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はてなキーワード: リーフグリーンとは

2016-02-28

[]2月28日

○朝食:なし

○昼食:考え中

○夕食:考え中

調子

むきゅー。

お仕事は今日もお休み

昨日のうちに洗濯とかはしたので、今日はゆっくりのんびりの日。


ポケモンの思い出

一夜明けてネットを色々見てみると、出るわ出るわの、ポケモンとの思い出記事。

便乗しようかしら、と思ったけど、僕にとっては赤緑からの20年間ずーーーっと現役のコンテンツで、

「この時期はポケカ

「この時期はトレッタ」

「この時期は本編」

「この時期はポケダン

みたいな、どのポケモンにハマっていたか、って違いはあれど、

基本的にずーーーっとポケモンを遊んでいるから、思い出を語るのは難しいんだよなあ。


僕とポケモン出会いは別コロでした。(別冊コロコロコミックのことです、)

当時はボンボン派でして、コロコロは読んでなかったんですよ。

ちなみに、何故ボンボン派だったかというと、ガンダムが乗ってたからです、僕の父親は重度のガノタで、

ガンダムと名の付くものは全部買ってたんじゃないか? ってぐらいのオタクだったため、GガンやWのときた版が連載していたボンボンを買っていたんですね。

なんだけど、風邪か何かで学校を休んで寝てたときに、祖母がお見舞いに子供向けの雑誌を買ってきてくれたんです。

それが、別コロで、それに乗っていたポケモン特集記事

そこに書かれていた、フシギダネ説明文。

さすがに細かい文面までは、もう覚えていませんが、

「多彩な技を使いこなす植物ポケモン」的なことが書かれていたんです。(豊富な、だったかなあ)


そう「多彩な技」この一文が、僕とポケモンの20年間の始まりでした。


今にして思うと、

「いや、ポケモンは全員四つまでしか技はないし、フシギダネってそんなに技豊富か? 粉系ばっかやん」

とか思うけどね。

で、何故「多彩な技」って一文に惹かれたのか? というと、

ドラゴンクエスト5の話をツラツラ書くことになるので、省略します。(おお、今にして思うと、後のポケダンを作るチュンソフト最後のドラクエじゃん)

ざっくり言うと、ドラクエ5の仲間モンスターの特技の少なさにガッカリしていた的な話です。

(当時は攻略本とか持ってなかったし、ここに誤解があることは勘弁してね)


フシギダネを育てて、多彩な技で相手を翻弄したい!」ということで、頭がいっぱいになったんですが、

そこはさすがに小学生強請ってもすぐには買ってもらえませんでした。

当時の僕は中学受験のために、塾通いの日々でした。

って、今調べると僕は小学三年生だか、四年生から塾通いだったのか……

別に勉強漬けだからどうのだの、親の教育がどうのだって文句を言うつもりはないけど、

今にして思うと、色々面倒くさかっただろうなあ、親が。って思いますね。

余談はさておき「そこの塾のテストで良い点数をとれたら、ポケモンを買ってあげる」と親と約束したんですよね。

(ちなみに、ゲームボーイは父親がSAGAをするためにもう持ってた)

そらもう、必死勉強したのを覚えています。

当時は「国語」「算数」の二科目を塾で学んでいたんですが、

算数」で良い点数をとるのは早々に諦めた記憶がありますね。

っていうか、僕は未だにあの中学受験特有方程式を使わずにつるかめとか旅人の問題を解くの出来ないんですよねえ。


「国語」に狙いをしぼって、ひたすら漢字を覚えて、文章問題に慣れるために問題集をやたらめったら繰り返しやったりしてましたね。

ちなみに、そのとき加納朋子の「ななつのこ」に収録されてる短編を題材にした国語の問題を解いたのが、

ミステリとの出会いだったりします。

うーん、子供の頃に触れた文化は今の僕を形作っているなあ。

結局、努力のかいあって、夏頃に買ってもらえたんですよ。

たしか、夏休みに入る前、七月の前半ぐらいのテストだったと思う。

いやーこれは嬉しかったね、なんとその塾で一番良い点数をとったんですよ。

しかも「漢字の問題を全部間違えてるのに、文章問題が満点」っていう、なんか凄いもったいない感じで、

一番をとったんですよ。

それからは、そらもうポケモン漬けでしたね。

ちなみに、初めて殿堂入りしたパーティー

フシギバナ

ピジョット

ギャラドス

ファイヤー

フリーザ

でした。(六匹目は多分数合わせだったから記憶にない)

今にしてみると、電気一貫性が凄いな。

ちなみに、フシギバナニックネームは「トロワ」でした。

これは、ガンダムWに登場するヘビーアームズというガンダムパイロットで、

多彩な技を使いこなすフシギダネにふさわしい名前だ! と思ったのを未だに覚えています。

(他のNNは覚えていないけど)

殿堂入りしてからも、図鑑埋めたり、レベル100を目指したりと、かなり長い間プレイしていた記憶がありますね。

ただ、64を買ってもらったのが、ポケスタ金銀発売後だったので、ポケスタを使った遊びができなかったんだよなあ。

少なくとも、アニポケオレンジ諸島に入るぐらいまでは、ずっとプレイしていたと思います。

そう一人で。

一人で。



ポケモンの思い出を語る上で、ダイヤパールが出て、Wifiでネットの向こう側に行けるようになるまでの間、一人でプレイしていた。

という事実から逃れられないですよね。

僕は友達のいない子供だったので、顔付き合わせての通信プレイをしたことがないんですよね。

社会人になって、ポケカ初めてからポケカの流れでやったことあるけどね)

ユンゲラーゴーストゴーリキー進化させたことないんですよ。

いやもう、学生時代はずーーーーっとイジメられっ子だったので、楽しく友達とポケモン、なんて夢のまた夢なんですよ。

そもそも、まともに他人と会話したことなからね。

クラスメイトっていうのは、僕に突然殴り掛かってくる人たちだったからね。



なんか、嫌な思い出しか湧いてこないので、ポケモンの話に戻ろうかな。

緑版を楽しんだまま、ポケスペ(当時は作画が別人でしたね)もハマったし、アニポケも楽しく見てましたね。

ポケカは一人で二つデッキ組んで、一人で対戦してました。

ただ、お金かかるからポケカは旧裏すら最後まで付き合ってないですね。

(その後、BWで復帰します)

で、待ちに待たされた金銀が出て、銀をGBカラーと一緒に買ってもらったんですよね。

映画の影響でルギアの方が好きだった)

これは確か誕生日貯金をしていた記憶がありますね。

ただ、このとき僕は中学受験の追い込み真っ最中だったから、合間合間にやってただけで、ガッツリプレイしてないんですよね。

から今では、ジョウトの思い出はHGSSの方が強かったりします。

結局、中学受験は本命に落ちて、第二志望の男子校にうかって。

でもなんか、結局イジメられっ子ポジションはかわらなくて……

この頃からミステリ小説ガッツリハマりだして、

その影響でプレイするゲームノベルゲームに偏りだして、

さらに、インターネットWindows98がお家にやってきて、

(中学二年生特有黒歴史的な色々があって)


ルビーとサファイヤが出るわけなんですが、

ここで僕は運命の出会いします。


そう「ダーテング」との出会いです。


このゲーム日記でもたびたび話題にあがる「ダーテング

このポケモンとの出会いが、ルビーでした。

ミズゴロウを選び、何となくで捕まえたタネボー

実はストーリーから大好きでした! とはなりませんでした。

ダーテングのことを好きになるのは、もう少し先の話です。


ルビーが出るも、当時はミステリノベルゲにガッツリハマってて、

かつ、Windowsを使ったあれやこれやで、ぐへへへ、ってしてたので、

ポケモン小学生の遊びでしょ」的なノリで、そこまでハマってなかったんですよね。

(ああ、この時のネットでの僕の活躍は、未だにグーグル先生が覚えてるので思い出せるが、まあ辞めておこう)

ファイアレッドリーフグリーンコロシアム辺りは、もう発売日当時には買ってすらいませんでした。

(GCはチュンソフトのアレをやるために買ってたけど)

そして、高校生になって……

また僕をポケモンに呼び戻すゲームが発売されます。

そう「ポケモン不思議のダンジョン」です。

上で書いた通り、僕は当時ノベルゲにハマっていました。

そして、ノベルゲといえば、チュンソフト

チュンソフトといえば、不思議のダンジョン

ポケダンねえ、シレンGBをミレンまでクリアした僕にかかればお茶の子再々、サイサイシーさ!」(当時僕がネットチャットでよく使っていたジョーク

と、軽い気持ちで買うも、ドハマり。

感動的なストーリーでぼろぼろ泣き、清森の超絶難易度に悶絶し、とポケダン赤はもうかなりやり込みましたね。

不思議のダンジョン恒例のセーブデータに表示されるアイコンを全部揃えるのに一番時間がかかったのが、ポケダン赤な気がしますね。

シレン2のモン壺絡みのアレも普通にやると時間かかるんだけど、なんか僕シレン2に関しては、かなり旅の神クロンの追い風が吹くんだよねえ)


そんなわけで、またまたポケモン世界にハマりだした、僕なんですが、

今度は大学受験が待ってました。

当時、笠井潔にハマっていた僕は哲学科で哲学教授になるんや! という、夢がありました。

なんですが、まあ色々あって、就職に強い地元情報科大学に入ることになります。

そこでプログラム出会い、今の仕事にも繋がってるわけですね。

そうえば、はてなIDを取得したのは、この辺りかな?


で、巡り巡ってようやく「ダーテング」を好きになる話ですね。

ポケダンポケモンを再び好きになった僕は、

当時の最新作であるエメラルドを購入します。

ルビーと同じようなストーリーなのに、色々違っていて楽しめたんですが、


クリア後のアレです。

そう、未だに挑戦している人もいるであろうアレです。


バトルフロンティア」です。

ポケダンを苦労しつつも、清森を突破した僕ですら、

このバトフロはあまりにも難しすぎました。

ポケモンストーリーって、基本的レベル上げてゴリ押しすれば勝てるんですが、

バトフロではレベルが統一されるので、ゴリ押しできないんですよね。

どうすればいいのか?

大丈夫インターネットがあります。


ここで、僕は所謂「三値」というものを知ります。

個体値努力値種族値って奴ですね。

そして、個体値は少なくとも素早さに関しては最大値じゃないと、そもそもゲームとしての読み合いが成り立たないレベル意味がない。(トリルないから最遅も意味ないしね、あーでも、グラードンカイオーガの天候変化組は例外かな)

っていう、今ではもう常識になっている知識を知りました。

これが、僕がポケモンの沼にもうしっかりどっぷりつかった瞬間でしたね。

まず優秀なポケモンを孵化させるためには、とりあえずデタラメでも良いから、数をこなすのが早そうだ。

と当りを付けた僕は

タマゴグループが二つあって」

「孵化歩数が短い」

「オスメス比率が普通

この条件に合うポケモンを探すことを始めました。

出来れば、陸上グループがいいなあ(遺伝に使うドーブル陸上から)とか色々探すうちに見つけました。

タネボー」です。

タマゴグループ陸上と植物という、連絡網的にかなり優秀な二つ。

そして、3840歩というかなり短い孵化歩数。

こりゃ良いんじゃね?

と思い、孵化!

孵化!

孵化!

孵化!

孵化!


僕の大学一年生は、ずーーーーっとGBA片手にタネボーの孵化をしていましたね。

そこで生まれ

4V(HACS)、せっかちのタネボー

メス。


そう、念願の3Vの壁を突破した、初めての4Vが

メス。

ここで、僕の心が折れました。

「もういいや、この山ほどいるタネボーをまず実際に育成しよう」と。


ところが、

ところが、ここからポケモンの一番楽しい時間でした。

未だにこの時間はワクワクして楽しいです。

そう、このタネボーをどう育成するかを考える時間です。

とりあえず、葉緑素を生かすために晴れPTは確定。

弱点多いし、耐久もないから、晴れ始動は別のポケモン

三世代当時は大爆発が強かったから、大爆発は確定。

せっかくの晴れなんだからソーラービームも確定。

あとは、タイプ一致でだまし討ち

残り一枠、うーん、良い技ないし適当に猫騙しでも入れておこう、シングルじゃ腐りそうだけど。


で、次は相方か。

晴れ始動

耐久があって、弱点が少ない子か……

弱点が少ない?

ヤミラミって弱点ないんだよねえ(第三世代当時の話、今ではフェアリーが弱点)

よし、この子にしよう、残りの技は適当に状態異常系いれとけ。


最後に、晴れPTなんだから、炎のアタッカーだよなあ。

タイプでかつソーラビームを覚えるのが最適だよね。

えーっと、エンテイヘルガーの二匹かあ。

エンテイコロシアムで厳選とか死ねからヘルガーにしよっと。


ダーテング

ヤミラミ

ヘルガー

と、こんな感じの思考回路を経て、

晴れPTが完成しました。

もちろん、見ての通り、三世代当時で考えてもこのPTは弱いです。

ラティとかどうやって突破するつもりだったんでしょ)

ですが、自分の考えた作戦で、自分の育てたポケモン達が戦う、

そんなポケモントレーナーの当たり前が、それはもう、それはもう楽しいことに気づいたのです。

始めは孵化歩数だのタマゴグループだのの、打算で育て始めたダーテングのことが、

フロンティアで一緒に戦ううちに、どんどん好きになっていき。

相方ヘルガーヤミラミのこともどんどん好きになって。

そして、偶然なんですが

このPTなんと、全員が悪タイプを持っている

「悪統一」でもあったんですね。

これに気づいて、僕は

「悪タイプ」を愛する、悪ポケ専門トレーナーになったのです!


それからダイヤパールネット対戦デビューをしてからは、そりゃもうポケモン漬けでした。

きあいのタスキによって、晴れ始動を行いつつ、大爆発で退場できるようになったダーテング

プラチナで不意打ちを覚えて一気に晴れ下での物理アタッカーとしてかなりの地位にたつことになったダーテング

悪統一!

この縛りと育成、対戦の楽しみによって、僕はもうかなりネット対戦にのめり込みました。

ちなみに、僕が対戦していたのは、2chの社大スレというところでした。


でまあ、ポケモン対戦漬けの大学生活が終わり。

なんやかんやで、プログラムの会社に就職して。


BWですよ。

ここまで、基本的

ポケモン楽しい」の図式だったんですが、

BWですよ。


BWでランダムネット対戦が導入されて、ますます対戦にのめり込もうと思った僕は、

「そろそろ悪統一を辞めて、普通にPTを組もうかな」と思っていました。

それをするのに、世代交代というのはちょうど良いタイミングだと思ったのです。

思ったのに

攻略本ガチャ

ムックガチャ

ポケカガチャ

これですよ。

もう本気でポケモン作った人に聞きたいんだけど

かそくアチャモのために、五冊攻略本をかって、しめりけミズゴロウを五匹ゲットして、ブックオフ攻略本を売る」

これが、楽しいと本気で思ったんですかねえ?

いやもう、楽しいわけないじゃないですか

誰が「わーい、好きなポケモンのために攻略本いっぱい買うの楽しい!」って思えるわけ?

おかしいでしょ。

そりゃさ、映画前売り券でポケモンもらえるのあったよ。

でもそれは、明確に貰えるポケモンがハッキリしてたし、

少なくとも、一枚買えば一匹貰えるっていう簡単なルールだったじゃん。

それが、なんやねん、攻略本ガチャて。

映画前売り券はまだいいわ、映画何回も見ればいいんだから。(よくないけど)

攻略本何冊も買って何になるわけ?

おかしいでしょ、どう考えても。


マグナゲートが糞ゲーとか、

ポケモンダッシュが糞ゲーとか、

ポケモントローゼが糞ゲーとか、

そういう次元の糞ゲーじゃないんだよ、

攻略本を山ほど買うって、もうゲームじゃないじゃん。

効率よく攻略本を買うために、仕事頑張って給料たくさんもらいます、じゃん。

それゲームじゃないじゃん。



という感じで、もう第五世代にはかなりガックリ来て、ろくにプレイしていません。

BW2に至っては買ったけど御三家すら貰ってないです。


なんだけど、XYが出て、

愛するヘルガーが、メガヘルガーになることで、より晴れPTのアタッカーって側面が強くなって、

ORASでダーテングが不意打ち没収されるも、

ヤミラミメガ進化できて、

なんだかんだ、今ではポケモンを楽しんでます。

第六世代からは、シングルじゃなくて、ダブルを専門にすることで、

より愛するダーテングが活躍できるようになったし、

サンパワー晴れ熱風というメガヘルガーロマンを追うのは超楽しい


いやうん、でも最近ネット対戦ポケットモンスターというよるガルットモンスターから最近ちょっとやってなくて、

派生作品ポケモンピクロスにハマってるんだけどね。


長々と書いたけど、ポケナガにハマった話とか、ポケカ全般の話とか、全然したりないなあ。

とにかく、ポケモンの20年は、僕の人生の20年でもあるんだなあ、としみじみ思いました。

2013-12-29

LLF』と『果実』を比較検証する(1)

はじめに

中村あきの星海社FICTIONS新人賞を受賞したデビュー作『ロジック・ロック・フェスティバル』が、古野まほろメフィスト賞を受賞したデビュー作『天帝のはしたなき果実』と類似していると指摘され一部で話題になっている。『ロジック・ロック・フェスティバル』に続いて『天帝のはしたなき果実』を読了したので、前回(http://anond.hatelabo.jp/20131221141558)に続いて比較検証していきたいと思う。ちなみに私が読んだのは講談社ノベルス版(通称「旧訳」)である古野まほろとしては全面改稿した幻冬舎文庫版(通称「新訳」)を決定稿としたいようだが、諸事情から旧訳を参考とした。以下の比較検証おいて新訳では違ってくる部分があることをあらかじめ了承いただきたい。

古野まほろの指摘

12月7日Twitter於いて古野まほろが「関係性の説明」をした。それは大きく分けて【学校の設定】【死体発見時の言動等】【推理合戦】の3点である。今回はその中から死体発見時の言動等】について検証していきたい。古野まほろが挙げた「同一性」は以下の通りである

死体発見時の言動等】

被害者は、「世界史倫理担当の教師である

被害者の特徴は、理不尽質問悪態である

被害者は、成年男性1人である

被害者は、クローズドな施設において殺されている

発見者は生徒である

警察への通報を拒否する生徒が現れる

警察への通報を拒否する理由は、高校生として「重要イベント」のためである

警察通報すべきだ、と反対意見を述べる生徒が現れる

・結果、その場にいる生徒による、多数決が行われる

警察通報しないことを、倫理的糾弾する生徒が現れる

通報するかどうかの多数決が、可否同数になる

最後の一票により、イベントを優先して通報しないことが決まる

・生徒たちによる、実況見分等の捜査が行われる

現場に留まるのは危険、との判断から、無人の室に移動する


1つ1つの要素の問題ではありません(要素で見ても厳しいかな、とは思いますが・・・)。私が問題にしているのは、これらすべての要素の「組合せ」です。このような「組合せ」が、まったく別個の作家により、偶然に案出される可能性は、ゼロです。死体発見時の言動等もまた「同一性」の問題です。

被害者は、「世界史倫理担当の教師である

古野まほろ(作者)は「死体発見時の言動等」と銘打っているが、前半は被害者の特徴についてである。『ロジック・ロック・フェスティバル』において、メインとなる密室殺人事件被害者となるのは「灘瀬朝臣(なだせあそん)」である。灘瀬について記述してある部分を引用したい。

ねちねちとした口調、ねめつけるような視線、四十代半ばにして既に注意信号の頭髪、加えて誰が言い出したかセクハラ疑惑まで併せ持った社会科担当教諭、灘瀬――なんとか。失礼、フルネームは存じ上げない。専門も世界史だったか倫理だったか


ロジック・ロック・フェスティバル

灘瀬朝臣社会科担当教諭であり、専門が世界史なのか倫理なのかは本文中で特定されていない。高校世界史を教えるのに必要なのは高等学校教諭一種免許状地理歴史)」であり、倫理を教えるのに必要なのは高等学校教諭一種免許状公民)」だ。それぞれ別ではあるが、実際は両方を取得しどちらも教えるというケースが多い。

天帝のはしたなき果実』におい殺人事件は何度か起こるが、メインとなる首無し殺人事件被害者となったのは「瀬尾兵太(せおひょうた)」である。瀬尾兵太は世界史担当教諭である。本文中に世界史以外の社会科科目を教えているとの記述はない。

黄昏音楽室に入ってきたのは、我が県立勁草館高等学校世界史の教師を勤めるとともに、同校吹奏楽部顧問に任じる瀬尾兵太だ。


天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、23

「要素」で判断する限りは「社会科担当教諭(専門は世界史倫理か不明)」と「世界史担当教諭」を「同一性」と表現するのは厳密な意味おいては正確ではない。だが、少なくとも数学英語のように全く関係がない教科ではなく、非常に類似している「要素」であるといえる。

被害者の特徴は、理不尽質問悪態である

ロジック・ロック・フェスティバル』において、被害者(灘瀬朝臣)の特徴が「理不尽質問悪態であることは、さきほど引用した文のすぐ後に書かれている。特筆すべきなのは、実際に灘瀬朝臣が生徒に理不尽質問をしたり、答えられない生徒に悪態をつくような場面が一切登場しないことだ。設定として生徒に恨まれる理由があることを示す以上のものはない。

根も葉もない噂には同情を禁じ得ないけれど、彼を生理的に受け付けない生徒は多そうだ。授業も理不尽質問を当てるし、答えられない生徒には悪態もつく。


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、被害者(瀬尾兵太)の特徴が「理不尽質問悪態」と断言していいものかは迷う。『ロジック・ロック・フェスティバル』の灘瀬朝臣がただの記号として描かれているのに対し、瀬尾兵太ははるかに血の通ったキャラクターで、特徴として挙げるべき点が複数あるからだ。主人公たちの所属する吹奏楽部OBであるとか、東京帝大法学部出身であるとか、胸に大きな緑色宝石を付けているとか、語学の達人であるとか……。

そこで、まずは「理不尽質問悪態」に該当しそうな部分を探してみることにする。第一章から瀬尾兵太が生徒に質問するシーンを抜粋したのが以下だ。

p、って何だ」

「『弱く演奏する部分に付いた強弱記号』」

阿呆(ドゥラーク)かお前! 確かにfは『強く』でもいいが、pは『静かに』。(後略)


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、34頁)

「あと峰葉、お前は腕立て二セット追加だ――理由は?」

「歌口(マウスピース)を押さえすぎるから、です」

「唇に歌口(マッピ)の跡が付きすぎて興を削ぐな。何でそうなるんだ?」

右手の小指を深く引っかけて持っているからです」

「それは何でだ?」

ペット左手だけで支えられていないからです」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、36頁)

(前略)音がボケてる。どうしてだ?」

「舌遣い(タンギング)が柔かすぎたからでしょうか(はふう、想定の範囲内)」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、37頁)

瀬尾兵太が吹奏楽部の録音を聴いて指導する場面である。「理不尽」かどうかは判断が分かれるところだが、「質問」をすることによって生徒にどこがよくなかったのか自ら考えさせるのが瀬尾兵太のやり方のようだ。そして適切な答えを返せなかった生徒には、「阿呆かお前!」と悪態をついている。「悪態」については具体的にその言葉が出てくる箇所がある。

「まずは誰も口論当事者だって名乗りでてこないからです。瀬尾先生悪態というか音楽に関しての辛辣かつストレートな要求は今に始まったことじゃありません。誰だって何度もボコボコにされてます


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、582頁)

この発言をした登場人物は瀬尾の言動は「悪態」そのものではなく、「悪態」と表現してもいいような「音楽に関しての辛辣かつストレートな要求」と認識しているようだ。

被害者は、成年男性1人である

これまでに記述したとおりメインとなる殺人事件比較した場合、『ロジック・ロック・フェスティバル』も『天帝のはしたなき果実』も「被害者は、成年男性1人」で間違いない。しかし『ロジック・ロック・フェスティバル』は日常の謎を解く場面がいくつかあったのち、メインとなる密室殺人事件が描かれるのに対し、『天帝のはしたなき果実』は連続殺人事件を扱っている。その被害者男子生徒、女子生徒、教師(これが「成年男性1人」に当たる)である。つまり、メインとなる事件だけを比較対象にした場合同一性」に該当するが、比較対象を物語全体に敷衍した場合同一性」には該当しないことになる。

被害者は、クローズドな施設において殺されている

クローズドな施設」という表現が、含みを持たせている。ミステリーおいては「密室」と「クローズドサークル」というふたつの閉鎖状況がある。『ロジック・ロック・フェスティバル』において描かれるのは密室殺人事件だ。文化祭開催期間中に、密室となった社会科研究室死体発見される。

「……密室

 ぼそりと言ったりり子の言葉に僕は哀しいかな反応してしまう。

 僕らが入ってきたドアは確かに鍵が掛かっていた。もう一方のドアは元よりガムテープでがちがちに封鎖されて閉め切りになっており、出入り口としての役目を完全に放棄させられている。四つある窓全てにしっかり施錠されているのが確認できるし、廊下側の壁の上部・下部にそれぞれ設けられた換気用の小窓もご丁寧に施錠がなされていた。

 現場は完全なる密室だと認めざるを得ない。


ロジック・ロック・フェスティバル

高校敷地建物文化祭期間中で一般にも広く開放されているので「クローズドサークル」ではない。しかし、社会科研究室を含む四階は、唯一の階段ふたりバスケットボール部員によって監視されている。

はい、そうみたいでした。なのであたし、立ち聞きする気はなかったんですが、会話の内容が耳に入ってしまったんです。彼女たちはこう言ってましたよね、『私たちがいる間にここを通ったのは、会長副会長、あと実行補佐の四人で全部です』って」


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、メインとなる首無し殺人事件が起こるのは、アンサンブルコンテスト大会が行われている姫山市文化会館の第7楽屋である。この第7楽屋には死体発見時に鍵が掛けられていたが、オートロック式で関係者が鍵を持っていたこともあり「密室」とは呼べない。

ここの楽屋オートロック式で、カードキィを持っていなければ開かない代わりに、内側からは鍵もチェーンも掛けられない珍しい扉になっています(朝のミーティングとき瀬尾がいいましたね)。


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、648頁)

姫山市文化会館は一般に広く開放されている公共施設であるので「クローズドサークル」ではない。しかし、楽屋を含むエリア関係者以外立ち入り禁止となっている。

「非公開区域にはリボンないと入れへんし、第7楽屋のドアは専用のカードキィないと入れへんで、念のため。借りたら記録残るし」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、626頁)

鷹松学園も姫山市文化会館も一般に広く開放されている。しかし「クローズドな施設」という含みを持った表現をすれば、どちらの作品も外部との出入りが制限される場所死体発見されており、当てはまることになる。

発見者は生徒である

ここから死体発見時の状況になる。『ロジック・ロック・フェスティバル』において、被害者(灘瀬朝臣)の死体発見するのは、主人公中村あき)、山手線太郎、鋸りりこ、万亀千鶴生徒会長(衿井雪)、副会長(成宮鳴海)の6人である

 四階に辿り着くと、そこにはなんと会長までもが参席していた。

「鍵、持ってきてくれたか! 早く、嫌な予感がする」

 既に事態も把握しているようだ。

はい、これ、マスターキーです」

 走り寄って僕がポケットから鍵を取り出すと、会長が引っつかむようにしてさっさと鍵穴へ差し込んだ。

 かちり、と確かに鍵の外れる音。

 社会科研究室の扉が開くと、中から冷気が溢れ出した。エアコンがかけっ放しらしい。何か異様な雰囲気と共に、確かな臭気がその中に感じ取れた。

「うっ……なに、この臭い

 千鶴が鼻を押さえる。

「――灘瀬先生、いらっしゃいますか?」

 呼び掛けながら室内に足を踏み入れる会長。僕がその後に続いた。

 研究室入り口付近左手にすぐ壁、そして右手本棚といった配置である。そのため本棚が途切れたところで、ようやく部屋の全容が見渡せた。

 目に飛び込んでくるのは痛いほど鮮かで、残酷な色彩。

 一面の赤色

 血の海。

 赤の海。

 そこに沈む、ぐにゃりとした男の体。

 深紅に溺れる、こと切れた灘瀬がそこにいた。


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、被害者(瀬尾兵太)の死体発見するのは、主人公古野まほろ)、峰葉詩織の2人である

 うひゃあ! 前を歩いていた瓶緑色ボトルグリーン)のブレザー着た集団も飛び上がった。彼女はず、ずいと第7楽屋の前に立つ。「キィは?」

「こちらです」

 ピ、と脳天気電子音とともに若草色(リーフグリーン)のランプが灯る。彼女は目を伏せがちにいった。

「こんどは檸檬、買ってくるのよ。古野君の勝――」

 彼女の声が思いっきり完全休止(ゲネラルパウゼ)する。

 次いで教科書どおりの、深々とした、背筋の伸びた息継ぎ(ブレス)。

「僕の、か?」

 彼女の凍てついた顔を、僕は忘れない。陸奥みちのく)の安達ケ原の姫山に、鬼籠もれりというは真実まこと)か――

 そこには、嵌め殺しの机にもたれ、ドアに背を向ける形で、瀬尾だった物体があった。

 肩からうえには、首がなく。

 それは、避けられない宿業のようだった。


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、648~649頁)

上記に引用したとおり、『ロジック・ロック・フェスティバル』も『天帝のはしたなき果実』も「発見者が生徒である」ことは間違いない。付け加えるならどちらの作品も「死体発見者が主人公を含む集団である」と言っていいだろう。また主人公自身が鍵を開けるのではなく、別の人物に促されて主人公が鍵を渡す点も共通点と言える。

警察への通報を拒否する生徒が現れる/警察への通報を拒否する理由は、高校生として「重要イベント」のためである

ここからは、死体発見したもの警察通報しないという判断をするシーンである。上記ふたつについて引用部分が同じなので同時に検証する。『ロジック・ロック・フェスティバル』において、通報を拒否する生徒は生徒会長(衿井雪)である。その理由は自身が実行委員長として力を注いできた文化祭最後まで終わらせたいというものである

 その時だった。

 会長がすっとみんなを置き去りにするように入り口の方に向かった。そして直後、社会科研究室の扉がぴしゃりと閉じられる音が響いたのだ。

会長……?」

 不審に思い、僕も一度灘瀬の遺体から離れ、一同の輪の方へ戻ることにする。

 そこから入り口を見ると、なんと会長は信じられないことに扉を背にしてその場で膝を折り、こちらに向かって土下座をしていたのだ。

 それだけではない。とんでもない発議がその口からなされた。

「……頼む! 文化祭が終わるまで通報を待ってくれないか

 それは誰もが理解に時間を要するほどの突飛な提案だった。

「な、何を言って……」

 ようやくどうにかして言葉を発した副会長を遮って、会長は哀願するように続けた。

「分かっているんだ、これは普通の思考じゃない……異常だ、狂ってる……そんな風に思うかもしれない……それでも! それでも私は自らの全てを鷹松祭に注ぎ込んできた……実行委員長として私にはこの祭を完成させる義務がある。それだけは誰にも邪魔させない。じきに一般公開も終わる。そこから簡単な片付けがあって後夜祭、ファイアーストーム、そしてグランドフィナーレ――鷹松祭が終了を迎えるまで残り約三時間、あとたったそれだけなんだ!」会長は喘ぐように息を継いだ。「――今一度、三顧の礼を尽くして懇望する。鷹松祭の終了まで示し合わせて黙っていてはくれないだろうか」

 総員、言葉を失ってしまった。


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、最初通報を拒否する生徒は主人公古野まほろである。その理由はすでに演奏が終わったアンサンブルコンテスト大会の結果が聞きたいというものである

差し当たり重要なことは」一馬が厳かに口火を切った。「ひとつしかないわ。通報沈黙か。それが設問よ(ザットイズザクエスチョン)」

「僕は沈黙派だよ」と僕。

(中略)

「今通報すれば、会場は大混乱、大会どころじゃなくなる。あれだけの演奏ができたのは瀬尾のお陰だし、客観的にもその評価を得るのが供養だと思う」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、530頁)

どちらの作品も警察への通報を拒否する生徒が現れ、その理由は、高校生として「重要イベント」のためであるのに間違いない。

 
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