「「声」」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 「声」とは

2023-10-15

オーストラリア先住民の声を聞くことを憲法に載せるべきか

という改憲案に対する国民投票があり、反対60.2%で否決された。

 

具体的には、オーストラリア先住民、すなわちアボリジニトレス海峡諸島住民認識し、彼らの「声」Voiceという単語が本件のキーワードとなっている)を確立することを目的とし、先住民代表としての協議体や組織設立することが提案されていた。また、この「声」は、政府意見アドバイス提供するための協議体として機能することが期待されていた。(ただし、この協議体が最終的な決定権を持つわけではなく、政府が最終的な決定を下す。)

 

正直この件で反対がこれほど多いことに驚いた。6万年もの先住歴のあるアボリジニ過去数百年で絶滅寸前まで追い詰め、土地を取り上げ、選挙権はおろか職や銀行口座も持つことも許さず、酷い差別をしてきた歴史オーストラリア人は憲法レベル認識すべきと言うのは個人的には同意できる。

 

ただ、投票結果に納得できる部分もある。まず先住民はすでに様々な優遇を受けている。ABSTUDYのような手厚い修学支援文化保護はその例だ。また例えば政府や多くの企業先住民用の窓口(Indigenous Helpline)を設けているし、多くの企業採用フォームには先住民ですか?という質問が出てくる。それらがどの程度先住民の益になっているのかは分からないし、過去賠償として考えるとまだ足りないくらいかも知れないが、大多数のオーストラリア人は先住民との交友を持たず、一方で日常でこれだけ頻繁に優遇らしきものを目にすると「こんなにして『やってる』のにまだなんかやんのかよ」「これ以上税金投入せんでも俺ら既にようやってるやん!」という気持ちになるのは有り得る話だ。また、我々〇〇系オーストラリア人はアボリジニ虐殺関係無いのになぜ・・・、という気持ちもあるだろう。

という、驚きはするが納得もできる、それが今回の投票結果への感想

 

ところでオーストラリアでは現在白人系の人口は横ばいに近い一方、先住民人口は爆発的に増加している。この投票人口増加による先住民の影響力が高まった為とも言えるのではないか。先述の手厚い待遇も、人口増加とともに負担が大きくなり、継続賛成・反対も大きな問題になるだろう。もしかすると30年もすればオーストラリア先住民主体政府派と現イギリス政府派で分断するのかも知れない。もちろんこのまま人口が増えればだが。

2023-07-10

この「声」は俺を裏切らない

この「声」は俺を裏切らないと思わせる声質の女っているよな。

わざわざ書かなくても分かると思うけど実際に裏切るか裏切らないかの話はしてないからな。

そう錯覚させる声質がある、という話で、それは女の方が狙って錯覚させているわけでもない。

女らしい声だけどすこし低くてザラザラした質感がある声。

聞いてると柔らかいブラシで脳を撫でられているような気持になる。

2023-05-31

精神薬変えたら自分②が生えて困っている

週末精神科に再診するので整理を兼ねて書く。

概要

20代後半の社会人

全般的感覚過敏(後述)で大学時代から精神薬(エビリファイ)を飲んでいた

引っ越したので、1週間と数日前に新しい精神科に行ったところ、前述の薬ではなく抑肝散という漢方を処方された

・結果、感覚過敏が解消されるとともに抑肝散が効いている間は感性が変わり、分かりやすく言えば自分②が生えた

自分感性が2種類ある状況をうまく処理できず精神的に参っている

追記

感覚過敏は先天的もの。小さい頃から世界が眩しく、音はうるさく、タートルネックは着れなかった。

エビリファイは何も飲まないよりは随分マシ程度には感覚過敏を抑制してくれていた。

エビリファイがなければ卒業就職もできていない。

感性の変化とかはなかったが。

・いま思い立って今まで一口嚥下できなかったチョコミントアイスを買って食べてみているが、食べられないことはないしなんならちょっと美味しい。

やや美味しい歯磨き粉。

追記終わり

変化

改善された感覚過敏

かいつまんで書くと以下。詳細は末尾にまとめているので興味あれば。

元の状態抑肝散が効いてる状態

繁華街では視界の情報量に負けてすぐ気持ち悪くなっていた→平気になった

首にストラップが当たるのが無理で社員証を首からさげられなかった→さげられるようになった

香水に常に不快感があった→ただただ良い匂いと感じる。なんとLUSHにも行ける。

感性の変化

抑肝散が効くことで、単なる感覚過敏抑制の枠を超えた変化があった。

・好きだった音楽がとてもぼやけて聴こえるようになり、今まで聴けなかった曲をリピート再生するようになる。

・好きだった服(派手な柄シャツ)が嫌いになる。全く違うテイストの服(ほぼ無地のモノトーン)が好きになる。

・好きだった食べ物の味がぼやけ、嫌いだった食べ物を美味しく感じるようになる。

・友人たちのことは好きなままだが、新たに人間関係を築く際の人間の好みが若干変わっている感覚がある。

具体的には、頭の良さよりも行動の面白さを重視するようになり、体格は小さい方が好きだったのだがどうでもよくなった。

その他の変化

抑肝散によるその他の変化は以下。

・絵を描いているのだが、「人間物体を球や円筒などの概形で捉える」という感覚が薬の効いている時のみ分かるようになった

・肌がきれいになった(肌が過敏じゃなくなった???)

・食欲が約半分になった

・夜の7時間半+昼寝20分が必要睡眠時間だったのだが、夜の6時間半程度のみで大丈夫になった。(スマートウォッチによれば睡眠時の心拍数が平均で3~5拍/分 下がっている)

・(上に関連して)眠気回避のためコーヒー毎日かなり飲んでいたのだが、ほぼいらなくなった。

所感、困っていること

感覚過敏がほぼ消失したことで、今まで楽しめていなかったものが楽しめるようになった。

絵が若干だが描きやすくなったり、肌がきれいになったり、コーヒーを飲まなくても覚醒していられる等、ほかのメリットも多い。

ただ、薬が効いている時と切れかけている時で自分の「好み」が変化するのがつらい。

朝起きて薬を飲んで着替えようとすると、部屋には自分の好みではない服しかない。

今まで好きだったものをもう一度味わおうとしても、常に「今の自分はこれを好きだと思えるかが分からない」と不安になる。実際にあまり好きではなくなっていることも多い。

なんとなくやる気が出ない時、好きなもので気分を上げようとしても、その「好きなもの」がいちいち試さないとわからない。

「好きなものが広がる」のとは体験として違う。

薬を飲んだ朝好きだったもの夕方にはたいして好きではなくなり、夜の薬を飲んだらまた好きになっている。

思考する自分は一貫して存在している。ただ、感性が2種類ある。それぞれ好きなものが違う。

 

「好きなもの自分を語れよ」と言われるように、「好きなもの」というのは自分の一部である

自分が2人いるような感覚になるのだ。これが思ったよりかなり精神的にストレス

感覚過敏だけ抑えて、感性にまで影響を及ぼさない薬があればいいが、それは存在しない気がする。

今までの私の感性は過敏な感覚を前提にしたものだったからだ。

体調や気分次第で行動が変わる人はいると言い聞かせたが、そんな程度のものじゃないだろと思ってしまう。

感性の経年変化とも違う。朝着た服が夕方気に入らないのだ。

 

ネットで有名な投書に以下のものがある。

【3868】コンサータによって自己連続性を失いつつある

http://kokoro.squares.net/?p=7763

私はこの投稿者と違い、精神なすべてのものが中枢神経の発火であることにショックは受けない。

薬が効いていないときと効いている時の両方を自分だと思う。

ただ、私の精神は「自分が二人いる(感性状態が2種類ある)」ことに現状耐えきれない。

 

冷静に見れば抑肝散を飲むメリットの方が多い。どうにかして折り合いをつけたいが、方法が分からない。

感覚過敏の変化の詳細

視覚

繁華街看板群、人混み、夜のネオンが平気になる

・色がうるさいとあんま思わなくなる

・外が眩しくない

・(ガン効きのときのみ)視界の端まで意識が及ぶ感覚がある

聴覚

・ノイキャンヘッドフォンなくても生活できる

音楽の音の輪郭が全て鈍って聴こえる

ヘッドフォンの音質がいいことに気付く

米津玄師や他の邦楽が全て飽きない限りエンドレスで聴けるようになる(今までは一曲聴き終われないこともあった)

・好きだった音楽(KPOPや洋楽)では刺激が足りなくなり、日本語の曲ばかり聴くように

・今まで楽器別に聴こえていた音が、「声」と「楽器群」の2つにグルーピングされて聴こえるようになる

触覚

・全身の触覚と痛覚が鈍麻(温度感覚には影響なし) ロキソニンを飲んだときよりも鈍麻している

社員証が首からさげられるようになる

・手首のスマートウォッチ振動に気付けなくなる

・首元の詰まった服が着られるようになる

嗅覚

香水をいい匂い認識できる

LUSHも平気

嗅覚は鈍麻したわけではなく、不快感のみ消えた

味覚

一定以上の強い味は切り下げられて感じるようになる

・反対に薄めの味をしっかり感じられるようになった

・甘いものを美味しいと感じる(今まで苦手だった)

しいたけなど食感がだめだったものを食べられるようになった

2023-04-29

お気持ち表明になるのだと思う。気持ちの整理に記します。

戦争は女の顔をしていない」は、スヴェトラーナアレクシエーヴィチによる、第二次世界大戦独ソ戦従軍した、戦争中の女性たちの声を集めたルポルタージュだ。500人を越える女性たちから集めた「声」は、さまざまな視点から当時の戦場を実感できる名著である

コミカライズもされており、小梅けいと氏の緻密で柔らかな筆致で描かれる彼女たちは、戦場での若く美しい姿と、戦後の歳を経た平和の中での姿も相まって、とても儚く美しく見える。

本書は最近コミカライズ版4巻が発売され、アキバblogに紹介記事掲載された。

小梅けいと氏のTwitterから18禁広告があるのでご注意ください」と案内がつけられた上で、記事に興味があった私はリンクを開いてしまった。

http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51633549.html

掲載された記事は丁寧で素晴らしいものだった。

しかし、「オナホ扱いされる胸の強調された女の子」の広告と交互に表示される「戦争は〜」の女性たちが、なんだかとても悲しいものに見えてしまった。こんな気持ちになるのは予想外で、自分でも驚いた。

アキバblog性質は知っていたし、記憶よりも際どい広告だったのは正直驚いたが、「戦争という社会の流れの中で犠牲になった女性たち視点物語」が、「現代男性の娯楽向けに描かれた女の子」と同時に存在するのが、グロテスク構造に見えてしまった。(広告のような作品否定するつもりはない。シナジーが悪かったという認識でいる)

可能ならば、「戦争は〜」のような記事掲載するページの広告は、全年齢に出来たらいいのかもしれないが、Webサイト運営的にもコストがかかるのは想像できる。私が繊細すぎるだけというのも承知している。

「そう感じた」ということだけ増田に記しておく。

2023-03-29

anond:20230329014830

俺は「声」ってのもちょっと違うと思うな。単純化しすぎというか。

キャラの声」には「声優の演技、表現」が現れるんだよ。

ある意味声優自身がそのキャラプロデューサーとも言える感じがある。もちろん実際には音響監督とかと話して表現を調整していくわけだけど、声優個人表現者として追うに値する存在なんだよ。そして声優としての力量もそこに現れる。

からファンになる人は、ただの「声」のような素材としての意味以上に、声優表現に深みを見出してるわけ。その表現の幅に人間性すら幻視するくらいには。

もちろん単純に素材としての「声」が持つフォルマント特性的なものに対し、個人的ツボに来る癒やしを感じたりするかどうかの要素もあるけどさ。

「声」声帯とするならば、声優はその奏者で、奏者にファンがつくってこと。極めて普通なことだと思うけどね。

anond:20230328173102

なかなか興味深くて面白かった。

から推すのかー、って納得できて。

声優とか俳優対象にした推し活ってものが、

どうも腑に落ちないというか共感できない感じがあった。

増田文句があるのではなく、声優とか役者アイドルのように推すに至る気持ちが、よくわからんかった。

アイドル活動に近い売り方してる声優俳優が居るのは知ってる。それはアイドルと括るとして。


導入がアイドル活動)じゃなくてアニメキャラなのに、そのアニメ監督なりアニメーターなり原作なりへ広げるのではなく、中の人声優)繋がりで他作品へっていう流れに納得がいってなかったんだ。

俳優なら顔が出てるので、まあ分からんでもない。顔が好きなんだろうな、ドラマキャラメイクが何であれ、顔が。って思える。

でもアニメは、アニメーションの絵と声で一つのキャラクターになってる認識だった。だから、声だけを抽出して推すっていうのが謎だった。

好きな声はそりゃあ、ある。原作が好きなら、アニメ化するなら声優さんは誰がいいとか、妄想するものだし。好きな声がアニメから聞こえれば、そのキャラクターにも興味が湧く。とはいえ推し活に至るにはちょっと弱いというか、違う感じ。

でも増田は、そのアニメキャラクターが好きになったんじゃなくて「声」に惚れたので、原作を読み込むのでもなく声優さんの出演作品へ関心が広がったと。

やっと、声優を推す、という流れに納得できた。

すべての声優推しの人が同じではないとも思うが、一つのモデルとして腑に落ちた。

書いてくれてありがとう増田

2022-12-04

木10「silent」最終話主題歌 Official髭男dism「Subtitle」フルコーラスO.A.

 フジテレビドラマ『silent』(毎週木曜午後10放送)の最終話で、主題歌であるOfficial髭男dismの「Subtitle」が約5分間のフルコーラス流れることが判明した。

 

 『silent』は主演に川口春奈、共演に目黒蓮(Snow Man)を擁する今季一番の大ヒットドラマ。最新第8話の平均世帯視聴率は7.9%・平均個人視聴率4.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と往年の人気ドラマ視聴率には及ばないものの、民放無料動画配信ポータルサイトTver」での見逃し配信再生回数民放歴代最高記録を樹立。またSNSでは「#silent」がTwitter世界トレンド1位を毎週のように獲得し、さらドラマロケ地を数多くの若者が訪れるなど、大きな人気と社会現象を生み、令和最高の国民的人気ドラマとなりつつある。

 

 高校時代恋人だった紬(川口春奈)と想(目黒蓮)、しかし想は高校卒業してまもなく、紬に別れを告げ、さらに周囲の人間関係もすべて絶ってしまう。そして8年後、社会人となった紬はあるとき想と再会する。再会した最愛の人は、耳に難病を抱え聴力を失っていた。紬は覚えた手話で想とコミュニケーションをとるが、2人の関係はどうなるのか。高校まで聴者だった想は、声を発してコミュニケーションをとることもできるものの、紬に対してこれまで「声」で思いを伝えたことはない。

 

 年末に向けて早くも「silentロス」への恐怖が叫ばれる中、最終回概要がわかった。通常のテレビドラマではこれまでの『silent』通常話も含めて、主題歌は各話のクライマックスワンコーラスのみ流れることが多いが、最終話では約5分のフルサイズ放送する。理由はなんといっても「Subtitle」のいわゆる"オチサビ“にあるという。オチサビとは1番→2番→Cメロが流れた後にくるサビのこと。通常のサビよりも音数少なく、アコースティックギターピアノなどの静かな伴奏とともに歌われるサビで、続く大サビへ向けての最大の助走パートだ。 ※動画配信サイトYouTubeで公開されている「Subtitle」MVhttps://youtu.be/hN5MBlGv2Ac)では3分43秒あたりから始まる。

 今回判明した概要によると、「Subtitle」が流れる約5分の間だけでも新たに明かされる事実も含めて物語は二転三転。前奏なく歌われ始めるAメロからオチサビまでの約3分半は、とても紬と想は結ばれるような状態ではなくなるという。しかし、オチサビ前で『silent』名物ともなりつつある無音演出がしばらく続いたあと、想は紬にこれまで伝えていなかった「ある言葉」を「声」で初めて伝える。紬に切り替わったカメラには、大粒の涙をあふれさす彼女の姿が。そして、曲が再開し、オチサビの歌詞言葉はまるで雪の結晶 君にプレゼントしたとして 時間が経ってしまえば大抵 記憶から落ちて溶けていって消えてしまう でも」を流し、完全にドラマリンクするような展開になる。画面には音がなくても十二分に伝わるほどのハッピー光景が描かれる。「Subtitle」フルコーラスが流したあとは、再び無音の演出になり手嶌葵による番組タイトルコールで幕を閉じる。

 

 消えてしま言葉「声」にしてプレゼントした想。ドラマタイトル『silent』とは音のない世界を表しているのではなく、音がないほど揺らぎのない安寧な幸福な波形を表している。紬と想の2人だけでなく、ほかの登場人物にも『silent』が訪れる結末にもなるよう。








 という、予知夢を見ました。脚本の生方さんと、監督風間さん、がんばって。私とみなさんに『silent』を!

2022-11-30

エロ小説を書いてたら同人エロゲーのシナリオ執筆に呼んでいただいた所感

所感

・すっごく色々勉強になった

エロ小説では、基本地の文重要だと思っていて、地の文いかエロさを出すかが勝負だと思っている

・けれど、エロゲーだと「ゲーム上でどう表現するか」「それをどう実装するか」というのを常に考慮しなくてはいけない

・例えば、地の文で「〇〇は××を突き飛ばした」みたいな表現があったとして、実際のゲーム画面上のキャラクターが棒立ちをしていると違和感しかない

・けれど、そこでいちいち地の文と合わせた動きをキャラクターにとらせていると、実装の手間がとんでもないことになってしま

・つまり、「実装の手間をなるべく低減しつつ、画面上の動きと比較して違和感がない、かつエロ台詞回し」を考えないといけない

・これが自然に出来るエロライターさんすごい

・メインライターの人がノクターンノベルズでも大先輩なんだけど、その辺丁寧に教えてくれて大変ありがたかった

・あと、エロ小説以上に地の文は読み飛ばされる。基本「声」勝負で、ヒロインの声がついていない文章はガシガシスキップされることを認識しなくてはいけない

(まあ、エロ小説でも地の文を読み飛ばす人はいるけど、それでも小説という表現媒体である強みはあると思う)

・そこから考えると、「地の文ではなく、いか台詞で状況とエロ描写するか、しかもなるべく自然に」ということがとても大事で、それについては今まであまり意識していなかったところなので滅茶苦茶面白かった

・あと、普通に同じ世界観内で他の人が書いたエロシチュエロ文章を読むのもすごく面白かった

・みんなエロ文章上手くてすごい

・なんだかんだ、書き続けていると活動の場が広がって嬉しい。エロ小説書き始めて3年くらい経ったけど、書いててよかったなーとつくづく思った

前提

・昔これを書いたものです。

https://anond.hatelabo.jp/20201126163559

・あれ以降も、主にノクターンノベルズでいろいろ元気にやっています。今も短編エロ小説書いてます。3万字くらいになりそうだけど

・出た同人エロゲーム初日で1万本とか売れててものすごい。他ライターの人たちの功績であって私のシナリオはごく一部だけど、ゲームはとても面白いので嗜好に合いそうな人は遊んでみてください

女性だとバれると大変な目にあう村に、少年男装少女が迷い込む、というシナリオハード表現もあるけれど、見た目より純愛です

・ここにリンク張っていいのかわかんないから、興味がある人は「淫習のカクリヨ村」でぐぐってください。当然18禁なので注意

2022-11-10

文字文字のまま読み取れる人、話しながら手を動かせる人になりたい

読書をしていて、文字のまま読み取れる人と、頭の中で音読ちゃう人がいるじゃないですか。

私は後者タイプ

何か作業をしていて、話しながら手を動かせる人と、話し出すと手が止まっちゃう人がいるじゃないですか。

私は後者タイプ

この2つって関連してる特性なんですかね。

自分にとって「声」という情報重要性が高いのかも。無意識に。

文字のまま読み取れる方が読書が速くなるし、

話しながら手を動かせる人の方がウケも良いし色々効率が良い。

宮崎駿ドキュメント長期間ほぼ張り付きでインタビュー受けながらどんどん作業こなしてるのは閉口したよ。

私ならスケジュール崩壊してドキュメント成立せんわ。

どうやったら前者になれるんでしょう。くやしゅうございます

2022-10-09

人魚姫』は何の物語か?

もちろん、海の妖怪人間王子に恋をするという悲劇的な恋愛物語であるが、実はフリードリヒ・フーケの『ウンディーネ』という、水の精霊人間騎士との恋愛物語を描いた先行作品存在する。そういう意味ではアンデルセン作品は、あまりオリジナリティが無いとも言えるかもしれない。

フーケの作品ウンディーネ』には無くて、アンデルセンの『人魚姫』には有る要素として、我々がよく知っているのが、主人公人魚姫人間になることの代償として「声」を失うという筋書きである

この「人間になることで声を失う/奪われる」という描写元ネタと考えられているものの一つに、アイルランド海浜に近い場所存在する某村に関する民間伝承がある。

周辺の他村の住民たちは、某村の住民たちのことを「人魚の子孫」と見なし、彼らと会話することを忌避していたというのである

この話から直ぐに連想するのが、ホメロスの『オデュッセイア』にも登場する、妖怪セイレーンのことである。これは、航行する船を操る船乗りたちを、美しい歌声で惑わして誘き寄せ、船を難破させて殺害し、その人肉を喰らったとされる、半人半魚の妖怪である。ここでも「声」禁忌とされている。しかし、どうしてもセイレーン歌声を聞きたいと願った知恵者オデュッセウスは、部下の船乗りたちの耳を蜜蝋で塞がせて、歌声を聞こえないようにさせてからセイレーンたちの居る岩礁の傍を通過するように船を航行させた。オデュッセウス自身は、己の身体を帆柱に縄で縛り付けさせ、決して海に落ちることの無いように万全の防止策を施してから、その耳で彼女たちの歌声を聞いたという。

日本においては、人魚との「会話」が禁じられていたというわけでは無いものの、やはり不吉な影が付き纏う。『吾妻鏡』や『北条五代記』等には、人魚らしき妖怪発見事例が記されており、これを何かの前触れとした陰陽博士などの占術職能者によって、兵革の兆し奥州藤原氏の滅亡の前兆などと見なされたといった例が見出される。

ただし、これらの国文学的な文献に記された人魚は、アンデルセンの『人魚姫』のような美しく可愛らしい姿とは、かなり異なる。例えば、頭部だけが人間人面タイプであったり、四脚らしきものが生えていたりと、なかなか奇怪な姿をしていたようである。中には、頸部に鶏冠の如きヒラヒラしたもの付属していたという事例もある。また、発見される場所も水辺だけではなく、時には、山肌で起きた土砂崩れ現場発見されたことも有るようである

してみると、人魚にとって魚身であることは、我々現代人が思う程、重要ではないのであろうか。実は、先に挙げた『オデュッセイア』に登場するセイレーンにしても、元々は半人半魚ではなく半人半鳥であったとする説が有る。その鳥の怪が、もしも水鳥の怪であったとすれば、後に、半魚の怪との交雑を起こしても、それほど不思議では無いと考えてもよいのかもしれない。重要なのは、半人半怪という混合性である

さて、アイルランドの某村に関する民間伝承比較するために振り返ると、日本においても「妖怪の子孫」と見なされた人々が存在しなかった訳では無い。例えば、江戸時代南町奉行根岸鎮衛(ねぎやすもり)の著した雑話集『耳嚢(みみぶくろ)』に収められた「河童の難を遁るゝ歌之事」という文章を参照してみよう。そこでは、菅丞相(かんしょうじょう)すなわち菅原道真(すがわらのみちざね)の作として伝えられる、次のようなまじない歌を紹介している。

「ひよふすべよ 約束せしを 忘るゝな 川だち男 うぢはすがはら

根岸鎮衛は、菅丞相の作は疑わしいとしつつも「ひよふすべ(ヒョウスベ)と云ふは川童(カッパ)の事の由」と記しているが、これは、長崎県諫早市周辺でのカッパに該当する水怪に対する方言的な呼称であるしかし、カッパ避けの歌が伝えられていたのは、現在で言うところの千葉県(アメリカで言えばノースダコタ州)である。随分と遠くの地までヒョウスベの名が伝えられていたことになる。

岩波文庫版では「川だち」には「水泳の上手い者」との注釈が付けられている。これは遊戯としての水泳のことを言うのではなく、職業的必要性から河川で泳ぐことをしていた者たち、職能者たちと考えるのが妥当である。その川だち男が「我々は菅原氏の関係者なのだ約束を忘れるな」と、歌を通じてヒョウスベ≒カッパに向かって呼び掛けているのである。一体、何を約束したというのか?

菅原道真家系である菅原氏は、遡れば土師氏(はじし)に連なるとされる。土師氏の祖は、野見宿禰(のみのすくね)とされ、当麻蹴速(たいまのけはや)との角力すなわち相撲(すまひ)による決闘を行ったことでも知られる。現代では十把一絡げに河童(カッパ)と総称されるようになった水の妖怪が、相撲を好むことは昔話などを通じて広く知られているが、その起源には、土師氏菅原氏との関わりが存在するということである

この土師氏は、埴輪を作ることを能くしたが、埴輪といえば赤土であるが、この赤い色は、酸化鉄を多く含むためである。このような粘土採掘は、鉄分を含む土の採掘であり、これは時代が下れば、鉄を初めとした金属鉱脈採掘にも関連・発展したことであろう。

鉄に限らず金属は、採掘されるだけでなく精錬されるので、山の掘削、森林樹木伐採という環境変化を伴う。これは、山に水源を発する河川にも影響を及ぼしたと考えられ、そうなると、粘土採掘金属採掘精錬を行う山の民と、漁業・水運などによって河川生業を立てる川の民との間で、何らかの紛争を招いたのは想像に難くない。本来の「カッパによる水難」とは、元々は「山にいるカッパ」による山林環境の変化によって引き起こされた、河川災害環境破壊のことを指したのではないのか。なお、カッパといえば河川などの水辺だけにいると現代人は思いがちだが、カッパ河川から山、山林から河川へと、季節の変化ごとに移動するという伝承が見られるのである

山林の環境破壊が火種となって紛争が発生し、これを停止するための平和条約のようなものが「約束」であり、それが川の民と土師氏菅原氏との間に結ばれたことにより河川災害発生件数が減少したこと、それが「カッパ避け」の実態だったのではないか。川の民に害を及ぼさないと、かつてカッパ親分であったであろう土師氏菅原氏が約束したことが変化して、川だち男が「我々は菅原氏=土師氏の裔であるぞ、だからカッパよ、我々には害を及ぼすな」と呼び掛けるようになったのではないか

ヒョウスベには「兵主部」の漢字が当てられる。このうち「部」は物部や斎部などと同じであるが、では「兵主」は何なのかと言えば、これは大陸から渡来した蚩尤(しゆう)のことではないかと言われている。というのも『史記』では、蚩尤は金属製の戦用武具を生み出した「兵主神」とされており、しか角力(相撲のようなもの)を能くするのである。その上、石や鉄を喰らうとされるので、これは金属精錬象徴するのではないかと考えられる。ここから、兵主部とは元々は「兵主神を祀り、それに関連する金属職能に携わる部民」であろうと考えられる。

脇道に逸れた話の部分が予想外に長くなってしまったが、土師氏菅原氏という職能集団的氏族カッパの裔であると考えられていたということ、そして、カッパに対する民の恐れの根源には、職能活動による影響が存在した可能性のことを言いたかったのである

本筋に戻ると、アイルランド海浜そばの某村に住むという「人魚の子孫たち」が、周辺他村の人々から会話をすることを忌避されたのは何故か。それは、彼らが「予言する能力」を持っていたからではないのかと私は推測する。ただし、予言と言っても、超常の能力ではない。彼らが漁業や水運業など海の船仕事に携わっていた職能集団だったとしたら、どうだろうか。そのような仕事に携わることで、海路における岩礁や難所の存在場所についての知識も蓄積されたであろう。また、船仕事に影響するような天候の変化を読む(予測する)観望天気の知識も蓄積されたであろう。そのような、いわば専門知識能力を身につけた彼らが、もしも「海路のあそこには岩礁が有るぞ」「嵐が来るぞ」と予測して教えてくれたとしたら、何の知識も持たなかった他村の人々は「某村の住民が不吉な予言をする。彼らが予言を行うせいで不吉な出来事が起こる」と逆転した考え方をして、誤解したのではないだろうか。それが「会話を忌避する」ことに繋がったのではないだろうか。

上で粘土採掘金属採掘精錬を行う職能集団カッパの関連を述べたが、こういった専門的な仕事は、その仕組みを外部から理解しにくい。自分たちには出来ない仕事をする能力を持ち、影響力が大きい者のことを、人間尊敬するだけでなく同時に差別もするという例は、古今東西を問わず広く見られる現象である。例えば、西アフリカ伝統的な音楽歌唱職能グリオ(griot、フランス語。現地のウォロフ語でgewelギュウェル、トゥクロール語でgauloガウロ、マンディング語でdjeliジャリなどと呼ばれるのが語源)たちは、歌の言霊を駆使することで、人を幸せ気持ちにしたり、戦の前に闘争心鼓舞したり、逆に人々の間の争い事の調停役を担ったりといった役目を果たすことから、非常に尊敬を受ける反面、亡くなると普通の墓に埋葬されずにバオバブの木の虚穴に遺体を遺棄されるという。そこでは、尊敬差別心理アンビバレントに同居している。

日本人魚が不吉の前兆と見なされた話は既に述べたが、その中には、人魚自身言葉を口にしたという例も見られる。それも、もしかしたら海の民などの姿を人魚に反映していて、やはり海の民による予言とそれに対する恐れの感情の名残なのかもしれない。

西洋人日本渡来するようになると、剥製ミイラ製造技術も伝えられ、魚や動物のパーツを組み合わせることにより、カッパ人魚ミイラ製造されたことは、現在日本の各地に残るミイラの実物とともに知られている。したがって日本における人魚形態傾向が、人面タイプや四脚タイプから現代人にも親しみのある上半身人間下半身タイプへと変化した原因として、西洋人の影響が有るという可能性は、もっと大きく見積もっても許されるであろう。しかし、日本よりも先に西洋人との接触果たしていた中国を通じて、もっと早い時代ミイラ製造技術日本に伝えられていたという可能性は無いのだろうか。その時に、西洋人が抱く人魚イメージも一緒に、早期から日本流入したという可能性は無いのだろうか。大陸西洋から人魚伝承流入によって、前触れ予言というイメージ形成された可能性は、今後より丁寧に調べる必要が有るだろう。

まだまだ考察すべきことは多く残る。

人頭獣身の妖怪しかも不吉の前兆予言を伴うといえば、人頭牛身の妖怪「件(くだん)」が思い浮かぶ。上で半人半怪の混合性が重要と述べたが、この混合性の故に、人間の住まう現実世界と、非日常・非現実世界との結節点となる役目が、人魚や件のような半人半獣の妖怪には与えられたのであろう。そして、その役目を具現化したものが、前触れ予言なのであろう。

また古来、予言神託の役目を担う者の多くが、巫女という女性であった。これは、女性には生理があり妊娠出産可能であることから男性に比べて、より自然というカミの領域に近い存在であり、現実日常世界との仲立ち・結節点の役目を果たすことが出来ると信じられていたかであるセイレーン人魚に限らず妖怪怪物たち(例えば、エデンの園アダムとイブを誘惑した蛇など)に女性性が付与されているのは、ユダヤ教キリスト教仏教などが地位確立する以前の世界において、カミの領域との仲立ちを務める職能を担っていた女性たちに対する、尊敬差別というアンビバレント感情が反映された名残であろう。

最初に『人魚姫』は何の物語か?と掲げ、長々と文を書き連ねたが、正直に言えば、それを確定することは実は難しいと思っている。ただし、少なくとも、異なる世界の住人が出会った物語、それに伴って起こったコンフリクト悲劇物語とは言えるのかもしれない。

乱文も長くなり過ぎたので、ここまでとしよう。

2022-10-03

つまんない意地をはって変な嘘をついて、馬鹿だと思われることに何の意味があるんだろう。ほんとわからないな。

対面ならまあ、正直な言葉「声」として出し難いみたいな感覚はわかるが、たか匿名文字のやり取りでそこまで執着するものが何かあるか?

2022-08-07

anond:20220805224747

そう思う人が大多数だったらオーディションも何も無く声優が決まるんだろうけどね

実情は全く違うから「はまり役」とか「今年の主演声優賞」が存在するわけで

あるキャラ複数声優が演じる場合(ゲーム版・旧作・新作・映画等で声優が変わる場合など)は「○○さんの方が良かった」みたいな意見が沢山出る

(しかもその意見統一されず、各自推し声優推挙される状態)

そんな感じで、(声優オタでなくとも)割と「声」に対する思い入れが強い風潮があると思うけど

「火曜は全力!華大さんと千鳥くん #58 ワンピースアテレコに挑戦!」という番組で、映画ワンピースのいち場面を芸人アフレコするってのがあったんだけど

(それをワンピ関係者が採点して優劣を決める)

その中で「俳優が生身でする演技と声優が声だけでする演技は違う」っていう様な話が出てた。当然だよね

映画ドラマ俳優がやってる演技のままアニメ等のアフレコしてたらパンチが足りなさすぎだもの

ジブリ糸井重里が声あててるのとかは確かに「味」で済むけど、「味」を押し出さなアニメの中であんな演技されたら「!?」ってなるでしょ

声優が優れた技術を持っているとは思えない

anond:20220805224747

アニメの声ってだいたい演技もオーバー気味で表現力という点でもテクニック勝負なとこあって、

しかもそのテクニック天井もある程度見えている、人によってそこまで振り幅のあるものとは思えないんだよな。

自分もこの部分に大きく同意したい


そもそも声優というのはどういった技術を持って声優をやっているのだろうか

滑舌良く、オーバー

・演じるキャラを憑依させ

・上からのオーダーがあれば再解釈し声に乗せる

といった様な技術を持っていると考えている

これ舞台俳優でもできるよな?

いや、もちろん舞台俳優バカにしているわけではない

なにせ声優というのは「声」の演技しかない

役に乗せるためにある程度の身振り手振りをすることはあるが

激しい体の動きがない故にその難易度は1段下がると言っていい

芸能界入り手前の入口要素が強い舞台俳優でも出来るのなら

俳優でも女優でも芸人でも人前に出てキャラを演じる職種に属してまともな国語力があればできるだろう

…というか、最近じゃ実際に女優芸人声優として迎えて特に荒れずに終わるアニメ映画だらけだ

声優」が「声優」として何か特別な…突出した技術必要なようにはどうしても見えない

元増田が言っていた『テクニック天井もある程度見えている』という論も至極当然と言える


ただここまで言ったことはあくまで「演技力」に関したこと

別の観点から見れば声優にもそれなりに特異な点はある

それは『声質』だ

通常の役者であれば変わった声というのはリアリティを阻害しマイナスポイントになるが

世界観デフォルメ化されたアニメという媒体なら強みへ逆転する

現に業界を生き残ったベテラン声優は独特な声質の声優ばかりだ

もしくは声色を意図して変えられる声優というのも生き残りやす

(山寺宏一とか 声質を技術的に変化できる声優がいるが、そういうのは例外的に『優れた技術を持っている』と言っていいだろう)


まぁ結局何が言いたいかといえば

声優に求められる演技力なんぞたかが知れていて、本質的に求められているのは「声質」ということだな

2022-04-29

(n=6)ロシア人ウクライナ人生の声はてな民に教える 前編

A,B,C,Dはロシア人増田が全員と個別DMで会話している。

①,②:↑の友達ウクライナ人増田とは面識なし。①にはA、②にはBとC経由で質問状を送りそれに回答してもらった。

全員男性(選んだわけではなく偶然)。


B

——日本の人々に何か言いたいことはある?

「ある。『こんにちは!』」

——……。

ジョークだ」

——そう。

——日本人にロシアからの声を届けたいから協力してほしい。

「わかった」

——(おおっ、マジか)私が日本語に訳すよ、もちろん。

「そうだな、日本人に対してだけではなく他の人々にも語りかけることにする。

何と言ったらいいだろう? 

デフォルトときに多くの人々がロシア人を憎み始めた。しかしこの戦争は我々ではなく政府によって始められたものだ。当然のことだが、我々は誰もこの戦争を求めていない。また、我が国の人々は何度も団結して政府に立ち向かって来ている。だが参加者はいつも刑務所に送られてしまう。ネット上で意見を表明することさえ、政府が気に入らなければ誤情報の流布として逮捕される理由になる。
また、ある程度のロシア人政府プロパガンダに屈して"軍事作戦"を支持したこと否定しない。しかし他の国々の多くの人たちも実は同じことだ。彼ら偽善者ウクライナという国の存在すら少し前までは知らなかったにもかかわらず、ウクライナ運命心配するふりをしている。彼らに「DNRとLNRについてはどう思いますか」と問いかけたとしても答えられないだろう。これが現実だ。
もしあなたが心からウクライナのことを心配しているのならそれは良いことだ。だが多数派の人々はただ彼らの政府が仕掛けたトレンド、つまりプロパガンダに煽られてウクライナを憂いロシア人を憎んでいる。
つまり、私が言いたいのは「ただお互い仲良くしよう」だ。政府間の関係が良くなかったとしても、それは我々が同じようにするべきということにはならない。

——ありがとう明日読むね。

——ところでゼレンスキー以外のウクライナ政治家については知ってる?

「そういう事柄には詳しくない。自国政治家すらあまり知らない」

——ゼレンスキーについてはどう思う?

「何も。メディアによってそれぞれ違うことを言っているので判断できない」

——違うこと?

「実際、私はゼレンスキーについてはロシアメディアしか聞いていない。そこでゼレンスキーはいつも否定的に描かれている。ロシアメディアがどういうものかは知っている(他の国のものと大して変わらない)。何の信頼も置いていない」

——他の国のものと大して変わらないの?

redditでいくつかの投稿に、外国からニュースが入ってくるときメディアはいつも人々を操作しようとしていると書かれていた。メディアはいつも言う……外国ではどれだけの悪がはびこっているか、どんなごろつきが統治しているか、それと違って我が国はなんと秩序がある穏やかな国だろうか、と。west {増田注:西洋西側か迷ったのでとりあえずwest} ではロシアはいつも悪者として描かれ、ロシアではwestがいつも悪者として描かれる。両者は使う言葉さえ同じだ。westはプーチンヒトラーと比べ、ロシアはwestとウクライナファシストとしている。

事実他国いかにひどいものかを言うニュースはすべて自国問題から気を逸らし洗脳するためだけにある」

——そうなんだ。

——Bさんもわかると思うけど、私はいつもwestのニュースばかり見てる。westのおかしニュースをいくつか教えてくれないかな?

「私は偽善的なニュースには飽き飽きしているので追っていない。そのほうが精神衛生にいい」

——(つ、使えない奴)ところでwestについてはどう思う?

「実際には彼らはウクライナ運命に何の興味もない。ただロシア悪者と印象付けるのに使っているだけだ。彼らが完全に嘘をついているわけでもないが。他のすべての政府と同じように、自国利益だけを追い求める蛇だ」

——(外交は徹底してドライ自国利益だけを求めた方が結局うまく回ると大昔読んだのは何の本だっただろう……、ダメ全然思い出せない)

とはいえ政府などない方がいいと思っているわけではない。必要悪というものだ」

——そう。

——シベリアに送られたウクライナ人には会ったことある

「いいや」

——どこに送られたと思う?

「知らない」

——なら2014年に送られた人には?

個人的に? ない。

なんだって? 私たちウクライナ人シベリアに送っていると言われているのか?」

——ロシア政府が言ってる。

「まあ、シベリアは恐ろしい土地ではない。ロシアの他のところよりも少し寒いだけだ。この21世紀においては問題にならない。シベリアに住んでいる友達もいる」

——そう。ところでロシアウクライナ人シベリアに送ってるのは嘘だと思う?」

「わからない。ただ、もしそれが本当でも悪いことではないといいたいだけだ」

——そうなんだ……。

「私はモスクワから遠くない街に住んでいる」

——シベリアはもう田舎じゃないってこと?

https://cdn.discordapp.com/attachments/794889279214059522/966748540640559144/unknown.png

これがシベリア都市ノヴォシビルスクだ。確かにシベリアは大きいか田舎町もある。しかロシア政府はrefugeeをそこには送らないだろう。refugeeはいつもある程度大きい都市に定住する」

——なんで?

「refugeeはふつう集合住宅キャンプ生活するが田舎にはどちらもない。田舎インフラも弱い」

——どうして力づくで送り込まれた人たちが自分の住処を選べるの?

「知る限りrefugeeがどこに住むかは受け入れ国が選べる。もちろんrefugeeが資金を貯められたなら好きに家を買うこともできる」

——(なんか話が食い違ってる気が)そう。どうして政府は彼らをロシアに送るの?

ウクライナ政府のことか? ふむ、思うに、refugeeは彼らの国の意志からから逃れているのだ。どこでもいいから今いる状況から脱出手段を探している」

——えっ? ウクライナ政府が人々をロシアに送ってるの?

「うん? ウクライナ政府のことを指していると思っていたが」

——私が言いたいのは、ロシア政府ウクライナ人戦争で捕まえてシベリアに送っていることだよ。

「捕まえる? 政府ウクライナ人誘拐してシベリアに送り込んでいるというのか? ふふっ、ははははは、私が今までに聞いた中で一番馬鹿げた話だ」

——!?

スターリンからこちら、シベリアに送られた人などいない。21世紀にそんなことをしても何の役にも立たない。仮に捕虜がいたとしてもシベリアには送らないだろう」

——うーん、2014年には送られた人がいたよ。

「もう一度聞く。何が言いたいんだ? どうして2014年や今ロシアウクライナ人refugeeを受け入れたりするんだ?」

——捕虜受け入れのことなんて言ってないよ。ロシアが人を捕まえてシベリアに送ってることしか言ってない。

「なんでそんな無意味なことを?」

——う、うん。

メディアは敵国がいかに恐ろしいかの話を作るものだ」

——でもロシア公式文書に書いてあったって言ってるよ」

「わざわざ嫌われるようなことを書くか?」

——う、うーん……

増田はどうやってその情報が嘘でないとわかる? 公式文書からといって本当とは限らない」

——そう。

——この戦争で変わったり本性を見せたりした人はいた?

「いいや。知っている人たちはすべて今までと変わっていない」

「ああ、こういろいろ聞かれてみると、インタビューを受けている気分になるな」

——(気分もなにも、インタビューだよ)へへへ。

——ウクライナ歴史については知ってる?

「おおまかなことなら。ウクライナロシアは昔はRusという一つの国だった。20世紀にはソ連として友好国になり、1991年ウクライナ独立宣言した」

——あ、思ったより遅かったんだ。

——ウクライナのlanguage lawについてはどう思う?

「ふむ、難しい。ふたつ公用語がある国に住んだことはない。知る限り多くのウクライナ人はこの法律否定的だ。不便だと考えていると公式ソースにあった。私もそれに賛成だ」

——そう。(Bさんはアイデンティティ問題とかは言わず単に不便、なのか。そういえば私と違ってBさんは言語をただの道具だと思っているんだった。Bさんは文章文学に重きを置かない人間ではなく、むしろ物語キャラクターを好み文の細部までこだわる。……なるほど、文章を読み、聞くことにおいて、言語をただの道具と捉える行為はむしろ純粋かもしれない)

——プーチンについてはどう思う?

「良くはない、だがメディアで描かれるほど悪くもない。ヒトラーと呼ぶのは誇張しすぎだと言わせてもらおう。ロシア歴史上で最も恐ろしい統治者というわけでもない。私にはスターリンが一番恐ろしい。

プーチン名誉のために言うと、彼は外国との交渉時には実に強く、熱心で信頼が置けて好ましい印象を与える政治家だ。ただし彼の民には全く関心を寄せていない。『すべてはすぐに良くなる』と言い続けているが、彼の治世で良くなったものなど一つも…少なくとも普通の人々については一つもない。彼の権力に反発すると逮捕される。いつもプーチンを支持していた私の母でさえ失望したようだ。プーチン死ね生活が良くなると思っている人々もいるが、それは純朴すぎる。プーチンの座は同じく腐った人間が奪い取るだけだ。このState Dumaのあらゆる政治家プーチンと同じく腐っている」

——ロシア語で「ウクライナで」を表すна Украинеという言葉についてどう思う?

「何も。皆そう言うし、私もそれに慣れている」

——なんでそう表すかは知ってる?

「知らない」

C

——日本語のインターネットロシアからの声を届けたいから協力してほしい。

「これでいいだろうかhttps://cdn.discordapp.com/attachments/810750053178277908/966358629970231336/ff58e2f666e5f2b6.m4a

——(うわっ、マジで声送ってきやがった。しまったなあ、比喩のつもりで声なんて書くんじゃなかった。聞くのめんどい。後回しにしよう)ありがとう

——ゼレンスキーについてどう思う?

特に何も。普通ウクライナ大統領に見える。ところで彼はひとたびステージに立つと愉快な人になる。"The Club of the Cheerful and Resourceful"というスダンダップコメディのようなものを演じていた」

——普通の?

「そうだ。非難もしなければ賞賛もしない。彼はただ彼の仕事をこなしただけだ」

——シベリアに送られたウクライナ人には会ったことある

「そんな話は初めて聞いた。なぜ彼らがシベリアに送られるんだ? 意味がわからない」

——でも2014年には確かに送られたと聞いたよ。

「知らない」

——ウクライナのlanguage lawについてはどう思う?

「良くないものだ。我々は同じスラブ人、団結すべきだ。{増田注:ちょっとからない箇所があったので今本人に尋ねて答え待ってるところ}」

——(しゃーないそろそろさっきの聞いてみるか。

……あっ、好みの声だ。いやあ、「声」って言っておいてよかった!!)https://anond.hatelabo.jp/20220429233816

プーチンについてはどう思う?

ロシア大統領、それだけだ。良くも悪くもない」

——この戦争を始めたのに? {増田注:Cが戦争を嫌うそぶりを見せていなかったらもちろん聞かなかった}

「聞いてくれ、もし彼が戦争を始めたとしても、それは彼を憎んだり呪ったりすべきだということにはならない。また私はどちらの側にも立ちたくない。私は世界平和を望んでいて、自分自身も平和的でありたいと思っている。そして愛国者ではない。私の生まれ場所自分で選んだものではなく運命に決められたものだ。

侮辱してくる人であっても信頼がおける人であっても、『悪だ、善だ』などと考えたくはない。特にこの21世紀は人をどちらかの立場に立たせるためのフェイクニュースであふれている。好きではない」

——ゼレンスキー以外の政治家については知ってる?

前大統領ポロシェンコ2014年事態悪化させるばかりだったので多くの人から嫌われた。

元大統領ヤヌコビッチ普通大統領に見えたが、職を辞したのち民を棄てたので軽蔑している」

——ウクライナのお友達意見を聞きたい。

「{増田注:②として後で記す}」

——ロシア語で「ウクライナで」を表すна Украинеという言葉についてどう思う?

あと、どうしてそう言うの?

「正直、あまり考えたことはない。ロシア語の文法上正しいからそう言うだけだ」

2022-02-02

アニメキャラに「声が思ってたのと違う」は差別意識の発露だからやめてほしい

アニメ・声が思ってたのと違うキャラ「低くて違和感」「男性声優かと」

https://magmix.jp/post/77481

アニメキャラクターたちのイメージを作り上げるのに大切なのは「声」でしょう。

しかアニメ化したキャラクターの声を聞いた瞬間「思ってたんと違う……」と驚くことも。

ネット上で話題となっている「声がイメージと違って驚いたキャラクター」を集めました。

まず名前が挙がるのは、『劇場版鬼滅の刃無限列車編』に登場した煉獄杏寿郎の弟・煉獄千寿郎(CV榎木淳弥)です。「炭治郎の声より低くて違和感。かわいくて震えてるような声を想像してた」「ガッツリ青年の声でびっくり。でも泣きの演技はうまかったからいいと思う」

同じく多くの人が驚かされたのは、『劇場版 呪術廻戦 0』の乙骨憂太(CV緒方恵美)でしょう。「高校生だし男性声優さんが担当すると思った」とキャラの年齢から男性声優想像する声が多かったようです。

最後は、『名探偵コナン』の安室透(CV: 古谷徹)と赤井秀一CV池田秀一)です。こちらは原作者青山剛昌さんが『機動戦士ガンダム』を好きすぎるがゆえに、「アムロ・レイ」と「シャア・アズナブル」をモデルしたことは有名な話です。「個性的すぎて違和感が……」「顔と声が合ってないよね」と違和感を禁じ得ない声もチラホラ上がっているようです。



いい加減にしろ

アメリカだったらSNS

ディズニー新作オリジナルアニメ主人公の声合ってないな。女なんだからもっと高くてかわいらしい声にしろよ。」

「男のくせに声高すぎ。もっと男らしい低い声だと思ってた。」

なんてつぶやいたら速攻で炎上して会社クビになるぞ?

「こういうキャラはこうあるべき」みたいな偏見差別をまき散らしても未だに咎められない野蛮な国は先進国では日本くらいなもの

それと、原作者でもないくせに「このキャラはこういう声じゃない」は単純に傲慢的外れ馬鹿意見だわ。

お前はそのキャラのなんなんだよ?死ね

2022-01-19

anond:20220119142854

あーゆう「声」って誰が求めてんのかね。

少ない声なんて参考にもなりゃしないどころか、ヤラセ番組の色ついてたら、双方リスクしかない。

2021-12-29

最近ダラダラとKalafinaの曲を聴いているのだが

Kalafinaのメインの「声」は「wakanaの声」だと思う。

みんなはどうだろうか。解散時の3人のうち、誰の声がメインの声だと感じるのだろう。

勿論、3人の声あってのKalafinaなんだけれども。

個人的にはwakanaの声ありきだなー

2021-07-26

猫の肝臓病の研究寄付金

東大基金の、webから募金した人の声が見られるページがあるのだけど、2011年5月にそのページができてから猫の記事が出るまでで約150ページ分の声が寄せられているのに対し、記事が出てから半月で310ページ分の「声」が届いている。

おそらく自由記述なので、一言を書かずにweb経由で寄付した人の数がカウントできない/建物の再建とか部活動学生支援とかの寄付はお偉いOBOGが紙で寄付していそうということを考えると、webのあのページの書き込み量の多さだけで「他のプロジェクトに比べて猫好きすげ~」って言うことはできないかもしれないけど、それにしてもすごい。半月で一億。そこらじゅうコロナオリンピック話題だらけのなか猫に一億。

ところで東大先生が手動するプロジェクトが一億で再開することができるのだろうか。

その先生科研費サイトを見てみると、去年まで受け取っていた同じ技術の別目的研究は1億くらいだったけど、基礎研究区分だったし、実用に近い部分だとお金がかかりそうなイメージがあるので分からん

本当にネットであつまったお金研究の「足し」になり得るのかが知りたいので研究者の方々教えてください

2021-07-20

anond:20210719195613

どうしても気になったので…

 

これは私の読後の印象でしかないのですが、この漫画を読んで「刺さった」と言っているタイプの、とくに創作活動に苦悩した経験のある人たちというのは犯人の男にも感情移入をするんじゃないか…と思います自分よりも上手な人、評価されている人に深い嫉妬を抱く時、その人の作品から罵倒する声がする」気がする、ということの意味を多分誰より知ってる。そういう人たちにとってあのキャラクターは、「頭がおかしいから」と単純に切り捨てられない存在です。自分嫉妬狂気の果てがここだ、と感じるはずなので…。

少なくともわたしは、「精神疾患の人が愛するメインキャラクターを害した」とは捉えませんでした。そもそも精神疾患を抱えたキャラクターだとも思わなかった。常人だ、と思ったわけではないですが、病気の人だと判断もしなかった。

あえて「統合失調症患者(と思われる)」と言葉にしてしまうと逆に「ああいう人って統合失調症なんだ」という認識になってしまうように思えてちょっと心配しています

 

作風作風ですし、私とは違う捉え方をする人も絶対いるので「だから声をあげるな」と言いたいわけじゃないです。実際、この記事が回ってきて初めて私も「そういうふうに恐怖を感じる人がいたんだ」と知ることができたので…。

あと、ふつう描写に深く傷ついたり怖くなってしまったときは吐き出すべきですからね。抱えているのが辛いか言葉にしたんだって、わかっています。怖かったですよね。

たぶん、思っているより多くの人は統合失調症とあのキャラクターとを全く繋げていないし、今後も繋げる必要はありません。

 

作中でも精神疾患のある人物だとは言われていなくて、「声」を明確な(病状的な)「幻覚」だとも明言していません。

この作品京アニ放火事件への言及も含まれていると考えられますが、その事件犯人精神疾患犯行の原因ではないそうです。

ただし、精神科受診歴があったこから当時マスコミがそのような報道を行なっていたため、世間にはそう印象づいている可能性は高いですが…。でもだからこそ、ここで印象の上塗りがされてはいけないと思います

同じ恐怖に見舞われた方たちが今夜安心して眠れて、明日から平穏に過ごせるように、誰も変なふうに騒ぎ立てたりしませんように。

2021-06-07

東京オリンピックを中止か延期に追い込む方法

三毛猫の爺さんも爺さんの意見「声」掲載した朝日新聞も、主張がピンボケも甚だしい。

本当に中止させたい気はあるのか。


本当に中止させたいなら、スポンサー不買運動して抗議するしかない。

だって契約上、オリンピック委員会しか中止権限がないし、オリンピック委員会は中止・延期するつもりもない。

日本政府いくら批判しても無駄


スポンサーは、4のレベルがある。上から順に、ワールドワイドオリンピックパートナー東京2020 オリンピックゴールドパートナー

東京2020オリンピックオフィシャルパートナー東京2020オリンピックオフィシャルサポーターだ。


一番上のワールドワイドオリンピックパートナーは、日本企業ではトヨタブリジストンパナソニック

この3社を批判抗議すべきなのに、マスコミは、東京2020オリンピックオフィシャルパートナー朝日新聞批判するだけ。

朝日新聞は、東京2020オリンピックオフィシャルパートナーを辞退して、この3社を社説批判する気概を見せてみろ。

三毛猫爺さんの意見を使って、いつものように政権批判に使っているだけじゃないか


スポンサー一覧

https://olympics.com/tokyo-2020/ja/organising-committee/marketing/sponsors/

2021-05-21

るろ剣実写映画を見て思うこと

映画原作ネタバレを含みます。また当方の中で映画は不評だったため気分を害する可能性のある方は読むことをお勧めしません。



原作小学生の頃に読み、現在は続編も履修済み。私が幕末にはまった切っ掛けは間違いなくるろ剣です。新選組について調べたかったのに、学校の小さな図書館には全然資料がなくて発狂した日のことを今でも覚えています。その後、大河ドラマが決まり、無事土方推しになりました。

もちろん今回の実写映画も見に行きました。田舎映画館はレイトショーだとガラガラなのでねらい目です。マナーの悪い人も少ない気がします。

そこで思ったことをただつらつら書きました。原作大好きマンなので思うところがあった所存です。

収納の都合上、漫画実家にあるためうろ覚えなところもあるかと思いますがご容赦ください。

本日のお品書きはこちら↓

①縁「苦しめたい」  

②縁と薫 

③お父さーーーーん‼  

最後に。  

 

①縁「苦しめたい」

劇中に登場した、縁のセリフです。

「お前(剣心)を苦しめたい」

痛めつけたいんじゃないんです。このセリフ、回想でも出てくるほどなので強調したいシーンじゃないでしょうか。

が、しかし。

剣心にとって最大の弱点は(優劣をつけたくはないですが)薫でしょう。自分が味わった以上の苦しみとして、原作では映画と同じく剣心の周囲の人間を傷つけていき、そして仕上げとばかりに薫を殺しています。※生きてます

しかし、映画では薫は攫われただけで死んでいません。これは原作もですが、周囲の人間を襲ったにしても名前のあるキャラは死んでおらず、肝心の薫も傷つけられていない。

  「お前(剣心)を苦しめたい」 

と強調しておきながら薫を原作通りにしなかったのは苦しめが

足りんのではないか?と思ってしまいました。

もちろん町の人は亡くなっていますが、近しい人が怪我を負っただけで誰も死んでいないのは随分情けがあるなぁと個人的に思います。(原作マイルドにしたかったんかな……。そもそも十本刀に外印がいない時点でまあないかなとは思ってはいたけど違う形で成し遂げてほしかった)

(いや、尺の問題と言われたらそれまでだけど……)

一度剣心が落ちるところまで落ちることで、剣心が本当の意味過去を脱却したと思ってるんですが、映画では剣心の心の動きが鈍く感じてしまったんですよ。

結果何を吹っ切ったの?ってなったのは私だけなのか……。

巴さんの日記にも巴さんの心中は書かれているのでおそらく実写剣心はすでに巴さんの思いを昇華しているのではないでしょうか?むしろ昇華できていないのは縁だけでは……?となると、この話は縁を救う物語……?

縁中心の話にしたかったんかな。それだとしても中途半端に感じる。  

そんなモヤモヤが残りました。

②縁と薫

原作の二人のやり取りが好きでした。

味噌汁のやり取りとか、縁が人相応に感じるじゃん。それに薫を巴さんと重ねてみたりね。縁は心を殺して今まで生きてきたんだなっていうのが伝わってきて、逆に不器用な感じが人間らしいです。(わかる、薫可愛いもんね)

そういうシーンがあったからこそ、縁も思わず薫を助けちゃったんじゃないの??

みんなあのシーン好きでしょ??

やり取りもなしにあの縁が他人しかも仇の思い人を助けたりしないと思うんですよ。巴さんと被らせるにしてもこんな突然じゃないでしょ。

もちろん必要なシーンだとは思います。でもこれだけでは成り立たんのですよ。

もっと、縁に葛藤してほしかった!!!

なんで助けてしまったん……?って描写も欲しかったです、はい

あと薫は何もしないヒロインではないんだぞと声を大にして言いたいです。(尺の都合上仕方ないのは分かってます

ちょっと話がそれますが、足手まといになりがちなヒロインて何なんですかね。大分前ですが、ハガレンの実写のウィンリーもそうでした。いや、ウィンリーはそうはならないよ???突っ込みたかった。マジで捕まるだけであとは主人公の救出待ちもっと原作読んできて!!!

と、当時は思ったものです。

懐かしいですね。

③お父さーーーーん‼

知ってか知らずか、巴さんのお父さんが娘の仇である剣心に寄り添ったり、十数年ぶりに親子が再開するシーンが個人的に好きだったんだけど、まあ、尺的に削られるのは分かっていましたとも。

でも白梅香、みんなここで覚えたでしょ?

修学旅行で買っちゃいますよね。

とはいえ映画過去編を完全に切り離してしまたからここを入れるのは無理でしょうね。白梅香で思い出してほしかったな~~~~~~。

人の記憶って初めに忘れちゃうのが「声」らしいですね。反対に覚えているのが「匂い」らしいです。(多分何かの漫画で読んだ)

どれだけ月日が流れても忘れなかった白梅香。

グッズでだしたら爆売れ間違いなしやで……。

それからちゃんが剣心に助けを求めるシーンはこれまでの剣心の「生きる意味」を体現しているようで好きです。カットされるとは思っておりました。

でもここが一番剣心の心の揺れ動く様じゃないでしょうか。

(いや、一番は薫が死んだと思ったときかな?)

ここを、演じてほしかった。

最後に。

世界観とか戦闘とかがいいだけに私としては残念だった。

続編あるから2つで完成品だから見限るな!ってなるかもだけど、続編があったとしても映画は一つで一つの作品であることが前提だと思っているし、続編はさらに前作を補填する+αだと思っているので一つで面白いと思わなければ前提が破綻してるんよな。(私的見解です)

無理なんでしょうが原作と違うなら違うって言ってほしい勢です。これは周りに聞いたことないんで多数派か少数派かは分かりません。


ただ一つ言えるのは縁、めちゃくちゃよかった……。話し方も普段の気だるげな佇まいも、そして無くてはならない上着を脱いだあの衣装とき二の腕筋肉

最高すぎんか??

2.5次元の完成形を見た気がします。実写化ってどうしても原作アニメ含む)が先行しちゃうからイメージそのままってことが難しいと思うんですが、ここまで完璧体現は圧巻ですね。個人的にはこれまでの実写化キャラNo.1です。あんまり俳優さんを知らないんですが、これでばっちり真剣佑さんは覚えました。

巴さんは有村さんじゃ可愛すぎんか?と思ったけどあの消え入りそうな表情はいいな……。

巴さんて難しいよね。若くして旦那に先立たれ、その仇打ちをするために生きていてあまりにも影があるし、色気もある。そんな巴さんと実年齢が同じ人が演じれるんか?って思わずにいられません。

あと、爆撃の中、剣心が市民を助けるシーンて原作もありましたっけ。あった気がする。私も助けられてぇ。

あれ、一つじゃねえな……。

本当にこれで最後です。



弥彦、お前は本当はもっと強えんだ!!燕ちゃん幸せにな!!

2021-04-18

エヴァンゲリオンを乗り越えて、あるいはその手前で

 お前が望んでいたものが、いまあらわれているんだよ。という言葉が、自分身体を上から下に駆け抜け、僕はそれで、頭から血が抜けていったように感じた。その言葉は、ある意味では間違っていなかった。けれど、間違っているといえば、全面的に間違っていた。

 目を凝らしても見えてくるのはパソコンの画面と荒れ果てた部屋しかない。右手の小指と薬指がその付け根にかけて少し痺れている。特にキーを叩いていたわけではない。パソコンの画面をつけて、何をしようかと思っていただけだ。すると、僕に言葉がやってきた。それは僕が望んだ言葉ではなかった。この暗い部屋は、僕が望んで生まれものだった。この荒れ果てた部屋は、僕がどうしてか生み出したものだった。あの言葉は、ただ、とても嫌いな言葉だった。

 望む、望まないなんてことを考えたことはほとんどなかった。あるといえば、望まないことばかりだ。いろんなことが嫌だ。特に、望むことは何よりも嫌だ。自分が何かを望んでいると思うだけで気分が悪くなってくる。自分が何かを望まなければ生きていけないのだとしたら、死にたくなる。何も望みたくない。何も望まれたくない。そうして僕はこの場所を作った。僕が今望んでいること? それには答えられない。ただ一本の煙草が吸えたらいいと思っているだけだ。それが望みなんて大きなものに含まれるのだとしたら、今すぐにでも僕は首を吊ってやる。セブンスターソフトは残りわずかだ。一本取り出して、口に咥えた。火を付けずにパソコンの画面を見た。

 さっきまではTwitterホームが映っていたが、僕はもう少し孤独になりたくて、ウインドウを閉じた。デスクトップ画面には、雑多なファイルが、まるでこの部屋みたいな雑駁さで並んでいる。それの後ろには描かれた美少女アニメ美少女なのかどうかはわからない。インターネットで見つけた、絵の美少女だ)が憂鬱げに体育座りをしている。彼女右手には安全剃刀が持たされている。左腕にリストカットの痕はない。安全剃刀は文字通り安全なのだ少女の足元には薬瓶が転がっていて、その転がる移動を堰き止めるように、本が置いてある。フェルナンド・ペソアの本らしい。表紙の白い部分には血痕のようなものが伸びている。

 灰を落としてみると、煙草の1/3はなくなっていた。僕は考えごとをする前に、なにかと準備運動必要みたいだ。考えるべきことというのは、僕の身体を駆け抜けて行った言葉についてだ。

 僕は「望む」なんていう大掛かりなものが嫌いだ。望むとも、望まざるとも、嫌いなものは嫌いだ。だが、そこにばかり注目していては次の文がわからない。次に進む。すると、それがあらわれているという。

 それがあらわれている。それはお前が望んだものだ。

 というのであれば、僕はわかるような気がする。まずはじめに「あらわれ」があって、その説明、あるいは定義けがされる。これは、わかる。あると思う。いや、あるべきなのだ自分がいまどうして存在しているか? こうして暗い部屋で、食事に使って洗わないままで転がっている食器や、ゴミの類いが転がっている、この雨戸が閉められた部屋で、僕の身体は、パソコンは、煙草は、まず、「ある」。そして僕がその「あらわれ」を何らかの形で受け取る。受け取ったものには、それ相応の制限がある。それが説明であり、定義でもある。こうして抽象化すれば、わかる話だ。話がわからなくなっているのは、そこに「望む」という言葉が出てきているからだ。煙草を灰皿にすりつぶした。

「こうしていても埒があかない」

 そう呟いた。こう言ったところで、あの言葉が離れていくわけでもなく、これから行動をとったところで、あの言葉が離れていくわけではないだろう。精々気晴らしにはなるだろうが、自分の中にある嫌悪感がぢくぢくと膨れていくか、いつの間にか消滅しているか、そのどちらかだ。経験的に、後者の方がよくあることだ。いつの間にか消滅するには、原理的に時間必要から

 家を出ると小雨が降っていた。庇の外に左手をかざすと、ほんとうに細やかに、少ない量の水が手のひらに当たった。深い青空全国的に深夜であることを告げていた。振り返って家に鍵をかけてから、僕は肺にあるどんよりした空気を深い青の空気と入れ替えた。まるで僕の肺が一つの世界になっているみたいに青い深夜だった。その世界は二つあった。そのうちのどちらかに、隣部屋のお風呂匂いが流れ込んできた。歩き出した。傘はいらないだろう。煙草お菓子を買ってくるだけだ。

 思った通り、雨ざらし階段はそれほど濡れていなかった。足を滑らせる心配はなさそうだし、きっと降りはじめてすぐなんだろう。階段を降っていくと、

「お前が望んでいたものが、いまあらわれているんだよ」

 という、声がした。言葉ではなく、声がしたのだ。階段を降りている感覚が薄れて、ゲシュタルト崩壊してしまった。階段構成する線と線の繋がり、それがなす直角と、段差、線の全てが空白もしくは混沌世界に放り込まれた。ポケットに入れていた鍵は、僕の拳から飛び出すことなく、音を立てることもなかった。目を閉じた。「うわあ」と思った、その頃にはもうすでに階段の一番下まで辿り着いていた。でも服は汚れてしまった。階段から転げ落ちたのだ。頭の裏、腕の曲がらないところ、脚の曲がるところ、何より腰が傷んだ。それから遅れて左手に妙な感覚があった。座り込んだまま、左手を開いてみると、家の鍵を強く握りすぎたからか血が出ていた。鍵に何かキーホルダーをつけていたわけではないから、純粋に鍵で傷ついたのだ。親指の付け根に小さな切り傷が付いていた。思ったより血が出てくる。なんとなく、右の人差し指中指でそれを拭い、右の頬に付けてみた。この、なんとなくの一連の動きは、シネマスコープの中に映し出されているといいな、と思った。身体中が痛かったけど、おもしろかったから、よかった。僕は立ち上がることにした。雨は本当に少しだけ降っている。

 ここからコンビニに行こうとしている。それなりに汚れてしまったが、仕方がない。自転車を見た。自転車に乗って行こうか、いや、この程度の濡れ具合で滑って転んだのだ(たとえ変な声が聞こえてしまたからといえど。またあの変な声が聞こえないとも限らない)、大事をとって、あと気晴らしのために歩いていくことにしよう。自転車を金網越しに見た。僕は歩いてコンビニに向かう。決めたからだ。ぶらぶらさせていた右手を鼻の前にかざして、匂いを嗅いだ。鉄くさく、砂っぽかった。これでコンビニに向かおうとしているのだから、笑えてくる。いや、これは気晴らしにすぎない。コンビニ店員も、適当事情を察してくれるだろう。コンビニ店員は本当に飲み込みが早いから、わかってくれるはずだ。

 そんなことを考えていると、下には列車が通る小さな橋に辿り着いた。水色の塗装ははげかけているが、子供が手すりで遊んでいて怪我をするほどではない。おしゃれみたいに朽ちている。その下では電車が通る。橋の真ん中に辿り着いて、ここから落ちたら死んじゃうだろうと思った。いや、生きちゃう? 電圧注意と書いてあるから、落下して骨が折れたり、死んじゃう前にびりびりっと身体破壊されてしまうかもしれない。それにいま僕は濡れている。電気はよく通ることだろう。でも、痛そうだ。さっきの落下でさえ痛く、血を流してしまったのだ。僕というのは風船みたいに壊れてしまときには、弾けるように壊れてしまう。そして、壊れてしまうと、びっくりするし、うるさい。毎度この橋を通るとこんなことを考える。死ぬことはないだろうとは思うが、死んでいいかもしれないと思う。そして、橋の真ん中で線路を眺めるのをやめ、先に進もうと体勢を変えると、昼間子供達がよく遊んでいる公園が見えてくる。深夜の公園だ。いやらしいことを考えないわけではない。でも、重要なのは、いやらしいことを考えたその時には、もうすでに水色の手すりから離れて、コンビニに向かって歩きはじめていることだ。

 公園に面した道路を進むとコンビニがある。だからコンビニに向かうまで、橋の上、橋の下り、道路、と少なくとも三つの視点から公園を眺めることになる。意図して見ないときもあるが、この場所から見た公園をその時に考えてしまっているから、大体いつもみているようなものだ。道路に面している側には遊具はない。公衆トイレがあって、それを二本程度の灯りが照らしている。公衆トイレほとんど立方体の形になっていて、二つの光源から伸びるそれの姿は、三つの視点、どこからみても美しい。道路から見たとき前景に公衆トイレがあると、その後景にブランコがあって、その間くらいに滑り台がある。ジャングルジム砂場公衆トイレに隠れてしまう。

 今日こうして家を出てきて、コンビニに向かっているのだけれど、いつもは見かけない、変な影が三つの視点全てにあらわれているのを見た。人影というには小さく、あまり動いていない。でも横に長いわけではないから、犬や猫の類いではないと思われる。霊でも無さそうだ。霊に影があったら、僕はその霊と仲良くできるだろう。

 よくわからないその影は少し揺れているだけで、歩いたりしている様子ではない。ブランコ周辺でただ揺れている。こういうのはあまりない。不審な影を見かけることはよくあるが、それはその人物不審から影も不審に見えるのであって、影が独立して変な雰囲気を纏っているのはなかなかない。それに、徹底して影の主が見えてこないというのも、変な話だ。影しか見えない。特に怖がることはなかったが、

「変だなあ」とは思っていた。そのまま、コンビニへ向かった。

 その前に、円柱状の灰皿に吸い寄せられていった。右ポケットには忘れずにセブンスターソフトと、ジェットライターが入っている。ジェットライターは素晴らしい。片手で着火できるというだけで、なんだかカッコいい感じがする。喫煙にかっこよさを求めたことはないけれど。客観的にそう思う。絵になるというか。

 セブンスターを咥えて、右ポケットからジェットライターを取り出して、先端に火を付ける。ゆっくり吸う。強く吸うと美味しくない。けれど今は若干の湿気があるから、どちらにしろ美味しいのかもしれない。

 煙草を吸っていると、気分がいい。家から出てすぐ深夜の空気を吸ったように、身体の中の空気を違う空気で入れ替えているように感じる。手軽に自由を手に入れてるような気がする。これが自分の望んだものなのだと言われたら、認めてしまうかもしれない。この一本の煙草が僕の自由に繋がっているなんて、ちょっと詩的だ。けれど……

 お前が望んでいたものが、いまあらわれているんだよ。

 これはどういうことだったんだろう。

 こと?

 あれははじめ、「言葉」として僕の身体に降りかかってきた。「言葉」が身体を貫くような感覚は、実はよくあることでもある。だからそれはいい。問題はその「言葉」が「声」になって聞こえてしまったということだ。「声」になって聞こえたということは、誰かがそれを喋ったのだ。あのとき、僕の近くには誰もいなかったから、僕の「言葉」が「声」に聞こえてしまった(?)ということなのかもしれない。つまり幻聴のようなものだ。幻聴ということは、幻? 幻には思えなかった。なぜなら、まずはじめに「言葉」が降りかかってきたからだ。幻にふさわしいのは、何の予兆もなく、何の脈絡もない「声」が聞こえてくるということではないのだろうか。あるいは、僕を貫いた「言葉」は「幻の声」を予知していた、とか。ファンタジーじみてきた。同時に自分精神的におかしいと思われる(思われてしまう)ことを毛嫌いしていることに気づいた。言葉に則して物事判断している。まるで、そうしないと生きていけないように。セブンスターは半分になっている。そうしないと生きていけないということは、僕は「言葉に則して物事判断することを望んでいる」のかもしれない。それのあらわれとして、部屋があんなことになっているのかもしれない。数日間シャワーの浴びていない自分がいるのかもしれない。言葉に則して物事判断することを望むというのは、ここまで代償が必要なんだな、とひとりごちて、笑った。口から煙草の煙が飛び出た。

 コンビニでは煙草お菓子を買った。煙草はいものセブンスターお菓子適当チョコ、なんだか寝付きが良くなるらしいチョコがあったからそれと、イカのゲソを買った。ゲソを買うとビールに手を伸ばしそうになる。でも僕はビールはあまり好きではないから、好きなのはゲソとビールという組み合わせだけだから、やめることにする。結構そこで戸惑う。けど、ビール自分には必要のないものだ。煙草チョコイカのゲソは、自分必要ものだ。

 帰り道、公園が見えてきた。あの影はまだ居るだろうか? 僕としてはいないほうがいい。帰りは行きと違って、目に入ってくる視点が二つなくなっているからだ。橋の下りと、橋の上では、振り返らない限り公園の姿を捉えることができない。公園の姿を素で確認できるのは、今、この公園に面した道路でだけなのだ。だからこそ、ここでしっかりと、あの影がまだ居るかどうかを確かめ必要がある。そうしないと、公園を背にしてからが怖い。

 立方体公衆トイレが二つの光源に照らされて伸びる影の先には、ジャングルジムがあり、わずかながらジャングルジムの影も砂場に広がっている。幾何学的な影は、砂場の凹凸に習って、あまりユークリッド幾何的ではない形になっている。ブランコにはあの小さな影はなく、滑り台にも影はない。灌木を含め、公園全体を見渡してもあの小さく、揺れていた影は見当たらなかった。僕は一安心して、煙草を口に咥えた。少しだけ、雨が強くなってきた。火をつける。

 とりあえずは安心てところだろう。もともと霊とかは考えていなかったから、特に恐れることはなかったのだけれど、一応だ、一応の確認必要だと思ってだ。それから公園から目を離して歩いてみた。なぜかまた右手の小指と薬指が痺れてきた。コンビニで買ったもの左手で持っている。右手煙草を吸うために放っている。それにしてもあの影はなんだったんだろう。影があるのだから、影の主はいるのだろうが、僕はそれを見ることができなかった。するとやはり、影は独立したまま存在し続けるのかもしれない。僕の中でも。世界の中でも。

「お前が望んでいたものが、いまあらわれているんだよ」

 という声があらわしていたものは、僕の考えていたように、ものごとの素朴な存在を認めろ、ということなのかもしれない。だからこそ、影にはその元があるとは考えなくて良いし、「声」のものも、「言葉」のように独立したツールとして、その元を探る必要はないのかもしれない。だが。

 そうしたことを伝えるのであれば、やはり「言葉」に留めておくべきではなかったのだろうか? 「声」でこのことを伝えるというのは、そのもの矛盾しているからだ。通常のものの考え方ではたどり着くことができない。「声」には人を必要とするという考えは、どれだけ複雑な回路図だったとしても、確かなものからだ。僕はそう思う。「声」独立して、僕に警鐘を鳴らしていたというのは、考えられない上に、警鐘ですらない。現状の説明を、何か「声」を使って説明する必要はどこにあったのだろう。必要? では「言葉」で表す必要はどこにあるのだろう。普遍的で、使いやすいのがキーなのだろうか。それが必然に関わっているのか。でも、こうしてみると「声」も「言葉」も大差ないように思える。すると、なぜはじめに「言葉」があり「声」が生まれたのか、が問題なのかもしれない。僕はあの言葉から逃れられていない。いまだに考え続けている。もうすぐ橋を渡り終えるというのに、家に帰ってもずっと考えてしまうのだろうか。橋の下階段に足を付けると、

「お前が望んでいたものが、いまあらわれているんだよ!」

 明らかに声がした。それもあのときに感じた「声」ではなく、方角があり、ちゃんとした輪郭を持った声だった。だが、どこか浮世離れしている。それでも僕はびっくりした。何しろ深夜なのだ。僕は振り返った拍子に咥えていた煙草を落としてしまった。湿っていた地面に落ち、火が鎮む音がした。そこから煙が立ちのぼった。雨が止んでいた。

「お前がどう考えても何も変わらないが、お前はなぜか望むことができる。お前はそれを否定しているだろうが、それは、お前が望むことができてしまうことに勘づいていたからだ」

 橋を上ってくる音が聞こえる。人にしては軽い音だ。

「お前が何かを望んでいたとしても、それが叶うことはまれだ。まれということは、叶うこともある。お前はそういう能力を持っているのだ」

 橋の上に立って僕を心持ち見下してきたのは、高校一年生くらいの少女だった。それにしては身長が小さいし、逆光だからか影しかみえない。

 僕は思ったことを言った。

「でもそれって、僕以外の人にも言えることじゃないですか?」

 なぜか敬語が出た。

「そうなの?」

「たぶん」

 影の少女はため息をついた。マジで……と呟いていた。僕は聞き逃さなかった。

「お前が考えていることは、実は大切なことだ。これ以上ないくら大切なことだ。あまりそういうことを考える人はいない」

「そうなんですか。ちょっと煙草吸ってもいいですか」

わたしにもくれ」

 それにしてもこいつはなんなのだろうか。深夜に高校一年生くらいの少女と一緒にいて、通報とかされないのだろうか。僕は影の少女煙草を渡すために近づいたが、影の少女は、「少女」になることはなく、影の少女を保っていた。なんなのだろう?

ありがとう今日煙草が美味しい日だ。君が思ったことだよ」

「そうだったかもしれませんね」

「だが、お前には足りないものがある」

「なんでしょうか?」

 そこで少女は本当に長く時間をあけて、煙草を吸った。とても長い時間だったが、次に出てくる言葉がわからなかったから、僕は待っているという気分ではなかった。僕も僕で煙草を吸っていたのだ。

「お前は実は求められて、存在している」

「え?」

「お前はそれを拒絶している」

「そうかもしれませんが……」

「お前は求められているから、存在しているのだ。お前が求められなくなったら、存在しなくなる。死ぬとはまた違ったものなのだがな」

わたしはお前に求められて存在した。類を見ないほどひねくれたやり口だったがな」

 そういって影の少女は僕の手を取った。左手の血は止まっていて、傷になっていた。影の少女が、その手をぎゅっと握ると、傷はなくなった。影の少女は、影の少女にふさわしく、とても冷たい手をしていた。

「お前の考えていることは基本的に正しい。が、まずい考えでもある。それを警告しに来た。お前には知ってもらうことがひとつだけある。そのために来た」

 そう言うと、影の少女は地平線の向こう側に指を差した。何も見えない、と言うと、耳を澄ませ、と言われた。それに従って耳を澄ませていると、軽く、高いが地鳴りのような音が聞こえてきた。信じられないだろうが、線路中に列車が猛スピードで走ってきている。どの列車も見たことがない。ここは新幹線は通ってないだろうが、新幹線と同じくらいのスピードで走っている。だからか、電車にも見えない。謎の列車が猛スピードこちらに走ってきている。深夜なのに。どういうことなのだろうか。

「お前に足りないものは」

 影の少女は、橋の手すりに立った。そこで、影の少女少女になった。制服を着ていた。白いパンツが見えた。胸は小さく、確かにあった。ショートヘアだった。見覚えのある子だった。だが、会ったことはない。会ったことはないが、見覚えのある子だった。可愛い少女煙草を咥えたままだった。

 夜が静まりかえっていた。少女が決然と橋の手すりに立って僕を見下しながらも、夜空にはたくさんの星がきらめいていた。青い深夜は地平線見渡す限りに広がっていた。少女は僕を哀れむように見ていた。空間が張り詰めていた。それを揺らす列車の轟音。少女がふらっと動いた。

「圧倒的な喪失だ」

 制服少女は橋を飛び降りた。少女が地面にたどり着くころに、列車は飛び込んできた。衝突する。血が流される。さっきまで話していたあの謎の影は少女で、彼女飛び降り自殺をした。僕が手を伸ばした時点で、少女は見えなくなっていた。なにもかもわけがからない。僕は止められたかもしれなかったのに、影の少女から少女になったところで驚いて、何もできなかった。もしかしたら、なにもするべきではなかったのかもしれない。彼女は僕が求めたか存在したのだ。だが、彼女は自ら消滅することになった。ということは僕は彼女自殺を願ったのだろうか。彼女 Permalink | 記事への反応(0) | 11:49

2021-04-08

anond:20210407201659

「声を上げる弱者」って???

だれかきちんと「声」を上げてた?

ストレス発散のための「愚痴」や「暴論」じゃないの?

「主張」とか「議論」まで昇華されてるコメント見た覚えないけど。

そもそも、「弱者男性」の定義と、その「困難さの社会問題としての定義」がブレブレなんだよ。


俺が確認できてないだけだったらすまん。

問題本質がどこにあるのか、まとめられてる増田があったら教えてくれ。

2021-03-11

男性の声を届ける女性議員はいらない!」

ってツイート炎上してるみたいだけど、まぁこれで

議員性別のみに着目して「声」無視してるジェンダーギャップ指数無意味

女性の声が届くなら男性議員でもいいはずだけど、最初からその可能性は排除する男性差別

この2つが露呈するよね

発言すれば発言するほど自分たちの主張の根拠を削っていくあの界隈・・・

2021-02-04

社会人になったらどういう風に動画サイトを見たらいいの?

高校生の時分からニコニコ動画にハマっている。ようつべよりもニコニコが好きだ。アニメが多いことと、ゲーム実況存在が大きい。アル中カラカラも好きだ。

やはりコメント機能だろうか。あれがようつべとの最大の違いだと思う。画質も速度もサイトデザインようつべ圧勝なんだけど、それでもあのコメント機能ひとつで、俺の中ではニコ動ようつべ凌駕する。

去年の春から社会人になったんだけど、動画の視聴スタイルがわからなくなった。

学生時代は、適当時間のある時に見てればよかったんだけど、社会人になると、夜更かしで翌日の仕事差し支えリスクがある。特に、酒を飲みながら動画を見るので…

から、土日にまとめて見ようと思ったんだけど、休日ガッツリ削るのはもったいない気がする。本が読めなくなるのが痛い。あとは酒だ。酒が好きなので、ニコ動を見ながらだと、ウイスキー焼酎を1本は空けてしまう。健康的にヤバい感じがする。アル中カラカラ次元には到底及ばないが…。

アニメゲーム実況を見ているとあっという間に時間が過ぎていく。マジで時間もったいないなと思うこともあるが、今の俺にはこれが一番面白い。飽きるまで続けていきたい思いがある。

増田の先輩方は、ニコ動ようつべを見る時はどういう視聴スタイルなのだろうか。ぜひ教えてほしい。



本題とは関係ないが、最後に、個人的面白いと感じたゲーム実況動画をいくつか載せる。

できるだけ昔の年代のやつを選んだ。後で気が付いたけど、こっちがメインみたいになってしまった...

1. 【FF620代後半の叔母さんが頑張ります【実況プレイ】その1

 https://www.nicovideo.jp/watch/sm4857589

 実況プレイ「声」だと思い知らされた一作。

 これがデビュー作なので録音環境もよくなかっただろうに、透き通るような声だ。この後も数作を投稿した後に引退した。今でもたまに見返す。

2. ドラゴンモエストⅥ part1

 https://www.nicovideo.jp/watch/sm4565439

 ようつべで見たことがあるかもしれない。ドラクエⅥの改造ROMだ。製作者=実況者。この時代の実況プレイは声がないものが多い。

 あなた中高生程度の年齢であれば爆笑間違いなしだ。難点としては、制作途中で作者が社会人になってしまい、投稿ペースが落ちたことだ。ラストの方はネタに苦しんでいたのが見て取れる。

 視聴者の期待に応えて最後まで投稿してくれたのは疑いようのない事実だ。

3. 【実況】 クッキングファイター好 part1

 https://www.nicovideo.jp/watch/sm20704086

 このゲームが作られた当時は、「下から日本一ソフトウェア」だった。どう考えても某ガンダムアニメパクリであり、訴えられても文句は言えない。

 ツッコミどころが満載だ。とにかく見てみようとしか言いようがない。当初は宮助さんの実況をここに挙げようと思っていたが、残念ながら消えていた…。

4. 全員を幸せに導く!!【実況】1日目

 https://www.nicovideo.jp/watch/sm22715218

 レトルトさんの秀作のひとつプレイするのは「Chime」という多視点アドベンチャーゲーム複数登場人物操作し、それぞれのシナリオで設定された小さな目的クリアしていく。『街』が謎解きアクションゲームになった感じ。

 それぞれのキャラは、主に恋愛的な意味葛藤することが多いのだけど、その時の登場人物気持ちを、実況者が溢れる感情とともに声に出してくれる。実況者を通じてキャラクターの心が伝わってくる。

 ゲーム自体にも地力がある。一流のフリゲといっていい。一気見したくなるタイプの実況作品

5. 【LIVEALIVE】 人間の業を追うRPG【実況】

 https://www.nicovideo.jp/watch/sm27847819

 まかだみあさんの投稿作では、ポケモンとアンダーテールに次いで面白い

 声が聞き取りやすいだけでなく、本人自体が高スペックであり、難しい謎もすいすい解いていく。ニコニコ動画侮辱的なタグひとつに「知能縛り」というのがある。頭の冴えない(と視聴者判断した)投稿者に対して用いられるのだが、彼女にそのような隙はない。謎解きに苦しむことはあっても、それは生産的な失敗だ。

 最後にこれを見たのは3年以上前になる。当時、実況プレイ中にマイクから漏れ出る小さな悲鳴に心がぎゅっとなったのを思い出す。賢いうえにめちゃくちゃ優しい女性実況者だった。

6. 【フルボイス】ファイナルファンタジー6.Part1【リメイク版】

 https://www.nicovideo.jp/watch/sm7472088

 声優学校あるいは劇団の仲間と思われる人達が作った実況作。完結までに6年かかっている。

 こういう名作を掘り当てることができるから実況プレイ探しはやめられない。

 投稿者が作品作りに打ち込んだ結果として、回を重ねるごとに作品への愛が深まっているのがわかる。※学生ノリが多いので、大人視聴者にはキツイかもしれない。

 ちょい役ではあるが、今でもアニメテロップに載る人が出演している。

7. ◆俺の屍を越えてゆけ 実況プレイ◆part1

 https://www.nicovideo.jp/watch/sm27760539

 稲葉百万鉄さんの最高傑作だ。騙されたと思って見てほしい。運がよければあなたの生きがいのひとつになるかもしれない。

 実況者のキャラクターへの愛が伝わってきて、そのうえで電子データに過ぎないキャラクターが実況者に応えている。こんな作品は今までに見たことがない。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん