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はてなキーワード: 実況見分とは

2019-06-17

飯塚アタックも忘れつつあるな

タンカーとか拳銃強奪とかのおかげで世間は忘れつつある

飯塚元院長は、4月19日事故を起こした直後に入院5月18日退院したのちは、警視庁任意事情を聞いている。当初、「退院後に逮捕される」との見立てもあったが、6月13日実況見分時点でも逮捕はされていない。

2019-06-13

池袋暴走事故 飯塚元院長が現場に立ち会い実況見分

これって本当に事故なの?

底辺がやむに已まれ理由で二人ころしたらその場で切腹しないといけない岩崎なのに上級は2人殺し無罪ですか

2018-12-20

日本中世ならアメリカは?

日本中世というけれども、先進国司法とやらはどんな感じなの?と調べてみたらめちゃめちゃ面白かった。

世界では逮捕から48時間以内に裁判官の前に連れて行くのが原則23日間も拘留するのは人道に反するということなんだけれども、

48時間で十分な捜査ができるの?というのがちょっと疑問だった。答えは簡単アメリカ警察捜査めっちゃいかげん。rough justice というらしい。

犯人供述重要視されない。犯行動機や経緯もいらない。被告人質問という概念もない。状況証拠だけで立件する。例えば、警察を見て逃げ出した怪しい奴を逮捕した。そいつ犯行否認している。みたいな時は警察官が証言台に立つらしい。犯人証言がどうでもいいので自白必要もない。

ここからすごいと思ったところを抜粋するよ

また,日本の実務でよく見かける,図面写真を駆使し,現場の状況を詳細に再現した実況見分調書も作成されていない。 せいぜい,捜査従事した警察官が,捜査報告書の中で,「現場に到着してみると,玄関前の路上に血痕が残っており,照明の状況は,街灯及び玄関ポー チ・ライトがあるのみで,20フィート離れた人間識別できる程度の明るさであった。」などと簡略に記載しているだけである。詳細な実況見分調書がなくて,交通事件における過失の認定など一体どうするのだろうと思ってしまうが, 公判を見ると答えは簡単である法廷内のホワイトボード事故現場簡単見取り図を書き,それを参照しつつ議論するが,例えば直近過失がどれだとか, 複雑な過失理論などなしに,事案全体の筋から半ば感覚的に過失を認定してしまうのである陪審という12人の一般市民事実認定にあたることを想起されたい。法律家でない人たちに過失理論に基づいた認定しろと言っても無理な話なのである

これすごくない?陪審制度怖い。

アメリカ警察捜査しない。そのかわり弁護士めっちゃ頑張って調査している様子。

証拠開示Discovery)といって、弁護士証言証拠を集めたり質問事項に対する回答を求めたりするらしい。逆転裁判か。この証拠開示には相手弁護士も逆らうことはできないのだけれども、不利な証拠相手に渡したくないので無関係資料も一緒に大量に送りつけて撹乱したりするとか。シンゴジラか。

そのぶんアメリカ弁護士費用めっちゃ金かかるらしい。知名度によっても変わるから一概にはいえないけれども1時間話聞いてもらうだけで100万円かかったりするよ、とか書いてあってビビる調査費用も実費の3倍請求されたりするらしい。こわい。

アメリカ裁判弁護士次第」みたいな言葉の真の意味がわかってきて震える。お金ないと詰むな。。。

それから被疑者弁護士は「警察手続きに不備がなかったか」を必ずついてくるので、アメリカ警察にとっては証拠集めよりも「手続き上のミスをしないこと」のほうが重要らしい。だからお役所仕事になるのか。

卵が先か鶏が先かわからないけれども、アメリカ警察結構いい加減なので弁護士を雇う権利重要だし、48時間以内に裁判所に連れて行く必要があるということかな。日本型とアメリカ型どちらがよいか人によって判断が分かれそうだけれども個人的にはちょっとアメリカ型は怖いなあ。日本型で自白強要がなければなあ。

素人もの勘違いとか間違いがあったらごめんね。よかったら自分の目で読んでみてね

https://www.surugadai.ac.jp/sogo/media/bulletin/Hougaku24-1_2/Hougaku.24-1_2.334.pdf

https://www.kuboi-law.gr.jp/sys/columns/detail/24

https://www.toben.or.jp/message/libra/pdf/2011_04/p02-17.pdf

2018-03-31

anond:20180331034737

追記。コメントくれた人ありがとう勇気づけられて、怖かったけど最寄りの交番行ってきました。地域管轄生活課の刑事さんがきて実況見分したよ。丁寧に話を聞いてくれて、少し安心した。言ってみてよかった。コメントくれた人のおかげ。本当にありがとう

2018-03-30

警官の現認がないと交通違反切符は切らないという警察内規

自動車が近づいているのは気づいていたが、歩行者優先なので横断歩道を手をあげて渡っていた。半分くらいきたところで車は止まるかと思ったが、スピードをあげハンドルを切って僕をぎりぎりよけてそのまま走っていってしまった。

歩行者道路中央付近までさしかかっていたのに、スピードをあげて走り去ったわけ。横断歩道でぶつかる寸前までいったのが危険行為だし、これは悪質な交通違反だと思ったので、「止まれー」と叫んだが、行ってしまった。悪質なものを感じたので走っておいかけ、その先の赤信号で止まっていた車に追いつき、警察を呼んだ。

警官が到着するまで運転手と会話をし、一部、スマホで録画した。

僕「あぶないですよね。なんで止まらかなったんですか?」

運転手たばこを吸っていて運転してたので、気づかなかったんだよ。わるい、わるい。」

僕「気づかなかったのに、なんで、スピードをあげてハンドルを切ってるんですか?直前で気付いたんでしょう?」

運転手あんた、横断歩道でいったん、とまったでしょう。とまったから、大丈夫だと思ったんだよ。」

僕「僕は歩くスピードは緩めましたが、とまってませんよ。交通ルールでは歩行者は止まっていても、車は一時停止することになっているんですよ?」

運転手「あの、忙しいんで、早く行かしてくんない?」

僕「いま、警察を呼んだのでまっていてください」

運転手「(無言)」

(僕は車の前に立って話していたが、運転手、無言でゆっくりと車を前へ動かす。ぶつかりそうになって後ずさりする。)

僕「ちょっと、危ないですよ!いま、警察くるので待っててください。」

運転手警察呼んだの?オレ、ゴールド免許なんだけど。」

運転手さらに車を前へ動かす。ぶつかりそうになってまた後ずさりする。)

そうこうするうちに、警察官3名がやってきた。

警察官、運転手と話をする。

警察官「あの、運転手さん、あやまるといっているので、聞いてやってください」

僕「チケットはどうなるんですか?あやまってもらわなくていいので、チケット切ってください。」

警察官「これ、警官が現認してないと、切符切らないことになってるんですよ。」

僕「ご本人が認めていても、切れないんですか?」

警察官「そうです」

僕「録画してあって会話の録音もあるんですが?」

警察官「警官が現認してないとダメなんです」

僕「僕が前に立っているのに、車を前に進めようとしたんですが、それは?何かの違反でしょう?」

警察官「車の前に立つの危険行為ですね。あなたのが危険行為。それに、それも警官が現認してないとダメです」

僕「じゃあ、もういいです。わかりました、帰ります。」

警察官「待って下さい、ムービーを消してください。」

僕「なぜですか?法的根拠は?」

警察官「ムービーを消してください」

僕「いやです、帰ります。」

警察官「ムービーを消してください」

(この問答を長々と何回か繰り返す。ガタイのいい警官3人で道にならび、僕を通せんぼ)

僕「では、その法的根拠説明してください。録音させてもらいますので。」

警察官「(無言)」

(「録音する」の言葉警察官がひるんだすきに(なぜか犯罪者のように)走って逃げ帰る。)

その後、愛知県警の窓口にこの件を連絡し、以下の点について聞いてみた。

1. 警官が現認してないと違反切符が切れないということに法的根拠はあるのか。

2. 私人逮捕というのがあり、警官が現認していなくても現行犯で捕まえることができるはず。それに該当するのでは?

3. ムービーを消せという指示に法的根拠はあるのか。

そうしたところ、現場上司より電話があった。

1については、法的根拠はないが、警官が現認しないと違反切符は切れないとのこと。「ではそれは警察内での内規か何かなのですか?」と聞くと、それは答えられないという返事。

僕「規則でないということであれば、通報者の報告内容を運転手が認めた、あるいはそのムービーがある、ということであれば、違反切符はきれるのではないんですかか」

警察官の上司「それだけではだめで実況検分で確認できないと切れません」

僕「では、通報者と運転手の主張が実況検分で一致したら切れるんでしょうか?」

警察官の上司「切れるとは言い切れません」

僕「では切れないんですか?」

警察官の上司「切れないとも言い切れません」

僕「ということは切れる可能性はあるということですね?」

警察官の上司「それは現場警察官では判断できません」

僕「では、現場警察官で判断できないということであれば、ムービーを取得したり、実況見分を行うなど、事実関係だけは記録しておくべきではないですか。そして裁判所などしかるべきところに判断に委ねるというのが正しいのではないですか?」

警察官の上司「まあ、確かにそれもそうなんですが...」

僕「なぜ、そのようなことを行わなかったんですか?」

警察官の上司「まあ、そうですねぇ ...。でも警官が現認しないと違反切符は切れないんで。」

僕「愛知県警だけでなく他の都道府県でもそうなんですか?」

警察官の上司「そうだと思います。」

僕「ということは、そういう内規のようなものがあるということですね?」

警察官の上司「そうおもわれるのは自由ですが、有無については私からは言えません。」

2については、 「私人逮捕というのはできないことはないですが、犯人が逃げたなど逮捕必要性がないといけないので、該当しないでしょう」とのこと。「でも、逃げてましたよ」というと、「気づかなかったんではないですか」とのこと。「また、事案の大小とというのもありますので」というので、「私人逮捕に事案の大小が関係するという法的根拠は?」と聞くと、「それはたぶんないと思いますが...」と。

3についても法的根拠はなく、単にお願いをしただけ、とのこと。「そのわりには高圧的な命令口調だったんですが」というと、「そう思われるのは自由ですがお願いしただけなはず」と。

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まとめると、どうもこの種の「軽微な」交通違反は、警官の現認がないと切符を切らないという内規が(少なくとも愛知県警には)あるらしい。いまや、監視カメラなどはいたるところにあるし、当事者ムービーなどの各種記録を極めて容易にとることができる時代。「警官の現認がないと切符を切らない」などという内規があるとすれば、変えるべき。

ところで、愛知県横断歩道で車、全然まらない。歩行者交通事故死の約20%は横断歩道歩行中に起きている(年間300人程度横断歩道歩行中に事故死している;https://www.itarda.or.jp/ws/pdf/h22/13_01hokousyaziko.pdf )。愛知県交通事故死者数ずっとNo.1。なんとかしてほしい。

関係法令に詳しい人、この件について、情報感想をいただけないだろうか。

2017-04-06

殺人列車

世間ではお花見列車で浮かれ気分だというのに、

わたしが乗る電車殺人列車である

というのも、私が乗る電車しょっちゅう人身事故を起こすのだ。

そのたびに、電車がとまり大勢の人に迷惑がかかる。

警察との実況見分確認作業もそれなりに時間がかかる。

人身事故のことを「グモ」隠語で言うが、

しかに人を巻き込むときに、グモっという鈍い音がするのを

いたこともある。

同僚からは「死神」というあだ名をつけられた。

上司からは「もう運転辞めたら?」と事故のたびに言われる。

それでもわたしは出発進行するしかないのだ。

2016-12-02

父親死ね

父が事故を起こした。まさに免許返納について大喧嘩をした翌日のことだった。

父は頑なに返納を拒んだ。まだ自分運転うまいつもりでいるのだ。

それというのも父が昔運送屋で働いていたということも関係している。

いわゆる長距離ドライバーというやつだ。その頃に一度も事故を起こさなかったというのが妙なプライドになっている。

はいえそれはもう30年も前の話だ。

交通ルールも変わっているし、昔とは取締の厳しさも違う。

荒い運転がまかり通っていた歩行者自己責任で身を守る時代はとっくに終わったのだ。

きっかけは先日父の運転に同乗したことだった。

記憶違いによって道を間違えたり、間違えた後に頭に血が登ってか運転が急に荒くなったりととにかく助手席にいて恐怖しか感じなかったのだ。

その日もわたし運転すると申し出たにも関わらず、「人を年寄り扱いするな。」「お前の運転より百倍安全だ。」などと偉そうに言っていた。

確かに運転に対する恐怖がないわけではないが、少なくとも事故を起こしたとしても人の命を奪うような運転はしていないつもりだ。

それとも自分さえ無事ならば人が死んでもいいと考えているのだろうか。

それくらいに横暴に感じられる運転だった。

から意を決して免許の返納を申し出たのに、年寄り扱いされたのが気に障ったのか父はいまだかつてないほどの激昂を見せた。

わたしはただ、自分父親殺人犯にはなってもらいたくないという気持ちだけだったのに。

これまで健全に生きてきたのだから、残り少ない余生を犯罪者としてでなんて過ごしてほしくないだけなのだ

しかし、そんな願いも虚しく、父はとうとう事故を起こした。

間内ゴルフに行くというから渋々貸したわたしの車でだ。

幸いながらもらい事故だった。

高速道路走行中に後ろから追突されたらしい。

それを聞いてわたしは頭に血が登った。

どうやって運転すれば走行中に追突されるというのか。

渋滞で止まっていたわけでもない。車は流れていたそうだ。

しかもあろうことか、実況見分拒否してゴルフに言ったと言うではないか

怒りも通り越してもはや目眩すら覚える気分だ。

翌日警察に呼び出されて、事故車に乗って父と警察にまで出向くことになった。

車中で聞いた話に再びわたし愕然とした。

聞けば、追突してきた側の車ははじめから運転おかしいと思っていたそうだ。

蛇行運転や急な加減速を繰り返していて、やり過ごして前に出てからしばらくして追突されたらしい。

それこそ昔の父であれば、それほど容易な危険予測ができていればとっくにそんな車は引き離して運転していたはずだ。

それなのに事故をもらったというなら、それが老いではなくて何を老いと言えばいいのか。

加害者逃走中のためか、父はしきりに車の保険のことばかりを気にしている。

この期に及んで自分では修理代をびた一文払いたくないというのが顔に書いてあるかのようだ。

犯罪者にしたくないなどとつまら心配をして、挙句に優しさを見せて車を貸したわたし馬鹿だった。

今回の事故加害者側でなくて本当によかった。

これでわかった。

やはり高齢者事故はそれを止めないでいた身内も共犯関係にあるということを。

からさっさと高齢者ドライバー死ね

でも生きている限りは、身内がそれを止めることが求められている義務だ。

2016-03-06

スラップスティックOーtintinビロロロロ

信じられます刑事さん。

助手席の窓からのぞいてたんですよ。

アレです、男性器ですよ。

刑事さんはなんて呼んでますか?

「お」はつける派ですか、つけない派?

そんなことどうでもいいだろうって?分かりましたペニスですね。

運転手別に居たのかって?

それが信じられますか、ブリッジですよブリッジ

こう、腹を上にしてね、胸と腰を突き出して。

あれ、なんで目を逸らすんですか刑事さん。実況見分でしょう、ちゃんと見て下さいよ。

奴はね、片手でハンドルを握りながら、腰を突き出し助手席の窓からブラブラさせてたんですよ。

春風にのって私の目前を通り過ぎて行ったんですよ、春風ちゃんは普通女の子になったのに。

信じられませんよどんだけ胴が長いんですがダックスフンドもかくやですよ。

車の車種?ナンバー?えーっとね、トヨタですよトヨタ。ここ愛知ですからね。ナンバー?そこまで見ている余裕はなかったですね。

ホントにそんなヤツ居たのかって?ひどいなぁ、疑ってらっしゃるんですか刑事さん。

セクハラですよね、そういう言い方。

セクハラを受けているのはこちらの方だ、ですって?

これだから婦警さんは意識高いって言われるんですよ。

誰が被害に遭おうが、往来で性器を出すのは罪に当たるんじゃありませんか?

私が男だからって、そういう言い方はひどいなぁ。

いい加減、訴えますよ。犯人は私ですって。

2015-08-06

真剣に悩まれているのだと思うので、僕の経験を書く。

僕も犯罪に巻き込まれ経験者だ。

海外とある街で、深夜にバックをいくつも抱えた旅行中の女の子から道を尋ねられた。

治安の良い場所ではなかったから、駅まで送ってあげることにした。

そして、その途中でギャングに襲われた。

彼女は腹部を刺されてしまった。

僕は遠くに見える警察署まで彼女を抱えて走った。

救急車が来るまでの間、警察官からもらったタオルでおびただしく出てくる血を抑えながら、

僕はひたすら彼女に謝りつづけた。

彼女救急車で運ばれた後、警察とその場所実況見分が行われた。

テレビ局が来て、僕を間近で投光器で照らしながらカメラを向けた。

僕は血まみれの服のまま殴りかかり、警察に止められた。

鑑識の検査があるから今日そのままでいるように言われ、

僕は安アパートで一晩中血まみれのまま過ごした。

朝まで寝ることは出来なかったが、記憶はない。

僕が体の異変に気付いたのは、それから数か月後の帰国後だった。

深夜に歩いていると心臓がドキドキして、空中から脂汗が出てくる。

後を歩く塾帰りの小学生が、自分を刺してくる妄想に襲われ、

その場で民家の塀に背中を押しつけたまま、身構えながらその小学生が通り過ぎるのを待った。

歩いている途中で自分気持ちがまるで遊園地バイキングのようにグラングランと大きく揺れ、

その場にしゃがみこんでしまうこともあった。

もっと大変なのは夜だった。

布団に入って明かりを消すと、後悔と罪の意識が黒い塊となって自分を襲ってくる。

あの時の光景が延々と脳裏に繰り返され、布団の中で何度も叫んだ。

毎日酔いつぶれるまで酒を飲み、明かりを煌々と付けて、ラジオボリュームを大きくして、

夜がしらじらと明ける頃に、やっと浅い眠りにつくことが出来た。

当時はPTSDという言葉はまだなく、僕はそれを『心の後遺症』と呼んでいた。

もっともひどい状態で約5年。

ある程度の生活が送れるまで10年近くかかった。

今、20年以上たっているが、今でも似たような状況の場所時間は避けて歩く。

何をもって直っていったのかは分からない。

巨大な、でも一粒づつしか落ちない砂時計のように、変化していったとしか言えない。

心療内科にも行っていないから、行った方が良い、行かない方が良い、その両方の助言をすることもできない。

でも、一つだけ。20年以上たって、今でも自分を許すことも出来ないけれど、

そうした事件があったということだけは認めることが出来た。

そして人よりも少しだけ、誰かが傷つくことに繊細になることが出来た。

震災から4年経ち、物理的な復興が進んで世間から忘れられ始めている今でも、

あの震災で僕と同じように、心に傷を負い、人目に付かない場所で苦しんでいる人がいることを想像することが出来た。

今でも定期的にボランティアに行っている。

あなたがどのようにその苦しみから抜けることが出来るのか、

僕には助言することが出来ない。

でも、あなた経験あなたを以前よりも優しくして、

失恋した人や仕事些細な失敗をして落ち込んでいる人にも優しさを向けられる、

そんな心の傷に繊細な人にしてくれる。

そしてそんなあなたの優しさがあなたに帰ってくる時がきっとくる。

から、誰も恨まないで、その経験を呪わないで、

少しでも早く良くなってください。

大丈夫。きっと良くなる。

2015-04-07

         主    文

     原判決を破棄する。

     被告人罰金一五、〇〇〇円に処する。

     右罰金を完納することができないときは、金一、五〇〇円を一日に換算

した期間被告人労役場留置する。

     原審および当審における訴訟費用は、全部被告人負担とする。

         理    由

 本件控訴の趣意は、東京高等検察庁検察官検事鈴木信男が差し出した東京地方

察庁検察官検事伊藤栄樹作成名義の控訴趣意書に記載してあるとおりであるから

これを引用し、これに対して当裁判所は、次のように判断する。

 控訴趣意第一点(訴訟手続法令違反ないし事実誤認の主張)について

 所論は、原判決が、被告人に対する本件酒酔い運転の公訴事実につき、警察官

よつて採取された被告人の本件尿は、被告人に対し偽計を用いこれを錯誤に陥し入

れて採取したと同様のものであり、かつ尿中のアルコール度を検査する真意を告知

すれば被告人がこれに応じないことが推認される場合であるのに、令状なくして採

取したことは、憲法五条刑訴法二二二条(原判決は二一三条と記載している

が、これは明らかな誤記と認められる。)、二二五条または二一八条等の定める令

状主義の原則を潜脱し、憲法一条刑訴法一条要求する適正手続にも違反する

ものであるから、右尿は事実認定証拠としては使用できないものであり、右尿中

に含有するアルコールの程度の鑑定結果を記載した鑑定書も、右尿と同じく事実

定の証拠とはなしえないもの判断し、結局被告人が酒に酔いまたは酒気を帯び

て、身体に呼気一リットルにつき〇・二五ミリグラム以上のアルコールを保有する

状態にあった事実が認められないとして、無罪の言渡しをしたのは、憲法刑訴法

解釈を誤って採証演則に関する訴訟手続法令違反おかし、ひいては事実を誤

認したものであつて、これが判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、破棄を

免れないと主張する。

 そこでまず、本件において問題となる尿の採取及び鑑定の各過程について検討

るに、原審証人A、同B、同C、同Dの各供述、当審証人E、同Bの各供述、D作

成の鑑定書二通、司法警察員作成の鑑定嘱託謄本、当審において取調べた被疑者

留置規則実施要綱(昭和四二年五月二五日通達甲三号)謄本警視庁刑事部刑事

課長作成の「玉川警察署被疑者留置運営内規の報告受理について」と題する書

面、警視庁玉川警察署作成の「玉川警察署被疑者留置運営内規の送付について」

と題する書面、「玉川警察署被疑者留置運営内規の制定について」と題する書面

(右内規を含む)謄本総合すれば、次の事実が認められる。即ち、被告人は、昭

和四七年九月一九日午前〇時四四分ごろ、東京都世田谷区ab丁目c番d号付近

路上において、酒酔い運転の現行犯人として警察官逮捕されたものであるとこ

ろ、酒酔いの事実否認し、呼気検査に応ぜず、玉川警察署連行されてからも右

検査拒否していたが、同日午前二時五分ごろ同署留置場に入監させられたこと、

当時玉川警察署留置場における夜間の留置人の処遇は、被疑者留置規則昭和三二

国家公安委員会規則四号)、前記被疑者留置規則実施要綱および玉川警察署被疑

留置運営内規に則って行われていたが、留置人の夜間の用便に際しての処置につ

いて、右要綱第三、看守の項の「13看守者の遵守事項」中の(15)には、「夜

間、留置人が不時に疾病、用便等を訴えたとき留置人の出房は、必ず幹部の指揮

を受け、他の看守者立会いのうえ措置しなければならない。」と規定されており、

また右内規二一条には、「看守者は夜間宿体制に入つてから留置人の起床、就

寝、用便、急病等に際し、必ず宿直幹部の立会いを求めてこれらを行う」べき旨定

められていたこと、なお同署留置場の房内には便所が設けられていなかったこと、

当夜同署留置場において看守勤務についていたB巡査は、被告人の入房に先立ち身

検査をした際、入房後不時に被告人から用便の申出があると宿直幹部の立会が必

要となるので、入房前に用便をさせておくのがよいと考え、被告人に対し「トイレ

に行くか」と尋ねたものの、被告人が「行きたくない」と答えたので、午前二時二

〇分ごろ同人を入房させたところ、ほどなく被告人から用便の申立があったので、

前記諸規定に則り宿直幹部の立会を求めるため、留置場備付けのインターホンで宿

事務室に連絡をしたが、応答がなくその立会が得られなかつたため、被告人に房

内で用便をさせようと考え、以前留置人が病気ときに使用したおまる様の便器が

たまたま留置場横の物入れに保管されていたので、その便器を出して被告人に渡

し、立会幹部が来られないからこの便器の中に尿をしてくれと告げたところ、被告

人は午前二時三〇分ころ房内において右便器内に排尿し、排尿した右便器をBに引

き渡したこと、当夜内勤宿直主任(宿直幹部)として勤務していた警察官Eは、前

記のように玉川署に連行されて来た被告人の取調べに当り、これを終えて午前二時

二〇分ごろ事務室に戻つた際、警視庁から神田警察署管内の派出所爆弾が投入さ

れたので庁舎等を警戒するようにとの緊急電話指令が入つていたことを知り、これ

に基づき警察署庁舎および付属施設周辺の警備を実施すべく、直ちに宿直警察官

指揮して庁舎周辺等を巡視点検させ、自らもその巡視に出て午前二時四〇分ころ事

務室に戻ったなどの事情があつたため、同人をはじめ他の宿直幹部はいずれもBの

前記インターホンによる連絡を知らず、被告人の用便の立会に行けなかつた状況に

あったこと、前記B巡査は、被告人を入監させる際、交通係のF巡査より、被告人

が酒酔い運転の容疑で逮捕され入監する者でアルコール度の検知が未了であること

を告げられ、被告人から用便の訴えがあつたときは小便をとつておいてくれとの依

頼を受けていたので、被告人の排泄する尿がアルコール度を検定する資料に用いら

れることはその予想するところであつたが、前記のように被告人が用便を訴えた際

には、右のことには触れず、前記のとおりのことのみを申し向けて便器を差し入れ

たこと、そして同巡査は、F巡査より前記の依頼を受けていたため、被告人から

け取つた右便器内の尿を便所に流すことをせず、便器はふたをして看守室に置き保

存したこと、そして同日午前五時ころ宿直事務室に尿をとつてあるから取りに来る

ようにと連絡したところ、同署交通係のC巡査が牛乳の空瓶を持つて留置場に来

て、便器内にあつた尿の全量を右牛乳瓶に移し入れ、その口をビニ―ル製の袋で塞

ぎ輪ゴムでとめて持帰り、同日午前九時三〇分ころ前記F巡査とともに右牛乳瓶入

り尿及び鑑定嘱託書を携行して玉川警察署を出発し、警視庁科学検査所に行つて係

官にこれを渡し鑑定を依頼したこと、同検査所第二化学主事作成昭和四七年

九月二八日付鑑定書は右牛乳瓶入り尿(容量約五〇ミリリツトル)を資料としてし

た鑑定結果を記載したものであること、その他被告人は、現行犯逮捕された現場

警察官がうがい用に差し出した水筒の水を飲み干したほか、玉川警察署に到着後調

室内洗面所において湯のみ茶碗に四杯の水を飲み、その後取調を受けている途中に

捜査係の室にある便所に排尿に行き、これを終ってのち水道蛇口に口をつけて若

干の水を飲んだこと、以上の各事実を認めることができる。被告人は、原審並びに

当審公判においてB巡査から便器を差し入れられたことは記憶にあるが、その中に

排尿をした記憶はないと供述し、弁護人は、入監前に大量に水を飲んだ被告人の排

尿の量がわずかに五〇ミリリツトルであることはあり得ないことであり、被告人

供述をも総合して考えれば、本件において鑑定の資料とされた尿が被告人の尿であ

るということはすこぶる疑わしいというが、被告人の原審並びに当審におけるこの

点に関する各供述は、その他の証拠と対比して到底信用できないものであり、入監

前に相当量の水を飲んだ事実があつても、前記のとおり入監前に一度捜査係の室の

便所において相当量の排尿をしたことが認められる本件の場合においては、入監後

二五分位を経過した時点における排尿の量が五〇ミリリツトルであつても、異とす

るには足りないと考えられるのであるから弁護人の所論は容れることができな

い。弁護人は、また、F巡査からの依頼により被告人の尿を保存することを予定し

ていたそのB巡査が被告人の用便に際し宿直幹部の立会を求めたということは、あ

り得ないことである旨、及び、そもそも前記被疑者留置規則実施要綱及び玉川警察

被疑者留置内規中の留置人の夜間の用便に関する規定は、いずれも、刑訴法に根

拠を有しない違法規定であるのみならず、憲法保障する基本的人権特に生理

に関する自由侵害するものである旨論ずるが、右要綱及び内規は、国家公安委員

会が警察法五条一、二項、同法施行令一三条に基づき逮捕された被疑者留置を適

正に行うため必要とする事項を定めた昭和三二年国家公安委員会規則四号、被疑者

留置規則等に根拠を有するものであつて、それらの中の夜間の用便等につき宿直幹

部の指示を受けることまたはその立会を要する旨の定めは、事故防止の見地から

るそれなりの合理的理由のある規定であつて、疾病等でやむを得ない者については

房内で便器を使用させることができる旨の規定(要綱13の(16))があること

に徴すれば、本件のように宿直幹部の立会が得られない場合に応急措置として房内

において便器を使用することを禁ずる趣旨のものとも解せられないのであるから

その規定自体は、人の生理自由特別侵害するものはいえず、これを違法

違憲とする理由はない。

 またB巡査は、留置人の夜間の用便については宿直幹部の立会を要する定めにな

つているため、一応形式的に宿直事務室に連絡を取つたとみられるのであつて、F

巡査よりあらかじめ被告人の尿を採取保存することを依頼せられていたにかかわら

ず、宿直事務室に連絡したことを架空の全くの虚構のことであるといわなければな

らない理由はないのであるから、叙上の点に関する弁護人の所論もまた容れること

はできない。

 そこで、以上の事実関係を前提として、本件尿の採取行為適法性及びD鑑定書

証拠能力の有無について考えてみるに、被告人現行犯逮捕現場においても、

玉川警察署連行されたのちにおいてもその呼気検査拒否し続けていたことは前

認定のとおりであるが、前段認定のとおりの尿の採取経過によつてみれば、本件

尿の採取は、酒酔い運転の罪の容疑によつて身柄を拘束されていた被告人が、自然

生理現象として尿意をもよおした結果、自ら排尿の申出をしたうえ、看守係巡査

が房内に差し入れた便器内に任意に排尿し、これを任意に右巡査に引渡したことに

帰するものであつて、この採取行為違法というべき理由を発見することはできな

い。原判決は、立会の幹部が来られないというのは単なる口実であるといい、本件

尿は、偽計を用い被告人を錯誤に陥し入れて採取したのと同様であるとするが、立

会の幹部が来られないということが単なる口実ではなかつたことは、前段認定のと

おりであるばかりでなく、被告人尿意をもよおして排尿を申し出て排尿した尿で

あることは、右のことの如何にかかわらず動かし難い事実である。もつとも、看守

係のB巡査が、被告人の尿がその中に含まれているアルコール度検出のための資料

とされることを知りながら、そのことを告げないで便器を差し入れたことは前段認

定のとおりであり、原判決も、被告人の原審公判廷における供述根拠として、

被告人自己の尿中にあるアルコールの程度を検査する意図であることを知った

ならば、尿の排泄を断念するか、あるいは排泄した尿を任意捜査官に引き渡さな

かつたもの推認できる」とし、右の点においても被告人を錯誤に陥し入れたこと

になるものとしていると解せられるが、本件被告人のように、酒酔い運転の罪の容

疑によつて身柄を拘束されている被疑者自然的生理現象の結果として自ら排尿の

申出をして排泄した尿を採取するような場合法律上いわゆる黙秘権保障されて

いる被疑者本人の供述を求める場合とは異なり、右尿をアルコール検査資料

することを被疑者に告知してその同意を求める義務捜査官にあるとは解せられな

いのであるから、右のことを告知して同意を求めなかつたことをもつてその採取

為を違法とする理由の一とすることはに賛同できない。特に本件被告人場合は、

容疑事実否認していたことは別としても、呼気検査拒否したばかりか、逮捕

大量の水を飲み体内のアルコール度の稀薄化を意図していたと認められるのである

から、尚更である

 弁護人は、本件の場合被告人は、その尿が便所に捨でられると思つていたか

便器に排尿したもので、これを検査に使用するといえば当然に反対することが予想

された場合であるから、便所に捨てるというような道徳上または常識承認される

処置完了するまでは、被告人が排泄した尿は、排泄着たる被告人占有に属した

物であり、これについて適法な法的手続をとらず、勝手検査の用に供した措置

違法であると論ずるが、各人がその自宅の便所以外の場所において日常排泄する尿

の如きものは、特段の意思表示のない以上は、排泄の瞬間にこれに対する権利を放

棄する意思をもつて排泄するというのが社会常識上も首肯できる解釈であり、被告

人の場合もその例外ではなかつたと認むべきてあるから、排泄後の占有が依然とし

被告人にあつたことを前提とする所論は、採ることができない。

 これを現行刑訴法上の立場から考えても、理論的には、裁判官の発する鑑定処分

許可状・差押令状を得てこれを採取することその他の方法が考えられないではない

としても、刑訴法二一八条二項が「身体の拘束を受けている被疑者指紋若しくは

足型を採取し、身長若しくは体重を測定し、又は写真撮影するには、被疑者を裸

にしない限り、前項の令状によることを要しない。」と規定していることとの対比

からいつても、本件の場合のように、被疑者が自ら排泄した尿をそのまま採取した

だけでその身体を毀損するなどのことの全くないものは、むしろ右二一八条二項に

列挙する各行為と同列に考えるのが相当である。その他、酒気帯び状態ないしは酒

酔い状態の有無は、他の徴憑によつてこれを判定することが不可能でない場合にお

いても、できる限り科学検査方法によつて明らかにされることが望ましいとこ

ろ、尿はその性質飲酒後の時間の経過とともにアルコール含有量漸減して行

ものであつて、飲酒後なるべく早い時間採取される必要性、緊急性がある<要

旨>ことも、考慮に値いしないことではなく、上述のところを彼此総合すれば、本件

のように、酒酔い運転の罪の</要旨>容疑により身柄を拘束されている被疑者が、自

然的生理現象の結果として自ら排尿方を申し出て担当看守者が房内に差し入れた便

器内に排尿した場合に、担当看守者が尿中のアルコール度を検定する資料とする意

図をもつて右便器内の尿を保存採取することは、たとえ右担当看守者が房内に便器

差し入れ被疑者をしてこれに排尿させる際当該尿を右検定の資料とする意図があ

ることを告知しなかつた場合であつても、憲法及び刑訴法規定する令状主義の原

則及び適正手続に違反する無効証拠収集であるということはできない(原判決

引用する仙台高等裁判所判決は、採血に関するものであり、本件とは事案を異に

し、適切ではない。)。

 そうとすれば、本件において、前記B巡査が便器内に保存したうえ、C巡査が牛

乳空瓶に移し入れて警視庁科学検査所に持参した尿は、これを証拠として使用でき

ないという理はないのであり、右尿中のアルコール度を鑑定したD作成の鑑定書

も、その作成者であるDが原審公判廷において証人として尋問をうけ真正作成

ものであることを供述している以上、その証拠能力において欠けるところはない

というべきである。そして右鑑定書によれば、右尿中には一ミリリツトルについて

一・〇二ミリグラムアルコールが含有されており、これを血液アルコール濃度に

換算すると、血液ミリリツトル中のアルコール含有量が〇・七八ミリグラムとな

ることが認められるのであるから、右鑑定書は本件酒酔い運転の公訴事実証明

欠くことのできない証拠であるというべきである。とすれば、右鑑定書を事実認定

証拠とはなしえないものとした原判決には、訴訟手続法令違反があり、これが

判決に影響を及ぼすことは明らかである

 以上説示のとおり、論旨は既に右の点において理由があり、原判決は破棄を免れ

ないので、控訴趣意第二点、事実誤認の主張)については判断を省略し、刑訴法

七条一項、三七九条により原判決を破棄し、同法四〇〇条但書に従つて更に次の

とおり自判する。

 (罪となるべき事実

 被告人

2015-01-10

交通事故特殊

長いけど勘弁な。

なぜか生き残らされてしまった話。

始発前の超早朝が出勤時間帯、なおかけで通勤バイクだった。

当然、そんな時間帯だし走るのは二車線の直線。

見晴らしのいい街道から制限速度ちょい超えるくらいのスピードで走ってたんだ。

まあみんなやってる程度の速度超過。

仕事終わりは当然車の量も増えてるからフツーに走って帰宅

レンタルショップスーパーで買い物等々、寄り道なんかしてね。

そんな日常を繰り返してた。

で、ある日疲れがたまってたのか寝坊した。

もちろんソッコー着替えていつもより飛ばしたよ。ただ気が急いてたから正確なスピード分からん。後々ブレーキ痕で判明するんだけど。

信号スムーズに行けよ。とか思いつつ出発。

しばらくして大きめの交差点横断歩道シマシマ模様が見えてくる。

視界を少し上に向けて信号は青。少し左に振って歩行者信号の点滅もなし。アクセルは緩めない。

と、なぜか右から左おっさんぽい人影が動いてくる。対向車線のど真ん中。赤信号のはずなのに。

え?信号無視

直進の信号が変わった?

もう一回視線を上に青信号確認

正面に視界を戻した時には

あいつまだ歩いてる!」

「え?小走りになってね?」

「ホーン!!ブレーキ!!」

おっさん気付けよ!!!!!」

ってのが0.5秒ぐらいの間に一気に頭を駆けまわり必死操作する。

ブレーキにギャッ!ってバイクがきしむ。

けどもう間に合わない。

ホーンにも気づかず正面きちゃったようわぶつかるまじかよ全然気付かねーよどーなんだよドン!!

ここから数秒ぐらい記憶が飛ぶ。

全身を強く床に打ち付けられるとしばらく動けなくなる経験ってないか?

ガキの頃少し高めの場所から飛び降りようとして失敗したとかさ。

エビ反ってウンウンしちゃうの。あるだろ?

アレの強烈版だった。

呼吸が出来ず、うー。うー。って唸りながら身動きがとれない。

けど何とか、ゆっくりだけど腕は動く。

真っ暗だった視界がゆっくりと明るくなってきて真っ黒な血だまりが目に飛び込んできた。

おまけにどうやら俺の顔のどこかからまだポタポタと血がたれ落ちてる。

そーゆー時って不思議なもんでまず口元に手を当てるのな。

ドラマで何かに気付いて「ハッ!!」ってやるみたく。

俺はジェットヘルを被ってた。

で、どうやら下顎から思い切りアスファルトダイブをしたっぽい。

そっから出血してるのか?コレまた不思議なもんで無造作に口元に指先を当てた。

手触りでいつもの形と違うのが分かる。

もう滅茶苦茶な造作になってて血でヌルヌルして唇が避けてるな。

前歯もぜんぶねーっぽいぞ?それにしても出血ひどくね?

上顎が痛い。

変な感じがする。

手を突っ込んでみると折れた下の前歯が上顎に突き刺さってるのがわかった。つまみ出す。

なにこれ?俺ヤバイじゃん。とかぼんやり考えてた。

でも身体は動かず、唸りながらも「おっさんどーなった?」と身体を何とかよじらせて見回したけど視界に入らない。

そーこーしてる間に「おい!ひでーぞこれ!大丈夫!?」なんて声が聞こえてくる。

どうやら通りがかったドライバーが駆け寄ってきてくれたらしい。

なにか話しかけてくれてたけどその時俺は顔、滅茶苦茶になっちゃったのか?ってのと、人身かよまじかよつー二種類の恐怖を味わってた。

折口の中に手を突っ込んで様子を探ったりしながら「ダメっぽい。そーれより相手の人はどーなってますか?」って話してるつもりなんだけど唇がめちゃくちゃになってるから上手く話せない。

このとき記憶はおぼろにあるけど後はとぎれとぎれ。

気付けば救急隊員が目の前にいて質問してるけどうまく答えられない。

そのまま意識飛んだのか今度は病院ストレッチャーに載せられてる。

看護士医者の「よいしょ!」って掛け声とともに処置用のベッドに移し替えられ、速攻で唇を縫われてる感覚はあるんだけど、だんだん周りの声が聞こえなくなってくる。

視界が狭まってやがて真っ暗になる。漆黒の闇ってやつだ。

感覚だんだん鈍くなる。全身麻酔なんてしてないのに。

あれ?死ぬか?

臨死体験ってのはこういったものなのかもしれない。

よく耳にするけどホントあの時は「恐怖感」ってのが全然なかった。

あー、このまんま消えるのか俺。ぐらいの軽い感じ。

過去を振り返るとかそんな余裕もなく意識、つーか思考が徐々に小さくなっていく。

気が戻ると入院棟の、あのフカフカベッドに横たわってた。点滴つけられて。

あ、まだ生きてんだ俺って思ったな。

後になってケータイ見て驚いたけど、その時自画撮りしてんだよね。

せっかくだからとか生還記念に、とかバカなこと無意識ながら思い付いてやってたのかもね。

パンッパンに顔を晴らした朝青龍みたいな俺が写ってた。

ここから少し端折る。あと自分に起こってることとはい記憶とんでるのと医者からの後聞きなので「らしい」とか「っぽい」みたいなボンヤリした書き方になるけどスマン。

聞いた話だと病院に運び込まれた時、本当に俺は死にかけだったらしく、くも膜下出血顔面多発骨折の状態で、頭部(脳?)にあまり刺激を与えたくないから唇は最小限の処置だけされてた。

当然即入院

でもって外科の前にまず生き死にだろってことで脳外科の病棟へ。

運良く運び込まれたのが某大学病院だったから各科との横断的な治療を受けることができた。

そんで顔面からダイブだったってことで不幸中の幸い、頭部以外は外傷ほぼなし。

気になる顔面の壊れ具合はつーと下顎と鼻の下の骨がパックリ縦に割れてた。

下唇は顎の途中までバックリ断裂。

事故後、初めて鏡見た瞬間「ああ、もう前の顔には絶対戻らないんだな」ってガックリきたよ。

イケメンでもなんでもないけどコレまで付き合ってきた自分の顔は一生見れないんだから

毎晩寝るとき「このまま二度と目を覚まさないんじゃないか?」って死の恐怖に襲われてた。

1週間ほどで脳内の影も消え、異常なしって診断貰って今度は顔面の修理。

ハリガネみたいので歯を縛り固められ、ユルユルだった骨折部分が多少落ち着いたら今度は手術。

臨死体験をした身としては、またあーなんのかな?とか思う間もなく深呼吸数回でサクッと落ちた。

手術は無事終了。

チンコ差しまれたションベン管も「あ、あああ、あああああ~~~~……」ってな感じで引き抜いてもらった。

術後しばらくしてからレントゲン見せてもらったけど顔のあちこち、少なくとも10所以上はボルトが埋め込まれててサイボーグになった気分。

入院してから一ヶ月近くが経ってた。

手術までの間、何度も事故ったおっさんの事が頭をかすめた。

見舞いに来てる家族にもどうなったのか尋ねたけど「全身打撲で入院してるみたい。まずはアンタの代わりに謝罪してきた」てな返事。

助かったと聞いて胸をなで下ろす。

とにかく当事者の俺が謝罪しなくちゃなんない。けど手術もある。

向こうも落ち着くまでしばらくかかるかもしれないし、間を置いて謝罪した方がいいのかも。

あーそうか人身だよな免許取り消しだろうなー。とか思ってたな。

そーこーしてる間に移動はまだ車椅子だったけどだいぶ落ち着いてきた。

退院の日もほぼ確定。まずは第一段階終了かー。

みたいに一息ついて母と話してる時「相手の方、実は即死だったの」と言われた。

そう。俺は殺人者になってた。

でっかい溜息が何度も出てくる。わけがからない。

母が言うには「手術前に精神的ショックを与えないように警察からアドバイスされてた」とのこと。

けど俺が生き残っておっさん死ぬってどーゆーことだよ天秤が吊り合わない。

落ち込みまくること数日。交通刑務所行こう。償おう。そう考えるに至った。

口の周りは神経が切れてるから動くけど痺れは10単位回復していくと言われ、無くなった前歯はブリッジ入れ歯がはめられた。

そんなこんなで事故から二ヶ月にようやく退院

ホッとする間もなく警察から連絡があり取り調べたいという。実況見分も。

日程が決まり取調室でここに書いたような話をし、事故現場に足を運んだ。

ブレーキ痕から事故当時の速度は65キロだという。

それ以前に正面衝突の衝撃で血がこびりついたスピードメーターは65キロをさしたまま潰れてた。

おっさんも俺も40メートル近く吹っ飛んだそうだ。ホットロードどころの話じゃない。

フレームがひん曲がったバイクはもちろん廃車にした。

事故現場に立てられた目撃者求む、の立て看板からは数件の目撃情報があったという。

街道交差点だっつーことで設置されてた監視カメラにも事故映像が残っていたらしい。

事故担当してくれてた交通課の担当者検察局の検事は同じことを言った。

「目撃情報カメラ映像も、どう見ても飛び込みなんだよねー。そしてあなたはホーンも鳴らしてるしブレーキもかけている。避けられない事故ってのがあるんだよ。どうしても」

真相はわからない。

相手の方が亡くなっている以上、警察にも、もちろん俺にも飛び込んだ理由を問うても答えは出てこない。

運転ミスじゃなかったのか?

飛ばし過ぎじゃなかったのか?

もっとからブレーキかけられなかったのか?

結果俺は人を轢き殺したにも関わらず無罪になってしまった。

一方、免許証人身事故の最悪のやつだから当然取り消し。

1年間免許取得出来ません。つー欠格期間が付けられた。

そして保険

個人情報関係で詳細は知らされちゃないけど、相手の方は生活保護受給している65歳の男性だった。

役所その男性の担当をしている職員と警察の間で情報の交換をしたけど、どうも故郷家族とは30年近く連絡をとっていないっつー状態。

なんとか調べて見つけた家族事故で亡くなったことを伝えても「家を捨てた人の死には関わりたくない」てなスタンスだとか。

なんでそーなるんだよ。

もちろん前述のように個人情報の都合で俺から先方のご遺族へ謝罪する、どころか訪ねていくことさえ一切できない。

どうやってこの罪の意識を背負い込み続けていけばいいんだっつって軽く絶望した。

事故の夢を時々見てはうなされる。いっそのこと交通刑務所にぶち込んで欲しかった。

事故現場に献花して冥福を祈るくらいじゃ全然気持ちが収まらない。

ひどい話かもしれないけど、罪を償って少しでも気持ちを楽にしたかったってのが正直なところ。

半年ほど合間を見ては警察に連絡したり足を運んだり。ご遺族の状況を尋ね続けた。

保険金を受け取ってくれないかと、何とか伝えることはできないものか。

最終的には保険会社が間に入ってご遺族を説得したのか、ご遺族内でなんらかの気持ちの変化があったのか、保険会社と何度か書類のやりとりを済ませ、無事ご遺族に保険金が支払われた。

で、保険金が支払われたからといって俺の精神状態は全然落ち着かなかった。

顔面に埋め込まれボルトを抜き取る再手術入院とき主治医相談してメンタルヘルスを紹介してもらうことになった。

結果、鬱傾向にあると診断された。

正直落ち込みは激しい。っつか波がかなりある

事故から2年ほど経つけど免許証はまだ取得する気にはなれない。

メンタルヘルスにゃいまも通院してる。

事故のことを知らない久しぶりに会う知人に「おや?」って感じで顔を凝視されるのはつらい。

ビートたけしはどうやって気持ちを持ち直したんだろうか。なんて考える。

もし仮に、あのおっさんが世をはかなんで飛び込み自殺したんだとしたら。

自殺は増え続けてるってゆーよな。

けど死にたい奴はひとりで富士樹海にでも行ってひっそり死んでくれ。

誰に何が起こるかなんて誰にもわかりゃしないけど、死の方向に他人を引っ張り込むような真似だけはやめてくれ。

単車載ってる奴はフルフェイス被れよ。まじで。

エラソーかもしんないが、この話が教訓になればいいけど。

おっさん冥福を祈る。

2014-07-16

教養としての留置所生活

ろくでなし子さんが逮捕される前に教えてあげたかった女子留置生活TIP」(http://anond.hatelabo.jp/20140716042957)がバズってたので乗っかる

まずタイトル留置所というのは俗称で、正しくは留置施設。各警察署の中にある。

僕が知ってるのは都内区部の某警察署だけど3階くらいにあったかな。

から見て鉄格子がはまってる階があればそこに留置施設がある。

留置施設に入るのはまず警察逮捕された人。

現行犯でも礼状逮捕でも、ひとまず管轄の警察署連行されて、両手の指紋と掌紋をデータベースに登録されて、ベルトやその他持ち物没収された後に分厚い鉄のドアを隔てた向こう側に閉じ込められる。

法律上逮捕から48時間警察勾留(閉じ込めておく)する事ができる。

そのいわゆる48で出る人もいるし、有罪にできそうな人、あるいは警察に敵視された人などは検察勾留延長申請されて10日延長を2回まで、トータルで22日間まではわりと簡単に勾留される。

検察が有罪にできる自信を持てる容疑なら起訴されてさらに数ヶ月は閉じ込められるけど、自信がなければ釈放される。

日本の有罪率が高いのは、有罪にできる人しか起訴されないから

裁判制度あんまり意味ない。

よほど危険人物や具合の悪い人以外は4人から6人くらいで一つの房に入る。

6畳くらいのスペースにトイレだけ付いたカーペット敷の部屋。

鉄格子ではなく金属ネットが正面と背後にある。両側は壁。

いちおう挨拶するけど、極限に狭くて長い時間一緒に過ごすから基本的に皆気を遣う。

普通に外国人もいた。逮捕されてから日本語勉強したとか。

ちなみに彼はその時点で2ヶ月以上入ってたと聞いた。(半年くらいだったかも)

本来起訴されて裁判が始まったら未決囚として拘置所という別の施設に移されるはずなんだが、拘置所の定員が一杯だったりすると留置施設にそのまま置かれたりする。

代用監獄と言われるゆえん。

最初に番号を付けられる。

留置施設の中では名前でなく番号で呼ばれるので、激しく尊厳を傷つけられる。

有罪確定どころか起訴前でさえ閉じ込められて番号で呼ばれるという暴力

まるでお前は社会ゴミクズだと言われているような気になるし、そうする事で自白させやすいし冤罪だって作りやすい。

起床は6時くらい、番号で点呼があって、掃除して、洗顔歯磨きして朝食。

メニューは安い民宿の食事みたいな感じで、特に悪くないけど量は少なめ。

その後運動と髭剃りの時間がたしか15分くらい、房ごとに交代で10畳くらいの狭いスペースで過ごす。

日光を浴びられる貴重な時間。でも壁に囲まれて外は見えない。

取り調べある人は取り調べ、または裁判所検察に行く人は行く、行かない人は貸本を読んだり差し入れの本を読んだりして過ごす。

刑事の取り調べはうんざりするけど、窓から外が見えると嬉しい。

出たらマックに行きたいとずっと思って過ごしてた。

12時くらいに昼食。

昼食だけは自弁といって、留置係に現金を預けている人はそのお金特定のお店から缶の飲物やお弁当を買って、普通の食事に追加できる。

缶の飲物は目の前で開けられてお椀についで渡される。

僕の知ってる留置施設では、昼食は食パン4枚とジャムマーガリン、それにゼリーみたいなもの。それだけ。

ものすごく味気ないし初日から飽きる。

知ってる限り20日くらいは続いたから今でも毎日それかもしれない。

午後も取り調べある人、裁判検察の調べ、または実況見分など人それぞれの過ごし方。全部他人が決めるんだけど。

夕食はたしか5時くらい、掃除して就寝は9時くらいだったと思うけど、少し蛍光灯が暗くなるだけでかなり明るい。

これが一番つらかった。

明るい中で寝なければいけないし、毛布を被ったりうつ伏せで顔が見えなくしてると留置係の警察官に注意される。

常に留置者の顔が確認できないと駄目らしく、その状態で寝るのはつらい。

外に出て一番嬉しかったのは寝る時に真っ暗にできる事。

暗闇で寝られるのは幸せ

僕は20日ちょっとで出たけど、あれ以上あそこにいたら人間性が歪むと思う。

警察国家を憎み反社会的活動家になるか、誇りを失って利己犯罪者性向になるか。

痴漢冤罪ちょっとしたトラブルで誰でも警察逮捕されるおそれはある。

こんなひどい状況は誰のためにもならないんだから、早く是正されるように少しでも声を上げたい。

2013-12-29

LLF』と『果実』を比較検証する(2)

はじめに

文字数オーバーになってしまった前回(http://anond.hatelabo.jp/20131229045340)の続きである

警察通報すべきだ、と反対意見を述べる生徒が現れる

ロジック・ロック・フェスティバル』において、警察通報すべきだと意見するのは、ヒロイン(鋸りり子)である

 りり子は穏やかな声音で言葉を重ねた。もっともその中には、最後の審判を告げるガブリエルのごとき決然さをも含んでいたが。

「先ほども申しましたが、会長の心境には私自身強い同情を感じています。ただ……人が一人死んでいるという状況、命を落としたという事実に対して応じることは、やはり何にも増して優先されるべきだと思います。どんな信念、心情を差し置いても、です」

 これに会長が返答をする前にある人物によって言葉差し挟まれた。

「そ、その通りです……!」

 金牛事務員だった。彼は周りを窺いながらもごもごと続ける。

「……会長さん、でしたっけ? お気持ちは分からないでもないですが、これはやっぱり一刻も早く警察を呼ぶべきです。議論をしている間にも、ほら、時間経過と共に重要な手掛かりが失われているかもしれないですし……」


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、警察通報すべきだと意見するのは、志度一馬である

「アタシは通報派だけど、それぞれ理由が必要ね」

(中略)

「アタシの臓腑(はらわた)は今煮えくりかえってるわ。だからこそ、一刻も早く腐れ下手人死刑になればいいと思ってる。そのためには通報すべきよ。それに、ひとの生き死に以上の優先事はないわ。たとえ音楽だろうと」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、530頁)

人の死は何事にも優先されるという理由が一致している。

結果、その場にいる生徒による、多数決が行われる

ロジック・ロック・フェスティバル』において、多数決で決めるとの宣言はなされない。生徒会長(衿井雪)とヒロイン(鋸りり子)の意見に続く形で、副会長(成宮鳴海)が会長意見を支持したことにより、多数決の流れが自然にできる。

「一時沈黙、に一票ということです。鋸さんとも対立することになってしまますね。しかしここはどうか目を瞑っていただきたい」


ロジック・ロック・フェスティバル

多数決の結果が決まった後に、多数決という方法で決めたのが正しかったのか山手線太郎意見する場面がある。

多数決が必ずしも民主的な方法ではないはずだけど」

 線太郎揶揄するところを僕は穏当に受ける。

「そんな取り違えはしてないよ。ただ行動の選択に時間を取られていてはいつまでたっても行動自体を起こせない。今は総意をある程度一致させてとにかく動き出すべきだと思う」


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、部長柏木照穂)が多数決で決めることを宣言する。

「決を採る。それには全員従うこと(この面子だと――)」と柏木

多数決で決めていいことなの? 瀆魂(とくこん)じゃない?」詩織さんが遺体を見遣った。

「どっちの意見を容れても、すぐ行動しなきゃいけない。みっちり討議してる暇がない」と柏木


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、530~531頁)

多数決通報するか否かを決める理由を、すぐに行動しなければならないからとするのが共通点である

警察通報しないことを、倫理的糾弾する生徒が現れる

ロジック・ロック・フェスティバル』において、「警察通報しないことを、倫理的糾弾する」のは山手線太郎である

「――いいえ、速やかに通報するべきですよ」

 そう言い切って、副会長の前に颯爽と立ちはだかったのは線太郎だった。一瞬、二人の男の正義がぶつかり合う音が聞こえた気がした。

会長の鷹松祭への熱意も、それを慮る副会長の誠意も、最大限に斟酌したいと思います。でもやはりそれとこれとは別問題と言わざるを得ない。通報を保留し、再度この部屋に鍵を掛けて、知らぬ存ぜぬでさあ鷹松祭ですか? 死者を前に失礼ですが、僕は生前、灘瀬先生のことをあまり快く思ってはいませんでした。そんな僕でもこんな所業はあんまりだと思います


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、「警察通報しないことを、倫理的糾弾する」のは切間玄である

「敢えていうけど(デンク・マール・ナッハ)」と切間。「奥平事件なんてあれだけ先陣争いみたいな捜査して、あれだけ関係のない可能性の高い生徒、総ざらえで調べたんやで。それでも解決してへん。まして発見者が協力せえへんかったら」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、531頁)

上記引用した「糾弾」がはたして「倫理的」なものかどうかは私には判断できなかったが、該当する部分が他になかったので上記部分を引用した。

通報するかどうかの多数決が、可否同数になる/最後の一票により、イベントを優先して通報しないことが決まる

ロジック・ロック・フェスティバル』において、沈黙派が3人(衿井雪、成宮鳴海、万亀千鶴)、通報派が3人(鋸りり子、金丸遥、山手線太郎)で同数となる。最後主人公中村あき)が沈黙に一票を入れ、通報しないことが決まる。

 なんてったってこれで三対三、通報か否かを巡る決議はもつれにもつれていた。本来、人様の死に対し、こんなやり方で接することなんて許されない。そんなのは分かっている――分かりきっているけれど、今はそんな採決の図式を思い描かないわけにはいかなかった。

 事実、僕以外の全員の目がこちらに向けられている。

「僕は――」集まる注目の中、僕はおもむろに口を開いた。「沈黙を支持します」


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、沈黙派が3人(志度一馬、修野まり、切間玄)、通報派が3人(古野まほろ、穴井戸栄子、上巣由香里)、棄権が1人(峰葉詩織)で同数となる。最後部長柏木一馬)が沈黙に一票を入れ、通報しないことが決まる。

棄権する」

はい?」柏木が、いや一同が眉を寄せる。「棄権は想定してないんだけど」

「どちらを選ぶにしても、失われるものが多すぎますわ。あたしには決められない」

「珍しいな、瞬殺(ブリッシュラーク)の詩織さんがよう決められへんなんて、理由訊いてええか?」

黙秘権を行使します。それに理由を説明したところで、そしてみんなが納得しなかったところで、あたしの意見は変わりません。以上」彼女は以降の意思疎通を拒否した。

最後は僕か」部長はため息を8拍ほど延ばした。「通報はしない」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、532~533頁)

生徒たちによる、実況見分等の捜査が行われる

ロジック・ロック・フェスティバル』において、実況見分をしようと提案するのは会長(衿井雪)である。「15. 現場検証」をまるまる使って実況見分する様が描かれる。

「ではまず、手早く研究室内の様相を検めようか。その後、施錠したら私たちも粛々とここを立ち去るべきだ。いまでさえグレーだというのにここで長居していたら、余計に捜査が入った時に疑われる」


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、実況見分をしようと提案するのは修野まりである

「なら」由香里ちゃんがいった。「ここは撤収すべきですね、粛々と、急いで」

「もちろん」修野嬢がいった。「この部屋に何がどのように配置されているのか、確認してからだけど」

「どうして?」栄子さんが訊いた。「当面の間、知らぬ存ぜぬを通すんでしょう?」

ひとつは、いわゆる下手人による――」

まり、『犯人』よ。『容疑者』でもいいけど」詩織さんが微苦笑した。その声は何か哀しかった。

「――犯人による現場改変に対処するため。いまひとつ犯人特定するためよ。ただし前者については」修野嬢は呼吸をずらした。「瀬尾先生がいまカードキィをお持ちなら成り立たない理由だけど」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、534頁)

現場を「粛々と」立ち去るべきだという形容詞が一致している。

現場に留まるのは危険、との判断から、無人の室に移動する

ロジック・ロック・フェスティバル』において、現場から移動するように提案するのは生徒会長(衿井雪)だ(上記引用部分参照)。その理由は「余計に捜査が入った時に疑われる」との判断だからだ。移動先に音楽室を挙げるのは副会長(成宮鳴海である

「終わったらどこに集まります?」と千鶴

生徒会室は」言いかけて会長は首を振った。「役員がいるな」

音楽室はどうでしょう?」と副会長。「今は誰もいないはずです」

 音楽室は鷹松学園の新館でも旧館でもない、別館にあった。吹奏楽班や合唱班には別に練習室が設けられている関係上、入っていくのを見られたら何をしに行くのかと怪しまれるかもしれないものの、それさえ注意すれば後夜祭以後のイベントの間、ほぼ百パーセント誰も入ってこないような場所である

 こうして音楽室で落ち合うことに満場一致で決まり、すぐにそれぞれの組で行動を開始した。


天帝のはしたなき果実』において、現場から移動するように提案するのは上巣由香里だ(上記引用部分参照)。移動先に第4会議室を挙げるのは部長柏木照穂)である。その理由は相互監視をするためだ。会話文内にある括弧は柏木の心の声である主人公古野まほろ)は柏木の心の声を聴くことができるという設定がある。

一馬部長がいった。「一馬美術得意だったよね。まほと見取図を作ってくれ。切間と僕で先生遺体を改める。女性陣は第4会議室に先行して」

「第4会議室?」詩織さんが訊いた。

使役の部屋だ。あそこに籠もろう(相互監視、やむなし)」

柏木、きみは」僕は口を挟んだ。「僕らのなかに、教師殺しがいると?」

「(そのとおり)その議論は引っ越ししてからだ。誰も来ないとは思うけど、急ごう」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、535頁)

古野まほろ(作者)は「現場に留まるのは危険、との判断から」を「同一性」としているが、『ロジック・ロック・フェスティバル』においては捜査が行われたときに疑われるからであり、『天帝のはしたなき果実』においては相互監視をするためなので「同一性」とは言いがたい。

また「無人の部屋」とあるが、『ロジック・ロック・フェスティバル』における音楽室は無人の部屋だが、『天帝のはしたなき果実』における第4会議室は無人ではない。アンサンブル・コンテンストの運営を手伝っている勁草館高校の生徒の控室であり、実際に訪れた際にも内田という生徒が中にいる。

「あ、柏木先輩。例のおつかい終わりました」内田焼きそば(大盛)を啜りながらいった。

「ここの部屋は」でんでんでん、と軍人のごとく爆進(ばくしん)しながら柏木が訊いた。「勁草館(うち)の人間以外は来ないんだね?」

「はあ。うちの学校(ガッコ)の使役の控室ですし」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、547頁)

古野まほろ(作者)側の主張に沿って見れば、勁草館生徒は事件関係者であり「(事件関係者以外は)無人の部屋」と無理矢理解釈することもできなくはないが、普通に考えれば第4会議室は「無人の部屋」ではなく、こちらも「同一性」とは言いがたい。

私感

ロジック・ロック・フェスティバル』と『天帝のはしたなき果実』を両方読了した印象としては、影響を受けているのは間違いないと感じた。今回検証した被害者キャラクター造形と警察通報しないことを多数決で決めるシーンは明らかに参考にしている。とはいえ文節単位剽窃はなく、仮に裁判になったとしても著作権侵害との判断が下されるかどうかは微妙なところだ。

上記のように細部を比較すると必ずしも「同一性」と呼べない部分もある。箇条書きマジックを演出するために無理矢理同一だと主張した部分もあったのではないだろうか。とはいえ私が参照したのは旧訳であり、新訳では同一なのかもしれない。

LLF』と『果実』を比較検証する(1)

はじめに

中村あきの星海社FICTIONS新人賞を受賞したデビュー作『ロジック・ロック・フェスティバル』が、古野まほろメフィスト賞を受賞したデビュー作『天帝のはしたなき果実』と類似していると指摘され一部で話題になっている。『ロジック・ロック・フェスティバル』に続いて『天帝のはしたなき果実』を読了したので、前回(http://anond.hatelabo.jp/20131221141558)に続いて比較検証していきたいと思う。ちなみに私が読んだのは講談社ノベルス版(通称「旧訳」)である古野まほろとしては全面改稿した幻冬舎文庫版(通称「新訳」)を決定稿としたいようだが、諸事情から旧訳を参考とした。以下の比較検証おいて新訳では違ってくる部分があることをあらかじめ了承いただきたい。

古野まほろの指摘

12月7日Twitter於いて古野まほろが「関係性の説明」をした。それは大きく分けて【学校の設定】【死体発見時の言動等】【推理合戦】の3点である。今回はその中から死体発見時の言動等】について検証していきたい。古野まほろが挙げた「同一性」は以下の通りである

死体発見時の言動等】

被害者は、「世界史倫理担当の教師である

被害者の特徴は、理不尽質問悪態である

被害者は、成年男性1人である

被害者は、クローズドな施設において殺されている

発見者は生徒である

警察への通報を拒否する生徒が現れる

警察への通報を拒否する理由は、高校生として「重要イベント」のためである

警察通報すべきだ、と反対意見を述べる生徒が現れる

・結果、その場にいる生徒による、多数決が行われる

警察通報しないことを、倫理的糾弾する生徒が現れる

通報するかどうかの多数決が、可否同数になる

最後の一票により、イベントを優先して通報しないことが決まる

・生徒たちによる、実況見分等の捜査が行われる

現場に留まるのは危険、との判断から、無人の室に移動する


1つ1つの要素の問題ではありません(要素で見ても厳しいかな、とは思いますが・・・)。私が問題にしているのは、これらすべての要素の「組合せ」です。このような「組合せ」が、まったく別個の作家により、偶然に案出される可能性は、ゼロです。死体発見時の言動等もまた「同一性」の問題です。

被害者は、「世界史倫理担当の教師である

古野まほろ(作者)は「死体発見時の言動等」と銘打っているが、前半は被害者の特徴についてである。『ロジック・ロック・フェスティバル』において、メインとなる密室殺人事件被害者となるのは「灘瀬朝臣(なだせあそん)」である。灘瀬について記述してある部分を引用したい。

ねちねちとした口調、ねめつけるような視線、四十代半ばにして既に注意信号の頭髪、加えて誰が言い出したかセクハラ疑惑まで併せ持った社会科担当教諭、灘瀬――なんとか。失礼、フルネームは存じ上げない。専門も世界史だったか倫理だったか


ロジック・ロック・フェスティバル

灘瀬朝臣社会科担当教諭であり、専門が世界史なのか倫理なのかは本文中で特定されていない。高校世界史を教えるのに必要なのは高等学校教諭一種免許状地理歴史)」であり、倫理を教えるのに必要なのは高等学校教諭一種免許状公民)」だ。それぞれ別ではあるが、実際は両方を取得しどちらも教えるというケースが多い。

天帝のはしたなき果実』におい殺人事件は何度か起こるが、メインとなる首無し殺人事件被害者となったのは「瀬尾兵太(せおひょうた)」である。瀬尾兵太は世界史担当教諭である。本文中に世界史以外の社会科科目を教えているとの記述はない。

黄昏音楽室に入ってきたのは、我が県立勁草館高等学校世界史の教師を勤めるとともに、同校吹奏楽部顧問に任じる瀬尾兵太だ。


天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、23

「要素」で判断する限りは「社会科担当教諭(専門は世界史倫理か不明)」と「世界史担当教諭」を「同一性」と表現するのは厳密な意味おいては正確ではない。だが、少なくとも数学英語のように全く関係がない教科ではなく、非常に類似している「要素」であるといえる。

被害者の特徴は、理不尽質問悪態である

ロジック・ロック・フェスティバル』において、被害者(灘瀬朝臣)の特徴が「理不尽質問悪態であることは、さきほど引用した文のすぐ後に書かれている。特筆すべきなのは、実際に灘瀬朝臣が生徒に理不尽質問をしたり、答えられない生徒に悪態をつくような場面が一切登場しないことだ。設定として生徒に恨まれる理由があることを示す以上のものはない。

根も葉もない噂には同情を禁じ得ないけれど、彼を生理的に受け付けない生徒は多そうだ。授業も理不尽質問を当てるし、答えられない生徒には悪態もつく。


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、被害者(瀬尾兵太)の特徴が「理不尽質問悪態」と断言していいものかは迷う。『ロジック・ロック・フェスティバル』の灘瀬朝臣がただの記号として描かれているのに対し、瀬尾兵太ははるかに血の通ったキャラクターで、特徴として挙げるべき点が複数あるからだ。主人公たちの所属する吹奏楽部OBであるとか、東京帝大法学部出身であるとか、胸に大きな緑色宝石を付けているとか、語学の達人であるとか……。

そこで、まずは「理不尽質問悪態」に該当しそうな部分を探してみることにする。第一章から瀬尾兵太が生徒に質問するシーンを抜粋したのが以下だ。

p、って何だ」

「『弱く演奏する部分に付いた強弱記号』」

阿呆(ドゥラーク)かお前! 確かにfは『強く』でもいいが、pは『静かに』。(後略)


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、34頁)

「あと峰葉、お前は腕立て二セット追加だ――理由は?」

「歌口(マウスピース)を押さえすぎるから、です」

「唇に歌口(マッピ)の跡が付きすぎて興を削ぐな。何でそうなるんだ?」

右手の小指を深く引っかけて持っているからです」

「それは何でだ?」

ペット左手だけで支えられていないからです」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、36頁)

(前略)音がボケてる。どうしてだ?」

「舌遣い(タンギング)が柔かすぎたからでしょうか(はふう、想定の範囲内)」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、37頁)

瀬尾兵太が吹奏楽部の録音を聴いて指導する場面である。「理不尽」かどうかは判断が分かれるところだが、「質問」をすることによって生徒にどこがよくなかったのか自ら考えさせるのが瀬尾兵太のやり方のようだ。そして適切な答えを返せなかった生徒には、「阿呆かお前!」と悪態をついている。「悪態」については具体的にその言葉が出てくる箇所がある。

「まずは誰も口論当事者だって名乗りでてこないからです。瀬尾先生悪態というか音楽に関しての辛辣かつストレートな要求は今に始まったことじゃありません。誰だって何度もボコボコにされてます


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、582頁)

この発言をした登場人物は瀬尾の言動は「悪態」そのものではなく、「悪態」と表現してもいいような「音楽に関しての辛辣かつストレートな要求」と認識しているようだ。

被害者は、成年男性1人である

これまでに記述したとおりメインとなる殺人事件比較した場合、『ロジック・ロック・フェスティバル』も『天帝のはしたなき果実』も「被害者は、成年男性1人」で間違いない。しかし『ロジック・ロック・フェスティバル』は日常の謎を解く場面がいくつかあったのち、メインとなる密室殺人事件が描かれるのに対し、『天帝のはしたなき果実』は連続殺人事件を扱っている。その被害者男子生徒、女子生徒、教師(これが「成年男性1人」に当たる)である。つまり、メインとなる事件だけを比較対象にした場合同一性」に該当するが、比較対象を物語全体に敷衍した場合同一性」には該当しないことになる。

被害者は、クローズドな施設において殺されている

クローズドな施設」という表現が、含みを持たせている。ミステリーおいては「密室」と「クローズドサークル」というふたつの閉鎖状況がある。『ロジック・ロック・フェスティバル』において描かれるのは密室殺人事件だ。文化祭開催期間中に、密室となった社会科研究室死体発見される。

「……密室

 ぼそりと言ったりり子の言葉に僕は哀しいかな反応してしまう。

 僕らが入ってきたドアは確かに鍵が掛かっていた。もう一方のドアは元よりガムテープでがちがちに封鎖されて閉め切りになっており、出入り口としての役目を完全に放棄させられている。四つある窓全てにしっかり施錠されているのが確認できるし、廊下側の壁の上部・下部にそれぞれ設けられた換気用の小窓もご丁寧に施錠がなされていた。

 現場は完全なる密室だと認めざるを得ない。


ロジック・ロック・フェスティバル

高校敷地建物文化祭期間中で一般にも広く開放されているので「クローズドサークル」ではない。しかし、社会科研究室を含む四階は、唯一の階段ふたりバスケットボール部員によって監視されている。

はい、そうみたいでした。なのであたし、立ち聞きする気はなかったんですが、会話の内容が耳に入ってしまったんです。彼女たちはこう言ってましたよね、『私たちがいる間にここを通ったのは、会長副会長、あと実行補佐の四人で全部です』って」


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、メインとなる首無し殺人事件が起こるのは、アンサンブルコンテスト大会が行われている姫山市文化会館の第7楽屋である。この第7楽屋には死体発見時に鍵が掛けられていたが、オートロック式で関係者が鍵を持っていたこともあり「密室」とは呼べない。

ここの楽屋オートロック式で、カードキィを持っていなければ開かない代わりに、内側からは鍵もチェーンも掛けられない珍しい扉になっています(朝のミーティングとき瀬尾がいいましたね)。


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、648頁)

姫山市文化会館は一般に広く開放されている公共施設であるので「クローズドサークル」ではない。しかし、楽屋を含むエリア関係者以外立ち入り禁止となっている。

「非公開区域にはリボンないと入れへんし、第7楽屋のドアは専用のカードキィないと入れへんで、念のため。借りたら記録残るし」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、626頁)

鷹松学園も姫山市文化会館も一般に広く開放されている。しかし「クローズドな施設」という含みを持った表現をすれば、どちらの作品も外部との出入りが制限される場所死体発見されており、当てはまることになる。

発見者は生徒である

ここから死体発見時の状況になる。『ロジック・ロック・フェスティバル』において、被害者(灘瀬朝臣)の死体発見するのは、主人公中村あき)、山手線太郎、鋸りりこ、万亀千鶴生徒会長(衿井雪)、副会長(成宮鳴海)の6人である

 四階に辿り着くと、そこにはなんと会長までもが参席していた。

「鍵、持ってきてくれたか! 早く、嫌な予感がする」

 既に事態も把握しているようだ。

はい、これ、マスターキーです」

 走り寄って僕がポケットから鍵を取り出すと、会長が引っつかむようにしてさっさと鍵穴へ差し込んだ。

 かちり、と確かに鍵の外れる音。

 社会科研究室の扉が開くと、中から冷気が溢れ出した。エアコンがかけっ放しらしい。何か異様な雰囲気と共に、確かな臭気がその中に感じ取れた。

「うっ……なに、この臭い

 千鶴が鼻を押さえる。

「――灘瀬先生、いらっしゃいますか?」

 呼び掛けながら室内に足を踏み入れる会長。僕がその後に続いた。

 研究室入り口付近左手にすぐ壁、そして右手本棚といった配置である。そのため本棚が途切れたところで、ようやく部屋の全容が見渡せた。

 目に飛び込んでくるのは痛いほど鮮かで、残酷な色彩。

 一面の赤色

 血の海。

 赤の海。

 そこに沈む、ぐにゃりとした男の体。

 深紅に溺れる、こと切れた灘瀬がそこにいた。


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、被害者(瀬尾兵太)の死体発見するのは、主人公古野まほろ)、峰葉詩織の2人である

 うひゃあ! 前を歩いていた瓶緑色ボトルグリーン)のブレザー着た集団も飛び上がった。彼女はず、ずいと第7楽屋の前に立つ。「キィは?」

「こちらです」

 ピ、と脳天気電子音とともに若草色(リーフグリーン)のランプが灯る。彼女は目を伏せがちにいった。

「こんどは檸檬、買ってくるのよ。古野君の勝――」

 彼女の声が思いっきり完全休止(ゲネラルパウゼ)する。

 次いで教科書どおりの、深々とした、背筋の伸びた息継ぎ(ブレス)。

「僕の、か?」

 彼女の凍てついた顔を、僕は忘れない。陸奥みちのく)の安達ケ原の姫山に、鬼籠もれりというは真実まこと)か――

 そこには、嵌め殺しの机にもたれ、ドアに背を向ける形で、瀬尾だった物体があった。

 肩からうえには、首がなく。

 それは、避けられない宿業のようだった。


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、648~649頁)

上記に引用したとおり、『ロジック・ロック・フェスティバル』も『天帝のはしたなき果実』も「発見者が生徒である」ことは間違いない。付け加えるならどちらの作品も「死体発見者が主人公を含む集団である」と言っていいだろう。また主人公自身が鍵を開けるのではなく、別の人物に促されて主人公が鍵を渡す点も共通点と言える。

警察への通報を拒否する生徒が現れる/警察への通報を拒否する理由は、高校生として「重要イベント」のためである

ここからは、死体発見したもの警察通報しないという判断をするシーンである。上記ふたつについて引用部分が同じなので同時に検証する。『ロジック・ロック・フェスティバル』において、通報を拒否する生徒は生徒会長(衿井雪)である。その理由は自身が実行委員長として力を注いできた文化祭最後まで終わらせたいというものである

 その時だった。

 会長がすっとみんなを置き去りにするように入り口の方に向かった。そして直後、社会科研究室の扉がぴしゃりと閉じられる音が響いたのだ。

会長……?」

 不審に思い、僕も一度灘瀬の遺体から離れ、一同の輪の方へ戻ることにする。

 そこから入り口を見ると、なんと会長は信じられないことに扉を背にしてその場で膝を折り、こちらに向かって土下座をしていたのだ。

 それだけではない。とんでもない発議がその口からなされた。

「……頼む! 文化祭が終わるまで通報を待ってくれないか

 それは誰もが理解に時間を要するほどの突飛な提案だった。

「な、何を言って……」

 ようやくどうにかして言葉を発した副会長を遮って、会長は哀願するように続けた。

「分かっているんだ、これは普通の思考じゃない……異常だ、狂ってる……そんな風に思うかもしれない……それでも! それでも私は自らの全てを鷹松祭に注ぎ込んできた……実行委員長として私にはこの祭を完成させる義務がある。それだけは誰にも邪魔させない。じきに一般公開も終わる。そこから簡単な片付けがあって後夜祭、ファイアーストーム、そしてグランドフィナーレ――鷹松祭が終了を迎えるまで残り約三時間、あとたったそれだけなんだ!」会長は喘ぐように息を継いだ。「――今一度、三顧の礼を尽くして懇望する。鷹松祭の終了まで示し合わせて黙っていてはくれないだろうか」

 総員、言葉を失ってしまった。


ロジック・ロック・フェスティバル

天帝のはしたなき果実』において、最初通報を拒否する生徒は主人公古野まほろである。その理由はすでに演奏が終わったアンサンブルコンテスト大会の結果が聞きたいというものである

差し当たり重要なことは」一馬が厳かに口火を切った。「ひとつしかないわ。通報沈黙か。それが設問よ(ザットイズザクエスチョン)」

「僕は沈黙派だよ」と僕。

(中略)

「今通報すれば、会場は大混乱、大会どころじゃなくなる。あれだけの演奏ができたのは瀬尾のお陰だし、客観的にもその評価を得るのが供養だと思う」


(『天帝のはしたなき果実』講談社ノベルス版、530頁)

どちらの作品も警察への通報を拒否する生徒が現れ、その理由は、高校生として「重要イベント」のためであるのに間違いない。

2010-09-10

  • 1 -主文原判決及び第1審判決を破棄する。本件を大阪地方裁判所に差し戻す。理由弁護人中道武美の上告趣意のうち,第1点ないし第3点は,憲法37条違反,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であり,被告人本人の上告趣意は,事実誤認の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。しかしながら,所論にかんがみ,職権をもって調査すると,原判決及び第1審判決は,刑訴法411条1号,3号により破棄を免れない。その理由は,以下のとおりである。1本件公訴事実及び争点本件公訴事実の要旨は,被告人は,(1)平成14年4月14日午後3時30分ころから同日午後9時40分ころまでの間に,大阪市平野区所在のマンション(以下「本件マンション」という。)の306号室のB(以下「B」という。)方において,その妻C(当時28歳。以下「C」という。)に対し,殺意をもって,同所にあったナイロン製ひもでその頸部を絞め付けるなどし,よって,そのころ,同所において,同女を頸部圧迫により窒息死させて殺害し,(2)(1)記載の日時場所において,B及びC夫婦長男であるD(当時1歳。以下「D」という。)に対し,殺意をもって,同所浴室の浴槽内の水中にその身体を溺没させるなどし,よって,そのころ,同所において,同児を溺死させて殺害し,(3)本件マンション放火しようと考え,同日午後9時40分ころ,本件マンション306号室のB方6畳間- 2 -において,同所にあった新聞紙,衣類等にライターで火をつけ,その火を同室の壁面,天井等に燃え移らせ,よって,Bらが現に住居として使用する本件マンションのうち上記306号室B方の壁面,天井等を焼損し,もって,同マンションを焼損した,というものである。被告人は,Bが子供のころにその実母E(以下「E」という。)と婚姻し,養父としてBを育て,かつては,同居するEと共に,B家族との交流があったが,Bの借金問題,女性問題等をきっかけに,本件事件当時はB家族と必ずしも良好な関係にあったとはいえず,B家族平成14年2月末に本件マンションに転居した際には,その住所を知らされなかったものである。上記(1)ないし(3)の公訴事実となっている事件は,Bの留守中に発生したもので,火災の消火活動に際してCとDの遺体が発見されたことから発覚し,捜査が進められた結果,同年11月16日に被告人逮捕され,同年12月7日に上記(1),(2)の各事実が,同月29日に上記(3)の事実が起訴された。上記公訴事実につき,検察官は,その指摘する多くの間接事実を総合すれば被告人の犯人性は優に認定できる旨主張し,被告人は,本件事件当日まで,事件現場である本件マンションの場所を知らず,事件当日及びそれ以前を含めて,その敷地内にも立ち入ったことはない,被告人は犯人ではなく無罪である旨主張した。争点は,被告人の犯人性である。2第1審判決第1審判決は,被告人の犯人性を推認させる幾つかの間接事実が証拠上認定できるとした上,これらの各事実が,相互に関連し合ってその信用性を補強し合い,推認力を高めているとして,結局,被告人が本件犯行を犯したことについて合理的な- 3 -疑いをいれない程度に証明がなされているとし,ほぼ上記公訴事実と同じ事実を認定し,被告人無期懲役に処した(検察官求刑死刑)。この間接事実からの推認の過程は,以下のようなものである。(1)被告人は,本件事件当日である平成14年4月14日,仕事休みであり,午後2時過ぎころに自宅を出て,自動車に乗って大阪市平野区方面へ向かい,同日午後10時ころまで同区内ないしその周辺で行動していたことが認められるが,さらに,以下のアないしオを併せ考えると,被告人が,同日に現場である本件マンションに赴いたことを認定することができる。ア本件マンション道路側にある西側階段の1階から2階に至る踊り場の灰皿(以下「本件灰皿」という。)内から,本件事件の翌日にたばこの吸い殻72本が採取されたが,その中に被告人が好んで吸っていた銘柄(ラークスーパーライト)の吸い殻が1本(以下「本件吸い殻」という。)あり,これに付着していた唾液中の細胞DNA型が,被告人の血液のDNA型と一致していること,このDNA型一致の出現頻度は1000万人に2人という極めて低いものであること,本件事件の火災発生後,程なく警察官による現場保存が行われたことなどから,被告人が,本件事件当日あるいはそれまでの間に事件現場である本件マンションに立ち入り,本件灰皿に本件吸い殻を投棄したことが動かし難い事実として認められる。イ本件事件当日午後3時40分ころから午後8時ころまでの間,被告人が当時使用していた自動車と同種・同色の自動車が,本件マンションから北方約100mの地点に駐車されていたと認められる。ウ被告人自身が,捜査段階において,本件事件当日に自己の運転する自動車を同地点に駐車したことを認めていた。- 4 -エ本件事件当日午後3時過ぎないし午後3時半ころまでの間に,本件マンションから北北東約80mに位置するバッティングセンターにおいて,被告人によく似た人物が目撃されたと認められる。オ被告人自身,本件事件当日はBないしB宅を探して平野区内ないしその周辺に自動車で赴いたことを自認しており,これは信用できる。(2)他方,動機面についても,以下のアないしウの点などから,被告人は,本件事件当時,背信的な行為をとり続けるBに対して,怒りを募らせる一方,後記のような自分からの誘いを拒絶した上で,Bと行動を共にし,被告人の立場から見ればBに追随するかのような態度を見せていたCに対しても,同様に憤りの気持ちを抱くようになったことが推認できる。そうすると,Cとの間のやり取りや同女のささいな言動など,何らかの事情をきっかけとして,Cに対して怒りを爆発させてもおかしくない状況があったということができる。そのような事情を有していた被告人が,本件事件当日,犯行現場に赴いたことは,被告人の犯人性を強く推認させるものである。ア平成13年10月1日から同月24日まで,C及びDは,被告人宅で同居生活を送ったが,そのころ,被告人は,Cに対し,恋慕の情を抱いており,性交渉を迫る,抱き付く,キスをするなどの行為に及んだことがあった。イしかし,Cは,被告人からの誘いを拒絶し,被告人宅から被告人に告げることなくBの下へ戻った上,Bと行動を共にするようになり,被告人との接触を避けてきた。ウ被告人は,Bの養父ないし保証人として,Bの借金への対応に追われていたが,Bは,被告人に協力したり,感謝したりすることをせず,無責任かつ不誠実な- 5 -態度をとり続けていた。(3)被告人は,本件事件当日の夕方,朝から仕事に出ていたEを迎えに行く約束をしていたにもかかわらず,特段の事情がないのにその約束をたがえ,C及びDが死亡した可能性が高い時刻ころに自らの携帯電話の電源を切っており,Eに迎えに行けないことをメールで伝えた後,出火時刻の約20分後に至るまでの間同女に連絡をとっていないなど,著しく不自然な点があるが,これらについては,被告人が犯人であると考えれば,合理的な説明が可能であり,得心し得るものである。(4)このほか,被告人の本件事件当日の自身の行動に関する供述は,あいまいで漠然としたものであり,不自然な点が散見される上,不合理な変遷もみられ,全体として信用性が乏しいものであって,被告人は,特段の事情がないのに,同日の行動について合理的説明ができていない点がある。また,Cは,生前,在宅時も施錠し,限られた人間が訪れた際にしかドアを開けようとしなかったこと,本件の犯人が2歳にもならないDを殺害しているのは口封じの可能性が高いこと,犯人が現場放火して徹底的な罪証隠滅工作をしていることなどから,本件犯行は被害者と近しい関係にある者が敢行した可能性が認められる。これらの各事実も,被告人の犯人性を推認させるものである。(5)以上の事実を全体として考察すれば,被告人が本件犯行を犯したことについて合理的な疑いをいれない程度に証明がなされているというべきである。(6)なお,被告人は,本件事件当日に本件マンション敷地内に入って階段を上ったことがある旨認める供述をした被告人平成14年8月17日付け司法警察員に対する供述調書(乙14)について,警察官から激しい暴行を受けたために内容もよく分からないまま署名したと主張するが,同供述調書の供述内容には任意性及- 6 -び信用性が認められ,これによっても,被告人の犯人性が肯定されるという上記判断が更に補強されることになる。3原判決この第1審判決に対し,被告人は,訴訟手続の法令違反,事実誤認を理由に控訴し,検察官は,量刑不当を理由に控訴した。原判決は,被告人控訴趣意のうち,前記司法警察員に対する供述調書(乙14)には任意性がなく,これを採用した第1審の措置が刑訴法322条1項に反しているという訴訟手続の法令違反の主張について,そのような訴訟手続の法令違反があることは認めつつ,事実誤認の主張については,第1審判決の判断がおおむね正当であり,同供述調書を排除しても,被告人が各犯行の犯人であると認めた第1審判決が異なったものになった蓋然性はないのであるから,この訴訟手続の法令違反が判決に影響を及ぼすことの明らかなものとはいえないとした。その上で,検察官の主張する量刑不当の控訴趣意に理由があるとして,第1審判決を破棄し,第1審判決が認定した罪となるべき事実を前提に,被告人死刑に処した。4当裁判所の判断しかしながら,第1審の事実認定に関する判断及びその事実認定を維持した原審の判断は,いずれも是認することができない。すなわち,刑事裁判における有罪の認定に当たっては,合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証が必要であるところ,情況証拠によって事実認定をすべき場合であっても,直接証拠によって事実認定をする場合と比べて立証の程度に差があるわけではないが(最高裁平成19年(あ)第398号同年10月16日第一小法廷決定・刑集61巻7号677頁参照),直接証拠がないのであるから,情況証拠によって認められる間接事実中に,- 7 -被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは,少なくとも説明が極めて困難である)事実関係が含まれていることを要するものというべきである。ところが,本件において認定された間接事実は,以下のとおり,この点を満たすものとは認められず,第1審及び原審において十分な審理が尽くされたとはいい難い。(1)第1審判決による間接事実からの推認は,被告人が,本件事件当日に本件マンションに赴いたという事実を最も大きな根拠とするものである。そして,その事実が認定できるとする理由の中心は,本件灰皿内に遺留されていたたばこの吸い殻に付着した唾液中の細胞DNA型が被告人の血液のそれと一致したという証拠上も是認できる事実からの推認である。このDNA型の一致から,被告人が本件事件当日に本件マンションを訪れたと推認する点について,被告人は,第1審から,自分がC夫婦に対し,自らが使用していた携帯灰皿を渡したことがあり,Cがその携帯灰皿の中に入っていた本件吸い殻を本件灰皿内に捨てた可能性がある旨の反論をしており,控訴趣意においても同様の主張がされていた。原判決は,B方から発見された黒色の金属製の携帯灰皿の中からEが吸ったとみられるショートホープライトの吸い殻が発見されていること,それはCなどが被告人方からその携帯灰皿を持ち出したためと認められること,上記金属製の携帯灰皿のほかにもビニール製の携帯灰皿をCなどが同様に持ち出すなどした可能性があること,本件吸い殻は茶色く変色して汚れていることなどといった,上記被告人の主張を裏付けるような事実関係も認められるとしながら,上記金属携帯灰皿を経由して捨てられた可能性については,Eの吸い殻を残して被告人の吸い殻だけが捨て- 8 -られることは考えられないからその可能性はないとした。また,ビニール携帯灰皿を経由して捨てられた可能性については,ビニール携帯灰皿に入れられた吸い殻は通常押しつぶされた上で灰がまんべんなく付着して汚れるのであるが,本件吸い殻は押しつぶされた形跡もなければ灰がまんべんなく付着しているわけでもないのであり,むしろ,その形状に照らせば,もみ消さないで火のついたまま灰皿などに捨てられてフィルターの部分で自然に消火したものと認められること,茶色く変色している点は,フィルターに唾液が付着して濡れた状態で灰皿の中に落ち込んだ吸い殻であれば,翌日採取されてもこのような状態となるのは自然というべきであることから,その可能性もないとした。しかし,ビニール携帯灰皿に入れられた吸い殻が,常に原判決の説示するような形状になるといえるのか疑問がある上,そもそも本件吸い殻が経由する可能性があった携帯灰皿がビニール製のものであったと限定できる証拠状況でもない(関係証拠によれば,B方からは,箱形で白と青のツートーンの携帯灰皿も発見されており,これはE又は被告人のものであって,Cが持ち帰ったものと認められるところ,所論は,この携帯灰皿から本件吸い殻が捨てられた可能性があると主張している。)。また,変色の点は,本件事件から1か月半余が経過してなされた唾液鑑定の際の写真によれば,本件吸い殻のフィルター部全体が変色しているのであり,これが唾液によるものと考えるのは極めて不自然といわざるを得ない。本件吸い殻は,前記のとおり本件事件の翌日に採取されたものであり,当時撮影された写真において既に茶色っぽく変色していることがうかがわれ,水に濡れるなどの状況がなければ短期間でこのような変色は生じないと考えられるところ,本件灰皿内から本件吸い殻を採取した警察官Fは,本件灰皿内が濡れていたかどうかについて記憶は- 9 -ないが,写真を見る限り湿っているようには見えない旨証言しているから,この変色は,本件吸い殻が捨てられた時期が本件事件当日よりもかなり以前のことであった可能性を示すものとさえいえるところである。この問題点について,原判決の上記説明は採用できず,その他,本件吸い殻の変色を合理的に説明できる根拠は,記録上見当たらない。したがって,上記のような理由で本件吸い殻が携帯灰皿を経由して捨てられたものであるとの可能性を否定した原審の判断は,不合理であるといわざるを得ない(なお,第1審判決が上記可能性を排斥する理由は,原判決も説示するように,やはり採用できないものである。)。そうすると,前記2(1)イ以下の事実の評価いかんにかかわらず,被告人が本件事件当日に本件マンションに赴いたという事実は,これを認定することができない。(2)ところで,本件吸い殻が捨てられていた本件灰皿には前記のとおり多数の吸い殻が存在し,その中にはCが吸っていたたばこと同一の銘柄(マルボロライト金色文字〕)のもの4個も存在した。これらの吸い殻に付着する唾液等からCのDNA型に一致するものが検出されれば,Cが携帯灰皿の中身を本件灰皿内に捨てたことがあった可能性が極めて高くなる。しかし,この点について鑑定等を行ったような証拠は存在しない。また,本件灰皿内での本件吸い殻の位置等の状況も重要であるところ,吸い殻を採取した前記の警察官にもその記憶はないなど,その証拠は十分ではない。検証の際に本件灰皿を撮影した数枚の写真のうち,内容が見えるのは,上ぶたを取り外したところを上から撮った写真1枚のみであるが,これによって本件吸い殻は確認できないし,内容物をすべて取り出して並べた写真も,本件吸い殻であることの確認ができるかどうかという程度の小さなものである。さら- 10 -に,本件吸い殻の変色は上記のとおり大きな問題であり,これに関しては,被告人が本件事件当日に本件吸い殻を捨てたとすれば,そのときから採取までの間に水に濡れる可能性があったかどうかの検討が必要であるところ,これに関してはそもそも捜査自体が十分になされていないことがうかがわれる。前記のとおり,本件吸い殻が被告人によって本件事件当日に捨てられたものであるかどうかは,被告人の犯人性が推認できるかどうかについての最も重要な事実であり,DNA型の一致からの推認について,前記被告人の主張のように具体的に疑問が提起されているのに,第1審及び原審において,審理が尽くされているとはいい難いところである。(3)その上,仮に,被告人が本件事件当日に本件マンションに赴いた事実が認められたとしても,認定されている他の間接事実を加えることによって,被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明できない(あるいは,少なくとも説明が極めて困難である)事実関係が存在するとまでいえるかどうかにも疑問がある。すなわち,第1審判決は,被告人が犯人であることを推認させる間接事実として,上記の吸い殻に関する事実のほか,前記2(2)ないし(4)の事実を掲げているが,例えば,Cを殺害する動機については,Cに対して怒りを爆発させてもおかしくない状況があったというにすぎないものであり,これは殺人の犯行動機として積極的に用いることのできるようなものではない。また,被告人が本件事件当日携帯電話の電源を切っていたことも,他方で本件殺害行為が突発的な犯行であるとされていることに照らせば,それがなぜ被告人の犯行を推認することのできる事情となるのか十分納得できる説明がされているとはいい難い。その他の点を含め,第1審判決が掲げる間接事実のみで被告人を有罪と認定することは,著しく困難であるといわざるを得ない。- 11 -そもそも,このような第1審判決及び原判決がなされたのは,第1審が限られた間接事実のみによって被告人の有罪を認定することが可能と判断し,原審もこれを是認したことによると考えられるのであり,前記の「被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明することができない(あるいは,少なくとも説明が極めて困難である)事実関係」が存在するか否かという観点からの審理が尽くされたとはいい難い。本件事案の重大性からすれば,そのような観点に立った上で,第1審が有罪認定に用いなかったものを含め,他の間接事実についても更に検察官の立証を許し,これらを総合的に検討することが必要である。5結論以上のとおり,本件灰皿内に存在した本件吸い殻が携帯灰皿を経由してCによって捨てられたものであるとの可能性を否定して,被告人が本件事件当日に本件吸い殻を本件灰皿に捨てたとの事実を認定した上で,これを被告人の犯人性推認の中心的事実とし,他の間接事実も加えれば被告人が本件犯行の犯人であることが認定できるとした第1審判決及び同判決に審理不尽も事実誤認もないとしてこれを是認した原判決は,本件吸い殻に関して存在する疑問点を解明せず,かつ,間接事実に関して十分な審理を尽くさずに判断したものといわざるを得ず,その結果事実を誤認した疑いがあり,これが判決に影響を及ぼすことは明らかであって,第1審判決及び原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。よって,弁護人中道武美の上告趣意第4点について判断するまでもなく,刑訴法411条1号,3号により原判決及び第1審判決を破棄し,同法413条本文に従い,更に審理を尽くさせるため,本件を第1審である大阪地方裁判所に差し戻すこととし,裁判官堀籠幸男の反対意見があるほか,裁判官全員一致の意見で,主文の- 12 -とおり判決する。なお,裁判官藤田宙靖,同田原睦夫,同近藤崇晴の各補足意見,裁判官那須弘平の意見がある。裁判官藤田宙靖の補足意見は,次のとおりである。私は,多数意見に賛成するものであるが,本件において被告人を犯人であるとする第一審判決及びこれを支持する原判決の事実認定の方法には,刑事司法の基本を成すとされる推定無罪の原則に照らし重大な疑念を払拭し得ないことについて,以下補足して説明することとしたい。1第一審判決及び原判決が,被告人を本件の犯人であると認定した根拠は,基本的には,以下のような点である。(1)被告人が当日現場マンションに立ち入ったことを証する幾つかの間接証拠が存在すること。(2)被告人被害者らを殺害する動機があったとまでは認定できないが,被害者Cとのやり取りやそのささいな言動をきっかけとして,同人に対し怒りを爆発させてもおかしくはない状況があったこと。(3)第三者の犯行を疑わせる状況は見当たらないこと。(4)被害者らの推定死亡時刻頃における被告人アリバイはなく,また,この点についての被告人供述あいまいであり,不自然な変転等が見られること。(5)これらの事実は,それ自体が直接に被告人が犯人であることを証するものではないが,これらを総合して評価すると,相互に関連し合ってその信用性を補強し合い,推認力を高めていること。しかし,これらの根拠は,以下に見るとおり,いずれも,被告人が犯人であることが合理的な疑いを容れることなく立証されたというには不十分であるというほか- 13 -ないように思われる。2(1)被告人が当日現場マンションに赴いた事実を証するとされる間接事実は,仮にこれらの事実の存在が証明されたとしても,そのいずれもが,公訴事実自体とはかなり距離のある事実であり,いわば間接事実のまた間接事実といった性質のものであるに過ぎない。例えばまず,被告人が当時使用していた車(白色のホンダストリーム)と同種・同色の車が事件発生時刻を挟んだ数時間現場の近くの商店前の路上に長時間にわたって駐車されていたという事実は,必ずしも,被告人が使用していた車そのものが駐車されていたという事実を証するものではない。また,近所のバッティングセンターにおいて被告人ないし被告人とよく似た男が目撃されたという事実についても,そのこと自体は,あくまでも,被告人現場マンションの近くにいたという事実を証するものであるに過ぎない(被告人は,具体的な場所については特定できないものの,当日現場マンションの近くに赴いたこと自体は,必ずしも否定してはいないのである)。このような状況にある以上,上記二つの事実は,当日被告人が犯行現場に赴いたということをより積極的に推測させる証拠がある場合にそれを補強する機能しか持ち得ない筈のものと思われるが,そのような積極的証拠としての役割を持たされているのは,唯一,現場マンションの犯行現場に通じる階段の踊り場の灰皿内から発見されたたばこの吸い殻から,鑑定により被告人のものと一致するDNA型が発見されたという事実である。しかし,多数意見も詳細に指摘するとおり,問題のたばこの吸い殻が,発見された際の状況等に照らして,間違いなく被告人が当日当該灰皿の中に投棄したものと推認できるか否か(被告人の吸い殻が入った携帯灰皿をCが過日同マンションに持ち帰り,本件当日以前にCが当該灰皿に投棄した可能性が- 14 -あるという論旨に対し,そのようなことはおよそあり得ないとまで言えるか)については,少なくともそのように断言することはできないように思われる。以上要するに,上記の各間接事実の存在によって,被告人事件当日現場マンションを訪れたという事実については,その可能性が相当の蓋然性を以て認められること自体は否定できないが,その事実自体を証拠上否定できないとまでいうことはできない。更に,仮にこの事実の存在が認定されたとしても,公訴事実との関係では,(被告人がこの点に関し虚偽の供述をしていることが判明したという事実をも含め)それ自体が一つの間接事実に過ぎないのであって,被告人の有罪認定の根拠としては,未だ強力な証明力を有する事実とまでいうことはできない。(2)犯行の動機につき,第一審判決及び原判決においては,被告人にCを殺害する動機があったとまでいうことはできないにしても,同女との間のやり取りや同女のささいな言動など,何らかの事情をきっかけとして,Cに対して怒りを爆発させてもおかしくない状況があったという事実が,単独ではその推認力には限界はあるものの,被告人の犯人性に関する積極方向の間接事実であると指摘されている。しかし,このように一般的抽象的な状況のみで,当日被告人とCとの間にどのような具体的事実があったのかについておよそ認定されることなく,これを被告人有罪の積極的根拠として用いることについては,疑問を禁じ得ない。すなわち,動機についても,原判決認定に係る事実のみでは,せいぜい,本件犯行の一般的な可能性があることを否定できない(動機があり得ないとは言えない),という程度の証明力しか無いように思われるのである。また,仮にCに対する犯行の動機を,上記のようにその場における突発的な激情ないし憤激(の可能性)に見出すとしても,そこから更に進んで,証拠隠滅目的のために被告人が日頃可愛がっていた(わずか- 15 -1歳10か月に過ぎない)被害者Dの殺害にまで至ったという説明についても,十分な説得力があるものとは言えない。(3)第三者の犯行可能性について第一審判決がこれを否定する根拠は,いずれも,例えば宅配便郵便配達を装った通り魔殺人の可能性を排除するものとして,必ずしも説得的であるとは言えない。なお,本件における捜査のあり方に関しては,本件マンションに立ち入ったことを自供した被告人平成14年8月17日付の供述調書(乙14号証)につき,原判決もまたその任意性を否定せざるを得なかったことに示唆されているとおり,その適法性につき疑念を抱かせる点が無いとは言えないのであって,捜査陣が,捜査の早い段階から被告人が犯人であると決め付けて,その裏付けとなりそうな事実のみを集め,それ以外の事実については関心を持たなかった(切り捨てた)のではないかという上告論旨の指摘も,全く無視することはできないというべきである。(4)被告人の当日の行動についての説明には,極めてあいまいなものがあり,とりわけ,当日立ち寄った場所に関し,一つとして確定的なことを述べていないという点は,大いに不審を抱かせる事実であると言わざるを得ない。しかし,であるからといって,そのこと自体が被告人を犯人と推認させる決定的な事実となるわけではなく,やはり可能性を否定し得ないというだけのことでしかない。また,原判決が重視する,被告人が犯行時刻頃に携帯電話の電源を切っていたという点については,もしこの事実が被告人の本件犯行を裏付ける事実というのであれば,被告人の犯行は計画的なものであり,それが故にこそ前以て電源を切っていた,ということになる筈であると思われるが,本件の犯行が(未必の故意をも含め)予め計画されたものであるとは全く認定されていないのであって,むしろ,上記のように,現- 16 -場におけるCとの接触の中での突発的・偶発的な殺意によるものであると推測されているのである。果たして,そのような犯行状況の下で携帯電話の電源を切るというような冷静な行動に出ることが,容易に想定され得るであろうか。なお,仮にこの事実が,必ずしも被告人の本件犯行そのものではなく,被告人被害者宅を訪れること自体を秘する目的であったことを裏付けるものとして引き合いに出されているのであるとしても,バッテリーの消費をセーブするために携帯電話の電源を一時切るという行為自体は必ずしも奇異な行動とは言えない上,そもそも当日被告人被害者宅を探すために行動していたこと自体は,当初から,特に秘されていたわけではないのであって,それにも拘らず急遽携帯電話の電源を切ることとなったのは何故かについては,第一審及び原審において,なんら明確な認定がされておらず,全ては,被告人が犯人であることを前提とした上での推測に基づくものでしかない。のみならず,仮にそうした事実が認められるとしても,被告人被害者宅を訪れたという事実自体,本件犯行との関係では一つの間接事実としての位置付けを与えられるものでしかないことは,先に見たとおりである。(5)第一審判決及び原判決は,上記の各間接事実について,その一つ一つについては,それだけで被告人有罪の根拠とすることはできないものの,これらを「総合評価」すれば合理的疑いを容れる余地なく被告人有罪が立証されているとする。私もまた,このような推論が一応可能であること自体を否定するものではない。ただ,本件における各間接事実は,その一つ一つを取って見る限り,上記に見たように,さほど強力な根拠として評価し得るものではなく,たばこの吸い殻のDNA型を除いては,むしろ有罪の根拠としては薄弱なものであるとすら言えるのではないかと思われる。本件において認定されている各事実は,上記に見たように,いずれ- 17 -も,被告人が犯人である可能性があることを示すものであって,仮に被告人が犯人であると想定すれば,その多くが矛盾無く説明されるという関係にあることは否定できない。しかし一般に,一定の原因事実を想定すれば様々の事実が矛盾無く説明できるという理由のみによりその原因事実が存在したと断定することが,極めて危険であるということは,改めて指摘するまでもないところであって,そこで得られるのは,本来,その原因事実の存在が仮説として成立し得るというだけのことに過

主文被告人無罪。理由第1本件公訴事実,争点及び当事者の主張の概要1本件公訴事実本件公訴事実は,「被告人は,平成20年10月17日午前1時25分ころ,大阪府茨木市a町b丁目c番d号付近の路上において,歩行中のA(当時28歳)に対し,自転車で追い抜きざまに,背後からその後頭部をハンマー様のもので1回殴打する暴行を加え,よって,同人に加療約1週間の頭部挫創の傷害を負わせた。」というものである(以下,同年中のできごとについては年度を省略する。)。2争点及び当事者の主張弁護人及び被告人は,本件の犯人(以下,単に「犯人」という。)は,被告人ではない旨主張する。したがって,本件の争点は,被告人犯人との同一性である。この点,検察官は,1被害者は,本件犯行の直前に,ジョギング中にすれ違った男を被告人であると識別し,さらに,すれ違った男と犯人とが同一人物であると供述しているから,被告人犯人とが同一人物であると考えられること,2被害者の目撃した犯人の特徴と当時の被告人の特徴とが一致していること,3被告人は本件犯行時刻前後に外出しており,帰宅時刻は犯行現場から帰宅に要する時間と符合していること,4被告人は,本件犯行後,本件に特段の関心を示し,犯人のみしか知り得ない情報を持っていたこと等,被告人犯人であることを肯定する方向の種々の事実があるから,被告人犯人であると認めることができると主張する。これに対し,弁護人は,被害者の前記供述は,観察条件,似顔絵作成過程,選別手続の過程のいずれにも問題があるから信用することはできないし,検察官の主張する被告人犯人性を肯定する方向の事実はいずれも被告人犯人の同一性について十分な推認力を有するとはいえない上,被告人犯人であることと矛盾する方向の事実も存するから,被告人犯人であるとの立証はなされておらず,被告人無罪であると主張する。そこで,以下では,順次,検察官の主張する積極事実について検討を加えたた上,弁護人の主張する消極事実をも検討し,健全社会常識に照らし合理的な疑いを入れない程度に被告人犯人であると認めることができるか検討を進めていく。第2前提となる事実以下の事実は,当事者間に,概ね争いはなく,証拠上,優に認定することができる。1犯人は,10月17日午前1時25分ころ,公訴事実記載の路上を歩行中の被害者の後頭部を,背後から自転車で追い抜きざまに鈍器で殴打した。2被告人は,同日午前零時24分ころ,少なくとも長髪ではない髪型で,太った体型ではなく,白い長袖シャツのすそをズボンから出し,前かごに黒いリュックを入れ,後部荷台に鉄亜鈴を載せた26インチシルバー自転車で自宅マンションを出,午前1時31分ころ,帰宅した。被告人の自宅マンションと本件犯行現場との距離は道なりで約1100メートルであり,通常走行での自転車の所要時間は約四,五分である。第3被害者がすれ違った男と被告人の同一性について1被害者は,犯行に遭った直前にすれ違った不審な男と犯人とが同一人物であると思うが,そのすれ違った男は被告人であったと供述する。被害者は,被告人とは面識がなく,被告人にことさら不利な供述をするような事情は窺われない上,記憶していることと記憶していないことを区別して供述するなど,供述態度も真摯である。しかし,人の顔といった言語化しにくいものに対する観察,記憶の困難性,記憶変容の危険性に照らすと,その観察条件,記憶・選別手続の正確性をさらに慎重に検討する必要がある。2観察条件等の検討の前提となる基本的事実関係被害者の証言,Bの証言,被害者警察官調書(甲5),写真撮影報告書(甲9,32,33),捜査報告書(甲10,36)等の関係証拠によれば,被害者が不審な男を目撃し,すれ違うまでの経緯,目撃状況,目撃後の状況は以下のとおりである。(1)被害者は,10月17日午前1時ころ,日課としているジョギングをするためにめがねを着用して自宅を出発した。被害者は,ジョギングをしながら,本件犯行現場につながるe遊歩道に入って,その遊歩道を北に進み,遊歩道上を約1.4キロメートル進んだ大阪府茨木市f町g番付近(以下,「折り返し地点」という。)で折り返し,今度は遊歩道を南に進んでジョギングを続けた。(2)被害者は,折り返し地点から,南に約43.8メートル進んだ地点で,遊歩道上に自転車にまたがったまま,被害者と正対する方向(北方向)に向かって立っている男の姿を約45メートル前方に認めた。被害者は,深夜の遊歩道に,自転車にまたがったまま立っているという男の様子に加えて,近づくにつれて男の視線を感じてきたので,恐怖感,不信感を強めた。被害者は,男から約11.9メートルの地点で,男と目が合ったが,「ほんの一瞬」で,その男の視線をはずした。その直後,男は,被害者をにらむような目つきのまま,自転車の前かごに入れているバッグの中に手を入れ,まさぐるような仕草をした。それを見た被害者は,男から何かをされると思い,スピードを上げ,男の横を走り抜けた。(3)被害者は,そのまま遊歩道を南に走り続け,不審な男とすれ違った場所から約1キロメートル先にあるh交差点で走るのをやめ,引き続き遊歩道を南方向に歩いた。そうしたところ,h交差点から約200メートル南側の本件犯行場所で前記前提事実1の被害に遭い,その直後,自転車で逃走する犯人を目撃した(犯人の目撃状況等については後述する。)。(4)同日午前2時ころから午前6時ころまでの間,被害者は,茨木警察署事情聴取を受けた。その際作成された供述調書(甲5)には,すれ違った男の特徴について,「メガネをかけた30歳前後男性」としか記載されていない。(5)その後,被害者は,いったん帰宅したが,同日正午ころ,再度警察官から呼び出され,大阪府警本部鑑識課で,犯行に遭った直前にすれ違った男の似顔絵(甲36)を作成した。似顔絵作成の際は,部屋には,似顔絵を描く鑑識課の担当者被害者の二人しかおらず,捜査官は同席していなかった。その際,担当者は,事件の概要は知っていたが,犯人の特徴等についての情報は知らなかった。なお,当該似顔絵について,被害者は,すれ違った男に似ていると供述している。3観察条件等についての検討(1)弁護人は,実況見分調書(甲35)の照度測定結果には疑問が残るし,その結果を前提にしたとしても,被害者がすれ違った男の顔の概要を識別するだけの十分な明るさがあったとはいえない上,その具体的状況に照らしても,被害者がすれ違った男を目撃した際の観察条件は悪く,被害者は男の顔をおよそ認識していなかった旨主張する。確かに,被害者がすれ違った男を目撃した際の現場の明るさは,前記実況見分調書等の関係証拠を前提にしても必ずしも十分なものとはいえないし,その明るさからすると,約11.9メートルという距離も近いとはいえない。また,被害者は,すれ違った男と目を合わせた時間について「ほんの一瞬」であった旨述べており,観察時間に関しても十分とはいい難い。しかし,やや逆光ぎみとはいえ遊歩道上の外灯の灯りや,マンションの居住部分から漏れる灯りがあった上,被害者は,男とすれ違うまでに,遊歩道上を約1.4キロメートル近くに渡ってジョギングし,暗さに目が十分に慣れた状態であったこと,被害者は目撃時,めがねを着用しており,矯正視力は右目1.5,左目1.2であったこと,被害者は,すれ違った男の様子から,その男を不審者として意識し,かつ,その不信感は男に近づくにつれて高まり,男と目が合い,同人の顔を目撃した時点では,男に対する注意力は一定程度高まっていたと認められること,すれ違った男を目撃してから約半日後の時点で,捜査官からの暗示等が認められない状況下で,被害者自身が,すれ違った男に似ていると判断できる似顔絵(甲36)を作成することができたこと等に照らすと,少なくとも,そのような似顔絵に描かれた表情を観察することはできたと考えられる。この点,弁護人は,似顔絵作成の際,警察が,当日に入手した被告人の10年前の写真(甲47)を基に警察官恣意的に誘導した疑いが強いと主張するが,そのような行為は,捜査官にとっても被害者供述の信用性を根底から覆しかねない危険な行為である上,事件発生から半日後の時点で,捜査官の中でそのような行為をしなければならないほど被告人に対する捜査官の容疑が高まっていたとまでは考えにくいことからすると,本件捜査担当したB刑事が証言するように,本件においては,そのような事実は認められない。そして,作成された似顔絵は,被告人と似ているところもあり,そのような似顔絵存在は,すれ違った男は被告人であったとする被害者の識別供述を補強するものといえる。(2)しかし ながら,前述したように, 被害者がす れ違 った 男を目撃 した 際の,明るさ,距離,観察時間のいずれの点についても十分とはいえない状況に鑑みると,目撃した際に被害者記憶された男の像は,多分に細部が捨象された,全体的な印象といった面が強いように考えられる。そのことは,被害者が再三にわたり,にらみつけるような目が印象に残っていると供述していることからも窺えるところである。したがって,似顔絵やそれによって補強された被害者の識別供述の証拠価値検討する際には慎重な姿勢が必要である。なお,この似顔絵作成されたことで,被害者は,見知らぬ男の顔の特徴という言語化しにくい記憶を外部に固定化することができ,既知性のない人物の顔に関する記憶時間と共に減退していく危険をそれなりに回避することができたと同時に,すれ違った男の顔に関する被害者記憶は,その後は,似顔絵の顔と入れ替わってしまっている危険もあるという点に留意する必要がある。4次に,被害者が,写真面割り等を経て,犯行に遭った直前にすれ違った男を被告人であると同定していく選別手続等について検討する。(1)被害者は,12月2日に至って,それぞれ18枚の顔写真が貼付された2冊の異なる写真面割台帳(甲61,62)を示され,一見した風貌の趣がやや異なる2枚の被告人写真を,いずれもすれ違った男であるとして選別した。たしかに,これら写真面割台帳に貼付された被告人顔写真は,もともとめがねを掛けていない被告人顔写真に,前記似顔絵に描かれためがねの特徴とよく似ためがねの画像を合成して作成されたものであるから,被告人顔写真にのみ,被害者がすれ違った男の固有の情報が付加されているものであった点で,問題があることは否定できない。しかし,いずれの写真面割台帳も,被告人以外の人物の掛けているめがねが全て,似顔絵に描かれているめがねと大きく異なるというものではない。また,年齢,顔の輪郭,髪型等の,めがね以外の特徴についても被告人のみが特徴的に浮かび上がってしまうような人物の写真が選択されていたものではなく,それぞれに貼付された18枚の写真全体を見た場合に,前記の合成部分は,被告人顔写真を選別する際に,暗示,誘導となるほど特異なものではない。また,被害者が選別した2枚の被告人写真は,1枚が2年ほど前のもの(甲61),もう1枚が10年ほど前のもの(甲62)と撮影時期が異なり,同年齢の人物としては,一見した風貌はやや異なるようにも見える。被害者が,このような2枚の被告人写真を,いずれもすれ違った男として選別していることは,実際に目撃した者でなければ分からない固有の特徴を被害者が把握しているからと考えることもできる。さらに,被害者は,選別の際に,被告人写真を見てぴんときたが,実際に答えを出すまでには時間をかけたと証言しており,この点は,被害者写真選別に対する慎重さの表れであるといえる。そして,目撃から選別手続までかなりの期間が経過しているものの,前記のとおり,似顔絵作成したことで,被害者は,時間の経過に伴う記憶の減退をある程度回避することができている。これらの事情に照らすと,被害者が,慎重な姿勢をもって手続に臨み,結果として,2冊の写真面割台帳から,それぞれ撮影時期の異なる被告人顔写真をすれ違った男として選別したことは,識別供述の信用性を考える上で,一定の重要意味があるということができる。(2)しかしながら,すれ違った男を目撃してから,写真面割りによる選別手続まで46日も経過しており,いかに似顔絵作成により,記憶の減退をある程度回避できていたとはいえ,やはり,相当に記憶が減退・変容していた可能性は否定できない。また,似顔絵として固定化されたすれ違った男の顔は,それほど個性的な顔ではなく,似顔絵との類似も,人物の同一性を特段に高める要素とはならない。加えて,その選別内容を検討すると,被害者は,「2年前の写真(甲61)よりも,10年前の写真(甲62)の方が,すれ違った男に似ている。」旨供述しているところ,10年前の写真は,年齢的に若い印象を受ける写真であり(なお,この顔写真は,ややあごを引いた感じでにらみつけるような目つきをしており,同じ写真面割台帳の他の写真比較し,やや個性的である。),前記似顔絵の人物も,それなりに若い年代想像させる表情であって,犯行時の被告人の年齢と必ずしも整合するものでもない。前述したとおり,被害者記憶されたすれ違った男の像は,多分に全体的な印象といった側面が強いこと等にも鑑みると,これらの写真面割台帳に基づいて,すれ違った男を被告人と識別した点は,それ単独で,すれ違った男を被告人であると認定できるほどの強い証拠価値が認められるものではなく,それなりに似ていたという程度で評価するのが相当である。5顔以外の特徴の共通点被害者は,公判廷において,すれ違った男の顔以外の特徴について,「黒色に見えるリュックのようなバッグが入った黒色の前かごのついた自転車にまたがっており,やせ型で,長袖シャツを着ていた。」と供述している。本件当日の外出時及び帰宅時における被告人の特徴は,前記前提事実2のとおりであり,自転車の前かごにリュックを入れ,長袖シャツを着,少なくとも太った体型ではなかったという点で,被告人とすれ違った男との間には共通性が認められる。もっとも,これらの共通点は,いずれも特段珍しいものではなく,これらの特徴に共通性が認められることをもって,前記2ないし4の検討に基づく被害者の識別供述の信用性の程度を格段に高めるものではない。第4すれ違った男と犯人の同一性について被害者は,「すれ違った男と犯人人間的な雰囲気は似ていたし,深夜で,この男を目撃してから被害に遭うまですれ違った人物はなかったことから,すれ違った男と犯人は同一人物であったと思う。」旨供述しているのでこの点について検討する。被害者がすれ違った男を目撃した地点から,本件犯行現場までの距離は,約1.2キロメートルであり,被害者がすれ違った男を目撃してから,本件犯行までは約5分程度の時間が経過している。また,犯行現場を含め,被害者ジョギングをしていた遊歩道は,木立に囲まれ外部からの見通しはよくないとはいえ,他の道路からの進入路もあり,周囲と遮断するような構造物もない。他方,本件犯行時刻は,10月中旬の平日の深夜午前1時25分ころという人通りの少ない時間帯であり,実際に,被害者が当日にジョギング中に遊歩道上で出会った人物は,すれ違った男以外には,ジョギング中の男性一人であった。また,被害者供述によれば,少なくとも,すれ違った男と犯人には,自転車に乗り,長袖シャツを着,長くも短くもない髪型でやせ型であるという共通点があり,正面からと背後からの目撃という違いはあれ,被害者は,両者の人物としての雰囲気が似ていたと認識できたというのであるから,すれ違った男と犯人とが同一人物である蓋然性は,それなりに高いということができる。もっとも,前述のとおり,すれ違った場所と犯行現場の距離や,現場が誰もが自由に通行できる遊歩道であることを考えると,この状況のみから,すれ違った男と犯人とが同一人物であると断定することはできない。第5被告人犯人との特徴の共通点について1被害者は,犯人の特徴について,公判廷において,「白い長そでシャツを着て,長ズボンをはいていた。シャツのすそは出ていた。髪型は,長くもなく,短くもなく,ちょっとぼさっとしたような感じで,体格は,やせ型だった。自転車は,26インチぐらいの大きさで,後部に荷台がついており,泥よけの色はシルバーだった。」と供述している。そして,前記前提事実2のとおり,被告人は,当時,少なくとも長髪ではなく,白色の長袖シャツを着て,シャツのすそをズボンから出した状態であり,26インチの後部に荷台のついたシルバー自転車を引いていた。また,被害者は,被告人の自宅マンションエレベーターホールエレベーター内のビデオに映った被告人の後ろ姿を見て,後ろ髪やシャツがよく似ていると証言している。このように,被害者公判廷で供述する犯人の特徴と被告人の特徴の共通点は,それなりに具体的なものとなっている。しかし,観察条件について検討すると,被害者は,犯人を目撃した際の状況について,「後頭部を殴打された後,犯人を追いかけようと走り出したが,すぐに,殴打された衝撃でめがねが外れていたことに気づいた。そこで,落ちためがねを取りに 戻って掛け直 し,再 び犯人を追いかけながら犯人を目撃し たが,首筋に血が流れていることに気づいたことから,二,三歩で,追いかける意欲をなくし,犯人を見失った。犯人を目撃していた時間は,数秒だった。」旨供述している。被害者裸眼視力は両目とも0.1であり,犯人の特徴に関する被害者供述は,もっぱらめがねをかけ直した後の目撃に依拠するところ,写真撮影報告書(甲31)等の関係証拠によれば,その時点では,被害者犯人とは少なくとも約25.6メートルは離れていたと認められる。犯行現場付近には外灯が設置されており,ある程度の灯りがあったことは認められるものの,そのような距離に照らすと,やはり明るさは十分とはいい難い。また,殴打された直後に犯人を追いかけようとしながらの目撃であり,ある程度の注意力を持って目撃したとはいえ,負傷に気づいたことから短時間で追いかけるのをやめ犯人から目を離していることからすると,客観・主観の両面において観察条件は良好とはいえない。2次に,被害者供述経過について検討すると,被告人逮捕されるまでに作成 さ れ た 被 害 者 の 供 述 調 書 ( 被 害 直 後 に 作 成 さ れ た 供 述 調 書 ( 甲 5 ) を 含む。)には,いずれにも,犯人シャツ自転車の色についての記載はなく,髪型についても,短髪でも長髪でもない髪型程度の記載しかない。その後,被告人逮捕された当日の12月5日及び同月10日に至って,被害者は初めて,本件当日に被告人が自宅マンションを外出し,帰宅する際に写されたエレベーター防犯カメラ映像写真捜査官より見せられた。12月10日に前記被告人映像写真を見せられた際には,被害者は,被告人の後ろ髪や体型が犯人によく似ていると供述し,さらに,被告人に対する実面割(白色のシャツを着用し,シルバー自転車に乗った状態で行われたもの。)等が行われた12月17日には,犯人シャツの色は黒っぽいよりは白っぽい色だったと思うと供述するに至っている。このような供述経過について,被害者は,犯人シャツの色が全体として白系統であったというのは当初から記憶として持っていたと証言し,さらに,犯人の特徴について,警察官にできる限り供述して供述調書にしてもらったと証言しているが,前述したように,エレベーター防犯カメラ映像写真を見るまでに作成された被害者供述調書には,犯人シャツの色について具体的な記載がない。犯人シャツ自転車の色については,必ずしも似顔絵作成等により記憶固定化されたとはいえないことを考えると,被害者は,エレベーター防犯カメラに写された被告人映像写真等を見せられたこと等によって,無意識のうちに,その際に得られた情報がすり込まれ,被害者の目撃時の記憶とその後に得られた情報とが混濁している可能性が少なからずあり,時間の経過とともに内容が付加されている特徴部分については,被害者犯人を目撃した当時の記憶と同じであることには疑問が残る。他方,犯行直後に作成された供述調書に記載のある点に関しては,記憶の減退,変容を来している可能性は低く,また,そこに記載されている内容程度であれば,前記の観察条件でも目撃することは十分可能であったといってよく,変遷のない部分については信用性が認められる。3以上のとおり,被害者の証言のうち,犯人の特徴として信用できる部分は,「犯人は,やせた体格,短髪でも長髪でもない髪型であり,長袖シャツを着て,シャツの後ろのすそをズボンから出していた。犯人の乗っていた自転車の後部には荷台がついていた。」という部分であり,被告人も,その限度では,その特徴を満たしていると認められる。もっとも,これらの特徴は,いずれも特段際立った特徴というわけではなく,これらの特徴の一致は,それのみで被告人犯人性を強く推認させるような大きな意味を持つ事実とはいえない。第6被告人の本件後の行動について検察官は,1本件で使用された凶器ハンマー様のものと考えられるが,被告人は成傷可能なハンマーを所持していた上,未だ凶器について「鈍器」としか報道されていない時期に,被告人は,インターネットで「茨木ハンマー」という単語検索をしており,犯人しか知り得ない 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2009-11-21

書類送検」についてまだまだ誤解が多い

のはマスコミのせいだな半分以上は、と思ってるわけだけど。

「~の容疑で書類送検」みたいなニュースを見て、「何か警察犯罪と認定したんだな」って受け取ってる人、多いよね。

ときどき、逮捕とごっちゃにしてるコメントすら見かける。

違うよ。全然違うよ。

書類送検」って、会社でたとえたら、「稟議書を営業部から役員会に回付しました」みたいなのと同類だってば。

しかも、その営業部長は、自分のところで稟議を揉み消す権限がない。

自分が受け取った稟議書は、全件、自分のハンコを押して役員会(の担当役員の秘書)に届けなきゃいけない。

稟議を通すか却下するかは、全部役員会で決める。

警察は、「立件」(うんたら被疑事件、として事件番号をつけてリストに登録すること)したら、全件、検察に「送致」しなきゃいけない。

これ勝手に揉み消せない。だって法律にそう書いてあるから。(刑訴法の条文は各自当たられたし)

だから、警察で、「うーん、見込みアリと思って捜査してはみたけど、やっぱこれ無罪だわ。てへ」って判断しても、検察にお届けしないといけない。

微罪処分っていう例外はあるけどね。知らなくなくない?みんなググれーコピれー)

そもそも、「送検」(法律用語じゃなくマスコミ用語だけど)には、2種類ある。身柄送検と書類送検

どちらも「事件」を「検察送致する」こと。

身柄事件の場合は、逮捕されてるから、被疑者の身柄と事件記録(録りたてホヤホヤ供述調書等)が一緒に警察から検察に送られる。

しかも逮捕48時間タイムリミットがあるから、だいたい逮捕ニュースの翌日に「きょう送検」って報道

一方、在宅事件の場合、送検のタイムリミットはない。というとウソか。時効はあるけどね。何にしても、ゆったりたっぷりのんびり捜査してる。で、証拠が固まったところで、「送検」する。

在宅事件の場合警察には書類しかない。被疑者ふつうに生活してる。だから、在宅事件では、書類だけ検察に送る。

で、起訴するかどうかは、全部、検察で判断する。

「こんな事件で『書類送検』するなんて、○○県警ひでえ!」みたいな意見がいかにヘンかってこと。

じゃーなんでそういう誤解がマスコミのせいだと思うかというと。

警察は、送検の際には、「送致意見」てのをつける。「これは不起訴でしょうね」「できれば起訴きぼん」「不起訴ダメ。ゼッタイ」とか。

でもねー。マスコミがそこまでちゃんと警察から聞き出して記事にしてないことが多い。多すぎる。故意か過失か知らんけど。

そして、「本日、○○容疑者が~罪の容疑で書類送検」ってだけ報道する。

明らかに不起訴が見込まれ、送致している当の県警でも不起訴が妥当だと思ってるような事件でも、「不起訴見込み」ってことをちゃんと伝えないのがほとんど。

ま、「書類送検」のニュースにはそれだけ裏があるんだから、刑訴法を一から勉強しろとは言わないが、犯罪報道に興味がある奴はリテラシーを磨いてマスコミに釣られないように気をつけなってこった。

んで、そんなこた言われなくたって分かってらいっていう奴は、誤解してる奴にどんどん教えてやれ。やさしくな。

【追記20091121】

ブクマが伸びてるようだしブコメに応答

id:koganei_hyogo 話をややこしくするものとして、(微罪処分にはできないはずの事件について)警察が「立件見送り」をすることがある。なぜか被疑者警察官のときによく見られる現象。

ナイス派生。実際に刑事事件化する価値のない揉め事は多いから、裁量が適切に行使されてる分には問題ないんだが、まあ裁量あるところに不正汚職あり。あと、告訴告発の不受理なんかも、同じく「立件」防止の措置だあね。

id:mfigure 全くのシロでも警察にかかったら、社会から抹殺されてしまうんやねorz

警察は粛々とやってるだけ。8:2か9:1で、「社会から抹殺」される下地を作ってる責任マスコミにあるというのが私見なんだぜ

(1割か2割は警察も悪いとするのは、無罪推定に沿うような送致意見だったら積極的にマスコミに開示しろよ、と言いたいので)

id:Gl17 容疑者てのは犯罪と確定してないから容疑なんだが、ソレで無闇騒ぐから既に「=犯罪者感覚だもんな。

裁判員制度発足を前に、報道各社(特に新聞)がガイドライン作ったはずなんだけどな。埼玉鳥取詐欺女に続いて市橋で完全に視聴者ニーズを背景に吹っ切れたみたいだな。連日気持ちよさそうだ、連中。

id:sichimin 決闘した中学生のことか。

それもあります。でもぞうさんのほうがもっとあります。

id:kenken610 たぶん、逮捕されてなければ基本的に「容疑者」は使わないと思う。

正確な指摘thx。これはうっかり。在宅事件の場合は肩書で報道してるのが一般的なのを失念してました。「~の容疑で△△会社の○○男性社長(48)を書類送検」とかに読み替えplease.

id:MAXjeep つまり書類送検って「悪いことかもしれないから判断してねっ」って渡すことなのかな。

ちょっとニュアンスが違うかも。もっと機械的・事務的な処理。

警察担当者も、自分仕事はさっさと仕上げないと評価に響くわけで。

被疑者本人や目撃者、関係者事情聴取それから実況見分や必要なリサーチヒアリングなんかをしたうえで、検察官に「こんじゃわかんねーよ。補充捜査よろしく」とか言われないくらいに頑張って証拠を揃えて、検察に事件記録の束を送り届けて、やっと一段落

「悪いことかもしれないから判断してねっ」というより、「遅くなり申し訳ございません。ご査収ください。(まあ俺的にはこんくらいが妥当と思ってるぜ、って意見は一応書いて送るけど)貴殿のご判断にお任せいたします」っていうほうが近い?

【さらに追記】

kazutaka_ueyama そもそも判決が確定するまでクロと決めちゃ駄目なのは、身柄送検だって同じでしょ。なんかこれだと逮捕案件犯罪確定でOKと読解できてしまう。

一体どこを根拠に「逮捕案件犯罪確定でOK」なる解釈が出てくるんだか。んでこんなクズコメに☆つけるのまでいるんだか。

id:kazutaka_ueyama氏のブコメはまともなことも書いてるのもちらほら見かけてはいたが、この程度の知ったかクンだったとはね。

 
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