はてなキーワード: 派遣労働者とは
ワイITエンジニア、というのは世を偲ぶ仮の姿でその正体は派遣労働者
この仕事をしていると中年、壮年層の派遣エンジニアなんてのもチラホラ見かける
すでに白髪も目立つ爺さんが若いプロパーにこき使われているのだ
作業の手を抜く言い訳、ミスした時の言い訳、嫌な仕事を断る言い訳
それを責めたいわけではない
下手すりゃ自分の孫ぐらいの年齢の若造に、あれやこれや指示されて、
ミスったら言いたい放題言われ続けてきたのだろう
そりゃプライドも傷つく
うちの親父もそうだった
話を聞いていても、普段の振る舞いを見ていても、仕事はできなさそうだった
何となく朝会社に行って、夜帰って来れば生きていられる。ぐらいの意識だったのだろう。
若い頃はそんな親父が嫌だな、かっこ悪いなと思っていたが、
親父は親父なりに一生懸命やったのだろう
鶏口となるも牛後となるなかれという諺があるが、
それはきっとこういう事を言ってるのだろう
ZOZOに賃上げを求める藤田孝典氏だが、はてなでは評価が低い。その理由は藤田氏が「無能な味方」だからである。
そもそもはてなは派遣に同情的なプラットフォームだ。諸悪の根源とされる竹中平蔵氏や、差別的な発言を繰り返す田端信太郎氏に対する反発は強い。藤田氏には最初から有利な風が吹いているにも関わらず、どうして支持されないのか。
まず、「月に行くくらいなら賃金を上げるべき」という論点は、実はどうでもよい。個人の資産をどう使おうが自由なのは当たり前だが、名誉が欲しいなら社会に還元せよという論も成り立つ。普通の金持ちは目立ちたくないのでTwitterで発言などしない。前澤社長はリスクを取ってでも社会から認められたい欲求がある。
次に、現代は「何を言うか」よりも「誰が言うか」が重要な時代である。インフルエンサーがコンビニの商品をうまいと言えば、全国の店舗の棚から商品が消える。何者でもない人が注目を得るには、崖っぷちで自撮りするとか、裸になるくらいしか方法はない。
たしかに、増田に投稿された「保育園落ちた日本死ね」がブレイクしたように、当事者からの訴えが社会を動かす可能性はある。だが藤田氏はZOZOの派遣労働者ではない。スペックを見ても、肩書きには聞いたこともないNPOや大学名が並んでおり、発言の信憑性を測りづらい。
ネットで受けるのはスペックではなくキャラなのだが、田端氏との討論を見ても分かる通り藤田氏にはトーク力も魅力的なキャラもない。はてなで「馬鹿」の烙印を押されている田端氏とやり合う以上、最低でも互角に渡り合うことが絶対条件だった。勝ち目がないなら討論など最初からやるべきではない。
かくして藤田氏は、派遣労働者の味方どころか、田端氏や前澤社長の引き立て役になってしまった。藤田氏が頭の悪そうな発言をすればするほど、田端氏や前澤社長は聡明な人物に見えてくる。これでは賃金上昇は遠のき、富裕層を崇める風潮は強化されるばかりだ。
逆に田端氏や前澤社長にとって、藤田氏のような「無能な味方」が暴れ回ることは願ってもない展開だ。おそらく彼らは藤田氏に、もっともっと「活躍」してもらいたいと思っている。田端氏は都合が悪い相手を徹底的に無視してきたが、藤田氏には積極的にTwitterで絡んでいる。つまり、そういうことだ。
一方の藤田氏にとってもこれは悪い展開ではない。田端氏や前澤社長のお友達は風向きを察したのか、「個人の自由だ」と連呼を始めている。これで藤田氏はしばらくの間「大企業に物申す」キャラを続けられることになり、メディアへの露出も増えるはずだ。
このようにZOZOと藤田氏は一種のWin-Winの関係を築いており、こうしたメカニズムが働いている以上、ZOZOの派遣労働者の賃金が上がることはない。上がるとすれば、人手不足によって労働者を確保できなくなった場合である。
実習生は恋愛も妊娠も禁止 施設側「生産能力が落ちる」:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASLCZ7220LCZUTIL05X.html
これ、外国人向けにそうさせられるということは、当然、権力のない日本人労働者(とくに派遣)に対しても、同じ対応しているということだからな。
日本人か外国人かで多少、奴隷の度合いが違うだけで、実質、このような奴隷扱うする会社は、日本人も奴隷扱いしている。
人間をロボット代わりに、ロボット以下に扱う企業を全部潰してしまえ! そういう会社は、全部潰れろ!
なにも、外国人技能実習生じゃなくても、日本人の派遣労働者も奴隷度合いが少し緩いだけだ。
大衆向けに使っている、いわゆる”派遣”は奴隷である。それは「派遣」ではない。
本来の「派遣」は、専門的な何かを持っている人対象であり、そのような人らは、最低限でも年間1,000万円以上の報酬(手取り)がある。
何が言いたいかというと、”派遣”の仕事で、手取りで年間1,000万円を切る案件は、「派遣」ではない。
まさに、明治時代の女工哀史で語られていることは、いまの日本人奴隷(派遣)哀史そのものと思えるし、さらに人間を買い叩いたバージョンが外国人技能実習生奴隷哀史そのものになりつつある。
まっ、千葉県船場市の街なかにいても、これを肌で感じるんだから、全国津々浦々、こんな感じだと思う。
この「フリーター漂流」ときからすでに10年以上経っているけれども、いまはこのときよりもさらにひどいことになっている。
この”派遣”、奴隷労働を法改正を順次経て、法的に認める方向になっている。
フリーター漂流 https://www.nicovideo.jp/watch/sm26120858 via ニコニコ動画
高プロは、上西先生や佐々木亮先生、嶋崎量先生らの労働弁護士の人たちが一生懸命発信してくれているので、ぜひそちらを見ていただきたいんですけど、立憲民主党の石橋通宏議員の質疑がとても良かったので書き起こしておきます。
石橋議員は、はっきり言っちゃうと喋り方が苦手なんだけど、法律で担保されていることの重要性と、国会できちんと言質を取っておくことの重要性がわかっているなぁといつも思っているので応援している。というか吉川沙織さんもすごく好きな議員なので、情報労連はなかなかやるな、と思っている。労働貴族と揶揄されようが、ノブレスオブリージュを果たしているのではないかにゃ。
ちょっと脱線するけど、労組出身議員を、労働貴族と毛嫌いする人は多いと思うんだけど、私は国会できちんとした議論をしてくれるのであれば、どこ出身でも構わないし、人間が集まって意見の集約をしようとするときは当然政治が生まれるので、私は労組内の勢力争いも別に否定的には見てないけど、さすがに神津さんは、高プロ通っちゃったら責任取って辞めるべきだと思う。安倍さんは器がちっさいから、民主党政権時代を恨んで連合会長との政労会見を拒否し続けてきたり、労政審に労組の代表者入れない部会を作っちゃったり、明らかに労働政策での連合のプレゼンスが低下していた中で、2016年ぐらいから働き方改革関連法案の作成にあたってちょっと秋波を送られた連合が政権に擦り寄っちゃった結果が高プロ容認なわけだけだから。当然責任は取るべきでしょ、と思う。いやならもっとしっかりと働けよっていう。結局この辺の連合の動きが、全労連の共産党との共闘排除をはっきりうち出して、連合との関係を強化しようと前なんとかさんを焦らせてしまったとこも多分にあるわけで。私としてはそのせいで、国民民主党ができちゃったもんだから、内閣委員会の委員長が与党系に変えられちゃったりで、カジノ法案も全然議論されないまま通っちゃったし、いろんな八つ当たりを神津さんにはぶつけていきたい!
前半、高プロの年収水準の話で、諸手当を年収見込みに含むかどうかを問いただす石橋議員。確実に支給が見込まれるのであれば、諸手当を含むと労使で合意さえすれば問題ないらしい。石橋議員らの試算によると基本給850万くらいという場合も、現行水準で可能な模様。後半、内閣法制局をよんで、法文解釈をさせる石橋議員。
「略)今日、内閣法制局の方にお見えをいただいております。これ、もう色々議論してまいりました、我々が、問題視しているのは、決議事項に違反した場合の法的効果はどうなっているか、ということです。これ、決議の要件さえ満たせば、届出制ですから、労基署は受け取るわけです。いちいちチェックなんかしません、できません、無理です。運用始まった、実際は決議に違反していた。大事なのはそん時に、法的な効果がどうなるのか、ということが大事なんです。まず法制局、端的にお伺いします。41条の第1項、決議事項、第1項から10項まであるわけですが、それぞれ決議違反が判明した時の法的な効果を教えてください。」
「法案改正後の、第41条、第1項につきましては、2号に掲げる労働者を1号に掲げる業務に就かせた時、労働時間の、深夜、休日に関する割増賃金の規定は、その労働者には適用しない。ただ3号から5号までに規定する措置のいずれかを、使用者が講じていない場合は、その限りではない、とされていますので、第1号から第5号までに掲げる事項に関して、決議が遵守されていない場合には、労働時間等に関する適用除外の効果が生じないことになります。また6号から10号までに掲げる事項につきましては、決議が遵守されていないとしましても、労働時間等に関する規制の除外の効果に、影響が生ずることはない(です」
「お分かりでしょうか、これすごい大事な、法制局の見解、だと思います。法制局もう一点だけ、先ほど答弁いただきましたが、第1項の第2号に掲げる労働者に第1号に掲げる対象業務に就かせた場合、除外をされるという、そういう建てつけ、整理でした。先ほど、えー第1号の対象業務の決議、についてですが。もしですね、適用事業所で、実際の運用の中で、明らかに、対象業務としての要件に欠く、要件に違反している、本来対象業務として認められるものでなかった、ということが明確になった場合には、その対象業務自体が、この第1号の対象業務の要件を満たさなくなる、ということがあり得る、ということでよろしかったでしょうか(略:石橋さんがずっと聞いている、対象業務でない業務で不適切な運用であった場合に、高プロから外れるのは決議された対象業務自体か、労働者か問題の確認」
「(略)今ご指摘のような明らかな1号業務ではないということが明らかになるのであれば、その業務自体が、対象にならないということになると思います。」
「はい。1号で、業務自体が、対象業務にならないという法制局の見解でした。大臣、お聞きいただいたと思います。1点目の点、大変重要です。第6号から第10号までの決議事項については、仮に決議に違反しても、高プロの適用除外にならないんです。省令でそんなこと規制できません、委任されていませんから。てことは、例えば、この中に大変重要なものが入ってますね。第9号は不利益取扱いの禁止です。衆議院の修正、第7号は同意の撤回です。たとえこれに事業者が違反しても、高プロの適用除外にはならないんです。これ、法案、欠陥じゃないですか」
(誰も手を上げないので、委員長がどなたが、と促し加藤が渋々手を挙げる)
「今お話しありましたように、7、失礼、6号から10号、これは適用の除外にならないということであります。これ制度の適用の考え方としては、当該事業場の現状を熟知した労使が合意して、制度導入した場合において、対象業務や、対象者の要件を定めるもの、あるいは個々の労働者の要件に直接かかるもの、これは制度の根幹に関わるということで、これが満たされていない場合については、条文上、明確に制度が適用されない。ま、すなわち高プロとして無効、ということであります。(働かせた分は残業代を払わないといけない)ですが、その他については、決議に基づいて、実施されることが当然求められるわけでありますけども、まずは当該事業場の労使委員会で実施状況を把握し、その履行確保を図っていただく、その上で、仮に不履行があれば、厳しく指導していく、こういう姿勢で臨んでいきたいと思います。こうした内容の条文については、えー先般、労政審においても、概ね妥当(これ労働者代表がいくら反対しても概ね妥当以外の結論が出ないからね。多数派を政府が推した有識者と使用者が占めてるから)ということでございます。また、現在の企画型裁量労働制においてもですね、同様に、措置に応じてですね、不履行があった場合には、無効ではなく、指導による対応をしている、という事例もあるわけでございます。」
「だからいいってことですか、大臣。それは僕らがずっと問題として指摘している話ですよ。現行の裁量労働制に、深刻な問題があるでしょう。なぜ過労死が、労働災害が起こってるんですか、裁量労働制で。そういう制度上の欠陥があるのに、その修正も、その適正化を、全部取っ払っちゃった(裁量労働制の拡大と引き換えに、裁量労働制の修正を入れていたので、裁量労働制の拡大がなくなったら、裁量労働制の改善策まで引っ込めた安倍とかいうクソやろうがいましてね)。なんの改善策も講じられてない、それをそのまま高プロにひっぱてるんですよ、だから同じことが起こるんですよ。首かしげないでください、責任ある答弁ここでしてくださいよ。大臣、認められるでしょ、これ、大臣は本人の同意があるから大丈夫です、同意するんです、言い続けている。でも今明らかになった。たとえ同意で、”お前、同意しなかったから、もう処遇しない、お前降格だ”。ね、こう第9号(に関する決議)に違反しても、何のお咎めもないんですよ。気をつけろよーで終わりなんですよ。第7号で衆議院で修正された、じゃあ同意の撤回、”いやダメだ”って言っても、何のお咎めもないんですよ(ささきりょう先生は、ここは決議だから、使用者がいいといえば認めるとしちゃっても問題ないと書いておられましたね)。大臣、これで何が同意するから大丈夫だ、ですか。欠陥でしょ、それ。そんなもんでいいんですか、大臣。さっき難波委員が言われた、働くものの命を守るのが大臣でしょ。守れないじゃないですか、大臣、大臣。省令で規定できないんですよ、委任されてないから。欠陥なんですよ、これ法律の。大臣、どうするんですか」
「あの、今委員ご指摘の不利益な取り扱いというのは、それはもう同意されていないわけですから高プロは発生してないわけですよね。いや、ですから、本人が同意していない以上、高プロが無効になる以前に、高プロの契約は進んでいないんで、当然、この無効、有効の契約がそもそもない、その、不利益取扱いをどう考えるか、これは別途の問題につながっていく、あの今委員が御指摘なのは、適用が除外するか、しないかって除外かってことでありますから、そこにはかかってこないということになると思います。」
これ典型的なすり替えですね。不利益な取り扱いに関する労使決議を遵守しなくても、その労働者の労働は高プロの対象業務として維持されるんだとしたら、不利益な取り扱いを匂わせながら、強制的に同意させようと試みるのがやり得になるでしょ、というのが質問者の意図でしょ。同意してないから、高プロは発生してないから契約がそもそもないとかまじで意味わかんないんだけど。私には確定的なことは言えないんで、聞いて欲しいんだけど、3−5号の決議に違反して、高プロの対象外の業務を高プロとして、割増なしで働かせていたとしたら、割増賃金の支払い義務が事後的に生じるはずだけど、6ー10号の決議に違反していたとしても、それによって高プロの業務である事による適用除外効果は消えないわけだから、決議違反によって割増賃金の支払い義務は発生しないんではないのかな。さすがに同意の強制が証明できれば裁判では勝てるだろうけど、難しそうだし。でもちょっと石橋議員は違う方向にいっちゃったんだけど。
「じゃあ他の号、同意の撤回はどうですか。大臣、重ねて言います。6号から10号に関しては、それに違反しても、お咎めなしなんです。ね。気をつけてよって言われるだけなんですよ。大臣それお認めになるでしょ。省令でどうにもできないんですよ。委任されてないから法律に。そんな制度でいいんですか、重ねてお伺いします。ごはん論法やめてください」
「ちょっとごはん論法の意味がわかんないんで、あれですけども、先ほどのように、不同意であれば、契約は打ち切られることになるわけですから、あの、それと、その結果として、それに対して、どういう対応をしていくのか、というのは別に考えなきゃいけない、我々も、まずは労使委員会、あるいはその中で、履行を図っていただくわけですけども、仮にそうしたことが、しっかり行われていなければ、指導等を通じてですね、しっかり厳しく指導していく、ということでございます。別にそれを看過するということを申し上げてるのではなくて、それに対する対応としては、監督指導を通じて、その是正を図っていくということでございます。」
「結局、何か重大なことが起こらないと気づけないんですよ。気づいても、この号の違反では、何にもできないんですよ、気をつけてねー次回はやらないでね、それしかできないんですよ。(高プロの適用自体を)取り止めにできないんですよ。これ大臣認めなきゃいかんですよ、そういうものです。法制局がそういう風に言われていますから。大臣重ねて首傾げてますけど、そういう法律ですよ。法制局が認めているんだから、これは認めないといけないですよ。そういう欠陥のあるものを、本人の同意があるから大丈夫です、と通そうとしてるんけど、不利益取扱いをチラつかせて、いくらでも同意を取り付けることはできるんです。現場でそんなことが起きるんですよ。”同意しなかったらわかってるだろうね”、本来それだけで9号違反でしょ、本来。同意せざるをえない状況に追い込まれるんですよ。そういう場合にも、労働者がクレームしたって、何のお咎めもないんじゃ、クレームのしようがないじゃないですか。そういうことを申し上げてるんですよ、大臣。わかってんですかね。
具体例をあげましょう、前回新規採用労働者に対して、高プロの新規採用もできると、これもびっくりしましたけど、確認しますが、新規採用の時、まぁ中途採用でしょうね、高プロの対象だったらね、いきなり学卒の新規はないでしょうから。採用時に、高プロに同意すれば採用する、しなければ採用しない、これは9号違反ですか。」
「えーと仮に採用前の段階でそのようなことが起こった場合ですけども、労働基準法が適用される、労働者、使用者の関係がないわけなんでありますので、不同意にかかる不利益取扱いの禁止を含めまして、労働者に高度プロフェッショナル制度にかかる条文が適用されるわけではございません。ただ、他方で、労使委員会の決議事項に、対象労働者の同意の撤回に関する手続きを定めなければならないとされておりますので、定めなければ、高度プロフェッショナル制度は適用できなくなりますので、一旦そのような同意で就業し、入社後にそのような手続きに基づいて撤回することも自由でございます。」
「すごい答弁ですね。採用時に高プロを飲むか飲まないか、飲まないなら採用しない、まだ契約にないから違反じゃないんだ、すごい答弁ですね。嫌だったら採用後に撤回してください、ですか。すごい話ですね。これもとんでもない話だと思います。(この後派遣労働者に高プロは適用できないことを確認して、廃案を求めて終わり)」
6−10号はそれぞれ
6号:労働者の健康がやばそうだったら、健康診断とかなんか措置を講じると決めておく
8号:苦情処理の仕方を決めておく
9号:不利益な取り扱いをしてはならないと決めておく
10号:その他、厚生労働省令の定めることについて決めておく
ということなんですが、ここが労使委員会で妥当な結論が出ていても、この条件に違反したからといって直ちに高プロの対象から外れることはないんだぞ、というとことですね。
高プロに関しては自民党議員からも疑問を呈する質問がされていますけど(農水の山田議員とかもかなり口うるさく言ってる)、延長することになったから通る確率はほぼ100%になったと思います。先週末の世論調査がもう少し悪かったらひょっとしたら国会閉じてたかも知らんけどね。
あとすごく気になっているのは、重要法案と内閣が決めているはずのものの審議時間が一昨年ぐらいと比べて異常に短くなっていること、野党との合意形成の努力をほぼ放棄していることですね。安保とか共謀罪とかは、どんどん問題点が出てくるもんだから審議尽くされてなかったと私は思いますけど、外形的な時間だけはかけてましたよね。延長するにしたって、一応与野党党首会談で、自民党の総裁が野党のリーダーに延長への理解を求めるぐらいの最低限の体裁は整えようとしていました。でもカジノ法案とかマジで議論する気ねーなってのが丸出しでしたし、高プロにしたってどんどん新しい問題点が指摘されるわ、基本データにまで問題あったのに、審議に時間をかけないわで本当に国会軽視はどんどん進化してる。安倍さんの中では、安保とか共謀罪とか森友、加計学園問題で、変に審議したから支持率が下がっちゃったと多分思ってて、国会で審議するだけ損だと思ってるのがだだ漏れなんですよね。延長したのに、国会の最終盤は外遊でいないらしいし。今年これ、ということで、これが対して問題視されてないな、と思ったら来年はもっと非常識なことやってくるのが安倍さんなんで、本当にいい加減辞めさせないと、前例主義の国会では取り返しがつかないことになる。私はご存じのように、安倍政権に悲惨な末路を迎えて欲しいので、総裁選不出馬で、岸田さんに禅譲とかされると、それはそれでムカつくんですけど、本当に国会はやばいですよ、マジで。
行政が改ざんで国会を欺いていたことが明らかになったってのに、もう何事もなかったかのようになりつつあるのは本当にやばい。ここを乗り越えちゃったら本当にやばい。それは共有して欲しいんでよろしくお願いしたいところです。
高プロは、上西先生や佐々木亮先生、嶋崎量先生らの労働弁護士の人たちが一生懸命発信してくれているので、ぜひそちらを見ていただきたいんですけど、立憲民主党の石橋通宏議員の質疑がとても良かったので書き起こしておきます。
石橋議員は、はっきり言っちゃうと喋り方が苦手なんだけど、法律で担保されていることの重要性と、国会できちんと言質を取っておくことの重要性がわかっているなぁといつも思っているので応援している。というか吉川沙織さんもすごく好きな議員なので、情報労連はなかなかやるな、と思っている。労働貴族と揶揄されようが、ノブレスオブリージュを果たしているのではないかにゃ。
ちょっと脱線するけど、労組出身議員を、労働貴族と毛嫌いする人は多いと思うんだけど、私は国会できちんとした議論をしてくれるのであれば、どこ出身でも構わないし、人間が集まって意見の集約をしようとするときは当然政治が生まれるので、私は労組内の勢力争いも別に否定的には見てないけど、さすがに神津さんは、高プロ通っちゃったら責任取って辞めるべきだと思う。安倍さんは器がちっさいから、民主党政権時代を恨んで連合会長との政労会見を拒否し続けてきたり、労政審に労組の代表者入れない部会を作っちゃったり、明らかに労働政策での連合のプレゼンスが低下していた中で、2016年ぐらいから働き方改革関連法案の作成にあたってちょっと秋波を送られた連合が政権に擦り寄っちゃった結果が高プロ容認なわけだけだから。当然責任は取るべきでしょ、と思う。いやならもっとしっかにりと働けよっていう。結局この辺の連合の動きが、全労連の共産党との共闘をはっきりうち出して、連合との関係を強化しようと前なんとかさんを焦らせてしまったとこも多分にあるわけで。私としてはそのせいで、国民民主党ができちゃったもんだから、内閣委員会の委員長が与党系に変えられちゃったりで、カジノ法案も全然議論されないまま通っちゃったし、いろんな八つ当たりを神津さんにはぶつけていきたい!
前半、高プロの年収水準の話で、諸手当を年収見込みに含むかどうかを問いただす石橋議員。確実に支給が見込まれるのであれば、諸手当を含むと労使で合意さえすれば問題ないらしい。石橋議員らの試算によると基本給850万くらいという場合も、現行水準で可能な模様。後半、内閣法制局を読んで、法文解釈をさせる石橋議員。内閣法制局はさすがにひどいごまかしはできず、素直に条文を読んだ回答をする。ここで法制局に答えさせている石橋議員は賢い。加藤や山越局長に聞いても、「同意があるから大丈夫」の結論にするに決まっとるもんな。
「略)今日、内閣法制局の方にお見えをいただいております。これ、もう色々議論してまいりました、我々が、問題視しているのは、決議事項に違反した場合の法的効果はどうなっているか、ということです。これ、決議の要件さえ満たせば、届出制ですから、労基署は受け取るわけです。いちいちチェックなんかしません、できません、無理です。運用始まった、実際は決議に違反していた。大事なのはそん時に、法的な効果がどうなるのか、ということが大事なんです。まず法制局、端的にお伺いします。41条の第1項、決議事項、第1項から10項まであるわけですが、それぞれ決議違反が判明した時の法的な効果を教えてください。」
「お答えいたします。法案改正後の、第41条、第1項につきましては、2号に掲げる労働者を1号に掲げる業務に就かせた時、労働時間の、深夜、休日に関する割増賃金の規定は、その労働者には適用しない。ただ3号から5号までに規定する措置のいずれかを、使用者が講じていない場合は、その限りではない、とされていますので、第1号から第5号までに掲げる事項に関して、決議が遵守されていない場合には、労働時間等に関する適用除外の効果が生じないことになります。また6号から10号までに掲げる事項につきましては、決議が遵守されていないとしましても、労働時間等に関する規制の除外の効果に、影響が生ずることはない、えー生ずることはあるとされておりません。」
「お分かりでしょうか、これすごい大事な、法制局の見解、だと思います。法制局もう一点だけ、先ほど答弁いただきましたが、第1項の第2号に掲げる労働者に第1号に掲げる対象業務に就かせた場合、除外をされるという、そういう建てつけ、整理でした。先ほど、えー第1号の対象業務の決議、についてですが。もしですね、適用事業所で、実際の運用の中で、明らかに、対象業務としての要件に欠く、要件に違反している、本来対象業務として認められるものでなかった、ということが明確になった場合には、その対象業務自体が、この第1号の対象業務の要件を満たさなくなる、ということがあり得る、ということでよろしかったでしょうか(石橋さんがずっと聞いている、対象業務でない業務で不適切な運用であった場合に、高プロから外れるのは決議された対象業務自体か、労働者か問題の確認」
「個別の事案におきまして、法に定めた条件を満たすかどうかにつきましては、事実認定の問題でございますので、厚生労働省において判断されるものと思いますが、今、一般論で申し上げれば、今ご指摘がありましたように、明らかに要件を満たしていないということが判断されるということがあったとしますれば、1号に定められた決議が遵守されていないということで、労働時間等の適用除外の効果が生じなくなるということになると思います。」
「対象業務についてお伺いをしています。第1号です。昨日レクでやったはずです。第一号について、明らかに対象業務としての要件に欠くということになった場合には、対象業務自体が、高プロの対象から外れなければならない、そういう場合が、ありうり、あり得る、ありえますね。それだけ答弁してください。」
「(繰り返し)今ご指摘のような明らかな1号業務ではないということが明らかになるのであれば、その業務自体が、対象にならないということになると思います。」
「はい。1号で、業務自体が、対象業務にならないという法制局の見解でした。大臣、お聞きいただいたと思います。1点目の点、大変重要です。第6号から第10号までの決議事項については、仮に決議に違反しても、高プロの適用除外にならないんです。省令でそんなこと規制できません、委任されていませんから。てことは、例えば、この中に大変重要なものが入ってますね。第9号は不利益取扱いの禁止です。衆議院の修正、第7号は同意の撤回です。たとえこれに事業者が違反しても、高プロの適用除外にはならないんです。これ、法案、欠陥じゃないですか」
(誰も手を上げないので、委員長がどなたが、と促し加藤が渋々手を挙げる)
「今お話しありましたように、7、失礼、6号から10号、これは適用の除外にならないということであります。これ制度の適用の考え方としては、当該事業場の現状を熟知した労使が合意して、制度導入した場合において、対象業務や、対象者の要件を定めるもの、あるいは個々の労働者の要件に直接かかるもの、これは制度の根幹に関わるということで、これが満たされていない場合については、条文上、明確に制度が適用されない。ま、すなわち高プロとして無効、ということであります。(働かせた分は残業代を払わないといけない)ですが、その他については、決議に基づいて、実施されることが当然求められるわけでありますけども、まずは当該事業場の労使委員会で実施状況を把握し、その履行確保を図っていただく、その上で、仮に不履行があれば、厳しく指導していく、こういう姿勢で臨んでいきたいと思います。こうした内容の条文については、えー先般、労政審においても、概ね妥当(これ労働者代表がいくら反対しても概ね妥当以外の結論が出ないからね。多数派を政府が推した有識者と使用者が占めてるから)ということでございます。また、現在の企画型裁量労働制においてもですね、同様に、措置に応じてですね、不履行があった場合には、無効ではなく、指導による対応をしている、という事例もあるわけでございます。」
「だからいいってことですか、大臣。それは僕らがずっと問題として指摘している話ですよ。現行の裁量労働制に、深刻な問題があるでしょう。なぜ過労死が、労働災害が起こってるんですか、裁量労働制で。そういう制度上の欠陥があるのに、その修正も、その適正化を、全部取っ払っちゃった(裁量労働制の拡大と引き換えに、裁量労働制の修正を入れていたので、裁量労働制の拡大がなくなったら、裁量労働制の改善策まで引っ込めた安倍とかいうクソやろうがいましてね)。なんの改善策も講じられてない、それをそのまま高プロにひっぱてるんですよ、だから同じことが起こるんですよ。首かしげないでください、責任ある答弁ここでしてくださいよ。大臣、認められるでしょ、これ、大臣は本人の同意があるから大丈夫です、同意するんです、言い続けている。でも今明らかになった。たとえ同意で、”お前、同意しなかったから、もう処遇しない、お前降格だ”。ね、こう第9号(に関する決議)に違反しても、何のお咎めもないんですよ。気をつけろよーで終わりなんですよ。第7号で衆議院で修正された、じゃあ同意の撤回、”いやダメだ”って言っても、何のお咎めもないんですよ(ささきりょう先生は、ここは決議だから、使用者がいいといえば認めるとしちゃっても問題ないと書いておられましたね)。大臣、これで何が同意するから大丈夫だ、ですか。欠陥でしょ、それ。そんなもんでいいんですか、大臣。さっき難波委員が言われた、働くものの命を守るのが大臣でしょ。守れないじゃないですか、大臣、大臣。省令で規定できないんですよ、委任されてないから。欠陥なんですよ、これ法律の。大臣、どうするんですか」
「あの、今委員ご指摘の不利益な取り扱いというのは、それはもう同意されていないわけですから高プロは発生してないわけですよね。いや、ですから、本人が同意していない以上、高プロが無効になる以前に、高プロの契約は進んでいないんで、当然、この無効、有効の契約がそもそもない、その、不利益取扱いをどう考えるか、これは別途の問題につながっていく、あの今委員が御指摘なのは、適用が除外するか、しないかって除外かってことでありますから、そこにはかかってこないということになると思います。」
これ典型的なすり替えですね。不利益な取り扱いに関する労使決議を遵守しなくても、その労働者の労働は高プロの対象業務として維持されるんだとしたら、不利益な取り扱いを匂わせながら、強制的に同意させようと試みるのがやり得になるでしょ、というのが質問者の意図でしょ。同意してないから、高プロは発生してないから契約がそもそもないとかまじで意味わかんないんだけど。私には確定的なことは言えないんで、聞いて欲しいんだけど、3−5号の決議に違反して、高プロの対象外の業務を高プロとして、割増なしで働かせていたとしたら、割増賃金の支払い義務が事後的に生じるはずだけど、6ー10号の決議に違反していたとしても、それによって高プロの業務である事による適用除外効果は消えないわけだから、決議違反によって割増賃金の支払い義務は発生しないんではないのかな。さすがに同意の強制が証明できれば裁判では勝てるだろうけど、難しそうだし。でもちょっと石橋議員は違う方向にいっちゃったんだけど。
「じゃあ他の号、同意の撤回はどうですか。大臣、重ねて言います。6号から10号に関しては、それに違反しても、お咎めなしなんです。ね。気をつけてよって言われるだけなんですよ。大臣それお認めになるでしょ。省令でどうにもできないんですよ。委任されてないから法律に。そんな制度でいいんですか、重ねてお伺いします。ごはん論法やめてください」
「ちょっとごはん論法の意味がわかんないんで、あれですけども、先ほどのように、不同意であれば、契約は打ち切られることになるわけですから、あの、それと、その結果として、それに対して、どういう対応をしていくのか、というのは別に考えなきゃいけない、我々も、まずは労使委員会、あるいはその中で、履行を図っていただくわけですけども、仮にそうしたことが、しっかり行われていなければ、指導等を通じてですね、しっかり厳しく指導していく、ということでございます。別にそれを看過するということを申し上げてるのではなくて、それに対する対応としては、監督指導を通じて、その是正を図っていくということでございます。」
「結局、何か重大なことが起こらないと気づけないんですよ。気づいても、この号の違反では、何にもできないんですよ、気をつけてねー次回はやらないでね、それしかできないんですよ。(高プロの適用自体を)取り止めにできないんですよ。これ大臣認めなきゃいかんですよ、そういうものです。法制局がそういう風に言われていますから。大臣重ねて首傾げてますけど、そういう法律ですよ。法制局が認めているんだから、これは認めないといけないですよ。そういう欠陥のあるものを、本人の同意があるから大丈夫です、と通そうとしてるんけど、不利益取扱いをチラつかせて、いくらでも同意を取り付けることはできるんです。現場でそんなことが起きるんですよ。”同意しなかったらわかってるだろうね”、本来それだけで9号違反でしょ、本来。同意せざるをえない状況に追い込まれるんですよ。そういう場合にも、労働者がクレームしたって、何のお咎めもないんじゃ、クレームのしようがないじゃないですか。そういうことを申し上げてるんですよ、大臣。わかってんですかね。
具体例をあげましょう、前回新規採用労働者に対して、高プロの新規採用もできると、これもびっくりしましたけど、確認しますが、新規採用の時、まぁ中途採用でしょうね、高プロの対象だったらね、いきなり学卒の新規はないでしょうから。採用時に、高プロに同意すれば採用する、しなければ採用しない、これは9号違反ですか。」
「えーと仮に採用前の段階でそのようなことが起こった場合ですけども、労働基準法が適用される、労働者、使用者の関係がないわけなんでありますので、不同意にかかる不利益取扱いの禁止を含めまして、労働者に高度プロフェッショナル制度にかかる条文が適用されるわけではございません。ただ、他方で、労使委員会の決議事項に、対象労働者の同意の撤回に関する手続きを定めなければならないとされておりますので、定めなければ、高度プロフェッショナル制度は適用できなくなりますので、一旦そのような同意で就業し、入社後にそのような手続きに基づいて撤回することも自由でございます。」
「すごい答弁ですね。採用時に高プロを飲むか飲まないか、飲まないなら採用しない、まだ契約にないから違反じゃないんだ、すごい答弁ですね。嫌だったら採用後に撤回してください、ですか。すごい話ですね。これもとんでもない話だと思います。(この後派遣労働者に高プロは適用できないことを確認して、廃案を求めて終わり)」
6−10号はそれぞれ
6号:労働者の健康がやばそうだったら、健康診断とかなんか措置を講じると決めておく
8号:苦情処理の仕方を決めておく
9号:不利益な取り扱いをしてはならないと決めておく
10号:その他、厚生労働省令の定めることについて決めておく
ということなんですが、ここが労使委員会で妥当な結論が出ていても、この条件に違反したからといって直ちに高プロの対象から外れることはないんだぞ、というとことですね。
高プロに関しては自民党議員からも疑問を呈する質問がされていますけど(農水の山田議員とかもかなり口うるさく言ってる)、延長することになったから通る確率はほぼ100%になったと思います。先週末の世論調査がもう少し悪かったらひょっとしたら国会閉じてたかも知らんけどね。
あとすごく気になっているのは、重要法案と内閣が決めているはずのものの審議時間が一昨年ぐらいと比べて異常に短くなっていること、野党との合意形成の努力をほぼ放棄していることですね。安保とか共謀罪とかは、どんどん問題点が出てくるもんだから審議尽くされてなかったと私は思いますけど、外形的な時間だけはかけてましたよね。延長するにしたって、一応与野党党首会談で、自民党の総裁が野党のリーダーに延長への理解を求めるぐらいの最低限の体裁は整えようとしていました。でもカジノ法案とかマジで Permalink | 記事への反応(3) | 16:52
https://news.yahoo.co.jp/feature/985
こういう記事が出ていて、その反応がすごく気になりました。なので2012年に改正された労働契約法に関して当時の議論や経緯などをご紹介したいと思いました。
まず基本ですが、労働政策は、労働政策審議会を通して、公労使の3者が話し合って決める事となっています。これは公契約における労働条項に関する条約に定められた原則です。労政審は厚生労働省の設置法で定められた審議会で、公労使は同数委員を設置することになっています。あの高度プロフェッショナル制度でさえ、労政審から、概ね妥当とされながらも、労働者側からの指摘として、高プロは危ないという付言がされています。委員は2年交代で、特に公共、有識者の構成を政権に近い人に変えていけば、労政審の答申を政権に近い形で出すことは可能ですが、しかし政権交代、即委員交代!ともならないわけで、労働政策の審議は基本的に慎重に行われているとは言って良いと思います。ちなみに安倍政権では、この原則に反して、労政審に諮らずに特措法を制定し、無期転換ルールの緩和を行っていますし、昨年7月には、労働者代表を構成員に含まない(国家戦略特区諮問会議を思いだせ!)、労働政策基本部会を設置し、各分科会にこだわらない、横断的な政策を諮問する、としています。詳しく書かないけど、これめっちゃくちゃ危ないですからね。高プロの立法事実とされるものは、産業競争力会議とかみたいな安倍政権が大好きな有識者会議から出てくるわけだけど、それを労政審の中に作っちゃったようなもんだから。まぁ本当に現政権は議論が大嫌いなんだなぁと思いますけど、とりあえずそこは置いとく。
字数制限的にそれぞれを説明はしないですが、労働者は基本的に使用者よりも立場が弱いので、解雇をする際には合理的であると認められる理由がないといけません。それが解雇権濫用法理と呼ばれるものです。一方、有期労働者に対しても、期間満了による解雇であっても、無条件であってはならないとするのが雇い止め法理です。雇い止め法理は、無期労働と本質的に違いがない場合と、有期労働者が更新を合理的に期待できる場合に、解雇権濫用法理を類推して適用する、というものです。これは法律に書かれていたわけではなく、幾つかの裁判事例において、確立された裁判例に基づいた規範です。原理的に有期労働者の方が要件が増えているので、保護される確率が下がっている建てつけですね。2008年のリーマンショックでは、無期雇用者も大量に整理解雇されましたが、それよりも、派遣労働者や有期雇用労働者が大量に解雇され、大きな社会問題になりました。そこで麻生政権時代に、有期契約労働者の働き方が労政審に諮問され、鳩山政権時代に、有期労働契約研究会報告が出されました。
有期労働契約研究会報告では、雇い止めに関して、主に3つの論点が話し合われました。
1.入り口規制=有期契約が結べる業務、業態などを規制し、原則無期、例外的に有期が可能とするか否か
2.出口規制=有期契約を結べる期間、更新回数を規制するか否か
単純に労働組合が民主党の支持母体と言っても、組合内でもこれは意見が分かれていましたね。この3つをすべて導入しないとうまくいかないぜ!っていう主張(自治労など総評系に多かった)と、少なくともどれか一つでも合意できるならするべきだとする主張(同盟系に多かった)が当時から分かれてた。審議入りしてからは、社民党の福島みずほさんや、共産党の田村智子さんなどが前者の立場に立った批判を何回もやっていました。こう言う批判をしておくことは本当に大事で、当時の西村ちなみ副大臣の答弁をもとに、後述する通達が出されています。
有期労働契約研究会では、労働者の雇用を安定化させることで、生産性が向上するという学術的な指摘がなされ、規制の導入に対して前向きな報告が出されました。
議事録を見てもらえば分かりますが、使用者側の委員はほぼすべての規制に反対していますが、特に入り口規制の導入に関してはものすごく反発している。有期雇用は雇用の不安定要因ではなく、有期雇用によって雇用の安定化が図られている、だの、入り口規制をすると、企業は雇用をやめるだろう、という話を延々とやっている。しまいには労働者の権利の話ばかりするな、経営者側が雇用を調整する権利はどうなるんだ、というようなことも言っている(ちなみにこの方は、高プロが1000万以上と言われると中小企業が活用できないとかも言ってる方です・・・)。まぁ経営陣がそういうことを言うのは当然なのですけど、ポイントはこの法律案が労政審に諮問された時はすでにねじれ国会になっていて、野党の協力なしには法案の成立はできない状況だったというところです。仮に民主党が有期労働契約研究会報告に基づいて、労働契約法改正案を提出していたとしたら成立は難しかったと思われます。そこで、入り口規制は外され、2、3のみを取り入れた法案ができ、5年以上の契約更新によって、無期転換の申し込み権が発生する、という法案になりました。これも使用者側の意見が採用されていて、5年以上の有期雇用という形態を禁止してはいないし(契約時にあらかじめ申し込み権を放棄させるとかいう潜脱が使いたい)、無期転換ルールの説明義務なども盛り込まれなかった。民主党がバカだったということは簡単ですが、労政審による審議は時間がかかるものだし、民主党がやりたいように法案を整備できた期間はものすごく短かったことにも留意が必要だったと思います(例えば共謀罪なしのTOC 条約の批准や、死刑廃止の法制化などは平岡秀夫、江田五月法相の頃にやりたがっていたけど、結局諮問したままで、法案化まで持って行けなかった)。2011年からは東日本大震災の対応に追われ、ねじれ国会によって国会運営は難航し、特例公債法ですら野党に譲歩しなければ通らない状況になっていた2012年に、労働契約法は、社民、共産を除いた自民公みんなどの主要政党の賛成で改正されています。
冒頭に紹介した記事への反応を見ると、有期雇用の人は雇い止めされてもしょうがないんだ、というような諦観が見られ、それがちょっと残念に思いました。2012年の改正では、もう一つ、雇い止め法理が労働契約法第19条に書き込まれることになりました。これはパナソニックプラズマディスプレイ事件の最高裁判断をほぼそのまま法律に書き込んだものです。つまりたとえ有期雇用であっても、実質的な労働が、無期雇用職員と同様であるか、雇用の継続が合理的に期待される場合には、雇い止めをすることはできません。これは、従前は裁判規範であったものが、明文化されたことで、経営者が遵守しなければならない法規になったということは言えます、もちろん不十分ですが。
「これからは5年で労働者を入れ替える、これスタンダードになる。こういう事態を起こさない歯止めはどこにあるんですか。」
「今回は、雇い止め法理が法律に明記されるということになります。使用者が合理的理由のない雇い止めを回避する行動を取ることがこれによって促進されるほか、その趣旨を考慮した労使の話合いが促されると、これも十分期待されることであります。企業の実情に応じた無期転換の自主的ルールの整備が進むことも期待されます。
改正法が成立した際には、法律に明文化されたこの雇い止め法理の趣旨と内容について周知徹底を図っていきまして、現場の労使にしっかりとそこは浸透させていきたいと考えています。」
「これ、雇い止め法理って強制力はないわけですよね。それで、これもう既に起きているんです。株式会社シャノアール、これ、シャノアールやベローチェ等の喫茶店を全国展開している企業ですけれども、全国のチェーン店で約五千人の非正規雇用の労働者が働いています。このシャノアールは、今年3月、突然、社内通達で、有期雇用の労働者に対して契約期間3か月の更新は15回を上限とすると、入社契約時から通算で4年の勤務をもって満了という方針を全ての店舗に徹底しました。現在4年を超えて働いている方々は、全て来年3月で雇い止めにするという方針です。
7年以上働いてきたAさん、直接お話をお聞きしました。これまでは更新の上限はなかった、なぜ来年3月までなのかと管理職に問い合わせたと、そうすると、法律の改正に伴うものだと聞いていると、こういう説明をしているんです。Aさんは、お店の立ち上げから働いて、いいお店にしたいと意欲的に働いてきて店長代理にまでなっていると、自分は働き続ける意思だからこの不更新条項は認めないということでサインしていない、だけど、サインしなかったら仕事を失うかもしれないと泣く泣くサインをしている同僚を目の当たりにしているわけですね。
大臣、この労働契約法が変わるということで、既に五年を超えないように雇い止めをするという新しい動きが起こっています。法施行後5年の話じゃないんです。8年の話でもないんです。こういう企業の対応は看過するわけにはいかないと思いますが、いかがですか。
「これは裁判例の一般的な傾向を申し上げるわけですけれども、一旦労働者が雇用継続への合理的な期待を抱いていた場合に、使用者が更新年数あるいは更新回数の上限などを一方的に宣言したことによって労働者の雇用継続への合理的な期待が失われることにはならないということだと裁判例の傾向からは申し上げることができます。
また、あらかじめ設定された更新上限に達した場合でも、他の労働者の更新の状況など様々な事情を総合判断して雇い止めの可否が決せられるというのが、またこれ裁判例の傾向であるというふうに考えております。
ですので、不更新条項を入れさえすれば雇い止め法理の適用が排除されるといった誤解を招くことがないように、従来の判例法理が変更されるものではないということを解釈通達などを通じて周知徹底を図ってまいりたいと考えています。」
「現に新しい動きで、今まで不更新条項なんか入れていなかった企業がこうやってやっているんですよ。例えばこのシャノアール、労働者が労働局などに訴えていったら、これ指導できるんですか。どうですか。」
「個別のことでいろいろ御相談があれば、これは民事ルールでございますので我々の労働基準監督機関として指導するという性質のものではございませんが、総合労働相談コーナーなど、そういったことへの対応に当たって、労働局や労働基準監督署に窓口を設けておりますので、そういった相談があった場合には適切に対応していくことになると思います。」
「これ、労働基準法違反だったら労働基準監督署が捜査権を持って会社に入ることもできるんですよ、是正指導を強く行うことできるんですよ。だけど、非正規の労働者はそういう範疇にも入っていない。今回雇い止め法理を法制化したと言うけれども、これはどういうことかといったら、裁判で訴えたときに有利な条項が一つ法律の中にできましたよというだけのことなんですよ。」
田村智子議員の指摘は正しい。結局、このシャノアール事件は地裁で原告敗訴、高裁で原告有利の和解となったわけですが、2016年2月の話です。3年以上法廷で争える人がどれほどいるのか、という話なんですよね。この時の西村ちなみ副大臣の答弁にもある、解釈通達は24年8月10日付で出されていますが、その後の企業を対象とした調査で、認知度を調べたら、使用者も労働者も8割近くが正確なルールを把握していない、という結果になっていました。冒頭の記事への反応を見ても、雇い止めは、合理的な理由なしには、たとえ期間満了による結果でもできないとか、そういう基本的なところで労使ともに理解されていないし、そういう状況で、使用者に法律の趣旨に則った運用を促すだけでは、十分に労働者の権利が保護されないんですよね。当時の政府側答弁でも、不更新条項を無期転換回避のために行うことは、公序良俗に反して無効とは、答弁してるんですけど、それはあくまで答弁だし、本当に無期転換回避のためにやったのかは裁判で争わないといけないわけですよ。で、この法制化で、無期転換ルールをきっちり運用に乗せている企業も多くあるわけで、この規制が全く無駄だった、逆効果だったというのも違うのではないかなと思います。だからやっぱり入り口規制とか不更新条項の規制とか、そういう規制は必要だと思うし、そういう方向に議論を持っていかないといけないと考えます。
労働契約法は、定期的に見直しがされる付帯がありますので、おそらく今年か来年には再び労政審で議題にのぼってくると思います。現在の政府の動向を見ていると、どうも無期転換ルールをなくして、むしろ同一労働同一待遇の文脈で、解雇濫用法理の方をいじってきそうな気すらします。冒頭述べたように、労働政策基本部会には労働者側の意見は入りません。高プロを含んだ働き方改革関連法案は残念ながら、成立してしまう可能性が高いですが、派遣法とは違って、廃止した時に不利益を被る人がそれほど大きな人数になるとは思えず、十分に再改正できる段階にとどまっていると思います。政治を諦めてしまっては、好き放題にされてしまいますので、ぜひとも国会で議論されている内容に関心を持って、誰がどういうことを言っているのか、しっかりと見ていってほしいと切に願っています。
https://anond.hatelabo.jp/20180527035719
今回は1999年の派遣法の対象業務の原則自由化について、政府がどういう説明をしてきたのか振り返ります。ちなみにこの時の質疑でも、ILOの条約批准のために、労働者派遣対象業務の自由化が必要だというような事を言っているのですが、共産党がILOに質問したら、別にそんな事をは要求していないという返事が来たとかいう去年どっかでみたような流れが。
質問者は、前なんとかさんに、ルーピーズからいつの間にかしれっと評論家にクラスチェンジして好き放題言っている松井孝治に選挙区を譲れと言われて、ブチ切れて無所属から出て落選後、引退した笹野貞子。
笹野
「(略)
そして、私が一番大臣にお聞きいたしたいのは、この間大臣と久しくお話をさせていただいたときに、大臣は終身雇用制はいい、日本にとって終身雇用制というのは本当にいい制度
だと盛んに力説したのを見て、私は正直言いますと、あれっというふうに思いました。そのあれっというのは悪い意味ではありません。やっぱり大臣っていい人なんだなと、こういうふうに思ったわけです。
この今の競争原理とかそういうのを推し進めていきますと、例えば労働基準法の改正なんかを見ますと、大臣が終身雇用制はいいというその考え方と裏腹の方向に行くんじゃないかというふうに思いますので、まず第一、大臣、終身雇用制をこの流れの中でどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。」
「(どうでもいい事をだらだらと言っているの略)
一番大切なことは、やはりこの日本人の立派さ、自助自立の気概と、そして産業に対する帰属意識というんでしょうか、権利だけを主張せずにきっちり義務を果たしていく性格というんでしょうか、そういう日本人をつくる教育をつくっていけば私は終身雇用制というのは守れると思いますし、また、そういうふうな形で守っていかねばならないと思っているんです。(因果関係が意味わからんけど)
ところが一方で、豊かになって、先ほどもいろいろな御質問がありましたが、子供を産み育てながら保育園へ子供さんを連れていった後少し働きたいとか、あるいは子育てが終わった後また働きたいとか、いろいろな働き方の選択が豊かさゆえに出てきているということも確かにあるんです。それにこたえるのは、私は派遣職員とかパートという形態だろうと思うんです。今おっしゃっている労働基準法の裁量労働制とかあるいはまた変形労働時間制度とか、こういうものはあくまで終身雇用制の枠の中の話でございますから、その枠の中の話として労働時間の管理を働く人たちにゆだねるということなのであって、それは終身雇用制を破壊するという先生の問題提起の仕方については、私は率直に言ってやや奇異な感じを受けました。
終身雇用制の枠の中で労働時間の管理をゆだねていく、もしこれをだめだと言いまして、そして日本人の資質がだんだん自助自立の気概と権利だけの主張で義務を果たさないということになってきますと、企業は多分終身雇用制をやめて、そして裁量労働制じゃなくて派遣職員型の形をとってくると思います。すべてがそういう形になるということは私は余り感心したことじゃないと思いますので、その点はぜひ御理解をいただきたいと思っております。」
教育族らしい頭のおかしさはあるものの、表面上は、派遣はあくまで自由な働き方の1形態であり、その対象業務を拡大しても終身雇用は崩れない、あくまでニーズがあるから拡大するんだ、というつい最近加藤勝信から伺ったのとそっくりな事をおっしゃる伊吹文明。その後どうなったのかはご存知の通り。
質疑者、石橋大吉は情報労連の石橋通宏参議院議員の父親。世襲型労組候補というちょっとめずらしい例ですね。なお石橋さんは、参院厚労委員会では一番期待できる論客と思っているわらし。
「略)連合など労働組合側が非常に心配をしているように、派遣労働が常用雇用の代替となり、いたずらに拡大しないようにするための最大のかぎは、派遣受け入れ期間の制限に果たして実効性があるのかどうか、これが一番大きな問題ではないか、私はこう思っているわけであります。
(略)
そして、具体的に、改正法案では、この第四十条の二第一項ですが、派遣先はその事業所ごとに同一業務について一年を超えて派遣を受け入れてはならない、こういうふうになっておりまして、問題は、果たしてこれが現実に実効性があるかどうかが問題になるわけであります。
このことに関連して、まとめて三つほど聞いておきたいと思うのですが、まず第一点は、一年の受け入れ期間を超えて派遣労働者を用いた場合の派遣先に対する制裁をどうするか、こういう問題であります。
改正法案では、制裁としては企業名公表などの措置が予定をされているわけですが、しかし、派遣期間を限定する法制において、派遣期間を超えた場合にはユーザー企業である派遣先への雇い入れを強制される制度をとっている国、例えばドイツ、フランスもそうだったと思いますが、そういう国々が結構多いわけであります。我が国においてもそういう制度を導入することはできないのかどうか、これが一つ。
二つ目は、改正法案では、同一事業所の同一業務について一年を超えてはならない、こう規定しているわけですが、問題は、同一業務をどのように当事者及び監督官庁が特定、認識をするか、こういう問題があります。従来の適用対象業務という枠と違って、ネガティブリスト方式のもとでは企業ごとに多種多様な業務指定がされる可能性があり、また業務の境界線もあいまいとなるものと考えられるわけであります。この点も厳格にきちんとされなければ一年間の期間制限も全く無意味なものになってしまう、こういう問題があると思うのです。この点をどう考えるか。
三つ目の問題は、派遣受け入れが終了した時点からどの程度のインターバル、クーリング期間を置けば同一業務についての派遣を受け入れることも可能となるのかなどが重要な問題となると思います。期間限定の実効性が担保されるような基準を設ける必要があると思いますが、この点についてどういうふうに考えておられるか、承りたいと思います。
「まず、一年を超えて派遣労働者を使用した、その場合のいわゆる義務化の問題でございます。確かに、諸外国の例には、派遣期間を超えて継続してこれを使用するといった場合には雇用契約が成立したものとみなすといったふうな規定を設けておる例が見られます。我が国の雇用に関する法制を見ますと、(略)事業主が広く有していると解されております営業の自由、採用の自由を含め営業の自由、こういったものの保障との関係でかなり大きな問題があるのではないかというふうに考えておりまして、現行では、雇用についての努力義務を課するというところがぎりぎりのところではないかというふうに考えているところであります。
改正法案におきましては、同一の業務について継続して派遣労働者を受け入れてはいけないというふうに規定しているわけでありまして、この解釈を確定するということが、常用代替の防止を図る、厳密に運用するという点から大変大事なことであるというふうに私どもも思っております。
現行の法令におきましても、この派遣労働法関係でも、この業務という言葉はいろいろ使われておりまして、例えば職業や職種を用いて表現するものとしては秘書の業務とか通訳の業務というふうに使われていたり、あるいは具体的な行為を明記して表現するものとして事務用機器の操作の業務というふうに、確かにかなりいろいろな使われ方をしているわけでありますが、この同一の業務の解釈に当たりましては、これが常用労働の代替を防止するという観点から解釈をされる必要がある、こういった観点に立ってかなり厳密に解釈をする必要があるというふうに考えているところであります。
(略)
次に、いわゆるクーリング期間の問題でございます。(略)この問題につきましては、あくまでもこれも常用労働の代替の防止という観点に立ちまして、どのくらいの期間が適当であるか、これは、法案が成立しました後に、審議会の御意見も聞きながら検討したいというふうに考えております。
(略)
「(略、法案では)製造業における労働者派遣事業を当分の間禁止、こうなっているわけです。しかし、産業界を中心にして、製造業における派遣を解禁すべきだ、こういう意見もあるわけであります。さっきの雇用調整の問題などもそういうところに絡まってくるのかなという感じもしないことはないんですが、製造業における派遣労働が禁止をされているということは、そういう意味では産業経済に非常に大きな影響を与えている、こう思うんです。
例えばフランスなんかは、鉄鋼だとか電機だとか自動車だとか、ほとんどそういう製造業中心で派遣労働が行われておって、四分の三は男子だ、こういう形になっております。日本では、製造業における派遣が禁止をされておるということも恐らく関係があるだろうと思いますが、派遣労働の大部分が女性、こういう形になっておるかと思うんです。
(略)」
「製造業におきます派遣の適用につきましては、特に製造業の現場にこれを適用することについて、強い懸念が表明されたところであります。したがいまして、改正法案におきましても、こういった意見に留意をいたしまして、製造業の現場業務につきましては、当分の間、労働省令においてこれを適用しないこととするというふうにしておるところであります。これは、特に製造業において、今委員御指摘ありましたように、いわゆる偽装請負というふうなものがまだ存在するのではないか、こういった懸念があるために、今回もこういった措置になったというふうに理解をしております。(略)」
ご存知のように無期転換ルールが導入されるのは2012年の民主党政権まで待たねばならないし、同一業務規制は有名無実化したし、クーリング期間は2015年の安倍政権で3ヶ月と定められました。2006年には製造業派遣が合法化され、2007年には、上限3年に緩和されますね。
「今説明をお聞きいたしますと、要するに、常用雇用がいわば派遣によって圧迫されることはない、また、むしろこの今の経済不況の中で雇用の推進につながっていく、こうおっしゃっておられると理解をしております。そこで、労働者派遣事業の事業所数及び派遣労働者数、できれば男女別あるいは年齢別の、特にそういったもので突出しておるところの現状及び労働者派遣事業の総売り上げといいますか、どれぐらいになっておるのか。そしてまた、今回の法改正によって派遣労働者数というのがどの程度増加するように見込んでおられるのか、この辺についてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。」
「(略)また、派遣労働者数ですが、これは平成九年度の報告でございますけれども、これによると、約八十六万人でございます。そのうち、いわゆる登録型の派遣労働者は七十万人、常用労働者が約十六万人であります。登録型の中には複数の事業所に登録をしている方もおられますので、この方たちについて常用換算してみますと、派遣労働者は平成九年で約三十四万人ぐらいではないかと思います。したがいまして、派遣労働者の実数は八十六万人と三十四万人の中にあるのではないかというふうに見ているわけでございます。
また、平成九年の調査によりますと、派遣労働者に女性が占める割合は七二・四%というふうになっております。また、年齢別では二十歳代が四〇・三%というふうになっているわけでございます。
また、この事業報告によりますと、派遣労働者の平成九年度の年間売上高は総額が約一兆三千三百三十五億円で、これは前年度比一二・八%増ということになっておりまして、平成六年度以降増加傾向にございます。今回の改正によりまして派遣労働者がどの程度ふえるかということでございますけれども、現在は二十六業務のいわゆる専門的業務に特定しておるわけでありますが、これを広く拡大していくということになります。ただ、これは、そういった面では増大要因でありますし、また、従来の派遣と違いまして、あくまで臨時的、一時的な一年間の限定をつけるということでございますから、これが正確に今後どのくらい伸びるかという予測はなかなか難しいのですが、そう急激にふえることはないのではないかというふうに見ております。」
「急激にふえるということはない、こうおっしゃっておられますが、この改正によって幅が広くなる、二十六業種以上に広くなってくるということになると、当然、派遣先がふえてくるわけでございます。ならば、業者数も当然ふえてくると思いますし、また業者さんも、それによるいわば労働者確保というものも当然ふえてくる。したがって、そうふえないのではないかというよりも、私は、急激にこういったものがふえてくる可能性がある、こういうふうに理解するわけであります。
そうすると、ふえてくるということになりますと、今度は派遣先の問題になります。派遣先は、極力安い賃金で雇えればその方がありがたいということになるわけであります。過剰の労働者を抱えている業者としてはできるだけそれを送り込みたいということになると、私は、これからの労働賃金というものは今のこの二十六業種の平均賃金よりもむしろ安値で安定していく可能性というものがどんどん出てくる、あるいはまた、労働条件そのものも大変悪くなってくるという可能性が多分に出てくるんでは(略」
「企業の側で派遣労働者に対する要望があるということは、これはいわゆる即戦力を求めているという要素が大変大きいと思いますし、また、派遣元事業主にとりましても、派遣した労働者が派遣先企業が要求している能力の水準に達しているということが事業の発展にも大切なことでございまして、この派遣業におきましては、とりわけ派遣労働者の教育訓練というものが従来から重視をされているというふうに考えております。
現行の法律の中にも、派遣元事業主は派遣労働者に対する教育訓練の機会の確保に努めなければいけないという規定を置いておりますし、私ども、実際に派遣業の許可やあるいは更新の際には教育訓練の状況についてチェックをするというふうにしているわけでございます。
また、今般、一時的、臨時的な分野について一年間に限って派遣労働の対象分野を拡大することにしておりますが、短期になればなるほど即戦力に対する需要という面が強くなってくると思います。そういった意味では、派遣労働者というのは、一定の能力あるいは技能水準を備えた労働者が派遣の対象になるということで業務は広がりますが、すべての人が派遣の対象になるというものでは絶対にないというふうに思っております。
そういう意味では、即戦力としての能力を備えた、安心して企業の方も使用できる、こういったことでいいますと、今般の派遣労働の拡大が必ずしも賃金その他労働条件の低下につながっていくものではないのではないかというふうに考えております。」
能力の高い人が対象になって業務は広がるが、みんなが対象になるということは絶対にないとおっしゃる。またおちんぎんが低く張り付くこともないとおっしゃっていますが、噴飯物ですよね(橋本岳風に)。ちなみに5年後には全業種対象、派遣期間無制限化が実現する模様。政府答弁の絶対にならない、は無意味。さらにちなみに、そう増えないとおっしゃていた派遣労働者数は、5年で3倍近いの240万人に、10年で、5倍近い400万人近くに到達する模様。
歴史は繰り返す。高プロは高度な専門職で、おちんぎんが平均の3倍を相当程度上回るっていうのが条件で、使用者に対する交渉力が高いから、無理な働かせ方はさせられないよっていう主張なわけね。国富論は、240年前に書かれた本ですが、
”親方たちは労働者がいなくても1年、2年耐えられるかも知らんけど、ほとんどの労働者は1週間でギブするしかないがな。親方たちは、裏でこっそり団結してなんとか需要と供給の均衡状態よりおちんぎん低く抑えようと協力しとるけど、わいらはそういう団結について、具体的な活動はみーひんな。せやけどそれはあまりに当たり前すぎて、改めて話し合う必要もないほどやからや。しかし労働者かて食うて家族を養っていかんと労働者という階層が縮小して、国が貧乏になってしまうやろ。"
みたいなことは、240年前のアダムスミスですら知ってたことやで?バカなんですかね。バカなんだろうね。Inequality of burgaining power、交渉力の不均衡、交渉上の地歩の差というやつですがな。
我らが日本の国会はこれと同じような議論をすでに経験していますね。もちろん労働者派遣法です。今回は労働者派遣法の制定時、拡大時、規制強化時、規制撤廃時の議論を振り返りましょうな。
一応の年表
全部書くかはわからないけど、とりあえずこの記事では派遣法の成立の時に、菅直人の質疑に対し、政府が何言ってたかをみましょうか。
菅さんは、派遣法の導入によって、正規雇用が派遣に代替される自体が進むのではないか、直接雇用ができる事業は適用外にすべきではないか、派遣期間に制限を設けないと、正規職員と同じ仕事をしているし、熟練もしていくけど、労務管理が楽であったり、おちんぎんをあげなくても良いと思って、どんどん切り替わってしまうのではないか、また対象範囲も広がってしまうのでは、と危惧しているわけです。
政府側は、派遣はむしろ新たな産業として、雇用の確保に資するものであり、代替は起こらない。期間制限を設けても期限直前で雇い止めしてから再雇用するとかするかもしれないし、意味ない。高度な専門知識がある業種しか指定していないから大丈夫、対象事業はむやみに広げないと言っていますね。その後どうなったかは、ご存知の通り。左翼は本当に杞憂で馬鹿騒ぎするから困るよね(棒)ちな、派遣法はこの時点で限定列挙を明示してますね。高プロは限定列挙なのか、例外列挙なのか、対象業務の範囲すら示されないままの法案通過、本当すごいよね。ちなみに派遣先と派遣元のマージンについての質問がありますが、その開示が義務化されるのは2012年の民主党政権時代です。
菅
「(略)この法律が施行されたために、いわゆる正社員というか、直接雇いの社員の仕事がどんどん派遣に切りかわっていくようなことになる危険がないのかというよりは、大臣はそういうことには絶対にしないんだというか、そういうことを目的にもしないし、絶対にしないのだということなら、その決意といいましょうか、考え方をまずお聞きをしたいと思います。これはぜひ大臣に。」
「先生の御指摘、御心配いただいたような問題点も十分配慮いたしまして、今回の制度化に際しましては我が国の伝統的な、そしてまたいい形の部分における雇用慣行との調和を十分留意していかなければならない、そういう立場で運用努力をするということが基本的取り組みでなければならないと思うのですね。
それで、この派遣事業がひとり歩きして常用雇用者とか終身雇用者の職場の安定よりも、むしろ雇用不安を生んで雇用における弾力条項みたいな部分でかえって労働者の生活権を圧迫する懸念もあるのではないか、こういう御指摘、御心配であろうと思うのですけれども、私は、この派遣事業というもの自体がこうして請負業として、労働力の供給という立場でなくて請負業として、これだけ多様的な一つの形の中で一つの企業組織体として、あるいは労働者の参加も含めてそれが一つの事業として成立をしておる、そこも今昔先生が御指摘のように、我々の想像を超えたところに新しい時代に即応した一つの雇用関係あるいは契約関係というものが存在をしている、中には既に上場しているような企業もあるわけでございますから、そういう意味では私は基本的に、雇用の確保、拡大という我々の基本的な課題にこの法案が大いに貢献してくれるのではないか、こういう認識の上で、ただその運用を誤りなからしめるべくひとつ十分監視、監督していく必要もあるいはあれば、こういう国会の論議等の中でも御注意喚起もいただきながら、これをいい法案の形態として、これが労働者の、国民の雇用の安定と確保、拡大につながるようにひとつ努力をしていきたい、かように考えておるところでございます。
菅
「(略)今回対象業務を例示という形で十四業務挙げられています。それからまた、いわゆる常用型と登録型という形で届け出と許可制になっています。つまり、これらの理解あるいは運用で先ほど来局長がいろいろ答えられていますけれども、何一つ歯どめがなくなるおそれがあるのではないかと思うのです。
というのは、この対象十四業務がもっとふえるかふえないか、いろいろありますけれども、こういう業務の中には、例えば従来常雇いといいましようか直雇いでやれていた業務もたくさん入っています。(略)
だから、そういう意味から考えますと、対象業務というものは基本的な考え方として、先ほど来局長も野放しを認めるわけではないと言われておりましたけれども、できるだけ絞るという考え方が原則ではないか。つまり、請負とか直雇いとかにしにくい非常に限定された分野にのみ絞ってやるべきではないかと基本的に考えるのですけれども、この点で同感であるかどうかをお聞きしたいと思います。
「菅先生の御心配、御指摘している部分については、十分これは慎重といいますか社会的な合意というものが成立した業種にできるだけ限定するということはやはり運用上一番大事なことだと考えます。」
(略)
菅
「それからもう一つ。先ほどもどなたかありましたけれども、この日本の今回の法律では同一労働者を同一企業に派遣をする期間の制限が設けられていないわけですね。そうすると、例えば事務職なんかで二年、三年と同じ人が同じところにいる、それが正規の社員の二割、三割あるいは半分を超えていく、仕事そのものは正社員と全く同じ、しかし身分的にはいわゆる派遣社員ですから、労務管理の意味で言えば一般的に簡単だ、あるいは賃金的な問題でも少しは安くなるとかいうことを考えると、先ほど来の直雇いあるいは正社員の仕事を切り崩さないという意味で考えますと、これはやはり派遣期間の制限を設けるべきではないか。
個々の派遣される社員にとってはあるいはもっと長くいたいという人があるかもしれない。しかし、この労働市場トータルで見たときは、そういうふうに長く同じ人を置くような職種にはまさに正社員として雇うべきであって、そうでない場合には短期間特殊な能力を持った人を雇わなければいけないような場合に限定すべきではないか。つまり、業務の種類を限定するだけではなくて、その形態、特に派遣期間についても限定することによってこの派遣事業が野方図に広がっていくことを抑えるべきではないかと思いますが、いかがですか。」
「確かに、審議会等の場面におきましても一律に一定期間の制限を設けたらどうかというようなことについていろいろ論議もございました。そういう中で、今お話しがございましたように、派遣労働者の雇用の安定を害するという問題をどう考えるか、あるいは一律に一定期間を制限しても結局ヨーロッパの運用の実情にございますように、直前に派遣を中断するというような形での再度派遣を繰り返すという面もあって制度の実効確保に問題があるのではないかというような議論等もございまして、明文をもって派遣期間を一律に制限するというようなことはしていないわけでございます。
しかし、基本的に、先ほどから申し上げておりますように、これで常用労働者の代替が促進されるようなことのないように運用をしなければならぬ。また、そういう観点に立って、業務の指定も年功序列的な形で行われているような業務は認めないとか専門的な知識経験を要しないものについては認めないとか、そういう業務限定というものでもいろいろ配慮しているわけでございます。そういう意味で、今御心配のような点については我々も代替促進にならないような配慮を多角的にしていかなければならぬだろう、そういう面での運用の適正化というものについて十分検討していかなければならぬだろうと思っております。
(略)
菅
「もう一つ、少し立場を変えて、派遣される労働者がどれだけちゃんとした保護をされるか、この法案の中で幾つかの点が盛り込まれています。その中に派遣先の就業条件の明示というものが入っております。よく言われるように、中間搾取があるのではないか、非常に高くなるのではないかということが言われております。しかし、この派遣先の就業条件の明示には、多分時間と自分が受け取る給料は入るかもしれないけれども、派遣先と派遣元の契約内容の中に、簡単に言えば一人派遣するのに当たってどのくらいお金が来ているのかということが当然書いてあるわけですから、そういうことがわかれば常識的な形での手数料というか適正マージンみたいなものが見えてくるのではないかとも思うわけです。そういう点で派遣契約の内容を開示するということを加えたらどうかと思いますけれども、局長はどう考えられますか。」
「労働者派遣契約の中に記載してございますことは、法で定めておりますことは最低限必要記載事項として述べておるわけでございますが、こういう派遣契約の中でそういう料金関係も当然書かれるだろうと考えております。」
菅
「そうすると、派遣先と派遣元の派遣契約の中にはもちろん料金も書かれて、その内容は派遣労働者に対して開示されると理解していいわけですね。」
「書かれるであろうけれども、そういうことを法律で労働者に明示しるということを強制するというのは、こういう市場取引関係で行われるものについて幾らで取引したということを労働者に明示することを強制するのはなじまないだろう、こんな考え方でおります。」
菅
「しかし、たしか有料の職業紹介の場合でも、六カ月内一〇%を手数料とすることができるとされているのです。特に、こういう派遣事業の場合は、先ほど来言っているように中間搾取問題が非常に心配されるわけですから、それはなじまないとかというよりは、労働行政として特にこういうものを認める場合にどちらを優先させるかであって、そういう点ではそういうやり方をとろうと思えば十分とれるのじゃないですか。つまり、どうも商慣行だとか先ほどの何かの手続になじまないからと言うが、本質的な問題は労働者の権利をどう擁護するかが局長あるいは労働省の本来の最大の目的なわけです。その目的を達するためにどういう工夫があるかということを考えてもらわなければ、一般的になじまないからそれは仕方ありませんでは済まないと思うのです。
それは盛り込めば公開することになるのじゃないですか。せめて給料に関して一人当たり幾ら自分が受け取れるか、その場合にいろいろな契約があると思いますけれども、例えばオペレーターが一日行ったときに対して派遣先から派遣元には月五十万なら五十万来ている、それを開示するということを条件に入れれば中間搾取的なものが省かれると思いますが、重ねて聞きますけれども、そういうことを考慮されるつもりはありませんか。」
「幾らで派遣するかということはまさに両者でいわばサービスの対価として決められる、また派遣労働者に幾ら払うかというのは労働契約上の賃金として払われるものでございまして、これは直接には関係のないものだということでございます。ただ、いろいろ御指摘の御心配になっておられる問題について、例えば事業報告書、収支決算書といったようなものについて法律上とる、ことにいたしておるわけでございまして、そういったような観点からのコントロールといったものは法律上も考えておるところでございます。」
菅
「略)つまり、人材派遣というのは初めての法律ですから、そういうことも十分考慮されて、派遣される労働者がその本社には机すらなくなるわけですから、ある意味では労働組合すら非常に組織がしにくいわけですから、それだけに本人が自分を守れるような手だてをこの法文の中にさらに盛り込むことが必要ではないか、このことを重ねて申し上げて、きょうの私の質問を終わります。
貧乏学生や派遣労働者への負担が大きいから経済的に消費が加速しない原因をまず少しでも取り除くべきではないか
という観点で年金は終わらせるべきではないかという発想をした。
もちろん自分個人の問題として実際にどうやって年金をもらえないで老後生きていくつもりだという話になるんだけど、
今現在年金を受給して生きている人たちには年金という信仰を元に生きているといっても言い過ぎではないと思う。
団塊の世代の中には今も金さん銀さんを目指さんとしている人たちがたくさんいるはずだ。
彼ら彼女らは死ぬまで長生きすることが自分の人生の幸福、終わること、死ぬことに対する幸福だという疑いを微塵も思っていない。
それが起き上がることもままならず、糞尿の始末を人の世話でしてもらい、ようやく気付く。
ああ、これは、楽しくないんだな、と。
誰もがそう思い、そう感じても、口にはできない。
俺は2人の祖母を間近で観察して死ぬときの青ざめた体を見て、表情をみて、話を聞いてみた1つの実体験を元にした結論が、
人間は長生きよりもいかにして幸福に死を選べるのかを考えるのが、
今の年金制度廃止への反発感情は、長生きが全ての幸福であるという洗脳教育が創発させている思想だと断言する。
なぜなら今の国民感情、価値観がそういう風に教育された結果だからだ。
長生きをすることがよい。
生涯現役を目指すのがよい。
そう社会が扇動してきて、だからこそ年金制度は良いという肯定がされ続けた結果、
しかし老人の苦労と今を生きる若者が受けなければいけない苦労と苦悩は決して等価ではないと私は思う。
若者はこの先この国を支える柱となり支え続けなければいけない骨子そのものであり、
これから死にゆく老人たちには決してそれはなしえない偉業である。
支え続けてきた先人、骨子となった老人たちには申し訳ないが、私は見捨てるべきである。
使えなくなった者は捨てるべきである。
国家とは存続すべきものであり、生活を保障するものでもなければ、守るべきものでもない。
若者の幸福を老人の幸福より重要であるということも同時に正とする。
私は死ぬべきであり、
それを選択できるべきでもある。
死ぬことにただただ、不安を産み付け危機感を煽る行為を続けるだけで、
事実現実として目の前に迫る恐怖、死への理解と享受と姿勢を学ばせる機会を老人から一切奪っている。
保護する、補償するという甘い言葉で実質は利権を太らせ続けているだけである。
※民主党政権がやろうとしたこと(実績)
若いころから介護士してた叔母も、月収20万を越えでボーナスもあったのにどんどん給料下がっていって最期にはバイトと変わらない給料になって、しまいには、定年前に更年期で調子崩したのもあって退職し今では、飲食店の皿洗いのバイトと年金で細々と暮らしている。
オマエんとこだけじゃない。
どこもかしこも下流中高年。
こういう状況って一部だけじゃなかったんだな。
中沢彰吾 著
「ほんとにおまえは馬鹿だな」
「てめえみてえなじじい、いらねえから」
塩素ガスがたちこめる密室で6時間にわたって「イチゴのへた取り」、
倉庫内で1日中カッターナイフをふるう「ダンボール箱の解体」……。
いったい、これのどこが「労働者にとって有益な雇用形態」「特別なスキルを活かした熟練労働」なのか?
――「いい年して、どうして人並みのことができないんだ!?」
迷走する労働行政/元祖はドヤ街の手配師/政府・財界による労働者の流動化政策/派遣はエレベータ使用禁止/監禁労働のタコ部屋/悪意の果ての無駄/人材派遣会社のシステム/派遣労働者は保護されているか/派遣労働者使い捨ての「待機」/人材派遣会社・社員の異常な高収入/求人サイトの矜持と責任/近年稀に見る悪法/中高年が職に就けない現実/「年齢制限なし」の「裏メッセージ」/「三種の辛技」/労働基準法に刃向う労働者派遣法 ほか
極限まで単純化された派遣労働/巨大ダンボール箱と格闘した中高年の「善意」/人材派遣の定番「ピッキング」で実はトラブル続出/カゴテナーと接触して負傷/出勤確認連絡/マニュアルによる効率化は本当か/未登録でも派遣する人材派遣会社がある/現代の派遣切り「お父さん、酒臭いよ」/中高年は美術品が似合わない?/二重帳簿ならぬ二重マニュアル/人材派遣会社の女性社員が必死なワケ ほか
――「もう来るなよ。てめえみてえなじじい、いらねえから」
人材派遣が急拡大した本当のワケ/官公庁と自治体、外郭団体でも非正規労働が拡大/時給2000円が900円に/研修日当なし、交通費なし、最低賃金以下/人材派遣の安値受注が生んだトラブル/人材を集められない人材派遣会社/恐怖をふりまく正規社員たち/事件の現場は巨大モール/奴隷派遣は本当にお得なのか?/無責任体質/カタカナ肩書き乱発のハレーション/除夜の鐘が鳴る頃、てんやわんやの大騒ぎ/企業の稼ぐ力を削ぐ無責任人事 ほか
第4章 悪質な人材派遣会社を一掃せよ
――「二度と仕事紹介してもらえないよ。かわいそう」
拡大する一方の非正規労働者/週5日終夜勤務/従順な派遣労働者/人材派遣を推進する識者たち/重要な情報をネグレクト/欠けている労働者保護の視点/人材派遣と景気浮揚/欧米先進国比較 ほか
いま、真剣に
39歳になったら
40過ぎて下流だったら
この国じゃ
え、もう40 過ぎたって?
非正規雇用者が増えている。安い賃金で雇えるため人件費削減につながるからだ。
労働者としては、以前だったら正社員としてもらえたはずの賃金よりもグッと低い
非正規雇用者は結婚をあきらめる人が多い。収入的に家計を支えられないからだと
言われている。結婚をあきらめる人が増えれば、子どもは産まれず、人口は減っていく。
人口が減れば、国内市場規模も当然しぼむ。市場規模がしぼめば景気は悪くなる。
景気が悪くなったら、雇用環境も悪化し、さらに非正規雇用が増える・・・
これがエンドレスで続く。
非正規雇用で安く使われている人たちは、企業利益の源ではなく、
次世代を生産する人たちであることにそろそろ気づくべきである。
彼らが家庭を築き、子どもを産んで、育てていかなければ、このサイクルは
止められない。派遣労働者などは即刻廃止し、全労働者を正規雇用にするくらいの
非正規雇用というのは、資本家、資産家、勝ち組やらがいつまでもその地位を
確保するために、意図的に搾取される側を作って、富を再生産しているのではないだろうか、
例えば戦争をせずに無血開城しても全員処刑されたなんていう話は中世では全く珍しくもない。
その交渉のテーブルに座って発言する権利を自分から手放したのだから文句の言いようがない。
確かに先の大戦では大敗し国民も大勢死んだ、それは事実だろう。
だが勝てもしない戦いに踏み切らなかったとしても大勢の人間が経済的な問題で苦しんだことであろうことも事実だ。
要は戦争をしないからといって今ここで受けられている恩恵が10年後20年後決して保障されるわけではないということをよく理解してほしい。
国民1億が路上生活者やサービス過労者の派遣労働者になっても戦争しなかったから死ななかったと自分の子供や孫に誇れるだろうか?
戦争する、しない、どちらも今後の生活を劇的に変えてくることをよく理解して選択しないといけない。
もちろん現状維持できるならそれに越したことはないが、もうその段階ではなくなっているからこうして選択を迫られている。
その問題を直視しないのは自由だが、ろくな解決策も提示せずただ反対すれば生活が保障されると思っているのだとしたら今すぐ止めてもらいたい。
本題からはちとずれるが。
非正規雇用のままでいいと思っている派遣社員が多い、というのはどこの国の話なんだろう?日本の正社員は福利厚生も給与も、派遣社員と大きな隔たりがある。
正社員になりたくない派遣も多い、って普通に腑に落ちる話なんだけど、
そんなに認めがたい事なんだろうか。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/haken/12/dl/haken12_2_07.pdf
だろうけど
「派遣労働者として働きたい」43.1%、「派遣社員 ではなく正社員として働きたい」43.2%、「派遣社員ではなくパートなどの正社員以外の就業形態 で働きたい」4.2%
んで中身を見ると、20~24歳と50歳以上で派遣希望が多い(特に50歳以上だと7割以上)のが分かる。
20代前半なら正社員の口は(選ばなければ)いくらでもあるだろうから敢えて派遣を選んでる人が多いだろうし、
50過ぎなら主婦の再就職、60過ぎなら定年後の再就職も増えるだろう、彼らは今さら正社員で働く気はないだろう、と想像出来るわけだが。
(もっとも25~49歳でも3~4割程度は派遣を希望しているが)