はてなキーワード: 京速とは
誤解されている方がいるのではないかと思ったのでちょっと書き足しておきます。
一般的にスパコンは、ネットを通して ssh でログインして使います。
ものすごい高性能なサーバ―と思って頂ければイメージが伝わると思います。
京が東大にあろうと、国立天文台にあろうと、どこにあろうとも利用者的にとっては何もかわりません。
うーんこの手のコメントをよく見るのですが、何を思ってそうおっしゃっているのか意図を掴めずにいます。僕には
そうしたらまず、大規模計算の人が使えなくなりますね・・。ノード数を分割するのは計算を速くする意味もありますが、
そもそもデータ量が多すぎて1ノードに載らない、という分野もあります。大きな計算をしている人から死ぬでしょう。
全部繋げて並列計算しようとしても、スパコンを使うような計算はノード間の転送がボトルネックなので、遠く離されちゃうとそれも無理です。
それから素人目線にもスパコンの管理にはそれが1カ所に固まっていた方がやりやすいように思います。
各地にSEさん派遣して管理者を雇うとその分人件費がかかりませんか?
べつに分割したからといって京の開発費が安くなるわけでもないですし・・。
もし仮に、京が突然なくなったら、現在京コンピュータを使っている人たちが他のスパコンを使い始めるでしょう。
そうしたら僕のような末端の使えるスパコンはなくなってしまうかもしれません。
宇宙の計算資源は宇宙のリーダーが、素粒子の計算資源は素粒子のリーダーが、一般企業は政府が
京速も当然その計画の中に含まれているので、突然なくなると困ったことになります。
そんなことをしたら混雑しすぎて何も出来なくなります。具体的に言うと
みたいなことになります。スパコンで一年間に使える計算量は決まっていて、
そこから逆算して使える人数、プロジェクトが決まっているわけです。
また課題を審査するのは京速だけではなく、多くのスパコンで一般的にやっていることです。
スパコンは国民の税金で運営されているので大切に使っているという事です。いいかげんな研究は出来ません。
(たぶんいいかげんな使い方をしたら同業者に殺されると思う)
精密計算科学/数値シミュレーションを行う研究者達にとっての基本インフラです。
突然なくなると大変な事態になる事はどうか把握しておいてください。
残念ながら京速を使っている企業は公開されていないようですが、
地球シミュレーターの利用企業からなんとなく推測できます。平成23年度まで常連だったトヨタ、住友などが京速稼働以降姿を消しています。スカラーマシンに適応した計算が京速に移行したカンジでしょうか。
基本的に有料で使用されており、得られた結果は企業秘密として扱われ公開されません。
(追記:
京速ではなく HPCI ですがこちらの産業利用をクリックすると論文リストが見れるようです。参考までに)
一般に、スパコンでは年1~2回の公募があり、そこに申請します。研究者向けに言うと「科研費のめっちゃ厳しい版」です。審査は書類(プロポーザル)とプレゼンです。ライバルが顔を合わせて殺し合うので厳しいし怖いです。
京の場合は特に競争が激しく、新学術を通すような大御所達がボコボコ落とされた事で一部で話題になりました。研究者同士で競争し合い勝ち残った一握りのエリートが京速を使っているのだということは理解しておいてください。政治家に叩かれるまでもなく、研究者同士で常に科学の文脈で議論し、叩き合っています。
ちなみにとある blogで「京速は何に使うか決まっていない」と叩かれたようですが、これは公募が出る前の話なので当たり前です。
京の目的は多数あるのですが、まずは
ということを押さえて以下を読んでください。
「日本で作ろう」というひとたちは「日本から出て行くお金」(貿易赤字)について気にしています。一方「輸入しろという人」は「政府から出て行くお金」(国の借金)を気にしています。前者は企業や経済産業省の人たちで、後者は財務省もしくは「国民目線」ですね。
かつて日本でスパコンを作り、シェアを斡旋して来た技術者達はまだ生きています。
彼らが引退する前に若手に技術継承をすることが京速の目的のひとつです。
(実は戦後、航空機の技術継承を巡って同様のプロジェクトがあったのですがこちらは失敗しています・・)
たしか外務省かなんかからの要請だったとおもいます(忘れた)。
「戦略資源」という意味がわからなかったので人に聞いたところによると
何があっても戦争に巻き込まれないため、いざというときには日本でスパコンを作れるようにしておきたい、といったかんじのことを説明されました。
日本各地に備蓄してある水とか石油とかと同じ扱いという事ですかね。
(追記:
要は日本の産業にダメージを与えるにはスパコン攻撃すれば良いという状況になっていて(関連企業はこんなかんじ)
「日本にはスパコン売ってやらねー」とやられることを恐れているようでした。誤解を生んですみません。
などで一部が公開されています。
それから各研究グループ毎に web ページをつくり広報しているのですが、
はっきりいうと、関わっている研究グループが多すぎてまとめ切る事は不可能だと思います。
今月も7個くらいあるんでどうぞ行ってみてください。
政府が全額出すのではなく、企業と半分ずつ費用を出し合うからです。
1から開発するのは大変なんでしょうね・・
ベクトル型に適した研究分野と、スカラーに適した研究分野があります。
前者は主に流体計算のようです。例えば気象、海洋、宇宙分野とか製品開発における空気抵抗の計算など。
後者はその他いろいろです。例えば素粒子の格子QCDやトヨタの物理シミュレーションなんかはおそらくこっちでもいいのでしょう。ここで
という状況があります。利用者を集めて京に関する議論があったのですが
といったカンジで大揉めしました。このあといろいろあったのですが最終的にスカラー派は京速で、ベクトル派は地球シミュレーターでと住み分けているようです。
当時のGPUは「良く間違える上に、間違えたかどうかチェック出来ない」精密科学計算にはちょっと使えない代物でした(当時の話です)。東工大のTSUBAMEがありましたが、あれは「GPUすごい」というより、「松岡さんスゴイ」なのではないかと思います。
最終的に民主は仕分けを撤回しましたし、今回のやつも「予算の削減努力を」という提言であってスパコン自体が仕分けられたわけではありません。そして企業側も削減したいとは思っているはずなのでたぶん誰も困らないはず。困るのはこの手のニュースで陰謀論を流され、国民の誤解を招く事です。(どうも政治が絡むと陰謀論が流れやすいようです)前回ひどい陰謀論を流されたのでちょっと警戒しています。自民も民主も両方かばったからね!喧嘩しないでね!
なんかまちがってたらごめんね
(追記)
があります。競争が激しかったのは無料コースの重点課題であり、有料コースはいつでも受け付けているはずです。
TSUBAMEは無料コースが以前までなかった、あってもハードルが高い 有料で使うには(僕の分野の計算の性質上)ちょっと気軽に申し込める値段じゃなかった、ということです。TSUBAMEの有料コースが特に高いというわけではありません。
誤解を生んですみません。
azure-frogs『世界一になる理由を説明できるようにしてください』という問いには最低限でこの程度の説明が必要なのに、例の仕分け当日に出てきた答えは『夢』だったわけでw
この記事は民主党批判の意図はありませんし、また、あのときスパコンを批判した人たちを決して馬鹿にしません。
あの仕分けを見ていたなら当然そうですよね。どうもすみません。
ところで上記の内容は、報道関係者向けに開かれた討論会の内容の一部です。仕分け直後に研究者達が企画したものです。
そこでの内容は結局、どこにも報道される事はありませんでした。そもそも報道関係者は2、3人しか来ませんでした・・
なので大変お手数なのですが、スパコンについて知って頂くには、各地で開催される一般公開や講演会に足を運んで頂くしかありません。
申し訳ありません。
うーん・・企業毎にスパコンを外国から購入するということですか? どうでしょうね・・・
スパコンを「購入する」といっても完成した製品がポンと来るわけではありません。
その場で組み立てて、バグ取りとかテストとか利用者も一緒になって手伝います。(一個ずつ基盤抜いてチェックとかも・・)バグ取りとチューニングでだいたい1年くらいかかります。スパコンの管理者も知識と技術を求められるのでどの企業にもできるというわけではないのかもしれません。一応、その辺りのスパコン利用リテラシーを企業の人たちに教えるというのも京速の目的の一つだったかと思います。
一方、素粒子や宇宙の研究者達は基盤Sなど取得して PACSシリーズやGRAPEシリーズを作ってきたので国策スパコンがなくなったら以前のように独自開発に戻るのだとおもいます。たぶん一番影響を受けるのは一般企業です。
komochishisyamoその辺は多分判ってる気がする。問題は1100億超、次はもっと掛かるという費用に対する説明の方なのでは?誰もスパコン要らないとは言ってないわけだし。
僕はあくまで利用者のひとりであってスパコン開発はド素人です。なのできちんとお答えできません・・すみません。
ところでスパコンの開発費はほぼ人件費です。新しいものを作るので開発期間の検討をつけるのはなかなか難しいのではないかと素人目にも思います。だいたい計画通りにいかなくてずるずる開発期間が延びた結果開発費が・・・というのはよくある話ですよね。
京速コンピュータは計画当初から確か10年ほどかけてつくられたので、110億を富士通の技術者の平均年収で割れば、関わった人数が概算できるかもしれませんね?
yum1271 人件費のみで、年収750万の専門技術者が1400人で10年開発=1050億円。末端まで含めて1400人は少ない気がする。あと人件費以外もかなり掛かるはず
HarnoncourtHarnoncourt費用は年収ではなく人月単価で計算すべき。1人月80万~マネージャで200万くらいです。この単価は、昔からあまり変わりません(汗)。スキル低い新人だと1人月60万くらいになりますが、そんな奴を連れてくるなと。
まさかの専門家さんですか! どうもありがとうございます。
gaudere 80年台に日本勢がシェアを「独占」していた、というのはちょっと無理があるのでは。もちろん、存在感はいまよりずっとあったけど。その頃の人がまだ残ってるのはその通り(定年間近だけど)。
どうもありがとうございます。ちょっとかき直しました。
日米スパコン貿易摩擦のイメージが強すぎて誤解していました。すみません。
他にも間違いがありましたらご指摘いただけたら嬉しいです。
bhikkhuなんか食料安全保障みたいな話になってる。結局は技術的に負けてる産業に国が補助金出すって話と理解していいんですかね。
京コンピュータは完成時に実行効率90%越えの化け物みたいな数字(本当にスカラー?!)をだしてTOP500 1位とって、多数の賞を獲得してたので国産スパコンプロジェクトとしては大成功だったように僕には見えました。あれだけあれば宣伝になるし売れたのでは?関係者じゃないのでわかりませんが。
filinionfilinionムーアの法則の21世紀にあってさえ、計算機資源ってそんなに足りてないものなのか…。実用品であるなら、コスト対効果のベストなあたりを何台も作る、というわけにはいかないんだろうか。一位でなきゃだめなの?
すみません、誤解を生んだようです。スパコンは京以外にもたくさんあります。
僕自身は京コンピュータと全く関わりのない人間ですが、他のスパコンのアカウントはありますし、計算時間も頂いています。
もし、京を潰したら現在京をつかっている人たちが他のスパコンを使い始めるでしょう。そうしたら僕のような末端の使えるスパコンは無くなってしまうかもしれません。京も含めて分野全体の計算資源の計画がなされているので突然無くなると困るという事です。
主に京が叩かれているのは「なんで日本でスパコン作るの?海外の買えば安いのに」というものなので
その辺りに焦点を絞って説明したつもりなのですが難しいですね・・・
http://anond.hatelabo.jp/20151113183705
その記事をみると河野さんが真面目にやっていることが伝わってきますね。悪い人ではないのでしょう。
でも難しいですね・・・僕自身も仕分けで上手く説明できる気がしません。
「根拠のない数字」とはおそらく経済効果のことですよね。一番経済効果があるのは一般企業の製品開発なのですが、
基本的にスパコンの計算結果は企業秘密になっているはずです(京の企業利用はよくわからないのですが、地球シミュレーターに習うとそのはずです)。公開されているのは無料利用した基礎研究で、こちらの経済効果はどうしても妄想になってしまう・・・
車よりも電車を例にとった方がいいかもしれません。
大勢の人が関わりすぎて把握できないのが難しさの原因の一つだからです。
中韓と高速鉄道ダンピング競争の果てにJRが赤字になり、鉄道撤退を表明しました。
日本政府が「半分出すから続けてくれ」とJRに頼む。すると「何で税金出すの?どのくらい経済に影響があるの?」と問われる。でも JR も国土交通省も答えられない。各企業に表明してもらうしかない。
うーん急に探せないな。とりあえず。
例えばこれなんか良く書けていると思う。
ブラックホールと中性子星の境目を理論的に導出することに成功 - 理研など | マイナビニュース
発表した本人達がびっくりしていたよ。
クォークから中性子星の構造解明へ道筋 -中性子星の最大質量とクォーク質量の関係が明らかに- | 筑波大学 計算科学研究センター
あとは、記者向けでも一般向けでもない普通の研究会の内容が記事になっていたことがあって本気でびっくりしたことがある。
京速に関する記事なんだけど探し出せないなぁ。
研究費を壁紙に流用したのではないかと勘ぐられる方もいらっしゃるようなので知っている事だけ解説します。
僕は部外者なので、もっと詳しい人が書いた方がいいと思うのですがとりあえず。
理研(和光)では新しく研究室を作るとき、配線、配管から購入する机まですべてボスが設計します。
実験にあわせて研究室を1からデザインできるので実験系の人に大変好評のようです。
(小保方さんは神戸の方なので断言はできませんがおそらく同じではないかと思います)
ちなみに理研にはこれ以外にも、「科学者の楽園」にでてきたものが形を変えながらも残っているようでちょっと感動します。
話がそれましたが、上記理由のせいで研究室の姿はかなり個性豊かです。
僕の知っている中で変わっていると思った研究室を紹介してみます。(部外者なのであまり多くを知りませんが)
1. 理研(和光)本館1階、入ってすぐ階段前の研究室(名前失念しました。すみません・・)
そしてすごくおしゃれ。「働いてみたい世界のオフィス」に載っていそうなかんじにおしゃれ。
見る機会があったらぜひ。
2. 橋本研(弦理論の橋本幸士さんです。今は阪大に移られているようですが)
壁一面黒板。壁の色どころか壁がない。
個人的に一番ワクテカします。こういうところで研究してみたいですね。
ttp://d.hatena.ne.jp/D-brane/20100821
ちなみに橋本さんはパワーに満ちあふれていて、blog を読んでいると分野を超えて勇気ややる気をもらえます。
研究者の人は読んでみるといいかも。
長くなりましたが、みなさん 一般公開にでもいってみませんか?
特に理研(和光)はかなり力を入れていて、「研究者が全力で作った文化祭」が楽しめますよ。
理研(和光)の次の一般公開は 2014/4/19 のようです。
http://www.riken.jp/pr/events/
食堂は長蛇の列なので注意。時間ずらすとかお弁当持って行った方がいいかな?
東京周辺の方はどうぞ。
神戸(小保方さんのいらっしゃる方)の一般公開は、ちょっとわからないのですが10月くらいでしょうか。
http://www.cdb.riken.jp/openhouse/13/
神戸市周辺のかたはどうぞ。
NECのベクトルコンピューティングの粋を集めた地球シミュレーターがすげえが流石に近年型落ち気味
→日本のスパコン三社(NEC・日立・富士通)の総力を結集してスカラー型とベクトル型の長所を併せ持つまったく新しいスパコン作ろうぜ!
→新しすぎて開発難航
→富士通単独なのでベクトル型云々の話はなかったことに。普通に富士通のスカラー型スパコンのごついのを開発することになる
→あれ? スカラー型ならいまどきSPARCでもなくね? PCアーティテクチャなものの巨大クラスタの方が安上がりかつ演算速度早くならね?<いまここ
って話だと理解してるんだが。
仕分け人の「スパコン無用!」に聞こえる発言は乱暴だし、いや実際研究活動に最新鋭スパコンは要るのは要るし早ければ早いほど良いのは確かなのだが、現状には問題ありすぎなのは確かなので、
「今の富士通との一社随意契約はご破算! 目標スカラー演算能力だけ示してIBMそのほか海外勢にも参加してもらって提案協議からやり直します(たぶん海外が勝つから」
って方向の『抜本的見直し』じゃいかんのかなあ、と。
まあLinpack走らせれば比べられるといえばいえるんだけどねえ。
なんかあのニュースに対する反応をいろいろなところで見て地球シミュレーターの凄さと京速計算機のしょぼさをわかってない人が結構いるなあと。
ESの凄いところは、NECにほぼ製品に近いものをつくってもらって買ってきて、気象予測に必要なだけ建物を埋め尽くして、気象予測のために改良がんばったら「原理的に不得意なはずの」ベンチマークソフトを走らせたときの性能ですらトップクラスに長いことい続けたということ。
製品に近いものを使ってるから、後継機が出てきて置き換えて電気代削減なんてできた。
京速はすごい一発狙いで「ぼくたちのかんがえるさいきょうこんぴゅーたをつくりたい」が先にたっちゃってる。すくなくとも今までのプレゼンはそうなってる。そういう場合、作るほうは何を基準に改良してよいかわからない。ベクトルとスカラー混在がだめになった時点ですでに死んでいるものを延命してどうする。
とりのこされた富士通が、開発費ジャブジャブ入れられて作ったとしてその個々の「何にも特化していない」ノードは外販できるのかよっていうね。
目的があっての演算能力と、そうでない演算能力はぜんぜん違うよね。前者が本来の目的のために出せる力と後者が想定していなかった特定の目的に使われたときの力では、ベンチマークソフトとはまったく異なる結果が出るものだよね。