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2021-11-16

ずんずんずんずんいこう(╹◡╹) @zunzun428

最近分かった恐ろしい事なんですが、人は褒められて育てられると、会社などで怒鳴る人がいると「え?こいつ頭おかしいんじゃん?」って思うらしいんですよ…怒鳴られると自分が悪いんだと思う我々とは違う…これがすくすく育ってきた人間

2021-11-12

老い捨て犬のことが忘れられない

一週間前、行きつけのラーメン屋に行ったら警察が止まっていた。

何かの事件かと思ってよく見たら、1匹の老犬を囲んで警察家族が話をしていた。

足がガタガタ震えていて、鼻には大きな傷。首輪が付いていた。

そして痛々しいほど肥大化したキンタマ

痩せ細っていたので飼い主とはぐれてから2ヶ月は経っているはず。

するとラーメン屋のおばちゃんが声をかけてきた。

捨て犬だよ、可哀想に。あれはもうダメだ」

うちの地域では野犬は珍しくなかった。むしろ捨て犬なんて言葉最近知ったくらい、それくらい野犬が多かった。

から自分殺処分させるくらいならその辺でのびのびさせとけって思ってたんだけど。

捨て犬に会うのは生まれて初めてだった。

大きい犬だったが近づくとすごく怖がって、でもお利口にしてくれた。

他の犬と喧嘩したのか、鼻の傷が痛々しい。(流れ星銀みたいな戦いを想像した)

怖かっただろうな。

まもなくして店主が「ラーメンできたよ」というので一旦店に入った。ラーメンの味がわからなかった。マジで何しにきたんだ。

店を出てからもまだいたのでもう一度近づいてみる。

すると私の顔を見るや否や、ロープを持った警察官を引きずってまで

ずんずんこちらに近づいてきた。

助けてくれと言わんばかりの目に見えた。

もしくは、ずっと待ってたよ。というような…安心した目をしていた。

勝手思い込みなのかもしれないけど、最初の怯えた目ではなかった。

きっと人間にたくさん愛されて育てられたのだろう。

私はこの犬を二度も裏切ってしまった。

もしくは、警察第一発見者家族ラーメン屋の店主。

何度も何度もこの犬は裏切られた。

そう思うと今も悲しくて涙がこぼれ落ちてくる。

ごめん。保護できなくて…

飼い主のこと殴れなくて、何もしてやれなくてごめん。

その場を立ち去ってからも、あの犬のことが頭から離れなくて

サイトSNSで探してみたりした。

するとあの犬の写真が…

あの家族撮影したものだった。

まあまあ拡散されていたものの、いまだに見つかっていないようだ。

警察家族ラーメン屋の店主もかれこれ5時間はそこに留まっていたようだけど

きっとあの子はもうこの世にはいない。

犬は忠実だなんて人間思い込みなんていうけど、

それなら人間もっと責任持って飼育するべきなんだよ。

とか思い耽っていたら、近所の小学生最近犬飼ったんだよね〜なんて軽々しく話してきた。

ちゃん注射した?マイクロチップとか登録とかした?」と聞くと

「何もしてない」と知らん顔。

犬は無邪気に私の顔をペロペロ舐めたり、飛びついてきたり。挙げ句の果てに嬉しょんされた。

正直複雑だった。

なぜなら、その小学生は「これから散歩に行く」というのにビニールも何も持ってないからだ。

しかもその子ひとりで行くようだった。

これから子供が大きくなって面倒が見れなくなったら、この犬もあの捨て犬のようになるのでは。という不安が頭をよぎった。

今はありえないと思うかもしれないが、いつかその日がきてしまうのかもしれない。

あれから近くの保護NPO法人寄付した。

あの犬のおかげで、自分で世話できなくてもこういう団体がいるということを知れた。

それからというもの

少し前まで辺りをのびのびと彷徨っていた野犬に似た犬が、知らない人とルンルンで散歩しているのを見かけるようになった。

今まで自分が気付かなかっただけなのかもしれないけど。

でもそれだけで勝手に救われた気持ちになった。あの捨て犬最期まで悲しかたかもしれないのに。

明日あのラーメン屋に行く。でもあの犬のことを聞こうか迷うな。

2021-09-05

最近テレビ浦島太郎

むかしむかし、ある村に、心のやさしい浦島太郎という若者がいました。浦島さんは、NSC東京27期生です。

浦島さんが海辺を通りかかると子どもたちが大きなカメを捕まえていました。(※:専門家指導の下、安全方法で行っています

そばによって見てみると、子どもたちがみんなでカメいじめています。(※)

「おやおや、かわいそうに、逃がしておやりよ」

「いやだよ。おらたち新人ADが、演者が来る前にやっと捕まえたんだもの。どうしようと、おらたちの勝手だろ」

見るとカメは涙をハラハラとこぼしながら、浦島さんを見つめています

これはバズる。浦島さんはお金を取り出すと、子どもたちに差し出して言いました。

「それでは、このお金をあげるから、おじさんにカメを売っておくれ」

「うん、それならいいよ。この金でYouTubeを使って一儲けしよう」

 こうして浦島さんは、子どもたちからカメを受け取ると、

大丈夫かい? もう、捕まるんじゃないよ」

と、カメをそっと、海の中へ逃がしてやりました。その様子は番組公式Twitterでそこそこバズりました。



 さて、それから二、三日たったある日の事(※この間の未公開映像番組公式ブログで随時更新中!)、

浦島さんが海に出かけて魚を釣っていると、

・・・浦島さん、・・・浦島さん」

と、誰かが呼ぶ声がします。

「おや? 誰が呼んでいるのだろう?」

わたしですよ」

(このあと衝撃の人物が登場!続きはCMのあと!)



 すると海の上に、ひょっこりとカメが頭を出して言いました。

「このあいだは助けていただいて、ありがとうございました」

「ああ、あの時(※2)のカメさん」(※2:2021/8/29放送回)

はい、おかげで命が助かりました。ところで浦島さんは、竜宮へ行った事がありますか?」

「竜宮? さあ? 竜宮って、どこにあるんだい?」

海の底です」

「えっ? 海の底へなんか、行けるのかい?」

はいわたしがお連れしましょう。さあ、背中へ乗ってください」

カメは浦島さんを背中に乗せて、海の中をずんずんともぐっていきました。

取材協力:ダイビングスクール マレア東京店)

海の中にはまっ青な光が差し込み、コンブがユラユラとゆれ、赤やピンクサンゴの林がどこまでも続いています

「わあ、きれいだな。番組オリジナルカレンダー9月の写真はコレで決まり!」

浦島さんがウットリしていると、やがて立派なご殿へ着きました。

「着きましたよ。このご殿が竜宮です。さあ、こちらへ」

繋ぎコメントもしっかりしてる。さすが人気施設テレビようわかっとるやん)と浦島は思いながら、

カメに案内されるまま進んでいくと、この竜宮の主人の美しい乙姫さまが、色とりどりの魚たちと一緒に浦島さんを出迎えてくれました。

「ようこそ、浦島さん。わたしは、この竜宮の主人の乙姫です。このあいだはカメを助けてくださって、ありがとうございます

お礼に、竜宮をご案内します。どうぞ、ゆっくりしていってくださいね

浦島さんは、竜宮の広間ヘ案内されました。すかさず、照明さんと音声さんが準備を始めます

浦島さんが用意された席に座り、養生テープでバミられた位置椅子をセットすると、魚たちが次から次へと素晴らしいごちそうを運んできます

この料理のセットメニューは、来週1週間に限り「アド街を見た」でお会計5%オフになります

ふんわりと気持ちのよい音楽が流れて、タイヒラメクラゲたちの、それは見事な踊りが続きます

ここはまるで、天国のようです。そして、

「もう一日、いてください。もう一日、いてください。空待ちさえしてもらえればもっといい画が撮れるんです」

と、乙姫さまに言われるまま竜宮で過ごすうちに、三年の月日がたってしまいました。

長期ロケ吉本の安い芸人にとって貴重な食い扶持だから、という面もありました。



ある時、浦島さんは、はっと思い出しました。

(家族や友だちは、どうしているだろう?同期はもう冠番組を持っているのもいるだろう)

そこで浦島さんは、乙姫さまに言いました。

乙姫さま、今までありがとうございます。ですが、もうそろそろケツカッチンなので家へ帰らせていただきます

「帰られるのですか? よろしければ、このままここで暮しては」

「いいえ、わたしの帰りを待つ者もおりますので。

それに、テレビに出てるからとはいえ漫才をおろそかにすると他の芸人からの風当たりも気になります

 すると乙姫さまは、さびしそうに言いました。

・・・そうですか。それはおなごりおしいです。では、おみやげ玉手箱差し上げましょう」

(『玉手箱』その衝撃の中身とは!?リモコンのdボタンを押してあなたも回答!)



玉手箱?」

はい。この中には、浦島さんが竜宮で過ごされた『時』が入っております

これを開けずに持っている限り、浦島さんは年を取りません。

ずーっと、今の若い姿のままでいられます

ですが一度開けてしまうと、今までの『時』が戻ってしまますので、決して開けてはなりませんよ」

はい、わかりました。ありがとうございます

乙姫さまと別れた浦島さんは、上島さんならあの場で即開封しただろうかと思いながら、またカメに送られて地上へ帰りました。



地上にもどった浦島さんは、まわりを見回してびっくり。

「おや? わずか三年で、業界もずいぶんと様子が変わったな」

かにここは浦島さんが釣りをしていた場所ですが、何だか様子が違います。いま、そこにはFischer'sしかいませんでした。

浦島さんの家はどこにも見あたりませんし、出会う人も知らない人ばかりです。

わたしの家は、どうなったのだろう? みんなはどこかへ、引っ越したのだろうか? 

…あの、すみません。浦島の家を知りませんか?」

浦島さんが携帯YouTubeを見ていた一人の老人に尋ねてみると、老人は少し首をかしげて言いました。

「浦島? …ああ、確か浦島という人なら七百年ほど前に昼の帯番組へ出たきりで、帰らないそうですよ」

「えっ!?

老人の話しを聞いて、浦島さんはびっくり。竜宮業界の三年は、この世の七百年にあたるのでしょうか?

家族も友だちも宮迫さんも、みんな死んでしまったのか…」

がっくりと肩を落とした浦島さんは、ふと、持っていた玉手箱を見つめました。

「そう言えば、乙姫さまは言っていたな。この玉手箱を開けると、『時』が戻ってしまうと。

もしかしてこれを開けると、自分暮らしていた時に戻るのでは」

そう思った浦島さんは、もはや炎上でもいいからバズりたいと思い、開けてはいけないと言われていた玉手箱を開けてしまいました。

(このあと衝撃の展開!スタジオみちょぱ驚愕真相まであと[30]秒!)



クモクモク…。

すると中から、まっ白のけむりが出てきました。なんとか画映えするように、わざと顔に思いきりかかる形で位置を調整します。

「おおっ、これは」

けむりの中に、竜宮や美しい乙姫さまの姿がうつりました。そして楽しかった竜宮での三年が、次から次へとうつし出されます

「ああ、わたしは、竜宮へ戻ってきたんだ」

浦島さんは、喜びました。でも玉手箱から出てきたけむりは次第に薄れていき、その場に残ったのは髪の毛もひげもまっ白の、

ヨポヨポのおじいさんになった浦島さんだったのです。


「このオチはもう新喜劇くらいでしかウケんのよ!」と、スタジオノブが言いました。


おしまい

(※撮影緊急事態宣言発令前に行われたものです。)

(※本日放送内容をもう一度ご覧になりたい方は、民放公式配信サービスTVerから!)



底本:浦島太郎 <福娘童話集  きょうの日本昔話> http://hukumusume.com/douwa/pc/jap/07/01.htm

2021-08-06

anond:20210806120759

ぺーんクリニック?

ってのをやってるところだと細かく分類して数値化してるみたいなことを聞いたぞ。ラジオで。

ぺーんクリニックのお医者さんの宣伝だったのかもしれないけど、うづく痛みでもずんずんジンジンの違いとか語ってたような覚えがうっすらある。

2021-08-03

ずんずん教の野望とか今リリースすると多方面から怒られそうだなあ

2021-07-12

メロス激怒した。必ず、かの邪智暴虐じゃちぼうぎゃくの王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此このシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、花婿はなむことして迎える事になっていた。結婚式も間近かなのであるメロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである。今は此のシラクスの市で、石工をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちにメロスは、まちの様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。のんきなメロスも、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の市に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった筈はずだが、と質問した。若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて老爺ろうやに逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。メロスは両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。「王様は、人を殺します。」「なぜ殺すのだ。」「悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」「たくさんの人を殺したのか。」「はい、はじめは王様の妹婿さまを。それから、御自身のお世嗣よつぎを。それから、妹さまを。それから、妹さまの御子さまを。それから皇后さまを。それから、賢臣のアレキス様を。」「おどろいた。国王は乱心か。」「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、臣下の心をも、お疑いになり、少しく派手な暮しをしている者には、人質ひとりずつ差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めば十字架にかけられて、殺されます。きょうは、六人殺されました。」 聞いて、メロス激怒した。「呆あきれた王だ。生かして置けぬ。」 メロスは、単純な男であった。買い物を、背負ったままで、のそのそ王城はいって行った。たちまち彼は、巡邏じゅんらの警吏捕縛された。調べられて、メロスの懐中から短剣が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。メロスは、王の前に引き出された。「この短刀で何をするつもりであったか。言え!」暴君ディオニスは静かに、けれども威厳を以もって問いつめた。その王の顔は蒼白そうはくで、眉間みけんの皺しわは、刻み込まれたように深かった。「市を暴君の手から救うのだ。」とメロスは悪びれずに答えた。「おまえがか?」王は、憫笑びんしょうした。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。」「言うな!」とメロスは、いきり立って反駁はんばくした。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、民の忠誠をさえ疑って居られる。」「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」暴君は落着いて呟つぶやき、ほっと溜息ためいきをついた。「わしだって平和を望んでいるのだが。」「なんの為の平和だ。自分地位を守る為か。」こんどはメロス嘲笑した。「罪の無い人を殺して、何が平和だ。」「だまれ、下賤げせんの者。」王は、さっと顔を挙げて報いた。「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、磔はりつけになってから、泣いて詫わびたって聞かぬぞ。」「ああ、王は悧巧りこうだ。自惚うぬぼれているがよい。私は、ちゃん死ぬ覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、――」と言いかけて、メロスは足もとに視線を落し瞬時ためらい、「ただ、私に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さい。たった一人の妹に、亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私は村で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ます。」「ばかな。」と暴君は、嗄しわがれた声で低く笑った。「とんでもない嘘うそを言うわい。逃がした小鳥が帰って来るというのか。」「そうです。帰って来るのです。」メロス必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスという石工がいます。私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さい。たのむ、そうして下さい。」 それを聞いて王は、残虐な気持で、そっと北叟笑ほくそえんだ。生意気なことを言うわい。どうせ帰って来ないにきまっている。この嘘つきに騙だまされた振りして、放してやるのも面白い。そうして身代りの男を、三日目に殺してやるのも気味がいい。人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代りの男を磔刑に処してやるのだ。世の中の、正直者とかい奴輩やつばらにうんと見せつけてやりたいものさ。「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっと殺すぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやろうぞ。」「なに、何をおっしゃる。」「はは。いのち大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」 メロスは口惜しく、地団駄じだんだ踏んだ。ものも言いたくなくなった。 竹馬の友セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。暴君ディオニス面前で、佳よき友と佳き友は、二年ぶりで相逢うた。メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で首肯うなずき、メロスをひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。セリヌンティウスは、縄打たれた。メロスは、すぐに出発した。初夏、満天の星である。 メロスはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、翌あくる日の午前、陽は既に高く昇って、村人たちは野に出て仕事をはじめていた。メロスの十六の妹も、きょうは兄の代りに羊群の番をしていた。よろめいて歩いて来る兄の、疲労困憊こんぱいの姿を見つけて驚いた。そうして、うるさく兄に質問を浴びせた。「なんでも無い。」メロスは無理に笑おうと努めた。「市に用事を残して来た。またすぐ市に行かなければならぬ。あす、おまえの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」 妹は頬をあからめた。「うれしいか。綺麗きれいな衣裳も買って来た。さあ、これから行って、村の人たちに知らせて来い。結婚式は、あすだと。」 メロスは、また、よろよろと歩き出し、家へ帰って神々の祭壇を飾り、祝宴の席を調え、間もなく床に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。 眼が覚めたのは夜だった。メロスは起きてすぐ、花婿の家を訪れた。そうして、少し事情があるから結婚式明日にしてくれ、と頼んだ。婿の牧人は驚き、それはいけない、こちらには未だ何の仕度も出来ていない、葡萄ぶどうの季節まで待ってくれ、と答えた。メロスは、待つことは出来ぬ、どうか明日にしてくれ給え、と更に押してたのんだ。婿の牧人も頑強であった。なかなか承諾してくれない。夜明けまで議論をつづけて、やっと、どうにか婿をなだめ、すかして、説き伏せた。結婚式は、真昼に行われた。新郎新婦の、神々への宣誓が済んだころ、黒雲が空を覆い、ぽつりぽつり雨が降り出し、やがて車軸を流すような大雨となった。祝宴に列席していた村人たちは、何か不吉なものを感じたが、それでも、めいめい気持を引きたて、狭い家の中で、むんむん蒸し暑いのも怺こらえ、陽気に歌をうたい、手を拍うった。メロスも、満面に喜色を湛たたえ、しばらくは、王とのあの約束をさえ忘れていた。祝宴は、夜に入っていよいよ乱れ華やかになり、人々は、外の豪雨を全く気にしなくなった。メロスは、一生このままここにいたい、と思った。この佳い人たちと生涯暮して行きたいと願ったが、いまは、自分からだで、自分のものでは無い。ままならぬ事であるメロスは、わが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。あすの日没までには、まだ十分の時が在る。ちょっと一眠りして、それからすぐに出発しよう、と考えた。その頃には、雨も小降りになっていよう。少しでも永くこの家に愚図愚図とどまっていたかった。メロスほどの男にも、やはり未練の情というものは在る。今宵呆然歓喜に酔っているらしい花嫁に近寄り、「おめでとう。私は疲れてしまたから、ちょっとご免こうむって眠りたい。眼が覚めたら、すぐに市に出かける。大切な用事があるのだ。私がいなくても、もうおまえには優しい亭主があるのだから、決して寂しい事は無い。おまえの兄の、一ばんきらいなものは、人を疑う事と、それから、嘘をつく事だ。おまえも、それは、知っているね。亭主との間に、どんな秘密でも作ってはならぬ。おまえに言いたいのは、それだけだ。おまえの兄は、たぶん偉い男なのだから、おまえもその誇りを持っていろ。」 花嫁は、夢見心地で首肯うなずいた。メロスは、それから花婿の肩をたたいて、「仕度の無いのはお互さまさ。私の家にも、宝といっては、妹と羊だけだ。他には、何も無い。全部あげよう。もう一つ、メロスの弟になったことを誇ってくれ。」 花婿は揉もみ手して、てれていた。メロスは笑って村人たちにも会釈えしゃくして、宴席から立ち去り、羊小屋にもぐり込んで、死んだように深く眠った。 眼が覚めたのは翌る日の薄明の頃であるメロスは跳ね起き、南無三、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば、約束の刻限までには十分間に合う。きょうは是非とも、あの王に、人の信実の存するところを見せてやろう。そうして笑って磔の台に上ってやる。メロスは、悠々と身仕度をはじめた。雨も、いくぶん小降りになっている様子である。身仕度は出来た。さて、メロスは、ぶるんと両腕を大きく振って、雨中、矢の如く走り出た。 私は、今宵、殺される。殺される為に走るのだ。身代りの友を救う為に走るのだ。王の奸佞かんねい邪智を打ち破る為に走るのだ。走らなければならぬ。そうして、私は殺される。若いから名誉を守れ。さらば、ふるさと若いメロスは、つらかった。幾度か、立ちどまりそうになった。えい、えいと大声挙げて自身を叱りながら走った。村を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、隣村に着いた頃には、雨も止やみ、日は高く昇って、そろそろ暑くなって来た。メロスは額ひたいの汗をこぶしで払い、ここまで来れば大丈夫、もはや故郷への未練は無い。妹たちは、きっと佳い夫婦になるだろう。私には、いま、なんの気がかりも無い筈だ。まっすぐに王城に行き着けば、それでよいのだ。そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの呑気のんきさを取り返し、好きな小歌をいい声で歌い出した。ぶらぶら歩いて二里行き三里行き、そろそろ全里程の半ばに到達した頃、降って湧わいた災難、メロスの足は、はたと、とまった。見よ、前方の川を。きのうの豪雨で山の水源地は氾濫はんらんし、濁流滔々とうとうと下流に集り、猛勢一挙に橋を破壊し、どうどうと響きをあげる激流が、木葉微塵こっぱみじんに橋桁はしげたを跳ね飛ばしていた。彼は茫然と、立ちすくんだ。あちこちと眺めまわし、また、声を限りに呼びたててみたが、繋舟けいしゅうは残らず浪に浚さらわれて影なく、渡守りの姿も見えない。流れはいよいよ、ふくれ上り、海のようになっている。メロス川岸うずくまり、男泣きに泣きながらゼウスに手を挙げて哀願した。「ああ、鎮しずめたまえ、荒れ狂う流れを! 時は刻々に過ぎて行きます太陽も既に真昼時です。あれが沈んでしまわぬうちに、王城に行き着くことが出来なかったら、あの佳い友達が、私のために死ぬのです。」 濁流は、メロス叫びをせせら笑う如く、ますます激しく躍り狂う。浪は浪を呑み、捲き、煽あおり立て、そうして時は、刻一刻と消えて行く。今はメロス覚悟した。泳ぎ切るより他に無い。ああ、神々も照覧あれ! 濁流にも負けぬ愛と誠の偉大な力を、いまこそ発揮して見せる。メロスは、ざんぶと流れに飛び込み、百匹の大蛇のようにのた打ち荒れ狂う浪を相手に、必死闘争を開始した。満身の力を腕にこめて、押し寄せ渦巻き引きずる流れを、なんのこれしきと掻かきわけ掻きわけ、めくらめっぽう獅子奮迅の人の子の姿には、神も哀れと思ったか、ついに憐愍れんびんを垂れてくれた。押し流されつつも、見事、対岸の樹木の幹に、すがりつく事が出来たのである。ありがたい。メロスは馬のように大きな胴震いを一つして、すぐにまた先きを急いだ。一刻といえども、むだには出来ない。陽は既に西に傾きかけている。ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠をのぼりのぼり切って、ほっとした時、突然、目の前に一隊山賊が躍り出た。「待て。」「何をするのだ。私は陽の沈まぬうちに王城へ行かなければならぬ。放せ。」「どっこい放さぬ。持ちもの全部を置いて行け。」「私にはいのちの他には何も無い。その、たった一つの命も、これから王にくれてやるのだ。」「その、いのちが欲しいのだ。」「さては、王の命令で、ここで私を待ち伏せしていたのだな。」 山賊たちは、ものも言わず一斉に棍棒こんぼうを振り挙げた。メロスはひょいと、からだを折り曲げ、飛鳥の如く身近かの一人に襲いかかり、その棍棒を奪い取って、「気の毒だが正義のためだ!」と猛然一撃、たちまち、三人を殴り倒し、残る者のひるむ隙すきに、さっさと走って峠を下った。一気に峠を駈け降りたが、流石さすがに疲労し、折から午後の灼熱しゃくねつの太陽がまともに、かっと照って来て、メロスは幾度となく眩暈めまいを感じ、これではならぬ、と気を取り直しては、よろよろ二、三歩あるいて、ついに、がくりと膝を折った。立ち上る事が出来ぬのだ。天を仰いで、くやし泣きに泣き出した。ああ、あ、濁流を泳ぎ切り、山賊を三人も撃ち倒し韋駄天いだてん、ここまで突破して来たメロスよ。真の勇者メロスよ。今、ここで、疲れ切って動けなくなるとは情無い。愛する友は、おまえを信じたばかりに、やがて殺されなければならぬ。おまえは、稀代きたいの不信の人間、まさしく王の思う壺つぼだぞ、と自分を叱ってみるのだが、全身萎なえて、もはや芋虫いもむしほどにも前進かなわぬ。路傍の草原にごろりと寝ころがった。身体疲労すれば、精神も共にやられる。もう、どうでもいいという、勇者に不似合いな不貞腐ふてくされた根性が、心の隅に巣喰った。私は、これほど努力したのだ。約束を破る心は、みじんも無かった。神も照覧、私は精一ぱいに努めて来たのだ。動けなくなるまで走って来たのだ。私は不信の徒では無い。ああ、できる事なら私の胸を截たち割って、真紅心臓をお目に掛けたい。愛と信実の血液だけで動いているこの心臓を見せてやりたい。けれども私は、この大事な時に、精も根も尽きたのだ。私は、よくよく不幸な男だ。私は、きっと笑われる。私の一家も笑われる。私は友を欺あざむいた。中途で倒れるのは、はじめから何もしないのと同じ事だ。ああ、もう、どうでもいい。これが、私の定った運命なのかも知れない。セリヌンティウスよ、ゆるしてくれ。君は、いつでも私を信じた。私も君を、欺かなかった。私たちは、本当に佳い友と友であったのだ。いちどだって、暗い疑惑の雲を、お互い胸に宿したことは無かった。いまだって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう。ありがとうセリヌンティウス。よくも私を信じてくれた。それを思えば、たまらない。友と友の間の信実は、この世で一ばん誇るべき宝なのだからな。セリヌンティウス、私は走ったのだ。君を欺くつもりは、みじんも無かった。信じてくれ! 私は急ぎに急いでここまで来たのだ。濁流を突破した。山賊の囲みからも、するりと抜けて一気に峠を駈け降りて来たのだ。私だから、出来たのだよ。ああ、この上、私に望み給うな。放って置いてくれ。どうでも、いいのだ。私は負けたのだ。だらしが無い。笑ってくれ。王は私に、ちょっとおくれて来い、と耳打ちした。おくれたら、身代りを殺して、私を助けてくれると約束した。私は王の卑劣を憎んだ。けれども、今になってみると、私は王の言うままになっている。私は、おくれて行くだろう。王は、ひとり合点して私を笑い、そうして事も無く私を放免するだろう。そうなったら、私は、死ぬよりつらい。私は、永遠に裏切者だ。地上で最も、不名誉人種だ。セリヌンティウスよ、私も死ぬぞ。君と一緒に死なせてくれ。君だけは私を信じてくれるにちがい無い。いや、それも私の、ひとりよがりか? ああ、もういっそ、悪徳者として生き伸びてやろうか。村には私の家が在る。羊も居る。妹夫婦は、まさか私を村から追い出すような事はしないだろう。正義だの、信実だの、愛だの、考えてみれば、くだらない。人を殺して自分が生きる。それが人間世界の定法ではなかったか。ああ、何もかも、ばかばかしい。私は、醜い裏切り者だ。どうとも、勝手にするがよい。やんぬる哉かな。――四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。 ふと耳に、潺々せんせん、水の流れる音が聞えた。そっと頭をもたげ、息を呑んで耳をすました。すぐ足もとで、水が流れているらしい。よろよろ起き上って、見ると、岩の裂目から滾々こんこんと、何か小さく囁ささやきながら清水が湧き出ているのである。その泉に吸い込まれるようにメロスは身をかがめた。水を両手で掬すくって、一くち飲んだ。ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。歩ける。行こう。肉体の疲労恢復かいふくと共に、わずかながら希望が生れた。義務遂行希望である。わが身を殺して、名誉を守る希望である斜陽は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も燃えるばかりに輝いている。日没までには、まだ間がある。私を、待っている人があるのだ。少しも疑わず、静かに期待してくれている人があるのだ。私は、信じられている。私の命なぞは、問題ではない。死んでお詫び、などと気のいい事は言って居られぬ。私は、信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。走れ! メロス。 私は信頼されている。私は信頼されている。先刻の、あの悪魔の囁きは、あれは夢だ。悪い夢だ。忘れてしまえ。五臓が疲れているときは、ふいとあんな悪い夢を見るものだ。メロス、おまえの恥ではない。やはり、おまえは真の勇者だ。再び立って走れるようになったではないか。ありがたい! 私は、正義の士として死ぬ事が出来るぞ。ああ、陽が沈む。ずんずん沈む。待ってくれ、ゼウスよ。私は生れた時から正直な男であった。正直な男のままにして死なせて下さい。 路行く人を押しのけ、跳はねとばし、メロスは黒い風のように走った。野原で酒宴の、その宴席のまっただ中を駈け抜け、酒宴の人たちを仰天させ、犬を蹴けとばし、小川を飛び越え、少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った。一団の旅人と颯さっとすれちがった瞬間、不吉な会話を小耳にはさんだ。「いまごろは、あの男も、磔にかかっているよ。」ああ、その男その男のために私は、いまこんなに走っているのだ。その男を死なせてはならない。急げ、メロス。おくれてはならぬ。愛と誠の力を、いまこそ知らせてやるがよい。風態なんかは、どうでもいい。メロスは、いまは、ほとんど全裸体であった。呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。見える。はるか向うに小さく、シラクスの市の塔楼が見える。塔楼は、夕陽を受けてきらきら光っている。「ああ、メロス様。」うめくような声が、風と共に聞えた。「誰だ。」メロスは走りながら尋ねた。「フィロストラトスでございます貴方のお友達セリヌンティウス様の弟子でございます。」その若い石工も、メロスの後について走りながら叫んだ。「もう、駄目でございます。むだでございます。走るのは、やめて下さい。もう、あの方かたをお助けになることは出来ません。」「いや、まだ陽は沈まぬ。」「ちょうど今、あの方が死刑になるところです。ああ、あなたは遅かった。おうらみ申します。ほんの少し、もうちょっとでも、早かったなら!」「いや、まだ陽は沈まぬ。」メロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。「やめて下さい。走るのは、やめて下さい。いまはご自分のお命が大事です。あの方は、あなたを信じて居りました。刑場に引き出されても、平気でいました。王様が、さんざんあの方をからかっても、メロスは来ます、とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子でございました。」「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。ついて来い! フィロストラトス。」「ああ、あなたは気が狂ったか。それでは、うんと走るがいい。ひょっとしたら、間に合わぬものでもない。走るがいい。」 言うにや及ぶ。まだ陽は沈まぬ。最後の死力を尽して、メロスは走った。メロスの頭は、からっぽだ。何一つ考えていない。ただ、わけのわからぬ大きな力にひきずられて走った。陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、メロス疾風の如く刑場に突入した。間に合った。「待て。その人を殺してはならぬ。メロスが帰って来た。約束のとおり、いま、帰って来た。」と大声で刑場の群衆にむかって叫んだつもりであったが、喉のどがつぶれて嗄しわがれた声が幽かすかに出たばかり、群衆は、ひとりとして彼の到着に気がつかない。すでに磔の柱が高々と立てられ、縄を打たれたセリヌンティウスは、徐々に釣り上げられてゆく。メロスはそれを目撃して最後の勇、先刻、濁流を泳いだように群衆を掻きわけ、掻きわけ、「私だ、刑吏! 殺されるのは、私だ。メロスだ。彼を人質にした私は、ここにいる!」と、かすれた声で精一ぱいに叫びながら、ついに磔台に昇り、釣り上げられてゆく友の両足に、齧かじりついた。群衆は、どよめいた。あっぱれ。ゆるせ、と口々にわめいた。セリヌンティウスの縄は、ほどかれたのである。「セリヌンティウス。」メロスは眼に涙を浮べて言った。「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君が若もし私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」 セリヌンティウスは、すべてを察した様子で首肯うなずき、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。殴ってから優しく微笑ほほえみ、「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生れて、はじめて君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。」 メロスは腕に唸うなりをつけてセリヌンティウスの頬を殴った。「ありがとう友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。 群衆の中からも、歔欷きょきの声が聞えた。暴君ディオニスは、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。「おまえらの望みは叶かなったぞ。おまえらは、わしの心に勝ったのだ。信実とは、決して空虚妄想ではなかった。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほしい。」 どっと群衆の間に、歓声が起った。「

anond:20210712125327

2021-06-12

進撃の巨人

ハダカンボの大きい筋肉質のひとが

うわーっとか言いながら

ずんずんどっかに進んで行く漫画

読んだことないから本当は知らないんだけど。

2021-04-06

「せっかち」vs俺

俺はのんびりな方だ。

世の中にはせっかちな人がいる。

時に、私の心の中にも「せっかち」がいる。

地下鉄に乗る際に、都度、使用する降り口〜最寄り階段まで計算して座席位置考える人がいる。

地下鉄車両に着いたのに、そこからさらになぜかよくわからない車両の所定の座席につかつかと歩いていく。

俺はその世界スピードに置いていかれそうになる。

俺は地下鉄の降り口乗り口と、目的出口との距離をほぼ考えない。

どこに座ってもほぼ距離は変わらないし、降りた後でその分歩けばいい話と思う。

そんなに急いで、あるいは気持ちを急かして、どうするのか。

結構神経質な人が多くて心配になる。

実際、急いでいるわけではないのだ。

すぐ乗り換えなければならない場合は、流石のこの俺(こういう時の一人称は乃公がいいのかなぁ?)も急ぐ。

せっかち派は、信号が赤になりそうな場合も走り出す。

俺は絶対自分人生のペースを信号ときに左右されたくないので、自分のペースで歩いて、それで青だったら渡るし、赤だったら止まる。ただそれだけ。

鉄道車両についてもそうで、自分のペースで乗車や乗り換えのところまで歩いて、そこから車両が来るかを考えた方が気が楽だ。

次何分に来るからちょっと急がなきゃ、はそれに乗り遅れた場合に全体の行程に支障をきたす場合にのみ考えるべきだ。

如上の信号のケースも、特に急いでいないのに走り出す。のんびり待って、いいじゃあないか

信号が赤になりそうな時に走る人とこうした点を話すと、「結局あなたも赤信号で止まるのであれば、信号人生左右されているのでは?」と言われる。

俺の立場は、信号を守るのは当たり前(急ぐ人もそうでない人も青は進み赤は止まる)で、信号が変わりそうな時に行動を変えさせられるのは、機械に心性を臣従させているようなものだというものだ。

証券会社は使うけど証券会社AI投資を任せない、みたいな話だ。

けれど、そういうところに神経を使っている人は、その方が精神的に安定するのかな、と思う。

俺がのんびり歩いた方が精神が安定し、せっかちに動かされると少しだけ不安定になるのと逆なのかも知れない。

ずんずん効率よく進む方が気持ちが落ち着くのであれば、そうした方がいいのかも。

でも、もし「せっかち」モードだけしか知らず、電車の乗り継ぎとかに失敗して知らず知らずに精神を尖らせる生活をしているのであれば、俺のだらだら系のムーブもその人にちょっとは役立つかも知れない。

せっかちとだらだらは、それぞれを否定せず両方ある方が、社会人間関係はいいのだと思う。

2021-03-22

ドル

ハックニー馬[※1]のしっぽのような、巫戯《ふざ》けた楊《やなぎ》の並木《なみき》と陶製《とうせい》の白い空との下を、みじめな旅《たび》のガドルフは、力いっぱい、朝からつづけて歩いておりました。

 それにただ十六哩《マイル》だという次《つぎ》の町が、まだ一向《いっこう》見えても来なければ、けはいしませんでした。

(楊がまっ青に光ったり、ブリキの葉《は》に変《かわ》ったり、どこまで人をばかにするのだ。殊《こと》にその青いときは、まるで砒素《ひそ》をつかった下等《かとう》の顔料《えのぐ》[※2]のおもちゃじゃないか。)

 ガドルフはこんなことを考えながら、ぶりぶり憤《おこ》って歩きました。

 それに俄《にわ》かに雲が重《おも》くなったのです。

(卑《いや》しいニッケルの粉《こな》だ。淫《みだ》らな光だ。)

 その雲のどこからか、雷《かみなり》の一切れらしいものが、がたっと引きちぎったような音をたてました。

街道かいどう》のはずれが変《へん》に白くなる。あそこを人がやって来る。いややって来ない。あすこを犬がよこぎった。いやよこぎらない。畜生ちくしょう》。)

 ガドルフは、力いっぱい足を延《の》ばしながら思いました。

 そして間もなく、雨と黄昏《たそがれ》とがいっしょに襲《おそ》いかかったのです。

 実《じつ》にはげしい雷雨《らいう》になりました。いなびかりは、まるでこんな憐《あわ》れな旅のものなどを漂白《ひょうはく》してしまいそう、並木の青い葉がむしゃくしゃにむしられて、雨のつぶと一緒《いっしょ》に堅《かた》いみちを叩《たた》き、枝《えだ》までがガリガリ引き裂《さ》かれて降《ふ》りかかりました。

(もうすっかり法則《ほうそく》がこわれた。何もかもめちゃくちゃだ。これで、も一度《いちど》きちんと空がみがかれて、星座《せいざ》がめぐることなどはまあ夢《ゆめ》だ。夢でなけぁ霧《きり》だ。みずけむりさ。)

 ガドルフはあらんかぎりすねを延《の》ばしてあるきながら、並木のずうっと向《むこ》うの方のぼんやり白い水明りを見ました。

(あすこはさっき曖昧あいまい》な犬の居《い》たとこだ。あすこが少ぅしおれのたよりになるだけだ。)

 けれども間もなく全《まった》くの夜になりました。空のあっちでもこっちでも、雷《かなみり》が素敵《すてき》に大きな咆哮《ほうこう》をやり、電光のせわしいことはまるで夜の大空の意識《いしき》の明滅《めいめつ》のようでした。

 道はまるっきりコンクリート製《せい》の小川のようになってしまって、もう二十分と続《つづ》けて歩けそうにもありませんでした。

 その稲光《いなびか》りのそらぞらしい明りの中で、ガドルフは巨《おお》きなまっ黒な家が、道の左側《ひだりがわ》に建《た》っているのを見ました。

(この屋根《やね》は稜《かど》が五角で大きな黒電気石[※3]の頭のようだ。その黒いことは寒天《かんてん》だ。その寒天の中へ俺《おれ》ははいる。)

 ガドルフは大股《おおまた》に跳《は》ねて、その玄関《げんかん》にかけ込みました。

「今晩《こんばん》は。どなたかお出《い》でですか。今晩は。」

 家の中はまっ暗《くら》で、しんとして返事《へんじ》をするものもなく、そこらには厚《あつ》い敷物《しきもの》や着物《きもの》などが、くしゃくしゃ散《ち》らばっているようでした。

(みんなどこかへ遁《に》げたかな。噴火《ふんか》があるのか。噴火じゃない。ペストか。ペストじゃない。またおれはひとりで問答《もんどう》をやっている。あの曖昧な犬だ。とにかく廊下《ろうか》のはじででも、ぬれ着物をぬぎたいもんだ。)

 ガドルフは斯《こ》う頭の中でつぶやきまた唇《くちびる》で考えるようにしました。そのガドルフの頭と来たら、旧教会《きゅうきょうかい》の朝の鐘《かね》のようにガンガン鳴《な》っておりました。

 長靴《ながぐつ》を抱《だ》くようにして急《いそ》いで脱《と》って、少しびっこを引きながら、そのまっ暗なちらばった家にはね上って行きました。すぐ突《つ》きあたりの大きな室は、たしか階段かいだん》室らしく、射《さ》し込《こ》む稲光りが見せたのでした。

 その室の闇《やみ》の中で、ガドルフは眼《め》をつぶりながら、まず重い外套《がいとう》を脱《ぬ》ぎました。そのぬれ外套の袖《そで》を引っぱるとき、ガドルフは白い貝殻《かいがら》でこしらえあげた、昼の楊の木をありありと見ました。ガドルフは眼をあきました。

(うるさい。ブリキになったり貝殻になったり。しかしまたこんな桔梗《ききょう》いろの背景《はいけい》に、楊の舎利《しゃり》[※4]がりんと立つのは悪《わる》くない。)

 それは眼をあいてもしばらく消《き》えてしまいませんでした。

 ガドルフはそれからぬれた頭や、顔をさっぱりと拭《ぬぐ》って、はじめてほっと息《いき》をつきました。

 電光がすばやく射し込んで、床《ゆか》におろされて蟹《かに》のかたちになっている自分背嚢はいのう》をくっきり照《て》らしまっ黒な影《かげ》さえ落《おと》して行きました。

 ガドルフはしゃがんでくらやみの背嚢をつかみ、手探《てさぐ》りで開《ひら》いて、小さな器械《きかい》の類《たぐい》にさわってみました。

 それから少ししずかな心持《こころも》ちになって、足音をたてないように、そっと次の室にはいってみました。交《かわ》る交《がわ》るさまざまの色の電光が射し込んで、床に置《お》かれた石膏《せっこう》像《ぞう》や黒い寝台《しんだい》や引っくり返《かえ》った卓子《テーブル》やらを照らしました。

(ここは何かの寄宿舎《きしゅくしゃ》か。そうでなければ避病院《ひびょういん》か。とにかく二階にどうもまだ誰《だれ》か残《のこ》っているようだ。一ぺん見て来ないと安心あんしん》ができない。)

 ガドルフはしきいをまたいで、もとの階段室に帰り、それから一ぺん自分背嚢につまずいてから、二階に行こうと段《だん》に一つ足をかけた時、紫《むらさき》いろの電光が、ぐるぐるするほど明るくさし込んで来ましたので、ガドルフはぎくっと立ちどまり階段に落ちたまっ黒な自分の影とそれから窓《まど》の方を一緒《いっしょ》に見ました。

 その稲光りの硝子《ガラス》窓から、たしかに何か白いものが五つか六つ、だまってこっちをのぞいていました。

(丈《たけ》がよほど低《ひく》かったようだ。どこかの子供《こども》が俺のように、俄かの雷雨で遁げ込んだのかも知れない。それともやっぱりこの家の人たちが帰って来たのだろうか。どうだかさっぱりわからないのが本統《ほんとう》だ。とにかく窓を開いて挨拶あいさつ》しよう。)

 ガドルフはそっちへ進《すす》んで行ってガタピシの壊《こわ》れかかった窓を開きました。たちまち冷たい雨と風とが、ぱっとガドルフの顔をうちました。その風に半分声をとられながら、ガドルフは叮寧《ていねい》に云《い》いました。

「どなたですか。今晩《こんばん》は。どなたですか。今晩は。」

 向《むこ》うのぼんやり白いものは、かすかにうごいて返事もしませんでした。却《かえ》って注文《ちゅうもん》通《どお》りの電光が、そこら一面《いちめん》ひる間のようにしてくれたのです。

「ははは、百合ゆり》の花だ。なるほど。ご返事のないのも尤《もっと》もだ。」

 ガドルフの笑《わら》い声は、風といっしょに陰気《いんき》に階段をころげて昇《のぼ》って行きました。

 けれども窓の外では、いっぱいに咲いた白百合《しらゆり》が、十本ばかり息もつけない嵐《あらし》の中に、その稲妻《いなずま》の八分一秒《びょう》を、まるでかがやいてじっと立っていたのです。

 それからたちまち闇が戻《もど》されて眩《まぶ》しい花の姿《すがた》は消えましたので、ガドルフはせっかく一枚《まい》ぬれずに残ったフラン[※5]のシャツも、つめたい雨にあらわせながら、窓からそとにからだを出して、ほのかに揺《ゆ》らぐ花の影を、じっとみつめて次の電光を待《ま》っていました。

 間もなく次の電光は、明るくサッサッと閃《ひら》めいて、庭《にわ》は幻燈《げんとう》のように青く浮《うか》び、雨の粒《つぶ》は美《うつく》しい楕円形《だえんけい》の粒になって宙《ちゅう》に停《とど》まり、そしてガドルフのいとしい花は、まっ白にかっと瞋《いか》って立ちました。

(おれの恋《こい》は、いまあの百合の花なのだ。いまあの百合の花なのだ。砕《くだ》けるなよ。)

 それもほんの一瞬《いっしゅん》のこと、すぐに闇は青びかりを押《お》し戻《もど》し、花の像はぼんやりと白く大きくなり、みだれてゆらいで、時々は地面《じめん》までも屈《かが》んでいました。

 そしてガドルフは自分の熱《ほて》って痛《いた》む頭の奥《おく》の、青黝《あおぐろ》い斜面《しゃめん》の上に、すこしも動《うご》かずかがやいて立つ、もう一むれの貝細工《かいざいく》の百合を、もっとはっきり見ておりました。たしかにガドルフはこの二むれの百合を、一緒に息をこらして見つめていました。

 それもまた、ただしばらくのひまでした。

 たちまち次の電光は、マグネシアの焔《ほのお》よりももっと明るく、菫外線《きんがいせん》[※6]の誘惑《ゆうわく》を、力いっぱい含《ふく》みながら、まっすぐに地面に落ちて来ました。

 美しい百合の憤《いきどお》りは頂点《ちょうてん》に達《たっ》し、灼熱《しゃくねつ》の花弁《かべん》は雪よりも厳《いかめしく、ガドルフはその凛《りん》と張《は》る音さえ聴《き》いたと思いました。

 暗《やみ》が来たと思う間もなく、また稲妻が向うのぎざぎざの雲から北斎《ほくさい》の山下白雨のように赤く這《は》って来て、触《ふ》れない光の手をもって、百合を擦《かす》めて過ぎました。

 雨はますます烈《はげ》しくなり、かみなりはまるで空の爆破《ばくは》を企《くわだ》て出したよう、空がよくこんな暴《あば》れものを、じっと構《かま》わないでおくものだと、不思議《ふしぎ》なようにさえガドルフは思いました。

 その次の電光は、実に微《かす》かにあるかないかに閃《ひら》めきました。けれどもガドルフは、その風の微光《びこう》の中で、一本の百合が、多分とうとう華奢《きゃしゃ》なその幹《みき》を折《お》られて、花が鋭《するど》く地面に曲《まが》ってとどいてしまたことを察《さっ》しました。

 そして全くその通り稲光りがまた新《あた》らしく落ちて来たときその気の毒《どく》ないちばん丈の高い花が、あまりの白い興奮《こうふん》に、とうとう自分を傷《きず》つけて、きらきら顫《ふる》うしのぶぐさの上に、だまって横《よこた》わるのを見たのです。

 ガドルフはまなこを庭から室の闇にそむけ、丁寧《ていねい》にがたがたの窓をしめて、背嚢のところに戻って来ました。

 そして背嚢からさな敷布《しきふ》をとり出してからだにまとい、寒《さむ》さにぶるぶるしながら階段にこしかげ、手を膝《ひざ》に組み眼をつむりました。

 それからまらずまたたちあがって、手さぐりで床《ゆか》をさがし、一枚の敷物《しきもの》を見つけて敷布の上にそれを着《き》ました。

 そして睡《ねむ》ろうと思ったのです。けれども電光があんまりせわしくガドルフのまぶたをかすめて過ぎ、飢《う》えとつかれとが一しょにがたがた湧《わ》きあがり、さっきからの熱った頭はまるで舞踏《ぶとう》のようでした。

(おれはいま何をとりたてて考える力もない。ただあの百合は折《お》れたのだ。おれの恋は砕けたのだ。)ガドルフは思いました。

 それから遠い幾山河《いくやまかわ》の人たちを、燈籠《とうろう》のように思い浮《うか》べたり、また雷の声をいつかそのなつかしい人たちの語《ことば》に聞いたり、また昼の楊がだんだん延びて白い空までとどいたり、いろいろなことをしているうちに、いつかとろとろ睡ろうとしました。そしてまた睡っていたのでしょう。

 ガドルフは、俄かにどんどんどんという音をききました。ばたんばたんという足踏《あしぶ》みの音、怒号《どごう》や潮罵《ちょうば》が烈《はげ》しく起《おこ》りました。

 そんな語はとても判《わか》りもしませんでした。ただその音は、たちまち格闘《かくとう》らしくなり、やがてずんずんドルフの頭の上にやって来て、二人の大きな男が、組み合ったりほぐれたり、けり合ったり撲《なぐ》り合ったり、烈しく烈しく叫《さけ》んで現《あら》われました。

 それは丁度《ちょうど》奇麗《きれい》に光る青い坂《さか》の上のように見えました。一人は闇の中に、ありありうかぶ豹《ひょう》の毛皮《けがわ》のだぶだぶの着物をつけ、一人は烏《からす》の王のように、まっ黒くなめらかによそおっていました。そしてガドルフはその青く光る坂の下に、小さくなってそれを見上げてる自分のかたちも見たのです。

 見る間に黒い方は咽喉《のど》をしめつけられて倒《たお》されました。けれどもすぐに跳ね返して立ちあがり、今度《こんど》はしたたかに豹の男のあごをけあげました。

 二人はも一度組みついて、やがてぐるぐる廻《まわ》って上になったり下になったり、どっちがどっちかわからず暴れてわめいて戦《たたか》ううちに、とうとうすてきに大きな音を立てて、引っ組んだまま坂をころげて落ちて来ました。

 ガドルフは急いでとび退《の》きました。それでもひどくつきあたられて倒れました。

 そしてガドルフは眼を開いたのです。がたがた寒さにふるえながら立ちあがりました。

 雷はちょうどいま落ちたらしく、ずうっと遠くで少しの音が思い出したように鳴《な》っているだけ、雨もやみ電光ばかりが空を亘《わた》って、雲の濃淡《のうたん》、空の地形図をはっきりと示し、また只《ただ》一本を除《のぞ》いて、嵐に勝《か》ちほこった百合の群《むれ》を、まっ白に照《て》らしました。

 ガドルフは手を強く延ばしたり、またちぢめたりしながら、いそがしく足ぶみをしました。

 窓の外の一本の木から、一つの雫《しずく》が見えていました。それは不思議にかすかな薔薇《ばら》いろをうつしていたのです。

(これは暁方《あけがた》の薔薇色《ばらいろ》ではない。南の蝎《さそり》の赤い光がうつったのだ。その証拠《しょうこ》にはまだ夜中にもならないのだ。雨さえ晴れたら出て行こう。街道の星あかりの中だ。次の町だってじきだろう。けれどもぬれ着物をまた引っかけて歩き出すのはずいぶんいやだ。いやだけれども仕方《しかた》ない。おれの百合は勝ったのだ。)

 ガドルフはしばらくの間、しんとして斯う考えました。

注目エントリこち

九、ジョバンニの切符きっぷ

「もうここらは白鳥区のおしまいです。ごらんなさい。あれが名高いアルビレオ観測所です。」

 窓の外の、まるで花火でいっぱいのような、あまの川のまん中に、黒い大きな建物が四棟むねばかり立って、その一つの屋根の上に、眼めもさめるような、青宝玉サファイア黄玉パースの大きな二つのすきとおった球が、輪になってしずかにくるくるとまわっていました。黄いろのがだんだん向うへまわって行って、青い小さいのがこっちへ進んで来、間もなく二つのはじは、重なり合って、きれいな緑いろの両面凸とつレンズのかたちをつくり、それもだんだん、まん中がふくらみ出して、とうとう青いのは、すっかりトパースの正面に来ましたので、緑の中心と黄いろな明るい環わとができました。それがまただんだん横へ外それて、前のレンズの形を逆に繰くり返し、とうとうすっとはなれて、サファイアは向うへめぐり、黄いろのはこっちへ進み、また丁度さっきのような風になりました。銀河の、かたちもなく音もない水にかこまれて、ほんとうにその黒い測候所が、睡ねむっているように、しずかによこたわったのです。

「あれは、水の速さをはかる器械です。水も……。」鳥捕とりとりが云いかけたとき

切符を拝見いたします。」三人の席の横に、赤い帽子ぼうしをかぶったせいの高い車掌しゃしょうが、いつかまっすぐに立っていて云いました。鳥捕りは、だまってかくしから、小さな紙きれを出しました。車掌ちょっと見て、すぐ眼をそらして、(あなた方のは?)というように、指をうごかしながら、手をジョバンニたちの方へ出しました。

「さあ、」ジョバンニは困って、もじもじしていましたら、カムパネルラは、わけもないという風で、小さなねずみいろの切符を出しました。ジョバンニは、すっかりあわててしまって、もしか上着ポケットにでも、入っていたかとおもいながら、手を入れて見ましたら、何か大きな畳たたんだ紙きれにあたりました。こんなもの入っていたろうかと思って、急いで出してみましたら、それは四つに折ったはがきぐらいの大きさの緑いろの紙でした。車掌が手を出しているもんですから何でも構わない、やっちまえと思って渡しましたら、車掌はまっすぐに立ち直って叮寧ていねいにそれを開いて見ていました。そして読みながら上着のぼたんやなんかしきりに直したりしていましたし燈台看守も下からそれを熱心にのぞいていましたから、ジョバンニはたしかにあれは証明書か何かだったと考えて少し胸が熱くなるような気がしました。

「これは三次空間の方からお持ちになったのですか。」車掌がたずねました。

何だかわかりません。」もう大丈夫だいじょうぶだと安心しながらジョバンニはそっちを見あげてくつくつ笑いました。

「よろしゅうございます南十字サウザンクロスへ着きますのは、次の第三時ころになります。」車掌は紙をジョバンニに渡して向うへ行きました。

 カムパネルラは、その紙切れが何だったか待ち兼ねたというように急いでのぞきこみました。ジョバンニも全く早く見たかったのです。ところがそれはいちめん黒い唐草からくさのような模様の中に、おかしな十ばかりの字を印刷したものでだまって見ていると何だかその中へ吸い込こまれしまうような気がするのでした。すると鳥捕りが横からちらっとそれを見てあわてたように云いました。

「おや、こいつは大したもんですぜ。こいつはもう、ほんとうの天上へさえ行ける切符だ。天上どこじゃない、どこでも勝手にあるける通行券です。こいつをお持ちになれぁ、なるほど、こんな不完全な幻想げんそう第四次の銀河鉄道なんか、どこまででも行ける筈はずでさあ、あなた方大したもんですね。」

何だかわかりません。」ジョバンニが赤くなって答えながらそれを又また畳んでかくしに入れました。そしてきまりが悪いのでカムパネルラと二人、また窓の外をながめていましたが、その鳥捕りの時々大したもんだというようにちらちらこっちを見ているのがぼんやりわかりました。

「もうじき鷲わしの停車場だよ。」カムパネルラが向う岸の、三つならんだ小さな青じろい三角標と地図とを見較みくらべて云いました。

 ジョバンニはなんだかわけもわからずににわかにとなりの鳥捕りが気の毒でたまらなくなりました。鷺さぎをつかまえてせいせいしたとよろこんだり、白いきれでそれをくるくる包んだり、ひとの切符をびっくりしたように横目で見てあわててほめだしたり、そんなことを一一考えていると、もうその見ず知らずの鳥捕りのために、ジョバンニの持っているものでも食べるものでもなんでもやってしまいたい、もうこの人のほんとうの幸さいわいになるなら自分があの光る天の川河原かわらに立って百年つづけて立って鳥をとってやってもいいというような気がして、どうしてももう黙だまっていられなくなりました。ほんとうにあなたほしいものは一体何ですか、と訊きこうとして、それではあんまり出し抜ぬけだから、どうしようかと考えて振ふり返って見ましたら、そこにはもうあの鳥捕りが居ませんでした。網棚あみだなの上には白い荷物も見えなかったのです。また窓の外で足をふんばってそらを見上げて鷺を捕る支度したくをしているのかと思って、急いでそっちを見ましたが、外はいちめんのうつくしい砂子と白いすすきの波ばかり、あの鳥捕りの広いせなかも尖とがった帽子も見えませんでした。

「あの人どこへ行ったろう。」カムパネルラぼんやりそう云っていました。

「どこへ行ったろう。一体どこでまたあうのだろう。僕ぼくはどうしても少しあの人に物を言わなかったろう。」

「ああ、僕もそう思っているよ。」

「僕はあの人が邪魔じゃまなような気がしたんだ。だから僕は大へんつらい。」ジョバンニはこんな変てこな気もちは、ほんとうにはじめてだし、こんなこと今まで云ったこともないと思いました。

何だか苹果りんごの匂においがする。僕いま苹果のこと考えたためだろうか。」カムパネルラ不思議そうにあたりを見まわしました。

「ほんとうに苹果の匂だよ。それから野茨のいばらの匂もする。」ジョバンニもそこらを見ましたがやっぱりそれは窓からでも入って来るらしいのでした。いま秋だから野茨の花の匂のする筈はないとジョバンニは思いました。

 そしたら俄にわかにそこに、つやつやした黒い髪かみの六つばかりの男の子が赤いジャケツのぼたんもかけずひどくびっくりしたような顔をしてがたがたふるえてはだしで立っていました。隣となりには黒い洋服をきちんと着たせいの高い青年が一ぱいに風に吹ふかれているけやきの木のような姿勢で、男の子の手をしっかりひいて立っていました。

「あら、ここどこでしょう。まあ、きれいだわ。」青年のうしろにもひとり十二ばかりの眼の茶いろな可愛かあいらしい女の子が黒い外套がいとうを着て青年の腕うでにすがって不思議そうに窓の外を見ているのでした。

「ああ、ここはランカシャイヤだ。いや、コンネクテカット州だ。いや、ああ、ぼくたちはそらへ来たのだ。わたしたちは天へ行くのです。ごらんなさい。あのしるしは天上のしるしです。もうなんにもこわいことありません。わたくしたちは神さまに召めされているのです。」黒服青年はよろこびにかがやいてその女の子に云いいました。けれどもなぜかまた額に深く皺しわを刻んで、それに大へんつかれているらしく、無理に笑いながら男の子をジョバンニのとなりに座すわらせました。

 それから女の子にやさしくカムパネルラのとなりの席を指さしました。女の子はすなおにそこへ座って、きちんと両手を組み合せました。

「ぼくおおねえさんのとこへ行くんだよう。」腰掛こしかけたばかりの男の子は顔を変にして燈台看守の向うの席に座ったばかりの青年に云いました。青年は何とも云えず悲しそうな顔をして、じっとその子の、ちぢれてぬれた頭を見ました。女の子は、いきなり両手を顔にあててしくしく泣いてしまいました。

「お父さんやきくよねえさんはまだいろいろお仕事があるのです。けれどももうすぐあとからいらっしゃいます。それよりも、おっかさんはどんなに永く待っていらっしゃったでしょう。わたし大事なタダシはいまどんな歌をうたっているだろう、雪の降る朝にみんなと手をつないでぐるぐるにわとこのやぶをまわってあそんでいるだろうかと考えたりほんとうに待って心配していらっしゃるんですから、早く行っておっかさんにお目にかかりましょうね。」

「うん、だけど僕、船に乗らなけぁよかったなあ。」

「ええ、けれど、ごらんなさい、そら、どうです、あの立派な川、ね、あすこはあの夏中、ツインクル、ツインクル、リトル、スター をうたってやすとき、いつも窓からぼんやり白く見えていたでしょう。あすこですよ。ね、きれいでしょう、あんなに光っています。」

 泣いていた姉もハンケチで眼をふいて外を見ました。青年は教えるようにそっと姉弟にまた云いました。

わたしたちはもうなんにもかなしいことないのです。わたしたちはこんないいとこを旅して、じき神さまのとこへ行きます。そこならもうほんとうに明るくて匂がよくて立派な人たちでいっぱいです。そしてわたしたちの代りにボートへ乗れた人たちは、きっとみんな助けられて、心配して待っているめいめいのお父さんやお母さんや自分のお家へやら行くのです。さあ、もうじきですから元気を出しておもしろくうたって行きましょう。」青年男の子ぬれたような黒い髪をなで、みんなを慰なぐさめながら、自分だんだん顔いろがかがやいて来ました。

あなた方はどちらからいらっしゃったのですか。どうなすったのですか。」さっきの燈台看守がやっと少しわかったように青年にたずねました。青年はかすかにわらいました。

「いえ、氷山にぶっつかって船が沈しずみましてね、わたしたちこちらのお父さんが急な用で二ヶ月前一足さきに本国へお帰りになったのであとから発たったのです。私は大学はいっていて、家庭教師にやとわれていたのです。ところがちょうど十二日目、今日か昨日きのうのあたりです、船が氷山にぶっつかって一ぺんに傾かたむきもう沈みかけました。月のあかりはどこかぼんやりありましたが、霧きりが非常に深かったのです。ところがボートは左舷さげんの方半分はもうだめになっていましたから、とてもみんなは乗り切らないのです。もうそのうちにも船は沈みますし、私は必死となって、どうか小さな人たちを乗せて下さいと叫さけびました。近くの人たちはすぐみちを開いてそして子供たちのために祈いのって呉くれました。けれどもそこからボートまでのところにはまだまだ小さな子どもたちや親たちやなんか居て、とても押おしのける勇気がなかったのです。それでもわたくしはどうしてもこの方たちをお助けするのが私の義務だと思いましたから前にいる子供らを押しのけようとしました。けれどもまたそんなにして助けてあげるよりはこのまま神のお前にみんなで行く方がほんとうにこの方たちの幸福だとも思いました。それからまたその神にそむく罪はわたくしひとりでしょってぜひとも助けてあげようと思いました。けれどもどうして見ているとそれができないのでした。子どもらばかりボートの中へはなしてやってお母さんが狂気きょうきのようにキスを送りお父さんがかなしいのをじっとこらえてまっすぐに立っているなどとてももう腸はらわたもちぎれるようでした。そのうち船はもうずんずん沈みますから、私はもうすっかり覚悟かくごしてこの人たち二人を抱だいて、浮うかべるだけは浮ぼうとかたまって船の沈むのを待っていました。誰たれが投げたかライフブイが一つ飛んで来ましたけれども滑すべってずうっと向うへ行ってしまいました。私は一生けん命で甲板かんぱんの格子こうしになったとこをはなして、三人それにしっかりとりつきました。どこからともなく〔約二字分空白〕番の声があがりました。たちまちみんなはいろいろな国語で一ぺんにそれをうたいました。そのときにわかに大きな音がして私たちは水に落ちもう渦うずに入ったと思いながらしっかりこの人たちをだいてそれからぼうっとしたと思ったらもうここへ来ていたのです。この方たちのお母さんは一昨年没なくなられました。ええボートはきっと助かったにちがいありません、何せよほど熟練な水夫たちが漕こいですばやく船からはなれていましたから。」

 そこらからさないのりの声が聞えジョバンニもカムパネルラもいままで忘れていたいろいろのことをぼんやり思い出して眼めが熱くなりました。

(ああ、その大きな海はパシフィックというのではなかったろうか。その氷山の流れる北のはての海で、小さな船に乗って、風や凍こおりつく潮水や、烈はげしい寒さとたたかって、たれかが一生けんめいはたらいている。ぼくはそのひとにほんとうに気の毒でそしてすまないような気がする。ぼくはそのひとのさいわいのためにいったいどうしたらいいのだろう。)ジョバンニは首を垂れて、すっかりふさぎ込こんでしまいました。

「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠とうげの上り下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」

 燈台守がなぐさめていました。

「ああそうです。ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。」

 青年が祈るようにそう答えました。

 そしてあの姉弟きょうだいはもうつかれてめいめいぐったり席によりかかって睡ねむっていました。さっきのあのはだしだった足にはいつか白い柔やわらかな靴くつをはいていたのです。

 ごとごとごとごと汽車きらびやか燐光りんこうの川の岸を進みました。向うの方の窓を見ると、野原はまるで幻燈げんとうのようでした。百も千もの大小さまざまの三角標、その大きなものの上には赤い点点をうった測量旗も見え、野原のはてはそれらがいちめん、たくさんたくさん集ってぼおっと青白い霧のよう、そこからかまたはもっとうからときどきさまざまの形のぼんやりした狼煙のろしのようなものが、かわるがわるきれいな桔梗ききょういろのそらにうちあげられるのでした。じつにそのすきとおった奇麗きれいな風は、ばらの匂においでいっぱいでした。

いかがですか。こういう苹果りんごはおはじめてでしょう。」向うの席の燈台看守がいつか黄金きんと紅でうつくしくいろどられた大きな苹果を落さないように両手で膝ひざの上にかかえていました。

「おや、どっから来たのですか。立派ですねえ。ここらではこんな苹果ができるのですか。」青年はほんとうにびっくりしたらしく燈台看守の両手にかかえられた一もりの苹果を眼を細くしたり首をまげたりしながらわれを忘れてながめていました。

「いや、まあおとり下さい。どうか、まあおとり下さい。」

 青年は一つとってジョバンニたちの方をちょっと見ました。

「さあ、向うの坊ぼっちゃんがた。いかがですか。おとり下さい。」

 ジョバンニは坊ちゃんといわれたのですこししゃくにさわってだまっていましたがカムパネルラ

ありがとう、」と云いました。すると青年自分でとって一つずつ二人に送ってよこしましたのでジョバンニも立ってありがとうと云いました。

 燈台看守はやっと両腕りょううでがあいたのでこんどは自分で一つずつ睡っている姉弟の膝にそっと置きました。

「どうもありがとう。どこでできるのですか。こんな立派な苹果は。」

 青年はつくづく見ながら云いました。

「この辺ではもちろん農業はいしますけれども大ていひとりでにいいものができるような約束くそくになって居おります農業だってそんなに骨は折れはしません。たいてい自分の望む種子たねさえ播まけばひとりでにどんどんできます。米だってパシフィック辺のように殻からもないし十倍も大きくて匂もいいのです。けれどもあなたがたのいらっしゃる方なら農業はもうありません。苹果だってお菓子だってかすが少しもありませんからみんなそのひとそのひとによってちがったわずかのいいかおりになって毛あなからちらけてしまうのです。」

 にわか男の子がぱっちり眼をあいて云いました。

「ああぼくいまお母さんの夢ゆめをみていたよ。お母さんがね立派な戸棚とだなや本のあるとこに居てね、ぼくの方を見て手をだしてにこにこにこにこわらったよ。ぼくおっかさん。りんごをひろってきてあげましょうか云ったら眼がさめちゃった。ああここさっきの汽車のなかだねえ。」

「その苹果りんごがそこにあります。このおじさんにいただいたのですよ。」青年が云いました。

ありがとうおじさん。おや、かおるねえさんまだねてるねえ、ぼくおこしてやろう。ねえさん。ごらん、りんごをもらったよ。おきてごらん。」

 姉はわらって眼をさましまぶしそうに両手を眼にあててそれから苹果を見ました。男の子はまるでパイを喰たべるようにもうそれを喰べていました、また折角せっかく剥むいたそのきれいな皮も、くるくるコルク抜ぬきのような形になって床ゆかへ落ちるまでの間にはすうっと、灰いろに光って蒸発してしまうのでした。

 二人はりんごを大切にポケットしまいました。

 川下の向う岸に青く茂しげった大きな林が見え、その枝えだには熟してまっ赤に光る円い実がいっぱい、その林のまん中に高い高い三角標が立って、森の中からオーケストラベルやジロフォンにまじって何とも云えずきれいな音いろが、とけるように浸しみるように風につれて流れて来るのでした。

 青年はぞくっとしてからだをふるうようにしました。

 だまってその譜ふを聞いていると、そこらにいちめん黄いろやうすい緑の明るい野原か敷物かがひろがり、またまっ白な蝋ろうのような露つゆが太陽の面を擦かすめて行くように思われました。

「まあ、あの烏からす。」カムパネルラのとなりのかおると呼ばれた女の子叫びました。

からすでない。みんなかささぎだ。」カムパネルラがまた何気なくしかるように叫びましたので、ジョバンニはまた思わず笑い、女の子はきまり悪そうにしました。まったく河原かわらの青じろいあかりの上に、黒い鳥がたくさんたくさんいっぱいに列になってとまってじっと川の微光びこうを受けているのでした。

「かささぎですねえ、頭のうしろのとこに毛がぴんと延びてますから。」青年はとりなすように云いました。

 向うの青い森の中の三角標はすっかり汽車の正面に来ました。そのとき汽車のずうっとうしろの方からあの聞きなれた〔約二字分空白〕番の讃美歌さんびかのふしが聞えてきました。よほどの人数で合唱しているらしいのでした。青年はさっと顔いろが青ざめ、たって一ぺんそっちへ行きそうにしましたが思いかえしてまた座すわりました。かおる子はハンケチを顔にあててしまいました。ジョバンニまで何だか鼻が変になりました。けれどもいつともなく誰たれともなくその歌は歌い出されだんだんはっきり強くなりました。思わずジョバンニもカムパネルラも一緒いっしょにうたい出したのです。

 そして青い橄欖かんらんの森が見えない天の川の向うにさめざめと光りながらだんだんしろの方へ行ってしまいそこから流れて来るあやしい楽器の音もも汽車のひびきや風の音にすり耗へらされてずうっとかすかになりました。

「あ孔雀くじゃくが居るよ。」

「ええたくさん居たわ。」女の子がこたえました。

 ジョバンニはその小さく小さくなっていまはもう一つの緑いろの貝ぼたんのように見える森の上にさっさっと青じろく時々光ってその孔雀がはねをひろげたりとじたりする光の反射を見ました。

「そうだ、孔雀の声だってさっき聞えた。」カムパネルラがかおる子に云いいました。

「ええ、三十疋ぴきぐらいはたしかに居たわ。ハープのように聞えたのはみんな孔雀よ。」女の子が答えました。ジョバンニは俄にわかに何とも云えずかなしい気がして思わず

カムパネルラ、ここからはねおりて遊んで行こうよ。」とこわい顔をして云おうとしたくらいでした。

 川は二つにわかれました。そのまっくらな島のまん中に高い高いやぐらが一つ組まれてその上に一人の寛ゆるい服を着て赤い帽子ぼうしをかぶった男が立っていました。そして両手に赤と青の旗をもってそらを見上げて信号しているのでした。ジョバンニが見ている間その人はしきりに赤い旗をふっていましたが俄かに赤旗おろしてうしろにかくすようにし青い旗を高く高くあげてまるでオーケストラ指揮者のように烈はげしく振ふりました。すると空中にざあっと雨のような音がして何かまっくらなものがいくかたまりもいくかたまり鉄砲丸てっぽうだまのように川の向うの方へ飛んで行くのでした。ジョバンニは思わずからからだを半分出してそっちを見あげました。美しい美しい桔梗ききょういろのがらんとした空の下を実に何万という小さな鳥どもが幾組いくくみも幾組もめいめいせわしくせわしく鳴いて通って行くのでした。

「鳥が飛んで行くな。」ジョバンニが窓の外で云いました。

「どら、」カムパネルラもそらを見ました。そのときあのやぐらの上のゆるい服の男は俄かに赤い旗をあげて狂気きょうきのようにふりうごかしました。するとぴたっと鳥の群は通らなくなりそれと同時にぴしゃぁんという潰つぶれたような音が川下の方で起ってそれからしばらくしいんとしました。と思ったらあの赤帽信号手がまた青い旗をふって叫さけんでいたのです。

「いまこそわたれわたり鳥、いまこそわたれわたり鳥。」その声もはっきり聞えました。それといっしょにまた幾万という鳥の群がそらをまっすぐにかけたのです。二人の顔を出しているまん中の窓からあの女の子が顔を出して美しい頬ほほをかがやかせながらそらを仰あおぎました。

「まあ、この鳥、たくさんですわねえ、あらまあそらのきれいなこと。」女の子はジョバンニにはなしかけましたけれどもジョバンニは生意気ないやだいと思いながらだまって口をむすんでそらを見あげていました。女の子は小さくほっと息をしてだまって席へ戻もどりました。カムパネルラが気の毒そうに窓から顔を引っ込こめて地図を見ていました。

「あの人鳥へ教えてるんでしょうか。」女の子がそっとカムパネルラにたずねました。

わたり鳥へ信号してるんです。きっとどこからのろしがあがるためでしょう。」カムパネルラが少しおぼつかなそうに答えました。そして車の中はしぃんとなりました。ジョバンニはもう頭を引っ込めたかったのですけれども明るいとこへ顔を出すのがつらかったのでだまってこらえてそのまま立って口笛くちぶえを吹ふいていました。

(どうして僕ぼくはこんなにかなしいのだろう。僕はもっとこころもちをきれいに大きくもたなければいけない。あすこの岸のずうっと向うにまるでけむりのような小さな青い火が見える。あれはほんとうにしずかでつめたい。僕はあれをよく見てこころもちをしずめるんだ。)ジョバンニは熱ほてって痛いあたまを両手で押おさえるようにしてそっちの方を見ました。(あ Permalink | 記事への反応(0) | 22:20

2021-01-19

anond:20210119190456

別に専門家じゃないけど

昔の音楽の人は、クラブスペースで鳴らすことを考慮してるって言うか、

スピーカーでのアウトプット主体

その次が高音質のヘッドフォン再生した時の音。

そこで音圧(体にずんずんとくる感じ?簡単に言えば)がないと物足りないと感じる

でもAyase氏はパソコンからイヤホンで聞いただけでアウトプットしちゃってるから

音の圧が足されてないってことなんじゃないの

普通レコーディングスタジオでやるから、音校正用のスピーカーで鳴らしたりとかするから

プリセットは音の事じゃなくてイコライザのことね

2020-12-18

パピヨンかわいいよ!!!

飼い犬が蹴り殺されるという痛ましい事件が発生した。

https://www.asahi.com/articles/ASNDK5JTWNDKUTNB00D.html

この記事を受けて私が言いたいことは4つだ。

  • 犬を蹴るな大馬鹿野郎
  • 飼い主が犬を守らなくてどうする。

たまたまそのときだけ首輪がすっぽ抜けた可能性も否定できないし、まともな人なら自分の過失を悔いていないはずはないので外野から騒ぐのはここまでにする

  • 犬がただただ可哀想。なんの罪もないのに、痛かったよね怖かったよね…人間がひどいことしてごめんね…
  • あれ?なんとなくだけどパピヨン知名度低くない?

上3つは書くのも辛い話なので、ちょっとパピヨンの魅力だけ語らせてほしい。

増田スペックパピヨン飼育歴16年、去年の今頃パートナーを看取った(要するに素人

n=1の例とか主観とかも多く含まれるのはすみませんだってかわいいんだもん。

あと他の犬種雑種もそうだよっていう人、語ろう。うちのはたまたまパピヨンだったが、犬がみんなかわいいのは真理だ。



パピヨンとは

パピヨンのいいところ!

性格がいい

もちろん個体差はあるが、大きく「明るくて活発」タイプと「おとなしくて温厚」タイプの2種類で軒並み性格がいい。

うちの犬は前者で、初めて出会ったときうなぎみたいに身をくねらせながらベロベロ喜んでた。

友達の家にいた子は後者で、初めて会ったときは控えめにキスをしてくれた。

基本的人間を好きになってくれるし、頭がいいので飼い主が喜ぶことをきちんと把握して「これで伝わるだろ?」って愛情表現してくれる。

その出自から狩猟本能闘争本能もどこ行ったって感じで優しいので、他の動物とも仲良くできる。

さな同居人に手を出すことはない。小鳥や子うさぎにやられて悲鳴を上げてるところは何度か見たけど犬が怒ってるところは見たことない。

頭がいい

もちろん個体差はあるが、賢い犬種ランキングでみるとパピヨンは8位。小型犬では唯一のトップ10入りだ。

人の言葉理解するし、逆に犬の言葉人間に伝わるよううまく表現できる。

賢いエピソードとして、鏡越しに目を合わせてくれることとか、「布団を敷いて」「一緒にゴロゴロしよう」という2文節の要求人間に分かるように伝えてきたこととか。

なでてアピール無視して寝てたら手のひらの上をゴロゴロ転がりだしたのは、賢いエピソードなのかおバカエピソードなのか判断に迷う。

身体がいい

もちろん個体差はあるが、健康で丈夫。犬種特有のかかりやす病気というものほとんどない。

犬は(猫も)人間の都合で品種改良されてきた都合上、負担のかかる造形になってしまっていることがある。

例えばダックスフンドは胴が長いので腰痛になりやすいとか、ブルドッグはたるんだ皮膚の部分が皮膚炎になりやすいとか。

パピヨンサイズこそ小さいものの狼とたいして変わらないフォルムなので、そういう病気につながる形質が特にないらしい。

小型犬なので、骨が細いとか膝の皿が外れやすいとかはあるが、小型犬の中ではそんなに弱くない。

なぜかというと小型化の歴史がかなり長いから。100年単位ゆっくりゆっくり小型化していったため、あまり体に負担がなかったと言われている。

活発で運動神経もいいのでよく動くが、うちの犬も生涯一切の怪我なく、風邪も引かなかった。ぴんぴんころり。

あと運動しすぎて肉球が分厚くぷにぷに気持ちよかった。冷たい雪の上も平気でずんずん歩けるしっかりした肉球だ。

見た目がいい

もちろん個体差があるがみんなかわいい。これは真理であり裏も表もない。かわいい

タヌキ顔もキツネ顔もみんなかわいいおでこが広い子も狭い子もみんなかわいい。斑が多い子も少ない子もみんなかわいいかわいい

毛は長毛。スーツで抱っこでもしたら悲惨なことになるが、シングルコートなので実は見た目ほど毛が抜けない。見た目ほどは。

街を歩くたびに「まあきれいにお手入れして~」なんて褒められるけど、一回もトリミングしてない。いい感じの長さを勝手キープしてくれてるだけ。

最大の特徴である大きな耳もパタパタ動いてかわいい。お風呂に入れると全体的にしょぼくれて、でも耳の大きさだけ変わらなくて宇宙人かわいい

くるりと巻き上がったしっぽも感情に合わせてよく揺れてかわいいブンブン振ると、ながい毛がふわわーふわわーと周期をずらして揺れる。

キラキラの目が何より最高だ。澄んだ瞳で、どこまでもまっすぐにこちらを見つめてくる。

犬は人と目が合うだけで幸せになるというけど、人も犬と目を合わせるだけで救われるんだ。

まとめ

パピヨンは見た目も中身も完璧に最高だ!

おまけ

人間好きでグイグイ行っちゃう子もいるし吠える子もいるから、犬が苦手な人にはどうだろうな…本来怖い犬では決してないよ。

まあ人を噛むような性質の犬じゃないし、百歩譲って本気で噛まれてもまず怪我しない、と思う。

自分の知らないパピヨンいるかもしれないし、絶対と言えないのが歯がゆい

  • 犬にいきなり襲われたら蹴るしかなくない?

頭と首を守ろう。こっちが攻撃したら犬がもっと攻撃的になることもあって危ないよ。

でも本当の意味でいきなり襲ってくる犬は他の動物と同様そんなにいないと思う。

その意識があるだけで、「いきなり襲ってきたように見える」状況でもちょっと冷静に判断できないかな?だめ?

どうしても蹴らないでほしいんだよね…

大型犬も蹴らないでほしいし殺してほしくないなと思います

どんな状況でも犬を優先しろとは決して言えないけど、どんな状況でも犬には罪はないんです…

怖いよね。でも「だから犬に噛まれそうになったら蹴っても(or殺しても)構わん」は論理の飛躍じゃないかな。

ちなみに増田兄弟も幼少期にちょっと様子のおかしい犬に噛まれてたよ。調べてみたら幸い病気持ちではなかったようだけど。

増田海外で半野良の犬にちょっとまれた。

日本では狂犬病は撲滅されているはずだけど、もし様子のおかしい犬や海外犬に噛まれたら病院で調べてもらってね。

  • 足元にじゃれついてくると踏んだり蹴ったりしそう

わかる。一応、踏んだり蹴ったりしそうだなーっていう意識が頭の隅にあると致命的な踏んづけや蹴っ飛ばしはしにくいってどこかの獣医さんが言ってた。

手を繋ぐ代わりだからどんどんリードつけよう。散歩の催促のためにリードと人の顔を交互にみる犬はかわいいぞ。

2020-12-06

anond:20201206124933

避けない女性(すべての女性じゃないぞ)は、遮る物のない正面同士で行き違う時でも、避けようとしないのだ。身長関係しようがない。

これはマジでそう

住宅街ウォーキングしてても避ける気ゼロずんずん進んでくる女性普通にいるか

そのままぶつかったら騒がれそうだから避けるけど、そのへんも打算に入れてそうなとこが本当にウザい(すべての女性ではありません)

2020-10-15

映画館で働いてる人が鬼滅公開に怯えて書いたの

映画館で働いている人間が鬼滅公開にビビちらして書いたものです。

とはいえ鬼滅に限らず全ての映画共通する所もあると思いますので興味のある方は軽く読み流してくれたら嬉しいです。


※この記事は鬼滅含む特定映画侮辱する目的で書いたものではありません。

あくまで私が勤務している映画館基準に書いてあるので、違った仕様映画館もあるということをご理解いただいた上でお読みください。



入場時の混雑

ここからは鬼滅が公開されたらこれが怖いな~と思うことをいくつか挙げていきます

まずは入場時。場所にもよるかもしれませんが、現在私が働いている映画館では


検温→チケット確認→入場者プレゼントがある場合は渡す


という感じなのですが、検温の機械髪型などによっては認識が遅く時間がかかる場合があり、また鬼滅のように上映時間が多い作品特にチケット記載されている時間や日付などもしっかり確認してからお客さんを通さなければなりません。(間違えて明日チケット買っちゃった!という方、意外と多いです)


まり1人1人をお通しするのに少し時間がかかってしまます

お客さんごとに○番スクリーンです!ごゆっくりどうぞ~!と言うのも結構しんどくて、過去に酸欠?でフラフラしてしまたことが何度もあります


検温後安心してしまってチケットを見せずにずんずん入っていこうとしちゃうお客さんや、チケット提示をお願いしてからやっとカバンや財布からチケットを探し始めるお客さん、こちらには見えない角度でチケットを見せてくるお客さん、作品タイトルや上映時間などこちらが確認しなければいけない部分の文字を指で隠しちゃうお客さん(わざとではないと思いますが)がとても多いので、少し気にかけて頂けたら多少スムーズにご入場いただけると思います


マスクをしない方

2歳未満のお子様以外はマスク着用をお願いしております。お持ちでない方はグッズ売り場で販売しているマスクをご購入いただき、着用してから入場していただいております

以前「マスクいるなら先に言えよ!そんなの買う金ない!(50円です)もう映画始まるだろ!」と怒ってチケットゴミを床に投げ捨てて帰っていったノーマスクお客様がいらっしゃいましたが、このご時世に人が大量に集まる映画館マスクするに越したことはないので……そして入場にも時間がかかってしまうので、特別事情がない限りはマスクを着用してからご来館下さい。


混んでいることに対してキレる方

こちらの手際が悪くなってしまうのは申し訳ないのですが、人気作品の公開直前はどうしても混んでしまます

ご了承ください。


使用禁止座席に座る方

現在1席ずつ感覚を空けてお座席販売しております

販売していないお座席に座れないようにしている色々工夫している映画館は現状たくさんあると思いますが、それを勝手に剥がすなりほどくなりして隣同士で座ってしまお客様がたまにいらっしゃいます

以前その件でお客様同士でトラブルになったことがあるので、必ず購入したお座席チケット記載されている番号のお座席)に座ってくださいね

お子様が寂しがってしまうなどの場合は、これもまた劇場によると思いますがうちの場合保護者の方のお膝の上で見ていただくようにしています


ポイ捨て

お客様ゴミ捨て場だと思っている場所

・床

椅子の隙間(隠す)

椅子の下(隠す)

ドリンクホルダー

トイレ荷物置き場

トイレ汚物入れ(生理用品を捨てる場所

ロビーソファの隙間(隠す)

ゴミ


などが挙げられますが、実際のゴミ捨て場は


ゴミ


のみです。


かなりざっくり書くと、若者向けの作品ほどポイ捨てが多く、大人向けの作品ほど上映後も劇場内はきれいです。(例外もありますが…)

鬼滅は年齢層が幅広いですが、どちらかというと前者に分類されるかなと思うので、あの怒涛の上映回数ぶんの清掃を想像するとちょっと怖いです。


当たり前ですが、ゴミゴミ箱に捨ててください。また使ったチャイルドシートポップコーンなどをのせるトレーは座席や床に置きっぱなしにせず返却する場所に戻していただけると本当に本当に助かります


あと先述の通りマスクを着用している方のみ劇場内に入っていただいているのですが、お帰りの際床や座席の隙間にマスクを捨てていく方山の如しです。

特に使用禁止座席の隙間にゴミを捨てていくお客様がとっても多いのですが、お客様の間で流行っているのでしょうか…)


それを片付けるのがお前らの仕事だろと言われたらそれは勿論そうなのですが、清掃が終了次第次の回を開場しているので、場内が散らかっていれば散らかっているほど次の回の開場が遅くなります

その間に次回待ちの方がどんどんロビーに溜まって密になってしまうというわけです。

ゴミ箱はとっても便利なのでよろしければ是非活用してみてください…


落とし物

スマホ、鍵、傘、財布などの忘れ物は混んでるときすごく多くなります

うちは落とし物を拾った際、拾った日時、場所、物の特徴等を台帳に記入しなければならないのですが、土日は恐ろしいことに死ぬほど溜まります

平日は0~3個くらいしか拾わないのに対し、休日20個くらい拾うこともあります

座ったお座席トイレ荷物置き場、ロビーにあるソファ等、その場から立ち去るときに持ち物がちゃんとあるか一瞬だけでも確認していただけたらとっても助かります


グッズ売り場

これも以前の話ですが、混雑時に


お客さん「パンフレット…」

私「何の作品ですか?」

お客さん「Fate…」

私「豪華版と通常版がございますが…」

お客さん「豪華版…」


というやりとりをしたことがあります

お客様のほうでうまく喋れない事情があるかもしれないので強くは言えませんが、この場合Fateの豪華版のパンフレット下さい」と簡潔に言っていただけるとお会計スムーズです。


余談ですが映画の公開がはじまるとパンフレットが売れなくなるのでチラシは置かなくなります

どうしてもチラシが欲しい場合は上映が始まる前に映画館に行きましょう。(もし無くなってたりしても怒らないであげて…)


チャイルドシート

お子様連れのお客様が多いとチャイルドシートがなくなってしまう(全て使われてしまう)可能性があります

子供向け作品を多数上映していた頃に実際そういうことがあり、お怒りのご意見をいただいたこともあります

本当に本当に申し訳ないのですが、怒ってもチャイルドシートが出てくるわけではないのでこちらとしては謝ることしかできません。

今は一列ずつ段差がある映画館ほとんどなので身長が高い方が近くに座っていても画面が見づらいということはなかなかないですし、上下左右のスペースも空いているので、全然見えない!ということはあまりないと思いますが、万が一チャイルドシートが使えない場合こちらも保護者の方のお膝の上でご鑑賞をお願いすることになるかもしれません。

チャイルドシートが無くなることは本当にめったにないので、今回そうなった場合どういう対応を取るかは私にもまだはっきりとは分かりません…)



その他ちょっとしたことですが気を付けたほうがいいかも?なこともいくつか挙げておきます


羽織ものがあったらいいか

このご時世なのでブランケットの貸し出しを中止している映画館も多いのではないかと思います

一応スタッフ劇場内の温度チェックをしてたりもしますが、忙しくてバタバタしているスタッフは大体暑がっているので自分体感温度をあまり信じられていなかったりします…。(毎回絶対そうというわけではないですが、そういうこともあるということです)

また、もしスタッフにお声がけできそうであれば「○番スクリーン寒い暑い)です」と言っていただければ調整させていただきます


入場者プレゼントいらないなら言ってね

入場者プレゼントポイ捨てされていることもかなり多いです。いらないと言っていただけたら無理にお渡しすることはありません。


トイレ使ったらちゃんと流してね

忙しい日でなくても流れてないのを1日に何度か必ず見ます

また、非常用通報ボタンを流すボタンと間違えて押してしまう方もたくさんいます

流す前・後はすこし注意してくださいね…!



もっと考えればまだまだ注意点はあると思いますが、以上のことを少しでも頭に入れておいていただけたら嬉しいなと思います

あと当たり前すぎて書かなかったんですけど、上映中のおしゃべりや電子機器の利用はダメですよ!エンドロール中もダメです!どうしてもしゃべりたい/スマホ見たい場合は一度劇場の外へ…!

エンドロール中にスマホいじりはじめた人にブチギレた人が胸倉掴んで言い合いになって映画上映後もずっと喧嘩してた事件とか、過去にあったので!

それと熱ある人は治ってからきてね!!!


いろいろ口うるさく書いてしまい気分を害してしまった方がいたら申し訳ございません。

皆様が楽しい映画ライフを過ごせますようお祈りしております

ここまで読んでいただきありがとうございました。



201016追記)たくさん読んでいただきありがとうございますアイドルタイムプリパラを見てください。マイドリはいいぞ

2020-10-09

久しぶりに声かけ事案にあった。

 中学生の頃以来? あ、そういえば大学生の頃に自転車で走ってるところを遮られて町役場場所を聞かれたり、成人して数年経ってから駅で「いくら?」って聞かれたことならあった。まあ、「いくら?」おじさんのときは道行く若い女性全員がその人に声をかけられていたので、私がターゲットとは言いがたいけど。

 今日声かけ事案は、夜10時過ぎ、仕事場の外の物置に一人で重い物をしまっている時に起こった。幸いにも、誰か背後から忍び寄って来ていることに気づいた時は荷物を物置に全部入れ終わる寸前だった。なので気付かないふりをして物置のドアを閉め、台車を押しつつ変質者の方に歩いて行くことが出来た。

 わざわざ変質者の方へ悠々歩いて行くというのも変な行動だけど、変質者のいるところが仕事場の正面に通じている場所であり、見通しの良い駐車場で、街灯も煌々と点いているので、そっちに行くしかないのだ。そしてそうやってこっちからずんずん距離を詰めていったのが功を奏したようでもあった。知らんけど。

 男が急にしどろもどろし始めたので、

「こんばんは。どうかなさいましたか?」

 と声をかけた。

 男はずいぶん痩せていて、街灯の明かりに照らされた顔は骸骨のようで、落ち窪んだ両の眼窩の中で大きな目がギラギラしているのが印象的だった。歳は60歳くらいか、老けて見える50代といったところ。話しの全く通じない狂人という感じではなかった。

「あーえーと」

 と男が言いよどんでいるうちに、もしかしてこの人行きなりバッとズボンパンツ脱いじゃう系の人かなあ。そういう人って、こっちが良いリアクションちゃうと、味をしめて何度も脱ぎに来るんだよねぇ……と考えた。恐怖が天元突破したらそんなことを真面目に考えながら営業スマイルを繰り出せるようになるらしい。私、意外とお便利機能搭載では。

 立ち止まったまま、変質者が話すのを待っていたら、変質者は唐突に、

あなたが好きでーす!」

 と言った。なるほど、と思ったが一体何がなるほどなのか自分でもわからない。わからないまま黙って頷いた。

「好きなんですけど、えー、もしかして彼氏かいますか?」

 と、変質者が言ったので、私は答えた。

「いえ、夫がおります

「ああ、そうですか」

 と、変質者がテンション低く言ったので、私は「それでは失礼いたします」と、深々と一礼して、台車を押して店内に戻った。

 物置に荷物を入れている最中に背後からそろりそろりと近付いて来ていた変質者。シチュエーション的に強姦する気満々の奴だけど、普通に対応したら普通に去って行ったなぁ。性犯罪者性犯罪依存症であるということを何かで読んだことがあるけど、性犯罪者性犯罪者で、加害しやすそうな私を見っけたから加害しようという気がムラムラ起きてしまったけど、加害できなくてあー良かったとホッとしていたりもするんだろうか?知らんけど。

 まぁ、変態だよなぁ……。

 事務所に戻って仕事仲間と監視カメラ映像を見たら、変質者はしばらく駐車場をうろうろしていたが、品物の搬入に来た業者トラックが変質者の車近くに停まると、変質者はそそくさと車に乗り込んで去って行った。

2020-09-13

ぼんがぼんがみたいな言葉あつめ

・がんがん

・がしがし

・じゃんじゃん

・じゃかじゃか

ずんずん

・どかどか

・どしどし

・どんどん

ばんばん

・ぼかぼか

・ぼこぼこ

ぼんぼん

・ぼんがぼんが

・ぽんぽこ

・ぽんぽん

2020-09-02

瀬田文学

 二十三時過ぎ、ホテルを出て近所にある和食さとへ向かった。道中、大通りをまたぐ信号を待つ間に何となく周りに目を向けると左方のフェンスに簡易な近隣の地図が括られている。近くに池がいくつもあるようだ。興味を惹かれたので食後に出向くことにした。地図を眺めつつ待つも一向に信号が変わらない。押しボタン式だった。ボタンを押ししばらく待つがやはり青にならない。車の通りが収まっていたので無視して渡った。

 和食さとでは刺身天ぷらいくらかの小鉢のついたようなセットを食ったが大して美味くもなく、胸焼けに似たような妙な不快感が残った。

 店を出て先の地図記憶を頼りに池を目指す。時折地図アプリを参照しつつ最寄りの池を目指すとすぐに着いた。四方を柵で囲まれセメントで岸を固められた、実用を旨とした何の風情もない水たまりだった。過度な期待をしていたわけでもないので、特段失望もなくしばらく柵に肘をついて暗いばかりの水面を眺めた。

 次の池を探して再び地図アプリを開く。目についたのは一つの長方形区画で、短辺に平行に三等分すると、端の三分の一が池で、残りは陸になっており、碁盤の目に道が走っている。また道の周囲が緑色で表されていることから樹木が茂っていることが窺われる。最も目を惹くのは池の中央に浮かぶ円形の陸で、そこへは陸から小路が一本延びている。いかなる場所だろうかと地図をよく見れば霊園だという。深夜に何の縁もない自分が訪ねるのも罰当たりな気がしたけれども、近隣の住民迷惑のないよう静かに立ち入る分には問題ないだろうと自分を納得させ墓地へと向かう。

 その区画境界まで着いたが周囲にはフェンスが張り巡らされており入れない。どこかに切れ目はないかと沿って歩くうち、フェンスに括られた地名表示板を見つけた。ここは月輪つきのわ)だという。

 この名前に触発されて月を見る。今夜は多少雲がかかっているけれども月は八分以上満ち、月明かりを確かに感じる。この優れた月の晩に月輪で池と共に月を眺めるのは非常にふさわしい気がして、池への期待が一層高まった。しかし一向にフェンスの切れ目は見つからず結局フェンスに沿って立つ人家に突き当たってしまった。どうにか入れないか迂回路を探すが地図を見る限り確実に入ることのできそうな場所はあれど、霊園を跨いだ対角側にあり遠い。そこまで行くのは面倒だが、諦めるのも早い気がして、回り道しつつ再びフェンス沿いへと歩き戻るうち気づけば他の池の近辺まで来ていた。その池の名を見ると月輪大池とあり、名前から言ってこちらの池の方がよっぽど立派そうなので、霊園の方はやめ、こちらの池に向かうことにした。

 その池は名に違わぬ立派な池で、近くまで寄ると鳥居が目に入った。その上部に掲げられた文字を見れば龍王神社だという。龍と池という組み合わせが不穏で、気味は悪いが入って見ることにした。鳥居をくぐると白い石の敷き詰められた参道が長く伸び、道の両脇には石灯籠が一列ずつ密に立ち並び、周囲の闇の中でそれらのみが微光を発するように浮き上がっている。それは幽玄さを感じさせるものではあれど古典的怪談舞台のようでもあり、すっと背筋が寒くなる思いがした。足を踏み出すと砂利は一歩一歩が僅かに沈みこむほどに厚く、粉を纏う玉砂利を踏んだときのあの軋む感覚が足の裏を伝わった。参道を歩む途中振り返ると、石灯籠の列が遥かに見え、正面を向き直るとやはり前方にも石灯籠に縁取られた道が長く続く。私は明らかに恐怖を感じた。それでも時折振り返りつつ歩みを進めた。

 やがて参道が果て、二つ目鳥居に辿り着いた。それをくぐり、二、三歩進み周囲を見渡す。正面には拝殿があり、周囲は薄く木々で覆われており暗いが、左方の木立の隙間からわずかに月明かりが漏れ、その先に池が垣間見える。目が慣れるまで待とうと立ち止まって周囲を見ていると、突然右方からかにふうふうと浅く早い吐息のような音が聞こえた。慌ててそちらに目を向けるが何もいない。そこには背の低い茂みがあり、その陰に何らかの獣でもいる可能性は否定できないものの、茂みの大きさからいってあまりありそうもない。微かな音だったか幻聴かもしれない。ともかくしばらくその方向を睨んだ後、気にしないことにした。

 正面の拝殿に参拝し、木立の隙間から池の方へ抜けようとそちらに向かうと、途中に小さな社があった。そこにも参拝した後、岸へと抜けた。月輪大池は非常に大きく、正面を向くと視界に収まらないほどの横幅がある。奥行きは向こう岸一帯が闇に融けているためはっきりとはしないが、その先にある人家のシルエットの大きさから推するに、それほど深い訳ではないだろう。それでも立派な池だ。月は私の背面にあり先ほどよりもやや濃く雲に覆われ、ぼやけていた。月と池を同時に眺められないのは残念ではあるがしばらくそこに佇み、交互に見た。そろそろ戻ろうと思いつつ、ふと脇に目を遣ると池を跨いで石灯籠の列が見えた。またあの道を行くと思うと気が進まない。「行きはよいよい・・・」などとふざけて呟き、気を紛らわせつつ帰路につく決心を先延ばしにしながら周りを見渡していると岸に沿って道が伸びているのに気が付いた。先を覗くとずっと続いており、先には低い丘とその上には東屋が見える。そちらから抜けることにした。

 東屋まで行くと、隣接して高いフェンスで囲まれた芝生のグラウンドがあった。無論人はいない。グラウンドへ入りずんずんと歩く。微風が吹き抜けている。中央辺りで芝生に触れると僅かに湿り気を含んでいるが濡れるほどではない。尻をついて座り、月を眺める。月は一層雲に覆われ今や輪郭も寸断され最早奇形の灯が天に浮かんでいるばかりだ。明瞭に見えたならばどれだけいいだろうと思いつつ、眺めているとしかしこの月も美しく見えて来、私は今更になって朧月なる観念を再発見したのだった(*1)。普段酒を飲まないけれども、この時ばかりはあたりめもつまみながら飲めたらどれだけ気分がいいだろうかと感じた。準備をしてまた来るのを心に決めた。

 ひとしきり眺めた後、地図で帰り道を探す。グラウンドの逆側から抜け、道路下りつつ戻る道を見つけた。グラウンドを抜けると、公衆便所があり煌々と光を放っていた。少し尿意はあったがまだ余裕があるためそのまま過ぎた。淡々ホテルへと向かう。

 しばらく歩いたのち尿意が強まってきた。近くに便所が無いため立ち小便も考えるが違法なので出来る限りは避けたい。しかし同時に私が立ち小便をしたところで、ばれる筈もなく誰が咎めることができるだろうかという不敵な気分もあった。歩き続けるうち住宅地の間に公園を見つけた。それは家屋の列と列の間に取り残された三日月状の領域に造られた小さな公園で簡易な遊具が並んでいる。ここの公衆便所を使おうと外縁に沿って歩きつつ中を伺うが見つけられない。どうやら無いらしい。私は憤慨した。便所のない公園などありふれていることは承知しているけれども、わざわざ今現れなくてもいいだろうと怒りが湧き、本来ならば便所のあってしかるべき空白に、あてつけに尿を撒いてやろうかと考えたが、この静寂の中放尿すればそれなりに音が響くに違いなく、周囲の住人に聞かれることを考えると不安になり止した。私の尿意限界近くまで高まっていた。地図アプリを見るとまだ二十分以上は歩かなくてはならない。どう考えてもホテルまでもつとは思えないが、ともかく足を進めると、見覚えのある道に出た。行きに通った道だ。記憶を辿ればこの先は道路建物が立ち並ぶばかりで立ち小便できるような茂みはない。一度足を止める。地図アプリを見るとすぐ右に行けば公園があることが分かったので、歩道脇の草むらを横切り、駐車場を過ぎ、公園へと向かう。この公園は先のとは異なり、庭園やら広い芝生やらがある大規模な公園だった。どこに便所がありそうか見当もつかないが、ひとまず建物が目についたのでそこへ向かった。しかしそこには施錠された建物があるのみで便所は見当たらない。建物に挟まれた道の奥へ行くと芝生が敷いてあり、奥に池、周囲には植え込みがある。この植え込みの陰で済まそうかと考えながら歩いているとある看板が目に入った。曰く、「山の神池では釣りをしないでください」。なんという名前だろうか。信仰心のない私でも山の神を冠する池で立ち小便をするのは流石に気が引けた。道を戻る。もう限界が近く、考える余裕もない。諦念が私を支配した。自らの限界、ただそればかりのためにどんな平行世界においても便所存在しないような場所を私は尿で汚すのだと、敗北感を感じつつ、間近の立ち小便に都合のいい場所を探して歩くうち、左手に蔦で上方が覆われたプレハブが現れ、「公衆」の文字が目に入った。慌ててその文字の続きを追うと、蔦で部分的に隠れているけれども確かにトイレ」の文字が続いていた。降って湧いたような都合のいい便所に驚いたが、ありがたく使うことにした。入り口のドアには窓がついており中は真暗だ。スライドドアを開き、中をスマートフォンライトで照らすが照明のスイッチは見つからない。もしや時間帯によっては電気がつかないのだろうかと不安を感じるも、これ以上我慢できないので闇の中でも済ませるつもりで足を進めるとカチとスイッチの入る音がし、灯りがついた。人感センサーがついていたようだ。無事に用を足した。非常な安堵を感じ、軽快な気分でホテルへと帰った。

 風呂に入るなどしつつ明日のことを考えた。出来れば龍王神社を改めて太陽の下で見たい。しかしすでに四時近くになっている。明日のチェックアウトは十一時までで、今から寝るとなるとぎりぎりまで眠ることになるだろう。午後のバイトを考えると十二時頃には瀬田を出なくてはならず、一時間で往復するのは不可能なので恐らくは無理だろうと諦め半分で床に就いた。

 翌朝九時過ぎに目が覚めた。まだ眠気はあり、もう一寝入りしようとするも寝付けない。それならばということで、龍王神社を見に行くことにした。

 日の光の下では龍王神社はありふれた田舎神社だった。あの幽玄さを湛えていた石灯籠は改めて見れば妙に小綺麗でそれ故安っぽさを感じさせるもので、大粒の玉砂利に思えた敷石は粒が大きめのバラスに過ぎなかった。しかし歩き心地さえ違って感じるのは不思議だ。昨日は沈み込むようにさえ感じたのが今や普通の砂利道と変わらない。あれだけ長く感じた参道も晴天の下では容易に見渡すことのできる程度のものだった。再び拝殿とその脇の社を拝み、木立を抜けて池の岸へ出る。昨日は闇に融けていた向こう岸も、今や明らかに見え、昨日よりもずっと小さな池に見える。しかし僅かに波打ちつつ光を反射する湖面は凡庸ではあれど清々しく、美しくはあった。

(*1 実際には朧月は春の月に対してのみ言うらしい。)

2020-08-29

キショ遺書

私は私のファン第1号だ。

たとえ活動が無くてもどこかでまた輝く私を夢見て、私が幸せになることを毎日祈り続けている。

自分で歌っては「なんて綺麗な歌声なんだ」と思い、自分の書いた文章を読んでは「こんな文章は私以外の誰にも書けやしない」と感嘆して、可愛く着飾った自分の姿を鏡で見て「こんなの映画主人公じゃないか」と息を飲む。

自分というアイドル偶像崇拝をすることで自分のあぜ道を照らし続けてきた。

壊れかけの懐中電灯のような頼りない光は私に三叉路の間違った道を勧める。

迷っているのはとうの昔に気づいているけど「もうこんな所まで歩いてきてしまった」と見栄を張って気づかないフリして自分が正しいと疑わずずんずんと進み続けた先には何も無かったのだ。

いつか見えない手が私に救いを差し伸べて私はただその時が来たらその手に縋ればいいと機会を待ち続けていた。

本当にしょうもない人生だった。ずっと夢ばかり見てきたと思う。

歩き続けてれば勝手に上手くいくほうに導かれるだろうと思ってたけど本当に何も無かった。真っ暗闇に意識けがふよふよと漂っているのだ。

偶像は振り向かない。微笑んで手を振ってはくれるけどあくまファンサービスだということを忘れてはいけない。夢を見せてくれるけど夢に見せられてはいけない。応援し続けていればいつか見返りがあるだろうと期待することは甚だおかしい。

私は私の人生自分の足で歩まなければいけない。叶える気もない夢は幻想しかなく幻想に囚われていたと気づいた時には見惚れていた夢が煤になり自分容赦なく降りかかるのだ。自分のことを灰被りの少女だと思っていたけどそれこそ私が作り出した幻想に見せられていたのだ。

毎年8月を思い出せない。毎日家の天井ばかり見つめている。

誕生日が来る度に「来年もっと多くの人に祝ってもらえるように頑張ろう」と心に誓うようになってから4年は経った。今年は家族に祝ってもらえたので2人増えたと言っていいんだろうか。

そんなのでもいつか絶対にこの日々が光を帯びて眩い思い出として何度も振り返られる時が来ると思う。

この先の人生で得るはずだった休暇を全てこの瞬間に閉じ込めて消費しているんじゃなかったら何なんだとすら思うほどに自由に生きている。

何にもない私にも自由だけは有り余るほどある。

私は私のファンだけどプロデューサーなんてついていない。「こういう私が見てみたい」「きっと私ならこれができるはず」と思ってもこれまで私一人だけで叶えられなかったことも多かった。

さっき見た映画の余韻に浸っていたらもう既に2時間が経っていた。こうやって限りある人生というのは私の意図に反して終わっていくのだろう。

私は私を幸せにしたい。これは自分という名の偶像と決別するための1200文字遺書。よってこれを最後ファンレターとして筆を折ろう。キショ。

2020-07-31

ドスケベ浦島太郎

むかしむかし、その名を聞いただけで無垢少年のむくむく棒がむくむくしてしま卑猥淫靡ないやらしいむらむらネームの村に、心のやさしいチンポが60センチのドスケベ浦島太郎(どすけべうらしまたろう)という立てばエロ本座ればディルド歩く姿はエロ動画セクシー若者がいました。ドスケベ浦島太郎は、感度3000倍の媚薬が溶け込んだ海、その名も感度3000倍媚薬海で釣ったスケベ魚をセックスパンデモニウム京都セックスエルドラド奈良エロ売りに行く事でエロ生計エロ立てていました。さらにむかしむかしのドスケベ平安時代、このスケベ魚を干したオナホと偽ってスケベ蛇オナホを売っていた変態女のえっち死体ドスケベ羅生門淫乱老婆にエロ髪をスケベ抜かれていたのは有名な話で、勿論このお話を読んでいる皆さんは当然ご存知のはずですね。

 ドスケベ浦島太郎がえちえち海辺セクシーに通りかかるとえっち子どもたちが、“こんなものを視姦(み)れば誰だって陰茎の先を亀の頭だと形容してしまうのは当たり前なほど”いやらしくて卑猥でそれでいてリビドーをくすぐられる程セクシーで大きなドエロカメを捕まえていました。

 そばによって視姦(み)てみると、えっち子どもたちとバイオ玩具がみんなでドエロカメをえちえちにいじめています。ドスケベ浦島太郎のドスケベ浦島太郎も哀れ勃起してしまうほど、それはそれは惨たらしくもいやらしいものでした。

「おやおや、かわいそうに、逃がしておやりよ」

 ドスケベ浦島太郎の哀れみ勃起チンポ60センチを視姦(み)たえっち子ども達は何も知らないはずのお尻の穴がむずむずと、まるで生まれる前から使い方を知っているかのようにエロムズるのを前立腺で感じていました。そして前立腺と精巣でこの60センチ太郎には勝てないと理解していました。

「いやだよ。お、おらたちが、やっと捕まえたんだもの。どうしようと、ンホォ♡おらたちの勝手だろ」

 強がりながらも無意識アクメしてだらしない体液を流してしまったえっち子ども達ですが、これでは全然素直なアクメではありません。ドスケベ浦島太郎は哀れみ勃起からの悲しみ勃起です。

 見るとドエロカメは涙とヨダレと性的な体液をハラハラトロトロびぢゃびぢゃとこぼしデスアクメ寸前のニアデスオーガズムに耐えながら、ドスケベ浦島太郎のドスケベな60センチを視姦(み)つめています

 ドスケベ浦島太郎はそこら辺で杖をついて歩くお婆さんが重たそうに背負っていそうな風呂敷に包まれたアレくらいの大きさのお金玉を取り出すと、えっち子どもたちにいやらしく差し出して言いました。

「それでは、このお金玉の中身をあげるから、おじさんにドエロカメを売っておくれ」

「うん、それならいいよお゛っ♡」

 まるでその言葉を待っていたかのようにえっち子ども達とバイオ玩具はこれから始まる60センチとの甘美で淫靡アンビシャスなえちえちインシデント想像しただけで一人残らず素直にデスアクメしました。

 こうしてドスケベ浦島太郎は、えっち子どもたちの死後もなお情けない自慰アクメを続けるえっち発情死骸からエロカメを受け取ると、

大丈夫かい? もう、捕まるんじゃないよ」

と、ドエロカメをそっと、感度3000倍媚薬海の中へ逃がしてやりました。ドスケベ浦島太郎は無事に帰っていくドエロカメを視姦(み)つめながら喜びと安心の1㍑射精をキメました。

 さて、それから二、三日たったある淫靡まり無い日のエロスとカオスリビドー渦巻く朝方の事、いつものようにドスケベ浦島太郎媚薬海に出かけていやらしく黒光りしてバッキバキにフル勃起している60センチペニスとスケベ魚を釣り上げられる程度の粘り気とほんのちょっぴり匂い発情作用を持つ精液をエロ駆使してスケベ魚を釣っていると、

・・・ドスケベ浦島さん、・・・ドスケベ浦島さん」

と、誰かが呼ぶいやらしいエロ声がします。

「おや? 誰が呼んでいるのだろう?」

わたしですよおほぉ♡お゛お゛お゛♡ちんぽちぽちんぽお゛お゛お゛」

 すると海の上に、ひょっこりとドエロカメが頭を出してドスケベ浦島太郎の60センチ太郎にむしゃぶりつきセルフイラマチオをしました。不思議とドエロカメの口は蒟蒻のようにエロ柔らかくドスケベ浦島太郎はこれが噂のフェラチオウミガメかと妙に納得アクメ2㍑射精しました。 そしてドエロカメ脳味噌直撃IQくるくるぱーまんこアクメを毎秒4545194回キメた後に落ち着いてから言いました。

「このあいだはセクシーに助けていただいて、ありがとうございました」

「ああ、あの時のドエロ変態クソスケベドMカメさん」

はい、おかげでエロ命が助かりました。ところでドスケベ浦島さんは、竜宮(ドラゴンキャッスルセックスキャッスル)へ行った事がありますか?」

「竜宮(DCSC)? さあ? 竜宮(DCSC)って、どこにあるんだい?」

媚薬海のエロ底です」

「えっ? 媚薬海のエロ底へなんか、行けるのかい?」

はいわたしがお連れしましょう。さあ、背中へ乗る前にわたしの無様あなぽことザーメンゴミ袋をバイオ玩具になるまでずこばこってくださいひぃっ♡ぴぃっぴっぴっぴっぴぃひぃい♡♡♡」

 時間にしてみれば三日、しかし濃度で言えば七百時間後、脳の快楽中枢以外の機能が全てダメダメのパーになってIQチョメチョメプーになったバイオ玩具カメはドスケベ浦島太郎背中に乗せて、媚薬海の中をずんずんとスケベもぐっていきました。

 海の中にはまっ青なアクメ光線がいやらしく差し込み、淫乱猥褻コンブがユラユラと卑猥にゆれ、赤やピンクペニスサンゴセクシー林がどこまでもエロ続いています

「わあ、卑猥(きれい)だな」

 ドスケベ浦島太郎がウットリアクメ3㍑射精していると、やがて淫欲と色欲情欲と肉欲と性欲を掻き集めて煮凝りにしたようなセクシー丹塗りのいやらしい立派なスケベご殿(てん)へ着きました。

「お゛お゛っ♡お゛ほ゛っ゛♡」

 ドエロバイオ玩具カメにアヘオホ案内されるままエロ進んでいくと、この竜宮のスケベ主人のセクシーで美しいセクシー美ッ痴なドスケベ乙姫さまが、色とりどりのスケベ魚たちと一緒に一匹残らずドスケベ浦島太郎の60センチ太郎をガン視姦(み)して全身全霊全力全開自慰(5Z(ズィー))をしながらドスケベ浦島太郎をえろえろに出迎えてくれました。

「ようこそ、ドスケベ浦島さん。わたしは、この竜宮(DCSC)の主人のドスケベ乙姫です。このあいだはクソマゾエロ変態バカオナホカメセクシーに助けてくださって、ありがとうございます。お礼に、竜宮をご案内します。どうぞ、ゆっくりしていってくださいね

 ドスケベ浦島太郎は、竜宮の多目的エロ広間ヘオナ案内されました。

 ドスケベ浦島太郎が用意されたえっちな事にも使えるいやらしい椅子に座ると、スケベ魚たちが次から次へと素晴らしい媚薬入りごちそうをクソ卑猥でクソ猥褻なクソ痴態をクソ晒しながらアクメ運んできます

 ふんわりとエロ気持ちのよいえろえろ音楽がじゅぶじゅぶ流れて、卑猥タイ淫乱ヒラメや妖艶クラゲたちの、それは見事なえちえち踊りがむちむち続きます

セックスするほどユートピア

セックスするほどユートピア

 そしてドスケベ浦島太郎のドスケベ60センチ太郎に近づくとみんな60センチ太郎されるのを無意識想像してしまい一匹残らずデスアクメしました。デスアクメしなかったのはドスケベ乙姫さまと虚無IQバイオ玩具カメと全身オナホタコイルカだけでした。

 ここはまるで、ドスケベドエロ天国のようです。

 そして、

「もう一日、いてください♡もう一日、いてください♡」

と、ドスケベ乙姫さまに言われるまま竜宮(ドラゴンキャッスルセックスキャッスル)で毎日毎日30時間矛盾したセックスと言うにはあまりにも交尾なド変態でド助平でド淫乱なド性活をド過ごすうちに、三年のセクシー月日がエロたってしまいました。ドスケベ乙姫さまの美しかったヴァギナアナルはだらしなく変色拡張し、なさけない体液を壊れた蛇口のようにはしたなく垂れ流すいやらしい全身ザーメンポンコツゴミ袋になっていました。

 ある時、ドスケベ浦島太郎は、はっとエロ思い出しました。

(穴家族や棒友だちは、どうしているだろう?)

 そこでドスケベ浦島太郎は、ドスケベ乙姫さまに言いました。

乙姫さま、今までありがとうございます。ですが、もうそろそろ家へ帰らせていただきます

「ぉ゛ぉ゛……」

 ドスケベ乙姫さまはドスケベ浦島太郎の60センチ太郎にしがみついて離しません。

「いいえ、わたしの帰りを待つ者もおりますので」

 するとドスケベ乙姫さまは、60センチ太郎に歯ごとへし折られてぐちゃぐちゃのリアルイラマチオオナホになった顎と声帯えっちな事以外に使えないので、残っている僅かな・・・生き物に喩えると発情ミジンコくらいの理性でドスケベ浦島太郎脳内に直接エロしかけながら、さびしそうに言いました。

(・・・そうですか。それはオナごりおしいです。では、おみやげにドスケベ玉手箱(どすけべたまてばこ)を差し上げましょう)

「ドスケベ玉手箱?」

(はい。この中には、ドスケベ浦島さんが竜宮(DCSC)で過ごされた『エロ時(タイム)』が入っております

 これを開けずに持っている限り、ドスケベ浦島さんは年を取りません。

 ずーっと、今の若いセクシー姿のままでいられます

 ですが一度開けてしまうと、今までの『エロ時』が戻ってしまますので、決して開けてはなりませんよ)

はい、わかりました。ありがとうございます

 ドスケベ乙姫さまと別れたドスケベ浦島太郎は、また変態エロバイオティッシュカメエロ送られてセクシー地上へエロ帰りました。

 セクシー地上にもどったドスケベ浦島太郎は、まわりをセクシーに視姦(み)回してびっくりアクメ5㍑射精

「おや? わずか三年で、ずいぶんと様子が変わったな」

 確かにここはドスケベ浦島太郎がチンポ釣りをしていた破廉恥いかがわしい淫らな場所ですが、何だかエロ様子がエロ違います

 ドスケベ浦島太郎のラブ家(ハウス)はどこにもエロ視姦(み)あたりませんし、出会う助平人もエロ知らない助平人ばかりです。

わたしのラブ家は、どうなったのだろう? みんなはどこかへ、引っ越したのだろうか? ・・・あの、すみません。ドスケベ浦島のラブ家をエロ知りませんか?」

 ドスケベ浦島太郎が一人のえちえち老人に尋ねてみると、えちえち老人はセクシー過ぎてIQがぴゅーになるくらいのセクシーさで少しスケベ首をエロかしげて鼓膜と三半規管蝸牛が仲良く瞬間アクメ出産するような卑猥な声で言いました。

「ドスケベ浦島? ・・・ああ、確かドスケベ浦島という助平人なら七百年ほど前に媚薬海へエロ出たきりで、エロ帰らないそうですよ。ちなみにここはセックスアルマゲドンTOKYOですよ」

「えっ!?

 えちえち老人の話しを聞いて、ドスケベ浦島太郎はびっくりアクメ10射精

 竜宮(ドラゴンキャッスルセックスキャッスル)の三年は、このスケベ世の七百年にあたるのでしょうか?

「穴家族も棒友だちも、みんなアクメ死んでしまったのか・・・

 がっくりと卑猥な肩をエロ落としたドスケベ浦島太郎は、ふと、えっちに持っていたドスケベ玉手箱を視姦(み)つめました。

「そう言えば、ドスケベ乙姫さまは言っていたな。

 このドスケベ玉手箱を開けると、『エロ時』が戻ってしまうと。

 ・・・もしかしてこれを開けると、自分エロ暮らしていたエロ時に戻るのでは」

 そう思ったドスケベ浦島太郎は、開けてはいけないと言われていたドスケベ玉手箱セクシーと言うより最早淫乱エロ開けてしまいました。

 モクスケベモクスケベモクスケベ・・・

 すると中から、まっ白のけむりと超スーパー究極アルティメット最強ストロンゲスト最終ファイナル強制催淫発情ガス極KIWAMI無限インフィニティオメガZが出てきました。

「おおっ、これは」

 けむりの中に、竜宮(ドラゴンキャッスルセックスしてできたキャッスル)やスーパー美ッ痴なドスケベ乙姫さまの卑猥な姿がうつりました。

 そして楽しかった竜宮(DCSC)での卑猥な三年が、次から次へとえちえちにエロうつし出されます

「ああ、わたしは、竜宮へ戻ってきたんだ」

 ドスケベ浦島太郎は、喜びアクメました。

 でもドスケベ玉手箱から出てきたけむりは次第にエロ薄れていき、その場に残ったのは髪の毛もひげもまっ白の、ヨポヨポの淫乱おじいさんになったドスケベ浦島太郎と、その身体から生えている・・・かつて60センチ太郎お金玉だったいやらしい突起がぷつぷつと並ぶ全長180センチほどの触手状の肉塊と、あたり一面に散らばる合計およそ1㌧ほどの白濁した性的な体液と、一人残らず発情してセックスでも交尾でも生殖でもない脳を快楽電気信号で埋め尽くす為だけの運動(生物学)を繰り返して同時多発デスアクメしたセックスアルマゲドンTOKYOのえちえちな人達の死後もオナニーセックスを繰り返すえっち発情死骸だけでした。

エロめでたしエロめでたし

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2020-07-14

かみのけとねこのけ

かみのけは

ずんずんのびて

とこやさんにいかなきゃいけないのに

なんで

ねこのけは

ずんずんのびずに

ぬけちゃう

ふしぎだな

2020-06-23

叫ぶ人に追いかけられた

少し前、近所のやや大きめのスーパーに行った。

ベビーカーを押しながら二階のテナント商品を選んでると大声で意味不明なことを喋っている声が聞こえてきた。

ああ、ちょっとおかしい人がいる、と思いながら広めのテナントだったし人も多かったから近寄らないようにしつつそのまま選んでた。この時まで私はこういう方をあからさまに避けるのは良くない、傷つける行為だと思っていた。

叫ぶ人の見た目はごく普通のおばさん。

そのうち子供ベビーカーから降りたがってぐずりだしてしまい、今降ろせないことを話してゆらゆらベビーカーを揺らして宥めてたのだけど、突然おばさんが

「うるせえっ!!!

と叫んだ。離れたところだったからうちの子のことか自信がなかったんだけど、近くにいた女性が目配せして「ちょっと危ない感じね」と話しかけてきたからうちの子のことだったんだろう。

子供が泣き続けるので泣き止ませないとと思って抱きあげていたらおばさんがまた何やら叫んで、同じ通路にやってきたりしたので離れた。誰かが言ってくれたんだと思うけど、何回もテナント店員さんに謝られた。子供は抱っこしたまま持っていた商品だけ急いでレジに通してもらってテナントを出たんだけど気付けばレジの私の後ろに並んでた。この時まではボケてるけど「偶然…?」と思ってた。周囲の女性客やテナント店員さんが心配そうに周りについてくれた。←今思えば相当ロックオンされてたように見えてたってことだよね。ボケてる。

エレベーターへ向かっていると追いかけてきたおばさんに

ちょっとあなた!!」

と呼び止められ、唐突

あなた!!この子を甘やかしてるんでしょう!!もっと厳しくしないとだめ!!!だめなことはだめって言うのよ!分かった!!?

とまくし立てられた。刺激したら怖そうなのでとりあえずニコニコ笑って

「そうですね、はいはいありがとうございます

と言うと引き下がって戻っていった。

周囲の女性客は「気にしなくていいわよ」と口々に私を心配してくれたけれど、私はそれよりも振り向いたとき子供の腕を軽く叩かれたことにムカついていた。抱っこしないほうが触られずに済んだのかな。

エレベーター前までテナントの方がベビーカーを押して付き添ってくれたけれど、エレベーターを待つ間も子供が一向に泣き止まない。おかしい、この子そんなに泣かない子なのに。

テナントの方

「あ、追いかけてきた…」

振り向くとずんずんこちらへ向かってくるおばさん。ずんずんずんずん!!!ベビーカーテナントの方にお願いして子供を抱いてエレベーター横の階段から急いで逃げる。階段の踊り場を折り返したところで

あなた!泣き止まないんでしょう!!」

いかけてきたおばさんが叫ぶ。

ちょっと!!待ちなさい!!!逃げるんじゃないわよーーーっっっ!!!!!」

階段を走って駆け下りたはずなんだけど記憶がない。

「警備の人を呼んでください!!」

って私も叫びながらフロアを全力で走り抜けてフロアの反対端のカフェカウンターの中に走り込んで匿ってもらった。カフェカウンターに並んでたお客さんに子供の足がぶつかった気がする。謝ってないや、ごめんなさい。

カフェの人は最初びっくりしてたけど奥に匿ってくれてカフェドリンク奢ってくれた。めちゃくちゃ優しかった。

子供はずっと泣き続けていて、カフェバックヤードに入って初めて顔をちゃんと見たんだけど、すごく不安そうに泣いていた。ああ、これは何があったかわかってるなー。手遊び歌やお菓子を与えて泣き止むまでしばらくかかった。私は私でしばらく手が震えてた。

子供赤ちゃんではないけどまだろくに話せない、そんな年齢です。

泣き声はそれほど大きくはなかったと思う。親からするとぐずってたレベルだけど、おばさんには相当うるさかったのだと思う。他人の子供の声がうるさいっていうのはわかるし、ごめんなさい。

その後は色んな人が聞き取りに来たりしたんだけど、相手が退店してからベビーカーも持ってきてもらって警備の人に付き添ってもらって裏口から出してもらった。

走って階段を逃げたとき子供が二人いたら守れたのだろうか、と帰宅してから思った。

街の中や電車内でもちょくちょく叫んだり喋ったりする人はいるけれど、基本的に害はないと思ってた。だから近寄らないまでもそういうものだと思って普通に過ごそうとしてたんだ。

だけど、子供とは相性が悪いのかな、今回みたいなことがあるとやっぱり私は警戒してしまう。私は子供といることが多いし、子供を守りたい。これは差別なのかな。もうあの店があるエリアには怖くて近寄れない。

2020-06-08

anond:20200608130409

要は百合に男がハインなって言いたいんだろ?

2と4がいちゃついてんのにそこに異物の3がうーっすwwwってはいってきてるから憎いんだろ?

しか場所が24がふたりさなってるところに男がうしろからずんずんついてる感じだもんないかにも

わかるぜその気持ち

2020-06-07

猫の体調が悪化した

猫は3年前から慢性腎不全で週1回通院して点滴していた。

腎不全は初期にわかたから数値もそこまで悪くなくゆるやかに進行していたけれど、食欲不振を何度か繰り返して元々細身の身体さらに小さくなり、先月とうとう2kgを切り点滴が週2回になった。

だんだん目が悪くなって耳も遠くなり、歩くのもゆっくりになって、時々アオーと大きな声で鳴いたり徘徊もしていた。

もう19歳だし老化は当たり前の事だからそんなに気にしていなかった。

はいつも全力で甘えてくる構ってちゃんだ。

私が帰ってくるとはやく膝に乗りたいと急かしてニャーニャー鳴き、膝に乗ると後ろ足で立って抱きつくように肩に両手を掛けてくる。

抱きしめて撫でながら頬擦りすると猫が小さな頭を寄せてうれしそうにゴロゴロ言ってくる。

机に乗って目線を合わせ、相手してと手を招き猫のように上下に振ったり私の頬をペシペシ叩いて来る。

今まで出会った猫の中でこんなに甘え上手でかわいいはいない。もう猫じゃなくて全く別の特別な生き物なんじゃないかと思うほどかわいい子だ。

長く一緒にいるのに猫の写真あんまり撮っていないし動画もない。

猫がカメラスマホ向けるとムッとした顔したりすぐに顔を反らすからほとんど寝てる姿しかない。いつも膝に乗ってるし。

本当にかわいい顔をしてる美猫なのに。

でもかわいい姿を知っているのは私達夫婦だけでいい。

子供がいない私には猫が大切な子供だ。

その猫が先月、急に風呂場に入りたがるようになった。

夫の後をついて回る事も増えた。

その日、いつものように病院で点滴して帰って来ると部屋中をひたすら徘徊し始めた。

無言で壁に頭をぶつけながらずんずんと歩き回り隅で固まってまた歩き出す。

抱っこして撫でて呼びかけても目は遠くを見ていて何も反応しない。

ごはん皿も水入れにも平気で足を突っ込みほとんど休まず歩き続けていた。

翌日また病院に連れて行き、痛み止めの注射をしてもらった。点滴で痛かったのかもという事だった。

少し落ち着いたけれど徘徊は止まらないし隙間に入りたがる。

横になる時も頭を真っ直ぐにして必死で寝ないように耐えていた。

抱っこして水をスポイトで飲ませると落ち着いて少しだけ寝るのに気づいてからなるべく抱っこして水を飲ませて撫でたりブラッシングしながらたくさん名前を呼んで声を掛けるようにした。

肉球がひんやり冷たくなっていた。

2日後病院先生に「実は今日猫に会えないかもと思っていた」と言われた。

体重が減っているため、いつ亡くなってもおかしくないらしい。

まだ全然心の準備なんて出来ていない。

6年前に手術後に2週間絶食状態になって、3.5kgだった体重が2kgまで落ちたけど強制給餌でまた食べてくれるようになり、3.4kgまで戻った。

がんばり屋の強い子だからきっと大丈夫だと思っていた。

病院で点滴して帰ると徘徊が再開し、所構わず粗相して目を離すと家の中の細い隙間に挟まる。

部屋の1畳分を柵で囲ってペットシーツを敷き詰めたスペースを作り、いつも寝ているベッドとキャリーケースを置いて猫にそこで過ごしてもらう事にした。

スペースの中でもぐるぐる歩き続け、柵をよじ登って抜け出そうとする。

猫は病院での点滴は怖がってじっとしていない。

いつも病院に行く時は必ず前日と当日に病院行くよと声を掛けていたけど、帰りはお疲れさま、がんばったね位しか声を掛けていなかった。

ほとんど目が見えなくなった猫はもしかしたら病院の行き帰りがわからなくて自分がどこに居るのかもわからパニックになっているんじゃないかと思った。

猫におうちに帰ったよ、大丈夫だよと声を掛けながら撫でた。

とにかく抱っこして声を掛けて撫でてブラッシングして、いっぱい褒めながらほんの少しの流動食を飲ませた。

病院先生は無理に食べさせたり水もあまり飲ませないようにと言っていたが、相談して少しだけ食べさせる事にした。

猫の様子が変わってしまってから6日後、朝起きて囲いを覗いたらしっかりした声でニャーと3回鳴いた。

よかったねと撫でたら小さくゴロゴロ言った。鳴き声もゴロゴロも久しぶりで夫と二人で泣いた。

水を入れた皿を口元に持って行ったら自力で飲んだのでまた泣いた。

それから様子がかなり落ち着いたけれど、歩き回り続けた事で体重が一気に減り1.7kgから1.5kgになってしまった。

病院での点滴は2日おき。猫には必ず病院行くよ、おうち帰って来たよと何度も耳元で声を掛けるようにした。

険しくなっていた顔つきは穏やかになって目の力も戻った。

猫は近づいたり撫でると子猫のようなかわいい声でニャーニャー小さく鳴いて少しゴロゴロ言うようになった。シッポもパタパタ振って返事する。

夜になると時々ニャーって呼んでくる。

また以前のようになった猫は天使のようでめちゃくちゃにかわいい

ミルクを飲ませるとチュッチュッと飲んでうれしそうにシッポを振る。

でも、流動食も水分もほんの少しがやっとですぐに疲れて寝てしまう。

もっとはやい時期からしっかり食べさせていれば良かった。

点滴だけでなんとか生きている状態から体力は日に日に衰えていく。

私は毎日不安になりながら仕事に行き、帰宅して猫の様子を確かめるたびによかったと泣いている。

病院で点滴すると猫は抵抗する力もなくうずくまり、しばらくぐったり寝ている。体重は1.4kg。細い細い身体になった。

点滴が重くて歩くのもつらそうだ。

このまま通院するのが猫のためと思っているのが猫の負担になっていて、どうしたらいいかからなくなった。

今朝は撫でたら小さく鳴いた。

ほとんど横になっていて、起きた時に少しだけ流動食を飲ませたらまた寝てしまった。

本当なら今日病院の予定だったけれど、よく寝ている猫を無理に起こすのもかわいそうで連れて行くのはやめた。

病院には猫の具合を伝えて様子を見ますと連絡した。

夫に抱っこをしてもらって、猫はうれしそうにシッポを振っていた。

今はゆっくりと息をしながら穏やかな顔でぐっすり寝ている。

毛布を敷いたベッドに寝かせ、ふわふわの毛を撫でながら話し掛けて、息をするのを確かめている。

手に触ると握り返してくれたり時々頭や手を動かしている。本当に強い子だ。

でも、そろそろお別れが近いかもしれない。

これでよかったのかな。

もっと出来る事があったのか、それとも猫に無理をさせすぎたのかそれもわからない。

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