はてなキーワード: SF小説とは
崩壊学園や崩壊3rdくらいまでは、萌え萌え的な平成の日本の萌えカルチャーを強く意識した作風でありつつ、崩壊現象に侵食される世界で抗う少女というシリアス混じりのアツい少年漫画的な展開をベースにしてる。SF的な背景は作り込まれてはいるけどカラーとして強く出てるわけじゃなく、アクセントとかテイストの域に収まってる。ただ、収まってるがゆえに詳細な背景が何年も伏せられていて「そういうことか!」となるまで時間がかかりすぎるから、これも運営型ゲームとして興味を持続させるためのやり方ではあるんだけどもどかしくはあるな。
原神はファンタジーで、スターレイルはスペースオペラで、どちらもSFというかオーバーテクノロジー的な要素はあるけれどもスパイスにすぎず、前2作の少年漫画的ノリよりは洗練された、穏やかでじんわり・しんみり来るヒューマンドラマを主体としてる感じになってるな。萌え萌え感も特に全面には押し出してなくて、デザインをよく見るとフェチを感じるけれども、露骨さはなくて令和のオタクカルチャーらしくこれも洗練されてる。萌え的なものも摂取できるけれど、それを主眼として飛びつくもんではないのよ。グラブルみたいな感じと言えば近いかもしれない。
で、ゲームという媒体で得られるナラティブというのは、例えどんなすぐれたSF小説と比べたとしても、やっぱり別モンなのよ。
ホヨバースのゲームはそれを特に理解していて、ゲーム内だけでなく動画や音楽や催しとあらゆる表現を使って多角的に作品観を彫り上げていく技法に長けているし、作品間の特に明示するわけではない些細なシンクロニシティみたいなものが大から小まで散りばめられてる。そういうところを汲み取れるくらいになると、小説やら萌えゲーやらが比較対象にならないことが理解できると思う。
時間停止したモノに衝撃が蓄積されるやつ
あれの歴史を調べたい
SFにおける時間停止モノの歴史はH・G・ウェルズ「新加速剤」が元祖だろう……
SFにおける「時間停止」ギミックの歴史としては先行研究として以下の私家翻訳を見つけた
#ライマン・フランク・ボーム #翻訳 捕まった《時の翁》 - カスガの小説 - pixiv
▼『オズの魔法使い』シリーズの作者として知られるライマン・フランク・ボーム(1856年~1919年)の童話集“American Fairy Tales”(1901年10月)に収録された“The Capture of Father Time”の拙訳。私が知る限りでは、世界で最初の「時間を止めてイタズラをする話」です(ウェルズの「新加速剤」は1901年12月)。
▼「透明人間になってイタズラをする話」の元祖が紀元前4世紀のプラトンの著作にまで遡れるのに対して、「時間を止めてイタズラをする話」の歴史は意外に浅く、時間停止ジャンルの古典とも呼べる上の両作ですら1901年、「性的なイタズラをする話」となると、1962年のジョン・D・マクドナルドの『金時計の秘密』まで待たねばなりません。あるいは、これより古い時間停止作品の例があるのかもしれませんが、今のところ私には見つけられていません。
うーむ、「時間停止したモノに衝撃が蓄積される」というサブジャンルについてはなかなか情報が見つからない
いわゆる「ステイシスフィールド」「停滞フィールド」と呼ばれるギミックとも隣接しているんだよな
「停滞フィールド」のWikipediaにクラフトワークもビタロックも言及がある
英語版Wikipediaの「Stasis (fiction)」にも有力情報なし
それ以前で見つけることが出来るかどうか
DLSiteの同人誌で「時間停止」タグが付いたものを古い順にみてみるか……うーん、2000年より古くは調べられないのか
しかし古めの作品で快感蓄積系はぱっと見だと見当たらないように見える
エロジャンルにおける時間停止モノで快感が蓄積されるギミックの歴史はもうちょっと浅いのかもしれんな
(関係ないが、同人誌で取り扱われたものの流行の変遷って後世の人が調べるの超大変だな……資料が散逸している)
ドラえもんのひみつ道具で時間停止系のものはないか?そのなかで衝撃蓄積するタイプは無いか?
pixiv百科事典の記載が全網羅しているとは思わないが、簡易的に調べるにはまあいいだろう
「ウルトラストップウォッチ」「狂時機」「時門」「むだ時間とりもどしポンプ」「ちょっと待っタイマー」「わがまま時計」「タイムコントローラー」「倍速時計」どれも蓄積しなさそうだなあ……
ドラえもんのひみつ道具で無いなら……もうないんじゃない?という気もするが
星新一のショートショートだとどうだ?いや、結構読んだけどちょっと覚えがない(忘れているだけかも)
え、まさか「クラフトワーク」が元祖?そんなわけないという勘が働いているんだがな……
調べ方が悪いな……
時間停止能力を持つキャラの一覧みたいなリストはニコニコ大百科とかにあるから、上から順番に見ていくしかないかもしれない
あるいは時間停止にこだわらず衝撃を貯めておけるギミック、ガジェットの呼び名を考えるべきか
ワンピースの衝撃貝みたいな(そういえばノロノロの実もまんま衝撃蓄積できるタイプのギミックだ、2004年)
一旦調査ここまで
日記です
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あっ
ジョジョ3部の「ザ・ワールド」の時間停止中にラッシュ突きして相手が吹っ飛ぶってことはこれも時間停止中に衝撃蓄積してるじゃん!
発動者が超高速で動いているから発動者が100回殴れば通常速度世界側では一瞬で100回殴った衝撃がやってくる(スタープラチナ・ザ・ワールドの時間停止中オラオラで相手が吹っ飛ぶのも納得だ)
加速装置ギミックも一応調べるか……サイボーグ009だと衝撃蓄積みたいなことはしてなかったと思うんだがな……
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ロックマン2(1988)のタイムストッパー、これは時間停止中に他の武器使えないから衝撃蓄積できない
敵キャラを時間停止させて(凍らせて、みたいな)攻撃叩き込むみたいな……
逆にSF小説だと時間停止中に衝撃蓄積の概念は育ちにくいんじゃないかという予感もある
衝撃蓄積and解放はビジュアルイメージが伴ったほうが面白いと言うか文章オンリーだと映えないというか
……いや、いやいや早計だぞ
まずは「新加速剤」読むべきでは?という勘が働いた
加速装置系だしな
Kindleでサクッと買って読みましょうね……Kindleに無い!はぁ〜
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一旦この件は保留
Claude 3 opus:
地球に何かが飛来して事件が巻き起こるという話の元祖を特定するのは難しいですが、近代SF小説の先駆けとなった作品としては以下のようなものが挙げられます。
これらの作品は、地球外生命体や未知の世界への関心を喚起し、その後の多くのSF作品に影響を与えました。ただし、「地球に飛来して事件が巻き起こる」という設定に限定すると、H・G・ウェルズの「宇宙戦争」が最も直接的な元祖と言えるでしょう。
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補足:「月に行った男」なるものは検索しても見つからなかった。気球で月へ行った「ハンス・プファアル無比の冒険」のことだと思われる。
私は若い人が私の世代で流行ったものをどう捉えるのか学事性時代から好きである
状況が許せれば布教したりしている
その御蔭で子がドット絵が興味を持つようになったり
当時の知識を教えた子が学校でジョーセンやらミニ四駆やら流行らせたりするのを聞くのは少し面白い
逆にあわないものもある。PSの時のゲームだったり、初期ポケモンは割りと評判が真っ二つだ
それはそれで一切問題ない。
スマホが生まれたときからある子供がどう昔のゲームを捉え認識して腹落ちさせるのかを聞くのは
だがこれは流行らなくていいだという文言が近所の小学生の家から聞こえてきた
これは超えんでええやろ(真顔
「サンドイッチ」を使えばサンドイッチについて語っている増田を見つけられるし、「ポリティカル・コレクトネス」を使えばポリティカル・コレクトネスについて語っている増田を見つけられるところなんだよね
「おはようございます」を使えば「おはようございます」って言う人に出会えて「おはようございます」って返すことができるし
「徳川慶喜」を使えば徳川慶喜に関心のある増田に出会えるんだよ。すごいよね。徳川慶喜について考えることなんて人生で2回くらいしかないのに
「神林長平」を含む日記をみるとこの人はSF小説が好きなんだな~!って増田に出会えるし
たまに史上初のキーワードを書いてしまい前人未踏の気分を味わえるところもいいよね。「鈴木亜久里」を含む日記や「セトルメント」を含む日記のようにね
昨日、博多駅の丸善にユリイカのpanpanya特集号とpanpanyaの漫画を買いに行った
panpanyaの漫画は大分前に全部手放してしまったから、買いなおして評論と読み比べながらニヤニヤしようと思ったのだけど、漫画の方は一冊も売ってなかった
バスターミナルの方も行ってみたけど、こちらも一冊も置いてなかった
仕方ないのでユリイカだけ買って、今日地元のイオンのヴィレッジヴァンガードに行くことにした
久しぶりに渡るイオンの建物二つをつなぐ陸橋は塗装が剥げたり、階段部分の金具が錆びたりしていて時の流れを感じさせた
陸橋を歩く間に祖父母と小学生くらいの子供という組み合わせにのみ二度すれ違い、60歳で第二次性徴来る世界みたいだって思った
建物の中に入って、エスカレーターに乗った時にそばに硬貨を入れて動かすタイプのマッサージチェアが3つ並んでいた
頭まで覆いかぶさるタイプの近未来的なデザインのやつで、見たままをいうと宇宙船の操縦席みたいなやつ
三席とも埋まっていたんだけど、一番右端の席の人が気持ち良すぎて眠ってしまったのだろう
太ももの上とかに置いていただろう、アクエリアスのペットボトルやオロナミンCを床に落としてしまっていた
陶芸体験をやっていて、子供たちが手を泥だらけにしているのがエスカレーターから見えた
人があまり集まっておらず、ショッピングモールの煌々とした照明とつるっつるの照り返しのある床の間での陶芸は少し異質に思えた
清潔感を保ちながら誰かの生活になじんでいるイオンには、子供時代に読んだSF小説で描かれた未来の生活感を少し思い出した
他に目的もなかったのでヴィレッジヴァンガードでpanpanyaの漫画数冊と座薬みたいな見た目のソフトキャンデーを買って帰った
ユリイカを読んだら、panpanyaの漫画って私小説な感じとか、写真から風景を起こして書いている感じとか、水木しげるとかつげ義春の影響あるよねとか書いてあった
路上観察とかの赤瀬川源平の系譜だと思って読んでいたので、そういう考え方もあるかと思いながらパキッとソフトキャンデーの皮膜を奥歯で噛んで潰してねちっこい甘さを味わった
浅野いにおは写真加工で風景作っていたよなと思い出し、手で書かれているか加工しているかの違いこそあれ、ヴィレッジヴァンガードは風景が写真元な漫画を好んで置く習性があると思った午後だ
https://anond.hatelabo.jp/20240110062918
※追伸 23増田文学TOP200も作りたい。新タグ「増田文学」+αで作ろうかなと
数か月に1度くらい長文を投稿するが、そこそこバズっている(今年は数十から数百だった)著者が、釣りに頼らずはてな匿名ダイアリーでバズるには、次の条件が必要だと示す。
当たり前のことかもしれないが、その一つずつについて具体例を挙げていく。
なお、ここでいう釣りとは、虚偽の出来事を書くことと、他人の神経を意図的に逆なでしてブコメを稼ぐ方法の両方を指す。
筆者はこの方法を取らない。嘘をつくことで、起きなかった出来事で人々を怒らせたり不安にさせたりしても意味がないし、他人を不快にする表現を多用することは、政治的に対立する・相反する利益を持つ相手との対話の窓を閉ざすので有害だからだ。
ヤバい過激派の意見ばかり見てきた著名人が、その反対側の過激派に染まってどんどん視野が狭くなり、どんどん口汚くなっていくのを何度も見てきており、うんざりしている。
暗い話はやめよう。以下が本題だ。
参考資料にも書かれているが、1000を超えるブクマを稼ぐのは、魂の叫びがほとんどだ。
具体的には次の増田がそうだ。
素人童貞の32歳が彼女を作ろうとマッチングアプリを使ってみた結果
この増田は明確に誰かを非難することもしていないし、口汚く罵ることもしていない。つらい中で前向きな結論を出し、行動に向かっている。にもかかわらず、あまりにも深い悲しみが伝わってくるのでバズったのだろう。何百人もが一言書かずにはいられなかった。
個人的経験だが、数百程度のブクマだとツイッターでちょっとバズる、せいぜい数十のRTがされるくらいだが、1000を超えるブクマを稼ぐと、5chやyoutube、個人のブログなどでも言及される。ツイッターでも数千RTされているのを見た。
【22時追記あり】「三体」が好きだった人にオススメしたいSF小説・前編。
ベストセラーであった「三体」を読んだ読者に向けての記事だが、母数が大きいのでかなりのブクマを稼いだ。
とはいえ、これだけ書くにはある程度の読書量が要求される。言い換えるならば、読書習慣が無いとだめで、一朝一夕に書ける内容ではない。少なくとも数か月の準備がいる。
積み重ねが必要であり、簡単にバズることを目指している書き手には向いていない。
フィギュアスケートの見せパン、新体操のレオタード、陸上のブルマー
こちらもそうだ。
多くの人がテレビで触れる女子スポーツ選手の衣装について、「なぜ?」と思ってもネットで調べても細かい経緯はまでは出てこないことについてまとめられている。
また、ブルマ増田がブコメを稼いだのは、上記の共感性も理由だ。
つまり、国民の多くが学校に通っており(学園物の漫画やドラマが途絶えない訳だ)、ジェネレーションギャップに驚いたことがあり、保守であれ革新であれ自分なりのジェンダー規範を持っている。ブルマーというのはすべての条件を満たしている話題だ。
ネット記事なんかでも昔の学校と今の学校の違いなんかが定期的に特集されるのもそれが理由だ。
これらは有益な経験談であり、健康問題ということで共感性も稼いでいる。
もしこうなったら……の対処法は誰もが関心を持っており、ブクマを稼ぎがちだ。
今までに紹介した増田の多くは、「文章がうまい」というコメントがある。
文法の誤りの有無、明確な主語と述語、必要以上に複文重文を多用しないのも大事だが、同じくらい大事なのが起承転結またはIMRADに従った文体だ。
冒頭に何について述べるかを書き、論理的に経緯を書き、結論を示す。
何が起きたかをだらだらと書くのではなく、短くしていいところはどしどし省略する。
そうしないと、よほど引き込まれるような文章を書く才能がない限り、そもそも読む気にならないだろう。
ただし、これは文章力のせいなのか、健康診断あるあるでウケたかは不明だ。
ちなみにこれを書いたのは自分だが、意図的に登場人物の性別をぼやかし、男性とも女性ともとれるようにしている。そのほうが共感されやすいようだ。
参考資料にも投稿数の少ない朝のほうがバズるのではと推測しているものがある。
しかし、本記事はちょっとした実験として、夕方に投稿することにする。
【翌朝追記あり】劉慈欣「三体」の好きなところと微妙なところについて
就寝時には400を超え、翌日は461、昼までに471まで行った。その後は数日かけて481件で止まったようだ。
【22時追記あり】「三体」が好きだった人にオススメしたいSF小説・前編
昼休み前にファーストブクマして(11時半過ぎにくらい)、昼休みを過ぎても伸びなかったが、ある時点で3ブクマを超え、帰宅間際に30に伸び、みるみるうちに40になった。電車の中で80を超えた。帰宅時間とバズるのが重なったか。帰宅間際で100。その後はぐんぐん伸びて行って翌日には700を超えた。
それ以上細かい記録は取っていないが、通勤時間・休み時間・帰宅時間・夜あたりに伸びている。ある程度の内容があり、かつ運が良ければセルクマでバズることも考えられる。
長い文章になると読むのが面倒なので、章や節に分けるといい。
具体的には「*」を使った見出しだ。
また、場合によっては太字を用いるといい。
現に、上の三体の記事は、本のタイトルや著者名で太字を用いている。
多用しすぎると鬱陶しいのでほどほどに。
以上。
自分ニワカなんだけど、SF小説を最近読み始めた。と言っても遅読+ニワカなのであんまり量は読んでない。好きだったのは「三体」シリーズ、「プロジェクトヘイルメアリー」「星を継ぐもの」「夏への扉」とか(☓☓はSFじゃないだろって批判は受け付ける)。あとは昔から星新一が好きだったから短編集はだいたい読んでる。最近のやつだと柞刈湯葉もすごい好き。出版してるやつはだいたい読んでる。
なんとなくここまで色々読んでみて、SF小説の展開ってだいたい↓みたいな感じだなぁって勝手に思ってる。
①未知との遭遇と解析・解明。現実と地続きの理論。世界観の説明。
②①で説明した世界での冒険。フィクション味が強くなるけど「そういうもの」として理解はできる。
③②を通して世界の真理的なものにたどり着く。ナントカ粒子とかナントカ次元とか出てくる。
自分が好きなのは主に①②の部分で、③が出てくるとちょっと萎える。俺様理論じゃん。なんでもアリじゃんってなっちゃう。
「三体」シリーズも前半の宇宙社会学の下りくらいまでは面白かったけど後半は③味が強くて萎えちゃった。
「星を継ぐもの」は最初から最後まで①だったので個人的にはすごく良かった。続編は読んでたら③味が強くなりそうだったので途中で止まってる。
完全に偏見なんだけどSF好きの人って③が好きな人が多い気がしていて。「SF オススメ」とかで検索しても好みのものがあんまり出てこなくて困ってる。
SF好きの人ってSFのどのへんが好きというか盛り上がりポイントなの?
不快にさせちゃったらごめんね。
(追記)
色々コメントくれてありがとうね。意外と自分と似た好みの人がいるみたいで嬉しかったよ。挙げてくれたやつ面白そうなやつが結構あるのでよんでみるね。
「クォンタム・ファミリーズ」は並行宇宙から流れ込んできた情報をきっかけに物語が進む。自分の娘と名乗る相手から受けたメッセージを手掛かりに、作家である主人公はもう一つの世界に入りこむ。そこでは妻との関係も良好で、作るのをためらっていた子供もいる。自分は作家ではなく、ブロガーで政治活動をしてコミュニティを作っているらしい世界に適応していこうとするが、さらにほかの世界が絡まってきて……というお話。
「クリュセの魚」は未来の火星を舞台に、自分と同じ日系人の優しいお姉ちゃんとの出会いから始まるおねショタに見せかけて、お姉ちゃんが今は亡き日本国に関するとんでもない秘密を抱えていたっていうお話で、さっき書いた「日本沈没」の精神的な続編というくだりから思い出した。舞台は遠い未来で、日本という国家が他国に吸収されてアイデンティティが失われているからだ。
「走馬灯のセトリは考えておいて」はVtuber小説なんだけど、「接続された女」みたいな暗鬱な感じじゃなくて、現代の推しの文化を肯定的に描写していて楽しい。
「ヒト夜の永い夢」は仮想の昭和史もので、意外な人物が意外な形で出てくるので歴史を知っていると深刻なストーリーなのに笑ってしまう。登場人物が男性に偏っているのは往年の少年探偵団へのオマージュだろうし、だから世界の謎が女性の姿をしている。下ネタが多いのは「屍者の帝国」との差別化だろう。
この人は創元SF短篇賞出身の中でも頭一つ抜けている。どれを読んでも大体面白いんだけど、まずはグロ描写もあるけど最初の「盤上の夜」と、あえてユーモアSFである「超動く家にて」をおすすめしたい。
さっき「allo, toi, toi」を紹介したけど、「BEATLESS」が面白かった。人工知能・機械の女の子と主人公の男の子という手垢のついたようなモチーフなんだけど、女の子のほうがあくまで自分は人間ではなく機械だと一貫して主張し、責任を取るのはあなただという。これはシンギュラリティを迎えたAIが人間との信頼を築く話なのか、完全に人間を手玉に取っているのか、みんなはどう読む?
「あなたのための物語」は末期がん苦痛の中で孤立し、尊厳もなく死んでいく描写が冒頭にあり、なぜそうなったかが作中で語られていくのだが、二度と読み返したくないほど壮絶。
サイエンスを信じているという意味では藤井太洋も候補に入ると思うんだけど、あまりにもオプティミスティックなのと、意識の高さと言うかビジネスの描写が面白いとは感じられなかった。今までの日本のSFでは見られないタイプだし、優れているんだけど肌には合わない。
あと、ミシェル・ウエルベックのとある作品が人類の未来を描写するんだけど、ジャンルがSFってことを言うとネタバレになるからどれかは言えない。
ちなみに今読んでいるのがフレドリック・ブラウンの全短編集で、星新一の源流の一つなんだけど、自分は最新のSFと古典SFを交互に読み、それに飽きたら純文学に走り、さらに飽きたらノンフィクションをぶっ通しで読むという癖がある。
読書系の増田を書くと普段ブクマしない人が来てくれるので楽しい。
(翌日追記:平野啓一郎も「ドーン」ってSFを書いていて、政治色が強いけど面白かった)
そういえば「竜の卵」いいよね。civilizationのゲームといい、小泉八雲「安芸之助の夢」といい、僕は箱庭系の世界が好きなんだ。コンウェイのライフゲームをぼーっと見ているのも好き。
全然関係ないけど、キム・スタンリー・ロビンソンの「火星三部作」で、火星の大地を巨大レーザーで照射して運河作っちゃうシーンが好き。
また早川書房 翻訳SFファンタジイ編集部のツイッターに捕捉されてて吹いた。これが推しに認知されるってやつだろうか?
ブクマが700まで行った。どひゃー。
そういえばブコメで女性で宇宙を書く作家多いじゃんって突っ込まれてたけど、ここ数年を含めると確かにヒューゴー賞・ネビュラ賞も大きく顔触れが変わっているね(アメリカでは受賞者の多様性をめぐって大きな議論があったんだけどそれ以来)。基礎資料に当たってなかったのはまずかった。
どうも僕は最新の文学を追うというよりも、数十年単位で物事を見ている傾向にあり、というかここ三十年を最近とみなしているところがある。これが歴史に対する興味由来なのか、僕の年齢のせいなのかはわからない。
確かにたくさんの作品を薦めすぎてしまったようだ(前編で書いた条件で絞りはしたものの、それ以外のものを含めればいくらでも薦めたい作品があるし、漫画だってある)。それでも、ふと思い出したのがJ. J. アダムス編「黄金の人工太陽 巨大宇宙SF傑作選」で、「三体」が好きな宇宙ヤバい系で短編なので手に取りやすいんじゃないかな。
なんで小松左京「虚無回廊」が出てこないのかっていうと、一時期逆に大きなスケールの物語に対する興味が薄れてた時期があるのだ。それを好む自分が「三体」で久しぶりに呼び覚まされたのだ。
ではまた。
「最後にして最初の人類」は現代の人類から数えて第18番目の人類の進化を描写する奇書で、巨大な脳みそだけの存在になったり、知性を退化させてトドかアザラシみたいになってしまったりと、何億年にも及ぶ人類の歴史が豊かな空想力で描かれる。プロットとキャラクターは極めて希薄で、現代の作家がこんな作品を書いて売れることは考えにくいのだけれど(ほぼ設定資料に近いかも)、個人的にはお気に入りと言うか性癖に近い魅力を感じる。
「スターメイカー」はそれをさらに発展させたもので、時間と空間を越えて精神が銀河を飛び回り、エキセントリックなエイリアンの生態の設定を惜しげもなく披露しつつ、それが銀河の歴史にどのような影響を与えたかを語る。そして、この宇宙を創造した存在の意図を探求する旅をする。光速の限界があるため、その旅やエイリアン同士の交流はテレパシーで行われるという設定はSFとしては苦しいが、宇宙創造の目的たる究極の歓喜の瞬間を目指すヴィジョンは美しい。残念ながら、その瞬間までには人類はとっくに滅亡していることが示唆されるんだけどね。冷えて寿命を迎えつつある宇宙で必死に命をつなごうとする生命の描写は壮絶。
「アッチェレランド」は指数関数的に発展するAIを10年ごとに描いた小説で、タイトル通り加速のスピードがとんでもない。最初の21世紀は現実世界と地続きなんだけど、21世紀半ばには進歩しすぎたAIが地球を解体してダイソン球を作り始め、その過程で地球のすべての化石だとか地質だとかをアーカイブ化しはじめる。人類は暴走するAIを止められなくて太陽系の辺境に追いやられていく。その途中でエイリアンともコンタクトを取る。
これはとある一族の三代にわたる因縁話でもある。最初の世代では夫がAI・特異点信奉主義者でコピーレフト大賛成、妻がガチガチの保守主義で著作権とかに厳しく、しかもSMプレイの女王様だ。2代目は妻が夫を無理やり犯すことで妊娠した子どもだという、ドロドロの設定。
「皆勤の徒」は遠い未来の地球で、地球外生命体に奴隷として使役されるコピー人間の苦悩を描いている。この短篇集は優れた言語感覚、日本語の漢字表記とルビの可能性を拡張した造語であふれており(というか酉島伝法の作品はだいたいそう)、異文化に触れたときの驚きや、似ているけれども少し違う文化に対する戸惑いが感じられる。ただし、かなり読解に力を要するので、場合によってはネタバレ覚悟で世界観を通常のSFの用語で説明した巻末の大森望の解説を先に読んでもいいのかもしれない。
「宿借りの星」はとある惑星で地球人類との宇宙戦争に勝利した昆虫型生命の弥次喜多道中記で、舞台や固有名詞こそ異質だがストーリーそのものは非常に読みやすくなっている。まったく異質なものを作り出すことにかけてはこの作家は他の追随を許していない。そして、滅ぼしたはずの人類がどこかに生き残っているのでは? という疑惑から物語は不穏になっていく。
天文部だった主人公が宇宙に出ていくという意味でもすごく夢がある。
まずは前述したH・G・ウエルズの「タイム・マシン」の遺族公認続編「タイム・シップ」が面白い。前作で行方不明になってしまったヒロインを救うために、再び未来に旅立ったはずが、なぜか前回とは似ても似つかない未来にたどり着いてしまう。
時間旅行のたびに歴史改編がなされ、パラレルワールドが生成されてしまうとしたら、主人公はどうやってヒロインと再会するのか? いっそ歴史を改変してしまってもいいのか? さまざまなジレンマに悩まされる冒険小説だ。
また、この著者は「時間的無限大」という作品も書いている。これは宇宙最強の種族ジーリーを扱った「ジーリークロニクル」の一編だ。作中世界では、人類はクワックスというエイリアンの支配を受けており、それに対抗する手段を知っているという「ウィグナーの友人」という、とある思考実験にちなんだ名前を持つ謎の団体が暗躍する。主人公は父親との(正確にはその再現人格との)屈折した関係に悩んでいる。作中に出てくるタイムマシンは、少なくとも現代の物理学とは矛盾しないらしい。ちょうど90年代の「ニュートン」で紹介されていた。
で、確かこの作品だったと思うんだけれど、人類もクワックスもジーリーという宇宙最古・最強の種族のテクノロジーのおこぼれで生活してるんだけど、そのジーリーでさえ恐れている存在がいる……というのがこのシリーズの基本設定。
なお、同一世界観の短編集が「プランク・ゼロ」「真空ダイヤグラム」にまとめられていることを最近知った。それに、長編も結構邦訳がある。未読だけど気になる。
短編集「ウロボロスの波動」は高校生時代に読んですごく好きだった。実際にかなりありそうな宇宙探査が描かれていたからだ。太陽系に侵入してきた小型ブラックホールを捕獲して天王星を周回する軌道に乗せるという設定と、作中の謎解きがすごく魅力的だった。
ただ、なぜかそれ以降の「ストリンガーの沈黙」「ファントマは哭く」が読めなかった。キャラクターの会話や背景となる政治の設定がかなり説明的で、ぎこちなく感じられたからだ。読むのに気合がいる本は、持っていてもあえて図書館で借りることで、期限を決めるという強硬策があるが、まだ試していない。
「オーラリーメイカー」「法治の獣」。とにかく事前情報なしで読んでほしい。日本のファーストコンタクトものの第一線に立っている。とにかく奇抜なエイリアンが出てくるし、どうやら知的生命体の連合らしきものが確立されていく歴史の一部らしいのだが、この「オーラリーメイカー」という宇宙人の種族の作り上げたシステムは、素晴らしく絵になる。
おなじみクトゥルフ神話の創始者の一人。前にも書いたけど、ラブクラフトの作品は知識欲に負けて禁断の知識に触れて発狂するか未知の存在に拉致されるかするオチばっかりなんだけれど、人類は宇宙の中では取るに足りない存在なんだという絶望感が僕は好き。
SFを紹介するのが趣旨なのでエイリアン(地球外の神々や人類以前の種族)の歴史の壮大さを感じさせてくれるのをピックアップすると、南極探検で発見した人類以前の知的種族を扱う「狂気の山脈にて」や、異種族の図書館に幽閉される「時間からの影」だ。侵略ものとしては「宇宙からの色」かな。ニコラス・ケイジがこれを原作した映画で主演を務めていたはず。
ダンセイニ風のファンタジー作品も好きだ。読みやすいとは言えないが、ラブクラフト全集を読んでほしい。というかアザトースの設定が好きすぎる。元ネタのマアナ・ユウド・スウシャイそのままだとしてもね。
「ブラインドサイト」についてはこちらに書いたので、「6600万年の革命」について。巨大小惑星の中で暮らす人類と、それを管理するAIの物語だ。彼らは銀河系にワームホールのネットワークを作る旅路に出ているのだが、もはや地球の文明が存続しているかどうかも定かではない。すでに正気を失いそうな時間が経過しているが、使命をひたすらこなしている。
管理AIは人間の知能を越えないようにギリギリ調整を受けている。そのことから「チンプ」つまりチンパンジーとあだ名がつけられている。とはいえ、地球時間で6600万年が経過していると、「もしかしてシンギュラリティ迎えたんじゃない?」みたいな出来事があり、人間がAIに対してレジスタンスというか隠蔽工作をする。バイタルを始め何から何まで知られている人類は、AIに対して何ができる?
アシモフの例えば「銀河帝国の興亡」なんかはシリーズが進むと「鋼鉄都市」や「はだかの太陽」などの「ロボットシリーズ」とクロスオーバーして行って、確かにアシモフが発表順に読んだほうがわかりやすくなるんだけど、さすがに全部読む前提で書くのはちょっとしんどかった。個人的にはアシモフは「黒後家蜘蛛の会」というおっさん萌えの短編ミステリがおすすめ。英米の文学や地理に関する雑学が無いとわからないところもあるけど、口の悪い仲良しなおっさんの同士のじゃれあいを読んでなごんでください。
堀晃の「太陽系から3光日の距離に発見された、銀河面を垂直に貫く直径1200キロ、全長5380光年に及ぶレーザー光束」が出てくる「バビロニア・ウェーブ」はハードだなって思ったんだけど、どういう話か思い出せなかったので省いた。まずは「太陽風交点」かな?
あと、SFじゃないんだけど「マン・アフター・マン」あたりも未読だったのでリストに入れなかった。人類のグロテスクな進化という意味では、上記条件は満たしていたと思う。「フューチャー・イズ・ワイルド」は読んだ。
ダン・シモンズの「ハイペリオン」四部作はSF全部乗せだし、AIの反乱だとか人類が進化した宇宙の蛮族だとか愛が宇宙を救うとかとにかく壮大なんだけど、とある場所で増田では評判の悪い(?)「夏への扉」以上に男性主人公に都合のいい描写があるのが欠点。あと、それ以外の作品はもっと男性に都合がよくなっていて、保守的な僕もちょっと「おや?」って感じた。でも、「三体」にどっぷりハマった人だったら好きになると思う。「三体」よりも前の90年代SFだから時代背景を知ったうえで、加点法で楽しんでください。
あと、全然エイリアン・宇宙SFじゃないんだけど、今注目しているのは空木春宵で、この人は東京創元社の年間傑作選やGenesisですごくいい作品を描いてる。どれもいいんだけど、たとえば「地獄を縫い取る」は「アリスとの決別」や「allo, toi, toi」に並ぶロリコン・ペドフィリアを扱った名作に並ぶ。
エイリアンSFも出てくるけど、「世界の中心で愛を叫んだけもの」「ヒトラーの描いた薔薇」のハーラン・エリスンは人種差別を扱った作品も書いていて、これもいい。穏健派の黒人男性がテロリストに転身してしまう作品はつらい。とかくエリスンの絶望と怒りは若い人に読んでもらいたい。
自分が一番SFを読んでいた時期は、今と比べて女性作家が推されるずっと少なかったし、さらに自分は古典を好んで読んでいた。アジアの作家が紹介される機会も少なく、そういう意味では感受性のみずみずしい今の若い読者がうらやましい。
後は、女性作家で今回のテーマである宇宙を扱った作品は男性よりも少ない気がするのだが、よく考えてみればル・グインの「ハイニッシュ・ユニバース」があるし、ティプトリー・ジニアも「たった一つの冴えたやり方」で始まるシリーズがある。スペースオペラでは「叛逆航路」のアン・レッキーもいることだし、単純に探し方が悪いのかもしれない。
最近短編ばっかりで腰を据えて長編を読んでないな。銀河系で忌み嫌われた人類の唯一の生き残りが活躍する「最終人類」とか、面白そうなのがいっぱいあるので、そのうち読みたい。
というか、僕の選んだ作品の他にもっといい作品を知っている、勧めたいという方は、どんどんトラバやブクマで追記していってほしい。
気が向いたらまたなんか書きたいな。まだおすすめしたいSFもあるし、池澤夏樹の世界文学全集を9割読んだのでその感想も書きたいし、かなり疲れるから数ヶ月後にはなるだろうけど。
【翌朝追記あり】劉慈欣「三体」の好きなところと微妙なところについて
はみ出たのでこちらに。