分に合わせて勉強スタイルを組み立てていました。Y君には、そのような節はなく、彼の尊敬する誰かの勉強の仕方を真似しているだけでした。正確には、真似している「つもり」なだけでした。

僕がセンター試験模試で九割をマークした時、Y君が英語勉強内容について尋ねてきました。その頃僕は学校で配られた基礎的な問題集で文法問題毎日大量にこなしていました。ケアレスミスを減らしつつ長文問題に十分な時間を確保するためでした。自宅学習英語の長文に充てられるよう、学校での細切れの時間文法勉強していた方が都合よかったのです。

そのような事情は告げず、学校で配られた問題集を解いているとだけ告げると、Y君は基礎的な問題集にずっと取り組んでいました。かなり後になってから知ったことですが、Y君は毎度の模試では長文問題で大量失点を繰り返していました。長文を読む訓練からはじめるべきだったのに、同じ文法問題集に何周も取り組み続けていたのです。その後も彼は模試の度に取り組んでいる問題集を尋ねに来ましたが、僕は同じ問題集だと答え続けていました。

時を同じくして学年上位の人間が「単語力が足りない。」と言ってハイレベル英単語帳に噛りつくと、Y君はそれを無条件に肯定し、同じ単語帳に取り組み出しました。

学年上位の彼女場合、元から基礎的な語彙力・単語力がしっかりあり、それに支えられて文法問題を解きこなし、身に付けた語彙・文法で長文を読み解き、総合的な英語力を身に着けた後に、日々取り組む実践問題の中で単語力の不足を感じていたのでした。Y君は、そのような事情を知る由もありません。

すべての教科の勉強がこのような具合で、Y君の受験勉強は日々、一貫しないものになっていきました。誰かが「基礎をしっかりしないといけない」と言えば同意をし、しばらく基礎的な勉強を繰り返し、また誰かが「基礎ばかりで実践レベル問題が解けない」と言えば、応用問題を解き始めました。Y君は、自分の実力を冷静にみて勉強する習慣がなかったのです。

試験が終わっても模試が終わっても、Y君はいつも「次で挽回する」とだけ言って答案用紙を二つ折りにして閉まってしまい、自分が何を間違えたのか何が不足しているのか反省をしているようには見えませんでした。僕らは答案を見せ合い、点数をひけらかし合い、同時に何を間違えたのかも見られ、ときには馬鹿にされ、それを恥じ、次には同じ過ちをしまいと心に誓ったのです。そして口々、「次の試験では負けない」と言い合うのでした。

Y君は、ただひたすらに成績上位の級友に勉強方法勉強内容を尋ね、それを真似してみるだけでした。あるいは、それで成績の落ちた級友に反省点を尋ねてみるだけでした。自分の頭を使って、自分必要勉強をして成績を上げようという姿勢が見られませんでした。

高校二年の秋頃から、学年トップ十人の常連の内で、制服に細工をするのが流行りました。理科実験から拝借してきた薬品で五円玉や五十円玉を磨き上げ、ブレザーの左胸にある校章の裏に挟むのです。すると鳥をあしらった校章が後光の差したように見えます。上位三人が五円玉を、残り七人が五十円玉をはさみ模試のたびに奪い合うのです。

事情を知らぬ者が見れば、何のこともない遊びです。どんなにかよく言っても「お洒落」程度のことです。何も知らないでY君がそれを真似して校章に五円玉を挟んでいたのを、僕らは影でクスクスと笑いました。自分の手で掴む喜びを知らないで、努力する苦しみを知らないで、努力した者の成果にだけ憧れるY君の態度を、僕らは気づき、そして内心侮蔑眼差しで見ていました。鈍い色の五円玉が、それを象徴しているように思えたのです。

勉強をしたかテストの結果が伴うのだという自信が、僕らの中にありました。また、勉強していないから全国模試で他校の人間に負けるのだと悔しがっていました。進学クラスの同志とともに学内順位一喜一憂するのは全国模試で泣くほど悔しい思いをした腹癒せであり、本懐はみな志望校への合格でした。

正直に言えば、僕は心底彼を見下していました。大した進学校でもない私立高校の成績上位だけを見て、「◯◯君、勉強できるもんね」と言えてしまうY君の姿勢を、僕は内心唾棄すべき存在だと思うようになっていました。

僕は、努力方向性を間違える人間愚か者だと思っていました。そして努力すらしようとしない人間軽蔑していました。他の何もかも投げ打って練習に取り組むわけでもなく実りのない部活動にただ漫然と時間を費やすY君の姿勢は、まさに軽蔑対象でした。「三年の夏に部活引退したら、本格的に受験勉強をする」というY君の弁に至っては、この時点でもう勝負はついていると僕は思いましたが、哀れな奴だと思うことにして黙っていました。

当時進学クラスの上位面々にしても、実際には大した学力は持ち合わせていませんでした。勉強すればするほど募る不安を振り払うべく、ビックマウスで自分鼓舞させ、歯を食いしばって受験勉強に打ち込んでいたのです。

みな手の内を知っているから言い合えた言葉がありました。「普通クラスの連中が努力して行くような大学から日東駒専は滑り止め」「明青立法中はセンター利用入試で一学部学部抑えて、あとは試験慣れ」「本命早慶国公立大学

Y君が目指したのも、早慶文系学部でした。折りに触れ志望学部を聞いた時に「受かったらいいなぁ」という言い方をしていたので、どこまで本気で受験していたのか分かりません。また彼が将来どういう職業に就きたくてその大学を目指したのかも知りません。いずれにしても、当時のY君の実力からすれば、合格絶望的なので記念受験だったと思います

日本で双璧をためす有名私立大学どころか、当時のY君は本気で日東駒専第一志望にして対策を組んで然るべき成績でした。それにも関わらず、十分な対策をしていなかったのでしょう。そのレベル大学を「滑り止め」として受験し、行き場がなく浪人が決まりました。

先にテニス部を辞めたある級友は、有名私立大学合格しました。Y君から学業面で「同等程度以下」と思われていましたが、彼は初めからY君より成績は良く、そして努力甲斐あって志望校合格しました。Y君が、センター利用試験で抑えるつもりだったレベル大学です。

高校卒業式で、Y君は自宅浪人をするつもりだと話していました。図書館勉強している方が集中できるからだと本人は話していました。それを聴いて、受験勉強のやり方を根本から間違えているのだから予備校に通わなければY君は同じ失敗するだろうと、僕は思っていました。

僕も浪人が決まっており、同じ境遇の友人らと、どこの予備校に行くか、予備校が始まるまでどう過ごすか情報交換をしていました。しかし、僕は、彼と同じ予備校に通うのは自分精神衛生に悪いと思い、誘いませんでした。

僕は気心が知れた戦友二人と予備校生活を送りました。定期的に他の予備校に通っている元同級生とも食事に繰り出し、情報交換とリフレッシュをしていました。時には勉強会を開き、時には悪い遊びに繰り出し、予備校生活を満喫しました。僕はY君に対して意図的に声をかけませんでした。

Y君が亡くなった後、彼がどのような浪人生活一年目を送ったのか、聴いて回っても誰も知りませんでした。分かっているのは結果だけです。一年後の再戦にY君は敗れました。彼が受かったのは、日東駒専文系学部一つでした。浪人してそんな大学行けないと、二浪することを決めたそうです。Y君と伴に最後までテニス部にいた普通クラス出身者が、予備校生活の後に地元国立大学教育学部合格したのも少なからず影響があったと思います

Y君の二浪目については、僅かながらに噂が流れていました。僕らが通った予備校とは別の大手予備校に通ったと聴いています。そしてそれはY君の両親の望みだったという話です。しかしそれ以上のことは誰も知りませんでした。

Y君は、限りなく記念受験に近いであろう第一志望の早稲田大学に落ちました。それでも、今度は明青立法レベル大学に手応えを感じていたそうです。高校時代担任教師の元には、今度は大丈夫そうだとメールが来たそうです。滑り止めに受けた日東駒専合格は決まっていました。

しかし受かった手応えを感じていた青山学院大学は、不合格だったそうです。その結果が判明した時、既に日東駒専手続き期日は過ぎていたそうです。二浪して予備校に通い、親に負担を掛けたくない気持ちが働いたのでしょう、Y君は日東駒専入学一時金を払わなかったそうです。

かくしてY君は三浪目が決まりました。その頃のことは、Y君の級友何人かが打ち明けられていました。「一浪二浪までは変換できるけど、三浪って、ケータイ変換できないんだね」Y君からある友人に宛てられた最後メールには、そう書かれていたそうです。

苦しさは後に喜びがあると知っているから耐えられるものです。喜びのために経験する苦しさと、苦しさの後にある喜びとは、価値が全く異なります。失敗の先に成功を掴んだ人間けが成功評価できますしか成功を掴めない人間には、そのような言葉は無力です。苦しさの中でも特に失敗は辛く、とても重ねていられるものではありません。

三浪目の夏、Y君は、予備校の友人と二人で海に行き、事故に遭ったことになっています。酷く天気の悪い日で、盆過ぎの海水浴場には彼らの他に誰もいなかったと伝え聴いています

同行したのが同じ予備校の友人であるのかは分かりません。しかしその新聞を調べてみると、天気予報では、県内は午前曇、午後から雨となっていました。海水浴に出かける天気ではありません。実際の天気を調べてみても、前日から曇り、実際に曇のち雨だったようです。

二人は遊泳禁止柵を超えて、外へ外へと泳いでいったそうです。友人はしばらくして怖くなり引き返し、Y君のことを警察通報したそうです。海上保安庁警察が捜索したものの、Y君が発見されたのはそれから二日後のことでした。

沖に流されて生還した人の体験談を、折りに触れ読んでみました。だんだんと手足の感覚が無くなって行き、全身が重く感じられ、乾きと苦しさと絶望のあまりに、自ら沈もうとしても身体は死を受け入れず、数時間に渡って浮かんでいると言います。その間、Y君は何を思ったのでしょう。

暗く塩辛海の底に引きずり込まれるまでの数時間、海に来たことを後悔するのでしょうか。自らの力の無さを恨むのでしょうか。早くから勉強しなかったことを悔やむのでしょうか。時代を恨むのでしょうか。日本社会を恨むのでしょうか。

人生の遠回りを許さな日本空気に、Y君は命を奪われました、一体誰が仇をとってくれるのでしょうか――僕はそう思うことで、Y君の死は、自分責任ではないと思い込もうとして来ました。そんな綺麗事では済みません。彼を死に追いやったのは僕らです。

彼の学業上の相談に乗らなかったのは、彼が気楽に、好きなことをしていたことに対する妬みです。彼が、僕の思う独善的な「努力」をしないことについて、快く思っていなかったからです。「努力」などと呼んでいいものではありません。自分の味わった苦しみを人も味わえばいいという意識は、酷い嫉妬心に過ぎません。

彼が学業面で悪循環に陥っていると知りながら、僕ら「成績上位者」を誤解していることと知りながら、僕らが手の内を明かさなかったのは不当な仕打ちです。Y君は、級友の受験勉強という、励まされる理由にも自信を持つ理由にもならないものを盲信していました。そして、僕らはそのことの具合の悪さに気づいていながら放置し、影で嘲笑っていました。僕らはY君の話を聞ける関係にあったのに、聞かずに見殺しにしました。

こうまで酷い仕打ちをして、どうして彼の死を受け止めて来られなかったのでしょう。

今なお、僕は「僕ら」でないと責任を背負えない弱い人間です。そんな僕にも毎年夏は訪れますしかし、今に自分一人、罪の念を免れたいがために記憶を上塗りし、忘れ去ってしまうことでしょう。あるいは、もうそれは始まっているのかも知れません。

実家にある、かつての僕の部屋からは、一車線しかない県道が望めます。Y君が三年間、高校に通うために歩いた道です。なんの変哲もなく、田んぼと林に囲まれ田舎風景です。僕が彼から奪ってしまったものの一つです。

今はまだ、入道雲青空に彩られたこ風景に罪の意識を覚えます

2020-08-09

GReeeeN「星影のエール」のMVがすっげぇ変な刺さり方したので考察した

NHK朝ドラエール」の主題歌「星影のエール」のMVが先日公開された。

曲も映像も素敵で、ストーリーも素晴らしいような気がして初見で泣いてしまった。Youtubeコメント欄でも泣いたファンは多かったようだ。

それで立て続けに何回も観たが、見れば見るほどストーリーは分かるようで分からなくて、考える余地がたくさんありひどくハマってしまった。ストーリー重視のMVはたくさんあるけど、こんな刺さり方をしたことはなかったので、妄想したことをひたすら書いていきたい。

星影のエールMV、まだ観ていない人は観てみて。

https://youtu.be/wqxs8k5OudU

まず私について簡単に。

しがない社会人。かつてはこういうコンテンツに興味があって勉強をしていたこともあったし、なんならそういう職に就いていたこともあった。

くじけてそうじゃない職に移ってしまい、いまはただの消費する側になってしまった落ち武者。仕事しんどいと思いながら虚無になる前にコンテンツを消費することで救われている多くのうちの一人。

少しだけ作る側の現場や状況を知っているので、そのことに思いを馳せて敬意とか羨望とかを織り交ぜながら楽しませていただいています

GReeeeNの明示的なファンではないけれど、めっちゃ有名な曲とかはスマホに入れてて、星影のエール朝ドラ主題歌なんだーと思って買ってた。

星影のエール作品世界考察しながら、MVリピートしまくっているところ。

〜〜〜〜

まずはMVの流れから確認

イントロ

回想シーンを使ったタイトル

宇宙航行する宇宙

〜1番〜

泣いてる赤ちゃんと見つめているロボット

歩く赤ちゃんと世話をするロボット

光る星と遠ざかる青い惑星

〜2番〜

青空の絵を見ながら訝しがる少女

ロボット喧嘩する少女

星空を見つめるロボット

Cメロ

浜辺。流星群を見つめる男女

宇宙船内。眠っている老婆

それを見つめるロボット。窓外に青い星

大サビ

畳み掛ける走馬灯のような映像

意を決するように胸のスイッチを押すロボット。激しい光があふれる

倒れるロボット

青い惑星に落下する大きな流星

地上。青空、眠っている赤ちゃん、微かに動くロボット

構成は「段階的に年老いていく女性」と「段階的に老朽化していくロボット」の変化が主軸。1番サビではロボット庇護される赤ちゃん笑顔、2番サビではロボット少女喧嘩対置されている。怒っている少女はこの作品の芝居の中では最も感情が発露されるアクション上のピークだが、その直後には宇宙船内から回想へ移る展開の落差が用意されている。流星郡や星空を含め無数の星が描かれている作中で「誰よりも私には輝く星」の箇所では、青年はそれらの一切は眼中になく少女を見つめているのが印象深い。そのあとは老婆とロボット宇宙船の行く末という作品の山場に雪崩れ込む。

文明レベルについて

宇宙船のデザインロボットデザインレトロフューチャーなのであまりカッチリ考えてもというところではあるが、楽しいしその後の考察の手がかりとして重要なので考えておきたい。

まり近未来か遠未来かという点だが、ロボット人格精神を転写したり、恒星宇宙船を建造できるくらいには未来、ということになると思う。

宇宙船は、メインの舞台になっている広間の「大窓」がイントロカットでも確認できるので、居住区を回転させて遠心力で擬似重力を得るタイプではなく、狭い範囲重力制御とかを実現しているのかもしれない。

また、ラスト事実上船員がいなくなった宇宙船をオートバイロットで着陸させられる程度に進んだ科学技術がある。

光速航行は実現していない、重力制御はできる遠未来、と考えたい。

ロボットについて

眉間の間に指を持ってくる謎の仕草をたびたびするが、これが回想に登場する青年と同じ癖であることが描かれる。このことからロボット青年は深い関わりがあると考えられ、「ロボット化した青年」もしくは「青年精神人格を引き継いだロボット」だと考えられる。この差はSF的には重要で繊細だけれど、これ以上判断材料提供されていない。ひとまず設定上の同一人物として扱っていいと思う。

青年ロボットになった理由はなんだろう?宇宙船は恒星航行ができるが、超光速ではない。生身の人間は保たない。だがそれでは「少女ロボットではない」理由にならない。

作中、そのボディは徐々に劣化していく。記号的にボロにしているといえばそれまでだけどあえて考えてみる。宇宙船内だけで活動している場合、こけて塗装がはげるくらいは起きるだろうが、大袈裟にへこむことは考えづらい。赤ちゃんの世話だけでなく、船外活動など宇宙船のハード的なメンテナンスも多いに請け負っていたものと考えられる。大型の飛来物は宇宙船を操作して避けるだろうが、小型の飛来物は当たってしまうのだ。天文学的確率で。(あたったらへこむどころでは済まないんですが、そこは主人公補整)

女性について

冒頭で産声を上げ、時にはロボット喧嘩をし、回想後にはカプセル内で眠っている老婆。これらは同一人物として見ていいと思う。その後、ロボットトリガーした謎の発光により、再び赤ん坊へと再生する。歳を重ねてから赤ん坊へ戻る仕組み(能力)の詳細は不明だが、トリガーロボットボタン女性が握った星型のアイテムにある。

回想の中で登場する女性と同一人物かどうかは分からない。ただ、別人と考えた場合、回想の男女のうち男性はその後ロボットになったのに女性が描かれない、ただ数秒登場する男性恋人ということになる。その二人の子供が冒頭の赤ちゃんだと考えてもいいが、それだと母親は乗っていないのか、乗っていないにしてもロボットだけで行けばいい(お子さんは連れて行かなくていいんじゃ?)という話にもなるので、そのすじは想像を膨らませすぎというか、素直に回想の女性宇宙船の女性と考えていいと思う。少女時代の姿もとても似ている。

星形のなにか

GReeeeNらしい緑色の星。作中たびたび光の強さが変わるが、冒頭は光っていない。赤ちゃんが嬉しそうに持ち上げている時にぼんやり光り、ロボット少女喧嘩した時には光が弱まった。回想には登場しない。終盤、ロボットが胸のスイッチを押すと激しく発光し、女性の体が薄く透けていく様子が確認できる。

このことから女性生命の様子に深く関係し、影響を与える(具体的には身体を若返らせる)。

また、ロボットと二人の関係に影響を受けることが分かる。若返り発動が「女性が星を握る」「ロボットスイッチを押す」という両者のアクションで発動した(女性ひとりのアクションで発動しない)ことからも、星は両者に関係して動くのだと考えられる。

感情に感応する・若返り効果を発揮するといった現象が、登場する二人だけに生じるのか、人類全般に対して生じるのかは不明だが、「互い照らすその意味」を司るアイテムだと考えたい。

若返り(転生)について

終盤、老婆になった女性が、ロボットスイッチを押した途端発生した光により赤ちゃんへと若返る。途中、老婆の手が透けてうっすら星が見えることからコナンくん的に身体が縮むというよりは、もっとファンタジックなものだと思う。なのでやっぱり、若返りというよりは転生という語が適当だと考える。

船員はこの女性ロボット二名で、ほかの船員は描かれない(最初はいたのかもしれないが、空間に余裕のある船ではなさそうだし、二人だけだと思う)。となると、出発時点で赤ちゃんだということは考えづらいので、MV開始時は「旅路の途中で、女性が老婆から赤ちゃんへ転生したあと」ではないか

なので、MVクライマックスで描かれる発光と転生はMV開始時点で最低一回は行われていることが分かる。そうなると問題になるのは回数だ。何度もできるならロボット最後に「意を決するように」押す必要もなく、気軽に押せる。おそらく回数制限があるし、多分MVラストのそれが文字通り最後だったのだと考えられる。

冒頭、転生直後のためか星は光っていなかった。ラストでは淡く光っており、ロボットすら転生する様子はまさしくキセキということだと思う。

流星群

回想シーンでは、夜空に流星群が飛来している。GReeeeNのキセキでも同様のモチーフ使用されていて、同MVYoutube登録されたのは2010年7月のようなので、ほぼちょうど10年ということになる(10年前でももう少しグラフィカルな合成はできたと思うのでMV制作の厳しい予算ことなんかを考えてしまった。このフルCGアニメは仕上がり通りの潤沢な予算で作られていてほしいと流れ星に祈るなどした)。

流星群と言っても放射点がない?ので、この呼び方適当かはわからない。

流れ星には「良いことの前兆」「悪いことの前兆」両方の伝承があるようだが、今回はどちらだろうか。流星の色、宇宙船内の星形のアイテムの色をみると、両者に関係があると考える方が自然で、もっというと両者は同一物だと思う。

悪い物を持ち込んで旅をするのは苦しいし、実際転生のアイテムでもあるので、ここは吉報の方の流星だと考える。カタストロフ前兆を描いたものではない。

そんな特殊ものが降っていると考えると、自然現象としての流星ではなく、人為的な何か(人工物は降っている、または軌道上にあった人工物が飛び散って降下している)ではないかという妄想も膨らむ。

旅の理由旅路

そろそろまとめていきたい。

流星が飛来し、それに祈る女性とその女性にみとれる男性がおり、二人は姿を変えてすごく長い宇宙の旅に出かけた。その理由はなんだろうか。

彼女は、流星として降ってきた何かの作用を受けて、若返ることができる。ロボットはできない。では男性は、同じことができただろうか?

20xx年、宇宙から飛来したものに、一部の人類の身体を転生させる効果があることがわかった。

そして、なんらかの理由でそれを多量に行使する必要が出てきた。収穫するために、宇宙を渡る旅に出なければならない。

なんらかの理由とは、やはり人類が滅びるようななにかではないかと思う。その着想はYoutube考察コメントで見かけたものだが、細かい理由MV内に描かれていないしなんでもいいのだけど、このご時世、どうしても強大な病原体による感染症を考えてしまう。

そして男性は、その牙から逃れられなかった。

人類が滅びに向かう中、かつて流星群で飛来した物体特殊作用があることが分かる。それは使用回数に制限のある消費物で、できればたくさん欲しい。

一方で転生に耐えられるのは人類の全員ではなかったのだと思う。なので、適性が見られた彼女が、星を摘みに行くミッションを担うことになった。

男性は病魔に屈する(または、転生の適性がなかったのでやばいことになった、という想像もできる)が、ロボットとして彼女サポートし続けることを選ぶ。

SF恒星航行といえば冷凍睡眠だが、設備が大きく収穫物を積むスペースはできるだけ確保しなければならない。冷凍睡眠設備は搭載されなかった。その意味でも、転生可能人材はこのミッションに適切だったし、それをサポートできる誰かが必要だった。

一人と一機は地球のために旅立った。

どれくらいの旅路だろう?

「昔々から ほら 1000年もその前も」


回想で高らかに歌われる歌詞普通に考えて2020年現在からみて星座を眺めた数千年前(ギリシャ時代とか)を指した歌詞に違いないが、ここは妄想の翼を広げたい。この歌詞流れる瞬間が千年前の出来事作品が描いている時間と、回想とで、1000年程度の開きがあるという妄想だ。

片道500年以上の旅だ。光速の何パーセントの速度が出るのかはわからないが、計画の時点でわかっていた数字だと思うと絶望が深い。

宇宙船建造時点でも、現代より進んだ科学で人の寿命は伸びていると思う。それでも何度となく転生が必要だ。

MV内で描かれた赤ちゃん少女、老婆は、それぞれが通しではなく、転生した時々の一コマコマであると考えたい。転生する度にロボット喧嘩をしたかもしれないが、孤独な旅に耐えるために、おそらく女性感情抑制する精神改造か何かが必須だっただろう。喧嘩なんて起きない、そんな中での感情の発露。あの衝突は、数ある転生の中でもほとんど起こらなかった、非常に珍しく尊いといえるような出来事だったのではないか

窓の外の星はどうだろう。冒頭、大窓の外には青い星が見え、子供が歩き出すころには遠ざかっている。

出発地・地球から遠ざかっている、と見ることもできる。

ただ、最低一度は転生を実行し、新たに産声を上げたにしては、地球が近い気がする。また、赤ちゃんの一人歩きは1歳三ヶ月で80%とのことだが(ググった)、それだけの期間が経過したなら、青い星はもっと遠ざかっていてもいいのではないか。冒頭に環のある惑星が写っているが、土星軌道から見た地球であれば遥かに小さいはずだ。

ふたつめの理由については、推進剤を節約するためにスイングバイしていたと考えることができる。

ひとつめの理由については、「出発時点=赤ちゃん」はSF的な筋立てを思い浮かばないのでここでは支持しないのだが、そうするとMVが描いているのは「行き>回想>帰り(到着)」ということになり、作品としての納まりはなんとなくいい。そうでない場合、あの星は地球ではなく目的地の星だと設定できる。MVは「帰り>回想>到着」という流れで、こちらは描かれているものの背景の勘ぐりとしては納まりがいい(と思っている)。冒頭の環のある惑星も、目的近傍土星ではない巨大ガス惑星だと考えると辻褄が合う。

最後の転生は、女性が自ら動けなくなるほど老いから行われた。転生の回数券がいよいよ最後だと判明し、可能な限り老いから実行することになったのだろう。目的の星での収穫物を使えればいいのだが、察するになにか使えない理由があったのだろう。

「時に私の後ろに光る星」

老婆とカプセル、その向こうにうっすら見える地球

それまで暗い星空で埋め尽くされていた大窓には、いま青い星が大きく見渡せる!

安堵もある、悲しさもある複雑な美しさに目眩がする。

地上300〜400km程度の低軌道で、降下は始まっていただろう。時間がない。最後の転生の光に包まれながら、宇宙船を地上へ降りていく。

二人を迎えてくれるのは、二人を、あるいはほかの多くの収穫者たちを打ち出したかもしれないマスドライバー発射台人類の残り時間が少ない中、限られたリソースで建造されたそれは、いまは朽ちて鉄骨を晒している。(そうではない頃に作られた灯台は、長らく無人状態でもメンテナンス機構が行き届いているようだ)

地上に着いてすやすやと眠る赤ちゃんだが、誰一人迎えには来ない。滅びかけの人類は、おそらく地上設備では可能だった冷凍睡眠を実行し、ミッション成功とともに目覚めるのだろう。

青空の絵について

女性ロボット喧嘩する前、空の絵を見ていた。その次のカットでは引きの絵になるが、反対のページにはほとんどなにも描かれていない。おそらく商業的な画集などではなさそうだが、船内スペースが貴重な中で持ち込まれものなので、とても大事な、プライベートな冊子だと思われる。

絵には青空・雲・海・浜辺に立つ女性、が描かれている。

明日はきっといい天気/青き春もまた そうであれ」

白紙物語に/何を描くのか/誰と描くのか」

青き春の時代に、白紙状態から、誰と物語を描いていくのか、考えながら描かれた絵。回想に登場する二人にまつわる品、もっというと青年にとっての「輝く星」である女性を描いたものだろう。流星群を見る前の昼間か、「夜明け前の空」を見たあとの絵だ。そう考えると、右ページに見えるスケッチが回想に出てくる帽子に見えてくる。

そんな思い出の絵なのに、少女は空のみに注目して、暗い星空と見比べる。

ロボットの手を払いのけて、少女は怒りながらなんと言っただろうか。たとえば「こんな空を一体いつになったら見られるのか」。

ロボットは困った仕草で答えない。

自分が描かれていることには気づかない……転生しても、記憶は引き継がれないのだ。いま怒っている彼女は、だから青空は見られない。

答えられるわけがない。

ロボット献身ふたりの悲哀に残酷ささえ感じるが、それでも困難を乗り越えて互いに照らし続けた二人が、数百年の航海を終えてのちには青空の下で安らかに眠っている。

〜〜〜〜

だいぶ書きたいことは書けた気がする。

ここで明示しておきたいのだが、「公式はこう考えて制作したに違いない!」と当てようとしているわけではない。むしろ、私はここでこう考えたが、全く違う考えで作られていたのならその方が面白い。そうあって欲しい。

残念ながら、設定を徹底的に練りきった上で作られた作品なんて、それこそ恒星航行デブリにぶつけられるくらいの低確率で、どんな作品も多かれ少なかれ作りながら決めた・変えたことが無数にあり、特に理由もなく決めたことも無数にある、ということを私は想像してしまう癖がついている(そういうナイーブさはないけど「考えてなかったけど結果的に筋が通って見える」みたいになってる箇所には、謎のかっこよさを感じたりする。このMVにもそういう箇所があったら楽しいなと思う)。このMV制作間中には緊急事態宣言とか自粛とか、ままならないことがあったと思うし、その意味でも、隅々に渡って「ここはこういう考えで作られたに違いない」という考察態度でいることは難しい。

いや、そのあたりはなんでもいいけど、とにかく妄想捗る作品出会えて嬉しいってことです。

ありがとうGReeeeN

ありがとう映像制作スタッフの人たち。

監督の森江康太さんは、ヨルシカAmazarashiMVもやってるひとっぽい。探したら観たことあった。

顔を出してない歌い手MVをよく手がけているのかもしれない。

同じく8/7に公開が始まったドラえもんポスターにも名前が載ってる。

誰にいうでもなく自前の発表の場があるでもないので、初めて匿名ダイアリー使ってみた。

誤字とか見つけたら直します。

(「地球を滅ぼすようななにか」の所ですが、SFに興味がある方は「天冥の標」(小川一水)を読んで思い浮かべるといいと思います

2020-08-05

私はこの就活が終わったら死ぬ

この就活が終わったら死のうと思う。

 私は一地方都市のしがない大学生である私立四年生大学の最高学年であり、連日就職活動に振り回されている。それでもって例の如く就活病み精神的に追い詰められている。これから書くのは端的に言えば弱音であり、備忘録である。たぶん。

 私が死を意識しはじめた時期は小学生くらいだった。きっかけは保育園からの友人と疎遠になったことのように思う。その子と私はもともとタイプが違っていて、成長するにつれてお互い世界が広がって話さなくなる、というある意味典型的パターンだった。 

 ただ、問題だったのは当時の私にはその子達以外に友人がいなかったことだった。その子達は新しい友人を作っていたが、私は新しい友人を作ることが出来なかった。一度でも学生生活経験した人ならわかると思うが、学校という閉鎖社会生活するにはどこかのグループ所属する必要がある。私は友人を失ったことで学校での居場所も失ったのだ。それに加えて元友人は私にとって憧れの存在だった。私はその子のことがまだ好きだったのだ。今なら離れた理由もわかるが、当時はどうして元の友人と疎遠になったのかもわからず、何が悪かったのか折に触れては考えていた。

 なんとなく暗い気持ちで日々を過ごしていたときTVバンジージャンプ映像を見た。芸人タレントか覚えていないが、紐をつけて飛び降り映像を見て「あ、いいな」と思ったのだ。空の中に落ちていくのは、最後に晴れ渡るような青空を視界に焼き付けるのは気持ちがいいだろうな、と。

 恐らく当時の私は友人と疎遠なったことで学校生活不安を持っていた。そこで至った結論が、生きることをやめること、だったのだと思う。だからバンジージャンプをいいなと思ったのだ。もう学校に行かなくて済むから

 これがとんでもない勘違いであることは充分理解している。死ぬことはそんなにいいものじゃない。落ちてる瞬間はきっと凄く怖いし、空なんか見てる余裕もないし、落ちたときなんか死ぬほど痛い。死ぬんだから当然だ。それにそこで死ねればいいが、うっかり生還なんてしたらたまらない。障害を抱えて生きるか、自殺を失敗した人間というレッテルを掲げて生きるか、どっちにしても地獄である

 でも、当時の私には酷く魅力的だった。ここで死ね明日学校に行かなくていい、嫌な発表もしなくていい、最後に綺麗なモノを見て終われる。正直、疎遠になった友人への腹いせのような気持ちもあった。自殺すれば、友人も少しくらい私のことを気にかけてくれるかもしれないという思いもあった。

 小学校に通っている間、何度か四階の音楽室の窓から身を乗り出して晴れ渡る青空コンクリート舗装された地面を見つめた。あんなに熱心に見つめていたのに私は実行には至らなかった。単純に勇気がないから。私には死ぬ勇気がないから。結局私は「死に憧れる自分」に酔っているだけで死ぬ覚悟もなかったのである。そういうところが本当に情けなくて中途半端人間だなと思う。

 だらだらの長く書いたがここまでは前置きであるあくまでここからが本題。だと思う。

 なんとか小中高を抜け、大学にも進学できた。特に留年することもなくなんとか四年生になったが、そこで私は就活という大きな壁にぶち当たっている。

 就活で何が死にたいっておおよそ内定が貰えそうにないことである。今現在エントリーシートを提出した企業が5社でそのうち面接まで行ったのが2社、うち一つは面接遅刻した。まじで馬鹿だと思う。当然、不採用の通知が来た。あと残り5社ほどエントリーシートを提出するつもりだが正直内定が出るとは思えない。となると来年就職浪人非正規雇用の道しかない。

 私は今まで「普通」の人生を目指してきた。高校に行って、大学に行って、正社員になる。ごく一般的な「普通」を目指して懸命に生きてきた。なぜ普通を目指すかというと楽だからだ。これも部活動所属していた理論と近い。「普通」に生きるれば他者に埋没することができる。無駄な注目を浴びなくて済むし、他の人がしないことに労力を割かなくて済む。「普通」というより私は「マジョリティ」に所属したいのだ。常に多数派でありたい。多数派であることはいいことだと私は思う。例えば、何か不幸なことがあっても他の人も体験していれば、よくあることだと納得することができる。困ったことがあっても先人の意見を参考にすることができる。なにより多数決で勝てる。特に多数派であるという安心感は何者にも変えがたい。

 内定が貰えなかったら、新卒就職できなかったら、私の思い描いている「普通とはいえない。普通でないなら死ぬしかない。

 突き詰めれば私は明日の不幸が怖いのだ。小学校とき明日学校行きたくないと思ったのと同じように、明日明後日自分生活が続くことが怖い。

 これを言うと多くの人が人生は年々楽しくなるとか、いいことも沢山あるんだよとか言うのだが、そう言うことではない。楽しいことがあっても悲しい事は帳消しにならない。別々に積もっていくだけ。それに本当に悲しいことや辛いことがあったときに私を生かした人は責任とってくれない。自分の生に責任を取れるのは自分だけである

 本当は漫然と生きることが不安で、その不安が今回の就職活動きっかけに大きく燃え上がっている。だから私にとって自殺とはこの不安を解消するための手段なんだと思う。

 ネットの海を眺めていると私だけではなく、みんな本当は漫然と生きることに対する不安を抱えているような気がする。本当はみんな理想自殺の種類があるんじゃないのか。みんなそうだって言って欲しい。私は「普通だって言って欲しい。

 一方で安易理解は欲しくない、こんなに苦しいのに誰かに判られてたまるかって気持ちもある。みんなが打ち勝っている不安に私だけ負けている事実が怖くもある。

 私のこの漫然とした不安鬱病とかなにか名前の付くものでは恐らくない。だから病院に行って薬を貰うことは出来ないし、病院先生に話を聞いてもらったところで将来なんてみんな不安ものですよ、とかなんとか宥められて帰されるだけだろう。

 私は卒業後は就職するつもりだった。それ以外の選択肢は何も考えていない。就職出来なかった場合については何も考えたくない。

 小学生自分死ぬことに憧れているだけだったが、今の私はきちんと実行できるだろうか。死ぬことを考えるのは正直に言えば怖い。もしかしたら、まだ私は死にたくないのかもしれない。でも死ぬしかない。明日の私を苦しませないために今死ぬしかないんだ。あそこで死んでおけば、と後悔するのだけは絶対に嫌だ。それなら今きっぱり死なないといけない。もうこれ以上苦しまなくていいように、つらい思いをしないように。

 だから私はこの就活が終わったら死ぬ

2020-08-01

タイトルが「君」から始まるアニソン、毎年1曲はある説

anond:20200801034304を見て思いついたが、結論から言うとそうでもなかった。

2020

君といるなら(number24)

君と重ねたモノローグ(ドラえもん のび太の新恐竜) *公開前

君は天然色(かくしごと)

君はヘレネス(別冊オリンピア・キュクロス)

2019

君に届くまで(MIX)

君に伝えたストーリー(MIX)

君のEntrance(アイカツオンパレード!)

君のとなり わたし場所(同居人はひざ、時々、頭のうえ。)

君を許すように(蒼穹のファフナー THE BEYOND)

2018

君 君 君(銀の墓守りII)

君にふれて(やがて君になる)

君のステージへ(若おかみは小学生!)

君のせい(青春ブタ野郎バニーガール先輩の夢を見ない)

君は友達 一番の恋 〜way to love you〜(フルメタル・パニック! ディレクターズカット3rd SECTION “イントゥ・ザ・ブルー”)

2017

君色スマイル(Room Mate)

君、ヒトヒラ(宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第三章「純愛篇」)

君を呼ぶ場所(映画 プリキュアドリームスターズ!)

2016

君色に染まる(魔法少女なんてもういいですから。セカンドシーズン) *カバー

君といた空(蒼の彼方のフォーリズム)

君とボクの1日(ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかOVA)

君に捧げる鎮魂歌(初恋モンスター)

2015

君色シグナル(冴えない彼女の育てかた)

君はソレイユ(ストライク・ザ・ブラッドOVA)

君への嘘(名探偵コナン)

2014

君じゃなきゃダメみたい(月刊少女野崎くん)

君と彼と僕と彼女と(FAIRY TAIL)

君の待つ世界(まじっく快斗1412)

君へ贈る魔法(サンタカンパニー)

2013

君色ラブソング(マジカル☆スター かのん100%)

君が笑む夕暮れ(東京レイヴンズ)

君とのなくしもの(リトルバスターズ!Refrain〜)

君と二人(断裁分離のクライムエッジ)

君のいる町(君のいる町)

君の引力(恋旅True Tours Nanto 晴喜と葵編)

君の笑顔がなによりも好きだった(名探偵コナン)

君の銀の庭(劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語)

2012

君が夢を連れてきた(さくら荘のペットな彼女)

君だけを(緋色の欠片 第二章)

君と僕挽歌(君と僕。2)

君にまつわるミステリー(氷菓)

君の神話アクエリオン第二章(アクエリオンEVOL)

君の涙にこんなに恋してる(名探偵コナン)

君は(妖狐×僕SS)

君は友達(僕は友達が少ない あどおんでぃすく)

君へ(中二病でも恋がしたい!Lite)

2011

君+謎+私でJUMP!!(バカとテストと召喚獣にっ!)

君にご奉仕(まよチキ!)

君に届け…(君に届け 2ND SEASON)

君ノカケラ(夏目友人帳 参)

君の中の英雄(機動戦士ガンダムAGE)

君の僕へのかくしごと(みのりスクランブル!)

君の真剣をちょうだい(真剣で私に恋しなさい!!)

君を知ること(侵略!?イカ娘)

君を守りたい(フリージング)

2010

君がいるから(FAIRY TAIL)

君がいる場所(世紀末オカルト学院)

君が主役さっ!(極上!!めちゃモテ委員長 セカンドコレクション)

君といる時間の中で(おまえうまそうだな) *2004年発表

君と太陽が死んだ日(学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD)

君の歌(COBRA THE ANIMATION)

君ノ記憶(薄桜鬼)

君の胸にLaLaLa(ポケットモンスター ダイヤモンド&パール)

2009

君がいない未来(犬夜叉 完結編)

君がまってる(バトルスピリッツ 少年激覇ダン)

君が微笑うなら(COBRA THE ANIMATION)

君に、胸キュン。(まりあ†ほりっく) *カバー

君の知らない物語(化物語)

君は太陽(ホッタラケの島 〜遥と魔法の鏡〜)

君へとつなぐココロ(かなめも)

君を守って 君を愛して(BLEACH)

2008

君が残したもの(ToHeart2ad)

君=花(純情ロマンチカ)

君へと続く道(ポルフィの長い旅)

2007

君がいる限り(キスダム)

君が光に変えて行く(空の境界 殺人考察(前))

2006

君がいるから(史上最強の弟子ケンイチ)

君だけを…(僕等がいた)

君との未来図(タマ&フレンズ 探せ!魔法のプニプニストーン)

君のそばで 〜ヒカリテーマ〜(ポケットモンスター ダイヤモンド&パール)

2005

君色100%(いちご100%)

君が待っているから(機動戦士Zガンダム A New Translation -星を継ぐ者-)

君という名の光(CLUSTER EDGE)

君に届くまで…(陰陽大戦記)

君にジュースを買ってあげる♥(ケロロ軍曹)

君の愛に包まれて痛い(格闘美神 武龍)

君の思い描いた夢 集メル HEAVEN(メルヘヴン)

君のこと(涼風)

君は僕に似ている(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)

2004

君色パレット(Φなる・あぷろーち)

君が空だった(舞-HiME)

君となら(陰陽大戦記)

君にこの声が 届きますように(金色のガッシュベル!!)

君を飾る花を咲かそう(モンキーターン)

君を見ている(ジパング)

2003

君という光(名探偵コナン)

君といた地球(FIRESTORM)

君と同じ青空(聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編)

君と約束した優しいあの場所まで(名探偵コナン)

君に吹く風(フルメタル・パニック? ふもっふ)

2002

君がいた物語(.hack//Liminality)

君と生きていく(シスター・プリンセス Re Pure)

君よ 強くなれ(冒険者)

2001

君との未来(Dr.リンにきいてみて!)

君にスマイル(コメットさん☆)

君のぶぶチャチャ(だいすき!ぶぶチャチャ)

君のままで(こみっくパーティー)

2000

君さえいれば(ラブひな)

1999

君と僕(こちら葛飾区亀有公園前派出所)

君は魔術士?(魔術士オーフェン)

1998

君がいて僕がいて爆外伝(Bビーダマン爆外伝)

君がいるから…(金田一少年の事件簿)

君さえいれば(中華一番!)

君に触れるだけで(るろうに剣心)

君、微笑んだ夜(快傑蒸気探偵団)

1997

君がいない夏(名探偵コナン)

1996

(見つからず)

1995

君のハート狙いうち(アイドルプロジェクト)

1994

君色思い(赤ずきんチャチャ)

君の中の永遠(機動武闘伝Gガンダム)

君らしく(ピンクパンサー)

1993

君が好きだと叫びたい(スラムダンク)

君は君だよ(姫ちゃんのリボン)

君を好きでよかった(ここはグリーン・ウッド)

1992

君に逢えたから(フランダースの犬 ぼくのパトラッシュ)

1991

君にまた逢う日(冒険!イクサー3)

1990

君に止まらない 〜MY GIRL,MY LOVE〜(魔神英雄伝ワタル2)

1989

君の夢のために(名門!第三野球部)

1988

君がいるから(ドラえもん のび太パラレル西遊記)

1987

君が通り過ぎたあとに -Don't Pass Me By-(タッチ3 君が通り過ぎたあとに)

君の手をとり(チロヌップのきつね)

君のフリーダム(げらげらブース物語)

君はトランスフォーマー(トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ)

1986

君は流れ星(がんばれ!キッカーズ)

君をとばした午後(タッチ)

君をのせて(天空の城ラピュタ)

1985

君がいなければ(タッチ)

1984

君にWoo...!(よろしくメカドック)

1983

君に贈るララバイ(特装機兵ドルバック)

君は何かができる(キャプテン) *2005年版、2006年版でも使用

1982

(見つからず)

1981

君は走れ 君は歌え(どんべえ物語)

1980以前

(見つからず)

2020-07-28

増田写真貼りてえ

春に撮った桜の写真とか共有してえよ

Imgurとか使えばいいのかもだけど、めんどくさい

し、裏技でハックしてるみたいで気が引ける 

まあでも写真OKにするとただでさえ無法地帯なのがさらにヒドイことになりそうではあるからなあ

ひとり一枚ならどうだろう?それならそんなに荒らせまい

白黒で味気ない増田タイムラインがさ、みんなの貼る写真青空とか花畑とかの写真でいろづくの 

ステキじゃありませんか?

2020-07-27

朝の海

朝の海一回も行ったことないのに妙に強固なイメージがある

太陽はまだ水平線の向こうにあるんだけど空は色づいていて、周りも薄暗いなりに問題なく見えるくらいの明るさ

波音以外の音はあまりなくて、でもときどき後ろの国道を車が通っていく音がするし、鳥の鳴き声も意識すると聞こえる 環境音と化してるから気づいてないけど虫も鳴いてるな けっこう音あるやんけ!

水平線は霞みがかっているようであまりハッキリしない 空は何色とも言い難いが、強いて言うなら橙と紫のグラデーション

雲もまあまあ出ている のっぺりしてるんで紫立ちたる雲の細くたなびきたる…ってほどいい感じでもないが、趣がないわけではない 

人はほとんどいない 遠くにカップル然とした2人組が歩いてたり、現地民っぽい犬の散歩をする爺さんが通っていったりする 全体的にお互いにかなりの距離をとっていて、鴨川バカかい場合の等間隔はこんな感じなのかもしれないとなんとなく思う

堤防の先に行ったりしてるうちにだんだん太陽が昇ってきて、いよいよ日の出が見える! と思いきや肝心のタイミングで雲がかかってよくわからない 雲の流れは遅いし、けっこうデカい塊がかかってしまたから待つしかない ボンヤリする

雲が晴れるころには太陽はわりと顔を出している 眩しい 太陽の周りというか、空の水平線に沿った部分は黄色くて、もうちょっと上の辺に行くとわりと青空と言ってもいい感じの色になってくる 

 

そういうイメージがあります 行きてえな朝の海

朝の海に行って何をするか?

モチロン増田をする 波音を聞きながらさ、早朝ののんびりした増田を見るんだよ サイコーに違いない

2020-07-19

もう一度君の顔が見たい

7月18日、曇りときどき雨、突然入った訃報ニュース

同い年の人気俳優、いつも笑顔の絶えない彼が自殺した。死因は首吊りらしい。

とにかくショックだった。ショックだったからここに吐き出させてくれ。

笑顔の素敵な彼だった。はにかんだ笑顔はいつもキラキラ輝いていた。

出てた番組を全て見ていた訳でもない。それでも顔を見れば名前はわかる、同い年でもあって勝手に親近感を持っていた。

9月からドラマ、楽しみにしていたよ。

なんで死んでしまったんだい。もう死役所は通過したのかな。

ニュースに気づいた時は実感がなかったけれど、音楽の日を見ながら、流れてくる歌がだんだん彼のことに思えてきてモヤモヤした気持ちじわじわ浸食しはじめた。どんな気持ちで死を決めたんだろう、どんな気持ちで紐を握ったのだろう、どんな気持ち首にかけたんだろう、その手を止めることはできなかったのかい

娘を寝かしつけて静まり返った部屋でテレビをつけるとNEWSの生きろ!が流れるところだった。中居くんが3人になったNEWSに優しく声をかけるシーンが印象的だった。

生きろ

生きろ、生きていてくれ、生きていてほしい

毎週木曜日笑顔を見せていてくれただろう、もう見れないなんて、新しい表情がみれないなんて

番組が終わって1人部屋でTwitterをいじる。

横にスワイプすると彼のキリッとした表情と悲しい文面。もう君はこの世界はいないんだね

辛くなって布団に入るけれどなかなか寝付けない。遠くで車が大音量で走っていく音が聞こえた。

そのとき、初めて、引きずられる、と思った。何か大きな磁石みたいな力が車の走った方向へ心を引っ張ろうとしていた。

今外にでたらたぶん危ない。隣で眠る娘の手をギュッと握った

君は。こうやって誰かの手を握って安心して眠ることもできなかったのかな。

見つかったのは13時、行動したのが夜なのか朝なのかはわからない。見つかったときかに心音が動いていたとワイドショーで言っていた。ということは朝方なのかな、目覚めてから行動したのかな、もう一晩待ってくれたら、今日は、7月18日は久々の晴れだよ。綺麗な青空が見えるよ。

朝起きてテレビをつけると、昨日の出来事を放送していた。やっぱり現実みたい。映画番宣だったらいいのにというツイートをみた。詐欺だよ、騙されたね、って。そう言いながらテレビに出てきてほしい。

外に出て娘と散歩した。いつも通り人が行き交う道。笑い声、笑顔。久々の快晴からか楽しそうに見える。道もキラキラしてみえる。娘の顔もキラキラしている。

もうこの空の下を歩くことがないんだね。テレビにも出ないんだね。雑誌にも出ないんだね。さみしいよ。

天国はどうだい、向こうでも歌を歌っているのかい演劇をしているのかい、そちらの天気は晴れですか。

何人もの芸能人訃報を耳にしてきたけれど、ここまでショックだったのは君が初めてだ。こんなにも君のことを考えるのも初めてだ。こんなにも君の存在が大きかったなんて。

朝のワイドショーで元アナウンサーが、

死にたいではなく生きたくない、と言っていた。

生きたくない。生きるのが辛い。

死にたいわけじゃない。ただ、生きていたくない

そう思ってしまったのだろうか、生きていたくない。でも、私はあなたに生きていて欲しかった。

しばらく天国で新しい生活を楽しんでください。そしてもし、また、この世に戻ってきたいと思ったのなら、また来てください。また歌とダンスをみせてください

三浦春馬さんのご冥福をお祈りいたしま

2020-07-16

沖縄旅行してきた(最後の方にGoToの話)

 京都が雨続きでうんざりしていたところ、天気予報を見ると沖縄だけ晴れているので、7/11-13に旅行することにした。

 多少コロナが増えてきたとはいえ一日十人程度の京都しか京都市ではなく田舎の、未だ感染ゼロ自治体住民なので、行くことに躊躇はない。

 これで「誰かに移したらどうするんだ!」なんて言う奴は、何でお前は死なないのと言いたい。お前が生きて活動してる限り、誰かにコロナを移す可能性はゼロじゃないんだからさ。

 もちろん手洗いとマスクは徹底するが、熱中症もあるので屋外ではマスクは外す方針とした。一人旅なのでどのみち喋ることはほとんどない。

 関空からLCCで2時間那覇に到着。

 驚いたのが国際通りガラガラだったこと。

 土曜の昼なのにほとんど人が歩いてない。牧志駅から向かったので、県庁側は違ったかもしれないが、それにしても大きな土産物屋に客はゼロ店員が暇そうに立っている。

 やはりどの県も観光業やばい状況である……誰かが行かないと。

 とはいえ着いたばかりで荷物は増やせないので、申し訳ないが通り過ぎて壺屋焼物博物館へ。

 こちらも来館者は他には二人くらい。見る分には見やすいのだが、どうしても心配になる。

 隣の陶芸センターも客ゼロで、二千円の酒器を買って『やちむん通り』に向かうが、やはり人影はほとんどなし。

 国際通りに戻ってレストランへ入るも客は自分だけで、一人で山羊刺しなどを食べる。

 ゆいレールの延伸部分を乗ってからバスうるま市へ。

 途中で金網に囲まれ米軍基地が見える。

 よりによってこの前日、基地の中で感染者が数十人見つかったとのこと。

 まあ米軍関係者接触するとも思えないので、気にせず続行。

 途中で普天間宮の洞窟を見せてもらった後、海中道路を通って、浜比嘉島ホテル投宿した。

 翌日は今回の主目的である勝連城へ。客はちらほら。

 登るのは辛いが青空石垣が映え、天守からの海の眺めも最高である今帰仁中城訪問済みなので、残る世界遺産は座喜味城のみだ。

 向かいの休憩所で土産を買ってからバスを待ったが、四十分ほどの間に購入者自分だけだった。

 バスで戻って海中道路のあやはし館へ。こちらの客は結構いた。

 沖縄そばやブルーシールアイスもずくグルクン天ぷらを食べる。

 二階が海の資料館になっており、コロナ対策に連絡先を書く方式だった。前の人が書くのが遅くて待たされたし、個人情報を書かされるのは少々不安大阪の追跡システムが広まればいいのに。

 ホテルに戻って近くの小さなビーチへ。

 ここも日曜なのに泳いでるのは数人で、海の家は採算取れてるのか心配になる。

 一人海水浴は手間がかかる割にあまりやることはなく、ナマコが多い海底を見てから10分ほどで上がってかき氷を食べる。

 この日は途中でマスクを紛失してしまい、離島ではドラッグストアもなく、ハンカチを巻いて代用する羽目に。

 予備を一枚持って行くべきだった。

 最終日は琉球開闢神話聖地であるシルミチューへ。

 バスが一日四本しかないので、行きだけ使う。

 海中道路から離島側は『うるま市有償バス』というマイクロバスだが、いつも結構乗客がいて、マスクをしてないおじさんもいたけどまあ喋ってなかったか大丈夫だろう。入口に消毒液があるのは嬉しかった。

 バスを降りて、コロナで封鎖されたビーチを横目にシルミチューに向かう。

 帰路の二人とすれ違っただけで、他に人影はなし。さすがに霊場となると人がいない方がありがたい。

 鍵のかかった洞窟の前で、柵越しに雰囲気ある聖地を思う存分拝んだ。

 意外だったのが中にあった大正時代の石碑に、日章旗が二つ描かれていたこと。別に撤去したりはしないんだな。そりゃそうか。

 三十分歩いてホテルに戻る。汗が噴き出す暑さ。

 「気温だけなら真夏京都の方が高いし大したこといかも?」とか思ってたがそんなわけはなかった。

 しかし車のめったに通らない島の道路を、さとうきび畑を眺めながら歩いていくのは趣があるな。

 ホテルを発って那覇へ戻り、途中でマスク調達する。

 最後に行くのは首里城。12年ぶりだが、まさかあんなことになるとは。

 以前にはなかったインフォーメーションセンターができていたが、こちらも寂しい状態

 平日とはいえカフェに客はなし。

 守礼門で視界に入るのが数人、城内では係員しか見えないことも。

 コロナのせいと火事のせいと両方あるのだろうけど、沖縄最大の観光名所でこれは心が痛い。

 有料エリアでは再建工事中で、壁の向こうでクレーン車が働いている。

 焼け残った龍柱や、燃えて髭だけ判別できる龍の飾り、遺構などを見学した。悲惨事件だったが、今しか見られないものからね。

 前は入れなかった東のアザナの展望台では、狭いのもあってさすがに多少の客が滞留していたので早めに退散。

 再建の募金をした後、土産物屋でお釣り二千円札をもらった。

 珍しかったが、本州で使える自信がないので、駅で切符を買って千円札に替える。

 空港職場へのお土産を買って伊丹に戻った。うちの職場旅行を叩くような陰湿な人はいいからね。

 帰宅途中にニュースを見たら、米軍感染うるま市の肝高公園無許可BBQしてたからって。

 よりによってうるま市かよ! まあ米兵には会わなかったし……。

 帰った後は世間GoToキャンペーンで騒がしくなっていた。

 俺はキャンペーン関係なく行くのでどっちでもいいのだが、観光地の閑散ぶりが本当にやばいので、多少の感染増は覚悟して決行するしかないのではと思ってしまう。幸い重症者は少ないようだし。

 大阪知事は「まず近場で」と言ったようで、それも分かるけど近場は五月六月にもう行ってるんだよな。

 嵐山金閣銀閣龍安寺三千院平等院東大寺通天閣ガラガラだった。

 コスモタワーコロナ関係なくいつもガラガラだが。

 唯一人が多かったのは、紫陽花が見頃の三室戸寺だけ。

 やはり地元人間は、「いつでも行ける」観光地にはなかなか行かないのだな。

 京都の人は京の名所には行かないって、前々から言われてるしね。

 宿泊土産を考えても、やはり遠くから人を呼ばないとどうにもならんのじゃないかなあ。

 もちろん自分が周る分には人は少ない方がいいし、五月末の誰もいない祇王寺の、青紅葉と苔が溶け合う風景には感動した。

 でもその時は、こんな京都は今だけだな!と思ってたんだ。

 あれから一ヶ月半後に、まだ回復しないどころかさらに悪くなりそうとは予想しなかった。

 一人旅では焼け石に水だろうけど、もっと観光地に金を落としに行かねば。

 無論むつ市みたいに来るなと言ってるところは行かないなら、来て欲しくない人は首長に働きかけてくれな。

下半身露出してベランダタバコ吸うと気持ちいい

タバコ青空の下で吸ってこそ。汚い狭い喫煙所なんてもってのほかと考える小生ですが、先日知人の家のベランダタバコを吸ったらふと下半身露出できることに気がつき冒頭の知見を得た次第です。ベランダ構造を逆手にとったライフハック。狭苦しい喫煙所に押し込まれ日々肩身の狭い思いをしている愛煙家諸兄殿におかれては梅雨空に差す一筋の陽光となりますことを期待します。

2020-07-10

ノースピン・ファストボール

よく晴れた7月下旬の午前11時、駅に向かう途中のただっ広い公園

早朝の冷たい空気が強い日差しに当てられて暖まりゆっくりと上昇しながら刈られた芝生の上を移動していく。

4歳の息子は、木陰からさな石を拾っては、ポイと投げる遊びに夢中だ。

危ないよ、気をつけて。と周りを見渡しながら、誰もいないことが分かると少し静観することにする。

子どもの興味に対して自由にさせてあげたいからだ。

息子は、少し大きい石を見つける。

彼にとっての拳大、手に握るのが精一杯というサイズだ。

あ、それはどうだろう。投げるのは危険ではないか

声をかけて近寄ろうと、一歩を踏み出した瞬間。

彼が上に向けた掌の上の石が、ふいと空中に浮き上がる。

投げた、という表現があたらない、力をかけていないのに彼の手を離れ、わずか数センチ空中へ浮き上がる。

息子は目を大きく見開いて、石を見つめる。何が起きているのかを観察する。

わたしは踏み出した一歩が芝生に着地したまま、動くことができない。

石が浮き上がった角度、午前から午後に向かう空気の流れ、息子と石を観察できる角度。

そのすべてが絶妙ものであり、崩すことができない、崩してはならないものに思えて、そこから動くことができない。

掌の上数センチ滞在するかに見えた石は、そこから上にさらに浮き上がる。

わぁ、と母音がちな声を上げてそれを追う手をかわすように、浮上のスピードが上がる。

無回転のストレート、ノースピン・ファストボール

それが投手の掌を離れる瞬間。力を受けて加速し、空中へ投げ出された瞬間をスローモーションで眺めるように。

息が止まり心臓が動いていることを忘れる。

しか時間の停止は長くは続かない。

数秒後には、ボールキャッチャーミットに突進する直線的な陰影を残し、青空の彼方に消えていった。

2020-07-05

私を人間に戻した夢のような一年を思い出した

その一年というのは、高校3年生の時のことだ。

今思い出してもとてもきらきらしていて、本当にあったことなのだろうか、と思うほど素敵な時間だった。

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私は高2の時にいじめられていた。とはいえ、「いじめ」と聞いて想像しただろうものほど凄惨ものではない。

せいぜい"嘘告"(嘘の告白をすること)の標的になったりとか、単語帳を隠されたりとか、それくらいだ。

それでも当時の私にとっては死にたい毎日だった。

全ての声が自分馬鹿にしている気がして、休み時間には机に突っ伏しながら耳を塞いで流れる血の音を聞いていた。

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そんな私も、いわゆるいじめアンケート的なものSOSを発信したことで、状況は変わった。2年生のうちはなにも変わらなかったのだが、これがきっかけで私が救われたのは間違いないのだ。

あと、いじめてきたやつらに謝られた気もするが、よく覚えていないなぁ、ということを今思い出した。

前提として、私の学校では2、3年のクラスは変わらず持ち上がりだった。

しかし、恐らくは私の救難信号きっかけで、3年のクラスは変わることになった。

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新しい環境を与えてもらった私は、自分を変えることにした。いじめられた原因は自分にあると思ったからだ。 

ただ、いじめの原因はいじめてきた奴らにあるし、自分が"悪かった"とも思ってはいない。

しかし、当時の私が弱そうで、暗くて、ひとりぼっちで、抵抗しなさそうで、いじめてもリスクがなさそうなクソゴミ陰キャだったのは事実だったのだ。だから、変わることにした。

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手本にしたのは自由奔放な友だちだった。人の目を気にする私に「他人ことなんてみんなそこまで気にしてないよ」みたいなことを言ったやつだった。いじめられていたときは「はぁ?」と思ったものだが、これを信じてみることにした。

他人ことなんてみんな気にしてないから、自分卑下しすぎず、相手を信用して"対等に"いることを心がけた。

当時の日記を見たら、

私はもっと自信をまとってすごす!!(目標)

とも書いてあった。

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そんな感じで、ギャルとか、一軍女子とか、すごい明るい体育会系かにしかけられても、ビビっているのを隠して必死で会話した。

正直なところ、とても怖かったと思う。

変な人だと思われたらどうしよう、キモいって思われるかも、また人に笑われる、そういう気持ちとの戦いだった。

しかし、話してみると彼女たちは私を馬鹿にしないし、

キモいとも思っていないようだった。ちゃん付けで呼んでも不快な顔なんてしなかった。会話を重ねていくと話しかけられる頻度も上がっていった。

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本当に優しかった。

今でも涙が出そうなくらい、優しい人ばかりだった。

今までもそうだったのかもしれないが、高3で初めて気づいたのだった。

人は意外と優しい。

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そんな環境で私は、

"クソゴミ陰キャ"

から

"人間"

に戻っていった。

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自分人間に戻る中で、周りもまた人間だと気づいていったと、今思う。

"ギャル"は「掃除場所が一緒で破天荒なYちゃん」だったし、"一軍女子"は「体操ペアになるお洒落なTちゃん」、"体育会系"は、「席が近くの明るいMちゃん」だった。

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そこに優劣やカーストなんかなくて、みんな対等だった。そして、クラスメートで、友だちだった。

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特にMちゃんとの出会いは大きかった。

彼女は"クソゴミ陰キャ"の私にも明るく話しかけてくれて、初めから友達のように接してくれた。その明るさと、多少の強引さが私を引っ張ってくれた。

Mちゃんきっかけで、彼女友達のNちゃん(彼女運動部だった)ともぎこちない会話を積み重ねて仲良くなった。Nちゃんは今でも付き合いがある。

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部活引退して久しい11月には、私たちは"友達3人組"で、一緒に帰るようになっていった。

休み時間お菓子を交換して、テストしかったね、なんて笑い合った。

日常の中の小さいいろいろなことが、とても嬉しかった。

朝、教室に駆け込めば、「おはよう」と言ってくれる人がいる。

それも1人じゃない。

小学校ときに『挨拶義務』といい感じで半強制的挨拶させられていたが、このとき初めて挨拶価値に気付いた。

挨拶は友だちの確認であり、繋がりが切れないようにする小さなコミュニケーションだと感じた。

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12月には「1秒でも長く、このクラスでいたい。」と記している。

毎日が本当に幸せだった。死にたいなんて全く思わなくなっていた。本当に眩しい日々だった。

うまく会話できたことが嬉しくて、幸せ気持ちいっぱいで帰った青空の日を思い出す。

きっと他の人には普通のことばかりだったけど、私にとっては全ての出来事宝石のように輝いていた。

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大学に入り、私はさらに変わろうと思い、自分なりの大学デビューをした。お洒落を一から勉強して、自分なりに陰気を消そうと努力した。入学してすぐ声をかけ、友達を作った。

そのおかげで、毎日楽しい

優しい環境が私を人間にし、そしてそこで出会った人たちから様々なことを学んだからできたことだった。

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成人式があった。

それに伴って、高校同窓会もあった。

はいかなかった。

いじめてきたやつらに会いたくなかった。同じ空間にも居たくなかった。今の自分が、高校時代自分の顔や態度をするのも嫌だった。

Mちゃんには会いたかったが、辛さが増さった。  

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高校3年生のあの1年間は、私にとってかけがえのない宝物である

毎日キラキラ輝いていて、大切な思い出ばかりだ。

しかし、その日々はもう戻らない。

この先も同窓会には行かないだろう。

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私の中だけで、過ごした日々も出会った人たちも永遠になっていく。

思い出は美化され、輝きを増す。

そうしてできた"夢のような時間"を思い出して、今これを書いている。

夢のようだけど、当時の日記見ると本当にあったんだなぁってまた涙が出てしまう。

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就活、頑張るかぁ。

2020-06-24

[] いまさら天気の子を観たので感想考察を書きます

ネタバレを含むのでまだ観てない方はご注意ください。

もう多分に語り尽くされていると思いますが、

結論から言うと本当に素晴らしい作品でした。

私は世間的にはもういい歳したおっさんであり、登場人物では須賀さんの方が年齢が近く、

10代の若者ボーイミーツガールを観てはたして楽しめるのだろうかと思っていたが、何のことはない、とても楽しめました。

もう日曜からずっと天気の子の事ばかりを考えてる。

いい加減、仕事に支障をきたすので、ここでまとめて区切りしま

陽菜さんは雨女

序盤でまさか野沢雅子さん演じる占い師が現れ、晴れ女と雨女について語るシーンがあり、

悟空をチョイ役に使うわけがないって事で耳の穴かっぽじってラノベ設定を聞いてましたが、

雨女龍神系、晴れ女は稲荷系ってことで、順当に行くと陽菜さんは晴れ女=稲荷系なのかと思いきやどうにも特徴に合わない。

というのも拳銃ぶっ放したサイコ野郎の帆高くんに救いの手差し伸べ、二人きりで廃墟に逃げ込むほどの胆力があり、

相手が年上と知りつつ、自分の方が年上だと偽る豪胆な見栄っ張り具合を備えており、

またよく見ると陽菜さんの家には2.5リットル級の麦茶ピッチャーを始め、背景に無数のティーポットが描かれており、

料理も大雑把に目分量で作っていて特徴的に完全に龍神系なんですよね。

作中では帆高くんがひたすら晴れ女とのたまうので、一見晴れ女に見えるもののこれは意図的ミスリード

彼女雨女に間違いない。

晴れが一時的なのは雨女なので雨雲を操作することはできても消すことはできないんでしょうね。

本当の人柱は帆高くんなのでは?

もしかしてこれ天気の子ファンの間では常識なんですかね?

帆高くんは神津島からキャッチャー・イン・ザ・ライという小道具とセットでフェリー東京に来るわけですが、

なんで東京に来るのか、途中まではっきりとした理由は明示されません。

しか物語の後半で分かる事ですが、親父に殴られたのか何なのか、心象風景で彼がここじゃないどこかを求めており、

島で光を見つけ、その光の中に入りたいがため、それを追って東京まで来たと言う理由が明かされます

この光というのは作中で陽菜さんが導かれた光と同じで、恐らくは龍神の導きによるもの

まり彼は龍神に導かれてやって来たわけです。では何のために?

冒頭、フェリーのシーンで彼は降り出した雨に喜び、フェリーの甲板でなぜかはしゃぎまわるわけですが(このあたりの考察は足りてません)、

その時突然の大雨が降り、あやうくフェリーから落ちそうになるわけです。

正確には落ちそうになったところを須賀さんに助けられるわけですが、

実は帆高くんはこの時海に投げ出されて死ぬ運命だったんじゃないでしょうか?

それがなんの因果か須賀さんに助けられ人柱とならなかった。

彼が人柱にならないので当然雨は止まず、以後、治安のよくない地域徘徊させたり、拳銃を持たせたり、

チンピラと格闘させたり、警察と取っ組み合いさせたり、老朽化した階段を踏み抜かせたりしてもまだ死なない。

から龍神の巫子?である陽菜さんを撒き餌に無理やり彼岸に誘ってみたものの、結局人柱とならなかった・・・

と言う風にとらえられないかって気がするんですがどうですかね?割と良い線いってませんか???

これでなぜ帆高くんが彼岸に行けたのかという理由にはなる気がします。

しかしなぜ彼が人柱に選ばれたのかは天の気まぐれ以外に理由が見つかってません。

狂った世界で賢い大人になんかなるな

野田洋次郎さんが歌うわけです。「諦めた者と賢い者だけが勝者の時代」と。

劇中で須賀さんが言うわけです。「もう大人になれよ」と。

ちょっと話は逸れますが少し前に功利主義というものが取り沙汰されました。

よくあるのがトロッコ問題です。多数を助けるために少数を犠牲にするか否かとか言うやつですね。人それぞれ答えが違うやつです。

しかしですね、こんな問題はじめっから狂ってんですよ。

狂人が考えたんですよ。しかしその狂人を生んだ世界さらに狂っている。

狂った中で誰もが生きているから狂ってることに気がつかない。

歯黒って知ってますか?纒足は?コルセットは?

大小違えど狂人なんですよみんな。狂人達がお前の方が狂ってる、いや狂ってるのはお前の方だって言ってんです。

滑稽ですよね。でもみんな本気なんです。

本当は、本当は誰一人として賢いやつなんていないんですよ。

全員が全員狂ってて誰がどうやって賢さなんてものを測れるんですか?

天気の子登場人物もはっきり言ってまともな奴は一人もいない。

全員が全員みんなどっか狂ってんです。でもそれが何か。

大人になれって言った須賀さんは帆高に触るなって言ってタックルかますんですよ。最高ですよね。

帆高くんも全部わかってて陽菜さんに晴れ女をやらせ、晴れ女なんかやらせてごめんって言ってんですよ。

陽菜さんも諸々わかった上で晴れ女をやって、人の役に立てて嬉しい、ありがとうって言ってんです。

凪くんも女装して登場して今さら全部お前のせいじゃねえかっていって泣くんですよ。

夏美さんも凪くんの彼女ズも(ところで、花澤綾音...新海監督、本当にありがとうございます...!)

みんな分かった上で狂ってる。だがそれがなんだと言うのか。

青空よりも俺は陽菜がいい! 天気なんて狂ったままでいいんだ!!」

みんな狂っているのであれば、結局それが普通なんですよ。

もし、帆高くんが島から出なかったら、フェリーの甲板ではしゃがなかったら、

須賀さんにビールを奢らなかったら、ネカフェ難民にならなかったら、拳銃をすぐ警察に届けていたら、

陽菜さんを見て見ぬ振りしていたら、陽菜さんの窮状を知って児童相談所相談していたら、、、

そうやって賢い選択をしたのであれば狂った世界はまともになったのかもしれません。

しかし、それが賢い選択だと言う保証はどこに?

「今の子はかわいそう。昔は春も夏も素敵な季節だったのに。」

はたしてそうかな?

その後の坂道のシーンで雲の隙間から差す光に帆高くんは感動していましたよ。

それをかわいそうとは私は思いません。

2020-06-17

結論読書が最もコスパ良かった

時間有り余って家で出来る趣味

色々試したけど読書が一番コスパいね

kindle青空文庫古典読んで、青空になければ

unlimitedの光文社古典新訳文庫で読む。

長編買った場合でも大体は全巻で1000円以下。

じわりじわり教養が身に付いてきていい感じ。

2020-06-12

anond:20200612145257

いま晴れてるニャ🐈恋人の日

心が晴れ渡っている清らかな人は青空ニャ🌞

2020-06-10

抜けるような青空

俺は抜けなかった

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