「伏見」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 伏見とは

2024-11-12

2024年11月10日 VOLA&THE ORIENTAL MACHINE/Lilles and Remains 「PLAY VOL.58」@池下CLUB UPSE

2024年11月10日 VOLA&THE ORIENTAL MACHINE/Lilles and Remains 「PLAY VOL.58」@池下CLUB UPSET

VOLAライブを観るのは2019年にHINTOと下北で2マンやった時以来なので5年振り?リリーズと対バンなのめちゃくちゃ楽しみにしてた!名古屋と言う人入りがあまり良くない土地ライブしてくれる事に感謝。人もそこそこ入ってて良かった。

背が低いので段差上から観る事に。UPSETの規模とハコ的に何処で観ても観やすい·音も良い·入場もちゃんとしてるしで、名古屋で一番好きなハコ。唯一の難点は自分の好きなバンドは滅多にUPSETでやる事はないと言う事だけ…。

  • Lilles and Remains

リリーズでも中畑さんが叩くとの事でより楽しみにしてたけど、期待以上の演奏テンション上がる〜!!演奏上手〜!!!聴きたい曲も懐かしめの曲も沢山聴けて嬉しい。リリーズってMC全くない印象あって、でも普通に一杯喋ってたから私の記憶いかと思ってたけど、やっぱり昔はカッコつけなきゃとかそっちの方が良いんじゃないかって思ってたかMCしてなかったってKENTさんが話してたか記憶は間違ってなかった。カッコつけるの無理、喋りたいとの事笑 と言うか普通にMC上手くて面白かった笑 バシバ演奏していくので思ってたより沢山曲数聴けたし手数が多い系のドラムを叩く中畑さんを味わえて最高。

K「55分ぐらいまでだっけ?(演奏して良いリミット)」中「ちょっとくらい良いんじゃない?笑 先輩には俺から言っとくよぉ」K「それが怖いんですよ…笑」のやり取り面白かった。

K「ドラム2連チャンって中々ないので(中畑さんは)大変だと思う」中「大丈夫!…多分大丈夫!笑」K「手数多い曲選んどいたんで笑」中「笑」

メンバー紹介でsyrup16gVOLA&THE ORIENTAL MACHINE中畑さんって紹介があって何か嬉しい…。未だにシロップ再結成したと言う実感をこう言う所で味わっている…。

中村さんが終始ガチの真顔ですごいと思った笑 メンバー紹介あるまでずっとサングラスかけてたから表情読み取れないのかと思ったけど外しても真顔だった笑 中村さんとナツキさん、両方共めちゃくちゃ存在感あって素晴らしかったなぁ。また是非共ライブ観たい。

ぶっちゃけ書いちゃうVOLAライブに行かなくなった理由楽曲云々もあるけど一番はギター青木さんじゃなくなったってのが大きくて、アヒトさんがそんなにギタースキル高くない分青木さんのギターがあってこその世界観だったり音楽性が表現出来ると感じていたので…。久しぶりに観るボラ大前提に前見た時よりアヒトさんが元気そうで良かったなと思ったし、気合い入ってるのがす伝わってきた。新しい曲から古い曲まで満遍ないセットリストで、Mexico Pubの始まりはいつ聴いてもカッコ良い。あと中畑さんのLOVEが観れたの良き。昔は嫌悪感しかなかったけど…笑 コミケと夢診断も久しぶりに聴いたかも。でも昔の曲聴くとやっぱギター物足りんのよなぁ…申し訳ないけど…。

Dead or Danceの1.2.3.4をやる中畑さんも久しぶりに観れて嬉しい!昔は(ry 今はもう可愛いな〜としか思わなくなった笑 この曲でアヒトさんがフロアに降りてきてびっくりした。近くで観るアヒトさん、めちゃくちゃ痩せてたし顔小さかった笑

MCの覚え書きと雑感想

·アヒトさんがチューニングするから喋っててとの事で笑 残りのメンバーMC名古屋ボラ演奏するのが10年振りとの事。2014年伏見JIMMIN'振りらしい。楢崎さんが物を無くしたって話とアヒトさんのギターか壊された話で中畑さんからアポロシアターと言う言葉が出で驚く。無くなっちゃったのかな?って話してて地方ライブハウスなのに詳しいし、中畑さん記憶力良すぎる…。個人的にはボラライブって言ったらアポロシアターだったので懐かしい気持ちになった。

·アヒトさんが酔っ払って打ち上げ味仙で蛙の唐揚げポケットに入れたまま帰宅し次の日めちゃくちゃ驚いたって話もしてた笑

·アヒトさんからリクエストビール乾杯する。メンバーリクエスト銘柄なのか分からないけど、有江さんと中畑さんが交換してた笑(有江さんがアサヒスーパードライ中畑さんが札幌黒ラベル?飲んでた)中畑さんもライブ中に缶ビール1杯ぐらいなら普通に飲める感じになったんだなぁ。(飲めるの)嬉し〜って喜んでた笑

·アヒトさんが3回目か4回目の人生ビール造りとかしてみたいって話から何て(名前の)ビールします?って中畑さんが聞いて即答で「キチネコビール!」と答えるアヒトさん笑 こぶしの効いた和っぽいCM曲?みたいのを即興で歌った下りからテレビの話になり中畑さんが住んでた頃の青森は2局しか映らなかった(日テレTBS)、高校生の頃にテレ朝が映るようになって初めてミュージックステーション見た(!?)と言う話に笑 信じられん…。

·お知らせがありまーすってアヒトさんが言ったら中畑さんが「なになにぃ〜?」って相槌打ってて可愛かった笑 来年大阪でonion Nightが開催されるとの事。歓喜悲鳴上がってた笑 中畑さんが「是非来て〜」って言ってて拍手?起こってた。

·めちゃくちゃ楽しそうな中畑さん。偶に有江さんと目合わせて笑い合ってるのとても良い。有江さんは菩薩の笑みでフロアを見てた笑

·鯔のMC中畑さんがめちゃくちゃ喋るのとアヒトさんの絶妙につまんない話(失礼過ぎる)と有江さんの高スキルMC力で軌道修正する感じがそうそうこんな感じだったなぁと思うなど。

·ただの悪口なっちゃうが、昔から感じてた気持ちを思い出したと言うかやっぱフロントマンアヒトさんのテンション、割と苦手な部分もあり…。ボラライブ観にいっといてなんだけど…。まぁアヒトさんが元気そうで、それだけで良かったなと思ったけど…。1月VOLA予定してるのでその時観たらまた違う感想持てるかも…。

最後セットリスト(Xから検索かけてます)

·Lilles and Remains

1.Like The Way We Were

2.Muted

3.Superior

4.Pass Me By

5.Body

6.The Fake

7.Final Cut

8.Some Girls

9.Neon Lights

10.Moralist S.S.

11.This City

12.Grind

·VOLA&THE ORIENTAL MACHINE

1.EMPIRE OF THE V O L A

2.THANK YOU MY FORCE

3.MAC-ROY

4.A communication refusal desire

5.夢診断

6.Fatal Incident

7.comeback in darkness

8.Mexico Pub

9.S.E.〜Self-Defense

10.An imitation's superstar

E.N

1.Dead or Dance ‼︎(アヒトさんフロア降りあり)

2024-11-07

あげまん」って伊丹十三造語だよな?

Wikipediaにも何やらそれっぽい語源説が書かれてるけど、1990年伊丹十三映画あげまん』以前に「あげまん」なんて言葉はなかったよな。

男にツキをもたらす女、古来人々はそれをアゲマンの女と呼びならわしてきた・・・

なんて、いかにも昔からある言葉のように演出したら、みんながそれを信じちゃったってことだろう。

ただし、同じ意味言葉として「福マン」というのはあって、これは1970年代ごろから使われていたようだ。

1970年雑誌小説宝石』に掲載された伏見太郎『男が知りたいズバリ女の感度めぐり 男よ、おかめを探せ』に「福マン」の解説があるのが、調べたかぎりでは最も古いか

男子の「運」というものは、ほとんどの場合、それを齎らす女性によってつけられるものなのである。斯く申せば、諸君は、ではそうしたツキを齎らす女性とは、いかなる女性であるか、大いに知りたいと思われるであろう。私はこんなところで、決して諸君に気をもたしたりはしない。ズバリ言おう。それは「福門」を有する女性なのである

筆者註 モンは往々マンと訛る。従って福モンは福マンと読み、かつ解すべきである

「解すべき」というのは、つまり「門というのは女性器のことだと解すべきだ」という意図だろう。

この筆者は、おかめ顔(お多福)で体毛(陰毛)が薄い女性こそが「福マンである、としており、逆に濃い陰毛を持った女性は「厄マン」だと述べている。

その前年1969年の『週刊サンケイ』では「福マン」ならぬ「運マン・貧マン」が紹介されている。

男どもは世にこの貧マンのあるのを、意外と知らないで、ただひたすらミミズ千匹、タワラ締めなどを求め、めぐりあっては随喜の涙を流し、かくて、ろくでもない運命をつかんでしまう。

当然、この反対に運マンがある。これは、接触すると、とにかくよくなっちゃうのである。ある男がいた。これが、女が見てもうらやむほどの、ものすごい美人結婚した。しばらくすると仕事が順調に伸びだし、たちまちにして、その世界でひとかどの人物になってしまった。

概念自体は「福マン」あるいは「あげまん」と同じようだし、またミミズ千匹だのタワラ締めだのと明らかに女性器を意識して名付けられてもいる。

また1970年野坂昭如好色覚え帳』には「福チン」が登場する。

「そりゃ、きっとその先生が福チンなんだなあ、福チンが勝ったにちがいねえや」という、福チンとはなんぞや、庄助考えこんでいると、「福の神のオチンチンですよ、定奴の貧乏おそそと、勝負して福チンがやっつけちまったんだねえ、だから定奴にも運が向いてきたんですなあ、あれだけの先生なら福チン持ってて不思議はないやね」

「おそそ」は女性器のことなので、「貧乏おそそ」は「厄マン」的なものだろう。

さら1972年オール讀物』の永六輔『妻を考える』では、

世に「福マン」「福チン」「損マン」「損チン」と呼ばれるモノがある。

などとして「福・損」「マン・チン」の組み合わせを取り揃えている。

あげまん」については「女性器のことではなく『間』が転訛したんだ」といった説明もされるが、こうして見るとやはり女性器のことだと考えるべきなのだろう。

そして伊丹十三は、こうした「福マン」「厄マン」的なものから着想を得つつ、元のイメージから切り離すためにちょっと字面を変えて「あげまん」としたんだろうな。

追記

申し訳ない。

1980年刊の『或る馬賊芸者・伝 : 「小野ツル女」聞き書より』にて「上げマン」「下げマン」を確認した。

特に奴(やっこ)が生きてきた芸妓世界では、ことが多過ぎた。貧乏性で相手を必ず破滅へと落し入れる女、何人もの男の命を奪い取る女、逆に男を出世させる女など…。上げマンとか下げマンという言葉も残されている。

というわけで「上げマン」「下げマン」は伊丹十三造語ではないし、もとは花柳界隠語だったことも確実のようだ。

伊丹十三にあらぬ疑いをかけてしまたことを陳謝する。

2024-10-19

明治維新について簡単解説して!

明治維新(めいじいしん)は、1868年から始まった日本の大きな変革のことや。

江戸時代が終わって、武士時代から近代国家へと移り変わる大改革やったんや。

まず、江戸時代は長いこと続いたけど、外国日本に「開国せぇへんか?」って迫ってきたんや。

特にアメリカペリーさんが「ドン!」って黒船でやってきたんが大きなきっかけやな。

それで、徳川幕府がグラグラし始めたんや。

その後、薩摩藩長州藩を中心に「このままじゃアカン!新しい政府を作ろう!」ってなって、徳川幕府を倒す動きが強まっていったんや。

それで、天皇を中心にした新しい政府ができて、これを「王政復古」言うんや。

明治維新では、封建制度廃止されて、武士特権もなくなったんや。

そして、中央集権政府が作られて、軍隊近代化されたんや。

さらには、学校も作って、外国技術文化をどんどん取り入れていったんやで。

簡単に言うたら、江戸時代の古いシステムを壊して、新しい時代を作ったんが明治維新やな。

これで、日本は急速に近代化していって、世界の仲間入りを果たしたんや。

(でも国内内乱があったんだよね?)

そうやね、明治維新過程では日本国内内乱もあったんや。

特に有名なんは「戊辰戦争(ぼしんせんそう)」や。

戊辰戦争1868年から1869年にかけて起こった戦いやねん。

徳川幕府を倒して新しい政府を作ろうとする側(薩摩藩長州藩が中心やった)と、幕府側の勢力がぶつかり合ったんや。

この戦いは京都鳥羽伏見から始まって、東北地方まで広がったんやで。

特に会津戦争函館戦争が有名やな。会津藩幕府側を支援して戦ったんやけど、最終的には負けてしまったんや。

また、函館では旧幕府軍榎本武揚(えのもとたけあき)が五稜郭(ごりょうかく)で最後抵抗をしたけど、こちらも新政府軍に敗れてしまったんや。

この内乱は、ただの権力争いだけやなくて、日本全体が新しい時代に進むための大きな痛みとも言えるんや。

結果的に、天皇を中心にした新政府勝利して、日本中央集権化と近代化に向かって進んでいったんやな。

(その時西郷隆盛は何してたの?)

西郷隆盛(さいごうたかもり)は、明治維新の中心人物のひとりで、戊辰戦争の間もめちゃくちゃ大きな役割果たしてたんや。

まず、西郷薩摩藩リーダーとして、新政府を作ろうとする側に立ってたんや。

鳥羽伏見の戦いでは、幕府側と戦って新政府軍勝利に導いたんや。

彼は戦術にも長けてたし、部下たちにも慕われてたから、戦争勝利に大きく貢献したんやな。

戊辰戦争が進む中でも、西郷東北地方函館方面派遣される新政府軍の指揮を取ったり、旧幕府側との和平交渉にも関わってたんや。

特に江戸城無血開城江戸城を戦わずに明け渡すこと)では、西郷勝海舟(かつかいしゅう)が話し合って、江戸戦火から守ることができたんや。

これは西郷人間的な魅力や度量があったからこそ、実現できたもんやね。

ところが、明治維新が進んで新しい政府ができたあと、西郷新政府方針対立するようになってくんや。

特に西郷は、急速な近代化中央集権化の進み方に対して反感を抱いてたんや。

そして、最終的には西南戦争1877年)で政府反旗を翻すことになったんや。

この時、西郷薩摩士族たちを率いて、武士伝統や誇りを守ろうとして立ち上がったんやけど、結果的には政府軍に敗れてしまい、自ら命を絶つことになったんや。

簡単に言うと、西郷隆盛維新立役者でありながら、最終的にはその維新の流れに反発して戦った、というめっちゃドラマチックな人生やったんやな。

(あと伊藤博文についても解説して。なんか悪いイメージもあるよね)

伊藤博文(いとうひろぶみ)は、日本の初代内閣総理大臣憲法の制定に深く関わった人物やけど、確かに彼に対する批判的なイメージもあるんや。

それにはいくつかの理由があるねん。

まず、伊藤博文明治政府の中で「近代化」を進めた立役者やけど、その一環として朝鮮半島への介入や植民地政策に深く関わってたんや。

特に伊藤朝鮮に対して行った政策や、朝鮮日本保護国したことで、彼は後の日本植民地支配の基盤を作ったと言われてるんや。

これが大きなマイナスイメージひとつやな。

伊藤は、1905年日本韓国保護国化した際、初代韓国統監(かんこくとうかん)に就任したんや。

この統監府は、事実上日本韓国支配するための機関で、伊藤はそのトップとして韓国の内政に強く介入したんや。

この時期に韓国独立自主権が大きく損なわれたことが、彼に対する批判の大きな要因や。

その結果、1909年伊藤博文韓国ハルビン駅で、独立運動家の安重根あんじゅうこん)に暗殺されてしまったんや。

安重根伊藤を、韓国侵略独立を奪った人物として憎んでおり、この暗殺日本韓国の歴史に深く影響を与えたんや。

また、国内でも彼が明治政府の中枢で権力を握ってたこから一部の人からは「藩閥政治」を進めたと見られ、権力を一部の有力者たちで固めたことに対する批判もあったんや。

まり政治一部の人たちの手で動いていて、庶民の声が届きにくいっていう不満があったんや。

総合的に言うと、伊藤博文日本近代化に大きく貢献した一方で、朝鮮韓国との関係、そして国内外での権力集中に対する批判があるからマイナスイメージが残ってるんやな。

(女癖も悪かったと聞いてるけど)

ああ、そういう話もあるな!伊藤博文は「女癖が悪い」って噂がよく出る人物でもあるんや。

彼は若いころからかなり遊び好きで、特に女性関係にはだいぶ自由奔放やったらしいで。

彼は明治時代政治家の中でも、遊び人として知られとったんや。例えば、若いから遊郭に出入りしてたし、いろんな女性関係を持ってたっていうエピソードも多いねん。

噂によると、50歳を超えてから若い女性に夢中になってたとか、何度も結婚離婚を繰り返したりして、結構な数の女性と浮名を流してたんや。

特に彼の「芸者好き」は有名やったんや。政治家としての公の顔とは別に、夜はよく芸者遊びをしてたというエピソードがたくさん残ってるんや。

これが「女癖が悪い」という評判の元になってるんやろな。

さらに、晩年でもそうした生活を続けとったみたいやから一部の人からは「品がない」とか「節度がない」とか批判されることもあったんや。

ただ、そういう奔放な生活があっても、政治家としては一流やったんやけど、そのプライベートの部分があまり良いイメージを持たれてないってことやろな。

から伊藤博文には偉大な政治家としての側面と、ちょっとだらしない私生活の一面があって、それが「女癖が悪い」という評価に繋がってるんやろうな。

2024-10-14

[] 『スクールバック』におけるevilとは何か

18話の豊先生の扱いは少し気の毒だったな。決定的にギルティと断じれるほどのことはやってないし、むしろ見方によっては善良な言動しかしていないようにも思えるけれども、作中での評価は「だるい」、「うざい」、「キショい」などと散々だった。挙句に「近寄らんで~きしょ~」と生徒に面と向かって言われる始末である

人情機微を繊細に描く本作において、豊先生に対する生徒たちの態度は多少ゾンザイにみえる。過剰な言葉を投げかける生徒が諫められることもなく朗らかに去っていく構成は、爽やかな描写に反して後味の悪さを感じた。“豊先生はそんな扱われ方するのも仕方ない”という“含意”がなければ成立しないほど雑な扱われ方だ。その“含意”が何かを考察するなら、これは豊先生が“本作におけるevil”に抵触たからだと思う。

まず、本作における“good”とは何かから考える(※ここでいう“good”というのは、界隈が使うevil対義語として私が便宜上使っているだけの胡乱な表現

本作における“good”の象徴伏見さんであることは明らかだろう。けれども作中での伏見さんの活躍実質的には微妙ものが多い。各エピソードの主役たちは何らかの課題や悩みを抱えているけれども、伏見さんは何か直接的にそれらを解決してくれるわけではない。いや、間接的に貢献しているかすら微妙ときもある。

しかし、それでも伏見さんが“good”の象徴たりえるのは、本作の作品紹介を読めば輪郭が見えてくる。

伏見(ふしみ)さんは、とある高校の用務員。背は高め。仕事熱心。缶コーヒーが好き。そして、丁度いい距離感私たちと話をしてくれる。 今、“自分大人だ”と思い込んでいる人に苦しめられている。今、自分がどんな大人になったらいいのか迷っている。 ちょっとでもそう思っていたら、ぜひ伏見さんに会いに来てください。ホッとしたり、気づきがあるかもしれませんよ。

引用の「丁度いい距離感」という所がミソだろう。つまり本作における“good”とは「丁度いい距離感」のこと。逆に言えば「丁度いい距離感ではない」こと、それに類する言動をする者がevilというわけだ。

近すぎるとevilだが、遠すぎるとgoodというわけではない。

以上を踏まえると、本作の1話なんて典型的に思える。本エピソードの生徒は中盤、痴漢被害に遭う。これは犯罪という時点で勿論evilではあるのだけれども、「丁度いい距離感ではない」という点においても本作のevil抵触している。そして被害にあった子に対して、両親たちはデリカシーに欠けた言葉を投げかける。身内関係であるからこその近さ、そこからくる両親なりの慰めの言葉ではあっても、それは当人が求める「丁度いい距離感からくるものではなかった。

そして遠すぎる場合evilとまでいわないがgoodともいえないよね、ということも提示する。被害に遭った生徒は自ら犯人を捕まえたため、その勇気を褒めたたえる人もいた。しかし、それは表面上の言動と態度から逆算したもので、行為のものに対する上澄みの評価だ。痴漢被害者への丁寧な気遣いをする者もいたが、これも紋切型であり寄り添ったものとはいえない。

じゃあ、何て言えばいいの?と思うのだが、当人自身よく分かっていない。当人が本当に悩んでいる核たる部分は、是非善悪とは別のレイヤーにある。しかも極めてプライベートミクロであるため、明確で普遍的な回答がない。だからこそ苦悩の袋小路に入る。

そんな苦悩に対して本作(伏見さん)は「何とも言えない」という選択をした。「何とも言えないこと」に対しての答えが「何とも言えない」というのは逃げというか、そもそも答えになっていない。けれども、その時の生徒にとっては“個”と向き合い「丁度いい距離感」で接してくれた結果、と受け取られた。

先生がキショい(evil)な理由

先生は常にニコニコとしながら、誰にでも分け隔てなく好意的対応をする善良な教師のようにみえる。けれども、これは誰にでも“いい顔”をしつつ、“個”と向き合わない不誠実な人物……という解釈もできる。つまり「丁度いい距離感」に対して無頓着であるため、“本作におけるevil”に抵触しているわけだ。

作中でのやりとりを挙げるならば、豊先生好意を持っている生徒が「(背が高い人が豊先生の好みだったら)牛乳を大量に飲まないとなあ」などといった軽口に対して、豊先生は「今のサイズ感が可愛いから、今のままでいいと思うよ」と返す。「(牛乳を飲みすぎて)お腹こわさないようにね」という気遣いも忘れない。その生徒が自身好意を持っていることを踏まえたうえで軽口に軽口で返した形だ。こんな調子で、豊先生八方美人の節がある。婚約者がいる立場でありながら、自身好意を持っている女生徒への対応は軽薄にみえる。知り合いの異性にも当然のようにプレゼントを贈ったりする。

けれども客観的にみて、それらをギルティとするのは決定打にかける。他人好意に対して毅然とした態度をとらないというのも実際には一長一短で、豊先生個人でどうにかできない範囲も含まれている。豊先生の振る舞いは節々に粘度を感じるよう描写こそされているものの、それでもって悪徳と断じるべきかは疑問が残る。けれども、何度もいうように“本作におけるevil”とは「丁度いい距離感ではない」こと。その点において豊先生無頓着であることは否定できない。なので生徒に「近寄らんで~きしょ~」と言われ、続けて「大人なんやから ちゃんとしいや~」などといわれる。

面と向かって「きしょ~」とか言ってくる若輩に大人としての在り方を説かれる筋合いはないとは思う。ただ、一応これも先ほど引用した作品紹介文から読解できる。

伏見(ふしみ)さんは、とある高校の用務員。背は高め。仕事熱心。缶コーヒーが好き。そして、丁度いい距離感私たちと話をしてくれる。今、自分大人だ”と思い込んでいる人に苦しめられている。今、自分がどんな大人になったらいいのか迷っている。 ちょっとでもそう思っていたら、ぜひ伏見さんに会いに来てください。ホッとしたり、気づきがあるかもしれませんよ。

「“自分大人だ”と思い込んでいる人」とは、つまり理想的ではない大人」と言い換えられる。

本作における「理想的大人」の象徴伏見さんとするならば、その逆のような存在が「理想的ではない大人」といえるだろう。つまり「丁度いい距離感」で私たちと話をしてくれないのはevilから先生はキショいし、「“自分大人だ”と思い込んでいる人」 だからちゃんとしいや~」ってわけである

最終的に「彼女がいるのに生徒や伏見さんに色目使ってた男」と評された豊先生は「エエ~……」と困惑するしかなかったが、仕方ない。豊先生の扱いは、本作の通底するテーマ価値観からみれば筋は一応通っている。それにしたってどうなんだと思わなくもないけれども、それは私の咀嚼と消化の問題でもあるから片隅に置いとく。

余談:伏見さんが理想大人(のように振舞える)構造

伏見さんが“good”の象徴理想大人メンター存在でいることができる理由ってなんだろうか。メタ的な推測になるが、まず「学校の用務員」という立場がある。

学生たちにとって、自身の抱える課題や悩みを打ち明けられる大人は少ない。主に両親や教師になってくるが、両親は身内であり近しい存在からこそ、かえって言えないことや言いにくいこともある。教師あくま仕事の一環として生徒と接するというフィルターがあるし、それも一人や二人ではなく数多ある生徒に対応しなければならない。他にもやらなければいけない仕事だっていから常に全力で応えてくれるかは難しい。

いや、そもそも本作において学生の抱える葛藤は、是非善悪だけでは語りきれないものが多い。そんなことで白黒ハッキリついて解決するのなら悩んでいない。そんな悩みに対して親身になってくれないのは嫌だが、がっぷり四つでも困るのだ。そんな悩みを抱える学生たちにとって丁度いい距離感で接してくれる大人がいたとすれば、それは酷く理想的うつることだろう。そのために学校の用務員という設定にしたのが絶妙だ。学校にいながら、親や教師が取りこぼしがちな生徒の機微個別に拾うことができる。心のケアをする必要のない立場からこそ、それをわざわざやる伏見さんの善性が際立つ。

本作の描き方からくるデメリットとしては「一概にいえない事柄なのに、メンター言動ベストになってしまいがち問題」はある。まあ、これは学園もの教師もの共通デメリットではあるけれども(典型的なのだと『GTO』の主人公とかは解決方法ほとんど破天荒だったり非合法だったりするが、少なくともその作品世界においてはベストとなってしまいがち)。あと伏見さんを理想大人として描写しようとするあまり、それ以外の大人犠牲になってるというか、簡便に描写されている感はある。豊先生もその一人だなって印象。

2024-10-07

京都市内の物件が高い

市内中心部かつ烏丸線沿線だと高いよね……

地下鉄沿線じゃなくても普通に高いけど、不自由のないレベルバスが走りまくってるから、駅チカはそこまで考慮されてないのか

京都駅より南になると、ガクッと下がるけど、それでも駅チカだと高いぞ。あと京都駅より南になると、バスの本数が極端に減るから駅チカじゃないとしんどい

羽束師や久世まで行くとクソ安いけど、電車もなけりゃバスも少ないし不便すぎる。せめて竹田伏見あたりか。丹波橋まで行くと京阪近鉄特急が停まるから高いな。

洛西ニュータウン限界ニュータウン呼ばわりされてるけど、バスも多いし、イオンモールも近いから言うほど悪くないんじゃないのと思って調べたら、それなりの値段するやん。限界ニュータウン呼ばわりすんなよ。

東西線醍醐辺りまで行くと安いけど、醍醐って何も無いからな……。終点六地蔵まで行くと、再開発が進んでるせいで高い。

北の方……松ヶ崎辺りまでは高いけど、終点国際会館の辺りは安い。でもこの辺りもバスほとんど無いし、駅チカじゃないとしんどいな。それに山の上だからチャリの移動も面倒くさそう。

ということを考え出すと、そらみんな滋賀とか向日町長岡京に逃げるよな……と思ってしまう。

2024-09-19

庶民はそんなに苦しんでたの?

今、大河平安時代やってるけど、SNSなんかだと「庶民は苦しんでるのに貴族宴会して惚れた腫れたやっててバカバカしい」みたいなこというおじがすごい沸く

まあ、こういうおじは二言目には庶民ガーって言うんだけど。

そりゃいつの時代だって底辺で苦しむ人はいると思うよ。病気になったりしたらロクに医者もいなければ薬も買えないし、天変地異が起こっても公的支援なんてほとんどない。

とはいえ平安時代日常生活はそれなりに送れてて、普通に生活する分には飢えたりすることもなかったんじゃないのと思う。

貴族の家って今でいえばでかい会社みたいなもんで、下働きしてる庶民とか出入りの業者とか大量にいたわけでしょ。

平和都市機能もそれなりに存在した時代、そこまで庶民庶民が言わなくていいと思う。むしろ庶民のほうが好き勝手楽しく生きれてたんじゃないかとすら思う

枕草子なんかは庶民階級を終始バカにしてるけど、伏見に物詣に行ったときに日頃の運動不足のせいで死にそうになった清少納言が、裾からげて元気に山を登ってる庶民中年女見て「うらやましい」って言うエピソードがある。

文献には庶民暮らしほとんど残ってないけれど、実際には日課のように物詣に行けるような楽しく暮らしてる庶民もいたんじゃないの?と思う。

貴族武力行使一種タブーみたいになってた以上、権力を得るのはほぼ血筋と人脈ということになって、血筋をつなぐためには男女がまぐわわないといけないし、人脈づくりのために宴会必要なわけじゃん。恋愛宴会も歌よむのも全部仕事から大変だね。

2024-09-16

MUSICA掲載 伏見瞬さんのBUMP OF CHICKEN『Iris』ディスクレビューについて

伏見瞬さんが書かれたMUSICAの『Iris』のレビューについて。

「この人はBUMP音楽性が好きじゃないから、難しい言葉評価しないと書いている。否定的であれば中立だと勘違いしている。購買層ではない人間外野から何か言っているだけなので読むに値しない。気分が悪くなるので読まなくていい」というポストを見かけたが、読解力に難があるのだろうか?まず冒頭の部分でしっかりと評価ポイントを挙げているよ。

その上でファンアーティスト関係から成り立っている「物語」(BUMPはこれが巨大)、BUMPという大きなバンドが持つ「伝播力」といったもの排除し、純粋に『Iris』というアルバムの「音楽だけ」について批評している。これディスクレビューとして非常に真っ当な行為だと思う。

そもそも伏見さんは照沼健太さんとともに「てけしゅん音楽講座」というYouTubeチャンネルを持ち、その中で何度もBUMPを取り上げ、時には観ているこちらが苦笑いをしてしまうほどの熱量思い入れたっぷり楽曲解説している。この人はBUMPがとても好きなんだと思う。

伏見さんは批評家で、批評家に対してポジ以外の批評をするなというのは無理があるし、批評であるという責任において明確なスタンスを示してレビューをしただけ。そのスタンスは決して中立である必要はない。内容が気に食わないのは勝手だし、気分が悪くなるのも勝手しか批評家に向かって「購買層でもない外野否定的なことを書くな」は暴論以外の何物でもないよね。さらに言えば購買層でもない外野言論の自由はないの?

特に最近邦楽界隈では体感として「全肯定以外は認めない」人達が増えているし、文章全体像を把握せず、インパクトの強い一節だけに引っ張られて「これは否定だ」と騒ぐ人が増えている気がするけど、あれだけ言葉の使い方に繊細な配慮をしている藤原基央が、BUMPが好きであるなら、すぐに飲み込めなくてもいいから、まずは文意を汲み取れるまで何度でもその文章を読んでほしい。多様な声があるのが健全なんだよ。それに伏見さんは難しい言葉は使ってないよ。

2024-07-23

追記あり東海道新幹線 三大迂回コース

(追記)ブコメ等を参考に追加しました。所要時間費用は参考程度で。

「"同じルート考える人多数で明らかに混雑しそうなルート"をできるだけ避けられないか?」という点をちょっと考慮しています

鉄路


空路空路+鉄路

参考)駅から最寄り空港までの所要時間新幹線再開見込み無しを駅で見て絶望している状況を想定)

 東京羽田 モノレール京急 約40分

 東京成田 スカイライナー 1時間 成田線・バス 1.5時間

 新大阪伊丹 バスモノレール阪急 約40分

 新大阪神戸 新快速阪神阪急 約1時間

 新大阪関空 特急南海バス 約1時間

海路

陸路


あと一つは?

2024-06-27

葛葉とか嫌いだったんだけど

いや葛葉の性格が具体的にどう嫌いかって言われると別にないんだけど。

妻が葛葉と叶のこと面白いって言うとムカつくんだよね。なんかガチあるじゃん。ROFMAOメンバーはまだ許せるけど、クロノワールは嫌みたいな。特にくろのわーるがなんかやるで笑ってたら最悪で、あの空気感で笑ってるってもうガチじゃん。笑いのセンスも込みで最悪というか。まあ劣等感がつつかれている自覚はあるよ。

セーフ:剣持、加賀美甲斐田、不破、エビオ、社、伏見オリバーVOX、伊波ライ、レオ

アウト:葛葉、叶、ローレン、黛、イブラヒム、長尾

ちなみにレオスは超セーフ。俺から見てもハキハキ喋ってて好感度が高い。


で本題と言うか、最近「にじGTA」っていうイベントがあって、妻がアホほど毎日時間見てたんだけど、それを見て葛葉も叶も面白かったので、なんか最近は許せるようになったって話。

2024-06-13

anond:20240613091542

いやワイあの日マジで偶然に凄い近くを仕事で通ってたんよ

桂川西側住民なんやけどその時期だけ試用期間で伏見あたりを巡回点検整備する業務してた

同乗させてもらってたクルマで先輩が「おー、向こうのほう、火事やなー」て教えてくれてたのおぼえとるわ

2024-06-08

国会図書館デジタルコレクションで見る明治時代新撰組の扱い

明治時代新撰組庶民からどのように思われていたのかを調べるために、庶民の目に触れていそうな(?)雑誌記事だとか読み物だとかを抜粋していく。

明治10年『昔今豪雄見競鑑』

こちらは明治10年頃の「番付表」を集めた書籍のようだ。

『昔今豪雄見競鑑』は歴史上の英雄明治期の英雄を対比したものだが「都ノ猛勇 悪源太義平」と並んで「脱走ノ勇士 近藤勇とある

近藤勇ってどっかから脱走したっけ?と思ったが、幕府瓦解後の旧幕府軍のことを「脱走方」と言ったらしいのでそのことだろう。

同じく「古今英雄競」「本朝今昔英雄鑑」「古今英雄三幅対」などにも近藤勇の名が挙がっている。

このような番付でよく名前が挙がる程度には知られていたらしい。

明治16年『徳川義臣伝』岡田霞船

まずは近藤勇について。

近藤勇武勇衆に秀で当時其英名尤も人に知られり新徴組の隊長となりて始め京師に在り又大坂に退き伏見の戦ひ幕兵乱るる中より取て返し迫る官兵を追捲り銃丸足に当ると雖も屈せず大ひに勇名を現し江戸に返りてより諸士を煽動して甲府に至り勝沼駅にて寄手を破りしが遂に衆寡せずして敗軍なし残兵を率いて走りたるが官軍厳重に探索を遂流山に於て勇(いさみ)を捕へんとす勇(いさみ)力戦して縛に就き板橋駅にて斬せらる

新徴組と間違えられとるやんけ!

新撰組時代よりもその後の甲陽鎮撫隊時代のほうに力点が置かれた説明のような気もする。

土方歳三も紹介されている。

土方歳三幕府の旗下にして始め京師にあり伏見鳥羽戦争破れしより江戸に返り諸士を募り主家を再興せんと謀り軍議を決して榎本永井の人々と共に品海を脱し函館に趣き尚ほ奥羽の士を募り官軍の来るを待受屡々寄手を脳す然れ共官兵は新手を入替無二無三に攻立たるに脱兵防戦に尤も苦む歳三毎も真先に進み敵を切る数十人に及ぶ後乱弾にあたりて死すといふ。

新撰組について何も触れられてねえ!

とはいえ「義臣」と銘打っているだけあって悪いようには書かれていない。

明治18年『汗血千里駒』坂崎紫瀾

『汗血千里駒』は坂本龍馬主人公として、その名を一躍有名にしたという小説。その龍馬暗殺犯として近藤勇が登場する。

縦令ひ其不意を打ちたるにもせよ鬼神と呼ばれし海援陸援の両隊長をば斯く容易く一挙に斃し負せる其の手練と謂ひ肝気と謂ひ天晴れ日本一の剛の者と思はるるも実に理りなり彼の刺客は当時徳川将軍の御内に其人ありと聞えたる新選組の旗頭近藤勇等にてありしと

近藤勇とその腹心の土方歳三が、二人で近江屋に討ち入り、坂本龍馬中岡慎太郎を斬って、「そのとき義経少しも騒がず…」と高らかに謡いながら出ていき、今際の際にそれを聴いた龍馬が「あの刺客は只者ではない、彼らのような豪胆さがあってこそ大事を成せるのだろう」と慎太郎に語る、という描写があり、これがのちの様々な作品踏襲されていったようだ。

当時幕府の亡びなんとするは天の命なり民の望なり社会自然の気運なれば今は百の勇(いさみ)ありとも亦之を如何ともすることなきをば思はずして健気にも唯忠を己が仕ふる所にのみ尽さんとしたるは愚かにも又哀れとや謂わん

時代の流れに逆らって忠を尽くした健気だが哀れな武人…といった感じで「敵役でありつつ悪役ではない」という扱いに思える。

明治22年『女侠松竹梅』奥村玄次郎

偖は其方が近藤なるか。其方幕府を笠に着て国を憂ふる正義の士を多く害せし大罪人。此処で遇しぞ僥倖なれこれまで其方の手にかかり不幸にも寃に死したる正義の志士の忠魂を弔ふための復讐せん

お松・お竹・お梅という三人の娘が勤王の志士を助けて新撰組と戦う、といった話らしい。

こうしたいかにも勧善懲悪な読み物では「典型的な悪役」として描かれていたようだ。

明治26年『活文字』鈴木力・佃信夫

近藤勇の話

江川太郎左衛門が琴の譚に比らべて、劣る事なきは、近藤勇の謡なりけり、以て幕臣中の双美とこそは為す可けれ、左に説かむ。

武勇と剛胆とは、麾下九万の士人中、勇(いさみ)ぞ其第一位を占めたりける、さればまだうら若き身を以て、新撰組の頭領として、海内動揺の中心たりし京城鎮護の命を稟げ、一時其独力をもて、鷙悍狂躁の浮浪はらを打鎮め、幕廷擁護干将莫耶とは成りたりけり。

めっちゃ褒めるやん。

土方歳三は、豪邁不屈、肝気非常の男なれども常に勇(いさみ)を相輔けて、死生を共にせむ事を約し、巴港戦死の時に至る迄、其生前の交義を追想し、風吹く日雨降る夜ども、寒窓の下に俛泣し、時世は既に望なし、片時も早く、泉下に亡友を尋ねましとぞ歎ちけるとぞ、其人をしらまく欲せば、先づ其の友を見るべかる、この一斑の譚を見ても、勇(いさみ)が全豹をぞ推すに足る。

国粋主義系の雑誌らしいんだけど朝敵をこんなに褒めていいのか。忠義を尽くして死ぬ話がやはり好きなのか。

コラムの後半では坂本龍馬暗殺の話が書かれていて、この頃はやはり「龍馬を殺した男」という印象が強かったようだ。

明治29年『近藤勇の少年時代』中野三鷹子

『家庭雑誌』という婦人向け雑誌掲載されたコラムらしい。

著者本人が古老に取材したもので、幼少期の勇が近藤周助の養子に迎えられて「近藤勇」と名乗るまでを紹介している。

是より後のことは明治維新の史にくはしく、今更いふべき要もなし、唯其妻の事継嗣のことおよび処刑後の事并びに近藤勇と尤も関係ふかき土方歳三ことなどは、世に知られざるふし多しそは又時をかへて語らん。

として次号に「近藤勇の妻及子」、また別の号に「土方歳三少年時代」が掲載されている。

婦人雑誌でも「今更いふべき要もなし」と言うほど近藤勇知名度は高かったのだろうか。

花を浮べし徳川の流れの末荒浪立ち騒ぎて、二百六十余年は名残の夢となりける時、武士道の意気地を立て貫きて、板橋の草に赤きこころの血を染めたる近藤勇の名を知る人は、函館の浦吹く風に露と消えたる土方歳三の名を忘れざるべし。

かっこいい。

明治30年『幕府名士近藤勇』松林伯知

松林伯知は、永倉新八から『浪士文久報国記事』を借りパクした疑惑があることで知られる講談師で、新撰組講談主人公とした最初期の人物だったという。

巻末に「夢物語」と題した短編が収録されていて、それは函館に入った土方歳三が「公武合体成功した新政府のもとで陸軍を率いる近藤勇海軍を率いる坂本龍馬が仲良く会話する」という夢を見る、というifルート的な内容のようだ。胸熱

本編では、坂本龍馬暗殺したのは近藤勇ということになっているし、新撰組結成前に江戸近藤勇坂本龍馬が手合わせをしていた、というような場面も描かれている。

明治30年『坂本龍馬(名士伝)』竹林巌

少年世界』という、その名のとおりの少年向け雑誌掲載された坂本龍馬の伝記で、そこに近藤勇が登場する。

人と為り魁夷、斗酒を嗜なみ、勇悍独歩肝臼の如し。幕の末路に当り新選組の長となりて徳川氏の為め新日本の活舞台上に仇すること実に巨多なりとす。彼は常に歩百歩の外に潜行して西郷大久保坂本等を暗殺せんと睨むこと茲に年ありき。就中龍馬が大勇は向に新選組百有余人をして全く色なからしめ、以て其長たる勇(いさむ)の面目を天下に唾し去り。(中略)勇(いさむ)は今や血燃え、涙滾りて自から禁ずる能わず。すなわち刎頸の友、土方歳三を招きて何をか耳語すること久し。忽ち相頷きつつ頗る決色ありき。

として近藤勇土方歳三は、二人して坂本龍馬暗殺に向かうのだった、という筋立てになっている。暗殺の場面は『汗血千里駒』を踏襲している。

明治31年『新撰組十勇士伝』松林伯知

こちらも松林伯知の講談を筆記したもの

前述の『幕府名士近藤勇』には沖田総司永倉新八は出てこないが、こちらの『新撰組勇士伝』には登場する。

ただし、沖田が天才剣士だとか、そういうキャラクター付けはまだ無く、せいぜい「名前のある脇役」くらいの立ち位置のようだ。

芹沢鴨暗殺山南敬助切腹伊東甲子太郎との敵対池田屋事件などのエピソードはある。

また、こちらでは龍馬暗殺近藤本人ではなく「近藤勇の命を受けた佐々木只三郎」によるものということになっている。

京都見廻組佐々木只三郎らが龍馬暗殺したという説は明治2年には出ていたようなのでそれを取り入れたものか。

明治41年『二十世紀之京都』

京都観光ガイドブックらしいが、壬生寺についての紹介で新撰組言及がある。

節分には疫除祈祷の為め参詣者群れを為せり、去れば維新前後天誅組と称し近藤勇土方歳三など当寺に立籠り壬生浪士といへば婦人子供の戦慄せし当時を思へば御代太平を喜こばぬ者はない

当時の京都人の認識がうかがえるものの、「天誅組」といえば倒幕派武装集団なので新撰組とは正反対存在である

単なる勘違いなのか、それとも庶民あいだでは混同されていたのか。

明治44年『幕府名士近藤勇』『怪勇後の近藤』玉田玉秀斎

松林伯知のものと同じタイトルだが別の講談師によるものらしい。

こちらには沖田総司永倉新八斎藤一らも登場するが、池田屋事件の場面において、

中にも沖田惣司の働きに至っては実に目ざましい、此処彼処と戦ふて居りまする中に、最う最後と思ふ、折りしも何処からか一人の敵が、惣司の袖の下を潜って逃げんとする 沖田「己れッ………」と云ひながら躍りかかつて、エイッ……只だ一刀に斬って落とした、其の時に急に持病の肺患が起つて其の場に気絶をした

とあり、喀血ではないが、沖田総司の発病の描写があるのが興味深い。

同じ明治44年に刊行された鹿島淑男『新選組実戦史』(デジタルコレクションには1975年の復刊版しかない)にも同様の記述があり、そちらは新聞連載をまとめたものだというので、講談師が紙面で読んで取り入れたものか。

ちなみに『新選組実戦史』は吉島力『新選組顛末記』の元ネタで、『新選組顛末記』は子母澤寛新選組始末記』の元ネタらしい。

まとめ

明治の始めにはまず「近藤勇個人が知られ、「新撰組」はそれに従属する情報にすぎなかった。

・『汗血千里駒』によって坂本龍馬の人気が高まるにつれて、「坂本龍馬暗殺した男」として近藤知名度を上げた。

近藤の腹心として土方歳三が登場することは多かったが、それ以外の隊士たちはほとんど取り上げられなかった。

近藤は概ね「維新志士の敵ではあったが立派な剣士だった」と捉えられていた。

しかエンタメ寄りの勧善懲悪ものでは典型的な悪役を演じることもあった。

・やがて永倉新八の『浪士文久報国記事』などをもとに、近藤勇主人公とした講談が演じられるようになった。

明治末にはさまざまな証言資料が揃ってきてディテールが深まり近藤土方以外の隊士が取り上げられることも増えていった。

・やっぱり京都からの評判は悪かったらしい。

2024-03-26

anond:20240326223904

一方自民党議員10女性強姦して金を奪った

https://www.asahi.com/articles/ASP836KH8P83PLZB00K.html

京都府警は3日、自民党滋賀県事務局長小島雄一郎容疑者(43)=滋賀県栗東市=を強制性交等や窃盗の疑いで逮捕し、発表した。「合意の上の出来事だと思っている」と供述しているという。

 伏見署によると、逮捕容疑は2月3日夜、京都市伏見区の飲食店駐車場で当時高校生だった女性(19)を車に連れ込み、滋賀県草津市性的暴行を加えたというもの。車内で女性の財布から現金約2万5千円を奪った疑いもある。

2023-10-04

港区女子ってさ……

品川駅あたりでブイブイ遊んでいるわけでしょ。

まり昔の宿場町でいうたら、日本橋からひとつめの品川宿あたりで遊んでいるって考えてもいいわけだ。

京都でいえば、滋賀県大津とか、伏見とかでブイブイ遊んでいるのと同じ距離感だよね。

ずいぶん都から離れた遠いところで、元気に遊ばれてはるんですなぁ……そんな遠いところ、エエ人なんて、たまにしか行きはりませんでしょ?ガッつくのも無理ありまへんなぁ。

2023-06-25

尼崎の人は神戸っ子のフリをするのをやめてください

伏見の人は京都人のフリをするのをやめてください

2023-05-01

独断偏見で選ぶ3大電車・地下鉄のクソ客(名古屋編)

東山線車両の中ほどに詰めないやつ

名古屋~栄間はとにかく中に詰めて乗車人数を増やそうとしろや。名古屋駅で乗った客の大半は伏見と栄で乗り換えるんだから車両の中ほどまで詰めても問題無く降りられるだろうが。逆に栄と伏見で乗った客の大半は名古屋駅で降りるだろうが。何てめーらは入口付近に滞留してんだ。いや狛犬ポジあたりを確保したやつまで中ほどに行けとは言わんが、車輛中ほどまでの動線上に立ち尽くしてるクソどもはさっさと中に詰めろ。脳みそ湧いてんのか。おめーらが動線塞いでるからから乗ってきた人らが中に詰められずに乗車口付近だけ異様に混雑してるだろうが。ホントクソ。絶滅してほしい。

女性専用車両の隣の乗車口をわざわざ使う女

お前らはもう一つ移動して女性専用車両を使え。一般車両を使うな。邪魔くせえ。降車位置と出口の位置関係とかで乗り降りする車両を選びたいのは理解するが女性専用車両の隣の乗車口はマジで使うな本当に邪魔

臭いやつ

マジでいつ洗濯クリーニングしたのかわからんすげえ臭いスーツマン、お前らはもう外に出るな。てか腋臭とかじゃなくてそれ主に汗の臭いだろうが。洗濯可能スーツを買って家で洗え。てか洗濯不可になっててもオシャレ着用洗剤で手洗いモードでやればだいたい普通に洗えるっつーの(自己責任)。ホントクソ。隣に座るな。電車に乗るな。

   

あと一つは?

2023-03-23

anond:20230322143633

関東から名古屋にきたよ

味噌かつ

味噌いらないけどやばとんのとんかつの質はよいよ、年よりがくどくないって褒めるからよっぽどだ

■ ナカモの味噌(家庭)

全く使わないよ

味噌煮込みうどん

全く食べないよ 自家製うどんうまい

寿がきや

全く食べないよ 外でラーメン食べるくらいなら家でカップ焼きそば食べるよ

台湾ラーメン

ラーメン自体外食対象だとおもってないよ どっかのマンションの一階にある、常に行列できてるラーメン屋のこともとおりすがりに奇妙なものを見たなって顔でとおりすぎるよ

江南つけめんは食べたらおなかこわしたよ

辛くした生ニラ食べるとか胃腸への拷問じゃん

手羽先

大須サノヤでまとめ買いしてめっちゃ食べるよ、ほかの店も焼き鳥とかとならんで冷えてるのがあれば買ってチンしてごはんとたべるよ たべたあとはだしもとるよ

ういろう

手土産にすると関東のとしよりに受けがよいよ。ゆずとか夏みかんとか変わった味のやつがイオンの一階でうってるからつめあわせ買うよ。 青柳ももう一軒のでも、どっちでもたのしそうなやつをかうよ。かえるまんじゅうかわいいよ

ぴよりんチャレンジしたことがないよ。

ひつまぶし

うなぎ自体安くないし養殖確立するまで買えないな。大須の地下にあったうなぎやさんだけは安かったのに店舗がなくなっちゃって寂しい。

天むす

ただただ割高。名古屋回転ずしエビメニュー率が高い。それが俺の天むすといえば天むす。でもイカ天握りのほうをついつい頼んじゃう。でかいから

エビフライ

長ーいエビフライ(30センチごえ)の店がDPZでとりあげられてたけどそれも名駅だし。エビフライって「名駅の」名物だとおもう。星丘テラスにもなんかあったんだっけ。オシャポイント全然いかねえな、混むし

きしめん

ホームかつおぶしのやつはうまいね。でも移動途中というより帰ってきてつかれてて食べるから

あそこせまいか手荷物多い帰り道だと落ち着かない。家にたいてい賞味期限間近の食材がまってるし。

わざわざきしめんだけ食べにいったりもしないな。

蕎麦長野安曇野の〇ん〇ん館で手うちしてそこでたべたら死ぬほどうまかった。

伊勢うどんふわふわあいも好き。見た目ほどしょっぱくないし。

カレーうどん

えー…そんなもんどこの地方にでもあるでしょ… あ、すがきやが袋で売ってるのか

あえていえばうちの家族全員日清カレーヌードル派だな ごはん足せるし

あんかけスパゲティ

なぽりたんのほうが辛くなくておいしい。なんで太麺に辛いあんかけにしたのさ。でもほかのよりは強引さはないな。伏見のととっぽのとたべたな。

小倉トースト

一度だけモーニングパン調味料が選べたのであんこのんでみた。

そこそこおいしかったけど、コメダではたいていシロノワールバケットサラダ食べちゃうな。

河村市長

恥ずかしいほどじゃないだろ。コスプレ文化理解があって小池さんよりだいぶがんばってるとおもうけど、目の下のクマがとれないのがいつみてもかわいそう。

 

結論として名古屋は小さくてもお店の味レベルは総じて高い。

たとえばアニメ系コンセプトカフェ東京大名古屋などに店をだしてるが、名古屋にいってから東京のにいくと食えたもんじゃない。

しかもなぜかグッズだけではなく添付メニューの完食を要求される。ならもっとおいしくしろ

名古屋人「うまい」だの「うみゃー」だのとというだけではインパクトがないのでいまいちまずそうなものもおいしくできる腕前とわからせるために異様な看板料理をつくってきてもらうことにしてるんだろうとおもう。

でも食材も安くておいしいか自炊中食ちゃう

オハヨーの焼きプリン名古屋ではじめてたべたかな。森永プリンと交互に食べてる

 

  

あと名古屋静岡海鮮安くておいしいんじゃないかな。一色うなぎとか、しらすとかあさりとか。

あさりは産地が近い表記で抜群にやすいけどあれも撒いてるのかね。

あとは岐阜のくりきんとんとか柿とか。

かんきつも安い(関東まではリンゴ圏、静岡以南がみかん圏だとおもう)

関東はなれて10年以上たったけどあ~あれが食べたいな~ってのはあんまない。

赤福伊勢餅あるし、あずきバー年に一回配ってるし、

葛切りのかわりにわらびもちどこにでもあるし。

ところてんも両方の味あるし、おでん味噌じゃないのもあるし。なんだろな。

あの真っ黒な佃煮とかもんじゃやきとかしょっぱい江戸文化ちょっといかもな?くらい。

2023-01-02

20230102[アタック25]Next 2023年1月2日 特別企画パネルクイズ アタック100 大学クイズ研究会対抗バトル 2023-01-02結果●

※3日連続の最終日 みなさんおつです

見逃したとしても

月曜祝日までのいわゆる3連休に3日連続特番と通常回が再放送されます

 

BSジャパネクストで日曜昼などに放送

10月からの本放送は1時「25」分から 12月はなぜか「60」分枠に

BS1からボタン2回とか

ケーブルテレビSTBでは見られない場合が多いようなのでBSパススルーとか

地域によってはSTBで見られるようになったかもしれないので最新情報確認

 

今日の答え(放送とは表現が異なる場合があります

・01 [あるスポーツ名前]ラグビー

・02 リオデジャネイロ

・03 門松 かどまつ

・04 川端康成 かわばたやすなり

・05 [すべて]横山裕 村上信五 丸山隆平 安田章大 大倉忠義

・06 デミタス(カップ

・07 宮城道雄 みやぎみちお

・08 [近似値]74.1(パーセント

・09 鳥羽伏見(の戦い

10 1(番

11 YOSHIKI ヨシキ

12 クリープ(現象

・13 『BLUE GIANTブルージャイアント

・14 アシカ(科

・15 ミャクミャク

・16 [頭文字]おせち

17 疾風に)勁草《けいそう》(を知る

・18 芦ノ湖

・19 7

20 フォカッチャ

・21 2(番

・22 ダニエル・クレイグ

23夜は短し歩けよ乙女

24 アンリ・デュナン

・25 絵に描いた)餅

・26 アキレス腱

・27 松

28 3(打

・29 [AC]アイスキュロス

・30 中田喜直 なかだよしなお

31 [3択]18(枚

・32 サクレ・クール寺院

33 シャリアピン(ステーキ

・34 時速)200(キロメートル以上

・35 ヘボン(式

・36 <肉>りんご(和牛信州

・37 <スイーツジャズ(羊羹

・38 <テーマパークみかん

・39 <野菜長岡)巾着《きんちゃく》(ナス

・40 <鍋>義経《よしつね》 鍋

・41 <鉄道>フラノラベンダーエクスプレス

・42 <ラーメンとんかつ

・43 <民謡鹿児島(県

・44 <地魚>阿武隈川)メイプル(サーモン

・45 <日本一シューマイ

・46 <水族館>館長

・47 <花>長崎(県

・48 <日本初>クリスマス

・49 <夜景北海道

・50 <城>イカ

・51 <ご当地ソング>『渡良瀬橋』わたらせばし

・52 <特別天然記念物アマミノクロウサギ

・53 <神社羽生結弦 はにゅうゆづ

・54 <駅弁>ひっぱりだこ飯

・55 <フルーツ>←追記:さぬきエメラルド

・56 <世界遺産軍艦島

・57 <温泉岡本太郎 おかもとたろう

・58 <偉人渋沢栄一 しぶさわえいいち

・59 [AC]<冬景色京都(府

・60 <伝統工芸QRコード

・61 <野生動物>7(番

・62 <戦国武将数珠

・63 <うどんやかん

・64 [2答]フォボスダイモス

・65 [2答]川崎フロンターレ 横浜F・マリノス

・66 [2答]LとV

・67 [2答]一と乙

・68 [2答]衆議院貴族院

・69 [2答]キキとララ

・70 [2答]ロンドンパリ

・71 [2答]粗品せいや

・72 [2答]5円硬貨50円硬貨

・73 [2答]カンガルーエミュー

・74 [2答]文化庁スポーツ

・75 [2答]JとQ

・76 [2答]桂太郎西園寺公望《さいおんじ きんもち》

・77 [AC]コリオリ(の力

・78 ジーニアス(英和辞典

・79 [3択]大正

・80 まいぜんシスター

・81 average

・82 アーロンジャッジ

・83 フランス

・84 [AC]熊本(大学

・85 [AC2]シエラネバダ(山脈

86 [AC3]千里眼

・87 ワットタイラー(の乱

・88 西畑大吾 にしはただいご

・89 うさぎ

・90 [苦渋]にがり

・91e 口語

・xx [ある人物名前]ジョージ・オーウェル

2022-11-22

anond:20221121021910

足が悪いのもあって先輩は上まで行く気がそもそも一切ない。おもかる石触ってみたいらしいんだがそれだけの為に伏見まで移動する価値無いと思うんだが…

2022-11-11

昔のことだが、○したいお客さんがいた


ちょっと聞いてくれ。

数年前のことだ。うちは日中~夜まで飲食店をやってるんだが、とあるお客さんがいた。今でも記憶にこびり付いている。話させてほしい。気持ちの整理をつけるためにも。お客さんの立場である増田民あなたも感じることがあるかもしれない。

当時、とある田舎一級河川沿いのエリア食事メインのお店をやっていた。おでんに、蕎麦に、刺身に、唐揚げとかポテトサラダとか、野菜のお浸しとか、居酒屋に近い。コの字型のカウンターと、座敷がふたつだけある。

いつもは俺と、アルバイト(男2、女2)のうち最低1人が一緒に働いている。平日は暇なんだが、週末になると忙しい。北にある政令指定都市の方から会社学校帰りの人が流れてくる。

それで、店内が八割方埋まって、スーツ姿のリーマンとか、会社名入りの作業服を着てる人とか、数人連れの大学生とか専門学生でわいわいとした雰囲気になる。

うちの料金は安い。はっきりいって安い。鳥貴族に毛が生えた程度だ。元実家土地でやってるからな。

そんな中で、ひときわ目立つお客さんがいた。最初に会ったのは平日の夜だった。その時間帯は、アルバイト女子大生接客を任せて追加分のおでんを仕込んでいた。

格子枠の扉をガラガラと開けて、その人が入ってきた。外身は白っぽい作業服だったかな。時期は初秋で、作業服の下にはシャツネクタイが覗いていた。銀色ネクタイピンも。

「ん!?」と思って顔を見ると、アァと納得がいった。あなた人生で何度か見たことがあるのではないか。圧倒的なオーラの持ち主を。その人の目を見ただけでわかった。

ぎらぎらとしているようで、どこかあどけない感じもして、しかし落ち着いている。只者じゃない。修羅の目だ。多くの物事と戦ってきたに違いない。人生の重みは表情に出る。

見た目は30過ぎかなと思ったが、こういうのに年齢は関係ない。繰り返すが、苦難の日々は顔に刻まれる。

アルバイト女子大生(Nさん)が彼のところに向かっていた。見たことのない笑顔で「いらっしゃいませ」と言っている。屈託のない様子で「初めてですか?」とも。

当時、コロナ流行っていない。その人(S氏)は「どこに座ったらいいですか」と言ってたっけ。Nさんに「お好きな席にどうぞ」と言われて、俺がおでんの仕込みをしているカウンターの前に座った。ほかの客はほぼいなかったと記憶している。

唐突に会話が始まった。

「涼しくなってきましたね」からスタートして、好きなお酒から、好きなアテに、この周辺でおススメの居酒屋に、S氏の仕事の話など。盛り上がった記憶がある。暇な日だったのでNさんも会話に入っていた。ルンルン(死語)な気分でS氏と話をしていた。

やがて、S氏は自分とNさんにそれぞれ1杯おごって、約一時間ほどいて帰って行った。その時はいい人だなぁと思っていたけど、Nさんがいつまでも嬉しがっている様子を眺めていて、ちょっと思うところがあった。

その日の営業が終わって現金を数えている時も、Nさんは心なしか嬉しそうだった。気のせいかとも思ったけど、やはりそんな気がした。

「なあ、今日はうちに寄っていくか」とNさんに聞いたら、「朝から講義がある。ごめん」とだけ返ってきた。

Nさんとは付き合ってまだ半年で、気持ちが通いきっていないのもあった。何かに負けたような気がして悔しい思いがした。



それからSさんは、月に何度かお店に来るようになった。

実際、いいお客さんだった。小一時間もしないうちに帰るのだが、その間に最低でも三~四千円は落としてくれる。自分の酒肴以外にも、店員がいたらみんなにジュースお酒をおごってくれる。

短い時間ではあったが、いろいろ話をして盛り上がったのを覚えている。店の十周年記念の時はシャンパンを空けてくれたっけな。

金持ってるだけじゃなくて、人柄もよかった。今でも思い出す。懐かしい記憶だ。

ある時だった。S氏が初めて来店して三ヶ月くらいか。夜九時頃の店内で、残業帰りのS氏と俺とNさんで話が盛り上がって、S氏のグラスが空いたところだった。「じゃあもう帰ります」ということで、クレジットカードを受け取った。それで、コの字のカウンター卓の奥でクレカ機械に読み込ませていた。

ふと声がして、お客さんの注文かなと思ってホールを見ると、S氏がNさんと携帯電話の番号を交換しているところだった。

「今度、ご飯行こうな」「はい!」という声が調理スペースの方まで響いてきた。そのタイミングで俺は、決済処理を終わらせてふたりのところに向かった。何事もなかったようにしてS氏は、Nさんからコートを着せてもらって入り口に向かった。

普段スタッフに見送らせているのだが、俺も一緒に入り口へと向かった。S氏を見送ると、彼は歩いて自宅の方に向かった。姿が消えたのを確認した。

電話番号、交換したんか」とNさんに聞くと、「うん。何度もしつこくって」という返答があった。ご飯、行くのか」と聞くと、「多分いかない」と返ってきた。

訝しい感じがして、でも問い詰めることもできずに、そのまま調理スペースに入ろうとしたところで、ほかのお客さんから注文の呼び出しがあった。



ここまで言ったらわかるだろ。ある程度は。

核心的なところを言うと、それから二ヶ月後だった。S氏とNさんが、お店からおよそ10km離れた政令市にある百貨店の休憩所で一緒にメシを食っているのを見た。ちょうど食べ終わるところだった。

ハンバーガーか、クレープか、たこ焼きか。よく見えなかったが、百貨店内のどこかでテイクアウトしたものだろう。Nさんは綺麗な恰好をしていた。華美ではないけど、暖かそうな秋冬用のワンピース風……あれはなんというのだろうか、女のファッションはわからない。

清潔感のある装いだった。茶色の小さい鞄を肩から下げている。どちらも、俺とのデートで付けているのを観たことはない。いや、鞄の方は多分ある。

それで、ふたりが立ち上がって、時計宝石を売ってるエリアへと階段を降りて行ったところで、俺はそのまま地下街に向かった。当初の予定どおり、常連さんにサービスする用の特別食材を買って帰った。

俺がNさんとデートする頻度は、2~3週間に一度だった。あの子看護大学に通っていたから忙しかったのもあるし、俺自身お金を貯めている最中金欠だったのもある。

セックスはしたりしなかったりだ。割合までは覚えていないが。あの光景を見てから、次にNさんと会ったのは二日後だった。あのワンピースみたいなのは着てなかった。簡素恰好だ。部屋着というわけではないが。

あの百貨店の近くの河原町通りやアーケードを一緒に歩いて、食事をして、猫カフェに行って、映画を見て、近くにあるホテルに入った。

あの時の俺は必至だったと思う。いや、必死だった。「愛してる」とベッドの中で何度も言った。伝えた。本当は、叫んでいたかもしれない。Nさんもベッドの上でいろんな動きをしたり、いろんなことを言っていた。

でも、Nさんは行為最中特別な何かをするでもなく、普通調子だった。普通セックスだった。30分で終わった。いや、なんかもうわかっていた。そんな気がしていた。



「別れよう」と言われてはいなかったが、Nさんと会う頻度が落ちていった。次にデートするまでに一ヵ月以上かかることもあった。

S氏がお店に来る頻度も落ちていった。さすがに計測はしてないが。S氏は素直に凄い奴だと思っていた。いい大学を出てるし、いい会社で働いてるし、偉ぶったところもないし、自己中に感じることは稀にあったが、よくいえば決してブレない。

俺は高校を出てない。子どもの頃から勉強が嫌で嫌でしょうがなくて、それで進学から逃げて、17才の頃までは完全なるプー太郎で、親に叱咤激励されて伏見の小料理屋でアルバイトを始めて、滅茶苦茶に厳しい毎日で、それでも料理作るのが楽しくなっていって、中年差し掛かった頃に両親が死んで、相続した土地家屋改装して今の店にした。長かった。

でも、やっぱり真の人格ってものがあるよな。S氏は、スタッフ飲み物をおごってくれなかった日は一度としてない。店員が男だろうが女だろうが、必ず一杯は出してくれた。俺はほかの店に飲みに行っても、可愛げのある女の子店員しかお酒は出さない。

S氏は、はっきりいって『上』の人だと思う。Nさんの件さえなければ。これで俺より五つ以上も年下なんだから笑えてくる。

そんなこんなで、半年も経つ頃には諦めがついた。ある日、お店でS氏と話していた。それで、ふいに聞かされてしまった。

「先日、Nさんのお父さんに会ったんですよ」

だってさ。キツイ。当時の俺にはキツかった。Nさんへのデートの打診を3回続けて断られていた。そういうことだったんだな。

俺の中で何かが切れた音がした。少年時代に読んでいた漫画ジョジョだったと思う)で、「切れた。僕の中の大事ものが……」といった台詞があった。当時は、そんなわけねーだろと苦笑していたが、ジョナサン気持ちがわかったかもしれなかった。本当に、心や体の『糸』が切れると、抵抗する気すら起きなくなる。ただ、沈んでいくだけ。

Nさんのことは諦めた。

それから二ヵ月くらいか。鬱々とした気持ちで過ごした。どうしようか。悔しい。畜生。どうすることもできない。でも、やっぱり悔しい。畜生だな、本当に。いや、くっそ。悔しいんだよ。でも、感じない。心がマヒしているみたいだ。本当は悔しいって思いたい。

俺の大事な女を取りやがって。くそくそくそ!! あいつさえ、あいつさえいなければ。畜生!! ○してやりたい。



暗い気分にさせてごめんよ。もうちょっとで終わる。あれは四年と少し前のことだ。初夏の頃だった。大きい台風が迫っていて、すごい雨だったな。うちの店はそれでも営業していた。開店当初から決まっているのだ。どんな雨風が来ても絶対に店を開けてやると。

そういう時にうちに来るのは、決まって大雨対応で疲れ切った近所の人か、ほかの店が閉まっているために流れてきた飲み客だったりする。

土曜日の深夜だった。S氏が疲れ切った様子で店に来た。スタッフはみんな上がらせていて、俺しか店に残っていない。彼は「いや、疲れましたよ。何時間か寝たら、また職場まで出発です~」といったことを告げて、メニューを手に取ろうとしていた。

増田さん。外の雨、すごいですよ」

「ええ、すごいですね」

「殴りつけてきますね。人生で最強の雨かもしれません」

「二十年前もこんなんがあったんですよ」

「本当に? 自分、このへんの生まれじゃないんで詳しくなくて」

「大雨の対応って。樋門(※排水ゲートのようなもの)の面倒でもされてはるの?」

「そんなものです。そうだ、せっかくですから一緒に外に出てみませんか。ある意味記念です」

「ほな行ってみましょ」

そんな具合で、店から歩いて一分ほどのところにある鴨川(のさらに南の支流)のほとりまで来た。家屋家屋の間に雑草だらけの小道が通っていて、そこから川の方を向いた崖地に辿り着いた。

真下を見ると、葦やら雑木やら上流からの堆積土やら、いろんなものが流れ着いている。見た目の悪い場所だった。今は河川の底を拡げる工事が進んで、もっと綺麗になっている。

俺は傘を差していて、S氏は簡易なヤッケを装備している。真っ暗な世界の中で、唯一の明かりが頭上の頼りない水銀ランプひとつだけだった。今は、2人で濁流を真上から見ている。ここから飛び降りたとしたら、数秒もかからないうちにドボンだろう。それほど水嵩が増している。水の色は見えない。

下流はとんでもないですね」

Sさん対応してるのは市内やろ。そこもこんな感じ?」

「ここよりはマシですね。護岸が整備されてるんで」

「こないな時期に大雨の対応はしたくないでしょ」

「はははは。まあそうですね。でもね、しっかりしないといけないんでね。結婚もするんで」

俺は何も言わずに、彼の方に寄った。

「危ないよSさん。下がって」

その時、殴りつけるような雨が降ってきた。風も強い。S氏は、身を屈めるようにして風雨から身を守っていた。すると、ふいに彼が鴨川の方を向いたっけ。しみじみとした寂しい背中だった。

Sさん」と声をかけると、いまだに彼は増水した河川を見下ろしていた。風がまた吹いてきた。強い風だった。

……数分が経って、俺は雑草だらけの小道の途中にいた。後ろをサッと振り返った。誰もいなかった。雨の音がうるさい。

そのまま、雑草だらけの小道をザクザクと踏み分けて行って、店の方まで戻った。お客さんが来ていないことを確認して、ラジオで大雨情報を聞いて、誰も来ないだろうという個人的確信が強まっていった。

そそくさとお店を閉めると、自分の家まで原付に乗って帰った。



特にオチがなくて申し訳ない。誰かが悲しい思いをしてるとか、嬉しい思いをしてるとか、そういうことでもない。

お店は今も普通営業している。あれからすぐにNさんは店をやめてしまったが、そこは腐っても京都府内だ。別のアルバイトに「いい子いない?」と聞いたら、新しい子が面接に来た。幸いにも、Nさんと同じくらい朗らかで明るい雰囲気の子だった。今でもお店で働いていて、辞められたら困る人材に成長している。

ずっと思っていた。苦しかった時期のことを話したいと。あの日を境に肩の荷が下りて、心と体が軽くなって、ゆっくり眠れるようになった。すっきりした気分だった。今ではのびのびと働くことができている。

これを書いていて辛いと思う時もあったが、筆をしたためてよかった。増田のみんなが幸せでありますように。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん