「稲妻」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 稲妻とは

2022-06-20

AED成功蘇生した相手から訴えられる AED失敗→遺族や正義の第3者により殺人鬼扱い

終わってるだろ……。

なにが最悪って殺した時に「心臓が動いてるのに間違えてAED打ってとどめを刺した可能性がある」って一生言われること。

AED自体センサー付いてるとはいえもし偶然壊れてた場合完全に詰みだからね。

素人が止まりかけの脈を完璧に測れるはずもないし、一緒に確認してくれる人がいても一緒に殺人鬼扱いされかねない。

下手したら「人を殺したくてわざと壊した」とか噂たちかねない。

今のネット社会はそういうこと平気でするよ。

朝日KYと掘ってた頃と変わらないどころか悪化してるもの

蘇生してセクハラで訴えられるならまだ良い方だよね……それでも訴えられる時点で最悪だわ……。

やるメリットデメリットに勝るよ。

人を助けたということによって生じる清々しい気持ちも、殺人鬼痴漢として死ぬまで扱われることによって生じる憎しみで数年のウチに反転して「人類なんて全員死ね」に変わるよ。

心さえ穢れる暗黒の稲妻生成装置

それがAED

アガペー・イレイサー・ダークネスだよ。

2022-06-07

言語化する能力大事」を「言葉を沢山知るのが大事」と言ってしまうの言語化能力が低すぎますね……

自分の悩みを自己解決するのに必要なのは「今の状態に近い言葉を使えるか」をおいてないですよ。

語彙力だけどんなにあっても無意味です。

例を上げましょうか?

言葉を知らないけど正確な言語化を頑張るAくん「腹痛い。うんちが水みたい」→グーグル先生「それは下痢ですね。正露丸を飲みましょう」

言葉を知っているけど上手く言語化出来ないBくん「丹田を核として同心円を描くかのように段階的に稲妻が駆け巡るかの如く腹腔に掴みどころのない異物感。原始的な反射反応により我が脊椎は老婆を思わせるようにくの字を描き、薄れゆく意識は眼前に靄を広げるも霞の向こうに見えるは真昼の星か」→グールグル先生意味が分かりません」

2022-03-12

選択美術の思い出

20年くらい前の中学校での選択科目の美術

陶芸をするから粘土をこねろと言われた

美術室の中には知り合いも少なくて居心地の悪い時間だった

最初は真面目に整形していたものの、底面と側面の間をただつまんで均すのがつまらなくて、べたべたな土に指紋が残っていくのが不格好に見えて仕方なかった

僕は飽きたので、粘土で型を取ることにした

粘土をつぶしてただの塊状に戻し、廊下側の窓の錠に押し付け

上下金属の取っ手を動かすアレがにゅうっと粘土の中にに埋まっていく

粘土の凹凸が壊れないようにそおっと錠から外したが形が気に入らなかった

工学的な意味ある形を期待したのだけど、剥がしときの力を込めた方向に歪んでいた

窓の錠は片側からその跡を見ても、元の形状を想像できず、また眺める面白さもなかった

もっと平面で単調な形状の方がいいなと思い、僕は今度は粘土で長方体を形作った

上履きを脱いで、右手に持ち、机の上の均等に力が加わるように調整しながら念入りに押し付け

押し付けときよりももっと慎重に上履き粘土から外すと、狙い通り上履きの跡をきれいにとれた

ジグザグの稲妻上の溝の凹凸がひっくりがえって山脈の様に粘土の上に走っていた

自分不器用な手だけでは作れない複雑な形を作れて、自分自身は満足したものの道具や粘土を粗末に扱ったと先生には怒られるかなと思った

それで僕はチャイムが鳴るとそっと作品を提出して、自分教室に逃げた

それからしばらくしてから選択美術先生が僕に近づいてきて、「この間の靴跡のやつ、焼いたら割れちゃったみたいなんだごめんね」と言ってきた

「焼けたらどんな感じになるのか楽しみだったんだけどな」と言って先生は微笑んでいた

したこともない先生を楽しませることができたのかと不思議な心地だった

もうこの先生性別も覚えてないけど、物を作ると楽しいなと思えた原体験はこんなことだったなと昨日の昼になぜか思い出した出来事

2022-01-05

anond:20220105002900

人材国籍関係ない

miHoYoはそこらの日本人より日本オタクカルチャー伝統文化に詳しい集団で、こういう優秀な層は摂取する文化活動地域自国領域を飛び越えてるからね昔から

発信されていくのは中国カルチャーではなく、中国クリエイターによるグローバル価値観に沿ったAAAタイトル

 後日註:中国カルチャーではないと言ったのは間違いだった。中国カルチャーを含む、既存の多様な文化に敬意を払いつつゲームと融合させたものを発信していくものが一流のゲームの在り方だろう。

 実際に雲菫というキャラクター中国伝統芸能京劇モチーフにして製作されている。参考: 雲菫製作の裏側 https://www.youtube.com/watch?v=WNlTWfRk9nA

 同じような熱意は日本モチーフ地域実装した時にも見られた。参考: 稲妻エリア実装時の特番 https://www.youtube.com/watch?v=Vj69RoN7s7g

実際原神が欧米圏含めて世界中で大ヒットしてるように、ゲーマー偏見を持たないことが分かるだろう

完美世界によるSFアニメ調オープンワールド「幻塔」も国内ブレイク兆しがあるし 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=s5pNvFbud-A

テンセントリリースを予定してる王者荣耀·世界映像表現がかなり進んでる 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=PyHDl2VyLZ8

原神が耕した土壌にこういうのがグローバルローンチされれば十分に中国ゲーム市場に受け入れられていく未来想像できる

また文化的な面でもmiHoYoはゲームの中にとどまら現実世界でも大掛かりな興行を度々催している

コンサート2021: https://www.youtube.com/watch?v=1eFq21yT1vE

アルプス点灯: https://www.youtube.com/watch?v=WfAKBfFesWQ

2021-12-11

anond:20211211071943

今更何言ってんの

オデッセイブロックがクソ過ぎて引退者続出したじゃん

野生の雑種権orサイカトグしかなかったし

その後も大体同じようなデッキでクソだった

優勝者のジョンフィンケルがデザインした影魔導師の浸透者も当時何の役にもたたないゴミになってかわいそうだったし

そんでもってその後のブロック頭蓋骨絞めだのアホみたいなことするし

対抗呪文は落とすし暗黒の儀式は落とすし

その割に稲妻を復活させるし

十数年前から面白みのないものに変わっていってただろ

ストーリーウェザーライトサーガが一番盛り上がっていたのにそれも終わったし

かと思えばヨーグモスが死んだのにファイレクシアがまだ残ってるとかくっそつまらんし

お前が言ってるのは全て今更な話

わかったか

まぁお前みたいなのは言うだけ言って返事もしないんだろうけどな

2021-11-27

ヤフコメを丹念に読んでやっと堀ちえみアンチ気持ちがわかった

今まで堀ちえみを嘘つきだ詐病ださっさと死ねと罵る人たちの気持ちがさっぱりわからなかった。

どうしてそんなひどいこと言うの?

なんでそんなに堀ちえみを嫌うの?

あの人なにかした?

不思議に思ってたところまたアンチがしょうこりもなく誹謗中傷を繰り返し、堀さんは警察相談したらしい。Yahoo!ニュースになっていた。

堀ちえみ 「ステージ4の舌がんは嘘」「詐病」との誹謗中傷に「そろそろやめにしませんか?」警察にも相談

https://news.yahoo.co.jp/articles/c31767448637826ae81501366898e1d1a5935ac9

このニュースコメントが例によって例の如くひどかったのだけど(建設APIはなにやってるんだ)ひどいヤフコメを丹念に読んでいくうちに私はようやくアンチ気持ちがわかるようになった。

まずトップコメがこれ

匿名での誹謗中傷は確かにいけないが、この方も変に思わせぶりな書き方をしたブログ等での発信はおやめになられたらいかがでしょうか」

思わせぶりなブログを書くのが悪いらしい。

2番目がこれ

警察も忙しい、ブログを止めるのが1番早い解決方法かと思います

ブログを書くなという主張。

そして3番目がこれ

自分も同じ舌ガンでステージ4だった。自分抗がん剤投与2回した後、13時間の手術。だからこそ、この人の退院後の行動に疑問だらけだった。

退院後この人みたいにいろいろ食べられなかったし、何時間も話すこともできなかった。自分お腹から肉取って舌の替わりにしたけど、温泉なんて行けるような状態でもなかった。

から、落ち込んだもの。何で同じガンで同じステージだったのに、自分は頑張ってもこの人みたいにできないんだろう…って。

いろいろ疑問を持つ人だっていたと思う。でもコメントしても、はじかれて本当に知りたいことは発信してくれないから嘘だと思われたんだと思う。

この人なりの考えがあったのかもしれないけど体調悪いばっかり発信してたら、何かなー…とと思われるよ。この人のブログ自分にとっては、言い方悪いけど何の参考にもならなかったから、早々に見るのやめた。ただ落ち込むだけだった」

このコメント同意するツリーができていた

「私も彼女と同じ大腿骨頭壊死を患っています

人工関節が脱臼しないように行動様式指導してもらうはずですが 自分から見るとありえない発信内容が多過ぎて戸惑います

この記事に対するコメントとしては不適切だとしても 正直に言うと「本当なのかなぁ」と思ってしまます

もちろん悪口を言ったり営業妨害をすることはしませんが

疑問に思うことが多いです

自身特殊なケースならそこも詳しく発信してください」

「うちの父は、ステージ3の舌癌でなくなりました。太腿から舌に移す手術もしました。

大変な姿を見ていたからこそ、

この人の行動が信じられず見ているだけで嫌な気持ちになりました。

それ以来ブログも嫌だしテレビで見るのも嫌です 私も落ち込みます

父は、先生病院がよくなかったのかなとか色々考えてしま

なぜあんな元気になるのか不思議でならない 

何も食べれなかったのに、何故あんなに食べれるのか

発信するならもっと美味しいもの紹介とかでなく、他にあるんではと思う」

堀ちえみのようにガンをはじめとする大きな病と闘ってる人はたくさんいる。

堀さんは有名人なことで自分の苦しさを発信。

闘病中の人のことを発信してるかのように見せて自分悲劇のヒロインかのように書いて私を慰めて感もある。

同じように苦しんでる闘病中の人もたくさんいるのに自分のことばかり。

書いてることは知ってもらうきっかけにもなるけど知名度がある分、賛否両論に分かれるのも当然。批判されるのが嫌なら書かない方がいい。

新型コロナもあって家族とも会えずに闘病してる人もたくさんいる」

なるほど、そういう心理か。

私は(あるいは、私の親しい人は)同じ病気もっと苦しんだのになんで堀ちえみあんなに元気になって毎日幸せアピールしてるの?という妬みが高じて、本当は癌じゃないんだ!嘘つきだ!と思い込む。

あるいは、自分の求める理想の癌患者像と違うから、こんなの本物の癌患者じゃない!本物の癌患者もっと謙虚で慎ましくしているはずだ!堀ちえみ偽者だ!と存在否定する。

これが堀ちえみアンチ心理だったのか。

しかしもちろん、癌患者・癌サバイバーからといって一日に何度もブログ更新してもかまわないし幸せアピールしたってかまわないのだ。

このツリーにはアンチ諌めるまともなコメントもある。

「癌でもほかの病気でも

同じ病名でも症状も予後千差万別

自分経験と違うから嘘とか

一般の症状とちがうから嘘とか簡単に断言はできないよね」

「同じ癌でも切除できない大事な部分に癒着してしまっていて完全には切除できないこともあります。既に他の臓器に転移している場合もある。彼女は運が良かった、ただそれだけ。舌にも切除しても問題ない箇所とそうでない箇所があるということ。他の癌だってそうです」

彼女もかなり辛そうだぅたけどね。

もっともっと悲惨じゃないと嘘になるの?」

コメ主はガンのステージ4で助かったんでしょ、なんで人のガンが気になるの?

今生きる事の奇跡大事でガンステージ4でも人それぞれでしょ。私は腎臓ガンでしたが予後が幸いして助かりました。

同じ様な症状でも治療の経過で亡くなるかたもいますステージあくまで、めあすであって病状や治療予後が違うのは当たり前でしょ。他人より自分人生を生きたらいいのではないですか?」

しかし結局は堀さんへの誹謗中傷肯定するコメントが上位に来てしまっている。(建設APIとはなんだったのか)

ところで……堀ちえみは昔からなんでも全力でやりすぎる人だった。

代表作「スチュワーデス物語」は当時としても古臭い根性物語大袈裟演出大袈裟な演技でやりきった結果壮大なギャグと化して視聴者は大ウケした。

生放送歌番組で「稲妻パラダイス」を歌っている際に全力で踊りすぎて靴を蹴飛ばししまったのは今でも語り草だ。

https://youtube.com/watch?v=VfnPyhvHxiU

「待ちぼうけ」は恋人デートの待ち合せに来ない寂しさを延々歌っておいて「な〜んだ私の時計2時間進んでたわ」というズッコケオチで(竹内まりやは時々こういうおバカ歌詞を書く)全力が愛嬌になる堀ちえみからこそ映えた曲だ。

https://youtube.com/watch?v=gv1JiAoF6tg

何事にも全力な彼女から、何度も結婚し、離婚し、何人も子供を育て、力強く生きてきた。

ブログにも全力で頻繁に更新しているのだろう。

その全力な姿が、気に障る人にとっては「理想的な癌患者像」とは違うから不愉快ものに写るのだろう。

しかし、そんなのは知ったことではない。

堀ちえみさん、そんなアンチなんかあの稲妻パラダイスの靴みたいに吹き飛ばしちゃってください。

2021-10-11

anond:20211011135516

そりゃそうよ。

例えば原神というゲーム作品は、音楽ひとつとっても、モンド(中世ヨーロッパ地域)ではロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、璃月(中国地域)では上海交響楽団稲妻(日本風地域)では東京フィルハーモニー交響楽団と著名な伝統楽器奏者を多数登用してBGMを録っている。

そうやってパーツにお金をかけて本気で良いものを作りたいんだってことを行動で示していくと、他のパーツ制作にもそれに見合うように優秀な人材が集まり映像表現にしてもゲーム性についても洗練されていく、そういうモチベーションと好循環が生まれるわけよ。それを可能にしているのはやっぱりお金なわけで、もちろん企業風土とかもあるんだろうけど、ケチらんことは重要なんだろう。

結果として開発費に110億かけてもそれをリリース2週間で回収するヒット作を生み出し、年間の運営開発費に220億を追加でかけていても年間売上で2200億を超える作品となっているわけよ。

小さくまとまろうとしてはい作品はできないし、ムーブメントを牽引するほどの力は生まれない。

例えばキズナアイだってそうだ。2016年、新しいスタイル彼女YouTubeに初登場した時点で、すでにかなり洗練された先端技術企業をバックにして動いていた。その後雨後の筍のように生えてきた模倣者たちは、素人趣味レベルのフルトラッキングや、Live2Dのような劣化技術で小さく狭い内輪向けのファンを獲得する方向に行ってしまったが、こうした流れ自体最初彼女がしょぼい作りで登場していたのなら、そして貪欲日本芸能界世界有名人に切り込みをかけていかなかったら、生まれなかった。Vtuberというスタイル流行も定着もしなかったかもしれない。これも自身スケールさせるためにカネに糸目をつけなかったからこそ得られた成果といえるだろう。

しらんけど。

2021-09-24

M-1グランプリ2021札幌予選

2021年9月12日M-1グランプリ1回戦札幌予選を見てきた。会場は狸小路5丁目のサツゲキ

エントリーは82組で、欠席者もいるので実際の出場は73組。MCすずらん。3時間超の長丁場だったが、これでもまだ他の都市に比べれば短い方だから恐ろしい。

札幌予選はアバンギャルドアマチュアが多くて面白いMCすずらんも後日のライブ言及していた「R-1三人衆」が今回の注目株で、相方人間じゃない組が3組もいた。漫才定義を揺さぶりにかかる札幌は色んな意味フロンティアだ。ついでに顔出ししていないコンビ複数いた。

印象に残った組についてレポしてゆく。

宇宙科学アマチュア

新番組」。明らかに悪意のあるキャスティングが展開されるが、そこにはツッコミがない。ひろゆきモノマネちょっとだけ似ていて、札幌予選初笑いをとる。

faithアマチュア

北海道離島出身だというおじさん2人のコンビ。島の話が面白そうだったのにそこは広げてくれなかった。

大富豪アマチュア

声が大きくて初めてちゃん漫才らしい漫才が来た!という感じだった。でもチビネタ一本槍はきつい。

あのラグビー部アマチュア)通過

「好きなペット」。とても演技が上手で、意地を張るあまり暴論をかましてゆく展開が自然だった。この日初めての合格

マリ整形外科アマチュア

さよならミオちゃん」という札幌バンドボーカルの方が組んでいるコンビ

なそり~ズ(アマチュアナイスアマチュア

仮面かぶりながら踊る雅楽漫才雅楽は1300年の歴史があるらしいので、すゑひろがりず狂言漫才よりもさらに古い。場を和ませてくれました。

ゴンドラゴンアマチュア)通過

大学お笑いサークル出身コンビボケ2020年に「風水」というコンビ札幌予選2位通過したテレビ局の方で、ツッコミ2018年に「とれたて力」というコンビで3回戦進出したことがある京大医学部卒の方。さすがに達者だった。

ミクロポエジー札幌吉本)通過

「食べちゃいたい」。この日初めてのプロ組で、ピン芸人同士のユニットクレイジーボケ悲壮感のあるツッコミの相性がよかった。このツッコミ汎用性ありそう。

海鮮プリンセス太田プロ札幌

割り込み」。男女コンビで、ボケ女性がはつらつとしている。

DAOFFICE JET TV

早口言葉」。R-1三人衆の一人目。アレクサを相方にして漫才をする。ちゃん自分プログラミングをしているらしい。アレクサは一応自分で声を発しているので、ちゃん漫才だと思えてしまうのは、だいぶ毒されているのかもしれない。

ギョーザ気持ちアマチュア)通過

言葉を弱くする」。男女コンビきれいなお姉さんがくだらないことをやっているのが意外と新鮮。

有限会社カメムシアマチュア

刑務所」。「囚人一号」という名前コンビもいたが、こっちのほうが囚人一号っぽいことをやっていた。

うぃ!らぶ!さぶ!かる!ちゃ~(アマチュア

大喜利」。スケッチブックを持ち込んだトリオ漫才老人ホーム職員たちがレクしてるみたいだった。

百餅(吉本興業/アマチュア)第2位通過

混浴」。ツッコミの方は2020年に「パブロ学級」というトリオで出場し、2回戦で結構ウケながら惜しくも敗退していた。もともとは札幌演劇畑の人たちらしく、声も聞き取りやすくて面白かった。この日初めて大爆笑をとっていた。公式サイト写真の謎の勢いが笑える。

秘蔵(アマチュア)通過

バーテン」。「ワンランク上!」「ワンランク下!」と評価しながらツッコミを入れてゆくシステムが、アマチュアながら完成されていて面白かった。

TwoT(太田プロ札幌)通過

桃太郎」。童話ネタにわかやすボケ倒してゆく王道スタイル

ヴァンちゅ~る(フリー)通過

怖い話」。札幌フリー活動しているコンビ。熱気あふれまくって最後は卒倒するツッコミの勢いがすごい。

若気の至りアマチュア

怖い話」。予選あるある、前のコンビとのネタかぶり

流氷オニオンズ(アマチュア

おじさんと若者コンビちょっと顔が似てるので親子かなと思ったが、互いに苗字で呼び合っているので他人なのかもしれない。謎が多い。腕組みをしながら話すおじさんがMCすずらんネタにされる。この日最初時間切れ爆発。

サミーアンドサニーアマチュア

元気な兄弟コンビ。兄の方は「アンドリア」としても出場していた。

トロフィーマングー(太田プロ札幌

「2択クイズ」。男女コンビボケ女性が見るたびに不気味な雰囲気になってゆく。

まごのて(太田プロ札幌

「酒」。2020年札幌予選3位通過コンビ最近はずっと四字熟語漫才をやっている。

バーベキュウピットボウイズ(アマチュア

万引き」。段ボール箱を持ち込んでネタ時間中に組み立てるというとんでもないネタアバンギャルドアマチュアたちの中では埋もれ気味だったけど、結構めちゃくちゃなことをやっていて面白かった。

こばたいた(アマチュア

改名」。同級生3人のわちゃわちゃした漫才。にぎやかでした。

スクランブル札幌吉本)第3位通過

運命出会い」。最近地元の深夜バラエティにもちょこちょこ出てて知名度があるのか、出てきた瞬間パッと華やいだ印象。ハイテンション王道コント漫才結構ウケていた。

センチメンタル太田プロ札幌

おなら」。太田プロ札幌支社ができるにあたって東京からやってきたコンビ

TOMATO(札幌吉本)通過

吹き替え」。日米コンビだが、アメリカ人ツッコミというのが他にない個性

あるま~に(アマチュア

「千円」。旭川アマチュアコンビ。声も通っていて達者だった。別のライブで見たときよりも毒は弱めだった。

メインミッションアマチュア

ひょっとこのお面をかぶって喋らず、パントマイムだけで漫才をしていた。この日二組目の仮面コンビオチ一言だけ喋ったとはいえ、このコンビでも終わった後にちゃんマイク消毒することに笑ってしまった。

こはち札幌吉本

「姉が欲しい」。普段コント師だが今回はしゃべくり漫才ボケがかなりの変人なのだいまいち爆発せず、札幌吉本勢唯一の敗退。

ゴールデンルーズ札幌吉本)通過

コンビ強盗」。何度も見た代表ネタだけど、結構改良されていてよりポップになっていた。

コーンポタージュアマチュア

未来が見える」。テンポがよくてよかった。

ペナンペ・パナンペ(アマチュア)通過

おすすめスポット」。アイヌ文化を題材にしたネタをするコンビ札幌の地下ライブにもよく出ているけど、今まで見てきた中で一番ウケていた。ウポポイという名前北海道では相当浸透しているおかげだろうか。東京だと知られているのかなあウポポイ。

ジュケイズ(アマチュア

ゆるい雰囲気でよかった。

イノセラムス(札幌吉本)通過

「ペット」札幌NSC1期生ピン芸人2人による男女ユニット。二人でむかわ町ロケに行ったからイノセラムスなのかな。天然な弟としっかり者のお姉さんという雰囲気のほんわかするコンビだった。

つちふまズ(札幌吉本)通過

誕生日プレゼント」。貫禄のしゃべくり漫才

エゾだんしゃく(アマチュア

ニュースキャスター」。中学生コンビなのにパチンコネタ

十月乃蝉(アマチュア

ツクツクボウシ」。コンビ名もネタも蝉づくし。

オフサイドアマチュア

北大サッカー部の先輩後輩というプロフィールだけ妙に記憶に残っている。

やすと横澤さん(フリー)通過

食レポ」。フリーで自ら仕事をとってライブ主催して頑張っている北海道さらば青春の光。35歳以上の心だけ的確に撃ち抜くワードを連発しながら、若い女性にも結構ウケていた。

コロネケン札幌吉本)通過

最近好きなもの」。北海道住みます芸人札幌吉本エース的な存在。安定のウケを取っていた。

匿名絶望アマチュア

R-1三人衆の2人目。旭川アマチュア芸人ジェイソンのお面をつけたマネキンを片手に漫才する。一応声色を変えてジェイソンの声をやっているので漫談ではない。お面を相方と言い張るような人なので、「ネタ飛ばした」とネタ中に言い出していても本当かどうかわからない。嘘と本当の境目が壊れてゆく不思議体験ができる。タイミングをはかった時間切れ爆発で大爆笑を呼んでいた。キングオブコント札幌予選でも当日に相方を決めたり、とにかく出場したら何かをやらかしてくれる人という謎のワクワク感がある。

ひかげものアマチュア

豆知識」。可愛らしい女性コンビだった。

サーナイトアマチュア)通過

10クイズ」。使い古されたテーマだが新しい切り口を見せてくれた。アマチュア扱いだけど事務所所属経験があって実質的フリーに近いコンビ

オレマカ(ウェイビジョン

ミスチルに入る方法」。トリオ漫才だが、コンビ漫才を同時並行してやっているようなユニーク形式で斬新だった。公式サイト写真でも明らかに立ち位置おかしいのでただならぬことをしているのが伝わる。落選は残念。

ビビタル(アマチュア

ジモティーで結成したという男女コンビ女性の方は太田プロ札幌ライブに出てるけど、アマチュア扱いってことはまだ正式所属ではないのかな。

稲妻ファンファーレアマチュア

なぜか客席の一部が妙に沸いていたが、知り合いが来てたのかな。

ぱむ(フリー

札幌ではケーブルテレビなどでレギュラーを持っていてそこそこ露出のあるピン芸人と、ラジオパーソナリティもしているバスガイドユニット早口言葉普通に噛んだ。

スキンヘッドカメラ札幌吉本)第1位通過

「甥っ子」。最近始めた新しい型がうまくいっていた。途中でボケツッコミが交代するのもハマり、この日見ている途中で少なくともTOP3には入るだろうと唯一確信したコンビ

金魚強盗アマチュア

お祈りメール」。R-1三人衆の3人目にして大トリ金魚片手に目出し帽姿でまあまあ軽妙な漫談金魚と会話する意志すらほとんど見せていないのでこれはさすがに漫才ではない気がするが、場が荒れに荒れていたのでウケていた。意外とトークスキルはあるので、札幌の地下ライブとか出たら普通に勝つと思う。金魚強盗より年上で職業フリーターと、公式プロフィールでボケかましているのも印象深い。

総評

結果としては不合格だったものの、R-1三人衆、その中でも特に金魚強盗のためにあるような札幌予選だった。昨年のマヂカルラブリー漫才論争なんて一笑に付すようなクレイジーな予選で、大阪にも東京にもない北海道ならではの個性が爆発していた。普通にウケて普通に通過したゴールデンルーズも、ほぼ1人しか喋っていないのでマヂラブ漫才じゃない派の人たちの区分けなら漫才じゃないはずなのだが、他が狂いすぎててもはや誰も疑いを挟まないレベルになっている。相方人間じゃない3組が目立ったが、素顔を晒していないコンビが3組いるのもなにげにポイントである。まあ金魚強盗はその両方を兼ね備えているのだが。

2021-09-23

稲妻

稲🍙と妻👰それぞれ単体にはまったく稲妻的な意味が感じられない

あわせて稲妻にしたとたん稲妻⚡という意味が突然発生する

これが⚡稲妻マジック

2021-09-13

稲妻後半のストーリー微妙すぎた

のに周りが持ち上げまくってて言いにくいのでここに吐きだす。原神のネタバレ考慮してないので自衛してくれ

前提として稲妻キャラで好きなキャラがほぼいない。雷電将軍マジでキモイ九条珊瑚宮、ゴローはストーリーで好きになれる要素なし。八重神子もどうでもいい。

誰かしら好きであればまだ多少マシに受け取れたんだと思う。オタク推しが動いてしゃべってかっこよく戦闘してくれたらそれだけで良いみたいなところあるしな…でも外見だけではほぼ好きにならないのでスッカラカンストーリーではどうにもなりませんでした

天才軍師って何だったんだというほど珊瑚宮が無能

・ゴローもモブレベル反乱軍と合流する必要ありました?????

重要な役にモブもってくるなら専用グラぐらい用意してくれ。いまいち愛着わかない。主人公と一瞬重なるシーン一瞬誰か分からなかった

上記があるので淑女へヘイト集め切れてない。淑女の消費も雑に感じる

九条が即落ち3コマ朝チュンレベルでやられててこれのどこでガチャ回せと…

・あれだけ強大な敵として描いといて雷電将軍に背後から奇襲させるとかなに?正気?小物化待った無し

政府反乱軍和解ブン投げすぎ。続く伝説任務の冒頭の唐突

万葉と親友の話のところだけは良かった。でもそれだけ。あのシーンのために雷電小物化はバカだと思うが

追加ストーリー評価をひっくり返してくれることを祈る

2021-09-07

[]ラアド

ラアドはアラビア語で雷の意味



言語での「雷」を表す語(音[雷鳴]、光[稲妻]の別、あるいは両方、落雷)

かみなり(神鳴り、の意味 日本)

いかづち(雷神意味、「ち」は霊的なもの精霊か。厳つ霊。 日本)

サンダーthunder (雷神ソール[トール]から 古英語þunor 古ノルド語þorr Du. donder, O.H.G. donar, Ger. Donner )

 サンダーボルト

 ドンナーDonner (雷ドイツ語)

 ブリッツblitz (ドイツ語 稲妻 電撃・猛爆などの意) 落雷ブリッツシュラーク

 ライトニングlightning (雷光稲妻。13c世紀頃の記録がみられる。make bright 英語)

 落雷ライトニングボルト

・ケラヴノスΚεραυνοζ (雷、落雷 ギリシャ語)

 アストゥラビ (稲妻  ギリシャ語)

 ブロンテース (雷鳴? ギリシャ語)

・トニトゥルスtonitrus (雷 ラテン語)

 フルグルfulgur (稲妻 ラテン語)

 フルメンfulmen (落雷 ラテン語)

・トネーレtonnerre (雷 フランス語)

 エクレールeclair (稲妻 フランス語) *お菓子エクレアは、稲妻にうたれたようなおいしさだとか

・トゥオーノtuono (雷 イタリア語)

 ランポlampo (稲妻 イタリア語)

 サエッタ (落雷 イタリア語)

グロムгром (雷 ロシア語)

 モールニヤ (稲妻 ロシア語) 落雷ウダール・モール

・ラアド (雷 アラビア語)

 バラク (稲妻 アラビア語)

 サイカ (落雷 アラビア語)

・雷 (雷 中国語)

 閃電 (稲妻 中国語)

 雷電 (落雷 中国語)

・ヒボラトゥ(雷の意味 バレッセ語 アフリカコンゴ:イツーリ地域)

2021-08-21

miHoYoありがとう……オーケストラ映像見てると涙が出てくる、何もかもが素晴らしくて

https://www.youtube.com/watch?v=5El1WIS_neE

モンド地域ときロンドンフィル、璃月地域上海交響楽団によるメイキング映像が公開されたときも感動したが、それはどちらかというと制作スケール感に圧倒された部分が大きかった

そこへ来て本日公開された、日本モチーフである稲妻地域の収録風景

東京フィル民楽アーティストによる映像は、動画としてもより凝った見せ方をしているように感じたし、和を巧みに融合させた楽曲構成にしても、miHoYoの本気、日本文化への最大限の敬意が伝わってくる

それに輪をかけて、今回の制作にあたられた時期は新型コロナパンデミック下であったはずで、相当な苦労を乗り越えて出来上がったもののはずだ

これらはゲーム音楽ではあるものの、いやゲーム音楽からこそ、世界文化をつないでくれるものなんだという、音楽の力を真面目に語りたくなってしまう、それくらいの熱量を受け取った

原神はリリース一年弱で3つ目の国が公開されたが、この大陸には七国が現存しており、4年ほどかけてマップの広がりとともにメインストリーが展開されていく予定らしい

まり、当分は死ねないということだ

2021-07-10

IT世紀末羅生門

 ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨雲レーダーを見ていた。

 広い門の下には、この男のほか誰もいない。ただ所々ペンキの剥げた、大きな円柱にドローンが一機突き刺さっている。

羅生門朱雀大路にある以上は、この男のほかにも、雨やみを待つSIerプログラマーがもう二三人はありそうなものである

それが、この男のほかには誰もいない。

 何故かと云うと、この二三年、京都には地震とかDDoS攻撃とかEMPとかドローン攻撃とか云う災がつづいて起こった。

そこで洛中さびれ方は一通りではない。旧記によると、サーバーEVを打ち砕いて、その貴金属が使われたり充電池がそのままだったりする金属の塊を建築資材として売っていたと云う事である

 洛中がその始末であるから羅生門の修理などは元より誰も捨てて顧る者がなかった。するとその荒れ果てたのをよい事にして、

営業職が棲む、意地悪な顧客が棲む。とうとうしまいには、引き取り手のないSEを、この門へ持って来て棄てて行くと云う習慣さえ出来た。

そこで、日の目が見えなくなると、誰でも気味を悪がってこの門の近所へは足ぶみをしない事になってしまったのである

 その代わりまたドローンがどこからか、たくさん集まって来た。昼間見ると、そのドローンが何機となく輪を描いて、高い電波塔のまわりを

ブンブン言いながら飛びまわっている。ことに門の上の空が、夕焼けであかくなる時には、それがゴマをまいたようにハッキリ見えた。

 ドローンはもちろん、門の上にいるSEをせっつきに来るのである。_______もっと今日はあまり仕事がないのか一機も見えない。

ただ、所々崩れかかった、そうしてその崩れ目に長い草はえた石段の上に、墜落したドローンの残骸が落ちているのが見える。

 下人は七段ある石段の一番上の段に、何日も洗っていないスーツの尻を据えて、右の頬に出来た大きな人面瘡を気にしながら、ぼんやり雨のふるのを眺めていた。

 作者はさっき「下人が雨雲レーダーを見ていた」と書いた。しかし、下人は雨雲がどうでも格別どうしようと云う事はない。ふだんなら、

もちろん会社へ帰る可き筈である。ところがその会社からは、四五日前に暇を出された。前にも書いたように、当時京都の町は一通り

ならず衰微していた。今この下人が永年、使われていた会社から暇を出されたのも、実はこの衰微の小さな余波にほかならない。

 だから「下人が雨雲レーダーを見ていた」と云うよりも「雨に降りこめられた下人が、行き所がなくて途方にくれていた」と云うほうが適当である。その上、今日の空模様も少なからず、この平安朝の下人のSentimentalismに影響した。

 申の刻下がり(16時以後)からふり出した雨は、いまだに上がるけしきがない。そこで下人は、何をおいても差当り明日暮らしをどうにかしようとして____云わばどうにもならない事を、どうにかしようとして、とりとめもない考えを辿りながら、さっきから朱雀大路にふる雨の音を聞くともなく聞いていたのである

 雨は、羅生門をつつんで、遠くからざあっと云う音をあつめて来る。夕闇は次第に空を低くして、見上げると門の屋根が、斜に突き出した甍の先に、重たくうす暗い雲を支えている。

 どうにもならない事をどうにかするためには、手段を選んでいる遑(いとま)はない。選んでいれば、高架の下か道端のベンチの上で、餓死するばかりである。選ばないとすれば____下人の考えは、何度も同じ道を低徊(ていかい)した挙げ句に、やっとこの局所へ逢着(ほうちゃく)した。しかしこの「すれば」は、いつまで経っても結局「すれば」であった。下人は手段を選ばないという事を肯定しながらも、この「すれば」のかたをつけるために、当然、その後に来る可き「転売屋になるほかに仕方がない」と云う事を、積極的肯定するだけの勇気が出ずにいたのである

 下人は、大きなくしゃみをして、それから大儀そうに立ち上がった。夕冷えのする京都は、もうカイロが欲しいほどの寒さである。風は門の柱という柱の間を、夕闇と共に遠慮なく吹き抜ける。円柱に突き刺さっていたドローンも、もうどこかへ吹き飛ばされてしまった。

 下人は頸(くび)を縮めながら、カッターシャツに重ねたヨレヨレのジャケットの肩を高くして門のまわりを見まわした。雨風の患(うれえ)のない、人目にかかる惧(おそれ)のない、一晩楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも夜を明かそうと思ったかである

 すると、幸い門の上の楼へ上る、幅の狭い、点検用の梯子が眼についた。上なら、人がいたにしてもどうせ疲れ果てて寝ているSEばかりである。下人はそこで、腰にさげた特殊警棒が伸びないように気をつけながら、便所サンダルはいた足を、その梯子の一番下の段へふみかけた。

 それから、何分かの後である羅生門の楼の上へ出る、幅の狭い梯子の中段に、一人の男が猫のように身を縮めて、息を殺しながら上の様子を窺っていた。楼の上からさす白色光が、かすかにその男の右の頬をぬらしている。短い髭の中に、赤く膿を持った人面瘡のある頬である。下人は初めから、この上にいる者は寝ているSEとばかり高を括っていた。それが、梯子を二三段上って見ると、上では誰かがスマホライトをとぼして、しかもその灯りをそこここと動かしているらしい。これはその濁った、白い光が隅々に蜘蛛の巣をかけた天井裏に揺れながら映ったので、すぐにそれと知れたのである。この雨の夜に、この羅生門の上で灯をともしているからは、どうせただの者ではない。

 下人はヤモリのように足音をぬすんで、やっと急な梯子を一番上の段まで這うようにして上りつめた。そうして体をできるだけ平らにしながら、頸をできるだけ前へ出して、恐る恐る楼の中を覗いて見た。

 見ると楼の内には、噂に聞いていた通り何人かのSE無造作に寝ているが、ライトの光の及ぶ範囲が思ったより狭いので、数は幾つともわからない。ただ、おぼろげながら知れるのは、その中に手ぶらの者とPCを持っている者があるという事である。もちろん、中には女も男もまじっているらしい。そうして、そのSEは皆、それがかつて労働意欲燃えていた人間だと云う事実さえ疑われるほど、土をこねて造った人形のように、口を開けたり手を延ばしたりして、死んだように床にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの高くなっている部分に、ぼんやりした光をうけて、低くなっている部分の影を一層暗くしながら、永久に唖(おし)の如く黙っていた。

 下人は、それらのSEの様子に思わず眼を覆った。しかしその手は、次の瞬間にはもう眼を覆うことを忘れていた。ある強い感情が、ほとんどことごとく男の視界を奪ってしまたからだ。

 下人の眼は、その時はじめてそのSEの中にうずくまっている人間を見た。桧皮色のジャージを着た、背の低い、痩せた、白髪頭の猿のような老婆である。その老婆は、右の手にライトを灯したスマホを持って、そのSEの一人のPCを覗き込むように眺めていた。腕に抱いている所を見ると、多分ノートパソコンであろう。

 下人は、六分の恐怖と四分の好奇心に動かされて、暫時は呼吸をするのさえ忘れていた。旧記の記者の語を借りれば、「えぐいって」と感じたのである。すると老婆は精密ドライバーを取り出して、それから今まで眺めていたノートパソコンに手をかけると、ちょうど猿の親が猿の子シラミをとるように、そのノートパソコンを分解しはじめた。かなり手慣れているらしい。

 電子部品が一個ずつ抜けるのに従って、下人の心からは、恐怖が少しずつ消えていった。そうして、それと同時に、この老婆に対する激しい憎悪が少しずつ動いて来た。____いや、この老婆に対すると云っては語弊があるかも知れない。むしろ、あらゆる悪に対する反感が、一分毎に強さを増して来たのである。この時、誰かがこの下人にさっき門の下でこの男が考えていた、餓死をするか転売屋になるかと云う問題を改めて持ち出したら、おそらく下人は何の未練もなく、餓死を選んだ事であろう。それほどこの男の悪を憎む心は、指数関数的に勢いよく燃え上がり出していたのである

 下人には、なぜ老婆がSEノートパソコンを分解するかわからなかった。従って、合理的には、それを悪である一方的に決めることが出来なかった。しかし下人にとっては、この雨の夜に、この羅生門の上で、SE自前のノートパソコンを分解すると云う事が、それだけで既に許すべからざる悪であった。勿論、下人は、さっきまで自分転売屋になる気でいた事なぞは、とうに忘れていたのである

 そこで下人は、両足に力を入れて、いきなり梯子から上へ飛び上がった。そうして特殊警棒に手をかけながら、大股に老婆の前へ歩み寄った。老婆はマイコン自作した監視カメラで、事前に下人の動きを見ていたのだが、想定外の行動に飛び上がった。

「どこ行くんじゃワレ!」

 下人は、老婆が寝ているSEにつまずきながら、慌てふためいて逃げようとする行く手を塞いで、こう罵った。老婆は、それでも下人をつきのけて行こうとする。下人はまた、それを行かすまいとして、押し戻す。二人はSEの浅い寝息の中で、しばらく無言のまま、つかみ合った。しか勝敗は初めから分かっている。下人はとうとう老婆の腕をつかんで、無理にそこへねじ倒した。ちょうどケンタッキーフライドチキンの骨のような腕である

「何しとったんじゃ!云え。云わんとこれやど」

 下人は老婆をつき放すと、いきなり特殊警棒を伸ばして、黒くて硬くて長いものをその眼の前へつきつけた。けれども、老婆は黙っている。両手をわなわな震わせて、肩で息を切りながら、眼を、眼球がまぶたの外へ出そうになるほど見開いて、唖のように執拗(しゅうね)く黙っている。これを見ると、下人は初めて明白にこの老婆の生殺与奪の権自分が握っていると云う事を意識した。そしてこの意識は、今まで煮え滾っていた憎悪の心を、いつの間にか冷ましてしまった。後に残ったのは、ただ、ある仕事をしてそれが納期に間に合った時の、安らかな得意と満足があるばかりである。そこで下人は、老婆を見下しながら、少し声を和らげてこう云った。

「ワシはマッポでもSECOMでもない。今し方この門の下を通りかかった暇なヤツや。せやからお前に縄かけてどうこうしようっちゅう事もない。ただ、今時分この門の上で何をしとったんか、それをワシに話しさえすればええんや

 すると老婆は、見開いていた眼を一層大きくして、じっとその下人の顔を見守った。まぶたの赤くなった二階幹事長のような、鋭い眼で見たのであるそれから皺でほとんど鼻と一つになった唇を、何か物でも噛んでいるように動かした。細い喉で、尖った喉仏の動いているのが見える。その時、その喉からカエルの鳴くような声が、喘ぎ喘ぎ、下人の耳へ伝わって来た。

「このパソコンCPUを抜いてな、型番とコア数を偽装してな、転売しようと思うたのじゃ」

 下人は、老婆の答が存外平凡なのに失望した。そうして失望すると同時に、また前の憎悪が、冷ややかな侮蔑とともに心の中へ入って来た。するとその気色が先方へも通じたのであろう。老婆は片手にまだ抜き取ったCPUを(素手で)持ったなり、蟇(ひき)のつぶやくような声で、口ごもりながらこんな事を云った。

「なるほどな。SEからPCを奪うという事は、何ぼう悪いことかも知れぬ。じゃが、ここにいるSE達は皆、そのくらいな事をされてもいい人間ばかりだぞよ。現にわしが今、CPUを奪った女などはな、コメントも無いし改行もない滅茶苦茶なコードを、仕様通りに動けばよいと言って書いておったわ。それもよ、この女の書くコードは早いし安いし仕様通りに動くと云うて、ケチ経営者どもが買っていたそうな。ワシは、この女のした事が悪いとは思うていぬ。せねば餓死をするのじゃて、仕方がなくする事じゃわいの。じゃて、その仕方がない事をよく知っているこの女は、大方わしのする事も大目に見てくれるであろ」

 老婆は大体こんな意味の事を云った。CPUを盗られた女は、よほど疲れているのかこんな騒ぎでもノートパソコンを抱いたまま、全く起きる気配がない。

 下人は、特殊警棒を畳んで、その柄を左の手で握りながら、冷然としてこの話を聞いていた。勿論、右の手では、赤く頬に膿を持った大きな人面瘡を気にしながら、聞いているのであるしかし、これを聞いている中に、下人の心にはある勇気が生まれて来た。それはさっき門の下で、この男には欠けていた勇気である。そうして、またさっきこの門の上へ上ってこの老婆を捕まえた時の勇気とは、全然、反対な方向へ動こうとする勇気である。下人は、餓死をするか転売屋になるかに迷わなかったばかりではない。その時のこの男の心持ちから云えば、餓死などという事は、ほとんど考える事さえ出来ないほど、意識の外へ追い出されていた。

「ほーん、そうか」

 老婆の話が終わると、下人は嘲るような声で念を押した。そうして、一足前へ出ると、不意に右の手を人面から離して、老婆の襟上をつかみながら、噛み付くようにこう云った。

「ほな、ワシが転売をしようと恨むまいな。ワシもそうしなければ、餓死をする体なのだ

 下人はすばやく、老婆からCPUを奪い取った。それから、足にしがみつこうとする老婆をジャイアントスイングで投げ飛ばした。梯子の口までは、僅かに五歩を数えるばかりである。下人は剥ぎ取ったCPUを胸ポケットに入れ、床に置いてあった老婆の精密ドライバーセットも手に持ってまたたく間に稲妻のごとく急な梯子を夜の底へとかけ降りた。

 しばらく死んだように倒れていた老婆が体を起こしたのは、それから間もなくの事である。老婆はつぶやくような、うめくような声を立てながら、まだライトがついているスマホの光を頼りに、梯子の口まで這って行った。そうして、そこから短い白髪をさかさまにして、門の下を覗き込んだ。外には、ただ黒洞々たる夜があるばかりである

 下人は、既に、雨を冒して、京都の町へ"仕入れ"を働きに急ぎつつあった。

2021-06-14

雰囲気仕事してた

僕は多分、自分の周りの世界を正しく認識できていなかった。そして、それは雰囲気仕事を行うことに繋がっていた。

これは、決して目の前にある物を正しく視認できない、という事でもないし、また他人気持ちを正確に読み取れない、というものでもない。

勿論、僕は他人気持ちを正確に汲み取れてなどいないのだが、とにかくそういう事ではない。

この問題を感じたのは、ずっとずっと前のように思えるが、実際には7年前に社会人になった頃だった。社名や業種は公開しないが、サービス業営業部門企画的な仕事を行う部署に配属された。

そこでは、施作自体は他社の後追いに過ぎないものが過半であったが、淀みなく施作が企画提案・実行というレールに放たれていた。僕はそういう環境に身を置きながら、少しだけ自身とのズレを感じ始めていた。

先輩や上司は一体どのような思考で、施作を考えつき、実行しているのか、全く分からなかったのだ。

僕は少し悩み、飲み会(!コロナ前は普通だったのだ)で相談してみた。すると、まあ当然なのだが、慣れや経験不足を指摘された。

しかし、違和感は、僕の中で、夏の空に浮かぶ入道雲のように膨らみ続けた。成層圏にたどり着いたある日、突然、僕の心を揺さぶ稲妻の如き結論を叩きつけた。

僕は何も考えてなどいなかったのだ。

いや、正確に言うと、僕は所属する組織ビジネスを巡るマクロ環境顧客の動向への知識が浅すぎて、考える事などできなかったのだ。

そう、雰囲気仕事をしていたのである

「何をバカな事を。」、「お前が仕事できないだけだろう。」など読者諸賢に於いてはそうした罵詈雑言を僕に投げかけることだろうが、甘んじて受け入れよう。

僕は、つまるところ、少しはデキる奴だと信じて生きてきたのだが、そんな事はなかったのである

これは、僕が、自分がデキる奴だと思い込んでいた痛い奴というだけの簡単問題ではない。

なぜか。

その答えは単純である

そのままでいても、おそらく問題いからだ。

僕は、違和感を持ち続けてこの自身問題に気付いた。しかし、それは矯正されずに過ごせてしまったということの裏返しでもあるのだ。

もちろん、出世はしにくいのかもしれない。だが、クビにはならないだろう。驚くべきことに、僕の評価過去上位を保ち続けたのである

会社という、何らかの利益を出さねばならない環境においても、雰囲気仕事をすることが許される。これは考えようによっては恐ろしいほどに顧客への冒涜だろう。顧客は我々に、プロとしてのサービスを期待しているのだから

にもかかわらず、僕はあるがまま生きてきてしまった。

しかすると、大半の人はこの問題、つまり世界をきちんと認識して、それを仕事に活かす、ということをしているのだろうか。

それとも、一部の人けが考えており、大半は雰囲気仕事をしているのだろうか。

いずれにしても、僕は冷や汗で気持ち悪くなる。

気付かずに過ごしていたら、僕はどうなっていただろうか。気付いたとして、僕は一体どうしたらいいんだろうか。

2021-06-07

カードゲーム競技プロ化、eスポーツ化に向いてない的記事への反論

メンタルが完全に死んでいるので、手短にかく。

 

カードゲーム競技プロ化、eスポーツ化に向いてないと言う話

https://note.com/kinghalo_dl/n/n939546088687

へのツッコミ

前の記事こちら。MPL終了の記事の読み方を書いてる。ここの内容と被るので別の読まなくていい。

anond:20210520025445

 

カードゲームは観戦するのに必要知識量が多すぎる」

僕は格ゲーを実際にプレイしたことはないのですが、何やら人間離れした技が繰り出されたことはこれを見ると理解できます

各所で突っ込まれてるけど、この背水の逆転劇、とりあえずゲーム素養がない人には何やってるかわからないよ。

少なくともブロッキングシステムがわからなければ、このシーンでウメハラが高度なことをやってるかどうかわかんない。自分母親にこれ見せて理解させられるかって考えてみ?

TVでこの動画が紹介された時も、ブロッキングについて説明してたぐらいなんで非ゲーマーが一目見て分かるものじゃない。

実際、オタクが分かると思ってるこのレベルスーパープレイでも「わからない」んよ。というか、スポーツスーパープレイも多くがそう。流石に格闘技かになると派手なものはわかるだろうけど。

 

あと、挙げられている紙のハイライトシーンはそりゃわかんねーだろーって思う。カード名挙げないといけない時点で難しいよ。

俺はMtGを長くやってるので、あんま知らない人向けのハイライトとして挙げるとしたらこ動画か。

https://www.youtube.com/watch?v=4t0pzLnSWw0

 

ざっくり説明すると、プロツアー準決勝で敗勢に追い込まれプレイヤーが、勝負をかけるために自分リソースオールインし、次の手番で引いたカードで見事勝利をつかむというもの

最後勝敗を賭けたドローで引いたカード名、彼がこの勝利で得た賞金からとって「$16,000 Lightning Helix(1万6千ドルの《稲妻らせん(カード名)》)」ともいわれるこの動画は、引いたカードで劇的に勝利を収めるという点ではわかりやすいとは思うが、これもカードやってない人にとってはまあわかんねえと思う。

 

MTGにもプロ化を成功させられる可能性はあったはずです。(現時点での結果のことを失敗と定義しています)

ここが大きな突っ込みどころなんだが、別に失敗してないよ。定義とやらが間違ってる。

MPLっつーのは、これまでMtG採用していた、プロツアー、グランプリのような個人スポーツライクなプロ興行(参考にしたのはテニスゴルフあたりだろうか)をやめて、デジタルゲーム界隈でやってたプロ興行システムに移行したもの

今回の発表ではそれをやめ、コロナが終息し次第、段階的に以前のような実イベント重視、デジタルはその次って方針に戻すって話。(店舗イベントを重視するって声明が出ているので、加えて小売へのサポートも厚くなると思う)

やめる理由ってのはおそらく以下。

1) MPLというリーグの仕組みがカードゲーム興行に向いてない

MPLってのはリーグ戦であり、勝ち抜くにはアベレージを求められる。2日間一発勝負のこれまでのプロイベントとは違う。

なので、安定して勝てるデッキが選ばれがちで、プレイヤーから見ていてあまり面白いものでもなかった。

デジタル化で環境で強いデッキが見つけ出される速度が上がっている中でこの状態は、見世物としてはかなり厳しかった。

2) 紙のカード販促イベントが無くなったことによる小売りからの反発

ショップイベント自体の開催やブース出店で儲けてた分をコロナによるイベント中止で失うことになった。また公認店舗大会も開けずシングルの売れ行きも下がっただろう。

これ自体MPLが原因ではないけど、小売からは薄くなった販促施策店舗サポートに対して不満が出ただろうし、コロナで体力のなくなった多くの小売を無視してMPL継続するって選択肢は無かっただろうと思う。

一応MtGは紙とデジタル両輪でやってるので、紙のほうはコレクター向け商品を出す施策に切り替えたんだが、これも小売りにはおそらく評判が良くなかったと思う。ショップ機会損失を減らすため複数バージョンある同名カード在庫する等、以前より在庫をかなり持たないといけなくなった。

体力のある大手ショップ以外はかなりキツいんじゃないだろうか。

3) イベントのアウトソースを進めていたWotCイベント部門をまた抱え込むことが問題になった

WotCはここ10年ぐらいで、大型イベント運営を大型ショップ委託認定ジャッジ制度の外部組織への切り出し、などなど、イベントについては運営に直接関わるのを止めサポートに回る、というような方針をとっていた。

そんな中、世間流行に合わせてMtGのeSports化を発表!リーグやります!なんてことはじめたんだが、当然運営は紙のショップ委託できるわけないので、自社でやる羽目になるだろ。じゃあ、なんでGPの開催を外部に委託したんだ?意味なくない?ってなる。まともな企業なら。

自社でやる以上はかなり厳しいコスト管理販促効果に対する評価が行われたと思う。そこでペイしないって判断になったんだと思う。

 

 

カードゲームは人々に観せるのに向いていない」

マジで蛇足。というか自分で書いたの読み返して違和感いか

カードゲームである必要性がないと考えます」で挙げられている理由すべてに反例がそこまでの文章存在する。

書く必要ないよここ。

要は

プレイヤーにスター性がないし、カードゲームって地味だし、なんかプロとか無理じゃね?」

って言ってるだけよ。

この文章読んで参考になるとか書いてる人マジ大丈夫か?ほんとに。

 

まり人々を魅了するために必要な要素とはなんでしょうか?

自分には到底出来そうも無い達人ならではの驚異的な技術を見られること

この人を応援したい、この人に勝ってほしいと思わせるような選手独自の技や人間性への感情移入

要はスター性のある選手って事よね。そう。カードゲームプレイヤーにはスターがいない。

認知度が低いのはそのせい。松坂桃李くんがMtGやってGP優勝すればとかあればいいんだけどな。

野球だって、人気のあった大学野球スーパースターである長嶋プロ入りするまではプロなんて全然人気なかったからね。

でも認知度が低いこととプロ化ができないことって、カードゲームにおいては別の話じゃない?

カードゲームイベント基本的販促イベントプロスポーツを模しているし、WotCも上位常連になるようなトップ選手が数名出ると予測はしていたみたいだけど、それで生活する奴が出るとは考えてもなかっただろう。

あくま販促としてのイベントをやってたら賞金やらショップから給料で食う「プロ」ってのが自然発生したってだけよ。

いわゆるスポーツの「プロ」とはちょっと違う。一般の人への認知度も重要だが、それがカードゲームプロとしてどうかみたいなのはちょっと論点ぶれる

 

 

「強いかお金が稼げるんじゃない 」

少なくとも、MtGは強いかお金が稼げるシステムで回ってた。だからそもそもここで書かれていることは的外れ

スポンサー契約とか、まあショップとの間にはあるんだが、生活を支えていたのは、トッププロ向けにあるイベントへの参加報酬制度とかそういうやつ。

というか、この文章書いてる人その辺の事情全然知らないよね。一回「なかしゅー世界一周」とか通読したほうがいいよ。

MPL以前のMtG競技プロ生活がどういうものかわかる。

https://mtg-jp.com/reading/worldswalk/

プロスポーツは、興行をとおして、観客を集めることが大事だし、選手にもそれが求められる。

でもゲームイベントは、イベントのものそもそも販促目的利益度外視とは言わないが、そのイベント単体での収支は求められないことが多い。

選手は高い技術プレイを見せることのみが求められ、ゲーム会社はそのプレイを通して、お客さんにゲームの奥深さを訴求する。本気で遊ぶに足るゲームであると。

プロスポーツイベントってより、モータースポーツイベント自動車会社関係に近いじゃないんかな。

突っ込み先の文章ではこの辺混同しまくってて話にならない。

 

おわり

とりあえず、80分ぐらいでここまで書きなぐったので、おわりにする。

突っ込み元の記事を読んで違和感覚えなかった人の参考になれば幸い。

 

追記

語尾直して、ついでに冗長記述修正した。指摘どうもありがとう

2021-05-15

銀河うまぴょい伝説

ナイスなんて俗な呼び方だねっ」

「カイチョー可能だった三冠が、ボクには不可能だって思う?」

「ネイチャ、ボクは三冠を手に入れられると思う?」

「テイオー以外に誰ができるってのよ、そんなの」

トレセン学園に連絡してよ。何とか優勝した、もう一度やれと言われてもできない、ってね。後はよろしく~。わたしは空いた部屋で寝るから。あ~、とにかく疲れた~」

フラワーがいてくれないと困るな~。わたしものおぼえが悪いし、メカにも弱いし、優秀な友達必要なんだよ」

あなたご飯を、何杯おかわりしたんですか? わたし今日はおかわりを5杯で我慢しました。食堂食べ放題廃止を説くあなたはおかわりを何杯してるんですか? あなた演説には一点の非もありません。でもご自分がそれを実行なさっているんですか?」

「う~んと、高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変対処することになると思うな~」

「もう少し具体的に言ってくれないかな。あまりにも抽象的過ぎる」

「要するに、マヤノには『わかっちゃう』んじゃない?」

「驀進! バクシーン! 三女神は皆さんに下着をちらつかせているんですよ!」

セイウンスカイさんは、勝算のないレースにはお出にならないわ!

「ごめん、フラワー。ごめん、キング。ごめん、みんな……」

ライアン指導を聞き逃さないようにするのね。そこにトレーニング器具があるかぎり、あれほど頼りになるウマ娘はいないって、メジロ家では評判よ」

「遅いじゃないかタマ……きみが来るまで待っているつもりだったのに、ご飯が冷めてしまうじゃないか。白い稲妻なんていう、たいそうなあだ名に恥ずかしいだろう……」

三冠を手に入れたら、みんなで……」

2021-03-22

シュラ -肉体星座αψζ星雲-

シュラ 今、燃えん 手の足の鼓動に

シュラ、今、熱焼(あつ)く 終焉(おわり)知らぬ、ままに

暗き「さらば」 現身(うつしみ)脱ぎ

荒闇(こうやみ)に吹き 虚空のかぎり

シュラ 今、沈黙

地動 天・人道 凝視(みつ)めつつ

シュラ 今、ありし

宇宙(てん)の果てありしなら

曲難(みにく)さ「さらば」 血潮に溶け

蒸気の如く また冷たく

シュラは孤独(ひとり)なり

孤独(ひとり)とはおりし虚無

シュラ 蛍のように蒼白く透けて

臨終(いまわ)のきわに立つ

シュラ 今、生かん

嵐 熱風(シロッコ) 捲くなか

シュラ 今、煌めく

星座 星雲 鬣(たてがみ)に

懼(おそれ)り「さらば」 遠近(おちこち)に

自然霊(こだま)仮面 我亡霊(われ)を身体(かた)造る

シュラ 今、静寂

光栄 権力 みな星なり

シュラ 今、変身す

雷鳴 凄稲妻(いなづま) 大暗黒

悲劇(かな)しき「さらば」 運命星(えいえん)をも

配偶(つれあい)にして 地球(テラ)を心臓

シュラは星人(ほし)なり

星人(ほし)とは生命源(みなもと)なり

シュラ 幻星(まぼろし)あてて、幾世紀をつつみ

恐力(ちから)の源核(コア)・コロナ

シュラ 天の河

シュラ アンドロメダ

シュラ オリオン

シュラ カシオペア

シュラ クリューガー

シュラ セフェウス

シュラ シリウス

シュラ ソンブレロ

シュラ マジェラン

シュラ 今、チャンドラセカール限界

シュラ 今、チャンドラセカール限界

シュラ 今、チャンドラセカール限界

ドル

ハックニー馬[※1]のしっぽのような、巫戯《ふざ》けた楊《やなぎ》の並木《なみき》と陶製《とうせい》の白い空との下を、みじめな旅《たび》のガドルフは、力いっぱい、朝からつづけて歩いておりました。

 それにただ十六哩《マイル》だという次《つぎ》の町が、まだ一向《いっこう》見えても来なければ、けはいしませんでした。

(楊がまっ青に光ったり、ブリキの葉《は》に変《かわ》ったり、どこまで人をばかにするのだ。殊《こと》にその青いときは、まるで砒素《ひそ》をつかった下等《かとう》の顔料《えのぐ》[※2]のおもちゃじゃないか。)

 ガドルフはこんなことを考えながら、ぶりぶり憤《おこ》って歩きました。

 それに俄《にわ》かに雲が重《おも》くなったのです。

(卑《いや》しいニッケルの粉《こな》だ。淫《みだ》らな光だ。)

 その雲のどこからか、雷《かみなり》の一切れらしいものが、がたっと引きちぎったような音をたてました。

街道かいどう》のはずれが変《へん》に白くなる。あそこを人がやって来る。いややって来ない。あすこを犬がよこぎった。いやよこぎらない。畜生ちくしょう》。)

 ガドルフは、力いっぱい足を延《の》ばしながら思いました。

 そして間もなく、雨と黄昏《たそがれ》とがいっしょに襲《おそ》いかかったのです。

 実《じつ》にはげしい雷雨《らいう》になりました。いなびかりは、まるでこんな憐《あわ》れな旅のものなどを漂白《ひょうはく》してしまいそう、並木の青い葉がむしゃくしゃにむしられて、雨のつぶと一緒《いっしょ》に堅《かた》いみちを叩《たた》き、枝《えだ》までがガリガリ引き裂《さ》かれて降《ふ》りかかりました。

(もうすっかり法則《ほうそく》がこわれた。何もかもめちゃくちゃだ。これで、も一度《いちど》きちんと空がみがかれて、星座《せいざ》がめぐることなどはまあ夢《ゆめ》だ。夢でなけぁ霧《きり》だ。みずけむりさ。)

 ガドルフはあらんかぎりすねを延《の》ばしてあるきながら、並木のずうっと向《むこ》うの方のぼんやり白い水明りを見ました。

(あすこはさっき曖昧あいまい》な犬の居《い》たとこだ。あすこが少ぅしおれのたよりになるだけだ。)

 けれども間もなく全《まった》くの夜になりました。空のあっちでもこっちでも、雷《かなみり》が素敵《すてき》に大きな咆哮《ほうこう》をやり、電光のせわしいことはまるで夜の大空の意識《いしき》の明滅《めいめつ》のようでした。

 道はまるっきりコンクリート製《せい》の小川のようになってしまって、もう二十分と続《つづ》けて歩けそうにもありませんでした。

 その稲光《いなびか》りのそらぞらしい明りの中で、ガドルフは巨《おお》きなまっ黒な家が、道の左側《ひだりがわ》に建《た》っているのを見ました。

(この屋根《やね》は稜《かど》が五角で大きな黒電気石[※3]の頭のようだ。その黒いことは寒天《かんてん》だ。その寒天の中へ俺《おれ》ははいる。)

 ガドルフは大股《おおまた》に跳《は》ねて、その玄関《げんかん》にかけ込みました。

「今晩《こんばん》は。どなたかお出《い》でですか。今晩は。」

 家の中はまっ暗《くら》で、しんとして返事《へんじ》をするものもなく、そこらには厚《あつ》い敷物《しきもの》や着物《きもの》などが、くしゃくしゃ散《ち》らばっているようでした。

(みんなどこかへ遁《に》げたかな。噴火《ふんか》があるのか。噴火じゃない。ペストか。ペストじゃない。またおれはひとりで問答《もんどう》をやっている。あの曖昧な犬だ。とにかく廊下《ろうか》のはじででも、ぬれ着物をぬぎたいもんだ。)

 ガドルフは斯《こ》う頭の中でつぶやきまた唇《くちびる》で考えるようにしました。そのガドルフの頭と来たら、旧教会《きゅうきょうかい》の朝の鐘《かね》のようにガンガン鳴《な》っておりました。

 長靴《ながぐつ》を抱《だ》くようにして急《いそ》いで脱《と》って、少しびっこを引きながら、そのまっ暗なちらばった家にはね上って行きました。すぐ突《つ》きあたりの大きな室は、たしか階段かいだん》室らしく、射《さ》し込《こ》む稲光りが見せたのでした。

 その室の闇《やみ》の中で、ガドルフは眼《め》をつぶりながら、まず重い外套《がいとう》を脱《ぬ》ぎました。そのぬれ外套の袖《そで》を引っぱるとき、ガドルフは白い貝殻《かいがら》でこしらえあげた、昼の楊の木をありありと見ました。ガドルフは眼をあきました。

(うるさい。ブリキになったり貝殻になったり。しかしまたこんな桔梗《ききょう》いろの背景《はいけい》に、楊の舎利《しゃり》[※4]がりんと立つのは悪《わる》くない。)

 それは眼をあいてもしばらく消《き》えてしまいませんでした。

 ガドルフはそれからぬれた頭や、顔をさっぱりと拭《ぬぐ》って、はじめてほっと息《いき》をつきました。

 電光がすばやく射し込んで、床《ゆか》におろされて蟹《かに》のかたちになっている自分背嚢はいのう》をくっきり照《て》らしまっ黒な影《かげ》さえ落《おと》して行きました。

 ガドルフはしゃがんでくらやみの背嚢をつかみ、手探《てさぐ》りで開《ひら》いて、小さな器械《きかい》の類《たぐい》にさわってみました。

 それから少ししずかな心持《こころも》ちになって、足音をたてないように、そっと次の室にはいってみました。交《かわ》る交《がわ》るさまざまの色の電光が射し込んで、床に置《お》かれた石膏《せっこう》像《ぞう》や黒い寝台《しんだい》や引っくり返《かえ》った卓子《テーブル》やらを照らしました。

(ここは何かの寄宿舎《きしゅくしゃ》か。そうでなければ避病院《ひびょういん》か。とにかく二階にどうもまだ誰《だれ》か残《のこ》っているようだ。一ぺん見て来ないと安心あんしん》ができない。)

 ガドルフはしきいをまたいで、もとの階段室に帰り、それから一ぺん自分背嚢につまずいてから、二階に行こうと段《だん》に一つ足をかけた時、紫《むらさき》いろの電光が、ぐるぐるするほど明るくさし込んで来ましたので、ガドルフはぎくっと立ちどまり階段に落ちたまっ黒な自分の影とそれから窓《まど》の方を一緒《いっしょ》に見ました。

 その稲光りの硝子《ガラス》窓から、たしかに何か白いものが五つか六つ、だまってこっちをのぞいていました。

(丈《たけ》がよほど低《ひく》かったようだ。どこかの子供《こども》が俺のように、俄かの雷雨で遁げ込んだのかも知れない。それともやっぱりこの家の人たちが帰って来たのだろうか。どうだかさっぱりわからないのが本統《ほんとう》だ。とにかく窓を開いて挨拶あいさつ》しよう。)

 ガドルフはそっちへ進《すす》んで行ってガタピシの壊《こわ》れかかった窓を開きました。たちまち冷たい雨と風とが、ぱっとガドルフの顔をうちました。その風に半分声をとられながら、ガドルフは叮寧《ていねい》に云《い》いました。

「どなたですか。今晩《こんばん》は。どなたですか。今晩は。」

 向《むこ》うのぼんやり白いものは、かすかにうごいて返事もしませんでした。却《かえ》って注文《ちゅうもん》通《どお》りの電光が、そこら一面《いちめん》ひる間のようにしてくれたのです。

「ははは、百合ゆり》の花だ。なるほど。ご返事のないのも尤《もっと》もだ。」

 ガドルフの笑《わら》い声は、風といっしょに陰気《いんき》に階段をころげて昇《のぼ》って行きました。

 けれども窓の外では、いっぱいに咲いた白百合《しらゆり》が、十本ばかり息もつけない嵐《あらし》の中に、その稲妻《いなずま》の八分一秒《びょう》を、まるでかがやいてじっと立っていたのです。

 それからたちまち闇が戻《もど》されて眩《まぶ》しい花の姿《すがた》は消えましたので、ガドルフはせっかく一枚《まい》ぬれずに残ったフラン[※5]のシャツも、つめたい雨にあらわせながら、窓からそとにからだを出して、ほのかに揺《ゆ》らぐ花の影を、じっとみつめて次の電光を待《ま》っていました。

 間もなく次の電光は、明るくサッサッと閃《ひら》めいて、庭《にわ》は幻燈《げんとう》のように青く浮《うか》び、雨の粒《つぶ》は美《うつく》しい楕円形《だえんけい》の粒になって宙《ちゅう》に停《とど》まり、そしてガドルフのいとしい花は、まっ白にかっと瞋《いか》って立ちました。

(おれの恋《こい》は、いまあの百合の花なのだ。いまあの百合の花なのだ。砕《くだ》けるなよ。)

 それもほんの一瞬《いっしゅん》のこと、すぐに闇は青びかりを押《お》し戻《もど》し、花の像はぼんやりと白く大きくなり、みだれてゆらいで、時々は地面《じめん》までも屈《かが》んでいました。

 そしてガドルフは自分の熱《ほて》って痛《いた》む頭の奥《おく》の、青黝《あおぐろ》い斜面《しゃめん》の上に、すこしも動《うご》かずかがやいて立つ、もう一むれの貝細工《かいざいく》の百合を、もっとはっきり見ておりました。たしかにガドルフはこの二むれの百合を、一緒に息をこらして見つめていました。

 それもまた、ただしばらくのひまでした。

 たちまち次の電光は、マグネシアの焔《ほのお》よりももっと明るく、菫外線《きんがいせん》[※6]の誘惑《ゆうわく》を、力いっぱい含《ふく》みながら、まっすぐに地面に落ちて来ました。

 美しい百合の憤《いきどお》りは頂点《ちょうてん》に達《たっ》し、灼熱《しゃくねつ》の花弁《かべん》は雪よりも厳《いかめしく、ガドルフはその凛《りん》と張《は》る音さえ聴《き》いたと思いました。

 暗《やみ》が来たと思う間もなく、また稲妻が向うのぎざぎざの雲から北斎《ほくさい》の山下白雨のように赤く這《は》って来て、触《ふ》れない光の手をもって、百合を擦《かす》めて過ぎました。

 雨はますます烈《はげ》しくなり、かみなりはまるで空の爆破《ばくは》を企《くわだ》て出したよう、空がよくこんな暴《あば》れものを、じっと構《かま》わないでおくものだと、不思議《ふしぎ》なようにさえガドルフは思いました。

 その次の電光は、実に微《かす》かにあるかないかに閃《ひら》めきました。けれどもガドルフは、その風の微光《びこう》の中で、一本の百合が、多分とうとう華奢《きゃしゃ》なその幹《みき》を折《お》られて、花が鋭《するど》く地面に曲《まが》ってとどいてしまたことを察《さっ》しました。

 そして全くその通り稲光りがまた新《あた》らしく落ちて来たときその気の毒《どく》ないちばん丈の高い花が、あまりの白い興奮《こうふん》に、とうとう自分を傷《きず》つけて、きらきら顫《ふる》うしのぶぐさの上に、だまって横《よこた》わるのを見たのです。

 ガドルフはまなこを庭から室の闇にそむけ、丁寧《ていねい》にがたがたの窓をしめて、背嚢のところに戻って来ました。

 そして背嚢からさな敷布《しきふ》をとり出してからだにまとい、寒《さむ》さにぶるぶるしながら階段にこしかげ、手を膝《ひざ》に組み眼をつむりました。

 それからまらずまたたちあがって、手さぐりで床《ゆか》をさがし、一枚の敷物《しきもの》を見つけて敷布の上にそれを着《き》ました。

 そして睡《ねむ》ろうと思ったのです。けれども電光があんまりせわしくガドルフのまぶたをかすめて過ぎ、飢《う》えとつかれとが一しょにがたがた湧《わ》きあがり、さっきからの熱った頭はまるで舞踏《ぶとう》のようでした。

(おれはいま何をとりたてて考える力もない。ただあの百合は折《お》れたのだ。おれの恋は砕けたのだ。)ガドルフは思いました。

 それから遠い幾山河《いくやまかわ》の人たちを、燈籠《とうろう》のように思い浮《うか》べたり、また雷の声をいつかそのなつかしい人たちの語《ことば》に聞いたり、また昼の楊がだんだん延びて白い空までとどいたり、いろいろなことをしているうちに、いつかとろとろ睡ろうとしました。そしてまた睡っていたのでしょう。

 ガドルフは、俄かにどんどんどんという音をききました。ばたんばたんという足踏《あしぶ》みの音、怒号《どごう》や潮罵《ちょうば》が烈《はげ》しく起《おこ》りました。

 そんな語はとても判《わか》りもしませんでした。ただその音は、たちまち格闘《かくとう》らしくなり、やがてずんずんドルフの頭の上にやって来て、二人の大きな男が、組み合ったりほぐれたり、けり合ったり撲《なぐ》り合ったり、烈しく烈しく叫《さけ》んで現《あら》われました。

 それは丁度《ちょうど》奇麗《きれい》に光る青い坂《さか》の上のように見えました。一人は闇の中に、ありありうかぶ豹《ひょう》の毛皮《けがわ》のだぶだぶの着物をつけ、一人は烏《からす》の王のように、まっ黒くなめらかによそおっていました。そしてガドルフはその青く光る坂の下に、小さくなってそれを見上げてる自分のかたちも見たのです。

 見る間に黒い方は咽喉《のど》をしめつけられて倒《たお》されました。けれどもすぐに跳ね返して立ちあがり、今度《こんど》はしたたかに豹の男のあごをけあげました。

 二人はも一度組みついて、やがてぐるぐる廻《まわ》って上になったり下になったり、どっちがどっちかわからず暴れてわめいて戦《たたか》ううちに、とうとうすてきに大きな音を立てて、引っ組んだまま坂をころげて落ちて来ました。

 ガドルフは急いでとび退《の》きました。それでもひどくつきあたられて倒れました。

 そしてガドルフは眼を開いたのです。がたがた寒さにふるえながら立ちあがりました。

 雷はちょうどいま落ちたらしく、ずうっと遠くで少しの音が思い出したように鳴《な》っているだけ、雨もやみ電光ばかりが空を亘《わた》って、雲の濃淡《のうたん》、空の地形図をはっきりと示し、また只《ただ》一本を除《のぞ》いて、嵐に勝《か》ちほこった百合の群《むれ》を、まっ白に照《て》らしました。

 ガドルフは手を強く延ばしたり、またちぢめたりしながら、いそがしく足ぶみをしました。

 窓の外の一本の木から、一つの雫《しずく》が見えていました。それは不思議にかすかな薔薇《ばら》いろをうつしていたのです。

(これは暁方《あけがた》の薔薇色《ばらいろ》ではない。南の蝎《さそり》の赤い光がうつったのだ。その証拠《しょうこ》にはまだ夜中にもならないのだ。雨さえ晴れたら出て行こう。街道の星あかりの中だ。次の町だってじきだろう。けれどもぬれ着物をまた引っかけて歩き出すのはずいぶんいやだ。いやだけれども仕方《しかた》ない。おれの百合は勝ったのだ。)

 ガドルフはしばらくの間、しんとして斯う考えました。

クワッカワラビーのゆーうつ

七、北十字とプリオシン海岸

「おっかさんは、ぼくをゆるして下さるだろうか。」

 いきなり、カムパネルラが、思い切ったというように、少しどもりながら、急せきこんで云いいました。

 ジョバンニは、

(ああ、そうだ、ぼくのおっかさんは、あの遠い一つのちりのように見える橙だいだいいろの三角標のあたりにいらっしゃって、いまぼくのことを考えているんだった。)と思いながら、ぼんやりしてだまっていました。

「ぼくはおっかさんが、ほんとうに幸さいわいになるなら、どんなことでもする。けれども、いったいどんなことが、おっかさんのいちばんの幸なんだろう。」カムパネルラは、なんだか、泣きだしたいのを、一生けん命こらえているようでした。

「きみのおっかさんは、なんにもひどいことないじゃないの。」ジョバンニはびっくりして叫さけびました。

「ぼくわからない。けれども、誰たれだって、ほんとうにいいことをしたら、いちばん幸なんだねえ。だから、おっかさんは、ぼくをゆるして下さると思う。」カムパネルラは、なにかほんとうに決心しているように見えました。

 俄にわかに、車のなかが、ぱっと白く明るくなりました。見ると、もうじつに、金剛こんごうせきや草の露つゆやあらゆる立派さをあつめたような、きらびやか銀河の河床かわどこの上を水は声もなくかたちもなく流れ、その流れのまん中に、ぼうっと青白く後光の射さした一つの島が見えるのでした。その島の平らないただきに、立派な眼もさめるような、白い十字架じゅうじかがたって、それはもう凍こおった北極の雲で鋳いたといったらいいかすきっとした金いろの円光をいただいて、しずかに永久に立っているのでした。

ハルレヤ、ハルレヤ。」前からもうしろからも声が起りました。ふりかえって見ると、車室の中の旅人たちは、みなまっすぐにきもののひだを垂れ、黒いバイブルを胸にあてたり、水晶すいしょうの珠数じゅずをかけたり、どの人もつつましく指を組み合せて、そっちに祈いのっているのでした。思わず二人もまっすぐに立ちあがりました。カムパネルラの頬ほほは、まるで熟した苹果りんごのあかしのようにうつくしくかがやいて見えました。

 そして島と十字架とは、だんだんしろの方へうつって行きました。

 向う岸も、青じろくぽうっと光ってけむり、時々、やっぱりすすきが風にひるがえるらしく、さっとその銀いろがけむって、息でもかけたように見え、また、たくさんのりんどうの花が、草をかくれたり出たりするのは、やさしい狐火きつねびのように思われました。

 それもほんのちょっとの間、川と汽車との間は、すすきの列でさえぎられ、白鳥の島は、二度ばかり、うしろの方に見えましたが、じきもうずうっと遠く小さく、絵のようになってしまい、またすすきがざわざわ鳴って、とうとうすっかり見えなくなってしまいました。ジョバンニのうしろには、いつから乗っていたのか、せいの高い、黒いかつぎをしたカトリック風の尼あまさんが、まん円な緑の瞳ひとみを、じっとまっすぐに落して、まだ何かことばか声かが、そっちから伝わって来るのを、虔つつしんで聞いているというように見えました。旅人たちはしずかに席に戻もどり、二人も胸いっぱいのかなしみに似た新らしい気持ちを、何気なくちがった語ことばで、そっと談はなし合ったのです。

「もうじき白鳥停車場だねえ。」

「ああ、十一時かっきりには着くんだよ。」

 早くも、シグナルの緑の燈あかりと、ぼんやり白い柱とが、ちらっと窓のそとを過ぎ、それから硫黄いおうのほのおのようなくらいぼんやりした転てつ機の前のあかりが窓の下を通り、汽車だんだんゆるやかになって、間もなくプラットホームの一列の電燈が、うつくしく規則正しくあらわれ、それがだんだん大きくなってひろがって、二人は丁度白鳥停車場の、大きな時計の前に来てとまりました。

 さわやかな秋の時計の盤面ダイアルには、青く灼やかれたはがねの二本の針が、くっきり十一時を指しました。みんなは、一ぺんに下りて、車室の中はがらんとなってしまいました。

〔二十分停車〕と時計の下に書いてありました。

「ぼくたちも降りて見ようか。」ジョバンニが云いました。

「降りよう。」

 二人は一度にはねあがってドアを飛び出して改札口かいさつぐちへかけて行きました。ところが改札口には、明るい紫むらさきがかった電燈が、一つ点ついているばかり、誰たれも居ませんでした。そこら中を見ても、駅長赤帽あかぼうらしい人の、影かげもなかったのです。

 二人は、停車場の前の、水晶細工のように見える銀杏いちょうの木に囲まれた、小さな広場に出ました。そこから幅はばの広いみちが、まっすぐに銀河の青光の中へ通っていました。

 さきに降りた人たちは、もうどこへ行ったか一人も見えませんでした。二人がその白い道を、肩かたをならべて行きますと、二人の影は、ちょうど四方に窓のある室へやの中の、二本の柱の影のように、また二つの車輪の輻やのように幾本いくほんも幾本も四方へ出るのでした。そして間もなく、あの汽車から見えたきれいな河原かわらに来ました。

 カムパネルラは、そのきれいな砂を一つまみ、掌てのひらにひろげ、指できしきしさせながら、夢ゆめのように云っているのでした。

「この砂はみんな水晶だ。中で小さな火が燃えている。」

「そうだ。」どこでぼくは、そんなこと習ったろうと思いながら、ジョバンニもぼんやり答えていました。

 河原の礫こいしは、みんなすきとおって、たしか水晶黄玉パースや、またくしゃくしゃの皺曲しゅうきょくをあらわしたのや、また稜かどから霧きりのような青白い光を出す鋼玉やらでした。ジョバンニは、走ってその渚なぎさに行って、水に手をひたしました。けれどもあやしいその銀河の水は、水素よりももっとすきとおっていたのです。それでもたしかに流れていたことは、二人の手首の、水にひたったとこが、少し水銀いろに浮ういたように見え、その手首にぶっつかってできた波は、うつくしい燐光りんこうをあげて、ちらちらと燃えるように見えたのでもわかりました。

 川上の方を見ると、すすきのいっぱいに生えている崖がけの下に、白い岩が、まるで運動場のように平らに川に沿って出ているのでした。そこに小さな五六人の人かげが、何か掘ほり出すか埋めるかしているらしく、立ったり屈かがんだり、時々なにかの道具が、ピカッと光ったりしました。

「行ってみよう。」二人は、まるで一度に叫んで、そっちの方へ走りました。その白い岩になった処ところの入口に、

〔プリオシン海岸〕という、瀬戸物せともののつるつるした標札が立って、向うの渚には、ところどころ、細い鉄の欄干らんかんも植えられ、木製のきれいなベンチも置いてありました。

「おや、変なものがあるよ。」カムパネルラが、不思議そうに立ちどまって、岩から黒い細長いさきの尖とがったくるみの実のようなものをひろいました。

くるみの実だよ。そら、沢山たくさんある。流れて来たんじゃない。岩の中に入ってるんだ。」

「大きいね、このくるみ、倍あるね。こいつはすこしもいたんでない。」

「早くあすこへ行って見よう。きっと何か掘ってるから。」

 二人は、ぎざぎざの黒いくるみの実を持ちながら、またさっきの方へ近よって行きました。左手の渚には、波がやさしい稲妻いなずまのように燃えて寄せ、右手の崖には、いちめん銀や貝殻かいがらでこさえたようなすすきの穂ほがゆれたのです。

 だんだん近付いて見ると、一人のせいの高い、ひどい近眼鏡をかけ、長靴ながぐつをはい学者らしい人が、手帳に何かせわしそうに書きつけながら、鶴嘴つるはしをふりあげたり、スコープをつかったりしている、三人の助手らしい人たちに夢中むちゅうでいろいろ指図をしていました。

「そこのその突起とっきを壊こわさないように。スコープを使いたまえ、スコープを。おっと、も少し遠くから掘って。いけない、いけない。なぜそんな乱暴をするんだ。」

 見ると、その白い柔やわらかな岩の中から、大きな大きな青じろい獣けものの骨が、横に倒たおれて潰つぶれたという風になって、半分以上掘り出されていました。そして気をつけて見ると、そこらには、蹄ひづめの二つある足跡あしあとのついた岩が、四角に十ばかり、きれいに切り取られて番号がつけられてありました。

「君たちは参観かね。」その大学士らしい人が、眼鏡めがねをきらっとさせて、こっちを見て話しかけました。

くるみが沢山あったろう。それはまあ、ざっと百二十万年ぐらい前のくるみだよ。ごく新らしい方さ。ここは百二十万年前、第三紀のあとのころは海岸でね、この下からは貝がらも出る。いま川の流れているとこに、そっくり塩水が寄せたり引いたりもしていたのだ。このけものかね、これはボスといってね、おいおい、そこつるはしはよしたまえ。ていねいに鑿のみでやってくれたまえ。ボスといってね、いまの牛の先祖で、昔むかしはたくさん居たさ。」

「標本にするんですか。」

「いや、証明するに要いるんだ。ぼくらからみると、ここは厚い立派な地層で、百二十万年ぐらい前にできたという証拠しょうこもいろいろあがるけれども、ぼくらとちがったやつからみてもやっぱりこんな地層に見えるかどうか、あるいは風か水やがらんとした空かに見えやしないかということなのだ。わかったかい。けれども、おいおい。そこもスコープはいけない。そのすぐ下に肋骨ろっこつが埋もれてる筈はずじゃないか。」大学士はあわてて走って行きました。

「もう時間だよ。行こう。」カムパネルラ地図腕時計うでどけいとをくらべながら云いました。

「ああ、ではわたくしどもは失礼いたします。」ジョバンニは、ていねいに大学士におじぎしました。

「そうですか。いや、さよなら。」大学士は、また忙いそがしそうに、あちこち歩きまわって監督かんとくをはじめました。二人は、その白い岩の上を、一生けん命汽車におくれないように走りました。そしてほんとうに、風のように走れたのです。息も切れず膝ひざもあつくなりませんでした。

 こんなにしてかけるなら、もう世界中だってかけれると、ジョバンニは思いました。

 そして二人は、前のあの河原を通り、改札口の電燈がだんだん大きくなって、間もなく二人は、もとの車室の席に座すわって、いま行って来た方を、窓から見ていました。

2021-02-22

anond:20210222124939

ちなみに妻というのは古事記時代性別関係なく配偶者をさす言葉だった

稲妻」は稲(♀)の夫

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん