18歳で地元のS市を離れて、大学入学のため東京に移り住んでから、ちょうど18年経った。元来の要領の悪さにもかかわらず、何とか仕事も頑張ってるし、幸運に恵まれて結婚してくれる相手も見つかったし、生まれた子供ももう年長さんで毎日可愛い盛りだ。
東京の暮らしは控えめに言ってとても楽しい。他所から来た旅人の視点で見回せば、こんなにもワクワクする非日常が日常に溢れているのである。どこも混んでる事と渋滞が酷い事は当初は辟易したがすぐ慣れた。
今思えば、東日本大震災の時はまだ若かったのだ、近しい人たちの安否が確認できて、一ヶ月も経てば非日常の日常は戻って来たのだ。あんなにたくさんの命が失われたのに。
コロナ禍、こんなにも長い変調の日々、絶対的な事なんて存在しないんだって、胸の中が薄ら寒くて、氷が徐々に溶けて広がっていくようだ。これまで考えもしなかったけれど、高校でちょっとだけ付き合ったあの人は今どんな風に暮らしているのかなとか、幽遊白書のエンディングを聴き始めたり。ドイツ語がわからなくてテスト前日に泣きそうになった時のこと思い出したり。
それで、今週末は必ず、家族といつもの広い公園に行って、芝生にシートを広げて、サンドイッチを食べて青空を見上げると決めたのだ。水鉄砲を持っていって遊んでもいい。だから必ず晴れてほしいと思っている。
今週末は天気が不安定だから気をつけるんやで