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2021-09-25

心理的安全性」が排除するもの あるいは、内申点ボーイズクラブ

話題note記事

学会の質疑応答から考える、心理的安全性の確保|Yuta Sawa|note(旧題:物理学会パワハラ体質)

内容は、不躾な質問やヤジ、批判が飛んでくる物理学会の体質について、心理的安全性担保するために対応すべきという批判

この記事を読んで、ちょっとモヤったので、ちょっと書く。

ここで指摘される「心理的安全性」を担保するためには、参加者に対して一定の【気を遣う能力】を要求することが必要になる。しかし、そもそも、この能力平等ではない

さらにいえば、発達障害により、この能力生得的に無い人も珍しくなく、特に理系トップティアになると、イキリ発達障害者としか言いようがない連中がゴロゴロいる。

最近は、「心理的安全性」や「ポリティカル・コレクトネス」のように、インテリリベラル価値観を前提とした、【気を遣う能力】が求められるシーンが増大しており、それに馴染めない人たちが、質の低い労働従事せざるを得なくなったり、地位を追われるような事態に陥っている。LinusRMSのような押しも押されぬ大御所ですら、その地位を追われかけた。高木博光がTwitterで容赦のない批判を繰り広げているのも、いつまでできるか分からない。フォン・ノイマンが生きていれば、学会から追放されていたことだろう。

そして、こうやって【気を遣う能力】が求められるようになれば、それ以外では大した能力は無くても、SDGsだのなんだのとペラいことを言って金を集めるソーシャルアクティビストだの起業家だの、クソの役にも立たない連中が重要地位を占めていくことになる。

都立高の男女別定員、廃止目指す方向 合格ライン性差の是正目的で | 毎日新聞

都立高校の男女別の定員枠により、底辺~中堅上位校にかけて、女子の方が合格点が高くなる傾向にあることが差別だと取りざたされている。しかし、この「合格点」には、内申点面接が含まれており、実質的に、学力では無く、感じの良さや【気を遣う能力】が高い女子が有利になっているということを考慮する必要がある。

もし、学力以外の選考入試で用いるならば、男性が優位になる体力テストなどを平等に課すことも妥当になるだろうが、それは差別と言われること間違いなしである。その意味では、いわばこの【気を遣う能力】のようなものが、別の差別を生み出しているとは考えられないだろうか。

男性が中心となる集団は、ときボーイズクラブ批判されることがある。しかし、ボーイズクラブ問題ある部分もあるものの、イキリ発達障害者を排除せず、他人自由尊重するといった美徳もある。

しかし、今の、インテリリベラルによる社会批判は、「心理的安全性」の名目で気を遣うことができないイキリ発達障害者を排除し、あるいは「ポリティカル・コレクトネス」の名目で人の自由を制約しようとする。そして、そのことを「価値観アップデート」といって、問題点を無かったことにしてしまっている。

言語化する能力のあるインテリリベラルは、このような問題無視する。自分たちアイデア妨害することになるから当然だ。そして、その結果生まれるのは、社会の分断である

anond:20210925085600

元増田は今回の件はが「胸が揺らす表現が一律規制される」という問題ではない、って言ってるんでしょ。

その上で、あなた表現規制されるとしたら、という仮定の元で(そもそもこの仮定を持ち出した意図がよくわからないですが)表現が萎縮する、って懸念を表明したわけですよね

表現規制問題ではないとは言えない」というあなた意見については、「その仮定を持ち出したのはあなたでは…?」と思います

規制に合う表現しか作れなくなるというのは、具体的にどういう場面でですかね?公共広告以外の場面の表現の自由は担保されるべきだと思いますよ。

anond:20210923143829

元増田の内容とは全く関係がないんだけど、

増田ってあとから編集ができるから

過去から未来への言及が出来るんだよな。

このへんはTwitterにはない機能ユニークな点だと思う。

言及ループさせることも可能だし。

改変前の増田担保する機能がないか意味はないんだけど、

〇〇は高騰する、とか何だっていいんだけど予言を書いておいて

あとから的中したら未来増田言及して

ロングパスを投げつけることだって出来る。

まあ内容自体を改変できるから意味ないんだけど。

2021-09-19

コロナワクチンの接種証明書電子交付)の仕様がひどかった

表記の件について意見募集が開始された (https://www.digital.go.jp/posts/ckWVVAya) というので仕様(https://cio.go.jp/sites/default/files/uploads/documents/digital/20210917_spec_01.pdf)を見たら、なんか国のお墨付き個人情報の名簿登録補助ツールみたいな上に、証明書としては全然機能不足にしか見えず、がっかりした。


批判だけでもなんなので、自分ならこういうの作るという意見書出しといた。

案にあるような個人情報だけを含む二次元コードでは、

などの理由から有益とは思えないし、電子証明書としての信憑性も非常に疑わしいシステムしかできないように思われる。

この仕組みを活用したい立場としては、「接種者の個人情報」ではなく、「二次元コード提示した人が接種済みであること」が確認できればよいので、

 1. 接種済みの人が、マイナンバーカード申請する

 2. 申請した個人(ないし端末)毎に、APIサーバユニークIDを発行する

 3. システムの接種確認APIに2.のIDを付けたURLQRコードで表示する(IDを種として、ワンタイム識別子をアプリサーバ計算するなどの設計も考えられる)

 4. APIアクセスすると、接種証明情報として、最終接種回数と接種日のみを返す

程度の接種者向けのアプリおよびAPIサーバと、

 1. 接種者が提示したQRコードを読み込む

 2. QRコードURL偽サイトではないことを検証する(HTTPSSSL証明書確認ぐらいでも十分で、政府が発行する公式アプリとすることで信憑性担保する)

という事業者向けのアプリを開発・公開してほしい。

もっと踏み込むと、国として、接種証明として表示した国民個人情報が、民間企業において確度の非常に高い顧客名簿になりかねない、という点については、どのように考えているのかはなはだ不安を感じさせる仕様と言わざるを得ない。

(ここまで)

いま読み返していて単純に「IDを種」にするだけではダメなことに気づいた。申請時にワンタイムトークン計算用の秘密の種を共有しておいて、個人(端末)の識別IDとワンタイムトークンAPIに渡すようにする、とかが必要だった。

国民個人情報を、わざわざマイナンバーカード使って本人性を保証した上で自動読み取り可能な形でスマホの画面に表示するだけのアプリって、どこぞのeKYCの対極ネタとしては面白い面白くない)。

2021-09-17

anond:20210917093932

その信頼関係ってなによ

心が弱ってるやつとかを不安かにつけ込んでオフパコキメるネットナンパ標準的手口みたいな奴以外の恋愛

書面で捺印してセックスしなきゃ安全性担保できなくなるだけだぞ

そう言うクソDQNに犯されるのが好きなさせ子のスキモノくらいしか得しないだろこんな法律

https://b.hatena.ne.jp/entry/blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/2010528.html

同意があった、てのを証拠として担保できるシステムの構築とかデバイスが欲しい。」とか言ってるけれど正直何言ってるんだ感。

こういう人は買い物の後でレシートを捨てた事は人生で一度もないのだろうか

2021-09-16

いま気づいた正社員ってうまくできた奴隷制度だなあ

昔(100年以上前)の奴隷制度と違うところは、人権が守られ、生命危機保護担保されている点である

これのうまいところは、ぬるま湯につかっている限りは生命担保されるということだ。

まり「死なないこと」は完全に担保される。

正社員でこの奴隷制度を完全に理解した人間は、徹底的に出世フォーカスしてサラリーマン経営者になるか、起業たかのどっちかだろう。

理解しない99.999%の人間は、そのまま奴隷を続けるということである

「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」という標語

飲酒運転に関する「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」という有名な標語

一見正しいように見えるのですが、ひょっとしたらあまり良くない標語なのかもしれません。

具体的には「乗るなら飲むな」のみにした方が良いのかもしれません。

何故なら「運転する予定があるから飲まない」は「素面自分」がする判断ですが、「飲んじゃったから乗らないでおこう(代行で帰ろう/休んで酔いが醒めてから帰ろう)」は「飲んだ自分」がする判断からです。

素面で正しい判断ができても飲んで酔った状態で正しい判断が出来る保証はありません。

「そのぐらい判断付くわ!」と思うかもしれませんが、では一度でも「飲みすぎて具合悪くなった経験」があるか思い出してみて下さい。

飲む前から「よーし、具合悪くなるまで飲むぞー!」と思って飲む人は少ないわけで、では何故具合が悪くなるまで飲んでしまったのかと言うと、「これ以上飲むと具合が悪くなる」という状況で「それでも飲む」という判断をしたのは「だいぶ酔っている自分」だからです。

ちなみに「これ以上飲むとだいぶ酔った状態になる」という状況で「それでも飲む」という判断したのは「ちょっと酔っている自分」です。

まり飲んだ状態での判断なんて適切にできない可能性が高いわけで、「飲んだら乗るな」は人によってではなく機械的判断担保するしかないんだろうな、と。

2021-09-14

ロードバイク始めるときに買い揃えるべきもの

必ず買うべきもの

ロードバイク本体

カーボンは高いしアルミで十分、フロントフォークカーボンがいい。

ディスクブレーキなら油圧のもの

中華カーボンはやめておけ。

ブレーキ変速を同じレバーで変えられるものじゃないとダメ

  

ライト

車に轢き殺されないために必要道路交通法上も装着が義務

とにかく明るいもの

自転車店で取り扱っているものは、たいてい暗いから注意。

フロントライト(前照灯)は、とにかく明るいもの通販で1200ルーメンとかうたっているものを買ったがいい。

テールライト(尾灯)も、明るいもの。点滅じゃなくて常時点灯で、とにかく明るいもの

大体それぞれ通販で2000円くらいかな?

  

ベル(鈴)

道路交通法上、装着が義務づけられている。

どうせ鳴らさないから安いものでいい。

  

自転車保険

その他の損害保険カバーされているなら問題ないが、入ってないなら入っとけ。

年間4000円くらい。

  

ブレーキ

ブレーキタイヤには金をかけろ。

ブレーキが効くか効かないかは生死に関わる部分で、それはすなわちブレーキタイヤである

キャリパーブレーキなら、何がついていようと、ブレーキキャリパーをDura-aceに変えておけ。特に体重重いやつ。

Ultegradura-ace全然違う、倍くらい効く(体感)。

世代としては、7800以降で、中古でもよい。

ディスクブレーキならグレードの差は分からないが油圧がいい。レジンパッドかメタルパッドどっちが効くかは知らん。怖いならメタルパッドと対応するローターに変えておけ。

  

タイヤ

いくらレバーを引いてブレーキをかけようとも、地面に接している部分にグリップ力がなければ、ブレーキはかからない。

Continental Grand prix 5000が良い。

Grand prix 4 seasonsでも、Grand prix 4000S IIとかでもいい。

これらはタイヤの中では値が張るものの、摩耗が他のものほどしないし、なんせグリップ力が高い。

雨の日はたいていツルンツルン滑ったりするが、これらはほとんどそういうことを感じない。

通販で12000-14000円くらい。

  

ヘルメット

これは間違いなく必要だ。

コケときに衝撃を吸収してくれる(らしい)。

よく分からない中華メーカー品より、OGKとかそういうのを買ってほしい。

  

ペダル

ロードバイクにはたいていペダルがついていない。

普通ペダルでも、ビンディングペダルといって靴とペダルが一体化するものでもいい。

ビンディングペダル最初必ず自転車ごとコケる(立ちごけと言う)ので、練習とか危なくない環境とか必要

ビンディングペダルならワイはTimeのがオススメ

  

空気入れ(ポンプ)

スポーツ自転車空気入れるところの形がママチャリとは違うので、仏式対応のやつ買っておけばいい。ゲージついてなくていい。

  

普通買うもの

ボトルケージ

飲み物入れるのに使う。

ペットボトルが入るものがいい。

自転車用のボトルも入れることを考えると、ボトルペットボトル対応のものがいい。

  

サドルバッグ

工具入れたり、替えのチューブ入れたりする。

防水のものがいい。できれば大きいもの

  

アーレンキー

なんてことはない、六角レンチのこと。

錆びないものがいいけど。

  

タイヤチューブ

こだわりだすと、素材がどうとか言いだすけど、700円くらいのでいいよ。

  

携帯用ポンプ

引いた時にも空気が入るタイプのものオススメ

  

タイヤレバー

パンクとかしたときタイヤ外すのに必要

この前タイヤ替えるとき100円ショップのでできたから、それでいいと思う。

  

チェーン用の油

定期的にさそう。

自転車のものは高いので、チェーンソー用の油とかがオススメ。300円くらいでいい。

  

日焼け止め

  

化粧水乳液

日焼け止め塗っててもやっぱりアフターケア必要

  

買ってもいいよね、って思うもの

アクションカメラ

GoProとかそういうの。

事故とかあったときのための記録用。

暗所でもちゃんと映るやつがいいけど、そうなるとGoProとか値が張っちゃう

  

自転車用のウェア

正直格好はなんでもいいけど、長袖シャツ+長袖タイツ+レーシングパンツ+フルフィンガーグローブを身につけるのがいいと思う。

長袖シャツや長袖タイツワークマン1000円くらいのが夏は涼しくて安くていい。

レーシングパンツといってパッド入りのを履く、少なくとも何かの下に履いておくと長距離走ときに楽。

ルフィンガーのグローブつけるのは、何かあったときダメージを低減するため。

ビンディングシューズは…趣味だよね。足の幅と長さに合ったもの

  

サイクルコンピューター

なくても、スマホにstravaのアプリ入れるとかでもいい。

前はどこどこのメーカーがいいとかいうのを思ってたけど、stravaに連動できるなら何でもいいと最近思った。

  

センサー

ケイデンスセンサーや速度センサー心拍センサー

ANT+に対応しているやつがいい。ケイデンスや速度センサーは1個2000円くらいで2つだから、4000円くらい?

心拍計についてはスマートウォッチ対応しているやつを持ってたらそれ。なくてもいいけどあったが自分現在の負荷がわかる。

  

SHIMANOクランク

やっぱり、フロント変速スパスパ決まるからシマノ一択コンポカンパスラムなら知らない。

  

結論

なんだかんだで金がかかる。

安全担保してくれる装備には金がかかる。

自転車本体以外にも10万まではいかないにしても結構かかる。

正直、自転車専用でなくて汎用品で構わない部分は、汎用品の方が安かったり性能良かったりする。

ロードバイクお金に余裕なかったら、オススメしない。

ハマるとホイール替えるとか2台目とか言い出すから厄介。

2021-09-11

jQueryWebアプリケーションに使っている会社は滅びゆく(前編)

いまもjQueryWebアプリケーション大事ライブラリとして使っている会社は少なくないと思う。

jQuery会社で使っていると何が問題なのかを語っていこう。独断偏見によるものなので、jQueryを使っていても問題ない会社も当然ある。たとえばペライチのサイトを作る会社とか小規模サイトなんかでは全く問題ない。

フロントエンドエンジニアjQueryを嫌うので入社しない

退職理由: jQuery

採用困難で売り手市場になっている時代、そして「jQueryを触らなければならない環境 vs モダンフロントエンド環境」という選択肢がある中で、あえてjQueryを選ぶフロントエンドエンジニアは少ない。

また、新人はもはやjQueryを学ぶことはない。彼らはES6以降のJavaScript / TypeScriptを書く。よしんばjQueryを学ぶことになった新人がいたとしても、それはただその新人可哀想なだけで、現役なわけではない。ラガード(遅滞者)の仲間入りをさせているだけだ。新人でもキャリアデザインできる新人は「jQueryオワコン」という情報には触れているので、よほど就活で失敗しない限りはjQueryのところにたどり着かなくなっている。

そもそもバックエンドエンジニアでもモダンフロントエンドを書くような環境が増えてきた中で、2世代も前のjQueryだけでアーキテクチャに関する一考もないコードメンテしなければいけないので、「jQuery」という言葉だけでフロントエンドエンジニアでなくとも入社を避けがちだ。(jQueryアーキテクチャがしっかりしている可能性は低い。アーキテクチャがしっかりしているならばjQuery依存しておらず、jQuery依存していないのであれば簡単jQueryから脱却できるはずで、簡単jQueryから脱却できるならもう脱却しているはずだからだ)

メインストリームの部分はほとんどリプレイスが終わっているというでもなく、すべて現役でjQueryなのであれば尚更問題で、誰もメンテしたがらないコードの出来上がりだ。「弊社はCOBOLで書いてます!」とにこやかに言うようなものだ。

(ただし、さすがにjQueryだけでフロントをやっているという会社求人ほとんど見かけることはない。無意識スクリーニングで落としているのかもしれない)

jQueryを使っている会社には、フロントエンドエンジニアは一人もいないと言いきってもいいかもしれない。もしくは、今まさにjQueryをやめようとしているかたまたま入ってきたフロントエンドエンジニアが今まさに辞めようと迷っているかのどれかだ。

jQueryを使っていました」というエンジニアは、他社からフロントエンドスキルが0とみなされる。つまりフロントエンドエンジニアではないという意味だ。jQueryは、jQueryを使っている会社に対してしか武器にならないのだ(逆はできる)

jQueryが書ける人材は縮小傾向にある

jQueryを書ける人口自体は増えているだろうが、労働市場から撤退し始めている。昔jQueryを書いていた人材の人数が上限で、そこから新たに学ぶ人の絶対数が減っているため、全体としては減っている。

私もjQueryは以前業務で書いていたが、もう数年書いていない。特にメリットを感じないからだ。遊びで、生のJavaScriptを書くことはある。

jQuery入社するのは、昔からjQueryを使っている高齢エンジニアか、なぜかjQueryを学ぶことになってしまった新人である可能性がある。

そのため、需要供給に応じて、昔いたようなスキルレベルの人を今の市場で見つけようとすると費用がかかってしまう。jQuery書けますという人材が高年齢化しているのだ。そして世継ぎはいない。

jQueryを使っている会社にはフロントエンド知識が高い人がいないのでjQueryから抜け出せない

リプレイスはハッキリ言って難しい。モダンフロントエンド学習するだけでは足りなくて、それを使いこなせた上でしかjQuery使用したカオスイベントコードも読めて、そしてアーキテクチャを考えてリプレイスしなければいけない。

時代が下るにつれて、そうしたハイスキル人材はより高価値になっていき、レア度も単価も高くなる。今そういう人を雇うという判断をしない会社が、どうして今後もっとハイスキルの人を雇えようか。

jQueryを使ったサービスがしっかり利益を出している点もリプレイスを難しくしている。全廃もできない。かと言ってコストに見合わなければリプレイスという経営判断も難しい。経営が困難な状態ならより厳しい。

何も理由がなくjQueryを使い続けたいという奇特な人は多くないはずだ。何か理由があってそうなっているわけだ。カッコよく言うと『ナッシュ均衡』という状態だろう。今会社にいる人材もいわゆる『jQuery人材』が多いため、そこを打破するのはとても困難な道だろう。

jQueryから抜け出すには、すでにいる人材がなんとかしてリプレイスするか、外から連れてきて改革するしかない。しかし大抵の場合既存従業員にとってはそんな大変なことをするよりも転職したほうが楽な道だ。(もちろん、「jQueryしかなかったサービスモダンフロントエンドにした」というのが実績としてある人材はかなり魅力的な人材で引くてあまたなことだろう。その意味ではピンチをチャンスに変えるときの『チャンス』ではある)

ReactやVue.jsに変えたいと思ったとして「じゃあお前それですぐに利益出せんのかよ?」と詰められたら、その論争をクリアしてまで変えるのはほとんど無理に近い。通常、リプレイスそれ自体価値を生み出さない。リプレイス後に運用コストが低下したり、人材獲得がしやすくなるために利益が出るのだ。リプレイスとは長期の投資であるため、短期的には必ず損失になる。経営が困難な状態リプレイスしようとするのは、生活困窮世帯リボ払いをやめさせるぐらい難しい。そのため、まず自分が身銭を切ってリプレイスするしかない。そしてリターンがあるかもわからない身銭は切りにくい。そして同僚は容易に『抵抗勢力』になる。

ちなみにこのヤバい状態を『jQueryの崖』と言う。

jQueryを使っている会社フロントエンド周りのCI/CD等、エコシステムが構築できていない可能性がある

jQueryを今も使っているということは、裏を返せば「これまでリプレイスをしてこなかった」「リプレイスしようとしたが無理だった」という実績にもなる。

jQueryを使っている会社は、昔からあるコードをもとに書いているため、今もES6以前の文法で書いている可能性がある。そうしてどんどんと情報が少なく、古く、現代通用しにくいものになっていく。

bundlerを使っていない可能性が高いし、もしかするとCI/CDも無いかもしれない。そうすると、モダンインフラエンジニア(もしくはモダンインフラ知識のあるエンジニア)がいないかもしれない。SREという概念がないかもしれない。

世間一般から見ると会社の中が古いのだが、古い会社にいると「自分が古い」とはなかなか思えないものだ。太っちょの集まりの中にいたら「自分はそんなに太ってない」と思うのと同じことだ。

すべては憶測なので、実際は違うかもしれない。

jQuery自体が悪いわけではない

さんざんdisってきたが、そもそもjQueryは何も悪くないし、大変優れたライブラリだ。ちょっとしたプロトタイプを作るときには良いものであるかもしれない。しかも今もjQuery自体メンテされている。そのため、状態管理さえうまくできていればjQueryだろうがなんだろうが問題ない。

問題は、jQueryというライブラリを使ってきた時代からアーキテクチャ前進していない点にある。何年もずっとその状態だということだ。そこを今日に至るまで誰1人として変えられなかったということだ。特に経営陣は何の問題視もしていない可能性が極めて高い。そうした社内のしがらみが反映された結晶体、それが『使用技術: jQuery』という言葉になっているのだと思う。また、ヤバさは、jQueryバージョン反比例する。

jQueryを使っているアプリケーションには、jQuery担保していなかったアーキテクチャ部分に問題があることが多い。また、どこから呼ばれているか誰もわからない複雑なイベントSPAもクソもないページ遷移ごとのリロード、誰もどこもテストできず、HTMLベタ書きで書かれたJavaScriptコード、その場しのぎでデタラメに書かれた関数無視される変数スコープサポートが終わったライブラリドキュメントを見つけるのすら困難なよくわからないライブラリ高齢しか知らない伝説機能伝説のハック、などもある。これらはモダンフロントエンドではほとんど発生しないものだ。

そのため、一定基準として「jQueryを使っているかどうか」で、フロントエンドエンジニアとしてのやりがいがあるかどうかを判別できる。

そうして、フロントエンドエンジニアというのはもうjQueryに見向きもしていない。書けるけど書きたくない。パラレルワールドのようなものだ。

そういうようなことを「使用技術: jQuery」という文言から感じ取ってしまうのだ。

(そしてこれは、実際の仕事の中身が違うかどうかは関係ない。jQueryとは、そういうふうなブランドと化しているのだ)

前編のおわりに

jQueryを使っている会社からしたら「そんなことはわかっている」という部分で、「じゃあどうすればいいのか?」という部分が気になるところだと思う。

そこで、後編では「どうやってjQueryを全廃すればいいのか?」「実際にどのように全廃したのかの事例」について、だいたい来週ぐらいに書くつもりだ。

お楽しみに!

2021-09-09

anond:20210907095748

ブコメとか総合すると

2021-09-08

anond:20210908114812

いや、成人指定されてる漫画で成人指定される直接の理由となっている要素がメインじゃない漫画ってないねって意味でひたすら変わらないよ

1ミリでもそういう要素、具体的には性器の克明な描写のうち決して芸術的ともみなされないようなものがあったら一般向けではできない表現になるわけだけど、だからといって1ミリでは成人向けにも居場所がない。無理にでも(作者の頭の中の作品像に反して)その要素を増やすか発表を諦めるかになってしまう。

とまあでもトラバでも「冥王計画ゼオライマー 」ってのがあるようになくはないみたいだね。

俺も寝てるとき読み切り短編集だけど蜈蚣メリベの有機人形とか一部条件満たしてるんじゃないと思った。

と同時にあれは確かに性器描写一般向けに適合するレベルまで修正しても筋書き自体は成立するのだろうが、あれの魅力はエロ自体担保されてる部分も大きい気がするからそういう意味微妙

有害図書で弓月のシンデレラエクスプレスがあったのも思い出したがあれも性器に顔を描いてマイルドにしてる。今発表されてれば成人指定はされてないだろう。

まり元増田で主張することををより具体化すると、性器ちゃん描写しないと筋書きが成立しないような漫画ということなんだな。

まあ漫画ってそんな数学ならユークリッド空間逆張りして非ユークリッド空間を作り出たりリーマン積分理論的な粗に反発してルベーグ積分作り出すみたいなみたいな学術畑にありがちな既存原理に対するハッキング」みたいなことなんて敢えてするようなことはしないしする必要もないからそういう作品があまりないってだけのことなんだと思う。原理内の自由度作品作れればいいって態度。所詮娯楽だから

2021-09-07

警察いい仕事してるなあ

中国系組織幹部ら4人逮捕 現金奪い、知人に暴行容疑

知人男性宅に押し入り、暴行を加えて現金などを奪ったとして、警視庁組織犯罪対策2課は6日、強盗致傷容疑で準暴力団チャイニーズドラゴン幹部の趙成龍(ちょうせいりゅう)容疑者(35)=中国籍東京都墨田区=ら30~38歳の男女4人を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。趙容疑者は、以前から知人男性と金銭をめぐってトラブルになっており、犯行計画したとみられる。

逮捕容疑は7月14日午前0時過ぎ、荒川区東日暮里の30代中国人男性宅に複数人で押し入り、結束バンドで両手首を縛ったほか、頭部や腕を警棒で殴るなどの暴行を加えて脅し、現金約90万円と携帯2台を奪ったとしている。男性は全治約4週間のけがをした。

捜査関係者によると、趙容疑者らは現金を奪った後、男性とともに台東区内の銀行まで車で移動し、現金を引き出すよう要求。1人で入店した男性が、隙を見て銀行員に助けを求めたため、趙容疑者らはその場から逃走していた。

組対2課は、4人のほかにも実行役が2人いるとみて、行方を追っている。

中国残留孤児2世らで構成されるチャイニーズドラゴンは、みかじめ料徴収や薬物の密売などで資金を得ているとみられる。殺人強盗などの凶悪犯罪に関与したとしてメンバー逮捕されるケースは後を絶たず、警察当局との攻防が続いている。

平成26年7月には東京都豊島区池袋喫茶店で、グループの男が妻を拳銃で射殺する事件が発生。同12月には港区六本木飲食店で知人男性背中刃物で刺したとして関係者の男が殺人未遂容疑で逮捕された。給与担保現金を貸し付ける「給与ファクタリング」を悪用した事件では、幹部の男が首謀者として関与。昨年10月に貸金業法違反容疑で逮捕された。

チャイニーズドラゴン中国残留孤児の子弟らが昭和60年代に結成した暴走族怒羅権ドラゴン)」がルーツ。その後、暴力を用いて集団犯罪を繰り返すようになり、警察庁が平成25年に準暴力団認定捜査員らの間でチャイニーズドラゴンと呼ばれるようになった。警視庁幹部は「カネのためなら手段を選ばない集団」とみる。

警視庁認定するメンバーは400人以上。東京では歌舞伎町上野池袋などに支部を持ち、それぞれに総長を置く。指定暴力団住吉会の2次団体「幸平一家」との〝二足のわらじ〟を履くメンバーもいるとされる。

埼玉県西川口周辺でも活動を活発化。今回逮捕された趙成龍容疑者トップとみられる。

日本人も増えているとみられ、捜査幹部は「組織が拡大しないように引き続き取り締まりを強化していく」と話した。

2021-09-06

インテリの殻に閉じこもった共産党評だなぁと

ちょっと話題のこのnoteなんだけど

https://note.com/dadasp/n/nf0deab7c28e4

 

純粋住宅地には無いだろうが、工業地帯住宅地の隣接地帯、古い商店が点在するくすんだ住宅街商店町工場なんかに共産党ポスターが貼ってあるのを見ないだろうか?

個人商店自営業町工場っていうのは30年前は自民党ガチ票田だったんよ。その票田を共産党が奪取してるって事なんよこれは。

この人はそういう変化を見てないんじゃないの?給与生活者で綺麗に計画された住宅街に住んで上辺の知の世界に生きてるだけなんじゃ?

 

票田かっ攫うって言っても自民党支持者が甘言だけで革新に転ぶわけがない。困窮した時に救済制度を知っていたり行政との橋渡しが出来なきゃ信頼されない。それ以前に経営に就いて理解していなきゃ話も聞いてもらえない。

その背景には90年代金融の再編があって、不良債務を抱えるリスクを減らす為に銀行中小零細の債務ノンバンク子会社に付け替えてる。銀行から借りてない会社なんて経済的信用が無いって事だからそのせいで取引先も減ってしまう。まともに扱われてないのだな。

なのに「革命が」とかいつまでも浮ついた事言って「地べた這いずって生きてきた人たちのほうがよっぽど偉かったよ」とか言ってる。自分が地べたはいずりゃいいでしょが。

ATMで金下すだけで今は銀行がただで両替してくれないとかも知らないんだろうな。ただで両替しないのは店舗経営者が客じゃなくなったからだ。

 

ずっと以前は共産党は悪しき前衛主義頭でっかちエリート組織だった。東側陣営崩壊後、宮本顕治失脚後は党勢を維持できずに無くなるだろうと目されていた。都市部給与生活者環境問題などに軸足を動かした新左翼が生き残ると思われていた。国鉄解体でもJRに参画出来たのは転向した嘗ての超急進派の革マルで穏当な日共系はパージされるという憂き目にあった。

だが実際には党勢が風前の灯となっているのは新左翼政党となっている。何故か?

それは小泉以降の自民党が「改革的でイデア的な」な世界観の競合となっているからだ。ゼロ年代に帳簿も読めないどころか複式簿記も知らないのにやれ金融M&Aだと言い立てて経済通の気分に酔うのが流行ったが、あれと90年代社会党の気分は似ている。競合関係なのだ

文中で出てくるキクマコ先生はその判りやすい例で、アベノミクス素養の無かった経済問題に触れるや「社会の全ての事象設計的に読めるように」なり、「全ての事象評価軸」を得てしまった。それでその中から出て来なくなったんであるキクマコ先生がこうなったのは彼がリベラルだったからに他ならない。世間知らずさがその本質主義担保している。私だってこういう風になった事はあるが普通は18~20歳あたりで通過するものだ。

こういうのと競合しない路線を進んだので共産党ニッチを得た。

 

から大家なんかに自民党共産党交互に投票する人もいる。普通にいる。ここにもいる。

健保保険料わず病気になった店子の面倒みて貰った先生に入れて、冠婚葬祭に来てくれた先生に入れて、とそういう感じだ。

 

筆者とキクマコ大先生はシラケ世代還暦なんだろうがアリバイ自覚はあるのに自分が殻に入っている事も気づかないのだな。

氷河期世代は逆にこの先自分が、自民党がどうなっても同じ心持で自民党に入れるんだろうな。

私は「出来合いの街だけ歩くな、足元を見て歩け、ポスター字面の奥を見ろ」と言うよ。

原始人がネックレスをつけた理由 パート6

収集品の属性

人類は小規模で、ほぼ自給自足し、互いに敵対する部族進化してきたので、好意の追跡の必要性を減らし、これまで検討してきた他の人類の富の移転制度可能にするために、収集品を使用することは、人類の種の期間のほとんどにおいて、物々交換の規模の問題よりもはるか重要であった。実際、収集品は互恵利他主義の仕組みを根本的に改善し、他の種にはない方法人間が協力することを可能にした。他の種では、記憶信頼性が低いために互恵利他主義は大きく制限されている。他の種には、大きな脳を持ち、自分で家を建て、道具を作って使うものもいる。しかし、互恵利他主義の仕組みをこれほどまでに改善した種は他にない。その証拠に、この新しい開発は紀元前4万年には成熟していた。

メンガーはこの最初貨幣を「中間商品」と呼び、本稿では収集品と呼んでいる。刃物のように他の用途にも使える道具は、収集品としても使える。しかし、富の移転を伴う制度価値を持つようになると、収集品はその収集性のためだけに製造されるようになる。その性質とは何か。ある商品価値ある収集品として選ばれるためには、収集品としての価値が低い製品比較して、少なくとも次のような望ましい性質を持っていなければならない:

1. 偶発的な損失や盗難からより安全であること。歴史ほとんどの場合、これは持ち運びが可能で隠しやすいことを意味していた。

2. 価値を偽造することが難しい。これらの重要な部分は、以下に説明する理由から、偽造できないほど高価であり、それゆえに価値があると考えられる製品である

3. この価値は、単純な観察や測定によって、より正確に近似していた。これらの観測は、より信頼性の高い完全性を持ちながら、より低コストであっただろう。

世界中人間は、これらの特性をよりよく満たすアイテムを集めたいという強い動機を持っている。この動機の中には、おそらく遺伝的に進化した本能が含まれている。このような物は、(特に優れた明確かつ近接した理由ではなく)集めることを純粋に楽しむために集められ、そのような楽しみは人類文化においてほぼ普遍的である。直近の動機の1つは装飾であるアリゾナ大学考古学であるメアリー・C・スタイナー博士によると、"装飾は現代人の採集者の間では普遍的ものである "という。進化心理学者にとって、このように、自然淘汰という観点からの最終的な説明はつくが、快楽以外の近親的な根拠がない行動は、遺伝的に進化した快楽が行動の動機になっているという有力な候補になる。例えば、このエッセイの推論が正しければ、希少品や美術品、特に宝石を集めるという人間本能がそうである

(2)については、もう少し説明必要であるコストが高いという理由商品生産することは、一見すると非常に無駄なことのように思える。しかし、永遠にコストのかからない商品は、有益な富の移転可能にすることで、繰り返し価値を高めていく。取引可能になったり、コストが低くなったりするたびに、コストはより多く回収される。最初は全くの無駄であったコストは、多くの取引償却されていく。貴金属貨幣価値は、この原理に基づいている。また、収集品は、希少性が高いほど、また、その希少性が偽造できないほど、価値が高くなる。また、芸術品のように、証明可能技術独自人間労働力製品に加えられている場合にも適用される。

我々は、この3つの要素を兼ね備えた製品発見したり、作ったりしたことはない。アート収集品(この言葉現代文化で使われている意味ではなく、この論文で使われている技術的な意味で)は、(2)を最適化するが、(1)や(3)は最適化しない。一般的ビーズは(1)を満たしているが、(2)や(3)は満たしていない。宝石は、最初は最も美しく、あまり一般的ではない貝殻で作られるが、最終的には多くの文化において貴金属で作られるため、3つの特性をよりよく満たすことができる。偶然ではないが、貴金属の宝飾品は鎖や指輪のような細い形をしていることが多く、無作為に選んだ場所安価に鑑定することができた。貨幣さらに改良されたもので、小さな標準的な重さと商標を鑑定の代わりにすることで、貴金属を使った小さな取引コストを大幅に削減した。貨幣は、収集品の進化のほんの一歩に過ぎない。

旧石器人が作っていたモバイルアート(小さな置物など)も、この特徴によくマッチしている。実際、旧石器人が作ったものの中で、実用性がなく、(1)〜(3)の特徴を備えていないものほとんどない。

ホモ・サピエンスには、役に立たない、あるいは少なくとも使用されていない火打石の不可解な例がたくさんある。我々はクロヴィス族の使えない火打ち石について述べた。Culiffeは、ヨーロッパの中石器時代発見された数百個の火打ち石について述べているが、これらの火打ち石は丁寧に作られたものであるが、顕微鏡写真分析により、切断には使われなかったことが明らかになっている。

リントは、宝石のような特殊目的を持った収集品に先立つ、最初収集である可能性が高いのである。確かに最初火打石コレクターは、刃物としての実用性を求めて作られたはずだ。富の伝達手段としてのフリントの付加価値は、本稿で紹介する制度を開花させるための偶然の副次的効果であった。このような制度は、特殊目的収集品を製造する動機となったであろう。最初は切削工具として実際に使用する必要のないフリントであり、その後、ホモ・サピエンスサピエンスが開発した他の様々な種類の収集である

新石器時代中近東ヨーロッパの多くの地域では、一部のジュエリー標準化され、美しさより標準的サイズやアセイ性が重視されるようになった。商業地域では、このような宝石の量が伝統的な宝石の量を大きく上回ることもあった。これは宝飾品と貨幣中間的な段階であり、収集品の一部が貨幣的な形態をとるようになったのである紀元前700年頃、リディアンの王たちは前述のようにコインを発行し始めた。標準的な重さの貴金属は、市場で、賃金労働者が、あるいは徴税者が、ランダムに選ばれた場所コイル状のワイヤーを切断する代わりに、商標、すなわち造幣局ブランドを信頼して「評価」することができるようになったのである

収集品の属性が、貴金属コイン、そしてほとんどの非現金通貨を支えてきた準備商品共通しているのは偶然ではない。本来貨幣は、これらの特性を、人類先史時代ほとんど全ての時期に使用されていた収集品よりも純粋な形で実現したものである

20世紀新機軸は、政府による不換紙幣の発行である。(「フィアット」とは、それまでの金や銀をベースにした通貨のように、基軸商品裏付けられていないことを意味する。) 不換紙幣は、交換手段としては一般的に優れているが、価値の保存手段としては非常に劣ることが証明されている。インフレで多くの「たくわえ」が破壊された。前述の収集品に共通する希少品やユニークアート作品市場が、前世紀にルネッサンスを迎えたのは偶然ではない。我々の最も進んだハイテク市場の一つであるeBayは、これらの原始的経済性を持つ物を中心にしている。進化過程重要役割果たしていた頃に比べて、我々の富に占める収集品の割合が減ったとしても、収集品の市場はかつてないほど大きくなっている。収集品は、我々の本能的な欲求を満たすと同時に、安全価値の貯蔵庫としての古代役割果たしている。

結論

一方的もの相互的なものも、自発的もの強制的ものも、多くの種類の富の移転には取引コストがかかる。自発的取引では、双方が利益を得る。真に無償の贈り物は、通常、親族利他主義行為である。このような取引は、何かを作るという物理的な行為と同様に、一方または両方の当事者価値を生み出す。貢物は勝者の利益になり、損害賠償判決被害者利益になるだけでなく、さらなる暴力を防ぐことができる。遺産相続は、人間次世代親族財産を渡す最初動物となった。これらの家宝は、商品取引担保や代金、飢えをしのぐための食料、あるいは結婚の際の花嫁代金などに使われた。このような移転を行うためのコスト取引コスト)が十分に低いかどうかは別問題である。このような取引を初めて可能にしたのが、収集である

ほとんどの動物が非親族との遅延互恵的な協力関係を築けないという「囚人のジレンマ」を解決するために、収集品は我々の大きな脳と言語を増強したのである。それは、どの人が何をしたかというエラーと、その行為によって生じた価値や損害を評価する際のエラーである一族部族のサブセットを形成する、小さくてすぐに地元に帰れる親族グループ、または大家族)の中では、我々の大きな脳はこれらの誤差を最小限に抑えることができたので、世間の評判と強制的制裁が、相手が将来協力したり欠陥を犯したりする能力によって提供される限定的動機に取って代わり、遅延した互恵関係の主な執行者となったのであるホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシスホモ・サピエンスサピエンスも、同じように脳のサイズが大きかったので、地元一族の全員が、他の地元一族の全員の好意を把握していた可能性が高い。小さなローカル親族グループの中では、収集品を取引に使うことは最小限だったかもしれない。部族間では、好意の追跡と収集品の両方が使用された。部族間では、評判に代わって収集品が完全に互恵関係執行者となったが、暴力は依然として権利執行に大きな役割果たしていたし、高い取引コストのためにほとんどの種類の取引ができなかった。

一般的な富の貯蔵と富の移転手段として有用であるためには、収集品は、少なくとも1つの制度に組み込まれ発見製造コスト複数取引償却されるような閉ループのサイクルを持つ必要があった。さらに、収集品は、単なる美しい装飾品ではない。身につけられる安心感、隠したり埋めたりするためのコンパクトさ、変えられない高価さなど、一定機能性を持っていなければならない。そして、その高価さは、現代コレクター収集品を鑑定するのと同じように、譲渡を受けた人が確認できるものでなければならなかった。

本稿で示した理論は、これらの文化で交換される「貴重品」にこれらの特徴があるかどうか(あるいはないかどうか)を調べ、これらの貴重品が移動するサイクルから得られる経済利益を調べ、(現代を含む)さまざまな文化でこれらの特徴を持つ物に対する嗜好を観察することによって、検証することができる。

前例のない協力の技術により、人類地球上で最も恐ろしい捕食者となっていた。彼らは移り変わる気候適応したが、一方で、アメリカヨーロッパアジアでは、狩猟気候の変化によって、何十もの大きな群れの獲物が絶滅に追い込まれたのである現在地球上のほとんどの大型動物投射物を恐れているが、これはたった1種の捕食者に適応したものである。また、狩猟よりも採集を中心とした文化も大きな恩恵を受けた。ホモ・サピエンスサピエンスは、骨が弱くなり、脳の大きさが変わらないにもかかわらず、地球上のより多くの地域に、ネアンデルタール人10倍以上の人口密度で住むことができた。この増加の多くは、効果的な富の移転言語によって可能になった社会制度、すなわち貿易結婚相続、貢ぎ物、担保、そして復讐のサイクルを弱めるために損害を評価する能力に起因していると考えられる。

原始時代貨幣は、我々が知っているような現代貨幣ではなかった。現代お金機能の一部を担っていたが、その形は家宝宝石などの収集品であった。これらの使用は非常に古くから行われており、収集品を探求し、収集し、作り、展示し、鑑定し、大切に保管し、売買するという欲求人間普遍的ものであり、ある意味では本能的なものである。このような人間欲望集合体を「収集本能」と呼ぶことにする。多くの古代人は、貝や歯などの原材料を探したり、収集品を製造したりすることにかなりの時間を費やしていたし、多くの現代人は、趣味としてこれらの活動にかなりの資源を費やしている。その結果、具体的な実用性とは異なる、初めての確実な価値の具現化、そして今日貨幣の先駆けとなったのである

原始人がネックレスをつけた理由 パート5

戦争戦利品

チンパンジー部隊狩猟採集民の文化では、暴力による死亡率が現代文明よりもはるかに高い。これは、少なくともチンパンジーとの共通祖先にまで遡ると思われるが、チンパンジー軍隊も常に戦っていた。

戦争には、殺し、傷つけ、拷問し、誘拐し、レイプし、そのような運命を避けるために貢ぎ物を強要するなどの行為が含まれていた。隣接する部族同士が戦争をしていないときは、一方が他方に貢ぎ物をしているのが普通である。貢ぎ物は、同盟関係を結び、戦争規模の経済を実現する役割も果たした。ほとんどの場合、それは勝利者にとって、敗者にさらなる暴力を振るうよりも有利な搾取形態であった。

戦争勝利すると、敗者から勝者へ即座に支払いが行われることもあった。多くの場合、これは熱狂的な勝者による略奪という形で行われ、敗者は必死収集品を隠した。また、定期的に貢ぎ物を要求されることもあった。この場合には、敗北した部族の財やサービス供給能力と勝者の需要を一致させるような、精巧現物支給スケジュールによって、三重の偶然性を回避することができたし、時にはそれが実現した。しかし、このような解決策であっても、原始的貨幣はより良い方法提供することができた。つまり共通価値を持つ媒体として、支払い条件を大幅に簡素化することができたのである。これは、条約の条件を記録することができず、暗記しなければならなかった時代には非常に重要なことであった。イリコ連合使用されていたワンパムのように、収集品が原始的記憶装置役割果たしている場合もあり、そのままではないものの、条約の条件を思い出すための補助として使用することができた。勝者にとっては、収集品はラファー最適値に近い形で貢物を集める手段となった。敗者にとっては、収集品を隠しておくことで「過少申告」が可能となり、勝者は敗者がそれほど裕福ではないと信じて、要求額を少なくすることができた。また、収集品の隠し場所は、熱狂的な貢ぎ物収集者に対する保険にもなった。原始社会の富の多くは、その秘密性の高さゆえに宣教師人類学者の目に触れることはなかった。このような隠された富の存在を明らかにできるのは、考古学だけである

隠蔽などの戦略により、貢ぎ物を集める人たちは、現代徴税人と共通する問題を抱えていた。それは、いかにして自分たちが取り出せる富の量を見積もるかということである価値の測定は、多くの種類の取引において厄介な問題であるが、敵対関係にある税や貢ぎ物の徴収においては、これほど厄介なことはない。このような非常に困難で直観的でないトレードオフを行い、それを一連の問い合わせ、監査徴収行為の中で実行することで、貢ぎ物の徴収者は、たとえその結果が貢ぎ物の支払い者にとって非常に無駄ものに見えたとしても、効率的収入最適化することができたのである

ある部族が、以前に戦争で敗れた近隣の部族数人から貢ぎ物を集めているとする。その際、各部からどれだけの金額を引き出せるかを見積もらなければならない。推定値が悪いと、一部の部族の富が控えめになり、他の部族は実際には持っていない富の推定値に基づいて貢ぎ物を払わなければならなくなる。その結果、被害を受けた部族は縮小する傾向にある。利益を得た部族は、得られるはずの貢ぎ物よりも少ない量を支払うことになる。どちらの場合も、勝利者にとっては、より良いルールで得られるかもしれない収入よりも少ない収入しか得られない。これは、ラファー曲線を特定部族運勢適用したものである。この曲線は、優れた経済学者アーサー・ラッファーが所得税適用したもので、税率が上がると収入額は増えるが、回避、逃避、そして何よりも課税対象となる活動従事する意欲がなくなるため、税率に比べてますます遅い速度となる。このような理由により、ある一定割合で税収が最適化される。ラファーの最適値を超えて税率を上げると、政府収入は増えるどころか減る。皮肉なことに、ラッファー曲線は、政府収入に最適な徴税理論であって、社会福祉や個人の選好満足度に最適な徴税理論ではないにもかかわらず、減税を主張する人々に利用されてきた。

もっと大きなスケールで言えば、ラッファー曲線政治史の中で最も重要経済法則と言えるかもしれない。チャールズ・アダムスはこの法則を使って、帝国の盛衰を説明している。最も成功した政府は、自分たちインセンティブ短期的な収入への欲求と、他の政府に対する長期的な成功)によって、暗黙のうちにラッファー曲線に従って収入最適化するように導かれてきた。ソビエト連邦ローマ帝国のように納税者に過剰な負担を強いた政府歴史の塵となり、最適な収入を下回った政府は、資金力のある隣国征服されることが多かった。民主党政権は、資金力のない国家征服するよりも、もっと平和的な手段で、歴史的な時間をかけて高い税収を維持することができるかもしれない。民主党政権は、外部からの脅威に比べて税収が非常に高く、税収のほとんどを非軍事分野に使う余裕がある歴史上初めての国家である。彼らの税制は、これまでのほとんどの政府よりも、ラッファー最適に近い形で運営されている。(このような贅沢は、民主主義国家徴税最適化するインセンティブを高めたのではなく、核兵器攻撃を抑止する効率性を高めたことで可能になったとも考えられる。) ラッファー曲線を応用して、様々な部族に対する条約上の貢納条件の相対的な影響を調べてみると、収入最適化したいという願望から、勝者は敗者の所得や富を正確に測定したいと思うようになるという結論が得られた。価値を測ることは、富を隠したり、戦いや逃亡によって貢ぎ物を回避したりする支那人インセンティブ判断する上で極めて重要である。一方,支那人は,収集品を隠しておくなど,さまざまな方法でこれらの測定値を偽装することができるし,実際にそうしている。貢ぎ物を集めることは,インセンティブが一致しない測定ゲームである

収集品があれば,支流供給できるものや勝者が必要としているものではなく,戦略的に最適なタイミングで貢ぎ物を要求することができる。勝利者は、貢ぎ物を取られた時に富を消費するのではなく、将来的に富を消費するタイミングを選ぶことができる。その後、紀元前700年頃には貿易が盛んに行われていたが、貨幣貴金属製の収集品のような形をしていた。これを変えたのが、アナトリア現在トルコ)のギリシャ語を話す文化圏、リディアである。具体的には、リディアの王たちが、考古学的・歴史学的に最初の主要な貨幣発行者となったのである

その日から今日まで、コインの発行は民間鉱山ではなく、自ら独占権を与えられた政府鉱山が中心となっている。なぜ、当時の半市場経済圏に存在していた民間銀行家などの私利私欲による鋳造が行われなかったのか。政府コインの発行を独占してきた主な理由は、政府けが偽造防止策を実施できるからであるしかし、現在も当時も商標権行使するのと同様に、政府は競合する民間鋳造所を保護するために、そのような措置を講じることができたはずである

コイン価値見積もることは、収集品の価値見積もるよりもはるか簡単であった。物々交換ではなく貨幣を使った取引の方がはるかに多く、実際、取引から得られるわずかな利益が初めて取引コストを上回ったため、多くの種類の低額取引が初めて可能になったのである収集品は低速度貨幣であり、少数の高価値取引に関与していた。コインは速度の速い貨幣であり、多数の低価値取引を促進した。

これまで見てきたように、原始貨幣が貢納者や徴税者にとって有益であることや、そのような支払いを最適に強制するためには価値測定問題重要であることを考えると、徴税者、特にリディアの王が最初貨幣を発行したことは驚くべきことではない。徴税によって収入を得ている王には、臣下保有し交換する富の価値をより正確に測定する強い動機があった。また、交換のための媒体商人安価に測定することで、効率的市場に近いものが生まれ個人が初めて大規模に市場に参入できるようになったことは、王にとっては偶然の副次的効果であった。市場流れる富が増え、課税対象となったことで、国王収入は、通常のラッファー曲線効果である税源間の誤計測の減少以上に増加した。

徴税効率化と市場効率化が相まって、税収全体が大幅に増加したのである徴税人たちは文字通り金鉱を掘り当てたのであり、リディア王のミダス、クロイソス、ギゲスの富は今日まで有名である

数世紀後、ギリシャアレキサンダー大王は、エジプトペルシャインドの大部分を征服したが、その壮大な征服資金は、低速度の収集品の集合体であるエジプトペルシャ神殿を略奪し、それらを溶かして高速度のコインにすることで得られた。彼の後には、より効率的包括的市場経済と、より効率的徴税が生まれた。

貢物の支払いは、それだけでは収集品の閉ループ形成しない。貢物は、最終的に勝者が結婚交易担保など何かに利用できる場合にの価値があった。しかし、勝者は、たとえ敗者の自発的利益にならなくても、収集品を得るための製造を敗者に強要することができた。

争議と救済策

古代狩猟採集民には、現代のような不法行為法や刑法はなかったが、現代法でいうところの犯罪不法行為に該当するような紛争解決するための類似した手段があった。紛争当事者一族による罰や支払いによって紛争解決することは、復讐復讐戦争のサイクルに代わるものであった。アメリカイリコイ族からキリスト教以前のゲルマン人に至るまで、ほとんどの近代以前の文化は、罰よりも支払いの方が良いと考えた。些細な窃盗から強姦殺人に至るまで、すべての実行可能犯罪には価格ゲルマン人の「weregeld」やイリコイ人の血税など)が設定されていた。お金があれば、支払いはお金の形で行われた。牧畜文化では家畜が使われた。それ以外では、収集品の支払いが最も一般的な救済策であった。

訴訟などの損害賠償の支払いには、相続結婚年貢などと同じように、事象供給需要三位一体問題が発生した。訴訟判決は、原告損害賠償能力と、被告損害賠償による利益を得る機会と願望が一致する必要があった。原告がすでにたくさん持っている消耗品を救済措置とした場合、救済措置は罰としての役割は果たすが、被告を満足させることはできないであろうし、したがって暴力連鎖抑制することはできない。このように、収集品には、紛争解決したり、復讐連鎖を断ち切るための救済策を可能にするという付加価値がある。

紛争解決は、支払いによって復讐心が完全になくなるのであれば、閉ループ形成しない。しかし、支払いによって復讐心が完全に消滅しない場合、支払いは復讐連鎖に続くサイクルを形成する可能性がある。このような理由から、より密に接続された取引ネットワークが出現するまでは、復讐のサイクルを減らすことはできても、なくすことはできないという平衡状態に達していた可能性がある。

原始人がネックレスをつけた理由 パート2

鑑定や価値測定の問題は非常に幅広いものである人間にとっては、好意の返礼、物々交換貨幣、信用、雇用市場での購入など、あらゆる交換システムに関わってくる。また、強要課税、貢ぎ物、司法上の刑罰の設定などにおいても重要である動物互恵利他主義においても重要である。例えば、サル背中を掻くために果物を交換することを考えてみよう。相互に毛づくろいをすることで、個人では見えないし届かないダニノミを取り除くことができる。しかし、どれだけの毛づくろいとどれだけの果物を交換すれば、お互いに「公平」だと思える、つまり離反しないお返しになるのであろうか?20分間のバックスクラッチングの価値は、果物1個分であろうか、それとも2個分であろうか?また、どのくらいの大きさの果物であろうか?

血と血を交換するという単純なケースでさえ、見かけよりも複雑なのだコウモリは、受け取った血の価値をどのように見積もっているのだろうか。重さ、大きさ、味、空腹を満たす能力、その他の変数価値見積もるのだろうか?それと同じように、「あなたが私の背中を掻いてくれたら、私があなた背中を掻く」という単純な猿の交換でも、測定は複雑になる。

大多数の潜在的な交換において、動物にとって測定問題は難題である。顔を覚えてそれを好意に結びつけるという簡単問題以上に、そもそも好意価値推定値について双方が十分な精度で合意できるかどうかが、動物相互利他主義の主な障壁となっているのではないだろうか。

現存する旧石器時代初期の人類の石器は、我々のような大きさの脳には複雑すぎる面がある。誰が誰のためにどのような品質の道具を作ったのか、したがって誰が誰に何を借りているのかなど、彼らに関わる好意を記録しておくことは、一族境界線の外ではあまりにも困難であっただろう。それに加えて、おそらく残っていない多種多様有機物や、身だしなみなどの刹那的サービスなどがあるであろう。これらの物品のほんの一部でも譲渡され、サービスが行われた後には、我々の脳は膨れ上がっていて、誰が誰に何を借りているのかを把握することはできなかった。今日、我々はこれらのことをよく書き留めているが、旧石器人には文字がなかった。考古学的な記録が示すように、氏族部族間での協力が実際に行われていたとすれば、問題さら悪化する。狩猟採集民の部族は通常、非常に敵対的相互に不信感を抱いていたかである

貝がお金になる、毛皮がお金になる、金がお金になるなど、お金法定通貨法に基づいて政府が発行した硬貨紙幣だけでなく、さまざまなものであるとすれば、そもそもお金とは何なのであろうか。また、飢餓危機に瀕していた人類は、狩猟採集もっと時間を割くことができたはずなのに、なぜネックレスを作って楽しんでいたのであろうか。19世紀経済学者カールメンガーは、十分な量の商品交換から自然に、そして必然的貨幣進化することを初めて説明した。現代経済用語で言えば、メンガーの話と似ている。

物々交換には利害関係の一致が必要であるアリスピーカン栽培してリンゴを欲しがり、ボブはリンゴ栽培してピーカンを欲しがる。たまたま果樹園が近くにあり、たまたまアリスはボブを信頼していて、ピーカンの収穫時期とリンゴの収穫時期の間に待つことができたとする。これらの条件がすべて満たされていれば、物々交換はうまくいく。しかし、アリスオレンジ栽培していた場合、ボブがピーカンだけでなくオレンジも欲しかったとしても、運が悪かったとしか言いようがない - オレンジリンゴは同じ気候では両方ともうまく育たない。また、アリスとボブがお互いを信頼しておらず、仲介してくれる第三者を見つけられなかったり、契約を履行できなかったりした場合も、運が悪いと言わざるを得ない。

さらに複雑な事態も起こりえる。アリスとボブは、将来的にピーカンリンゴを売るという約束を完全に明確にすることはできない。なぜなら、他の可能性として、アリスは最高のピーカンを独り占めし(ボブは最高のリンゴを独り占めし)、他の人には残りかすを与えることができるからである。2つの異なる種類の商品の質と量を比較することは、一方の商品状態記憶しかない場合には、より困難になる。さらに、どちらも凶作などの出来事予測することはできない。これらの複雑さは、アリスとボブが、分離した互恵利他主義が本当に互恵的であったかどうかを判断する問題を大きくしている。このような複雑な問題は、最初取引互恵的な取引の間の時間的な間隔や不確実性が大きいほど大きくなる。

関連する問題として、エンジニアが言うように、物々交換は「スケールしない」ということがある。物々交換は、少量であればうまく機能するが、大量になるとコストがどんどん高くなり、労力に見合わないほどのコストになってしまう。取引される商品サービスがn個ある場合物々交換市場ではn^2個の価格必要になる。5つの商品であれば25個の価格必要となり、悪くはないが、500の商品であれば25万個の価格必要となり、一人の人間管理するには現実的ではない。貨幣を使えば、500の製品に500の価格というように、n個の価格しかない。この目的のためのお金は、交換媒体としても、単に価値基準としても機能する。(後者問題は、暗黙の保険契約」とともに、競争市場存在しなかったこから価格が近しい交渉ではなく、長い間進化してきた慣習によって設定されることが多かった理由でもある)。)

物々交換必要なのは、言い換えれば、供給スキル、好み、時間、そして低い取引コストの偶然の一致である。そのコストは、取引される商品の数の増加よりもはるかに速く増加する。物々交換は、確かに全く取引をしないよりははるか効果的であり、広く実践されてきた。しかし、お金を使った貿易に比べれば、その効果はかなり限定的である

原始的貨幣は、大規模な貿易ネットワークよりもずっと前から存在していた。貨幣には、もっと早くから重要用途があった。貨幣は、信用の必要性を大幅に減少させることで、小規模な物々交換ネットワークの働きを大きく改善した。好みが同時に一致することは、長い時間の間に一致することよりもはるかに稀だった。お金があれば、アリスは今月のブルーベリーの熟度に合わせてボブのために採集し、ボブは半年後のマンモスの群れの移動に合わせてアリスのために狩りをすることができ、誰が誰に借金をしているかを把握したり、相手記憶や誠実さを信用したりする必要はない。母親の子育てへのより大きな投資を、偽造できない貴重品の贈与で担保することができる。貨幣は、分業の問題囚人のジレンマから単純な交換に変えてくれる。

多くの狩猟採集民が使用していた原始的貨幣は、現代貨幣とは全く異なる姿をしており、現代文化の中では異なる役割果たしており、おそらく後述する小さな交易ネットワークやその他の地域的な制度限定された機能を持っていた。私はこのような貨幣を、本来貨幣ではなく、収集品と呼ぶことにする。人類学の文献では、このようなものを「お金」と呼んでいるが、これは政府印刷した紙幣硬貨よりも広い範囲定義されているが、このエッセイで使う「collectible」よりも狭い範囲定義されている。また、曖昧な「valuable」という言葉もあるが、これはこのエッセイ意味でのcollectiblesではないものを指すこともある。原始貨幣名称として他の可能性がある中で、コレクティブルという言葉を選んだ理由は明らかであろう。コレクティブルは非常に特定属性を持っていた。それらは単に象徴的なものではなかった。コレクティブルとして評価される具体的な物や属性は、文化によって異なる可能性があるが、恣意的ものではない。収集品の第一の、そして究極の進化機能は、富を貯蔵し、移転するための媒体であった。ワンパムのようなある種の収集品は、経済的社会的条件が貿易を促進するところでは、現代人が知っているような貨幣として非常に機能である。私は、コイン時代以前の富の移動手段議論する際に、「原始的貨幣」や「原始的貨幣」という言葉を、「収集品」と同じように使うことがある。

富の移転による利益

人々、一族、あるいは部族自発的貿易を行うのは、双方が何かを得ることができると信じているかである価値についての彼らの信念は、例えばその商品サービスについての経験を積むなどして、取引後に変わることがある。交易の時点での彼らの信念は、価値についてはある程度不正であるものの、利益存在については通常正しいものである特に初期の部族貿易では、高額商品に限られていたため、各当事者自分の信念を正しく理解しようとする強い動機があった。そのため、貿易ほとんどの場合、双方に利益をもたらした。貿易は、何かを作るという物理的な行為と同様に、価値を生み出した。

個人一族部族はそれぞれ好みが異なり、これらの好みを満たす能力も異なり、これらの能力や好み、そしてそれらの結果として得られる物について持っている信念も異なるため、貿易から得られる利益は常にある。このような取引を行うためのコスト取引コスト)が、取引価値あるものにするのに十分低いかどうかは別問題である。我々の文明では、人類歴史上の大半の時代よりもはるかに多くの取引可能であるしかし、後述するように、いくつかの種類の取引は、おそらくホモ・サピエンスサピエンス誕生した頃まで、一部の文化にとっては取引コスト以上の価値があった。

取引コストが低いことで利益を得ることができるのは、任意スポット取引だけではない。これが、貨幣起源進化理解する鍵となる。また、家宝担保にすることで、取引の遅延による信用リスク回避することもできた。勝った部族が負けた部族から貢ぎ物を取ることは、勝った部族にとって大きな利益となった。勝利者の貢ぎ物を集める能力は、貿易と同じ種類の取引コスト技術恩恵を受けていたのである。慣習や法律に反する行為に対する損害賠償請求する原告や、結婚斡旋する親族集団も同様である。また、親族は、タイムリー平和的な相続による富の贈与の恩恵を受けていた。現代文化では貿易世界から切り離されている人間の主要なライフイベントも、取引コストを下げる技術によって、貿易に劣らず、時にはそれ以上の恩恵を受けていた。これらの技術のうち、原始的貨幣収集品)よりも効果的で重要ものはなく、また初期のものでもなかった。

H.サピエンスサピエンスがH.サピエンス・ネアンデルターレンシス駆逐すると、人口爆発が起こった。紀元前4万年から3万5千年の間にヨーロッパ占領した証拠からサピエンスサピエンスはネアンデルターレンシスに比べて環境収容力を10倍にしたこと、つまり人口密度10倍になったことがわかる。それだけではなく、彼らは世界初の芸術創造する余裕があった。例えば、素晴らしい洞窟壁画多種多様精巧な置物、そしてもちろん貝殻、歯、卵殻を使った素晴らしいペンダントネックレスなどである

これらは単なる装飾品ではない。収集品や、その時代進歩したと思われる言語によって可能になった、新しい効果的な富の移動は、新しい文化制度を生み出し、環境収容力の増加に主導的な役割を果たしたと考えられる。

新参者であるH.サピエンスサピエンスは、ネアンデルタール人と同じ大きさの脳、弱い骨、小さい筋肉を持っていた。狩りの道具はより洗練されていたが、紀元前35,000年の時点では基本的に同じ道具であり、2倍の効果10倍の効果もなかったであろう。最大の違いは、収集品によってより効果的に、あるいは可能になった富の移動だったかもしれない。H.サピエンスサピエンスは、貝殻を集めて宝石にしたり、見せびらかしたり、交換したりすることに喜びを感じていた。ネアンデルターレンシスはそうではなかった。これと同じことが、何万年も前にセレンゲティで起きていたのである

ここでは、コレクションアイテムが、自発的無償相続自発的相互取引結婚、法的判断や貢ぎ物などの非自発的移転など、それぞれの種類の富の移転において、どのように取引コストを下げたか説明する。

これらの種類の価値移転はすべて、人類先史時代の多くの文化で行われており、おそらくホモ・サピエンスサピエンス誕生したときから行われていたと考えられる。このような人生の一大イベントである富の移転によって、一方または両方の当事者が得られる利益は非常に大きく、高い取引コストにもかかわらず発生した。現代貨幣比較して、原始的貨幣の速度は非常に低く、平均的な個人の一生の間にほんの数回しか譲渡されないかもしれない。しかし、今日では家宝と呼ばれるような耐久性のある収集品は、何世代にもわたって持ち続けることができ、譲渡のたびに相当な価値を付加することができたし、しばしば譲渡可能になることもあった。そのため、部族は、宝石収集品の原料を製造したり、探索したりするという、一見すると軽薄な作業に多くの時間を費やしていた。

富の移転重要な要素となっている制度では、次のような質問をする:

1. 事象移転された財の供給移転された財の需要の間には、時間的にどのような偶然の一致が必要だったか?偶然の一致があり得ないことは、富の移転にとってどれほどあり得ないことか、あるいはどれほど高い障壁になるか?

2. 富の移転は、その制度だけで収集品の閉ループ形成するのか、それとも循環サイクルを完成させるために他の富の移転制度必要なのか。貨幣流通の実際のフローグラフ真剣に考えることは、貨幣の出現を理解する上で非常に重要である多種多様取引の間で一般的流通することは、人類先史時代ほとんどの期間、存在しなかったし、これから存在しないであろう。完結したループが繰り返されなければ、収集品は循環せず、価値がなくなってしまう。作る価値のある収集品は、そのコスト償却するのに十分な取引価値を付加しなければならない。

まず、今日の我々にとって最も身近で経済的重要取引を見てみよう。

2021-09-02

anond:20210902135818

選挙立会人存在匿名投票信頼性担保してんだなあって

これをネット再現するのはすごく難しそうだ

anond:20210902102900

金を理由不要だと思ってるなら、それはお前の意見だろ。

ピカソの絵に数十億の価値があるとおもってるやつと、思ってない奴の違いと一緒で必要じゃないとか価値がないと思うのが悪いとは思わんぞ。

それとは別で金が仮想じゃないと思ってるのは知見が無さ過ぎて恥ずかしいぞ。

 

俺が皇室必要だと思う理由は、日本という国の統一性連続性を担保しているのが天皇だけだからだな、統治者や団体は昔から変わり続けてるけど天皇を担いでることによって正当性を示し続けてるわけで、多様化変容化する国家の形を何で規定するかの1つの目印として意義があると思うぞ。

おひとりさまGOTOキャンペーン

感染対策経済対策と両立させるの難しい。

そして、金儲け=悪 という訳のわからない概念がこの国には蔓延ってるので、経済よりの発言や行動は叩かれやすい。

日本私権制限できない国なので、それを担保しながら経済ダメージを最小限にした最大限の感染対策ってどんな政策があるんだろう。

ということで、おひとりさまGOTOキャンペーン

緊急自体宣言中は、飲食店ほかカラオケなど遊戯施設おひとりさましか入れない。

その代わりGOTOキャンペーンのようなインセンティブをつけて、店に来てくれるような施策をする。

マンボウなら同居家族ならOKに緩和。身分証明書提示必要

フェスに行きたい人は行った後、1週間の自粛を促す。

フェスのあと、仲間とワイワイ飲み会禁止おひとりさましか、店に入れない。

接客業医療関係者ほか人と接する仕事の人がフェスに行けないのは困るなぁ。

あと、接客を伴う飲食店・・・これはフェスと同じで、利用したら1週間自粛を促すだな。

なんかいアイデアあったら教えてください。

anond:20210902084629

Web化されたら雇用を維持できなくなる、非効率な繫文縟礼であることが彼らの仕事

彼らにとっては「仕事っぽいことをしていると思うこと」が重要なんだよ

Web化されれば3秒で終わることを10分かけてやる

「結果」じゃなくて「労働した感」のためにそこにいるわけだ

TLSでエンドセキュリティ担保されていればPDFよりセキュア、っていう指摘は「わかっている人」って感じだけど、

99.999%の役人はその意味がわからいからな

PDFセキュリティにこだわるならAdobeのLiveCycleとか使うはずなのに、そんなのを使ってる官公庁を見たことがないってのがそれを証明している

地方自治体を中心にPowerPlatform採用したり地味なイノベーションは起きてるから時間問題だとは思うけどね

海外よりその歩みが遅いというだけw

anond:20210902045557

ワクチンパスポートって、そもそも何の安全担保するものなんだ。

ワクチン接種してても感染はするんだろ。

海外行くときくらいならまぁいいけど、そこらのスーパー行くにも必要、なんてのに何か意味があるんだろうか?

2021-09-01

etax完全に嫌がらせだな

やはりと思ったけどわざと使いにくくして税務関連の公務員雇用担保するため、

もしくはがんじがらめにしてイノベーション発生しにくくさせてアメリカ従属させるためだと気づいた

eltaxのほうがはるかに使いやす

anond:20210817083708

血統担保にして象徴となってる存在関係ない血いれてどうすんだよ

“代えが効かない”ことに意味がある(と思わせる)んだろうが

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