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2024-02-02

ラジオ東アジア反日武装戦線とその時代を振り返り、見えてくるもの

2024/1/31(水) 20:10

TBSラジオ荻上チキ・ Session」#ss954

メインセッション

東アジア反日武装戦線」とその時代を振り返り、見えてくるもの

https://www.youtube.com/live/ouGKVPIWh9s?si=1pm7-RACXU1kcPQl&t=7782

初見(初聴)の固有名詞略語も多かったので振り返ってみる。

(約3600文字

青木理氏:

最近判決が出た大坂正明被告渋谷暴動事件)は中核派だった。

中核派はまだ組織があるが、東アジア反日武装戦線はもう組織がない。

島聡「さん」

田原牧氏:

(「戦線」ではないが過激派の?)裁判支援をしている友人がいた。

私は急に森田童子を思い出した。

荻上チキ氏:

「ぼくたちの失敗」('76リリース、'93「高校教師主題歌)の。

田:

もっと物議を醸しそうな曲もあったが、そういう時代を思い出した。

荻:

時代を振り返っていく。まず60年代

田:

戦線」は新左翼とは一線を画している。全共闘の一つのエッセンス

60年代学生運動日本戦争責任に触れていなかったが、70年代から問題提起が出てきて「戦線」は愚直に受け止めた。

(「戦線設立1972年1975年まで事件を繰り返す)

田:

60年代半ばから80年代半ばまでの運動では人の死が珍しくなかった。

運動竹竿ゲバ棒火炎瓶爆弾となり、'71には三里塚東峰十字路事件警官が3人、'72には連合赤軍事件もあり、最終的には100人以上死んでいる。

荻:

まず全共闘から

田:

60年安保の頃は大学生の数も少なくエリートだった。

大学に行くことと政治活動をやることが矛盾しない世代だった。

その後、大学入学率があがり、全共闘運動が起きてきた。

男子大学進学率 '60 13.7% → '65 20.7%。'66に18歳人口が+50万人)

田:

東大全共闘リーダー山本義隆氏が、闘っているに自分たち特権性に目をつぶって正義を説くことを批判した。(「邪宗門」の)高橋和巳は「自己否定」を唱えた。

田:

60年代半ばまでは日韓基本条約('65締結)反対闘争で、革新側も「韓国に払う金があるんだったら自分たちに回せ」などと平気で言っていた。大日本帝国責任は問われなかった。

田:

入管法の制定反対で結成された新左翼系の華僑青年闘争委員会(華青闘)が、集会で「抑圧民族である日本人は信用できない」旨の「華青闘告発」を行い、日本新左翼党派は頭を下げた。

田:

60年代は「黙っているのは加害」(ベトナム

70年代は「日本の安定自体アジアへの加害」

この自己否定の流れと「戦線自体アナキズム的な性格が合わさって、実力行使に繋がっていった。

荻:

今振り返った時代の前半、大学自治学費問題から階級闘争安保闘争反米などとリンクして新左翼が広がっていく経緯は割りと学ぶ機会もある。

その後「戦線」に行くまでの時代の流れは?

青:

戦後の一時期共産党武装闘争路線をとっていたが、1955年の「六全協」で武装闘争放棄した。同時期にソ連スターリン批判が起きた。

共産党指導ではだめだということで(既成左翼ではない新左翼として)「革共同」や「ブント」が設立され、これらが中核派革マル派赤軍派などの母体となる。

全共闘は当初セクト党派)ではなかったが最終的に合体していく。

青:

学生たちはベトナム日米安保三里塚など正義感や葛藤の中で行動していたが、69年の安田講堂事件鎮圧以降急速に沈静化「敗北」していく。

このあとよど号大菩薩峠連合赤軍などの事件がおき、さら爆弾事件と先鋭化してくる。「戦線活動もこのころ。

田:

戦線」は71年に興亜観音・殉国七士之碑爆破、72年に総持寺納骨堂爆破など、怪我人は出ないが爆破は始めていた。

青:

狼煙を見よ」や「腹腹時計から読み取れる「戦線」の特徴は、現在まで続く日本帝国主義の粉砕にある。

荻:

60年代学生運動は抗議主体だったが、その後日本の加害性を発見し、植民地支配反省中で農村コミュニティ市民と共に暮らす実践などもあったが、「戦線」のような組織反省攻撃を結びつけて行った(とまとめた)。

青:

戦線」の事件肯定はしないが、アイヌ在日コリアン沖縄などマイノリティに対する問題意識を持っていたというのは現代にも通ずる普遍性がある。

また、従来型の新左翼とは傾向が違い、ストイックに日々の暮らしをしながら爆弾闘争をやった。

荻:

戦線」はなぜ闘争攻撃を選んだのか。

田:

原罪性を持つ日本人への落とし前だと思う。

また時代の流れが、新左翼国家権力が「暴力」で鎮圧することへの対抗として、自分たち武装する、という意識が強かった。

昭和天皇暗殺未遂朴正煕暗殺未遂文世光事件、「命がけで闘った文世光への呼応としての」意識暴力時代を切り開く意識があったのではないか

青:

松下竜一狼煙を見よ」によれば、お召列車爆破未遂しょんぼりしていたときに同世代文世光(22歳)が事件を起こした、あんなに頑張っているのに俺たちは何をしているんだ、と、三菱重工爆破事件につながった。

お召列車爆破用の威力の高い爆弾を使ったので8人の死者を出す大被害となり、大道将司は痛切に反省をした。

荻:

今の若いからすると左翼マルクス主義だというイメージが強い。

新左翼マルクス主義距離、「旧左翼」とマルクス主義距離、「戦線」の立ち位置はどうか?

田:

新左翼の各党派マルクス主義に基づく綱領路線がある。一方「戦線」は党派ではない。マルクス時代的に当然読むが、全共闘学生たちと同様に倫理から直接行動を起こした。先鋭化する人たちのほかに水俣山谷に行った人、本格化する前の部落解放闘争に行った人もたくさんいる。

荻:

分かりやすイメージだと革命を成し遂げるための手段という印象があるが

田:

戦線」は革命ではなく落とし前国家権力の奪取にこだわらない。政治ではない。倫理であり生き方問題ある意味ものすごくピュアな人たち。

CMと前半の振り返り)

荻:

この半世紀どうか。

青:

ドイツ戦争責任によって東西に分断されたが、アジアでは朝鮮半島南北に武断された。沖縄はまだ(アメリカ基地である)。こういった日本の加害性をピュアに突き詰めたからこそ「反日」を冠した。

荻:

現代の「反日」は、歴史に向き合う人への罵倒語になった。

青:

皮肉。かつては東アジア人民連帯の「反日」だったのが全く反転してしまった。

青:

新左翼セクトは「戦線」に批判的だったが、鈴木邦男など右派陣営の一部が「戦線」のストイックさ、(「大地の牙」部隊リーダー男性の)齋藤和(のどか)の服毒自殺評価している。こういう流れが新右翼ムーブメントを生んだ。

リスナー

戦線」は何をしたかったの?

田:

将来構想はなかった。個々人の落とし前三菱重工等々の被害者にしてみれば雑談じゃないという話だが、彼らの論理日本国家転覆まで。

太田竜という、世界革命世界赤軍を唱えたイデオローグ理論指導者)は、第三世界革命勢力と手を結ぶ、その基盤は日本の最下層の人たちだと言っていたが、今の我々の建設的な視点とは違う位相にいた人たち。

荻:

今後の公安国家の語りは?

青:

反共左翼対策としての公安役割は終えた。

ただ、当時から90年代までの、爆弾闘争内ゲバに先鋭化していく中では、公安警察が肥大化してきたのは時代必然

今後は超法規的措置で釈放された大道寺あや子や佐々木規夫などの追跡は担っていくだろうが、徐々に任務縮小か。

荻:

テロ正当化はしないが歴史と向き合うことの課題

そして、マルクス主義はなくなっても、性教育性的マイノリティ権利保護選択夫婦別姓などをすすめる「文化的共産主義」と、その抵抗としての「反共」が繰り返し保守論壇で語られている。

青:

妄想だけれども、一方で、当時千差万別の人が新左翼運動に関わった、理論から夢想家まで。ただ結末が先鋭化した隘路、陰惨な結末になったことが「壮大な失敗」と捉えられて、日本左派というかリベラルへの大きなダメージマイナス面になっていると思う。共産党左翼へのアレルギーヨーロッパでは緑の党や旧共産党政治ムーブメントを作っているのに。

荻:

理想を掲げることは無駄なんだ」というカッコつきのリアリズム空気のようなものは残ったかもしれない。

田:

今は、世の中自分が何しても動かないという風潮が強いが、当時の若者には自分たちが世の中の主人公なんだという意識が強かった。「戦線」がやったことはともかく、戦争責任を唱えたことが認知されてその後90年代河野談話村山談話につながっていると思う。

荻:

振り返るというのは何を残したのかとつなげる行為でもある。

2023-08-16

anond:20230816095620

関係薄いのに保守として貢献したって矛盾してないか

保守を表明してきている自民党保守論壇に貢献したって統一教会だとして

その保守論壇たちが自民党と仲良くしてる情報が溢れていないか

2022-07-14

保守論壇だと思われていたもの

今回の件で過去保守系チャンネルと関わりのあった人物としては

古谷経衡篠原常一郎、適菜収鈴木傾城坂東忠信福島香織など(敬称略)

他にもいるかもしれないがそれ以外からは、「統一協会カルト」「政治宗教問題をなんとかすべき」の一言が出てこず、あろうことか統一教会擁護する者までいる。

左翼(自分は5chをウォッチしていて今はほとんど全ての右翼もだが)に同調したくない、安倍さんの死を悼みたい

などとは言っても誰もが知っていてこの嘆かわしいと思われていた問題に切り込むチャンスなはずだ。

今まで保守論壇だと思われていたもの統一教会並びに統一教会被害者自民党保守論壇、そしてネトウヨという経済圏だったのではないかという漠然とした仮説が徐々に説得力を持ちつつある。

2021-11-21

ドイツナチス切断処理して責任放棄しているというデマの成立につ

ドイツナチスが絡むと必ず出てくる言説で、ここでもやはり大量に見られる。

はてなブックマーク欅坂46立憲民主党議員も…「ナチスをもてあそぶ日本人」にドイツ人がドン引きする理由 | 文春オンライン

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/bunshun.jp/articles/-/50047

 

なんかズルいなあ。現ドイツナチスとは別で第2次大戦は全てナチスが悪いっと言ってる感じ。昭和天皇責任から逃げなかった。

コイツ祖父や祖祖父世代ナチスを指示したかナチスがああなった。ナチスに全てをおっ被せているのは否定できないだろうよ。

ナチスこそが全ての原因で邪悪悪魔国民はその被害者という形にしないと成り立たないのがドイツ。想起するあらゆるもの排除っていうスタンスは、他のジェノサイド等の件では全く見られない特殊もの

戦争責任ナチス押し付けたからこそ、「我々一般ドイツ人とは違う狂信的な集団」として極端にタブー視する必要があるんじゃないか穿った見方をしてしまう。

そりゃ「ナチス党を絶対悪においてドイツ人が悪い訳では無い」というスタンスからな。だから謝罪賠償もしない。外から見ると「ナチスドイツ」だけどな。

 

ちょっとこのデマがどこで生まれたか解説したい。

この言説の出元はズバリ西尾幹二である。といっても西尾が「西ドイツ(当時)はナチス切断処理して反省拒否している」と言ったのではない。

 

敗戦40年ヴァイツゼッカー演説と受容

前年に西ドイツ大統領に選出されたヴァイツゼッカー1985年連邦議会で後に有名となる演説を行った。西ドイツ大統領米国米国政体モデルにした韓国のようなものと違い、首相の上に立つが実権力は少なく元首のような役職だ。

この演説は「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となる」の節が有名で、要するにナチス蛮行責任戦後ドイツ人は引き受けねばならない、蛮行に手を貸していないと言い張るのは許されないとの内容だ。

この演説岩波の『世界』が取り上げて掲載し、後には数百円のリーフレットも発売した。「戦争への反省モデルケース」としての評価であるのは言うまでもない。

因みに『世界』は敗戦後に相当な影響力を持った論壇誌だったが、経済成長全共闘進歩派攻撃などによって影響力は下がっていた。だがこのヴァイツゼッカー演説掲載反響を呼び、リベラル人士に挙って引用されるようになった。

 

ところで複数人編集されるwikipediaヴァイツゼッカーの項は、演説内容が「悪いのはヒトラーナチズムであり、ドイツ国民民族被害者である」だったとの節と、「罪の有無、老幼いずれを問わず、われわれ全員が過去を引き受けねばなりません。」との引用文が併置されるという面白い状態になっている。

 

西尾批判

この盛り上がりに対し、ドイツ文学者西尾幹二文藝春秋社『諸君』で批判を加えた。

演説文章をよく読んでみると、ドイツ国民の直接の罪は回避されている」「ナチスの罪はドイツ国民個人に無い事が前提となっている」という内容だ。

そして「日本戦争犯罪と違ってナチスの罪は人道に対する罪であって国家のもの犯罪国家責任の取りようが無い」。

責任が取れない種類のものを引き受けると言っているのだから欺瞞だ、という事だ。

 

これは文章解釈であり、悪意を持てば文章は逆の意味解釈する事も出来る。(「ナチスの手口に学べ」は反語だ、など)

それは言語堕落だが、西尾がそう評価されなかったのはニーチェ思想を専攻とする文学者の実績があった為だ。例えば中央公論の『世界の名著』シリーズニーチェ編纂解説西尾である実態が無い〇〇総研勤務や過去論文紀要に全くない文学研究者バイト以外職歴不明動画投稿者ばかりで構成される昨今の保守論壇と当時は全く違った。

それ故、西尾批判は「無邪気な戦争責任論への懐疑」として評価されていた。ヴァイツゼッカー演説リテラル文字通り)の内容は、云わば民族原罪論のようなものなので、それに対してニーチェ視点から欺瞞を突きつけたくなるのは無理もない。

 

但し、

民族全体に罪がある、もしくは無実である、というようなことはありません。罪といい無実といい、集団的ではなく個人的なものであります

の様な一文を持って「集団が免責されてる」という辺りはニーチェもへったくりもなく単に低質なデマだ。あとで触れるがこれをやり始めたのは小林よしのりだ。この文章は「当時にも残虐行為タッチしていない人間は居たがその罪は国民は免れない」という意味からだ。

から西尾哲学的文脈好意的評価する時、こういう所は無視して、ユダヤキリスト教道徳類似した欺瞞を指摘した、と評することが多い。

だが西尾ニーチェ専攻にも拘らずにルサンチマン駆動させられやすく、「切断処理を表明する演説」論者にのせられてそう言っちゃうのよな。で、論壇が経歴不明バカ宗教右翼で埋まってパージされると冷静さを取り戻す、というのをずっと繰り返している。

言説の変容

90年代前半までとその後の保守論壇というのは質が全く違って、例えば引用したブコメで言うと、

から謝罪賠償もしない。

とかは今は普通に見られるが、当時ならあり得ない。何故といって日本交戦相手の米英仏豪に謝って賠償金を払っただろうか?勿論していない。

フィリピン以外の賠償金は全てチャラにして貰った。特に米国自国民間企業に対しても対日債務は諦めるようにした。ドイツも同じスキームだ。

そして日本はそれら交戦相手連合国にチャラにしてもらう代わりに戦場となった主に東南アジアに対して復興後の開発援助を約束した。これらの戦後処理を全てやったのは自民党であって、それ故保守論壇人士の方が戦後処理に詳しかった。だからドイツ交戦国に賠償していない」なんて事は相当のバカじゃなきゃ言わなかった。それはどこも一緒だから

 

こういう訳で当初は「ニーチェ研究者文章解釈」として評価されていた西尾言説が、「ドイツナチス切断処理して反省拒否する立場である」という風に化けて行く。

この決定的な曲がり角は先にも言った小林よしのりなのだが、小林を論壇に引き込んだのは西尾なのだ。だから西尾小林やそのフォロワー後者の言説を流布して行くのを黙認していた。

その後西尾宗教右翼教科書運動を乗っ取られてパージされてしまい、「彼らの運動論は左翼のそれだ」と批判する羽目になるのだが、彼らを引き込んで論壇の真ん中で活動させたのも西尾だったのだな。

 

という訳で「ドイツナチス切断処理して反省しない立場」節の原初西尾で、それが解釈ではなくて「表明したという事実」に化けていったのである

 

メルケル来日恐慌

2015年メルケル来日した際、朝日新聞で講演して安倍政権歴史認識批判する場面があった。

講演、インタビューに態々選んだのが朝日新聞というのは明確なメッセージだ。

これにネットの一部は沸騰してドイツ叩きが盛んになった、という事があった。

何故そんなに逆上したかと言えば、一部で「常識」となっているドイツナチス切断処理論と反対の立場から冷や水ぶっかけられたからだ。

仕舞にはメルケル極左に振れているという噴飯もの意見も多く見られた。メルケル所属するCDUは保守政党である

 

このナイーブ恐慌状態集団で信じていた事を現実が裏切る事で起きていたので、これぞまさにルサンチマンだ。

ニーチェ思想に沿って生まれ解釈が30年経って反ニーチェ的なナイーブに転化していたというのは寓話的だと思う。

当たり前だが、メルケルドイツナチス切断処理なんて立場を表に出した事は無い。統一ドイツの成立条件見れば当たり前だ。

ドイツ戦争責任切断なんて出来る訳ないだろ

西ドイツEC加盟国だったが東ドイツはそうではない。統一は他の加盟国承認必要だった。

そしてベルリンというのは統一の前日、最後まで連合国占領下にあった。

ソ連勝手東ベルリン自分勢力下としてしまったが、米仏英はそんな事認めていない。法的には最後まで共同統治であった。

まりベルリン占領はこれら4国の承認が無い限り解けない。もしヴァイツゼッカーナチス切断処理してドイツ責任無しという演説をしたら、東西ドイツがその態度だったら、ベルリン首都に出来ただろうか?

そしてEUの顔役が出来ただろうか?

当たり前すぎてバカらしい。

 

珍妙な変な「定説主義」みたいなのを皆で信じる前に常識で考えてはどうだろうか?

そして現実主義を謳うものほど現実に対してナイーブというのはニーチェ研究テーマとすべき事象だと思う。

2021-08-06

高市早苗ナチス

高市早苗自民党総裁に推す動きがあるようだが正気だろうかと思う。高市にはナチスシンパと取られる言動過去があり国際社会に対する国家の顔とするにはヤバすぎる。

2014年にはネオナチ政治結社との記念撮影写真問題視されて海外でも報道された。

https://www.theguardian.com/world/2014/sep/09/neo-nazi-photos-pose-headache-for-shinzo-abe

これは当然英語版Wikipediaにも載っている。

 

更に1994年には『HITLER ヒトラー選挙戦略』小粥義雄著という本への推薦文を寄せていてこれも火種となる可能性がある。(記事中に推薦文画像

https://buzzap.jp/news/20140910-takaichi-hitler-book/

因みにこの本の著者は自民党東京都支部連合事務局広報部長である

 

でも高市がなんでこんな軽挙妄動をしたのかは説明が要る。これは彼女キャリア形成に大きく関わっている。

文化状況

まず、1990年代前半には安定と思われていた戦後民主主義への疑義、反発を表す論壇でのブームがあった。それで国法学地政学カール・シュミットナチスに関わった人物を再評価する流れがあった。例えば福田和也の『奇妙な廃墟―1945』はフランスナチス詩人達を再評価して同国の極右文芸を論ずるものだが、書かれたのはフランス革命200周年の1989年である

この福田が論壇文壇に上がって来たのは『HITLER ヒトラー選挙戦略』の前~前前年ぐらい。民主主義(仏革命)への異議がナチス評価へ至るディレッタンティズムな流れだ。鬼畜系などのサブカルクソ野郎はこの底辺である

高市封印されたキャリアターゲット支持母体

高市松下政経塾に入塾し保守的政治家への指向最初から持っていたのだが卒業後はコングレッショナル・フェロー制度により米民主党パトリシアシュローダー議員の下で働いた。同議員女性の権利を強く志向する議員でありその後の高市立場とは相容れない。

政治家になる前に松下政経塾入塾、米国でコングレッショナル・フェローというのは売りになる立派な経歴であるが、高市後者の経歴、特に師事した議員の事をずっと表に出さなかった。数年前にコングレッショナル・フェローの経歴虚偽疑惑が噂された原因の一端はこの為だ。

 

シュローダー議員への師事を終えた高市帰国してCNNデイウォッチなどのTVキャスター等を勤めた。Wikipedia高市早苗の項では1990年TVキャスター登板のように書かれているが間違いである。

CNNデイウォッチでの政治的立場リベラルだが、仏革命200周年のフランスの祭典のニュースでは反仏革命思想を紹介するなど保守的立場を窺わせている。

 

ところで自民党の票田には神道周辺の右派が居り、老人や学校先生など一般社会からやや外れた人らを構成員としていた。神社寄合を核とした緩い繋がりで、その社会的妥当性をやや欠く集団自民党が票田としつつ、自民党現実主義暴走を防ぐという構図である。例えば遺族会会長には右翼的政治家を当てないという知恵が自民党にはあった。

 

90年代自民党旧態依然族議員が幅を利かす男社会であって女性議員活躍する筋は無かった。高市三バンのうちTVキャスター看板はあるが世襲ではない為地盤はない。その為無所属当選した高市最初リベラル標榜して自由党に入った。

地盤が無い議員地盤を持つにはどうしたらいいか族議員の様な支持基盤を持つには?特に場所がない女性議員であれば?

その答えが神道系固定票へのアピールであったのだ。教育勅諭には良いことも書いてあるとかユルい事を言っていればいい。現実政治との擦り合わせなんて立場は出さずに思想的に理解を示すのが支持に繋がる。

『HITLER ヒトラー選挙戦略』の出版もそれへの推薦文も自由党時代の事だ。これはつまりナチス評価サブカルディレッタントブームへの迎合高市のその後の支持層への秋風だったのである

高市が拓いたキャリアパスと白いスーツの女たち

高市はこうしてリベラル議員への師事の隠避と宗教右翼層へのアピールにより自民党女性議員活躍する道を拓いてきた。総務族と言っても良いキャリアも出来た。

しか問題なのは高市開拓した道以外に女性自民党でやっていく道筋が無い事だ。小泉時代には経済自由主義での道が見えたかに見えたがその後無くなり高市路線けが残った。

これが安倍チルドレンなどの新人女性議員差別発言をわざわざするという原因になっている。女性議員はそれまでの人生的蓄積やキャリアアピールせずアンビバレントで複雑な大人人格を出さず、イデオロギー純粋さを見せること。これのカリカチュアライズされた子供アニメの悪役みたいなバカ杉田水脈であるのは言うまでもない。

そもそも現在自民党世襲がきつすぎてキャリアのある人が登用される可能性がほぼない。それで高市コースだけキャリアパス確立されていればそこを歩むしかないのは必定である

 

今の就職活動では同じ色のスーツを着るのが常識になっているが、嘗ては特に女性は色付きのスーツを着る自由があった。

それで白いスーツを着ていき、面接で「あなたの色に染まります」と言うキモイやり方があったのだが、高市の拓いたパスはまさに白いスーツ女性議員の量産と言える。その原初高市の米民主党議員師事したキャリア隠避だ。

 

以上が高市が『HITLER ヒトラー選挙戦略』への推薦文を寄せるという軽挙妄動の原因とそれで拓いたキャリアパスである

国際社会向けの顔にするのは無理じゃね

こんな過去があって、更に数年前にネオナチとの写真が流布されてサミットかに出るのは無理なんではないか

EUの顔役でもあるメルケルと折り合いがつくのか?

高市総務省キャリア放送行政に寄っている。だとすると女性版ゲッベルズとか書かれるのが目に見えている。自民党への不信に対抗するのに女性、と考えたのだろうが安直だし、それはそもそも支持基盤保守論壇(嘗ての宗教右翼系)の視野を外から見てないから気が付かないのだろうと言う外無い。

2021-03-23

anond:20210323082630

ゴミ押し付け合いが始まってて笑う

少なくとも本邦では自民党維新がそうであるようにネオリベ=リベラルではないし、呉座勇一先生慰安婦問題に対しての立場は極めて保守論壇に近い方だよ

ゴザ騒動について

この数日、呉座勇一先生ツイッターの鍵アカウントで、ある女性学者への人格攻撃を行い、かつアンチフェミニズムクラスタ日常的につるんでいたということで、大炎上している。実績も地位もある歴史学者がなぜ、と疑問に思う人が多いが、このアンチフェミニズムクラスタについてあらためて考える必要がある。

真面目なフェミニストリベラル派はアンチフェミニズムを「女性差別主義」と同一視しているが、そう単純ではない。今回、白饅頭(御田寺圭)氏がアンチフェミの「ラスボス」扱いされているが、彼は過去シノドスにも寄稿して経済学者飯田泰之先生とも対談するなど、リベラル派との付き合いがある一方で、日本会議的な右派保守派とのつながりは全く見られない。彼が連載枠を持っている現代ビジネスも明確にリベラル寄りであるアンチフェミも厳然たるリベラル派の一部だということを忘れると、今回の問題が全く見えなくなる。

呉座先生も、これまで司馬遼太郎井沢元彦などの高齢男性保守派に人気のある歴史家を厳しく批判し続け、歴史を「国民物語」として語ることを否定してきたように、どちらかといえばリベラル派寄りだった(少なくともそう見えた)。だから、呉座先生女性に関しては保守的反動的だったからというより、彼のリベラル価値規範の中で「筋が通っている頭のいい議論」に見えたからこそ、アンチフェミクラスタにはまってしまったと理解される必要がある。

問題は、ではなぜ不幸にも「筋が通っている」ように見えてしまったのかという点にある。これについて書こうと思ったが、頭がまとまらなくて断念。

追記

現代ビジネス飯田先生が「リベラル」は雑な括りだというブコメがあったが、現代ビジネスは今回の当事者である北村先生も数多くの文章寄稿しており、保守論壇誌と比較すればリベラルだと判断したが、確かに微妙かもしれない。飯田先生荻上チキ氏やPOSSEと付き合っている一方で、右では高橋洋一田中秀臣などの政権擁護派とつるんでいるので、「リベラル」括りにすると違和感を持つ人はいるだろうとは思う(個人的にはもう少し付き合う相手を選べと言いたくはなる)。

2020-10-09

anond:20201008002423

元増田です

南京事件はかなり詳しく知っていましたが、他は全然だめですね。専門家でもないのに一人で何もかもは無理ですわ

南京事件は、南京大虐殺事件資料集証言による南京戦史、ラー日記ボートリン日記などの中国人に依らない日記資料小野氏による従軍日記収集資料集など、証拠は腐るほどあります。あと保守論壇ですら大半は虐殺はあったと認めています。30万人を認めてないだけですね。あと相対化を図って矮小化するとかね、その程度のものですね。事件のもの否定する人はおそらくよほどのバカ以外いません。

2020-06-07

anond:20200607200640

そうか?知識人ってわりと一定保守論壇の大物みたいなのもかなりいる印象だが。

どの程度までを知識人とするかで違うんだろうけど少なくとも学者界隈だと普通に居るような。

2019-08-02

anond:20190802114409

こんな感じでどっちがバカか論に持っていくのがネトウヨの最終手段なんだよな

で結局元の指摘やミスはなかったことにできると思ってるみたいだけどそれ通用するの保守論壇だけだよ

2019-04-18

相互フォロワーからブロックされた

表題の通り。

理由は分からないが気が付いたらブロックされていた。

相互フォローしていたのにブロックされたということはその人を傷つけるようなことを書いたからだろう。

そんな自分twitterをする資格などあるのか。

 

とはいえtwitterを通じてできた縁もある。

自分は数年前に深夜帯でやっていた某アニメとその原作漫画(仮にαとする)が好きである

αの知名度現実世界では著しく低い。とはいえαの原作漫画アニメを見ると非常に秀逸なギャグ作品でまさに「隠れた名作」である

「隠れた名作」αは5年前に連載が終了した作品だが、今もなお根強い人気を誇り直近の冬コミにも同人誌が出ていた。

αのファンという共通項でtwitter上でフォローしあっている人もいる。

twitterで知り合ったαのファンと会ったことも何回かある。そのうち一人には保守論壇を論じた専門書(岩波書店刊)をプレゼントしたりもした。

恐らくこれは浅野智彦の指摘する趣味縁の一種だろうが、その縁を断ち切るのも嫌である

ついでにブロックされた相手はαとは一切関係ない。

あと、αとは関係ないがお母さんキャラが好きという共通項でフォローしあった人もいる。

 

どうすればいいのか自分でもわからない。twitterでの自分発言で誰かを傷つけてしまうかもしれない。

自分加害者になってしまったという事実にただただ慄然とするし、また加害者になりかねないという意味twitterするのが怖い。

とはいえαやお母さんキャラを介し形成された趣味縁を断ち切る勇気もない。

2017-11-27

anond:20171127150848

保守論壇の方々がよくおっしゃられてるけど

LGBT生殖が当然の自然の摂理に反するのなら、

日本みたいに他民族排斥し、同民族内でひたすら交配して

遺伝子多様性否定

自ら不利な状況下に進む動物動物として間違いだよ

2017-01-19

http://anond.hatelabo.jp/20170119161130

いやいや、安倍さんはハッキリもの言わないじゃん。保守論壇って基本「安倍さんのアレはこういう隠された意図がある!(だから反対する奴は売国奴)」って話ばっか。小泉時代の方がまだ良かった。

2016-07-29

小池百合子は「東京トランプ

小池百合子は「東京トランプ

小池百合子日本会議会長らと「東京核ミサイル配備」をぶちあげていた! 小池は「東京トランプ」になる?

http://lite-ra.com/2016/07/post-2438.html

昨日、本サイト東京都知事候補小池百合子氏の本質が“極右ヘイト政治家であることを、多くの実例を交えて紹介した。だが、彼女の“危険性”はヘイトスピーチ放置し、歴史修正主義を邁進しているだけにとどまらない。

 小池氏が知事なったら、東京核ミサイルを配備されるかもしれない──。どう考えても悪い冗談しか思えないが、これは小池自身過去に語っていたことだ。小池氏は極右のお仲間と一緒に、なんと、“東京核ミサイルを配備しよう”と得意げに計画していたのである

 2003年保守論壇誌「Voice」(PHP研究所3月号所収の田久保忠衛西岡力両氏との鼎談記事でのことだ。田久保氏といえば現在日本最大の極右カルト団体日本会議」の会長を務めるタカ派言論人。また西岡氏は「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)の会長であり“対北強硬路線”“反北朝鮮”の世論日本軍事力増強を扇動する右派論客だ。

 タイトルは「日本有事 三つのシナリオ」。内容は小池氏、西岡氏、田久保氏の3名がそれぞれ議題を提示して討論するという企画なのだが、くだんの“東京核ミサイル配備”は田久保氏の「日米同盟か、核武装か」なる問題提起からまり北朝鮮の核保有日米安保がメインテーマになっている。

 そして、このなかで堂々と「東京核ミサイルを」なる小見出しまでつけて、西岡氏が「アメリカがほんとうに利己主義的になれば、彼らはアメリカまで届くテポドンだけはストップさせるが、日本を狙うノドン放置するでしょう」とぶつと、これに応じた小池氏はこう言い放つのだ。

軍事上、外交上判断において、核武装選択肢は十分ありうるのですが、それを明言した国会議員は、西村真悟氏だけです。わずかでも核武装ニュアンスが漂うような発言をしただけで、安部晋三官房副長官言論封殺に遭ってしまった。このあたりで、現実的議論ができるような国会にしないといけません」

 つまり小池氏は、“日本核兵器保有国会現実的議論せよ”と声高に主張しているのである

http://lite-ra.com/2016/07/post-2438_3.html

ちなみに、アメリカではドナルド・トランプ氏がまさにそういった扇情的ポピュリズム手法大統領一歩手前まで駆け上がっているが、そんなトランプ氏を小池氏はこのように論じている。

トランプに関しては、読めないことが多い。もし大統領当選したら、どのような行動を取るのか。どの人種的宗教的マイノリティーや外国に対して、最も侮蔑的振る舞うのか」

アメリカ共和党員は、そしてアメリカ国民全体はよく理解すべきだ。トランプ流の大衆扇動劇場と化した大統領戦は、世界の安定を、ことによると平和をも脅かしかねない(「ニューズウィーク日本版」16年7月5日号/CCCメディアハウス

 警告ごもっとである有権者はぜひ、この論評をそのまま小池氏にお返ししてあげようではないか

2016-05-06

日本会議研究」を読んだのだけど

菅野完著「日本会議研究」を読んだ感想、ではなく、疑問点をつらつら書いていく。ホントはまとめて読者お便りにでもしたかったのだけれど、切手代が惜しくなったので、気になった点を列挙していく。なお、これを読んで本書の内容を知った気になって恥をかいても知りません。

isbn:9784594074760

  1. P. 7, L. 2「この点に気づいた私は、保守論壇誌を手当たり次第に読み込むようになった」とあるが、保守を自認するはずの筆者は、これまで「保守論壇誌」と呼ばれるものを読んでいなかったということだろうか。一介のサラリーマン保守論壇誌に興味がなかったというのは別に問題はないのだけど、こと「『右翼であり保守だ』と自認する」筆者が論壇誌や内容の流行り廃りに興味を持っていなかったというのは、いささか不自然に感じた。
  2. P. 9, L. 11サンプルは、路上ヘイトデモであったり、保守論壇誌の記事のものであったり……」とあるが、「顧客アンケート従業員アンケートなどといった定性的情報に頼ることなく」と筆者が謳う「品質管理手法」に適用するサンプルとしては、定性的に過ぎるのではないか。無論、そこから人物相関を引いたり、時系列的に情報伝搬の順を推定したりするのだろうけど、「定性的情報に頼ることなく」と主張をするなら定性的情報と取られかねないものサンプルの例として挙げるのは不適当だ。
  3. P. 19, L. 12「おなじみの顔ぶれ」というが、誰にとっておなじみなのだろう。おそらく「(保守論壇誌で)おなじみの顔ぶれ」ということであろうが、この一語を省くだけで読者には敷居の高い本となってしまう。もっとも、筆者の処女作である保守の本分」は、ほぼ全編にわたって筆者と前提知識や思想を共有していない人には読みづらい不親切な文章であり、それに比べれば幾分改善されたと感じる。よく言えば一般向けでない、悪く言えば説明放棄した文章というのは、読者の読解力を無駄要求すると指摘しておきたい。
  4. P. 21 図表1 「新道議連」は「神道議連」の誤りか。この表だけを見ると、神道議連が9割、靖国議連も8割であり、日本会議国会議員懇談会所属閣僚が8割を占めるという点を「第三次安倍内閣の特徴」とするには、いささか不足を感じる。全国会議員や自民党所属議員に占める比率との比較や、歴代内閣との比較など、筆者の主張を裏付け数字は他になかったのか疑問である。これだけを根拠に「日本会議のお仲間内閣」と評してしまうのはいかにも牽強付会だし、今後の筆者が出す情報が総じてこの程度の根拠という印象を与えてしまう。
  5. P. 32, L. 14 西尾2005では「日本会議つくる会モラロジーキリスト教幕屋や……」と日本会議と並立して書かれているモラロジー研究所キリストの幕屋が、P. 31 の図表5 には日本会議役員として名を連ねている。この包含関係齟齬重要である。なぜなら、両団体日本会議からの働きかけを受け、役員を輩出する団体として西尾氏の活動支援している証左とも取れる一方で、日本会議に対して両団体独立して西尾氏を支援しているという根拠にもなりうるかである後者場合は、役員は「名義貸し」という解釈になるため、これをして「きわめて積極的運動に参画している」根拠とするにはいささか薄弱と言える。
  6. P. 69 L. 10 筆者は「なぜ日本会議とその周辺が靖国神社にこだわるのか」という疑問を述べているが、図表 2 にある通り、安倍内閣閣僚を見ると、日本会議国会議員懇談会所属議員靖国議連所属議員は大部分が重複している。靖国議連議員としてではなく、「日本会議の周辺」として「靖国神社にこだわ」っていると筆者が断じる理由がわからない。無論、思想的に共通する点が多く、日本会議の源流という文脈では筆者が主張するような解釈もできる。しかし、本書を読む限り、この疑問に答えるものはなく、前掲は問題設定として不適切ではなかろうか。
  7. 第三章全体に言えることとして、日本会議活動が、改憲夫婦同姓義務最高裁判決と同じ趣旨であることは論を待たないものの、日本会議の影響がどれほど大きかったか定量的評価がなされていない。日本会議に関心がなくともこれらの問題に関心がある、という分類の人は多数おり、日本会議活動が与えた影響の大きさを推し測れなければ、日本会議が時流を作ったのか時流に日本会議が乗っかったのかという疑問が解消されない。
  8. 四章は非常におもしろい。というのも、地方議会議員へ頻繁に請願アンケートを行うなど、組織バックボーンたる事務方能力が、ようやく採り上げられるからだ。連載の順序を踏襲して単行本を出すことは問題ないが、これまでの章立てでは、日本会議という組織がどれほどの規模を有するのか、なじみのない読者にはここに至るまで、とんと理解ができなかろう。少なくとも、これまでの各章を読み返す限り、日本会議が親睦会以上の実態を持った組織であることを示す根拠は極めて乏しいこれに対し、日本会議日本会議としての実態を伴った活動を例示しているのは、実はこの章が初めてである集会の開催といったものは、特段大きく固定された組織必要とせず、参加団体の持ち回りで運営できる。しかし、筆者が想定する規模の是非はさておき、定期的な請願署名アンケートといった活動継続的に行うには、HQとして一定程度の専従の職員資金的裏付け必要からである。このくだりを読む限り、専従者は数名で済みそうだが、真実や如何。
  9. P. 112, L. 9 「谷口雅春先生学会」は「谷口雅春先生学ぶ会」の誤りか。
  10. P. 113, L. 10 「ぷろでゅーす」は「プロデュース」の変換ミスか。
  11. P. 120 「『『決起』」と鍵かっこがダブっている。このあたり、推敲が不十分と思われる。連載中ならいざ知らず、単行本化に際しては校閲の不徹底を指摘したい。
  12. P. 161, L. 11 「……安倍政権は、このような人に支えられ、改憲路線を突き進んでいるのだ」とあるが、本章の後段はそれ以前の章と同じく、「このような人」の規模感がつかみづらい。証言依拠すればそれほど規模が大きいとも思えず、また知的水準も高いとはいえない若手世代排出が、日本会議にどれほど貢献し、ひいては安倍政権を支えているか認識できない。
  13. P. 185, L. 8「明治憲法復元のために」何十年と運動してきた人物さえ日本政策研究センター改憲優先順位を知らなかったという。一国の首相プロモーターが唱える政策が、一般どころか思想的に近いであろう人々にさえ知られていないというのは、いささか奇異に映る。ましてや、このような人々が同センター日本会議とをつなぐポイントだと主張するのは、説得力を欠く。つまり、同一の目標に向けて連動しているはずであるにもかかわらず、意思疎通が図られていないように読めてしまう。
  14. P. 212, L. 9 これまでも数度筆者はAmazon検索した結果を述べているが、インターネット検索した結果をそのまま典拠として用いるのは、本書の信頼度を大きく減殺する。取材しろとは言わないが、どの文献に載るプロフィールかまでは調べてしかるべきであり、雑な作業と映った。
  15. 第四章の途中から第五章にかけては、筆者の取材メモをそのまま写したかのような文章で、異常に読みづらい。筋立てて説明しているというよりは、手に入った資料と筆者の思考の断片を繋ぎ合せたような文章であり、筆者が明かした全貌が見えない。「一群の人々」の背後関係を調べるのであれば、各人物ごとに切り口を揃えないことには、理解の難しい内容となる。おそらく連載中は締め切りなどの関係もあり十分な推敲を経ずに掲載された回もあったのであろうが、単行本化に際してそれを放置するのは説明放棄といえよう。
  16. 第六章の真偽はさておくとして、単一運動を四十年続けるというのは、特段のカリスマ仮定しなくとも可能ではないかと感じた。例えば、会社員の多くは大卒の二十代から出世レースを始めるが、その中から六十代に勝ち抜けたもの会社経営者となる。終わってみればそういった経営者の多くは旧帝大を始め限られた大学卒業であるが、別に彼らは大学時代出会ったカリスマ的な人物の影響を受けて就職先での40年にもわたる出世レースを勝ち抜く決心をしたわけではあるまい。
  17. ただ一つ言えることは、長年知り合った思想的にも近いとはいえ高々10名ほどの人々が、四十年もの長きとはいえ緊密に連絡を取り合い行動していたとして、それが各々の所属組織に、ひいては現政権にどれほど影響を与えているかという点について本書は明らかにしていないのだ。無論、政治的組織のHQ に属する人々に影響力がないわけがないが、果たして国勢を壟断するに至るほどか、という恐らく本書を読み通した多くの読者が抱くであろう疑問に答えるには至っていない。その点、筆者の「日本会議が大きいわけでも強いわけでも」なく「他が小さく弱くなった」という結論は大いに説得力を感じた。


以上のように、筆者が単行本化に際して加筆修正すべきであった点を放置して世に出したのは、筆者と出版社の怠業である。一方で、本書を「巨大陰組織日本会議の全貌」のような内容という理解評価するのは本書を読んでいないか読解力が不足している。

感想一言で述べるなら「物理的にも内容的にも行間広すぎだろ」

2015-05-26

http://anond.hatelabo.jp/20150526141937

そういう人の言説の責任までとれんし。

君がフェミニスト自称しているという前提で言うけど、すべての責任をとれなどとは思わないし言わないが、それ相応の責任はとってよ。小林よしのりを含めた90年代保守論壇にはネトウヨを台頭させた一定責任があるように、フェミニズムには「おかしな人」を生んだ(一定の)責任がある。

2014-02-18

他国の反応を気にして靖国参拝するべきではない?

「なんで他国の反応を気にして靖国神社に参拝するかしないかを決めなくてはならないのだ!」という意見を目にすることが多い。信仰を自由を侵害しているのではないんじゃないのか、と。

信仰に関して他国に云々言われる筋合いはない、という意見もっとである靖国に参拝する多くの人だって国体護持を唱える右翼じゃなく単に戦没者哀悼のためであろう。動機が、政治的な、つまり不純なものである人はむしろ少ないと思う。だって一個人が靖国に参拝したって政治的意味は何もないもん。

だけど、やっぱり政治家──とくに首相クラス──になると、やっぱり話は別でしょう。

サヨクの人びとは、「A級戦犯が祀られているから」とか「あの戦争侵略戦争だったから」首相を非難するだろう。私としてはその意見を支持したいと思っている。

しかし、「A級戦犯」という言葉東京裁判によって押し付けられたものであり、その言葉自体が非常に政治的ものであることをサヨク自覚すべきだ。

さらに、「侵略戦争」であったかどうかは、もう一つ厄介な歴史認識の問題に移行してしまう。

そうすると、靖国参拝の問題は「東京裁判を支持するかどうか」とか「歴史をいかに認識しているか」という別問題にシフトすることになってしまう。

認識の相違によって、議論はつねに並行線を辿ってしまうことになるだろう。

私は靖国参拝問題については、もっとスマートに言えばいいのだと思う。

靖国が「問題」になるのは、つねに「政治」という場においてである

政治においては、人は「行動の動機」によって評価されるものではなく「行動の結果」によって評価されるべきものであろう。善意から悪政を行ってしまったり、自らの野心から徳政となることは歴史上珍しいことではない。

たとえば「生類憐みの令」なんかは前者だよね。

靖国問題はしたがって、それが私たち国民にとって有益であるかどうかという点から見ていったほうがよい。私は首相靖国参拝は、有益ではないと判断する。

──しかし、そうではないと言う人もいる。産経新聞は、2013.12.28の「産経抄」で、首相靖国参拝は「国益」につながると言っている。

▼第一は、首相公約を守ったという事実だ。アベノミクスがうまくいっているのに中韓と波風を立てる必要はない、としたり顔でいう識者は、約束を守らない政治家を見過ぎたのだろう。政治家が自らの発言に責任を持ち、実行に移すのは当たり前の姿であり、「政治力」アップは間違いなく国益資する。▼米国務省が「失望した」と、表明してくれたのも国益に大いに役立った。日米同盟永久不変なものではなく、歴史認識ひとつとっても日本が逐一、主張しなければ、中韓プロパガンダ宣伝)工作にしてやられかねないことを教えてくれた。▼米国はかけがえのない同盟国ではあるが、国のために命をささげた先人への感謝は譲れぬ一線である。心ある日本人が「嫌米」にならぬようケネディ駐日大使はぜひ、靖国神社にお参りいただきたい。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131228/plc13122803080003-n2.htm

あらゆる行動の結果に収穫と損害があるのは当然だが、首相靖国参拝を支持する産経新聞が「収穫」を上の二点しか挙げられなかったというのはイタい

政治力」についてだが、安倍首相靖国参拝については次のようなデータがある。

NHK11~13日、全国の成人男女1千66人を対象実施した電話世論調査で、安倍首相靖国神社参拝について「非常に評価する(17%)」という回答と「ある程度評価する(27%)」という回答が合わせて44%で、「あまり評価しない(29%)」という回答と「全く評価しない(23%)」という回答は、合わせて過半数の52%であった。「安倍首相が今後も靖国参拝を続けるべきだと思うか」という質問には「継続するべきでない」という回答が38%で、「続けなければならない(27%)」という回答よりも多かった。

賛否両論」という表現が正しいだろう。これが政治力の向上につながるとは思わない。産経抄の指摘する第二点についてはあまり意味不明なので取り上げることができない。ケネディ駐日大使靖国参拝を薦める部分なんかは、筆者は頭がパーンとなってるのでしょう。

──もうね、ひと言で言っていいと思うのだけれど、靖国参拝は、産経をはじめとする保守論壇が喜んだっていう収穫しかなかったんではないの?

そう考えると、やはりますます首相靖国参拝は、いかに崇高な動機から行ったにせよ、私たちの役には何も立たず、海外からイタい視線を浴びただけで終わっただけの行為だと言わざるを得ないのではないかと思うのだ。

2008-12-23

自分語り 

↓これに関して元おたくのおっさんより。

自分語り133 - DENPA!!! 「超ライトオタク」 言説

http://www.technorch.com/2008/12/133---denpa.html

言いたい事はすべて

昨今のヤンキーオタクが急接近であるとか、オタク系文化とクラブ系文化の融合だとかいう話は歴史の蓄積なき忘却のなせる錯覚なのである。

●●さん、大恥かいちゃったね。でも無知は罪じゃないよ。学習しないことと、知っていることを人に教えないことが罪なんだ。

ライトオタク誕生していない。ぬるオタ歴史から抹消されている

http://anond.hatelabo.jp/20081222122907


と書かれているけど、ちょっとかいつまんで自分語り

名前消したのは、「歴史を知らない」ということの意味を一般化したかったから)

自分は昔から興味のあることにのめりこむタイプ

人付き合いよりも趣味時間を割くのが大好き。

なもんで、人からは「ネクラ」と言われていた時期があった。

んで、ある時期からは「マニア」と言われ、例の事件後は「おたく」と言われることが多くなった。

ところが、例のエルメスな本の後は不思議と「普通の人」になってしまった。「おたく/オタク」とは誰も呼んでくれなくなったのだ。

(まぁ、自分がいわゆる「萌え」というものにまったく興味がなかったので、呼ばれるチャンスがなくなってしまったという理由もあるんだけど。)

振り返ってみると、こんなニュアンスで言われてたように思う。

・外で遊ばないで家でなんかやってる人→ネクラ

マイナーなことにとっても詳しい人→マニア

コンパとかマスが認めるカルチャーに興味がなくて、漫画とか変な本とか読んでる人→おたく

使われ方

・「あー、君の事もっとネクラな人かと思っていたよ」

・「すごく詳しいね。○○マニアだね」

・「それっておたくが読むものだよね?」

呼ばれたことないけど、使ってるのを聞く感じだと

・「あの人オタクっぽい」

まぁ、以上の「オタ気質の呼ばれかたの歴史」を面白おかしく分析するのも可能なんだろうけど、

今日いいたいこととは別なので、「オタク」という言葉は変遷をたどった「魔法言葉」なんだよという前提で

↓これに関して

自分語り133 - DENPA!!! 「超ライトオタク」 言説

http://www.technorch.com/2008/12/133---denpa.html

みんなわかっているはずなんです、語り足りない、語られ足りないのです。私はもっともっとこのジャンルに対する言説が読みたいです。

「足りない」と知っている人はどうかバシバシ書いて、そして出来れば人の目が付くところに載せて下さい。少なくとも私は強烈に読みたいです。

まぁ、ご本人がこう書かれているのであえて毒を。

簡単に言ってしまえば、DENPA!!!を面白いと感じるのは「若さ」という

「不可避の理由」によりバカだから、しょうもないものをありがたがっているだけだと思う。

(「若さ」ってのは、「歴史」を「知れない」からこそ発生する性質。つまりバカであることを避けられない)

(「若さ」は、「生まれてからの日数が少ない」という意味ではない。「青い」と呼んでいた時代もあった)

というわけで

オタク系文化とクラブ系文化の融合だとかいう話は歴史の蓄積なき忘却のなせる錯覚なのである。


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TECHNORCHさんの大好きな

DENPA!!!というクラブイベント

は、<青年>が<鬼ごっこ>して「たのしー!!!超気持ちいい??!!」とか言ってるだけなんだよね。

そりゃ体動かすと楽しいし気持ちいいし、みんないると寂しくないよ。

でも、それをありがたがったり、高尚なものだと勘違いするのは止めといた方がいいよ。

DENPA!!!なんてクラブで踊ってわーわーきゃーきゃー言ってるだけのイベントなんだよ。

コスプレだとかオシャレとかガチとかぬるとかどうでも良くて、昔からあるただの"event"なんよ。

そう思っていたほうが、人生に失敗しないと思う。これは自分の体験から言えることなんだけど(タメイキ

んで、↓これ。

DENPA!!!のこの現象は東さんの言葉を借りれば「動物化」の典型的フロア進化


はてな」周辺でよくある『動物化するポストモダン』の誤読なんだけど、

あの本って単に「ジャンクな物でも『おいしい』と感じる人が大半になったよ』って書いてあるだけだよ?

例えていうと、「王将関西人ソウルフード」とか「二郎はもはや二郎という食べ物」とか

マックまじでうまい」とか真顔で言っちゃう人が増えたねぇ、って書いてあるだけ。

いっけんかっこよく聞こえるし、「データベース」とか確かに新しい概念もあるから良書なんだけど、

「消費する側」が自己肯定に使っちゃうとアウアウだよ。

まぁ、言論な人に触ってもらえて嬉しい気持ちはわかるけど、ほどほどにねって。

東浩紀さんはユリイカ紙面上で


以下は東氏に対して。

東氏は「保守論壇ネットを気にするから下らないと思って離れた」とかどっかで言ってたような気がするけど、

それはそのままユリイカ(笑)に当てはまることなんだよね。

大人なんだから、発注されても「くだらない」ものはちゃんと「くだらない」と言わないと。

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その感想は「楽しすぎる!もう普通クラブイベントなんて行けない!」なんだこの現象は、

私は回を増せば増すほどDENPA!!!という現象が面白くなってきました。


まぁ、クラブ楽しいと思えるような若い年齢の人が勘違いしちゃうのもしょうがないちゃしょうがないか。

「新しい何か」が生まれる時期には確かに「何か」がある/あったからね。

ココ・シャネルとかパンクスとかレイヴとかさ。

んでも、その「何か」つまり「萌芽」は、「余波」になっちゃうと、それは単に「消費の対象」でしかなくなる。

「数」が増えると「質」が変わるんだよ。「普通」になっちゃうの。

たとえば、

バーニングマン

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%9E%E3%83%B3

で裸になることは確かに意味はあるよ。

でも、「みんな」が実際にフェスティバル外(社会生活)ででも裸になっちゃったら、

それは単に「服を着るより裸の方が気持ちがいいから」でしょ?

んで、DENPA!!!の話に戻るけど、TECHNORCHさんらがやってることは「もはや」単に「クラブ」というありふれた場所で

オタクっぽい」とすでに了解された格好で、「ビート」に乗せて乱痴気騒ぎしてるだけだよ。

まぁ、無理にでも意味を見出そうとすれば、いろんな解釈は可能なんだろうけどね。

(「言葉遊び」に関して、大塚英志氏とかは「シャレがマジになった」って後悔してたけどね)

(「ロフトプラスワン鳥肌とか雨宮とかをヲチするのが楽しい」と友人に語ったところ、「変な人」と言われた。もう僕は「おたく」ではない)

2008-04-23

光市事件、実はヤスティー軍団大勝利説」を唱えてみる

ケータイだから改行多くてすまん。

あと俺イナゴぶくまーだから、ダイアリに書いても読んでもらえない。

だから増田に書いた。後悔はしていない。

光市事件、実はヤスティー軍団大勝利説」

理由は、犯罪被害者保護/権利擁護について、全然もりあがってないから。

お茶の間ネットイナゴは、ヤスティー軍団バーカバーカ、

元少年Fバーカバーカ(→そしてぶっ殺せ)。そればっか。

社会正義ぶって、てめえらの無謬に酔いしれて

そのじつ、正気を失って顔を真っ赤にしてることに気付かない。

これ完璧ヤスティー軍団の思うつぼですから。

被害者問題からフレームをずらそうとする、左派のオモ坪ですから。

被害者権利が拡充されたら、容疑者さまが不利益をこうむられるから、

だからヤスティー軍団はじめ左派ヒールの演出に徹し、

元少年Fをヘイトターゲットに仕たて上げ、

本村さんや世間を挑発してる。

国民の関心を少年審判死刑の問題だけに矮小化させるために。

本村さんは、哀しいまでの冷静さで、その挑発を振り切ったけど、

世間や保守論壇は、みごとに釣られてしまった。

制度的に切り捨てられている被害者たちに目を向けさせまいとする、

ヤスティー軍団のもくろみはまんまと成功し、

上告してホニャホニャしても、支援集会なんかで世間を煽り

もちろん左巻きブロガーもあの手この手で煽りまくって、

Fの死刑が執行されるクライマックスまで盛り上げて盛り上げて・・・・

世間は溜飲を下げておしまい被害者なおざりのまんま。

おまえらそれじゃ困るんだよ。

世の被害者たちは、少年Fいいなーって思ってると思うよ(パラドクスじゃなくてマジで)。

たとえ党派性の権化だとしても、あんだけぞろぞろ守ってくれる人がいて、いいなーって。

それくらい、被害者って孤立してる。

犯罪被害者って、どんなんかっつーとね

たとえば、はい犯罪にあいました。

ショック受けたまま、取り調べ。

これ、めちゃんこツラい。

お巡りは、少しでもディティールを聞き出そうとする。

同じ質問を、何回も何回も。(それが仕事とは言え、最低限の配慮すらない奴大杉)

少しでも回答にブレがあったら、また何度も何度も。

この段階ですでにサポート人間が付き添ってくれる国もあるのに、

被害直後からお巡りとサシでアンケ拷問ってそれどうよ。

で、仕事は休まなきゃならないかもしれない。

事情聴取犯罪現場が家だったら片付けもある、

ケガがあったら通院、ヘタしたら入院かも。

最悪、被害者の老親がいきなり遺児の保育費ださなきゃとか、

被害で寝たきりになった配偶者介護費とか。

(裁判傍聴の場合も当てはまる。交通費とか)

被害者給付金あるじゃんって人。あれ、面倒な申請が必要だし

申請しても、1年くらい待たないと支給されない。

すぐ入り用なのに工面できないひとは、どうすればいいのさ。

(つーか額面じたい、一律でない部分の幅をふやしてほしい)

被害者サポートセンター経由で、グループカンセリングとか参加して、

被害者同士しか分かり合えない傷をなめあって

ようやっと立ち直りへの道を探している頃に、

犯人が捕まって、また記憶の傷を抉りかえされる。

(PTSDって、イラク馬鹿イメージ悪いけど、ホントしんどいよ)

ほいでやってくる裁判に、心の準備をしていると、

検事務がきて「なんか直接言いたいことあるですか?」

「え…、はあ…」「じゃ○月○日に意見陳述」「!!!」

──○月○日

検事「じゃ、今日法廷はいって」

おれ「え、は、はい…」

うわあ、courtの中あったかいナリ・・・って、俺なんの法知識もないし

つーかおめえら、検察資料なんも見せてくれねえじゃんw

今までだって、犯人のケツ眺めて、法律用語でいろどられたキャッチボール聞いてただけ。

「ブン屋にリークしたから記事でディティール追え」っておまwww

(地方面ベタ記事にすらならない事件だと、被害者はさらに置いてけぼりになる)

感情むき出しに意見しても、判事の心象を損ねそうだし、

かといってヘタに法律用語的なこと言って地雷ふんでも困るし、

当たり障りなく「被告の真摯な更正を望みたいと思います」なんて。

内心ぶっちゃけ、応報チャクラ殺意波動燃えたぎってるんだけどね。

でまあ、傍聴おわると、ブン屋がコメ獲りに囲んで来る。

あれ、数が多いと、裁判所から追い出されるのな。

他のかたのご迷惑って、おれがお招きしたお客でもないし、

そもそもこいつらが来た理由自体も、俺に直接由来じゃないんだがw

(こういう時は基本警察検察弁護士会も場所を貸してくれない

 特別視はできないんだそうだ。アホか)

正直、ブン屋が傍聴席にいたりカメラが待ってるの見るだけで、

心臓に鉛つっこまれてグッと掴まれたような気がして

裁判所から出られなくなることも。

傍聴だってさ、今は優先権があるけど、昔はなかったから、

デカい事件だと、ブン屋やテレビ屋のゴミバイトが並ぶから、

被害者サポセン職員や親戚に頼んで並んで貰って抽選確率増やして、

ってもう泣けてくる。ほんとに。今は優先権があるけど。

なんか私怨ぽくなってきたし、

俺自身特定されたらやだからやめる。

でも、ここまで書いてきた被害者って、

当事者以外にも、それで悲傷する家族恋人友人・・・

みんな不幸になってるのに、制度的に、

加害者より軽んじられてるのは否めないと思うからなんとかして欲しい。

でも昼間どこかのテレビ(キー局)の解説者が、

犯罪被害者も、支援法施行によりずいぶんと前進し・・・」

なんてのたくってたのベッドで思い出して

我慢できなくなってケータイタイピング

くわしい人とかには当たり前のことだったかもしれないけど、

当事者的に知ってることだけ書いてみました。

ここまで読んでくれた人、ありがとうね。

追記 (4/23 AM01:22)

これとかもっと報道されるべき。

http://blog.goo.ne.jp/nagashima21/e/afb4fb2b74625c50c51e489f7369ebb4

>この数年間、心血を注いできたオウムテロ被害者救済特別措置法案を??

 
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