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2024-07-19

anond:20240629031010

私はこの時をずっと待っていた。

 

船内は明らかに混乱していた。その証左に、私たち囚われ人の前に今朝から一度も奴らは現れていない。いつもは日が昇ると同時に私たちは奴らに鞭で追われて甲板に上がるのだが、今日はもう日が暮れようとしている。

もちろん、昨日から船がどこかの港に停泊しているということもあるのだろう。奴らの人数も、いつもが十だとしたら二か三くらいしかいない、そのような気配が感じられる。

折り重なるようにして寝ている私たちを、常に狙っていた火を吹く黒い筒も、据えられた台座の横にいるはずの者がいない。

 

私たちはあの黒い筒のと交換で、この船に押し込まれ、囚われの身となった。私たちとの争いに勝った部族の王は、降伏した私たちを奴らに引き渡して、あの人殺しの筒を買ったのだ。

私たちはずっと鎖で繋がれ、太陽の出ている間はろくな食い物も水も与えられず労務を課せられた。怪我人や病人は放っておかれ、その程度が重ければ海に捨てられた。そして日暮とともに船の底のほうの暗い場所に押し込まれ、繋がれたままほとんど眠れない夜を過ごした。

 

私も例外ではなかったが、一つだけ違うのは、足首に繋がれた鉄の輪が開くようになっていたことだ。最初に鍵をかけ忘れたらしい。

しかし私はそれに気づかないふりをし続けた。いつでも自由に走り出せると知っていながら、走り出しても撃ち殺されない時を待った。

目の前で何人も仲間が死んだ。病で。空腹で。極度の渇きで。奴らによる無意味虐待で。犯された後に殺された男児もいた。

しかし私は足首の輪を外さなかった。歯を食いしばりながら、そこにある自由を見過ごし続けて時を待った。

 

そしてようやく、その時が訪れた。

奴らが「セントクリストファーネビス」と呼ぶ、この港に着いて一昼夜が経ち、明らかに奴らは何か別のことに気を取られていた。今日一日を日の当たらない船底で過ごした私は、漏れくる陽光の傾きと弱まりから日暮が近いのを知る。

完全に暗くなっては行動ができない。

奴らよりは夜目が利く私は、黄昏を待ってついに足輪を外す。まずは私と二人一組として繋がれていた男に、声を出さないように促しながら、行動開始を合図する。

そこから今日一日かけて事前に打ち合わせしたとおりに事が運んだ。大きな物音を立てて番人をおびき寄せ、待ち構えた私たち二人で声が出ないように縊り殺し、鍵を奪って皆を自由にする。

甲板に登ったところで金網と棘の張り巡らされた壁があり、黒い筒を持った奴らが待ち構えているだけなので、私たちは船体の横腹に穴を開けて海へと直接逃げ込んだ。私たち部族は幼い頃から泳ぎを学んでいることもあり、八十と六人全員が、雲を通す薄い月明かりの下、岸までたどり着くことができた。

その後は走った。街を離れ、ひたすら高い場所を目指して、首まである草地の中を走り続けた。船の方を振り返っても幸い気づかれた様子はなかったが、私たち皆は喜びに満ちた疾走をしばらくは止めなかった。止めたくなかった。

 

満月が雲から顔を出し、この島を照らし出す。私たちは島の全てが見渡せる高みにいた。遠く、忌まわしい船が見える。月が港の水面に映っている。

私たちはこの島で生きていくことになる。勝手のわからない新天地での暮らしは、簡単には安定しないだろう。しかし今私たちが成し遂げたことに比べたら大したことはないはずだ。もし奴らが私たちをもう一度捉えようと襲ってきても、今度は闘い、退けよう。

興奮が高揚に変わり、やがて静かに幸福感を噛み締め始めた頃には、私たち自分がひどく疲れていることに気づいた。

 

老いた者、幼き者から順に眠りにつく中、私はまだ立ったまま船のほうを見下ろしていた。

突然の轟音。大きな岩同士がぶつかるような音。

のしたほうを見ても、何もない。正確には月の映った港の水面しかない。

音は一度止んだが、今度は岩と岩を擦り合わせる、悲鳴のような音が鳴り出す。大きく硬いもの同士が押し合ってお互いを破壊しようとしているような、破局的な音。

目を凝らすと、港の水面の端っこに映っている月が、岸を少しずつ削るようにして水面を拡げているように見える。ただの水面に映った影がそんなことができるはずがないのだが、そうとしか見えない。

やがて削られた岸は暗い淵のように開いていき、ある瞬間に突如港の水を飲み込み出した。

水は滑り落ちるように「淵」に落ちていき、引きずられるように港にあった船も吸い込まれていく。私たちを運んできたあの船も。

全ての水と船を飲み込むと、淵はいつの間にか消え、水面が無くなったことで月も空にしか存在しなくなった。

やがて月に変わるように太陽が空に現れた。

私たち自由を得た。もう追われる心配もない。

私たちは出口を見つけられたのだ。

2024-06-27

anond:20240627000823

セックスってお前、あれは変な格好を女にさせるだろ?」

イズミルがまた猥談をし始めているが私はほとんど聞いていない。それどころではないのだ。

「向かい合ってするとカエルみたいな格好をさせちまう。だから俺はぶち込む時は後ろからって決めてんだ。犬の格好になるからカエルよりは犬の方が生き物として”じょうとう“だそうじゃねぇか。そうだろセンセイ?」

ドクター苦笑いしている。俺は「そん時はお前も腰をヘコヘコ動かしてずいぶん変な格好をしてるんだが」と思うが口にはしない。イズミルは止まらず「なぁ、こう見えてセンセイはセックスではすげぇんだぞ。俺は知ってますよ、センセイがアムステルダムのぜんぶの娼館で出入り禁止になってるってね」と言ってドクターにいやらしい笑みを浮かべる。そのネタだけで何度女を奢ってもらおうとするんだ、この男は。

しかドクターサイモンも実際のところかなりの好きもので、日暮れを待ちきれぬようにしてイズミルと連れ立って裏口から宿を出て行った。

やっと静かになり、俺はこの状況を直視する。

ここは、セントクリストファーネビスでは、ない。

船員の中で俺とギジェルモだけがかつてここに、いや、「セントクリストファーネビスに」来たことがある。

ここはそもそも双子島だったはずだ。しかし俺たちが入港した島は完全なる孤島だった。海は穏やかで空も晴れていて視界は良好だったのにだ。俺とギジェルモは入港を止めるように進言したが、先般の嵐で肉体的にも精神的にも疲れ切っている船員たちを慮って船長は入港を決めた。

そしてその港。一見ごく平和で居心地も良さそうに見え、見覚えのある景色もあるのだが、全てが少しずつおかしい。

まずは住民の目だ。元々知的とは言い難いが好意好奇心をもって外国船に接していた彼らの目は、愛想を表現するどころか視覚機能しているかもわからない、ただの暗い穴となっている。ここの言葉に詳しいギジェルモが話しかけても、あらかじめ教えられているかのような必要最小限の応答だけを、俺たちの言葉で返す。きれいな発音で。不便はない。むしろ諸々の交渉は楽に進んだが、障害がなさすぎて気持ちが悪い。

この宿も変だ。俺は宿に入る前に船から下ろした羊と鶏を裏手の庭に連れていった。その時に建物をぐるりと回ったのだが、中に入ってみると明らかに広すぎる。間口が35歩、奥行が25歩くらいしかなかったはずだ。長く延びた廊下の長さは50歩ではきかないだろう。しかもその両側にいくつも扉があり、それぞれの扉の奥にはここのような広い部屋が配置されている(と思われる)。廊下の様子を思い出すと、扉同士の間隔とこの部屋の広さも矛盾していたように思う。

入港時に感じた違和感、この宿の扉をくぐる時に感じた違和感、そしてこの部屋に入る際に感じた違和感。全て似ている。首筋を死んだ獣の毛皮で撫でられるような。恐怖と警戒心と、ほんの少しの陶酔を与えるような。

ドクターイズミルは、裏庭につながるであろう廊下側とは逆の出口から出ていったが、果たしてそれは本当に外につながっていたのだろうか。俺は裏口の戸を開いてみる。

平和風景に俺はほっと息を吐いた。さっき放した羊たちが草を喰み、鶏は久しぶりの地面を確かめるように無意味に駆け回っている。

と、一羽の鶏が卵を産み落とした。

瞬間、卵は見えない手にに拾い上げられるように宙に浮き、ペしゃりと音を立てて潰れた。空中から卵液が滴り落ち、殻がポロポロと地面に撒かれる。俺と同じようにその光景に驚いた一頭の羊が駆け出して、さっきこしらえた簡易柵を乗り越えた、と同時に前足と頭、後ろ足と尻尾が逆方向に回転し、哀れな家畜は空中で捻り殺された。

俺は咄嗟に戸を閉め、騒ぐ羊と鶏たちの声ごと締め出すようにして、戸を背に立ち尽くす。

ここは、セントクリストファーネビスでは、ない。

どころか、俺が今まで知っている世界でもない。

ここにはおそらくルールがある。俺の知っている世界とは別のルールが。

それを俺は理解しないといけない。できるだけ早く。手遅れにならないうちに。

2024-06-18

いつもの帰り道

今日は区内にある大きめの公園を通ると屋台が出ていた。

日暮れは伸びて、ああもう夏の季節かぁ…なんて思いながら歩いていると一つの屋台が目についた。

そこはたい焼き屋で、屋台たい焼き屋とは珍しい。

同時に、懐かしくって思わず足を止めてしまったのだ。

妻と付き合うようになったきっかけは某たい焼きが有名なゲームで、二人ともそのゲームが大好きだったのだ。

当時は若く、妻はたい焼きを手にヒロインモノマネなんかして俺はゲラゲラ笑ったものだった。

…懐かしい。そういえば妻が妊娠を報告してくれたのもちょうどたい焼きを買って帰った日で、俺とたい焼きには何か縁のようなものがあるのかもしれない。

今日、俺はたい焼きを四つ買って帰ることにした。

これが今の、家族分だからだ。

anond:20240618105142

生成AI反対するようなお気持ち女さんが投資かると思うか?

その日暮らしとまでは言わんが、下層民だぞ

2024-05-12

猫とかあんなに究極的にかわいいのに野生だとその日暮らしで貯金もなにもない浮浪状態なんだよね・・・

そんな厳しい暮らしをしいられてるのにあんなにかわいいだなんて・・・

俺たちも日々の暮らしで弱音なんか吐いてられないね

猫に比べたらめちゃくちゃヌル生き方なんだし

明日からも頑張っていくべ

2024-04-22

東京の家の価格半額にならないかな…

絵空事に過ぎないけども…

から満員電車にどうしても乗れない(3年位がんばったけど体調崩し過ぎてやめた)ので自転車バイク車どれかでの通勤しかできない体なのだけども、

時間がかかりすぎるんだよねえ

もうちょい都心の近くに住めればいいんだけど、中古住宅ですら高すぎてとても買えないし、賃貸だと一生お金まらな過ぎてその日暮らしみたいな家計になるし

2024-04-20

神々の遊ぶ庭

冬になれば、森の中で、うまくて冷たい空気が流れている中自由に歩き回れて、最高だった。川の表面は完全に凍ってるから、これまた自由に歩き回れる。ある程度高いところから滑っても夏より痛くないし、汚くならない。やぶも漕がず、ダニがおらず、羆が恐ろしくない。かんじきクロスカントリースキーがあれば、苦労せず行き来できる。寝転がって、頭上の木に小さい鳥がとまる。

春になると山菜が出るから、それを取りにまた山の中に入る。崖を上って、街から出てくる半端者では取れない場所にあるうまいやつを探す。すべてが泥まみれで、土のにおいが一番強い。地面がふかふかになる。白樺が水を吸い上げ始めるから、幹に穴をあけて樹液をとる。子山羊生まれる。

夏は山が青く見える。春の間は、すべて薄い膜がかかったように見える、もちろん空が柔らかい色合いだが、夏は深い青に戻る。すべて青みがある。川の色も美しくなる。太陽が高くなり、透明度が際立つ。泳ぎに行けば、濡れたところにだけアブがたか不快だ。川は流れが速くて、あまり遊べない。まっすぐな道に逃げ水陽炎が目立つ。朝の気温が過ごしやすくて、散歩が一番いい。セミや鳥がとにかくたくさんいて、たくさん鳴いている。

秋はドングリがたくさん落ちる。歩道が全部どんぐりになって、歩きにくい。日に日に冷たくなって、異常に乾燥を感じる。日暮れ時の空気が、冷たすぎて鼻の奥が痛くなる。自転車に乗ったときの手がつらくなっていく。雪が降り始めるまでが一番きつい。歩道の枯れ草が邪魔だ。イタドリが枯れ木のように立っている。なんとなく、彩度が落ちる。雪が完全に降ってしまえば、白くなり、静かになる。

2024-04-13

anond:20240413193744

・手を繋げる女はヤレる。

日暮れを過ぎて変な空気を察した時に察していないように振る舞う。すると解散するタイミングを失う。

・とりあえず些細な出来事だろうとなんでも運命のせいにする、奇跡でも可。するとヤレる。

弱者男性そもそもできないかセクハラは起きない。安心だ!

2024-04-01

ゴールデン街で呑んでいると

組織に属さず、家も持たず、自分のやりたいことでその日暮らしをしてますみたいな人に巡り合ったりするんだけど、話をよくよく聞くと実家は割と裕福でたまに帰ったりしてると聞いてガッカリする。金持ち道楽かよ。

2024-03-14

ふと

資産100億じゃきかなそうな安倍晋三がその日暮らしの男に暗殺されるんだから

財政カツカツだろうと黙々と武器弾薬を積み上げて戦争遂行してるロシア

工場労働もアウト-ソーシングしまくりな欧州戦争で勝つの普通にあるよなあと思った

2024-03-03

日暮れるまえにドライブでもしてこようかとおもった。コーヒーおよびサンドイッチでもたのしもうかと。

しかし、そうこうしているうちに、ひがくれそう。くらくなってのドライブって、イヤだな。

事故りそう。

2024-02-17

anond:20240217091505

例えばホームレスリンチされて下半身不随になり、人権派団体人権派弁護士がわらわら寄ってきたら「大勢寄ってきて裁判したり会見したりなんてこのホームレス強者だ」ってなるのか?

colaboは暇空にデマを飛ばされまくりデマを信じた男数人に女の仁藤1人が取り囲まれ四方八方から罵倒される動画複数公開されている

そのままほっといていたら過激化して取り囲んだ男たちに仁藤がいつ殺されてもおかしくない状態だった

からアノンに「弁護士なのに警備員w」と揶揄されて中傷被害を受けようとも仁藤に同行して無償で守ろうとする人権派弁護士複数ついた

暇空の弁護士みたいに金持ちにへつらってスラップ訴訟繰り返す方がよほど儲かるのに、儲からん国選弁護人とか元々やってるような連中

被害受けたのは仁藤だけでなく、家族虐待されて立ちんぼしてその日暮らししてたような少女が匿われてるシェルターも住所や写真が晒され、自称ジャーナリスト付近徘徊したため、廃棄して別のところに移住させたりもした

ひどい犯罪被害を受けている人に寄り添おうとする者が大量に現れるのって強権に由来するものではなく、ただの優しさや慈悲なんだよ

誹謗中傷マネタイズして他人人生破壊することを楽しんでる反社会的集団にはわからないことだろう

2024-02-15

マイナカード批判って結局ただの政局だなあと思う理由

結局、マイナカードって日本のアレコレのシステムの中では、いうほど酷くない方なんだよな。

マイナカード批判をする奴って、現状の身分証明が何十万もかかって長い時間をかけて取得する「運転免許証であることにはまったく何もいわないのがまずカスじゃん。

免許証身分証明、マイナカードの何万倍も利権の塊だし、弱者に優しくないし、不合理の塊でしょ。

でもそれはどうでもいいんだよな奴らには。

 

弱者に優しくない現状はまだまだある。

今の世の中、いつの間にやらスマホ必須社会になってるのがそもそも弱者負担

なのに、スマホがない方が大抵のサービスで高くつく場合が多い。

さら最近気づいたけど、「格安sim」ほどクレカとか必須で、その日暮らしにはハードルが高い。

本当の弱者に優しくないのは、マイナカードなんかじゃない。

 

身分証クレカスマホ

弱者が本当に負担に感じてる生活必需品はここ。

マイナカードシステム設計が甘いにしても、このうちのひとつ簡単に取得できるようにしている分いくらか筋の通る存在だ。

そういう弱者の実感を、ツイッター(X)だので「リベラル」を自称する連中は、まったくわからないし、わかる気もない。

 

本当にただの、中流暇つぶし運動ごっこ政局探しでしかないんだとよくわかる。

あいつらは本当の弱者なんか見えてないし、見る気もない。

2024-02-05

anond:20240204195928

自分ならショットバイト入れまくる

ショット貧乏とかその日暮らしがやたらと集まるからつながっても金のかからん友人関係を築けるゾ

2024-01-19

anond:20240118215718

他人の金使わせること

他でも誰か書いてるだろうけど、貯金リスク

貯金代わりに投資(別のリスクはもちろんある)

その日暮らしの人には関係ない

貯金の一部を投資に回せ

で、何の罪悪感もないどころか、相手プラスにもなることを言っているので不問題

2024-01-14

そろそろ日暮れなのか。炭酸水でもDSかいにいくか。どうするか。

おつまみもたべたいしな。どうしようかな。いまなんじだろ?

2024-01-05

【末路】江戸時代に転生しても現代知識無双できる気がしない

弱者中年女性で生きづらいけど、いつの時代に生まれてても自分は生きづらかったろうなと思う

 

最初のうちはドラマとかで見た「リンがあれば肥料になりますよ!」「ペニシリンって抗生物質があるんですよ!」「建築には釘使うといいですよ」とか現代知識無双しようとするけど、その作り方は?と言われれば答えられない

せめて測量でもできたら役に立ちそうだけど、三角関数は覚えてるけど微分最初のとこだけ、積分は知らない

無双どころか現地人の常識や生きる知恵も何も持たない情報弱者

途方に暮れてたまたま出会ったちょっと面倒見のいいおばさんにどうやって生きていこうと相談して

ちょっとトウが立ってるけど女郎屋なら雇ってくれると思うけどねぇ」と言われて内心比較的若く見えるのかしらと喜んでたら

「あそこは50すぎでも働いてるのもいるし」と言われてしょんぼりする自分が目に見える

言葉もうまく通じないんで外国(ペルシャとか)生まれですって適当に言ったらお坊さんが大勢駆けつけてきて教えてくれと言うんですいません一般人なので知らないですって言って帰ってもらい

最終的に肩身狭くしながらどこにでもいる謎の河原者として生きてそう

 

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リアル転移もの読みたいって人もいたので、その後の末路を思いつくところまで書いてみた

ロビンソン・クルーソーにはならなかったよ…

そんな気概があれば現代成功してそう

 

さて、弱者中年女性

江戸時代タイムスリップして早々、どうやって生きていくかが最大の悩みになった。

女郎屋なら雇ってくれるという話だけど、この時代性風俗といえば本番つまり射精

年齢的に妊娠する可能性は低いけど、いつ病気をもらうかわからないロシアンルーレット毎日になる。

 

想像するだけでげんなりする。

もう病んでるけど、さら精神病みそう。

 

マイナスが積み上がっていく生活というのは、キツい。

今日は無事だったけど明日はわからない不安毎日続いたら、いずれ死にたくなりそうだ。

実際に女郎さんはうつにかかる人(気病みと言うようだ)や自殺を試みる人が多く、女郎屋の井戸には何人もの身投げがあったらしい。

 

私は死ねるだろうか。

生活保護もないこの時代女郎もいやで他にできる仕事もなければ生きてはいけない。

乞食でもすればその日の食事くらいはありつけるだろう。

しかし住む家の面倒を見てくれる人はそうそういない。

寒さに凍え、病気にかかったり凍傷を負って不具のまま死を待つよりは、ひと思いに自決したほうが楽のように思える。

でも深くて暗い井戸を覗き込むと、怖くてとても身投げなどできる気がしない。

度合いで言えば樫の木のような太い枝で首をくくったほうが楽だろうけど、これまたかなりの勇気がいる。

結局みんな思いきれず、死にたい気持ちを抱えたまま女郎を続けていくことになるんだろう。

 

セーフティネットが消えたことで死がぐっと身近になった。

これまでは「楽に死ねいかな」だったのが「どの死に方が一番苦しくないか」になった。

 

ふとオーラセックス専門でやる案が頭をよぎった。

リスクで言えば本番のほうが高いけど、物珍しさで案外人気になるんじゃ?

口でだってやりたくないけど、他にどうしても職がなかったらこれでいくか……。

 

あんた、ほかにいくとこないようなら」

おばさんが心配そうに顔を覗き込む。

「うちのこと手伝ってくれるんならいてくれてもいいけど」

「ぜひ、お願いします」

これは嬉しかった。

家に住める。このおばさんなら嫌な仕事は断ったり交渉もできそうだ。

おばさんは家をぐるりと見回して、「じゃあ……」と言った。

  

申し付けられたのは赤ちゃんの子守。

子守は一番簡単仕事のようで、十そこらの女の子でもやっている。

どうやら無能そうな私でもできそうな仕事を考えてくれたようだ。

情けなくもあるけど、赤ちゃんは大好き。

喜んで抱こうとすると、背中側におぶされた。

「これ巻くと手が自由になるから

おばさんはそう言って帯をぐるぐると巻きつけた。

え……赤ちゃんと遊べるんじゃないの……。

「じゃあアタシらは野良仕事に行ってくるんで、日暮れまでよろしくね」

唖然とする私をよそにそう言うと鋤やクワを持って行ってしまった。

  

手が自由になるから、か。

この時代は、赤ちゃんに情操教育必要だとか誰も思ってないんだなぁ。

それどころか大の大人野良仕事もせず子供にかまけてると、さぼりだとか楽してると思われるらしい。

あのおばさんだって、産まれたばかりのかわいい我が子のそばについててやりたいだろうに。

  

この時代現代以上にギスギスしてると感じた。

  

まあ、仕方ない。

働かざる者食うべからずなのだろう。

せめて役に立ちたくて、おじさんがやりかけで放置されてるわらじを編んでみる。

編み方自体は単純だ。

両足にわらを固定して巻いていくだけ。

1からやれと言われたらまだできないけど、すでにある程度できているものをかさ増しするならできる。

なかなか面白い。けど、腰が!腰が痛い!

赤ちゃん背負ったまましゃがんでわらじ編むってキツいよ。

おろしたいけど帯はかなり固く巻かれてるし、一回ほどいたら自分じゃ巻けない。

みんなが帰ってきたとき帯がなくなってるとほっぽいて遊んでたんじゃないかと思われそう。

気のせいかもしれないけどここの人たち話が通じないというか、気持ちがわかってもらえないというか、

何を言っても全部甘え、人間失格って言われそうな雰囲気あるんだよなぁ…。

 

なんとか楽な体勢を探していると、生暖かい感覚背中に広がった。

赤ちゃんがおもらしをしたようだ。

不愉快そうにむずがる赤ちゃん

 

あー……やるよねえ。

おむつじゃないかおしっこが流れて足までびしょびしょだ。

井戸で洗ってこよう。ちょっと待っててね。

 

家を出て井戸のある村の中央に向かうと、ところどころで泣きっぱなしの赤ちゃんを背負ったまま座り込んでいる女の子がいる。

かわいそうに小さな身体に帯を何重にもまきつけられて、自分では外せないようだ。

女の子の目は年齢に見合わぬ苦労がにじみ出ていた。

 

こういうのって、よくないと思うんだよな。

肌にも悪いし気持ちも悪いし、赤ちゃんも子守もかわいそうだ。

から帯でぎゅうぎゅうにしないで、赤ちゃん自分の体をこまめに洗えるようにしましょうと言いたい。

けど、幼い子守娘が赤ちゃんをずっと見ておけるのかとすごまれたら何も言えない。

そもそもこんな小さい子に赤ちゃんの命を預けるべきじゃないんだよね……。

 

大人たちの事情もわかるから何も言えない。

かになって子供が働かなくて済む社会にする、くらいしか思いつかないもの

ため息を付きながら井戸で帯をほどくと、むせ返るような悪臭が漂った。

気づかなかったがウンチもしていたようだ。

しかも、カピカピ具合を見るにおばさんたちが家を出る前にしたみたい。

替えていきなよ、親ならさあ……。

桶に水をザブザブ入れ、赤ちゃんのお尻を洗うと汚物が浮き上がってくる。

気持ち悪いなあ。

子供を持ったことのない弱者中年女性はこの程度で目をそらしたくなる。

何度も水をかえてようやくきれいになったが、かえのおしめがないので裸の赤ちゃんを抱えて急いで家に戻る。

 

さらしを巻いて囲炉裏そばで体を温めるけれど、赤ちゃんは泣き止まない。

おなかでもすいてるんだろうか。

お乳は出ないし、何を食べさせてやればいいかもわからない。

赤ちゃん大好きだと思ってたけど、かわいくて興味深いたかもの、というよりも片付けなくてはいけない存在に思えてくる。

自分の中から大切な何かが失われていくのを感じた。

 

翌朝、おばさんに野良仕事に出てみないか誘われる。

断る理由もないのでついていくが、とにかく田んぼまでが遠い。

なんでも山を一つ越えなくてはならないらしい。

わらじはすり切れるし足場は悪いしで足に傷ができてしま

「すいません、私この靴だと歩けないです……」

おばさんの肩をそっとつついた。

「この靴って……ほかになんの靴ならいいんだい?」

見ればどの人の足も傷だらけだ

みんな気にせず、というか我慢して歩いてる

「どこの殿様の姫さんじゃろうねえ。辛抱がたらんよ」

内心優しそうだと思っていた白髪のお婆さんの言葉に傷つく。

 

まあしょうがない。

時代が変わったところで能無しなのは変わりませんわ。

 

やっぱ女郎しかないのかなぁと死にたくなるが、出ていけとは言われず子守をしてるだけで家に置いてもらえた。

意外と人情が残ってるんだろうか。

 

それからしばらくは子守で暮らすゴクツブシだったが、あるとき仙台の大店の下働き募集してるとかで口利きがあり、そちらに紹介してもらえることになった。

勘定計算は苦手だし計算間違いもしょっちゅうだが、接客が丁寧だとかで評判が良かったらしく、普通に暮らしていけるようになった。

繊細な現代人の感性が活きたのかもしれない。

性格的にも前いた部落よりは仙台のほうが生きやすい気がする。

 

ときどき、現代知識があればもう少し楽に暮らせるんじゃないかと思うことがある。

大通り瞽女さんや芸人がやかましい歌やたいして面白くもない芸を披露しているのを見ると、自分だったらもっといい歌や面白いネタも知ってるのにと思う。

思うだけでやらないのだが。

ケアレスミスだらけの無能だけど謙虚で真面目な前垂れというキャラが壊れるのが怖いのだ。

そもそも芸って人を引き込むぐらいの思い切りや自信が必要で、社会が怖すぎる私にはその一歩が踏み出せない。

 

生きづらいながらもなんとか生きてはいけてるし、このままでいいかと思いながら過ごすのであった。 おわり

2023-11-30

anond:20231130172315

おめ

その日暮らしの日当バイト生活なんで想像できんけど、ボーナスってよいものなんだろな

2023-11-28

ジャニーズ崩壊始まったな……

当事者の会の橋田康スマイルアップの補償に月内に合意の見通し。

 

これに対してネット意見は「素晴らしい姿勢」と賛の意見大勢を占めている。

特に当事者の会のトップ層の「理外の補償要求」に、

一般人は「結局金やんけ」と嫌気がさしているところに

金じゃない。被害を認めてもらい、今後この事件を風化させないようにしていきたい。

というバランス感覚に優れたコメントは絶賛されている。

 

おそらくこの件は引っ張れば引っ張るほど、お互いの印象が悪くなるだけなのだ

スマイルアップ側からは既に補償の内容は提示されている。

もろちん、被害者側に所属証明しろとか意味不明なことを求めていたり、十全ではない。

いや返品対応じゃねーんだから、お前のところのタレント管理どうなっとんじゃ。

それはそれとして、これ以上、当事者の会が補償条件よりも補償内容で引っ張れば

今以上に当事者の会に対する風当たりは強くなっていくのは想像に難くない。

元ジャニーズファンではなく、ピーピー言いながらその日暮らししている

市井の人からの風当たりも強くなる。

 

たぶん、今回の橋田康補償合意に対する反応を見て合意に動き出す被害者は少なくないと思われるが

当事者の会の特にトップ層はそんなことをされては足元を見られるので非常に困る。

被害者同士で足の引っ張り合いというか綱引きが始まる。

2023-11-27

弱者男性って

お前らが言う弱者男性って例えカスみたいな偏差値であっても大学とか専門学校、せめて高校は出てるやん

ほんでやってる仕事中小事務接客業かせいぜいライン工ぐらいやろ?

左系の奴らが考えてる弱者って

めちゃくちゃ重い障害持ってるとか親がえげつない認知症とか日雇いのドカタで家無しその日暮らしとか

そのレベルの奴らのこと指してそう

「まあ生きてるけど金無いし毎日つまんねーな」って層のこと見えてなさそうなんだよな

まあ見えたところでソイツら助けよう!とはならんけどな だって金が無いだけであって安全場所で生きてるわけだし

2023-11-12

イスラエルやらパレスチナやらガザやらウクライナやら

どおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおでもいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいわ

おまえらほんま暇人やな?

自分自身ぬくぬくしあわせにすごせてるからそんな余裕があるんやろーーーーーーーーなとくにはてなーはよお

ボーナス100マンかいってるしさあああああああああああああああああああ

その日暮らしにもきびしーくそかねないやつとかのことかんがえてねーんだろうな

国内の窮状スルーして海外バラまくよーな、

お前らが普段 鼻息あらく批判してるせーじかと同じ穴の狢だよお前らはクソだみんなクズゴミ

かねをよこせ

2億くれ

2023-11-07

anond:20231106230016

玉砕せずに逃げた負い目?

あるわけないだろ。

1945のベストセラー誠文堂新光社英会話ハンドブック。

死んだ奴らは大義を果たしたが、生き残った連中はいともたやす大義を捨ててアメリカにかしずいたクズどもであり、その末裔よ。

掌返しでその日暮らしに汲々とした人間とその子孫がでかい口を叩くな。

貴様と俺にはちょうどいいくらいの塩梅エンタメ

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