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はてなキーワード: 文化祭とは

2014-09-17

体育会系運動会 文化系文化祭というなら

小学校中学校にも文化祭必須にすべき。

運動会小学校低学年から普通みたいな認識あるのに、

文化祭高校以降が普通って感じなのなんでだろ。

2014-08-26

みんな、ものづくりは嫌いなの?

http://anond.hatelabo.jp/20140825071636

こういう記事があったけどさ、本州学校夏休みの自由課題って「自由研究」固定なの?

あ、全部自分語りというかブコメ拡張なので無視してください。

いや、自分の通ってた学校は、自由研究も、工作や書なんかのアート作品でもよかったからさ。

小学生だったのもう14年も前だから、今の学校の状況はわからないんだけど。

研究」もいいけど、ゼロから物を作る(これも研究?なのか)のもすてきだよ。

そういうのを楽しめる子なら、子どもパトスにまかせるのも良いと思うんだけどなあ。


自分は作ることが大好きだったので、とにかくめっちゃ楽しんでた。

宿題ドリル)は全く無計画なのに自由課題スケジュール立てて計画を練るくらい。


ちょっと覚えてる限り回想する。

まず大前提。小3くらいから立ててた自分ルール

①工作キットは使わない。

②コンセプトとアイデアと実際の作業は親に頼らない。やり方は教えてもらう。アドバイスももらう。

おもちゃとして遊べる&普段使いできるものを作る(小6で見事に破った。理由は後述、というより読めばわかる的な)




覚えてる限り書いてみる。(北海道なので夏と冬2回あります


小2夏 ペーパークラフト水族館

水族館に行ったので、絵日記と連動して水族館ペーパークラフトを作った。

お菓子の空き箱の内側に色を塗り、背景の魚や海藻サンゴを作って貼る。

厚紙に魚を書いて切り抜き、糸を貼り付けて箱内部に吊るす。

透明なセロファンの一部に、青色マジックで波模様を描き、箱に貼ってふさぐ(水色のセロファンが売ってなかった)

からセロファンに霧吹きで水をかけてピンと張る方法を教えてもらいました。

仕上がりは水族館じゃなくて海じゃねーか、とつっこまれまし。


小2冬 おべんとう入れ

なかよし懸賞ソーイングセットが当たったのではっちゃけ母親に縫い物を教えろと要求

キルティングの布を買い、裁ちばさみを借りて、お弁当入れを作った。

型紙不要の巾着にマチをつけただけ、裏地もなし。

でもこれが結構丈夫で、いまでも買い物袋入れとして使っている。

小3夏 リコーダー入れ

小3でリコーダーを習ったのではっちゃけリコーダー入れを作る。

冬のキルティングのあまりで、長い巾着&スナップボタンで止めるタイプの2種類を制作

小3冬 マスコット

手芸にはまる時期。かがり縫いをマスターしたのでフェルトマスコットを作った。

猫とウサギ。綿が入ってるのは頭と胴体だけで、耳や手足はぺらぺらだった。

小4の秋くらいにウサギの首が取れておおいにへこむ。

小4夏 ドールハウス

小3の時に作ったマスコットであそぶための家。空き箱を悪魔合体して紙造、2階、延べ800㎠くらいの家を作る。

一階は広めで、そこに2つに区切った箱を立てれば1階の壁と2階のできあがりである

家具は紙製。一部のファブリックには布を使用した。

展示から持ち帰った際に派手にぶっこわれる。

小4冬 ドールハウス リベンジ

マスコットドールハウスを失った私を哀れみ、サンタさんが、シルバニアファミリー人形2体、「おとぎの国のおかしのおうち」をくれる

しかし、お菓子の家になぞ住んでられるか! と再度ドールハウスに挑戦。シルバニアスケールで作る。(親ごめん)

家具には一部木などを使用。かまぼこ板、割り箸彫刻刀でベッドを作ろうとして指を削る。

その後、お小遣い家具を買いそろえ徐々に入れ替える。

小5夏 自作トランプ

人形あそびに飽き、従姉妹(今思えば同人便せんとか作ってたんだなあの人)の影響で元々趣味だった絵描き技術カラー彩色)を覚えた私は、全部イラストトランプを作ろうと試みる。

大きめの厚紙製プライスカードを購入し、イラストを描く計画。しかし、デザイン段階で枚数の多さに挫折し、絵札のみ絵を記入。ほかはマークで済ました。

にもかかわらず、12回の自由研究で一番面倒臭かった気がする。

絵を描いただけじゃねえか、といわれそうだったので、トランプゲームを多少調べてノートに書いて添えた。

小5冬 着せ替え人形

もう絵なんか描くか!と思って手芸に戻る。ちょうど小5で本格的な裁縫セットも買ったし。

本体フェルト、服は春夏秋冬それぞれの服を布で作った。ちなみに、瞳をカラーフェルト、まぶたやまつげのライン刺繍で再現した、完全にアニメ調の顔である。たぶんゼノギアスにはまってたせいだと思う。

小6夏 なべしきになる鍋つかみ

弁当入れ&リコーダー入れ以来の「実用的な作品」。

正方形に切ったキルティングに、正方形の角を一つ切り落とした5角形を重ねて、ループを挟んで縫った。

いまでも実家で使用している。端の処理にバイアステープを使用しており、自分的には完全にロストテクノロジーである

ひまわり刺繍を施しているが、やはりロストテクノロジー


そして問題の小6冬。

どういうわけか自 作 小 説 を 提 出 。

いや、夢水清志郎シリーズとか、2、3年前に見ていたスレイヤーズ原作本に手を出したりとか、アルセーヌルパンにはまったりとか、シャーマンキングとか東京ミュウミュウにはまったりとかしたもので。

しか美少女怪盗ものプロットというか話しの運び方はコナンキッド回とルパンスペシャル&一応本家ルパンから学んだ。

ミステリというより犯罪エンターテイメント。というよりラノベ

主人公洋菓子ひらがなにした名前ミュウミュウの影響)。猫耳である

猫 耳 で あ る。(付け耳)

原稿用紙にペン書きしたもの袋とじ製本自作絵の表紙をつけた。吐血

この前帰省した際に今読み返してみた(どういう訳か本文のコピーをとってある)ところ、まあひどかったが良い意味で今では書けない勢いがあった。

日本語もままならないまま文字を書く仕事に就いてしまった今となっては、家に帰って文字を打つだけでも苦痛だと言うに。




というわけで絵を描いたり黒歴史作ったり、黒歴史作ったり、して楽しいので、もっと創作自由研究は増えるべきだと思うね!(苦笑い






ちなみに中学時代文化系が「文化部しかなく、文化祭の時に展示することが主な活動だったので、中1の時は例の小説の続編を晒したよ!(喀血

2014-08-04

限りなく壮大なテーマでどこまでも勿体ないコンテンツ TeNQ

東京ドームシティオープンした宇宙体験ミュージアム『TeNQ』に行ってきた。

宇宙を身近に感じられる、というコンセプトのもと作られたらしく、

某局のコズミックなんちゃらは録画して見る程度には宇宙好きな私と連れは非常に楽しみにしていた。

が、見事に悪い方向へそれは裏切られた。

展示に満足した、面白かったという方はこの先読まない方がいいかもしれない。

今後予定している宇宙好きの方は、ネタバレもあるのでちょっとした参考程度に流して下されば結構だ。


エントランスを抜け最初に入ったのは『はじまりの部屋』

薄暗いその部屋の壁は大小様々なキューブ状の突起で構成され、

いかにもプロジェクションマッピング(以下PM)をやりますという雰囲気がある。

ガイドの説明が終わるか、というところで、その壁にめこりと映像が浮き上がってきた。

これまでみてきたPMは、暗い中でキラキラしているものが大半だったため新鮮で期待が膨らんだ。

しかし、その先のストーリーは酷いものだった。

時代が遡っていく様が映し出され、古代世界へ。

描かれているのは人類宇宙への想い、的なもの。これが想像以上にチープだった。

確かに天空の星々は古代より人々ともにあった。

日を見て暦を定め季節に合わせて作物を作り、風や雲、星を読んで航海し占い神話も思い描いた。

そして科学が発展するとともに、様々な不思議科学的な数値や証明によって解き明かされていった。

だがここはミュージアムだ。

PMを初めて見るような人にとっては面白いだろうが、見慣れて来ている人も多い今、

このストーリーを展開して人々の満足が得られると本気で思ったのか大いに疑問だった。

人類における『はじまり』は地球ありきだろうが

宇宙にとっては地球なんてもの数多ある星のひとつに過ぎない。

人間矮小さを思い知らされるところから宇宙は深みが増していくはずなのに。

5分ほどの上映が終わっても我々は無言のまま。

次のシアター宙へ向かう列の最後の方に着いていく最中、連れにわざとらしく言った。

PMってすごいね!」

横浜みなとみらいオービィディズニーなど、あらゆる場所であらゆるPMを見てきた我々。

言葉を受け取った連れはその意図理解したらしく、

「そういう事だろうね」

と苦笑していた。

テンションだだ下がりのまま入った次のシアター宙は、ぽっかりと空いた穴を見下ろすような部屋。

今度こそ、と思ってみたが、これもまた同様に期待はずれだった。

宇宙の旅を模したものなのだろうが、2D映像リアリティも薄く、PCスクリーンセーバにありそうなもの

立ち位置によって上下がひっくり返って見えてしまうのも頂けない。

下がりまくってどうしようもないため、盛り上げてみるべくクイズに挑戦してみることにする。

だが、300円のガチャガチャに入っているクイズは、これまたチープな代物。

女性から男性プロポーズできる日』

『これもSFです』

てっきり「最も高温の星は何?」とかかと思っていただけに拍子抜けもいいところ。

結局解く気にならず、300円でカプセルに一緒に入っていたTeNQペンを買ったようなものだった。

他のコーナーは、

平面のボードパズルのパーツで惑星を作ってみよう!

あなた宇宙の何タイプ宇宙自分診断

宇宙モチーフにした有名な日本画などのギャラリーコーナー

中学文化祭でももうちょっとマシなものを作れそうだ。

唯一感心したのは、太陽系惑星衛星比較をテーブルで表現したコーナーくらいか。

美味しいものでも飲み食いしないとやってられない、と

帰り際ワインバーでやけ酒と言わんばかりにふたりで飲み、何がいけなかったのかを思いつくまま議論した。

TeNQは放り投げ過ぎたコンテンツなのだ

映画のようにただ見せるだけ見せるには時間が短い上ストーリー性も薄く、

博物館美術館のような説明はあれど、探して見つけなければいけないものが多い。

そしてそこにある情報も、PC検索してわかることが大半である

情報を取得しに行っているわけではない。

体験型、というからには、体験できることを期待している。

もっと言えばゲストがそのコンテンツ主人公になる事の出来るものが望ましい。

そういうものを実現していてわかりやすものディズニーだろう。

成人してからそれなりの年月を重ねた今でも十分楽しめる世界だと思う。


例えばこういうのはどうだろうか。

『はじまりの部屋』では、まずは現代風景を映す。

それを少しずつ時間を遡らせ、古代世界恐竜世界地球が出来たての頃、

太陽系がきちんと形成されていない頃、やがてひとつの小さな球体にそれらが詰め込まれて、

ビッグバンが起きてから我々がいる銀河が作られていく様子を映していく。

これだけでも宇宙スケールの壮大さが体感出来るだろう。

『シアター宙』で地球を見下ろす、というのなら、

ゲスト宇宙飛行士の一員にして宇宙船の中の様子、また、そこから見える宇宙の姿を投影したっていい。

キュリオシティになって火星を探索するのもいいだろう。

ボイジャーになって太陽系の外へ飛び出す旅も悪くない。

大掛かりかもしれないが、シアター全体を実際に揺らしてみたり、風を吹かせてみることだって可能ではないか。



1800円の入場料は、映画一本と同等だ。

ぜひそれに見合う内容に今後していって欲しいものである

2014-08-02

とらわれてしまった

小学生の頃、友達の作ったカードゲームクラス内だけで大流行した。

給食牛乳瓶のフタを通貨にして、各々自由に作ったカードを交換しあった。

僕は、転校してきたばかりで、うまくその輪に入っていけなかったが、

クラスの暖かな雰囲気に、どこか幸せな気分になれた。


高校生の頃、文化祭前日。

夕方の優しい日差しが満ちる教室で、演劇大道具急ピッチでみんなで作った。

誰かがコンビニアイスを買ってきて、男女混じって手をベタベタにして食べた。

僕は、部活を掛け持ちしていたせいもあり、クラス演劇にはあまり参加できていなかった。

それでも、僕は、その光景を、今も鮮明に覚えている。


大学生の頃、たくさんバイトをして、たくさん旅行に行った。

ゼミ旅行の話だ。ゼミ旅行なんて、近県の旅館に行く程度で、徹夜で飲んで、麻雀するだけのつまらないものと思っていた。

ゼミの同期の女の子は、安い缶チューハイを両手で持って僕に言った。

「すごく楽しいね。私、今日のこと一生忘れない」

大袈裟な。こんな旅行は、来週には他の旅行に上書きされてしまう。

あなたにとっては、ただのつまらない旅行かもしれないけど、私には大切な思い出なんだよ。

から、私のために、一生懸命飲みなさい!」

その後、僕はビールを何回か一気飲みして潰れた。彼女の楽しそうな顔は、今でも当然覚えている。


この前の3連休小学校高校ゼミ同窓会があった。

たくさん昔話をした。

同窓会以来、ずっと仕事に集中できない。

あの頃に戻りたいとは違うのだが、この懐かしい思い出にずっと浸っていたくて仕方がない。

そして、昔の家族のことを思い出して、涙が止まらなくなるのだ。



馬鹿だね、僕は。

2014-07-23

コミケの「お客さんはいない」について違和感

時期が近づいてきたので。

  

コミケは皆が参加者で、お客は存在しない。」

一般個人参加者についてはその通りだと思う。

だが、企業ブース、てめぇーはダメだ。

特に上場してたり、他のイベント出店経験豊富だったり中には主催することもあったり、

自社通販サイト持ってて常時商売してるような企業が、

社会人企業として業務の延長で儲ける気で出展してる癖に言うな。

普段から同様商品で商売しつつ、さらにはコミケ限定コミケ価格で煽って売る気満々のくせに

コミケではただの参加者ですなんて、大人と子供を使い分ける思春期学生か。

買ったその場で品とおつり確認しろと言いつつ、実際は品もつりも渡したらすぐ押し出すように客流しするし、

デカかったり重かったりな商品(設定資料集とか、もちろん限定だったり)売るくせに、

初日昼過ぎには商品入れる袋がなくなってて直渡しで袋はどうにかしろとか。

何回もイベント経験あるんだから、入荷数から必要分予想付くだろ。

複数買いのファン転売屋に品数分馬鹿正直に渡してんなや。

普段は会社員なんで・・とか知らんわ。

会社として出店してるんだから、毎回の経験ノウハウスタッフ内で最低限共有するなり、

通販や直売店あるなら社内物販部の力借りるなり出来るやろ。

学生ノリひきづってんだか知らんが文化祭気分で適当仕事すんな。

つーかもう、どこも初日に大抵人気品は6~8割を割り振って、後日はは始発でも無理程度しかさないんだから

企業日として一般日とは別日に1日開催にしてくれよ。

2014-07-21

http://anond.hatelabo.jp/20140721160016

ということで、「偏差値」(大学進学実績)と「通学時間」で、志望校選びする人が、多数なんだろうなあ。

そりゃそうだろ。

文化祭で気に入った入らないなんて全く無意味

anond:20140721160016

学力レベルが合う学校文化祭いくつか一緒に行って、本人が気に入ったところを選ぶのがいい。

2014-06-10

Youtube検索結果から素人カラオケ動画を消すuserscript

もういい加減イライラするからしっかり作り始めた。

あーアレ聞きたいなーってとき検索して、いやもうアップされてないならされてないんでいいんだよ

マッシュルームカット文化祭動画も汚えデブ女のアニソンカラオケも聞きたくねえんだよ サムネイルだけでイライラするんだよ

削除避けのピッチ下げクソ音源もどっかいけよ

「ありませんでした」の一言が出ればそれでいいんだよ

はー死ね

2014-06-04

鈍器の安物コスプレにまったく勃起しない

服飾デザイン専門学校に通っていた彼女がいたせいか、

どんきで売っているような安物のコスプレにまったく萌えないし、勃起しない。

専門の子は、ちょー気合入れて服作ってたから素材とかも心地よかった。

もちろん、脱がさないで嵌めたけど、

ぴゅっって精子が一部かかってしまい、

翌日文化祭的なものにそのコスプレのまま参加した彼女さらに興奮した。

俺の精子ついたやつ、衆人環視の中で着てるよこいつ。

なんて思ったらムラムラきてしまい、空き教室で嵌めたった。

2014-05-14

http://anond.hatelabo.jp/20140514022403

くその通りで盛り上がれたら何でもいい

ヲタイベントじゃなくても野外フェスにも居るだろ

10代の頃楽しめなかった僕達は今、20年遅れてきた文化祭を楽しんでます!」的なオッサンがよお。

2014-04-26

http://anond.hatelabo.jp/20140426101206

いやだって、月末に一回だけだよ?

それが仕事を奪うことになんか繋がらないでしょ。

一回掃除して、自分たちで汚れているところを見つけて、生徒たちに警鐘する。

十分文化祭の展示目的としていいじゃねえかよ。

http://anond.hatelabo.jp/20140426090400

なんか勘違いしてないか?

俺達は普通にただ掃除のおばちゃんに感謝するために、掃除を代行するだけだよ?

それで、その掃除の際に、掃除をする前に汚れている箇所をレポートにまとめる。

そうじのおばちゃんの仕事を奪う気なんてさらさらない。

それは、顧問の糞教師が言ってるだけ、俺達はただの文化祭ネタ作りでしかない。

今月末学校を無断で掃除してやる!

Twitterに書くと炎上しそうだから、ココで書く。(何故掃除をすることが炎上に繋がるかは読んでくれ)

そもそもの発端は、十月に控えている文化祭だ。

俺達の中学高校(一環校なのだ)は、毎年文化祭を派手にヤリかつ、テーマを設けている。

「絆」とかそういう奴だ。

で、今年のテーマは「感謝」らしい。(生徒会がそういうのは決めている)

それで、俺が所属するボランティア部(普段は募金活動なんかの集計やらポスター張りやらをしている)としても、何かしたい。

ということで、ボランティア部会議が行われ、文化祭の始まる10月まで毎月末一回だけ『ボランティア部』が掃除をすることにしようと独自に決めた。

その掃除での色々な項目をまとめたもの文化祭で展示する予定なのだ(二階トイレが汚いとか、そういう感じのレポートを作るつもりだった)


そういう感じのことを顧問先生に提案しにいったら、怒られた。

理由は『掃除のおばちゃんの仕事を奪うな』だった。

というのも、うちの学校掃除自分たちでやらずに『掃除のおばちゃん』なるパートのおばちゃんがやってくれているのだ。

俺達はそれも含めて今年の文化祭の『感謝』というテーマに沿っている点、普段自分たちで掃除をしないからこそ、レポートにまとめる異議がある点などを主張したが

おそらくは、学校内の何らかの力関係が働いているのだろう、顧問先生はうなずいてはくれなかった。


これには俺達ボランティア部は憤りを抑えきれなくなった。

というわけで、タイトル掃除テロに繋がるわけです。

結果どうなるかも、ここで報告するつもりです、それでは。

2014-04-17

人って簡単に裏切るんだなって話。

女の子バンド人口がまだ少なかったっていう時代の話。

中学3年の時から楽器を始めて、僕は高校軽音楽部のある学校に行こうと決めていた。

もうこの頃から多分人生設計を誤っていたのかもしれないけど。

そんなことはさておき、高校入試も無事終わり、僕は晴れて軽音楽部のある高校入学した。

仮入部をしに練習場所である聴覚室に入ると、そこには目が大きくて、背が小さくて、ショートカット女の子が1人、端のほうで練習風景を見ていた。

 「あ、まだ一人しか来てないんだ。入部希望少ないのかな…まあいいか。」

僕はその子をよそ目に、反対側の端に座って先輩たちの練習風景を眺めていた。

今となっては練習時の音の大きさなんて全く気にならなくなったけど、当時バンドなんか組んだことがなく、ましてやスタジオで練習なんてしたことがなかったので、練習時のその音量の大きさに圧倒されるばかりだった。

そんな大音量の中での練習風景に気を取られていたら、ふと隣に反対側に座っていたはずの女の子がいた。

 「○※□▲○■?」

僕に質問しているんだろうけど、大音量の中何を言ってるか聞こえない。

 「きこえない!」

僕はありったけの声を出して返事をした、はずだが、やはり彼女にも聞こえてなかったっぽい。

彼女かばんの中からルーズリーフを取り出し、

君も入部希望?もしそうだったらよろしくね!

と書いてこちらに渡してきた。

僕はその丸っこくてかわいい文字の下に、無骨で角ばった文字で

入部するよ!君は?

と書いて渡した。すると、僕の目を見て首を縦に大きく、2回頷いた。

僕はこんな可愛い女の子バンドやるのかー、どんなバンドやるんだろうなーといろいろ妄想しながら、また練習風景を眺めていた。

先輩方の練習に夢中になっていたら、いつの間にかその子はいなくなっていた。

しまった、名前クラスも聞いてなかった。まあいいか、入部すると言ってたからそのうち会うこともあるだろう。

僕はまた再開する日を思いながら視聴覚室を後にし、帰宅することにした。

それから1周間、正式入部の日まで毎日聴覚室に足を運んでみたものの、彼女は一回も来なかった。

ある種の一目惚れ的展開を期待していた僕は、まあそりゃ女の子バンドなんかやらないでしょと半ば諦めていたが、その時、視聴覚室の重い扉が開いて、彼女が入ってきた。

それと同時に、複数の男女がどやどやと入ってきた。

どうやら今年の入部希望者らしい。男性5人、女性6人。

僕は入部希望者が多数いることよりも、その彼女が入ってきたことに震えたし、安堵した。

程なくして僕は軽音楽部に正式入部し、新入生歓迎ライブ終了後ギター希望だったのに先輩に誘われたヘビメタバンドで何故かベースをやることになった。

目標は秋の文化祭成功。それまでに僕は先輩たちに追いつかなければならなくなった。

彼女と一緒に部活はいったはいいが、特別絡むこともなく…というのは、1バンドの練習中は他のバンドの人は視聴覚室に入れないというルールがあったから…特に彼女と会話することもなく毎日は過ぎ去っていった。

唯一分かった名前クラスも、クラスフロアが違うせいで部活以外彼女を見かけることもほぼなかった。

それでも毎日借り物のベースTAB譜とにらめっこしている高校生活は何よりも充実していて、気がつけば夏休みになっていた。

夏休みでもこんなに学校に片道40分も掛けて通っていたのは、やはり彼女がくる「かもしれない」から

その予想は的中で、彼女毎日学校に来ては練習していた。

いつしか僕は彼女をずっと目で追いかけるようになり、アイスを買いに出るときは僕も一緒に出て、他のバンドが練習してる時は積極的に近くに行って話すようにしたり。

そんな行動をしていたものから、当然他の人にはバレた。

 「君さあ、彼女のこと好きだろ?」

そんな質問をしてきたのは、彼女と同じ中学校出身ケンジ。

ケンジは童顔で、背もちっちゃくて、色白で、当時の見た目的にはどちらかと言うとそんなにモテそうには見えなかった。

僕はその問に対して首を縦に振る。

ケンジはやっぱりなーという顔をして、

「まあ僕同じ中学から相談乗るよ!なんなら協力するよ!」

と続けて僕に行ってきた。願ったり叶ったりだ。同じ中学ってことは彼女の別の面を知ることができるかもしれない。

その日からケンジは彼女のいる輪に積極的に誘ってくれるようになり、帰宅時も一緒に帰ることが多くなった。

最高の夏休みだった。毎日彼女出会えて、協力者もいて、会話も増えた。こんなに楽しかった夏は今思い出しても無いほどに。

2学期が始まっても3人で一緒に帰る日々は続く。時にはマック晩御飯を食べたり、カラオケ行ったり。

ベランダ彼女が僕を見かけると、上から手を降って大声で名前を読んだりしてくれたりもした。

そしていつしか僕は、

もしかして彼女僕のこと好きじゃない?」

と思うようになった。

告白するか。いつするか。僕は悩んだ。文化祭前に告白してカップルになって、より充実したライブをやるべきか、それとも文化祭で僕のカッコ良い所を見せた後、その余韻でもって告白するべきか。

僕は後者を選んだ。

文化祭当日。彼女はとても可愛らしい衣装ライブをやってのけた。正直、僕はますます好きになった。

僕はといえば、ライブ後の会話をどうしようかと悩んではいものの、ライブ自体はうまく行ったと思う。半年ベースをここまで弾けるようになった僕かっけええええええとか思ったりもした。

ライブが終わった後、僕はケンジに呼び出された。そうだ、ついでに今日告白するから何とか二人で帰れるような感じにしてくれないかなと言おうかと思ってた。

が、呼び出された場所ケンジが発した言葉は、

 「あのさ、俺、彼女と付き合ってんだよね。」

僕は何言ってだこいつ、冗談はやめろよと思ったが、ケンジの目は明らかに冗談ではなかった。

 「実は君に彼女の事好きだろ?って聞いた時あったよね?あの時にさ、あーこいつには取られたくねーと思ってその日の帰りに告白したんだよね。それでオッケーもらってさ、その日から付き合ってるんだよね。」

ごめんの言葉もなかった。僕はだったらなんでそれ言ってくれなかったん?何協力するとか?ふざけんなよ。と罵詈雑言を尽くしてケンジを問い詰めようかと思ったが、一気になにもかもやる気が無くなった。

 「あ、そう、よかったね。お幸せに。」

僕はそういって、その場を立ち去った。

ああ、僕は二人に手のひらで踊らされてたんだと。僕が舞い上がってるの見て二人でゲラゲラ心のなかで笑ってたんだろ。そう思うともう学校なんかいいや、軽音とかどうでもいいわって気持ちで満たされた。

僕はその日、1人で帰った。

次の日、視聴覚室で文化祭の後片付けをしていると、彼女が僕に声をかけてきた。

 「あの…大丈夫?」

その言葉を聞いて、彼女への思いは一気に憎悪に変わった。何大丈夫って?大丈夫なわけねーだろ?

僕はその問に対して何も返答しないで黙々と片付けをしていた。

その日の帰り、当然ながら1人なんだけど、僕の前を二人が仲良く並んで帰ってるのを見て、ただただ涙が止まらなかった。

その後1年ほどして、彼女ケンジと別れたと聞いた。ケンジはろくに学校にも来なくなって、そのまま退学したと聞いた。

僕と付き合ってたらもっと幸せに出来たのに!と当時の僕は考えていた。が、今となってはそんなことあるはずもなく。

彼女コピーしていたレベッカの76th Starを聞きながら、ふと思い出してみた。

2014-03-27

教員という仕事の面倒くささ

年度末忙しすぎワロタ。の学校教員です。

教員というと、「夏休みとか暇でいいよね」とか「授業ない時間なにしてんの?」とか言う人が多いわけですが、

夏休みは暇じゃないし、授業ない時間普通に仕事してますよ。

要因という仕事の面倒くさいところは、「複数の仕事が同時に流れている」ところ。

一人の教員

1、教科の仕事

国語数学、などの授業をやるのは勿論、テスト作成課題作成やチェック、

教科の研修研究大会研究など

2、校務分掌仕事

教務や生徒指導進路指導など。

例えば教務だと時間割作成時間割変更、行事の計画立案文化祭なんかはだいたい生徒会指導がやるけど)、

チャイムの設定、用具の発注学校便りの発行などなど……

3、担任・学年の仕事

担任仕事HRをやるだけではなく、面談や出席統計、成績処理、要録作成など色々ある。

学年としての仕事は学年主導で行う行事の計画立案など。修学旅行とか。

4、部活動仕事

運動部なら平日だけでなく毎週土日(泣)の練習や遠征の引率。

しかしそれだけではない。

顧問会や協会の仕事なども。

5、個人の仕事

経年研修など。

初任者研修のあと、うちの自治体では五年目までは毎年研修が何らかの形である。そのあとは十年研修かな。

あとは今免許更新制度があるのでそれもこれに含める。いや、実際には自腹だから厳密にいうと仕事ではないんだが(泣)

という風に複数の仕事を同時にこなさないといけない。

一人の教員がいくつもの仕事を持っている訳で、例えば

田中太郎 教科 数学数学科主任) 分掌 進路指導部 担任 一年一組担任(一学年団) 顧問 野球部顧問 

という感じ。

教員という仕事は意外に出張が多い仕事で、自分は今年度数えてみたら四十日ほど出張してた。

しかしその出張もある時は「部活動顧問として地区顧問会出席」だったり、ある時は「分掌仕事としての研修への出張」だったり、

ある時は「教科主任として研究大会への参加としての出張」だったり。

しかもそれぞれの仕事独立してるから研究発表の準備でクソ忙しいところに部活動大会が入ったりする。

この時期に野球は春季大会があるんだが、年度末の異動もある時期に大会とかふざけてるよ!

まあこれが高野連傍若無人なところの一端なわけだが…

2014-02-27

ヤフーは言うほど爆速ではないという元担当だった人の投稿を見かけた

先日、こんな記事が出た。

ヤフーのeコマース革命は第2フェーズへ~小澤氏らに聞く、人員が増え続けても「爆速開発」が可能な理由

http://engineer.typemag.jp/article/bakusokukaihatsu

しかしながら、こういう記事は良いように見えるようにしか書かないのも事実

実際のところ、どうなんだろうか。

気になった投稿があったので拾って個人が特定できないように書き換えてリポストする。

わたし、ほんと合わなかったんだろうなー(笑)わたしは今のところでがんばるよ。

元からスピード遅かったじゃん。「速度が落ちてません」ってどうなんだ?
人数増えたのに落ちてない、元から遅かった=低下してんじゃんって読めるんだが。
ペットボトルの例は「言われたことだけをやってればいいという風土兵隊を育て続けてしまった弊害」ということでしょ。
「水をこぼれるのを防ぎたいんだ」ということまで言わないと意図を読み取れないのってどーなの?
「俺たちがやっているのは終わらない文化祭だ」社畜乙!
と、つい、考えてしまった。
仲間を仲間と思わず敵にしてしまって出し抜くような人が多かったですからね。
配属されて部署に行った時に所属するチームに席がなかったとか、
OJTが昼からしかこないしなにも教えてくれなかったとか、
先輩の企画さんにいじめられたとかあったけど、
そんなもんかねーと思ってたし。
鈍感力に優れててほんとうによかったと思ってる。
したっぱ(というと聞こえは悪いかもしれないけれど)同士は敵いなかったんだよ。
いろんな機能のたくさんの開発さんたちと仕事してきたけど、みんな協力してくれたし。
開発としゃべると話が早くて超楽だったし。いちいち確認する必要なかったからね。
いい意味空気嫁仕事できてた感はある。
制作メンバーとも仲悪いとかなかったし。
去年の誕生日は開発メンバーバースデーカードくれた。うれしかったな。
昔いた企画の人の中にはいまだに飲みたい人たちもいるし、いい思い出もたくさんあるんだよ。。。

ほんと残念だよ。
最終的には、あそこにわたしの居場所はなかったし、居場所を得ようとさえ思えなかったからね。

修羅の国で修業したい人には良いところなんでしょうね。

でも、きっと、長く続かない。

ヤフーは言うほど爆速ではないという元担当だった人の投稿を見かけた

先日、こんな記事が出た。

ヤフーのeコマース革命は第2フェーズへ~小澤氏らに聞く、人員が増え続けても「爆速開発」が可能な理由

http://engineer.typemag.jp/article/bakusokukaihatsu

しかしながら、こういう記事は良いように見えるようにしか書かないのも事実

実際のところ、どうなんだろうか。

気になった投稿があったので拾って個人が特定できないように書き換えてリポストする。

--

わたし、ほんと合わなかったんだろうなー(笑)わたしは今のところでがんばるよ。

からスピード遅かったじゃん。「速度が落ちてません」ってどうなんだ?

人数増えたのに落ちてない、元から遅かった=低下してんじゃんって読めるんだが。

ペットボトルの例は「言われたことだけをやってればいいという風土

兵隊を育て続けてしまった弊害」ということでしょ。

「水をこぼれるのを防ぎたいんだ」ということまで言わないと意図を読み取れないのってどーなの?

「俺たちがやっているのは終わらない文化祭だ」社畜乙!

と、つい、考えてしまった。

--

仲間を仲間と思わず敵にしてしまって出し抜くような人が多かったですからね。

2014-02-16

「どうせなら」という才能

「どうせなら」という考え方ができるかどうかが、あらゆる場面での成功の度合い、ひいては人生全体での幸福の度合いを大きく左右するように思う。

たとえば卑近な例を出すなら、合コン自分の好みの顔の女性がひとりも来なかったとき

早々に(つまんねー・・・やる気出ねー・・・)という雰囲気を周囲にぷんぷんに振りまいてしまうか。

それとも、(この顔ぶれじゃあ大して期待はできないけど、どうせなら楽しく飲んだ方が得だし、とりあえず相手の服とか小物とか褒めつつ、率先して冗談でも言っとけば盛り上がるかな)と思うかで、その後の人生の転がり方が大きく変わるのは想像できるだろう。

その場でほどほどに仲良くなった子の無二の親友が、もしかしたら自分にとってめちゃくちゃ好みのタイプかもしれない。

あるいは、自分の好みはいなかったとしても、隣に座っている男にとってはそうではなく、場が盛り上がって彼がうまくコトを運べたとしたら、後からずいぶんと感謝されるかもしれない。

そして、それらのひとつひとつが理由でどこかで何かが回り始めるかもしれない。

それが自分に有利に働くかもしれない。

チャンスはどこに転がっているかからない。

合コンだけじゃない。

もちろん会社の下らない飲み会だって同じだし、何なら学生時代から文化祭受験勉強ゼミサークルバイト卒論就活入社してから研修、配属、変わり映えしない日常の業務からサビ残電気の消えた暗い会社に一人でこもってるときまで、何だってそうだ。

「どうせなら」という考え方ができる奴が、いつだってうまくいく。

どうせならおもしろく片づけよう。どうせならココを工夫してみよう。

あらゆる場面での気の持ちようの違いが、目に見えない程度の小さな差を生みだす。

それらの差の積み重ねが、気付けば目に見える有意な差となって立ち現れる。

そして何より重要なのは、この「どうせなら」という考え方に、「ごく自然に」至れるかどうかという点だ。

もちろん、元々はそんな風に思えない人間意識改革をして、何事も前向きに、ポジティブに、自分にやれる限りを精一杯楽しんで、というポーズを取ることはできる。

そうしてしばらくの間は実際にうまくいくことも確かだろう。

しかし、そうして得た自分像はどこかで必ずガタがくる。

我慢をしているからだ。

無理をしているからだ。

思ってもいないことを口に出し、心を殺して笑顔を作ることを、自分に強いていることが自分自身でわかっているからだ。

自分をだまして取り繕って「どうせなら」を続けていることを、心身は確実に認識している。

それでもその代償として何らかのメリット享受できているうちはいいだろうが、あくまでもメリット享受できる「かもしれない」によって成り立っているこの考え方は、何のメリットも得られない頑張りが続くことで簡単に瓦解する。

「どうせなら」という考え方が自然にできている人は、最初からメリット目的にしているわけではないのだから当たり前だ。

あくまでも「どうせなら」楽しくやろうという考えの先に、結果としてメリットが転がっていることがあるだけなのだ

から自分はこれを、「どうせなら」という才能、だと思っている。

よく、「努力できる才能」「続けられる才能」といった言い方を耳にするが、こういった類の目に見えない才能は世の中に数多く存在しており、それらを所持しているか否かが、人生の豊かさを多分に決定づけているように思うのだ。

2014-02-02

理研の壁の色については擁護しておきます

研究費を壁紙に流用したのではないかと勘ぐられる方もいらっしゃるようなので知っている事だけ解説します。

僕は部外者なので、もっと詳しい人が書いた方がいいと思うのですがとりあえず。

理研和光)では新しく研究室を作るとき、配線、配管から購入する机まですべてボス設計します。

実験にあわせて研究室を1からデザインできるので実験系の人に大変好評のようです。

おそらく壁の色もそのときに決めています

(小保方さんは神戸の方なので断言はできませんがおそらく同じではないかと思います

ちなみに理研にはこれ以外にも、「科学者の楽園」にでてきたものが形を変えながらも残っているようでちょっと感動します。

  • 地下1階にあるでかい資材室。カードで自由に研究資材を購入できる
  • 研究費が足りなくなると肩代わりしてくれる(ただし怒られるようです)
  • 自由に設計できる研究室

話がそれましたが、上記理由のせいで研究室の姿はかなり個性豊かです。

僕の知っている中で変わっていると思った研究室を紹介してみます。(部外者なのであまり多くを知りませんが)

1. 理研和光)本館1階、入ってすぐ階段前の研究室名前失念しました。すみません・・)

からでもわかるようなスタイリッシュ空間です。

そしてすごくおしゃれ。「働いてみたい世界オフィス」に載っていそうなかんじにおしゃれ。

見る機会があったらぜひ。

ちなみにボス男性です。


2. 橋本研(弦理論橋本幸士さんです。今は阪大に移られているようですが)

壁一面黒板。壁の色どころか壁がない。

個人的に一番ワクテカします。こういうところで研究してみたいですね。

ttp://d.hatena.ne.jp/D-brane/20100821

ちなみに橋本さんはパワーに満ちあふれていて、blog を読んでいると分野を超えて勇気ややる気をもらえます

研究者の人は読んでみるといいかも。


長くなりましたが、みなさん 一般公開にでもいってみませんか?

特に理研和光)はかなり力を入れていて、「研究者が全力で作った文化祭」が楽しめますよ。

理研和光)の次の一般公開は 2014/4/19 のようです。

http://www.riken.jp/pr/events/

食堂は長蛇の列なので注意。時間ずらすとかお弁当持って行った方がいいかな?

東京周辺の方はどうぞ。


神戸(小保方さんのいらっしゃる方)の一般公開は、ちょっとからないのですが10月くらいでしょうか。

http://www.cdb.riken.jp/openhouse/13/

京速コンピュータも見れますよ。

神戸市周辺のかたはどうぞ。

(ただ、神戸の方は人数が少ないのでそこまでは期待しないでくださいね。そこにいる人達でできる限りのおもてなしです。)


はてな記法がよくわからないので読みにくかったらすみません

2014-01-17

http://anond.hatelabo.jp/20140117210437

今の2chやここなど匿名の場に常駐して熱心に書き込んでる層は、SNSからスポイルされた

低学歴職業高卒)・低身長・女に無縁で対女コミュ力ゼロ素人童貞キモヲタ」がメインになってしまってる。


同じ低学歴でも、底辺普通科商業科や農業出身者は、工業高校出身者と違って2chで叩かれてもスルーする

工業高校より普通科商業科や農業園芸科の方が上」なんてしつこく2chで主張しない。



高校時代に異性がいない環境にいるといろいろおかしくなる。

同じ男ばかりの環境でも、男子校文化祭に他校の女子が押し掛けるし(東海名古屋高校など)

男ばかりで工場で交代勤の工業高卒と違い、大学進学がデフォから大学サークルで女と知り合える。

工業高校文化祭すら他校から女が来ないと工業出身者本人が自虐してるし絶望的。

工業高校卒の連中全てに言えることだが、

2chや変な受験掲示板のような完全匿名掲示板にの

工業高校電気科はレベルが高い。高い内申点や偏差値必要

工業高校卒はみんな大手就職している」と何年にもわたって主張している人間がやたらいる割に、

SNSや実社会工業高校卒を見かける機会は、普通科高校卒に比べてひたすら少ない。

サイト偏差値入試難易度表やSNS参加人数を比較してみると

普通科進学校卒>その他普通科>底辺普通科デザイン科=商業科>工業高校農業高校

とわかりやす序列になってしまう。

結局、工業高校からそのまま就職しても、公務員インフラ企業でもない限り

中高年以降も失業せず正社員として続けていくのは不可能。

しかもご存知のとおり、どこの工業高校

インフラ企業は少ない枠に対して争奪戦状態となっている。

工業高校卒のSNS参加者普通科高校や四大卒に比べて異常に少ないのは

無職や非正規である近況を知られたくないから

からSNSなどで姿を見せない。

もちろん社会でそれなりの地位にいて活躍するOBも皆無。

いても学歴不問の競輪選手からな。

なら中卒や普通科でもいいだろ的な。

2014-01-13

冬馬かずさを待ちながら

きっかけはWHITE ALBUM2のアニメ版テレビ放送だった。

悪いのは、WHITE ALBUM2のアニメがあまりにグレートだったかなのだ

起こったのはごく単純なことで、僕はネットたまたまWHITE ALBUM2 の第1話を見て、久方ぶりにアニメの視聴を開始し、第9話をみて、PS Vita本体と、WHITE ALBUM2のダウンロード版を購入した。それだけのことだ。

そして、アニメ最終話までゲームを開始するのを我慢して、いまこうして正月休みゲームクリアしたというだけだ。遣る瀬ない気持ちでキモいサイトを久しぶりに巡って、こうしてどうしようもなく、テキストエディタを立ち上げて、今これを書いている。

冬馬を愛しすぎていたために、"浮気end"(冬馬ノーマルend)の近くまで全く気がつかなかったが、WHITE ALBUM2の物語構造は、裏返しの聖杯探求譚としての"指輪物語"と同じである。それは、冬馬=トラウマを捨て去る地獄巡りの物語なのだ。また、ここからWHITE ALBUM2の本筋は"浮気end"(冬馬normal end)にあることがわかる。"冬馬end"の"雪菜end"の両者とも、トラウマ想像的に解決するに留まっている。例えば、何でもいい、エヴァでもまどまぎでも、ハッピーエンド二次創作が描かれるのも、それは原作のバッドエンドという現実があるからこそであり、それに根ざした幻想であるのと同じことだ。

ところで、ギャルゲーにおいて、トラウマをめぐる物語はありふれている。ギャルゲー歴史に刻まれるべき致命的な傑作である"ONE", "AIR", "Sense off"の3作品を唐突に思い返してみよう。ONEにおいては、トラウマ積極的表象されない("みさお"という引っかかりのない固有名詞わずかなテキスト)空虚として、"Air"においては観鈴の劇症発作の原因として釣り合うはずのないあからさまな幻想として、"Sense off"においては宇宙人超人類といった誇大妄想として存在している。素朴な作品が、トラウマささやか心理学物語還元するのに対し、先の3作品は、トラウマ表象することの失敗を通じて異様なリアリティを放っていた。

さて、対してWHITE ALBUM2では、凡百の作品と同様に素朴に真正からトラウマを描きだそうとするかにみえる。しかし、それはいったいなんという力技であったろう! トラウマの原テクストとしての、"opening chapter"を思い返してみよう。高校3年生の文化祭きっかけとした主人公ヒロイン二人の三角関係の恋は、悲劇的な結末が予告されている謎めいた空間の中で進展する。自分が恋しているかも知れない女のまなざし、謎めいた行動、ほのめかし、光、音楽ー歌とピアノー、いつ痛みに転嫁してもおかしくない、危うい、享楽にも通じる喜び。無意識がすべて通じ合う、情動的な空間。そこにおいては、超絶ギターソロを一週間でマスターすることなど問題ではなく、高めの女に恋されるという奇跡がおきてもおかしくはないだろう。そして予感は、悲劇成就する。喜びが、光が、その強度そのままにそのまま痛みに転換する。男は女を2人とも失う。女はもう1人の女と男を失う。それは、あまりにも強く3人が結ばれていたことの罪なのだろうーー。

大げさに過ぎただろうか。しかしここまででは、単に良くできたメロドラマにすぎないとも言い得る(その意味では、アニメ版の方が、ほとんどあらゆる意味原作に勝っていると思う)。しかしほんとうに凄いのが、ここからの周到さである。"closing chapter"の入りがいい。校内ラジオからあっけらかんと流れ出す、"届かない恋"と、春希と千晶との会話のシークエンス。そう、ここでは、トラウマの種は、世界にあからさまに薄く広く偏在している。"opening chapter"では2人以外の女がほとんど存在しなかったのに対し、攻略対象の女がギャルゲーならばそれが当然とでもいう装いで追加導入され、唐突に、我々が慣れ親しんだ、おなじみのギャルゲー形式のギャルゲーが始まる。決定的なことはすべて過去に起こってしまった薄闇の世界と、主人公を慰めるための都合の良い女性キャラクターたち。ここではじめて、WHITE ALBUM2は、"ONE"や"AIR"の出発点にたどり着く。しかし、ここには冬馬が、われわれが本当に愛した女はいない。その女は選択肢に現れない。だからここで進行するのは、ひたすら耐え忍ぶ、息の長い治療過程である。注意しなければならない。偏在するトラウマは、たえず現在の些細な出来事をきっかけに、"opening chapter"の各シーンをを縦横に引用しつつ実体化する。"opening chapter"における決定的なシーンのみならず、読んだことを忘れるようなささやか日常シーンさえも、絶えず痛みと後悔をともなう新しい解釈が施される。"opening chapter"のあらゆるシーン、あらゆるエピソード、あらゆるささやかな喜びは、それが不在になってしまった現在に徹底的に対比され、恐るべき呪いに転換される。WHITE ALBUM2がそれを成し遂げるその執念、持続力にには驚嘆せざるを得ない。また、トラウマの作動をここまでつぶさに可視化しえた作品は他に思いつかない。つらく長い治療過程においては、悪霊を追い払うために、3人のキャラクターが生け贄に捧げられ、物語の都合に奉仕させられ、使い捨てられる。そしてついに訪れた結末。そこでは、聖なる原典、聖なる楽曲が、新たな解釈を施され再演されるだろう。アコースティックバージョンで歌われる"届かない恋"。そこにやっとたどり着いた男と1人の女。まさに寛解という言葉がふさわしい、穏やかな時間

ーーそして、唐突に、"coda"が始まる。

冬馬かずさが回帰する。それはまさに運命的な、恐怖とも歓喜ともつなないつかない瞬間であり、われわれはただ滂沱の涙を流すほかになす術がない。これは感動などというものではない、あまりに強烈なドラッグ強制的に注入された生体の防御反応としかいいようのない、デトックスの涙である。われわれが唖然とするのは、冬馬のあまりの弱さ、あまりのいじらしさ、あまりの変わらなさである。なにしろ5年ものピアノ毎日10時間引き続けながら、その実、ピアノを通じて毎日はるきと会話を続けていたというのだ。なんたる痛切な、ほとんど自傷的な喜び。何も変わらない。何も終わってはいない。そして再会を果たした二人は、おたがい避け難い力でからあいながら蟻地獄のような愛の日々に巻き込まれていく。もとより、"opening chapter"の神話的な磁場により張り巡らされたリアリティが、"closing chapter"において、はるきが冬馬曜子の雑誌記事を書くあたりでほつれてはいものの、"coda"のマンションの隣の部屋での生活に至って、ほとんどギャルゲーのように(ギャルゲーだが、、)ほどけさってしまう。われわれは一方で熱が冷めるのを感じながら、しかし、他方では、そこで演じられる距離0の愛の関係、おたがいまる馬鹿のように傷つけ合い、愛し合うほかはないその様子から目を離すことができない。冬馬がもともと備えていたはずの、凛とした、というキャラクター造形は、ほとんど"浮気end"の最後まで見る影もなくなっている。しかしそれは、最後最後に鮮烈なかたちで炸裂する。ふたたび悲しみをもたらすために。ふたたび作品に残酷リアリティをもたらすために。

"浮気end"において決定的なことが起きてしまったあと、いわば、エピローグの序曲ともなる、短い小春日和の瞬間において、ふと、この、ダンテの"神曲"のように長い螺旋を描いて進んできたこの物語総体、ただ一人のキャラクタのためにすべての女が動員される大伽藍起源が問われることになる。冬馬は問いかける。なぜ私のことが好きになったのかと。決定的な問いである。そして春希は惑いもせずに答えるだろう。終局において、作者に課せられたあまりの重荷、あまりの苦難のあまりほとんどシンジ君のように幼児退行してしまった春希が、もともと持っていた率直さ、本当に貴重な少年らしい生真面目さ、控えめな正義感、雪菜も冬馬も本当にそれが好きだったはずの少年ファルスの片鱗を、かすかに遠くこだまさせながら。

顔が好みだったからだよ!

一目惚れだよ!

これが、この巨大な地獄起源だったのである。何とシンプルで、何と美しい言葉だろう。ふと、地獄のなかにぽっかりと真空地帯が発生し、なにごともなかったような日常現実が発生したかのような、はっとさせる言葉だ。大団円といってもよい。我々は涙を飲み込みながら思う。これは、この巨大な物語の終局にふさわしい。しかし、何も終わらない。決して、終わることはできない。だとしても、冬馬は成仏することはない、、、

* * * * *

ギャルゲーにおいて、われわれは徹底的に受け身な、マゾヒスティック主体たらざるを得ない。ギャルゲーにおいては、本来テキストスキップ機能など必要なく、われわれは、永遠とも思える退屈のなか、ひたすら単調にマウスクリックを続け、何度でも、水増しされたテキストをめくり続けるだろう。なにがしかの男らしさを発揮するために、全てのヒロインを"攻略"(ギャルゲーにおいてこの言葉ほど空疎ものがあろうか)し、CGコンプするという仮の目標を設定することはあまりにいじましい偽の能動性としかいいようがなく、雪菜を選んで胸を撫で下ろしたり、"不倶戴天の君へ"に救いを感じてしまうのはヌルオタとしかいいようがなく、よく訓練されたギャルゲーマーは、すすんで空虚のなかに留まり自らの空虚に向き合うことで快感を汲み上げ続けるだろう。そして、画面を閉じてもゲームは終わることがなく、ギャルゲーマーがとるのは、ただひたすらの"待ち"の体勢である。"coda"において、"浮気end"において物語はまた振り出しに、"closing chapter"に戻ってしまった。"opening chapter"の一撃によって生まれた世界は、"coda"によりいっそう強く永遠に閉じられてしまったのだ。われわれは、それらの各シーンをときにふれ思い出しながら、ひたすら待ち続ける。冬馬を。もう一度彼女に会いたい。いや、彼女はいる。われわれは知っている。われわれは、いや、わたしだけが彼女が全宇宙に偏在していることを疑うことはないだろう。

ここにいたって僕に残されたささやかな唯一の希望は、アニメ版2期, 3期においてよりいっそう美しくバーョンアップした冬馬が再臨してくれることである。もう一度お別れをするために。僕は、つまりは、よく訓練されたギャルゲー主体は、さよならをいうために、すべてが終わってしまった後の世界で、はてしなく続く終章のなか、冬馬かずさを待ち続ける、、、

2013-12-29

LLF』と『果実』を比較検証する(1)

はじめに

中村あきの星海社FICTIONS新人賞を受賞したデビュー作『ロジック・ロック・フェスティバル』が、古野まほろメフィスト賞を受賞したデビュー作『天帝のはしたなき果実』と類似していると指摘され一部で話題になっている。『ロジック・ロック・フェスティバル』に続いて『天帝のはしたなき果実』を読了したので、前回(http://anond.hatelabo.jp/20131221141558)に続いて比較検証していきたいと思う。ちなみに私が読んだのは講談社ノベルス版(通称「旧訳」)である古野まほろとしては全面改稿した幻冬舎文庫版(通称「新訳」)を決定稿としたいようだが、諸事情から旧訳を参考とした。以下の比較検証おいて新訳では違ってくる部分があることをあらかじめ了承いただきたい。

古野まほろの指摘

12月7日Twitter於いて古野まほろが「関係性の説明」をした。それは大きく分けて【学校の設定】【死体発見時の言動等】【推理合戦】の3点である。今回はその中から死体発見時の言動等】について検証していきたい。古野まほろが挙げた「同一性」は以下の通りである

死体発見時の言動等】

被害者は、「世界史倫理担当の教師である

被害者の特徴は、理不尽質問悪態である

被害者は、成年男性1人である

被害者は、クローズドな施設において殺されている

発見者は生徒である

警察への通報を拒否する生徒が現れる

警察への通報を拒否する理由は、高校生として「重要イベント」のためである

警察通報すべきだ、と反対意見を述べる生徒が現れる

・結果、その場にいる生徒による、多数決が行われる

警察通報しないことを、倫理的糾弾する生徒が現れる

通報するかどうかの多数決が、可否同数になる

最後の一票により、イベントを優先して通報しないことが決まる

・生徒たちによる、実況見分等の捜査が行われる

現場に留まるのは危険、との判断から、無人の室に移動する


1つ1つの要素の問題ではありません(要素で見ても厳しいかな、とは思いますが・・・)。私が問題にしているのは、これらすべての要素の「組合せ」です。このような「組合せ」が、まったく別個の作家により、偶然に案出される可能性は、ゼロです。死体発見時の言動等もまた「同一性」の問題です。

被害者は、「世界史倫理担当の教師である

古野まほろ(作者)は「死体発見時の言動等」と銘打っているが、前半は被害者の特徴についてである。『ロジック・ロック・フェスティバル』において、メインとなる密室殺人事件被害者となるのは「灘瀬朝臣(なだせあそん)」である。灘瀬について記述してある部分を引用したい。

ねちねちとした口調、ねめつけるような視線、四十代半ばにして既に注意信号の頭髪、加えて誰が言い出したかセクハラ疑惑まで併せ持った社会科担当教諭、灘瀬――なんとか。失礼、フルネームは存じ上げない。専門も世界史だったか倫理だったか


ロジック・ロック・フェスティバル

灘瀬朝臣社会科担当教諭であり、専門が世界史なのか倫理なのかは本文中で特定されていない。高校世界史を教えるのに必要なのは高等学校教諭一種免許状地理歴史)」であり、倫理を教えるのに必要なのは高等学校教諭一種免許状公民)」だ。それぞれ別ではあるが、実際は両方を取得しどちらも教えるというケースが多い。

天帝のはしたなき果実』におい殺人事件は何度か起こるが、メインとなる首無し殺人事件被害者となったのは「瀬尾兵太(せおひょうた)」である。瀬尾兵太は世界史担当教諭である。本文中に世界史以外の社会科科目を教えているとの記述はない。

黄昏音楽室に入ってきたのは、我が県立勁草館高等学校世界史の教師を勤めるとともに、同校吹奏楽部顧問に任じる瀬尾兵太だ。


天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、23

「要素」で判断する限りは「社会科担当教諭(専門は世界史倫理か不明)」と「世界史担当教諭」を「同一性」と表現するのは厳密な意味おいては正確ではない。だが、少なくとも数学英語のように全く関係がない教科ではなく、非常に類似している「要素」であるといえる。

被害者の特徴は、理不尽質問悪態である

ロジック・ロック・フェスティバル』において、被害者(灘瀬朝臣)の特徴が「理不尽質問悪態であることは、さきほど引用した文のすぐ後に書かれている。特筆すべきなのは、実際に灘瀬朝臣が生徒に理不尽質問をしたり、答えられない生徒に悪態をつくような場面が一切登場しないことだ。設定として生徒に恨まれる理由があることを示す以上のものはない。

根も葉もない噂には同情を禁じ得ないけれど、彼を生理的に受け付けない生徒は多そうだ。授業も理不尽質問を当てるし、答えられない生徒には悪態もつく。


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、被害者(瀬尾兵太)の特徴が「理不尽質問悪態」と断言していいものかは迷う。『ロジック・ロック・フェスティバル』の灘瀬朝臣がただの記号として描かれているのに対し、瀬尾兵太ははるかに血の通ったキャラクターで、特徴として挙げるべき点が複数あるからだ。主人公たちの所属する吹奏楽部OBであるとか、東京帝大法学部出身であるとか、胸に大きな緑色宝石を付けているとか、語学の達人であるとか……。

そこで、まずは「理不尽質問悪態」に該当しそうな部分を探してみることにする。第一章から瀬尾兵太が生徒に質問するシーンを抜粋したのが以下だ。

p、って何だ」

「『弱く演奏する部分に付いた強弱記号』」

阿呆(ドゥラーク)かお前! 確かにfは『強く』でもいいが、pは『静かに』。(後略)


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、34頁)

「あと峰葉、お前は腕立て二セット追加だ――理由は?」

「歌口(マウスピース)を押さえすぎるから、です」

「唇に歌口(マッピ)の跡が付きすぎて興を削ぐな。何でそうなるんだ?」

右手の小指を深く引っかけて持っているからです」

「それは何でだ?」

ペット左手だけで支えられていないからです」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、36頁)

(前略)音がボケてる。どうしてだ?」

「舌遣い(タンギング)が柔かすぎたからでしょうか(はふう、想定の範囲内)」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、37頁)

瀬尾兵太が吹奏楽部の録音を聴いて指導する場面である。「理不尽」かどうかは判断が分かれるところだが、「質問」をすることによって生徒にどこがよくなかったのか自ら考えさせるのが瀬尾兵太のやり方のようだ。そして適切な答えを返せなかった生徒には、「阿呆かお前!」と悪態をついている。「悪態」については具体的にその言葉が出てくる箇所がある。

「まずは誰も口論当事者だって名乗りでてこないからです。瀬尾先生悪態というか音楽に関しての辛辣かつストレートな要求は今に始まったことじゃありません。誰だって何度もボコボコにされてます


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、582頁)

この発言をした登場人物は瀬尾の言動は「悪態」そのものではなく、「悪態」と表現してもいいような「音楽に関しての辛辣かつストレートな要求」と認識しているようだ。

被害者は、成年男性1人である

これまでに記述したとおりメインとなる殺人事件比較した場合、『ロジック・ロック・フェスティバル』も『天帝のはしたなき果実』も「被害者は、成年男性1人」で間違いない。しかし『ロジック・ロック・フェスティバル』は日常の謎を解く場面がいくつかあったのち、メインとなる密室殺人事件が描かれるのに対し、『天帝のはしたなき果実』は連続殺人事件を扱っている。その被害者男子生徒、女子生徒、教師(これが「成年男性1人」に当たる)である。つまり、メインとなる事件だけを比較対象にした場合同一性」に該当するが、比較対象を物語全体に敷衍した場合同一性」には該当しないことになる。

被害者は、クローズドな施設において殺されている

クローズドな施設」という表現が、含みを持たせている。ミステリーおいては「密室」と「クローズドサークル」というふたつの閉鎖状況がある。『ロジック・ロック・フェスティバル』において描かれるのは密室殺人事件だ。文化祭開催期間中に、密室となった社会科研究室死体発見される。

「……密室

 ぼそりと言ったりり子の言葉に僕は哀しいかな反応してしまう。

 僕らが入ってきたドアは確かに鍵が掛かっていた。もう一方のドアは元よりガムテープでがちがちに封鎖されて閉め切りになっており、出入り口としての役目を完全に放棄させられている。四つある窓全てにしっかり施錠されているのが確認できるし、廊下側の壁の上部・下部にそれぞれ設けられた換気用の小窓もご丁寧に施錠がなされていた。

 現場は完全なる密室だと認めざるを得ない。


ロジック・ロック・フェスティバル

高校敷地建物文化祭期間中で一般にも広く開放されているので「クローズドサークル」ではない。しかし、社会科研究室を含む四階は、唯一の階段ふたりバスケットボール部員によって監視されている。

はい、そうみたいでした。なのであたし、立ち聞きする気はなかったんですが、会話の内容が耳に入ってしまったんです。彼女たちはこう言ってましたよね、『私たちがいる間にここを通ったのは、会長副会長、あと実行補佐の四人で全部です』って」


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、メインとなる首無し殺人事件が起こるのは、アンサンブルコンテスト大会が行われている姫山市文化会館の第7楽屋である。この第7楽屋には死体発見時に鍵が掛けられていたが、オートロック式で関係者が鍵を持っていたこともあり「密室」とは呼べない。

ここの楽屋オートロック式で、カードキィを持っていなければ開かない代わりに、内側からは鍵もチェーンも掛けられない珍しい扉になっています(朝のミーティングとき瀬尾がいいましたね)。


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、648頁)

姫山市文化会館は一般に広く開放されている公共施設であるので「クローズドサークル」ではない。しかし、楽屋を含むエリア関係者以外立ち入り禁止となっている。

「非公開区域にはリボンないと入れへんし、第7楽屋のドアは専用のカードキィないと入れへんで、念のため。借りたら記録残るし」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、626頁)

鷹松学園も姫山市文化会館も一般に広く開放されている。しかし「クローズドな施設」という含みを持った表現をすれば、どちらの作品も外部との出入りが制限される場所死体発見されており、当てはまることになる。

発見者は生徒である

ここから死体発見時の状況になる。『ロジック・ロック・フェスティバル』において、被害者(灘瀬朝臣)の死体発見するのは、主人公中村あき)、山手線太郎、鋸りりこ、万亀千鶴生徒会長(衿井雪)、副会長(成宮鳴海)の6人である

 四階に辿り着くと、そこにはなんと会長までもが参席していた。

「鍵、持ってきてくれたか! 早く、嫌な予感がする」

 既に事態も把握しているようだ。

はい、これ、マスターキーです」

 走り寄って僕がポケットから鍵を取り出すと、会長が引っつかむようにしてさっさと鍵穴へ差し込んだ。

 かちり、と確かに鍵の外れる音。

 社会科研究室の扉が開くと、中から冷気が溢れ出した。エアコンがかけっ放しらしい。何か異様な雰囲気と共に、確かな臭気がその中に感じ取れた。

「うっ……なに、この臭い

 千鶴が鼻を押さえる。

「――灘瀬先生、いらっしゃいますか?」

 呼び掛けながら室内に足を踏み入れる会長。僕がその後に続いた。

 研究室入り口付近左手にすぐ壁、そして右手本棚といった配置である。そのため本棚が途切れたところで、ようやく部屋の全容が見渡せた。

 目に飛び込んでくるのは痛いほど鮮かで、残酷な色彩。

 一面の赤色

 血の海。

 赤の海。

 そこに沈む、ぐにゃりとした男の体。

 深紅に溺れる、こと切れた灘瀬がそこにいた。


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、被害者(瀬尾兵太)の死体発見するのは、主人公古野まほろ)、峰葉詩織の2人である

 うひゃあ! 前を歩いていた瓶緑色ボトルグリーン)のブレザー着た集団も飛び上がった。彼女はず、ずいと第7楽屋の前に立つ。「キィは?」

「こちらです」

 ピ、と脳天気電子音とともに若草色(リーフグリーン)のランプが灯る。彼女は目を伏せがちにいった。

「こんどは檸檬、買ってくるのよ。古野君の勝――」

 彼女の声が思いっきり完全休止(ゲネラルパウゼ)する。

 次いで教科書どおりの、深々とした、背筋の伸びた息継ぎ(ブレス)。

「僕の、か?」

 彼女の凍てついた顔を、僕は忘れない。陸奥みちのく)の安達ケ原の姫山に、鬼籠もれりというは真実まこと)か――

 そこには、嵌め殺しの机にもたれ、ドアに背を向ける形で、瀬尾だった物体があった。

 肩からうえには、首がなく。

 それは、避けられない宿業のようだった。


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、648~649頁)

上記に引用したとおり、『ロジック・ロック・フェスティバル』も『天帝のはしたなき果実』も「発見者が生徒である」ことは間違いない。付け加えるならどちらの作品も「死体発見者が主人公を含む集団である」と言っていいだろう。また主人公自身が鍵を開けるのではなく、別の人物に促されて主人公が鍵を渡す点も共通点と言える。

警察への通報を拒否する生徒が現れる/警察への通報を拒否する理由は、高校生として「重要イベント」のためである

ここからは、死体発見したもの警察通報しないという判断をするシーンである。上記ふたつについて引用部分が同じなので同時に検証する。『ロジック・ロック・フェスティバル』において、通報を拒否する生徒は生徒会長(衿井雪)である。その理由は自身が実行委員長として力を注いできた文化祭最後まで終わらせたいというものである

 その時だった。

 会長がすっとみんなを置き去りにするように入り口の方に向かった。そして直後、社会科研究室の扉がぴしゃりと閉じられる音が響いたのだ。

会長……?」

 不審に思い、僕も一度灘瀬の遺体から離れ、一同の輪の方へ戻ることにする。

 そこから入り口を見ると、なんと会長は信じられないことに扉を背にしてその場で膝を折り、こちらに向かって土下座をしていたのだ。

 それだけではない。とんでもない発議がその口からなされた。

「……頼む! 文化祭が終わるまで通報を待ってくれないか

 それは誰もが理解に時間を要するほどの突飛な提案だった。

「な、何を言って……」

 ようやくどうにかして言葉を発した副会長を遮って、会長は哀願するように続けた。

「分かっているんだ、これは普通の思考じゃない……異常だ、狂ってる……そんな風に思うかもしれない……それでも! それでも私は自らの全てを鷹松祭に注ぎ込んできた……実行委員長として私にはこの祭を完成させる義務がある。それだけは誰にも邪魔させない。じきに一般公開も終わる。そこから簡単な片付けがあって後夜祭、ファイアーストーム、そしてグランドフィナーレ――鷹松祭が終了を迎えるまで残り約三時間、あとたったそれだけなんだ!」会長は喘ぐように息を継いだ。「――今一度、三顧の礼を尽くして懇望する。鷹松祭の終了まで示し合わせて黙っていてはくれないだろうか」

 総員、言葉を失ってしまった。


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、最初通報を拒否する生徒は主人公古野まほろである。その理由はすでに演奏が終わったアンサンブルコンテスト大会の結果が聞きたいというものである

差し当たり重要なことは」一馬が厳かに口火を切った。「ひとつしかないわ。通報沈黙か。それが設問よ(ザットイズザクエスチョン)」

「僕は沈黙派だよ」と僕。

(中略)

「今通報すれば、会場は大混乱、大会どころじゃなくなる。あれだけの演奏ができたのは瀬尾のお陰だし、客観的にもその評価を得るのが供養だと思う」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、530頁)

どちらの作品も警察への通報を拒否する生徒が現れ、その理由は、高校生として「重要イベント」のためであるのに間違いない。

2013-12-27

Adobeソフトパンフレットを作ったら怒られた話

自分美大生でもないし、デザイン会社に勤めているわけでもないのだが、なんかまぁ色々あって地方にある小さな会社社長の依頼でその企業製品を紹介するパンフレットを作ることになった。

社長さんとか他の社員の人とかと何回か打ち合わせをして、内容やおおまかなデザインなんかを決めた上で作り始めた。

製作に使ったソフトウェアIllustratorとかInDesignとか。結構前に文化祭の冊子とか作るために自腹で買ったライセンスで、有効活用できるし、業界標準だしというなんら他意はない選択だった。

数週間後パンフレットが完成したので会社には以下のものを納入した。

その時は社長感謝されて自宅に帰った。

ところが数日後社長から電話があった。内容はこうだ。

社長パンフレットの内容を少し変えたいんだけどね、どうしたらできるかな

俺「内容を書き換えるには専用のソフト必要ですね。なんなら僕が書き換えましょうか?」

社長「じゃあその専用のソフトっていうのは無料なの?」

俺「いや、安くても10万ぐらいはしますけど」

社長「なんでそんなもので作ったんだ!」

その後その会社に行って色々説明したんだけど、ずっと社長は機嫌を損ねていたようだった。

俺はどうしたらよかったのだろうか。Wordとかで作っていればよかったのだろうか。

2013-12-25

なつかしいこと。

昔の恋人からFacebookメッセージが来ました。

彼は私の初恋の人で、初めての恋人で、私に初めての失恋経験させた人。私が16歳のときに彼の大学学祭で知り合い、2ヵ月後にお付き合いを始め、私が社会人になって1年少し経つまでの7年を一緒に過ごしました。1年だけでもいいから同じ学校に通いたくて猛勉強したのに、理工学部文学部ではキャンパスが違ったのにがっかりしたなぁ。

大学卒業後、彼は就職ではなく、遠くの学校に進学することになりました。地元に帰ってくるのは本当にたまにのことになりました。遠かったけれど、アルバイト代をためて、私も何度か会いに出かけました。

彼の卒業と、私の卒業は、ちょうど同じ年の春でした。

私は出版社就職が決まり、彼は子供の頃からの夢だった職業につきました。なれない社会人生活に奮闘しながらも、夏休みには「落ち着いたら結婚します」と、お互いの親に報告をしました。

駆け出しの編集なんて奴隷からボロボロになるほど忙しかったけれど、一緒に過ごす時間をなんとか捻出していました。仕事が終わってから彼の家に行き、ただ一緒に眠るだけなんてこともありました。

お互いの新しい仕事を興奮しながら報告しあったり、忙しいけれど楽しかった。

それまで、理工系男子ばかりに囲まれていた彼にとっては、綺麗な女性の多い職場は楽しかったのでしょう。今日職場芸能人が来てた!なんて喜んだりしてました。

ある日、彼に「同僚に紹介したいから」と飲み会に呼ばれました。一歩入っただけで、綺麗なお姉さんと可愛い子ばかりでクラクラしました。薄化粧にGAPジーンズノーブランドのバッグの私が、とてもみすぼらしく感じられました。時計なんてGショックだし。女の子たち、みんなカルティエとかエルメス時計してるのに。「これがA君の彼女~?可愛い~!若い~」と言う彼女たちの言葉が痛かったです。

その中でも、彼と同い年で向かいに座っていた女性、なんだか嫌な感じがしました。恋愛経験がなくても、女の勘って働くものなんですね。

両親に結婚の話をした半年後の冬、彼とお付き合いを始めて7年の記念日の二ヵ月後、彼は私の前で泣いていました。

「酔っ払った勢いで浮気して、その相手との間に子供ができてしまった」とのことでした。

相手は「やだな」と私が思った、同僚の女性でした。彼女、きっとずっとずっと、彼のことを狙っていたんでしょう。酔っ払った勢いで色仕掛けして既成事実を作って…。高校生のころから、彼以外知らなくて、合コンにすら行かなかった私では、太刀打ちできない手だれです。

彼が何を言っても、何が起こったのか、何を言われているのか、全然頭に入ってこなくて、真っ白でした。涙を流していたみたいですが、その記憶もありません。

翌日、初めて会社休みました。現実を受け止められなくて、ただ部屋で呆然としてました。

いろんなことが頭をめぐっていた気もするし、そうじゃなかった気もします。電話メールも取らないで、ただ、部屋でじっとしていました。

そこから数ヶ月の記憶は断片的になっています

とりあえず実家に帰って、2週間ほど実家から会社に通ったこと。お母さんの切り干し大根や厚揚げの煮物を食べてポロポロ泣いたこと、彼が実家に謝りに来たのをお母さんが「そっとしておいてください」と帰したこと、彼の親から電話を切ったあとにお父さんが黙って寝室に行ってしまったこと。友達からの「大丈夫?元気出してね」という電話メールに、「だいじょうぶ」とかろうじて返事をしていたこと。細切れの記憶がぽつぽつと浮かぶばかりです。とにかく、人生最初失恋は、思った以上に辛かったです。仕事に行くことで、なんとか日常生活にとどまっていられた気がします。仕事をしている間は、プライベートの辛さを忘れていられました。

彼は、責任を取って、その同僚の女性結婚したと、共通の友達から聞きました。モデルみたいに綺麗な花嫁さんだったそうです。

彼とはそれっきりでした。共通のお友達とも、私のほうから離れていくことにしました。気を使わせてしまうのが心苦しくて。

以来、綺麗で可愛らしいけれどしたたかハートを持った女性が苦手になり、そういう女性にころっとだまされてしまう男の人が大嫌いになりました。

それからは、何年も仕事に没頭していました。

出版不況が厳しい中で部数が減るばかりの編集部をやめ、アメリカのITバブルの波に乗りました。シリコンバレー発のスタートアップに「雑用でもなんでもいいから」と紛れこませてもらい、毎日文化祭の前日のような熱気の中で働き続けました。右肩上がりの成長に興奮し、歴史的瞬間に立ち会ってることに感動しました。

プライベートでは、ずっと一人でいるのを心配され、出会いの場に連れ出されることも何度かありました。でも、合コンでは苦手なタイプ女子たちに気圧され、男の人に誘われても一線を越えることはできずにいました。それは、「また裏切られるんじゃないか」という恐怖だったり、私が”浮気相手”で他の女性を傷つけることになったら…という恐怖だったり、いろいろでした。

忙しい日々の隙間にぽっかりと時間が空くと、ものすごく孤独な気持ちになりました。年に数回、帰宅後に、彼は奥さんと子供幸せ家族をしているんだろうな…と、レンジで温めたご飯をつつきながら泣いたりしてました。

仕事プライベートバランスも取れるようになってきた30歳からは、結婚恋愛の話題を振られることもぐっと減ってきて、心穏やかに過ごせるようになりました。思い出せば胸を締め付けられるけれど、部屋で泣くこともなくなりました。

それからしばらくして、彼から最初メッセージFacebookに届きました。ご飯食べに行こう、とお誘いに少し迷ったものの、「ぜひ」と返信しました。

銀座焼き鳥屋さんで久しぶりに会った彼は、記憶の中の彼よりも随分くたびれていました。私がオバサンなんだから、彼はオジサンなので、当たり前といえば当たり前です。

しかった頃の話をしていたら、16の頃に戻ったみたいな気持ちになりました。手にしていたのは焼酎だけど。

お酒も進んだころ、「本当にごめんな。俺、バカでさ」と彼がぽつりと言いました。

「本当だよ。あの後、ほんっっっとうに大変だったんだからねっ!おかげでキャリアはついたから一人で生きていけるようになったけど、気づいたら三十路だよ~」と笑う私に、彼がした話は、思った以上に重かったです。

2年前から別居中であること、奥さんが妊娠したのは自分の子供ではなかったこと、成長してきても全然自分に似てこないこと、不況リストラされること…。FBで何かあったようだとは感じていましたが、実際に聞くと重みを感じました。

「バチがあたったのかなぁ」とぼやく声が、彼のくたびれ具合を加速してました。

「そうかもしれないけど、起きてしまったことは仕方ないよ。今できる中で、ベストなことをするしかないよ。頑張れば、思い描いていたのとは違うかもしれないけれど、それなりに幸せはみつかるって」

「そうかなぁ」

「棚ぼた待ってるより、絶対いいよ」

「そっかぁ、そうだなぁ。大丈夫かなぁ」

「だいじょぶだから!」

こんな会話、彼の就職活動ときにも、社会人1年目のときにも、交わした気がします。ふと思い出して、切なくなりました。

あのとき、あのまま順調に付き合って、結婚していたら、私たち幸せ家族になれていたのかな。

帰りの電車の中で、「S子(私のこと)と話したら元気になったよ。ありがとう」と言って帰っていった彼のことを思いました。

やっとやっと、長い間背負っていた荷物を降ろせた気持ちになりました。彼への気持ちをやっと手放せた。

あの失恋から10年が経ち、「最後にもう一度だけ」の気持ちで、結婚相手を探しはじめました。ほどなく、優しい年下の男性に出会うことができました。

アラサーというより、ミドサーといったほうがいい年齢の私にはもったいないくらい、優しくて素敵な人。順調に話が進み、今年、入籍しました。

結婚が決まったことは、彼にも報告しました。「私が人のものなっちゃうの、さみしい?」と聞いたら、「S子は幸せにならなきゃいけない人だから」と返事がきました。

私は今、夫と一緒に暮らしていて、毎日幸せな気持ちでいます。彼からメッセージは、奥さんとの調停がやっと片がついた、でした。再び自由になったら、また、幸せを見つけて欲しいな。

追記:

今朝、はてぶを開いたら、自分投稿が人気のブックマークに載っていたのにびっくりしました。初めての投稿が、大勢の方に面白く読んでいただけて幸せです。ブックマークしてくださった皆様、はてぶやTwitterコメントくださった皆様、ありがとうございます感謝です!

芸能人の話でふと思い出して、自分経験したことを書いてみました。自分では、毒のある恐いエピソードだと思っています

何か思い出したら、また、もやっとする気持ち悪い投稿をしてみますありがとうございました。

2013-12-21

ロジック・ロック・フェスティバル』と〈古典部シリーズの類似点

はじめに

中村あきの星海社FICTIONS新人賞を受賞したデビュー作『ロジック・ロック・フェスティバル』が、古野まほろメフィスト賞を受賞したデビュー作『天帝のはしたなき果実』と類似していると指摘され話題になっている。『ロジック・ロック・フェスティバル』は星海社ウェブサイトで無期限全文公開されている(http://sai-zen-sen.jp/works/awards/logic-lock-festival/01/01.html)ので読んでみた。その結果『天帝のはしたなき果実』だけでなく、米澤穂信の諸作品との類似点が見られたので検証したい。ちなみに現時点で私は『天帝のはしたなき果実』を未読であるが、これから読んでみる予定である

以前から米澤穂信作品との類似は指摘されていた

読書メーター12月4日投稿されたjinさんのレビューhttp://book.akahoshitakuya.com/cmt/33836748)。

読んだ印象としては、米澤穂信西尾維新になったつもりで古典部シリーズを書いたらこうなるんだろうなと思った文学部員が書いた同人誌と言った感じ。

読書メーター12月11日投稿された×(旧らっきーからー。)さんのレビューhttp://book.akahoshitakuya.com/cmt/34001390)。

米澤穂信とかを目指した結果、残念ながらそこに至らず。そんな印象。

物語構成

まず『ロジック・ロック・フェスティバル』の物語の流れを説明する。以下が『ロジック・ロック・フェスティバル』の章タイトルだ。

  1. 四人の申し分なき閑人
  2. 実行補佐
  3. 回想と回送
  4. モバイルコード
  5. 葉桜の季節
  6. 大脱出
  7. バス班室写真消失事件 前編
  8. バス班室写真消失事件 後編
  9. そして、時は来たれり
  10. フェスティバルフリーク
  11. 健康と対策
  12. アイの告白
  13. それは清き学び舎を妖しく濡らして
  14. さよならコージー
  15. 現場検証
  16. 見捨ていくプリコンディション
  17. 星のお告げと逆転密室(万亀千鶴告発
  18. 失われた血の絆(成宮鳴海告発
  19. 浪漫秘密の抜け穴(衿井雪の告発
  20. 犯人探偵中村あきの告白
  21. 名探偵』の復権(鋸りり子の告発
  22. 顚末
  23. 探偵の動機

全部で23章で構成されている。『ロジック・ロック・フェスティバル』のメインとなる事件は文化祭開催期間中に起きた密室殺人事件だが、文化祭が始まるのは「9.そして、時は来たれり」からだ。ではそれ以前はというと小さな謎解きが2,3あるという構成になっている。具体的には「4. モバイルコード」で携帯メール暗号の謎解き、「6. 大脱出」で閉じ込められた蔵から脱出、「7. 女バス班室写真消失事件 前編」「8. 女バス班室写真消失事件 前編」で写真盗難事件の謎解きが行われる。

次に米澤穂信デビュー作『氷菓』の物語の流れを説明する。以下が『氷菓』の章タイトルだ。

  1. ベナレスから手紙
  2. 伝統ある古典部再生
  3. 名誉ある古典部の活動
  4. 事情ある古典部末裔
  5. 由緒ある古典部封印
  6. 栄光ある古典部の昔日
  7. 歴史ある古典部真実
  8. 未来ある古典部の日々
  9. サラエヴォへの手紙

この章タイトルだけではどんな物語かわからない。『氷菓』のメインの物語ヒロインである千反田えるの叔父、関谷純が関わったと思われる33年前の事件を解明することであるしかし、その謎がはっきりするのは「4. 事情ある古典部末裔からであり、「2. 伝統ある古典部再生」では千反田える地学講義室に閉じ込められた謎解き、「3. 名誉ある古典部の活動」では、ある本が毎週借りられている「愛なき愛読者」の謎解きが行われる。

はじめに小さな謎解きがいくつかあり、中盤からメインの大きな謎解きになるという物語構成は特定作家専売特許ではない。であるが『ロジック・ロック・フェスティバル』と『氷菓』の物語構成が類似していると指摘するのは間違いではないだろう。

ヒロインのお屋敷にはじめて行くシーン

ロジック・ロック・フェスティバル』の「6. 大脱出」では、主人公中村あき)がヒロイン(鋸りり子)の家をはじめて訪れるシーンが描かれる。これを『氷菓』の「6. 栄光ある古典部の昔日」で、主人公折木奉太郎)がヒロイン千反田える)の家をはじめて訪れるシーンと比較したい。

 目に飛び込んできたのは圧巻の庭園だった。手入れの行き届いた刈り込まれた木々。配置を整えられた岩。雨粒を受けてなお静謐を湛える。その中を悠然と泳ぐ色とりどりの錦鯉。そしてそれらを統べるかのように鎮座する絵に描いたような日本家屋。その向こうには立派な蔵も見えた。

 道なりに設置された飛び石を歩きながら息を呑む。家柄でここまで住む世界が違うものなのか。自身の境遇比較すると、少しばかり悲しい気持ちになってしまう。

(中略)

 唖然としているうちに僕は言われるがまま三和土で靴を脱ぎ板張りの廊下彼女に説明された通りにんでいた。


ロジック・ロック・フェスティバル

 広大な田圃の中に建つ千反田家は、なるほどお屋敷と呼ぶに相応しかった。日本家屋らしい平屋建てが、生垣に囲まれている。水音がするところを見ると庭にはがあるらしいが、外からは綺麗に刈り込まれたしか見えない。大きく開かれた門の前には、水打ちがしてあった。

(中略)

 無視する。門をくぐり飛び石を飛んで、玄関先のベルを鳴らす。

(中略)

 石造りの三和土で靴を脱ぎ、千反田に先導されて板張りの廊下を進む。


氷菓角川文庫版、135~136頁

太字で示したのが二つの作品で完全に一致した箇所である。いくつか単語が一致しているが、文節単位での剽窃は行われていない。単語の一致も同じ「日本家屋を初めて訪れたシーン」を描いたのだからあって当然だ。むしろ庭園に入ってから周りを描写している『ロジック・ロック・フェスティバル』、生け垣の外から庭をうかがっている『氷菓』という点が大きく異なる。

そもそも、高校一年生のヒロイン日本家屋の豪邸に住んでいるという設定がめずらしいが、かといってこの設定が特定作家専売特許というわけでもない。

氷菓』において、千反田える日本家屋の豪邸に住んでいるのは、千反田家が桁上がりの四名家といわれる名家からだ。『ロジック・ロック・フェスティバル』において、鋸りり子が日本家屋の豪邸に住んでいる理由は説明されない。家柄は明らかにされていないし、両親も学者だ。一般的学者であれば豪邸を建てるほど高給とも思えない。シリーズ化されこれからの作品で明らかにされるのかもしれないが、現時点では主人公たちが閉じ込められる蔵を登場させるためぐらいしか物語必然性がない。背景が説明されないので、どうしても取ってつけたような印象を受けてしまう。

主人公ヒロインが閉じ込められるシーン

ロジック・ロック・フェスティバル』の「6. 大脱出」で描かれる主人公ヒロインが閉じ込められるシーンは、〈古典部シリーズの4作目『遠回りする雛』に収録されている短編「あきましておめでとう」と類似点が多い。例えば、どちらも冒頭に閉じ込められている主人公述懐を置き、時間を巻き戻す形でなぜ閉じ込められることになったのかを記述する形式をとっている。

あらすじはひとことでまとめると以下のようになる。

具体的に『ロジック・ロック・フェスティバル』では、

具体的に「あきましておめでとう」では、

となっている。

以下、『ロジック・ロック・フェスティバル』におい主人公中村あき)とヒロイン(鋸りり子)が小屋(蔵)に閉じ込められるシーンと、「あきましておめでとう」におい主人公折木奉太郎)とヒロイン千反田える)が小屋納屋)に閉じ込められるシーンを比較したい。

 目が慣れてくると、そこは本当に本の山だった。本しかないといってもいいくらい。備え付けの本棚に、そこらに積まれたボール箱に、ぎっしりと詰められた本、本、本――今すぐ古本屋が何件だって始められそうだ。

 りり子に案内され、その後ろに付いていく形で奥の方に歩いていく。中はそれほどの広さでもないようだったが、薄暗さと障害物のように設置された本棚のせいで、なんだか迷路に迷い込んだような眩暈感があった。

推理ものは確か……」

 一応分類されているのだろうか。背表紙を見流す限りでは全く統一感がないような気がするぞ。

 と、その時。

 ぎぎぎ、と何か引きずるような音がして、室内の明度が明らかに落ちた

 なんだろう?

 りり子も一度こっちに振り返り、異変があったことを確かめ合う。

 そして二人同時に思い当たった。

 扉が閉まったのだ。そんな当たり前の結論に到達するのにいやに時間がかかった。

 慌てて扉の方に引き返す僕ら。見るとやはり扉はぴっちりと閉められていた。風やなんかであの重い扉が閉まるだろうか。疑問に思いながらも、とりあえず僕は扉に近づいて手を掛けてみる。

「……あれ?」

 開かない。まさか

 がちゃがちゃがちゃがちゃ。

 扉の外側から響く、金属が打ち付けられるような硬質な音。

 いやいや、冗談でしょ?

「鍵が……閉められてる……?」

強く揺さぶってみると扉はほんの薄くだけ開いた。その間から無慈悲にも完全に閉じられた錠が覗けて。


ロジック・ロック・フェスティバル

 闇の中に手を突き出し摺り足で進んでいく。目が慣れればもう少しマシになるのだろうが、いまはこうしないと危ない。そろそろと奥に進み、手に酒粕が当たらないかと気をつけてみるが、どうも手ごたえがない。

「簡単なお使いかと思ったら、なんだか面倒なことになってきたな」

「あの、折木さん」

 いつの間に近づいてていたのか、千反田が俺のすぐ後ろで名前を呼んだ。背後でアルミドアが風に吹かれて閉まってしまい、納屋の中はいっそう光が入らなくなった


『遠回りする雛』角川文庫版、218~219頁

「おう、開いてるぞ」

 そして、なにやら不吉な、がこんという音。

「え? いまのは……」

 とピンと来ていない千反田。俺はすぐさまドアに、暗くてよくわからないので正確にはドアがあったと思しき場所に飛びついた。アルミノブの、冷たい感触はすぐに探り当てられた。

 しかし。

 がたがたと揺れるだけのドア。オレは千反田を振り返る。千反田の輪郭もはっきりしないけれど、なぜか、心配そうに小首をかしげるやつの顔が見えたように思う。

「どうしました?」

 どうせ見えないだろうけれど、肩をすくめてみせる。

「閉じ込められた」


『遠回りする雛』角川文庫版、221頁

 まず、このドアが閉められている構造をもう一度考える。このドア自体には鍵はない。だから強く押せば、ほんの少しだけ開く。それ以上開かないのは閂のためだ。


『遠回りする雛』角川文庫版、228頁

今度は先程と違い完全に一致する箇所ではなく、同じ事象を別の表現にしている箇所を太字にした(そもそも完全に一致する単語ほとんどない)。非常に似通ったシーンを描いているので、一致している箇所がいくつかあるが、文節単位での剽窃はおこなわれていない。

違和感があるとすれば『ロジック・ロック・フェスティバル』において、「扉はほんの薄くだけ開いた」という点だろう。「あきましておめでとう」では脱出が困難なことを示すために閂がどのようにかけられているか仔細に描写されており、「強く押せば、ほんの少しだけ開く」というのも話の流れから違和感がない。一方の『ロジック・ロック・フェスティバル』においては、どのような扉なのか、どのように錠がかけられているかは具体的に示されておらず、一般的な扉と錠であれば扉が薄く開き外の錠が覗けるというのはおかしい。

「あきましておめでとう」では、折木奉太郎脱出するために様々な方法を試す。そこにはどうやって脱出するのかというハウダニットの愉しみがあるが、『ロジック・ロック・フェスティバル』では、早い段階で窓から脱出できることがわかっている。謎解きの興味はほとんどなく、むしろそれまで葉桜仮名先輩一筋だった主人公中村あき)がヒロイン(鋸りり子)を女性として意識するシーンとして描かれている。

私感

ロジック・ロック・フェスティバル』と〈古典部シリーズ両方を読んでいる私としては、影響は受けていると感じた。しかし、文章の剽窃など著作権法違反に問われるような箇所はないと判断していいだろう。他にも中学時代探偵していたが、とあることをきっかけに探偵することをやめたという鋸りり子の設定が、〈小市民シリーズの小鳩常悟朗の設定と類似するなど気になるところがあるが、それはまたの機会に検証したい。

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