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はてなキーワード: 准教授とは

2019-09-09

MITメディアラボ資金不正処理に関するスプツニ子先生声明(雑訳)

スプツニ子先生は、東京大学准教授兼、東京藝術大学准教授MITメディアラボ所長である伊藤穣一氏が性犯罪者からの資金調達で不正処理を行っていたとき、同ラボ助教だった。伊藤穣一氏司会のNHK Eテレスーパープレゼンテーション共演者を2年間務めた。

https://www.instagram.com/p/B2IeLrZjkjU/

メディアラボジェフリーエプスタインがかかわっていたことを知り、悲しくなりました。そういった人から寄付は決して受けるべきではありません。エプスタインが犯した罪の被害者に対する悲しみが私の心を締め付けます

優れた同僚と過ごした4年間は、私に多大な良い影響を与えました。そして、ラボにおける情熱創造文化に対する敬意を育んでいました。

すべての必要調査が行われることを望むとともに、求められれば、必ず前向きに調査に協力します。こういった過ちは決して繰り返されてはいけません。そして、私の心は被害者の皆さんとともにあります

2019年9月8日 尾崎優美

2019-08-03

今こそ韓国出身日本大学等で教鞭を執る韓国人教授(准教授など)が語る時だ。この増田で。

日本韓国両方から視点で何が問題なのか。着地点はどうなるのか。

韓国人としての率直な気持ち日本に在住して見る韓国はどうか、日本はどうか。

ありのまま書いて欲しいのです。

2019-08-01

anond:20190801161129

ごくごく真面目に、分かっているであろうことを承知で書くけれど、日本でも、アカデミックな職でそんなにひょいっとパーマネントなんて無理。准教授でもテンポラリーが多いのに。俺としては、もし今目前に口が得られそうなら、それがテンポラリーでもそこに身を置くべき、あと海外で職があるならそっちに行った方がいい、ということ。この国のアカデミック未来は、ポストにおいても予算においても正直暗いよ。こういう状況では、結局は(本来はそれを排除する為の諸々のシステムであった筈なのに)コネとかが効力を発揮してしまったりしかねない。

でもな、そういうテンポラリー渡り生活であっても、子供育てて幸せそうな人ってちゃん存在するのよ。研究者楽天的でなければならないものだけど、それは配偶者においてもあてはまる。常に安定を志向したら、そりゃあ綱に乗るな、で話が終わるしな。その辺はちゃんと話しておくことをお薦めするよ。

2019-07-23

Design of Communityのひとつ、シルーバー人材センターを使ってみた印象

”新しい家族の形”とは全く言えないが、社会全体で子育てをしていこう!という取り組みのひとつとして、シルバー人材センター個人的には挙げられる考えている。ここではその内容と、実際に自身が使ってみた感想、より良いものにするために足りないものが何か、個人意見を述べる。

⒈はじめに

 東京大学大学院講義「問いを立てるデザイン」(尾崎マリサ准教授)内でシェアオフィスRYOZAN PARK(https://www.ryozanpark.com)を経営する竹沢徳剛さんの話を聞いた。RYOZAN PARKは、「働く」「学ぶ」「暮らす」「育てる」の新しい形を提案するシェアコミュニティとして活動しているとのことだが、「さすがは東京!色々おもしろそうなのがあるな!」と言うのが率直な感想で、身近にあれば是非参加してみたいと強く思う・・・。と言いつつ、地方暮らし企業勤めの人間には無理だなぁ、というのが正直な感想である若い人が羨ましい。

 我が家共働きで、仕事が忙しい時に夕方二人の子供をどちらが迎えに行くかや、保育園の休園時に子供の面倒をどうやって見るか、という問題によく直面する。現状、妻に代償を払ってもらうことが多くて大変心苦しいのだが、お互いどうしても都合がつかないときは、シルバー人材センターにお願いして、子供を預かってもらっている。以下では、このシルバー人材センター概要と、実際にお願いした結果感じた点について述べる。個人的には、このシステムを上手く回すことが、今後の日本高齢化社会を支える上でのひとつキーになるのではないかと考えている。

2.シルバー人材センターとは

 シルバー人材センターとは、簡単に言ってしまうと、高齢者人材仕事をお願いする場所である。私の住む茨城県では、つくば市http://www.tsukuba-sjc.or.jp)の場合、「高年齢者が持つ豊富経験技術を活かし、働くことを通じて生きがいを高め、社会参加し、活力ある地域社会づくりに役立つこと」を目的とした団体とのことである。頼むことのできる仕事の内容を見ると、事務作業植木剪定など、多岐にわたる業務を依頼できるようである。色々お願いできるわけではあるが、ここでは講義テーマである家族の形”とリンクする「子育て支援」についてピックアップする。

3.シルバー人材センターの子育て支援

 子育て支援に関しては、主に下記のような活動をしている。

保育所幼稚園の迎え及び帰宅後のお預かり

子ども習い事等の場合の援助

保護者等の短時間臨時的就労場合の援助

保護者等の外出の場合の援助

保育所学校等が休みときの援助

保護者の産褥期の援助

実際に子供を預ける際は、市の子育て支援センターに預ける場合、面倒を見てくれる高齢者の家庭に預ける場合など色々と選べるようである

 このセンター活動の良い点は、子供を預けたい親と、そのサポートをしたい高齢者双方のニーズマッチする点にある。我々親の側は比較的安く預けることができることに加え、上手くいけばいつも同じ方に子供を預けられるので、子供も親も安心して頼むことができる。一方高齢者の側も、仕事を続けられる、社会とのつながりを維持し貢献できるので、皆楽しそうに働かれている印象である(話をすると楽しそう)。

4.実際に使ってみた印象

 我が家では、市の子育て支援センター子供半日預け、その間は高齢者の方々に子供の面倒を見てもらうことが何度かあった。実際に活用してみて、良かったなと思う点と微妙だなと思った点は、主に下記のような点であった。

■良かった点

 ・希望して都合が合えば以前利用した時と同じ方を選べるので、親も子供安心

 ・子供1〜2人に一人ついてくれるので、保育園よりも目が行き届いている様子

 ・子育て支援センターイベントごと(外部のパフォーマーステージが見られる、など)に参加できる

 ・安い

微妙だった点

 ・週末は満員で受け入れNGのことがある(人気がある)

 ・高齢者個々人の育児思想垣間見えることがあり、少し微妙空気になることがある

 ・面倒を見てくれる人の当たり外れ(プロでないから当然だが)

これらは個人感想ですが、どの家庭でも概ね似たような感想を抱くと思っている。時間内はしっかりと面倒を見てくれる点では大変ありがたい反面、育児思想の点が少し難しく、個々人色々とポリシーがあるため、大変面倒臭い

5.まとめと提言

 ここでは、地域社会全体で子育て支援するという観点で、シルバー人材センターの子育て支援に関して述べた。この支援の形は昔からあるはず(つくば市平成3年設立)で、なんら新しいスタイルではない。とはいえシルバー人材センターが掲げている思想は、RYOZAN PARKの思想のうち、「育てる」の観点では殆ど同じではないかと思う(金銭が発生している点ではもしかしたら違うかもしれません)。じゃあ何が違うのか、と考えると、その一つは働いている人たちの間での”哲学の共有”ではないでしょうか。社会をどうしたい、この子供達をどう育てたい、といった哲学がRYOZAN PARKにはあって、シルバー人材センターにはない。逆に言うと、哲学を共有できるシルバー人材センターができれば、もっと多くの人が使うはずだし、それこそ大きなビジネスになると思われる。

 高齢者の方々はこれまでの経験から様々な知を有しているはずで、子育てに関しても多くの経験をもっているはずである。ここに今の我々が考える哲学思想を加えてあげられれば、きっと地方でも良いコミュニティが作れるのではないかと考える。

以上

2019-07-22

「Design of Family」のための国の助成制度

生殖医療の現状について、現行の制度がどのようになっているか調査してみました。自身が30代半ばの社会人という観点から、調べた感想講義の内容を含めて述べます

1.はじめに

 私の住む茨城県の県北地域は、常陸太田市の様に子育て支援の充実度をPRする自治体が多い印象です。

http://www.city.hitachiota.ibaraki.jp/data/settle/16/ )

実際、私自身は子供が二人いるので、いばらきKidsカードhttps://www.kids.pref.ibaraki.jp)のようなサービス存在は、非常にありがたいと思っていますファミリーレストラン子供用のジュースサービスされる程度ではありますが、あるとないとでは大違い。ジュースがあれば子供は泣き止みます

 これらはあくまで、産まれた後の話です。では、その前の段階である妊娠出産に関してはどうなのか。子育て支援大事ですが、子供が産まれないことには始まりません。ということで、妊娠出産に関して、国がどのような制度を設けているのか、また、自治体がどのような考えを持っているのか、調査してみようと思いました。特に今回は、東京大学大学院講義「問いを立てるデザイン」(尾崎マリサ准教授)内で生殖医療の現状に関して講義を受けた後ということもあり、不妊治療に関して掘り下げることとしました。

2.不妊治療制度

 茨城県不妊治療助成事業に関する説明は、いばらき結婚子育てポータルサイト記載がありました。( http://www.kids.pref.ibaraki.jp/kids/birth01_1_1/xs=_.RoYzvWEN82T/

上記ウェブサイトによると、

対象となる治療

体外受精,顕微授精

体外受精・顕微授精の治療ステージ助成対象範囲

http://www.kids.pref.ibaraki.jp/~kids/kosodate/birth/birth01_1/stage.pdf

助成内容

(1)助成限度額

  1回目:30万円

  2回目以降:20万円

  男性不妊治療を行った場合上記+初回30万円(以降20万円)

(2)助成回数

  初回申請時の妻の年齢が39歳まで:通算6回

  40〜42歳まで:通算3回

  ※43歳以降に開始した場合助成対象

対象

以下の全ての要件に該当している方が対象

(1)治療開始時に法律上婚姻をしているご夫婦で、夫又は妻のいずれか一方が県内に住所を有すること

(2)治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満であること

(3)申請日の前年(申請日が1月から5月場合は前々年)の夫婦合算の所得額が730万円未満であること

(4)茨城県指定する医療機関において実施した治療であること

申請手続

治療終了から60日以内(治療終了とは、妊娠または医師の判定による)

指定医療期間

茨城県10箇所(水戸市内2箇所、つくば市内3箇所)

市町村不妊治療助成事業

茨城県では各自治体も独自助成を行っています

http://www.kids.pref.ibaraki.jp/~kids/kosodate/birth/birth01_1/2019hunintiryouhijyoseijigyou.pdf

3.所感

 不妊治療制度のもの厚生労働省主導の事業なので全国共通と思われるが、調べて一番驚いた点は、所得額の観点から共働きで夫・妻ともにバリバリ働いているような家庭は、助成が想定されていないという事実です。また、講義中でも述べられていた通り、助成を受けられるのは、結婚している場合のみであり、同性のパートナーのようなケースはそもそも想定されていないことがわかります

 上限年齢を見ると、講義でも述べられていたリミットの44歳前後対象上限となっていますしかし、妻の側の年齢上限が設定されているにも関わらず、男性側の年齢上限が特に規定されていない点も、講義を聴いた後だからこそ、違和感を覚える点です。講義で述べられていた値をそのまま書くと、不妊の原因の4割が男性起因とのことで、その一因が女性の側と同じ年齢にあることは容易に想像できます

 一方で、助成対象範囲内に胚凍結が含まれていることから若いうちに予め卵子精子を凍結し、その数年後に不妊治療を受ける、といった形は、選択可能な様です(結婚していることが前提な様だが)。

 日本はこれから人口が減るわけですし、出産子育て問題は、これから日本社会をどう構成していくかを考えるうえで大きな課題個人的には考えています。将来、自分の子供たちに負担を強いることになるわけですし、それは避けてあげたい、と親なら誰しも思うはずです。幸い、私の住む茨城県の県北地域は、保育園の数も多く待機児童が少ない印象で、共働き家庭にも子育てがしやすい印象です。物価も安いですし。

「問いを立てるデザイン」内の主要なテーマひとつであった“多様性(この場合は多様な家族)に寛容な社会”のためにも、もう少し多くの人が取り入れられる助成制度に変わっていくといいなというのが、今回制度を調べた後に感じる正直な感想です。

以上

2019-05-19

大学院 (特に博士課程) 進学を考えるとき研究室選びのTIPS 1

タイトル通り、大学院進学希望者が、進学先を決める際にした方がよいこと、すべきことについて助言を書いた。

既に巷に溢れている記事ではあるが、様々なところで進学先の失敗談を聞いて、改めて書こうと思った。主に博士進学を考えているもの念頭に書いたが、修士就職する人にも参考になるかもしれない。

当方現在ポスドクで、大学院時代はそこそこ上手くやってきた方であるとは思っている。もちろん、相応の努力はしたが、それだけではない。上手くいった大部分は指導教員、ひいては研究室選びで良いスタートを切れたことによるのだが、修士課程に上がった当時は、右も左もわからず、たまたま見つけた研究室に進んだ。つまり、運が良かったのである

今だからこそわかることもある。また、諸所で指導教員とのトラブルの話を聞いていると「それは下調べさえしていれば避けられていた・・・」と感じることが多い。

そこで、大学院特に博士進学まで見据えて考えている人に、今自分学部4年、あるいは修士2年次であればこうするであろうというTipsを述べたい。

当然、部分的には当たり前であったり、逆に分野によって文化の異なるところもあるかもしれない。なので、納得のいく箇所があれば適宜参考にしてもらえれば幸いだ。

研究室を探す

まずは自身の関心のある分野の研究室を探さないと始まらない。研究室の探し方は人それぞれで、どうしてもその時々の巡り合わせに左右されてしまう。なので、ここでは私の経験を書く。

私の場合学部研究室テーマからは変える予定であった。具体的ではないにせよ、方向性を決めたのは学部3年生の頃で、大学にその分野の研究室がなかったのだった。仕方がないので、その分野で有名と思しき研究室を調べ、いくつか候補とした。

候補となる研究室は、学部時代指導教員に当該分野のある大学を聞いたり、学外の研究会に出席することで知った。また、見学に行った先の教員から教えてもらうこともあった。ようはとにかく、行動することだ。

ただ、私の場合は、結局最終的に行き着いたのは学部2年生の頃受講した講義で知った研究者だったので、この点は運がよかったとしか言いようがない。

学会などは、学部生が無料場合もある。絶好の機会なので参加するとよい。学会にいけば、シンポジウムで当該分野で目立っている研究者の顔ぶれを知ることもできるし、ポスター発表会場で直に会って、実働隊として研究をしている大学院生やポスドクと会話することもできる。「知識もないのに聞いても迷惑ではないのか」と不安かもしれないが、心配はいらない。大部分の研究者は、意欲的な学部生が聞いてくれることを喜んでくれる。邪険に扱ってくる者がいれば、その人の問題なので、気にしなくてよい。

研究室見学にいく

研究室見学には必ずいった方よい。大学院説明会というのもあるが、可能であれば個別アポを取って見学にいく方おすすめだ。そちらの方が平常運行状態研究室を見ることができるし、個人的質問相談ができるチャンスが多いからだ。

多くの研究者研究室大学ウェブページ自身メールアドレスを公開している。そこからコンタクトを取ればよい。大抵の場合は、返信をくれる。メールを書く際には、件名に「研究室見学のお願い」と、要件を必ず書くこと。

メール文章例を載せる。この例以外にも、「研究室見学 メール」などとググれば文例はいくらでも出てくるので、自身に合った書き方を真似つつ、丁寧かつ、要件が明快なメールを送ろう。

ポイントとしては

  • 簡潔に「進学先を探しているので見学をしたい」という要点を書く
  • 何に興味がありコンタクトを取っているのかをごくごく短く書く
  • 名前所属記載するのは忘れないように

といったところだ。

例1

————————————————————————————

○○先生

お忙しい中、突然のメール失礼します。

hogehoge大学hoge学部hoge年の○○と申します。

私は大学院進学志望でhogehogeに興味があり,○○先生研究室見学したくメールをさせていただきました。

もしお時間があれば研究室訪問させていただきたいのですがいかがでしょうか。ご連絡お持ちしております

[ここに名前]

hogehoge大学hoge学部

[ここにメールアドレス]

————————————————————————————

例2

————————————————————————————

○○ 先生

突然のご連絡失礼いたします。

hogehoge大学hoge学部hoge年の○○と申します。

○○先生研究室を~~~~~~~~~~をきっかけに知り、是非見学させていただきたく、メール差し上げました。

私は現在~~~[現在の状況]~~~~~で、進学先の進路を模索している最中にあります

それを考えるにあたり、○○先生現在のご関心や今後の展望について一度伺いたいと思うに至りました。

つきましては、入試などでお忙しい中大変恐縮ではありますが、2, 3月中に訪問時間をいただけませんでしょうか。

どうぞよろしくお願い申し上げます

[ここに名前]

————————————————————————————

修士学生ならともかく、学部生は教員メールを送って見学にいくのは、(他大学だと特に) ハードルが高いかもしれない。しかし、繰り返しになるが、研究室見学には絶対にいくべきだ。相手無駄時間を取らせてしまうかもしれないと恐縮する気持ちもわかるが、大学院に進めばあなたは少なくとも2年、場合によっては5年かそれ以上の時間をそこで費やすのだから

さて、首尾よく研究室見学に行けたとする。何を話し、聞くべきか。こちから聞かずとも、概ね先方が紹介してくれると思うが、必須な項目を述べておきたい。

・目下の研究について聞く

研究室は大きくなればテーマが多様であることも多いし、先端の分野であるほど研究流行り廃りは激しい。従って、未来指導教員が今、現在、何に関心があるのかは率直に聞くべきだ。

とはいえ、下調べは忘れずにしておくの忘れないように。具体的には、見学にいく研究室の直近の論文には目を通しておこう。目安としては、最低5年分はざっと読んでおくとよい。全部理解できなくてもよい。むしろ理解しきれなくても「面白い」と思えればそれを実際に会ったときにぶつければ会話が弾む。これを面倒に感じるなら、そもそもその研究室あなたに合った場所なのか考え直すべきだ。

実際に会って話すときは、回りくどい言い方はしなくて構わない。ストレートに聞きたいことを聞けばよい。

最近論文、例えば去年のhogehoge掲載された研究は○○についてでしたが、今後もそのテーマ継続されるのでしょうか?」

「今後5年間では、どのような題材を扱おうとお考えでしょうか?」

「まだ実現していなくとも、先生自身が今後着手したいテーマや注目している現象などがあればお聞かせください」

など。

この手の質問への回答が、あなた琴線に触れるかどうかが一番大事だ。指導教員自分明後日の方向を向いている状態博士課程を生きるのはかなりつらい。「乗るしかない、このビッグウェーブに!」と思えることがまず重要なのだ

研究テーマ相談する

自分がその研究室に進んだとしたら、どういうことをやりたいのか、興味がどこにあるのかを伝えよう。相手あなたが何者で、何をしたくて来ているのかわからない以上、何を話せば楽しんでくれるのか探り探りなのだ博士課程に進むつもりなら、その旨も伝えた方がよい。

興味関心を伝えれば、何を話せばいいのかも明瞭になるし、場合によっては「それを扱うことができない」ときっぱり伝えてくれて時間無駄にしなくて済むかもしれない。

そうであっても、場合によっては当該分野の研究者を紹介してくれる可能性もある。相手業界人なのだ。頼りまくって構わない。私自身、それで別の研究室見学に行かせてもらったことがある。

特にまだやりたいことが明確でない場合、そう伝えればよい。ただ「○○を面白いと思った」といった、どの辺りに関心を持って見学に来ているのかは伝えよう。テーマを決めかねているのを恥ずかしく思う必要はない。多くの教員は「一緒に考えていけばいい」「今日見せたものなら何が面白かった?」「実は君が面白いと言ってくれた○○は今後こうしようかと思っていて・・・」と話を広げてくれるだろう。

余談だが、実を言うと、具体的なテーマが決まっていない方が受け入れ側からすると「楽」場合もある。なぜなら、学部修士学生が独力で思いつくテーマは大抵面白くないのが現実であるからだ。なので、「こういう方向に興味があるが、具体的にはまだわからない」くらいの方が楽しく議論しながら研究を具体化できるので、指導する側からすると気が楽であったりする。最悪なのは絶対にこれをやりたい」と熱意にあふれているが、そのアイデアがつまらない学生だ。下手に折ると熱意が萎えしまいかねないが、そのまま受け入れると研究リソース無駄になってしまう恐れがある。そのため、気を遣いながら方向修正していく必要があるからだ。

設備について質問する

研究には設備必要だ。自分のやりたいことがある程度決まっている場合必要設備も自ずと定まってくる。それが研究室にあるかどうかは、確認した方がよいに決まっている。マウス研究室ショウジョウバエ研究をしたいと言っても苦笑いされるのが関の山だろう。

また、使いたい設備がわかると、そこから指導教員と会話が広がる可能性もある。どういう方法論に興味があるかがそれで伝わるためだ。

自分が使うかもしれない設備については、研究室の人数に対して適正な規模になっているのかを見ておくとよいかもしれない。例えば解剖スペースが学生数に対して小さすぎると、なかなか自分が使えないといった事態もありうるかもしれない。これは数年の生活では結構ストレスになるので、快適に仕事ができるかどうかは十分に見ておくとよい。

また、実験設備以外にも、共用の院生室などの充実具合も確認しておいた方がよい。

作業机は個人ごとにあるのか、共用であれば十分な広さであるか。私の知っているところだと、二人で一つの机を共用で、曜日ごとに融通し合わなければいけないところがある。キャンパスに通うモチベーションがガクッと下がるのは言うまでもない。

さらに驚くべきことに、ゼミ資料印刷費が自費という研究室存在する。学費を払って大学院に来て、さらに雑費まで払わされるのだ。

余談だが、私はコーヒーが好きなので、研究室に上等なコーヒーマシンが置いてあったのはかなりQOLを高めてくれた。

とにかく、見学した際に、自分がそこで生活するイメージが湧くか考えてみよう。

収入事情

博士院生金銭に頓着しない人間が多いが、生きていくだけの金銭が確保できるのかはよくよく検討した方がよい。金銭というのは、あまり多くても心理学的な幸福を増加させてくれないが、ないと一瞬で人を鬱にしてしまうのだ。

学振が取れればそれでいいが、問題修士課程と、博士学振取れなかった場合だ。

具体的には奨学金RA (research assistant)、TA (teaching assistant)、学費免除制度について尋ねよう。研究室によってはRA学費実質的にタダであったり、そもそも博士課程に学費がかからないところもある。

一方で、無償TAやらせたり、年々あれこれ理由をつけて学費をジリジリと上げている研究科も、私は知っている。

博士課程であれば、学生非常勤講師をどうの程度しているのかを聞いてみるのもよいだろう。ツテがあれば、非常勤の枠を斡旋してもらえ、収入源となるだけでなく教育もつく。

また、日本学生支援機構奨学金は通常ただの学生ローンであるが、大学院生かつ、一種 (利子なし) の場合免除制度がある。その研究室ではどの程度通っているのか聞いてみるとよいだろう。

これらのことも、率直に聞けばよい。

学費について不安なのでお尋ねしたいです」

奨学金はどの程度取れるものですか」

RATA制度はありますか」

非常勤講師の枠などはありますか」

のように。

教員現在ポジション

興味がある教員肩書きが「准教授である場合博士号の主査になれないことが多い。

その場合、通常は名目上、その研究科の別の教授主査になってもらうことになる。その際に不利益が生じることがある。

例えば

真っ当な良心を持っている人には何を言っているのかわからねー部分もあると思うが、私にもわからない。とにかく、現実にあるのだ。

ただ、そのようなことがないか確認するのは、入学前だと極めて困難であるのが実情だ。

少なくとも、そこの准教授学生がきちんと学位取得まで学生を育てているのかはよくよく確認した方がよい。

大学事務システム

これは博士で、特に学振DCを取る人向け。大学によっては研究費の執行システムがかなり厳格なことがある。研究不正をなくすためという高邁な精神は清く、正しいのだが、その結果大部分の研究者にとってはただただ煩雑であることも少なくない。将来的にDCを狙う場合は、聞いておいて損はないだろう。

まぁ、「事務研究者にsupportiveですか?」とか。学生が聞いてきたらちょっと気味が悪いかもしれないが。

研究室雰囲気はどうか

研究室雰囲気というのは面白いもので、実際に脚を運べば必ず漂っている。アクティブ研究室は活気に溢れているし、停滞している研究室には淀んだ空気が流れている。学生が働いている様子を見れば、自分がそこに加わりたいか、実感を持って考えることができるだろう。

気の利く教員なら向こうから所属している大学院生を紹介してくれる。そうでなくとも見学に行った際には「所属している大学院生と話がしたい」という旨を伝えるとよい。よっぽど後ろめたいことがない限りは、快諾してくれるはずだ。

https://anond.hatelabo.jp/20190519202053 に続く

2019-05-17

anond:20190516073418

ベビーカーに対する増田ブコメ感想見てると、完全に経済学最近言われてる通りの構図になっちゃってるな。

公共心に働きかけても聞いてくれないとなると、どうしたらいいんだろう。

2019-05-04

anond:20190504123204

田舎っぽいし元はその辺の野良猫とかじゃねーの。

こういう人ってブコメで出てる猫島とかも叩くんだろうな。

島民も研究してる准教授野良猫百匹が勝手繁殖しまくってるのを放置してるわけだし。

全部人間が厳密に管理すれば満足なのかね。

anond:20190503224440

https://www.j-cast.com/2017/11/24314586.html?p=all

山根准教授「(野生のヤマネコから)人のそばで暮らすようになった猫は、数が増えた結果、オスたちは求愛する順番を決める掟を作りました。すると繁殖できない、あぶれオスが増えて子殺しの脅威が高まりました。それに対抗するため、メスたちは協同保育を編み出しました。オスも自分父親場合には我が子を守るために戦う行動をとるようになったと考えられます。これは猫の進化です」


面白い

2019-04-14

anond:20190413114026

女子学生の置かれている現実

その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう。が、しかし、昨年、東京医科大不正入試問題が発覚し、女子学生浪人生差別があることが判明しました。文科省が全国81の医科大・医学部の全数調査実施したところ、女子学生の入りにくさ、すなわち女子学生合格率に対する男子学生合格率は平均1.2倍と出ました。問題の東医大は1.29、最高が順天堂大の1.67、上位には昭和大、日本大慶応大などの私学が並んでいます。1.0よりも低い、すなわち女子学生の方が入りやす大学には鳥取大、島根大、徳島大、弘前大などの地方国立大医学部が並んでいます。ちなみに東京大学理科3類は1.03、平均よりは低いですが1.0よりは高い、この数字をどう読み解けばよいでしょうか。
ソースはここhttp://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/10/1409128_002_1.pdfで、六年間の推移が1.17→0.76→1.31→0.95→1.04→1.04でその平均が1.03なので仮説検定をすれば有意でない、すなわち平等とわかる数値なんですが、なんでこんなに持って回った言い方するの?

↑ 「統計的有意でない」というのは「差がない(=平等)」という意味ではありません。

統計大事です、それをもとに考察が成り立つのですから
↑こっちのセリフだわ

意味不明

女子学生男子学生より合格しにくいのは、男子受験生の成績の方がよいからでしょうか?全国医学部調査結果を公表した文科省担当者が、こんなコメントを述べています。「男子優位の学部学科は他に見当たらず、理工系文系女子が優位な場合が多い」。ということは、医学部を除く他学部では、女子の入りにくさは1以下であること、医学部が1を越えていることには、なんらかの説明が要ることを意味します。
↑ここまでの話をまとめると、私立医学部ではどうやら不正入試が行われているが東大では医学部はじめ全ての科類で平等入試が行われている。ということなんですが、これはもはや私大医学部問題(もちろん背景にもっと大きな差別問題はあるのだろうが)で、東大入学式祝辞の一発目に持ってくる話題としては不適当では?

↑「医学部とそれ以外の学部女子の入りにくさに差があるというのには、何らかの原因があるのではないか」ということ。「背景にもっと大きな差別問題はある」からこそこの祝辞東大入学式にふさわしい。

事実、各種のデータが、
↑ここ統計データを示せよ。なんで女子差別されてる話は具体的な数字しまくったのに女子が優れている話は具体的な数字さないんだよ。

↑「女子男子より優れている」とは言っていない。「女子合格率が男子のそれより低いのは、女子男子より劣っているから」ではないと言っている。

女子受験生偏差値の方が男子受験生より高いことを証明しています。まず第1に女子学生浪人を避けるために余裕を持って受験先を決める傾向があります。第2に東京大学入学者の女性比率は長期にわたって「2割の壁」を越えません。今年度に至っては18.1%と前年度を下回りました。統計的には偏差値正規分布に男女差はありませんから
↑これどういう意味だよ。偏差値の平均は女子の方が上ってさっきお前が言ったんだろ。

↑ここは僕も意味がよくわからなかった。

男子学生以上に優秀な女子学生東大受験していることになります
↑まあ偏差値が高い順に受験していたらそうだよね。

↑そうですね。

第3に、4年制大学進学率そのもの性別によるギャップがあります2016年度の学校基本調査によれば4年制大学進学率は男子55.6%、女子48.2%と7ポイントもの差があります。この差は成績の差ではありません。「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別の結果です。
↑なんで親の性差別って断言してるんだよ。統計どこ行ったんだよ。

↑確かにから調査結果を引用してほしかった。

↑並列された三つの主張から導き出される結論は何だよ。ちゃんと言えよ。
↑ここは僕も意味がよくわからなかった。
↑てか普通に考えたら 第一女子安全志向 第三:親が性差別している を要因として 第二:東京大学入学者の女性比率が二割以下 が発生してるって話になるだろ。なんで並列なんだよ<<
↑確かに
最近ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんが日本を訪れて「女子教育」の必要性を訴えました。それはパキスタンにとっては重要だが、日本には無関係でしょうか。「どうせ女の子だし」「しょせん女の子から」と水をかけ、足を引っ張ることを、aspirationのcooling downすなわち意欲の冷却効果と言います。マララさんのお父さんは、「どうやって娘を育てたか」と訊かれて、「娘の翼を折らないようにしてきた」と答えました。そのとおり、多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきたのです。
↑「娘の翼を折らないようにしてきた」という父親の事例を挙げて得られる結論がどうして「多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきた」なんだよ。

↑「多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきた」はつまり「翼を折られなければ羽ばたけたはずだった」ということ。

その一例としてマララさんとその父親教育方針を挙げた。

そうやって
↑どうやって?
東大に頑張って進学した男女学生を待っているのは、どんな環境でしょうか。他大学との合コン合同コンパ)で東大男子学生はもてます
↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?

↑突然も何も、祝辞最初から女子学生男子学生一般化して取り扱ってきたでしょう。
性差別批判する文脈では当然です。

とは言え「東大男子学生がもてる」という言い方も差別的だというのはそうだと思います。「イカ東」みたいな言葉もありましたし。

東大女子学生からはこんな話を聞きました。「キミ、どこの大学?」と訊かれたら、「東京、の、大学...」と答えるのだそうです。なぜかといえば「東大」といえば、退かれるから、だそうです。なぜ男子学生東大であることに誇りが持てるのに、
↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?

女子学生は答えに躊躇するのでしょうか。
↑突然女子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?
なぜなら、男性価値と成績のよさは一致しているのに、
↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?
女性価値と成績のよさとのあいだには、ねじれがあるからです。
↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?
女子子どもときからかわいい」ことを期待されます。ところで「かわいい」とはどんな価値でしょうか?愛される、選ばれる、守ってもらえる価値には、相手絶対におびやかさないという保証が含まれています。だから女子は、自分が成績がいいことや、東大であることを隠そうとするのです。
↑突然女子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?
東大工学部大学院の男子学生5人が、私大女子学生集団性的凌辱した事件がありました。加害者男子学生は3人が退学、2人が停学処分を受けました。この事件モデルにして姫野カオルコさんという作家が『彼女頭が悪いから』という小説を書き、昨年それをテーマ学内シンポジウムが開かれました。「彼女頭が悪いから」というのは、取り調べの過程で、実際に加害者男子学生が口にしたコトバだそうです。この作品を読めば、東大男子学生社会からどんな目で見られているかがわかります
↑どんな目で見られてるかちゃんと言えよ。マイナスイメージ持たれてることはわかるが、それが実情に反して不当ということなレイプ事件の話持ち出す意味がわからないし、そのイメージが正しいと言いたい(文脈的にこっち)ならそれは性への圧だろ。<<

東大男子学生は「他大の女は頭が悪い」と思っていそうってことでしょう。ここの部分で何を言いたいのかは僕もよくわかりませんでした。

東大には今でも東大女子実質的に入れず、他大学女子のみに参加を認める男子サークルがあると聞きました。
男子サークルって書き方からして完全に男子悪者にしてるけど他大学女子競争相手を減らすために東大女子を入れないようにしてる可能だってあるだろ。性差別か?お?

↑実情を知らないようですが、そんなことはありません。東大女子が入れないようにしているのは東大男子です。

わたし学生だった半世紀前にも同じようなサークルがありました。それが半世紀後の今日も続いているとは驚きです。この3月東京大学男女共同参画担当理事・副学長名で、女子学生排除は「東大憲章」が唱える平等理念に反すると警告を発しました。

これまであなたたちが過ごしてきた学校は、タテマエ平等社会でした。偏差値競争に男女別はありません。ですが、大学に入る時点ですでに隠れた性差別が始まっています社会に出れば、もっとからさまな性差別が横行しています東京大学もまた、残念ながらその例のひとつです。

学部においておよそ20%の女子学生比率は、大学院になると修士課程で25%、博士課程で30.7%になります。その先、研究職となると、助教女性比率は18.2、准教授11.6、教授職で7.8%と低下します。これは国会議員女性比率より低い数字です。女性学部長・研究科長は15人のうち1人、歴代総長には女性はいません。

↑その原因が東大内の性差別という意味?だったらこんな時代性が交絡するようなデータじゃだめだよね?

↑なぜ?差別とはすなわち時代性でしょう。

↑これを祝辞で喋る意図が明確になるように主張のギャップを埋めて欲しい。

東大オフィシャルな場で東大批判をするのがいいんでしょう。「東大合格おめでとう!東大万歳」なんて祝辞気持ち悪すぎます

女性学のパイオニアとして

こういうことを研究する学問が40年前に生まれました。女性学という学問です。のちにジェンダー研究と呼ばれるようになりました。私が学生だったころ、女性学という学問はこの世にありませんでした。なかったから、作りました女性学は大学の外で生まれて、大学の中に参入しました。4半世紀前、私が東京大学に赴任したとき、私は文学部で3人目の女性教員でした。そして女性学を教壇で教える立場に立ちました。女性学を始めてみたら、世の中は解かれていない謎だらけでした。どうして男は仕事で女は家事、って決まっているの?主婦ってなあに、何する人?ナプキンタンポンがなかった時代には、月経用品は何を使っていたの?
↑これ普通に気になるな

↑確かに

日本の歴史に同性愛はいたの?...誰も調べたことがなかったから、先行研究というものがありません。ですから何をやってもその分野のパイオニア、第1人者になれたのです。今日東京大学では、主婦研究でも、少女マンガ研究でもセクシュアリティ研究でも学位がとれますが、それは私たちが新しい分野に取り組んで、闘ってきたからです。
↑後述の話を先取りするけどお前のは恵まれ環境のおかげじゃなくて努力の成果なのかよ。

↑第1人者を自称しているんですから、そうなんじゃないですか?

そして私を突き動かしてきたのは、あくことな好奇心と、社会の不公正に対する怒りでした。

学問にもベンチャーがあります。衰退していく学問に対して、あたらしく勃興していく学問があります女性学はベンチャーでした。女性学にかぎらず、環境学、情報学障害学などさまざまな新しい分野が生まれました。時代の変化がそれを求めたからです。

変化と多様性に拓かれた大学

言っておきますが、東京大学は変化と多様性に拓かれた大学です。わたしのような者を採用し、この場に立たせたことがその証です。東大には、国立大学初の在日韓国人教授姜尚中さんもいましたし、国立大学初の高卒教授安藤忠雄さんもいました。また盲ろうあ三重障害者である教授福島智さんもいらっしゃいます

あなたたちは選抜されてここに来ました。東大生ひとりあたりにかかる国費負担は年間500万円と言われています。これから4年間すばらしい教育学習環境あなたたちを待っています。そのすばらしさは、ここで教えた経験のある私が請け合います

あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会あなたたちを待っています

↑冒頭で不正がある話したの私立医学部だけだろ。

私立医学部入試不正なんて差別の一例に過ぎないってことでしょう。

そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。
↑そこ断言するの流石に祝辞としてダメだろ。毒親から逃げて東大来たやついるけどそいつにこれ言えんの?

↑「がんばっただけでは報われなかった。まわりの人や環境感謝しましょう」ということでしょう。こういう趣旨祝辞わりとよく聞きませんか?

あと毒親から逃げてきた人もいるかもしれませんが、ごく少数でしょう。この祝辞最初から最後まで「大多数の」東大生に言及しています

あなたたちが今日「がんばったら報われる」思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。
↑これはまあそういう意見もあるよね。

↑そうですね。

世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます
↑だからなんだよ。ここから得られる教訓って何?

↑そういう人たちを助けてやれってことだよ!

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれ環境と恵まれ能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。
↑恵まれない人を助けることに繋がらない学問やっちゃいけないの?ブラックホール撮影しちゃだめ?ニュートリノ観測しちゃだめ?

↑そんなことは言ってないでしょう。ここでは「恵まれない人々を助けるための学問をやれ」ということではなく、どんな(分野に進もうとも)周りにいる恵まれない人々のことを慮る人間になれということです。たとえブラックホールニュートリノ研究しようとも。

そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者強者になりたいという思想ではありません。フェミニズム弱者弱者のままで尊重されることを求める思想です。
↑「環境能力に恵まれ東大新入生はそれを恵まれない人々(=弱者)を助けるために使いましょう。」と述べた後で「弱さを認め生きましょう、フェミニズム弱者弱者のまま尊重されることを求めます。」と締めるの、結局東大生に弱者であって欲しいのか弱者を助ける存在であって欲しいのかが見えてこない。弱者を助ける存在もまた弱者で、だから他の弱者に助けてもらいましょう。ということなのかな?全員弱者なら女子受験生の話をした意味は?

東大生には弱者もいるし恵まれ人間もいるということでしょう。またある面では恵まれていても、別のある面では弱者ということでしょう。

↑まずこの Permalink | 記事への反応(1) | 15:59

2019-04-13

現役東大生だが上野千鶴子祝辞ゴミだと思う

女子学生の置かれている現実

その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう。が、しかし、昨年、東京医科大不正入試問題が発覚し、女子学生浪人生差別があることが判明しました。文科省が全国81の医科大・医学部の全数調査実施したところ、女子学生の入りにくさ、すなわち女子学生合格率に対する男子学生合格率は平均1.2倍と出ました。問題の東医大は1.29、最高が順天堂大の1.67、上位には昭和大、日本大慶応大などの私学が並んでいます。1.0よりも低い、すなわち女子学生の方が入りやす大学には鳥取大、島根大、徳島大、弘前大などの地方国立大医学部が並んでいます。ちなみに東京大学理科3類は1.03、平均よりは低いですが1.0よりは高い、この数字をどう読み解けばよいでしょうか。

ソースはここhttp://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/10/1409128_002_1.pdfで、六年間の推移が1.17→0.76→1.31→0.95→1.04→1.04でその平均が1.03なので仮説検定をすれば有意でない、すなわち平等とわかる数値なんですが、なんでこんなに持って回った言い方するの?

統計大事です、それをもとに考察が成り立つのですから

↑こっちのセリフだわ

女子学生男子学生より合格しにくいのは、男子受験生の成績の方がよいからでしょうか?全国医学部調査結果を公表した文科省担当者が、こんなコメントを述べています。「男子優位の学部学科は他に見当たらず、理工系文系女子が優位な場合が多い」。ということは、医学部を除く他学部では、女子の入りにくさは1以下であること、医学部が1を越えていることには、なんらかの説明が要ることを意味します。

↑ここまでの話をまとめると、私立医学部ではどうやら不正入試が行われているが東大では医学部はじめ全ての科類で平等入試が行われている。ということなんですが、これはもはや私大医学部問題(もちろん背景にもっと大きな差別問題はあるのだろうが)で、東大入学式祝辞の一発目に持ってくる話題としては不適当では?

事実、各種のデータが、

↑ここ統計データを示せよ。なんで女子差別されてる話は具体的な数字しまくったのに女子が優れている話は具体的な数字さないんだよ。

女子受験生偏差値の方が男子受験生より高いことを証明しています。まず第1に女子学生浪人を避けるために余裕を持って受験先を決める傾向があります。第2に東京大学入学者の女性比率は長期にわたって「2割の壁」を越えません。今年度に至っては18.1%と前年度を下回りました。統計的には偏差値正規分布に男女差はありませんから

↑これどういう意味だよ。偏差値の平均は女子の方が上ってさっきお前が言ったんだろ。

男子学生以上に優秀な女子学生東大受験していることになります

↑まあ偏差値が高い順に受験していたらそうだよね。

第3に、4年制大学進学率そのもの性別によるギャップがあります2016年度の学校基本調査によれば4年制大学進学率は男子55.6%、女子48.2%と7ポイントもの差があります。この差は成績の差ではありません。「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別の結果です。

↑なんで親の性差別って断言してるんだよ。統計どこ行ったんだよ。

↑並列された三つの主張から導き出される結論は何だよ。ちゃんと言えよ。

↑てか普通に考えたら 第一女子安全志向 第三:親が性差別している を要因として 第二:東京大学入学者の女性比率が二割以下 が発生してるって話になるだろ。なんで並列なんだよ

最近ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんが日本を訪れて「女子教育」の必要性を訴えました。それはパキスタンにとっては重要だが、日本には無関係でしょうか。「どうせ女の子だし」「しょせん女の子から」と水をかけ、足を引っ張ることを、aspirationのcooling downすなわち意欲の冷却効果と言います。マララさんのお父さんは、「どうやって娘を育てたか」と訊かれて、「娘の翼を折らないようにしてきた」と答えました。そのとおり、多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきたのです。

↑「娘の翼を折らないようにしてきた」という父親の事例を挙げて得られる結論がどうして「多くの娘たちは、子どもなら誰でも持っている翼を折られてきた」なんだよ。

そうやって

↑どうやって?

東大に頑張って進学した男女学生を待っているのは、どんな環境でしょうか。他大学との合コン合同コンパ)で東大男子学生はもてます

↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?


東大女子学生からはこんな話を聞きました。「キミ、どこの大学?」と訊かれたら、「東京、の、大学...」と答えるのだそうです。なぜかといえば「東大」といえば、退かれるから、だそうです。なぜ男子学生東大であることに誇りが持てるのに、

↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?


女子学生は答えに躊躇するのでしょうか。

↑突然女子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?

なぜなら、男性価値と成績のよさは一致しているのに、

↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?

女性価値と成績のよさとのあいだには、ねじれがあるからです。

↑突然男子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?

女子子どもときからかわいい」ことを期待されます。ところで「かわいい」とはどんな価値でしょうか?愛される、選ばれる、守ってもらえる価値には、相手絶対におびやかさないという保証が含まれています。だから女子は、自分が成績がいいことや、東大であることを隠そうとするのです。

↑突然女子学生を画一化したなお前。性差別って知ってるか?

東大工学部大学院の男子学生5人が、私大女子学生集団性的凌辱した事件がありました。加害者男子学生は3人が退学、2人が停学処分を受けました。この事件モデルにして姫野カオルコさんという作家が『彼女頭が悪いから』という小説を書き、昨年それをテーマ学内シンポジウムが開かれました。「彼女頭が悪いから」というのは、取り調べの過程で、実際に加害者男子学生が口にしたコトバだそうです。この作品を読めば、東大男子学生社会からどんな目で見られているかがわかります

↑どんな目で見られてるかちゃんと言えよ。マイナスイメージ持たれてることはわかるが、それが実情に反して不当ということなレイプ事件の話持ち出す意味がわからないし、そのイメージが正しいと言いたい(文脈的にこっち)ならそれは性への圧だろ。

東大には今でも東大女子実質的に入れず、他大学女子のみに参加を認める男子サークルがあると聞きました。

男子サークルって書き方からして完全に男子悪者にしてるけど他大学女子競争相手を減らすために東大女子を入れないようにしてる可能だってあるだろ。性差別か?お?

わたし学生だった半世紀前にも同じようなサークルがありました。それが半世紀後の今日も続いているとは驚きです。この3月東京大学男女共同参画担当理事・副学長名で、女子学生排除は「東大憲章」が唱える平等理念に反すると警告を発しました。
これまであなたたちが過ごしてきた学校は、タテマエ平等社会でした。偏差値競争に男女別はありません。ですが、大学に入る時点ですでに隠れた性差別が始まっています社会に出れば、もっとからさまな性差別が横行しています東京大学もまた、残念ながらその例のひとつです。
学部においておよそ20%の女子学生比率は、大学院になると修士課程で25%、博士課程で30.7%になります。その先、研究職となると、助教女性比率は18.2、准教授11.6、教授職で7.8%と低下します。これは国会議員女性比率より低い数字です。女性学部長・研究科長は15人のうち1人、歴代総長には女性はいません。

↑その原因が東大内の性差別という意味?だったらこんな時代性が交絡するようなデータじゃだめだよね?

↑これを祝辞で喋る意図が明確になるように主張のギャップを埋めて欲しい。

女性学のパイオニアとして

こういうことを研究する学問が40年前に生まれました。女性学という学問です。のちにジェンダー研究と呼ばれるようになりました。私が学生だったころ、女性学という学問はこの世にありませんでした。なかったから、作りました女性学は大学の外で生まれて、大学の中に参入しました。4半世紀前、私が東京大学に赴任したとき、私は文学部で3人目の女性教員でした。そして女性学を教壇で教える立場に立ちました。女性学を始めてみたら、世の中は解かれていない謎だらけでした。どうして男は仕事で女は家事、って決まっているの?主婦ってなあに、何する人?ナプキンタンポンがなかった時代には、月経用品は何を使っていたの?

↑これ普通に気になるな

日本の歴史に同性愛はいたの?...誰も調べたことがなかったから、先行研究というものがありません。ですから何をやってもその分野のパイオニア、第1人者になれたのです。今日東京大学では、主婦研究でも、少女マンガ研究でもセクシュアリティ研究でも学位がとれますが、それは私たちが新しい分野に取り組んで、闘ってきたからです。

↑後述の話を先取りするけどお前のは恵まれ環境のおかげじゃなくて努力の成果なのかよ。

そして私を突き動かしてきたのは、あくことな好奇心と、社会の不公正に対する怒りでした。
学問にもベンチャーがあります。衰退していく学問に対して、あたらしく勃興していく学問があります女性学はベンチャーでした。女性学にかぎらず、環境学、情報学障害学などさまざまな新しい分野が生まれました。時代の変化がそれを求めたからです。

変化と多様性に拓かれた大学

言っておきますが、東京大学は変化と多様性に拓かれた大学です。わたしのような者を採用し、この場に立たせたことがその証です。東大には、国立大学初の在日韓国人教授姜尚中さんもいましたし、国立大学初の高卒教授安藤忠雄さんもいました。また盲ろうあ三重障害者である教授福島智さんもいらっしゃいます
あなたたちは選抜されてここに来ました。東大生ひとりあたりにかかる国費負担は年間500万円と言われています。これから4年間すばらしい教育学習環境あなたたちを待っています。そのすばらしさは、ここで教えた経験のある私が請け合います
あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会あなたたちを待っています

↑冒頭で不正がある話したの私立医学部だけだろ。

そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。

↑そこ断言するの流石に祝辞としてダメだろ。毒親から逃げて東大来たやついるけどそいつにこれ言えんの?

あなたたちが今日「がんばったら報われる」思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。

↑これはまあそういう意見もあるよね。

世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます

↑だからなんだよ。ここから得られる教訓って何?

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれ環境と恵まれ能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。

↑恵まれない人を助けることに繋がらない学問やっちゃいけないの?ブラックホール撮影しちゃだめ?ニュートリノ観測しちゃだめ?

そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者強者になりたいという思想ではありません。フェミニズム弱者弱者のままで尊重されることを求める思想です。

↑「環境能力に恵まれ東大新入生はそれを恵まれない人々(=弱者)を助けるために使いましょう。」と述べた後で「弱さを認め生きましょう、フェミニズム弱者弱者のまま尊重されることを求めます。」と締めるの、結局東大生に弱者であって欲しいのか弱者を助ける存在であって欲しいのかが見えてこない。弱者を助ける存在もまた弱者で、だから他の弱者に助けてもらいましょう。ということなのかな?全員弱者なら女子受験生の話をした意味は?

↑まずこの弱者って特に女性を指してるの?だとすれば女性は謂れなき差別を受けていてそのために被害を受けているという話だったよね?てことは女性は謂れなき差別を受けたままで尊重されるべきってこと?意味不明じゃない?

東京大学で学ぶ価値

あなた方を待ち受けているのは、これまでのセオリーが当てはまらない、予測不可能な未知の世界です。これまであなた方は正解のある知を求めてきました。これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。学内多様性がなぜ必要かと言えば、新しい価値とはシステムシステムあいだ、異文化が摩擦するところに生まれからです。学内にとどまる必要はありません。東大には海外留学国際交流国内地域課題解決に関わる活動サポートする仕組みもあります。未知を求めて、よその世界にも飛び出してください。異文化を怖れる必要はありません。人間が生きているところでなら、どこでも生きていけますあなた方には、東大ブランドがまったく通用しない世界でも、どんな環境でも、どんな世界でも、たとえ難民になってでも、生きていける知を身につけてもらいたい。大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたし確信しています。知を生み出す知を、メタ知識といいます。そのメタ知識学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です。ようこそ、東京大学へ。

最後はいいよね。

総評として、全称記号任意記号恣意的混同によってデータ自分の都合のいいように改変して使用する、統計学ひいては学問を完全に馬鹿にした祝辞であったように思える。思想としてのフェミニズムであればこのような「過激な」スピーチにより注目を集めるのも一つの作戦なのだろうが、この人は「学問としてフェミニズムを修めている人間」として「これから学問を修める3000人の東京大学新入生」にスピーチしたわけで、その内容としては甚だ不適当だと言わざるを得ない。

はっきり言って、こんなものを褒めそやす人間は、たとえそれがどれだけメタ的な視点から評価のつもりでも、科学世界を脅かすありふれた権威主義愚か者集団に含まれる一人にすぎないと言えよう。

追記

https://anond.hatelabo.jp/20190414151912

2019-04-06

品田 悦一(しなだ よしかず、1959年1月30日[1] - )は日本日本文学研究者東京大学総合文化研究科言語情報科学専攻教授。専門は日本古代文学歌謡和歌特に万葉集』の東歌)。

群馬県出身東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学聖心女子大学文学教授などを経て、2004東京大学准教授2011年10月教授。初の単著万葉集発明』では、『万葉集』が近代国民国家文化装置として「国民歌集」の地位を与えられるようになり、「創られた伝統」として成立していくことになった過程研究。同著は中国語訳もなされた。斎藤茂吉万葉集享受研究でも知られる。

ネトウヨは「学者は信用できない」と反知性主義に逃げるしかない。

2019-03-29

anond:20190329034939

同じ専攻の地方帝大出身者だけど、

うちの研究室でもゴーストオーサー日常茶飯事だったな

ジャーナル論文が載ったときも共著6人とかだったんだけど、

そのうち二人はかつて教授准教授の面倒見てたじいさん達だった

もちろん論文に一度も目を通したこともなく、ゼミに出たことも一度もない人達

一番クソだったのが、

教授ミスと都合で当時書くだけ書いて投稿できなかった英語論文が、

自分卒業した翌年に、

教授懇意企業社会人Drを筆頭著者にして投稿するけどいいよね?」

ってほぼ事後確認がきたこと。

実験したのも原稿書いたのも全部自分なんだけどね。

同じ系列研究室出身かもしれないと思った

2019-02-28

任期付きバイオ助教最後

題名にある通り私は某旧帝大で特任助教バイオ系)をしており、今年の3月末で任期が切れますアラフォーです。

4月からの勤務先はまだ決まっておりません。

ここ二年の間アカデミア、民間企業等多岐にわたって職探しをずいぶんやりましたが、結局就職先は一つも見つかりませんでした。

アカデミアに関しては南は沖縄から北は北海道まで日本全国で様々な大学バイオ研究職に手当たり次第に応募しましたが、全て落ちました。面接では練に練った研究計画を余すことなく熱意を持って伝え、面接からもお褒めの言葉を頂いた事も何度がありましたが、結局全滅しました。

民間企業に関しても軽く30社は応募しましたが、面接に辿り着けたのが数社で、全て不採用でした。

もうここまで来ると職探しをする気力は消え失せてしまいました。

もうアカデミアも民間企業も持ち駒は一つもなく、今はただ来月末の任期満了日を怯えながら待つのみです。

4月からどうすればいいんだろう。。。どうしよう。。。私は独身で、頼れる身内も一人もいません。人生つみました。

世間では研究者はすごく大変だけどやりがいのあるかっこいい仕事だと思われてるようです。昨今の日本ノーベル賞受賞者の影響もあるでしょう。しかし、研究者は能力がなければ目も当てられないくらいに悲惨です。(私です。。)素質に恵まれた極少数の研究者は非常に良いですが、大半の研究者はそうではなく、早晩窮地に追い込まれることになります。(私です。。)

思い返せば、私は小さい時から研究者に憧れていました。高校では必死勉強して、現役で東大理一に合格し、その後も理学部を経て理学研究科で博士号を取得し、自分は将来東大教授になるんだと信じて疑いませんでした。しかし、今思うと、理学研究科で大学院生をやってた時既に自分研究者に向いてないという事に気付くべきタイミングが少なからずあったように思えてなりません。詳細は省きますが、当時の指導教諭や先輩(今は某旧帝大准教授です。。)から私が研究者を目指すことをやんわりと否定するようなことがあったことを思い出します。結局研究者としてやっていけなくなっていまこのようなにっちもさっちもいかない状況になってしまったので、やはり彼ら(研究者としての素質を持ってる人たち)の指摘は正しかったし、素直に彼らの指摘を受け入れて、大学院生時代キャリアチェンジを図るべきだった(就職医学部編入とか)と意味のない反省をしてます博士時代の同期は何人かいましたが、途中で中退して、医学部編入したり、民間企業官公庁にでていった人が結構いました。今思えば彼らの選択が正しかった思います。素直さのなさと視野の狭さが私の欠点であり、その欠点のせいで人生がこうなるとは予想してませんでした。

博士号取得後は別の研究室に移りポスドク(激務薄給労働者)として一日も休むくことなく馬車馬のように働きました。ポスドクをしてた時にも今思うとやはり研究者としての限界を思い知らされる様な出来事がありました。(ご想像のとおりです。)この時も現実を受け入れる事なく、そのままポスドクとして残ってしまいました。ひょっとしたらくだらない自尊心のせいで、自分研究者としてやっていくのは無理だという残酷事実から無意識的に逃避していたのかも知れません。

数年に渡るポスドク生活の後、運良く(今思うとここで自分人生の運を全て使い果たしのかも知れません。)今の特任助教の職にありつく事ができました。しかし、研究世界非情もので、才能のない人がいくら努力しても上手く行くことは決して無く在任中にたいした成果も出せずに気が付けば任期満了まで一ヶ月というところまで来てしまいました。

昨今大学研究者を取り巻く環境悪化の一途を辿っており、任期無しの研究職がどんどん少なくなり、その一方で任期付きの研究職の割合が日に日に高まっています。このような状況のせいで自分研究者になれなかったのだと不平不満を述べる人が多数いますが、私はそうだとは思いません。やはり研究者になれない人(私も含めて)には素質がないのです。素質が何なのかは難しいところですが、結局任期無し大学教員という職を巡る椅子取りゲームで勝つのはやはりふさわしい人なのです。終わりのない椅子取りゲームに見えますが、研究者として生き残る人はなんとなく決まっているように思います。(ここらへんは私自身の勝手想像です。自分研究者になれなかった脱落組なので。。)

繰り返しますが、研究者は素質がないともうほんとに悲惨です。自分に素質があるかどうかは割と早い段階で分かるはずなので、いま大学院等で研究者を目指して奮闘している方達(特にバイオ系)には時期を逃すことのないよう気をつけてほしいと思います

また、アカデミアのよろしくないところは、成功者経験ばかり語られて、落伍者の声は闇に葬り去られてしまうところだと思います成功談も大事ですが、それ以上に失敗談にこそ学ぶべきところがあるのだと悟っています

ああ、4月からどうすればいいのやら。今後の人生はどうなることやら。任期満了日が過ぎたら、その後は社会底辺彷徨いつついつか年老い死ぬ日をひっそりと待ち続けるのみです。

2019-01-23

anond:20190122111259

生き地獄というのは健常者の勝手妄想に過ぎないよ

ダウン症の人「毎日幸せ」9割超

朝日新聞社 | 2016年11月24日掲載

ダウン症の人「毎日幸せ」9割超 「検査前に実態知って」 厚労省研究調査

ダウン症の人の9割以上が「毎日幸せ」と感じている――。厚生労働省研究班による、当事者への初の意識調査の結果がまとまった。産む前に、ダウン症など胎児染色体異常を調べる「新型出生前診断」が広がる中、当事者のことをよく知ってもらうことで、適切なカウンセリング支援体制につなげる狙いで行われた調査だ。

調査は昨年10~12月、日本ダウン症協会の協力を得て、協会員5025世帯アンケートを送付。12歳以上の852人(平均年齢22・9歳)が回答した。働いている人が約6割だった。

毎日幸せに思うことが多いか」との質問には「はい」が71%、「ほとんどそう」が20%だった。「友達をすぐ作ることができるか」との質問にも、計74%が肯定的に回答した。海外過去に行われたダウン症当事者研究結果ともほぼ一致する。米国で284人の当事者に聞いた調査(2011年)でも、99%が「幸せ」と回答していた。

日本ダウン症協会水戸川真由美理事は「ふだん接している我々からすれば驚くべきデータではないが、数値化されたことに意味がある。当事者自分障害を深刻に受け止めているわけではないことを知って欲しい」と話している。

新型出生前診断は、導入から3年で計3万615人が受け、染色体異常が確定した417人のうち94%が中絶選択した。

ダウン症は、知的発達の遅れや心疾患を伴うことが多い。発達はゆっくりだが、豊かな感性や知性を発揮して活躍する人もいる。調査担当した三宅秀彦・京都特定准教授遺伝医療)は「検査を受けるかどうか決める前に、ダウン症実態を知って欲しい」としている。



ダウン症人達アンケートをとったら、5025世帯に送付したうち回答したのは852人ではあったけど、

回答者の90%以上は「毎日幸せ」と答えているよ

2018-12-23

銭湯で異性の小さい子を連れて入るの禁止にすべきだと思うんだよな

ロリコン熊本大学准教授盗撮で捕まったってニュース。俺の地元スーパー銭湯にも女児連れてくるお父さんいて、出くわしたら目のやり場に困ってた。湯船に浸かってたらキチガイおっさんに話しかけられたこともあって、あの子おっぱい大きなりそうやねえ……とか言われたこともある。児童虐待やん。

世の中にはゲイレズビアンもいるので同性なら絶対安心というわけじゃないけど、確率的には相当に低いから、少なくとも異性の浴場に連れて行くのは禁止すべきだと思う。

2018-12-18

https://twitter.com/fukuikensaku/status/1074854573444075520

えー告知です。1/13明治大学で「平成30年著作権法改正評価課題」に登壇します。何より自分が一番勉強になりそうな、大型シンポです。出演はほかに中山信弘×今村哲也×秋山卓也(大阪准教授)×池村聡×上野達弘×奥邨弘司×前田健敬称略)。出る方がほぼあ行です。

ほぼ「あ行」。面白い偶然。

2018-11-29

anond:20181129214603

は?まず大前提がこれだろ

琉球大学大学院医学研究科佐藤丈寛博士研究員木村亮介准教授北里大学統計数理研究所の共同研究チームが、現在琉球列島に住む人々の核ゲノムDNAを解析した結果、遺伝的に琉球列島の人々は台湾大陸の人々とつながりがなく、日本本土により近いという研究成果を発表した。

その上で本土沖縄本島久米島宮古島で意外に細かい差異があるよねという話なんだが?

これはほぼほぼ日本人だろ

2018-11-28

相模原市で猫5匹の死骸 毒殺か…凶悪犯罪予兆

https://www.sankei.com/affairs/news/181128/afr1811280026-n1.html

 福岡大学人文学部犯罪心理学研究する大上渉准教授は「虫やカエルなどを殺すのはよくあること。しかし、人間に近い犬や猫などの哺乳類を殺す行動は、異常な点で一線を画す」と指摘する。大上准教授によると、動物虐待する心理的要因はさまざまという。

 (1)ストレス発散(2)虐待自体楽しいと感じる(3)動物に恨みがある-などだ。そのうち、多くはないものの苦しむ姿を見て快感を感じる人は、「後に凶悪犯罪を起こすことがある」(大上准教授)。

 平成9年に神戸市須磨区で発生した、当時中学3年で14歳の少年による連続殺傷事件通称酒鬼薔薇聖斗事件」では、少年が“人の死”に強い関心を持ち、猫を殺すようになったが、それでは満足できなくなり、「人の死を理解するために人を殺さなければならない」として、殺人欲望エスカレートさせていったことがよく知られる。

 大上准教授は「日本では動物虐待犯人像を研究するデータがまだまだ少ない」と話した上で、「米国では後に凶悪犯罪を起こす人の多くが、小さい頃に動物虐待を行っていたという統計がある。こうした人物共感性が欠如しているといえる」と語った。

猫殺し許すまじ。

猫を殺す者は、いずれ人を殺すようになる。

2018-11-26

[] ギフテッドよかった(思い切りネタバレ感想

フロリダ海辺の街で、ボートの修理をして生計を立てている独り身のフランク。彼は、天才数学者だったが志半ばで自殺してしまった姉の一人娘、メアリーを養っている。彼女は、先天的数学天才児“ギフテッド”であり、周りは特別教育を受けることを勧めるが、フランクは「メアリー普通に育てる」という姉との約束を守っていた。しかし、天才児にはそれ相応の教育を望むフランクの母イブリンが現れ、フランクメアリーの仲を裂く親権問題にまで発展していく――。

映画『ギフテッド』オフィシャルサイト| 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント

ストーリーはあちこちで語られまくっているからここではもう書かない。

本作のもうひとつの魅力はキャラクターが魅力的なことだと思う。

ただし直接言葉描写されるのではなく、会話の断片やちらりと映る写真からキャラクターの背景が浮かび上がってくるスタイルなので人によっては伝わりにくいかもしれない。語りたいので勝手に語る。以下全部ネタバレ


主人公

彼の最初イメージは、バーに入り浸り汚い家でいい加減な生活をしている駄目おやじだ。

軽口を言い合う娘との関係がなんともいえず良い。

主人公は娘を一人の人間として対等に扱い誠実に会話をする。その様子が心地よく暖かい。2人は強い信頼と愛情で結ばれている。

物語中盤で主人公の背景が徐々に明らかになる。

母親から娘を託された時点では彼はオックスフォード准教授であったらしい。

仕事育児が両立できずに辞職し、現在ではボートの修理工として不安定生活を送る。

浮かび上がってくるのは、育児のためにキャリア収入も捨てその苦労を娘にわからないように振る舞う気丈な男親の姿だ。

人生ほとんどを育児に捧げたその結果、家が汚いことと収入不安定さを理由に娘を取り上げられてしまうのはあまりにも理不尽だ。つらい。

「五分でいいか自由時間が欲しい」とうっかりこぼし、娘が激しく傷ついてしまうシーンがある。

彼は行政にも保育園にも頼らずたった1人で子供を育てて来た。娘が天才であることがバレたら取り上げられてしまうのではないか、という危惧からだ。彼の危惧現実となった。小学校天才であることがバレ、またトラブルを起こしたことからほぼ放校処分英才教育校への転入するように言われる。英才教育を望むおばあちゃんにより養育権を巡る裁判が起こされるという事態になる。

ところで彼の言動子供を育てる親の「あるある」が詰まっていてとてもよい。

LEGOを踏んで絶叫するとか。五分でも時間が欲しいとか。

『育て始めて最初の2週間で自分の手には負えないことがわかっていた。明日こそ児童相談所に行こうと毎日思った。でもその度にあの子は何かをしでかすんだ。思いもよらないことをね。』泣いたり笑ったり。あの子はいろんなことをするんだ。それでいつのまにか手放せなくなっていたと彼は続ける。

そうだろうなあ。わかる。わかるよ。


おばあちゃん

家系図



どこからどう見ても英才教育ソババアなんだけれども、物語が進むにつれ彼女の背景も明らかになる。

どうやら彼女自身も相当に優秀な数学研究者であったらしい。はっきりとは描写されていないがミレニアム問題ひとつナビエ・ストークス方程式の解について研究していたようだ。

結婚出産研究の道を諦めたが彼女の魂は数学に囚われたままだ。出来た子供母親)が数学天才自身の夢を託してしまったようだ。

英才教育の建前のもと子供人生に介入しまくるクソ親で、子供ボーイフレンドと遊びに行くと誘拐だと言って通報する、裁判を起こすと別れるまで脅し続けるなどやっていることは無茶苦茶だ。

どうも彼女自身も男運がないようで「男はみんな駄目男」と思っているかもしれない。この辺りも子供プライベートに介入しまくる理由ひとつなのだろう。

物語を通して2つの関係が描かれる。主人公と娘、そしておばあちゃん母親関係だ。

物語ラストシーン母親に対する自身のこれまでの行いを後悔し泣く。子供である母親と向き合い、彼女の死に対して始めて涙を流す。

つのまにか母親感情移入して見ていたので救われる思いだった。ボロボロ泣いてしまった。

泣く彼女にかける主人公セリフがまた良い。

母親

一切出てこないのにすごい存在感

天才として生まれ英才教育を受け、娘を残して自殺してしまった母親

物語が進むにつれ彼女の悲痛な声が聞こえてくるようだ。

『親に愛されたかった』『親は私を愛さなかった。数学の才能にしか興味はなかった』

母親人生はおばあちゃんに完全にコントロールされてしまっている。

そのせいで母親生活能力がなく男を見る目もない。それを見ておばあちゃんは「自分がなんとかしなければ」とますます母親支配する。

自立したくとも彼女には生活能力がないのでできない。

妊娠して男に捨てられ親(おばあちゃん)に相談するも突き放され、弟である主人公に娘を託して自殺

自分のようにしないで、普通に育ててと主人公に娘を託すが・・・


ませていて可愛くて、繊細で、言動が突拍子もなくて目が離せない。本当に魅力的。

感想サイトを見ると見た人全員が絶賛している。

見ていない人はぜひトレーラーだけでも見て欲しい。

ちょっとした子供仕草が本当にリアル。すきあらば体をよじ登って来るとか、上に乗っかって寝始めるとか

あるあるある。


映画を観る前は「アイアムサム」みたいな内容かな?と思っていたのだけれども娘の立ち位置がこの映画をもう少し複雑にしている。

母親普通に育てるようにと遺言を残したけれども娘自身数学を望んでいる。

普通小学校に通うことを拒否しおばあちゃんの持ってきたPC数学書に純粋に喜ぶ。

母親はおばあちゃん価値観押し付けられ苦しんだ。母親は「自分と同じにしないように普通に育てて」というが

皮肉なことにそれが母親から娘への価値観押し付けにも見て取れる。当然だけれども母親と娘も別の人間なわけで。

主人公自分の行動が正しいのか苦悩し続けている。

もちろん娘は主人公との暮らしを望んでいるし、明らかにおばあちゃんダメすぎるのけれども。

この映画感想に「天才には適した教育をすべき」という主張の人がかなりいることにちょっと驚いたのだけれども

おそらく彼らは娘に強く感情移入ながら見たひとたちなのだろう。


数学描写

映画は素晴らしかった。たまに映るホワイトボードノートの数式もいいかんじ。娘の成長具合がなんとなくわかる。この手の映画は数式が不自然にわざとらしくなりがちだけどそんなことない。よい。けれども1箇所だけちょっといいたい。

天才を試す問題ガウス積分はないでしょーー。しか符号書き間違えるか??ぐちゃぐちゃ長い式書いていたけれどもいったい何を書いたんだ。式が長い方が絵的に映えるのかもしれないけれどー。筋の悪い人に見えちゃうよー。極座標にしようよ。

いや小学1年生がガウス積分はすごいけれども、彼女は少なくとも微分方程式までは勉強しているわけでとうに知っているでしょう。

あのシーンだけちょっと突っ込みたい。

2018-11-07

村上くんのために保存しておいてあげる

大学時代マテリアル系を専攻していた。

その中でも結構有名というか、研究内容を言ったら特定される分野なので詳細は省く。

GPAバトルを制し新進気鋭の研究室に入った俺を待ち受けていたのは、今考えても普通に訴訟もんだろというレベルブラックな「現場」であった。

同業者の方はご存知と思うが、マテリアルというのは日本がかなり強い分野であり企業の注目度も高く、

なおかつ実用度が非常に高いため「金の成る木」としてバイオと並んで世界との競争が激しい分野でもある(らしい)

比較する先が世界なので、当然世界レベル努力と実績を要求されることは入って知った。

20時間ぶっ続けでサンプル作った実験結果を当日のゼミで発表すると「もうちょっと綺麗に資料作れないの?」とか平気で言ってくる准教授

真面目で頑張り屋なのにインパクトファクターを稼げずドクターを6年続けて鬱になった先輩。

めっちゃ上から目線日本国の公的手続きの手助けを求めてくる外人ポスドク

当たり前だがすべての研究無償ボランティアであり、どころか金払って受ける教育なのだが、

求められるのは仕事としてのクオリティ。遊びでやってんじゃないんだよ!

頑張って書いた論文ファーストオーサーはもちろん…教授「俺だよ」

いろいろなことに嫌気がさした俺はアカデミックの道を早々に諦め就活を頑張ることにした。

教授からは「好きでやってる研究だろう。好きなことにすら不真面目な君が社会に出てやっていける訳がない(意訳:研究室で奴隷続けろ)」と全力で人格否定を受けつつ、

少子化の影響もあってか、まあまあ有名といえる程度の大手企業にどうにか滑り込むことができた。

会社に入るとまず待っていたのは教育に次ぐ教育だった。

今時小学生でもわかるだろというようなレベル情報処理の授業、

中学生国語でやるだろというようなレベルビジネス作文の授業、

理系なら全員知ってるだろという感じの電気の授業、

あらゆる授業を仕事として受けることになる。もちろんおちんぎんが発生する。

すべての課題を秒速でクリアし、定時より手前で帰る日々がしばらく続く。

まり簡単なので研修よりは同期とのレクリエーション目的なのだろうと勝手忖度していた。

遊びながら金がもらえるとかいう夢のような環境である

ある程度の教育を終えると晴れて部署配属となる。部署SE部隊

情報出身ではない俺だったが、趣味プログラミングはかじっていたし興味もあった。

入ってすぐの仕事はあるシステム(社員が使っている自作ツール)の改修だった。

新卒簡単仕事を与えつつ、プログラミングスキルを伸ばしつつ、自分たち仕事効率化できる、という上手い采配である

プログラミングはかじっていたとはいものの、ゲームを作ろうとして挫折したり、あとはHelloWorldレベルくらいで、

まともに運用したのは精々MATLABのような特殊ものだけ。所謂プログラミング言語で利用者がいるソフトを触るのは初体験だった。

詰まっては調べを繰り返しながらも趣味の延長のような感じで楽しく取り組むことができ、上司の引いた工程3分の1で完了した。

ここで上司から10年に1人の逸材」の評価を賜る。

俺は平静を装いつつも内心歓喜した。

なにせ不真面目学生である俺は教授から目出しをくらったこしかなかったのだ。久々に得られた自己肯定感である

これはいけると判断したのか、同じく社内ツール改修の仕事をいくつか振られる。

片付けていくうち、俺のPCスキルが先輩社員と比べても高い部類にいることに気付く。

自作ツールを社内LANで動かすとファイヤーウォールに引っかかったりなどするが、先輩社員がそれを対処できないのだ。

どうやらそういう感じで動かなくなり、放置されていた部分を俺が解決しているらしい。

だがWindowsFWの設定なんてNasneアニメを撮りためたりFPS海外鯖に接続するようなヒキニートにとっては半ば常識である

陽キャパリピっぽい先輩が知らなくても無理はないが、SE部隊で長年社会人やっておいてわからないことには軽く失望する。

プログラミング派遣仕事とは言っても使役する側に知識がないのではやはり困ると思う。

ちょうどその時、働き方改革かい名目で各職場独自でやっていたシステム統合し、

営業所独自に動いていた勤休登録システムが全社的に統一されることになった。

新しいシステムUIモダンで、前のよりぶっちゃけ使いやすくすぐに慣れた。

だが先輩は勝手がわからないらしく、俺が先輩に質問する回数が減るのと同時に、先輩が俺に質問する回数が増えた。

働き方改革の魔手は勤休にとどまらず、いろいろな社内システム統合されてゆく。

頼られる頻度は増し、頼ってくる相手も先輩だけではなくなってきた。どこから噂を聞いたのか他部署の人から質問の内線が来るのである

上司に聞けや。知っとると思うがワイ新卒やぞ?と思いながら(つーか言いながら)回答する。

まあ新しいものには若い方が強いみたいな感覚理解できるが同期に聞けよ←残念同期からも同じ内容の質問が飛んでくる‥現実です‥これが現実‥!

このあたりで自己肯定感よりぶっちゃけ不信感を感じることが多くなってくる。

かに中学生以降は家族でも学校でもパソコンに強いニキではあったが、

まさか面接選抜されたひとだけで構成されている筈の会社パソコンに強いニキをやるとは思わなかったのだ。

まあそんな人が一人もいないはずがないので、多分、本当に詳しい人はうちではなく客先に居て、かつ忙しいということだろうと思うが。

さすがに面倒に感じていたある時、PukiWiki社員編集して公開できる神システムを見つける。

当然というべきか、数年前に何某が色々編集していた痕跡だけを残し、現在廃墟と化していた。が、サービスは生きていた。

ゲーム攻略を頑張って書き込んでいた時代を思い出しつつ、新しい社内システムの利用法を懇切丁寧に解説するWikiを作る。

これが大受けし営業所内でも一躍有名人に。

上司からは「その辺の社員100人より貴重」「絶対やめないでくれ」的な評価を賜る。

社内ツールの使い方記述しただけで褒められる異常事態に少しずつ価値観麻痺してくる。

ここらで満を持して炎上プロジェクトに投入される。

炎上の原因は、代々伝わる秘伝のソースと化したソースだった。

仕様書がないのはもちろん、そもそも社内環境ビルドできない、なんと.NETではないVBである

当たり前のように1ファイル50kstepを超えるソースがずらずら並ぶ様は威圧感すら感じさせた。

そんなのが現役で動いていたんだお客様セキュリティとは

上司を含めて誰もソケット通信が分からない中、元々チャットツールを作ろうとして失敗した経験のある俺は、

先輩が3人×3時間=9工数かけて解決しなかったあるバグをちょいとググっただけで10分で解決

まあぶっちゃけますエンディアン系のバグである

というようになんかやたらと活躍し、どうにかプロジェクトが終わるころには上司評価天元突破した。

地味に詳しい人は他にもいる(外にいて忙しい)ということもわかり推測は当たっている様だった。

会社に入って以降「君は社会ではやっていけない」と言った教授言葉信憑性は下がる一方である

なにせ主観的にはヒキオタがヒキオタっぽいことをやっているだけで褒められるのだ。

募る違和感の中、経団連会長室にメールが導入されたニュースと、そのコメントを見て気付いた。

俺は異世界転生したのだと。

そう、俺の就職先は、パソコン強いニキが崇め奉られる異世界だったのだ。

異世界なので何やっても訳の分からない褒め方をされる。

自席で堂々とYouTubeを見てたときには流石に上司に苦言を呈されたのだが

ゼネラリストには情報収集も必要」と言い訳すると「おお…」「さすが村上君だ…」となって許された。(マジ)

ちなみにマーケット調査名目業務YouTuberを見ることを冗談のつもりで提案したら、真面目に検討された。(マジ)

他の人にはありえないが俺だけ許されるところに落ち着くのではないだろうか。

うける。

anond:20181107032904

正直言って危機感はある。

世界と戦うを標榜していただけあって確かに研究室のレベルは高かったと思う。非情報系でもプログラミングはできて当たり前だったし。

この会社は(最近一定以上大きければどこもそうじゃないかと思うが)半官半民みたいなもんなので、皆どことなのんびりと仕事をしているように見える。

その結果、当然ながら競争力が落ちる。落ちはするが、会社組織は存続し続ける。

そして存続し続ける会社の中には「異世界」が広がっているのである

他の会社もそうだと思うが、各地で頑張ってる派遣プログラマーの方がよほど技術力が高い状態

大丈夫日本大丈夫か弊社。

まあでも転生した側としては居心地いいのでこの異世界に骨を埋めるのも悪くないと思っている。

2018-11-06

anond:20181106232353

開成高、国立大、最年少准教授ってなったらほぼ東大レベルじゃないの?

勝てる東大卒も、ほとんどおらんでしょ

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