はてなキーワード: 公安とは
E500と音声作品を聴くことは万人にオススメするが、万人にオススメの音声作品というのは存在しない。
事実、俺自身の好みはDlsiteのランキングとはかなり異なるため、ランキングは参考にしていない。
しかし、それだけではトラバとして寂しいし、気が向いたので評価しているお気に入り作品を述べる。
レビューは苦手なので該当作品のあらすじを是非見ていただきたい。
かわいい。奴隷少女救済モノが性癖のためお気に入りである。起伏のない話で、ただひたすらに可愛いだけ。このような作品に出会えると心が洗われるようである。続編がある。
サークル:whisp
かわいい。送り雀とは和歌山あたりの妖怪。ひよがお手玉を教えてくれたり耳かきしてくれたりする。おっとりした話し方がいい。設定は80歳の妖怪少女だが、ロリババアとは言い切れない興味深い人物描写があり、個性がある。
whispの作品は当たり外れが激しいが、同シリーズの「洗濯狐 お紺」と「ヤマネコ やこ」も気に入っている。
Dlsiteの音声作品の中では珍しい歴史創作もの。元ページの文を紹介文:
若き孤高の天才科学者ヘンリー・キャベンディッシュに、終焉の時が迫りつつあった。
動悸が止まない、脈拍は全身を打つように激しく、足元は波間に揺れる船のように不確かで、何かに掴まっていなければ立っている事すらままならなかった。
初見時はここ4行を読んだだけで雰囲気に圧倒され、聴くことを決めた。
主人公のヘンリー・キャベンディッシュとは水素を発見したあの人物である。この作品は近代自然科学の発展による古い時代の終わりを、ヘンリーと吸血鬼との関係を通じてしっとりと描く。
哀しみとあたたかな充足感を得られる傑作。なぜか安すぎる値段のため気軽に聴こう、そして作者・毛ガニデパートの他の作品も聴こう(R18作品もあるよ)
泣いた。こういう純粋なロリの話に弱い。話の筋がしっかりしており短いながらも秀逸な作品。
ネタバレ回避のため何も言えないが、雰囲気は「聴く絵本」と表現できる。
うーんかわいい。俺は猫に弱いのである。続編が2作存在する人気作品。アンスリウムによる他の獣耳作品もオススメ。
オキシトシンが出る。奴隷少女救済モノが性癖のためお気に入りである。トラック1の虐待描写は心が痛むほどキツいが、それこそが作品の白眉。甘味は塩味によって強化される。かわいそうなら、さらにかわいいのである。
トラック1を除けば、終始抑えめな声のため入眠用としても使える。
サークル:甘々と毒々
うーんかわいい。俺は猫に弱いのである。さらに孤児救済モノが好みである。しかも逆レイプときた。どストライク作品。続編がある。
このサークルは文章力も高く、心理描写のセミリアリスティックにそそられる。
古い作品でASMRでも無いが、「元気で、素朴で、人懐っこい」と非常に性癖に刺さるキャラ造形をしているためお気に入り。話も面白い。続編がある。
声と設定が良かった。ある意味女性上位モノ?声優御崎ひよりの実力が光る。続編がある。
このタイトルなのに中身がしっかりSFしていて驚いた。聴いたあとはなんとも言えない哀愁と風情を感じる。文章力も評価ポイント。
公安が革命家メスガキに負ける。やってることは敗北メスガキジャンルそのままだが、いにしえの左翼活動をコンセプトにしておりギャップで笑ってしまう。一部の高齢者はトラウマを刺激されるかもしれない。
ありそうでなかったドスケベ落語というジャンルの開拓者。その亭号はセンスがありすぎるだろ。タイトル出オチではなくまっとうに面白かった。続編があり、最近新作が出た。
入眠用。”耳元でどうでもいい話をされる”というコンセプトの音声作品。地縛霊の話す内容がすさまじくつまらないため入眠効果が高い。俺自身、寝てしまうため最後まで聴いたことがない。しかし声は可愛いくて癒される。
上記作品群の評価する点は[少女救済モノ、猫、女性上位、文章力、個性、声優の質]のいずれかもしくは複数である。お察しの通り偏っている。
しかし癖は十人十色。自分の癖に合う作品を見つけることが音声作品探しの難しい点であり醍醐味。
以上のが刺さらない場合は、Dlsiteのランキングやジャンル別人気作品を掘ってみてはいかがだろうか。
合うサークルを見つけられたら、芋づる式に良い作品に出会える。
良い作品に出会えれば、分泌される何らかの脳内物質を通じて疲労回復、精神衛生の増進が期待される。
ここまで書くのに2時間かかっちまった。
小学館が燃えてるけどまあなるべくしてなってるなと傍観してるので、せっかくだしサンデーのぐう畜エピソードを語る。
・週刊少年サンデー、別名週間名探偵コナンはコナン連載時と連載なしでは売上が全然違う。そこで泥舟のサンデー編集部は人気キャラ降谷零スピンオフを作って本編と交互に載せて毎週何かしらのコナンが読めるようにすると釣り定期購読させようとした。しかしすぐにその約束は破綻で、スピンオフも本編も載らない虚無の週がいくつもできた。
・前述のスピンオフ、公安所属で潜入捜査をする降谷零をご近所のお助け暇人フリーターにして本編との破綻を生み出す。
・また前述のスピンオフの作者、エイプリルフールにとあるキャラと降谷零の首をすげ替えるという悪意のあることをするのを止めない
・青山剛昌が地元で語るイベントがある。当たり前だけどとても人気で倍率がすごい。それはサンデー編集部が抽選をするのだけど何故か毎年当たる古参様がいる。ほかは全然落ちてるのに何故かその人たちは絶対に何故か当たる。あれれー、なんでかなー?
まあこんな感じ。他にもいっぱいあるけど思い出したら追記する。
まじかよ。暇空終わった。
国家情報法は、中国の国の情報活動を強化・保障し、国の安全と利益を守ることを目的とした法律です。2017年6月27日に制定され、2018年4月27日に改正されました。
国家情報法では、国家の情報収集活動に対する公民や組織の協力義務などが定められています。また、国家情報活動機構は、個人や組織が告発や告訴、状況報告を行うために便利な手段を提供し、告発人や告訴人の個人情報を保護することが義務付けられています。
国家情報法では、国家情報機関は、国外の機関・組織・個人が実施し、または他人に実施させた、または国内外の機関・組織・個人が結託して実施した、国の安全と利益に危害を及ぼす行為に関する情報を収集・処理し、それらの行為の警戒、抑止、取締りのために根拠または参考となる情報の提供を行うことが義務付けられています。
国家情報法では、関係する機関・組織・国民に対し、国家安全機関、公安機関の情報部門及び軍の情報部門が行う国家情報活動に対して必要な支持・援助・協力を行うことが義務付けられています。
メインセッション
「東アジア反日武装戦線」とその時代を振り返り、見えてくるもの
https://www.youtube.com/live/ouGKVPIWh9s?si=1pm7-RACXU1kcPQl&t=7782
(約3600文字)
青木理氏:
中核派はまだ組織があるが、東アジア反日武装戦線はもう組織がない。
桐島聡「さん」
田原牧氏:
(「戦線」ではないが過激派の?)裁判支援をしている友人がいた。
私は急に森田童子を思い出した。
荻上チキ氏:
「ぼくたちの失敗」('76リリース、'93「高校教師」主題歌)の。
田:
もっと物議を醸しそうな曲もあったが、そういう時代を思い出した。
荻:
田:
「戦線」は新左翼とは一線を画している。全共闘の一つのエッセンス。
60年代学生運動は日本の戦争責任に触れていなかったが、70年代から問題提起が出てきて「戦線」は愚直に受け止めた。
田:
60年代半ばから80年代半ばまでの運動では人の死が珍しくなかった。
運動も竹竿→ゲバ棒→火炎瓶→爆弾となり、'71には三里塚の東峰十字路事件で警官が3人、'72には連合赤軍事件もあり、最終的には100人以上死んでいる。
荻:
田:
(男子の大学進学率 '60 13.7% → '65 20.7%。'66に18歳人口が+50万人)
田:
東大全共闘のリーダーの山本義隆氏が、闘っているに自分たちの特権性に目をつぶって正義を説くことを批判した。(「邪宗門」の)高橋和巳は「自己否定」を唱えた。
田:
60年代半ばまでは日韓基本条約('65締結)反対闘争で、革新側も「韓国に払う金があるんだったら自分たちに回せ」などと平気で言っていた。大日本帝国の責任は問われなかった。
田:
入管法の制定反対で結成された新左翼系の華僑青年闘争委員会(華青闘)が、集会で「抑圧民族である日本人は信用できない」旨の「華青闘告発」を行い、日本の新左翼党派は頭を下げた。
田:
この自己否定の流れと「戦線」自体のアナキズム的な性格が合わさって、実力行使に繋がっていった。
荻:
今振り返った時代の前半、大学自治や学費問題から階級闘争、安保闘争、反米などとリンクして新左翼が広がっていく経緯は割りと学ぶ機会もある。
青:
戦後の一時期共産党は武装闘争路線をとっていたが、1955年の「六全協」で武装闘争を放棄した。同時期にソ連でスターリン批判が起きた。
共産党指導ではだめだということで(既成左翼ではない新左翼として)「革共同」や「ブント」が設立され、これらが中核派、革マル派、赤軍派などの母体となる。
全共闘は当初セクト(党派)ではなかったが最終的に合体していく。
青:
学生たちはベトナム、日米安保、三里塚など正義感や葛藤の中で行動していたが、69年の安田講堂事件の鎮圧以降急速に沈静化「敗北」していく。
このあとよど号、大菩薩峠、連合赤軍などの事件がおき、さらに爆弾事件と先鋭化してくる。「戦線」活動もこのころ。
田:
「戦線」は71年に興亜観音・殉国七士之碑爆破、72年に総持寺納骨堂爆破など、怪我人は出ないが爆破は始めていた。
青:
「狼煙を見よ」や「腹腹時計」から読み取れる「戦線」の特徴は、現在まで続く日本帝国主義の粉砕にある。
荻:
60年代学生運動は抗議主体だったが、その後日本の加害性を発見し、植民地支配の反省中で農村コミュニティや市民と共に暮らす実践などもあったが、「戦線」のような組織は反省と攻撃を結びつけて行った(とまとめた)。
青:
「戦線」の事件を肯定はしないが、アイヌ、在日コリアン、沖縄などマイノリティに対する問題意識を持っていたというのは現代にも通ずる普遍性がある。
また、従来型の新左翼とは傾向が違い、ストイックに日々の暮らしをしながら爆弾闘争をやった。
荻:
田:
また時代の流れが、新左翼を国家権力が「暴力」で鎮圧することへの対抗として、自分たちも武装する、という意識が強かった。
昭和天皇暗殺未遂、朴正煕暗殺未遂の文世光事件、「命がけで闘った文世光への呼応としての」意識、暴力で時代を切り開く意識があったのではないか。
青:
松下竜一「狼煙を見よ」によれば、お召列車爆破未遂でしょんぼりしていたときに同世代の文世光(22歳)が事件を起こした、あんなに頑張っているのに俺たちは何をしているんだ、と、三菱重工爆破事件につながった。
お召列車爆破用の威力の高い爆弾を使ったので8人の死者を出す大被害となり、大道寺将司は痛切に反省をした。
荻:
今の若い人からすると左翼=マルクス主義だというイメージが強い。
新左翼とマルクス主義の距離、「旧左翼」とマルクス主義の距離、「戦線」の立ち位置はどうか?
田:
新左翼の各党派はマルクス主義に基づく綱領や路線がある。一方「戦線」は党派ではない。マルクスは時代的に当然読むが、全共闘の学生たちと同様に倫理感から直接行動を起こした。先鋭化する人たちのほかに、水俣や山谷に行った人、本格化する前の部落解放闘争に行った人もたくさんいる。
荻:
分かりやすいイメージだと革命を成し遂げるための手段という印象があるが
田:
「戦線」は革命ではなく落とし前。国家権力の奪取にこだわらない。政治ではない。倫理であり生き方の問題。ある意味ものすごくピュアな人たち。
(CMと前半の振り返り)
荻:
この半世紀どうか。
青:
ドイツは戦争責任によって東西に分断されたが、アジアでは朝鮮半島が南北に武断された。沖縄はまだ(アメリカの基地である)。こういった日本の加害性をピュアに突き詰めたからこそ「反日」を冠した。
荻:
青:
皮肉。かつては東アジア人民連帯の「反日」だったのが全く反転してしまった。
青:
新左翼各セクトは「戦線」に批判的だったが、鈴木邦男など右派陣営の一部が「戦線」のストイックさ、(「大地の牙」部隊のリーダー男性の)齋藤和(のどか)の服毒自殺を評価している。こういう流れが新右翼のムーブメントを生んだ。
リスナー:
田:
将来構想はなかった。個々人の落とし前。三菱重工等々の被害者にしてみれば雑談じゃないという話だが、彼らの論理は日本国家の転覆まで。
太田竜という、世界革命、世界赤軍を唱えたイデオローグ(理論的指導者)は、第三世界の革命勢力と手を結ぶ、その基盤は日本の最下層の人たちだと言っていたが、今の我々の建設的な視点とは違う位相にいた人たち。
荻:
青:
ただ、当時から90年代までの、爆弾闘争や内ゲバに先鋭化していく中では、公安警察が肥大化してきたのは時代の必然。
今後は超法規的措置で釈放された大道寺あや子や佐々木規夫などの追跡は担っていくだろうが、徐々に任務縮小か。
荻:
そして、マルクス主義はなくなっても、性教育や性的マイノリティの権利保護や選択的夫婦別姓などをすすめる「文化的共産主義」と、その抵抗としての「反共」が繰り返し保守論壇で語られている。
青:
妄想だけれども、一方で、当時千差万別の人が新左翼運動に関わった、理論家から夢想家まで。ただ結末が先鋭化した隘路、陰惨な結末になったことが「壮大な失敗」と捉えられて、日本の左派というかリベラルへの大きなダメージ、マイナス面になっていると思う。共産党や左翼へのアレルギー。ヨーロッパでは緑の党や旧共産党が政治ムーブメントを作っているのに。
荻:
「理想を掲げることは無駄なんだ」というカッコつきのリアリズムの空気のようなものは残ったかもしれない。
田:
今は、世の中自分が何しても動かないという風潮が強いが、当時の若者には自分たちが世の中の主人公なんだという意識が強かった。「戦線」がやったことはともかく、戦争責任を唱えたことが認知されてその後90年代の河野談話、村山談話につながっていると思う。
荻:
振り返るというのは何を残したのかとつなげる行為でもある。
気付いたら早く次のステップに進んだ方がいいよ
何が次かは自分で決めていい
とにかくもうそんなことを気にして過ごすのはやめよう
党派で考えるのをやめて自分にとって真に大切な問題と直接向き合おう
……こう書いたけど、どんな些細なことでも一度はしっかり考えておくのもいいと思うよ。
ともかく、活動家(や公安)になるのでもなければ左翼の特徴についてじっくり考えたって仕方ないんだから、飽きたらさっさと次に行くことだ。
「東京24区」というゲームで、あらすじをみると「政界BL」とあり、何やら敷居が高そうで一瞬指が止まってしまった。同名のアニメがあるが、それとは無関係なので気をつけてほしい。
友人から勧められたのと、年末年始にSwitchのDLソフトの半額セールをやってたのとで買った。BLは、商業本を年に1〜2冊読む程度で、よく分かってなかったのでテーマの敷居の高さ以外は全く吟味せず購入できた。しかし、主人公総受けというのに少し抵抗があり、購入してから一週間くらい寝かしてしまっていた。でかいイベント終わってやっと完全にフリーなオフ日に、軽い気持ちでなんとなくプレイし始めたらそれがとんでもない沼だった。AM2:00から翌日のAM5:00くらいまでほぼノンストップでプレイしてしまった。もちろん寝不足。
翌日、PC版(R18指定)を買うに至る。BLゲーム自体ほぼ初めてで、BLのドラマCDとかも聞けない質であるにもかかわらず、ストーリーが気になりすぎて気づいたら購入していた。この時点ではまだSwitch版の真エンドにたどり着いていなかったので、ストーリーの面白さは相当だと思う。
与党衆議院議員最年少の若手政治家、其扇晟尋(そのぎ あきひろ)は京都から選出され政界に参戦した。そのルックスと若さにより、マスコミや国民たちからアイドル政治家のような扱いを受けていることに憤慨を感じる日々を送っていた。
渋谷で起こったテロ事件をきっかけに、テロ対策本部が立ち上げられる。あるルートでは臨時の大臣に大抜擢され、公安のSPである我妻タイガ(あがつま たいが)とともに事件解決に奔走する。其扇の後援会とIAFのスポンサーをつとめる大企業、東郷グループの次期社長であり、テロの被害者である東郷遊馬(とうごう あすま)に寄り添い、協力しながらテロ対策として被害者を守るための法案を作る。テロ対策本部に参加することになった東京都の都知事である白洲武彌(しらす たけみ)とともに過去に起こった自衛官自殺事件の真相を暴く。そして、幼馴染で自身の有能な秘書である蓼丸一貴(たでまる かずき)とともにSP、都知事、IAFスポンサーの社長らを巻き込んで、テロ事件の真相に迫る。
まず、主人公である其扇はメンタルが強くて、優しくて、芯がしっかりあってすぐに好きになれたのが大きかった。気に留めるにはあまりに悪意でしかない国民のコメントとか、保身が大事で老害に成り下がってしまってる政治家たちとか、切り捨てるものはスッパリ切り捨てて切り替えられるポテンシャルをもつ其扇のことを普通に好きになった。こういうシミュレーションゲームって、流されてる感というか八方美人やってる感がどうしても拭えなくて苦手になりがちなのだが、今回そういう違和感を持たずにプレイできた気がする。
全ルートプレイした感想としては、劇場版相棒を見終わった後の爽快感とか達成感とよく似た感情でいっぱいだった。しかも、BLである必要があったかと言われると、必要がめちゃくちゃあった。これがすごいと思う。今まで私が読んできた商業誌のBLなどでは、萌えよりストーリーを重視した作品になると、BL要素はストーリーの要にならないものが多いように思っていたからだ。それでいて、刑事ドラマとか、サスペンスとか、推理小説が大好きな私にクリティカルヒットした。というか、それくらい刑事モノとかにどっぷりの私がしっかり楽しいと思える、厚みのある作り込まれたストーリーだった。
私はまず2〜3個自分で選択肢を選んで、その選択肢がどのルートに行くのか知った上でBAD ENDから回収していく傾向がある。各キャラに2つのGOOD ENDが用意されており、それに分岐していくつかBAD ENDがあった。以下はがっつりネタバレを含む。
◇◇
今回、最初になぞるルートとして私に選ばれたのは、我妻タイガという公安のSPだった。
まず、在日フラーシア人の経営する違法なゲイバーに潜入捜査させられることになったタイガに協力し、無国籍児問題と向き合うストーリー。正直ここがゲイバーである意味があるかと言われればそこまでなのだが、現実でもフィリピンパブとかって繁華街と二丁目の境目あたりにあるイメージがあるので無視する。タイガの持つバックグラウンドと外見をハニートラップとして利用するという面でもゲイバーである必要があったのだろう。上からの命令を淡々とこなすだけのタイガに対し、タイガへの不当な命令に怒る其扇。腐った公安の上層部に、タイガとタイガの上司である宮丘、そして国会議員である其扇の3人で立ち向かいつつ、無国籍児問題に切り込んでいく。その過程で、タイガのことを大切に想っていく描写が良かった。最後に事件解決後の休日をタイガの家で過ごすのだが、PCの版ではここにベッドシーンが追加されていた。あと、このルートのBAD ENDの蓼丸のメンヘラっぷりにちょっと引いたが、これが序の口だったと知るのはもっと後の話。
もう一つはテロ対策大臣としての任務を全うしながらテロ事件の犯人像に迫るストーリー。一見Dom/Subっぽいのに、其扇がDom(受)でタイガがSub(攻)っていう構図が良かった。Dom/Sub萌えが一切ない私でも「ふぅん、いいじゃん」となるくらい良かった。タイガが其扇の議員寮まで其扇を送り届けるときに其扇への忠誠を誓うシーンがあり、PC版ではここにベッドシーン(ベッドではない)が追加されていた。
◇◇
次に選んだのは、冒頭の共通ストーリー部分に出てきて気になっていた白洲都知事のルート。タイガルートで十分面白いと思っていたが、ここからが本当の沼のはじまりだった。
白洲武彌は元防衛庁の官僚だったが、ある自衛官の自殺事件をきっかけに政界に身を投じた。そもそもの土台や手腕も全く違うというのに、共に若いというだけでことあるごとに其扇と比較されることに嫌気が差していた。なので最初からかなり好戦的な態度を取ってくる。が、一緒に仕事をするにつれ其扇のことを認めざるを得なくなる。頭脳戦が多いのがこのルートで、最初こそ討論で頭脳戦を展開する2人なのだが、徐々にバディのように悪い笑みを浮かべながら生き生きと共闘する2人を見ることができる。
まず、白洲都知事と一緒に自衛官の自殺事件の真相を追うストーリー。SNSで募集した情報の中から気になる情報を見つけ、故人のプライベートなことだからとオフレコで白洲に共有したいと申し出る。オフレコということで白洲の自宅に招かれたところで、白洲に騙されて無理やりキスされ、それをすっぱ抜かれ白洲との熱愛報道を流される羽目になりキレ散らかす其扇(と蓼丸)。実証実験とのことで、同性愛というだけで批判的な見方をされることはないのではないか、と発言した其扇を試したのだろうと思い至る。そこからはダブルブレインとして自殺事件を追いつつ、途中折れそうになる白洲(と音坂)の背中を押しまくって救い上げる其扇の頼もしさがよかった。自殺した自衛官と白洲が恋人同士だったと勘違いした其扇が他のルートに比べて早めに恋心を自覚して抑え込もうとする描写もよかった。事件解決後被害者の家族に報告した帰りに傘に隠れながらキスをして恋人関係になり、白洲の自宅へ行ってなし崩しに。後日、ばっちりキスの瞬間をすっぱ抜かれ、白洲にまたあなたの仕業か、と抗議の電話をしたところ、会見中だった白洲にそのままマスコミに向かって交際宣言されてしまう、というのも白洲と其扇の明るくて強い関係性現れる締め方ですごく良かった。
もう一つは、白洲との協力を諦め、というか歩み寄ったのを一方的に跳ね除けられたために万策尽き、会議を入れまくることで、ただでさえ多忙な白洲をもっと忙しくしてオーバーフロー起こさせて潰そう、というストーリー。最初はあの白洲をいじめられるという高揚感から其扇の案に乗ってきた議員たちだったが、どの議員も自分が白洲と対峙できるほどの手腕を持ち合わせていないために保身に逃げるようになる。資料作成や会議の調整を全部押し付けられることになった其扇は、やがて疲弊していく。もう少しで折れてしまうというところで、都庁の長いエレベータに乗り合わせてきた白洲都知事が其扇を引っ張り上げてくれるのが、もう一方のストーリーと対照的ですごくよかった。擦り切れていく其扇に比べ、多忙ながらも都庁のスタッフを鍛え上げてメキメキ力をつけていく白洲がめちゃくちゃ頼もしくてかっこよかった。使い物にならなくなった其扇のことなんか簡単に切り捨てると思っていたのに、その埋もれかけていた有能さをしっかり見極めているために、其扇がほしいと言い切れる一途さ。
ここで離党の意志を蓼丸じゃなく晴山に相談しに行ってしまうと、其扇は民自党と、それに拘っていた蓼丸に諦めをつける。そして、エレベータ内で交わした取り引きを行うため、独断で白洲に抱かれに都内のホテルへ行く。GPSと盗聴器を兼ね備えたアプリで白洲との行為を盗み聞きしていた蓼丸は完全に病んでしまう。Switch版ではこの盗聴データを元に、PC版では薬を盛ってハメ撮りしたデータを元に其扇を強請って、其扇が政治家としての志を折って未来を諦めるBAD ENDになる。
一方で、離党の相談を蓼丸にすると、蓼丸は其扇の選択を尊重して一緒についてきてくれることになる。このストーリーが全部のストーリーの中で一番熱くて好きだ。気持ちの踏ん切りをつけた其扇は白洲に連絡を取る。一度白洲にマウントを取らせることで、自分のプライベートを白洲にさらけ出すことで、白洲と一蓮托生の道を歩むことになるという白洲の意見に戸惑いつつも乗る。PC版だとねちっこいマウンティングの描写がある。其扇もやられっぱなしじゃないので、2人の応酬が見れて楽しい。余談だが、エグゼクティブスイートと書かれたCGがどっからどう見てもラブホの絵なのは頑張ってスルーしたい。
4年後の衆議院選で2人は新党を立ち上げ、34席もの議席を確保するという快進撃に。さらに、与党である民自党との連立政権に持ち込む。初登院のインタビューのスチルでは、白洲に影響を受けたとしか思えない其扇の服装を見ることができる。ここで聞けるBGM「好敵手」が本当にかっこよくて、2人の強い決意、ゆるがない闘志が曲から溢れ出ていてめちゃくちゃ好きだ。2人が前を向くとき、この曲が2人の背中を押し、未来を照らしてくれるようだった。
若い世代を政治に引き込もうとするこの2人の強い意志とカリスマ性、まっすぐで眩しくてすごくいい。現実もこうであってほしい。もしかしたらこいつらみたいな闘志を持った政治家もいるのかもしれないと、本当に少しだけ、淡い期待を持てる気がした。私も変わるぞ、お前らのおかげで。
あと、白洲の声優さんの演技、笑い方とか小馬鹿にする感じが本当に自然で素っぽくてすごくよかった。
◇◇
次に、友人が一番好きだと言っていた東郷遊馬のルートへ。冒頭では、初顔合わせの勉強会で其扇に突っかかってきたり、テロの被害者となった遊馬とその父親を見舞いに来た其扇に激昂したりと結構精神が不安定なのかなという印象を受けた。攻略対象の中で一番可哀想で、どうにかして救ってやりたいと思ったと友人は言っていた。
東郷グループは地盤が京都の老舗旅館で、其扇の支援者のうちのひとつ。遊馬はその視野の広さと柔軟性から、年の離れた長兄と次兄を差し置いて次期社長に抜擢されていた。渋谷のスクランブル交差点で起こった無差別テロを目の前で体験した被害者である。東郷グループの社長だった父親は、遊馬を庇って大重体となり、ずっと意識が戻らない。
まず、BAD ENDしかないルートに行ってしまった。渋谷テロ事件の犯人のDNA鑑定の結果を精査せずにマスコミに発表したらBADまっしぐらに。事件がフラッシュバックして夜眠ることができず、意識が戻らない父親の言葉が幻聴として聞こえるようになる。国際関係が悪化する中、遊馬が提案したイベントは政府にとっても魅力的で、政府協力のもと精神が安定しないまま遊馬はイベントを成功させようと張り切る。ルートの分岐はイベント中に父親の危篤を知らるか知らせないかで、どちらの場合も死に際に立ち会えないが、知らせた場合遊馬は完全に壊れる。知らせなかった場合は其扇を恨むようになり、父親の葬儀の朝、刺殺され遊馬は自分の喉元を掻き切って心中する。個人的にこの心中エンドは結構好きだった。死後の描写が一切ないため、葬儀に現れない其扇と遊馬を心配した兄たちと蓼丸が駆けつけて見た地獄はどんなだろう、と想像してわくわくしてしまった。
もう一つはDNA鑑定の結果を慎重に扱い、かつ政府発表の前に遊馬に外国人労働者について尋ねるため、遊馬と其扇と蓼丸の3人で東郷家御用達の料亭で食事を行ったことをきっかけに、東郷グループと協力して国際問題と東郷家の問題に立ち向かっていくストーリー。食事会での遊馬は勉強会や病院で見た攻撃的な遊馬とは違い、其扇たちへの細部に行きわたる気遣い、会社を背負う者としての責任感と広い視野を見せつける。登場人物の中で、遊馬だけがゲイと設定されており、其扇と共に兄弟や社会からの期待に押しつぶされそうになる弱さや、事件によるショック症状に立ち向かう。ここで、ゲイであることを隠してくれ、という選択肢を選ぶと、其扇は遊馬の性欲処理機と成り果てるBAD ENDになる。これもPC版だとガッツリ抱かれるシーンがあり、遊馬に抱きつつあった其扇の恋心は完全にぶっ壊され、遊馬の性欲処理のために身体を開発され遊馬好みに作り替えられていた。全ルートの中で一番淫乱な其扇だと思う。Switch版の舌の裏のピアスと、PC版のぶちまけられた精液が同じ扱いなのがただひたすらにすごい。
GOOD ENDのほうは遊馬に口説かれるにつれ恋心を順調に育て、遊馬の手腕もゲイであることも家族に認められた報告を受け、其扇は法案を通すための手伝いをして欲しいと嫌われる覚悟で遊馬に告げる。其扇からの依頼を受けるのと、抱かれるのとを交換条件にすることで、最後まで其扇の逃げ道を作ってくれる遊馬の優しさに其扇は陥落。このルートだけはSwitch版よりPC版のほうがいいと思う。其扇を抱く時の気遣いというか、遊馬のいいところ、魅力が濃縮されているからだ。2回戦目を其扇がベッドへ誘うというのもよかった。
◇◇
蓼丸ルートはほか3人を攻略してからでないと解放されない。事件の真相がすべてここにあるからだ。
テロ対策大臣として渋谷で演説を行う際、蓼丸が其扇の盾になり撃たれてしまう。一命をとりとめた蓼丸の入院中、蓼丸が裏金を作っていたことが発覚する。退院した蓼丸を見舞いに蓼丸の自宅に向かい、裏金の話をすると蓼丸は其扇の首を絞める。ここでやめてくれ、と言うとそのまま殺されるBAD ENDに終わる。このBAD END、蓼丸の本当の狂気が垣間見えてめちゃくちゃ恐ろしかった。手を離すよう言うと、メインストーリーが進む。事件の真相については端折るが、事件解決を三条総理と大延(勘当されているが蓼丸の実父)から任された其扇は、白洲都知事、遊馬の力を借りながらタイガと蓼丸と共に事件を解決に導く。Switch版では、三条総理と大延の絆を見た其扇と蓼丸は今後の未来に重要な選択を迫られることになる。個人的には登場人物たちの未来を自由に思い描けるPC版Switch版共通のエンディングが好きだった。
◇◇
ストーリーが本当に良く出来ていて面白かった。私なら、タイトルやキービジュアルを見ても「政界BL」という言葉に敷居の高さを感じて躊躇していたと思う。面白かったと勧めてもらって、半信半疑でプレイした結果これだけのめり込むことが出来て、この作品と出会えて本当に良かったと思えた。友人に感謝しかない。