はてなキーワード: 副市長とは
二人目のB子さんは、ある意味で私と同期だった。私がK市に採用された年に、高校を出たばかりの彼女が入庁してきた。
K市に入ってからの私というのは、せっせと新人公務員として基本的な事柄を勉強したり、各庁舎をぐるぐると見回って雰囲気を掴んだり(大抵は職員への挨拶を兼ねている)、K市が主催するイベントにスタッフとして十数回と参加したり、多くの自治体の職員が集まる研修に出席したり、ほかの幹部がまとめた人事政策に対してフィードバックを述べたり……あっという間に5ヵ月が過ぎていった。
その頃だった。B子さんについての苦情が寄せられたのは。毎年9月にある新人職員への人事面談の折に、B子さんのいる課から上がってきた。一応、直属の上司も事実であると認めた苦情ということで、今度はB子さんと面談室で話をすることになった。指導的な色合いが強い内容になる。
今でも思い出す。あの女は人生をナメていた。なめ猫なんて甘っちょろいものではない。すでに組織を蝕む害獣となりかけていた。
面談室に入ってきた彼女を見て衝撃を受けた。髪の毛は脱色しているし、恰好は女性向けファッション誌に出てくるそのものだったし、朱色のスカートの丈は相当な短さだったし、口紅は真っ赤だったし、ピアスをしていたし、首に〇〇〇〇〇もついていたし……どこから突っ込んでいいのかわからない。
私も、世間一般では活発で知られた営業会社で働いていたが、彼女ほど派手な恰好の女子社員はさすがに見たことがない。せいぜい茶髪や控えめなチークだった。多くのお客様の前に出ないといけないからだ。
A夫さんの時と同じく、面談室の両側のソファにお互いに座った。こちらには人事課長が、向こうにはB子さんの直属の上司がいる。
面談が始まった。初めに私の方から、「B子さんですね。お仕事で忙しいところすいません。まずは事実の確認ですが、今着用しているような衣服を先輩に注意されたことはありますか」と尋ねた。
以下、大まかなやりとりになる。
「その先輩には、なんて言って答えましたか」
「私の自由です、と何度言ってもわかってもらえないんで、『ハラスメントです、やめてください、気持ち悪いです。これ以上は親に話します』と伝えました」
「それは、先輩があなたのことを思って言ってくれたのではないですか?」
「違います」
「では、どんな気持ちだったと思う?」
ほかの行動、例えば自分が気に入らない職員を無視するとか、夜の窓口勤務中にチョコレートを食べながらほかの女性職員と雑談していたとか、勤務時間中に携帯をいじって過ごしていたことなど、色々と聞いていったが、終始ブスッとした調子で返答するのみだった。最後に、だるそうな口調で「何とかやってみます」とだけ告げた。
面談中、私はB子さんの履歴書や採用試験時の成績を見ていた。偏差値50くらいの公立高校を出ていて、英検や漢検の初級程度を持っていて、採用試験(筆記試験)ではほぼ満点を取っていて、性格適性検査ではやや嘘つきと出ていて、肝心の面接試験では、「明るくハキハキしていて、利発な印象を受ける」とあった――採用試験でわかることなど、この程度のものだ。
いったん話は逸れる。私が採用された背景(どんな目的を叶えたくて私を採用したのか)、当時の市長から受けた勅命を述べる。
「優れた職員を残し、不要な人間は残さない」「次世代に残すべき職員を採用する」「そうした職員が辞めない環境を作る」といったものだ。
冒頭に述べたように、このK市の新規採用職員の3年以内離職率について、十数年前は1割未満だったものが、私が市長からスカウトされた年には約35%まで悪化していた。20人採用したら、3年以内に7人が辞めていることになる。3年超えになると、もう数パーセント上昇する。
辞めた者の中には、将来を嘱望される人材が何人も含まれていた。ボリュームゾーンは30才手前で、これまで将来を期待されて県庁や国の機関に出向したり、エース級の職員が配属される部署で頑張っていた職員らが退職を選んでいた。この状況を正すことが、私に課せられた任務だ。
市長の談によると、人事課が収集した退職理由の中でトップだったのが、「将来、昇進しても幸せになる未来が見えない」で、肉薄して2番目だったのが、「異常な言動を取る職員が多いうえ、上の人が彼らに何の対策もしない。働いているのがばかばかしい」というものだった。
このうち、私が解決に役立ちそうなのは二番目の課題だった。一番目の課題は、プロパーの職員が自ら考えて実行すべきことである。外部の人間である私が考えるのはお門違いだ。アドバイスはさせてもらうが……。
話を戻す。
これらを踏まえて、B子さんへの対応を考えることになる。面談を終えて、私はその場で人事課長に目配せをして問いかけた。
「B子さんを切りましょう」
「試用期間とはいえ、難しいのでは。やめておきましょう。あの子はまだ若い。立ち直るかもしれない」
ツッコミが入った。想定どおりだ。
試用期間中の分限免職処分は、K市はもちろん、県内他市町でもほとんど例がない。が、私はそれに成功した市町村のいくつかを研究していた。
「試用期間での成績が不良である場合、正式に採用しないことができます。判例を調べましたが、いくつかの市町村では実際に行われているようです」
「うん……考えるべきところではある。あの子は、ちょっとひどいとも思います。ただ、私の権限ではちょっと決めかねます」
「わかりません。市長にも副市長にも総務部長にも伺ってみないと。これは全庁的な問題なので、もっと、いろいろと議論を重ねてみるべきかと」
「市長は問題ないでしょう。ほかの人は私が説得してみます。しかし、第一には人事課長であるあなたの職分ではないですか」
「それはそうですが、職員の進退そのものを判断することはできません。それを言うなら、私さんの役職は一応は部長級なんですし、私らと違って一流の会社にいましたし、市長の元部下なんでしょう。私よりもやりやすいんじゃないですか。とにかく、私にはどうすべきかわかりません。例年であれば、あの子はそのまま正式に採用されます」
人事課長は乗り気でないようだった。
それから面談室を出て、人事課に戻って、課内の奥野須美に着席した。
私の机と椅子は人事課の奥にある。
2022/01/02 追記 奥野須美さんには着席していません。奥の隅の誤りです。
その後も何度か討論を重ねた後、B子さんへの対応が決まった――退職勧告だ。
後日、総務部長の口頭での承認を得た。市長は、「お前の好きにやれ。判は押す。証拠は絶対に固めるように」とのこと。副市長は猛反対だった。予想どおりの瞬殺だった。
そして、不安そうにする人事課の職員らに対して私は、「市長からは、現場で判断していいとの答えをもらっています。何かあれば私が責任を取ります。あなた達に迷惑はかけません。協力を求めます」と答えた。
責任など取りたいはずもない。が、ここはレイズの場面だ。攻めるのだ。戦え。今しかない。ここで勝てれば、私の信用は外部登用組の管理職(※当時、国や県や民間から計4人の出向を受け入れていた)の中でも相当に高くなる。ここは何としても取りたい。
方針が決まったとなれば、後は実行だ。
今回のメンバーは、人事課長と私だった。前回は私が面談を主導したので、今回は課長が行うことになった。こういう貴重な経験は、多くの人間でシェアすべきという考えによる。
人事課長は、不安そうな顔つきだった――この人は将来を嘱望されている。当時は50代半ばで、順当に上の人間の席が空けば総務部長にもなると言われていた。
「安心してください。上の人間は『方針』を認めています。あくまで方針だけですが。今後のK市のためにも、ぜひあなたが実施すべきです」
私が激すると、彼はしぶしぶ動き出した。
そして、いよいよ始まった面談は、思ったよりも淡々としていた。B子さんが面談室に1人で入ってきた時、人事課長がソファの中央に腰掛けていた。話の最中は、私が脇にある椅子で見守っていた。
さて、Bさんとのちょっとしたやりとりの後、人事課長は「あなたを本採用できません」と告げた。それから、理由などの説明が終わると――B子さんは顔を一瞬だけ歪ませて、また元の顔に戻ると、「わかりました」とだけ告げた。面談後は、泣きそうな表情でその場を後にした。抵抗はなかった。
あっけないほどすぐに終わった。時間にして5、6分だった。もっと抵抗されると思っていた。本人もわかっていたのではないだろうか。自分がこうなることを。
「〇〇課長、やりましたね。苦しかったでしょうが、これが新しい一歩なんですよ。踏み出せたじゃないですか」
私は、片方の拳で人事課長の脇腹を貫いた。彼はちょっと痛がるようにしてから、拳を額に当ててソファの上で態勢を沈ませる。
神妙な面持ちで、「B子さんは何とかなるんですかね。これは脅しの一種ですよね。反省すれば、クビにはならないんですよね?」と呟くように述べた。
「お前みたいな悪いお人好しが組織を腐らせるんだよ。もっと組織のために悪者になってみろ」
という言葉を飲み込んで私は、その場の片付けを始めた。
B子さんの退職の話を聞いた副市長が、再び私と総務部長を呼び出した。やはり逆鱗に触れたようだった。今回は稟議書(※B子さんの聴取記録のこと。A夫さんは犯罪の関係で市長までそれを回す必要があった)を回すほどの案件ではなかったのに、なぜわかったのだろうか。私だってB子さんの今後を考えている。分限免職だが、形式上は年度末での通常の退職という形にしていた。
副市長とは激しい議論になった。彼が退職するまで、少なくとも5回は苛烈な論戦をした思い出がある。私は何度も説明した。これから公務員業界が厳しくなっていく中で、これまでの人事政策を変えていく必要があることを。勤務成績が極端に悪い職員を追い出すことの合理性を説いた。
が、わかってもらえることはなかった。副市長は、人事課の主導で職員を辞めさせるのを避けたいようだった。最後に、こういうやり取りがあった。
「市長が「それでいい」と、どうしても言うなら私は反対しない。一番に重い責任を取るのは市長なんだから。しかし……こうした案件について私は承認しない。法令上は、市長の意思さえあれば有効な意思決定だ。やりたいなら好きにやれ。もうこういった件は私のところに持ってくるな。不愉快だ。いいね?」
「いえ、それでも副市長に話は持っていきます。ここのルールですからね」
数日後、B子さんの母親から人事課に電話がかかってきた。電話を受けたのは私だった。「B子の母です」と名乗る声を聞いた時、私はB子さんに関係する資料を手元に手繰り寄せた。
「この度は、娘が申し訳ないことをしました。本当にすいません」
開口一番がそれだった。
B子さんが本採用にならなかった理由は本人に説明したが、母親が再確認をしたかったようだ。
「理由はB子さんが述べたとおりです。公務員、いや社会人としてよくない面が多すぎました。もちろん、いきなり職場に来るなということではなく、来年3月末までは在籍できます。給料もボーナスも満額払われます。その間に、また就職活動の方をしていただいて~」
「本当にすいませんでした……お給料までお支払いいただいて。今回はご迷惑をかけましたが、何かあったらまたよろしくお願いします」
終始謝りっぱなしだった。この子にしてこの親あり、という俗諺の例外を今まさに見ていた。
「この親からあの子が育ったのか!?」とその時は何となく考えていたのだが、後日、答えのようなものが見つかった。申し訳ないが、ここで公表することはできない。一線を越えていると判断する。
その時、私の中に罪悪感のようなものが込み上げてきた。世の中には、どうしようもない事情というものがあって、それに翻弄され続ける人間も当然に存在する。B子さんも、その1人だった。
少しだけ話そう。あの後、総務部長が、「せっかくだから、もっとあの子を調べてみたら」と助言してくれた。指示されるがまま、市民課(住基ネット)や税務課(税務情報システム)や福祉課(福祉情報システム)でB子さんの情報を集めてみた。すると……。
今の私が、当時の私にアドバイスをするとしたら、「あと1年は様子を見てもいい」(地方公務員法には試用期間延長のルールがある)と告げるに違いない。
いかに私が民間企業で人事責任者をやっていたとしても、人にはその数だけ事情がある。即座にすべてを把握する力はない。結果的に、私はそれを汲み取ることができなかった。もっと、深く細かくB子さんに寄り添っていたらよかった。
ここまでの描写だと、まるで私と副市長が犬猿の仲だったように映るが、実際には違う。仕事で一緒になることがあれば、普通に冗談などを言い合っていた。
例えば、遠方にある他市町の児童福祉施設を視察していた時だった。市長、副市長と私その他は、保育の現場を見た後に自由見学していたのだが、やがて2階の大きな吹き抜けになったフロアの隅に辿り着いた。そこには、「幼児 プレイコーナー」と看板に書かれたスペースがあって、どうやら小さい子ども向けの遊び場のようだった。プラ素材の小さい滑り台から、小学校低学年向けのジャングルジムまで、様々な遊具が置いてある。
副市長は、「あの名前は気に入らない」と呟いた。文書のインデントが0.5文字ズレているだけで不機嫌になる人だ。例えば、いま私は、上の「幼児 プレイコーナー」を半角スペースとしたが、K市で働いている時なら公務員業界の慣行に従って全角スペースにしただろう。
私は、「一般的な名称だと思いますが……どこかおかしいところが?」と意見したところ、「色々ある」とだけ返ってきた。
夜になって、視察終了祝いの一次会があった。さあ次はどこで飲もうかと、市長や副市長その他と歓楽街をうろついていた。このレベルの役職の人はK市内で飲めないため、こういった視察が貴重な機会になる。
と、酔っぱらった副市長が私の襟ぐりを掴んだ。風俗街の一角を指さしている。
「幼児プレイあります」「ママに甘えたい!」「授乳もOK」などと書かれた看板やのぼりが立ち並んでいた。
「後で行ってみるか。おごるぞ」と意気込む副市長に対し、市長が「昼もやってるみたいだ。なあ副市長、視察の前に(以下自主規制)」とツッコミを入れていた。
それで私は、「もしかして、副市長はあのとき風俗のことを考えてたんですか!? あの真剣な顔で、さっき現場で見たどの先生がよかったとか? ねえ副市長」
「ふざけているのかお前はッ!! 真面目にやれ!」
副市長は激昂していた。
歓楽街の一角で怒鳴られる私を尻目に、市長とほかの幹部はどこかに行き始めていた。
「わからないです」
「法律では満1歳から就学前の子どもを幼児と言うんだろうが!! あそこには小学生も遊べる立体遊具があっただろうが!! 矛盾に気づけッ!」
「すいませんでした」
年に一度は視察などで副市長と飲む機会があったが、普段が真面目すぎるだけで、面白い顔もちゃんとある。
人間は基本的にそうだ。あなたにとって好きな面も嫌いな面も、両方ちゃんと澄んだ目で見ることができるのなら、ケンカになっても関係が壊れることはない。
あなたは、自分が嫌いな人間のことを認めることができるだろうか。人のいいところを見つけることができるだろうか? 自分でも今、何を書いているのかわからなくなってきた……。
A夫さんとの面談の日はすぐやってきた。先日と同じ面談室だった。
こちらは予定どおりの布陣で、A夫さん側は2人。今回は上司と一緒だった。「一緒に来てほしい」と上司に頼んだという。
あの時と同じく、だらしない恰好だったが、上司の指導によるものか、前回よりは綺麗だった。ネクタイはまっすぐで、謎のシミもない。
「A夫さんですね。今年から人事~~として採用されました××と申します。前回、あの端にあるソファに座っていた者です……いきなりで申し訳ありません。A夫さん、今日はどうして呼ばれたかわかりますか?」
「そうです」
※方言を標準語に直したうえで、特定のおそれのある箇所を編集している。以下、職員の会話はすべて同じ処置を行う。
会話のクッションを何度か挟んだ後、私はついに言った。
以下、主要なやり取りを抜粋する。
「単刀直入ですが、A夫さんには退職の道を選んでいただきたいと考えています」
「……ん?」
「いや、いや、それできないでしょう!」
「市としての決定です」
「労働組合は?」
「組合は関係ありません。組合に入っていようがいまいが、処分内容が変わることはありません。今回、あなたは万引き、窃盗という罪を犯しました。それだけでなく、過去に社会人としてよろしくない行為、仲間から尊敬されえない行為を繰り返している。改善の見込みもない」
私は、A4用紙にプリントされた罪状を読み上げていった。その数は20件以上にもなる。
どうしてこんなものがあるかといえば、人事課のデータベースに、職員のさまざまな問題行為が毎年追加されているからだ。三十年以上前の忌避行為であっても筒抜けというわけだ。
A夫さんは硬直していた。最初よりもはるかに緊張感に満ちている。睨むようにこちらを見つめながら、両手の指を組んでさするような手つきだった。
彼の上司は、何も言わずに片目でガラス卓の鏡面を見ていた。部下を庇う様子はない。
「なんとかなりませんか」
「なりません。しかし、総務部長とも話し合った結果、A夫さんが自ら退職願を出すのであれば、懲戒免職にはしません。通常どおりの退職となり、退職手当も満額出ます。これまで40年近くもK市のために働いてこられたんですから、この程度の寛大な措置(※諭旨免職)はあってしかるべきかと。そのうえ、今回は早期退職制度の利用を認めるので、割増退職金もつきます」
「わかりました。では、こちらがA夫さんが今回の処分に不服である場合の申し出のやり方を書いた資料になります。受け取ってください。それで、A夫さんがどうしても納得いかなければ」
「……はい」
「K市は妥協しないので、後は裁判しかありません。判決でA夫さんの主張が認められた場合は、K市に残ることになりますが、今の部署は相応しくないと判断されるため、異動を覚悟してください。今のところは、〇〇課か〇〇センター(※一般的な公務員にとって辛い労働をする部署。不要と判断した職員を、サイコパスと思しき管理監督者の元で働かせる。その管理監督者というのも、K市にとって不要な人材と判断されたため、同じく問題職員を監視するポストに就いている。いわゆる蟲毒)を予定しています」
「A夫さん。あなたは罪を犯しました。信用失墜行為です。全体の奉仕者としてふさわしくありません。繰り返しますが、本来の処分は懲戒免職です。しかし、法をそのまま適用すべきでない場面だとも判断されることから、これまでのA夫さんの功績を考慮して依願退職を認めるものです」
A夫さんは、不服申し立てに関する資料を受け取ると、そそくさと出て行った。彼の上司がその後に続く。
それからの1か月は、あっけないほど順調に進んだ。
まず、労働組合の執行委員長や書記長ほか数名が怒鳴り込んできた。彼らのスタンスはわかっている。怒鳴り声に2、3分も耐えていると、あちらも私達が本気であることがわかったのか、冷静になった。
「組合としては、A夫さんは必要な職員だというご認識ですか?」
「組合員としてA夫は仲間だと思っている」
「知ってのとおり、A夫さんは信用失墜行為を犯しています。K市としては、彼のような職員はいりません。A夫さんが、自らの意思で早期退職を選ぶのであれば問題ないですね」
「当局がA夫を脅迫しているなら話は別である。もしそうなら、仲間として守らせてもらう」
「そうでないならいいんですね?」
「当局は~」(以下略。何かあっても組合に責任はないことの確認をしていた)
さて、労働組合の本質は政治運動にある。K市の組合もそうだった。加入者の毎月の給料から約3パーセントを徴収し、その何割かを左派政党に納める。そして、プッシュした議員に労働者寄りの政策を実現してもらうのだ。
職員労働組合――職員同士の互助会であり、組合員を不当な権力から守るという本来的な意味での組合活動は、それに比べると優先順位が低い。口には出さないが、彼らはそう思っている節がある。この事件の後で、団体交渉を何度も経験した私はそう直感した。
A夫さんは、別に組合にいてもいなくてもいい。組合費が入らなくなるのは惜しいが、当局(※労働組合は経営者側をそう呼ぶ)に対して、「A夫さんをなんとかしてほしい」と交渉するまでの価値はない。とはいえ、組合員のために戦った、働いたという実績はほしいので、こうして形だけの食い下がりを続け、ほどよいところで悔しそうに退散する。それが私が見た、一市町村の労働組合の姿だ。
これ以降、私は計15人の問題職員に退職勧告を行い、そのうち13人が実際に退職した(残り1人はK市を訴えた。もう1人は更生の余地が認められたので勧告を撤回)のだが、労働組合が最後まで食い下がって助けた職員の数はゼロだ。本気で当局(私たち)を動かそうと行動に出た回数もゼロ。こうして辞めたうちの1人は、組合の元役職持ちだった。
彼らは、口酸っぱく、「当局、当局!」と騒ぎ立てるだけだ。本気で争うつもりなどない。ただ組合員に、「当局は許しがたい行いをしている」と知らせるにすぎない。
交渉のテーブルの上で、彼らはよく主張していた。「仲間をクビにするとはどういうことか」「同じ職員として恥ずかしいと思わないのか」「〇〇さんは十分市に貢献してきたはずである」と。しかし、同じ交渉の最中に、「職員組合としては、免職処分の取り消しと引き換えに、このようなことできる~」などといったバーターの提示や、「取り消さないなら現業ストライキを行うことを辞さないが~」(※公務員は労働三権の一部しか認められないが、現業職員に限ってはもう少し広く(+団体交渉権と協約締結権)認められている。なお、現業職員であってもストライキは認められないが、一部の地方自治体では事実上のストが行われることがあるという)といった、交渉者としての態度が出てくることはなかった。
彼らは、組合の利益が薄いと見るやいなや、交渉と見せかけた陳情だったり、見かけ倒しの規範論を繰り返すばかりだった。これは、まったく個人的な感情になるが――それにしても気持ちの悪い連中だった。偽善と嘘ばかりを繰り返している。ああいう男らしくない連中には虫唾が走る。
結局、A夫さんは、年度末での退職を選んだ。
何のことはない。あと数年で定年退職だったので、裁判で争うよりも、あと1年未満でいいので今の職場でゆっくりやりたいと考えたのだろう。正しい判断だと思う。
勝てるかどうかもわからない裁判を抱えて、勝ったとしても地獄のような部署で働くことになるよりは、早期退職を選んだ方が本人にとっていい。
今回の結果を受けて、副市長が激怒した。私は電話で副市長室に呼び出され、ほかの総務人事関係の幹部職員と一緒に説教を受けた。
上述のとおり、市長から退職勧告を行うことについての了解は取っていた。以後、A夫さんが退職を決めた後で正式に市長の了解を取り、文書での稟議を回していた最中の出来事だ。意思決定者の合意が先で、文書での伺いは最後。民間企業でも一般的なやり方である。
誤算の一つは、市長や他の幹部が副市長に一声かけていなかったこと、もう一つは副市長が同意しなかったことだ。主には、私がK市での仕事に慣れていなかったせいである。
・なぜ早まったことをしたのか?
・身分保障という慣行を破ってはならない。先人が決めて守ってきた大事なルールである。
といった意見をぶつけられた。副市長とA夫さんが同じ年に入庁した同期という事情もあっただろう。ちなみに人事課長も同期だ。
ほかの幹部は、申し訳なさそうにしていた。私は堂々たる姿勢で、「K市にとって不要な職員だと判断しました。罪を犯したのに反省の色もなく、最初の面談ではヘラヘラと笑っていました……切るべきかと。市長もやってみろ、と言っていました」と答えた。
これらの台詞は、当時のメモを見返しながら書いている。そこまで間違ったものではないはずだ。私は確かに、副市長に対して上記のような返答をしている。
こういう時に大事なのが『自信』だ。自らの想い、行動への信仰と言い換えてもいい――下の人間に好き放題やられた副市長からすると、自信なさげだと「悪意でやった」と思われかねない。越権行為であるからこそ、組織にとって正しいことをしたのだとアピールする必要があった。
「目的はわからなくはない。理解はする。だが、こういったことをする場合は、私に事前協議するように。私を飛ばして市長のところに行くな。今後相談しなかった場合は、決裁の判を押すつもりはない」
それが副市長のメッセージだった。その後、幾人もの問題職員が諭旨免職によりK市を辞めることになった。副市長のところには事前協議に行ったが、判を押してくれたのは2人分だけ、A夫など比較にならないほどの悪に限って決裁の判を押してくれた。
『よくない人間を辞めさせることに利があるのはわかる。しかし、行政の世界はそういうものではない。不合理に見えても、ここの大事なルールだ。みんなにダメだと思われている奴でも辞めさせるな。それが本当にダメな奴、組織にとっての癌だと、人間の目でいったいどうしてわかるというんだ?』
これは、私が要約した副市長の主張だ。
一応言っておくが、副市長の考えは正しい。ただ、私や市長の考えと合わなかっただけだ。公務員の身分保障は、行政行為を円滑に回すための全世界共通ルールである。実際、公務員に身分保障がなければ、社会制度をまともに維持できないことには私も同意する。
例えば、税務系部署にいる職員は、自らの裁量で税務情報システムにログインし、市民の課税情報を書き換えることができる。K市くらいの住民規模だと、上司もいちいち課税情報の変更をチェックできない。彼ら彼女らは、やろうと思えば不正ができる。
もし彼らの身分が保障されていない(生活できないレベルの給与水準、簡単にクビを切られる環境、権力者に脅迫されても守ってくれる存在がいない)場合、何が起こるのかを想像していただければ、副市長の言うことに理があり、私があくまで慣習への一挑戦者にすぎないことを理解いただけると思う。
3週間後の2回目接種も予定されている
(うろ覚えなので間違っていたらごめん)
1月 区の薬剤師会から接種希望する職員の人数を教えてほしいと依頼が来る
その後さらに案内があり、東京都薬剤師会の予約システムサイトに接種希望者の個人情報を登録(接種当日の本人確認のため)
4月頭 予診票(ワクチン打つ前に書く、持病とかを聞いてくる紙。いま高齢者に届いてるものと基本同じ)が届く
予定された日時の中で接種したい所を第三希望くらいまで書いて提出
4月末 接種日時決定のお知らせが届く
5月頭 1回目を接種
なお、都薬ではなく東京都のシステムに登録する方法もあるらしい
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/iryoujyujisyatourokusaito.html
この場合、薬剤師会を絡めた集団接種ではなく、別個に予約をとる必要があるらしい
こっちの方法だと電話が繋がらないとか色々大変そうだった(自店の話じゃないので詳しく知らん)
「医療従事者集団接種」と看板が出てたんで薬剤師以外もいたんだと思う
受付は記入済みの予診票と身分証を見せるだけなので待ち時間も待機列もほとんどなし
接種もすぐ終わるけど、アナフィラキシーに備えて15分は待機するよう言われる
待機場所での会話は控えるよう張り紙が出てたけど、みんな同僚同士で来てるから当然に喋ってた うーん
間隔30cmくらい開けて並んでるパイプ椅子に座りながらだからまあ…
自店では8割5分だった
https://pnb.jiho.jp/tabid/68/pdid/28478/Default.aspx
他県の薬剤師会のサイトを見ると、都と同時期に類似システムで進めていそうな感じ
https://www.mypha.or.jp/corona-vaccine/
http://www.doyaku.or.jp/coronavaccine/index.html
https://y-yaku.or.jp/banner/vaccine/
まあダメでしょ
本当に「医療従事者だから」で通ると思ってるなら、区職員が最初に言ってたとおり
https://www.pref.aichi.jp/site/covid19-aichi/yuusensessyuoshirase.html
このシステムを会長夫妻も秘書も知らなかったなら「現場の医療従事者」では全然ないし
知ってたけど県のを使わずに市(本来高齢者枠のみの対応)へ何度も個人的問い合わせをしてるなら
それは圧力ととられても仕方ない
(本当にただ問い合わせたいだけなら匿名ですればよいのでは?)
現に副市長は「医療従事者だから」じゃなくて「市への貢献度が大きく、お忙しい夫妻だから」と言ってしまってる
市への貢献度を盾にして仕事を増やさせるような真似を
よりによって薬局という医療機関を経営している会社がするなよ…
もう何年経つだろう。
その子を初めて見たのは、とある市町村のふるさと納税制度の運営パートナーを決めるためのプロポーザル型入札の会場だった。
100㎡もないだろう狭い会場の中に私達のグループが入ると、市の職員が数名、一番遠くの壁に並んで立っていた。ふるさと納税の担当部署の職員だった。
その一番左端に、その子はいた。若い職員だった。爽やかなセミフォーマル姿で、装いはパリッとしている。物憂げな瞳を足元に向けて不安そうにしていた。
スライドの正面には、険しい顔つきの幹部職員が座っていた。審査員の顔を見渡し、私達は最初の挨拶(会社と説明者の紹介)を簡単に述べた。副市長の「それでは始めてください」という合図と一緒に、『その子』もすぐ後ろにあった長椅子に他の職員とともに腰かけた。
なぜ、その子の姿が目についたかというと、清潔感だ。清潔感がとんでもなかった。若いっていいな、自分もあんな25くらいの頃に戻りたい、という雑念を捨ててノートパソコンを立ち上げ、レーザーポインタを起動した……
約1週間後、弊社がめでたく第一候補者(※ほぼ内定という意味)として選ばれた。契約書に押印するため、F市役所へと、私が席を置いているオフィスのトップ(所長としておく)と一緒に向かった。
ふるさと納税の事業担当課(地域を盛り上げる的な名前が付いていた)の窓口に行くと、まだ約束の10分前だというのに、その子(Sさんとする)が待機していた。あの時と同じように緊張した面持ちだった。すぐ隣には、四十代半ばくらいの男性上司がついている。
「先日はどうもありがとうございました!」
「緊張しましたよ~」
みたいな世間話をちょっとした後……契約書に印紙を貼って、割り印をして、契約者名のところに押印をして、最後に捨て印を押そうとすると、いらないですと言われ……そして、Sさんに契約書を手渡した。
Sさんが不慣れな手つきで2枚の契約書に市長の印鑑をゆっくりと押すと、はにかんだ笑顔で1枚を返してくれた。
「今後、私がF市の事務担当者になります。今後ともよろしくお願いします」
こんなやりとりだったかな? 男性上司の人は、「この子がメインで渉外を担当します」と説明していた。
衝撃を受けた。想定よりずっと若い人だった。
私がSさんくらいの時は、毎日サークルの部室でごろごろして、アルバイト帰りに仲間と飲みに行って、恋人と別れてショックを受けたりしていた。
それだけに衝撃だった。異常だ、とその時は感じた。でも、それは私達から見た場合の感覚であって、向こうからすれば違う。高校を出てそのまますぐに就職する。そういう人も多くいて、たまたま私達の世界に大卒が多いだけで。それだけの話だった。
大学生ほどの年齢の子が、ふるさと納税という大きなお金が動く舞台で、公務員組織にとっては重大なチャレンジであろうこの機会に、一応はプロのITコンサル(ITだけじゃないけど…)である私達と折衝する役割を担っている。
私の経験上、官公庁側のこういった花形事業の担当者は、〇〇長が付くような役職の人か、30代前半くらいで、昇進が期待されている人が選ばれる。
契約期間は2年だった。
その間に、ふるさと納税制度の導入パートナーとして、システムの整備やら、返礼品の選定やら、業務フローの構築やら、その自治体が安定して制度を回せるまでの準備をしていく。
3年目に晴れて制度がスタートしたら、弊社はシステム保守業者として、毎年度、特命一者タイプの随意契約によって安定的に仕事を得ることができる。
肝心のSさんだけど、こちらの想定よりも頼りになる子だった。普通なら無理なお願いも聞いてくれて、それでいてこちら側の仕事、主にシステム関連の知識をぐんぐん吸収していった。
地頭がよく、それでいて物事に対して本気になることができる。そういう子だった。
ちょっと脇道に逸れる。
この時は、「F市ふるさと納税制度導入パートナー選定業務」みたいな件名で入札が行われたのだが、弊社が勝つ確率は約85%と推定されていた。
というのも、入札実施の前年度に弊社がF市に呼ばれ、「ふるさと納税をやろうと考えているのですが~」といった具合に相談を受けた後、参考見積書と設計書をF市に提出していた。そして、入札にあたっては、その参考見積書と設計書がそのまま採用されている。
おわかりいただけたかと思うが、他社がプロポに入れないよう、提出書類に予め細工をしておくのだ。そうすることで、こちらに有利な形で契約を取りに行ける。実際、プロポに参加した企業は弊社のほかに2社しかなかった。その経済圏におけるライバル企業の数は優に10社を超えているにも拘わらず。
一般に、地方自治体の担当者はIT関連に疎いことがほとんどであるため、こうしたことが通用してしまう――でも、Sさんは違った。上記に挙げた弊社が勝った理由について自分なりに考えて、私達に指摘をしたのだ。
「ほかの自治体でも参考見積書を出したら入札にかなり勝ちやすいんですよね?」と自然に切り出したうえで、他社が入札に参加できないように行った諸々のワザを見抜いた。
Sさんは、システム関連の勉強をして、プログラムの打ち込みに挑戦して、職場でも、電子機器の導入やセキュリティ責任者といった役割を買って出ていた。
一方で、おっちょこちょいなところもあって、メールに添付文書を忘れるのはしょっちゅうだ。褒められると顔を真っ赤にする。急に頭の回転が鈍くなって、とんちんかんな冗談を言ったりする。
一応はコンサルなので、競合他社と同じく顧客の評価やランク付けを行っている。その中でも、F市のランクは高い位置にあった。
無茶な要求をしないし、レベルの低い問題でいちいち呼びつけたりしない(自分達で解決する)し、十分な契約金額と契約期間を用意してくれた。市役所内のシステムの深いところの情報(通常、外部組織に閲覧させるべきではないもの)を見たいといった時も、システム管理課に掛け合ってくれ、数時間もかからず情報を手に入れることができた。
その2年間で、Sさんの表情が曇る時もあった。
年配の職員がSさんの隣に座っていたのだけど、折り合いが悪そうにしている時があった。その先輩がSさんに行った指摘について、私が座っている窓口まで聞こえることがたまにあったが、大抵は些末な内容だった。
文字の送り仮名(行なうじゃなくて行うとか、見積もりじゃなくて見積りなど)や、請求書の処理件名の些末だと思われる部分の指摘、イベント運営マニュアルでの各人の動き方(特にその先輩の)について具体的に文書で示すようにとか、ほかにもグチグチと同じようなことを言っていた。その人との話が終わった後に窓口に来たSさんは、大抵ムスッとしていた。表情が曇っていた。
ある訪問機会のことだった。うちの所長が私と一緒に来ていて、Sさん一人が役所の玄関まで送ってくれたことがある。玄関から離れて社用車へと歩き出す直前、私はついに言ってしまった。
「Sさんは公務員も向いてるけど、コンサル業界も向いてるんじゃない!?」
反射的に「やばい」と思って、所長の顔を見た。
「うん。Sさんウチおいでよ! 歓迎するよ」
所長もノリノリだった。Sさんは俯いて、唇を尖らせていた。
「まだ21なんですけど」
「大丈夫。また今度考えてね。〇〇さん(※私)も応援しているから」
帰りの車の中で、所長が言っていた。
「もちろん冗談だよ。あの子は公務員の方が向いている。でも、うちの採用試験に来てほしいとも思う。働けるだけの実力は多分持ってる」
……それから一か月後。私の携帯に電話が入った。Sさんからだった。
市役所の仕事があんまり好きじゃないんだって。今の仕事は楽しいけど、前の部署で戸籍の仕事をしていた時は、やめたくてしょうがなかったんだって。何から何まで細かすぎるところと、自分で考えて動けないのが嫌なようだ。自分で考えて、自分で動いて、結果に対して責任を取るタイプの仕事がしたいらしい。
私一人で考えてもしょうがないので、所長に報告をして、本社のスタッフ部門にも相談したところ、結論が出た。
・理由①として年齢。大学を出ていないコンサルタントはいるが、そこまで若い人は例がない
・理由②として取引先との関係。人を奪うようなことをすべきではない。彼女が本当にその気であれば止めないが...
・あなた達がそこまで推すなら、23才になったら採用試験を受けてもいい。ふるさと納税導入パートナーの契約期間が終わるまでは必ず待つこと。
あと1年ちょっとだった。
私はこの時、Sさんにとってどんな道がいいのか? と思案していた。
普通に考えれば、地方公務員の方がいいだろう。コンサルタントの道を勧めてよかったんだろうか、あの子を不幸にしやしないかという不安に捉われたのを覚えている。自分で言い出しておいて、本当に勝手なことを考えていた。
それから約1年後。弊社が借りているオフィスの一室に、Sさんがスーツ姿で現れた。
相変わらず、清潔感が抜群だった。真白のシャツがよく似合っている。
試験は何の不安もなかった。書類選考は顔パスだし、筆記試験(Webテスト)は限りなく満点に近かった。
一次面接を務めた私と所長は、Sさんに対してほぼ同じ結論を下した。内容としては、①地頭がいい。頭の回転の速さも悪くない、②温かみがあり、顧客の安心に繋がる話し方である、③偉ぶったところがなく謙虚な姿勢が見える、といったものだった。
本社での二次面接も無事に終えた。面接官だったディレクター(日本企業でいうと本部長~役員くらい)に電話で話をうかがったところ、「概ね一次面接の印象のとおりの子だった。難点として、芯が弱いところがある。強烈なキャラクターの顧客相手だと通用しないだろう」とのことだった。
「次の面接には進めますか」と聞いたところ、「三次面接を行う必要はないと判断した。他社も受けているとのことだったので、ここで内定を出す。弊社のほかは辞退するように伝えてほしい」
当時のメモによると、私はディレクターとこうしたやり取りをしていた。懐かしい思い出だ。
当時は、「Sさんが採用されますように! 弊社でなくても、ほかのコンサルに入れますように」と毎週のように祈っていた。それくらい、Sさんは性格のいい子だった。今でも、あの笑顔を思い出して幸せの余韻に浸ることがある。
そろそろ結末について話す。
Sさんの退職時期と、ふるさと納税導入パートナー企業としての契約期間の満了はほぼ同時だった。
最後にSさんの職場を訪れた時の、あの男性上司の苦渋の顔を忘れることは難しい。
やるせない表情をしていた。見た目は笑っているけど、心の中でなにかヘドロのような汚物がブンブン飛び回ってるんじゃないかって、そんな顔つきだった。
Sさんがうちに来てくれたのは嬉しいけど、本当に申し訳ないと思った。
さて。通常のパターンだと、ふるさと納税を運営していくための基幹システムの整備や地元産品の手配体制、業務フローの構築などを終えると、弊社はシステムの保守管理を地方自治体から請けることになる。
……タイトルにもあるように、弊社は入札の指名を受けられなくなった。法律上は指名停止の理由にあてはまらないので、指名リストに載ったまま『除外』された。弊社はもう、F市から参考見積書や設計書の提出を依頼されることはないし、プロポーザルに呼ばれることもないし、参加申込ができたとしても必ず負ける。
システムの保守管理は、F市が戸籍や市民税のシステム保守を請け負っている会社が一任することになった。その後、弊社のスタッフがF市を訪れたことは一度としてない。
当初は、「ウチのスタッフがいないのに保守なんてできるの?」と疑問に思っていたけど杞憂だった。Sさんが気を吐いて、どんな職員や業者に当たってもシステムの運用管理と保守が担えるように引継資料を作っていた。
今回のような事態を予測したり、意識していたわけではないだろう。ただ、Sさんが仕事に対してひたむきな人だったから、物事に対して本気になれる人だったから、普通の地方公務員のレベルをはるかに超えて、みんなのために頑張ることができた。それだけだ。
筆に熱を込め過ぎた。反省している。
あれから4年以上が経って、私は別の会社に転職した。SさんはITとは別の分野に異動になり、忙しい毎日を送っている。はてな匿名ダイアリーを見ている可能性は0%といってもいい。それくらい忙しい環境だ。辛い日々を送っているかもしれない。いや、確実に辛いだろう。それこそ地獄のように。
今でも思い返すことがある。私があの時、Sさんを誘ったのは本当に正しかったかということだ。
私はSさんが職場で悲しい顔をしていた時、なんとかしてあげたかった。そんなことはできるはずもないけど、それでも助けてあげたかった。だから、無責任な立場ではあったけど、うちに来てみないかって、声をかけた。
本人にとって良き選択だったのか、それがわかるのはまだずっと遠い未来のことだけど……過去でも、現在でも、未来でも、私はSさんの幸せを願っている。
一緒に働けたのは短い間だったけど、楽しかったよ。また会おうね。
東京都民は、都知事選にロクな候補が出ないと嘆いているが、名古屋市長選もそうなんだよ。
いや、都知事選の百鬼夜行と違うのは、そもそも知名度がある候補が出ない。元副市長や元市議しか出ない。だから、河村に票を取られる。
…ということで、名古屋市出身者を中心に「こいつが出たら勝てるんじゃないか」を適当に書いてみた。
ま、ぶっちゃけ、今、市長になっても、河村の後始末という貧乏くじ引かされるだけなんだけどさ。
賢い人は出ないよ。
「誰の金で食わしてもらってるんだ!」とか「あなたたち税金もらってるんでしょ!?」とか「取るものは手早く取るくせに出すものはなかなか出さない」とか「こんな涼しいところでボーっとしてたまに電話取って口だけ動かしてりゃ金がもらえるなんておめでたいな仕事だな!」とか「外で汗をかく仕事をしてる人間の気持ちがわからないやつに市民を助けることなんかできねえよ」とか言われるし、法律で決まっていてどうにもならないことを説明しに来いと市民宅に呼びつけられて休憩なしで半日こんこんと説教をされたり窓口でバンバン机を叩かれたり指を指されてくるくるパーのジェスチャーされたり生活保護の人が毎日出勤してきて政治哲学と噂話を説いてくれたりするし、OBはほぼみんな物分かりが悪くなってモンスター化しているし、突然に議員さんがやってきて変なお願いを振りかざしてワーワー騒ぐし副市長に言うぞとか嘘松だろと思ってたら本当に副市長に言われて方向性が真逆になったりしたり、まあいろいろおもしろいよ!
中国メディアによると、河南省周口市の劉建武副市長(45)が28日、新型肺炎で死亡した。26日に就任したばかりだった。劉氏は以前から医療廃棄物処理施設の視察などに当たっており、「殉職した」と伝えられている。
今の市政に対して不満を感じる若い女性が候補として名乗りを上げて市長候補として名乗りを上げた感じ。
今の市政に対して不満を感じている市民は多いようだけど、実態としては週刊誌のゴシップ的ないいがかりの報道が原因じゃないのかなと感じる。
何もしていない、阿波踊りも独断ですすめて運営は県外に投げて市民の声を聴かない、とうアレ。対して女性候補は今の市民の声を聞かない市政に対して共に考え進めようという。
ここでいう「市民の声」とはなんなのか。
この辺を整理しないと、あたかもきれいごとお花畑かつなんとなく実現可能な雰囲気のある方に流れてしまいそうだなと思う。
現市長→批判を受けながらも将来を見越したら必要なすみやかに施設を作り、環境整備をしていく
女性候補→県と仲良くして市民と考えながら必要な施設への着手は後回し
そんな感想を受けた。
さて、たびたび出てくる市民という言葉。どこを指しているのかなと。
4年前、今の市長が誕生した背景には新町西再開発事業の問題があったと聞く。
一部の地権利権で住民を立ち退かせて巨額な費用を投じてホールを作る。これに対して批判を受け当時市長だった人は選挙で惨敗。再開発事業は無くなったとなる。
その間、新町再開発を再開しろとたびたび市長に質問をしてくる市議もおり、そのたび市長は公約だからと返していた。
なぜ民意に背いた再開発を進めようとしているのか。まぁ政治家だから利権が絡んでいるのだろうなというは想像に難しくない。
そしてその市議は女性候補のバックについているらしい。父親同士が友好関係とか週刊誌的なのも聞いたことあるけど、本当のところはわからない。
なるほど、たびたび女性候補が言う市民とは上級市民のことなんだなと思ってしまう。
なんとか委員会に参加していて納得できないことが多いとかなんとかで市長に立候補して、当選した暁には利権目当ての市議やとりまき、上級市民の力で政治をすすめ、自分を輝かせるのかなというのが見て聞いた感想。
若いから、女性だから、で一定応援する人も出てくるし、きらびやかな未来を語るのは旧民主党と同じようなやり方だよなー、と思ってしまう。
副市長のポストも決まっているらしく、やっていることは古い政治なんだよね
現市長は当選当時のバックの力はなさそうではあるが、市民運動が背景についているそう。
いわゆる古代の第十関運動とかなんとか。平均年齢は高そうだし、ネットやSNSの展開には疎い感じをうける。
ただ、足を使った運動は強いだろうなと。ビラ配りをはじめ地道な活動で口コミを広げていく。
県庁所在地といっても大半が田舎。ポストに入ってるビラや、知り合いに言われて入れたみたいなのが強いんだろう。あとは支持が高齢者なのは強い。なにせ投票に行く層に支持されている。
SNSをはじめネットでの展開。自らの難病をもとに本を書いてたり、東大卒だったり、事業をしてたりと知名度は高い(らしい)。
背景のプロフィールから手伝う若い人も多いのだろう。女性関係の団体から支持や、利権で暮らす団体からの支持も厚そう。車も最近よく見る。
しかし若い層に広がっても投票にいかないし、そもそも絶対数が少ない。
地上戦vs空中戦みたいな様相で、これからお互いどう展開をしていくのかが楽しみである。
現市長陣営は古いやり方やこだわりにとらわれず、動画での展開、実績のアピール、4年間でどう立て直したのか。落ちてしまえば停滞ないし、戻ることになりかねねないことを訴えていくことも重要じゃないのかなと。
女性候補陣営は泥臭い選挙をし始めたら脅威になるだろうなと。市民が誰を指すのかを悟らせない勢いでガンガン突き進んで若い人を取り込んでいき、中高齢者へ媚びていけば奪還してもおかしくない。
高知市職員ですが、以前のエントリーが思った以上に反響がありましたので、書きます。
以前のエントリー
https://anond.hatelabo.jp/20180728154743
https://www.kochinews.co.jp/article/203672/
高知市の横田寿生教育長が31日付で辞任。7月上旬の西日本豪雨のさなかに、北海道へ市幹部ら7人で競馬旅行していたことに批判が高まっていた。岡﨑誠也市長が記者会見して発表。
7月4日から発生している豪雨災害のさなか、今回辞任した横田教育長、教育次長、総務部の弘瀬優総務部長、諸石信広総務部副部長、その他副部長級2人、課長級1人の合計7人が函館に競馬観戦の旅行に出かけていたことが発端です。(この7人というのが、競馬好きで20年以上の付き合いで趣味で、全国の競馬観戦をしている「有馬会」のメンバーであり、後述しますが、事実上の高知市役所の人事権を牛耳っているメンバーでありました。)
このうち、横田教育長と弘瀬部長は、災害対策本部のメンバーであることから、庁内外はもちろん、市民からも非難の声が集まり、全国区のニュースとなりました。
ここで、誤解してほしくないのが、単におじさん7人が趣味で競馬旅行を行っていたのが問題ありません。公務員だからといって、競馬をしてはいけない、という理由は無いと思います。ただ、タイミングが最悪だった。豪雨災害で西日本を中心に被害が発生しており、高知県内では3人が死亡している最中、この7人は競馬観戦をして、すき焼きに舌鼓を打っていたということ、道義的責任が生じるとともに、公務員にとって最もと大事な「信用」失墜行為にあたるということです。
なお、出発した時点は大きな被害は出ていなかったと、それに代理を立てて準備をしていた等、一部弁明していますが、これもおかしな話です。
というのは、そもそも災害対策本部というのは、当該自治体における防災対策の最高意思決定機関であり、避難所開設、避難指示、避難勧告といった市民の生命に直結する、非常に重要な決定を行う機関です。
責任が非常に重いのでそもそも課長、課長補佐といった代理で務まるわけがありません。そのような理由もあり、大きく報道されました。
後述しますが、この報道に対して当の教育長が「道義的責任はない」と開き直ったことから、市議会の与党会派「新風クラブ」「市民クラブ」「公明党」が激怒し、公明党出身の市議会議長も市長に文書で申し入れをする構えを見せたことで、事態は急変しました。
今回、競馬旅行にいった有馬会のボスである横田教育長は道義的責任はない、と高知新聞7月28日付朝刊においてコメントしていました。
「(旅行期間中は)学校も休みで行事もない。用意周到に必要な指示を出し、態勢を敷いていたのえ、(私が不在でも)特に支障なはなかった。道義的責任も生じない」という認識を示した。
避難所として小中学校は機能するにかかわらず、教育委員会トップと思えない軽い認識で、道義的責任を生じないというコメントには、失望しました。
しかし、冒頭のニュースにあるように、本日付で横田教育長が辞任しました。
長年、高知市役所において、人事課長、財務部長を歴任し、最終的に教育長という副市長クラスの特別職として君臨していた男のあっけない退場でした。最終的な肩書が「人事の横田」「競馬旅行の教育長」という肩書とともに。
今回の競馬旅行事件は、教育長の辞任をもって幕引きとなるでしょう。本来的には、職員の人事権や綱紀粛正などを統括する総務部長が一定の処分を受けると思いますが、今のところ、減給程度で終わるようです。
しかし、有馬会のナンバー2である弘瀬部長がこのまま総務部に留任ということは、ありえないと一般的に思いますが、仮に弘瀬部長こそ、次期副市長の最有力候補であり、やもすれば、市長の呼び声も大きいので、ここでキャリアに傷をつけるのは、何としても避けたいところでしょう。
それに、現在の岡崎市長の最側近でもあり、かつて、弘瀬部長が課長時代に、同和問題で部落解放同盟に糾弾された際も処分はせず、現在の総務部長のポストにつけたことから、その信頼の強さがうかがえます。
よって、道義的責任は生じないと言っていた横田教育長が辞任したことは、有馬会トップの座を弘瀬部長に禅譲することも意味します。
高知市役所も結局、組織でありヒエラルキーが存在し、派閥も一定存在します。そのような派閥で最大の力を誇るのが、有馬会です。
有馬会は、報道ではただの競馬大好きクラブといったような趣ですが、そうではありません。(ちなみに有馬会の由来は、有馬記念から来ています)
そのメンバーが、今回のニュースで明らかになったように、教育長、教育次長、総務部長、総務副部長、さらに副部長級があと2人、課長級が1人と上級幹部ばかりです。
今回旅行行ったのは、有馬会の中でも有力メンバーであり、その他にも有馬会のメンバー、もしくは有馬会「系」の派閥も存在しています。
彼らの力の源泉は、財政課、企画課、人事課、行政管理課といった役所内の中枢出身者ばかりということです。
では、なぜ有馬会がここまでの力を持つようになったのか?これは、前市長にまで話はさかのぼります、が、長くなっても仕方ないので機会があれば書きます。
ただ、一般的に役所の世界で出世したければ、上記のセクションに配属され、市長に最も近い派閥に属することです。
役所という世界は、実力云々というよりも、どこに配属されていたか?ということが重要ですので、下手を打たずレールにいれば、そこそこのポジションにありつけます。そのメインストリームが有馬会というわけです。
今回の教訓を単なる、競馬大好きおじさん達の軽率な行動というレベルで片づけるのではなく、このおじさん達が庁内で権力を握り、人事権を牛耳り、誰も文句を言えなかったという事実です。普通の職員ならば、台風災害中に旅行には行きませんし、まさか役所の仲間と行くなんてありえません。異常です。異常ですが、そのように感じないほどの空気が役所内にはありました。
なので、今回の報道でも職員も「大げさすぎる」という意見も一定数あったので、役所内世論も完全に2分していました。なので、今回議会の指摘があったのは、不幸中の幸いです。ある意味、民主主義の自浄作用が働いた形です。しかし、この災害中に飲み会というニュースは、既読感がみなさんあったと思います。あえて言いませんが、同じことが今回、悲しくも私の高知市役所でもありました。
では、指示で動くのは誰でしょうか?動くのは、主事、主査補、主査、主任、係長、課長補佐、課長といった人々です。部長、副部長といった上級管理職以下の職員です。上司が部下を見るように、部下も上司を見ています。とはいえ、職務命令があれば動きます。これがルールだからです。気に入らないという個人的に思いはありますが、役所という完全タテ社会では、それが言えない空気があります。
高知市は、これから全国でも例をみない、高知県ほぼすべての市町村が連携中枢都市圏を構成する巨大プロジェクトを進めており、そのフロントランナーが高知市です。そんな他市町村を束ねる役割を担う高知市でこのような報道があったことは悲しく、情けなく、それ以上に怒りを感じます。
現場の職員は、災害時だろうと、市民の暮らしを守るということ一番に考えております。これまでの高知市は三位一体改革や前市長の極端な積極財政による財政危機のため、職員給与がカットされるとともに、職員数も減らされて中核市でワーストクラスとなりました。
つまり、しわ寄せは少ない人数で、時間外手当も限られている中で現場は工夫をしてきました。だからこそ、今回の事件は、これまで築き上げてきた高知市の矜持を深く傷づけているのです。それが職員の綱紀粛正の大本営である総務部長、副部長ということが、何ともいえない気持ちになるわけです。
https://www.kochinews.co.jp/article/202826/
7月上旬の西日本豪雨のさなか、高知市の横田寿生教育長と弘瀬優総務部長らが北海道函館市へ競馬観戦などを目的に旅行していたことが、27日までに分かった。出発時、同市には災害対策本部が設置されており、2人は避難指示などの重要事項を意思決定する「本部員会議」のメンバー。高知新聞の取材に対し、2人は「代理出席はさせていた」「電話で指示していた」などとするが、県内各地で被害が出る中の旅行に庁内から批判の声が上がっている。
旅行には2人のほか、総務部副部長、教育次長ら副部長級4人、課長級1人の計7人が参加。7人は趣味の競馬を通じた集まり「有馬(ありま)会」をつくり、約20年前から全国の競馬場を巡る旅行を続けているという。
今回の豪雨で高知市は、台風7号の接近に伴い4日午後3時に災対本部を設置。6日午前には、台風通過後の大雨で物部川の水位が上昇し、氾濫の恐れがあるとして、市東部の避難所開設と「避難準備・高齢者等避難開始」の情報発令を決めた。その後、雨は小康状態になったため、午後3時に災対本部の縮小を決めたものの、7日に雨脚が再び強まり、市は午前7時に本部態勢を強化した。
この時は、災害対策本部において、電話対応をしていましたが、すごく恐ろしかったです。というのは、26年にも同様に大雨災害があって、大きな被害が市内でもあったからです。
弘瀬部長も、当時は防災対策部の副部長として陣頭指揮にあたっていて、災害対策の重要性を強く感じていたと思うのに、なぜ趣味を優先したのか、非常に残念でなりません。
今回、報じられた有馬会というのは、市役所では知らない人はいない、最大派閥にして、高知市役所の人事権を掌握しているといっても過言ではないグループです。特に有馬会のボスである横田教育長は、以前は総務部長として、市長部局に君臨し、その影響力は絶大で、副市長を上回るほどといわれているぐらいでした。
そのような、有馬会が今回報道されたことは、来年度の市長選挙と無関係ではありません。チクリがあったのでしょう。
高知市役所は、長年、革新勢力が力を持っていましたが、現在の岡崎高知市長の前の市長である、松尾徹人市長から、保守市政へ政権交代を果たしました。
とはいえ、いまだに高知市議会では革新勢力が一定数の議席を保有しており、今回の報道は、現在の高知市中枢には打撃になることは必至です。
http://www.city.kochi.kochi.jp/uploaded/life/99855_265338_misc.pdf
今回の報道であった有馬会のメンバーにおいて、実名は横田教育長と、弘瀬総務部長であり、実名はないものの、総務部副部長、教育次長を含めた副部長4人、課長1人の、不名誉な有馬会セブンが報道されることとなりました。
最近の高知市は、飲み屋にいっても、「あー、全裸事件の高知市役所ね!」と言われてしまい、恥ずかしい思いをしましたが、今度は、「あー、台風の時に競馬行っていた高知市役所ね!」と言われるのでしょうか・・・
現場で対応していた職員は、みんな真面目で徹夜、泊まり込みで対応していました。しかし、人事を司る総務部長が、このような対応をしていたのは、やっぱり残念です。
高知市役所は、今おかしくなっています。これをきっかけに自浄作用が働くことを期待します。
続きを書きました。
といっても数カ月経ったのですが。
わからないことも、たくさんあったりで毎日が日々勉強で大変です。
業務的な部分はなんとか付いていくことが出来ているのですが、不満も多いのです。
とにかく理不尽な市民が多いです。閉庁してるのに役所に入ってきて手続きしろと言います。
これはまだ可愛い方です。酷い時は他の役所での手続きが必要なのに関係のない窓口に来て怒鳴った挙げ句に「関係ないなら最初から言えよ!」と訳のわからないことを言いながら椅子等を蹴り飛ばしたりする人もいます。
開庁前に数人がドアの前に並んでいて走り回ってたりします。
大きな声で雑談したり、飲酒しながら保護費もらえるから今日は朝からパチンコやってくるわーなどと言うのです。
走り回れるなら働けるんじゃ…とも思いますし、保護費はギャンブルのための小遣いでは無いのになとも思います。
ギャンブルは納得はできませんが、まあご自分の金ですから勝手に使って散財して苦しむのは勝手です。
が、元気に走り回れるならば仕事を見つけて元気に働いたらどうかなとは思います。
こういった市民もいるので大変ですが、私個人が一番厄介だなと感じたのは
挨拶ができない先輩職員たちです。上司や市長・副市長が横を通ったら一声挨拶くらいしても良いと思うんです。
しかし、やらないどころか自分の好きなテレビの話やらなにやら続けるだけで会釈さえもしない姿があまりにも年上として悪いお手本だなと。
また仕事面でも自分のミスを他人に押し付けたり、他人の悪口を周りに吹いて回ったりし続ける姿は醜いです。
この間は掃除の人や窓口を任せている委託の人の悪口を辺りに撒いていました。
挙げ句には、5chなどの掲示板に誹謗中傷を書き込んでる事をサラッと言ってくるではないですか…。
公務員ってある程度頑張ると異動もありますが、これほど早く異動したいと思った事はありませんでした。
毎日のように同じ職員から他人の悪口を聞かされるのは苦痛ですし、礼儀もマナーも知らない先輩からモノを教わるというのは不快です。
市民対応は怒られたりしても、今度は怒られないようにしようって思ったり、喜んでもらえたら次も頑張ろうって気になるのですが、
先輩職員の性格にはどうしてもついて行けない不愉快さがあって、公務員に限らず社会は大変だな…と感じました。
せめて後輩が出来たら、こうならないようにと反面教師にしたいものです。
その前にもうここに書かないようにしないといけませんね。
地方に高速道路や新幹線、橋などの交通インフラが整備された際に、地方の活力が大都市に奪われてしまう現象。
「コップ」(地方部)の水(活力)が「ストロー」(橋・鉄道など)で、都心部に吸われるさまに例えた表現。
都会から地方部に人が来るのではなく、逆に“地方部から都会に”人が『逃げ出す・通う』ことで、地域の商店や企業の存続意義が失われる例がしばしば見られる。
はてなブックマーク - 「つくば市をアジャイル行政に」——26歳財務省官僚がつくば副市長に転身した理由 | BUSINESS INSIDER JAPAN
の下記ブコメ
eirun つくばは駅周辺がストロー効果で苦しんでいるけれど、だからこそ不動産とかは多いし、TXのおかげでベッドタウンとしての伸びしろもおおきい。チャレンジのしがいのある場所だから頑張って欲しい。
フェミニストからは概ね、諸手を挙げて歓迎されてるように見えるけれど個人的にはそこまで良い映画だとは思えない。
何が気になるってこの映画の黒幕を羊の副市長という「女」にしたところ。せめてライオン市長と羊の副市長がどっちも女だったらまだよかったんだけど。最初の警察学校の場面では白熊の声が女性(トイレも女子トイレだった)だったから見た目では雄っぽく見えても女性の動物もいるのかなと脳内補完できるんだけどライオンだけは無理。ライオンは鬣で容易に雌雄がわかるから、鬣のあるライオンは全て男とわかる。市長がオスライオンなのに警察にもオスライオンがいるって被っててバランス悪いと思うし。
とにかく、黒幕である羊の副市長の行動がまるっきり『痴漢冤罪』のメタファーにしか見えなかったんだ私には。本国アメリカだとどうなのか知らないけれど。
オスライオンの市長にいいように使われてきたメス羊の副市長という、虐げられてきた『女』を黒幕にし、痴漢冤罪のような形の陰謀をやらせるってさあ…しかもラストのダンスシーンでは同じく刑務所にいてもライオン元市長はそこそこ寛いでるのに羊の元市長は険悪な表情のまま、改心もしてないし。
それにさ、ベルウェザーの姿って要するに未来のジュディでしょ?
警察や政治という崇高な仕事に夢を見て実現させたはいいが現実は雑用を押し付けられるのみ、って。そこでジュディが腐らずに頑張った結果成功したならいいんだけど実際にはたまたま誘拐事件が起きていてそれを解決したからというだけ。真相の解明も家族が偶然ヒントを与えてくれただけで、あまりにもスピード出世すぎる。ジュディだってあのまま何十年も同じ環境にいたらベルウェザーと同じようになっていたとしか思えないんだ(種族がどうとかじゃなく、新人に重要な仕事を任せないのは当たり前なのにそれで被害者面するってメンタルが未熟過ぎでしょ)。それなのに未来の自分の姿とも言えるベルウェザーとは何ら精神的な和解はなし。
アナ雪の後のディズニーで女主人公、女黒幕にしたならジュディがベルウェザーを改心させる展開の方がよかったんじゃない?
ジュディとベルウェザーの描写を見ていると、若いフェミニストはジュディのように明るく前向きでいなきゃなりませんよ、ベルウェザーのように男を恨む高齢フェミニストになってはいけませんよ、お利口さんでいなさい…ってメッセージを感じ取れちゃうんだけど。
1.うさぎが警察官になってライオン市長からバッジを貰うところ
このシーンを見て、ライオン市長はウサギの故郷の市長かと勘違いしたから途中ちょっと混乱した。
ズートピアの近くだとは思うけど。
最後のほうでも同じような場所でキツネが警察学校を卒業したっぽい描写があった気がする。
2.キツネがウサギをヌーディストクラブみたいなとこにつれていくとこ
キツネがウサギの機転に負けてカワウソ探しを手伝わされる時に、「○○は知らない。□□だけだ。」みたいなセリフがあった気がするんだけどどんなセリフだったか思い出せない。
カワウソが失踪したのは1週間くらい前だった気がするので(うろ覚え)、知り合いでもなけりゃ覚えてるのは難しいんじゃないかと。
あの店もキャンディーを売る稼ぎ場所のひとつでカワウソは常連客だったのではないかと想像することはできるけど、具体的な描写はなかったと思う。
映画はすごいテンポで進んでいくから見てる最中はそこまで気が回らなかったけど、よくよく思い返すとカワウソの旦那はすごい設定だ。
ヌーディストであり、マフィアのボスからリムジンで送り迎えされるような間柄。
こんな設定あり?
たしかに。
夫の仕事を知らない妻、みたいな題材はフィクションではわりと良いテーマなのかも。
黒ヒョウがあのタイミングで撃たれたのは、ウサギ達を影から監視してた黒幕が指示して黒ヒョウに襲わせる為に撃ったってことでいいのかな?
ご都合展開でなくて。
わからん。
肉食動物が14匹も狂暴化した今なら肉食動物の立場を慮ったという理由は一見正当性があるように感じるが、最初の1匹目の時からこうなることを予想してたのかと思うとちょっと無理がありすぎない?
原因がわからない時点で公表しても不安を煽るだけという意味では肉食動物だろうが草食動物だろうが同じように対処したのでは。
6.「夜の遠吠え」ミスリード
じゃウサギも知っとけよ。
ウサギも知っとけというのはたしかにそうだけど、実家の仕事に興味なかったんだろうなあ。
1.にも書いたけど、冒頭のウサギと同じように警察学校の卒業式っぽい描写があった気がする。
見たい。
ズートピア見てきた。
ちょっともやもやして、ネットで評価や感想を読み漁るももやもやが晴れなかったのでここに書く。
ネタバレありなので注意。
大小いろいろ納得できない点をストーリーに沿ってあげていく。
もし俺が見落としてるだけとか勘違いてるとことかあったら教えてほしい。
1.うさぎが警察官になってライオン市長からバッジを貰うところ
このシーンを見て、ライオン市長はウサギの故郷の市長かと勘違いしたから途中ちょっと混乱した。
背景が思いっきり田舎だったような気がしたけど、あそこもズートピアなのか?両親も上京してた?
2.キツネがウサギをヌーディストクラブみたいなとこにつれていくとこ
キツネがウサギの機転に負けてカワウソ探しを手伝わされる時に、「○○は知らない。□□だけだ。」みたいなセリフがあった気がするんだけどどんなセリフだったか思い出せない。
映画はすごいテンポで進んでいくから見てる最中はそこまで気が回らなかったけど、よくよく思い返すとカワウソの旦那はすごい設定だ。
ヌーディストであり、マフィアのボスからリムジンで送り迎えされるような間柄。
こんな設定あり?
黒ヒョウがあのタイミングで撃たれたのは、ウサギ達を影から監視してた黒幕が指示して黒ヒョウに襲わせる為に撃ったってことでいいのかな?
ご都合展開でなくて。
黒ヒョウを回収しに来たオオカミは後に黒幕でないと分かるんだけど、ならあのタイミングで回収できた訳は?
肉食動物が14匹も狂暴化した今なら肉食動物の立場を慮ったという理由は一見正当性があるように感じるが、最初の1匹目の時からこうなることを予想してたのかと思うとちょっと無理がありすぎない?
6.「夜の遠吠え」ミスリード
じゃウサギも知っとけよ。
色々書いたけど、なんだかんだ言っていい映画だったよ。
俺の予想が外れてヒットしてくれればいいけど。
2016/04/29追記
カワウソが失踪したのは1週間くらい前だった気がするので(うろ覚え)、知り合いでもなけりゃ覚えてるのは難しいんじゃないかと。