はてなキーワード: 代替医療とは
このようなことを書くと、各所から、反発の声、非難の声が集中すると思うのだけれども、仏陀として、
一般に、保育園問題でお困りの方は、自分が働けない、とか、収入が無くなる、と言って困っておられるのだと
思うけれども、子供を産んだからには、責任もって、親として、子供の世話をするのが、筋だと思う。
自分の便利な生活、快適な人生設計ばかり考えて、子供が、母親の愛情を恒常的に受け続けなければ、
精神的に豊かには、暮らせない、ということを忘れている。
私の母は、教師をしていて、小さな頃は、乳母の世話になっていたが、何となく母親の愛情を感じられず、
今は、母も定年退職し、仲良くなったが、私は、どこか女性を信じていないところがあって、
結婚とか、恋愛に踏み込めない。それなりに、好きな人はいたが、一方的な愛情や、うまく行くのは、
風俗の女性とか、旦那のいる20歳年上の女性とか、そのような恋愛ばかりで、普通の恋愛ができない。
もっとも、これは、母親が働いている人はすべてそうなるわけではないと思うが、私の弟は、普通に、大学に行き、
家庭を持って、子供も2人、会社でも、重要な立場で頑張っているのだが、やはり、弟も、結婚した後は、
奥さんを、専業主婦にしている。母の年金のお陰で、私は生活が成り立つのだが、一人では自活できない。
半面、治療では、奇跡的な治癒効果を出し、仏陀としての悟りも得て、霊的には十分良かったのだが、
この世的には、私は、53歳の今でも、生活のできない、駄目な人間、社会の落伍者なのである。
だから、専業主婦の価値をもっと認めるべきである。日本の経済が低迷しているからと言って、一億総活躍社会の名のもとに、
女性の社会進出を取り上げるのは、危険性がある、と思う。もっと、みなつつましく、生活を最低限ぎりぎりとして、
その中で、感謝、思いやり、慈しみの毎日を送り、日々、愛情と喜びに満ちた生活をするのが、本来ではないか、と思う。
待機児童問題を解決するには、様々な複雑な要素があるので、難しいが、日本経済の活性化と、景気浮揚策、少子化対策は、
今すぐにできる。それは、わいせつ物頒布等に関する法律、売春防止法、淫行条例、児童ポルノ・買春防止法を撤廃し、
ストリップを奨励し、セックスを奨励するのである。そうすれば、宇宙創造主、並びに絶対者(創造主を産んだ存在)からの
生命エネルギーが円滑に流れることになり、どんどん光が強くなって、すべての社会活動が活発になる。
病気もかからなくなるので、医療費も大幅に下がる。今の医療は、保険診療に偏りすぎている。代替医療を奨励し、
ヨーガやその他の自然療法で、自分で治す努力をする。今は、医療に頼り過ぎである。また、現代医療も、肉体の延命だけを
良しとするような風潮を改めなければならない。人間は、肉体と精神だけの存在ではない。霊的な存在である。この視点を
忘れているところに、現代社会の病根はある。と、洞察する。育児問題も、霊的な観点から考え、肉体の維持だけを良しとしない。
前に、心臓移植のことを書いたけれども、死も、立派な幸せであることを、もっと社会全体で考えるべきである。この霊的な視点を持つと、
先日、増田の血縁の人間がガンになったんでございます。ガンになった当人は、テレビを信じやすく、エピソードで言えば細木数子の番組を好んで見ていた人間でして、ガンになった時、これは代替医療にはまってしまうのではないか、と増田は危惧しておりました。幸いなことに、ガン発見時に信頼出来る医師にあったようで、現在は標準医療を受けております。しかし、なにがきっかけで代替医療にはまるか分かったものではないので、川島なお美が代替医療を実践したことで早死してしまった実例をだして釘を刺しておきました。ちょうどその時に読ませた記事がNATROM先生がインタビューに答えているこちらの記事( http://mess-y.com/archives/23237 )だったのでございます。
このように手軽に読める形で代替医療に対する接し方の記事を用意してくれたメディア、そしてなんといっても常に発信し続けてきたNATROM先生、本当にありがとうございます。血縁の人間が代替医療を直接否定するとかえって逆効果なことも多いわけで、医師によるまっとうな意見というのは大変貴重なのでございます。著書買わせて頂きますが、印税だけでなく直接お礼を言いたかったので、NATROM先生も降臨された、ここ増田でお礼させて頂いた次第でありました。
本人が「開腹手術を受けるくらいなら死んだほうがマシ」と思っていたとしたら、それで死期が早まっても仕方ない。
金の延べ棒は「治るわけないけど、これで治ったら丸儲け」くらいの感覚でやっていたのではないか。
俺は自分自身が医者で、治らないものを治ると謳う(またはそのように錯覚させる)代替医療は、本当に嫌いなんだけども。
効果的な治療法がない状態で、苦痛緩和などの可能なことはしているなら、慰みに無害な何とかエキスを飲むくらいのことは、目くじら立てるべきじゃないとも思っている。
川島なお美さんについては、細かいことはよく知らないが報道を見る限り、その目くじら立てるべきじゃない条件が揃っているように思うので、とやかく言う気にならない。
以前、この辺の心理を増田にちょろちょろ書いたんで、張り直しとく。自己顕示欲丸出しでアレだけど、できれば色んな人に読んでもらいたいんだ。
http://anond.hatelabo.jp/20140717143416
※ 後から出てきた情報見ると、やるべき治療もやってなかったのかもしれないと思えてきた。その場合はまた話が違う。
ただ、彼女が民間療法で本当に癌が消えると信じていたかは、分からないと思う。闘病する心構えができるまでの「つなぎ」だったかもしれない。
悪性度の高い病気だと言われて呆然としている状態で、さらにすぐ手術を即断できる人は多くない。いきなり敵に襲われて、咄嗟に崖を飛び降りるか判断を迫られるようなものだ。
そうするためには、知識に加えて普段からこのような状況に対する心理的シミュレーションが必要だが、彼女ほどの女優なら忙しくてそれどころではないだろう。
加えて、俺のような無名人に比べて有名人には、善意悪意両面から怪しい民間医療が寄ってきやすいのだと思う。
それを振り払うのに必要な労力は、きっと俺が費やすのの何十倍もあるのではないだろうか。
「癌が治る」と謳う民間療法は全く以て滅びてほしいが、実際にそれを全て排除するのは本当に大変で難しいことで、簡単に「そんなのに騙されるなよ!」なんて言えないのだ。
だからこそ、普段からトンデモのやり口、トンデモの何が悪いのか、ブログなどで啓蒙している先生方には頭が下がります。これだって本当に大変なことだから。
http://www.amazon.co.jp/dp/4105393057
代替医療:主流派の医師の大半が受け入れていない治療法(この本の中での定義)。
ホメオパシー※1とか鍼とかハーブとかその他得体の知れない代替医療は数あれど、それらを冷静に論じた研究は意外に少ない。盲目的に信じ込むか、逆に根拠のないたわごとだから皆殺しにすべきとか、ヒステリックな物言いは割とあるのだけど。
この本では、医薬品では実際に行われている二重盲検法を同様に用いて、代替医療各々は効果があるのか、何にどれくらいの効果があるのかというところを冷静に検証している。第一章では、経験ではなく根拠に基づいて医学を発展させてきた歴史を大まかに説明している。二重盲検法について知っている人でも医学史として楽しめること請け合い。壊血病の対策をいち早く発見できたイギリスの躍進とか激アツ。
※1:ある物質が持つエネルギーを水に記憶させることで治療薬を作成する。溶液は百万分の一以上に薄められて有効成分の分子が含まれてないかもしれないけど、希釈されればされるほどエネルギーは増幅されるから大丈夫だよ(大丈夫じゃない)。材料は植物、鉱物、生物など様々。ベルリンの壁を材料にしたものもあるよ。
この本の中では、具体的なエピソードは読んで欲しいので省きますが、多くの代替医療は科学的な検証を経てプラセボと同等の効果しかないという結果が繰り返し提示されます。効果があるものも、検証する立場の人が中立じゃなかったり、認知的なバイアスによるものなんじゃないかという検証がなされます。一時的に悪い状態(風邪とか)が平均への回帰でほっといても治ったのを、代替医療を施したせいだと思ってもらう工夫とか。
作中でも、また世の中にも「プラセボでも効果があるのならそれでいいじゃないか」という意見がしばしば出されます。著者はこれに対し、以下のように反論していました。
・プラセボの効果を最大にするために、医師が意図的に患者を騙すことになる
=水平的な立場ではなくなり、患者の自己決定権を阻害する、不誠実な関係を築くことになる
・医師はプラセボ効果を守るために薬効の真実について口をつぐむことになり、医学の進歩がストップする。製薬企業も金のかかる新薬開発を投げ出して砂糖玉販売に終止するようになってしまう
・代替医療自体に害がなかったとしても、代替医療を選択することで主流派の医療を受ける機会損失となり危険
(予防接種を受けさせない親とか)
▼治験でもプラセボ効果が出やすい分野とかはあるそうです。軽度・中等度のうつとか。でも抗癌剤とかだと明らかにプラセボは駄目なことが多いっぽいので、そっち方面までプラセボでもいいんだの民に駆逐されるとやばそうな。▲
などなど。このあたりがヒステリックじゃなくエレガントに書いてあって感じが良かったです。
アメリカでは代替医療の一つであるホメオパシーが、昔から有力者に好きな人が多いとかでFDA(アメリカ食品医薬品局。医薬品の臨床試験とかする。つよいきびしい)の審査抜きでガバガバ売られてたり、イギリスではチャールズ皇太子が代替医療大好きでその効果の程を知らしめるための機関を作って研究者から批判されたりとか、日本とは違う実情があるみたいです。日本でもやってる人はやってるみたいですけど。
巻末には30種類くらいの代替医療の効果のほどが簡略にまとめてあるので、代替医療概論としてもおすすめ。
▼代替医療についてまとめて学ぶのが初めてだったので興味深かった。「多次元DNA手術はチャネリングのテクニックを用いて、DNAレベルで問題のある配列を取り除き、神のような完璧な配列で置き換える治療法です」とか最高にキてる。▲
呪術がその効力を発するには、以上の条件を満たさなくてはいけない。呪術それ単体で存在するのではなく、呪いにかかったと信じる人がいて、それが呪いにかかったからだと信じる社会があって、呪いをかけた人間がいて、はじめて呪術が成立する。呪いにかかったと思わなければ呪いは成立しない。
以前『医療人類学のレッスン』でも書いたんだけど、プラセボあるいは代替医療が効果を発する状況には、似たような構造があると思う。
代替医療を受ける人が居て、それが効果があるものだとする社会が存在して、そのコミュニティでは権威のある施術者が居て。施術者と患者の関係が非水平的(知ってる人と知らない人、授ける人と助けを乞う人)という構造も似ている。実際には何もないのに、なにかあるように見せかけることができるってほんとに魔法のようだと思う。呪術と代替医療とプラセボの類似性が私の中で熱いので、今後も追いかけていきたい。▲
ども、ブクマでは散々突っ込みかましてる本業個人店経営チャレンジなう(死語)な、整体師のオバサンです。
なんだか、
乳幼児の頚椎カイロの死亡事故
首ひねる独自マッサージ後乳児死亡 NPO代表任意聴取:朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASG9631WYG96PTIL003.html
から、
国家資格(あはき法免許)取得者による整体師やリラクゼーションのお店への批判論
なぜ整体やカイロ、無免許マッサージは放置されているか。 - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/716729
へと発展していったのを見て、
なんだかいろいろ考えてたことぶちまけたいなー、
と思ったので、
今までこの「リラクゼーション」と「整体」に身を置いてきた私から見た、いろいろなよしなし事を、まとめてみたいと思います。
とはいっても、反論とか言うんじゃなくて、自分が今まで知ってきた事見てきた事聞いてきた事感じてきた事をつらつらとまとめてみたものです。
あくまで参考に、という感じでとらえて頂けたらなぁ、と思います。
いやぁ書いてるうちにめっちゃ長文になってもた。ごめんなさい。
http://anond.hatelabo.jp/20140421200127
ロリコンは生きていた!! 更なる研鑚を積みコンビニ店長が甦った!!!
http://lkhjkljkljdkljl.hatenablog.com (注:甦ってません)
はてなサヨク Apemanだァ――――!!!
本を読みしだい語りまくってやる!!
http://ch.nicovideo.jp/cayenne3030/
真の社会派記事を知らしめたい!! 青二才 三沢文也だァ!!!
http://ch.nicovideo.jp/huckleberry
ブラック企業対策は完璧だ!! 脱社畜ブログ 日野瑛太郎!!!!
http://dennou-kurage.hatenablog.com
はてな村語りなら絶対に敗けん!!
精神科医の分析見せたる オタクドクター p_shirokumaだ!!!
http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/
http://gallerycraft.hateblo.jp
埼玉県からはてな女子が上陸だ!! デトックス 体調わる子!!!
http://geriharawatako.hatenablog.com
ルールのないブログが書きたいから第三のブロガーを名乗ったのだ!!
めい土の土産にenchantMOONとはよく言ったもの!!
ユビキタスエンターテインメント 清水亮社長だ―――!!!
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/
就活ニュースを配信したいからここまできたッ キャリア一切不明!!!!
揉め事の本場は今や発言小町にある!! 私を驚かせる釣り師はいないのか!!
トピシュだ!!!
そんじゃァァァァァねッ
説明不要!! 140000users!!! 70000000PV!!!
ちきりんだ!!!
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/
http://d.hatena.ne.jp/kyoumoe/
サッカー解説にいつのまにか磨きをかけ ”キノコ” pal-9999が帰ってきたァ!!!
http://pal-9999.hatenablog.com
今の五輪に経済効果はないッッ!! 経済のトリセツ 山形浩生!!!
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/
運営九年の妙技が今ベールを脱ぐ!! 公式から はてなブックマークニュースだ!!!
http://b.hatena.ne.jp/articles
idはないしょだ!!! はてな匿名ダイアリー!
増田たちがきてくれた―――!!!
はてサのデンジャラス・ウルフ hokke-ookamiだ!!!
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/
実戦だったらこの人を外せない!! 超A級ブロガー Rootportだ!!!
http://d.hatena.ne.jp/Rootport/
超一流ブロガーの超一流の喧嘩だ!! ディスプレイ越しに拝んでオドロキやがれッ
MCあ、ざ、な、え、る、なわのごとし!! paradisecircus69!!!
http://azanaerunawano5to4.hatenablog.com
ネットWatchはこの男が完成させた!!
老いた会長は亡くなったッ
俺達は君の冥福を祈っているッッッ
しなもんの登場だ――――――――ッ
http://cinnamon.hatenablog.com
……ッッ どーやらhagexは忘れられた様ですが、到着次第ッ皆様にご紹介致しますッッ
関連
はてなの虚構新聞への憎しみは理解できない。もう謝罪から一週間近く経つのに虚構新聞とタイトルにある記事に憎しみのこもったブクマがつきまくる。
擁護するサイトまで親の仇のように集団で叩き続けるのは尋常ではない。世の中にはハム速とかデマサイトはたくさんあるのになぜ虚構新聞だけ執拗に叩くのか?
世間では猪瀬知事の汚職や秘密保護法案が話題だ。デマの悪質さにしてもEM菌やホメオパシーなどのインチキ代替医療のほうが被害は甚大だ。虚構新聞がいったいどれだけの被害をだしたのか?騙されて恥ずかしいぐらいじゃないのか?第一今回の件で虚構新聞のデマを信じた奴って誰?見たことないんだけど?
いったいみなさんは虚構新聞がどうなれば満足なんですか?
あーわかる。自分はアロマテラピーですごく助けられてきたけど、もし無かったら多分ここまでいくわー。
アロマテラピー、リラックスだけじゃなくて婦人科症状や自律神経に効くものもいろいろあって(その人の体質によって合う物が違う。漢方と似ている)
女性ホルモンのエストロゲンに似た働きを持つ植物(クラリセージなど)なんかも使うんですよ。
自分はそのクラリセージの精油がぴたっとはまり、自然のホルモン療法みたいな物なのか苦しいのがすぅーっと収まる。
表面上はまぁ元気そうにふるまうことができる。買い置きが切れたりすると悲惨ですが。。。
その人に合うものが見つかるまでが本当に大変なんだけど、何か効くものがあるはずなので、西洋医学に東洋医学に代替医療など、具合の良い時にぼちぼち探してみてください。
アロマテラピーも、専門家にきちんと相談できればなかなか馬鹿にしたものでもない力があります。
大変だけれど、そんな自分の体を愛してあげてください。
http://yuma-z.com/blog/2013/05/student_books/ という人のエントリを見て、自分も(学生じゃないけど、)読んで楽しかった本をまとめてみたくなった。
この長い本の紹介を読んで、読んでくれる人や、ほかにおもしろい本を紹介してくれる人が続いてくれたら自分はうれしい。まだ微修正中で、加筆・修正するかもです。
これから紹介する本の順序について、あまり意識していないけれど、なんとなく読んでいる人が多そうな順。下に行くにつれて、読んでいる人が少なくなっていくと(書いている自分は)予測してます。
このエントリで紹介するのは以下の本です。つづきは http://anond.hatelabo.jp/20130530045256 で。
宮部みゆきさんの小説。一人の女性が婚約後にいなくなってしまう。主人公はその女性の捜索を頼まれて、懸命に消息を追う。そして、調べていくうちに、現代資本主義社会の底しれぬ闇が見える――。
とても有名な作品で少し前にテレビドラマにもなったようだ。物語の始まりが冬の寒い時期のせいだろうか、自分は冬の時期に読みたくなる。三日間くらいで読了できるとおもしろさが持続すると思う。
読まれる方は、Wikipediaのあらすじにネタバレの要素があるので注意されたい。Amazonの書評にも、ややバレる要素があるかな。この小説についてはあまり詳細について語ると魅力が半減してしまう気がする。読まれる方はできる限り事前の情報収集を避けて読んでください。
1995年にそれまで350年にわたり証明されなかったフェルマー予想が証明された。そのフェルマー予想をテーマにしたノンフィクション。著者はサイモン・シンさん。翻訳は青木薫さん。
著者のサイモン・シンさんはこの後紹介する「ビッグバン宇宙論」においてもそうだが、説明がとても丁寧だ。わからないことを教えてもらおうとして、わかっている人に聞いたときに下手な比喩でたとえられて、全くわからないという経験をした人は自分以外にも大勢いるだろう。サイモン・シンさんの比喩はわからないという気にならない。なぜなのだろうか。
数学をテーマにした本なので、数学が嫌いな人は手に取ることもないかもしれない。しかし、そういう人もぜひ読んでみてほしい。というのも、この本は数学の「問題そのものを解く」ということが主題ではないから。むしろ数学の問題はどのように生まれるのか、それを解こうとして350年にわたり数学者たちがどのような試行錯誤を続けていったのか、そのもがき苦しんだ歴史の本だからだ。
海外の本はしばしば翻訳調とでもいうべきか、文が堅く読みにくい感じがすることもあるけれど、この本はとても翻訳が丁寧で読みやすい。青木薫さんのすばらしい仕事だ。
自分は単行本(ハードカバー)で読んだ。文庫版だと新しい翻訳者のあとがきなどがついているかもしれない。
ジョージ・オーウェルが書いた小説。ユートピア(物質的・精神的に豊かになる、健康で長生きできるといったような人間の社会が幸せで良い方向に向かう社会)小説の反対、ディストピアを描いた小説。
ここまで暗く描かれるとむしろ読む方の気分は明るくなるような、そんな気にすらさせてくれる小説。ただし、それは読後の感想であって、読んでいる最中は暗いままだけれど。
村上春樹さんの1Q84はもしかしたらこの小説に関連があるのかもしれない。今ググったら、どうやらそうらしい。自分は村上さんの方は読んでいないので何も言えません。(すみません)
この小説が書かれた時期も意味があるし、この小説の中で登場するニュースピークという言語体系の設定は、そもそも言葉とは何なのかを考えるきっかけにもなるだろう。
火車と同じくWikipediaはあまり見ないで読み始めた方がよいだろう。
大崎善生さんの小説。純粋な小説というよりも何割かはノンフィクションかな。
自分は将棋のことは駒の動き方くらいしか知らないのだが、羽生善治さんやほかにも何人かくらいは将棋指し(棋士)の名前を知っている。この棋士の方々は、奨励会という将棋のプロを養成する機関の中で勝ち上がってきた人たちだ。勝ち上がってきた人は晴れて棋士になるわけだが、では、「敗れ去った人たち」はどうしているのだろうか。その人たちをテーマに据えた小説だ。
この小説はけっこうずしりとくる。最初に挙げた宮部みゆきさんの「火車」は小説の範疇ということもあるせいか、なんとなく怖さを感じることはあるが、現実的な切実さ、哀しさまでは感じないかもしれない。この「将棋の子」は、何かを一生懸命やってうまくいかなかった人の哀しさがよくわかるし、そういう体験をしてきた人(あるいは今そういう一生懸命何かに取り組んでいる最中の人)にはこたえるものがある。
ファインマンというアメリカの物理学者の自伝的エッセイ集。著者はリチャード P. ファインマンさん。翻訳は大貫昌子さん。この本もすばらしい翻訳だ。
エッセイ集ということもあって、好きなタイトルから読み始めることができる。エッセイ集なんてつまらんだろう、などと思っている人は読んでみてほしい。物理学者とは思えない言動の数々と、物理学者だからこその言動が少々。そして、その間に驚かされるような洞察が垣間見えるのだ。場合によっては論語みたいな読み方もできるかもしれない。
全般に明るく楽しく描かれているけれど、これは意図的なものだろう。第二次世界大戦のロスアラモス時代には、自分の心にとどめるだけの悲しい出来事も数多くあったのではないか、と自分は想像している。
最後の「カーゴ・カルト・サイエンス」の節はできれば最後に読んでほしい。この節だけは特別だ。物理学がわかれば、もっとファインマンさんのことをよく知ることができるのだろう。それができないのは残念だ。
「プー横丁にたった家」は「くまのプーさん」の続編だ。「くまのプーさん」というと、単なるハチミツが大好きな黄色っぽいクマだと自分は思っていた。そうではなかった。
この本は子供向けの童話だと思われるかもしれないが、読んだことのない大人の方も読んでみてほしい。自分も大人になってから読んだ。著者はA.A. Milne。翻訳は(童話のジャンルでは高名な)石井桃子さん。
プーさんはもともと、著者が自分の息子に聞かせるためのお話だったようだ。こんな話を子供時代に聞かせられたらすごいことだ。
ところどころでプーさんが代弁する著者の考え方は、Amazonのレビューにもかかれているけれど中国の思想家のような、どこか超然としたところがある。このクマがほかの動物たち(と一人の子ども)に向かって話しかける姿が良い。それとプーさんと行動をともにするコブタ(ピグレット)が健気だ。自分は大人になってから読んだせいか、出てくる動物たちの役割に目が向いた。すなわち、物語の筋よりもおのおののキャラクターが人間のどういう面を強調したものなのかを考えてしまいがちだった。子供の頃に読んだならば、もっと無邪気な読み方ができただろうと思う。
サイモン・シン氏の2作目の紹介になる。翻訳も前に紹介した「フェルマーの最終定理」と同じ青木薫さん。(本自体は「フェルマーの最終定理」→「暗号解読」→「代替医療のトリック」(共著)→「ビッグバン宇宙論」、で四冊目だ)
大人になるにつれて、子供の頃に「なぜだろう」「どうしてだろう」と単純に不思議に思えたことへの興味がだんだん薄れていくと思う。すくなくとも自分はそうだった。どうして鳥は飛べるのに人間は飛べないのだろう、なんでお風呂に入ると指がフニャフニュになってしまうのだろう、どうしてテレビは音が聞こえたり絵が見えるのだろう、泥だんごはうまく丸くなってかちかちに固くなることもあるけど、そうでないこともあるのはなぜだろう、カブトムシはかっこいいけど、クモはすこし気味が悪いのはなんでだろう…、などなど。
そういう疑問の中で、人間がずっと追いかけて考えてきた疑問の一つが「この人間が生きている空間はどういうものなのか」だろう。その考え方の歴史をまとめたものがこの本だ。この本をひもとくと、この百年の間に予想もし得ないことが次々に見つかったことがわかる。ビッグバンという言葉はほとんどの人が知っていて、宇宙は一つの点から始まったと言うことは知っているだろう。意外に思えるけれど、今から百年もさかのぼれば、ビッグバンという言葉すらなく、そう考えている人も科学の世界において異端扱いされていた。
宇宙論という非常に大きなテーマを扱っているため、「フェルマーの最終定理」よりも分量があって読むのが大変かもしれない。ただ、自分が読んだ単行本(ハードカバー)には各章にまとめがついていて、おおまかな筋はそこを読めば追えるように配慮されていた(これはうれしい配慮だ。)文庫版のタイトルは「宇宙創成」のようだ。
読み終わったら、ぜひ上巻のカバーと下巻のカバーのそれぞれの色に着目してほしい。
今まで見てきた本を読むとわかるかもしれないが、あまり自分は昔の小説を読むことがなかった。一つには風俗や文化が違いすぎて、いまいちぴんとこないからだろうか。そう思って昔の小説を読むことがほとんど無かったけれど、このモンテクリスト伯はおもしろかった。著者は三銃士でおなじみのアレクサンドル・デュマ。翻訳は竹村猛さん。自分は上に挙げた岩波少年文庫版を読んだ。
復讐劇の代表的な作品だそうだ。「それってネタバレでは?」と思う方もいるかもしれない。そうと知っていてもやっぱり楽しい。引き込まれるようなおもしろさがある。
少し前に「レ・ミゼラブル」が映画になって、そちらの原作も良かった。境遇は何となく似ているのだけれど、「レ・ミゼラブル」が愛の物語なのに対して、モンテ・クリスト伯は純粋に復讐劇だ。その痛快さ。モンテ・クリスト伯の超人的な活躍が楽しい。
自分はまだ一回しか読んでいないせいか、下巻の最後の方のあらすじはうろおぼえになってしまった。もう一度読む楽しみが増えた。今度は岩波文庫版で読もうかな。
森博嗣さんの小説。もともと「まどろみ消去」という短篇集の中に「キシマ先生の静かな生活」という短編があって、それを長編ににしたものだ。
(科学系の)研究者の世界とはどういうものなのかを丹念に追った小説であり、若干の事実が含まれているのかな?と思っている。森博嗣さんは某大学の研究者であった(今では退職されたようだ)人で、その知見がなければ書けない小説だろう。
今Amazonのレビューを見たら、「自分には残酷な小説だった」というレビュー内容もあった。自分は、心情、お察しします、という気持ちだ。ただ、主人公は喜嶋先生と出会えたことは僥倖だったに違いない。この小説の中で登場する喜嶋先生の名言は、本家よりもむしろ心に残る。
北村薫さんが選ぶミステリーを中心とした選集。あるテーマを設定して、そのテーマの中で北村さんが編集者と対談形式でさまざまな物語を紹介していく形式だ。テーマは「リドルストーリー」であったり、「中国の故事」であったり、「賭け事」であったりと様々だ。
編集者との対談は実際の編集者ではなくて、北村さんが頭の中で生み出した架空の「編集者」であるけれど、この対談がとても読んでいて楽しい気持ちにさせてくれる。いろいろな本が紹介されて読みたくなる。そういう罪深い(?)本だ。これを元に幾冊か叢書が組まれた。
その叢書の中で、自分が気に入ったのは「私のノアの箱舟」と「なにもない猫」だ。このシリーズはまだ全部読んでない。だから、気に入ったものは変わるかもしれないし、増えていくだろう。
自分は中国の故事や旧仮名遣いの本は読みづらく感じてしまうので、「真田風雲録」は読めないかもしれないなあ。
海外の人を中心にした伝記シリーズ。主に子供を対象としているためだろうか、シリーズ全体として、文は平易で図や写真を多用している。そう書くとありきたりな伝記に思われるかもしれないが、装丁、ページの中の文と写真の配置の良さが際立つ伝記集だと思う。
全体として、割とマイナーな人も取り上げていたりするし、平和に貢献した人たちを取り上げている点も特徴だろう。気になった人がいたら、その人を読んでみてほしい。
星新一は、多くの人がショートショートと呼ばれる一連の作品群で読んだことのある作家だろう。その人の評伝だ。著者は最相葉月さん。
星新一さんはその作品を読むとところどころに冷徹さが垣間見える。その冷徹さがどこから生まれたのかがわかるだろう。もともと幸せな境遇に生まれ育ったが、途中からどうしようもない災厄に見舞われるからだ。それだけが冷徹さの理由ではないだろう、ほかにもこの本を読めば思い当たる点がいくつかある。それらも書くと紹介としてはやや度が過ぎるのでやめておく。
最後の方で著者は有名な芸能人にもインタビューする機会を得て、実際に星新一さんについて尋ねる。そこも印象に残る。その芸能人はちょうど星新一さんの逆の人生をたどるような状況になっている。
自分はこの評伝を読んで、がぜんショートショートに興味を持つようになった。
SF小説はあまり読んだことがないのだけれど、この小説は良かった。著者はケン・グリムウッドさん。翻訳は杉山高之さん。
SFのよくある設定として、「もし過去に帰ることができるとすれば、その人の人生はどう変化するのだろうか」というものがある。その王道設定を利用して、すばらしい小説になっている。
この小説が書かれた時代は1988年なので、やや風俗や文化の描写が21世紀の現代と比べて現実離れしている点があるけれど、それを差し引いてもすばらしい小説だ。
あまりあらすじをかかない方がよいだろう。http://anond.hatelabo.jp/20130530045256 で紹介する「心地よく秘密めいたところ」と全然違う話なのだけれど、自分には似たものを感じる。
この本は近年読んだ中で最も良かった。
自由への長い道は南アフリカ共和国でアパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃されるまで闘った人々のノンフィクションだ。著者はネルソン・マンデラさん。翻訳は東江一紀さん。
アパルトヘイトという言葉とその意味は何となく知っているけれど、それが具体的にどんなものかを説明できる人は日本の中で多くないのではないかと思う。ネルソン・マンデラさんとその仲間たちは、それをなくそうと政治活動を繰り返す。そしてその度に時の政府の激しい妨害に遭い、その結果そういったグループを作ること自体が違法になり、グループの首謀者たちは収監されてしまう。そこからが圧巻だ。
いかにしてそういう逆境の中で自分の政治信条を保ち続けるか。自分たちの仲間を増やして支持を広げていくか。そして時の権力機構に対して、アパルトヘイトの「非道さ」をアピールし、撤廃にこぎつけるか――。
仲間の反乱分子やスパイへの対処、国際社会へのアピールなど、常人には思いもよらない方法でアパルトヘイト撤廃に向け前進してゆく。ところが、前進したと思ったら後退したりすることが何度も繰り返されるのだ。
この本はネルソン・マンデラさんがアパルトヘイト撤廃後の大統領に選出された直後に出版された本なので、結末に近づくにつれてかなり筆が鈍って、慎重な言い回しが増えていく。現在進行形のことを縷々書くと信用問題になるからだろう。それでもこの本は読んでいて楽しい。
この本を読んだ人は「ネルソン・マンデラ 私自身との対話」もぜひ読んでほしい。自分もまだ途中までしか読んでいないが、より素直なネルソン・マンデラさんの言葉と考え方がわかると思う。(「自由への長い道」についての言及もある。)
ほかにも映画「インビクタス」や、「マンデラとデクラーク」など、映像作品もある。後者の「マンデラとデクラーク」は「自由への長い道」と同じテーマだ。ついでに、youtubeにあった国連の広報映像(日本語訳付き)もリンクしておく。
《89》 「専門医がいないので」と救急車が断わられた。納得できなくても……
http://apital.asahi.com/article/sakai/2013032500005.html
この問題については、発言する医師に熱血な人が多いせいか知らないが、
「僕らも専門外の救急を受け入れなきゃいけないと思ってます! でも司法が許さないんです!」というような論調ばかり見る気がする
しかし実際の所、司法判断がどうであれ、専門外の病態は医師としても診たくない
少なくとも僕はそうだ
この酒井ドクターだって、以前まったく専門外である幼児の心肺停止を受けてしまって、恐ろしかったと書いている
僕が同じような状況に置かれて、尚且つ専門の医師のヘルプが無かったら、たとえ家族や本人が許しても、
「専門の人に診てもらえば、もっとましな治療が受けられるのに…」と罪の意識を覚えることは間違いない
そういうのが嫌で、僕は救急指定病院を辞めた
しかし現実問題として、ここまで極端な例ではないが、夜間救急をやっていた時は似たようなことがしょっちゅうあった
そういう時は、救急隊から問い合わせを受けた時点で「専門の医師は居ませんがよろしいですか」と患者に確認してもらっていた
一応自分に対応可能かどうか(この場合は最適な治療ができるという意味ではなく、朝まで持たせられるという意味)、
救急隊の報告から判断してもいるが、何しろ実際に診てみるまで本当に対応可能な病態かは分からない
まあ口約束など訴訟になればほとんど効力は無いのかもしれないが、自分に対する気休めである
しかし一方で、そんな自己欺瞞を用いてまで無責任にベストでない治療を引きうけている自分に、また嫌悪感が募る
まともな知識もない癖に病人を囲い込んで重症化させるトンデモ代替医療と、僕との間に、どれほど差があると言うのだろう?
そういう意味では心タンポナーデ事件のような判決は、むしろ僕のような医師の恐怖感に正当性を持たせてくれたと思う
見当違いの治療をして助かる命を損ねてしまう恐怖を押さえてまで、救急を受け入れるのは問題であると明言してくれた