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2024-11-09

溶接工やめた

安全に。本日溶接あるあるは「公園遊具溶接欠陥を見つけたことを子供に自慢して白けさせがち」です。

退職してきた。

元はと言えば工業高校から大手の本工から紆余曲折もあって中堅企業電気屋として働くことになって10年以上たつ。しまいには班を抱えるに至ってた。何がMTGだ何が会議だ何がメンタルケアKYやれKY。そんなんだからいつまで経っても・・・・・・・てな感じで、特に中間管理職としての不満があったわけではない。妻の実家の都合なので。次も溶接仕事をするのかは全くの未定だからバイトを始めるかもしれない。特にUTMT日常的に通さなければいけないタイプ電気屋は、つまるところ検査屋というイタコが啓示してくれる瞑想をやっているようなものから精神依存性がある。だからなのか電気屋やめた途端にメンブレする人は結構いる。これは、そもそも病的な傾向があったところに、今までは溶接治療的に作用して持久していたのではないかという仮説をたてている。だからキレる老人にも溶接やらせてみれば多分治るのではないか。ピンピンコロリはいうが、高齢者医療費削減がサァ!安楽死がサァ!とコロリの話ばかりしていて、それよりもピンピンの方について真剣に考えた方がいいんではないか。そんなことを増田は考えている。

そして、この10年で人材が大変多様になった。退職後が暇すぎて働いている70歳超えてる増田師匠みたいな人や、特定技能ベトナム人はもちろんのこと、ついには女性までという奇妙な職場環境だった。いわゆるマイノリティの方が数が多い。都会の人にいうと待遇が悪いんじゃないかと言われる。だけど、この地方だと人的資源のものが枯れてるので、ジキュ上げたところで大きな意味があるのかよくわからない。既に10年前から単価を倍に上げたけれど人員を増やすことは難しいと鉄工所アルバイトも言っていた。ゼロに何を掛け算してもゼロ。引き合いを断って同業者を当たり尽くしたのか金額けが上がってまた引き合いが来て、それをまた断ること4度繰り返して納期がどんどん後ろにズレていく案件であるという。当たり前だが人を増やせばいくらでも利益は出てくるのだが、それでも出来ない。高圧経済とは言うんだけど、少子化という圧力が高すぎて風船が破裂してしまって逆に生産性が落ちている状態なのでは?

まあ、経済の難しいこととか分からんから特に外国人女性ってのは難しいなと日々感じながら仕事してたので、2つのケースについて自分経験や考えを長々と書かせてもらおうと思う。

ベトナム人

元は技能実習生として日本に来ていて、こちらでの生活一定の期間していたから、言葉はまあまあできた。

外国人は怒ってはいけないと何かで読んだから怒らないように気を付けていたが、安全面でこのルールはかなり破った。教える/叱る/怒るはスペクトルなのだろうか。自分の命の値段が安いと思ってるのか何なのか、クレーン吊り荷の下をくぐることが多すぎて弱った。とにかくフラフラっと近寄るし、動いているクレーンから視線を切ってしまう。日曜に出てきてペンキで床を塗って避難場所を作り、誰かがクレーンを動かすブザーを鳴ったらここに行けという少し極端なことを始めたりもした。でも、それはそれでクレーンを操縦する側の日本人にとっても安全を強く意識する契機にはなったかもしれないとポジティブに考えてる。師匠は「昔は職人ってあんなもんだった」とか呆れて言ってた。そういえば防塵マスク最初ちゃんと付けなかった。前社ではどういう指導を受けてたんだろう。外国人からって溶接ちゃんと教えてないどころか安全教育すら放棄するのは企業として最低限のこともできてないのだし、名前だけは有名だけど社員の質が総じて低い会社なんだろうな。そういう会社に限って職人だ匠だマイスターだとアピールに余念がないのだから世の中というのは不思議増田が平均的な溶接工よりも安全にうるさいのも確かだが、それにしても。

そんなんだから当初の溶接の実力はかなりひどく低かった。特定技能なのに特定技能を持ってないのでは。「どうやってJIS試験とおったの?」って聞いてしまった程度にひどい。欠陥を手直ししていたらしいけど、具体的な欠陥とは何かを教えてもらえないから、突っ立ってたまに溶接して仕事してるふりだけしてたらしい。だから何がどう欠陥なのか、その原因と対処方法みたいなところから教えなくてはいけなかった。信じられないほど低いレベルの話。そんなことも教えない技能実習。何の技能を実習させてた?全く関係ないけど、みんなの家の鉄骨は本当に大丈夫かな?

というわけで基本から教え始めたのだが、とにかく覚えが早い。最終的にはカラーチェック程度の検査なら手直しも含めた具体的な手技は自分で考えてくださいみたいな方向になってた。どうせベトナム人は教えたやり方を勝手に変えてしまうから詰めても意味がないということに早々と気付いたのもある。それを良いことと捉えるかどうかが問題だと思っていて、逆に日本人の若手は自分で考えて動くということをしないから何事もバランスだろうか。増田勝手なことをして成長していたタイプなので、安全上の問題がなければ過干渉は避けるようにしていたつもりだけど、どうしても余計なことに口を挟んでしまいそうになる。この前も、増田がやるなら左手に持ち替えるところを、フレキシブルトーチつないで右手でかなり無理な姿勢溶接していた。悪い工夫ではないと思うが、左手右手と同じように出来るまで練習しなよとか余計なことを言ってしまった。大物やってる隣へ手伝いに行かせたらUTエコーが跳ね返りまくって、検査屋の音波おぢに文句言われながら増田と2人でガウジングの煤で真っ黒になりながら3日かけて掘り返して埋めたこともあった。それも経験。失敗は他人に手直しさせた方が効く奴と、自分で手直しせんと覚えん奴がいるので、両方を兼ねれば効果倍増。

最初はアンダーカットオーバーラップも分からないレベルから、1年で競技会出ても恥ずかしくないレベルに上手くなってるのは増田金正恩レベルに高い指導力の賜物だと思う。向上心の高さとかも含めてベトナム人ポテンシャルはとても高くて、増田だって数年したら抜かれるんじゃないかと思ったくらい。でも技能実習や特定技能は期限があるので上手くなった頃には帰るから、どこの会社教育に身が入らず「低度人材のまま、おかえりくださーい」ってわけだ。この国はもうすぐ滅ぶ。本人たちは金持って帰れるからそれでいいやと割り切っているのかもしれないが、能力が高い溶接工を追い払いながら自称ものづくりの国、馬鹿な連中と思ってるかもしれない。

女性

ついに女まで溶接工として採用しちゃったと聞いたもんだから世も末。しかもTIGではなくMAGCO2で厚物もやらせようっていうんだから暑いだけじゃなくてCO2なんかスパッタ飛ぶ量が半端じゃないし服とか燃えるけど大丈夫ハツリやったら全身真っ黒になるけど?と面接でも聞かれたらしいけど別にいいとのこと。以前は医療関係でお務めの御嬢様が人間関係に疲れ果ててやってきたそうなのだが、弊社も入ってみたらセクハラ地獄……と、ならんように考えるのが大変だった。トイレや着替えその他は女性設計がいるのでほとんど問題なかったのでは?と思っている。こっちが思っているだけで、あっちがどう思っているかは分からないわけですが。

身長が150あれば溶接工として大抵のことは出来ると思うけど女性としても小さすぎる。140ちょっとしかない。革ジャンはブカブカ、見た目は完全に子供。苦労したのは道具からで、トーチは定番ブルーレッドも上手く取り回せないか私物のビンツェルを貸したら上手く握れるようになった。男だったら文句わずに黙ってそれでやれって言ってる気もするから、こういうのもオタサーの姫扱いで良くないのか?一つ一つ手探りで考えながらやってた。最終的には会社に頼んでわざわざビンツェルを入れてもらったんだけど、意外と他班の男性陣にも好評だったのか普通に借りパクされる。ブルートーチの小さいやつも悪くないと思うんだけど、薄板を相手に振り回すならビンツェルは最強だと思う。ただしチップがすぐ死ぬのがドイツっぽい。身長に合わせた定盤とは言えない程度の作業台もわざわざ作った。これもジジイに乗っ取られてたから結局は複数作った。グラインダーも大苦戦だったけど、7インチだと2kg切る機種はないので気合でなんとかしてもらった。チッパやニードルスケーラも気合なのでエアツールは何から何まで気合増田はNPK派だけど女はFUJIの方が使いやすいとかあるのかな?もっとメーカーでいいものあれば、もし女性溶接工がいたら参考までに教えて下さい。

これもベトナム人と同じで怒ったら面倒だから怒らないでおこうと思ってたけど、そうはいかなかった。フェミに怒られる言い方をすれば、女のくせに仕事が恐ろしいほど雑だったからだ。昼休憩に止端仕上げを明らかにサボっているのを設計おっさんに見つかって怒られたまではいいが、設計おっさんと仲悪い別のおっさんが「うるせえ」とか謎にキレて介入し始める謎喧嘩(定期)が始まった。仕方ないか増田が横から割って入って「指導不足で申し訳ないです」とその場を収めた。それで「これ俺にもやらせんの?お姫様だなあ」と言ったら生意気にも「女性差別です」とか口答えするから所詮は女のやることだから俺が頭下げただけで済んでるんだから二度と舐めた仕事してんじゃねえブス」と言ったら半泣きになって自分で手直し始めて、二度と手抜きはしなくなった。はてな基準やZ世代基準ではセクハラパワハラに該当するだろう。増田もブスは良くなかったと思う。だけど、人間心理への侵襲は最小限であるべきという前提は置いても、一定程度の圧力はかけないと人は動かじ。何もしなくても出来るのは天才だけだし。

もちろん良いところもあるというか、短期的に別の班に貸したら大活躍だった。ロボットの扱いがとても上手いのだ。えらい人が営業の口車に乗って導入したはいものの社内で誰もまともに使えないから量産小物の仕様変更からほぼ稼働させられなかった曰く付きロボットを、面白半分で使わせてみたら特別教育受けただけなのに自在に動かす。単にティーチングだけではなくジグを作るのも上手くて、図面もなしに勝手スクラップ集めてやっつけで作ってるのに使えるから、荒っぽいけど勘や発想が良いんだろう。点検に来たメーカーも「これで大丈夫なんですか?」と明らかに悪い意味で驚くくらいのやっつけだが。少量でもジグ作って全部ロボット溶接やらせるようになったから、当然ながら仮付けしか仕事がなくなる。だから一向に溶接が上達しない。量産かつロボットがやれるサイズなら爆速で上げるから周りもどんどん仕事を投げるのだが、本人はあんまり納得いってないみたいだった。そもそも頭の作りが電気屋じゃなくて鍛冶屋的なものに向いていたのかもしれん。ロボットなんか分からんから増田がなにか言えることもない。ただ、本人が電気屋として厚物がやりたいんだと話して、少しだけ騒動を起こしてた。気持ちとしては分からなくもないが、ガウジングで全身真っ黒にするわけにもいかんよなあと思っていた。他所女性チビでも音波物をガンガン溶接する上手いのがいるらしいと聞いたから、差別的な失敗だったかなとも感じていた。その後は一応の解決をみたものの、まだ正解は分かっていない。そうやって正解を探せること自体、恵まれていたのかもしれないのだし。分業かつ柔軟性がある程度に小さい企業という規模感はかなり限られてくるのだから

もののついでだから最後に書いておく。この前も「水汲みという重労働女性は担ってきた」というフェミツイートに「そんなものは軽作業だ」というアンフェが引用が少しバズっていたが、普通に考えれば危険作業だろう。一人KYでもやってみればいい。経験能力もない奴ほど自らの仕事危険性を強調してアイデンティティを誇示する傾向がある。ノーヘル原チャリで遊んでるガキか、ヤンキー漫画の読みすぎてイキってる奇妙な人物か。外からイメージを悪くしようとする連中をどうにかしないと、いつまで経っても女性だけではなく男性も劇的に増えることはない。女がやりたくない仕事を男がやりたいと思うことは基本的にない。別に溶接に限らないのだが、業界の人はそういう面をもっと感じ取ったほうがいいと思う。

なんか暇だ。なんかない?

2024-11-06

anond:20241106232515

あのな、「最年少」ってのはそもそも年齢が若いことを売りにしてるんだから31歳でやる話じゃないんだよ。天才感が欲しいからって、年齢無視して最年少を目指すのはどう考えてもズレてるだろ?17歳司法試験合格みたいな、若さと実力を兼ね備えた話だから凄いわけで、30過ぎて「最年少」目指したいって言うのは正直、無理がありすぎる。

31歳で何かやりたいなら「最年少」じゃなくて、普通に「最年長」とか「異業種からの挑戦」とか、年齢相応に活かせる方向を考えなよ。天才感を演出したいなら実力で勝負しろって話。最年少とかに固執してる時点で、目指す方向性を完全に間違えてるよ。

31歳なんだけど「最年少〇〇」がしたい

さっき「司法試験17歳で最年少合格」ってニュース見ておれも最年少したくなった。

「最年少〇〇」ってなんか天才めっちゃあるし。

31歳なんだけど何かいいのない?

31歳なんだけど「最年少〇〇」がしたい

さっき「司法試験17歳で最年少合格」ってニュース見ておれも最年少したくなった。

「最年少〇〇」ってなんか天才めっちゃあるし。

31歳なんだけど何かいいのない?

(追記)在米増田トランプが勝った理由がよく分かる

自分はどちらも応援していない

「なんでトランプが勝ったの?」と思っている人も

トランプってそんなに人気があるんだなあ」と思ってる人もたくさんいそうなので

現地の感覚で思った事を書いてみる。

結論から言うと、「トランプが勝ったというかハリスが負けた」という感じ。

日本自民憎しの人が別に立憲応援してないけど立憲に入れたみたいな感じ。

もちろん熱狂的なトランプファンもいるだろうが、↑みたいな人は今回多かった。

アメリカ人普通に苦しんでいる】

アメリカに対してキラキライメージを抱く人も多いだろうけど、一部のキラキラ地区キラキラ職業を除いてアメリカはほぼ地獄みたいな感じになっている。

よく「日本人がアメリカ旅行に来ても高すぎて何も買えない」みたいなのが流れてくるが

アメリカ人は豊かに暮らしているのかと言われれば全くそんなことはない。

毎日毎日物価の高さにやられるし仕事もきついし治安も悪い。

何よりその現状を打破する方法が分からないし無いのでフラストレーションが溜まりまくり

マジで信じられないだろうが、アメリカ人には「インフレ」という言葉を知らない人もいるし、意味説明しても理解できない人も少なくない。

そして何もかも今の政治が悪いと思いこむ。

生活が苦しいのは今の政権のせい。とりあえず政権変えたろ」という感じでトランプに入れる。

ぶっちゃけしろトランプ政策だとインフレ再燃する確率が高いんだけど、そうなった時どうなるか知りたい。

リベラル死ぬほど嫌われている】

上記の通りアメリカ人普通に暮らしに苦しんでいる人が多い。

そんな中で「LGBTQの権利を!」「女性もっと(過剰な)権利を」「移民歓迎」とか言われたらぶっ殺したくなるのは想像できるだろう。

人権なんてどうでもいい。だって今生きてる自分が辛くて大切にされてないのだから人権どうこうは説得力がないのである

トランス男がどこのトイレに入るとか心底どうでもいいのである食材が高いほうが100倍問題だ。

そんな感じでリベラルうんざりしている人はとても多い。

トランプ女性軽視的な発言リベラルバカにした発言も多いので聴いててスカッとするのだろう。

自分が傷ついてもいいか他人に堕ちてほしい】

ハリスの「セレブに協力してもらう」作戦は悪手中の悪手だったと思う。

セレブ」というのはもはや憧れの存在ではなく、富を手にする敵である

セレブ死ねや!金に困ってない奴に政治のことが分かるか!ハリス落選させて恥かかせてやらあ!」という人はけっこう多かった。

「そんな理由投票する人はいない。アメリカ人バカにするな嘘松乙」と言われそう。でもマジです。

たとえトランプが勝って自分さらに貧しくなろうが関係ないのである。一緒に堕ちてほしいのだ。

ハリスシンプルゴミすぎた】

本当に弁護士なのか疑うレベルバカみたいな言動が多く、シンプルに嫌われていた。

なんであんなのを候補にしたのか理解できない。

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自分の周りでは「トランプになるなんて…」「ほかの国に移住したい」という声もたくさんあった。

その人たちには立派な職があり、「移住できるような」状態にある人が多い。

これはトランプ投票した人は貧乏ハリス投票した人は生活に余裕がある人と言いたいわけではない。むしろトランプ投票した貧乏人」みたいな煽り軽蔑している。

自分は、アメリカきれいごとを言っている場合ではない状況になった、ということだと思う。

要するに豊かな国ではなくなった。

正直、この国がどうなっていくか楽しみである。分断がやばすぎる。北斗の拳世界になるんじゃないだろうか。

アメリカ治安さらに悪くなる気しかしない。

これは個人的になんだけど、民主党はわざと負けたのではとわりと真面目に思ってる。

今の悪性のインフレはすぐに止められるものではないし、第二波はとてつもないものになると思う。それをトランプ押し付けようとしたのではないかと。

そうなるとアホのアメリカ人トランプカスじゃねーか、となり次は民主党に入れる。それを狙ってる気がする。

あと日本も同じようなこと起こりそうだよね。人権とか言ってる人が嘲笑われて昭和に逆戻りしていきそうな予感。

(追記)

書き忘れたけど、じゃあ今辛い境遇にある人は楽になるのかと言われたらならないと思うよ。

日本でもそうだけど、アメリカでは特に一部の天才とその周辺の努力家が国をなんとか成り立たせている。

いくら偉そうでも良い暮らしをしてムカつく、と言っても、血の滲むような努力をしているか富裕層富裕層なわけで。税金も大量に払って福祉を潤わせてくれてるわけで。

そんな人たちが庶民に「富裕層fuck」と言われて「自分たちは間違っていた…」なんて思うかな?

そんなわけない。「足引っ張るだけの貧乏人が文句まで言うとか死ねや」と思う。

実際自分の周りの余裕のある人たちは寄付をやめたりしている。「本当に助けなきゃいけない人たちは助けたい姿をしていない」を実感している。

日本でもその流れは来ると思うから覚悟しておいた方がいいと思うよ。

日本でもアメリカでも富裕層貧乏人に「君の味方だよ」と言うなんて目的は一つしかない。奴隷として使いたいだけ。

きっと、うまくいく」という映画しんどい

何がしんどいって、結局ランチョーとか大谷翔平みたいな天才に対する僻みなんだけど。

結局、世間に認められてて成功に繋がるものを好きになる才能を持ってる奴が勝ち組ってことじゃん。そんなギフテッドな奴が「学位目当てじゃなくて楽しもうぜ」とか言っててもこっちは劣等感しか感じねぇ。


序盤にあったドローンの人のエピソード特にとにかくしんどい

ドローンの人の好きなもの(ドローン)は社会的に認めてもらえず命を絶ってしまう一方で、ランチョーはあっさりドローンを完成させてて、つまり好きなものの才能すら片手間の天才に届かなかったっていう残酷現実じゃん。

そしてランチョーは金持ち後ろ盾もあり二物も三物も与えられて、生活のために大学に通う貧乏人の苦しみも知らず理想論をかかげて大成功、と。


しんどい

anond:20241106172933

なんの取り柄もない冴えないおっさんの俺だけど、成り行きで軍を率いたら常勝の天才だった

合唱コンクール日本ダメにしてる

理由あって色んな中学校合唱コンクールを30回以上見てきたがもういい加減ウンザリしている。合唱する前にクラス代表者クラス紹介するやん。そんとき9割以上の生徒がまったく同じことを言うんだよ。

最初バラバラだったけど毎日練習したらまとまるようになりました」

もうマジで9割以上の生徒がまったく同じようなことを言うからね。嘘だと思うなら是非見に来てほしい。これって学校からそう言えって強制されてんのか。もし強制されてるなら「何の意味があるの」って思うし、強制されてないならそれはそれで大問題だ。なぜかっていうと、もしこれが自分で考えた文章なら型にはまったこしか考えられない量産型社畜予備軍が見事に出来上がってるってことだからな。

そもそも合唱曲ってことごとく歌詞がクソやんか。J-POPのしぼりカスみたいな「君はひとりじゃない」とか「つながっているよ」とか薄っぺらいクソみたいな歌詞オンパレード。今年のうちの息子のクラスの曲もそんな上辺だけとりつくろったような、安っぽくて耳障りがいいだけの言葉が並べられてるだけのクソみたいな曲で何も響かなかったわ。せっかく仕事休んでまで見に行ったのに、泣。韻を踏んでないなど当たり前。メロディへの乗せかたも稚拙まりなく、日本語イントネーションなどまるで無視。まさに中学生がつくったような低レベルなクソ曲だった。

中学校って義務教育から残念ながら99%くらいの日本人はこんなくだらない合唱コンクール経験してるわけやん。ということは日本人価値観とか人生観とかの形成合唱コンクールはかなり影響を与えてる可能性があるよね。そう考えると因果が逆で、合唱曲がJ-POPのしぼりカスなのではなく、J-POP合唱のしぼりカス(+恋愛要素)なんだよな。そりゃあくだらない曲が流行るわけだ。まあ、小室系やAKB系が流行ってたころに比べると最近はだいぶマシになったが。

ともかくクラス紹介が9割以上、同じことしか言えないような教育は終わってるし、合唱曲云々以前の問題として、クラス紹介がクソなんだから合唱曲もクソだしJ-POPもクソなんだよ。そりゃあ闇バイト流行るわけだ。価値観人生観がクソなんだから。ひたすらバカひとつ憶えみたいに「明日」だの「希望」だの歌って現実を見てこなかったんだから。地に足をつけて子どもと向き合おうなんてまったくして来なかったんだから、そりゃあ醤油ぺろぺろするわなあ!

ただ、そんな過去合唱コンクールのなかでもひとつだけ思わず唸らされたクラスがあったっけ。そのクラス天然パーマ眼鏡男子が指揮棒を振るってたんだけど、なんと、歌っている曲の作詞作曲をすべてその子がしたという話だった。正直言って歌詞の内容はあまり憶えてないが、笑、少なくともJ-POPのしぼりカスみたいな曲ではなかったよ。当然、クラス紹介もその子がしてたんだけど、もう一言から「あ、こいつ天才だな」とわかるくらい堂々としてたな。あれは最高だったよ。こういう才能を活かせるような日本であってほしいと素直に思った。でも残念ながら合唱コンクールクラス紹介が定型である以上、そんな社会はまだ遠いだろう。。。

FINAL FANTASY史上最も重要な曲10

1.オープニング・テーマ シリーズ全般

まずはこれを挙げておくべきであろう。

2.ザナルカンドにて FINAL FANTASYX

聴けば様々な物語登場人物達の心情を思い出し号泣必須の超名曲

3.悠久の風 FINAL FANTASY

何年経っても色あせない、いや、時が経てば経つほど泣けるというのか。

素晴らしきメロディーライン、物悲しき8Bitの音源、何度聴いても心をかき乱される名曲

4.ビッグブリッジの死闘 FINAL FANTASYV

作曲者植松氏のロックミュージックへの想いが詰まっているのだろうか?

もちろんギルガメッシュというキャラクターの魅力も相まってファンの多い1曲である

5.片翼の天使 FINAL FANTASYVII

言わずと知れたセフィロス戦のBGM

高校時代エレクトーンコンクール演奏したが余りにも下手すぎて当時の先生に超怒られたという個人的な思い出がある。

6.仲間を求めて FINAL FANTASYVI

完全に個人的エピソードとなってしまい非常に申し訳ないが、中学生時代下校時にかかる音楽採用して欲しいと提案し、

見事採用され全校生徒に毎日聴かせていた・・・

7.Fisherman's Horizon FINAL FANTASY

いまだに忘れられないメロディーライン。曲全体の構成も素晴らしく、心を揺さぶ名曲

8.新しき世界 FINAL FANTASYV

転調を上手く組み込むなど曲そのものも素晴らしいが、不安希望など複雑に入り混じるキャラクター達の心情をこれまでかと表現している名曲

9.愛のテーマ FINAL FANTASY

どうやら最近音楽教科書掲載されたらしい。

やはり植松氏は哀愁漂う世界観を演出する曲作り天才なのではと思わずはいられない。

10.ティナのテーマ FINAL FANTASY

フィールド上のBGMだったので覚えている人も多いだろう。

最後どの曲を入れるか大変悩んだ上で、敢えて選ばせて頂いた。

あの暗く混沌とした世界観と、ティナというミステリアスキャラクター表現している非常に素晴らしい1曲と言える。

さて、FFシリーズ名曲の宝庫である

これを機に是非過去作品含めFFサウンドを聴き返して頂ける人が増えれば、という思いで書かせて頂いた。

プレリュードなど、選択したい曲はまだまだある。

是非、あなたお気に入りも教えて頂きたい。

ちなみにこちらの増田も書いているので興味のある方は是非。

https://anond.hatelabo.jp/20241102140715

2024-11-05

anond:20241105221122

おぉ、それはなかなか名案やなぁ。世の中にはな、普通の人には思いもつかんようなことを考えはる天才がおるんやけど、それにしてもそんな斬新な発想、感心するわ。大手求人サイトさんが見落としてることを見つけて、思い切って通報するなんて、ほんまにご立派やわぁ。けど、通報しても全然変わらんかったら、それもまたおもろい話になるんちゃう?それに、まずサイト掲載する前に普通は誰かが気づくやろうから、闇バイトのんも難しいもんやないかと思うけど、まあ、頑張ってやってみはったらええんちゃうかな。頼もしいことやで。

2024-11-04

「人は帽子の下に頭髪を想像する生き物」

っていう名言を思い付いた。やっべオレ天才じゃね?

2024-11-03

anond:20241103212811

各年の選ばれし天才の中で序列つけてるだけだもんな

ひとたび集中スイッチが入ったらひっくり返されるわ

ナメちゃいけねえ

今のレベルの生成AIエロコンテンツに感動してる奴らってなんであの程度で満足できるんだろうな

本当に最初の一瞬だけだったよ。

「おっ、コイツ思ったより使えるかも知れないぞ」

そう感じられたのは。

実験サンプルを投入した直後に最低限の骨組みが出来た瞬間、そこでちょっと感動するんだよ。

「じゃあ次はもうちょっと良くすれば実用化出来るぞ」

そう思って試しても試しても全くクオリティが上がらないと分かると、一気に失望へと転じるわけ。

Pixivにクソほど乱立されているAI絵を見れば分かるんだが、テンプレを何も考えずに流用してるだけでそこに情緒がないんだよAI出力作品は。

繰り返す試行回数の果てに、そもそもクオリティを高めるということ自体がまともにできる仕組みでないことが段々分かってくる。

コイツらは、「何千枚出力させても一枚のグラビア写真ベースに作られ続けたアイコラしか出してこない自称天才アイコラ職人エロ中学生」程度の存在しかなかったわけだ。

クオリティはそこまで気にしないシチュエーションでなら、生成AIは本当に素晴らしい。

取引先に送る手紙の文面とか、職場の5分間スピーチ原稿とか、エクセルマクロの叩き台、そういうどうでもいいものを作る分には。

だがある程度の品質、その中でも「熱量」を感じ取りたいコンテンツで役に立つことは稀だ。

内容に奥行きが全くないかである

Pixivほとんど全く同じ絵をキャラクターや顔の角度だけ変えて凄い勢いで投稿している有名人荒らしと呼ぶ人もいるが、個性的な利用方法範疇に収まると私は思っている)がいるが、アレと同じことしかAIはしてくれない。

そんなことはないと思うなら、AIのべりすとにでも頼んで

「このキャラとこのキャラセックスさせて欲しい」

と言ってみるがいい。

それからキャラクターを変えて同じシチュエーションをさせてみよう。

最初の2回ぐらいはちゃん文章が変わるかな?

試行回数を10回ぐらいまで増やせば、奴らの表現の引き出しの狭さ、使いまわしの多さが分かってくるだろう。

高校生同士のセックスだろうが、親子のセックスだろうが、OL上司不倫だろうが、どれも大きな差はない。

セックスというものが元々その程度だと思うなら、君は実に幸せものだ。

是非とも生成AIを楽しんで欲しい。

俺は満足できない。

満足できない俺が必死になって「こういった表現を使ってください」と指定を出すと今度はそればかりを繰り返す。

「がんばれ❤がんばれ❤と応援する表現を入れてください」

なんて頼んだ日には3行おきにがんばれ❤がんばれ❤を接頭語にした応援を雑に入れてくるだけだし、途中からその文面が全くのコピペに変わってくる。

生成AIは途中から循環参照を始める悪癖があり、下手に要素を指定するとある種の自家中毒にさえ陥って自己崩壊を始めるのだ。

これでは指定要求なんてまともに出来ない。

こちらが

「同じ表現を何度も使うのは辞めてくださいね

と頼んでも

了解です」

と答えるだけで奴らは何も理解しないまま同じ失敗を繰り返す。

そもそも、生成AIの最大の問題点シチュエーションの奥にある情緒をきちんと汲み取らないことにある。

汲み取っていないから似たような何かを雑にコピペするし、範囲を絞ると全く同じ表現の繰り返しばかりになるのだ。

絵や文章というのは単に事実をそのまま書く以外で終わらないはずなのに。

ゲルニカの絵は一目みた途端に壊滅的なイメージを抱かせる。

それはその絵全体が描き方の雰囲気によってそれを表現しているからだ。

生成AIはそれが出来ないんだよ。

貧乏人の男が「今日貧乏飯だ」と思いながらすするカップラーメンと、

ジャンクフード好きの子供が「今日カップ麺だぜ!」と興奮して食べるカップラーメン

そのどちらも同じ銘柄だったとしてもその絵で表現すべき空気は全く違うよな?

でも生成AI

「目の光らせ方だけ変えればその程度の差は表現できると思うロボ。違いは心ロボ。心、分かるロボ。燃える友情、君と一緒に悪を撃つ、だロボ」

ぐらいにしか理解できないんだよ。

致命的だ。

こんなにも情緒ド安定の空虚モードでは勢い任せに筆を滑らせた情熱あふれるエロコンテンツになどなり得ない。

それでは駄目なのだよ。

それでもいいと思ってる人がいること、それが俺は不思議ですらある。

単にまだ気づいてないだけなんだろうか?

生成AIの生み出す作品が如何にこちらの意図を汲み取ってくれないのかという失望を。

別にそれでも構わないと思っているんだろうか。

安くて量が多ければ質なんてどうでもいいって人は確かにいるんだろうな。

特定キャラクター特定シチュ自体が希少だから何でもいいから数があればいいって人もいるのかな?

でもやっぱ違うんだよな。

「こういうキャラクターでこういうことをさせようとするような性癖の人が描いた作品」だから良かったのであって、その性癖理解もしてないやつが表面上だけを真似たものを作ってもそれは別物になるんだよ。

まりさ、何も知らずに服だけ着てるコスプレイヤーと、原作ちゃんと読んでポーズや表情意識してるコスプレイヤーの違いみたいなもんよ。

かに前者(何も知らずに布面積が少なくて色相現実離れした服を着させられているというシチュに興奮)に需要がないわけじゃないんだろうけど、それはもうそういう特殊需要だろ?

求めているのが後者の「何をやっているのかを理解したうえでやっている」だったのなら、生成AIがそれを満たしてくれることはほぼほぼないと言えるね。

2024-11-01

巨神ゴーグOPED観ながら思ったんだけどさ、

これで安彦氏は失敗してアニメから撤退ちゃうらしいんだけど、作画はいいし、なんだろう…

リアル戦闘車両とか登場する割に、物語がどこか幼い子供向けというか、絵とかキャラとか設定に対して対象年齢が低すぎるというか、

しか、安彦氏が児童書に描いたのが元になったような話を聞いた気もするし、

その児童書は俺も持ってて読んだ記憶があるんだけど、

あと、ゴーグだけじゃなくて、他の作品も、特に近年のククルスドアンもそうだけど、正直言ってなんかどっか面白くない、つまらない

理由として何と表現していいのか分からないけど、意外と理詰めで作ってない?という気がする

その点、富野氏は直感みたいな方向性を信じてる感がある

なんかビビッと来ることは誰にでもあるんだけど、その直感盲目的に狂信的に従って行動するのって難しいわけだよ

例えば、宗教家というか、例えが悪いけどイエスだってそうかもしれないわけだよ

ジャンヌダルクだって病気だったからかもしれないけど、てんかんとはいえ、見た幻覚を信じ切って行動するって難しいと思うんだよね

妄信的、狂信的、どこか狂ってないといけない

でも、安彦氏は良くも悪くも真人間なんだよな、ヤマトの西崎なんて基地外レベルなわけだけど、あれぐらい狂ってたから一度はヤマト成功させた、二度はなかったわけだけど…

そう考えると、安彦氏に足りないものクリエイター必要もの一種狂気なんだろうけど、

そういうのは狂人のふりしてたら狂人になれる、なんてことは実際はそうはなくて、本物の狂人には敵わないと思うんだよね

自分もそういうところ凡人だから、なんか分かる気がする

巨神ゴーグ、すごくいいんだけどね

ボックスが出るたびに、買おうかどうか迷って、でも自分ももう歳だし、金もないし、ボックス買って繰り返し見るかというと疑問だし、

パッと部屋の中を見渡してみても、イクサー1とかゼオライマーDVDがあったり、ガイナックス帰りマンとかヤマタノオロチとかあるけど、まあ観ないよね

エヴァ限定ボックスもあるな、でも、あんまり観ないんだよな、寧ろ、ひとり上映会やって断捨離しないとなぁ…😟

話がズレたけど、ほんとゴーグおしいよなぁ

子供の頃、ボンボンとか読んでて、マノンさんのゴーグとか、いかにも悪役というか、サイコガンダムっぽくて、たしかキャノン付いてて、好きだったんだけど、

安彦さんの絵は大好きなんだけどね、なんで物語になると微妙なっちゃうんだろうね

まあ、浦沢直樹もそうなんだけどね

ふたりとも絵は天才なんだけど、物語になると急に微妙になるんだよね…😟

anond:20241101150820

もしかして同姓も別姓もなく姓廃止で住所を使用すればいいのでは!!!

天才や!!俺天才やで!!!

平成史上最も重要テレビドラマ10

本当のオールタイムは選べなかったため平成に絞って俺もやる。テレビドラマは消えものアーカイブされにくいジャンルで、時代をここ35年に絞ってみても網羅できないという問題はある。そのため、俺の観ていない重要作の話をどんどんしてほしい。1脚本家1作品に絞った。俺はテレビドラマ脚本家のものだと思っている。

 

 

1.坂元裕二東京ラブストーリー平成3年(1991年) フジテレビ

トレンディドラマ代表作の1つにして、トレンディドラマの終末期の傑作。フジ月9」枠の代表作でもある。「東京では誰もがラブストーリー主人公になる」をキャッチコピーに掲げ、等身大若者たちの姿を描き出した。2010年以降の坂元裕二の影響なども考えランクイン。

 

 

2.野島伸司101回目のプロポーズ平成3年(1991年) フジテレビ

こちらもトレンディドラマの終末期の傑作であり、お世辞にも男前とは言えない武田鉄矢叫びは、"トレンディ"の終わりを印象付けた。TBS高校教師』でも、好きな野島作品に入れ替えてもらって構わない。90年代には確かに野島伸司時代があった。

 

 

3.三谷幸喜古畑任三郎平成6年(1994年) フジテレビ

田村正和亡き今も、再放送され、パロディされ、やたら話題になる三谷幸喜コメディホームドラマ恋愛ドラマなど、会話による人間関係機微などを守備範囲にしていたテレビドラマが、ストーリーダイナミズムによる面白さにシフトしていったのは、アメリカコメディから影響を受けた三谷幸喜の功績がある。個人的には『王様のレストラン』のほうが好み。

 

 

4.深沢正樹ほか『金田一少年の事件簿平成7年(1995年) 日本テレビ

他のタイトルに合わせて脚本家クレジットしたが、今作を選出したのは何といっても堤幸彦出世作ということにすぎる。『ケイゾク』『池袋ウエストゲートパーク』につながる斬新な演出は一時代を築いた。「土曜グランド劇場」に旧ジャニーズの若手が主演していくのもこの頃からで、後の『透明人間』『ごくせん』『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』などにつながっていく。

 

 

5.君塚良一踊る大捜査線平成9年(1997年) フジテレビ

テレビドラマ」というフォーマット映画館拡張した功罪ある作品テレビドラマメディアミックスの先駆けといえ、映画館はこれ以降テレビ局製作作品であふれることとなった。『踊る大捜査線 THE MOVIE』は未だに実写の日本映画歴代興行収入1位に燦然と輝いている。今秋新作が公開された。

 

 

6.岡田惠和ちゅらさん平成13年(2001年) NHK

21世紀最初朝ドラシリーズ化され、現在再放送されている。『ちゅらさん』が描いた疑似家族によるホームドラマはその後も『すいか』『11人もいる!』『逃げ恥』『カルテット』と平成ドラマの1つのパターンとなった。岡田惠和の功績は膨大な作品数の作品を書いていることで、彼がいなければこの時代テレビドラマシーンは空洞化していたかもしれない。

 

 

7.宮藤官九郎木更津キャッツアイ平成14年(2002年) TBS

クドカン物語自体面白さに注目されがちだが、彼の功績は、若者たちがダラダラ話すという「日常ドラマ」を描いて見せたことにある。彼の脚本は、小ネタギャグストーリーに連結してゆく。木更津という周縁の田舎共同体風景ドラマになるということは革命出来事だった。大きな物語を失った後のゼロ年代的転換。

 

 

8.遊川和彦女王の教室平成17年(2005年) 日本テレビ

遊川が成し得た功績は『女王の教室』の真夜(天海祐希)のような強い、誇張されたキャラクターによるドラマを成立させたこと。それは後の『家政婦のミタ』の大ヒットにもつながった。彼の過剰な演出賛否が分かれるが、常に時代と向きあい続けるための一つの方法論なのかもしれない。

 

 

9.山本むつみゲゲゲの女房平成22年(2010年) NHK

2000年代後半に停滞していた朝ドラ復権は間違いなくこのドラマからで、この作品がなければ『あまちゃんブームもその後の『ごちそうさん』や『あさが来た』『ひよっこ』などの良作、令和の『カムカムブリバディ』のヒットも存在していなかったと過言しておきたい。そういう意味ハッシュタグなどでのTwitterなどの賑わいにも一役買っている。朝ドラ復権は同時にその後のNHKドラマ復権意味していた。

 

 

10.八津弘幸半沢直樹平成25年(2013年) TBS

TBSドラマ復権ということでいうと後述の『JIN-仁-』を挙げてもよいのだが、その後池井戸潤ドラマの隆盛という意味でも半沢直樹を。いうまでもなく『VIVANT』へと繋がる日曜劇場系譜である。主演の堺雅人は『リーガル・ハイ』や『真田丸』という傑作でも存在感を示した。

 

 

 

次点

 

木皿泉すいか平成15年(2003年) 日本テレビ

本当は問答無用に最重要作として今作を挙げたかったのだけど、視聴率知名度を考えて日和ってしまった。今作は『ちゅらさん』で描かれた疑似家族によるドラマ、『木更津キャッツアイ』で書かれた日常のやり取りのドラマを深化させた。そこに大島弓子ファンタジーブレンドさせ、ドラマ物語対象を変えてしまった傑作。

 

坂元裕二それでも、生きてゆく平成23年(2011年) 日本テレビ

90年代10年代の坂元裕二を別人とするなら10選にねじ込んでしまいたい。10年代の坂元裕二作品は、テレビドラマが扱えるダイアローグレベルを一段上へと引き上げた。10話における瑛太風間俊介の会話は他に代わるもののない名シーンだと思う。現在ドラマシーンは、坂元裕二フォロワーで溢れている。

 

鎌田敏夫29歳のクリスマス平成6年(1994年) 日本テレビ

これだけトレンディドラマの話をしているのに、鎌田敏夫の名を漏らしてしまい、それは平成以前になってしまうので、それ以降から一作挙げるなら『29歳のクリスマス』を強く推したい。元祖『9ボーダー』。取り巻く環境は変わっても、年齢を巡る憂いは不変のものなんだと。

 

野沢尚眠れる森平成10年(1998年) フジテレビ

坂元裕二と並び、この時代天才をもう1人挙げるなら、野沢尚を挙げてしまおう。野沢の深いキャラクター造形はその後の作品に影響を与えた。彼が存在し続けたら、この選も変わっていただろう。またキムタクドラマも1本を挙げていないというのも偏っている。それだけこの時代の彼の存在は異常だったのだ。挙げるならこの作品を挙げたい。

 

北川悦吏子ロングバケーション平成8年(1996年) フジテレビ

あるいは今作か。トレンディドラマ2000年代の間には間違いなく北川悦吏子時代があった。北川悦吏子は近作が色々言われることもあるが、それは(例えばミスチルがそうであるように)強烈に時代と寝た人物にだけ得られる特権だ。そのため、俺は何があっても今後北川悦吏子擁護し続けていきたいと思う。

 

三木聡・ケラリーサンドロヴィッチら『時効警察平成16年(2006年) テレビ朝日

この10からは確実に存在していた深夜ドラマ文脈がごっそりと抜け落ちている。『孤独のグルメ』や『おっさんずラブ』に繋がっていくような深夜ドラマ系譜。『時効警察』はシティーボーイズ放送作家三木聡最高傑作である。近年では主演だったオダギリジョーが謎の力でそのパロディNHKドラマ映画化までさせているが、盛大にスベっている。

 

渡辺あやカーネーション平成23年(2011年) NHK

一部では「朝ドラ史上最高傑作」の呼び声もある今作。戦争もの・女の一代記としての朝ドラ岸和田の街に生まれ、生きて、老いて、死んでいく強いヒロイン渡辺あやは強烈な作家性を朝ドラにおいて発揮させ、それはこれ以降の朝ドラの指針が転換される契機にもなったのかもしれない。(だからこそ『純と愛』などが生まれしまったとも言える)

 

森下佳子JIN-仁-平成21年(2009年) TBS

坂元裕二岡田惠和宮藤官九郎遊川和彦木皿泉渡辺あやらの作品を挙げておいて、森下佳子名前を出さないわけにはいかない。構成力という点で彼女の右に出る者はいないのではないだろうか。森下佳子の手にかかれば、物語における伏線人生因果に映り、プロット運命へと変貌する。TBSドラマ復権きっかけとしても、今作を挙げておきたい。

 

野木亜紀子逃げるは恥だが役に立つ平成28年(2016年) TBS

野木亜紀子10から漏らしてしまったのは痛恨の極みであるが、令和の選が今後もし出来るなら1番に入る人であるのでご容赦いただきたい。社会的テーマをポップにテレビドラマ次元で取り扱い、ヒットさせてしまったのは見事。野木亜紀子はもともと原作もの実写化の手腕に定評があったが、『アンナチュラル』『MIU』とオリジナル作品もヒットさせている。

2024-10-31

論争について

https://note.com/p_and_w_books/n/neee921ea91a9

https://note.com/p_and_w_books/n/nf373db52eab9

作品のもの感想

・そうですか、といったところ。


■鯨井氏のジャッジ

 ・まえがきでは個人的狂気重要視するというようなことを言っている。要するに、ユニークでぶっ飛んだものを読みたいということ。そういう欲求をカッコつきとはいえ狂気」という言葉に託したのはよくなかったとおもう。「おまえら創作者はみんな創作情熱を燃やしてそれに狂ってるはずだろ!なあ!」というのはいかにも一昔前のフィクションに出てくる「天才」像で、古臭くて偏狭ではないか

 ・それでいて、最後他者への回路としての「コミュニケーション希求力」を評価基準に置くのがよくわからない。いや、わかりはする。閉じているように見えつつもその暗闇のなかで他者を求めもがくのが人間普遍的なあり方であり、そうした情熱を持っているように見える作品に惹かれてしまう。その気持ちはわかるが、この文章内にかぎればあんまり文脈的につながってないのでは、と感じる。

  ・「コミュニケーション」を謳うのなら作者の側から歩み寄りばかりでなく、評者からの歩み寄りもすべきだった。というか、それが評論行為であるように思う。最終的に「これは自分感情です」というような文言で閉じたのはよくなかったというか、開かれた場のコンテストでは落とされてもしょうがない。

 ・固有名詞問題固有名詞の持つ読者との「共犯性」を指摘し、作品内で用いられている下北沢」「フィッシュマンズ」「クリムト展」といったワードの「共犯性」が東京中心主義につながっているのではないか、といったようなことを言っている。

 ・固有名詞の「共犯性」についてはそのとおりだが、基本的にはその固有名詞を使うことでどういった層と共犯関係になれるかという戦略問題しかないとおもう。それが気に食わなさにつながるんならそうですね、あなた不快なんですね、としか言いようがない。

 ・「「下北沢」「フィッシュマンズ」「クリムト展」を使って真にその意図が伝わるのは、それを知る都会の人びと、「カルチャー」の民のみである。」→これはそうは思わない。下北沢はぼざろなどを例に出すまでもなく東京以外のひとびとにもある一定イメージ形成しているし、フィッシュマンズクリムトに至っては別に東京固有でもなんでもない。

 たしかに並べられると東京中心的な貴族性⋯⋯というかヴィレヴァン的なサブカルクソ野郎っぽさが鼻につくところはある。

 しかし、それが「カルチャー」を愛する人びと特有の一段上から世を眺める視点優越性」に直結するかは微妙なところで、それこそ共犯者に選ばれなかった疎外感といえばそれまで。そして、そこから地方差別へとつなげるのはちょっと無理筋だと思う。

 ・関西弁を含めたトータルのパッケージ差別性を覚えたという感じだとおもう。作者の意図しないチャンネル固有名詞)でヘイトが溜まっていったところで関西弁の歌が出てきて「怒り」が爆発したというところか。

 

 ・全体的には論点の設定の仕方があまり開かれていない。差別性を感じるというのであればもう少し広くわかりすい議論を行うか、あるいは関西人であるという当事者性を突き詰めるべきだったと思う。現状の文章としては後者よりなのだが、あまりに「関西人である自分」が自明のものとして最初から展開されているので、読者には「で、関西人であるあなたがなぜそこまで怒ってるんですか?」がわかりにくい。

 ・いろんなところで中途半端な評だと思う。


ジャッジへの反論

ジャッジの二十倍意味不明かつ閉鎖的ですごい。

・「『見下し』ではなく関西弁の語りのある種の味わい(「特権性」という雑な表現をしてなぜか自分を「関西」に対して下位に置こうとしていたが)に対する憧憬なので『見下し』じゃないんだよ」という言い分はそうなのだろうが、それをただしくオリエンタリズムと呼ぶのだよな。

・中盤の「ここまで説明をしたうえで、「本気で思っていたらこんな書き方はできないだろう」と思われるでしょうか。」に至るまでの説得のロジックがよくわかんない。

冒頭で「なるべく感情的にならないように書く」と宣言しているのに「ここまで説明〜」までは、基本的に「自分はこうおもってこう書きました(あんたや読者の気持ちなど知らん)」と自分感情行為しか書いてない。

関西弁の語りの「特権性」に憧れた→まあわかる。

 本当は全部関西弁にしたかったけど、自分技術じゃ無理→すげえわかる。

 だから、一首だけ関西弁にしたお!→え???

(なんか「一首だけにしといてやった」が非関西人としての譲歩だった、とも読める。マジでこれは意味がわからない。) 

・「関西の人の反応を探るために歌会に出した」パート。実際に当事者から方言に関して否定的な反応が返ってきた、と自分で言ってる。

それを「連作という文脈で解消できるのではないか」と考えたらしい。なんで読者がああい作品連続性を確認しにくい場で連作であることを前提に読まなきゃいけないのか意味がわからない(鯨井さんはジャッジからそこらへんい対してはある程度の義務はあるとは思う)というのはまあ置いといこう。

で、「連作という文脈」がなんなのかというと、「作品主体視点人物)が東北人の上京者」であること。

ここらへんの説明がまじで意味わかんなくて、

主体東京出身人間ではないということを明示することで「標準語方言」の権力構造をとっぱらえないかと画策しました」

というのがほんとうにわからない。視点人物東北出身だと関西弁に対するオリエンタリズムが解消されるの? 標準語方言権力関係無効化されるの?? なんで???

しろ、この作品場合主体標準語権力性に乗っかって(実際、歌の大半が標準語で書かれている)、方言搾取してますって構造に見えませんか???

さら問題なのは「今回の文化盗用かどうか、わたしには判別できませんでした。」とか言っているところで、いやわかってないって自覚あるなら「連作で解消できてるとおもう!」とか言うなよ。

関西弁マイノリティといってしまっていいのか〜」のあたりはなにがいいたいのか不明瞭だけど、つまり東北弁は関西弁に比べてよりマイノリティ性が高いから、俺には関西弁をいじる権利がある」って言いたいの? なにそれ?

・そのあとの文章はぐだぐだしてるけれど要約すれば「憧れだから差別じゃないんです」というようなこと。サイードを読め。平凡社ライブラリにある。

・「下北沢」「フィッシュマンズ」「クリムト展」問題

 ・「そこに「無意識的な共犯性」「優越性」があると断罪できる根拠がどこにあるのかよくわからない」はクリティカル反駁だとおもう。そこらへんは前述のとおり。このへんの反論内容もいちいち書き出さないがリーズナブルだと思う。

 ・「最後感情に走られてしまった部分についてはどこか不信感があります」→作者でなくてもそうなりはする。

2024-10-29

葛飾北斎って、1日に2枚も絵描いてた計算になるんだってな。アナログしかない時代にすげえや。どこからそんなにアイデア出てくるのかも分からんし、そんだけ描いて、まだ描き足りないってのも理解できん。

プロゲーマーも、飽きもせずに毎日同じゲームプレイしてんだよな。

俺もゲーム好きだし、それなりにプレイはするし、毎日プレイする時期もあるけど…言うても、1日に4,5時間だって、飯も食うし、寝るし、休憩や息抜きもすんじゃん。

天才って、センスがあるとかない以前に、やりこむ力がすげぇんだよな。疲れててもやるんだよね。あー、疲れた。とか言いながら疲れることすんのよ。俺も何かそこまでやり込めるもの出会いてえな。

児童ポルノ定義っておかしくないか

現実若しくは疑似のあからさまな性的行為を行う児童のあらゆる表現手段いかんを問わない)、又は主として性的目的のための児童身体性的な部位のあらゆる表現

って、言い換えたら、児童性的に見えるたらアウトってことじゃん…😟

まり児ポ判定する人たちも、児ポ取り締まる人たちも、児童性的もの認識している時点で、ロリペドじゃん…😟

人類ロリペドじゃん…😟

逆に問いたいけど、児童性的に見えるのがそんなに変なのか?

教育テレビできるかなに出てたノッポさんは、子供は小さいだけで大人、ひとりの人として認識するべきって言ってたけど、その通りで、

ひとりの成人女性性的認識するのは正常の範囲で、ひとりの子供=小さい大人性的認識するのは異常、ってのは変だと流石に思うわ

同性愛犯罪だったイギリスで、天才アランチューリング牢屋に入れられるのと同じじゃないか

児童ヌードとかは明らかにポルノだって成人女性だってヌードポルノ認識されてもおかしくないわけだけど、

成人女性ちょっとエッチ写真とか、昔は飲み屋だったり自動車工場だったり、あらゆる場所水着女性カレンダーとかあったけど、今はなくなってしまった

自分は成人女性にあまり興味がないから構わないけど、この世界漂白され過ぎている気もする

性的に見えた時点でアウトというなら、トトロ父親と娘の入浴シーンだって多くの薄い本が出てるわけで、あれを性的視線で見るのがそんなに変なのだろうか?

人間とはそもそもかなり矛盾した存在なのではないだろうか

スタートレック(全938話)史上、最も重要エピソード10選

anond:20241012181121

スタートレック現在正式名はスター・トレック)は50年の歴史があるうえに、1話完結のエピソードが多い。シリーズの入門ガイド意味もこめてやってみた。

はてな界隈スタートレック全話追っかけてる人は少ないだろうし、シリアスファンはてななんて見てないだろうから自分価値基準で好き勝手書かせてもらう。

すごく偏ってると思う人もいるだろう。私もそう思う。海外のこの手のランキングでは常連エピソードも入ってない。思うところがあれば、ぜひ書いてほしい。

なお、全938話は2024年9月末時点での話で、10月から『ローワー・デッキ』の新シーズンが始まったので話数はまた増えている。

アンドロイドのめざめ』 (The Offspring) 新スター・トレックTNG)第3シーズン16話 / 1990年

スタートレックSFドラマとして最も輝きを放つのは、銀河存在する人間以外の存在を通じて、人間とは何かを描くときだ。それはあらゆるSF作品共通の魅力でもあるが。

本作は人間に造られたアンドロイドデータが、自らの子孫を造ろうとする物語AIの子供との「ファーストコンタクト」を通じて、子供を持つということが、個人にとって、種にとってどういうことなのかが描かれる。

本作には、派手なアクションシーンもSFXもない。しかし、その物語は喜びとユーモア発見に満ち溢れ、重い悲劇として幕を閉じる。それは家族を描くキャラクター劇であり、SFであり、力強い人間ドラマだ。

最もスタートレックらしい一篇は何かと言われたらこれを推す。

ゴリラ惑星』 (The Galileo Seven) 宇宙大作戦TNG)第1シーズン13話 / 1967年

スタートレック立ち上げ最初の年に、スタートレックらしさというものを決定づけた重要な一篇。怪生物の住む惑星に不時着したクルー脱出するために取る行動を描く。

スタートレックの原型は西部劇(幌馬車劇)と言われるが、これはまさにインディアンに囲まれた幌馬車の設定を宇宙にしたもの

しかポイントは、主役がミスタースポックであるという点。感情がなく論理で動くヴァルカン人(と地球人ダブルである彼は、助かるために論理に従うか、あるいは……。

本作は異星人の視点人間感情と理性の葛藤を描き、このモチーフは以降繰り返されることとなる。また作品シャトルのセットを導入し、物語舞台を増やした一作でもある。

過去から来た新兵器』 (The Slaver Weapon) まんが宇宙大作戦TAS)第1シーズン14話 / 1973年

宇宙大作戦打ち切り後、少々品質を落としたアニメ継続となった本シリーズだが、名作はいくつかあった。しかし本エピソードちょっと違う視点で選出している。

これ、実はラリィ・ニーヴンというSF小説家が書いた『ノウン・スペース』というSF小説群のにある短編の一つを、そのまんま映像化しているのだ。出てくる異星人も借りてきたもの

ニーヴンを知る人も少なくなっただろうが、アシモフハインラインの後の世代で、ハード科学設定とエンタメとしての面白さを融合した作品を書き、SF界の潮流を作った人と言える。

本作は、スタートレック世界観が他作品をまるごと呑み込んでも成立しうる、緩く、包容力のあるものだと示した。ローワーデッキハチャメチャコメディスタイル可能になったのも、ある意味この作品のおかげ。

『恐怖のコンピューター M-5』 (The Ultimate Computer) 宇宙大作戦TOS)第2シーズン24話 / 1968年

宇宙大作戦にはTV史上初めて白人黒人とのキスシーンを描いた『キロナイドの魔力』という記念碑作品があるが、人種問題を深く描いた作品というと、こちらを推したい。

黒人天才科学者が自らの知能と感情を転写し開発した自動航行AI。それに船を委ね、演習に参加したエンタープライズだが、AIは次第に狂いだす。

本作のAIは自らの判断絶対の自信を持ち、誤りを認めようとしない。博士AI擁護し、次第に我を失っていく……と言うプロット

AIの恐怖を描いた先進性はともかく、本作が人種問題作品であることは、日本に生きる我々には少々理解が難しい。

この物語暗喩するのは、飛び抜けた能力社会から評価を受け、地位を得たマイノリティの苦しみだ。常に完璧を求められ、ひとつの失敗で社会から振り落とされてしまう、隠れた差別を描いている。

この複雑な問題1968年TVドラマに持ち込んだことこそ、評価されるべきだと思う。

『恐怖の宇宙時間連続体』(Cause And Effect) 新スタートレックTNG)第5シーズン18話 / 1992年

タイムループもの」といえば誰もが1作ぐらい頭に浮かぶだろう。映画『恋はデ・ジャ・ヴ』など様々な傑作がある。

しかし、それらの作品の多くは、「なぜ」タイムループが起きるのかを説明しない。なぜか寝て起きるとループしてたり、なぜか恋が成就するとループを抜けたり……。

スタトレ世界タイムループを描いた本作が優れているのは、その「なぜ」が明確に定義されており、それを解決することが物語目的になっている点だ。

突如として起こる反物質爆発で時空ループが生成されると、キャラ達は過去に戻される(都合よく前のループ記憶を保持したりしない)。

そこから毎回、艦のクルーたちは僅かな違和感から少しずつ状況を理解し、「なぜ」かを探り、回避するための答えに近づいていく。

ご都合主義的な「ふしぎな現象」はなく、戦うべき悪役もいない。ハードSF的な状況で、知力に頼ってロジカル物語を進めていく。しかしこれが最高に面白いのだ!

舞台は艦のセットのみ、登場人物レギュラーのみというミニマル作品だが、スタートレックSF性、センス・オブ・ワンダー代表する1作だと思う。

『終わりなきはじまり』(What You Leave Behind) スタートレックディープスペースナインDS9)第7シーズン25-26話 / 1999年

スタートレックフランチャイズ化は、TNGによるリバイバルを経て実質このDS9から始まった。いままでと違ったスタトレを作ろうという意欲に富んでおり、非常に作家性の強いシリーズだ。

未知の世界を訪れる宇宙船でなく、未知の存在が訪れる宇宙ステーションを舞台とし、全7シーズンの後半では巨大な宇宙戦争を連作として描いた。最近の『ディスカバリー』などのシリーズも、本シリーズがなければ成立しなかった。

その総決算と言うべきこのシリーズ最終話は、単体で観るとなると評価が難しいが、173話の積み重ねの末の1話としてみると、ずっしりとしたものが心に残る。

DS9シリーズで初めて黒人俳優を主役とし、戦争犯罪植民地主義のもたらす被害ストレートに描き、舞台となる異星の宗教と重ね合わせることで人間信仰心をも題材にした。

更には、「これは一人の狂った黒人の観た夢なのではないか……」というメタレベル視点すら取り入れ、多様な視点と重層的な葛藤、その先にある善とは何かを描こうとした。

シリーズに長く付き合うことでもたらさせる重い感動を体験してほしい。

『遠隔起源説』(Distant Origin) スタートレックヴォイジャーVOY)第3シーズン23話 / 1997年

ヴォイジャーハードSF的な物語よりも、キャラクターの成長やモラルに焦点を当てた傑作が多いが、敢えてSF的なセンス・オブ・ワンダーに満ちた本作を推す。

ネタバレしてしまうが、これは「恐竜人類」の物語であり、「ガリレオ・ガリレイ」の物語だ。

遥か昔に宇宙に出て進化したある種の恐竜と、銀河の反対で出会ってしまった宇宙ヴォイジャー。それを、なんと恐竜人類側の視点で描く。

故郷の星に、自分たちとは異なる知的種族がいたという事実を知った科学者の知的興奮と、その発見社会から拒絶され、迫害される恐怖。

SFの根幹である科学のもの主題にし、人間科学関係性に向き合った、ひとつの到達点。深い感動をもたらしてくれる傑作だと思う。

『命と人生』(Life, itself) スター・トレックディスカバリーDIS) 第5シーズン10話 / 2024

スタートレックエンタープライズ』以降停止したTVシリーズを、配信に適した連続フォーマットで復活させ、『ピカード』などのシリーズの端緒になった『ディスカバリー』の最終話

連続劇で見せるスタトレにはまだ課題が多く、特にディスカバリーシーズン4,5、ピカードシーズン2などは間延びして物語の行先がわかりづらいという批判があった。

しかし、それらの連続劇も、最終話に来ると、そこまで迷走していたテーマが急にシャンと鮮明になり、ああ、なるほどこういうことだったのか、という感動をもたらす。

特にエピソードディスカバリーグランドフィナーレとなるだけあって、描かれるものも壮大だ。銀河知的生命発祥の謎を求めて行われるトレック(旅)である

しかしその結末、謎は解明されることはない。その代わりに提示されるのは、「真実を求めるトレック」とは何なのか、という命題だ。

それは生きること、そのものである

『The Devourer of All Things, Part II』(日本タイトル未定) スター・トレックプロディジー(PRO)第2シーズン10話 / 2024年

スター・ウォーズマーヴェル作品ガンダムのような複数作品ひとつ歴史を形作るシリーズの楽しみは、クロスオーバー、そして「設定の穴が埋まる瞬間」だろう。

子供向けのCGIアニメシリーズとして作られた最新作であるプロディジーは、この設定の穴埋めを、他のどんな作品よりも見事にやって見せた。

新スタートレックヴォイジャーディスカバリーピカードなどの実写作品の設定を少しずつ掬い上げ、時に大胆にプロットに取り込んで、独立して楽しめる作品になっている。

その頂点がこのエピソードだ。シリーズを通じてのマクガフィンであったヴォイジャーキャラクター、チャコテイの姿が見えた時は、その絵だけで感涙してしまった。

実にオタク的な楽しみだが、フランチャイズ作品に長く付き合ってきたものけが味わえる、究極の悦楽がここにある。

プロディジー日本語版は、2024年10月時点では製作されていない。英語版だけならNetflixで子アカウントを作り、基本言語を「English」」に設定することで観られる。

両性具有ジェナイ人』(The Outcast) 新スタートレックTNG)第5シーズン17話 / 1992年

はっきり言ってシナリオの全体的な完成度は高いとは言えない。その質についても、表現手法についても注文の付く作品であるしかしどうしても外すことができない一篇がこれ。

1960年代宇宙大作戦人種性別による差別のない理想世界を描いたスタートレックは、1990年代になりその理想のほころびを正直に描くように変化した。

本作で暗喩されるのは、性的マイノリティの直面する差別であり、同時に女性の権利でもある。

物語では、両性具有種族の星に生まれた「女性」が、女性であると言うだけで罪とされ、矯正を施されようとする。

それは90年代に入るまで見過ごされてきた同性愛者への差別と、「治療」という名の暴力告発である

矯正の場へと連れていかれる彼女最後に、法廷の場で叫ぶ。「私は女だ!」と。

自らの性を自らの物として誇れない、自由に語ることもできない、あらゆる属性の、抑圧された人々の叫びが、そこに込められている。

新スタートレック日本吹き替えは名優揃いで品質が高いが、これだけは英語版で観てほしい。その叫びは、魂の演技だ。


以上。すげー長くなっちゃいました。誰も読んでくれないかな。

今回入れていないランキング定番としては、タイムトラベルの古典的傑作『危険過去への旅』(TOS)や、エミー賞ノミネートされた世界もっと儚いロケット打ち上げシーンが見られる傑作『超時空惑星カターン』(TNG)がある。

SFらしさが感じられるエピソード中心なので、人気の高いボーグのような強大な敵との対決とか、クルー同士のファミリー劇的な人情エピソードはあまり入らなくなってしまった。

また、『エンタープライズ』(ENT)、『ローワーデッキ』(LD)、『ストレンジニュー・ワールド』(SNW)の作品も入らなかったが、もちろん傑作、快作はいくつもある。

ENTバルカン人の設定を完成させた『バルカン夜明け』3部作LDアニメならではの手法連邦バルカンクリンゴン若者たち生活を描き交錯させた『wej Duj』、SNWは過去作の設定を活かしつつ現実21世紀社会情勢を24世紀の世界へと繋いで見せた第1話ストレンジニュー・ワールド』や、アースラ・ル・グイン小説『オメラスから歩み去る人々』のオマージュである『苦しみの届かなぬ高さまで』を推す。

2024-10-28

anond:20241028132407

急にむかしTwitterで見て大笑いした、吉幾三の歌のパロディPDCAぐーるぐる♪」を思い出し、また笑っている。このパロディ考えた人も吉幾三天才だな。

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