「ノスタルジック」を含む日記 RSS

はてなキーワード: ノスタルジックとは

2023-09-23

となりのトトロって、ノスタルジック物語ではあるんだけど、その郷愁の中に「かぁちゃんの腹の中に還りてぇ」というニュアンスを感じる。

まずファーストシーンでトラック引越し道具の中にメイとサツキが潜んでいる時点で何かを予感させるし、ボロ屋の2階に向けた暗い階段は胎内めぐりよろしく暗闇の中に未知との遭遇があるし、メイが底の抜けたバケツを見つけるのは穴の空いたバケツ=日常を通り越して未知の世界を覗き込むチューブを手に入れた隠喩だろうし、トトロ出会う獣道が子宮的なニュアンスを持っている。

最終的にメイとサツキ母親に会えて良かったね、なんだけど、そこに精神的な成長は見当たらない。いやいいんだけどね。かぁちゃんに会えて良かった。めでたし。

2023-06-29

久石譲音楽ガチ恋しているVtuberへの恋

なんなんだろうなこの想い

久石ノスタルジックを描いているだけなのに旋律Vtuberオタクの恋心を歌う

この気持ち多分星川サラにガチ恋している人なら正確にわかると思う

正反対なはずなのに、憧憬星川と重なって、心に突き刺さる

2023-06-25

小学校配達に行った

Uberってたら届け先が小学校だった。

すわアプリの住所ずれかとテンションが下がったが、備考には正門のインターフォン推してくださいと書いてあった。

あぁじゃあちゃん小学校なんだなと安心したけど、さらに疑問が。

小学校配達ってしていいのか…?

いや日曜日からOKか。

いやいや日曜日教師学校に居るのはそもそもOKか…?

となんらかの良し悪しがグルグルしてしまった。

現実部活顧問とか例外的臨時出勤なのかなとあたりをつけつつ自転車をこぎこぎした。

インターフォン職員室宛なので押すのは緊張した。だって内緒の注文だったらどうすんの。

そんなこともなくすんなり入ってくださいの応答。…部活顧問でもなく職員室にワンオペなの?

さていつものマンションと違いここから職員室を探すのかしらんと少し不安になったら向こうから出迎えてくれた。

若くはつらつとした教員だった。

頑張ってくださいの一言でもかけたかったが、あまりにもおこがましくて普通にお届けしてありがとうございましたでお別れした。

事情はわかりませんが、頑張ってください。日曜なのにご苦労さまです。代休とか…ないですよね…。

さな会社にお届けすることは何度かあったけれどこんなに応援したくなるお届け先は初めてだった。(次点子供が受け取りに出るご家庭)

なおひっっっっっっっっっっっっっっさびさに入る小学校はなんだかすごくノスタルジックだった。

誰も居ないシンとした独特な学校雰囲気中学部活朝練を思い出して懐かしみが深度4000m。

増田小学校増田時点で全学年1クラスで、10年ぐらい前になくなっちゃったんだよなぁ。

配達は嫌なことも多いけどこういう普段生活ではできない経験もできて面白いです。

2023-06-19

自滅の裁断 〜遊郭編〜

今、この文章新幹線自由席で書いている。この自由席本来であれば1週間後に乗っていたはずのものだ。今日とは言わずもう少し後に乗っていたはずだった。


6月。俺は現在転職の節目に立っている。

大学卒業してから新卒として入った会社に3年ほど勤め、退職を決意。

次の職場も何とか決まり、そこに移籍する前の有休消化期間。謂わば今は少し早めの夏休みだ。


そうなるとさすがに旅に出たくなるもの

自身そんなアクティブ人間ではないと思っているが、有休消化期間が長ければ長いほど旅に出ないと勿体無いよねという風潮も何となくある気がする。

そうなってくると自分にはちょうど良い当てが1つあった。それは大学時代の友人。


かつて学科が同じだったそいつとは大学に入ってすぐに打ち解け、恐らく大学生活の中で一番一緒に遊んでいた。

大学1年からの付き合いで現在社会人3〜4年目辺りなのでもう何だかんだ7〜8年の付き合いにはなる。

そいつはと言うと、当初は俺と近しい地域社会人をやりつつ彼女同棲していたのだが、個人的事情等もあってその仕事退職現在彼女を連れて自身故郷に帰り、そこで別の仕事をしている。


友人が前職を退いたのが今年の頭くらい。そして故郷に帰る直前の別れのタイミング、俺は友人にとある約束をした。

「俺も仕事辞めて時間取れたらそっち遊びに行くわ」

正直今言うとこれは冗談半分だった。その頃の自分立場はと言うと、現職にブーブー文句を言いながらも怒られつつ何だかんだ仕事を辞める気配は無い人間

転職活動はしていたものの、一向に次が見つかる気配が見えない。というか活動をする余裕もないくらいに精神仕事にすり減らされていた。

そんな状況のため、転職できてももうしばらく先の話だろうなと考えていた。


ただ、事態は一回動いてしまえばあっさりと進んでいくもの

春頃に次の会社とご縁があり、思いがけずに内定を頂いてしまった。本当にありがたい話。

そして現職から身を引く作戦始動させる必要が出てきたため、何人かの人とお話をした後に退職手続き完了

立つ鳥跡を濁さずって言葉があるけど正直俺はその逆。割とウンコぶち撒けてその場を去るような辞め方をしたクソ害鳥だったが、それは今回の本題ではないので割愛

とにかくにも有休休日出勤をしていた分の代休が合計1ヶ月は溜まっていたため、さすがに何か特別いたことをしないと勿体無いなという状況になった。


ここまで読んでお察しの方はいるかと思うが、俺には彼女がいない。悲しい悲しい独り身。

有休消化期間の旅に行こうぜ!なんてノリにフットワーク軽めで付き合ってくれる友人がすぐ見つかる程の陽キャでもない。

そこで先述の言葉に戻る訳だ。俺は友人にコンタクトを取り、そいつ地元に遊びに行かせていただく運びとなった。


この友人の彼女さんというのがすごい出来た性格の方で、俺なんかともニコニコ愛想良く仲良くしてくれる存在

友人が引っ越す際に「遊びに来るなら新居の部屋は複数あるから是非泊まりに来てくれ」と言ってくれた際も彼女さんはその言葉に乗せて「楽しいんで是非来てください!」と言ってくれるほど。

もちろんそこには男女の一つ屋根の下での生活があるため、幾ら無神経クソ害鳥の自覚がある俺でも宿泊の予定を立てる前に最終確認の連絡をする。

それでも結局前向きな返事は変わらずだったのでお言葉に甘えさせて頂き、宿泊の用意をして友人の故郷に足を伸ばすことに決定。

大まかな遊びプランLINEグループ作成の上で話し合い、俺は1週間程度滞在させていただくことに。

滞在期間に友人カップル休みである土日は計4日訪れるため、その4日で故郷故郷近辺の地域観光することになった。


休み期間の前半を家の片付けや家から足を伸ばした範囲で満たせる趣味、数少ない俺と飲んでくれる後輩等との食事、そして脳死ダラダラタイム等で消化。

そして月半ばくらいの金曜日旅行の支度をし、家を飛び出して野暮用の買い物を済ませる。

電車新幹線電車というルートで友人宅を目指し、夜分遅くに何とか人生初めての地へ到着した。

早速快く出迎えてくれた友人カップルささやかお土産引越し祝いを渡し、その日はチビチビお酒を飲みながらボードゲームをして大いに盛り上がった空気感のまま就寝。


最初土曜日は友人の故郷の有名な観光地を車で巡ろうということになっていたため、某動物園や海沿いの市場に出向いた。

動物園への道すがらの車内で音楽を流して楽しくお話しながら目的地を目指した。

動物園に到着するちょっと前には00年代ドラマ話題になってそのドラマたちの主題歌を流したり、友人の彼女さんが好きな00年代ジャニーズアイドルの曲を流してノスタルジックになったり。

彼女さんが鬼滅の刃が好きという話から現在主題歌がそこまで評判良くないという話題にもなり、その曲を流したり。(俺は嫌いじゃないからね。マンウィズとmiletファンの方すみません。)

彼女さんは今の曲も別に嫌いじゃないけど私は遊郭編が好きで良い話だったからその時の主題歌ハードルとして高すぎた、みたいなことを言っていた。確かに

到着した動物園では多種多様な生き物に目を輝かせ、もうしばらく人間以外の生き物は見なくてええわと言うくらい堪能した。ちなみに俺が一番好きな動物体調不良でお休みだった。泣いた。

海沿いの市場でも買い物と簡単食事をさせていただき、そこで実家や後輩に対してのお土産を送ったりもした。


その日の夜はみんなで酒を飲みながら楽しくゲーム桃鉄をやって争いになりかけた。若干なっていた。友人がベロベロに酔って彼女煽りすぎていた。

こればっかりは他人との仲を引き裂く桃鉄が全部悪いです。僕たちは何も悪くありません。


そして翌日。日曜日は友人故郷の隣の地域がその地区屈指の大都市であるため、電車で向かってそこの街をぶらぶらしての観光

詳しい経緯は説明を省くが友人のお母様とも合流して食事をご一緒させていただいたり、有名な観光地を巡ったり。

そして繁華街の中にある有名なご当地のお店で晩御飯。某有名漫画家の方も度々訪れるというその店でご当地の味を楽しみ、「いや俺今旅人だわ〜〜〜」という心地良い感覚ビールの泡と共に胃に流し込む。

間違いなくその瞬間の俺は社会人としての苦しみ等嫌なことを全て忘れ、心地良い空気感の中に包まれていた。

友人と友人の彼女さんも翌日月曜日であるにも関わらず、俺の旅に付き合ってくれてご当地飲食を堪能していた。良い旅のムードが確実に出来ていた。



出来ていたんですけどね。その時までは。



食事を終え、店を出る。時間的にもちょうど良い。このまま故郷に帰還し、お二人は翌日仕事等で外出。その時間帯俺は独りぼっちで外をブラつき、二人が帰ってくるまで外にいるという段取りの予定。

このまま帰っても良かったのだが、その考えは友人の悪魔の囁きによって打ち砕かれる。


「ここから徒歩で行ける距離に◯◯(日本屈指の風俗街)と××(日本屈指の趣がアレな地区)があるけど行ってみない?」


心踊った。全然金あるなら普通に1人で風俗行きたい。ただその時の俺はそうそう余裕がある訳ではなかった。だからそこの風俗街がどんな空気感なのか見るだけになるが、それでも心踊る。

後々調べたらそこって利用する気も無いヤツのひやかし歩き禁止らしい。マジで反省しています


ただ、大きな問題がある。

友人の彼女を連れて行くのはいかがなものか。いかがなものかっていうか普通にダメだろ。

恐らく大多数の女性が見たら不快感を抱く光景であることは間違いないだろうし、同性愛者でもないその友人彼女さんに何のメリットも無いし。

ちなみにこちらも後で調べたら女性の方がひやかし目的で歩くことは禁止だったみたい。色々ダメじゃん俺たち。


後で振り返ればこういった妥当判断を幾らでもできるのだが、その時はダメでした。酒ゲキ弱男の俺はアルコールに飲まれていました。

勇み足で◯◯と××に歩みを進める友人に向かって「Aちゃん(友人彼女)連れて行くのもアレだしさ、2人は帰って俺だけ見に行くか3人で見に行くか、Aちゃんの顔色見て判断した方がいいんじゃない??」と提案

夜分遅くの繁華街から故郷までの電車での遠い道のりを女性1人で帰らせるのも宜しくないと思った俺と◯◯や××を見に行きたいという気持ちの俺が脳内で話し合った結果、そのような提案に。

ただ、そもそもこの見物の言い出しっぺは友人。友人がその勇み足簡単に止めて「じゃあ、俺は彼女と先帰ってるわ。好きに見に行ってきな」と俺だけを送り出すはずもなく。普通に食い気味で「Aも連れて行きます」と判断

というか何なら最低な話、アルコールまれモードの俺も普通にノリノリだったので「私は一応最低限の提案しましたよ。その上で友人が彼女をこの俗人甚だしい歩みに付き合わせるのであればそれはお二人同士の問題です」というニュアンスを含んだ責任転嫁の丸投げ行為に等しい建前だけの薄っぺら気遣いモドキな発言しかなかった。

最低限の提案通り越してもうほぼ友人に3人で行くって言わせるための誘導尋問に近いよねもはや。


シラフの今思う正解は何かって?

そんなん「そんなもの見ずに3人で帰りましょう」に決まっておるじゃろ。


常連客どもの歌声がお構いなしに路上に響くスナック街を抜け、少し歩くとそれは見えてきた。

暗闇の中、幻想的にボヤァっと光る街灯。店の名前が書かれた質素看板が通りに無数に連なっている。

風俗街って言うか遊郭って感じなのかな、表現としては。前日ちょうど鬼滅の刃遊郭の話をしていたが、まさか翌日に本物を目にするとは。


そこの通りは各店オープンな感じで女の子が呼び込みをしている賑やかな空気感。その地域を知っている方はもうこの一文でどこに行ったのかお分かりだとは思う。

目を輝かせて首を激しく左右に振る俺。うわレベル高え〜、と高揚感が止まらない。性欲に対する行動がキショ中学生すぎる。死んだ方が良い。金無い社会人がこれやっているという状況がそもそも情けない。


ふと、横をチラッと見る。友人のテンションが意外と上がっていなかった。言い出しっぺの割におとなしいなと思った。その答えはすぐ横を見たら明白だった。



友人の彼女さんが怖い目をして俯いて歩いていた。



後濁しまくりクソ害鳥は察した。俺たちやってしまった。

察した頃にはその通りも終盤に差し掛かる時。そして少しばかり歩いて完全にそこを抜けた後、彼女さんは友人に対してキレた。


「こういう場所とは思わなかった。何でこんなところ連れてくるのか。お前らだけで行けば良いだろこれ。」

そんな感じの内容でキレていた。前日に鬼滅の刃遊郭編のことを嬉々として語っていた子が遊郭見させられてキレている。


それを聞いた時点で俺と友人は内心「風俗街ってことは今日の会話の中で何回も言ってたやん」とは思った。なんなら思ったというか友人は口に出して彼女にそう言った。

そしたらそんなこと聞いていない、私が認識していたのは××(趣がアレな地区)の方だけだとキレ返された。

そもそも悪ノリ女の子付き合わせてる時点で何言おうと俺と友人サイドが100%悪いんだけどね。100:0でこちらの過失だよ完全に。


気まずい空気のまま最寄りの駅まで歩みを進める。俺は友人に「××は行かないの?」と小声で聞いた。この空気で行くわけねえだろバカかこいつは。

道中、その地域名物建物があったので「そういやこの建物出張でこの都道府県来てた親父が嬉々として写真送って来たわ」的な話をした。

それが琴線に触れたのかその直後、友人彼女は俺に顔を向けて「増田さんも共犯ですからね!悪いのはコイツ(友人)ですけど!!」とキレてきた。初めてこの子にキレられた。怖い。

さっきからこのバカ害鳥はマトモなムーブ出来ないのか。


引き続き気まずい空気感の中、最寄り駅に到着。そしてそこで死の宣告に等しい一言が友人彼女の口から発せられた。


増田さん。すみませんが今晩のところはどこかホテル泊まってくれませんか?私はコイツ(友人)に話があるので。」


俺は何も考えず二つ返事で「ハイ」と口にした。怖かった。普段怒らない人が怒ると怖いとはこのことか。


そして友人宅まで長い時間をかけて帰還し、何とかホテルを確保できた俺は一旦荷物をまとめるために一時的に寄らせてもらうことに。

ただ、俺は酔いが冷めてきていた帰り道すがらで考えていた。

多分もうこれ以上の滞在は無理だろうな、と。

きっとこの荷物まとめ作業一時的撤収のためのものでは無いだろう。完全なる帰り支度となるだろう。

友人は一応コッソリと「何とか説得するわ」とは言ってくれたものの、何となくここで旅はおしまいだなという空気感がその場にそこはかとなく漂っていた。


一応友人彼女感情的になっていた先刻とは打って変わり、表面上は落ち着きを取り戻していた。そして俺に告げる。

「一応増田さんが旅を楽しんでくれるよう最大限考えて話し合いはしますけど…。すみません、正直もう帰ってもらう前提で考えといてください。」

完全に同じ認識でいたので逆にホッとした。間違いなく俺は帰ったほうがいい。

こちらが100%悪いのに終盤まで気遣いをして頂ける辺り、改めて性格良い方なんだなと実感する。ホンマ何でこの性格の人を怒らせられるねんこのバカ男2人は。


荷物をまとめ終わり、玄関のところで帰る前提の挨拶を2人に済ませる。一応念のため翌朝にでも話し合いの結果を報告ちょうだい、の一言も付け加えた。

仮に話し合いで状況が大逆転して予定通りもう少し泊まっていて良いですよとなったところで、もう俺にそこから更に1週間泊まるバイタリティは残されていなかったような気はするけど。


そしてホテルに向かいフカフカで寝心地良いはずの布団で寝付きも悪く、翌朝5時台に目が覚めた。

無意識LINEを開くと、友人からの連絡が入っていた。

寝ぼけ目で見たLINEでも状況を飲み込むことに迷いは無かった。やっぱ話し合いした結果、無理でしたの報告。

女性性的商品みたいになっている光景にショックを隠せなかったとのこと。

友人からは全部俺が悪い、お前はむしろ被害者からごめんという謝罪文章が書かれていた。お前が俺を許してくれるなら付き合いは切れないと思うので、と。

また、今晩サシで飲めないかという提案も書かれていた。


許すも何も普通にこっちが悪いので別に謝られる道理もない。

ただ、帰ることが決まった以上は電車新幹線時間、あと何より予算的にも遅くまでの滞在はできない。

俺もサシで飲んでその場の気持ちだけでも清算しておきたかったが、それは断念した。

その日、ホテルのチェックアウトを済ませた後に1人でその地域歴史的なお城を少しばかり観光し、ご飯を軽く食べて立ち去った。

全ては自業自得故の裁断。そこに名残惜しいとか怒りとかそんな簡単言語化できる気持ちは残っておらず、とりあえず家に早く帰りたいとの思いだけで電車に乗った。


そして新幹線に辿り着いてから書き始めたこ文章も終盤となった今。無事に自宅の最寄駅に到着した。


楽しさと罪悪感が入り混じった数奇な初夏の思い出がそこには残っている。

終盤が怒涛の展開すぎてもしかたらこれは全部夢だったのかもとさえ思っている。俺はハナっから友人と遊んでなどいなかったのかもしれない。

でもそれでも良い。そんな悲しい結末だったとしても俺は耐えられる。何故なら俺は長男から。厳密には姉がいるから炭治郎と違って一番上じゃないけど。


そういえば。帰りの新幹線で例の鬼滅の刃主題歌を聴いていたが、曲が二番のサビに差しかるとマンウィズがこんな歌詞を歌っていた。



“解き放て今 僕らが起こした火を 舞い上げ走れば明日が変わるはず”



起こした火を舞い上げた結果、明日スケジュール強制帰還に変わってしまったなあ…。

ちょっと炭治郎に首切られてきます

2023-06-10

五ヶ月で新卒入社した会社を辞めた

内容はタイトルままである。ある程度時間は経ってそろそろ時効だろうと思うし、今更ムカつく発見をしてしまったので書こうと思った。会社のクソさはまあ世間によくあるレベルかもしれないし、私が悪い部分もあると思うので、あたおかブラック企業被害者の話と思って読むとがっかりするかもしれない。

このような場に文章を書くのは初めてなので、多少の粗や慣れていない部分は目をつぶってもらえると助かる。 

また、記憶違いなどもおそらく含まれるのでそこは了承の上読んでほしい。

まずは、特定防止のため詳しいことはぼかすが会社のざっくりした説明をしたいと思う。

業種はメーカー、規模は割と大きい方ではないかと思う。一般家庭に流通するような商品は少ないため、一般知名度は多分ない。私も就活で受けるまで知らなかった。

同族会社創業者一族は神扱いされているので、社内報には会長の頭おかしコラム修正もされずに掲載されたりしている。(入社した月は「ウクライナロシアに早く投降すべき!」とかいう内容でマジでドン引きした。しか感想を書かされたりした)

創立パーティーコロナの影響で一般社員は参加できないのに、上層部取引先だけで数千万だか億だか使ったらしくてこれまた引いた。パーティーはどうでもいいけど、ただでさえ人手不足やばいのに人件費ケチってふざけんなよって思った、入社数ヶ月の社員にこんなこと考えさせるなよ。

私の配属は、地元の小さい営業所だった。一般事務は配属先ごとの採用だったので、採用試験を受けた時点でこのことはわかっていた。

所員は営業新入社員事務を合わせて10人弱。(私は一般事務だった)

コロナ宿泊研修ができないからと一日座学やった後いきなり配属先に行かされたのだけれど(今思うと、3月末の忙しい時期に新人を送り込むとか人事は現場のこと考えてなさすぎだろ)、配属初日に「元からいる事務の人は6月で辞めるから7月から新人二人だけでよろ!」って言われた。

初日の私は呑気に「早く仕事覚えて頑張らないとな〜」とか思っていたけど、後から考えると本当に頭おかしいと思う。

当時1年弱前に一人辞めて以来事務は一人だったらしいけど、その時に一人中途で雇うべきだったんじゃないか? 残された人は一人になってから残業も増えていたらしいし、何年もやっていた人がそんな状況なのに、7月以降新人が二人だけでやっていけるわけがないだろ。新人二人がベテラン一人の能力にもならないのは火を見るよりも明らかなんだから

「いい人が見つからなくて〜」とか「同期二人の方が力を合わせて頑張れると思って〜」とか色々所長と事務の先輩は言ってたけど、なんでお前らが採用活動サボったせいでこっちが馬車馬のように働かされなきゃなんないんだよ。

会社的には辞める場合は夏頃までに申し出→新卒採用する→新卒仕事を教えて5、6月に退職って流れがスタンダードらしいけど、時代遅れからさっさと辞めて中途とか非正規の人もっと雇った方がいいと思うぞ……? 一般職は原則異動がなくて社内で人材補充できないんだから余計。

まあそんなこんなで事務の先輩は私が入社して数ヶ月で辞め、7月〜お盆前はおそらく繁忙期なのもあってかなり忙しかった。

日中は私と同期、一番年が近い営業の男(事務の人手が足らなすぎて去年からずっと内勤らしい)の3人で仕事をしてたけど、昼間は注文作業に追われるせいでそれ以外の仕事が全部定時後にならないと出来なかった。

残業が多いと作業効率が落ちるしただでさえまだ慣れていないのもあって、一度朝礼で一人ずつ話をさせられる時に、業務量の改善を求めたことがある。他社の友人は話を聞く限り、その頃まだ研修中だったりO J Tがついてちゃんと一人一人の能力に合わせた仕事を振られている印象だったのに、私のこの状況はおかしいだろうと思ったので。

しかし、「◯ねよクソ」みたいなことを言わないように喋った結果うまく話せなかったせいもあったのか、特になんの対応もしてもらえないばかりか内勤の男には「成長のためにはしょうがない」という旨のなんの解決にもならない言葉を吐かれた。

そんなこと言われても実際に育つ前に実際に私辞めたけどな。

営業は4、5ヶ月は工場研修自分が当時の私と同じ歳の頃はろくに仕事もしてなかったくせに怒るのは今でも本当に納得できない。

私が若い女から電話でナメた口をきいてくる奴は多いし、営業に言われて電話をしたはいいけどわからないことが多すぎて取引先に迷惑をかけたり(私も悪かったと思ってるけど、取引先の人も保留にせずに「ごねられて困ってるんだけど」とか言うのは辞めた方がいいと思うよ、そもそも私全くそんなことなかったのでそっちの勘違いだし)、営業の男がしないようなゴミみたいな経験させられたんだが、こっちは。

類友理論クズ会社取引先はクズってことなんだろうな。

そもそも営業残業時間がおそらく月80時間くらい行っている(営業残業代は出ないため誰も記録していないので実際の時間はわからない)し慢性的人手不足からこっちに気を配る余裕がないんだろうけど、そんなところに新入社員を配属させるなよ。

理想論だろと言われそうだけど、きちんと部下を管理できる余裕がない環境新卒を入れるべきではないし、教育係を明確にしないのも悪手だと思う。おまけに面談とかもないか相談できる環境もなかったし。それなのに8月の会議事務職はハブ)で、「そろそろ内勤の男を外勤にして日中の注文作業とかは新人二人だけでやらせよう!」という話をしていたらしくて本当に呆れた。入社して半年足らずの新人に何ができると思ってるんだよ現実見ろって言いそうになった。

まあ現実は見られてるのかな、ミスして怒られることは多かったから。でも状況を改善しようとしなかっただけなんだな。

その後、7月後半〜8月前半の残業時間が40時間を超えていたことに関して人事に何か言われたらしく、所長に軽く注意された。ちなみにその月は土日が多かった&お盆休みを挟んでいたので、あのペースで通常の日数残業していたら50時間くらい行っていたと思う。

「後回しできる仕事は次の日以降に回して早く帰れ」という全く改善策になっていないアドバイスをいただいたけど、そんなことをしても次の日の残業が増えるだけだろ。

その前にも「早く帰れよ」って言われたことあるけど、やっと仕事が終わって一息ついたところで言ってくるからタイミングおかしかった。

このあたりで、私はかなり真面目に転職を考え始めた。

また、この時期から営業の男のうちの一人に当たられることが増えてストレスがかなり溜まっていた。

私が何かした時の説教がやたら長かったり(しかも言い方のモラハラ臭がすごいしそもそもミスの原因がその男にあることも多かった)、日中は高確率社用車で寝ているかゲームをしていることが多い上に電話での機嫌が日によって悪かったり、第一印象は悪くなかったものの化けの皮の剥がれ具合がひどかった。

私がメールでその人からまれ仕事をうっかり忘れた(件名が無視しても大丈夫メールと似ていてとても紛らわしかったせいもある)時に、「お願いしていたはずですが何故対応していないのですか。期限もあなた希望通り記載していますよね? 理由を教えてくれませんか」(ほぼ原文ママ)というメールを私の退勤後に送ってきていた時は、マジで大丈夫……?って思って思わずメールスクショしてしまった。この文章もその時の写真を見ながら打ってる。

逆にうっかり以外に理由あると思った? 自分が嫌われてるからだって思った?

その他にも、お盆で出勤人数が少ない時に大量の注文を私一人に押し付けてきたり(普段2、3人でやるくらいの量はあった)、そのせいでできなかった注文(急ぎでもなく私が担当と決められていたわけでもない)を次の日出勤の人に残しておいたら、「他人仕事押し付けるな」とか言ってわざわざ処理せずに私に残していたりしたかマジで嫌いだった。

数日来ない私に残しておいて平気ということは急ぎじゃなかったということだし、私の判断は何も間違ってなかったっていうことでしょう? それに人に仕事を振っておきながらその管理ができないってお前にも問題あるということじゃないか

その男は所長とか取引先にもよく怒られているみたいだったから、その分おとなしそうな私に当たっていたか無能な子に指導してあげる自分に酔っていたかだろうな。自分の機嫌は自分で取れよ。

まあ私と同期、仕事能力は大きな差はなかったけど同期は愛想がよくてコミュニケーションもしっかり取れる子だったし、私は無口で気配りとか気の利いた行動できないしそりゃいじめるなら後者なんだろ。

8月後半、マジでメンタルがやばくなり親の勧めもありに近所の心療内科に行った。(出勤前は毎日のようにボロボロ泣いていたし毎日死んだ顔をしていたので)

病院では「仕事辞めたい? じゃあ診断書書いちゃうね!」という超軽いノリで適応障害診断書を発行してもらえたので、休み明けの仕事の後に所長に退職を切り出した。

時間取って欲しいって言ったらすぐに応じてくれたし、無駄に引き止められなかったのはよかったけど、後で思い返してみると案外問題だらけだったと思う。

まず、詳しい話を聞かずにいきなり「じゃあいつ辞めたい?」って返したのは雑すぎるんじゃないか? 

「大切なのは自分から無理しないで〜」みたいなことを言っていたような気もするけど(録音はしてあるけど面倒なので聞き直していない、すまん)、普通だったら何が問題だったのか、どうすれば辞めなくても平気か、くらいは詳しく聞くと思うんだが。私は単発以外のバイトを途中で辞めたことがないか退職する時どういう感じなのかは知らないけど。そもそもあなたたちがこっちの話を聞かずに無理をさせた結果こうなったのだし、病院に行く羽目になった以上私は被害者でそっちは加害者だろ? 最後まで謝罪一つしなかったよな。それにこっちは新卒での短期離職という超不利な烙印を押されたんだが? 向こうは突然辞めるとか迷惑な奴、とか思っていたんだろうけど。

時期に関しては上と相談してから決めるって言われたんだけど(一応8月中を希望した)、翌日の朝礼でいきなり今月いっぱいで私が辞めると全体に発表されてこっちがびっくりした。

普通だったらまずは個別面談で伝えて本当にそれで了承を取ってから発表をするんじゃないか? しかも、まずは所長に相談してから同期に伝えようと思っていたのに、その前に所長の口からわっちゃったし。

内勤の男にはその日の昼に直接話を聞かれたけど、一切私に同情などせず、「なんで同期に相談しなかったの? 謝っておけ」というようなことを言われた。そもそもお前が成長のためとか言って大量に仕事やらせておきながら自分は暇そうにしているのを見てだいぶ私はストレスを溜めていたんだが? 反省する部分はないのか? 

診断書出した当日に会議をして同期以外には話が伝わっていたらしいけど、ほとんどの人から気遣い謝罪はなかったな。まあされても「だったら前からなんとかしろよ」としか思わないけど。

ちなみに有給は一切消化できなかった。事務の先輩は所長の手配で有休一ヶ月半くらい取ってから辞めたらしいから私も手配してくれると思っていたけど、急に辞める裏切り者には使わせてくれないらしい。まあ普通会社でもそうらしいな。5日くらい残っていたから、ちゃんと消化させろって言えばよかったと後悔してる。

退職日が近づいて少しノスタルジックになっている頃、退職手続きが全く進んでいないことを知る。手続きは所長がやるはずなのに、退職願は退職日前日の朝に渡されて送らされた。有給使わせてもらえないことを知ったのもこのタイミング

人事にも一切話を通していなかったらしく、退職手続きについて私が直接電話で人事に質問させられた。なんで管理職のくせに知らないんだよ。普通社員が人事に直接連絡しないので人事に「所長の指示ですか……?」って怪しまれたし、急に明日辞める迷惑な人だと思われた気がする。

そもそも人事に伝えていなかったということは、もしかして営業所内で私の診断書は握りつぶされたのではないか? これが私が冒頭で書いたムカつく発見でもある。

人事くん、見てるー? 人事くんは私が急に辞めたと思っているかもしれないけど、一週間前には所長に言ってあったか退職届やら手続きが遅れたのは所長のせいでーす!

それに自己都合退職になっているけど、営業所の人と仕事量とかがクソすぎて入社から半年も経たずに適応障害になったせいでーす! 

人事、人事面談とかもなく正直採用活動給与計算と数千人分の賞与封筒づめする以外何しているかからない(賞与関係はもしかしたら経理? わからん)けどマジでちゃんと他の社員労働環境かに目を向けた方がいいんじゃないか? まあ私は社会人初心者からそこら辺よくわからないけど。

ていうか私の退職理由を知ってか知らないでかわからないけど、離職票退職後一ヶ月以上届かなくて病院に行けなかったのは本当に恨んでる。まあ全額自費で払えばよかったけど、後の手続きが面倒で行かなかった。

本社に人事に電話したら「ハローワークから書類が届かない」って言われたんだけどそれって本当だった? ハローワークに凸ろうか迷って辞めたけど。

その後離職票以外だけ先に送ってもらおうと思って2回電話して、1回目は折り返すと言われてその後連絡が来ず、翌日もう1回電話したらもう送ったと言われた。

でも届いた書類を見たら、日付がその翌日だったからもう送ったっていうのは嘘ですよね? クソが。

ちなみに離職票が届いた後心療内科に行ったらしばらく行っていなかったかかめちゃくちゃ冷たい対応をされたのでもうあの病院には行ってない。

話が前後したけど、退職日の話をしたい。

最後までクソ会社はクソだった。

本来最終日は引き継ぎとかやり残したことをやるために他の業務を与えないようにすべきだと思うのだけど、内勤の男にはそこら辺がわからなかったのか普通に当日の注文処理をやらされたしその結界1時間半くらいは残業した。そのせいで引き継ぎが雑になってしまったので注文作業拒否すればよかったと思った。最後から逆らってもその後に影響ないし。

当たってくる男は急に仕事(大した量じゃないけど)を振ってきたりしたんだけどマジで嫌がらせだったのか? 退職が決まってからほぼ口利いてなかったけど。

内勤の男は「これは引き継ぎ終わったの?」とか確認してきたし(同じ部屋にいるんだから今日そんなことしてる様子がないのはわかるだろ)、「なんでまだやってないの? 早く帰れよ」という態度で勝手に私の机掃除しだしたりしていたけど全部お前のせいだが?

そんなんだから奥さん子供実家に帰っちゃうんだよ。

帰る前にお菓子を配ったけど、よそよそしい上に早く帰れという態度の人ばかりだったから、職場心証最後底辺まで落ちた。

ちなみに事務の先輩は辞める時にアップルウォッチやらその他個別プレゼントを貰ってたけど、私は同期が美味しいお菓子ハンカチをくれた以外は何も貰えなかった。

いや別にしかったわけじゃないけど。ワタサバドラマの網浜さんですら何かしら貰えていたのに、会社のために頑張って働いた私は何も貰えないんだ……という驚きを覚えた。

今でも毎日のようにあの会社であった嫌なことが脳内フラッシュバックするし、そのせいもあるのかわからないけど半年以上ずっと胃の調子は悪い。

から会社への恨みを書くのはこれで最後にして前向きに生きたいと思う。

同期は本当にいい子だったのでマジで今でも申し訳ないと思っている。会社に忘れた傘取りに行かなくてごめんね、でももうあそこには近づきたくないんだ。幸せになっていてくれ。

他の人は別にどうでもいいや、もう私の中で存在を消去するから

じゃあな。

2023-04-20

選挙カーすき

人が喋るトーンとかって流行りがあって変わっていくように思うけど、

つの時代も同じ甲高いババアっぽい声、ノスタルジックだよね

2023-04-12

村下孝蔵さんの「踊り子」が最高だった話

恥ずかしながら、結構最近まで村下孝蔵さんのことはちゃんと知りませんでした。代表曲である「初恋」テレビ歌番組で聞いたことくらいはあったと思いますが、正直「昔の一発屋」くらいの認識でした。

とあるイラストレーターさんがツイッターで「今日村下孝蔵さんの声が良い・・・」みたいなことを呟いていたのをきっかけに聞き始め、とりあえずitunesベスト盤を買いました。

色々聞いてみて、「初恋」や「少女」、「春雨」等々、良曲はたくさんあるんですが、その中でも最高だと思ったのが「踊り子」でした。メロディは正直ちょっと臭い(失礼)とは思ったのですが、むしろノスタルジック雰囲気が最高です。もろに昭和後期の恋の歌、って感じですね。

それで、聴くほどに、読むほどに染みるのが歌詞なんですよね。別れ歌なのですが、「別れる」とか「離れる」、「振られる」といったいわゆる失恋ワードが一切出て来ないんです。すべてが比喩で語られるんですよ。直接説明されないからこそ頭の中で情景が浮かんで、きれいなメロディだけでは不可能な浸り方ができるんですね。本当に最高です。

冒頭の歌詞

「答えを出さずにいつまでも暮らせない

バス通り 裏の路地 行き止まりの恋だから

ですよ。

このフレーズで、一緒に暮らしてきた恋人たち限界を迎えているというシチュエーション完璧説明してるんです。はー、詩的だ。

サビでは、1番で「つまさきで立ったまま 君を愛してきた」

2番で「つまさきで立ったまま 僕を愛してきた」

最後の繰り返しで「つまさきで立ったまま 二人愛してきた」

と展開されます

お互い無理してきたんでしょうね。それを「つまさき立ち」と表現し、さらにそれをバレエダンサーに喩えて「踊り子」というタイトルを付ける。えらいセンスだなあと思いました。

で、歌詞にこの文章を書こうと思ったきっかけになった部分がありまして、先の冒頭の歌詞の続きが

「何処かに行きたい 林檎の花が咲いてる

暖かい所なら 何処へでも行く」

なんですよ。

ここだけ妙に直接的というか、行き詰まった恋をなんとかしたいというのを「暖かいところに行きたい」と言っただけだと、比喩として(他の部分と比べて)弱いような気がしました。そこでぼーっと歌詞を眺めていたら、ふと林檎の産地って寒いところばかりだと気付いたわけです。調べると、日本国内生産量の90%が青森長野岩手山形秋田で占められていました。つまり日本林檎の花が咲く暖かいところなんてあまりないわけです。

それを踏まえて歌詞を読むと、「林檎の花」と「暖かい所」は相反する要素であって、「何処へでも行く」というのは「(もしそんな所があるなら)何処へでも行く」であり、無い物ねだりだったんだと分かります。「もし破局を避けられるのなら何でもするよ。でもそんな道はないんだ」という切ない話なんですよね。ところが、この気付きを誰かの書いた文章共感したいと思って検索したら、「暖かいところは幸せ象徴で」とか「林檎日本の南の方でも栽培されているので」みたいな解説ばっかり出てくるわけですよ。いや違うだろと思って筆をとりました。

何が悪かったとか、何がきっかけだったとかではないんですよね。好きな相手自分を良く見せようとして背伸びをした結果、お互いに相手に見せる自分と本当の自分がずれていってしまった。お互い好きになったのは相手の着飾った姿で、だんだん見えてくる本当の姿にストレスを覚えるようになり、やがて耐えられなくなる。お互い未練があるから取り繕ってきたけど、もう一緒には暮らしていけない。大人同士ならすり合わせてうまくやっていく道もあったのでしょうが若い二人は良くも悪くもまっすぐで、それができない。

顔も見えない、名前も分からない登場人物の、愛情と悲哀だけが伝わってくる。こういうストーリーを「別れる」という言葉を一度も使わずに、どこか美しく表現するって、本当にすごいセンスだと思います村下孝蔵さんの歌に出会えて、本当に良かったと思いました。

誰かが共感してくれると嬉しいです。

あと、村下孝蔵さんを知っている人には釈迦に説法かもしれませんが、生前に親交のあった沢田聖子さんが「親愛なる人へ」という追悼歌を作られています

こちらも涙が出ますね。

2023-03-18

エロゲ音楽継承者してる若者って堀江晶太だけになったよね ちょい追記しました

なんか皆して普通ロキノンと混ざり合うことを選んじゃったな。

エロゲ音楽らしさがなんなのかは上手く説明できないんだけど、90~00年代テイストというか、ある種のフェイク感と透明感とゴチャゴチャ感、「わかりやす音楽聞いてるねwwwそんなのアニソンしかいたことがなくて耳が鍛えられてないオタクぐらいしか喜ばないよwwwww」って言われようと知ったコッチャねえと蹴り飛ばすような、その上でそんな決して優れてないオタク達の耳によって選ばれるエロゲソングランキングの上位を真剣に狙っていくような、安っぽいカードしか使えない限られたカードプールの中での必死模索というか、その中である種のノスタルジック記号化されたエモに恥ずかしげもなく頼っていく貪欲さ、技術を学ぶための知の高速道路が引かれた現代社会において基礎技術を0から再構築して地に足がついた正統派になっていこうとする流れではなく、日本国内で数々の音楽的なテクニックが発掘されてジャンルが作られたあとの世紀末時代にそれらをチェリーピックしまくって作られた小手先集合体とそれらを載せるための丁度いいフワフワのスポンジをベースにしたキメラケーキみたいな奴をさ。

今なお受け継いでるのって現役のベテラン連中を除けば堀江晶太ぐらいだよね。

Dying breedなんだねえ……

追記

今更だけど「MUSE DASHから漁っていく手があったかー。あざーす」言いに来ました。

あざーす

パッケージが滅んだ結果としてエロゲ音楽は失われたってのは確かにですねー。

当時で8000円(今の物価だと1万ぐらい?)のゲーム売るためにPV滅茶苦茶気合い入れるってのは戦略として正解でしたけど、DL販売で2000円のゲーム売るためにどこまでやるのかって話ですよね。

いわゆる「電波系」の新曲が今はVtuberに集中しているのも、収益の見込みがあるからということなのでしょう。

それで考えていくとソーシャルゲームってのはかなりの鉱脈に見えるんですが、こちらは伸びていく時期にドリランドパズドラがやった「ゲーマーとして濃くない人達を客層に取り込む」という流れを受け継いでいるのか、全体的に無難さを感じるんですよね。

ここでいう無難というのは「オタクノスタルジックな受けを狙ってない」という感じですかね。

ゲーム風ではあれど今風の音楽文脈にあるというか。

そう考えると韓国中国辺りのスマホゲーなんかはわりかし「ユーラシアに住む世紀末クールジャパンノスタルジーに脳を焼かれたゲーマー共を客層に考慮している感じ」の曲がチョコチョコあって、まさにその辺を効率よく芋づるのに「MUSE DASHから辿ってみ」は大正解ですねドンドンパフパフでした。

あっしはまあ感受性構築の過程エロゲ文化刷り込みをされたというだけで「エロゲ歴史とは」って配信してる人みたいには語れるほどじゃないというか、例のエロゲソング投票かにも参加してないようなレベルROM専消費者層なんでもっと何か喋れと言われても結局これぐらいなんですよねえ。

もっとしかったら作曲家師弟関係(直接ではなく影響を受けた場合も含む)をどんどん辿って行けると思うと、学ぶ能力のものについて鍛えてないというのは人生を貧しくするなと改めて思いますわ。

でもそういう無能人間にもエロゲは優しいっていう所がハマった理由なんじゃよなあ。

テキストゲーはカチカチしてるだけだし、難しかったら考察サイトフムフム言えばいいっていうお手軽さが、自己肯定感を奪われまくった心を生き返らせそこで第二の人生インプリンティングが行われたわけじゃよホッホッホッ老人の話はこれぐらいにするかのう

2023-02-11

ととのう温泉美術館にいってきた

朝、NHKローカルニュースを見ていたら、近くの温泉ホテル現代アートフェスをやってるというのが流れてきた。

個人的美術には造詣が深くない。持っている美術知識といえば大学一般教養で受けた西洋美術史概論(途中でいかなくなったため単位未取得)とダヴィンチコード(序盤で読むのやめた)くらい。

特に現代アート」なんてものはわけがからない。ルネサンス絵画印象派の絵なら実物を見て、「あ、これ知ってる!」「すごい!」、「うまい!」、「きれい!」などの感情を抱けるが、現代アートと呼ばれるものは、見ても「?」、「これがアートなのか・・・アートってなんなのかよくわからん・・・」みたいな感情しか持てない。

なので普段なら見流すところだった。

だがしかし、前日にスーパー銭湯ブルーピリオド読破していた私は俄然興味を持っていた。

今なら、わかる気がする。

しわかんなくてつまんなくても温泉に入れるみたいだし、温泉ホテル美術館ってなんか珍しいから話のネタになりそうだし。

 

というわけで行ってみたんだが、結論から言うと、行って良かったとは思うがそれが現代アートのおかげなのかどうなのかは正直よくわからん、というところ。

会場は半径500mくらいの温泉街の5、6個のホテルに点在していてる。高低差が50mくらいある。結構歩く。つらい。

鑑賞エリアがわかりやすく区切られているわけではなくて、ロビー一角だったり、エレベーターホールだったり、客室、ゲームコーナー、ラウンジなんかに自然な形で展示されていて、それが意図して作られたアートなのか、元からあったホテル什器なのかよくわからなかったりする。

どのホテルも年季が入っていて、80年代90年代バブル平成レトロ空気が漂ってるように感じたんだが、これがアートのおかげなのか元からそうだったのかよくわからない。

作品展示以外にもロビーで劇をやっていたり、夕日が沈む海の前でバイオリンを弾いていたり、日常空間が非日常空間になっていてよくわからない気持ちになった。

穏やかな海と冬の午後の暖かい太陽がとにかく美しくて、ノスタルジックホテルで展開されるよくわからない現代アートと相まって、不思議空間を作り出していた、気がする。

いやほんと、気がする。確信が持てない。なんとなくでしかない。ずっとほわほわしていた。 

ブルーピリオドを読んでいたおかげで、作品が絵や彫刻でなくても「これがインスタレーションってやつね!」と自分を納得させることはできたが、それ以上の助けにはならなかった。

なんだろう、映えスポットだらけだった。現代アートと映えスポットの違いがわからない。若者はあまりいなかったけど、いたらきっと至る所でパシャパシャしてるんだろうな、と思った。

結局私には現代アートはわからないままだった。でもこの日の体験は行ってよかったと思えるものだった。

 

あ、でも会場が思いのほか広くて、時間が足りなくなって温泉に入り損ねた。それだけが心残り。

2023-01-01

おススメのWeb記事を紹介するのでみんなのオススメを教えてほしい ②

anond:20230101122107の続き


本を読んだことがない32歳が初めて「走れメロス」を読む日

https://omocoro.jp/bros/kiji/366606/

直近だけどこれは外せないだろうともう一つオモコロから

走れメロスなんてストーリー全部知ってるのにメロスは間に合うのかと一緒に手に汗握ってしまった。

最後読書感想文がまた良いんだよな。



格ゲー業界騒然!パキスタン人が異様に強い理由、現地で確かめてみた

https://withnews.jp/article/f0190417002qq000000000000000W08510101qq000019048A

韓国勢一強状態になんとか日本勢が食らいつく構図だと思われていた鉄拳界で突然現れたパキスタン勢が無双して優勝する幽遊白書魔界トーナメント編が実際に起きた話。

格ゲーはもう上位がやり込み過ぎてて煮詰まってると思われてただけに新星が現れたのは興奮した。

ちゃんと現地行って取材してるのがいい。



先生オメガを倒したら宿題やってきてやるよ」と生徒が言ったので、わたしゲームライターになった

https://note.com/rurune/n/n9d92e63b81c9

ノスタルジックで素敵なゲーム記事

今はインターネットですぐ答え出ちゃうけど、昔は学校友達ゲーム攻略情報を話しあったりしたな~と懐かしい気持ちになる。



おっさん、それは神宮寺レンや」〜うた☆プリファンやってたら麻薬の売人に間違えられた話〜

https://note.com/custardsomechan/n/nc5bfe1c759fb

オタク特有?の勢いのある文章が好きで良く読んでいるんだけどこれが好き。

情熱のあるブログ書いてる人って男オタクより女オタクの方が多い気がするのは気のせいなのかそんなもんなのか。


’89 牧瀬里穂JR東海クリスマスエクスプレスCMが良すぎて書き殴ってしまった

https://sakumaga.sakura.ad.jp/entry/2020/10/07/120000

とんでもなく長い記事を書くことでお馴染みのpatoさん。

数十秒のCMプレゼントの中身から駅構内図まで深く考察熱量を保ったままこれだけの文章にするのは狂気といっても差し支えないのでは。

何より牧瀬里穂可愛い

零細企業を買収した後に行ったDXとは呼べないDX

https://note.com/reisaikigyou_ma/n/n052860974e26

企業買収して改革した人の話



ざっと考えたけどこんな感じ、他におススメあったら教えてほしい。

2022-11-24

あの2012年から10年ですよ

2012年といえば

スカイツリーができたり、WiiUが発売されたりガルパンTV放映されたりしました

ノスタルジックな話をしたかったんだけど、スカイツリーWiiUガルパンももっと前だと思ってた

2022-11-22

日本原風景っていったらみんなどういう景色を思い浮かべるの?

俺は山から海までがつながってて坂道ばっかりで、

有名どころで言えば尾道らへんの風景が思い浮かぶんだけど、

これが自分の親の実家瀬戸内夏休みごとに里帰りしてたからなのか、

それともノスタルジック風景として割とみんな思い浮かべるかがわからない

2022-11-11

電子書籍って読みやす

けどなんか味気ない感じがする。

味わって食べてるんじゃなくて栄養をただ入れてるだけみたいな。

こんなノスタルジックは好きじゃないけどそう感じてしまう。

2022-08-15

共感にあらがえ - 内田樹の研究室を読んで

これは、いろいろと考えさせられるいい文章だと思った。永井陽右という青年を振り回すかのように語る内田樹。こういうマウントは嫌いじゃない。

ただ、内田が、

感情の器」って、あくまでも個人的身体条件のようなものから

というとき、何か逃げた回答のような印象を受けた。

たとえそれが自分の中から湧き出す内発的なものだとしても、大昔にアダム・スミス道徳感情論で追求したように、何かのテコで共鳴し、社会規範構成するに至るメカニズムが何かしらあるんだろうと俺には思えてならない。

そういう感覚を身に着けるのにどうすればいいかと問うた永井氏に、家風だとか、弟子入りだとか、そんな表現内田氏がするのは、けむに巻いているようにしか思えなかった。

家風にしても弟子入りにしても、そのつながり方が、社会規範にむすびつくメカニズムがあるはずだ。

アレックス・カー20年前に書いた本で『犬と鬼』という著作がある。

おりしも建設省代表される特別会計の闇が浮き彫りになった時代

アメリカの7倍のコンクリートを使って日本山河コンクリートで固めようとしていた、公共事業のあり方に疑問を呈した名著。

その『犬と鬼』のなかでカーは、そんな日本に至った問題を解明するヒントは「徳の逆説」にあるという。

「徳の逆説」というのは、国家も人も同様に、自分たちに最も欠けている資質を最も高く評価する傾向があるという、カーが常々思っている真理を彼なりに名付けたものだ。


A・カーは、フェアプレイ精神といいつつ、七つの海を支配した大英帝国の事例、平等を錦の御旗にしていた共産主義者トップ黒海に豪奢な別荘を保有し、人民実質的農奴と変わらない生活だったというソ連の例などを挙げつつ、最後に、和を貴ぶ日本人がなぜ明治開国後、対外侵略に夢中になったかという精神性に触れてゆく。

「徳の逆説」は、身近なところでも当てはまる。口うるさい親や上司説教ブーメランに思えてならない、という経験は誰もがしているはず。そして気が付くと俺も親父と同じことを子供に、という連鎖

最近、想起するのはやはり旧統一教会家族価値を高らかに謳いあげておきながら、その活動が原因で多くの家族崩壊している、といった、「おまゆう問題崩壊させているがゆえにますます高まる家庭の価値、という悪循環。これもA・カーのいう「徳の逆説」が見事に当てはまる。これは人が自分自身を規律しようとするとき動機付けメカニズムなのだ

内田永井議論テーマひとつである人権平等。あたか普遍的原理についても、

それを概念として具体化して社会が取り込んだ過程を決して忘れてはならない。

アメリカ建国者の一人、トーマスジェファーソン人権宣言を起草した当時、200人以上も奴隷を抱えていた。

これは矛盾というよりも、むしろ奴隷制にどっぷりと漬かっていたからこそ人権宣言が生まれたという「徳の逆説」のメカニズムを見るべきだろう。

どんなに薄汚れた社会であっても、一度高らかに掲げた理想は、その社会を真綿で絞めてゆく。欲望大全開の人民を前提にすると、民主政は成り立つのか。多数決をすれば少数者が圧政に苦しむのではないか、これがマディソン含め、建国者懸念だった。しかし、為政者の徳(アリストクラシー)と、欲望とは別に社会で正しいと思うことに投票する、二重人格的な資質人民に備わっていると信じて建国者デモクラシー設計した。裁判を通じ、繰り返し憲法価値観をテストする、という振り返りをビルトインした設計は本当に優れたものだ。結果として、最高裁が突き付けた奴隷制と財産権矛盾が、南北戦争北軍正当性を決定的にする。

内田議論に戻ると、外付けの人権というテーマと同時に、内発的なものとしての感情の器という、とても重要キーワードを出している。それは他方で外付け実装された人権と、どのような整理ができるのだろうか。

自分でうまく整理がつかなかった。内田はいう。

「人としてどうふるまうべきか」を子どもに刷り込むのは「家風」なんですよ。子どもたちは親の背中を見て、人間としての生き方を学ぶ。それは教科書で教えることじゃない。

これは、親子を中心とした自分史と言い換えられるのではないかと思った。さらにいえば、自分史は必ずしも親は関係いかもしれないのではないか。つまりこれまでの人生、来し方がキーなのでは。

内発的なものと外付けのもの、この二つはやはり、きちんと切り分けて、そして二つが、どうつながってゆくのか。以下、自分なりに整理を試みる。

まず外付けの倫理から。どのように受容されてきたか

舶来の概念というのは明治以来、洪水のように入った。民法など契約法の世界は、ほぼほぼ圧倒されたし、戦後憲法のものアメリカ経験に基づいたものだ。

しかし、日本人権教育は、残念なことに、人権普遍性を論証することに熱を上げてしまって、そもそも誰の内発的な経験がもとになっていたかという成り立ちのメカニズムを忘れた議論が多い。公共の福祉論などをいくら学説定義を整理してきれいに論じても、だから何?の議論だった。

戦後人権を外付け実装してきた日本は、そのルール規範の成り立ちといった背景をもう少し知る必要がある。それは教養として。

現在、旧統一教会問題話題の、国家宗教というテーマにしてもそうだ。

政教分離キーワードとなるのは、恐怖から解放だ。宗教に悩まされ、その扱いに苦慮するのは古今東西課題だ。宗教いかに折り合いをつけた制度設計をするか、古代ローマ時代からずっと抱えてきた。宗教的寛容、これが統治のカギだと気が付いたのはカルタゴ勝利した古代ローマ

そのテーマに対して、新天地アメリカに到着したプロテスタントたちの子孫が18世紀になってメイフラワー号の協約を思い出して試みたのは、旧世界では試みたことのない壮大な社会実験だった。百家争鳴な多様性のなかで社会構成するには、誰が正しいことを言っているのかは誰も断定できない、という前提に立つ必要再確認された。それが言論の自由関係では、20世紀初頭にホームズ裁判官らに代表されるように、自由市場比喩が生まれる背景ともなった。

他方、旧世界フランスでは、唯一の正しさを神に代わって宣言するカトリック教会権威苛烈弾圧が恐怖であった。だから公共空間合理化を徹底し、宗教を一掃する制度設計になった。フランス言論の自由は、その意味カトリック否定する権利が原点となる経験なのだ。だからこそ、フランスでは今でも神を冒涜する言論というのが非常に重要意味をもっていて、先日、仏風刺紙シャルリー編集長が英作家ラシュディ氏襲撃を非難したこと歴史的な背景は深い。

このように、人権というものは、何に対して恐怖してきた歴史があり、生まれてきたものなのか、という原点に思いを致すことが大切だし考えるコツだ。利他性じゃなくね。

それは、実は国によって微妙コンテクストが異なるものであり、普遍的価値として昇華できなくもないけれども、むしろ司法を通じて、原点となった恐怖を大切に思い出す機会が重要で、その社会が、その真理を繰り返し確信し、制度を強化し、再生産する重要な仕組みなのだと思う。逆に言うと、普遍的価値なら、なぜ何千年も克服できなかったか意味を問うというか。

しかし、外付けの倫理として受け取ったものを、思い出すかのように歴史を振り返るのは容易ではない。戦後日本裁判所も含めて。

でも、それこそが日本人権教育に欠如したものだということは個人的には強く思うところだ。


その意味では、外付けではない、外国の借り物ではない、内発的なもの感情の器からみえてくる倫理、これは本当に大きな価値がある。

内発的なものを自省するうえで、もっとも大切なのは自分の国や自分家族自分自身の歴史だと俺は思う。

自分自分先祖が痛い目にあってきた経験、あるいは他者を痛めにあわせてきた経験というのは、その人固有のものであって、その自分史や国の歴史を忘れてしまうと、あとは外付けの倫理けが残る。国レベルで言えば、それは端的に明治以降の日本アジア欧米との対外関係であり、開国以降、アメリカに敗北するまでの戦争に明け暮れた体験に他ならないし、国家神道によって死生観まで国に洗脳されかけた手痛い経験だ。

歴史というと大げさだが、要するに「自分たちに最も欠けている資質を最も高く評価する」、おまゆう精神自覚することだ。これは教養として学ぶというよりも、もう少し内省的なものだと思う。

自分理想とするもの現実とのギャップを振り返る作業といってもいい。

自分に欠けている部分、そこにこそ追い求めている何か理想的な姿の反転がある、という振り返り。

ネイションとしていえば、戦争体験の振り返りが重要キーになるし、国家宗教というのは、国家神道と戦争という経験で痛い目をみているのであり、ある意味、輸入された欧米経験教養として追体験するだけではなく、日本人が原体験としてもっていた大切な教訓。愛媛県靖国神社玉串料訴訟(1997年)の最高裁判決行政戦没者の遺族の援護行政のために靖国神社などに対し玉串料支出したこと違憲とした歴史的判決で、戦争経験がしっかり振り返えられた、という点で、司法仕事としてとても大きなものを残したと思う。建国精神を振り返るのが裁判所の仕事の一つだと思う。

しかし、戦後77年。戦争体験が風化するなかで、「あの時代を生き抜いた」という共通体験共通項として持っていたものがどんどん失われているのが今の時代

50年前の高度成長期だったら、戦争で死んだ部下を思い出しながら、仕事にまい進し、酒場で同期の仲間と語り合う、とか、厳粛に生きるための厳粛な死が記憶としてあった。

「あの頃は」という共通過去で人はつながることができた。それが内発的なものとして60年安保闘争を支え、水俣闘争があった。外付けの倫理ではない、思い出としての切実さの空気の共有があった。

まり、舶来の外付けの価値観と内発的な器は、その頃はわりと調和していた、といえるのだ。

それが、失われ、外付けの価値観だけがカラカラと空回りし始めているのが今の時代の特徴で、失われつつある寛容性の正体なのだろう。

永井氏はそんな時代に生まれ育った。彼は対談のなかで、大学時代

「そうかそうか、人権というものがあるのか、みんな賛同してるし普遍性高いじゃん」となりました。

と、外付けの人権から始まったと語っているが、外付けのものにも普遍性のみに着目し、それが生まれてきたプロセスを振り返らない、人権教育の失敗が見て取れる。

また、日本憲法に組み込まれ歴史への反省(前文含め)も記憶の風化とともに、個々人の内省が、時代への共鳴という形で、共感を醸成しなくなってしまっている。

高度成長期に「あの頃」といえば戦争時代だった。

それはかろうじて80年代までは存在していた。「おしん」が異例の1年間の朝ドラで始まってしばらくすると、

視聴者からは、おしん私自身そのものです、という声が橋田壽賀子のもとに多数届いたという。

しかし、時代は変わって、平成から令和になって「あの頃」といえば、昭和の末期なのだ

しかもそれをノスタルジックに思い出す、三丁目の夕日的な振り返りだった。さらには、あさま山荘であり、学歴社会バイクを盗んで走る尾崎豊であり、バブルの思い出なのだ。それは、その遺産に苦しんだ次の世代にとっては共感を呼びにくいものであるし、自分たちの社会の重圧と、戦争記憶との関連が薄まった。当然、日本憲法リアリティが失われ、右派から改憲論議が盛り上がってくるのは必然的なことだった。そんななか、統一教会が国の内部を白アリのように巣くって愕然とした先月から今月にかけての出来事というのは、忘れかけた宗教国家の結びつきの恐ろしさを、突如呼び覚まされるものだったに違いない。

しかし、いずれにしても過去記憶憲法規範が直接に結び付かない、その世代経験、そこに、永井紛争国の辺境の地を自分テーマに選んだヒントがあるように思えてならない。

紛争リアルがそこにある。そこに普遍的価値として大学生ときに知った人権、そして憲法価値を、自分なりの振り返りとして再確認する、動機付けがあったようにも思う。

しかし、たとえ社会の人々と共有されないものであったとしても、ひとは自分史のなかで、どうふるまうべきかを動機付けられる。

永井氏が、内田氏との対話のなかで

私は逆に、子どもの頃はよく母親に殴られたり色々と物を捨てられたりされていて、そのときに「この家では力を持った奴は殴ったり物を捨てたりしていいんだな」と思ってしまったんです。そして中学生になって殴られたときに「よく見たら小さいし別に喧嘩が強いわけでもないな」ということに気が付きまして。それでそこから自分母親のことを殴りまくるようになりました。ひどい時はアザだらけでしたよね。父親単身赴任でしたし。

といったときに、内田はそこにしっかりと気が付くべきだったと思う。

全然人権派じゃないね(笑)。」と返した内田に若干物足りなさを感じたのは、まさにそこだ。

動機付けられるものが、必ずしも、家風であったり、模範的ロールモデルとは限らないのだ。

この体験辺境の地での人権探し、自分探しは、多分無関係ではない。


ともあれアレックス・カー面白い

読んだのは20年前だが、年齢を重ねれば重ねるほど、彼のいう、逆徳精神の考え方が真理に思えてくる。

A clue to the problem may be found in what I call the theory of Opposite Virtues. Nations, like people in this respect, may pride themselves most highly on the quality they most lack. Hence “fair play” is a golden virtue in Great Britain, the country that attacked and subjugated half the globe. “Equality” was the banner of Soviet Russia, where commissars owned lavish dachas on the Black Sea and the proletariat lived no better than serfs. The United States prides itself on its high “moral standard,” while perpetuating racial and moral double standards. And then there is l’amour in France, a nation of cold-blooded rationalists. Or Canadians priding themselves most on being so distinctively “Canadian.” In Japan we must look at the time-honored ideal of Wa, “peace.” Wa means security, stability, everything in its proper place, “knowing what is enough.”Yet a persistent irony of Japanese history since 1868 is that for all the emphasis on peace and harmony, they are exactly the virtues that Japan did not pursue. At the end of the nineteenth century, rather than settling back to enjoy its new prosperity, Japan embarked on a campaign to conquer and colonize its neighbors. By the 1930s, it had already acquired a tremendous empire in East Asia; this inability to stop led to its suicidal attack on the U.S. base at Pearl Harbor, as a result of which it lost everything. Something similar is happening again. Perhaps Japan values Wa so highly for the very reason that it has such a strong tendency toward imbalance and uncontrollable extremes.

Dogs and Demons, 2002, A

2022-06-28

世の中は少しずつ良い方向に進んでいる。

コンビニ弁当といえばまずいご飯代名詞だったが、最近コンビニ弁当はそこそこ食える。

冷凍食品も以前は手抜き料理代表選手だったが、最近の冷食は主役級だ。特に冷凍餃子

タバコゴミポイ捨ての量も昔に比べて圧倒的に減っているし、痰を道端に吐く奴もかなり少なくなっている。立ちションしてるやつなんてもうここ10年くらいは見てない。

サブスクUberなど、昔はなかったさまざまなサービスがたくさん登場していて、生活は本当に便利になった。

スマホパソコンも安い価格でかなり高性能のものが手に入る。

パワハラセクハラも少なくなった。サービス残業もまだあるだろうが、それへの人々の眼差しは明らかに変化した。産休・育休も男性を含め取る人が増えた。

有休退職する際に一気に消化するもの相場が決まっていたが、今は上から有休を取れと命令がくる時代だ。

無法地帯だったネットも、誹謗中傷する奴はどんどん訴えられて損害賠償請求を受けるようになっている。

LGBTと呼ばれる人たちも、以前はテレビバラエティで「オカマ」とか「ホモ」とかといっていじられるだけの存在だったが、今そんな扱いをしたら大炎上で即座に番組打ち切りだろう。

昔は良かった的なノスタルジックな言説を撒いているヤツもいるが、自分昭和世界生活できる気がしない。

今の生活の方が圧倒的にいい。

もっと便利で、きれいで、美味しくて、働きやすくて、一人一人が尊重される世界になって欲しい。

2022-06-13

https://t.co/fekc2DUeQK

日本ブランド「BAOBAO」が中国で人気のため、中国の模造品が出回っている。 より多くの日本人に知ってもらうため、中国人が日本で模造品を販売する仕組みを説明します。

図1は正規品 49500円

図2は模造品 99元(約2千円)

しかし、安いだけでは売れない。中国人は日本ブランドが好きなので、MISHILという偽の日本ブランドが登場。

動画のように、日本にいる中国インフルエンサーが「本当に日本で買ったよ、セール中だから安い」などと宣伝し、注文を受けた後、中国メーカーは、発送先の住所を偽造し商品を発送する、という流れ。

ちなみに、映像の中で中国人が高級車の前に立っているのは印象操作のため、要は「我々は金持ちから、偽物を売る必要がない」という暗示。

実際にアマゾン検索結果にゴミが出るのはうざいが、

こういうのは女性向けってこともあってなんかほほえましい詐欺だな

日本でもバナナのたたき売りとかあったもんな

ノスタルジック手法というか

なんというか、ほほえましい

2022-06-12

ノスタルジックな「美しい景観・街並」の維持費を所有者個人におっかぶせる「再開発反対」する人たちの意味がよくわからんのよな。「この風景を残すために募金をお願いします」ならわかるけど。

2022-05-28

離婚したりした

空になった家をみてノスタルジックな気分になった。

幸せ・憎しみ・悲しみ・怒りいろんなものが一緒になった空の家だった。

都心の中くらいの広さの家には数ヶ月前まで平凡な夫婦暮らしていた。

2022-02-07

おすすめ日本の世界遺産

世界遺産というと軍艦島日光東照宮金閣寺屋久島知床といった煌びやかだったり雄大自然イメージしがちだが、三重津海軍所跡みたいながっかり世界遺産もある。

マイナーだけど遠賀川水源地ポンプ室や小菅修船場跡といったノスタルジックかつわくわくする世界遺産や、軍艦島の影に隠れているが高島炭鉱や、野崎島集落跡(おすすめ)の様な素敵な所が沢山あったりするので、今一度見たい世界遺産をチェックしておくべきだろう。

https://bunka.nii.ac.jp/special_content/world

2022-01-30

ヴィジュアル系バンドとしての演奏力がすごいのはLUNASEA

Gravityって曲があるんだけど、主旋律は正直退屈なんだけど、楽曲として聴くオーケストレーションが美しくて完成度が高い。ノスタルジックさえ感じる。

GLAYラルクファンには申し訳ないけど、あの時代ヴィジュアル系ではルナシーが頭一つ飛びぬけてるよね。

XジャパンBOOWYはまた別の意味ですごいし彼らの原典だと思うけど。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん