はてなキーワード: アコースティックギターとは
DJブースよりアコースティックギターとかの方が嫌じゃないの?
妹の夫エドはイタリア人で、ふたりは数年前には入籍していたのだけど
英語とタイ語と北京語を話し、アジア各国を行ったり来たりしている
エドは気さくで穏やかないい男だ
でも私個人としては、かなり複雑だ
妹の元カレのことが忘れられないのだ
まだ妹が大学生の頃、生まれて初めての彼氏ができたと報告された
私はそういう浮いた話がないまま忙しく社会人をしていたので、当てつけか?と思いながら話を聞いた
そして、その男やめといた方がいいんじゃないの!? って思わず言ってしまった
なんでも、そいつはシンガーソングライターを目指していて
週末に全国を回り路上や飲み屋でライブをしながら普段は居酒屋のバイト店員
顔は悪くないが明らかに痩せすぎで
ギター一本の弾き語りで、演奏はそれなりに思えたけど録音状態が悪くて曲はよく分からなかった
歌唱力も人並み
セルフプロデュースもろくにやってない
もちろんそんな男に妹は任せられない
いつしかこの話は両親の耳にも入り、父も母もこの夢追い人にはかなり難色を示した
当初からの悪印象もあってか両親は
「頼りなさそうで全然ダメ、もっと真面目に生きてる人じゃないと」と言っていた
でも妹は真剣だった
将来は自分がサポートしながらでもその男を応援したいと言って聞かない
なぜそこまで?ときくと、
「わからないけどとにかく他の人にはない物凄い魅力がある」
居酒屋に客として訪れた妹に親切にしてくれたという
当時未成年だったが大学のなにかの付き合いで飲み会に参加していた妹
元カレが察してこっそりノンアルカクテルを運び続けてくれたのだという
これだけ聞いたらまあ、確かに気の利く男だが
会計のとき、お礼を言おうとその店員を呼び止めて初めてちゃんと顔を見ると、まあ顔がいいと
そして全身から漂う独特の雰囲気に、これは運命だと感じたという
そこには彼の名前と連絡先、そして自作の歌詞だかポエムだかが書かれていた
ヤバいやつじゃん
でも妹にとっては初めてのロマンチックな体験で、ハマってしまったのだろう
お姉ちゃんも会えば良さがわかる、と力説され、一緒に食事をすることになった
土曜の夜、池袋駅前で待っていると妹に引き連れられて元カレがやってきた
ひと目見てわかった
妹の言っていることは嘘ではなかった
黒い髪が目が隠れるくらい長く、ダボッとしたラフな服装の上からでもヒョロガリなのがわかる
話す声は小さく、力がない
例えて言うなら、古い木製の美術品のような……きれいだけど、崩壊を続けているような
それでいて気取ったところがなく、食事をしながらの会話もそれなりに弾んだ
笑った顔は案外可愛かった
正直
妹の恋人として出会ったのでなければ、私も恋に落ちていたかもしれないと思った
それ以来、私は妹にあの男と別れろと言うのはやめた
というか、その話題も避けるようになった
妹は大学を出て忙しく働きはじめたが、そうすると途端に、音楽で食っていくという元カレの生き方が頼りなく思えるようになったという
それはほんの数年前までの両親の主張とほぼ同じだった
弾き語り動画の更新は相変わらず続いていたが、ここ数週間は動画が上がっていない
フラレて落ち込んでるのかな、などと思い、なんとなく毎日チャンネルを開いて見ていた
するとある日、以前と変わらぬクオリティの弾き語り動画が公開された
それはあきらかに失恋ソングで、池袋の夜に聞いたのと同じ、か細い、弱々しい歌声だった
映像の中で、反響の大きな部屋にアコースティックギターのキラキラした音と歌声がダンスを踊るみたいに響いていた
名曲だったわけじゃないと思うし、細かな歌詞もよく聞き取れなかった
けれど私は泣いてしまった
涙が溢れて止まらなかった
「ねえあんた、この曲知ってる?」
結婚式のあとの食事会で、私はスマホからその曲を流して聞かせてやった
「え、なんで? 性格悪っ」
そう言って厚化粧の妹がちょっと睨んでくる
そうだよ
結婚おめでとう
どうか幸せになってね
48歳男、独身。
音楽を聞くのが大好きで毎晩ある歌手がアコースティックギター弾きながら歌っている動画を見ながら自分も一緒に歌っています。
それがほぼ毎晩1〜2時間やってるので、「これはもしかしてギターも弾けたらもっと楽しいのでは?」
と思いました。
ただ賃貸なので諦めていたんだけど、よくみたら運良くうちの2軒隣にこじんまりした演奏用レンタルスタジオがありました。
挫折しないように弾きやすいギターを探していたら、Taylor Academy12というのが弾きやすいとのこと。(挫折予防に寄与するなら価格は気にしない)
あとは音が美しいかどうかを楽器屋さんで確認しようと思います。
ルーチンとしては、毎晩ギターのチューニングは自宅でして、その直後隣のスタジオに入る。
で、週末に近所の島村楽器の教室にいくとかをイメージしています。
ちなみに最初に書いた歌手の音楽のジャンル全体がすごく好きで、海外なんだけどそこの言語(非英語)は5年かけてだいたいマスターし、歌詞の美しさとかはそのまま理解できるようになりました。この調子で努力してギターも弾ければな〜と欲が出てしまった次第。
フジテレビ系ドラマ『silent』(毎週木曜午後10時放送)の最終話で、主題歌であるOfficial髭男dismの「Subtitle」が約5分間のフルコーラスで流れることが判明した。
『silent』は主演に川口春奈、共演に目黒蓮(Snow Man)を擁する今季一番の大ヒットドラマ。最新第8話の平均世帯視聴率は7.9%・平均個人視聴率4.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と往年の人気ドラマの視聴率には及ばないものの、民放無料動画配信ポータルサイト「Tver」での見逃し配信の再生回数が民放歴代最高記録を樹立。またSNSでは「#silent」がTwitter世界トレンド1位を毎週のように獲得し、さらにドラマのロケ地を数多くの若者が訪れるなど、大きな人気と社会現象を生み、令和最高の国民的人気ドラマとなりつつある。
高校時代に恋人だった紬(川口春奈)と想(目黒蓮)、しかし想は高校卒業してまもなく、紬に別れを告げ、さらに周囲の人間関係もすべて絶ってしまう。そして8年後、社会人となった紬はあるとき想と再会する。再会した最愛の人は、耳に難病を抱え聴力を失っていた。紬は覚えた手話で想とコミュニケーションをとるが、2人の関係はどうなるのか。高校まで聴者だった想は、声を発してコミュニケーションをとることもできるものの、紬に対してこれまで「声」で思いを伝えたことはない。
年末に向けて早くも「silentロス」への恐怖が叫ばれる中、最終回の概要がわかった。通常のテレビドラマではこれまでの『silent』通常話も含めて、主題歌は各話のクライマックスでワンコーラスのみ流れることが多いが、最終話では約5分のフルサイズを放送する。理由はなんといっても「Subtitle」のいわゆる"オチサビ“にあるという。オチサビとは1番→2番→Cメロが流れた後にくるサビのこと。通常のサビよりも音数少なく、アコースティックギターやピアノなどの静かな伴奏とともに歌われるサビで、続く大サビへ向けての最大の助走パートだ。 ※動画配信サイトYouTubeで公開されている「Subtitle」MV(https://youtu.be/hN5MBlGv2Ac)では3分43秒あたりから始まる。
今回判明した概要によると、「Subtitle」が流れる約5分の間だけでも新たに明かされる事実も含めて物語は二転三転。前奏なく歌われ始めるAメロからオチサビまでの約3分半は、とても紬と想は結ばれるような状態ではなくなるという。しかし、オチサビ前で『silent』名物ともなりつつある無音演出がしばらく続いたあと、想は紬にこれまで伝えていなかった「ある言葉」を「声」で初めて伝える。紬に切り替わったカメラには、大粒の涙をあふれさす彼女の姿が。そして、曲が再開し、オチサビの歌詞「言葉はまるで雪の結晶 君にプレゼントしたとして 時間が経ってしまえば大抵 記憶から落ちて溶けていって消えてしまう でも」を流し、完全にドラマとリンクするような展開になる。画面には音がなくても十二分に伝わるほどのハッピーな光景が描かれる。「Subtitle」フルコーラスが流したあとは、再び無音の演出になり手嶌葵による番組タイトルコールで幕を閉じる。
消えてしまう言葉を「声」にしてプレゼントした想。ドラマタイトル『silent』とは音のない世界を表しているのではなく、音がないほど揺らぎのない安寧な幸福な波形を表している。紬と想の2人だけでなく、ほかの登場人物にも『silent』が訪れる結末にもなるよう。
憧れのシンガーがいるとか、誰かの影響とかではないんだけれど、
歌を聴いていると流れてくるギターの音ってどうやって出しているんだろうって気になったので、調べていたらそのまま始めてた。
買ったのはアコースティックギター
まだまだ、数カ月で簡単な曲を弾けて、ようやくスムーズにFコードにコードチェンジできるようになった。
自分の悪いところを把握して、練習して、解決して、そうすると弾けなかったところが弾けるようになる。どんなものもそうだけれど、このサイクルが回り始めると楽しいね。
カラオケで歌を歌っているときにテンションが上がってきて楽しくなるけど、それに似たようなのが毎日あるみたいな感じ。
ついでに16分音符とは何かとか、音階とは何か、など気になったベースとなる知識を調べていっている。
難しいが、ベースとなる体系立てられた理論をしっていれば自分は何のためにこれを練習しているのかがわかるのでいい。
義務教育の音楽の授業でも同じようにやってくれればよかったのに。学校では教師に言われたことをそのままやって、違うかOKいわれるだけで何のためにやっているのか分からなかった。
もっと若い時に知り合っていればもっと楽しい青春を送れたかもしれないと思いつつ、物事を解決する能力が確立したオッサン期でなければ自分は途中で投げ出していたんだろうなとも思う。
まあとにかく楽しいです。
この前まで、競技性が高い、移動や建築が忙しいFPSをキーマウでずっとやっていたので、左手の指の器用さが鍛えられていたらしい。
そのおかげか、左の指がそれぞれ独立して動いてくれる。
おれはアコギな三味線職人♪アコースティックギターじゃないのさー♪チリトテチン♪
俺の場合
今は忘年会の道具として使っていて、同僚のおじさま達に人気になりました。
やってない。
・イラスト
実写派なのでやったことない。
・バイク
やってない。
会っただけで進展なし。ただたまに写真が送られてくる。
やってない
・登山
やってない
・キャンプ
椅子だけ買った
・タロット
文化祭で一度だけやった。そこそこ盛況した。
・映画
結局オタク臭い映画よりアルマゲドン観て泣く方がコスパいいことに気づいた。
やってない。
・筋トレ
やってない。
増田文学なら嗜む程度に。
読んでない
・作曲
何も生み出していないのは同じ。
・御朱印集め
やってない。
やってない。
・その他
高校生の時。モテるかな、と思って。近所のハードオフで買った。コードを押さえられなくて挫折。ギターが悪かった、手が小さくて向いてないと自分の中で言い訳。家族に譲った。
アコギからの派生。ベンドが上手くできなくて挫折。まだ手元にある。
・イラスト
昔の作品にも詳しいとカッコいいかな、と思って。結局抜きゲーで抜いていただけ。
・バイク
大学生の時。旅を趣味にしたかった。中古バイクを購入。機械もいじれるとカッコいいかと思ったけど、メンテもそんなにせず結局あまり乗っていない。まだ手元にある。
社会人になりたての時。買ったばかりの頃は馬鹿みたいに撮っていたけど、設定とかを覚えるのが面倒になってしまって埃をかぶっている。あと、レンズが高い。
同上。ヤフオクで買って、モルトプレーンだけ中途半端に入れ替えたけどまだ一枚も撮ったことがない。
・登山
近所の山をちょっと登った。高い山に登るのは面倒くさい。高かった登山靴は埃をかぶっている。
・キャンプ
バイク旅のために買ったけど、結局家でダラダラしている方が好きなことに気がついた。道具はまだ持っている。
・タロット
覚えているとカッコいいと思ったけど、覚えるのが面倒くさい。本だけ何冊も持っている。
・映画
名作と言われる作品は知っておきたいと思ったけど、数が多すぎる。見たところで語れるほどの経験も知識も含蓄もない。自分の浅さに自己嫌悪。
覚えることが多い。本ばかり持っている。でも読んでない。
・筋トレ
継続は力なり。ただ自分にはその力はなかった。めちゃくちゃ量のあるプロテインだけ持っている。ジムも契約したっきりほぼ行ってない。勿体ない。
文章なら俺にも!と思ったけど、そんなわけなかった。形から入るタイプなのでMacBook Proなんか買っちゃったりして。むろん埃をかぶる。
指輪物語、十二国記、ラブクラフト、シャーロックホームズ、アガサクリスティ、館シリーズ、鬼平犯科帳、グイン・サーガ…全部挫折。根気が続かない。作者で読んでみようとしてもまず続かない。
・作曲
高いソフト買ったのに、何も生み出せてない。
・御朱印集め
外に出ないので、ほぼ白紙。
やる友達がいなかった。
思いつく限り書いてみたけれど、まだ有りそう。
こうして見ると、如何に自分が人からよく見られるために色々なことに手を出しているかがよくわかる。
自分はこれをやってます!って胸を張って言えるようなものがないや。
・裁縫
・盆栽
・家庭菜園
・天体観測
・釣り
・自転車
押しつぶされそうだ。
※追記
コメントを頂いて、いくつか思い出したので残しておく。皆さん俺のことよくそんなに分かるね。
色々教えてくれてありがとう。
カチャカチャカチャって素早く揃えられるとカッコいいよね。買って説明書を見ながら数回6面揃えたけど、今は部屋のオブジェになってる。
今の仕事が嫌いすぎて転職を考えた時に。本も買ったよ。やってないけど。
道を歩いていて、「この花は〇〇だね」って言いたかった。図鑑を持ってる。
・読書
積ん読って言ったら聞こえはいいかもしれないけれど、結局根気がなくて読んでいないだけ。買ったことで読んだ気になってしまっている。自己啓発本とか、小説とか、詩集とか、図鑑とか、資料集とか。紙、電子問わず読んでいない、または読みかけの本が大量にある。
趣味と言えるかわからなかったから書かなかったけど、服もめちゃくちゃある。わかってもらえるかわからないんだけど、「定番」とか「一生モノ」って言葉に弱い。例えば、「このアイテムが欲しい!」ってなった時は一時的にめちゃくちゃネットやら雑誌で調べて、「これ買ったら間違い無いだろう」ってものを買ったら満足してしまう。たまに気がついて着るくらい。
・麻雀
ネット麻雀にハマって、麻雀牌まで買った。小手返しやってみたいな、と思ったけど手が追いつかない。あとやる相手がいない。
一時期通っていたけど、自分の身体の可動域の狭さにびっくりしてやめてしまった。
小説ダメならこっちだな、と思ったけどそもそも書けるようなネタがない人間がセンスを求められるこれらをやろうとしたところで、という結論に至った。
・競馬
このブームに自分みたいな人間が手を出してないわけないよね……。自分でも呆れる。
ダービーで800円、鳴尾記念で500円、安田記念で300円、エプソムカップで600円負けてるよ。
・ゴルフ
職場の付き合いで。クラブセットも持ってるよ。知人が「120に壁が…」なんて言っていたけど、そもそもそのレベルにも達していない。たまに職場でコースに出てもひたすらボールを追いかけてマラソンするばかり。
・料理
鉄のフライパン、中華鍋なんて買っちゃったりしてメンテを怠ってこげつくようになっちゃったり。調味料ばかり揃えてみたりして期限を切らしたり。自炊程度ならやっているけど、趣味なのかこれは。
・TRPG
これもやってた(やってないけど)。ソードワールド、クトゥルフ。ルールブックを買ってきて、キャラシまで作るんだけど「え、これ誰とやるの?」という疑問が出てやめている。オンセがあるのは知ってるけど、そこまでのバイタリティがない。
・データベースになろうとする。詳しくなろうとする。
ナンバリングタイトルやシリーズもののゲームを全部やろうとする(ドラクエ、FF、メガテン、ポケモン、ゼル伝などなど)。
ご指摘はごもっともで、多分自分は「趣味に打ち込んで、誰かに認められる」ではなく、「誰かに認められるためにとりあえずわかりやすいものに金を出して何か始める」パターンが多い。
誰かに認められた経験が少ないから手っ取り早く「すごい」と言われる手段を求めているのだと思う。承認欲求バリバリだね。
このネット社会、ちょっと調べるとどんな事象にも初心者向けのハウツーが転がっているので、自分にもできてしまうんじゃないか、という気がしてしまう。これを始めれば人生変わるんじゃないかと思って一時的にカッと熱くなるけど、すぐに冷めてしまう。その繰り返し。確かにこれは趣味と呼べないかも。
〇気になるコンテンツを見つける
→気になるコンテンツの作者が影響を受けたコンテンツやルーツとなったコンテンツを調べる
→これを理解しないとこの気になるコンテンツを完全に理解することはできない!
→手を出す
→量の膨大さ、内容の難解さに挫折
このパターンが非常に多い。指輪物語とか、クトゥルフとかが一番わかりやすい例だと思う。映画もそう。服買う時とかでもこういうことがある。(調べまくった結果、定番モノしか買わない、とか)
勉強、部活とか何かに打ち込んだり、成し遂げたりしたことがないからその反動じゃないかなって考えている。積み重ねがないから急いでそれを何かで埋めようとしている感覚。
AmazonとYouTubeとTwitterは余りにもキラキラし過ぎていて、人に影響を受けて流されやすい自分のような人間には本当に毒です。Instagram?だめだめ!
英語、キーボード(ピアノ)、動画制作、プラモデル、格闘技(ボクシングor空手)、アマチュア無線、DJ全部昔気になってたことだ。
発信者になろうと思って昔作ったブログの残骸もネットの海で化石になってる。発信するような積み重ねがないし。
部屋は汚い。よくわかったね。
お金はないよ。カツカツです。
ものがどんどん増えるのは、始めてしまったからにはやり切らないといけないって言う心底下らないプライドがあるのだと思う。
3回使った
すごいうるさい
中にお惣菜を入れて、設定を済ませてあたためスイッチを押すと、
レンジがアコースティックギターをジャジャ〜ン…(たぶん和音)と鳴らし、続けてカッコッカッコ…(スネアドラムのフチを叩く音?)と演奏が始まるのだ
ところで従来の電子レンジのあたため完了サインと言えば「チン!」だとか「ピーッピーッ」というイメージだが、
バルミューダはまたしてもボロロン…とアコギをワンフレーズ鳴らして知らせる
取り出さず放っておくと何度もボロロン…と鳴らして知らせてくる
ディスプレイには「あたため完了」のような文言ではなく「ENJOY」と表示される
部屋の外からジャジャ〜ンと鳴ると、中学生の頃バンドの真似事をやっていた時、楽器屋で茶髪の兄ちゃんのギター試し弾きを聞きながらCDを眺めていたのを思い出す
私は中国向けに、原材料の木材を販売する仕事をしています。初心者向けアコースティックギターですから、使用している木材はスプルース材(カナダ産)です。
①何故日本で作られなくなったのか?
・楽器向け木材を製造する業者がいなくなった。カナダから輸入する木材の塊(長さ4000㎜幅800㎜厚600㎜とか)を、乾燥し、細かく裁断してギター用材の長さ3尺(909㎜)以下にする必要があるが、
90年代後半以降の不況な日本において、機械化不能の寸法を製造するザ人海戦術する業者はいなくなった。(3万のギターの材料販売で黒字化しなくなった)
・最終販売単価が変わらない。完成品の単価は、この30年続く不況で変わなかった。これは後述しますが、スプルース一つとっても木材価格はこの30年で2倍~3倍に価格が上昇している。
スプルース材は日本では長らく建築材料世界において桧の代用品でしたが、今年の相場でいうと下手したら価格が逆転してしまっている。
発注元が要求する何十年も不変な販売単価にコミットするために、カナダ産スプルースでも品質が更に低い材料を使用するようになる(そもそもカナダ産スプルースはアラスカ産に比べ質が低い)
品質が低く木筋はねじれている上に、立木の時点や太平洋横断時にブルー(カビ)が入るので、漂白剤の海に漬けて何とかする。やたら白い/ケミカル臭いのはそういった材を使っている場合がある。
日本でコストが合っていた頃は、その辺りの品質管理は適切だった(今では材料/人件費で不可能だが)木の塊からギター用材を製造するための人件費と人的余裕が中国にある限り、中国製造はやめられない。
30年日本がインフレなし、給料が上がらない間、先進国も途上国も年率数パーセントの上昇を続け、日本の購買力、販売力が落ちたのは事実です。90年前半における世界の中の日本の立ち位置は、
米国に次ぐ木材の購買力(米50、日40%ぐらい)があり、原産国のカナダや米国の人間は客扱いしてくれますし、単価交渉も用意でした。30年後のカナダ産材シェア率は(米50、中30、日10%)です。米国の景気良いので、日本に売る木材ありませんと真顔で言われます。
商社マンやブローカーがアジア、北米で暴れていた時代はもはや過去の物で、30年前の武勇伝で時が止まった高齢の業界人がゴロゴロ転がっている。楽器も、日本では販売価格を変えられないので、中身の質が低く、人件費が安い所に変わっていく。
蛇足ですが、日本は数千年前から木材を主要な材料として使用している歴史があります。しかしその利用用途は建築資材(や家具)に向いており、西洋楽器製造には厳しい品ぞろえの市場です。
日本における植生は、杉や桧が多く、広葉樹は(建築に)使いにくいという理由で戦後皆伐してしまいました。高級アコースティックギターに使用される木材は南米原産の木が多いですが、それらは旧スペイン領又は旧ポルトガル領で、当然の権利のように欧州のみ優先して供給されます。「どうにかしろ」と一度酒場でラテンギター職人に言われましたが、この文化の違いはどうしようもないと感じています。
ゼミが一緒になってから初めて喋ったけど、3年生になるまで何度もこいつの話は聞いたことがあった
奇人だと
気を付けろと
講義室に深夜現れては歌っているだとか、こいつが使ったパソコンは何故か次使うときに電源がつかないだとか、挙げ句の果てにはユーレイの彼女がいるとか、なんかよくわからん噂に纏われている奴だった
「キミ、そんだけ背ぇあったら海まで見えそうやな」
ゼミの顔合わせの日だった
初対面の俺に名乗るでもなくいきなり
別に腹が立ったりはしないけど
「……海まではさすがに見えへんよ、見えるとしたら灯台やな」
「灯台まで見えたら海まで見えるやろ! 灯台まで見えるんはもう視力やん! どんなボケやねん!」
ボケたつもりはなかったが
それで少し興味を持たれてしまったのだった
「もしかしてホンマモンの天然さんなん? ちょっと珍しいくらいやな……ま、ええわ。今度ボクのこと肩車してや、たぶんそん時は中国まで見えるで!」
と、にやにやしながら部屋を出て行った
175センチはあるであろうこの男、どこまで本意かもわからなかったが、どうやら嘘でもなさそうだった
・
2度目の邂逅は図書室だった
「ボクも今終わらせてん、奇遇やね! あ、見せてはあげへんよ! 出来が良すぎて見せたのすぐバレるからな!」
本当にめちゃくちゃ口数の多い奴だ
いらんわあ、といなした
「俺、いったんプロット作りたい派やねん。使う時はほんまに書き始める時」
「天才肌みたいなこと言うやん!」
「ボク用事あるからこれ出したら帰るわ。会えて嬉しかったあ、ほなね」
いきなり肩に乗った体重が離れていったので、思わずあいつの方を向いてしまった
にこにこしながら手を振る姿は、昨日見たドラマのヒロインにそっくりだった
こんなに唇の赤い他人がいるのだなあと思った
姉の化粧を見慣れているから、それが地肌の色なんだとすぐにわかった
プロットが終わり図書室のパソコンを使おうとすると、電源がつかなかった
冷静に、冷静になってみたら、ご丁寧に電源コードが抜かれているだけだった
案外噂なんてそんなもんだと思った
・
喋り口調と真逆の単調な文調
時間は午前0時
「四角公園て……遠……」
断る理由もなかった
なんだか行かなければいけないような気がした
ファミリーマートで奴のお望みのものと、いかそうめんを買って、少し涼しくなった道を歩いた
アコースティックギターを持っていた
脇にはレモンサワーの缶を置いていた
「案外早かったな。及第点や!」
ありがとう、と、300円渡された
べつにいらなかったけれど、もらうもんやで、と言われたので、200円を頂戴した
と、ギターの弦を弾いて言われた
下瞼が直線なのだと言う
自分の顔などまじまじと観察したことはなかったので、なるほど、と思った
同時に、そんな自分でも見ないような自分の顔を見た他人がいたことが、むずがゆいような、こそばゆいような気持ちだった
大抵の人は俺の顔を見るために、少し首を痛くしなければならないからだった
「ボク協調性ないねん、やからたまに家の近くの……ここの公園来て、一人でバンドしてるんよ」
「でもボク忘れてたんよね、ギター弾いてたら両手塞がるから、パーカッションできひんやん! ってこと。楽器を足蹴にはできひんし、しゃーないからかかとでリズムとってる」
「根アカやろ、逆に」
逆にってなんやねん、とツッコミを入れようとしたが、それはギターの音色にかき消された
デタラメに聴こえたが、ビールがほどよく回ってきた俺にはとても心地よかった
歌はド下手だったから、すぐにやめさせたけれど
「替え歌するなら歌手の名前までいじれや。著作権どうなっとんねん」
「こんなええ空気なら許してくれるって!」
いかそうめんがなくなるちょうどそのとき、いきなり奴は立ち上がった
「さて、肩車してボクを送れ!」
「肩車?」
図書室での会話を覚えていたのだ
そんなことより、そのギターケースと、タンバリン(それ以外にもごちゃごちゃ入ってるようだが)が入ったトートバッグはどうするんだ
「それはボクがもっとく! キミの荷物も持ったるから、肩車してや!」
「それ結局全部俺が持ってることにならんか?」
が、あいつは乗ってこなかった
「ビールでほっぺた赤くなるなんて可愛いとこあるやん。やっと見下ろせたわキミのこと」
「……見下した、の間違いとちがうか」
「合うてるわ! 見下ろしてんの!」
俺のほっぺたよりお前の唇の方が赤いわ
つっこむ気分ではなかった
肩に乗った重みはそれはもう人1人分を容易に越えていた
「行き先は?」
「出てまず右! ボクんちでええやろ、泊まってき。あ、明日なんもない? デートとかやったらなんもないと見なすで」
「デートやったら嬉しいねんけどな……土曜夜の居酒屋は忙しいねん」
「ならボクんちやな」
192センチが170センチ越えを肩車する様子を見る者はなぜかいなかった
時間も遅いし、なおのこと