2020-10-09

久しぶりに声かけ事案にあった。

 中学生の頃以来? あ、そういえば大学生の頃に自転車で走ってるところを遮られて町役場場所を聞かれたり、成人して数年経ってから駅で「いくら?」って聞かれたことならあった。まあ、「いくら?」おじさんのときは道行く若い女性全員がその人に声をかけられていたので、私がターゲットとは言いがたいけど。

 今日声かけ事案は、夜10時過ぎ、仕事場の外の物置に一人で重い物をしまっている時に起こった。幸いにも、誰か背後から忍び寄って来ていることに気づいた時は荷物を物置に全部入れ終わる寸前だった。なので気付かないふりをして物置のドアを閉め、台車を押しつつ変質者の方に歩いて行くことが出来た。

 わざわざ変質者の方へ悠々歩いて行くというのも変な行動だけど、変質者のいるところが仕事場の正面に通じている場所であり、見通しの良い駐車場で、街灯も煌々と点いているので、そっちに行くしかないのだ。そしてそうやってこっちからずんずん距離を詰めていったのが功を奏したようでもあった。知らんけど。

 男が急にしどろもどろし始めたので、

「こんばんは。どうかなさいましたか?」

 と声をかけた。

 男はずいぶん痩せていて、街灯の明かりに照らされた顔は骸骨のようで、落ち窪んだ両の眼窩の中で大きな目がギラギラしているのが印象的だった。歳は60歳くらいか、老けて見える50代といったところ。話しの全く通じない狂人という感じではなかった。

「あーえーと」

 と男が言いよどんでいるうちに、もしかしてこの人行きなりバッとズボンパンツ脱いじゃう系の人かなあ。そういう人って、こっちが良いリアクションちゃうと、味をしめて何度も脱ぎに来るんだよねぇ……と考えた。恐怖が天元突破したらそんなことを真面目に考えながら営業スマイルを繰り出せるようになるらしい。私、意外とお便利機能搭載では。

 立ち止まったまま、変質者が話すのを待っていたら、変質者は唐突に、

あなたが好きでーす!」

 と言った。なるほど、と思ったが一体何がなるほどなのか自分でもわからない。わからないまま黙って頷いた。

「好きなんですけど、えー、もしかして彼氏かいますか?」

 と、変質者が言ったので、私は答えた。

「いえ、夫がおります

「ああ、そうですか」

 と、変質者がテンション低く言ったので、私は「それでは失礼いたします」と、深々と一礼して、台車を押して店内に戻った。

 物置に荷物を入れている最中に背後からそろりそろりと近付いて来ていた変質者。シチュエーション的に強姦する気満々の奴だけど、普通に対応したら普通に去って行ったなぁ。性犯罪者性犯罪依存症であるということを何かで読んだことがあるけど、性犯罪者性犯罪者で、加害しやすそうな私を見っけたから加害しようという気がムラムラ起きてしまったけど、加害できなくてあー良かったとホッとしていたりもするんだろうか?知らんけど。

 まぁ、変態だよなぁ……。

 事務所に戻って仕事仲間と監視カメラ映像を見たら、変質者はしばらく駐車場をうろうろしていたが、品物の搬入に来た業者トラックが変質者の車近くに停まると、変質者はそそくさと車に乗り込んで去って行った。

  • https://anond.hatelabo.jp/20201009003935  不審者に声をかけられた時の経緯の詳細をオーナー宛にメモに書いて、退勤。翌日、オーナーから電話がかかってきた。 「声をかけられたって言うけど...

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