はてなキーワード: 表題作とは
https://anond.hatelabo.jp/20181104013756 の続き。
ねとらぼの本キャンペーン記事のブクマでオススメされてた短編集。SF多めだけどそうじゃないのもあってごった煮。どれも面白かったけど、頭抜けてるのが『バイパスの夜』。バイパスを走るタクシーが舞台であり、それが最初から最後まで最大限に活用されている。無駄がひとつもない完成品。
他には『悪魔の開幕』と『帰還者』がオススメ。『悪魔の開幕』は何を言ってもネタバレになるので騙されたと思って最後まで読んでほしい。『帰還者』はアレな言い方だけど、富樫のレベルE読んだような読後感。手塚治虫が天才で、本当になんでも描けるんだなということがよく分かる。
父の仇を追って新選組に入隊した深草丘十郎。そこで彼は後に親友となる謎の剣豪少年・鎌切大作と出会う。幕末の動乱を、ふたりの少年はどう生き抜くのか。
ブコメでオススメされてたから読んでみたけど、うーんこれは傑作だ。
ひとことで言うと美しい『アドルフに告ぐ』。物語を彩る様々な立場のキャラクターたち、実際の歴史を背景に躍動する主人公、そして全てはラストに結実する。美しい。圧倒的に美しい。子どものときに出会えていたら本当にたまらなかっただろうなー。これから何度も読み返したい一冊。
北村市郎、通称イッチはとある夜、幽霊の行進と出会う。偶然知り合った記者と情報交換することになるが、彼は交通事故で死んでしまった。本当にあれは幽霊だったのか? 駅のホームで見かけて以来、つきまとってくるようになった美少女の正体は?
これもブコメから。ホラーものかな? と思ったら斜め上に話が転がっていくのがさすがというかなんというか。気負わず笑いながら読んでいいやつだと思われる。「歓声とファンの数とは比例します」「ンン?」「これ歓声の法則」といった切れ味抜群のギャグもあったし。
これもブコメより。手塚治虫の自伝的な作品を集めた短編集。悲惨な戦争体験と、そんな中でも漫画を描き続けた戦中、ようやく悪夢のような戦争から解放され漫画家として立身していくぞ(でも漫画雑誌もない荒野でどうやって?)っていう戦後が主。
特に響いたのは表題作でもある『紙の砦』。時は戦中。特殊訓練所にいながらも隙あらば漫画を描く大寒少年はオペラ歌手を目指す美少女と出会う。
戦争って悲惨だしいいこと何もねーなっていう感じが色濃く描かれる。司馬遼太郎も終戦の時に浜で泣きながらなんでこんな馬鹿な戦争をしたんだって嘆いたらしいが、手塚のそれは叙情も何もなくただただ早く終わってほしい悲惨なものとされているように思う。
そしてラストが特に辛い。仮に――戦争で手塚が両手を失っていたら、手塚は、日本の漫画界はどうなっていたであろうか。
悲惨な戦争話が多い中で『という手紙がきた』は一服の清涼剤。『トキワ荘物語』はとてもしんみりさせてくれる。『動物つれづれ草』も好き。
人類が退化し、代わりに鳥類が惑星の支配者になった世界を描く。その新たな世界で鳥人は高度な文明を築き、ホモ・サピエンスは鳥人の家畜になっていた。そして鳥人たちはかつての人類のように相争い、滅亡の道をたどる。
短編連作の形を取りながら鳥人たちの誕生、栄華、末路を描くんだけど、風刺的な要素の強く出過ぎてて胸焼けする。『むかしむかし……めでたしめでたし』みたいなただの焼き直しにすぎない作品もあって、低調な短編はとことん低調。
ただそこは手塚神、すげー読ませるのもあって、『うずらが丘』は物語の展開力とオチの冷淡な語りおよび視線がさすがの一言だし、『トゥルドス・メルラ・サピエンス(ブラック・バード)』のような掛け値なしのイイハナシダナーにはホッとさせられた。
とはいえかなり疲れさせられるお話であることは間違いないかな……。
時は幕末。世渡り下手だが一本気な府中藩士・伊武谷万二郎と女好きだが顔の広い蘭方医の卵・手塚良庵は最悪の出会いを果たす。だがふたりは腐れ縁のように固く結びつき、ともに動乱の時代を駆け抜けていく。万二郎は下級武士ながらとある事件がきっかけで出世街道を上り、一方の良庵は大坂の適塾を経て江戸の種痘所開設に尽力する。ふたりの青年と、日本の未来はいかに。
うーん、感想の言いにくい作品。面白かったけど、中盤から物語に暗い影が落ち始め、読むのがちょっとしんどくなってしまった。手塚作品にしては長く、それでいて物語が綿密に練り上げられていることは間違いないんだが、同時に間延びしてしまった感も否めない。万二郎を主人公に据えたがゆえの限界という面もあり、愛すべき馬鹿には違いないけど、もうちょっとどうにかならんかったのかというのはある。同じ幕末を扱った『新選組』が青雲の物語であるならば、『陽だまりの樹』は凡庸な人たちの物語、という感じ。
人生に思い残しがある者は死に場所でしか生きた証を残せない、という話はあって、彼女(名前だすとアレなのでボカします)にそれが与えられたのはしみじみ良かったなーと思う。ひきかえ万二郎はそういう悲愴さとも無縁で、さいごまで読者をすっきりさせてくれないやつだった。だけどやっぱり憎めない。
お気に入りのキャラクターは、平助、お紺、お品。三人にはいっしょに酒を飲んでもらって、生きてりゃそりゃ辛いことのひとつやふたつあるよなーって盛大に愚痴ってほしい。
2日目の昼ぐらいに気づき、結局それからひたすら読んでた。ああ、もっと早く知っていれば!(BJとか火の鳥とかが入ってないのは読んだことがあるから。火の鳥は再読しておきたかったけど、せっかくの機会なので未読作品を優先した)
全体的な感想を言えば、俺がおっさんだからだろうけど、青年向けの作品の方が読み応えあった。『ジャングル大帝レオ』や『海のトリトン』は当時革新的だっただろうけど、さすがにいま初読だと平凡って印象が拭えない。それらに並ぶ子ども向け作品の『リボンの騎士』は、今でもおもしろいし、男の子の心と女の子の心が入った王女様が王子様のかっこうをしなくちゃいけなくて……という設定を思いつく手塚神ほんと神ってるなと。
大人向け作品はやはり『アドルフに告ぐ』が文句なしの傑作。行き当たりばったりで連載していたというブコメがあったけどマジか。震える。
短編のイチオシは『バイパスの夜』かなー。「極限まで削ぎ落とした体に鬼が宿る(byライスシャワーCM)」じゃないけど、無駄が何一つ無い完成品とはまさにこのこと。
今回よんだ中で一番好きなのは『新選組』。あそこまで美しい作品はなかなかない。
一番好きなキャラクターは『リボンの騎士』からヘケート。容姿、性格、行動力、作中での立ち回り、どの要素も俺の心を惹きつけてやまない。心に残るキャラクターだった。次点で『陽だまりの樹』からお品さん。
それにしても本当に手塚神がいてくれてよかった。日本漫画界に残した足跡の大きさからしてもそうなんだけど、それ以上に何十年たってもその著作が色褪せずに面白いってほんとすげーこと。これからも多くの人に手塚治虫の諸作が読みつがれていくことを確信して筆を擱く。
http://anond.hatelabo.jp/20151017231411
の3つ目です。
http://uguilab.com/publish/2016habikoruai/
力の抜けたタッチの作品の中に、1作品に少なくとも1つ、はっとさせられる言葉が込められています。
言葉で言っても陳腐化してしまうので、とにかく試し読みしてみて欲しいです。
同作者の「青エリと白エリ」シリーズもとても良いです。
https://comic.mag-garden.co.jp/yotsuya13/
発明の天才・四ツ谷十三によって未知の惑星に飛ばされた主人公一行のサバイバル漂流記。
十三のえげつない仕打ちのテンポの良さと、惑星で現れる生物たちの造形に対する必要以上のこだわりが素晴らしいです。
1巻時点で第1部完となっており、第二部再開の目処が立っていないようなのですが、個人的には度胸星・預言者ピッピと並んで続きを切望している作品です。
・ミッドナイトブルー(1巻完結)
http://shodensha.tameshiyo.me/9784396766870
装丁が気になって手に取った作品。タイトルの通り、前ページが濃い青色で印刷されていました。
短編集で、表題作も素晴らしいですが、個人的なお気に入りは「白い糸」という短編。
大学時代から好意を持っていたものの、ずっと飄々と躱され続けた女の先輩に、5年ぶりに再会した男の話です。
この先輩のキャラが最高でして、、
・カフェでカフィを(1巻完結)
http://www.shueisha-cr.co.jp/CGI/book/detail.cgi/1246/
普通のカフェやオフィス、道端、はては風呂まで、様々な場所でコーヒーを飲む人たちにフォーカスを当てた連作集。
もともとこういった線が好みではあるのですが、カメラワークの巧みさ、会話のテンポの良さが素晴らしいです。
特に、風呂でコーヒーを飲む夫婦を描いた「カフェ・ド・バスルーム」は、現実の夫婦を見ているような生々しさがあってとても良かったです。
・神の獣(1巻完結)
http://sokuyomi.jp/product/kaminokemo_001/CO/1/
一部でシン・ゴジラの元ネタになったのでは?と言われていますが、その真偽が気にならないくらい純粋に面白い作品。
古代から復活した大怪獣オーガに、人類が科学の粋を集めて戦う様が1冊を通して描かれ、読み終わったときにはそれこそ映画1本読み終わった時のような充実感があります。
以前はプレミア価格がついていて手に入りづらかったようなのですが、現在は電子版が安価に配信されているので是非。
・リピートアフターミー(2巻完結)
http://sokuyomi.jp/product/ripihtoafu_001/CO/1/
滅茶苦茶にあらすじが書きづらいのですが、単純に言うと善行を積むことが趣味の女子高生とコンビニ強盗が一緒にタイムリープし、同じ1日を10回繰り返して悲劇の回避を目指す話です。
帯に「タイムリープジェットコースターミステリー」とありますがまさにその通りで、複雑で緻密なタイムリープの物語を、スピード感を保ちながら全2巻のページを余すこと無く使い切って物語を描ききっています。(そのため、あとがきがカバー裏に書かれてたりします。)
・変身!(3巻完結)
http://comic-walker.com/viewer/?tw=2&dlcl=ja&cid=KDCW_EB01000015010001_68
無機物以外になら何にでも変身することができる少年と、その同級生の少女とのボーイ・ミーツ・ガール。
何者でもない思春期の悶絶感を、何にでもなれる少年を通して描き出しています(主人公がバッタに変身して童貞を卒業することから性の葛藤を描写したり)。
何より、作者のポップな絵が物語にテンポを与えていて、画として単純に楽しむこともできます。
・15で少女は、あれになる。(1巻完結)
http://matogrosso.jp/15desyojo/02.html
地球外生命体と戦うため、左手に生物兵器を埋められた少女たちの恋心を描くオムニバス。
まずタイトルが良い。設定は奇抜ですが、それが思春期の繊細な感情を描くのにとても効果的に使われています。
また、気が向いたら書いてみようと思います。
紙の動物園を読んだ。短編集だったんだけど、あえて一貫したテーマを当てはめるとしたら「正しさ」になるんじゃないのかなあって思う。
表題作の神の動物園では正しさと後悔をつなげて物語にしているような気がしたし、続く月へでは正しさを法を扱っていたと思う。以下、ほかの短編でも正しさになんやかんやを掛け合わせた一編になっていた。
でもって物語のテイストがそれぞれ違っているもんだから読みごたえがあった。始まりと終わりに、それぞれ違った味わいで涙を誘う物語をもってきているのも印象に残っている。
個人的に紙の動物園と文字占い師は強く感情を揺さぶられた。作者が狙った通りの感情を植え付けられた気がして居心地が悪いんだけど、やっぱりお涙頂戴ものに弱い気がする。
結縄で描かれてる資本主義のあり方とか、愛のアルゴリズムで示されている思考のあり様とか、オーソドックスだけど外さないように的を射ているところもよかった。
ただまあSFっぽさは薄かった気がする。訳者が紙の動物園はファンタジー色が強めだって書いてるから、もう一つの短編集もののあわれではSF色を期待したいと思う。
※ブコメ800越えました。800人以上の方が、「これ面白いよ」とか、「こんなに面白そうな漫画あるのか、ブコメしとこう」とか、「伝説級の定義を教えてくれ(個人的にはポケモン種族値で説明していたコメントは『うまい』と膝を打った)」とか、たくさんのブコメ・トラバを頂きました。ありがとうございます。コメントいただいた皆さんには感謝しかありません。
手塚治虫とか鳥山明とか藤子不二雄とか、まとめサイトとか互助会ブログとかで「漫画の歴史に残ると思う漫画家」とか「好きな漫画家ベスト100」とか「天才だと思う漫画家」とか「おすすめ漫画ベスト100」とかに絶対挙がってくるような人いるじゃん?
そういう人じゃなくて、ニッチというか売れてないというか知名度が低いというか、とにかくあんましそういった所で名前を見ないんだけど、「俺は(私は)この漫画家好きなんだよおおおおおなんで誰も言わねええええんんんだよおお本当にお前ら漫画オタなのかよおおおお」ってのを教えてほしい。
俺も何人か挙げとくか。
・鈴木みそ
「おとなのしくみ」「オールナイトライブ」「銭」とかの人。最近はamazon電子書籍を出した時の話とかを漫画にしてた。色々とアイディア豊富だよなあと思う。
ルポ漫画が結構多くてどの作品も基本的にギャグ路線なのだが、「おとなのしくみ」に載っていた飯野賢治(故人)って言うゲームクリエイターとの対談漫画は読んでちょっと震えた。手元に本がないんでうろ覚えだが、飯野さんの作ったゲームがなんかスゲエクソゲーでファミ通のレビューが散々だったらしく、それに飯野さんがブチギレてしまったけどまぁちょっと色々お話しましょうよ、的な話だったと思う。あれは文字で対談記事読むより100倍面白いと思った。吉田豪でも文字で対談記事上げたらあそこまでのクオリティにはならんと思う。
あと、この人の3.11を描いた漫画「僕と日本が震えた日」はすごく良かった。
・穂積
「式の前日」で結構バズってた人。「さよならソルシエ」もすげえ面白かった。
「式の前日」はいわゆる短編集で、表題作「式の前日」は、まんま結婚式の前日の話。これ以上言うとアレなんで気になった人は本編を直接読んでもらうとして、短編集なんで当然他の話も色々入ってる。俺はネットで「今度商業デビューする穂積って作家の式の前日はヤバい」という書き込みだけ見て買ったんで、短編集だと思ってなかったんだ。表題作「式の前日」は文句なしに面白かったんだけど、新人でこんだけの作品書かれると、読む側としては不安になる。「コイツ、これだけの一発屋じゃねえの?」って。
結論から言うと穂積先生は天才だった。式の前日の次のページから始まる…なんだっけ、幼女と親父のハナシとか、オッサン兄弟が居酒屋でグチグチ言うハナシとか、話の運び方がスゲエうまくてグイグイ引き込まれる。しかも読後になんかちょっといい気持ちになれる。そんなもんだからもう俺の次作への期待値は上がる一方で、この人早よ連載書けよと思ってたら「さよならソルシエ」が出た。やっぱり面白かった。
未読の人は、「式の前日」を読むのがいいかな。かなりBLっぽい絵柄なんで、そういう絵が辛い人にはちょっと読みにくいかもだが、まずは我慢して1話読んでみてほしい。多分次の話が読みたくなる。
「ヨコハマ買い出し紀行」「コトノハドライブ」とかの人。ブコメでも複数指摘されていたが四季賞好きなアフタ民は俺です。
とにかく「ヨコハマ買い出し紀行」がヤバすぎる。ヤバすぎて青い表紙の旧版と、愛蔵版?だかの白い表紙のやつと、両方買った。今って多分新刊で買うと白い表紙のほうしか買えないと思うんだけど、こっちには巻末4コマついてないんだよなあ。俺が電子書籍買わない理由に「こういうオマケ要素がない」ってのはそれなりにあるんだけど、最近の電子書籍だとちゃんと載っけてんのかな。「トライガン」とか、買ってきてまず最初にするのはカバー外して「ああ、内藤先生は今日も平常運転だな」って確認する事でしょ?
なんか話がズレてきたので戻すが、「ヨコハマ買い出し紀行」は横浜に買い出しに行く話…では無い。いや、横浜に買い出しにも行く時もあるが、1回か2回ぐらいだ。基本的には主人公の「アルファさん」が経営する喫茶店の日常が語られる。話自体は(ロボットとかのSF要素とかはあるが)そんなに突飛な話ではない。日常が淡々と描かれていく。では何がヤバいのか。芦奈野先生は「空気感」をコマに表現するのがメチャクチャうまい。夏の日差し、雨の匂い、草のざわめき、空の青さ…。そういった「なんでもない」風景や事象を切り取って描くのが本当にうまいと思う。サラッと書いたが、基本モノクロのコミックで「空の青さ」ってなんやねん、というツッコミはあるかも知れないが、青いんだからしょうがない。(ちなみに、カラーページも結構多い。)はじめて読んだ時に結構衝撃を受けたので挙げた。本当はアフタ民として沙村広明先生を挙げようかなと思い、「おひっこs」ぐらいまでタイプしたような気がしていたが、いざ増田を書いたら芦奈野先生になっていた。超スピードとかそんなチャチなモンじゃ断じてねえ(以下略)
「さらい屋五葉」「リストランテ」とかの人。最近は「ACCA13区監察課」がアニメ化された。
好きなんだけど「なぜ好きなのか」を言語化しにくいんだよなあ。友人に勧める時も「まぁ読んでみて」とか素っ気ない事しか言えないし。雰囲気かなあ…。
BL界隈では有名な方らしいが、増田はBLをほぼ読まないのでわからん。あ、俺が挙げてる作品にはBL要素ないから、「そういうのはちょっと…。」という男性増田諸氏も安心して読んでほしい。
ここまで書いてて、BOOWYコピペの「ちょっと渋すぎるかw」を思い出した。ブコメでもさんざん指摘されてるけど、俺が挙げてるのって有名どころかつ第一線バリバリの人ばっかだな。すまぬ…すまぬ…(丸太でボコボコにしながら)
「大奥」「昨日何食べた?」とかの人。よしながふみ先生レベルになると伝説っつってもいいような気もするが、とりあえず挙げておく。好きだから。
漫画好きな女性とよしなが先生について語るときに、「よしなが先生一般向け作品での最高傑作は?」でいっつも喧々諤々の議論になる。女性は「フラワーオブライフ」を推す人が本当に多い。次点で「ジェラールとジャック」かなあ。サンプル少ないけど。「大奥は完結してないから評価保留」って意見も多い。まぁそういう議論(というか、『俺は私はこんなにこの作品好きなんだぜ!』っていうただの自分語り)も好きだから互いに延々と自説を述べるんだが、本当のところは「人による」でしかない。俺も他人に勧めた漫画が「これ、あんまり面白くなかったよ」と言って返却された事は10や20じゃきかないし、俺自身も「これ超面白いよ!」っつって友人から借りた漫画がイマイチだった事は稀に良くある。
まぁそれでも俺は大奥超好きだし、俺に大奥のレビュー書かせたら多分余裕で2万字行くよ。そんぐらい好き。(実は「2万字はよ」のブコメが妙に伸びてるので、内心ヒヤヒヤしている)
2万字レビュー、少しづつですが書いてます。多分この話題も風化したころにシレーっと増田に上げおきますので、ご笑覧頂ければ幸甚です。(そういえば昔「ご笑覧下さい」て新井先生の漫画があったが、面白かったなあ。)
・(追記)岡田あーみん
ある意味伝説だな。こいつら100%伝説だし。EじゃんGじゃん最高じゃん。よしながふみが2万字なら、この人なら5万字書ける。ウソつけお前、絶対書けないだろ。いやいや5万字でしょ?400字詰の原稿用紙で125枚でしょ?小学校の時に読書感想文で80枚出したことあるしヘーキヘーキ。(なお80枚中50枚ぐらいあらすじと本文引用だったもよう)ブコメの「2万字はよ」の方のスターが50ぐらい行ったら書くわ。俺、書くよ…。頑張って書くよ…。
えーっと、何の話でしたっけ、そうそう岡田あーみん先生ですね。劇中のセリフをアンキパンで暗記したのかってぐらい読んでた。昔は「何巻の何ページ」と言われれば、コマのセリフを暗唱できるぐらいだった。
・(追記)桜玉吉
ゲーム系?の人なのかな。作者自身が作中に登場する作品が多い。自分はアフタヌーンの「なあゲームをやろうじゃないか」という漫画でファンになった。またアフタヌーンかよ。そうだよまただよ。アフタヌーン出身の作家ってクッソ面白い人多いから皆にもオススメしたい。まあ玉吉先生はファミ通かLoginかゲーム雑誌の出身だった筈だが。
「なあゲームをやろうじゃないか」が面白かったので、そっからすぐ玉吉先生の全作品を買った。最近は「日々我人間」「伊豆漫玉日記」とかの作品で作者自身の日常話が多いが、俺は「幽玄漫玉日記」とかの昔の漫画のほうが楽しめたな。
「なあゲームをやろうじゃないか(今は「なげやり」という傑作選が出てる)」では毎回1本ゲームを紹介するのだが、ゲームは全然紹介せず、タイトルのギャグ・アナグラム等でひたすらゴリ押ししていく。(例:ペルソナ2罪→なるぺそ堤、とか言って堤市まで行って「なるぺそ!」とか言うだけ、とか)
「北へ~ホワイトイルミネイション~」→「鍛えねえと生きてる意味ねえでしょ」は爆笑した。
未見の人は、「防衛漫玉日記」ってやつの文庫版があるんで、とりあえずそれかな。桜玉吉自身が代アニの漫画科に(漫画家としての身分を隠して)一般生徒として潜入する回とか、2017年じゃ絶対成立しねーだろ。オチとか含めてクッソ面白いし、他の話もメチャクチャ面白い。読んで面白かったら、「〇〇漫玉日記」って作品名のやつと、上で挙げてる「なげやり」あたりをオススメしたい。きっとアナタもぺそみちゃんに恋するはずだ。
・(追記)楳図かずお
俺の書き方が良くない事は百も承知の上で、「俺は伝説級だと勝手に解釈していたがブコメに名前が挙がっていた人」。挙げてくれた人、なんかすいません。怒られる前に謝っておきます。
最初に楳図作品に触れたのは「まことちゃん」って言うギャグマンガで、これは残念ながら俺にはあまり合わなかった。当時は若かったせいもあるが、「なんかキモい絵だなあ」ぐらいの感想だった。
そこから状況が一変するのは数年後、たまたま「漂流教室」を読んだ。…いや、表現を変えよう。「読んでしまった」だな。頭をハンマーでブン殴られた感じっていうか、とにかく全ページからのオーラがすごくて、気づいてたら全巻読破していた。「なんで学校が漂流するのか」とか、「なんで空き地で交信できるのか」とか色々あるんだが、そんな事は些事である(断言)。
正直、あれだけの漫画体験は俺の漫画人生の中でもそうそうない。俺のこれからの人生で、あと何回こんな体験ができるんだろう。そう考えると、なんだかオラわくわくしてきたぞ!!
…で、楳図先生の作品だが、そっから「14歳」「わたしは真悟」「神の左手悪魔の右手」と読んでいくことになるのだが、当時思っていたのは「この作者は頭がおかしい(誉め言葉)」だった。「トリ頭の天才科学者(パッと見、鶏の被り物をつけているように見えるが、本当にトリの顔をしている)」とか、普通思いつくか?
ストーリー展開も超絶で、多分いくつかの漫画フォーマットはこの人が作ったんじゃないかと(勝手に)思っている。まとめブログとかでさんざん言われているような気がしないでもないが、本当に現代の漫画家さんはしんどいよなあ、と思う。なんか面白そうなハナシを思いついても、だいたい先人が似たようなネタやってるんだから。
BL出身の作家さんが多くなったが、これを書いている増田自身は男である。一応来年入籍予定なのだが、嫁(になる予定の女性)が大奥全巻(当然初版のみ)は新居に持ってこないでとか早くメルカリでいらない漫画全部売ってよとかずっと言われてて、どうやって説得しようか迷っている。女性増田諸氏にはそちらのアドバイスもできればお願いしたい。
こちらの「嫁と漫画問題」のほうにも様々なブコメがついた。つけてくれた方々に感謝したい。嫁は大奥に限らず、漫画をほぼ読まない。「逆ハーレムものの本を置かれるのが嫌なのでは」というブコメもあったが、そもそも嫁はBLという概念を理解しているかどうかも怪しいレベルである。例えドラゴンボールでも嫌がるだろう。「なんでそんな人と…」というのは思わないでもないが、漫画以外の部分では本当にいい女性だなと思っている。漫画以外では性格的にもあってると思うし、付き合いも長い。ついでに料理もうまい。…そう、本当に「漫画以外は完璧」なんだよなあ…。
実家に置く…のは無理だ。察してくれ。俺の実家は結構な田舎にあって、実家の敷地面積もまぁそれなりにあるんだが、たまに実家に帰ると確実に言われるのが「漫画捨てていいか」である。実家の俺の部屋(だったところ)は、漫画と本で埋まっている。比喩表現でなく、埋まっている。俺は実家に帰ると、居間で寝ている。
本当に捨てられかねないような場所に漫画を置いておくのは嫌だし、何より大奥クラスの本は手元に置いておいて読みたい時にサッと読みたい。
自炊…は、単に好みの話で、俺が紙の本が好きなので辛い。kindleも買ってみたが、結局買ったのは「野望の王国」だけだった。買った理由も「紙の本がどこにも置いてなくてしょうがなく」だし。あ、ちなみに野望の王国は柿崎が大好きです。次点で疋矢。
交渉…は数年に渡り接触を図っているが、全く進展がない。勇午(←プロの交渉人)でも状況を打開するのは難しいだろう。
多分、レンタルスペースを借りるか、潔く電子書籍に移行するかの2択だと思っている。自炊するヒマは無さそうなので、もう一度全部買うとなると蔵どころか家が一軒建ちそうなので、厳選しないとなあ。
ブコメくれた皆さんありがとう!ちょっと俺の言い方が悪かったかも知れない。マイナーな漫画家じゃなくても全然いいんです。アナタが!好きな!!作家なら!!
自分はこの手の質問を周囲によくするのだが、昔とある友人に「藤子不二雄」って回答されて「あのさあ…。」って返したら「ミノタウロスの皿」をスッと差し出された事があって、なんじゃこれと思って読んだら俺の中の(勝手な)藤子不二雄像がブッ壊されたという、「漫画オタあるある」な体験がある。そんな体験をまたしたくてこの増田を書いた。だからもう、あんまし気にせずに面白いと思った作家さんを挙げてくれるだけで嬉しい。皆のブコメやトラバは何回も読み返した。こんなクソみたいな聞き方した失礼な奴に真摯に対応してくれてありがとう。
あと、こんな事書いてるとマウントされるのでは?という気づかいをしてくれた方(sukekyo氏)、ありがとう。心遣いに感謝する。迷惑だと思うのでidコールはしないが、増田書いてて親切なアドバイスをもらったことがないので、とてもうれしかった。
でも俺はマウントされてボコボコにされようが、プロファイラーにケツの毛の本数までプロファイリングされようが、とにかくクッソ面白い漫画が読みたい。大爆笑したいし、ふむふむ言いながら感心したいし、号泣したい。「アニメとか映画とかゲームとかは?」とかよく聞かれるが、俺の興味対象は何故か漫画だけなんだ。このへんは自分自身でもよくわからない。プロファイルに自信ニキの分析待ってます。
起床してブコメ見たら驚愕な伸びでビビってる。みんなありがとう。本当にありがとう。コメントくれた皆と俺のオゴリで飲み会やって漫画の話を延々やりたいと思った。「お前あれだけ偉そうな増田書いといて〇〇先生知らないとか正気?」とか言われつつ、その先生や作品に対する愛をたっぷりと拝聴したい。当人が愛をもって存分に語るハナシって、何であれ大抵面白い。俺はジャニーズってあんまし好きじゃないんだけど、「ジャニーズファン(特に嵐)の書いたライブレポ」は毎回楽しく読ませてもらっている。っていうか嵐のライブ行った事ある(なんか男性だと優先して入れるやつがあるとかでジャニオタの女性に1枚融通してもらった)。楽曲とかに興味がないので今一つノリきれなかったが、エンターテイメント性はメチャクチャあった。超!エキサイティン!!そりゃあれだけ熱狂的なファンがつくわ、と思った。男性増田諸氏には「女性と会話で盛り上がる為のネタとしてジャニーズのネタは結構使える」と言っておこう。逆に漫画の話をすると、経験上ドンビキされることが多いかな。何年か前のコンパで「ときめきトゥナイト好きなの」と言ってくれた女性がいたから、乗っかろうと思って「何部が一番好き?」って聞いたら「は?」って言われた事がある。(彼女はアニメ版の話をしていた)あの時の女性、本当にすまなかった。
…えーっと、何の話でしたっけ。ジャニーズの話じゃなかったですよね。そうそう漫画の話。
俺、漫画だけは死ぬほど読んでる自信あったけど、そんなチンケなプライドをガタガタに崩壊させるぐらいに知らない作家さんが多かった。まあ、↑で俺が挙げてるのがメジャーどころばっかってので色々察してほしい。
でもそうだよ、なんか忘れてたよ。俺は「オバカミーコ」読んで「片山まさゆきって面白いよな」ってやつに「ノーマーク爆牌党こそが至高に決まってんだろうがよおおおお」と居酒屋でクダを巻きながら爆牌理論のすごさとか八崎の伝説とか色々語ってたんじゃないのか。大同人物語を読んで「切り餅3ツ」とかホントに使うのかよでもあのヒラコーが言ってるし俺の知らない同人界隈ではみんな使ってるんだろうとか思ったりしてたんじゃないのか。
「はじめの一歩って面白いよな。ボクシング漫画最高峰だよな」ってやつに「はじめの一歩も面白い、ベストバウトは鷹山vsホーク、次点で過去編のvs米兵戦だろう。だがな、『ボクシング漫画界ベストバウト』はシュガーのリンvsキンジだ。でも続編のRINは読まなくていいぞ」とか居酒屋でジョッキ片手にブチ上げて、そっから頼まれもしてないのに同じ作者の「ザ・ワールドイズマイン」の話を延々してたりしてたじゃないか。ワールドイズマインはボクシング漫画ですらないが。
「サッカー漫画ってキャプつば以外に面白いのないの?」ってやつに「お前がサッカー好きならジャイキリだが、俺は「リベロの武田」がサッカー漫画では突き抜けてると思う」とか語りだして、「サッカー漫画には必殺技が必要不可欠だが、ジャイキリにはそれがない。いや、最近の椿はスーパーサイヤ人化が激しい部分もあるが…。それはさておき、リベロの武田には必殺技がいっぱい出てくる。」「例えばどんなやつ?」「うーん、『いじめっ子の結界』とか?GKエリアに入れない。入ったらモンゴリアンチョップされる」「それ本当にサッカー漫画?」とか言われたりしてたじゃないか。
…しかしこうして見ると、他の客から見て俺はただの「うるさい端迷惑な客」だし、友人もよくもまあ俺のクソどうでもいい話を聞いてくれたもんだ。友人たちよ、ありがとう。
まず最初。たーたんを読んだ。帯に"童貞×JC≒父娘?"っていうなぞの式が書かれてた。心ヒリヒリコメディと銘打っていある通り、笑えて面白いんだけど、どうしようもなく切ない気持ちにさせられる漫画に仕上がっていた。
ネタバレになるけれど、今作は血縁関係のない男女が父子家庭を演じている。そんでもって、その偽りの親子関係を続けようにも、とある理由によりあと一年で関係を解消せざるを得ないことが提示されている。
切ないのが、その事実を知っているのが偽りの父親だけってところ。
赤ん坊のころからたーたんに育ててもらった娘は何も知らないし、関係性を疑ってもいない。母親のことも、自分を産んでからすぐ死んでしまったと聞かされているもんだから、ずっとそれを信じていた。
たーたんは何度も何度も真実を伝えようと思い至るんだけど、優柔不断で気弱なもんだから、思春期を迎えた気難しい娘を前についつい口をつぐんでしまう。
加えて思春期になった娘は娘で、いろいろと想像して、母親は実は生きているんじゃないかとか、たーたんが情けないから逃げられてしまったんじゃないかとか思い始めてしまう。
全体を通して一方だけが破滅へと向かっていることを認識している、ある種のモラトリアムのような状況が描かれているわけなんだけど、何も知らない無垢な普通の少女と、お人好しで気が弱いけれど一人前にお父さんやってきた男性との交流が微笑ましいものだから、余計と切なくなってしまう。
親権の問題やら、都合のいい父親像やら、創作じみたところは結構ある気がするけれど、それらをあまり感じさせないのもすごい。
ちょいと前にはうさぎドロップが評判になり、その次には甘々と稲妻がアニメになったけれど、今度はこのたーたんがくるかもしれない。
わきを固める登場人物についてのエピソードもいろいろありそうなので、今後とも目が離せない。
次。女房、きつね仕立てをよんだ。最近はやっている異種交流譚を扱った作品。表題作と短編三作からなる単行本だけど、人外との恋愛要素がほとんどないのが特徴的だった。
ところどころに挟まれるギャグが最近の表現っぽいなって思う。なんて表現すればいいのか。とにかくそれっぽい。
加えてなんだか絵が少女漫画っぽくなかった。いや少女漫画なんだけどレーベルが違う。アスカなんかみたいに、男性陣がアクションや冒険なんかをするレーベルの絵柄っぽく感じられた。
総じてケモノたちが可愛らしかった。キュッキュて短編は結構ブラックジョークが効いてると思ったし、ぬしさまの不気味な存在感も素敵だった。
次。第七女子会彷徨の十巻を読んだ。まずもって今までもいろんなことをやってきた漫画だったけど、最後の最後までメタやらクトゥルフっぽいのやらハチャメチャにやり切った漫画だった。
一つ一つのエピソードに描かれているギミックなり表現手法なりがころころ変わるので、連作集なんだけど短編集のようにも読める作品だったと思う。
一応一巻から読み直してみるとあれがこうなってそれがどうなるのか新しい発見ができそう。ただ結構読者を突き放して突き進む漫画なので、いまは気が乗らないかなあ。
次、うちのクラスの女子がヤバいの一巻と二巻を読んだ。確かにヤバかった。でも、ものすごく微妙なヤバさだった。中には強烈にヤバいのもあるけど、そこまで重大な事件にならないのがゆるい。
そこらへんの塩梅が作者の特色なんだと思う。食べた人の記憶を一日分だけ消すおにぎりとか、イライラすると手のひらが軟体生物化してしまうのとか、ヤバいけど影響はそれなりだった。
むろん過去にはそれらの能力を強化しようとしていたらしき描写もあって、今後どう展開するのかがきになるところではあるのだけれど、
個人的に、二巻のかわいいものを見るとぬいぐるみになってしまう女の子の話と、困ると体の周りに花が咲いてしまう女の子の話がよかった。
一巻にある心身の同一性に問題を抱えているような人物の描き方や、二巻の終わり方なんかも緩さの中に確かな芯がある感じがして素敵。続きが楽しみです。
それはそれとして、タニス・リーの死の王を読み始めたんだけど、闇の公子を読んでいないことに途中で気がついて結構後悔した。
明確なつながりがあるのか定かじゃないけれど、やっぱり刊行された順番に読みたい。よって死の王は少し読書を中断し、闇の公子を先に読破することにする。
平らかなりし地球の物語は、ほかに第三集と第四集と外伝があるみたいだけど、入手が困難なのだそう。面白いのかなあ。全部集めて読みたいなあ。
或るろくでなしの死を読んだ。短編集なんだけど、タイトル通りの強烈なキャラクターが代わる代わる出てくる小説だった。
全体的に貧者のホラーというか、弱者のホラーというか、社会的に追い詰められた者に降りかかる恐怖を描いた作品集だったと思う。
一話目の或るはぐれ者の死では浮浪者が主人公だったし、六話目の或る英雄の死では第一線で活躍していたのに底辺まで転がり落ちてしまった人物が主になった物語がつづられていた。
自動車事故にあった遺族の物語があれば、若いのに将来設計もなく子供を孕んでしまった男女の物語もあった。
全部が全部そうじゃないんだけど、総じて昭和っぽいレトロな空気感でもって不快感をぶん投げてくる感じ素敵だった。環境もモラルも整備され切ってない境遇と昭和って、よく合うよね。
上で不快感をぶん投げてくるって書いたけど、全部で七つある短編集の全てで違った不快感を味合わせてくれるのも面白かった。。
例えば一話目の浮浪者の話だと貧者の善意が健全に見える社会から踏みにじられる不快感が得られたし、二話目はとある人物の生き死にがたくさんに人々の思惑によって弄ばれている不快感がにじみ出ていた。
三話目はどうしようもない屑の話。ただ似通った話は昨今も絶えないので、実情を想像すると怒りがこみ上げてきた。
うって変わって四話目の狂ってしまった母親の話は終わり方が切なかった。鎮魂の儀式は人それぞれだけれど、そうするしかないってのがつらかった。
表題作である或るろくでなしの死は、ちょっぴり毛色が変わってダークヒーローものだった。ヨミさんかっこいいよ。サキかわいいよ。ただし、最後のスナップフィルムを撮影するシーンは短編集内でも随一の猟奇描写だった。
或る英雄の死は物語の構造がちょっぴりメタい気がする。最終話の話はなんで二人で幸せに生き残るハッピーエンドにならんかったんやって思った。ホラー小説なんだし、死こそが救いなんだから仕方がないのかもしれないけど。
まあそんなこんなで雑多な作品が集まっていたので、どれか一つは好みの一編が見つかる作品集になっていたと思う。反面ずしんとくる不快な読後感はあまりなかった。
最後にもう一つ二つ。個人的に帯のセンスがないと思った。作者二人のコメントが作品に水を差している気がする。ちょっとひどい。
そして解説もどき。あれいる? 自分語りはブログででもやっててほしいと思った。イラストとちょっとしたコメントだけ残してくれたらよかったのに。途中のポエムがひどい。
ここまで読んでフィリップ・K・ディックを読んでないのはもったいない!!!
処女作からしてランダム性を主題に掲げて人造人間に10人の意識がのべつ間もなく入り込むお話ですから
ディックの長編SFはサスペンスな要素が強く映画化もされているのでまずはそこから3つ手に入りやすいものをおすすめします
どれもこれも面白いですが、苦手になってほしくないのでポップな面白さで図抜けているユービックを一晩(一番)にどうぞ
暗闇のスキャナー(A Scanner Darkly)
電気羊はアンドロイドの夢を見るか(Do Androids Dream of Electric Sheep?)
ユービック(Ubik)
ディックの長編は一気に読ませるほど面白いんですが綻びがなくもないので短編の方が実はおすすめです。
火星年代記を読まれているということは多分短編小説もたしなまれると思いますので次の2つをおすすめします。どちらもベスト版です。
人間以前
「アジャストメント」は映画にもなった表題作ですが、他にも「にせもの」や「電気蟻」、「くずれてしまえ」など特におすすめの一作です。
他の短編集に収録されているものが多いのでコレクターの方には不評ですが、最後のエッセイだけでも買う価値あると思いますよ~
ディックからもう一歩踏み込むならJ・G・バラードや安倍公房をおすすめします。
安部公房の作品はどれをとっても入りやすく、それでいて本質を問うような内容でとってもおすすめです。
ノーベル賞関連で取りざたされることも多いですがそんなことはそっちのけて入り込んでほしいです。
SF色が強いのは「第四間氷期」ですが、他のどれをとっても馴染んでいけると思います。
J・G・バラードはいわゆるニューウェーブの作家さんですが、その価値を抜きにしても読んでほしいと思います。
中後期の作品は非常に濃く、好き嫌い分かれるところだと思いますが、最初期の「結晶世界」だけでも手にとって欲しいです。
SF的な味付けはありますがユング心理学でいうところの「シャドウ」に直面するような内容です。それをどのように受け取るかで面白さが変わってくると思います
伊坂作品でよくある、群像劇チックな異なる時間軸の出来事が最後に一気につながっていくところはおおおおおおおおとなった
伊坂作品愛を感じた
あと表題作ってただの短編だけどそれをどうやって一本の映画に結びつけてくるかなと思ってたけど、それも伊坂作品へのリスペクトにあふれたオリジナリティが溢れててすごかった
ころころ場面がかわって退屈しなかったのもあると思う
これまでのは一本の映画としてはだらだらしてたのに退屈しがちだった部分が結構あったし
これもよかった
BECKみたいに映画化に際してごまかしたりしなかったからよかった
歌のプロデュースは斉藤和義でもろに斉藤和義臭のする歌だったけど劇中で何度も流れても全然不快じゃなかった
いやーこれはよかったね
でも伊坂作品の気弱だけどどことなく憎めない主人公は、まあ確かに言われてみれば濱田岳イメージぴったりだな、とは思う
あとは最初のオカルト姉ちゃん絡みの描写が最初しかなかったのがちょっと残念だったかなあ
せっかくあんだけのことしたし、どうなったかも気になってたんだけど
ロ○エ○漫画家
Wikipediaにやたラ詳しい
短編「ろりともだち」で一躍有名になった
小中学校の教員免許を所持していると判明したときは世間を震撼させた
体調や精神を崩しがち
母親バレしている
収録作「ろりともだち」はレーティングを超えて多方面に影響を与えた。
詳細はWikipediaに詳しいが、東浩紀やアイアムアヒーローの花沢健吾も絶賛している
また、さらに個人的なことを言えば、そういった七面倒臭いテーマ性はともかく、いろんな女の子が出てくるのがとてもお得感があって好きだ
通常エ○漫画は1話につき一人、多くても二人がほとんどであり、読み切り1話で複数キャラと~というのはなかなか難しい
それをテーマ性にからめて昇華し、キャラとのカラミのクオリティも高い※個人的な感想です
夢と現実、希望と絶望が交じり合いながら描写される逃亡劇は、その最後を見届けた後に、2時間映画を見たような満腹感をもたらしてくれる
さらに単行本では表題作についての描きおろしもあるため、お得感半端ない
また、ネットや2ch、まとめブログを見る人なら一度は見たことがあるであろう「ふくしのだいがく?にかよってるんですけど!」の話も収録されている。
なんだかんだいっても所詮ロ○エ○漫画なんだろうぜってーよまねーよこのロリコンが
と言う人もいるだろう
上に上げたもの以外は、ごく普通でテーマもクソもない話だったり、ちょっと凝ってるくらいでしかないと思うかもしれない(現に自分がそうだった
その感想はそれはそれでアリだと思う
無理に読めとも言わない
ただ語りたかっただけだ
あまり大きな声で言えないが、ロ○エ○、獣姦等々、amazonからはじき出されているなかで、
放射能チェックを装って・・・311で放射能の話題も冷めやらぬときにこのようなネタで書くというのは、ロ○エ○漫画家として「尊い」以外の感想が思い浮かばない
エロチック街道を読んだ。筒井康隆はわざと読点を使わないようにしているのかなって思った。
偏在と日本地球ことば教える学部と遠い座敷とジャズ大名が面白かった。特にジャズ大名はエンターテイメント性が高く、あらすじに底抜けに楽しい傑作と書いてある通りの読書感を得られた。
偏在はキュビズムを文学で表現したことが面白かったし、日本地球ことば教える学部はハチャメチャなギャグ小説として読み進められた。
遠い座敷は分類としては幻想小説なんだろうと思う。少しホラーチックな描写だったので、最後が少し呆気なく感じた。もしかしたら主人公は無事に家まで辿り着けていないのかもしれないけど、よくわからない。
かくれんぼをした夜みたいなほのぼのした作品もあるんだけど、全体的にハチャメチャなギャグが多かった印象を持った。一についてとははまだしも、歩くときや早口ことばは突き抜けすぎててちょっと苦痛だった。
満を持しての表題作
異星人とコミュニケーションするために言語学者の女性がいろんなアプローチを試みる中で、ところどころに女性の娘へ話しかけるような描写が入る
一見何の関係もないように見えるのに、最後の最後でその構成の意味がわかったとき、めっちゃ感動して鳥肌たった
SFとお話としてのオチがすごく綺麗につながってて、しかもそれが読みやすさにも寄与する構成になっているという、何重にも考え尽くされた構成
どーゆーことかっつーと、娘へ語りかける描写→言語解析アプローチフェーズ→の繰り返しなんだけど、言語解析のところはぶっちゃけ読んでて結構きついのよ
わからないわけじゃないけど(ここもテッド・チャンのすごいところ。自己満じゃなくて、読者にわかるレベルで丁寧に書いてくれる。この話にかぎらず)、
細かすぎて疲れるっつーか、ずっとこの調子で書かれるとちょっとうんざりするなあという感じ
それが娘への語りかけ(これも平易だけど細かいディテールに凝った、感情移入しやすい描写)がはさまることで、かなり緩和されてるのよ
そんでその構成も、ただの読みやすさのためだけじゃなくて、ちゃんと意味があるの
もうファーーーーーーーwwwwwwww
ッて感じとうっわまじかよ・・・って感じで思わず本を置いてしまった
SF作家じゃなくて言語学者が書いたのかとばかりに凝りに凝ったディテールの、異星人の言語解析描写は、ほんとやばい
全部やばい
いまんとこ面白さは、
かな
マジすげえ
もっと早く読んどくんだった
星を継ぐものとか夏への扉なんかより、こっちを先に読むべきんだった
ヨハネスブルクの天使たちを読んだ。建築と紛争と落下するロボット。全編通して退廃的な寂寥感が味わえたのでなんだか寂しい読後感を得られた。
人間って何なんだろう。誰しもがふと考えて、その時々で納得できる答えを見つける問を、再び抱かせるような作品だった。紛争が大きな共通項として紡がれているから、どうして人は争うのだろうとかも考えさせるんだけど、ある程度その答えが作中で描かれているから人間に対する哀れみにも似た感情を抱いてしまう。歴史は繰り返すって言うけれど、改めて無情な現実を突きつけられたような気がして呆然としちゃった。
また表題作でもあるヨハネスブルクの天使たちにおいて、起動しただけのDX9に意思と呼んでいいのかわからない思考回路が生まれていることが引っかかった。この一遍以外純粋なDX9の思考は明確に表現されていないんだけど、人格を上書きされた個体とか、プログラムを上書きされた個体が果たしてどうなったのか、思考が存在していたのかとか彼女たちに対する生存権みたいなものを考えると、ますます人間のどうしようもなさが強調されているように感じた。
建築とか紛争については解説でも触れられていたから脇においておくけれど、度々記述されていた言語に対する思想も興味深かった。言語に関する項目は紛争にも関わる事柄ではあるんだけど、もしバベルの塔が倒壊していなかったらもう少し現状とは違う現在も存在し得たんだろうと思う。
最後の一遍だけ紛争地から離れた日本を舞台にしてたから(二編目もアメリカが舞台だけど9・11を題材にしていたから毛色が似通っていた)雰囲気が他と少し違ってたけど、この作品には最後に希望が見える気がした。あんなの希望じゃなくて暇を持て余した挙句に見つけたささやかな娯楽の延長でしかないのかもしれないけど、あの光景を想像すると人間の善性を信じてみたくなる。もちろんそんなのはまやかしかもしれなくて、事態を一方からしか見ていない独善的な捉え方ではあるんだけど、やっぱり生きていくのだから先は少しでも明るいほうがいいと思う。
なんかよくわかんない感想になってしまった。個人的には前作のほうがバラエティーに富んでいたし、しんみりする話ばかりじゃなかったから好みに合っていた。静な気持ちにさせてくれる一冊だったと思う。
全部読み終えてから感想を書くには、あまりにも増田のスペースは小さすぎる
ってなりかねんと思ったのと、都度書かないとそのときの感動を残せないと思ったから、
ちょっとずつ書く
まずはじめに、これまでホッテントリに上がってくるようなSFの古典とか名作とか言われてるのにちょこちょこ手を出してきたけど、その中でこれが一番だった
海外作家で設定厨に堕してなくてSFのエッセンスとエンタメの快楽を同時に最小限の文章で表現できている人に初めて出会った
下手に長編読んでもげんなりするし失敗したときのダメージがでかい
まだ全部読んでないし、これ以外のSFも2桁に届かないくらいしか読んでないけど、SFに手を出すなら、海外作家ならこれ、国内なら小川一水の老ヴォールの惑星を推す(星新一は別格として)。
SF警察に取り合うつもりはまったくないけど、小説というからにはエンタメがないとダメだと思う自分にとって、SFやりつつエンタメ性もあるものってなるの上記の選定が最初はベストだということ。
表題作含むいくつかの短編が入ってるから短編ごとに簡単に感想書く
RPGのワールドマップが上下左右でくっついてる理由、みたいなネタを思い出した
固有名詞がいろいろ出てきて覚えにくい・覚えるのめんどいと思ったけど、別に覚えなくてもどうにかなった
これヤバイ
クソ面白い
アルジャーノンに花束を+天才対天才の超身体能力バトルみたいな感じ
ちょっと話逸れるけど、伊藤計劃の虐殺器官ってやつで、結局虐殺の文法ってなんだったんだよってのがはっきり描かれなかったことが、自分にとってすんごくフラストレーションだった
あと野崎まどのknowってやつでも、最後らへんで天才対天才のバトルがあるけど、描かれてる視点が第三者だったから、高尚ですんごいバトルしてるのに傍目からは何をしてるのか全然わかんない、とにかくなんかすごいことやってるって描写しかされなくて、これもまた自分にとってすんごいフラストレーションだった
そんで翻ってこの理解という短編は両方を同時に解決しているすんごくすっきりする話だった
虐殺器官もknowも長編でだらだらやって結局大事なところをぼやかして描写することから逃げてるように感じたから、短編でここまで正面切って読者に開けっぴろげにケレン味たっぷりの描き方をしてくれてることに感動すら覚えた
表題作もいかにも面白そうで今まだ読んでる途中だけど、この短編だけのためにこの本買ってもいいくらいにはめちゃくちゃおもしろかった
最近のラノベのバトルとかマジで子供だましに見えるくらいの面白さを感じた
数学理論がひっくりかえるようなことを見つけちゃったのはわかるけど、それがあんまり大きくお話にからんでこなかった気がする
たぶんこれは2,3回読まないと理解できない
サブタイの1(数学のうんちく) 1a(妻視点) 1b(夫視点)で視点が切り替わるのは面白かったし、最後のサブタイはふーんと思ったけど、いまいちカタルシスに欠ける、というか、面白さが一読するだけだとSF素人には伝わってこなかった
海を見る人を読んだ。世界のありようを計算で提示可能なハードSFは自分にはちょっと難しかった。技術面からアプローチした作品ならまだ想像しやすいんだけど。
そんなわけだから、時計の中のレンズはよくわかんなかった。天獄と地国に隠されたオチも解説読むまで考えもしなかった。
解説読んでからもほーんって感じで、いままでやったことのない読書スタイルだったから新鮮だった。文章を読み、ストーリーを追うだけじゃなく、考証することも読書の楽しみなんだと思う。
一方で、独裁者の掟とキャッシュは叙述トリックがあったり探偵が出てきたりと、短編ミステリとして親しみやすく面白かった。
時計の中のレンズは世界観の構築が一番の優先事項な上に複雑で、なおかつ微妙な結末を迎えたもんだから、上記二編は素直に良い進められた。
内容に関して言えば、表題作の海を見る人と門も良かった。特に海を見る人は間幕のやりとりを読むと味わい深くなる。絶望や喪失感を乗り越えたような諦観がぐっとくる。
母と子と渦をめぐる冒険は一番良くわかんなかった。生殖に関わる寓話かなと思ってたんだけど、なんか違う気がする。純一郎君はなんかキモいし、お母さんは怖かった。
自分のベスト100選んで、「またかよ」って思われそうなタイトル抜いたらいいぐらいの数になったので書くよ。
※試し読みとかあるのはできるだけリンク貼ったよ。
・ぷらせぼくらぶ(1巻完結)
http://sol-comics.shogakukan.co.jp/solc_dtl?isbn=9784091886385
大橋博之のアシスタントをしてた奥田亜紀子のデビュー作。題材としては『桐島、部活やめるってよ』的なスクールカースト。
主人公であだ名が「毒まんじゅう」の岡ちゃんと、イケてる「向こう側」の人とのなんとも言い難い関わりを、綺麗なトーンワークで描いている。
「自分で始まり自分で終わる岡ちゃんの恋は、クライマックス以外のバリエーションが無い」という掴みから引き込まれてしまう。
・ケンガイ(3巻完結)
http://sol-comics.shogakukan.co.jp/solc_dtl?isbn=9784091847904
レンタルビデオ屋を舞台にした、フラグの全く立たないラブストーリー(仮)。
主人公で普通のイケメン・伊賀君が惚れたのは、映画を観ること以外のことに興味を持てない、バイト内で「圏外女」と言われてしまうような白川さん。
自分も映画観て勉強したり努力するんだけど、一緒に映画観てても全然いい雰囲気になる気配はなく。
好きな人に映画のチケットあげたら「伊賀くんはあたしを買収して何がしたいの?」「SEXですか?」「します?」って死んだ目で言われるの、キツすぎる。
あと、この漫画読むと映画観たくなる。(自分は『エレファント・マン』を観た)
・たまりば(2巻完結)
http://maoh.dengeki.com/tamapon/
「溜まり場」である「多摩リバー」を舞台に、女子高生・美和とアラサー会社員・ハルオの恋を描いた作品。
女子高生の「青春」をいい年こいた人間が奪っていいものか、という問いかけ。
これをヘビーに味付けすると緑のルーペ『こいのことば』になるのかなあ。
・さきくさの咲く頃(1巻完結)
http://www.poco2.jp/comic/sakikusa/
『ぼくらのへんたい』でプチブレイクしたふみふみこの、奈良に暮らす幼馴染3人の不器用な関係を描いた作品。
ビターな恋愛。ふみふみこはセリフに無駄がなくて、感情をえぐり取るのが上手い。
https://viewer.yondemill.jp/?cid=1196&u0=3
『椿荘101号室』でハマったウラモトユウコの作品。高野文子っぽいタッチのいい線を描く。
本作は女性の身体のパーツに関するオムニバスで、個人的には『キミの脚』という話が好み。
フェティシズムを刺激される。↑の試し読み読んでほしいんだけど、服を脱ぐ描写にこだわりを感じる。
ほんとにいい線だ。
http://mag.kawade.co.jp/mama/pdf/%E3%83%9E%E3%83%9E%E4%BA%BA1-1x.pdf
自分が子育て経験ないもので、端から端まで目から鱗、というか自分の想像しようのない部分を埋めてくれた。
同作者の『母がしんどい』も秀作。
・誰も懲りない(1巻完結)
https://note.mu/nakamuraching/n/n5680094105e2
『羣青』の中村珍作品。一見「理想的」な家庭の裏で何が起こっていたか。
どこまでが実話なんだろう?となるほど、表現がリアルで肉薄してくる。
ほんと誰も懲りなくてどうしようもねえな、とタイトル通りの感想。
読んだら1日は活力奪われるほど重くて苦しい。
http://www.shodensha.co.jp/sayonaragirlfriend/
(こんなちゃんとした特設サイトあるぐらいには期待作だった)
今年初めに出たばっかりの新鋭の作品。山内マリコの『ここは退屈迎えに来て』が好きな人はぜひ読んでほしい。
いわゆるファスト風土の話。
自分が地方出身都会住まいなこともあって、作品全体を覆う閉塞感のようなものにすごくシンパシーを感じた。
・宇宙を駆けるよだか(2巻続刊)
http://www.s-manga.net/omf/omf_978-4-08-845351-4.html
美人で性格もいい主人公と、ブスで性格の悪い同級生の身体が入れ替わってしまう。
設定的には松浦だるま『累―かさね―』に近いかもしれないんだけど、これを少女漫画の文脈に落とし込んだのが尊い。
「主導権は常に外見が優れた人間にある」「あんたら美形はいいわよね キレイごと並べてればそれが正義になるんだから」
http://comic.pixiv.net/works/790
BL作品。自分はノーマルなのでいわゆるイチャラブ系のBLや百合は読まないのだが、これは凄くよかった。
http://blog.livedoor.jp/aki22two/archives/1802123.html
このブログを読んでみてほしい。ちなみに百合でいうと「私の世界を構成する塵のような何か。」が好きです。
ギャグマンガ家・地下沢中也のSF作品。全ての事象を予測できるオーバーテクノロジーのコンピューターが開発され、それが人類の滅亡を予測してしまったら?という話。
こう書くと平凡な印象を受けるかもしれないけど、ストーリーテリングが秀逸なのです。
いがらしみきおの『I』といい、ギャグマンガ家の描くSFって独特の雰囲気があって好き。ただ次の巻がいつ出るか未定で、もう4、5年生殺しを食らっている。
見ての通り息切れしてきたのでこのへんで終わりますが、↓のもおススメなので興味あったら読んでみてください。
故・青山景の作品。「よいこの黙示録」が未完なのが本当に惜しい。日本は貴重な才能を失ったと本気で思う。
・まちあわせ(1巻完結)
http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063770209
・68m(1巻完結)
http://csbs.shogakukan.co.jp/book?book_group_id=9362
http://morning.moae.jp/lineup/451
ノワ―ル時代劇。道を踏み外す怖さ。
http://csvt.tank.jp/img/rtk/rtk1.html
・変身のニュース(1巻完結)
http://morning.moae.jp/lineup/376
つげ義春、華倫変の系譜に連なる宮崎夏次系のデビュー作。これが一番トガってる。
当時どのくらい有名だったのかわからないのだけど。
http://afternoon.moae.jp/lineup/187
とても切なくて、とても綺麗な話。
・男の操(1巻完結)
http://www.shogakukan.co.jp/books/09186865
妻を亡くした演歌歌手が歌い続けて、売れて、そして死ぬまで。ギャグなんだけど、最後は泣くしかない。
・名勝負数え唄(1巻完結)
http://sokuyomi.jp/product/meishoubuk_001/CO/1
・星のポン子と豆腐屋れい子(1巻完結)
http://www.moae.jp/comic/hoshinoponko
小原愼司とトニーたけざきの素晴らしいタッグ。1巻でよくまとまってるSFってだけで自分の中での評価が上がってしまう。
・透明なゆりかご(2巻続刊)
http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063409574
仕方ないんだけど、なんかヴィレヴァンっぽいラインナップになっちゃった。
反応あってうれしい。
→訂正しました。偉そうに言ってて恥ずかしい。
・サブカル臭がキツい
→冒頭でも書いたように今回は「またかよ」系(明らかな名作であったり、こういう類の記事で頻繁に上がるもの)の作品を除いて書いたので、人によってはサブカルっぽく感じても仕方ないかもです。
『NARUTO』とか『HUNTER×HUNTER』のジャンプ系も100には入ってましたし、『ギャングキング』とかも。『プラネテス』、『惑星のさみだれ』も。
皆さんのおすすめも聞いてみたいです。『弾丸ティアドロップ』は未読でした。
寝て起きたらけっこう読まれてた。
ブコメで上がってる中だと、
http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063806786
http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063842906
『ネムルバカ』
『不死身ラヴァーズ』
http://kc.kodansha.co.jp/product?isbn=9784063949261
あたりは100に入ってました。
既にそこそこ有名かと思って外してました。線引きが雑でしたね。
http://anond.hatelabo.jp/20151018015453
というのがありましたけど、本当に不遇ですよね。もっと知られて然るべきだと自分も思います。
特に印象に残らなかった。先は気になるといえばなるけど。夏の空気感の醸成にかなり手間かけてるのはまあ評価できるかな。なんだろう、このどうでも良い感。主人公のキャラが、いろいろどうでも良さそうな感じで、それがそのまま作品全体を覆っているのかなあ。そんぐらいの感じがリアルで好きって向きもあろうかとは思う。1巻買ってモヤモヤして、とりあえず2巻も読んでみようと読んだが、あんまり印象は変わらなかった。
向ヒ兎堂日記 2-4 巻 鷹野 久
1巻が気に入ったので、そのまま継続購入。
百年の孤独 - マシアス・ギリの失脚 - ヴォイニッチホテル とか言ったら大げかな。
フリーダムかつ脈絡のないエピソードで構成される叙事詩。それでいて笑いも取れてるとか。もちろん画も楽しい。
画やキャラの味付けが濃いので、ちょっととっつきにくいけど、なれると結構楽しめた。
くまみこ 4 吉元 ますめ
エンヤネタは笑った。警官2人のエピソードはあんな引っ張る必要あったんかね?
波よ聞いてくれ(1) 沙村広明
1話目のタイトルが「お前を許さない」なんだけど、個人的には「ブラッドハーレーの馬車みたいなグロを世に放ったお前を許さねーよ」とは思った。それはそれとして作品は面白かった。笑いを取りに行ってるとこで、ちゃんと笑える。登場人物が全員芸人脳。画ももちろん楽しめる。
1巻が気に入ったので、購入。完結してた。
表題作は不器用で誠実なおじさんと若い女性の恋愛ものなんだけど、最近こういう構図流行ってんのかね。マンガにカネ出す層が高齢化しているから需要があるのか、それともイマドキの若者がこういうの好きなのか。昔から常にあるのか。
話はどれも恋愛がらみで、バリエーションありつつもどれもイマイチ突き抜けない感じが。。とはいえ、それなりに読ませるし、つまんないわけではない。とけちゃう女の子の話は良かった。画は揺らぎがあるけど、後半の作品は良かった。人体に自然な立体感やパースを感じさせてるし、人の表情は大げさではあるけど、大味ではなくて好感が持てる。
サーバント×サービス 1巻 - 4巻
WORKING!! 13巻
それぞれ完結。サーバントは結構前に完結したみたいだけど、最近まとめ買いした。
サーバントでは控えめに、WORKINGでは盛大に、イカれたキャラたちが繰り広げるドタバタはギャグ要素だけではなくコメディ要素が強くて、それぞれ良い感じの日常感を作りだしていると思う。画はある時期以降うまくなった印象。基本的に顔アップとバストアップばっかりだけど。。まあ、4コマだしね。まひるとめぐみの顔が好き。
学園スポーツものと見せかけたお仕事マンガかと思わせて、ラブコメらしい。
すっごい面白いってわけではないけど、つまんないわけではない。
それでも町は廻っている(14) 石黒正数
アイディアが優れていて、話運びにはムダがない。洗練されていて、何度読んでも面白いってのが凄い。
なんど読んでも面白い漫画って、面白いってよりも、もはや気持ちいいって感じなのかも。
1巻と変わらないけど、やや進展も感じさせていて良いのでは。画は1巻のほうがよかったような?
絵がうまい。話については表題作は良いが、それ以外はつたない。
表題作は中学生の女の子の成長モノで、子供から大人への思考の変化の描かれ方なんか、なかなか良い。
「サマーカプセル」は、男の子が女の子を守ろうとする構図のジュブナイルモノなんだけど、面白いぐらいにからぶってる。
でもまあ期待できる作家が増えたのは喜ばしい。
・消えては困る作家
北国の田舎の空気が非常にうまく出てる。女の子のメンタリティの描き方もうまい。主人公は内向的ではあるものの前向きで、基本 素直でかわいく描かれている。人間関係でチクチクするシーンが多いが、絶望的なかんじではなく、バランスは良いと思う。恋愛要素あり。絵もうまいと思う。人に不自然さを感じさせないし、背景もかなりちゃんと描きこまれており好感が持てる。
昨年末2巻(kindleで)が出たと思ったら変な終わり方をしており、急な打ち切りであったことが感じられる。
次作があることを強く願いたい作家。
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文句なく面白い。
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「カブのイサキ」のほうが好きかも。
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安定して面白い。
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正義。力。
正しいものに従うのは、正しいことであり、最も強いものに従うのは、必然のことである。
力のない正義は反対される。なぜなら、悪いやつがいつもいるからである。
正義のない力は 非難される。したがって、正義と力とをいっしょにおかなければならない。
そのためには、正しいものが 強いか、強いものが正しくなければならない。
正義は論議の種になる。力は非常にはっきりしていて、論議無用である。
そのために、人は正義に 力を与えることができなかった。
なぜなら、力が正義に反対して、それは正しくなく、正しいのは自分だ と言ったからである。
調べてみて貰えばすぐに分かるが、あれは正義ではない
以前、自分はVictimGirls3という作品に触れる機会があった
朝凪氏の描いたもので、ROのキャラクターが触手モンスターに媚薬を打たれて快楽墜ちをし、同胞を巻き込んでいくと言う話だ
作中、女の子がおぞましい触手を恍惚の表情で見つめ、キスをし、舌先から針を打ち込まれてしまうシーンがある
そこには尊厳はなく、正義はなく、倫理はなく、道徳も信仰もなかった
それを良く覚えている
朝凪氏はそれから、その世界観を崩さずに現在まで活動を続けている
緑のルーペ氏はどうだったのだろうか
商業的に氏が有名になった作品は、初単行本の表題作である「イマコさんシリーズ」だろうか
氏の作品にも、人が普段は忌避するような倫理観の冒涜が綴られている
作品内での出来事だと分かってはいても、読むことによって何らかの"汚染"が始まってしまうような感覚
それが、氏の作品には匂っていた
ただ、それは今になって思うことなのかもしれない
なにしろ、「イマコシステム」ではその冒涜にも「すべてはイチナの妄想であった」という解放感や救済感があったからだ
まあ、初単行本と言うことで氏本人が自重したか、編集に止められたのかもしれないが
また、次の単行本である「ガーデン」でも基本の傾向は変わらなかった
人の持つ倫理観を侮辱し、柔かく大切に思うものを徹底的に凌辱し、その背徳感で快楽を貪る
前述の朝凪氏の作品もそうだが、赤卵氏の作品にも通ずるものがある
そこが氏のバランスのとれた所だと思うし、作品の巧さに繋がっているのだと思う
どこまで意識しているのかまでは個人の人格の話になってしまうが、"それだけではない"というのが分かっているのだと思うし、センスが良い
きれいはきたない、きたないはきれい。闇と汚れの中を飛ぼう。
ウィリアム・シェイクスピア著「マクベス」より魔女のセリフ
まさに、この言葉の通りだったのだと思う
何も知らない可愛らしい性欲を掻き立てられるような 女の子が
快楽に負け、自分の倫理観や尊厳や未来を無慈悲かつ理不尽に奪われ穢される
その背徳感を描き切っている
怒りや悲しみ、時として性欲を
冒頭の引用を読み返してほしい
人はきっと、綺麗さを信じ込むことはできない
だから人は他人の善行にケチをつけるし、美徳には汚点を加えたくなる
しかし逆に、それは人が完全には堕ち切らない事をも意味するのだ
それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。
人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。
人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。
今回の作品「宇宙人の冬」では、主人公の青沙マコと地球人には救いがないだろう
朝凪氏がVictimGirlsで描くような救いのなさだ
おそらく、だからこそ、氏はこの作品を全力で描かざるを得なかっただろうし、今まで描けなかったのだと思われる
「それを 打ち倒さねば 己になれない」
そのために何もかもを引っくり返して叩き売りだ
そうだ 500年前の俺も! 今のお前も! アンデルセンも!! あの少佐も!!
私と闘いたかったんだろう?
でなけりゃ一歩も前に歩めなくなったんだろう?
進む術も知らんのだろう?
無用者になるのが怖いか!! 老いが怖いか!!
忘れ去られるのが怖いか!!
ジョンブル? ふざけるな!! ふざけているのはお前だ!!
この作品は、間違いなく氏にとっての闘争だったのだ、打ち倒すべき何かだったのだと思われる
そして、氏がこれを描くにあたっては、あるいは年月以外の何が介入していたのだろうか
それが気になる所である
取り消し線の付け方の訂正
引用元の明記
改行の追加
別エントリにて追記
ふと思ったのだが「イマコシステム」におけるイマコが時折"黒以外の装飾"を着けているのは意図的なのだろうか
「クロミツイマコ」には「常に真っ黒の服しか着る事が出来ない」というキャラクター的ペナルティを持つ。
その観点で言えば、商業において「クロイミツイマコ」は登場していない
ぱんつも装飾品に含まれるのだろうか?クロミツイマコの下着絵を確認できないので分からないが、黒ぱんつということなのだろうか、背伸び感が出ていて素晴らしい
「イマコはクロミツイチナと出会わない限り幸福になれない」というキャラクター的ペナルティを持つが
このシステムと、イマコとイチナのキャラクターを流用したのが"イマコシステム"だったのだと思われる
荒巻「さっきから聞いていたが、外部記憶装置無しにはさっぱり付いて行けない会話だな。
ここのエロ本は全て読んだのかね?」
「そこまでは」
特に理由はないのだが、光人社NF文庫のおすすめをまとめる需要があるのではないかと思ったので。
第5位
飛龍 天に在り
中の人による淡々としたノンフィクション。進水から轟沈までを描く。タイトルがいささか大げさだが艦に命を預けたものの重みが感じられる。
第4位
空母入門
とりあえずこれだけ読んでおけば空母については理解できる。その思想、運用、発展の歴史について駆け足でも理解できるのは「今後」に役立つだろう。
第3位
五月雨の生涯をつづる。ほんと休暇が欲しかったんだなと思える中の人の手記。
第2位
書名が最上なんだけど、他にも矢矧、熊野などの重巡に特化した手記。表題作はとにかく一読してほしい。
第1位
瑞鶴の最後のみを書き記した一冊。日米の視点から語られるその最後は壮絶にすぎる。興味がなくてもおすすめ。今アマゾンでみたら高い。
今から十数年前、立ち読みした本が未だ忘れられず、もう一度読んでみたいのですが、タイトルも著者もさっぱり分かりません。
表紙に確か和風の動物柄(うさぎとかカエルとか)が書かれてある短篇集でした。表題作は謎の置き薬屋が少年(青年?)に瓶に入った空色(若しくは綺麗な色)をした薬を無理やり置いていって、興味に負けて少年が薬を飲むと、例の薬屋になり知らない男性と一夜を共にするという夢を見るというもの。タイトルもその薬の名前だったようなきがするのですが、定かではありません。
最後の方の話が、青年とガラス製の宝箱(かオルゴール)の話。青年は最近引っ越したばかりなのだけれど、前住んでいた所に新しく移ってきたという人物が、忘れ物だと言ってガラス製の宝箱を置いていく。最初は見覚えがなかったのだが、そのうちにそれが姉のものだったことを思い出す。なんやかんやあって、その箱が割れた音で青年がはっと目を覚ますと、服はボロボロ、履いていたジーンズも破けて血が付いている。振り返ると、自分の姉がたっており何か一言尋ねる。(「もういいの?」とか「思い出した?」とかそんな感じだったような気がします)そこで青年は姉はすでに死んでいて(確か)自分も交通事故で死んでしまったことを思い出した。
かなり曖昧なのですが、こんな話の入った本です。当時、ホモを何となく匂わせる様な話に衝撃を受けたのと、最後の話が印象的で今でも覚えています。何度かキーワードを入れて探してみたこともあるのですが、ヒットしません。もしご存知のかたがいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。