はてなキーワード: 枝野とは
私としては大変残念ですが、組織的犯罪処罰法改正案の成立は99%以上確実になったと言ってよいと思います。刑法改正案の審議が1日で採決されたことがその証左です。公明党への配慮として、刑法改正案は確実にしてくるとはおもっていたのですが、加計学園関係で、一日でも早く国会を閉じたいという気持ちがありありと出ています。残る定例日は、8日、13日、15日の3日間です。恐らく、明日審議再開、13日に組織的犯罪処罰法の採決、14日に本会議で成立、15日で刑法改正案を採決、16日の本会議で刑法改正案成立、今期国会終了というのが与党の筋書きです。ただしこの通りには行かないと思います。
野党が現在持っているカードは、金田法務大臣の問責決議案、伊達忠一参議院議長の不信任決議案、内閣不信任案の3つですが参議院では現在大きなトラブルは起きていないので、伊達参議院議長の不信任案は出しにくいところです。おそらく8日は何事も無く進んで、13日に金田法務大臣の問責決議案、14日本会議で否決、会期末ということで、15日の委員会採決を提案、同日内閣不信任案提出、金曜日に否決、20日に組織的犯罪処罰法案委員会採決、21日本会議で成立、22日刑法改正案委員会採決、翌23日本会議成立で国会を閉じる。こういうシナリオだと思います。このプランの与党にとって都合のいいところは、刑法改正案という野党が反対できない法案を、大揉めするに決まっている組織的犯罪処罰法案の採決後に、出席して賛成せざるを得ない野党の間抜けな姿をさらせるところ、また野党が不信任案を出してくることにかこつけて、集中審議を体よく断れること(今国会では、与党が集中審議の変わりに党首討論を提案するぐらい総理入りの集中審議はやりたくないと思っている)、共謀罪の成立を急いだ理由を刑法の成立のためだという言い訳まで用意できること(今日維新が早速この話をチラつかせて尻尾フリフリしてました)さらに国会が閉じれば、話題は小池都知事にうつって、オリンピックの運営問題などでメディアの関心を移すには絶好のタイミングなことです。なので1週間の延長をしたとしても、さらに今日の内閣委員会でも次回開催は未定となったように、恐らく委員会開催の見込みはほとんどないでしょう。与党が今期で是が非でも通したかった法案は、退位、区割り、国家戦略特区周り、共謀罪、刑法ぐらいでしょうから、あとの積み残しは秋の臨時国会でも問題ないと思っているでしょうから、委員会開催のモチベーションがありません。逃げ切りです。
ここのところ民進党が、「規制緩和そのものには反対してない」といっていますが、共産党の田村智子議員や辰巳孝太郎議員が問うていたように、必要な規制と不必要な規制の切り分けについての慎重な議論のほうが私は好きです。とにかく規制緩和すればいいんだみたいなこと言ってる山本幸三、竹中平蔵みたいなのはやっぱり無責任だと私は思った。竹中平蔵がぶっ壊した終身雇用システムは確かに岩盤規制だったかもしれないけど、今の40弱から30代の人たちのどういう目にあったのか、思い出して欲しいところ。
私は駒崎さんは嫌いではないのだけれど、やっぱり議論が残念なところはある。昨日の田村議員が質疑していた、少人数保育施設で3-5歳児を一緒に入れるようにする規制緩和に反対する厚生労働省のロジックは間違ってないと思った。田村さんは東大の発達保育実践政策学センターの報告を出してたけど、駒崎さんがだしていた、1.既に0~5歳児を受け入れることが可能な企業主導型保育所等においても保育の質は担保されているはずであるから、小規模認可保育所に3~5歳児を受け入れても保育の質の観点からは何ら問題がないっていうのははっきりいって暴論で、前述の東大の報告では、東京23区の小規模保育所が育児環境として、通常の保育所と比べて著しく環境が悪い、とされていたけど、そりゃそうだろうな、としか思えないし、企業が設置している保育所なんかでは、そりゃあ企業の責任で設置しているわけで、保育の質については厚労省は把握して無いだろうし、東大の報告をかんがみれば、要は床面積とか、低年齢児と3-5歳児を隔離的に保育できるかとかが決定的に重要な論点なんじゃないですかね。グラス・スミスの研究を論拠に少人数のほうが望ましいといっているんだけど、それは異年齢混交のクラス構成でのいわゆる幼児教育ではなくて、児童教育での教育効果に関する研究であって、厚生労働省や東大が心配しているのはどう考えても安全面での危惧をしているわけでしてね。そりゃあこういうリスクを飲み込んででも首都圏の3-5歳児の受け入れ先を用意すべきだっていうのは一つの論だけど、それなら誰がその決定の責任を取るのかを明らかにすべきだよね。要は議事録、議事要旨も明らかにしていないのに、厚労省が岩盤規制を守っているみたいに批判して、内閣府が勝手に決めたくせに、文科省の今の体たらくをみると、問題が起きたら、内閣府は規制緩和しか担当してないとか抜かすんでしょ。そりゃあ反対するって。
辰巳孝太郎議員は民泊新法の質疑をしてたけど、まぁこれも、実態が完全に違法が9割みたいになっている中で、まじめに取り組んでいる業者を守りたいよ、みたいな建前はわかるんだけど、もうまったく、実務的な管理の方策が見えてないのに、法案審議しろってのもこれもむちゃくちゃだろうと思いましたよ。辰巳議員の質疑に対する田村明比古観光庁長官の答弁を見てると、これが実施された後にぐっだぐだになったあと、引くに引けなくなっていく未来がばっちり見えましたよ。口で180日規制はしっかり守らせるって言ったって、現状の無法民泊取り締まれてないのにどうやるってんだろうっていうね。また180泊360日はできる、とか、入居者募集はしてないとダメとか言っても、相場より高い賃料を出したりとか契約を結ばない自由を行使されれば規制できないし、民泊専用施設は禁止といったって、実際は投資用の分譲マンションを作って、入居者は各自民泊運営のつもりで購入するっちゅう体にする、とかやりようはいくらでもあるし、律儀にウィークリーとかを半分やるちゅうても、所有者の入居要件とかどうやって確認するんだろうって言う。大体世界各国でもISISの隠れ家になってたとか、性的暴行の現場になったとかそういう話もようけでてるし、現地住民向けの賃貸物件が枯渇しちゃったとか、近隣住民トラブルも頻発してるんだからさ。もうトラブル満載の未来しか思いつかない。あと枝野さんの共謀罪質疑思い出したわ。
振り返ると、天下り、森友問題、日報隠蔽問題、共謀罪法案での答弁の混乱、加計学園問題と話題は移りましたが、何も改善が見られないまま閉じる見込みです。天下りは、今日の内閣委員会で神山洋介議員が、「進展どうですか」と聞いていましたが、山本幸三大臣は調査の事務が膨大だから進んでいないとのお答え、進捗程度、答える目安も答えなかったです。森友問題、財金委員会が開かれなくなって1月近いですが、国交委員会などで散発的に聞かれるだけになりました。財務省の公文書廃棄の問題、篠原豪議員から、保存期間起算日が翌年度4月1日からという指摘がありました。明らかに財務省の細則は公文書管理法に違反していることが明らかになりましたが、サーバー交換でデータの復元の可能性もなくなったということで終戦の見込みです。日報隠蔽問題は、結局その他の話題にさらわれ、防衛特別監察という、何も答えないカードを使ったまま、報道で示されたように組織的な隠蔽が明らかになっても、稲田大臣からの善後策は示されませんでした。また防衛特別監察の中間報告も結局ないまま終わるということで、防衛特別監察(導入したのは小池百合子)はやはり答弁拒否のカードとして使える、という認識が定着しているのでしょう。今回の事例もその認識を強化するものと思われます。共謀罪法案に関しては、もう総理大臣も法務大臣も言ってることに一貫性も無ければ、ろくな立法事実も示せないままに、刑法体系、捜査の着手段階を根本から変えるという共謀段階での処罰法を、これほど乱暴に成立するということで、残念でなりませんでした。まぁ国会でいくらディベート的に論破しようとも、最終的には数で成立するというのを安保法制で見ていたので、当然の帰結ではあるわけですが、やっぱり絶望的な気持ちになります。加計学園問題は、もはや文科省の一般職員が完全に反旗を翻していますが、ここまで調べない、ゆえに内容については答えない、で押し通しているのをみると、これが許されるなら、もう内部告発は無意味になったといえるでしょう。森友、日報隠蔽で明らかになったように、何を出すのかは政府が決める、ということとあわせると、もはや政府が何をしようが、議会も、市民もまったく監視できないという体制が確立されたのだと見ることができるでしょう。恐らく今国会が閉じたあと、文科省内でのリークの犯人探しが行われるでしょう。今日のニュースによると、文科省の一般職員の複数が、文書が共有フォルダに存在したことを審議官に報告したと報道しているので、審議官に報告をした奴が報道に答えていることは明らかですから、審議官を締め上げて、その一般職員含めて報復人事が行われることになると思います。内部告発が起こった時に、体制側が特に揺らがなかったとき、次の内部告発を行うものはいなくなります。今回の例で言えば、内閣府にはおそらく決定的なブツがあると思われますが、経産省で固められた彼らから情報が漏れることは無いと思います。
山本太郎さんが、なんか爆弾が出てきてこの内閣ふっとばへんかなって言ってたけど、この手法を看過していった先に見えるのがロクでもないことだけは確かだと思うけど、たとえ安倍さんを引き摺り下ろしたとしても、次の人は果たして、停波をチラつかせてマスコミに寿司友を送り込んで、野党議員や党内ライバル、高級官僚を警察・公安出身の側近を使って監視、さらに人事権を振りかざして、官僚を押さえつけて、自分たちに不利な資料は決して出さないみたいな政治運営を見て、真似したらいいんじゃないだろうかという欲望に勝てるんだろうかね。まぁ安倍さんが論理的思考力に欠けて、不誠実で、幼稚なのはみんなわかってるだろうとは思うので、結局支持率を支えてる経済がこけたらこのモデルは使えないんだろうと思いたいけど、今期国会は見ていると本当に暗い気持ちになった。
「今回の法案は繰り返し、反復的に犯罪を行っている組織しか対象にならない」
と思っている人がかなりいるようです。これは完全に間違っています。林局長は何度もここを意図的に混同したと思われる答弁をしていますし、安倍さんの昨日の答弁を見るとおそらくわかっていないか、わかっていてすっとぼけているかのどちらかです。
現行・組織的犯罪処罰法第2条
この法律において「団体」とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織(指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体をいう。以下同じ。)により反復して行われるものをいう。
これは団体の意味を定義しているだけです。この定義に合致するものとしては、たとえば会社法の対象となる会社、労働組合、自治会、あるいは、定期的に開催されるイベントの実行委員会、あるいは、主宰や削除人などの役割が整備されている掲示板運営組織、などは全てこの団体の定義に入ってくると思われます。反復的、という表現はここにしか出てきません。繰り返される行為は当然犯罪でなくてもいいのです。
改正案・6条の2
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
ここにいう「当該行為を実行するための組織」を以下では実行組織といいます。答弁によると(大事なポイントです。明文では書いてないです。)実行組織の要件は、少なくとも1人が組織的犯罪集団の構成員であること、「計画をした者」の要件は、その計画が、組織的犯罪集団の活動の一部として実行されることを認識していること(故意がある)こととなっていました(これも明文では書いていないです)。これは枝野さんの質疑の中で明らかになりました。
2条の団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が、重大な犯罪を実行することにあるものを言う、ということです。
当たり前すぎる話なんですが、摘発、捜査の要件として、何度も同種の犯罪を繰り返している、というものがあるのであれば、そこからさらに捜査活動を進めて、合意があったかどうかを調べる必要が無いんです。既遂してるんだから、それ以前の共謀罪は既遂罪に吸収されています。つまり「テロを未然に防止する」(金田さんの答弁からいったん消えましたが、安倍さん答弁でまた復活しました。こういうのいい加減にして欲しい)のであれば、なんどもテロ行為を行っている組織は、すでに捜査対象ですし、そのことが疎明されているのであれば、そこからわざわざ共謀の疎明をする必要がありません。政府答弁によると、この法案が存在する意義は、「今までに一度も犯罪を犯していない組織が(あるいは、今まで同種の犯罪を犯したことをまったく証拠を残していない組織が)重大な犯罪を犯すことを合意したことを疎明したとき」に初めて発揮されることになります。安倍さん、金田さん、林局長らは、「繰り返し同種の犯罪を実行していないと結合の基礎としての共同の目的とはみなされ”がたい”or”ることは考えにくい”から○○はテロ等準備罪の対象とならない」というような答弁をしますが、これは明らかにゴマカシの答弁です。繰り返し同種の犯罪を実行しているかどうか、というのは結合関係の基礎としての共同の目的が、犯罪行為の実行であることを、補強するための証拠に過ぎず、要件ではありません。これが大事なところです。
いつ一変した、と判断するのか、誰が判断するのか、これについては、まだ明確な答弁は返されていません。昨日有田芳生議員が、オウム事件を例に、オウムの場合は、どの段階で、誰が、性質が一変したと判断できるのか、と問いただしていました(金田さんが手を挙げたら安倍さんが光速で押さえつけた奴。)が林局長からも明確な答えはありませんでした。
これが一番のポイントで、江川紹子さんが、あれもあたらない、これもあたらない、どれもこれもテロ等準備罪の対象じゃないという人たちに「そんなんじゃオウムは摘発できないですよ」といっていましたが、当然この法律はそんなザル法ではないです。なぜなら前述のように、共謀が犯罪になるのは、主体が「実行組織」であって、実行組織は組織的犯罪集団の構成員が少なくとも1人いればいい(これも明文では書いていないので疑っている。完全なアウトソーシングが摘発できないから。)だけであって、その他の人は、犯罪の構成要件を満たす行為だけを認識していれば良く、その違法性の認識はいらないんです。林局長の答弁では、計画をした者、には「計画が、組織的犯罪集団が行う活動の一部であることの認識」が必要である、とされていましたが、これも明文では書いていないので、どうだかわかりません。
昨日の糸数さんの質疑で出てきた、基地建設反対運動の例で考えて見ます。まず、沖縄平和運動センターは、間違いなく2条にいう団体です。その結合の基礎としての共同の目的は、すくなくとも表向きは、設立趣意書にあるように、「平和と民主主義を守る」ことであり、その主な活動は、反戦平和運動です。しかしその実態はどうでしょうか。おとといの本会議で、初めて、かくれみの、という言葉が出てきました。昨日真山勇一議員がこのかくれみのの意味の質疑をしていましたが、この言葉でもわかるように、また実態に照らして当然に、結合関係の基礎としての共同の目的の認定は、表向きの看板ではなく、実態によって認定されることになります。
ここからは仮想のはてな村平和運動センターと名前を変えます。はてな村平和運動センターは、まさかりを投げあうはてな村に平和をもたらすために、反モヒカン族、反アフィブログ運動を行っている団体です。代表が存在し、定期的に活動内容について話し合いを持っています。表向きの活動は、正当な批評活動を持って、モヒカン族やアフィブロガーを批判することです。しかしモヒカン族やアフィブロガーの圧倒的なPV、twitterなどの外部SNS、お気に入り数の差などから、はてな村平和運動センターの批評ブログが注目を集めることはほとんどありませんし、モヒカン族やアフィブロガーらによりときおり行われるサラシアゲについに、怒りが爆発したはてな村平和運動センターは、アフィブロガーの収益を妨害する目的(これが別表第三の罪に該当するかはおいておいて)で、いっせいにF5攻撃を仕掛けることを決意したとします。はてな村平和センターの代表はF5攻撃の実行をさらに有効にするために、F5攻撃を自動化するソフトウェアの開発を構成員の1人Aに任せます。この構成員Aは自分には知識が十分に無いので、友人Bに相談を持ちかけ、ソフトウェアの開発を共同で計画しました。この構成員は、警察に目をつけられていて、監視されていたとして、計画が発露したとします。
さてはてな村平和運動センターの結合の基礎としての共同の目的は、一変しているでしょうか、していないでしょうか。それは誰が判断するのでしょうか。少なくともこの計画が実行された場合、アフィブロガーは一定程度の法益侵害を受けます。この例では比較的穏当な例ですが、それが、基地建設業務に対するロックアウトを強行することであった場合(威力業務妨害)、あるいは工事現場にショベルカーで突っ込む計画であった場合、あるいはハイジャックすることを決意したのであった場合、境目はどこでしょうか。この段階ではまだ法益侵害は起こっていませんが、引き起こされる結果の重大性によって決まるのでしょうか。
結合関係の基礎としての共同の目的の認定は、捜査段階では警察が、裁判段階では、裁判所が認定することになります。はてな村平和運動センターの結合関係の基礎としての共同の目的は、AとBが共謀した段階では、アフィブロガーの妨害でしょうか、それとも正当な言論活動による反モヒカン、反アフィブログ運動でしょうか。どちらともとれます。
友人BはAがはてな村平和運動センターの一員であることを本当は知らなかったし、目的アフィブロガー攻撃のためであることも知らなかったし、単に知識として友人に教えただけだったとしましょう。しかし、それをどうやって証明するのでしょうか。これは故意の認識の問題です。よく似た例としては、ATMからの金の引き出しが(窃盗罪で被害者は銀行ですが)振り込め詐欺グループの活動の一部であることを知っていたかいなかったか、というものがあります。出し子は、「知りませんでした」と言っているでしょう。しかし、執行猶予がつくにしても有罪判決が出ることが多いパターンだと思います。枝野さんが、「実際の法務の現場で、この言い訳は信じてもらえるんですか」といっていましたが、そういうことです。
結合関係の共同の基礎としての共同の目的が一変した、という判断の基準は何か、捜査段階、裁判段階それぞれであいまいです。共謀共同正犯では、AとBが合意し、BとCが合意し、CとDが合意した場合にはA、B、C、Dが全て共謀の対象者となることが認められていますし、今回のテロ等準備罪の合意についても同様の理屈が成り立つことを林局長は認めていました。
たとえばはてな村平和センターの代表と構成員AがF5攻撃の合意をし、構成員Aが友人Bがそのためのソフトウェア開発についての合意と何らかの実行準備行為(こんなもん資金の準備とか下見とかで成り立つんだから、Aが対象のブログにアクセスした、ぐらいのもんでも十分なわけで)を行った場合、友人Bが無罪となるためには、Aがはてな村平和センターの構成員であることを知らず、さらに、ソフトウェア開発がアフィブロガー攻撃が目的であることを知らなかった、ということを証明しないといけないわけで、難易度が高いのではないでしょうか。
「私はなんども犯罪を繰り返す組織的犯罪集団の一員になることなんて無い」とお思いかもしれませんが、共謀段階での処罰対象は、実行組織としての計画に合意したものです。
一番の問題は、嫌疑がなければ捜査しない、それは違法だ、などというのが完全に実態に照らして無意味であるということです。志布志事件や大垣市民監視事件、赤旗配った公務員の事件などが質疑で話題になっていましたが、警察や公権力にとって邪魔な存在を拘留する上で、「合意+実行準備行為を疎明する」ことというのが、現状に比べて著しく簡単になる、ということです。彼らとしては、別に有罪にならなくても、逮捕・拘留してしまえば、彼らのSNSや、メールなどの記録から、それらしい別の「共謀」事案を持ってくるなりしながら、未決拘留を続けることも容易でしょう。
タイトルは昨日の本会議のアレですが、ようやく第一歩を踏み出しましたね。詳しくは今日の東京新聞で()。衆院の本会議入りでは、環境団体の結合の基礎としての共同の目的は正当なものだから、組織的犯罪集団にもあたることはないし、処罰の対象にもならない、といっていました。ゴールが見えてきたんでこれからアリバイ作りのためにちょっとずつ本音をさらしてくると思いますが、看板に関わらず、実態に応じて検挙するし、どんな団体やグループだって警察が嫌疑を持った段階で捜査の対象となる、この事実を認めてもらって、その上で国民の判断がどうか、ということなので、クソくだらない「一般人は捜査の対象にも調査の対象にもなりえない」みたいなことで時間を浪費することがなければいいですけど。
まぁ予想通り。歴史上2例目。委員長は公明党:秋野公造議員です。公明党が歯止めになるとか言ってた人たち、よくこの人の議事運営をご覧くださいね。公明党はもうただ盲従してるだけだよ。参院民進党の本気度もいまいちわかんない。言うとくけど全然信用しとらんで。まじめに議論してなんか意味あるのかしら?
海外の共謀罪、参加罪の規定をつらつらと見ています。外務省の説明によると、カナダは共謀罪がもともとあったのにも関わらず、参加罪を新設したとのこと。
465.1
(1)法律で明示的に規定されている場合を除き、以下の規定は共謀として扱う。
(a)カナダ国内外を問わず、殺人または他者に殺人を行わしめることを他者と共謀した者は、公判犯罪での有罪とし、最大で終身刑の責任を有する。
(b)ある人物にかけられた疑惑を告発することを、当該人物が、実際に犯罪を実行していないことを知りながら、共謀した者は、公判犯罪での有罪とし、以下の責任を有する
(i)疑惑をかけられた犯罪が、有罪となった場合に、終身刑または14年以内の自由刑と記述されている犯罪であった場合、10年以内の自由刑の責任を有する
(II)疑惑をかけられた犯罪が、有罪となった場合に、14年以下の自由刑と記述されている犯罪であった場合、5年以内の自由刑の責任を有する
(c)公判犯罪であって、(a)、(b)に規定されていない犯罪の実行を、他者と共謀した者は、共謀した別の被告が有罪判決を受けた場合、その被告と同等の処罰を受ける責任がある。
(d)即決裁判で処罰可能な犯罪を他者と共謀した者は、即決裁判で処罰可能とする。
最高裁判決(1982 R.v.Carter, S.C.R. 938)で示された有罪となる三要件
1.検察は、共謀の存在に関する合理的な疑いを十分に払拭できているか
2.検察は、被告が確かに共謀のメンバーであったと証明できているか
3.全ての証拠を考慮して、被告は、共謀のメンバーであったということに対する合理的な疑いを超えて、有罪となるかどうか
また共謀そのものの最高裁判決による要件(1954 R.v. O'brien S.C.R.666)
(1)同意(1980, S.C.R.644によると、同意は暗黙でも良い。犯罪を実行するという共通の目的・意思が合意達することが必要であり、当事者はそれらの目標と同意に関する認識が必要である。共通の目的を持った共通の計画を十分に認識している必要があるが、明示的である必要は無い。)
(2)不法な目的あるいは計画の共有
参加罪
467.1
(1)刑法において、以下の規定を犯罪組織とする。これは、集団でありながら、組織されており、
(a) カナダ国内外に関わらず、3人またはそれ以上で構成される集団であり、
(b)その主たる目的あるいは、主たる活動が、集団あるいはその構成員によって、犯罪が実行された場合に、財政上の便益を含む、直接的あるいは間接的な物質的便益をもたらす可能性がある、促進行為、あるいは1つまたはそれ以上の重大な犯罪の実行にあるものをいう。
ただし単一の犯罪を即座に実行するために構成される偶発的な集団はこれに該当しない。
重大な犯罪とは公判犯罪であって、刑法あるいは、他の議会が定める法律において、5年あるいは、それ以上の自由刑によって処罰される、集団あるいは、集団の構成員によって行われる犯罪をいう。
(2)促進行為
467.11、467.111の目的において、促進行為は、特定の犯罪の実行の促進をしているという認識、あるいは、その犯罪が実際に行われていることは要件にはならない。
(3)犯罪の実行とは、このセクション、467.11、467.13において、犯罪を実行する、とは、組織に参加している、あるいは、参加するように相談をすることを言う。
(4)別段の定めにおいて、議会は、(1)に定めた重大な犯罪に該当することを記載することができる
となっています。ポイントは法益侵害の高い蓋然性が無い共謀罪の対象(cは共謀共同正犯)、は、殺人、あるいは虚偽告発、そして、軽犯罪に限られているということで、このままでは、TOC条約の2条の要請は満たさないでしょう。TOC条約の締結に向けて参加罪を整備したということのようですが、カナダは、ヘルズエンジェルスという暴走族対策として、1997年に、そもそも5-5-5ルール(5人で、5年以上の犯罪を行うことを目的としている組織に参加すると、5年以内の自由刑)と呼ばれる参加罪を成立させています。2002年に改正されたのは最初の5人を3人に変更したということ、組織的犯罪集団の定義に、物質的、あるいは間接的な物質的便益という部分を追加した、ということ。あと、対象犯罪は5年以上のままである、というところ。4年以下の自由刑、というのは刑法の中ではそれほど多くは無いですが(裁判所の命令に従わない、証人その他への脅迫等の存在を認知しながら報告しない、保護観察命令下でその指示に違反する、あるいは命令を拒否する、などがとりあえず見つかったけど、特別法は見てない)、条約の要請に該当しないと判断した場合、2条の留保なしにserious crimeの定義を4年以上にすることも可能という点。OECDではないですが、マレーシアなどでは、serious crimeの定義は10年以上の自由刑とされていますが、これも2条への留保は無い。これ大事な点だと思いますけど、ちゃんと調べてんのかな。
参加罪の(b)のほうの限定は結構大事で、2004年にこの参加罪の規定が憲法に照らして、組織的犯罪の規定が不必要に広く、個人の自由と安全を保障する権利を侵害していないかを争ったのオンタリオ州の高裁憲法審判決(R. v. Lindsay 2004, 182 C.C.C.)の中で判断が示されています。
組織的犯罪対策の目的は、不正なオートバイのギャングなどの暴力犯罪を犯す集団と対峙するだけでなく、経済犯罪に関与する団体に対処し、組織犯罪の利益の追求を押しとどめる目的もあります。またこの法律は、合法で、非犯罪的な行為に対して適用されるものでもありません。犯罪組織の定義は、グループの主な目的または主な活動の一つが、重大な犯罪の促進あるは実行であることが要件とされています。これは単なる集団の活動を規制するものではありません。重大な犯罪の定義には、刑法以外の連邦法にも基づく犯罪が含まれるという事実も正当です。組織化された犯罪は、タバコの密輸や、人身売買、有害廃棄物処理などのさまざまな活動が含まれるため、この犯罪の対象として、クローズドなリストを設けて特定化することが、対策の邪魔をしてしまう可能性があります。その意味で法律は過大なものではないと言えるでしょう。
犯罪組織という用語は、憲法上許されないほど漠然としているわけではありません。この要件は法律で規定されており、議会は、最低人数を3人以上と設定できる、という事実は、この用語の意義を限定していますし、集団の共通目的(主たる目的あるいは主たる活動)が、集団あるいはその構成員によって行われる、物質的利益を受ける、少なくとも1つ以上の重大な犯罪の促進または実行にある、と規定されています。この物質的利益という用語はあいまいではなく、物質的、という表現には、重要な、あるいは本質的な、という要件が求められ、この意味で、法的に頻繁に搭乗する用語です。あるものが、この物質的利益に該当するかどうかは、個別のケースごとに判断されますが。これは司法判断の手続きとして適切なものであるといえます。また関連する(associated with)という表現も、憲法上許されないほど漠然としていません。この用語は、犯罪組織との関係において、犯罪を実行するものは、たとえ、正式な構成員でなくても、この法律が適用されることを意図して導入されています。この用語は、被告人が犯罪組織と関連して刑事犯罪を行うことを要件としています。ある関係性が、この用語の要件を満たすのに十分であるかは裁判所が、事実関係に基づいて判断することになります。
ここはまぁそういうだろうなぁというところです。またこの後段では、憲法に違反していない限り(この判決では違反していないと判断)、法律の規定が広すぎるかどうかは、国民の代表である議会が決めるべきであり、裁判所がその望ましい範囲について言及することは望ましくない、などとしていますが、面白かったのは、仮説的な例として、どういう場合に組織的犯罪集団になるか、あるいはならないか、というものを挙げているところ。
(b)三人の人が、環境破壊に抵抗するための団体を作った。彼らの主な活動は、環境保護のためのスローガンを、オフィスビル街でスプレー缶で書いて回ることである。彼らはその実行によって逮捕され、いたずらの罰として5000ドル以上の罰金刑を受けた。彼らは少なくとも8回以上同様の犯罪を実行したことが示唆されている。
彼らは組織的犯罪集団への参加罪が問われるか、というところ。オフィスビル街に落書きして回ること自体は、軽犯罪だけど、それが業務を妨害している、などとされると適用可能性が出てくる例。枝野さんの質疑、あるいは今日の糸数慶子さんの質疑で出てきた例に近い。
467.1(1)は、その主たる目的、あるいは主たる活動が、少なくとも一つ以上の重大な犯罪の実行あるいは促進にあること、さらにその実行が、財政的な便益を含む、直接的あるいは間接的な物質な便益をもたらず可能性があるものを対象としている。この環境活動家たちが行った軽犯罪が、なんらの物質的便益をもたらしていないことは明らかであるため、彼らは組織的犯罪集団には該当しない。
これが結構大事なところで。物質的便益の規定が無ければ、彼らは組織的犯罪集団になるわけでしょ。だって除外要件をそれしか挙げてないし、この要件は重要だって主文で述べてるしね。
糸数
「(略)沖縄県民は、知事、衆参両院の国政選挙全てで辺野古の新基地建設反対の候補者を当選させており、新基地建設の反対の意思は、ちゃんと民主主義の手続きを経て示してまいりました。ところが政府は無視し続けています。沖縄県民の人権無視、沖縄の自治権の無視であり、政府の行為こそが重大な憲法違反であると考えます。政府が、県民の意思を無視して、基地建設を強行するとき、意思表示の最後の手段である抗議行動、座り込み、ブロックを積む行為、その共謀罪の適用の対象となるとお考えでしょうか」
「(終始視線は紙)テロ等準備罪は、組織的犯罪集団が、関与する、一定の重大な犯罪の遂行を計画したことに加え、実行準備行為が行われた場合に、成立するものであります。組織的犯罪集団、とは、えー組織的犯罪処罰法のその団体(どの?)のうち、結合関係の基礎としての共同の目的が重大な犯罪を実行することにあるものを言います。そして組織的犯罪処罰法の団体とは、共同の目的を有する、多数人の継続的結合体であって、その目的または意思を実現する行為の全部または一部を組織すなわち、指揮命令に基づきあらかじめ定められた任務の分担にしたがって、構成員が一体として行動する結合体により、反復して行われるものをいう、わけであります。その上で、犯罪の成否を具体的に、個別に、事実関係を離れて一概に結論を申し上げることは困難でありますが、あくまで一般論として、申し上げれば、ご指摘のような集団は団体の要件をそもそも(基本的に?どだい?もとより?)満たさない、と思われるうえ、基地建設反対または、基地建設に反対することにより、地域の負担軽減や自然環境の保全を目的としており、一定の犯罪を遂行することを目的として、構成員が結合しているとは考えがたいので、テロ等準備罪が成立することはない、と考えております。」
(枝野さんの質疑で明らかになった、下部組織として、外部人を含む実行部隊に、2条の団体の構成要件は適用されないこととか、衆院の議論がまったく反映されないこの繰り返し答弁聞いててむなしいわ。)
糸数
「沖縄の高江では、基地建設に反対して、座り込みを行ったことに対し、全国から機動隊を動員し、多数の市民を負傷させ、また抗議行動のリーダーである、山城博治さんをはじめ、多くの仲間を逮捕拘留しました。この山城さんへの不当逮捕拘留は国内外から強く非難されております。山城さんは6月にジュネーブで開かれます国連人権理事会で、不当弾圧の実態についてスピーチを行うことになっています。沖縄県民からすれば、今回の共謀罪法案は、政府に抵抗する行為を、未然に一網打尽にする意図が明らかにあるのではないかと疑わざるを得ません。このような懸念を払拭できるのでしょうか。」
「テロ等準備罪は、国民の生命財産を守るため、テロを未然に防止し、これと戦うための国際協力を可能とする国際組織犯罪条約を締結するための法案であって、ご指摘のような意図はまったくない、と申し上げておきます。」
糸数
「日本全体の人口の1%程度の沖縄県民の意思は本土の意見にかき消され、無視され続けています。安倍総理はご自身への批判に対しては、印象操作はやめてくださいとおっしゃいますが、沖縄県民から見れば、政府が、沖縄県民に寄り添い、丁寧に対応しているかのような、また県民が不当に抗議行動を行っているかのような印象操作こそやめていただきたいと申し上げたいと思います。沖縄の状況は、本土のメディアではほとんど報じられることがありません。沖縄のメディアが真実を報じると、それに対する圧力とも取れる発言が、平然と行われております。これは印象操作どころか、情報操作が行われているのではないかといわざるを得ません。なぜかと申しますと国境なき記者団によりますと、日本の報道の自由は74位、先進国では最下位。なぜ沖縄県民が基地建設に反対するかといいますと、太平洋戦争で、唯一地上戦が行われ、県民の4人に1人が亡くなるという状況の中で、平和に対する思いが人一倍強いからです。沖縄に基地が集中するがゆえに、再び攻撃の対象となる不安があるからです。不安を煽る、安倍総理の国会答弁に対して、たとえば、韓国の報道官は、自制する必要があると不快感を示しました。仮想的な状況を想定した発言は誤解を招く恐れがあり(目くらましで突然言い出したサリン弾頭のことかな)、朝鮮半島の平和や安全に否定的な影響を及ぼしかねないと指摘しております。ナチスのヒトラーの後継者といわれたゲーリングは、普通の市民は戦争を望まないが、戦争は簡単に起きる。市民は常に指導者たちの意のままになる。それは、自分たちは外国から攻撃されているといい、平和主義については、愛国心が無く、国家を危険にさらす人々だと公然と非難をすればよいだけのことだと述べています。まさに、安倍政権は今、朝鮮有事で国民の不安をあおり、反対する人々を、共謀罪で未然に取り締まろうとしていると思えてなりません。(略)沖縄県民は、全ての選挙で、辺野古の基地建設に反対する意思を示しています。その意思を無視して、県民に寄り添っている、とおっしゃるわけですが、そうであれば、県民の不安を払拭し、私たち県民に与えられた唯一の抗議行動、あれだけ多くの県民が座り込んでいます。そして県民の意思を無視して、今日も辺野古の海を埋め立てています。このことは県民の意思ではないと、強く申し上げ、私の質疑を終わります。」
環境保護団体や、基地建設反対、マンション建設反対などの抗議行動(座り込み、デモ=威力業務妨害)が団体の基礎としての共同の目的となることは、林局長も認めている所だし、昨日の金田答弁で一歩ステップアップしたし(これも安倍さんの答弁とまた一致してないんだよな、こんなんばっかり。)、物質的利益、の縛りもないし、山城さんはじめ、沖縄平和運動センターのような組織は、もうごく普通に、適用対象になるとしかおもえないんだよなー。
今日の山尾議員の不信任決議案の演説はよかったですね。しかも記名投票とかwそんなに自信なかったんですかぁ与党は?って聞きたくなりますね。あと加計学園関連では、桜井充議員が愛媛県今治市の職員と藤原内閣官房審議官の打ち合わせ(構造改革特区から国家戦略特区への出し直しを提案したとされる)についてなんかもってそうだったのが興味深かったです。農水委員会、桜井議員から森ゆうこ議員のとこはご覧になっても損はないかと。櫻井さんが、松本内閣府副大臣に、「東大と北大の前でお前らには任せられないから加計学園に任せるよっていってこい」っていってたのは笑えました。しかし残念ながら、加計学園問題でどんだけ新たな材料がでようと、金田さんがまともに答弁できなかろうが、なんだろうが、結局与党が事前に決めた30時間を経過したとの事で、明日の共謀罪法案委員会採決を防ぐ手段は残っていません。また総理入りの取りまとめ審議もないとのことなので、最後に審議終局宣言、終局質疑省略が動議されて、大騒ぎになると思います。与党の一年生議員を中心としたいつも国対委員で、定足数の為に駆り出されている連中が大挙してやってきていれば、強行採決間違いなしです。まぁやらないでしょうが、現在野党が切れるカードは2つだけです。
こちらは、まぁ最後の一手の手前なのでぎりぎり可能性があるかと思いますが、ケチのつけ方が難しいところです。鈴木淳司委員長の解任決議案を否決したのにも関わらず、鈴木淳司委員長の運営方針がまったく改善の兆しを見せないというところで、衆院議長が不誠実な委員会運営を是正しなかったというような割といちゃもん的なやり口になってしまいます。ま、絶対に未決で終わるけど,鈴木淳司委員長の解任決議案は再提出して欲しい。金田法務大臣ももう一回やってもいい。無駄だけど。ちなみにこの一事不再理の原則を破って二回不信任決議案を出した前例は自民党が横路孝弘衆院議長に対してやってるので、心配しなくていいよ!(二度目は採決せず)
こちらは最後の一手ですのでまず絶対やらないですね。大島さんの例とは逆に、いくらでも理由については述べることができますが。これは最後の最後の、参院の本会議採決前にとっておくでしょう。取っといて意味あんのかは知らないですけど。
と言うことで、明日の25分ずつの山尾、枝野、井出、逢坂議員が衆院での民進党の共謀罪質疑の最後になります。まったく納得のいく質疑はされてないですが、残念ですがわが国では、これはもう選挙の時に決まっていることのようですので残念ですがこれまでです。結局緒方林太郎議員の再登板もなかったな・・。25分では枝野さんの前回の議論の復習も終わるかどうかですね。どうせ金田さんは「一般人は捜査の対象にならない」、「テロ等準備罪でこれまでの共謀罪とは全く異なる」みたいな今まで言ったことのあることしか言わないだろうし。あーほんとにむなしい。ちなみに参院の法務委員会は、真山勇一議員、有田芳生議員、小川敏夫議員、郡司彰議員、仁比聡平議員と言うことで、衆院の論客ぞろいの陣容に比べると幾分たよりないな、とは思いますが、頑張っていただかないと、とは思います。とりあえず、法務委員会では枝野さんはじめ、民進党の本気は見れたので、通ってしまったとしても、頑張ってくれたこと自体には感謝したいです。
昨日の福島瑞穂議員の質疑、大事なことを指摘してるんですが、福島さんも20分で相手が金田さんでは何も聞けないに等しいですね。言いたいことがいろいろあるのはわかるけど、もう少し絞って、連続した質疑の中で回答を得るようにしていってほしいんですけれども。挙げられた指摘としては、TOC条約が求めている、既遂、未遂を除いたovertact(顕示行為)として、予備行為を認めることができる可能性をかつての答弁では否定していなかったこと、2006年の段階では128まで絞ったのに、なんで前よりひどくなってる案をしゃあしゃあと出してるのか、とか聞いていましたが、一番びっくりしたのが、金曜日に枝野さんと林局長の間で行われた、故意のある1人と故意のない1人が、計画をした場合に、テロ等準備罪は成立するか、と福島さんが、確認で聞いたときに、噂のボールドヘッドマスクマンがレクしにきて、暫くしゃべった後に、金田さんが「ご通告がないのでただちにお答えすることができない」という驚きの回答。金田さん、枝野さんの質疑聞いてなかったのか、聞いてたのに理解できなかったのか、理解したけど答えたくなかったのか、どれにしても最悪なんですけど、ナンナノこの人。この、すでにやった質疑の中で明らかにされたことを確認することまで通告しろって言い出したらもう口頭で議論する意味ないやん。勉強不足どころか、いったい何ならわかるのかというレベル。
あと今日、参院厚生労働委員会で、精神保健福祉法が採決されそうなのも注目ですし、衆院法務員会の共謀罪の参考人質疑も聞かねばならず今日中にはまあ無理かなと思うんですが。今日は、宮崎岳志議員の質疑から。
これマジでうれしいから、みんなやってほしい。ほんとにうれしい。参考資料もアップしておいてくださればなおうれしかった。
玉木雄一郎議員の質疑に対して、「日本の獣医学部は東大を除いてTOP50に入ってないからレベルが低く、人畜共通感染症など水際対を担うには力不足だから新設して、世界に冠たる先端ライフサイエンス、水際対策のカリキュラムを5,6年次に行う加計学園の新設学部が担うのがふさわしい」みたいな答弁を山本幸三大臣がしたので、加計学園系の大学のレベルについて質疑を行う宮崎岳志議員。(下部の参考表どうぞ)この玉木議員の質疑での山本答弁は専門知に対する軽視があふれでとるなと思いました。ご興味があればごらんください。
「玉木議員の質疑の中で、既存の獣医学部では、人獣共通感染症や、水際対策など、先端ライフサイエンス研究の推進に対応できないんだと述べられた、「国際的な評価機関のランキングで、2017年度版で東京大学が34位に入っているだけであります。わが国の獣医学教育の評価は必ずしも高いとは言いがたい、そういう状況にあります。こうしたことから国際的にも通用する獣医師の養成に重点的に取り組む必要がある」と答弁されているんですが、これは日本の獣医学部教育のレベルが高くないので、国際的に通用する獣医師の重点的な養成に取り組むには、加計学園に、日本最大の獣医学部(定員160)を新設するしかない、こういう意味でよろしいでしょうか」
「獣医学部における教育内容につきましては、国際獣疫事務局、OIE(口蹄疫の清浄化確認とかで話題になったね)といいますけども、の提言を受けまして、わが国でも平成23年、モデルコアカリキュラム、これは11講義21科目あるということですが、策定され、既存の16大学も教育内容の充実に向けて、カリキュラムの確実な実施について取り組んでおられると承知しております。一方で今回新設する獣医学部は、4年次までの課程はモデルコアカリキュラムを中心に配置した上で、5,6年次には、先端ライフサイエンスや、水際対策のカリキュラムを履修可能とすることにより、高い専門性を備えた獣医師を養成することとしております。こうした新たな取り組みは、既存の獣医学部で取り組むのは難しいと判断されるところであり、そうした国際競争力を養う上で、いろんな刺激を与えるものと承知をしております。」(人獣共通感染症、水際対策云々いえばいうほど、鳥インフルエンザセンターのある京産大の適合性が際立つ罠)
千葉科学大学が銚子市(負債400億)の補助金(92億円)に対して、望まれた経済効果(経済効果69億円、財政効果79億円といっていたのが、実際は19億円、14億円)がなかったことから、地域貢献を求められているがいい回答をせずもめている件、市長が加計学園の客員教授で岡山の副知事だった人(野平匡邦氏)が誘致したけど、市民が完全に分裂してる件などに触れています。
「大学が設置されると、うまくいかないということもあります。そこで、大学設置計画履行状況調査というものを文科省が行っております。その中で軽いものには改善意見、深刻なものには是正意見というものをつける、わけですが、過去3年間に是正意見が付された大学は年度ごとに何校ずつだったのか、文科省お願いします」
義家
「(略)平成26年度は31校、平成27年度は10校、平成28年度は2校ということになっております」
「26年度から現在の制度になっておるわけですが、3年間で約50弱ということだと思います。改善意見はほぼほぼ半分ぐらいの学校にはついてくるんですが、是正意見をもらうのはやっぱりなかなか大変なことなんですね。まずここに添付をいたしましたフライデーですね。2015年3月27日号、漢字の書き順、be動詞の使い方から始まる授業、定員割れは当たり前、誰でも入れるFランク・・・・こういう記事であります。この冒頭に出てくるのが千葉科学大学なんですね。「英語で書かれた文章を読み解くトレーニングを行う、第1回オリエンテーション、第2回be動詞、第3回現在形」まぁこういう授業をやっている。あるいは、数学Iの授業ですね、分数表現、不等式、小数表現、などという授業をやっている。この中ほどを見ますと、「対象校約500校のうち、半数の250校が指導を受けたのであるが、その中でもきつい指導を受けたのが、冒頭の各校である。千葉科学大学危機管理学部、環境危機管理学科、「英語I、基礎数学など大学教育水準とは見受けられない授業科目がある」、またもう一つの資料、こちらは日本経済新聞ですが、より上品な書き方はしてありますけども、同じような内容です。おしまいに実際のシラバスを乗せさせていただきましたが、最初be動詞から始まって、過去形、最後に感嘆表現ということですから、まぁ中学英語ということでしょうか、それに近い水準のものが行われている。こういった状況に対して、是正意見はどのようなものであって、それに対して、どのように改善をしたのかということを文科省に説明願えますか」
義家
「(指摘を説明)適切な内容に修正するか、リメディアル教育で補完することと指摘したところでありまして、是正意見に対しては、設置計画履行状況調査委員会において、調査を実施し、適切に対応されたと判断しております。」
「お手元の資料、これが、大学側が対応をまとめて、文科省に提出したものですが、留意事項等に関する履行状況・・・・これが先ほどの是正意見に対応するところですが、「シラバス上に大学の教育水準にふさわしくないと受け取られかねない表現があったため、実際に学生に施している教育内容に鑑み、大学教育水準にふさわしい表現に訂正した」と書いてある、つまりこれシラバス直しただけなんです。授業の中身を改めましたということはここには書いてない。補習を充実させましたとは書いてますけどね。結局指摘された状況を表に見えないようにしましたということです。もう一つ資料ありますけども、千葉科学大学の定員充足率です。一番右に入学率、定員に対して何人入学したのかと私が足しましたけども、環境危機管理学科、40人の定員に対して14人しか集まっていない。今度加計学園に獣医学部作らせようとしてるんですが、動物危機管理学科というところは40人に対して21人しか集まっていないんですね(この千葉科学大学の動物危機管理学科での教育知見があるから獣医学部教育できるよ、といっている。)半分なんですよ。薬学部博士課程になると、1人も入学する人はいないという状況です。さらに薬学部では、出願者と受験者数というのが大きく異なることがあるんですね。千葉科学大学の場合には、48人出願したんですが、実際には28人しか受けなかった。もちろん他の学校でもこういうことは散見されるんですが、ひどいときには半分を下回ることもあるんです。なぜこういうことがおきるのかというと、これは厚生労働省にお願いできますか。」
「(受験日に体調を崩したり受験できなかった、卒業見込みで出願したものの、受験資格がなくなった場合が考えられる)」
「薬学部に限らず、医療系はほぼほぼですが、国家試験のある学部では、新卒合格率というのを重視します。誰でも彼でも卒業させて、受験させると、新卒合格率が下がってしまいますので、受かりそうにない場合には留年をさせて受験させないということがよく起こります。特に私立では、入学者数に比べて、受験者数が極端に少なくなるということがあるんですね。今年行われた、薬剤師試験で私立の大学の中で、受験者数がもっとも少なかった大学はどこでしょうか」
森
「国家試験の薬剤師試験につきましては、各大学の中で、定員が異なっているため、一概に多寡を議論することはふさわしくないと思いますが、本年の薬剤師試験の受験者数がもっとも少なかった私立大学は千葉科学大学でございます。」(千葉科学大学は定員120で、私立大学の中ではちょうど真ん中ぐらいの規模)
「私立大学薬学部56校あります。この合格者数で見ましても、数ですよ、数。一番低かったというわけではないんですが、56校中54番目ということになっている。合格者数で見てもほぼ最低ラインですよ。大学経営にご苦労されているのは仕方ないことですよ。そういうことはあるでしょう。別にこの大学だけが厳しいわけでもないですよ。非常に厳しいほうだとは思うけども。なぜね、国家戦略をこういう大学に任せるのか。東大はたったの34位ですよ。トップ50に一校しか入ってないですよと、国家戦略これでいいんですか、先端ライフサイエンスこれでいいんですか、これで、国家戦略特区で、世界に冠たる拠点を作るんですよ、といったところがですね、今言ったような状況のところで大丈夫ですか。逆に、なぜそういうところにこれだけの優遇をして、許可したんですか、ということを言いたいわけです。資料の一番最後をご覧ください。入学して6年後、どれぐらい合格できる、という表があります。えー6年薬学部のですね、定員は当初200人だったんですが、入学希望者が集まらないので現在は120人になっている。また入学者も当時140人程度だったのが現在では70人程度となっている。結局147人入学したけれども、6年のときに国家試験受けた人は44%しかいない。残りの56%の人は受験までたどりつけていない。合格した人は3割ですよ。31%、45人。翌年見ても同じですよ。117人入学しましたが、6年のときに受験された方は40人しかいません。全体の34%ですよ。残り3分の2は受けることすらできなかったんです。受かった人22%ですよ。残り78%はどうしたか、留年して翌年受ける人もいるでしょう。27年度学士を受領した人は44名しかいない、これだけ卒業したということだと思いますが、43人昨年退学をされている。留年者数を見ると、薬学部2年で47人、6年の時に42人留年してます。卒業させないで、国家試験を受けられないように持って行くと、受けても受からないというご判断なんでしょうけれども、留年する人はするし、やめる人はやめていくということなんでしょう。これ1年学費200万ぐらいかかりますんでね。6年間だったら1200万かかるわけですよ。生活費入れたら1500万とか1800万とかかかるんじゃないですかね。これで1年、2年留年するって大変なことですよね。こういう状況だということなんですが、これは薬学部に限りませんが、国家試験の新卒合格率を高めに誘導するために留年させるような卒業延期という手法が広がっている実態がある。文科省はどう思っているのか。」
義家
「(指摘されたような状況は)詳しく調査はしていないが、一部の大学で、国家試験に限らず、入学者に比べて、進級者が極めて少なくなっていることは憂慮している。そこで、こうした大学については、進級基準や指導内容等について必要な情報を公開していくよう、文部科学省としても適切にうながしていく」
「承知してないとか言っちゃだめですよ。議員のご子息でも、医学部、薬学部行かれてる方も多いので、みんな知ってることなんですよ。結局文科相が新卒合格率という形で評価をして、低いところには、指導したり、ペナルティをかけているからこういったことがおきてるんで、これを改めない限り、改善することはないんですが、今日はそれではなく、教育のレベルに関して、先ほど言ったように是正意見がつく、あるいは教員が集まらないとか、生徒数が集まらないとか、そういうことで改善意見もつけられていて、加計学園系の3大学すべてに毎年かかっているような状況なんです。薬剤師の合格率も実質的には極めて低い状況になっていて、資格職であるけれどもなかなかうまくいかない。そういう状況の大学があるのは、それは実際にあるんだし、一概にここだけを攻めるんではないけれども、しかし、国家戦略として、人獣共通感染症の水際対策をやるとか、レベル4の衛生施設を作って、日本にエボラとか、人獣共通ということなので、鳥インフルエンザが中心かもしれませんが、そういったものや、先端ライフサイエンス研究がね、遅れているから、それに力をいれるんだとか、日本は東大ですら34位にしか入っていないからけしからん、その次に至ってはトップ50にもはいっていないではないか、ここは加計学園に新しい獣医学部を作ってもらって、世界に通用する国際的な獣医師を育成しようとか、そういうことで認定をするには、やはりちょっと力不足ではないかといわざるを得ない。ですから前回も、その前も申し上げました。定員160人作るなら、80と80で京都産業大学と2箇所じゃなんでいけなかったんですか、40ずつあと3箇所作って全国各地に配置とかにしたほうがよかったんじゃないですか。もう時間がありませんので、大臣に忌憚のないご意見を伺いたかったですが、これ日本の国家戦略をこういうところに任せる形になってますけど、ほんとにこれで大丈夫ですか。」
「この近年の感染症の拡大に伴い、各地域での水際対策や新薬の開発などの、先端ライフサイエンスの実施など、獣医師が新たにとりくむべき課題がでてきていることは確かであります。こうした新たな分野で活躍する獣医師の養成は、必ずしも、新たな獣医学部のみが行うものではありませんが、。ただ新たな人材ニーズに対応して、思い切ったカリキュラムの再編成や、専任教員の入れ替えを行うことは、カリキュラムがすでに確立している既存の獣医学部が行うには限界があると考えております。このため、新しい学部を設置し、新たなニーズに対応することが、効果的、合理的であると考えるところであります。なお特区について、毎年度行う評価において、新たに設立される獣医学部が当初の目的を達成できているかについては、適切に対応してまいりたいと考えております。」
「この学校がふさわしいということを検討されたかについてお答えいただいてないんですよ。今カリキュラムの話しかされてない。この学校が現在運営されている状況を、ちゃんと検討されて、それでもふさわしいとされたのか、そこだけお答えください。」
「個々の大学の内容等については、私が所管するところではないわけでありますが、少なくとも。提案の中で意欲的な取り組みをされるということは評価に値すると考えておりますし、将来は、えー、そのーえー職務(?)をきちんと果たされているかについては、えーしっかりと適切に対応してまいりたいと思っております」
「衆目の一致するところではないからこそ、いろいろな憶測を呼ぶのだということを付け加えまして、今日の質疑を終了します。」
ちなみに、今日で国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案は可決されました。
いやほんとに千葉科学大学のレベルが低いというつもりはないけど、既存のが低いからっていう理屈を持ち出した以上、どんなご立派なところなんですかーって、北大とかから言われるのは仕方ないんじゃないですかね。
参考表葉トラバに。
せっかくポッポと小沢が居なくなったんだから、枝野にすればよかったのに。
田中角栄の時代から、自民は支持団体に甘い汁吸わせすぎなんだよ。
民主党が与党だった時に、売国奴って罵る人多かったけど、今となっては甘い汁吸えなくなるのが嫌だったんだなーとしか思えないね。
蓮舫が考えられなくとも、枝野や野田は考えられると思うけどね。個人的には蓮舫でもいい。
共産と部分連立でも組めれば強いはず。
疲れました。短く書きます。
維新はまぁほんと公式野党だね。もういい加減にして欲しいですよ。
これすごい大事ですけど起こす気力がないので、どうぞごらんになってください。ほんと急いで作ったんだなぁ、
要は
の順番で保護法益が侵害されるのに、共謀(5年以下)が予備(2年以下)を上回る刑罰をもってるってなんだそれっていうのを中止した場合の減免に着目して議論してます。たとえば、殺人計画を何人かで立てたら共謀でやっぱやーめたでやめても減免されないけど、誰かが1人で独裁的に殺人計画を立てて、実行に乗せて中止したときのほうが刑が軽いみたいな意味がわからない話になって、さらに言えば、共謀から予備行為とか未遂行為までやっちゃったほうが、刑が軽くなるみたいなんもあるんじゃないかということ。
TOC条約の根拠としてドイツ刑法にある結社罪に注目して、結合の基礎となる共同の目的は、全員が共通として持っていて、犯罪が行われないんだったら、その組織が維持されないような目的だというのならそういう条文にすればいいじゃないかと。明文化したといってるが、まだまだ広すぎるだろうと。これにしちゃあなんでまずいんだ、という質問をするえだのん。平成17年の。団体の活動であっても明確だったし、さらに犯罪の遂行を結合の基礎としての共通の目的に明確に定義したもんといいはる林局長。
「みなさんが明確にしたとおっしゃるのは自由だけども、平成17年ですら明確だったといっておられるし。じゃあそれを国民が、刑事法の条文ですから、国民全員がわかるようにしろとはいいませんよ。でも普通の法律家が読んだときにどう思うのかというと、そうか、みんなが犯罪を犯そう!と集まった組織以外は当たらないんだとはとても読めない。そしてそんな読み方したら、ほとんどあたらなくなりますよ。それはあとでやりますが。それでドイツの参加罪、例の条約をこれでクリアしてるという話になっていて、財団法人法曹会、私も昔はお世話になりましたここの出版物は。というところが出してくれている翻訳がありましてですね、この間与党側の参考人でいらしていただいた井田(良)先生が、編集に加わっておられるんですが、井田先生も、この条文で、いわゆる犯罪集団しかあたらないんですよ、といってたんですが(ドイツは非常に広範な結社罪があるけど監視社会になってないって話ね。)、ドイツ刑法の参加罪の対象となる犯罪って、129条のところに書いてあるんですが、明確に書いてあるんです。その2項2号に、犯罪行為の遂行が、従属的な意味での目的もしくは活動にすぎないときは適用されない、組織的犯罪集団にあたらないと明文で書いてあるんです。こうしてくれりゃあだいぶ安心できますよ。なかなか活動の主たる目的が、犯罪になってるのは確かに暴力団とかそれぐらいですよ。まさにみなさんがイメージするテロ集団に当たると思いますよ。ドイツでおけるんだから、こういう規定をおいたって困らないですよね(条約締結上ね)」
林
「あのご指摘のドイツの刑法について、つまびらかにしておりませんので、お答えできませんが、こんかい結合関係の基礎としての共同の目的が犯罪の実行にあるということを定義したものは、委員ご指摘のように、犯罪を主たる目的にする組織を取り締まることを目的としていると限定しようと、こういう目的の元に、この文言を定義をおいたわけでございます」
「これだけ答弁をしたら、解釈をするときにも一定の考慮はしてくれると一般的には思いたいですが、刑事法ですから、先ほど罪刑法定主義の話もありましたが、誰が読んでもこっからここまでは、犯罪だ、こっからは犯罪ではない、明確に線引きできるようにすることが刑事法では求められているんです。何度も何度も議論していますが、どこまで適用されるかよくわからない、濫用されるかわからない、国民の保護されるべき権利義務が侵害されるかもしれないという危惧が抱かれてるんです。このドイツ刑法にならったような条文をおいても、今考えてる解釈と変わらないんだったらおきましょうよ。我々も安心できますよ。そしたらもっと多数で通せますよ。内容的に問題があるならいってくださいよ。後は与党の面子の問題だっていうのなら、内容的に問題がないのに強行するんなら、そういうことなんだとなりますよ。内容的にドイツ刑法のような規定、犯罪行為の遂行が従属的な意味での目的あるいは活動に過ぎないときは適用されないという確認規定をおいたら中身的に困りますか。」
林
「さきほどももうしあげましたが、犯罪遂行を結合の目的としている、という定義で、犯罪実行を結合関係の基礎としての共同の目的としていると、このような定義をしたわけであります。仮に主たる目的、従たる目的というような言葉を使ったとしますと、また主たる、従たるという定義をおいた場合に、かえって限定ができなくなるという場合がございます(えっ?)すると、どのような用語をおくことがよいのかについては、さまざま検討の余地があるわけでございますが、今回、共同の目的、しかも結合関係の基礎としての共同の目的が犯罪実行である、この認定ができないとテロ等準備罪の適用ができないという限定をおいておりますので、十分に、捜査実務、裁判実務において限定の効果を有していると考えている次第でございます(捜査実務は無理だろうー)」
維新のアホみたいな修正よりよっぽどまともな修正提案だと思うが、反対するだけ、揚げ足取りとおっしゃる御仁のタネはつきまじ。
http://anond.hatelabo.jp/20170512165030
林
「私はさきほどから含めていることを前提でさきほどから説明しております。あの、外部の人で知見を持っている人、その人と一緒に、犯罪実行部隊が組織として遂行する、この犯罪を計画すると、いう場合において、その人は、自分が持っている専門的知識を提供するという、役割分担の中で、この計画に参画するわけであります。すなわち、犯罪実行組織の一員として、組織に参画をするということになります。」
「そんなこと文言上読めるんですか。ここの文言に書いてあるのは、組織的犯罪集団の団体の活動としての犯罪の遂行を2人以上で計画しなきゃいけない。計画するときに、わかりやすく、専門的知識をもってるっていいましたが、別にそんなものなくたって、2人で相談することあるじゃないですか。論理的にありえるじゃないですか。法律の文言のこと聞いてるんで、通常はありえないなんて答弁姿勢はやめてください。この条文から読めますかといってるんですから、通常はありえないとかいうのはやめてください。専門家として失格です!」(計画に加わったら遂行組織の一員で、いいんだと思うよ。おこらなくていいと思う。
林(冷静に答えるのえらい。佐川とは違う。)
「今回のテロ等準備罪、計画を罰すると、計画+実行準備行為を罰する、この場合の計画では、組織的な要件が付加されているわけです。組織的犯罪集団の団体の活動として、という部分が一つ、それから当該犯罪行為を遂行することを計画する、とこういったことをあわせてかんがえますと、計画というのは次のような概念になります。組織的犯罪集団の構成員らが、らというのは構成員に限りませんので、らが、あらかじめ定められた任務の分担にしたがって、特定の犯罪を実行することについて、具体的な内容について合意をすること、こういったように、計画というものの意義が定まってくるわけでございます。これは条文で単に「計画をしたものは」ということではなくて、先ほど来申し上げておりますように、組織的犯罪集団の活動として、当該犯罪を遂行するための計画に参加と、このように限定しているからくる帰結でございます。」
「ちょっと今の答弁もういちど議事録精査してつめさせてください。でも僕はどう考えても今の答弁はおかしいと思う。(以下身分犯でないなら一般人についても幇助・教唆が成り立つかの議論に移る。)」
これすごい難しかったけど、要は、犯罪者が、普通の人に、犯罪を実行することを告白しないで、たとえばフィクションのリアリティのための取材だとでもいって、専門的知識を得た上で犯罪を実行した場合に、その犯罪者が捕まって、「どうしてそんな専門的知識を得られたのか」と聞かれたときに、だれそれに聞きました、といわれると、証拠が一切ないけど、組織的犯罪集団の一員になりえる、みたいな話だと思った。こんな難しい例ではなくっても、たとえば、所属組織の見取り図とか、警備ルールとかを聞き出して、「なんでしってたんだ」といわれたら、あいつが教えてくれた。みたいなことをいわれうる、みたいな話かと。
この後、たとえば、組織的犯罪集団に利用されるとは知らずに、場所を無償提供していたとしていた場合には、一般法務では、これは同一集団の構成員としてみなされて捜査される。(連合赤軍のシンパのうち、みんながみんなあの連中のテロ行為を知ってたわけじゃないしね)というような話をした後、戻っていく。
「あのーどこかで組織的犯罪集団が計画をした。部屋を提供した人がいた。その人が、組織的犯罪集団であるということを認識していたかはわからない。しかしその場所で計画が立てられた。そして強制捜査がなされる、しないとこまりますわなぁ、こういう法律つくっといて見逃したら。当然部屋を無償提供等していたら、捜査の対象となる、これが社会実体ですよ。自分が貸している部屋の持ち主(借主かな)が組織的犯罪集団なのか、常に国民一般がチェックしとかないと、いや、知りませんでしたっていったって、身柄は押さえられるし、自白は取られますよ。そういうリスクを心配してるんですよ。我々は。このリスクは、組織的犯罪集団であったのかなかったのか、きちっと実証できる準備をしとけと迫る中身である。ということと、それましたが、戻りますと、普通は、共犯関係が成立するためには、両方に故意が成立しないといけないと思うんですが、片方は組織的犯罪集団という故意がない、もう1人は故意がある、この2人で計画しても、二人以上という要件にあたるという後答弁でしたから、計画したといいながら、犯罪に問われるのは1人だけということがありうる、この結論はいいですね」
林
「組織を処罰するわけではございませんので、個々について、テロ等準備罪の成立条件を検討します。そうした中で一人だけが満たすということはありえます」
枝野さんの質疑は相変わらず面白いんだけど、面白がってる場合じゃない。それにもう、入り口のところでぐちゃぐちゃなのを細かくつめて「ほらこんなにぐちゃぐちゃです」って見せることにどんな意味があるんだろうかって思っちゃうんですよね。たとえに意味はないけど、見た目明らかにミートスパゲティなものを、「ボンゴレビアンコでございます」って出されてるのに、具が肉なのかあさりなのか検証する意味あるのかっていう。
ハナから金田さんの出番はない旨をお知らせしてあげる枝野さん。金田さんも疲れてると思うので骨休めになるかしら。林局長もほんとに大変よ。このしつこい人を2時間も1人で相手にしなきゃなんないんだから。午前中もこの後もやらんといかんしね。この前の階議員の発生の蓋然性の判断の議論も大事だったけど、こっちがあまりに衝撃的だったので、こっち。
「6条の2第1項、我々が共謀罪と呼ぶ、犯罪の主体は何ですか」
林
「犯罪の主体ということで、構成要件を見ますと、計画をしたものは、ということが犯罪の主体となると思います」
「この、"計画をしたものは、組織的犯罪集団の構成員でなければならない"、というのはどういう風に読むんですか」
林
「このテロ等準備罪の主体について、身分犯という構成はとっておりません。その上でテロ等準備罪はこの条文上からも明らかなように、組織的犯罪集団の団体の活動として、当該行為を実行する上での組織としての計画をすること、これを要するわけでございますので、テロ等準備罪の主体は、このような行為を実行を計画できるもの、として、条文上限定されております。この計画ができるものとなりますと、組織的犯罪集団の構成員がございます。組織的犯罪集団の計画の実行を担当する、つまり実行部隊としての組織の一員、これらに限れます。そうしますと、テロ等準備罪の主体となるのは、組織的犯罪集団と、さきほどもうしました、実行部隊のように、組織的犯罪集団の計画にかかわるもの、こうしたものに限定されると考えております」
「もうちょっと細かく聞きます。6条の2には、組織的犯罪集団の団体の活動として、とありますが、この、活動として、というのは、行われるもの、にかかるんでしょうか、それとも計画にかかるんでしょうか、両方にかかるんでしょうか」
林
「この、団体の活動として、というものは、あのー当該行為を実行するものを計画する、ここにかかっている」
「つまり、計画が団体としての行動でなければ本罪は成立しない。つまり団体の構成員だけど、団体の活動として計画したのでなければ犯罪は成立しない、これでいいんですね」
林
「委員ご指摘の通り、もう少し正確に申しますと(条文読み上げ)これが、団体の活動として行われなければならない」
「そうすると、組織的犯罪集団の構成員と、その組織的犯罪集団には属していない外の人、外の人はその団体が組織的犯罪集団とは認識していない、団体であるとは認識している。ありえますね。2人の人間がいて、1人は組織的犯罪集団に属していて、自分が属した組織が組織的犯罪集団である認識がある。もう1人、この人が属している団体はあるけれども、それが組織的犯罪集団であるという認識は持っていない人物、この2人で、これを団体として計画した場合は、本罪に当たりますか」
林
「組織的犯罪集団の構成員のすぐ近くに、組織的犯罪集団である認識がないものがいて、計画をすることがあるかというご質問だと思いますが、その場合に、確かに組織的犯罪集団の構成員でないものが、計画に加わることは、可能性としてございます。どのような場合かと申しますと、犯罪の実行部隊としての組織の一員、この組織というものは必ずしも構成員でなくてもいいわけですので、この実行部隊に、構成員でないものがはいることはありえます。ただその場合も、計画したもの、といえるためには、この計画が、組織的犯罪集団の行う計画であるという認識のないもの、これは計画者としては認められません。」
「そうすると、当該組織が、組織的犯罪集団との認識がないものと、組織的犯罪集団の構成員が計画して、組織的犯罪集団がこの犯罪を実行した場合、本罪は成立しなくなる、これでいいですね」
林
「あのー本罪は成立しないの意味でございますが、本罪が成立したという場合、今回の組織的犯罪集団が関与する重大な犯罪を実行している、これについての認識が必要でございますので、そのようなものがない場合、そのものについてはテロ等準備罪は成立いたしません。もちろんそういったものは複数いる場合もあるわけですから、要件を満たせば犯罪は成立する」
「二人以上って条文だから聞いてるんですよ。1人は構成員、もう1人は違って、団体であることは知ってだけど、組織的犯罪集団とは知らなかった。1人は故意があって、1人は故意がないんですよ。この2人で計画した場合、犯罪が成立しなくなりますけどいいですかって聞いたんです」
林
「2人のうち、故意の認識がないものについては成立しませんが、故意の認識があるものについては成立いたします」
「えっ?あ、そう(意外そう)?もうちょっと詳しく聞かせてください。これ1人で犯罪を計画した場合には犯罪は成立しないんだから、これはいいですね、一人で計画したら犯罪は成立しません。よね?」
林
「今回の計画の意味、ですが、計画は1人でもできますので、本件での意味を明らかにするために、2人以上で計画と構成要件を定めております」
「・・・共謀罪って呼んでたけど、これは共謀罪よりやばいのかもしれない。議事録精査してまたつめなきゃいけないと思うんですが、んー。普通に考えれば、組織的犯罪集団のうち何人かが集まって、計画した、そうだと思うんですが、そうなんです、あとで聞こうと思ってたんですが、計画って1人でできるんですよね。計画をした2人以上といってるけど、1人は組織的犯罪集団の構成員でもなければ、組織的犯罪集団の犯罪をやろうとしているという認識もない人と、組織的犯罪集団の構成員が2人で計画した場合でも、この犯罪は成立する、つまり犯人が1人の場合でも成立する、場合がある、そういうことですね」
林
「通常委員がご指摘になるような場合には、1人はその構成員でございます。1人は当該犯罪を実行する部隊の組織の一員でございます。しかしその人は組織的犯罪集団という認識はございません、そうなれば、今回組織的犯罪集団のテロ等準備罪の行為はないわけでございます。そうした場合でも。故意のあるものは2人以上で組織的犯罪集団の関与する重大な犯罪の計画という客観的に満たしますので、こちらは成立するということでございます」
「あとで切り分けて議論しようと思ってたんですが、1人は組織的犯罪の実行部隊の組織の構成員だと、してるんですが、実行部隊でなくたって2人のうち1人に入れるんじゃないですか。実際には手を下さない。でも謀議にだけは参加する。実際に手を下すのは組織的犯罪集団の構成員や実行部隊の組織である。この場合は計画にならないんですか。想定しないんですか。ありえるでしょ。構成員と、構成員でもなければ、その犯罪の手を下すつもりはまったくないただし、計画には参加する、その2人での間のときを聞いてるんです。」
林
「今回のテロ等準備罪としては、当該組織の活動として行われるものの計画ということがございますので、前提となります、組織的犯罪集団となります団体を認識しているかということに加えて、当該組織としての活動として行われる計画を実行する組織の一員である、ということが想定されるわけであります。それ以外には現実的には考えられないと思います」
「通常とか、現実的にはとか言っておられたんですが、法律論の話をしているので、通常とか関係ないので、論理的にありえない、こういう条文でありえない、というように言ってください。通常の犯罪については、現在まさに共謀共同正犯まで認めている判例があるわけです。組織により行われる犯罪の遂行、を、自分はしないけど、こういう組織によって行われることを計画だけする、こういうことありえるじゃないですか。論理的に言って。てかむしろこういう人むしろ多いんじゃないかと思いますよ。これが実際に作られてしまって、対応されるときには。将来の実行に関わる可能性のない人は含まれないなら含まれない、どう読むのか答えてください」
林
「当該行為を実行するための組織、これについては、構成員でなくても犯罪実行部隊になりうることが前提。その上で、当該犯罪を実行部隊による組織によりおこなわれるものを遂行する組織、自分は遂行組織の一員ではないが、その計画に加わるというものとしては、構成員であれば、幹部がこういった例として考えれれる。では構成員でないものがこういった計画に参加するというのであれば、それは、その部隊の任務の分担、そういったものも含めて計画する必要があるわけです。それはこの遂行組織により遂行、これを計画するというものからでてきます。そうなりますと当該組織的犯罪集団の構成員でないもので、計画に関与するというものは、実行部隊の組織の一員として関与する、とこういうことが想定されるということです」
「うーん、やっぱりおかしいと思いますね。おっしゃる通りね、今この遂行組織という概念が、この法案に関わっている人の中で、初めてここで議論になっているんで、組織的犯罪集団と、実際に手を下す遂行組織、条文上確かに2つある。確かに、遂行組織には加わらないけど、暴力団の幹部みたいな、計画に参加するという例、あります。でも、組織的犯罪集団の構成員でもないし、その団体が組織的犯罪集団であることも認識していないし、自分で手を下すつもりも全然ない。でも、その犯罪に必要な知識などを多々持っているので、計画には加わる。そういう人はありえるじゃないですか。それを想定されない打なんていわれたら困りますよ。外れるなら外れるで、こういう理由で外れるといってください。逆に言えば、組織的犯罪集団で、実行組織には関与してないけど当事者になりうる、だったら、どちらとも関与してないけど当事者になりうる、違いますか。」
林
「今犯罪の遂行に向けて、非常に有益な知見を持っている人、これが計画に加わることはありうると思います。これが犯罪実行組織の一員として加わるわけでございまして、当該組織が行う犯罪を実行するための計画、これを計画するために、まったくその、犯罪実行組織にもまったく無関係で、外部の人が加わることは考えられない」
「そんなことないでしょう。こういう展開になると思ってなかったから今頭の中で例を考えてるんですが、たとえばハイジャックをしましょうと。ハイジャックしようとする組織が、その組織がハイジャックしようとこれまでしてきたかなんてしらないし、組織がハイジャックすることを結合の目的としていることまでは知らない。でも空港のセキュリティのシステムがどうなってるとか、飛行機の構造とか、どこに爆弾をしかけたら落ちやすいとか、そういう専門知識がある人と、この人は実際に遂行するつもりはない、こういう人と、2人で計画する、こういうケースはありえるじゃないですか。そういうケースが含まれるんだったら、そちらの答えをこちらが予想してあげるのもなんなんですが、その計画自体も、組織により行われる遂行に含めるんですか。違うんでしょ、どうなんですか。」
林
「今のご質問の趣旨を十分に理解できておりません。その」(もっかい説明します。)
「いいですか。二人以上で計画すればいいんです。この2人のうち1人は組織的犯罪集団の構成員でないと、本条の対象にはならないので、1人は構成員。その人が、Aさんが、ある組織の一員であることは知ってるけども、まさか組織的犯罪集団の一員であることは思ってもいないBさんと2人で計画をする。Bさんには、組織的犯罪集団の活動とは伝えないんだけど、1回だけこういう理由で協力して欲しい、として2人で計画する、その人は専門的な知識だけだから、手は下さないありえるじゃないですか」
林
「今ご指摘の団体(AさんとBさん)には、組織的犯罪犯罪集団という認識はなくても、団体の中に実行組織というものがある、犯罪遂行組織というものがあるという点においては、現行法の組織的犯罪処罰法の中にすでにある、この団体、を前提としておりますので、そういったものはあるわけでございます。そういったものの前提として、組織的犯罪集団の認識はないけれども、実際の組織の団体の中に目的遂行組織として、その組織の一員として、その組織に加わることはありうると考えます」(要はやくざの下部組織でたとえば株取引とかでマネロンやってるような組織の構成員は、それがやくざの組織であることを知らなくても、組織的犯罪処罰法で適用されるからそれと一緒ということかな)
「何がいいたいかわかりました。つまり、計画をする人間はすべて遂行組織の一員なんだ、計画自体が遂行なんだ。計画自体が遂行なら今の理屈はわかりますよ。計画はするけど他の行為には手をつけないBさん。それは遂行組織の一員だといってるんですね。ならないとおかしい。逆にさっきの暴力団の親分の話も、計画に加わってるんだから、遂行組織の一員となります。これでいいですか」
林
「構成員が計画に加わる、例のように幹部の場合、組織的犯罪集団の中にはいろんな遂行部隊がある場合がある、いずれにしても計画の場合にはどの犯罪実行組織を使って、どの犯罪を実行するのかが計画されるわけでございます。そういった団体の中に、それが組織的犯罪集団という認識がなくても、団体の中に組織があって、その組織によって実行計画を立てると、それが遂行することしての計画を立てる、こういった認識が必要となりますので、そういった形態で考えられるのであれば、やはり外部のものに関しては、やはり実行組織の一員であることが通常想定されるということであります。」(ややこしいけど、これは枝野さんの整理を認めてるよね)
「通常想定では困るんです。さっきからいってるんですが。どっちかで整理しないとおかしいと思いますよ。さっきの外部のBさんね、Bさんが、この条文からは、犯罪遂行組織が存在をして、その組織を利用して犯罪を犯すということを計画しなければ、他の文言から計画に該当しませんから。大きな団体の中に、犯罪遂行組織にあたるべき認識は必要だと思います。でもその構成員であることは求められないじゃないですか、計画するだけなら。違います。大きなテロ組織集団がある。でも外部の人間はテロ組織と知らなかった。いろんなチームがある中で、実はうちにこういう集団がいるから、こいつらでハイジャックしようと思ってる。ついては、あんたハイジャックの専門家だから知恵かせやといって、テロ組織の幹部と、組織外の人が2人で計画することもありえるでしょ、と。逆に含めないとおかしいでしょ、みなさんの説明なら。」
つづきはトラバ
今日は枝野さんが2時間というとんでもない長い質疑時間を持っているので、楽しみ半分、時間を稼がれてしまうことへの悔しさ半分といったところですが、午前中の山尾さんからもうぐちゃぐちゃ。どう考えてもこの「一般の人は捜査の対象とならない」が答弁がぐちゃぐちゃになってる原因なので、最低限そこは認めたうえで、必要性を正面から言えよってんですよ、安倍さんはほんとに卑怯なんだよ。マジで腹立つ。
まずは捜査の定義から、たとえば告発なりがあって、嫌疑があるかどうかを調べるために、警察活動として、検討(by 金田)・調査(by 盛山)の手段として、尾行や張り込み、聞き込みは合法かどうかをまずは金田さんに聞き、金田さんが無理だということで、武士の情けで刑事局長に質問する山尾さん。
林局長
「”嫌疑の嫌疑”という言葉は、直接理解できませんが、嫌疑の前の段階で、尾行による捜査ということであれば、まだ捜査が開始されてないので、できないということ」
山尾
「捜査が始まる前の警察が行う尾行は、100%違法ですか。そういうことですか。」
林局長
「刑事訴訟法上の捜査ということで、尾行ということも任意捜査となると思いますが、その尾行も、犯罪があると思料したとき、その嫌疑が生じた、でたとされなければ、任意捜査もできないということ」
山尾
「大事なことですが、私はここで、強制捜査、任意捜査を区別していません。その上で、一切警察が、嫌疑が生じる前に、これまで尾行を行ったことがあるとすると、これはすべて違法だということですか」
林
「捜査は犯人を特定し、証拠を収集する活動でございます。そういったものとして、任意、尾行捜査をするということは、犯罪の嫌疑がないのにそういった捜査をすることはできない。」
山尾
「質問に直接は答えたないが、嫌疑が固まる前に、告発があって、嫌疑があると確定できない段階で、警察が尾行を行うとしたら、これまでありえた場合も含めて、まったくすべて違法ということですか。」
同じ質問、応答のやりとりが繰り返される
林
「捜査、とういうことでお答えしているが、嫌疑かないのに、捜査を行うことはできない、ということです。」
山尾
「刑事局長に聞けというから聞いてるんだからちゃんと質問を聞いてください、捜査としてではない、といっている、嫌疑が固まる前の検討・調査について伺っているとわかるように定義からやっている。捜査としての話は聞いていない。話をかみ合わせられないならでてこないで欲しい。嫌疑が固まる前にもいろいろな目的があるだろうが、尾行等をすることは100%違法なんですか」
林
「ご質問の前提で、捜査であるとのご質問でしたので、私答えました(山尾:聞いてないよ!)、その上で、捜査でない尾行は許されるのか、ということですが、捜査でない尾行というものがどういうものなのかが特定されない限り、私としてはお答えすることができない(Aのうち、BでないAは存在するのかについて答えろっつってんだよハゲ)
山尾
「私は捜査としての尾行について聞いてないと何回繰り返したんですか。時間を無駄にしないでください。捜査でない尾行が可能かどうかは個別具体的な事情によると、そういうことですか」
林
「警察活動の中での、たとえば行政警察活動の中での尾行が違法かどうかを答えるためには、それが、個別にどういう目的によるものかを知らないと答えることが困難だし、行政警察活動はどの程度許されるのかは、刑事局長としての私の所管外の問題なのでお答えすることは困難だ。同じ尾行でも、ある人を保護するために行っているもののように、それはまったく評価というものが異なるわけで、私が言えるのは刑事訴訟法上の捜査としては嫌疑の前の段階で行うことはできない、ということだけでございます」(なかなかうまい逃げ口上)
山尾
「刑事局長が答えられないなら、誰が答えてくれるのか。議論が進まない。私は、捜査としての尾行については聞いていないし、どの程度許されるかについても聞いていない。捜査ではない尾行はありえるんですか、と聞いている。三役でもいいが、捜査ではない尾行というものが、合法的にありえるのかどうか、誰かお答えいただけますか。」
「大変恐縮ですが、警察は是非公安のほうに聞いていただければと思います。我々は所管外でございます。」
山尾
「捜査手法が問題になっているのに、一般市民は捜査の対象にならないとおっしゃっているが、この法務委員会で、捜査の定義、捜査の前の段階での調査・検討は何なんだと聞かれて、誰も答えられる人がいないのに、”一般の人は捜査の対象にならない”と主張するんですか。私は捜査の対象にはならないが、調査・検討の対象になるというのであれば、捜査と調査・検討の分水嶺がどこなのかを明らかにしないと、一般市民が捜査の対象にならないということがわからないからこういうことを申し上げている。もう一度伺うが、一つの手法として、誰でも尾行されるのは嫌ですが、社会の安全のために、常識の範囲内で行うとして、それは100%違法なのか、それとも社会の安全のために許される場合がありえるのか、誰でも良いです。お答えください。」
林
「告発を受けて被疑者としての嫌疑が生じる前の段階、調査とか検討とかその段階、それが尾行が許されるのかといわれましても、尾行の捜査、犯人を特定するための尾行の捜査は許されないわけであります。今回被疑者段階で、嫌疑がない段階(いや被疑者は嫌疑がかかった人だろ、がんばれ)で告発の対照となった場合、どのように事件を処理するのかといわれれば、それは被告発人を被疑者として捜査開始するのではなくて、たとえば告発人から告発の事情、疎明資料、要求して、なにゆえに人を告発するのか、これを調査、あるいは検討といってもいいですが、いたしますよね、そういったことによって嫌疑が生ずるか、調べるわけです。それ以外に尾行等を捜査以外でするかということですが、被疑者となるかどうかを調べる際に、あらゆる手段、たとえば尾行という手段を通じた場合に、それが違法かどうかと問われましても、どのような目的で警察が尾行するかがわからないと確定できない。」
山尾
「今のでわかりました。今のお答えは、捜査としての尾行はありえない、告発人から、事情を聞く、疎明資料を集める、そのほかに尾行等をするかどうかは一概には言えないということでしたね、土屋理事も大きくうなずいていらっしゃいます(階さん、枝野さんには謝ったのかな?)。これはそうなんだろうと思いますよ、違うとおっしゃるのであれば、捜査以外の尾行は100%違法である真央とお答えになれば良いですけども、何度聞いてもそうはお答えにならない。どうきいても、捜査以外の尾行は、目的によりけり、一概には言えないということですね。時間がないですが、張り込み、聞き込みについてはどういう風にお考えですか。
「えー先ほど刑事局長から答弁したとおり、警察活動の具体的内容、どのような目的でなされるかは、法務大臣の所管を超えているので、お答えする立場ではないのでお答えできない。」
山尾
「刑事局長もあそこまでは、答弁されたので、お答えする立場だと思いますよ。(繰り返し質問)」
林
山尾
「検討や調査として張り込みや聞き込みをすることはありえるのかと何度聞いても。捜査としてはありえない、とおっしゃるので、これは、答弁から逃げていると判断せざるを得ませんが、いいですか。もう一度だけききますが、かわりませんか」
林
「意訳)捜査ではない段階でどの程度できるかについてはお答えする立場にはなく、捜査としてであれば、明確にお答えしているとおり、嫌疑がない段階ではできない」
(速記とまる)
山尾
「(今までの議論をまとめる)結局私が申し上げたいのは、一般人は捜査の対象にならないとおっしゃっているが、調査の対象にはなっているのではないかと思うんですが、大臣いかがですか」
「これまでの、密かに行われる犯罪の捜査で行われることを超えることはテロ等準備罪でもないということは前提として、一般の方々がご不安をもっている、不安をもっているか持っていないかということもですね、この改正の事案について判断をしていかなければならないと考えているから、何度も申し上げております。テロ等準備罪の捜査の対象として、一般の方々が捜査の対象となることはないんだということを申し上げているんですが、そもそも一般の方々という言葉、それは使用される文脈で、いろいろ変わるんでしょうが、我々が、一般の方々はテロ等準備罪の捜査の対象とならないと申し上げている文脈においては、一般の方々が、組織的犯罪集団とかかわりのない方々、我々は、組織的犯罪集団という明文上明らかにした法案を用意したわけですが、組織的犯罪集団にかかわりのない方、何らかの団体に属しておられない方はもちろんのこと、通常の団体に属して、通常の社会生活を送っておられる方々という意味で申し上げているわけで、こういう意味で、一般の方々に嫌疑が及ぶことはなくなった、とこのようにご理解をいただければよろしいんではないかとこのように考えております。」
山尾
「林刑事局長」
山尾
「なぜ?これは大臣です。おかしいでしょう、なぜ?なぜこれが細目的技術的事項なんですか。委員長答えてください」
「議事整理の中です。この後大臣に行きますよ!」(なぜえらそーに。)
山尾議員怒鳴り続ける
林(なんとか答弁する)
「告発についての処理というものは、人に対して行っているものではありません。その案件について調査するといっても、非告発人が調査の対象になっているわけではなくて、告発案件についてそれが嫌疑が生じているのかどうか、疎明資料が十分かどうか(これ基本的に証言だけでいいからね)、この対象はこの告発の案件でございます。」
ひたすら時計を止めない鈴木委員長(こないだ、衆議院規則に照らして間違っていたと認めたことをまたやっとる)
山尾
「至極単純な質問ですよ、調査の定義から丁寧に聞いてきたでしょ。こんなのおかしいよ。時計止めてくださいよ」
「局長の答弁に付け加えさせていただきますが、事件について、嫌疑が認められるか否かを検討するのであって、一般の方々が検討の対象になるわけではありません」(これが噂の2倍時間消費術。同じこと答えるなら出てくんな。)
山尾
「まず委員長、なぜ大臣の答弁から導かれる、素朴な疑問が、細目的技術的事項として刑事局長になるんですか。理由を説明してください」
「一般の方々の使われる文脈がまるで違いますので、全体的な答弁はできませんので、細かいところとして林局長に聞きました」(意味がわからん)
鈴木淳司反省しとらんよー。今まで野党自民党しかやったことないはずだけど、一事不再理の原則を破って良いからもう一回解任決議案だしていいぞ。
山尾
「(話を整理したうえで)嫌疑の嫌疑という段階で捜査することはない、その段階では検討とか調査とかいうと、ここまでは確定した。その結果、嫌疑があるのかないのか、嫌疑があれば、刑事訴訟法上の捜査に向かっていく、嫌疑がなかったという場合がありえる。私は、一般の方だと思うが、尾行、聞き込み、張り込み等がありえるかもしれない、一概には言えない、その中で、嫌疑がなかったとわかったひと、これは一般の方々ですか。大臣の考えはいかがですか」
1分ぐらい考えるが速記はとまらない、逢坂理事が抗議してやっと速記がとまる
「申し上げたくはないが、言わせていただきます。ただいまの質問のような丁寧な質問通告がなかったので、詳しくはお答えできないといわせていただく。その上で、一般の方々に嫌疑がかかる可能性はないと申し上げてまいりました。したがって、その調査・検討の対象となることもありえないということでございます」
山尾
「大臣ご自身の発言の矛盾にお気づきかはわかりませんが、いや、盛山大臣はうなずいておられましたよ。嫌疑の嫌疑がかけられた人と、嫌疑があった人、これ100%完全に一致するということですか。違うでしょ。それならば、調査・検討なんか必要ないじゃないですか。もし今の大臣の答弁なら、警察の検討・調査は必要ないということになりますよ。大臣の説明ですので大臣」
「先ほど申し上げたように、一般の方々が嫌疑の対象となることはありえないと何度も申し上げてまいりました。また嫌疑の検討の対象にもなりません、今まで申し上げてきたとおりでありますが、。捜査の前の実務についても、局長のほうから答弁をさせていただきたいと思います。」
林
「議論の出発点として、組織的犯罪集団に属さない、通常の人は、嫌疑の対象とはならないとしている。その上で、しかしなんびとも告発ができるので、告発されたときにどうなのだ、という議論だと承知している。告発された被告発人は嫌疑の対象ではない。告発人の疎明資料や証言に基づいて、嫌疑の有無が検討される際に、被告発人は名前は上がっているかもしれないが、調査・検討の対象といえるのかどうか。それは調査の対象というものをどうとらえるかによるが、少なくとも、その人が調査の対象になったと申し上げるつもりはなく、手続きとして、処理するために調査検討をするということ」
山尾
「(まとめて)では調査・検討の段階で、たとえば事業者等に、口座情報等の照会を行うことはありえるのですか」
林
「(捜査としてはやらない)」
山尾
「また逃げましたね、捜査としてやるかなんて聞いていない。では口座情報等の任意の照会等をすることはないのかと聞いている」
林
「(捜査としてはできないということを繰り返す)」
山尾(この辺はさすが元検事)
「指摘しておきますが、捜査関係事項照会の書面上、嫌疑の内容、嫌疑の対象を記入する必要はありませんし、いかなる疎明資料に基づいての照会なのかを一切添付することなく、ただ「捜査のために必要である」とかいてあって、大きな空欄の下に、これこれを提示してくれとされるものであります。またかつて、警察の中で、この捜査関係事項照会が非常に広い中で、濫用されてきたことが明らかになり、通達も出ている。ここで照会するのかしないのかと聞いても言うわけないと思うが、こういう危惧があると申しております。(続このあとも、一歩も進まないやりとり)」
山尾
「大臣は、ビールと弁当を持っていれば花見、カメラや双眼鏡をもっていれば下見と判断できるとおっしゃっていた。ではどういう手段でその持ち物を把握するんですか」
「(なぜか嫌疑が発生したあとに、持ち物を調べたときに、その持ち物が持っている意味を検討することは今までの捜査と変わらないという答弁を3分ぐらいする)」
山尾
「質問に答えてないですよ」
「答えてます。答弁してるじゃないですか」
「どうやってわかるのかを聞いてるんですよ」
「答弁してます」
「どうやってわかるのかということですか、ということですが、私が思いついたのは、たとえば怪しい動きをしているときに、職務質問をして、持ち物がわかるということもあるのかなぁと思います」(これが一番やばいやつだよね。特に金田さんが例に出した、カメラや双眼鏡を持っていることは、”法務大臣が言っていたテロ等準備行為だ”といって引っ張れるもんね、職質で)
山尾
「それは行政警察活動なのでちょっと違う話だけど、まぁ答えただけ大臣よりはましですよ。では、いったん嫌疑をかけて持ち物を調べたらビールと弁当を持っていた、とそして実際花見にきただけだったという人は、大臣の定義では一般の方々ですか」
山尾
「おかしいでしょう。大臣のロジックだと、一旦嫌疑かかったんだから、一般の方々じゃないんでしょう。
(略)
今日こうやって質疑してきてまったく不本意です。委員長は時計を止めるべきときも止めないし、すれ違った答弁で時間だけが過ぎていく。こういうことがこれまでの法務委員会であったかはわからないが、こんなことになって本当に不本意です。
(今日の質疑内容をまとめて)
結局一般の方々は捜査の対象とならないなんていうのはフィクションなんでしょ。こういうフィクションの上で、一般の方々は嫌疑の対象にもならないというような、嘘偽りの安心の土台の上で、277の刑罰を議論をしている、詭弁を繰り返しているから、いつまでたっても、疑問点がなくならない。もう少し誠意を持って、デメリットデメリットがあるという前提の上で議論をしていただきたいと思います。(ほんこれ)」
今日の法務委員会は、開始10分ほどで、野党議員からの鈴木淳司法務院長への不信任動議(追記:よく考えたら解任決議案の提出ですね。不信任動議しろってずっと思ってたからタイトルから間違ってら)で、おそらく9日の本会議でその採決を行うまでは、「暫時休憩」となります。これを与党議員やネトサポが「審議拒否」といっていますが、ちゃんちゃらおかしいですね。審議拒否っつーならまずお前らの親分どもの答弁拒否をなんとかしろ。
民進党が現在対応を求めているのは以下の三点のはずです。GW中に開催するなとかいう話じゃない。
(2) 1を解決しないまま委員長が職権で委員会を開催し続けること
第四十五条の二 委員会が審査又は調査を行うときは、政府に対する委員の質疑は、国務大臣又は内閣官房副長官、副大臣若しくは大臣政務官に対して行う。
第四十五条の三 委員会は、前条の規定にかかわらず、行政に関する細目的又は技術的事項について審査又は調査を行う場合において、必要があると認めるときは、政府参考人の出頭を求め、その説明を聴く。
階猛議員が、立法趣旨や、立法事実、捜査の開始時期といった、法案の骨子、基本的事項について、政務三役への質疑を行ったところ、林刑事局長を指名する、ということを繰り返し行っています。45条の2の主語は委員会ですので、政府参考人の登録までは、当然、委員会、つまり多数決、委員長職権で決めることはまぁ仕方がないかな、と思いますが、基本的に質疑は政務三役が答弁する、を無視するならばは衆議院規則違反との批判は妥当だと思います。さらに、政府参考人の登録は、毎回委員会の合議で決めてきていたところを、審議期間中ずっと登録することとする、というやり方も姑息です。なぜ政務三役が答えないといけないのか、というのは、それが議会制民主主義の根幹だからです。官僚はあくまで、政治家の意思決定に基づいて、その意志を具現化するための機構にすぎません。政治家が、その法案の骨子について説明できないという法案は、もうその時点でだめなんですよ。実際には、法改正や法整備は議員立法や、重要法案を除けば、そのほとんどを、課長補佐クラスでなされる弾出しを元に作られます。しかし、大臣はじめ、政治家がそれをチェックし、問題ないことを確認するからこそ、大臣名で署名し、公布するんでしょうが。大臣がわかってない法律を通す、ということは、建前ですら、議会制民主主義を放棄するということを意味するから、大臣が理解しているか、説明する能力があるかどうか、ということそのものが、審議マターになるんでしょう。
前に書いたように、この法案の理解をし、説明をすることに関しては、盛山副大臣>井野政務官>金田大臣の順です。金田大臣の答弁をまずさせると、それが政府参考人の答弁とも矛盾するし、盛山副大臣が質疑にまじめに答えると、それも金田大臣や安倍総理大臣の答弁と矛盾する、という事態が起きています。これをさらしたくないから、安倍さんは、通告がないから答弁しない、とか民進党の批判、自分の支持率の話とかで話をそらす、といったことを繰り返すし、金田大臣は成案が出た後にと先送りしてきたのにも関わらず成案が得られてもまともに答弁できない、刑事局長にまず答弁させて、「○○議員にお答えをいたします。××××とのご質問でございましたが、ただいま刑事局長が答弁したとおり、△△△△であります。」という時間稼ぎをしてるんですよ。これを正常化しないまま、審議がつくされた、とされたらたまったもんじゃないよ、という民進党、共産党の主張は真っ当そのものではないですか。
(2)について言えば、委員会の開催は、基本的に与野党の合意によって行われます。委員長は議事運営を公平中立に行うこと、というのは、与野党の申し合わせにおいて確認されていることです。まぁ委員長も人間ですから、そりゃあ完全な公平中立なんて幻想だということはお互いにわかってるわけですが、ものには限度というものがあるでしょう。求めてもいない答弁者がたって、政治家とは違う答弁をする(「一般の方々が捜査の対象とはならない」とかね)、政府参考人の登録は必要に応じて最低限行われるべきものという原則に反した通期での登録、土屋正忠議員の不規則発言の説明を求める階猛議員の要求を退ける等、とにかく早く委員会採決に入りたいという欲求しか見えませんよ。
(3)の土屋正忠議員の不規則発言、階猛議員の質疑中、呼んでもいない林刑事局長が答弁しだしたので、質疑を終了し、次の質疑者である枝野幸男議員と階猛議員が質疑の打ち合わせをしていたら、土屋正忠議員(法務委員会理事)が「テロ準備行為じゃないか」といったことに、階猛議員が激昂し「誰だ今言ったのは、誰に向かっていったんだ」と土屋議員の肩をついて、つめよった件です。この土屋議員の肩をついたことに関しては、階猛議員は先週金曜の質疑の中で正式に謝罪をしています。私は、今日の法務委員会がセッティングされてるのをみたので、せめて理事会の中でぐらい謝罪してるのかと思ったら、民進党のブリーフィングによると、謝罪どころか、「階議員がやったことそのものがテロ等準備行為なんだと、ご本人も発言されていた」(逢坂誠二・談)だそうで。微塵も反省しとらんどころか、「林局長の机をたたいたので、やりすぎと思い、発言したが、内容は覚えてない」というコメントも嘘じゃねぇか。この発言が出たのは、階議員が、枝野議員とこそこそ話していた場面なので、要は「こそこそ話しているからテロ等準備行為だ」というアホみたいな主張をこの段階でも引っ込めてないってことでしょう。当然、委員会の場なり、院外でも結構ですが、何らかの謝罪があってしかるべきでしょうが、どうもご本人が反省していないということの模様。
もし、私が書いてきた共謀罪に関する記事なり、共謀罪関連の委員会質疑をご覧になっていれば、この共謀罪に対する政府側答弁ですら安定していないことはご理解いただけるかと思うんですが、東京新聞によると、
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017050102000116.html
「共謀罪」法案は、四月末までに衆院法務委員会で参考人質疑を含め約二十二時間の審議を行った。与党は同法案を採決するには、三十~四十時間の審議時間が必要だとみている。
ということでした。実質審議入りの前の段階で、与党議員が「衆院では30時間も審議すれば十分」と発言していたと報道され、また逢坂議員もそういう発言をされていましたので、これはまぁ多分事実でしょう。私の個人的な予想では、GW前に、この法案を衆議院で採決してしまいたかったんだろうと思っていました。どんなに強引なやり方でも、皆さんすぐ忘れてくださるので。今日の審議予定時間9:00-12:00、13:00-17:00ということで、7時間の予定でした。これまた私の勝手な予想では、今日の審議が終わったら、採決の動議がされてたんじゃないのかな、と思っています。大体30時間なので。わざわざ5月2日に職権開催したのは、ここで強行採決すれば、一番目立たないと考えたからじゃないのかなと。単なる予想ですが、参考人質疑も終わっていますから、この、政権側がまともに答弁もできない状況でも、もうほんとにいつでも採決されうる状況だということはどうぞ知っておいて欲しいです。
国会ウォッチャーです。カテゴリ化してみました。別に一意にこの増田を同定していただこうとは思っていないので、どうぞ他の増田もこのカテゴリーを使って国会について書いてくださいね。
緒方林太郎議員質疑。緒方さんは間違いなく頭がいいし、論理で攻めてるときはいいんだけど、前半の金田大臣に、Hard cases makes bad lawsとか知ってるかとか聞いたり、テロというHard casesで法律を作るのはまずいんではないかみたいな一般論、いまさらいる?向こうはそんなんもう100も承知で、むしろそこが主目的になってんだから聞くだけ無駄でしょ。後半のとこだけでいいんだけど、もう金田さんと岸信夫外務副大臣が無能すぎて、質問するだけ無駄なかんじ。これで審議時間積んでるっていう既成事実化してるっていうのが残念。あと枝野さんが、立法ガイドについては、英語に詳しい仲間に任せますって言ってたからそれは緒方さんのことだろうと思ってたんだけど、この話が出てこなくて残念。国重さんが参考人質疑で取り上げてた、undocからの返信についての精査がすんでないのかな。対案主義っていうなら、アメリカだって、州内で完結する犯罪については、この条約の対象としない留保を置いてんだから、2003年の留保なし締結の批准の国会決議の取り直しを要請すべきだろ、常識で考えて。金田さんとか岸さんがこの条約の建てつけも法律の内容もわかってないのなんかもう周知なんだからいまさらそこ攻めてどうすんのって話でしょ。
テロ関連防止条約は、外務省が決めてる13の条約のこと。民主党は、テロ対策だというのなら、TOC条約ではなく、ほかの条約を先に締結して、世界に範を示すべきではないかといっているんですが、岸外務副大臣もTOC条約はテロ関連防止条約ではないと答弁してますね。まぁこんなのいまさら聞かなくてもいいんですけど。わざわざ、条約作成時に、この条約が対象とする組織的犯罪として、テロリズムを含めべきではないってわざわざ当時の日本政府もアメリカやカナダ、フランス、イギリスなどとともに主張して、現にTCO条約にテロリズムなんて文言は盛り込まれなかったんだから、ここは切り分けたんです。岸副大臣は「テロリズムは組織的犯罪集団の一部である」って答弁してたけどね。この話も何度もしたし、後半のとこだけでよかったんだよ。
緒方さんは、テロ関連条約を外務省時代に担当してたから、テロ関連条約で使われる単語は、intimidate(脅し)とかそういう他者の意思に影響するような言葉出てくるけど、TOC条約にはでてこない。これはテロ防止の条約じゃないからだ、と。それに対し、金田さんや岸さんは、「交渉過程でテロリズムを含むリスト化の動きもあった(日本を含む主要国の反対で否定されたことはあえて隠すスタイル)、また国連文書でも、この条約は、テロリズムの防止にも資する、としている、TOC条約はテロを含む組織的犯罪を防止することを目的としている」というのですが、緒方さんは、「それならば前文にでているはずだ」と「Links between terrorism and transnational organized crime」というように、国連文書では、テロリズムと国際的組織犯罪は別のものとして扱っているだろうと。もし岸さんがいうように、テロリズムが国際的組織犯罪に含まれるなら、リンクなんか生じないだろう、と。国際組織犯罪とテロリズムは別概念だということが示されているではないかと強く言ってましたが、これは当たり前だよね。岸さんが引いていた、国連事務総長報告でもそういってるもん(s/2015/366)。「テロ組織と国際組織犯罪集団とは関係性がある、理論上はこの二つは区別されるが、実際にはその区別は明確ではない」と都合のいいとこだけ引っ張ってきてたけどね。というかこの文書読んだけど、どこを読んでも国際組織的犯罪の取り締まりにconspiracyの取締りは要請してないでしょ。国際的組織犯罪も、テロリズム集団の取り締まりも、両方しっかりやれっていってるだけじゃんねぇ。文字制限の都合上原文は省略するけど、私の訳だから、お疑いの人は自分で原文を読んでね。
テロリストと国際組織犯罪は、「まったく別の」(distinct)事象であり、異なる働きと目的を持っている。また異なる国際法上のフレームワークによって対処されている。それらの違いにも関わらず、過去15年間の国連総会と安全保障理事会は、テロリストと国際組織犯罪グループの間の交流について憂慮してきた。なぜならば、それらの交流は国際的な平和と安全に、ますます影響を与えてきているからだ。
理論的には、テロリストと国際的組織犯罪集団は明確に異なる目的を持つ(ここ使ってんだろうけど、いみが全然ちげぇだろ)。テロリスト集団は、故意に国の当局に対して挑戦し、暴力的な手段をもって、イデオロギーを含むさまざまな理由のために、政治的な、変革を求める。性的暴力やマイノリティに対する暴力を含む、目を引くような攻撃や何かに集中した暴力は、国際的なメディアの注目を集めるために行われる(結合の基礎としての共通の目的にはなるんです?)。これらの行動を報道することは、結果的に、彼らの勧誘の一助になってしまっている。テロリストは、メディアなどによって、彼らの振る舞いが宣伝されることで、彼らの目的のために、より多くの隠れた同調者や公然とした支持者を得ることや活発な勧誘に資するようになることを望んでいる。金は彼らにとっては公権力に対抗する活動を遂行するための道具であって、ゴールではない。
国際的組織犯罪に参加するグループは、典型的には、公権力やメディアからの注目を避けるために、隠れて活動に従事する。犯罪的な組織化は、政治的な変革よりも、彼ら自身を富ませるために利用される。当局に対して彼らが行う阻害的行為は、彼らの活動にとって都合がいい条件を作り出し、拡大し、維持するために行われる。(メキシコの麻薬組織が、警察や行政を殺しまくる系のやつだろうね。これがTOC条約が取り締まろうとしてるもの)
実務的には、上で説明したような違いというのは必ずしも表面化していない。セクションBで示す例に見られるように、テロリスト集団の中には、国際的組織犯罪に関わったり、深く関与しているものもある。両方の集団(テロリスト集団と国際的組織犯罪集団)が、彼らの活動にとって望ましい状況といえる、永続的な不安定さを維持するために活動している。国際的組織犯罪集団は、資金、武器、その他のテロリストが持続するために必要な手段を提供することができる。
なんでこの文書が、TOC条約がテロリズムの防止に役立つもので、TOC条約が、テロリストの資金的活動にconspiracyが必要だって言ってる根拠になるのかわからんよ。ヤクザの親分が子分に暗に指示して、子分が鉄砲を所持した件については、親分を共謀共同正犯でしょっ引いてる判例があるんだし、ここは共謀で逮捕できるっていう例になってるでしょうよ。ほんとにクソみたいな理屈こねてきやがるな。明らかに、国連事務総長報告では、テロリズム集団と国際的組織犯罪集団を区別してます。理論的に区別できるけど、必ずしも明確ではないっていってるのはその目的。国連の見解では、テロリストと組織的犯罪集団は別。大事なことだから二回いったよ。クソ外務省。
「テロリズムの定義について、一般的な意味についてなんといっているかというと、えー”特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れ等を強要し、または社会に恐怖等を与える目的で行われる殺傷行為等をいうと承知している”と。これについて特定の主義主張とはなんですか、聞いたら”一般的な意味としてのテロリズムにかかる集団が行う殺傷行為等のよりどころとなる主義主張”ということです。で、”特定の主義主張”を、テロリズムの説明のところに、代入すると、テロリズムの説明のところにテロリズムという言葉出てくるんです。これ自家撞着を起こしていませんか、副大臣」
(暫くの沈黙の後、事務方から耳打ち、多分この後答弁に立つ人たちは林局長以外、自家撞着の意味を理解していないと思われる。)
岸
「今のご質問には同意できないと、同意できま、せん。同意できません」
(緒方んんんん?)
「再度お願いします」
岸
「いやわたし単に、論理学の話をしているのであって、テロリズムという言葉を説明するときに、全部いろんなものを代入していくと、その定義の中にテロリズムという言葉が入ってくるんです。これだとどんどんどんどん議論がループしていって、何がテロリズムなのかということがわからないじゃないですか。これまさに、自家撞着なんですよ。これが政府の答弁なんです。これがおかしいでしょと聞いてるんです。」
(?これ答弁しようがないんだよ。それこそ趣旨を明らかにしてからじゃないと全部を読めない状態でー)←私はアホですとの自己紹介はよしましょう。
(緒方だって配布資料に(ありますよ)配布資料見ていただければ。)
「速記をとめてください」
約一分鈴木
「岸外務副大臣」
岸
「あのぉー、テロリズム、の定義につきましては、先ほど主意書の前段にもございます。また先ほど大臣から答弁があったとおりでございます。あの質問主意書の中身の部分につきましては、通告をいただいておりませんので、この場で詳細にお答えすることは差し控えさせていただきます。」
「じゃあ今考えていただいて結構ですよ。でもこれ、政府答弁で、おそらく外務省も法務省も、これ協議にあずかって、どなたか後ろにいる方に話を聞いていただいても結構ですよ。しっかりと詰めて答弁書書いたはずですね。で、そのテロリズムの一般的な定義の中に、特定の主義主張とある。そして、その特定の主義主張を説明してくれといったらその中にテロリズムという言葉が入ってくる。これであれば、まさにこの法案のテロ等準備罪の、テロという言葉が入ってるにもかかわらず、そのテロ、の中身が自家撞着を起こしている状態であるということは、これは、国民からして、納得のいく中身になっていないでしょと聞いてるんです。それはまさに、見て思いましたよ。ほんとに変だと思いましたよ。でもこれが政府の答弁であるのならば、これ答弁の中で自家撞着をおこしていることをどう思いますか、と聞いてるんです。これ外務副大臣でも大臣でもどちらでも結構ですよ。」
岸
「ご通告をいただいていないので(略)・・・・」
「(略)自家撞着を起こしていることはお認めになるんですね」
岸
「繰り返しになりますが、ご通告をいただいておりませんので、また質問主意書、につきましては、そのー答弁のとおりであります。」
林
「あのー自家撞着という意味はわたくし、即座に理解できませんが、言われております、答弁書の中で、特定の主義主張とは一般的な意味としてのテロリズム集団が行う殺傷行為等のよりどころとなる主義主張。という部分についてお答えしているのは、これは、特定の主義主張というものが、この殺傷行為、テロリズム集団が行う殺傷行為等のよりどころとなる主義主張であるというこの関係性をご説明、あの答弁したものと私は理解しております。そういった意味において、質問に対して、また同じ言葉で答えるとか、そのあるいはお答えの中に質問の前提がすべて含まれているという意味での自家撞着そのものというような理解は私はしておりません」
「これ閣議決定した答弁書ですよ。単に私は特定の主義主張(意味的にはテロリズムとはかな)は何かというところで、次の答弁書できたものをパカっとはめたら、それは関係性を述べたものであって、それがすべてではないみたいな言い方されると閣議決定した答弁書なんか何にも信頼できないですよ。今私が言っているのは、ほんとに、単純に、テロの定義の中に特定の主義主張とあるから、それは何だと聞いたら、答弁があったから、これをそのままいれたら、議論がぐるぐる回って、成立しないでしょと。関係性とかおっしゃりましたけど、刑事局長のおっしゃること、まったく論理的じゃないですよ。もう一度答弁ください。」
林
「特定の主義主張の内容については言ってない、関係性をいっただけだから、自家撞着じゃないよ」(これは一応論理は通った。でもテロリズム集団の定義を聞いた答弁としてはだめだよ。)
このあと、定義があいまいで、わかりやすい事例とか言うなと切れる緒方議員。金田に聞いても無駄だって。
最後の緒方さんのまとめ主張は筋が通ってるしそのとおりだろうね。
その他の法律では、テロリズムを、政治的な主義主張としているが、なぜわざわざ特定のと変えているのはどうしてかという質問について
「今回の法律におけるテロリズムはあくまで例示でありまして、この法律において、テロリズムの定義を明確にする必要というのは、あーこの法律においては肝ではないと考えておりましたが、先ほど答弁したように、あくまでテロリズムというのは一般的な意味で使っているということであります。」
「すごい答弁ですよ、テロリズムという言葉を定義する、これは全然この法律において肝でもなんでもない、とすごい答弁でした。最後に一言だけ言わせていただきますが、なぜ、政治的その他の主義主張という言葉を使わないかというと、これにしてしまうと、今回の法律の中で、カバーできないものがあるんですよ。だから特定の主義主張と、範囲を広げているんですよ。でも範囲を広げた結果として、それは何ですかと聞かれてしまうと、それが自家撞着を起こすような説明にしかならないんですよ。だから問題だといってるんです。」