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はてなキーワード: 鉄砲とは

2021-05-07

怪獣ものを本当にリアルにつくろうとしたら、怪獣はいきなり襲って来ない気がしてならない。

ひとまず寝床をさがしてウロウロしたあと人間を怖がって山から出れこない気がする。

もうね、コピペみたいに巨大猫が来襲してそこら辺で毛づくろいするとかでもいいんだよ。

そしたら周囲が大事件なのにスマホ取り出して写真取り出したり。

からすればなんでそんなに豆鉄砲打たれるかわからない。

そりゃフギャッとかギニャッとか言いたくもなるわけ。

ここに怪獣アイデンティティまで踏み込んだ作品に一足飛びで到達できるわけだ。

まりはなぜ猫はそこにいるだけなのに巨大化しただけで阻害されなければならないのか、というテーマ性が発生する。

要するに怪獣は何でもいいのね。

2021-05-05

anond:20210505091725

経験あるからわかる

ピジョンミルククルクルした黒い貝みたいなフンのミックス

いちおう植物性とはいえ汚いのは間違いない(肉食性の動物のフンはこんなもんじゃないらしい)

ワイが有効だったのは、物理的にハト自分の姿を見せたことだったか

ハトが豆鉄砲みたいにえらく驚いて二度と戻ってこなかった(そんな脅したつもりは皆無だったのだが・・・

あとはネットが一番有効だよ

2021-05-01

出来るからとりあえず実装してみたという家電製品が昔は多かったな。

何か技術が開発される。

その技術で〇〇が出来る。

〇〇が出来る機能既存製品に付け足す。

こういうのばっかりだった。

何らかの付加価値をつけるのにユーザー必要とする付加価値ではなく、

なにか開発された技術を足していくという行為がよく行われていた。

そのなかにたまにバズるものがあってヒット商品になるという図式。

下手な鉄砲を数ので当てるという構図。

こういうやり方がアイデアから製品が生み出すという仕組みを無くしてしまって

結果新しい何かを生み出す力を奪ってしまった。

2021-04-29

すまん、いつまでもアメリカ』に仕えてる必要ある?

日本のことはATMしか思っておらず、今後は鉄砲玉にしたいと思っている

日本経済的に栄えると為替操作して没落させる

アジア人を見下し路上で殴りかかるレイシスト黒人の命の方が大事ーーッ!

すまん、コイツいつまでも仕えてる必要ある?

2021-04-21

体力で女が男より劣るというけど、プロ競輪選手よりJC+電動自転車のほうが速いだろ。何の意味があるんだ。

男で格闘技の達人の中の達人がいたとして、女性軍人短機関銃で一発

体力自慢男がスコップを持たされても、鉄砲持った女性軍人には勝てず、クマイノシシには挑めず、同じスコップ装備の素人より強いだけ

ルールある競技の中限定の体力の優越に何の意味があるんだ

anond:20210307143646

2021-04-13

あんたがたどこさ 肥後

肥後どこさ 熊本

熊本どこさ せんばさ

せんば山には たぬきがおってさ

それをりょうしが 鉄砲で打ってさ

にてさ 焼いてさ 食ってさ

それをパンティーで チョッとかぶ

anond:20210413175813

日本製で高性能と言えばネトウヨ戦車鉄砲を言うかと思ったけど誰も言わないな

2021-04-10

ケーキの切れない

非行少年って本が話題になったよね。僕は読んだことないけど教育学やってたのでどういう内容かはなんとなくわかるよ。

でね、女の子場合はどうなるかという話。私の前から消えた知的障害者っていう本があって、高校の頃に読んだのだけど、それによるとね。

男は半グレとかヤクザ鉄砲玉になるオチケーキ・・・と同じじゃない?

でね、女の子結婚するんだって!まあ旦那さんが優しくないというハズレもあるけど。

そう、ケーキが切れなくても結婚すれば良いという、アイロニーなんです!!

2021-04-08

乗車拒否おばさん擁護派は完全に藪蛇

あのブログ文章からも「やってもらって当たり前」感は出ていて、それがカチンと来てた人も多いと思うのよ。

それにやり方がまずかったのは間違いないし、ある程度批判されるのはしょうがないじゃん。人にわざと迷惑かけてるんだから

でも善人ぶりたいバカが「障害者は外出する度にいちいち連絡がいるのか」みたいなこと言い始めたせいで、批判してた人たちがヒートアップしてしまった。

こういう炎上ってヘタに擁護すると逆効果なんだよね。

レスバに勝つために過去発言を掘り始めてしまった。

※参考資料

https://twitter.com/uWMxQ03Vv9pbJ7w/status/1379754621460115456

https://twitter.com/michidrikanebon/status/1379799021326241792

https://twitter.com/hideyosino/status/1379999673193144325

https://twitter.com/iggbi6na0vq0Fl9/status/1379603282306293763

https://twitter.com/yukin_done/status/1379952664113344514

https://twitter.com/nalltamag/status/1379698770422628355

https://twitter.com/jaian_802/status/1379362557954203653

↑についてるレス見る限り、もう"普通人達"は殆ど批判側になってしまった。

当事者にとっては完全にマイナスだよね。車椅子乗ってたらいきなり何かされるみたいな事件可能性は上がったでしょ。

実際、駅のバリアフリー化を推進する事はいい事だと思う。

俺も足が悪いおばあちゃんと一緒に出掛けた時は不便だったし、最寄り駅にエレベータ出来た時は嬉しかったよ。

でも「JRシバいたらエレベータ出来た」みたいな活動は不健全だし、健常者との溝が広がるだけだろ。

それが批判されたときに100%の擁護するのは明らかにマズくね。

本人もこうなったら引っ込みがつかないじゃん。そういう反省するタイプの人じゃないのかもしれんけどさ。

あと社民党関係者も、こういう良くない活動してたらちゃんと仲間うちで窘めるのが連帯なんじゃねぇの?

常任理事が実際にどういう仕事かは知らんけど、少なくとも勝手になれるもんじゃねぇだろ?)

今のままじゃただ素人鉄砲玉にしただけだよ。

2021-04-04

anond:20210404195806

憲法9条はいらな~いと息巻いているじゃん日本人

話し合いや我慢より鉄砲相手を殺して黙らせた方が正しいと思うからだろ

だったら平時鉄砲がないだけで大きな声でギャーギャー言い合う社会日本人理想社会のはずだ

2021-03-29

anond:20210329164701

昔っていつの設定かわからんから適当バブル頃だとして、男性向け雑誌で「いかモテるか」っていう記事がウケてたような気がするよ。

草食系」っていう言葉が出てくる前の時代は、もっとガツガツしてた。

感覚的に言うとクラス男子の8割は「何とかしてモテたい」って思ってて何らか努力してて、無関心な奴は少なかった。

「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」方式で、めげずにアタックしてた。

元増田の言う「暗さ」なのか「草食化」なのか、何なんだろうね。

女性が強くなったのはあるとは思うけど。

2021-03-26

雑誌映画秘宝』の記憶(28)

町山智浩柳下毅一郎問題発言集】(No.07)

元『映画秘宝編集部員の秋山直斗(ナオト)さんにも不正義や不公正と一緒に闘ってもらえるように、引き続き頑張ります。今回から、出典は『ファビュラス・バーカー・ボーイズ映画欠席裁判2』(2004年洋泉社)となります発言者を「町山」及び「柳下」と表記記述形式

   [ページ数]

   発言者発言内容

   【※】付随情報や私個人の感想など(適宜)

   (初出)

です。

 なお、問題発言だけでなく「今から見返したら『味わい深い』」と云う発言も有ります

〈警告!〉差別発言などの引用が含まれるため、読むと気分が悪くなる可能性が有ります

引用ここから

[p022]

【※】『ブラックホーク・ダウン』の話題で『スターシップ・トゥルーパーズ』と比較。これら欧米作品で描かれる「多勢に無勢の戦闘」場面の原点はズール戦争に関する欧州人記憶イメージだとした上で、以下の発言が出てくる。

 町山:南アフリカ侵略したイギリス軍が、原住民ズールー族と戦争になったんだけど、とにかく槍持って押し寄せてくる原住民鉄砲バンバン撃ち殺して、もう英国兵一人あたり百人くらい殺すんだけど、死体の山を乗り越えて、無限に押し寄せてくるの。土人が。

【※】町山智浩は「土人発言も好みます

(初出『映画秘宝』02年vol.29)

[p033]

【※】『ビューティフル・マインド』の主人公モデルとなった経済学者ジョン・ナッシュ話題

 柳下映画でのラッセル・クロウ数学に夢中で女性に興味がなく、そんな彼の純粋さに惚れたジェニファー・コネリーとの純愛物語になってるけど。

 町山:女性に興味がないどころか、男性にも興味があった。

(中略)

 町山:しかも、男性恋人とおおっぴらにキスするのを研究者仲間が多勢目撃している。

(中略)

 町山:キチガイってのは迷惑存在なんだよ。

【※】町山智浩の語り口は、まるで「同性愛は恥ずべき罪である」と言わんばかりです。その上、精神疾患患者迷惑存在と断言します。

(初出『映画秘宝』02年vol.30)

[p037]

【※】『スパイダーマン

 町山:しかし、ピーターってホントイラつくぜ。キルステン(・ダンスト)におどおど「ち、ちょっと、しゃ、写真撮らせて」って頼むときのナヨナヨした声!いつも口元から消えない卑屈な笑い。

(中略)

 町山:うー、ムカつく奴だ!目の前にいたらぶん殴ってやる!あいつ、スパイダーマンになったあともナヨナヨ声は変わらない。「僕はあなたの親愛なる隣人」って言うときも、「ぼ、僕はあなたのしあいなるゆうじんでしゅー」って感じ。

【※】改めて思ったのは「本当は、町山智浩たち自身が、Jocksの一員になりたかった(そして、弱い者イジメを楽しみたかった)のではないか?」と云うことです。

【※】他者に対する攻撃手段として「ナヨナヨした喋り方の物真似をする」と云う手法をとるところが、いかにも「パワハラ常習者」っぽさに溢れているように思いますイジメっ子気質が有る人は、この手法を好むような気がしますね。

【※】そもそも俳優の演技にオーケーを出したのは監督なのだから文句を言うならば監督に言うべきでは?

感想パワハライジメで思い出しましたが『映画秘宝』界隈の一人である中原昌也は、Cornelius小山田圭吾と仲良しです。その小山田圭吾は、高校時代イジメ加害者グループ内部で「いじめの発案者」の役目を担っていたと、悪びれもせずに自らインタビュー面白おかしく語ったことでも有名です。

高橋ヨシキとの共著『嫌オタク流』の中で、中原昌也執拗アニメオタク攻撃していたのも、中原昌也の中に有る「イジメっ子精神」をアニメオタク存在が刺激したからではないでしょうか?

町山智浩中原昌也小山田圭吾…と「類は友を呼ぶ」のかも知れませんね。

今回はここまでにします。ヘイル・サタン

スーマリ3Dシリーズポチる増田須丸地歩D3ズー利子吏マース(回文

おはようございます

あのさ、

有名な映画大林監督作品尾道三部作と言えばターミネーター三部作と肩を並べて超有名なビッグタイトルだけど、

スーパーマリオ3D三部作といえば、

また話は別よね、

最近ゲームの話しばかり多いような気がするけど

販売が今月末までだと言うことで、

例のスーパーマリオ35が面白かったので、

これを機に3Dシリーズも挑戦してみようか!ってやる気満々の満身創痍暖簾に腕押しでポチったワケなのよ。

買ってから気が付いたんだけど、

この三部作クリアするまでの時間ボリューム私にはあるのかしら?って

もうスイッチにはたくさんゲームが入りすぎて、

重さが重くならないのはどうなってるのよ?って思ってしまうわ。

とりあえず

スーパーマリオ64から挑戦よ!

早速思ったのが

もしかして3Dゲーム苦手なのかも説。

そしたらよ、

そしたらスーパーマリオ64最初ステージからもういきなりどこに行っていいかからない状態

1ステージからもういきなり攻略本を開いてみてしまったわ。

どうやら一番上の所まで言って、

バクダン兵の王様を投げ飛ばせばいいらしいことは分かったのよね。

で、なんとか頂上まで行ってバクダン兵の王様を投げ飛ばせることまでは成功したの。

でも何回かやっぱり投げ飛ばさなくちゃいけないみたいで、

私もだんだん操作方法マスターしてきたか調子に乗って

バクダン兵の王様の周りをうろちょろして

ヘイヘイヘイ!って挑発したら、

まんまとむんずと掴まれて放り投げられて一番下の地上まで投げ飛ばされちゃったわ。

えーまたあの頂上まで登るの?と思ったら絶句だけど、

なんとかバクダン兵の王様を倒すことができて、

もうスーパーマリオ64ですら前途多難感ありありな出だしで、

でもちょっとサンシャインギャラクシーも冒頭のちょっとだけ遊んでみようかなって、

もう早速5分やって他のゲームに移っちゃったの。

そしたらサンシャインギャラクシー

なんか凄いゲームでとにかく、

3Dの中を歩き回って

鉄砲撃ったり夜空を飛び回ったりと

なんかこれもあと2作あると思うと、

クリアまでのボリューム大変だなってゾッとする次第よ。

私この3D三部作全クリできるのかしら?って

いったいスーパーマリオシリーズ何作あるんだよ!ってもう遊び尽くせない感じがして、

マリオ恐るべしって思ったのよ。

調子に乗ってまたギャラクシーの方を遊んでいたら、

なんか小さな惑星を逆さまに歩いたり走ったりするので気持ち悪くなっちゃいそうな雰囲気

これも慣れ、いや修行必要なんだな!って思ったのよ。

面白すぎて前途多難すぎるわ。

ボタンもいっぱいあるから

それにともなって色々な技を繰り出せるみたいなんだけど、

電子マニュアルをみたら、

こんなのフラッシュ暗記暗算大会の上位入賞者の人じゃないと一画面を見て一度に暗記できないわ!ってゾッとする操作方法の種類にまた驚愕よ。

楽しいけどさ、

これをまたクリアしていくと思うと辛いわ。

でも毎回毎作ごとに連れ去られるピーチ姫のことを思うと

彼女不憫さと比べると私の三部作へのクリアの重荷と比べるとたいしたことないのよね。

ピーチ姫は毎作大変な思いをさせられて大変だなーって。

でね、

ちょっと前にスマホ携帯ゲームで出てるスーパーマリオランもやってみたんだけど、

あれはただただタイミング良くボタンを押していくだけでクリア出来ちゃうから

マリオ感を味わうにはいまいちだったか

あんまりマリオに接したこと無い私だったからこんなモノなのねって楽しさがよく分かってなかったのよ。

だけど、

ちゃんマリオコントローラー操作する感じを体感しないと

あのマリオマリオたる所以のよく上手く言い表せないけど

マリオ感がやっぱり堪能できないのよね。

きっとそう思うわ。

そうなると対峙するソニックシリーズもまた私研究対象として研究しなくてはいけないソニックシリーズコンプしてクリアするという苦行を行わなくてはならないと思うと今からゾッとするわ。

ソニックで遊ぶと言う話しはまた遊びだしたらするとして、

やっぱり超巨大コンテンツとしてのマリオって楽しくてスゴいわね!って思うしかないのよね。

時間いくらあっても足りないぐらいだし、

これを機にまたユニバーサルスタジオジャパンマリオアトラクションも私遊びたくなっちゃうのかしら?と今から思うと、

関西に行く口実にもなるわよね。

何度ここへ来たって大阪弁上手くなれへんのよ。

そんな思いも裏腹に、

まずは

尾道三部作いや、

スーパーマリオ3D三部作を私クリアしなくては!って

ゼルダもまだハートが3つのままで

序盤の4つの祠が見つからないまま、

あーこれもどうしたものかと思っちゃうのよ。

時間いくらあっても足りないし、

心に決めた攻略本を見ないって誓いも

スーパーマリオ64の一番最初ステージでどこに行っていいかからいからすぐ見ちゃったという、

私の意志の弱さ。

ため息が出るわ。

でもまあ一歩一歩頑張るのみよ。

前途多難長い道のりだなーって

道のり×速さ÷2で到着する時間が分かる公式をもって解けば

クリアまでのボリューム時間も分かるってモノじゃない。

からちゃんと真面目に向き合うことにして行きたいと思うわ。

クリアまで長きに渡る私のアドベンチャー

応援してね!

うふふ。


今日朝ご飯

プリプリ海老サンドしました。

ちと朝からは重たかたかもと思いつつこれってもしかしてチンして温める前提なのかしら?って思うほどの出来栄えで美味しかったわ。

デトックスウォーター

ホッツほうじ茶ウォーラーしました。

朝たくさん沸かしておいておいたので

たくさん飲めるわよ!

ごくごくごく!

水分補給はこまめにまめにしてね!


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2021-03-22

最新エントリ

川の向う岸が俄にわかに赤くなりました。楊やなぎの木や何かもまっ黒にすかし出され見えない天の川の波もときどきちらちら針のように赤く光りました。まったく向う岸の野原に大きなまっ赤な火が燃されその黒いけむりは高く桔梗ききょういろのつめたそうな天をも焦こがしそうでした。ルビーよりも赤くすきとおりリチウムよりもうつくしく酔よったようになってその火は燃えているのでした。

「あれは何の火だろう。あんな赤く光る火は何を燃やせばできるんだろう。」ジョバンニが云いいました。

「蝎さそりの火だな。」カムパネルラが又また地図と首っ引きして答えました。

「あら、蝎の火のことならあたし知ってるわ。」

「蝎の火ってなんだい。」ジョバンニがききました。

「蝎がやけて死んだのよ。その火がいまでも燃えてるってあたし何べんもお父さんから聴いたわ。」

「蝎って、虫だろう。」

「ええ、蝎は虫よ。だけどいい虫だわ。」

「蝎いい虫じゃないよ。僕博物館アルコールにつけてあるの見た。尾にこんなかぎがあってそれで螫さされると死ぬって先生が云ったよ。」

「そうよ。だけどいい虫だわ、お父さん斯こう云ったのよ。むかしのバルドラの野原に一ぴきの蝎がいて小さな虫やなんか殺してたべて生きていたんですって。するとある日いたちに見附みつかって食べられそうになったんですって。さそりは一生けん命遁にげて遁げたけどとうとういたちに押おさえられそうになったわ、そのときいきなり前に井戸があってその中に落ちてしまったわ、もうどうしてもあがられないでさそりは溺おぼれはじめたのよ。そのときさそりは斯う云ってお祈いのりしたというの、

 ああ、わたしはいままでいくつのものの命をとったかからない、そしてその私がこんどいたちにとられようとしたときあんなに一生けん命にげた。それでもとうとうこんなになってしまった。ああなんにもあてにならない。どうしてわたしわたしからだをだまっていたちに呉くれてやらなかったろう。そしたらいたちも一日生きのびたろうに。どうか神さま。私の心をごらん下さい。こんなにむなしく命をすてずどうかこの次にはまことのみんなの幸さいわいのために私のからだをおつかい下さい。って云ったというの。そしたらいつか蝎はじぶんのからだがまっ赤なうつくしい火になって燃えてよるのやみを照らしているのを見たって。いまでも燃えてるってお父さん仰おっしゃったわ。ほんとうにあの火それだわ。」

「そうだ。見たまえ。そこらの三角標はちょうどさそりの形にならんでいるよ。」

 ジョバンニはまったくその大きな火の向うに三つの三角標がちょうどさそりの腕うでのようにこっちに五つの三角標がさそりの尾やかぎのようにならんでいるのを見ました。そしてほんとうにそのまっ赤なうつくしいさそりの火は音なくあかるくあかるく燃えたのです。

 その火がだんだんしろの方になるにつれてみんなは何とも云えずにぎやかなさまざまの楽の音ねや草花の匂においのようなもの口笛や人々のざわざわ云う声やらを聞きました。それはもうじきちかくに町か何かがあってそこにお祭でもあるというような気がするのでした。

ケンタウル露つゆをふらせ。」いきなりいままで睡ねむっていたジョバンニのとなりの男の子が向うの窓を見ながら叫んでいました。

 ああそこにはクリスマストリイのようにまっ青な唐檜とうひかもみの木がたってその中にはたくさんのたくさんの豆電燈まめでんとうがまるで千の蛍ほたるでも集ったようについていました。

「ああ、そうだ、今夜ケンタウル祭だねえ。」

「ああ、ここはケンタウルの村だよ。」カムパネルラがすぐ云いました。〔以下原稿一枚?なし〕

ボール投げなら僕ぼく決してはずさない。」

 男の子が大威張おおいばりで云いました。

「もうじきサウザンクロスです。おりる支度したくをして下さい。」青年がみんなに云いました。

「僕も少し汽車へ乗ってるんだよ。」男の子が云いました。カムパネルラのとなりの女の子はそわそわ立って支度をはじめましたけれどもやっぱりジョバンニたちとわかれたくないようなようすでした。

「ここでおりなけぁいけないのです。」青年はきちっと口を結んで男の子を見おろしながら云いました。

「厭いやだい。僕もう少し汽車へ乗ってから行くんだい。」

 ジョバンニがこらえ兼ねて云いました。

「僕たちと一緒いっしょに乗って行こう。僕たちどこまでだって行ける切符きっぷ持ってるんだ。」

「だけどあたしたちもうここで降りなけぁいけないのよ。ここ天上へ行くとこなんだから。」女の子さびしそうに云いました。

「天上へなんか行かなくたっていいじゃないか。ぼくたちここで天上よりももっといいとこをこさえなけぁいけないって僕の先生が云ったよ。」

だっておっ母さんも行ってらっしゃるしそれに神さまが仰おっしゃるんだわ。」

「そんな神さまうその神さまだい。」

あなたの神さまうその神さまよ。」

「そうじゃないよ。」

あなたの神さまってどんな神さまですか。」青年は笑いながら云いました。

「ぼくほんとうはよく知りません、けれどもそんなんでなしにほんとうのたった一人の神さまです。」

「ほんとうの神さまはもちろんたった一人です。」

「ああ、そんなんでなしにたったひとりのほんとうのほんとうの神さまです。」

「だからそうじゃありませんか。わたくしはあなた方がいまにそのほんとうの神さまの前にわたくしたちとお会いになることを祈ります。」青年はつつましく両手を組みました。女の子もちょうどその通りにしました。みんなほんとうに別れが惜おしそうでその顔いろも少し青ざめて見えました。ジョバンニはあぶなく声をあげて泣き出そうとしました。

「さあもう支度はいいんですか。じきサウザンクロスですから。」

 ああそのときでした。見えない天の川のずうっと川下に青や橙だいだいやもうあらゆる光でちりばめられた十字架じゅうじかがまるで一本の木という風に川の中から立ってかがやきその上には青じろい雲がまるい環わになって後光のようにかかっているのでした。汽車の中がまるでざわざわしました。みんなあの北の十字のときのようにまっすぐに立ってお祈りをはじめました。あっちにもこっちにも子供が瓜うりに飛びついたときのようなよろこびの声や何とも云いようない深いつつましいためいきの音ばかりきこえました。そしてだんだん十字架は窓の正面になりあの苹果りんごの肉のような青じろい環の雲もゆるやかにゆるやかに繞めぐっているのが見えました。

ハルヤハルレヤ。」明るくたのしくみんなの声はひびきみんなはそのそらの遠くからつめたいそらの遠くからすきとおった何とも云えずさわやかなラッパの声をききました。そしてたくさんのシグナルや電燈の灯あかりのなかを汽車だんだんゆるやかになりとうとう十字架のちょうどま向いに行ってすっかりとまりました。

「さあ、下りるんですよ。」青年男の子の手をひきだんだん向うの出口の方へ歩き出しました。

「じゃさよなら。」女の子がふりかえって二人に云いました。

さよなら。」ジョバンニはまるで泣き出したいのをこらえて怒おこったようにぶっきり棒に云いました。女の子はいかにもつらそうに眼めを大きくしても一度こっちをふりかえってそれからあとはもうだまって出て行ってしまいました。汽車の中はもう半分以上も空いてしまい俄にわかにがらんとしてさびしくなり風がいっぱいに吹ふき込こみました。

 そして見ているとみんなはつつましく列を組んであの十字架の前の天の川なぎさにひざまずいていました。そしてその見えない天の川の水をわたってひとりの神々こうごうしい白いきものの人が手をのばしてこっちへ来るのを二人は見ました。けれどもそのときはもう硝子ガラス呼子よびこは鳴らされ汽車うごき出しと思ううちに銀いろの霧きりが川下の方からすうっと流れて来てもうそっちは何も見えなくなりました。ただたくさんのくるみの木が葉をさんさんと光らしてその霧の中に立ち黄金きんの円光をもった電気栗鼠りすが可愛かあいい顔をその中からちらちらのぞいているだけでした。

 そのときすうっと霧がはれかかりました。どこかへ行く街道らしく小さな電燈の一列についた通りがありました。それはしばらく線路に沿って進んでいました。そして二人がそのあかしの前を通って行くときはその小さな豆いろの火はちょうど挨拶あいさつでもするようにぽかっと消え二人が過ぎて行くときまた点つくのでした。

 ふりかえって見るとさっきの十字架はすっかり小さくなってしまいほんとうにもうそのまま胸にも吊つるされそうになり、さっきの女の子青年たちがその前の白い渚なぎさにまだひざまずいているのかそれともどこか方角もわからないその天上へ行ったのかぼんやりして見分けられませんでした。

 ジョバンニはああと深く息しました。

カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸さいわいのためならば僕のからだなんか百ぺん灼やいてもかまわない。」

「うん。僕だってそうだ。」カムパネルラの眼にはきれいな涙なみだがうかんでいました。

「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」ジョバンニが云いました。

「僕わからない。」カムパネルラぼんやり云いました。

「僕たちしっかりやろうねえ。」ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧わくようにふうと息をしながら云いました。

「あ、あすこ石炭袋ぶくろだよ。そらの孔あなだよ。」カムパネルラが少しそっちを避さけるようにしながら天の川のひととこを指さしました。ジョバンニはそっちを見てまるでぎくっとしてしまいました。天の川の一とこに大きなまっくらな孔がどほんとあいているのです。その底がどれほど深いかその奥おくに何があるかいくら眼をこすってのぞいてもなんにも見えずただ眼がしんしんと痛むのでした。ジョバンニが云いました。

「僕もうあんな大きな暗やみの中だってこわくない。きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。どこまでもどこまでも僕たち一緒に進んで行こう。」

「ああきっと行くよ。ああ、あすこの野原はなんてきれいだろう。みんな集ってるねえ。あすこがほんとうの天上なんだ。あっあすこにいるのぼくのお母さんだよ。」カムパネルラは俄にわかに窓の遠くに見えるきれいな野原を指して叫さけびました。

 ジョバンニもそっちを見ましたけれどもそこはぼんやり白くけむっているばかりどうしてもカムパネルラが云ったように思われませんでした。何とも云えずさびしい気がしてぼんやりそっちを見ていましたら向うの河岸に二本の電信ばしらが丁度両方から腕うでを組んだように赤い腕木をつらねて立っていました。

カムパネルラ、僕たち一緒に行こうねえ。」ジョバンニが斯こう云いながらふりかえって見ましたらそのいままでカムパネルラの座すわっていた席にもうカムパネルラの形は見えずただ黒いびろうどばかりひかっていました。ジョバンニはまるで鉄砲丸てっぽうだまのように立ちあがりました。そして誰たれにも聞えないように窓の外へからだを乗り出して力いっぱいはげしく胸をうって叫びそれからもう咽喉のどいっぱい泣きだしました。もうそこらが一ぺんにまっくらになったように思いました。

注目エントリこち

九、ジョバンニの切符きっぷ

「もうここらは白鳥区のおしまいです。ごらんなさい。あれが名高いアルビレオ観測所です。」

 窓の外の、まるで花火でいっぱいのような、あまの川のまん中に、黒い大きな建物が四棟むねばかり立って、その一つの屋根の上に、眼めもさめるような、青宝玉サファイア黄玉パースの大きな二つのすきとおった球が、輪になってしずかにくるくるとまわっていました。黄いろのがだんだん向うへまわって行って、青い小さいのがこっちへ進んで来、間もなく二つのはじは、重なり合って、きれいな緑いろの両面凸とつレンズのかたちをつくり、それもだんだん、まん中がふくらみ出して、とうとう青いのは、すっかりトパースの正面に来ましたので、緑の中心と黄いろな明るい環わとができました。それがまただんだん横へ外それて、前のレンズの形を逆に繰くり返し、とうとうすっとはなれて、サファイアは向うへめぐり、黄いろのはこっちへ進み、また丁度さっきのような風になりました。銀河の、かたちもなく音もない水にかこまれて、ほんとうにその黒い測候所が、睡ねむっているように、しずかによこたわったのです。

「あれは、水の速さをはかる器械です。水も……。」鳥捕とりとりが云いかけたとき

切符を拝見いたします。」三人の席の横に、赤い帽子ぼうしをかぶったせいの高い車掌しゃしょうが、いつかまっすぐに立っていて云いました。鳥捕りは、だまってかくしから、小さな紙きれを出しました。車掌ちょっと見て、すぐ眼をそらして、(あなた方のは?)というように、指をうごかしながら、手をジョバンニたちの方へ出しました。

「さあ、」ジョバンニは困って、もじもじしていましたら、カムパネルラは、わけもないという風で、小さなねずみいろの切符を出しました。ジョバンニは、すっかりあわててしまって、もしか上着ポケットにでも、入っていたかとおもいながら、手を入れて見ましたら、何か大きな畳たたんだ紙きれにあたりました。こんなもの入っていたろうかと思って、急いで出してみましたら、それは四つに折ったはがきぐらいの大きさの緑いろの紙でした。車掌が手を出しているもんですから何でも構わない、やっちまえと思って渡しましたら、車掌はまっすぐに立ち直って叮寧ていねいにそれを開いて見ていました。そして読みながら上着のぼたんやなんかしきりに直したりしていましたし燈台看守も下からそれを熱心にのぞいていましたから、ジョバンニはたしかにあれは証明書か何かだったと考えて少し胸が熱くなるような気がしました。

「これは三次空間の方からお持ちになったのですか。」車掌がたずねました。

何だかわかりません。」もう大丈夫だいじょうぶだと安心しながらジョバンニはそっちを見あげてくつくつ笑いました。

「よろしゅうございます南十字サウザンクロスへ着きますのは、次の第三時ころになります。」車掌は紙をジョバンニに渡して向うへ行きました。

 カムパネルラは、その紙切れが何だったか待ち兼ねたというように急いでのぞきこみました。ジョバンニも全く早く見たかったのです。ところがそれはいちめん黒い唐草からくさのような模様の中に、おかしな十ばかりの字を印刷したものでだまって見ていると何だかその中へ吸い込こまれしまうような気がするのでした。すると鳥捕りが横からちらっとそれを見てあわてたように云いました。

「おや、こいつは大したもんですぜ。こいつはもう、ほんとうの天上へさえ行ける切符だ。天上どこじゃない、どこでも勝手にあるける通行券です。こいつをお持ちになれぁ、なるほど、こんな不完全な幻想げんそう第四次の銀河鉄道なんか、どこまででも行ける筈はずでさあ、あなた方大したもんですね。」

何だかわかりません。」ジョバンニが赤くなって答えながらそれを又また畳んでかくしに入れました。そしてきまりが悪いのでカムパネルラと二人、また窓の外をながめていましたが、その鳥捕りの時々大したもんだというようにちらちらこっちを見ているのがぼんやりわかりました。

「もうじき鷲わしの停車場だよ。」カムパネルラが向う岸の、三つならんだ小さな青じろい三角標と地図とを見較みくらべて云いました。

 ジョバンニはなんだかわけもわからずににわかにとなりの鳥捕りが気の毒でたまらなくなりました。鷺さぎをつかまえてせいせいしたとよろこんだり、白いきれでそれをくるくる包んだり、ひとの切符をびっくりしたように横目で見てあわててほめだしたり、そんなことを一一考えていると、もうその見ず知らずの鳥捕りのために、ジョバンニの持っているものでも食べるものでもなんでもやってしまいたい、もうこの人のほんとうの幸さいわいになるなら自分があの光る天の川河原かわらに立って百年つづけて立って鳥をとってやってもいいというような気がして、どうしてももう黙だまっていられなくなりました。ほんとうにあなたほしいものは一体何ですか、と訊きこうとして、それではあんまり出し抜ぬけだから、どうしようかと考えて振ふり返って見ましたら、そこにはもうあの鳥捕りが居ませんでした。網棚あみだなの上には白い荷物も見えなかったのです。また窓の外で足をふんばってそらを見上げて鷺を捕る支度したくをしているのかと思って、急いでそっちを見ましたが、外はいちめんのうつくしい砂子と白いすすきの波ばかり、あの鳥捕りの広いせなかも尖とがった帽子も見えませんでした。

「あの人どこへ行ったろう。」カムパネルラぼんやりそう云っていました。

「どこへ行ったろう。一体どこでまたあうのだろう。僕ぼくはどうしても少しあの人に物を言わなかったろう。」

「ああ、僕もそう思っているよ。」

「僕はあの人が邪魔じゃまなような気がしたんだ。だから僕は大へんつらい。」ジョバンニはこんな変てこな気もちは、ほんとうにはじめてだし、こんなこと今まで云ったこともないと思いました。

何だか苹果りんごの匂においがする。僕いま苹果のこと考えたためだろうか。」カムパネルラ不思議そうにあたりを見まわしました。

「ほんとうに苹果の匂だよ。それから野茨のいばらの匂もする。」ジョバンニもそこらを見ましたがやっぱりそれは窓からでも入って来るらしいのでした。いま秋だから野茨の花の匂のする筈はないとジョバンニは思いました。

 そしたら俄にわかにそこに、つやつやした黒い髪かみの六つばかりの男の子が赤いジャケツのぼたんもかけずひどくびっくりしたような顔をしてがたがたふるえてはだしで立っていました。隣となりには黒い洋服をきちんと着たせいの高い青年が一ぱいに風に吹ふかれているけやきの木のような姿勢で、男の子の手をしっかりひいて立っていました。

「あら、ここどこでしょう。まあ、きれいだわ。」青年のうしろにもひとり十二ばかりの眼の茶いろな可愛かあいらしい女の子が黒い外套がいとうを着て青年の腕うでにすがって不思議そうに窓の外を見ているのでした。

「ああ、ここはランカシャイヤだ。いや、コンネクテカット州だ。いや、ああ、ぼくたちはそらへ来たのだ。わたしたちは天へ行くのです。ごらんなさい。あのしるしは天上のしるしです。もうなんにもこわいことありません。わたくしたちは神さまに召めされているのです。」黒服青年はよろこびにかがやいてその女の子に云いいました。けれどもなぜかまた額に深く皺しわを刻んで、それに大へんつかれているらしく、無理に笑いながら男の子をジョバンニのとなりに座すわらせました。

 それから女の子にやさしくカムパネルラのとなりの席を指さしました。女の子はすなおにそこへ座って、きちんと両手を組み合せました。

「ぼくおおねえさんのとこへ行くんだよう。」腰掛こしかけたばかりの男の子は顔を変にして燈台看守の向うの席に座ったばかりの青年に云いました。青年は何とも云えず悲しそうな顔をして、じっとその子の、ちぢれてぬれた頭を見ました。女の子は、いきなり両手を顔にあててしくしく泣いてしまいました。

「お父さんやきくよねえさんはまだいろいろお仕事があるのです。けれどももうすぐあとからいらっしゃいます。それよりも、おっかさんはどんなに永く待っていらっしゃったでしょう。わたし大事なタダシはいまどんな歌をうたっているだろう、雪の降る朝にみんなと手をつないでぐるぐるにわとこのやぶをまわってあそんでいるだろうかと考えたりほんとうに待って心配していらっしゃるんですから、早く行っておっかさんにお目にかかりましょうね。」

「うん、だけど僕、船に乗らなけぁよかったなあ。」

「ええ、けれど、ごらんなさい、そら、どうです、あの立派な川、ね、あすこはあの夏中、ツインクル、ツインクル、リトル、スター をうたってやすとき、いつも窓からぼんやり白く見えていたでしょう。あすこですよ。ね、きれいでしょう、あんなに光っています。」

 泣いていた姉もハンケチで眼をふいて外を見ました。青年は教えるようにそっと姉弟にまた云いました。

わたしたちはもうなんにもかなしいことないのです。わたしたちはこんないいとこを旅して、じき神さまのとこへ行きます。そこならもうほんとうに明るくて匂がよくて立派な人たちでいっぱいです。そしてわたしたちの代りにボートへ乗れた人たちは、きっとみんな助けられて、心配して待っているめいめいのお父さんやお母さんや自分のお家へやら行くのです。さあ、もうじきですから元気を出しておもしろくうたって行きましょう。」青年男の子ぬれたような黒い髪をなで、みんなを慰なぐさめながら、自分だんだん顔いろがかがやいて来ました。

あなた方はどちらからいらっしゃったのですか。どうなすったのですか。」さっきの燈台看守がやっと少しわかったように青年にたずねました。青年はかすかにわらいました。

「いえ、氷山にぶっつかって船が沈しずみましてね、わたしたちこちらのお父さんが急な用で二ヶ月前一足さきに本国へお帰りになったのであとから発たったのです。私は大学はいっていて、家庭教師にやとわれていたのです。ところがちょうど十二日目、今日か昨日きのうのあたりです、船が氷山にぶっつかって一ぺんに傾かたむきもう沈みかけました。月のあかりはどこかぼんやりありましたが、霧きりが非常に深かったのです。ところがボートは左舷さげんの方半分はもうだめになっていましたから、とてもみんなは乗り切らないのです。もうそのうちにも船は沈みますし、私は必死となって、どうか小さな人たちを乗せて下さいと叫さけびました。近くの人たちはすぐみちを開いてそして子供たちのために祈いのって呉くれました。けれどもそこからボートまでのところにはまだまだ小さな子どもたちや親たちやなんか居て、とても押おしのける勇気がなかったのです。それでもわたくしはどうしてもこの方たちをお助けするのが私の義務だと思いましたから前にいる子供らを押しのけようとしました。けれどもまたそんなにして助けてあげるよりはこのまま神のお前にみんなで行く方がほんとうにこの方たちの幸福だとも思いました。それからまたその神にそむく罪はわたくしひとりでしょってぜひとも助けてあげようと思いました。けれどもどうして見ているとそれができないのでした。子どもらばかりボートの中へはなしてやってお母さんが狂気きょうきのようにキスを送りお父さんがかなしいのをじっとこらえてまっすぐに立っているなどとてももう腸はらわたもちぎれるようでした。そのうち船はもうずんずん沈みますから、私はもうすっかり覚悟かくごしてこの人たち二人を抱だいて、浮うかべるだけは浮ぼうとかたまって船の沈むのを待っていました。誰たれが投げたかライフブイが一つ飛んで来ましたけれども滑すべってずうっと向うへ行ってしまいました。私は一生けん命で甲板かんぱんの格子こうしになったとこをはなして、三人それにしっかりとりつきました。どこからともなく〔約二字分空白〕番の声があがりました。たちまちみんなはいろいろな国語で一ぺんにそれをうたいました。そのときにわかに大きな音がして私たちは水に落ちもう渦うずに入ったと思いながらしっかりこの人たちをだいてそれからぼうっとしたと思ったらもうここへ来ていたのです。この方たちのお母さんは一昨年没なくなられました。ええボートはきっと助かったにちがいありません、何せよほど熟練な水夫たちが漕こいですばやく船からはなれていましたから。」

 そこらからさないのりの声が聞えジョバンニもカムパネルラもいままで忘れていたいろいろのことをぼんやり思い出して眼めが熱くなりました。

(ああ、その大きな海はパシフィックというのではなかったろうか。その氷山の流れる北のはての海で、小さな船に乗って、風や凍こおりつく潮水や、烈はげしい寒さとたたかって、たれかが一生けんめいはたらいている。ぼくはそのひとにほんとうに気の毒でそしてすまないような気がする。ぼくはそのひとのさいわいのためにいったいどうしたらいいのだろう。)ジョバンニは首を垂れて、すっかりふさぎ込こんでしまいました。

「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠とうげの上り下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」

 燈台守がなぐさめていました。

「ああそうです。ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。」

 青年が祈るようにそう答えました。

 そしてあの姉弟きょうだいはもうつかれてめいめいぐったり席によりかかって睡ねむっていました。さっきのあのはだしだった足にはいつか白い柔やわらかな靴くつをはいていたのです。

 ごとごとごとごと汽車きらびやか燐光りんこうの川の岸を進みました。向うの方の窓を見ると、野原はまるで幻燈げんとうのようでした。百も千もの大小さまざまの三角標、その大きなものの上には赤い点点をうった測量旗も見え、野原のはてはそれらがいちめん、たくさんたくさん集ってぼおっと青白い霧のよう、そこからかまたはもっとうからときどきさまざまの形のぼんやりした狼煙のろしのようなものが、かわるがわるきれいな桔梗ききょういろのそらにうちあげられるのでした。じつにそのすきとおった奇麗きれいな風は、ばらの匂においでいっぱいでした。

いかがですか。こういう苹果りんごはおはじめてでしょう。」向うの席の燈台看守がいつか黄金きんと紅でうつくしくいろどられた大きな苹果を落さないように両手で膝ひざの上にかかえていました。

「おや、どっから来たのですか。立派ですねえ。ここらではこんな苹果ができるのですか。」青年はほんとうにびっくりしたらしく燈台看守の両手にかかえられた一もりの苹果を眼を細くしたり首をまげたりしながらわれを忘れてながめていました。

「いや、まあおとり下さい。どうか、まあおとり下さい。」

 青年は一つとってジョバンニたちの方をちょっと見ました。

「さあ、向うの坊ぼっちゃんがた。いかがですか。おとり下さい。」

 ジョバンニは坊ちゃんといわれたのですこししゃくにさわってだまっていましたがカムパネルラ

ありがとう、」と云いました。すると青年自分でとって一つずつ二人に送ってよこしましたのでジョバンニも立ってありがとうと云いました。

 燈台看守はやっと両腕りょううでがあいたのでこんどは自分で一つずつ睡っている姉弟の膝にそっと置きました。

「どうもありがとう。どこでできるのですか。こんな立派な苹果は。」

 青年はつくづく見ながら云いました。

「この辺ではもちろん農業はいしますけれども大ていひとりでにいいものができるような約束くそくになって居おります農業だってそんなに骨は折れはしません。たいてい自分の望む種子たねさえ播まけばひとりでにどんどんできます。米だってパシフィック辺のように殻からもないし十倍も大きくて匂もいいのです。けれどもあなたがたのいらっしゃる方なら農業はもうありません。苹果だってお菓子だってかすが少しもありませんからみんなそのひとそのひとによってちがったわずかのいいかおりになって毛あなからちらけてしまうのです。」

 にわか男の子がぱっちり眼をあいて云いました。

「ああぼくいまお母さんの夢ゆめをみていたよ。お母さんがね立派な戸棚とだなや本のあるとこに居てね、ぼくの方を見て手をだしてにこにこにこにこわらったよ。ぼくおっかさん。りんごをひろってきてあげましょうか云ったら眼がさめちゃった。ああここさっきの汽車のなかだねえ。」

「その苹果りんごがそこにあります。このおじさんにいただいたのですよ。」青年が云いました。

ありがとうおじさん。おや、かおるねえさんまだねてるねえ、ぼくおこしてやろう。ねえさん。ごらん、りんごをもらったよ。おきてごらん。」

 姉はわらって眼をさましまぶしそうに両手を眼にあててそれから苹果を見ました。男の子はまるでパイを喰たべるようにもうそれを喰べていました、また折角せっかく剥むいたそのきれいな皮も、くるくるコルク抜ぬきのような形になって床ゆかへ落ちるまでの間にはすうっと、灰いろに光って蒸発してしまうのでした。

 二人はりんごを大切にポケットしまいました。

 川下の向う岸に青く茂しげった大きな林が見え、その枝えだには熟してまっ赤に光る円い実がいっぱい、その林のまん中に高い高い三角標が立って、森の中からオーケストラベルやジロフォンにまじって何とも云えずきれいな音いろが、とけるように浸しみるように風につれて流れて来るのでした。

 青年はぞくっとしてからだをふるうようにしました。

 だまってその譜ふを聞いていると、そこらにいちめん黄いろやうすい緑の明るい野原か敷物かがひろがり、またまっ白な蝋ろうのような露つゆが太陽の面を擦かすめて行くように思われました。

「まあ、あの烏からす。」カムパネルラのとなりのかおると呼ばれた女の子叫びました。

からすでない。みんなかささぎだ。」カムパネルラがまた何気なくしかるように叫びましたので、ジョバンニはまた思わず笑い、女の子はきまり悪そうにしました。まったく河原かわらの青じろいあかりの上に、黒い鳥がたくさんたくさんいっぱいに列になってとまってじっと川の微光びこうを受けているのでした。

「かささぎですねえ、頭のうしろのとこに毛がぴんと延びてますから。」青年はとりなすように云いました。

 向うの青い森の中の三角標はすっかり汽車の正面に来ました。そのとき汽車のずうっとうしろの方からあの聞きなれた〔約二字分空白〕番の讃美歌さんびかのふしが聞えてきました。よほどの人数で合唱しているらしいのでした。青年はさっと顔いろが青ざめ、たって一ぺんそっちへ行きそうにしましたが思いかえしてまた座すわりました。かおる子はハンケチを顔にあててしまいました。ジョバンニまで何だか鼻が変になりました。けれどもいつともなく誰たれともなくその歌は歌い出されだんだんはっきり強くなりました。思わずジョバンニもカムパネルラも一緒いっしょにうたい出したのです。

 そして青い橄欖かんらんの森が見えない天の川の向うにさめざめと光りながらだんだんしろの方へ行ってしまいそこから流れて来るあやしい楽器の音もも汽車のひびきや風の音にすり耗へらされてずうっとかすかになりました。

「あ孔雀くじゃくが居るよ。」

「ええたくさん居たわ。」女の子がこたえました。

 ジョバンニはその小さく小さくなっていまはもう一つの緑いろの貝ぼたんのように見える森の上にさっさっと青じろく時々光ってその孔雀がはねをひろげたりとじたりする光の反射を見ました。

「そうだ、孔雀の声だってさっき聞えた。」カムパネルラがかおる子に云いいました。

「ええ、三十疋ぴきぐらいはたしかに居たわ。ハープのように聞えたのはみんな孔雀よ。」女の子が答えました。ジョバンニは俄にわかに何とも云えずかなしい気がして思わず

カムパネルラ、ここからはねおりて遊んで行こうよ。」とこわい顔をして云おうとしたくらいでした。

 川は二つにわかれました。そのまっくらな島のまん中に高い高いやぐらが一つ組まれてその上に一人の寛ゆるい服を着て赤い帽子ぼうしをかぶった男が立っていました。そして両手に赤と青の旗をもってそらを見上げて信号しているのでした。ジョバンニが見ている間その人はしきりに赤い旗をふっていましたが俄かに赤旗おろしてうしろにかくすようにし青い旗を高く高くあげてまるでオーケストラ指揮者のように烈はげしく振ふりました。すると空中にざあっと雨のような音がして何かまっくらなものがいくかたまりもいくかたまり鉄砲丸てっぽうだまのように川の向うの方へ飛んで行くのでした。ジョバンニは思わずからからだを半分出してそっちを見あげました。美しい美しい桔梗ききょういろのがらんとした空の下を実に何万という小さな鳥どもが幾組いくくみも幾組もめいめいせわしくせわしく鳴いて通って行くのでした。

「鳥が飛んで行くな。」ジョバンニが窓の外で云いました。

「どら、」カムパネルラもそらを見ました。そのときあのやぐらの上のゆるい服の男は俄かに赤い旗をあげて狂気きょうきのようにふりうごかしました。するとぴたっと鳥の群は通らなくなりそれと同時にぴしゃぁんという潰つぶれたような音が川下の方で起ってそれからしばらくしいんとしました。と思ったらあの赤帽信号手がまた青い旗をふって叫さけんでいたのです。

「いまこそわたれわたり鳥、いまこそわたれわたり鳥。」その声もはっきり聞えました。それといっしょにまた幾万という鳥の群がそらをまっすぐにかけたのです。二人の顔を出しているまん中の窓からあの女の子が顔を出して美しい頬ほほをかがやかせながらそらを仰あおぎました。

「まあ、この鳥、たくさんですわねえ、あらまあそらのきれいなこと。」女の子はジョバンニにはなしかけましたけれどもジョバンニは生意気ないやだいと思いながらだまって口をむすんでそらを見あげていました。女の子は小さくほっと息をしてだまって席へ戻もどりました。カムパネルラが気の毒そうに窓から顔を引っ込こめて地図を見ていました。

「あの人鳥へ教えてるんでしょうか。」女の子がそっとカムパネルラにたずねました。

わたり鳥へ信号してるんです。きっとどこからのろしがあがるためでしょう。」カムパネルラが少しおぼつかなそうに答えました。そして車の中はしぃんとなりました。ジョバンニはもう頭を引っ込めたかったのですけれども明るいとこへ顔を出すのがつらかったのでだまってこらえてそのまま立って口笛くちぶえを吹ふいていました。

(どうして僕ぼくはこんなにかなしいのだろう。僕はもっとこころもちをきれいに大きくもたなければいけない。あすこの岸のずうっと向うにまるでけむりのような小さな青い火が見える。あれはほんとうにしずかでつめたい。僕はあれをよく見てこころもちをしずめるんだ。)ジョバンニは熱ほてって痛いあたまを両手で押おさえるようにしてそっちの方を見ました。(あ Permalink | 記事への反応(0) | 22:20

てけつん、つきてん、すいせいてん

八、鳥を捕とる人

「ここへかけてもようございますか。」

 がさがさした、けれども親切そうな、大人の声が、二人のうしろで聞えました。

 それは、茶いろの少しぼろぼろの外套がいとうを着て、白い巾きれでつつん荷物を、二つに分けて肩に掛かけた、赤髯あかひげのせなかのかがんだ人でした。

「ええ、いいんです。」ジョバンニは、少し肩をすぼめて挨拶あいさつしました。その人は、ひげの中でかすかに微笑わらいながら荷物ゆっくり網棚あみだにのせました。ジョバンニは、なにか大へんさびしいようなかなしいような気がして、だまって正面の時計を見ていましたら、ずうっと前の方で、硝子ガラスの笛ふえのようなものが鳴りました。汽車はもう、しずかにうごいていたのです。カムパネルラは、車室の天井てんじょうを、あちこち見ていました。その一つのあかりに黒い甲虫かぶとむしがとまってその影が大きく天井うつっていたのです。赤ひげの人は、なにかなつかしそうにわらいながら、ジョバンニやカムパネルラのようすを見ていました。汽車はもうだんだん早くなって、すすきと川と、かわるがわる窓の外から光りました。

 赤ひげの人が、少しおずおずしながら、二人に訊ききました。

あなた方は、どちらへいらっしゃるんですか。」

「どこまでも行くんです。」ジョバンニは、少しきまり悪そうに答えました。

「それはいいね。この汽車は、じっさい、どこまででも行きますぜ。」

あなたはどこへ行くんです。」カムパネルラが、いきなり、喧嘩けんかのようにたずねましたので、ジョバンニは、思わずわらいました。すると、向うの席に居た、尖った帽子かぶり、大きな鍵かぎを腰こしに下げた人も、ちらっとこっちを見てわらいましたので、カムパネルラも、つい顔を赤くして笑いだしてしまいました。ところがその人は別に怒おこったでもなく、頬ほほをぴくぴくしながら返事しました。

「わっしはすぐそこで降ります。わっしは、鳥をつかまえる商売でね。」

「何鳥ですか。」

「鶴や雁がんです。さぎも白鳥もです。」

「鶴はたくさんいますか。」

「居ますとも、さっきから鳴いてまさあ。聞かなかったのですか。」

「いいえ。」

「いまでも聞えるじゃありませんか。そら、耳をすまして聴きいてごらんなさい。」

 二人は眼めを挙げ、耳をすましました。ごとごと鳴る汽車のひびきと、すすきの風との間から、ころんころんと水の湧わくような音が聞えて来るのでした。

「鶴、どうしてとるんですか。」

「鶴ですか、それとも鷺さぎですか。」

「鷺です。」ジョバンニは、どっちでもいいと思いながら答えました。

そいつはな、雑作ぞうさない。さぎというものは、みんな天の川の砂が凝こごって、ぼおっとできるもんですからね、そして始終川へ帰りますからね、川原で待っていて、鷺がみんな、脚あしをこういう風にして下りてくるとこを、そいつが地べたへつくかつかないうちに、ぴたっと押おさえちまうんです。するともう鷺は、かたまって安心して死んじまいます。あとはもう、わかり切ってまさあ。押し葉にするだけです。」

「鷺を押し葉にするんですか。標本ですか。」

「標本じゃありません。みんなたべるじゃありませんか。」

おかしいねえ。」カムパネルラ首をかしげました。

おかしいも不審ふしんもありませんや。そら。」その男は立って、網棚から包みをおろして、手ばやくくるくると解きました。

「さあ、ごらんなさい。いまとって来たばかりです。」

「ほんとうに鷺だねえ。」二人は思わず叫さけびました。まっ白な、あのさっきの北の十字架じゅうじかのように光る鷺のからだが、十ばかり、少しひらべったくなって、黒い脚をちぢめて、浮彫うきぼりのようにならんでいたのです。

「眼をつぶってるね。」カムパネルラは、指でそっと、鷺の三日月がたの白い瞑つぶった眼にさわりました。頭の上の槍やりのような白い毛もちゃんとついていました。

「ね、そうでしょう。」鳥捕りは風呂敷ふろしきを重ねて、またくるくると包んで紐ひもでくくりました。誰たれがいったいここらで鷺なんぞ喰たべるだろうとジョバンニは思いながら訊きました。

「鷺はおいしいんですか。」

「ええ、毎日注文がありますしかし雁がんの方が、もっと売れます。雁の方がずっと柄がらがいいし、第一手数がありませんからな。そら。」鳥捕りは、また別の方の包みを解きました。すると黄と青じろとまだらになって、なにかのあかりのようにひかる雁が、ちょうどさっきの鷺のように、くちばしを揃そろえて、少し扁ひらべったくなって、ならんでいました。

「こっちはすぐ喰べられます。どうです、少しおあがりなさい。」鳥捕りは、黄いろな雁の足を、軽くひっぱりました。するとそれは、チョコレートででもできているように、すっときれいにはなれました。

「どうです。すこしたべてごらんなさい。」鳥捕りは、それを二つにちぎってわたしました。ジョバンニは、ちょっと喰べてみて、(なんだ、やっぱりこいつはお菓子かしだ。チョコレートよりも、もっとおいしいけれども、こんな雁が飛んでいるもんか。この男は、どこかそこらの野原の菓子屋かしやだ。けれどもぼくは、このひとをばかにしながら、この人のお菓子をたべているのは、大へん気の毒だ。)とおもいながら、やっぱりぽくぽくそれをたべていました。

「も少しおあがりなさい。」鳥捕りがまた包みを出しました。ジョバンニは、もっとたべたかったのですけれども、

「ええ、ありがとう。」と云いって遠慮えんりょしましたら、鳥捕りは、こんどは向うの席の、鍵かぎをもった人に出しました。

「いや、商売ものを貰もらっちゃすみませんな。」その人は、帽子ぼうしをとりました。

「いいえ、どういたしまして。どうです、今年の渡わたり鳥どりの景気は。」

「いや、すてきなもんですよ。一昨日おとといの第二限ころなんか、なぜ燈台の灯ひを、規則以外に間〔一字分空白〕させるかって、あっちからもこっちからも、電話故障が来ましたが、なあに、こっちがやるんじゃなくて、渡り鳥どもが、まっ黒にかたまって、あかしの前を通るのですから仕方ありませんや。わたしぁ、べらぼうめ、そんな苦情は、おれのとこへ持って来たって仕方がねえや、ばさばさのマントを着て脚と口との途方とほうもなく細い大将へやれって、斯こう云ってやりましたがね、はっは。」

 すすきがなくなったために、向うの野原から、ぱっとあかりが射さして来ました。

「鷺の方はなぜ手数なんですか。」カムパネルラは、さっきから、訊こうと思っていたのです。

「それはね、鷺を喰べるには、」鳥捕りは、こっちに向き直りました。

天の川の水あかりに、十日もつるして置くかね、そうでなけぁ、砂に三四日うずめなけぁいけないんだ。そうすると、水銀がみんな蒸発して、喰べられるようになるよ。」

「こいつは鳥じゃない。ただのお菓子でしょう。」やっぱりおなじことを考えていたとみえて、カムパネルラが、思い切ったというように、尋たずねました。鳥捕りは、何か大へんあわてた風で、

「そうそう、ここで降りなけぁ。」と云いながら、立って荷物をとったと思うと、もう見えなくなっていました。

「どこへ行ったんだろう。」

 二人は顔を見合せましたら、燈台守は、にやにや笑って、少し伸のびあがるようにしながら、二人の横の窓の外をのぞきました。二人もそっちを見ましたら、たったいまの鳥捕りが、黄いろと青じろの、うつくしい燐光りんこうを出す、いちめんのかわらははこぐさの上に立って、まじめな顔をして両手をひろげて、じっとそらを見ていたのです。

「あすこへ行ってる。ずいぶん奇体きたいだねえ。きっとまた鳥をつかまえるとこだねえ。汽車が走って行かないうちに、早く鳥がおりるといいな。」と云った途端とたん、がらんとした桔梗ききょういろの空から、さっき見たような鷺が、まるで雪の降るように、ぎゃあぎゃあ叫びながら、いっぱいに舞まいおりて来ました。するとあの鳥捕りは、すっかり注文通りだというようにほくほくして、両足をかっきり六十度に開いて立って、鷺のちぢめて降りて来る黒い脚を両手で片かたっ端ぱしから押えて、布の袋ふくろの中に入れるのでした。すると鷺は、蛍ほたるのように、袋の中でしばらく、青くぺかぺか光ったり消えたりしていましたが、おしまいとうとう、みんなぼんやり白くなって、眼をつぶるのでした。ところが、つかまえられる鳥よりは、つかまえられないで無事に天あまの川がわの砂の上に降りるものの方が多かったのです。それは見ていると、足が砂へつくや否いなや、まるで雪の融とけるように、縮ちぢまって扁ひらべったくなって、間もなく熔鉱炉ようこうろから出た銅の汁しるのように、砂や砂利じゃりの上にひろがり、しばらくは鳥の形が、砂についているのでしたが、それも二三度明るくなったり暗くなったりしているうちに、もうすっかりまわりと同じいろになってしまうのでした。

 鳥捕りは二十疋ぴきばかり、袋に入れてしまうと、急に両手をあげて、兵隊鉄砲弾てっぽうだまにあたって、死ぬときのような形をしました。と思ったら、もうそこに鳥捕りの形はなくなって、却かえって、

「ああせいせいした。どうもからだに恰度ちょうど合うほど稼かせいでいるくらい、いいことはありませんな。」というききおぼえのある声が、ジョバンニの隣となりにしました。見ると鳥捕りは、もうそこでとって来た鷺を、きちんとそろえて、一つずつ重ね直しているのでした。

「どうしてあすこから、いっぺんにここへ来たんですか。」ジョバンニが、なんだかあたりまえのような、あたりまえでないような、おかしな気がして問いました。

「どうしてって、来ようとしたから来たんです。ぜんたいあなた方は、どちらからおいでですか。」

 ジョバンニは、すぐ返事しようと思いましたけれども、さあ、ぜんたいどこから来たのか、もうどうしても考えつきませんでした。カムパネルラも、顔をまっ赤にして何か思い出そうとしているのでした。

「ああ、遠くからですね。」鳥捕りは、わかったというように雑作なくうなずきました。

anond:20210322115552

ホッテントリになってる早稲田の人研のインタビューで書いてるように、

エヴァラストTV版も旧劇も「鏡」って書いてるけど、

鏡を見ても「現実自分理想自分乖離」みたいなのを感じない人は問題ないんだよ

それは毎日ちゃんと鏡を見ている人

というか、リアルの鏡もそうだけど、心の鏡を見てる人、

自分の身の丈を自覚している人とも言えるかも

でも、その身の丈を自覚してないというか、山月記肥大した自尊心というか、

そういうカテゴリーに含まれオタクに対して、

現実を見ろ」「俺が用意した鏡を見ろ」

とは言ってるんじゃないかと思うし、それはそれで自戒を込めてだったり、

庵野氏の天の邪鬼な面が出てるのではないかなあ、と思ったり

ちょっと嫉妬というか、悪い言い方をするなら、庵野氏は優れすぎてたんだよ

それは「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」の前からすでにそうだったと思う

から庵野氏は「周囲を見下していた」と思うんだよ、内心は

なんというか、はしゃいでるオタクとか、若い世代とか眺めては、

そこは俺がとっくに通過した地点であって、おまえら甘いなあ、

みたいに思ってたと思うし、

シンエヴァは知らんけど、旧劇とホッテントリインタビューを読んで、

非常に面白いと思うんだけど、どこか自惚れというか、そういうのも感じられる

謙遜しているけど、庵野自身としては最善を尽くして出し切った感があっただろうし、

内容に対して、BBSなどで「庵野○ね」みたいに書かれて腹立ちもあっただろうけど、

内心は「勝ったな…」「ああ…」だったと思うんだよなあ

少なくとも、自分庵野氏だったらそう思う

ちょっと話が脱線するけど、Amazonなりネットレビューを見ていて面白いのは、

視聴者や読者があまりにも話しにのめり込み過ぎていいて、

例えば「主人公が酷い目に逢いすぎるので☆1つです」みたいな評価を下す人がいて、

自分はそういうのを読んで、内心笑ってしまうと同時に、

視聴者や読者の感情作品操作できてる時点で「作者の勝ち」だと自分は思っていて、

まあ、それは炎上マーケティング似て非なるものだとも思うんだけど、

似ている点は、客の感情を揺さぶることには成功している、

これは作品として最低限必要ものだと自分は思っている

まり、毒にも薬にもならないぐらいなら、猛毒を盛った方が作品としては面白い

というか、不愉快であれ、胸くそいであれ、印象には残るわけだ

印象に残らない作品よりはよっぽどいいと思う

もちろん、その胸くそ悪い不愉快さにも許容範囲はあって、

あるレベルを越えるとマスの客は単に不愉快なので逃げてしまって、露悪趣味の客だけ残ってしまうわけだけど、

それはそれでニッチを狙ってるともいえるわけだけど、売れる作品ではなくなってしま

から、そのさじ加減の問題なんだと思う

話を戻すと、現実を見ろ云々だけじゃなくて、庵野氏としては天然か意図的かは知らないけど、

から作品意図的に毒を混ぜている、

それは上述したように、毒を混ぜないとつまらない作品しかならないか

から、「現実を見ろ」という主張をエヴァには混ぜたけど、他の作品には混ぜてないかもしれない

それは庵野氏にとっては主張自体もどうでもいいというか、それも作品を盛り上げるためのスパイスしかない

庵野自身は「現実を見ろ」と昔から深くは考えていないのかもしれないけど、

エヴァに「現実を見ろ」という主張を混ぜたら、観客はどう思うかな?炎上するかな?

寧ろ炎上してくれるぐらいの方が面白いけど、

そういう作中に作者が込めた意図的挑発に単にのる人は、作品にのめり込み過ぎてる人、つまり現実を見ろの対象であって、

そうではなくて、作り手側の立場で考えられる人はエヴァラストもそんなに怒らないと思うんだよね

自分で言うのもなんだけど、自分エヴァラストには怒らなかった

というか、TVの25、26は作画崩壊ネタにも思えたし、エヴァループしてラブコメになってるのも良かった

「え?ここまで視聴者を引っ張り回して、なんの謎も解決しないまま、全部夢オチというか冗談でしたで終わっちゃうの?」

と怒る人は怒るんだろうけど、

なんかそれがガイナックスらしさというか、DAICONフィルムらしさというか、まあ、無責任だとは思うんだけどw

結論としては、庵野自身に「現実を見ろ」という信念みたいなものは多分ないんだと思うんだけど、

エヴァに敢えて「現実を見ろ」という演出を込めたら、BBSに「庵野○ね」とか書いてる奴らは顔真っ赤にするかなあ、

みたいに本音では庵野氏は考えてそうではある

から、そこを楽しめる人でないと怒るんだと思うんだよなあ

あと、自主制作帰りマン庵野氏がウルトラマンやっちゃってるけど、あれは自主制作から許されるんであって、

流石の庵野氏も円谷プロからも依頼されたシンゴジラでは、そういうことはやらんわけだよ、当たり前だけど

でも、自分としては円谷プロは今の東京オリンピックと同じように、お家騒動とかでゴタゴタして会社は傾かせるし、

子供の夢を食い物に裏では醜態晒してきたように思うので、

インタビューで、今のウルトラマン過去ウルトラマンメタファーしかない、みたいに言ってるように、

ゴジラをぶっ壊してしまっても良かった気もするんだけど、

あの辺が限界だったんだろうなあとか、庵野氏は大人になった、丸くなったんだなあ、とか思って、

それがちょっとまらない一因でもあったんだけど、まあ仕方がないとは思うんだよね

なんかパンクバンドみたいなのがあったとして、

インディーズで売れない時代ライブで負傷者を出すようなステージパフォーマンスがあってもいいけど、

というか良くはないけどw

売れて日本でいうならミュージックステーション?に頻繁に出るぐらいの知名度を得たのに、

インディーズ時代のノリでステージパフォーマンスで負傷者出したら、マスコミかに叩かれて消えてしまうだけだと思う

から、シンウルトラマン庵野氏がウルトラマンになることは絶対ないんだろうけどw

インタビューで語ってたように、初代ウルトラマンって沖縄問題とかイデオロギーとかのメタファーだった、

どっちかというと左翼的というか、学生運動的な臭いもあったと思うのだけど、

庵野氏が自分でああ言っているのだから

彼なりの初代ウルトラマンのようなイデオロギーメタファーウルトラマンが観れるんだろうなあと期待はしてる

ただ、自分としては上述したように、初代ウルトラマンイデオロギー左翼的とも言える面は面白いんだけど、

それはあの時代だったか面白かったというか、

そういう社会問題に対する認識が元からあったり、

プロ市民とまではいわないけど、普段から少しはそういうことをぼけっとでも考えている人なら、

初代ウルトラマンみたときに、あー、難民問題みたいなもんだよな、バルタン星人、とか思ったりするわけなんだけど、

当然、子供はそんなこと考えないで構わない、正義が悪を倒すのを観て消費してくれればいいし、

大人になって改めて観て、初代ウルトラマンを作る側が何を考えていたのか、意図してたのかを考えてみるのもいい

というか、そういうイデオロギー作品スパイスとして込めておくことで、そういう奥深さが演出できる

でも、だからといってそこにあまり意味はなくても良くて、

そこに意味を持たせすぎると、「〜するべき」みたいなべき論を伝える説教臭い作品になるわけで、

あくまスパイスでいいんだと思う

そこから視聴者それぞれが自分勝手に自分人生と重ねたり色々自由に考えて自由感想を持ってくれて構わないと思うんだよね

から現実を見ろ」も庵野氏のスパイスあくまで一つであって、それは昔から使っていたのかもしれない

使ってても視聴する側が気が付かないだけということもあるし、それはそれで構わないんだと思う

2021-03-16

anond:20210316175104

なんでこやつらが鉄砲玉なのかというと、共産政権崩壊たから。

出がらしなんだ。

2021-03-07

webITとか社会運動界隈で発達障害鉄砲玉や特攻隊にして扇動する最近手法かわいそうだからやめてほしい

例えばグレタさんみたいな社会でマトモに生きるのに苦労してんだろうなっていう、見るから発達障害のガキを鉄砲玉として扇動させられて、いかにも池沼ですって感じの表情で稚拙正義感を煽って見世物にしてるアレ、かわいそうだからやめてやれよ

ギフテッドとかグレデーションとかいって、社会に生きづらさを感じてる系男子とか女子発達障害みたいなの、やりがい搾取で狂った労働使い捨てWeb系のアレ、いい加減やめてやれよ、発注したりビジネスでかかわる側から見てたらさ、マジで見ててかわいそうなんだよ、その末路や働かされてる奴らの中に、増田かいっぱいいるんだろうけど、見てみろよちょっとさ、ちゃんとした人にかかわってたらあん承認欲求毒虫のように肥大化して糖質寸前の意味不明世界観現実を生きるようになんてならなかったはずなのに

パパ活価値観狂わされて壊れた人間みたいになってるじゃんああい発達障害の人たち、ただでさえ発達障害って生まれつき頭壊れてんのにさらに壊すような外道まりない真似するのもさ、金のためならなんだってしていいって道理はないだろ?生まれつき頭が壊れてる障害者とはいえ治療すれば健常者になれるしそれ以上の才能を発揮できる可能性さえあるのに、それを耳障りのいい言葉で使いつぶすのやめようよ、趣味が悪ぃよ、Webベンチャーって

理解ある彼くん」とかもさ、あんなんどう考えたって小金と暇ができたからヤリモク始めたいけどまずはどんだけ酷いことしようが知ったこっちゃないし、頭悪いしそもそも頭壊れてそうだからだましやすそうな「社会に生きづらさを感じてる系人間」を狙ってる真面目系クズなの、健常者なら見ててわかるじゃん

そこまでしてチ〇ポしてーのかと、お前に人としての尊厳はないのかと、てかお金払って風俗行けばいいだろ、何で発達障害みたいなまごうことな知的障害者を狙ってそんなことしようとする輩が後を絶たないんだろうな

結局、景気が悪いけどここ20ブラック労働で人使いつぶして法律規制が厳しくなったから、障害者としての保護は受けられないけど健常者としても生きられない、グレーゾーン弱者狙ってそういう悪いことに利用してお金稼ごうって輩が目を付けたんだろうなと思うと、人間モラルについて考えさせられるよ

2021-02-21

anond:20210221085249

自分の頭で考えたら死ぬだけの無能から選択肢を奪うことで生存権保証してやってた優しい差別主義者様から

無能選択肢を与えて鉄砲玉にすることしか考えてないリベラルガイジに乗り換えた結果がBLMのアホみたいな顛末だぞ

差別主義者扱いが罵倒になるのは相手人間の時だけで、能力そもそも人間レベルに達してない無能を生かしてやるのは差別という名の慈悲でもあった訳だな

anond:20210221084337

どう考えてもクソの鉄砲玉キメて人生投げ捨てるよりもトランプ札束ビンタされつつ田舎白人丁稚やってた方が幸せだったんだよなぁ

2021-02-18

anond:20210218191333

もうあの手の運動が急進化してるせいでそういうこと言ったら後ろから鉄砲撃ってるようにしか見られないと思う

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