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2017-04-07

アメリカインディアン酋長に関する疑問

Wikipediaインディアン関連の項目を眺めていると、各所に「酋長とはあくま調停者であって指導者代表者ではない」と強調するような記述が出て来る。

インディアンたちには指導者など存在せず、それを白人たちは理解できなかったので、酋長指導者と見なして見当違いな交渉を行ったのだ、といった主張である

しかし、Wikipedia以外で同様の主張は見つけられない。

たとえば日本語版の「ジェロニモ」の項目。

ジェロニモ - Wikipedia

ちなみに戦士集団だったアパッチ族には「酋長戦士が服従する」という義務風習もない。戦士は結束はしてもすべて個人行動で動くものであって、戦士たちはジェロニモ個人を慕って抵抗戦をともにしたのであるジェロニモ軍事的指導をしたこともない。

インディアン社会チーフ酋長)とは、交渉の矢面に立つ「調停者」のことであって、「指導者」や「首長」ではない。合議制社会であるインディアン部族首長制ではなく、アフリカ部族に見られるような「部族長」は存在しない。

リーダーであることすら否定しかねない勢いだ。

対して英語版

Geronimo - Wikipedia

Geronimo was a prominent leader and medicine man from the Bedonkohe band of the Chiricahua Apache tribe.

ジェロニモチリカウア・アパッチのベドンコヘ族の著名な指導者であり呪術医であった。

At any one time, about 30 to 50 Apaches would be following him. However, since he was a superb leader in raiding and warfare he frequently led large numbers of men and women beyond his own following.

常に30から50人ほどのアパッチ族が彼に従ったが、彼は襲撃と戦闘の素晴らしい指導者であったので、しばしば彼自身が率いる以上に多くの人々を導いていた。

こちらは「leader」という語の使用に躊躇も注釈もない。

英語版アパッチ族の項目。

Apache - Wikipedia

Local groups were headed by a chief, a male who had considerable influence over others in the group due to his effectiveness and reputation.

その有効性と評判により、集団内に多大な影響を及ぼす人物が、酋長としてその土地集団を率いていた。

The chief was the closest societal role to a leader in Apache cultures.

酋長は、アパッチ文化において、指導者に最も近い社会的役割果たしていた。

The chief's leadership was only as strong as he was evaluated to be—no group member was ever obliged to follow the chief.

酋長指導力は、彼が評価される限りにおいて強力だった――集団内においては必ずしも酋長に従う義務はなかった。

やはり一種指導者立場であったことは否定されていない。

たとえばスー族の項目。

スー族 - Wikipedia

しばしば誤解されるが、「スー族全体を統率する大酋長」といったものは、過去にも現在にもスー族を始めインディアン社会には存在しない。「酋長チーフ)」という立場あくまで「調停者」、「世話役」であり、誰かに「任命」されるような性格のものではないし、「裁判官」や「指導者」といった役割を持ったものではない。文字を持たないインディアン部族にとって弁舌の立つ者は尊敬され、調停者として「酋長」となる。しか酋長は「首長」ではないし、部族民を従属させたり命令する権限など何も持っていない立場のものである

Sioux - Wikipedia

Leaders were chosen based upon noble birth and demonstrations of chiefly virtues, such as bravery, fortitude, generosity, and wisdom.

指導者は、高貴な生まれと、勇敢さ、剛毅さ、寛大さ、賢さといった酋長としての美徳にもとづいて選ばれた。

血筋能力により部族に影響を及ぼす立場にあった……といった英語版説明は、一般的部族社会指導者イメージとよく合致するのではないか

確かに、国家社会における君主的な権力はなかったのだろうが、それにしても日本語版記述はあまりにも執拗であり大袈裟にすぎるように思われる。

はいえ、英語版記述が常に正しいというわけでもないだろうし、最新の研究によりインディアン部族社会特殊性が明らかになったという可能性もある。

インディアンに詳しい増田がおられたら、是非ともご教示を願いたい。

2017-03-15

尖閣諸島ドローンによって侵略される

ドローン技術進化が凄まじい。

amazonドローン配達をさせようとしているし

Youtubeで「drone gun」で検索をかければ遠隔操作ドローンが銃を撃つような動画なんかも見られる。

こうなってくるとドローンAIを搭載して自律的監視したり攻撃したりするのは時間問題だと思う。

ルンバみたいに自分で電力源まで行ってプログラムに従って掃除するように

ドローンも電力供給源のあるドローン基地ドローン空母)みたいなのから勝手に飛んで軍事的業務についていく

みたいなことが行われると思う。

そうなってくると海上での軍事行動にもドローン配備されることになるから

ゆくゆくは尖閣諸島付近ドローン現在中国漁船に取って代わって領空侵犯してくる日も近いのではないかと思う。

まあその前にアメリカ軍ドローン配備するんだろうけど

2017-01-26

アパホテル歴史観バカにしている「インテリ」の危険

例の騒動アパホテルを絶賛している人たちの頭の中には「南京大虐殺で30万人が殺されたなどというデマ日本を貶めようとしている中国」と「そんな中国に対して毅然正論を述べるアパホテル」という構図が出来上がっている。

中韓に媚を売っているパヨクマスゴミミンス政治家より、なんと頼りになることか。

だいたい、今の政治家は、アベ総理ですら、中国が明らかに日本領土軍事的な関心を高めているのに、ろくな対応もできず、「インバウンド」とかいってますます中国人日本によびよせて便宜を図ろうとしている一方で、日本人生活は、一部の「上級国民様」をのぞいて、ちっとも良くしようとしない。

それでいて、海外にでりゃ援助をばら撒いて、エエカッコばっかりしたがる。

いっそ、元谷さんみたいに、一代でビジネス成功するだけの実績があって、はっきりモノを言える人が政治家になったらいいんじゃないのか・・・となれば、日本版トランプの登場まであと一歩だ。

アパ代表うまいところは「南京大虐殺で30万人というのはデマだ」とか、「中国政府民間企業弾圧している。言論弾圧には屈しないために、書籍撤去しない」とか、部分部分では反論しにくい正論をだしてくるところだと思う。

ここで、アパホテルの例の書籍が、いかに間違っているかを力説して、「あんなの信じるネトウヨの頭の弱さが信じられん」とか小バカにしてたら、トランプ大統領当選予測できなかった、アメリカの大半のインテリマスコミと同じ轍を踏むんじゃないか危惧している。

2016-10-01

大学軍事研究するのはいいんだが軍事アレルギーアレルギーは黙れ

DARPA予算もらってる研究者と共同研究してる関係で,間接的に軍事予算使って軍事研究してる日本大学教員だ.さあ軍事アレルギーの皆様は存分に叩いてくれ.

軍事研究が嫌なら金をくれ

だがな,大学は増え大学教員も増え,文科省から降りてくる研究費は減り,そのくせ社会から大学への要求が増えている今,軍事予算でももらわねぇとやってられねぇんだよ.時間金もない.金で時間節約するためにも金がいる.そんな底辺大学は知らんって?タイムズ世界大学ランキング日本国内10位くらいのうちが底辺だってならそれもいいだろう.それにだ,自分で言うのもなんだが俺がやってる研究なんざ,どう軍事的に役に立つのわからん

DARPA無人爆撃機作ろうぜ」

ワイ「よっしゃ無人爆撃機に指示を出すための音声認識ソフト作るわ」

DARPA「ええで」

ワイ「ええんか」

ってぐらい目的とずれた研究テーマが許されてる(研究テーマ架空のものです).所詮共同研究者だってのもあるが,科研費なら確実に怒られるくらい研究者に広い裁量が委ねられてた.防衛省予算がどんな形で使われるか知らんが,NHK特集したのが船の抵抗を減らす研究だっけ?NHKが総力を上げて一番軍事に使えそうな技術を選んだ結果がそれか?普通に民間の役に立つ研究じゃねぇか.積極的支援されて然るべきだ.お前らそんなに科学技術の足引っ張りたいのか.だったら裸に腰蓑付けて日本アルプスの奥地で猪でも狩ってろ.

それでも嫌なら科研費増やしてくれ.なんなら民間財団法人作って助成金配ってくれても良い.そうだな,年200億くらいくれるなら防衛省予算選択する人間は減るんじゃないか?なんだかんだ言ってもやっぱり防衛省予算にはそれなりに規則や縛りってのはあるから研究者裁量で使いやす助成金があったら飛びつくぞ.

手柄を横取りすんな

あと逆に,「軍事戦争科学技術の発展に貢献した」とかい軍国主義者だか歴史修正主義者だか「軍事アレルギーアレルギーだかも黙っててくれ.そりゃまあ確かに,コンピュータインターネットスペースシャトルも大量の軍関連予算が投入されて今日の発展を遂げたよ.それは間違ってねぇ.だが,それは軍関連予算なしでは成し遂げられなかったのか?コンピュータインターネットスペースシャトルも,アイデアや試作品大学とかの研究者がすでに持っていたものだ.だったらそこに金と人を投入しさえすれば進歩はしただろうし,別にそれが軍関連予算である必要なんかない.別に軍事研究副産物として生まれたわけじゃねぇ(電子レンジ軍事副産物と言ってもいいが).黙って金だけ出してろ.手柄を横取りするんじゃねぇ.

そりゃ原子力爆弾を作るためのマンハッタン計画で得られた膨大な研究データ原子力発電所を作るために活用されたよ.でもだったら最初から原子力発電所を作るために研究費とマンパワーを投入したらもっといいものが出来てたんじゃないかV2ロケットロンドンにぶち込む手間を考えたら,最初からサターンロケットの試作機作ってたほうが良かったんじゃねぇか?そもそもマンハッタン計画アポロ計画もその予算捻出のために,他の科学技術関連予算削ってたんだぞ.お陰でどれだけのプロジェクトが潰れたことか.全体で見れば明らかに科学技術の発展の足を引っ張ったじゃねぇか.

科学技術を発展させたいなら何も言わずに金をくれ.縛りを付けたり歪な選択と集中をやった上に,科学技術わしが育てた,とか手柄の横取りすんじゃねぇ.

まあでも軍事必要

つっても国防必要で,そのための研究開発が必要だってところに異論はないよ.そのためにそれなりの予算を割くことも仕方ない.そのお溢れに与れるなら僥倖だ.デュアルユースってが落とし所として妥当だってのはわかる.分かるんで,今の流れに異論はねぇ.だが財務省はしっかり文科省予算つけろ.これで良いとか思うな.

軍関連という色の付いた1000万と民間財団助成金のような色のない1000万なら,色のない方が研究者目的に沿った研究ができて科学技術は発展するよ.軍事研究科学技術の発展に貢献したなんて寝言は寝て言え.

だが色の付いた1000万と色のない100万なら,色があっても1000万のほうが科学技術は発展するんだよ.だから軍事研究が嫌なら金をくれ.それだけだ.

2016-08-13

http://anond.hatelabo.jp/20160807180951

(つづき)

三ツ目が発射した「超クリック音」を、まともに食らってよろめいたところへ、突進してきたオーシャン・ハチェットに激突されて気絶、水面を漂うゴジラ。象用の麻酔弾を打ち込んだうえ、二艘トロールで回収するG国。

 航行不能になった船舶も曳航されていく。無人デバイス2機を帰投させ、落雷機やハイロメデューサも回収して後を追うオーシャン・ハチェット。海軍巡視艇の乗員を全て救助し、最後尾を勤めるMYキャニー・ロデル

 資源探査用の大型トレーラーが用意され、クレーンで載せられて、ガリバー-in-リリパット状態に縛り付けられるゴジラ軍用車両前後を固められ、首都へ向け搬送されていく。

 港から見送る、三ツ目とシー・リカオン達。


「三ツ目たちとしては、本当は引き渡して欲しいんだよな?」

『ヒトの領域なので無理強いはできない、と言ってます。』

「随分ものわかりがいいな?」

『ヒトのルールでやってほしい、と』

「……え、何を?」

実力行使でない、争い……の解決?』

「は…?」

もしかして裁判?……してほしいのか?」

「オルカが、訴訟を提起しましたよ…」

「ええ~?今、中継してませんよ。嗚呼、しくじったぁ。」

「待ってくれ、それだと俺たちも当事者になるんじゃ?」

「そうだろうな。お誂え向きにも、全員そろっている。」

「シンユウマルもか?」

公海上だったろ?……どこで裁判やるんだ。」

協定違反を罰するときは、両方の種族?…の代表がいないとダメ、と言ってます。』

「三ツ目が代表者なのか?」

ゴジラ側の代表がいないじゃない。」

『既に呼びかけをしている、だそうです。』

「はー。貴方も、こっち来た方が良くない?」

 


逆叉側に訴訟提起の意向があることは、翌日シー・リカオン本部からG国へ伝えられた。しかし、G国が原告をやるとしても、ゴジラ被告として認めることは、被告の「不法行為地」が国外であることだけでなく、CBD名古屋議定書でいう遺伝資源ゴジラは該当しない…と解釈する余地が生じる。だから環境NPOの間では「G国は認めないだろう」という予想が大半であった。それに…


そもそも、都合が良すぎんだよ。」

何となく馴染めない朝食を頂きながら、シンユウマルの乗員も、この話題に乗ってきていた。港のシー・リカオン達とは離れて、首都ホテル提供されており、軟禁されていた砲手長たちとも合流していたが、後者グループは「大使館へ行かなくては」「修理の手配とかあるから」と早々に外出、ホテルの朝食には出てきていない。


「何の都合?大鯱の側は八つ裂きにしたいの我慢してるんだろ?」

「あれは、シー・リカオンが飼い慣らした鯱だろうが。普通そう思うぞ?」

あんなでかいの、どうやって連れてきたんだ?」

「鯱の言ったふりをして、どうぶつ団が訴訟をしたがってる?何でだ?」

「だから人間通り魔とかと同じ扱いにしてやりたいんだろ?」

「なるほどな、ゴジラが鯨だからか。シー・リカオンの都合で訴訟をするというわけだ。」


オーシャン・ハチェットの甲板で、朝食をとっていたシー・リカオン達の間でも。


本部が乗っかるとは…」

「でも、確かに。よく考えると、うちとして他に選択肢がないな。いかに暴れたとして野生動物。G国の”財産”を収穫してあげました、というわけにもいくまい。オルカ側の権利主張も無碍にできないしな。」

「でも、この構図まずくありませんか?」と記者

「なんで?」

最初から裁判をしたがっていたのはシー・リカオンだ…という話になりはしないかと。オルカの言うこととは信じられないでしょうから。」

「え?…だって、あの”通訳”はうちじゃないぞ?」

「そうだったんですか?でも、外から見れば一緒でしょ?」

「……」

「………。」

「あれ、急に無口に?何でです?何か、あるんですよね~」

「それはそうと。三ツ目の奴、ええかっこしいじゃねえ?」

「…何でです?」

若いオルカの素行の悪さ。うちにいるとよく聞くだろ。ちょっとしたギャングみたいだってあいつらがルールとやらに従ってると思うか?相応の罰をもらってると?絶対そんなことない。」

「異種族尊重するように見せて、足下?はボロボロだと。」

「他のオルカも、ゴジラの扱いを聞いたら頭にくる奴もいるんじゃね?」

「まあ、そのあたりも含めて人間ぽいところだな…」

「オルカのことはまあ。それより、シンユウマル感謝の意を示すというのがな…どうなっちゃったの本部は?」

「”ゴジラによるIUU”を協力して阻止した…という理屈らしいぞ。」

「でも、シンユウマルが自ら”囮”になってくれなかったら、捕獲できなかったろうからな。確かに、そのあたりが落としどころだろう。」

「それにしてもG国の方は…”ゴジラ遺伝資源ときたか。」


シー・リカオン本部はともかく、MYキャニー・ロデルやオーシャン・ハチェットなど現場側は、G国の目当てが「遺伝資源」の権利であると思っていなかったので、まんまと利用されたのが非常にこたえていて、その点でも裁判をやる方に傾いていた。


意外なことに、G国は裁判を認めるという。

要は、国際社会が納得するまで、ゴジラ処分を控えるということらしい。


三ツ目の側は、個別傷害事件ではなく、あくまで「国家」として訴訟をすることを主張。「協定」に基づいてゴジラ側に呼びかけを行っているとのこと。


『一ヶ月前からだそうですね』

マリナワールドが襲われる前からか…」

『今は裁判場所を伝えるように、あちこちの……ハブ?……に交代で赴いてるとのことですが、まだ接触できてないようです』

「そのまま接触できないと、どうなるんだ?」

協定では……30日間応答がなければ、代表者抜きでやれるようになってる、と言ってますね』

「ふーん、じゃもうできるのか。」


港にて三ツ目との会見を行うG国大統領。

貴殿、オルカの国を代表しているというお話ですが、その証拠はありますかな?」

『お見せしても良いが貴殿の許しが要る、と言ってます。』

「?…かまわんとも。」


海洋学者が自前のシステムで了承の意を水中音声にした瞬間、見えない影が沖合にすっ飛んでいったような…

「何だ?今の。」「忍者オルカ?」


待たされて苛つき始める大統領。三ツ目に厳しいことを言おうとした瞬間、海面に異変が生じる。無数の三角形海上でひしめきあっている。鳴き声などはいっさい無く、黒い体に波の音すら黙らされる。静寂が、かえって恐ろしい。


しばらく絶句していた大統領


「すごい…数……ですな。」

『ほんの一部、だそうです。公海で待機している者たちの。』

「なんと、EEZ境界がわかると?……まあ、いいでしょう。国連などの見解も同じだといいですな。」


 そのころ、大使館へ来たシンユウマル船長から電話で報告を受けている鯨研内では、現場よりも強い危機感が生じていた。


ゴジラから、訴えられるかも…ということで?」

「そんなのはどうでもいい!公海上のことだ。訴えられても、受理しなければいい。」

「では、何が?」

ゴジラでも鯱でも、訴訟当事者になれるとなれば…どうなる?」

「あっ……!」

「我々は終わりだよ。すぐにUNCLOS加盟国筋へ働きかけねばなるまい…」

しかし、あの……ITLOS行きは避けられても、ICJのほうへ来たらどうなるんで…」

「うるさいぃ!!」



結果から言うと、鯨研側の心配杞憂に終わった。「通訳である海洋学者が”失踪”したのである。おそらく原因はスキャンダル。シー・リカオン海洋学者との過去因縁ネットニュースで「暴露」されたのだ。

金銭のつながり等ではなく、その真逆大学研究予算や優秀な学生達を奪われたのどうので、かなり争った過去があり、今でも犬猿の仲だというのだ。


「有名な話だと思ってたんだが…昔のことだからな。」

「知りませんよ。でも、道理で…いくら誘っても、来てくれなかったわけです。」

「というか、よく今まで協力してくれたなあ。」

「うちじゃなくて、”三ツ目に”協力してたんだろ。」

「まあ、オルカ達には、ヒトのシステムなんかなくても、勝手に争ってもらえばいいわけだしな。」

「G国としては、よくないだろ。」

「あっ、そうか。」


当の三ツ目はといえば、人間側へ何ら挨拶もなくスパッと立ち去った。それを知った記者の落胆ぶりは気の毒なほどで……とまあ、色々あったが。シー・リカオンとしても本件から手を引く理由ができたし、G国とは本来の協力関係に戻ろう…という方針になった、そのときであった。


ゴジラ最後闘争を開始したのは。


突然。厳重な拘束にも関わらず、自らが縛り付けられていたトレーラーを「背負い投げ」し、丁度観察に来ていた政府要人たちを「ぺちゃんこ」にしてからボロボロになった前脚を戦利品よろしく掲げた軍人たちの写真公表されるまで、12時間ほどを要した。

首都居住者たちがアップロードする映像からゴジラの「足取り」を再構成するのがネット上で流行したが、それで視覚化された被害も恐ろしいものであった。

陸軍からは「意外とあっけなかった」との談話公表されていたが、炎上する基地を背景に、横転した戦車や、降着装置まっぷたつにされてつんのめっている航空機写真などが出ていると、やせ我慢しか見えない。

後脚にもナイフが仕込まれていたのを見落としていたのでは?武装テロが仕掛けられたのでは?前脚の写真しか公表しないのは、ゴジラ戦闘力軍事的価値が生じたためではないか?…と、色々な憶測も呼んだ。

もっとも、環境相が真っ先にトレーラーの下敷きになっており、遺伝資源としての価値を主張する者がG国に居なくなったというのもあるのかもしれない。


三ツ目たちの呼びかけに応じる者が現れなかったというのは、要するに…あれが最後ゴジラなのだろう。


大型種の最後。「協定」の当事者たる種族消滅した。三ツ目達の引き際は、そういうことなのだろう。そして。

ゴジラが現れなければ、キラー・ホエール…すなわち逆叉と”話”をする機会もなかったというのも、また真実であろう。」


記者は、そのように終えて。原稿を「送信」した。

2016-08-07

シン・ゴジラ見た。

 テンポはとてもいいんだけど、細かいところが気になっちゃって、今一つ嵌れなかった。

 

 まあそうはいっても、正直なところ「原子力(微)生物」ってどんな描写にしたらいいのか想像つかない…。

 自分で考えようとすると、「原子力」抜きでエメリッヒ版みたいな「ありそう路線」になってしまう。











↓こんな感じ

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グリーンランドバイキング居住地遺跡。逆叉の骨が大量に散らばる中に、奇妙な足跡発見される。

氷河期の巨獣たちが生き残っていたのか? バイキングは何のために逆叉を、危険を冒してまで捕っていたのか?

…訝る学者達。

(生き物としての逆叉の凄さが語られる)


そのころのカナダ

逆叉の「聖地」で、鯨類の研究……特に、逆叉の「会話」を傍受・研究してきた海洋学者が、パニックを起こしていた。


「とにかく、様子が尋常じゃないんだ!」

…と、報道記者やDFO、さらにNOAA必死アピールするが、禄にとりあってもらえない。


「減ってるって言うけど、ここから移動したのかもしれないでしょ」

「オルカに迫る危機…って線なら良いと思いますが、”人類への脅威”みたいな言い方は疑問ですね。恐れながら、入れ込みすぎでは?」

「オルカと人類を同一視しておられる様に見えますよ。」


しかし、すぐに。「北大西洋では、逆叉の個体数は急速に減少している」との見解を、別の科学者も示す。

明らかに何らかの異変が起きている。学会NGOなどに緊張が走るなか、さらに身近なところで事件が起きる。海洋娯楽施設マリナワールド」のスターである逆叉達が。一匹、また一匹と、痕跡も残さずに飼育プールから「消えて」いってるというではないか


通報を受け、マリナワールドに張り込むTV局や警察の目前で。10m以上に及ぶ“何か“が「突入」してきて、最後の逆叉が瞬時に両断される。その様子や、警察ライトに驚いて?凄まじいスピードで逃げる「何か」の不明瞭な映像が放映された。

こいつは一体何だ? いったいどうやって海水導入溝の多段鉄柵を越えているのか? 全世界の注目を集め、前後まっぷたつにされた逆叉や現場の遺留物から、様々な「正体予想」が氾濫する状況に。

そして、報道学者環境保護団体「シー・リカオン」などが州軍とともに詰めかけるのをあざ笑うかのように、100km以上南にある別のマリナワールドが襲撃される。今度は一夜にして12尾の逆叉を全滅させ…たのみならず、施設の大規模な損壊火災行方不明者を出す事態


キラー・ホエールキラー州軍迎撃陣の裏をかく!」

「KWK、ヒトの味を覚えたか?」

 騒動が大きくなって、最初海洋学者に再びスポットがあたるが…。

「頭おかしくなっていたんだ、きっとそうだ…だって、ありえないんだ!」

「どういうことです、あなたは何を見たんです?」

「うぁあっ…勘弁してくれ!」


幸いというのか、北米犠牲はそこまでであった。

今度は、西南アフリカ…。とあるマグロ密漁船が、環境保護団体シー・リカオンのIUU監視阻止船「MYキャニー・ロデルから逃走中に突然、沈み始めたのである。余りに速く沈んでいき、誰も浮かび上がってこない。

マリナワールドからは余りに遠く、KWKと結びつける材料もなかったので、現地国家「G国」海軍に対鑑武装を疑われるMYキャニー・ロデルの乗組員たち。調査で乗り込んできた軍人たちの目前で、軍艦のほうが襲われる。船尾の舵が壊されたのち、水中から飛び出して甲板に跳び乗ってきた”それ”は、あの特徴的な背鰭と禍々しい皮膚を備えていた。

「あれは?…あの、KWKじゃないのか?……しかも、脚があるぞ!」


軍人達は銃撃を浴びせるが殆ど利いてない。シー・リカオン側の船長は、とっさにMYキャニー・ロデル封印装備…「爆発電気銛」を使い、KWKを追い払う。そうこの船は、嘗てノルウェー捕鯨船だったのだ。シー・リカオンとして決して使ってはならない装備を……苦悩する船長


そのころ、マリナワールド遺留品調査していた学者達は驚くべき事実を突き止めていた。DNA解析によれば、KWKに最も近縁な生き物は、鯨類だというのである

(昔は鯨にも脚や頸があった、現世の鯨類から万年前に分岐した…などの蘊蓄が語られる)


「KWKの正体は鯨類と判明。即ち、キラー・ホエールキラー・ホエール!」

ゴンドウ・クジラ類にもっとも近いとされたこから、米NOAAは”ゴジラ”と命名。」

「遺留物の分析からゴジラの表皮や背鰭には鯨類が放つ声…音波を吸収ないし散乱させる性質があると判明した。つまり、逆叉はゴジラ待ち伏せを探知することができない。おそらくはソナーも…」

ゴジラ待ち伏せ型の捕食者であり、ゼロダッシュの加速は凄まじいものがある。」

「頭部の唾液腺のような器官からは、着火性のある炭化水素類を噴出できると思われる…!」


一気に情報が溢れるなか、口をつぐんでいた海洋学者までが、

「あのとき私が見たのは、陸へ打ち上げられるオルカ…を追って、このゴジラも上がってきて。オルカをあの後脚で押さえつけて、前足から飛び出したナイフで……おおぉお!」


さて当のG国では、EEZ内でも出没するゴジラ正規漁船が入漁を見合わせるなど損失が拡大、洒落にならなくなってきた。他国組織からの介入を強く牽制するが、ゴジラ対応できる改装を行うこともままならない。

一方、シー・リカオンに対しては、G海軍密漁対策連携していた経緯から、またKWKが野生動物と判明したことから、G国政府さらなる協力を求めてくる。

しかし、結果的にせよ”鯨類”に銛を向けてしまったMYキャニー・ロデルは、船長も乗組員も動揺が激しく、身動きがとれない状態であった。


一方。

極東の「鯨類研究所」は、ゴジラを”害鯨”と認定、「調査捕鯨に乗り出す」と公表インド洋上の目視採集船「シンユウマル」が、喜望峰を回って大西洋に入る。衛星の合成開口レーダーで同船の動きを追うシー・リカオン。シンユウマルは、かつて南氷洋調査母船シンニチマルとともに、MYキャニー・ロデル挟み撃ちにして、癒えない傷を追わせた仇敵である

しかし。G国が箝口令を強いているため、シンユウマルは、ゴジラがどうやって軍艦航行不能に陥れているか知らない。


そんな中でG国は、シー・リカオン新造IUU阻止高速船「オーシャン・ハチェット」の派遣正式要請した。

ゴジラはヒトを”密漁”しているのです。それで十分ではないでしょうか? それに、貴団体新造鑑には色々”特殊な装備”があると伺います殺処分なら時間をかければ私達でも、あるいはシンユウマルでもできるかもしれませんが…」


実は、G国は。ゴジラ公海などへ追い出してシンユウマルにしとめられるよりも、EEZ内で”確保”するのが望ましいと考えていた。

CBD名古屋議定書に基づき、ゴジラを”遺伝資源”として研究収益化をもくろむであろうグローバル企業達を呼び寄せ「公正かつ衡平な利益配分」を受けられる、「ゴジラ遺伝資源ライセンサー」としての地位を確固たるものにするのだ。米国などで確保した断片程度の”遺伝資源”よりも、生きているほうが価値が高い。そのためにもシー・リカオンは利用できる、と。


そんなG国の本音を知らないまま。G国沖EEZへと急ぐオーシャン・ハチェットは、ゴジラ捕獲」の任務を果たせるのか?





その少し後。

G国沖、公海上に停泊するシンユウマルを後目に、海軍ヘリに先導され、EEZへ入ることを許されたオーシャン・ハチェットであったが……そのあとを巨大な影が追ってきた。シー・リカオン側がそれに気づいたのは、G国の港湾に入った後であった。

もう、ゴジラに追われていた?…身構える乗組員。既に接岸していた同船が、回頭できなくなるほど近くまで、巨体が寄ってきている。

しかし、「ピヨオウアッ!」…という鳴き声で甲板の緊張が解け、興奮へと変わった。


「オルカだよ!本当に大きい…すごい…」

それは20mにもなるかという巨大な逆叉。シー・リカオン等では、通常の逆叉が子供サイズに見える望遠写真で有名な個体だ。頭頂部にも、目の後ろのアイパッチと似た白い紋様があるため、「三ツ目」というコードが与えられている。


「三ツ目が、一頭だけ?」

「南から、シンユウマルを追ってか?あいつら、オルカの群に何かしたのか?」


から来たオーシャン・ハチェットについてきた筈はないから、ある意味当然の発想であったが。レーダー履歴は、シンユウマルが脇目もふらずにやって来たことを示していた。


「ウオイヨ、ニアァーウイウッ、プペラポポ~」

「やたらとアピールするな…」

「野生のオルカが一頭で港へ来て、こういうのって…とっても珍しいですよね」

「やっぱり、ゴジラのことじゃないですか?」


最後質問をしたのは、同船に同乗していた記者である。既にG国のモバイル通信網を経由して、映像送信を開始していた。

そのわずか5分後。記者スマホに着信があった。例の海洋学からである


『三ツ目が来てますよね?』

「もうキャッチですか…!」あきれる記者

『これ、見せられますか?』


海洋学者は、G国検閲済みゴジラ画像プリントを抱えている。甲板に大型ディスプレイが引き出され、大写しにして、色を少しずつ調整していくと…


「パアアアアアアア!!!」と、すごい大声。


「ほんとかよ。」

「ほら、そうでしょう?」

発音や解析の環境も一式用意していますので、画像を併用すればある程度通じるかと』

「え、ここでやるの?」

『ここまで積極的ですから成功率高いと思います


港へ出てきたG国政府の面々も、この状況に驚いたものの。三ツ目がゴジラ接触したがっていることを、すぐ納得した。


「何で、勝手に探さないんだ?」

一言入れてから、ということなんじゃ?」

『”わたしが囮をやる”と言ってますね…戦闘態勢に入ったオルカには手出ししてこないから、と。』

「何だ、古馴染みなのか?」

『大昔からのつきあいで、協定のようなものがあるそうです。それを破ったのだと。』

「あれだけ狼藉働けば、そうだろう…というか異種間のコミュニケーション、初めてじゃないんだ?」

『北のオルカはエコロケーションに頼りすぎ、だそうです。』

「あの。そういうの、貴方自身見解ではないでしょうね?」


こんな感じで。ディスプレイの中から、図版を沢山抱えた海洋学者が色々言うのに、誰もが半信半疑になりつつ。ともかく大逆叉の意向にそって「作戦」を組み立てることになった。


翌日。MYキャニー・ロデルが舷側に大布を吊し、そこに仮病の三ツ目を「収納」して、囮の役割を担う。かなり距離をとって、「ゴジラ対策」を施したオーシャン・ハチェットと海軍巡視艇2隻が追っていく。誘いを掛けるために、三ツ目は自らの血液までも提供した。


ゴジラ巡視艇の後方から現れた。急拵えの「枠」に阻まれて舵を壊せなかったものの、舷側に前脚を掛けて甲板に飛び乗ってきて、自重でロールを抑える。もう一隻のほうの甲板に軍人達が現れ、速度を落として併走しながら銃撃を加え始める。ゴジラは音もなく跳躍するが、足場になった側の船は強烈にロールしてひっくり返った。

ゴジラは、もう一隻の舳先に「着地」したかと思うと、そのまま海へ走り抜ける。その反動で急激な回頭が生じ、底を見せた一隻目に激突。軍人達も海に落ち、海軍は脱落を余儀なくされた。


「あれ、助けなくていいのですか?」と記者

ある意味、予想通りだろう。後方から救助が来るので、こちらは海岸に沿って遠ざかった方がいい。」

『もう外してくれ、だそうです。』

三ツ目の鼻先、海上すれすれにあるディスプレイの中で海洋学者が「通訳」した。一旦リリースすれば、意志疎通は難しくなるだろう。


「き、来たぞ…?…来たぞォオ!!」

保護布を巻き上げつつ、全速で離脱!」

三ツ目の巨体が音もなく沈み、MYキャニー・ロデルの起こした波だけが広がっていく。


「どうなりましたか?」

「あれ…?」


三ツ目の役割は疲れさせるだけ、の筈だが。水中で決着がついてしまったのか?…と全員が思い始めたときもつれあった巨大な塊が海面から飛び出したのは…


あんな後ろで!」

ハチェット、無視されてるぞ…」

「というか、さっきの軍のほうに向かってる?」

大口叩いてたけど、馬乗りされてなかったか?三ツ目。」


オーシャン・ハチェットは、搭載の無人デバイス類を離鑑させていたが、標的に「無視」されてしまったので回頭を始めていた。


「三ツ目に戻ってくるよう伝えられないか?」

「もう無理だろう」

「こっちに誘導してくれないと、まずいぞ?」


実際、流され続ける巡視艇公海に近づいていた。ゴジラはその「障害物」を巧みに利用して、三ツ目と渡り合っている様子である巡視艇の乗員は救命具でひとかたまりになって、二体の闘争から距離をとっていた。

そして、それを観測しているのはシー・リカオンだけではない。「調査」と書かれたブルーグレーの船体に白いブリッヂ……軍艦じみた奇妙な船の操舵室でも、どよめきが広がっていた。


「わざわざ足場を作ってあげてるとは…」

「何とやりあってるんだ、ゴジラさんは?」

「あれ、鯱じゃないか?」

あんなおおきい鯱がいるかよ!」

「上を飛んでいるのは何だ?どうぶつ団の連中のか?」


既に公海上であり、シンユウマルが接近していた。乗員達があわただしく動き、捕鯨砲の準備を行っている。

その鑑影を見て、シー・リカオン側に殺気が走った。


キャッチャーボート接近。シン……ユウ……マル……あれは"シンユウマル"だ!」

「こっちくんな、ポーチャー。」

「雷落としてやれ!」

冗談でも止めろ。裁判いくら掛かったかと…」


オーシャン・ハチェットから操られる飛行ドローンフリゲートバード」は上空で落雷装置を吊り下げたまま、ゴジラの疲れを待っている。同じく潜水ドローンバスケットスター」も特殊装備「ハイロメデューサ」を解放するチャンスを伺っていたが、目まぐるしく移り変わる二体の戦いに手を出す隙がない。

そこへ、速度を上げたシンユウマルが突進してきた。


「ああ、下がってくれ!」

「無理だ!手を出すなぁ!」

…と、若干芝居がかった嘆き声が響きわたるMYキャニー・ロデル船内。公海に出たので、例の記者がTV中継を開始したためだ。シンユウマルへの罵声は(なるべく)控えている。


「いやぁ、下がりませんとも。」

情報戦だなあ。うちも南アに寄って記者でも乗せればよかったかな?」

「よしましょうよ。」

…と、余裕を見せるシンユウマル側では、少し前に”クーデター”が起きていた。

 共倒れを狙い待機する方針を打ち出した砲手長が、大逆叉に畏敬の念を抱いていることを、若手の乗員達に見抜かれたのだ。

 鯨研の「情報戦」に晒されて育った世代にとって、鯨類へ「食品」や「天然資源」以上の評価を与えようとするのは許し難い裏切りであった。

 そして「鯱」はある意味、シー・リカオン象徴であった。この状況は、シー・リカオンが逆叉を操っているようにも、逆叉がシー・リカオンを操っているようにも見える。

 ゴジラと大逆叉。どちらに銛が刺さっても別に問題はなかろう?…この方針に反対する「年寄り」達は、船底の一室に軟禁されることとなった。


 迷いの無くなったシンユウマルが急速に二体へ接近する。三ツ目は深度をとっているのか、ゴジラはひっくり返った巡視艇の側で小休止している。

 絶好のチャンスに食らいつこうとするシンユウマルは、ゴジラ挑発しようと高度を下げていたフリゲートバード直下に入ってしまい、軽く「落雷」を食らってしまう。落ちた先がライトニング・ロッドではなかったため、諸々のシステムが停止し行動不能になったところをゴジラに襲われ、舵を破壊されてしまうシンユウマル


邪魔をするから!」

「いや、チャンスだ……シンユウマルの向こう側へ”手”を掛けようとする筈。急げ!」

バスケットスターハイロメデューサをパージします!」


 これまでのゴジラ船舶襲撃パターンから、先を読んだ指示が乱れ飛ぶ。水中ドローンから無数の「浮き袋」が密集状態で放たれた。膨らみながら急速に浮上していく。ゴジラ側の選択肢制限し、空中ドローンの「雷」を当てやすくするのだ。しかし…この状況では、またシンユウマルの側へ落ちるかもしれない。


 しかも、ゴジラは先程の「落雷」をちゃんと見ていた。舷側から上がろうとせず、上方を警戒して、すぐ潜行しようとする。そこにハイロメデューサが、相互に繋がった無数の「浮き袋」が浮き上がってきた。このまま押し上げられるとまずい…そう判断したのか、ゴジラはシンユウマルを蹴って距離をとろうとした。


「今だ。」「落雷機、投下ァ!!」


 フリゲートバードは、ゴジラの進行方向をふさぐように落雷機を落下させる。着水間際に相当なショックが走る筈…しかしその所要時間を見切り、逆に加速するゴジラ


「全速かけろ!ハチェット!」

嗚呼これは…間に合わない…」

「光った!落ちたのか?」

ゴジラ、頭を出したぞ!」

畜生…」


 MYキャニー・ロデルに広がる落胆の呻き声は、途中から歓喜の驚きに変わる。


「あそこ、三ツ目が!」

ゴジラ、様子がおかしいぞ?」

「痺れてるな…うまく泳げてない」

クリックアタック、食らわせたのか!」

「ぶちあてろ…ハチェット!!」


 三ツ目が発射した「超クリック音」を

2016-07-02

佐々木俊尚が「集団的自衛こそが国際社会軍事的常識」ってやってて(http://togetter.com/li/992818)

まあ、それを100%否定はしないけど

その「国際社会軍事常識」で「戦争」を防げている国がないということも、国際的には常識だと思う。

彼の意見は「現実的」なようで、「現状をただ追認する意見」に過ぎない。「こうあるべき」を論じてる人に「仕方ないじゃん」という話しかしない。だから相手を切れさせる。

そこが、どれだけ丁寧に説明しても、突っかかっている人を説得できない理由だと思う。

また、

集団的自衛軍事力戦争を生むと勘違いしている人は、それらが戦争を防いでいることに気付いていない」

というけれど、それはちょっと卑怯論法だと思う。それを言っていいなら

憲法9条平和が守れるんですかと馬鹿にする人は、それを盾にして朝鮮戦争にもベトナム戦争にも湾岸戦争にも、日本若者は行かなくて済んだことを忘れていますね」

という話も成り立つわけだよね。

歴史上の出来事仮定を許さないのだから、「あったおかげで起きなかった」なんてことを言っていいなら、いくらでも勝手な主張はできる。このあたりにくると、もう詭弁比べになってしまってる。


佐々木さんは、だいたい、何かを論じようとすると、冷静に見えてすぐ感情的になり詭弁を振りかざし始める、そんな、論争が下手…を通り越して「論争できない人」としての馬脚を現すというのが、自分の中の彼のイメージ。おとなしくルポだけ書いていればいいと思う。

2016-05-12

社会主義陣営の勝利パターン過去編】

過去

日本革命社会主義

二次石油危機を契機に日本共産革命

1980年代社会主義陣営では一家に一台PC-9800が普及。

ここから技術革新が進んだ社会主義国ステルス無人機アメリカ爆撃。

ヨーロッパソ連

ソ連の進軍がベルリンで止まらず、ドイツ蹂躙

そのままアルデンヌの森を抜けパリ占領ダンケルク連合軍壊滅。

新たに誕生したヨーロッパ衛星国社会主義陣営を支える。

一家に一台V2ロケットが普及し軍事的にも優位を維持。

アメリカ社会主義

ベトナム戦争自国社会形態に嫌気のさしたアメリカ社会主義に。

社会主義アメリカの巨大市場社会主義陣営を潤す

中国文化大革命大成功

舞い戻る百家争鳴の雰囲気の中、

中国4000年の伝統商売根性が融合し

ソフトパワーが見る見るうちに大躍進。

中国製ビルゲイツが4人ほど生まれる。

2016-05-07

米軍撤退

アメリカトランプ流行っていると聞く

ほぼクリントンで決まりだろうが、かつて日本アントニオ猪木都知事選に出た時よりも可能性が高いだろう

在日米軍撤退させると言うが、実現性は極めて低い

何故なら米軍撤退米国軍事的な縮小を意味して、そんな事、軍事関係の諸々の有象無象がとてつもない脅威を奮って妨害するであろうからである

しかしながら日本でもかつて語られていたように、ダム利権に手を出したら死人が出る。精肉業界にメスを入れたらただでは済まない。総連・・・

様々なアンタッチャブル事象にも次々とメスが入れられ、陰謀論も大したことねぇなと馬脚を現している

案外とやれるかも知れない

今のトランプ旋風はポピュリズムの最たるものだが、アメリカは実はこれに非常に弱い

大統領国民が直接選ぶ代償である

そんなことに日本が巻き込まれるのはばかげた話だが、いま日本自覚するのは、日本防衛が確固たる物ではなく、実は非常に危うい物の上に乗っかっている物に過ぎないという事だ

日本防衛をもう一度考え直す必要がある

別に軍事の増強を唱えるのではない

防衛力は十分である

専守防衛などと言う非現実的方針撤回するだけで十分である

ただしそれは絶対条件でもある

米軍撤退することなどありえないと言うのも間違いだし、他国が攻めてくることありえないと言うのも間違いだ

世界で指折りの軍事費を使っている日本がこれ以上に軍事的増強をする必要はない

ただ軍事に対する文法を変えてやるだけで十分だ

2016-04-09

国際情勢とかで最近思うこと

アメリカ仮想敵国であるロシア中国太平洋の遥か向こう側、それ以外の方角は同盟国や友好国に囲まれていて、そもそも自身世界最大の経済軍事大国でもある

EU経済的軍事的同盟国が地理的に多数密集している

そして、日本はというと…海を隔てたほんの数百キロ先に独裁体制共産主義国家が三つも並んでいて、頼れる同盟国は太平洋の遙か彼方

 

こういう違いをすっ飛ばして「日本と違ってヨーロッパでは…」とか「アメリカなら…なのに日本は…」みたいな話をするのってどうなのよ、と思う事がある

2016-02-27

北朝鮮国防委員会第一委員長 金正恩

是非、御国軍事力を、我々日本にお貸し頂けたらと存じます

私たち日本国は、安倍晋三という一人の人間の為に

少子高齢化不適切対処物価高騰における賃金が真っ向に

追いつかない状態、そして、安定した生活保障されず、

結局全て奴隷化され、自由を奪われ、苦痛を強いられている状態です。

確かに御国の厳しい規律には叶わないものの、自由な世の中で

安倍晋三という人物を筆頭に奴隷生活を強いられているわけです。

子供を産むも保育園に入れず、稼げない状態で、場合によっては

稼げないが為に子供虐待に陥らせることになり、その母親

逮捕されてしまうわけです。

日本人拉致問題のことは、もういいです。何も言いません。

私たち日本人の悲痛を解消するために、御国にあります核弾頭を1秒たりとも

わず同時に5000発を日本列島に向けて、発射して下さい。

ロケットの性能が不足していても、日米両軍の迎撃が完備していても、

日本列島を完全に破壊することができます

そして、金正恩様の国家が、本件におきまして、軍事的世界的な脅威となりつつ

上手にいけば、世界的に最も強い国家を築くことができることでしょう。

最後に、日本国代表して、安倍晋三並びに日本国が制定致しました

経済制裁につきましては、深くお詫びいたします。

2016-02-19

日本徴兵制を敷くことをオススメする3つの理由


1、 近隣諸国に対して抑止力になる


自衛隊技術や知識のない若者を集めただけでは、まったく役に立たない。

なので、徴兵しても意味がない、そういう意見があるがそれは間違いだと思う。


徴兵制を敷くことで、日本は一夜にして最低でも数十万クラス兵力を確保できるはずだ。

これにより、政府は「現在日本には100万の兵力がある」と、近隣諸国宣言できるのだ。

実際のところ、徴兵で集めた若者の個々の能力なんかどうでもよい。数字だけでよい、それだけで大きな抑止力になると思う。

(受け入れるための基地がないとか、財源はどうとか、現実的ツッコミどころは満載だが、話を進める)


で、現在日本において、現実的有事とはなんだろうか? おそらく、近隣諸国との武力紛争なんかではないと思う。

地震洪水豪雨といった自然災害、それが日本現実的有事ではないだろうか。


なので、徴兵で集めた若者には、軍事的な訓練を施すことも大切であるが、それよりも防災に関わる教育や訓練をメインに施せばよい。

兵役を終えた若者の多くは、社会に帰ることになる。防災の知識、技術を持った若者たちがいれば、有事(災害時)に大きな助けになるはずだ。

災害から地域家族を守る為の知識や技術が身につくことは素晴らしいことではないだろうか。

まさに一石二鳥である



2、 戦争のアホくささが身に染みてわかる


本稿を書いている本増田は、自衛隊の在隊経験である

在隊中、戦争状況を想定した訓練を何回も経験したが、実際はテレビ映画で見るような戦争状況とはまるで違う。

テレビ映画では、自分や仲間がどのような状況にあり、敵がどこまで迫っているのか、神的な視点があるが、

実際の戦争状況下では自分が一体何をやっているのか、まるで分からない。


直属の上官にここで穴を掘れと言われ掘る、歩けと言われれば一晩中歩き続ける、

よくわからないまま朝になり、とぼとぼ歩いていると、突然あなたはたった今戦死したと訓練の指導員に宣言される。

なぜ戦死したのか聞くと、肉眼では確認できないほど先にいる対抗部隊の敵戦車に撃たれたとのこと。

実戦ならこれで終わり、よくわからないまま死ぬである


よくテレビなどで自衛隊活躍を持ち上げられ、カッコよさを全面に押し出している感じを受けるが、実際には規律ある厳格な組織だ。

そこには個々の意見感情なんか関係なく、命令しかない世界なのだ


本題に戻ろう。本稿は徴兵制オススメしている。

訓練であるが、徴兵されれば戦争状況を模した訓練を行う。若者たちにこれをぜひ一度でもいいから経験してほしいのだ。

実際に銃を持ち、雨に打たれて、重い装備を背負って歩き続け、先の見えない状況で疲労困憊になる。

私自身、訓練中に精神的な不安から軽い呼吸困難になったり、幻覚が見えたりする経験をした。


たとえ訓練であっても、戦争状況のつらさ、理不尽さを体験できることで、考え方に大きな違いが生まれるかと思う。

から教えられた、本を読んで得た知識、それらとはまるで別物の考え方だ。


私は、自分経験を元に自分で考え、戦争なんか、軍隊なんかアホくさいという考え方の結論に達した。

自身経験し、考え、その結論に達した。人から教えられた、本を読んで得た知識から導き出した結論なんかじゃない。


もちろん、その逆の結論もある。ひとりの兵士として日本のために戦いたい、近隣諸国から日本を守る指揮官になりたい、

こういった考えを持ち職業軍人の道に進む、その結論に至るのも選択の一つだ。国のために貢献したい、その考え方もわかる。

現在世界情勢を考えると、そのような考えに至る若者も多いだろう。


きっと今日日本において義務教育だけでは、国のために何かしたいという考えには至らないと思う。

徴兵制度というきっかけによって、若者たちの考え方に選択肢が増えることは素晴らしいことではないだろうか? 



3.戦友ができる

3つ理由と題した本稿であるが、ここまで読んでもらって申し訳ない、1番目と2番目の理由なんかどうでもいい、上記はただのノーガキである。3番目が最大の理由だ。


数年前、90歳近い祖父が亡くなった。その通夜とき、見慣れない老人がやってきた。

話を聞くと、九州から通夜を行っている関東まではるばるやってきたという。

祖父と同じ90歳近いおじいちゃんが新幹線に乗ってたったひとりで。祖父訃報を聞いて、家族が止めるのも振り切ってやってきたそうな。


で、このおじいさん、大戦中は祖父と戦友で、九州部隊で苦楽を共にしたという。終戦後腐れ縁でいろいろとつるんでいたらしい。

祖父は、初孫だったら私の事もいろいろとこのおじいさんに自慢していたみたいで、見ず知らずのおじいさんが私のことをよく知っているという奇妙な体験をした。


先述のとおり、本稿を書いている本増田は、自衛隊の在隊経験者だ。ごく僅かな時間しかさなかったが、このおじいさんの気持ちというか、意気込みというか、

祖父とこのおじいさんの関係とか、そんなことが私にはなんとなくわかった。私にも腐れ縁のような友というか、戦友がいるからだ。


軍隊とか自衛隊のような特殊組織のなかで苦楽を共にすると、なんというか説明が難しいが、不思議友達ができる。

それは友達といっても学校職場友達とはまるで違う。一生付き合うことになる戦友というか、親友ができる。

徴兵制オススメする最大の理由はこれだ。



以上、長文ですまない。

2016-02-13

Qでミサトがついたある嘘と、新世代の思慮不足

コメントありがとうございます(元記事コメント

774さんの意見/主張をざっくりと整理しま

新世代の人々の前に広がった風景(サード後)は、悲惨ものであった

・彼らはそれに触れるうちに慣れてしまった

世界が滅ぶかどうかという危機的状況に置かれている彼らは一個人の生死を優先することができない

シンジ新世代の間にはその点に関し齟齬がある

洗脳猟奇殺人事件と同じく、誰を憎んでいいのか分からない

・サード後はサクラシンジに対し複雑な感情をもって葛藤している

歴史認識(サード、ニアサード)に関して、新世代とシンジの間で相違がある

新世代にとって、シンクロ率とは憎悪/恐怖の対象である

・そのため、サクラ純粋シンクロ率0を喜んでいた

シンジが起こしたサードのせいで、新世代の平穏生活は奪われた

他人を思いやれるほど平和な状況ではない、むしろ十分な対応している

・「怒りと悲しみの累積」をそれぞれが抱えている

・それゆえ、悪意はないにせよ各種の言動に繋がった

シンジ可哀想だが、未来を壊された新世代も同様に可哀想

大体こんな感じですが、もう少し要約したいと思います

<1>

新世代には明るい未来が広がっていたが、サードインパクトによってそれは全て壊されてしまった。サードインパクト後、凄惨風景が彼らの目前には広がり、悲惨暮らしを強いられた。サード(ニアサー関係)を起こしたのは碇シンジであり、新世代は彼に対し複雑な感情を持っている。特にサクラエヴァ搭乗者としてのシンジの側面も兄から教えられているために、余計に葛藤している。

<2>

サードインパクト後、生き残ることで精一杯であった彼らは悲惨暮らしを過ごす中で、人が死ぬことは日常茶飯事になり慣れてしまった。そして、危機的状況の中では人類の存続が最優先であり、シンジ一個人の希望を優先することはできない。この点に関し、シンジ新世代の間で齟齬が生じている。また歴史認識、すなわち「世界はなぜ壊滅的な状況になったのか」という史実に関しても情報錯綜しており、新世代は誰を憎んでいいのか分からない。

<3>

新世代にとって、「シンクロ率」とは憎悪/恐怖の対象であり、サクラ発言純粋な喜びから出たものである他人を思いやれるほど平和な状況ではない上に、各人が「怒りと悲しみの累積」を抱えている。それゆえ、新世代にとって複雑な感情から各種の言動に繋がってしまった。世界崩壊犯人扱いされたシンジ可哀想だが、未来ある人生を壊滅させられた新世代も同時に可哀想存在であり、ヴィレの中に悪者はいない。



まず押さえておきたいポイントですが、肝要なのはサードインパクトです。「破」のラストでは、アスカ精神汚染隔離中、マリと弐号機は戦闘不能に陥り、綾波故障明けの零号機での戦闘を試みるもゼルエルに飲み込まれしまい、残っているエヴァは初号機のみです。

シンジがあのまま残り、何もしなかったと仮定しましょう。そうすると、自ずと零号機と同化したゼルエルは地下のリリス+槍と共鳴を果たし、サードインパクトが起こります。これは旧劇における最後インパクト(初号機+リリス+槍)と同じであり、ほぼ人類生存は期待できません。

すなわち、シンジ勝手な行動を取ろうと取らまいと世界の壊滅は決定的だったわけです。まずこの点が重要。「シンジ勝手な行動を取ったために」世界が壊滅したわけではなく、あの状況においてはシンジの動きに関わらず世界は確実に壊滅します。ダミープラグ処遇を巡ってシンジ追放した時点で、世界の壊滅はほぼ決定的だったのです。これらの事をミサトたちは目前にし、自分たちでは解決不可能問題のを一人の少年に託したはずです。責任転嫁も甚だしい。

そのため、新世代の未来は元々明るくありません。それに加え、戦闘が続き疎開が相次いでいたサード前から推察しても明るいものではありません。戦闘爆弾に見知らぬロボットによる迎撃ドンパチ騒ぎ。当時から元々平和ではなく、明るい未来/今と同じくらいの幸せは元々存在していません。

そうなると、次に問題となるのは「誰が世界を滅茶苦茶にしたか」という史実です。14年間何があったかは分かっていません。しかし、前述のとおり、ミサトたちは一連の内容を把握していますシンジ追放、そして再び手に負えなくなったら都合よく再利用しかも、「自分自身のために!」と応援とまきた。自分たち範疇を超えた問題を一人の少年に託しておいた、これは致し方ありません。初号機に乗れるシンジしか解決できぬ問題ですからしかし、新世代はなぜこの史実を正確に把握していなかったのでしょうか。青葉がビデオも取っていたのに。情報錯綜は当然あるでしょうが凄惨暮らしを強いられたのであるならば、その犯人が知りたいというのは最もです。

14年間の内容は分かっていませんので、ある程度の推察も含みますが、おそらくミサトたちは組織を作るために嘘を伝えました。まさか事もあろうに世界を再建しようとしている幹部たちが、実はこの凄惨な状況を招いたサードインパクト自分たちの力では解決できず、一人の少年に託した上に、失敗に終わった。などという情報を流せば、組織の混乱/疑心は図りかねません。

そのため、「サードインパクト碇シンジによって引き起こされたものであり、自分たちNERVに騙されていた」という主旨の内容を伝えたはずです。そうすれば、ヴィレの総括はしやすくなります嘘も方便というやつですね。その結果、ミサトは建前上シンジに冷たくしなくてはならなかった。オペレーター全員がいる戦闘室ではハッキリと冷たい目線/口調で述べたのに対し、サクラのみが同行した応接間では俯き「もうレイはいないのよ…」と寂しげに呟くだけでした。その後、マーク9の突入時にもサクラがいたために、「身元は私達で管理します、ここにいなさい…!」と言うしかなかったのです。本音はその後のDSSチョーカーの震えに現れている通りであり、シンジ組織統括の大義名分として利用したことへの罪悪感と、そこから生じたシンジの命だけは守りたいというアンビバレント感情の現れです。

新世代には嘘の史実が伝えられました。「碇シンジが君たちの世界をぶっ壊した張本人である」といった旨を教えられたために、たらこ唇は苦い顔をしサクラは憤りを顕わにしました。シンジ新世代の間で、サードインパクト史実に対する認識が異なっているのはミサトの嘘のためです。この齟齬によって、彼らはシンジに対し憎悪/複雑な葛藤を抱くしかなかったのです。旧世代リアクションが異なるのも、嘘があったためと考えると納得いきますね。

彼ら新世代にとっては「自分たち幸せ未来を吹き飛ばしたのは碇シンジである」という史実がありますが、軍人としては問題を分けて考えるべきではありませんか。軍に身を置くのならば、職責と史実は分けて考えるべきです。アメリカ原爆を落とされたからといって、共同戦線を張る際に感情を表に出すなどあってはなりません。さらに言うと、サクラが本当に「サードを繰り返したくない」と考えているのであれば、なおさら自分感情は胸に秘め、”危険対象であるシンジには慎重な扱いが妥当です。シンジ新世代にとって大型地雷みたいなもんで、どこを歩くと爆発してしまうかということには慎重になるべきです。危機的状況が続いて精神的に疲労していたとしても、ここは慎重にならざるを得ません。シンジを最も危険対象として認識しているのであれば尚更、軽はずみな言動は避けるべきです。

さて、シンジはその前のシーンで自己アイデンティティを支えていたエヴァ(「あなたはもう何もしないで」)を奪われ、自己が安定していない心理状況です。774さんのおっしゃるとおり、確かにここのサクラ発言;「シンクロ率は0です。良かった」には曇りがありません。純粋に喜んでいますしかし、前述のとおり、ここは大変に慎重ならざる得ない場面であります。トウジからエヴァ搭乗者であったことをサクラは知っていたはずです、それならばシンジの大変さ/苦労も伝わっているはず。そうであるならば、シンジの拠り所であったエヴァに関する言及は非常に繊細になる必要があります

なぜ、サクラ不用意な発言をしてしまたか。それは、ミサトがここでもう1点嘘を付いていたからです。新世代に伝えられていた2つ目の嘘は、「シンクロ率危険指標である」ということです。サード前はエヴァ搭乗者のポテンシャルを図るポジティブ指標でした。しかし、サードを起こしたのはエヴァエヴァの搭乗者にはある一定シンクロ率必要、そしてシンクロ率危険という考えに至ります。サードを起こしたエヴァに乗るためには碇シンジシンクロ率必要であり、それさえ無ければ金輪際インパクトは起きないと伝えられていたと推察します。ある程度は新世代の思い込みもあります。そのために、「シンクロ率0で良かった」というサクラ不用意な発言に繋がってしまったと考えられます


さて、ここまでの内容を振り返っても、サクラを筆頭に新世代が迂闊であり、配慮に欠けている自己中心的な人物であるという自分結論は変わりません。彼らの苦しみを考慮していなかったのは事実ですが、それらは軍事的な職責とは関係してはいけません。広島/長崎原爆を落とされたからといって、いつまでもアメリカを憎んでいても仕方ありませんし、感情的には理解できても意味のない行動です。ましてや彼女らは軍人マヤさんなんて吹っ切れてビシビシ動いてるじゃないですか、あれもシンジやサードで亡くなった人への贖罪の一つですよ。

もう一つ、彼らが迂闊で自己中心的だというのは、ミサトたちの話を信じこんでしまっている点です。本当にシンジがサードの犯人であるのか、本当に敵であるのか、危険存在であるのか、といったことに思慮を巡らせず、自分たちの都合のいいように解釈し、シンジ原発のような危険物とみなす。悲惨現実は確かに目前にありましたが、そこに思考責任転嫁をするのは納得できません。旧世代、青葉や伊吹日向は度重なる戦闘オペレーションを繰り返して精神がすり減る中でも、自分たちで思慮していました。「ダミープラグは仕方ない措置だった」「そうじゃなきゃ君が死んでいた」と、目前にしたシンジの心情にも折り合いをつけながら分析して答えています。旧世代の行動は利他的ですよね。新世代の彼女から稚拙さが拭えません。感情論支配されている軍人は、利己的/幼稚と捉えられても致し方ないと思われます

また、新世代たちに同情的な目線を向ける必要がなぜあるのでしょうか。そこがよくわかりません。「新世代もいろいろあって辛いんだよ!!だからシンジに気配りできなく当然!!」なんて論理は通りません。彼女たちの先には幸せ未来が広がっていて、なおかつそれをシンジに壊されたと仮定しても、彼女たちに世代的な苦しみへの慮りを要求するのは些か理解に苦しみますシンジ世界をたった一人で守れと言われた、背負わされた、その上理由もなく突然にそれをヤメロと言われた。エヴァを通じて人間関係を築けたのに、アスカ精神崩壊綾波感情リセットされたTV版以上ですね、精神の乱れ具合は。

それで、ぼくは劇中のゆとり世代に腹は立ちますが、物語としては彼らの成長も一つの展開だと思うんですよ。旧世代新世代も力を合わせてお互いに妥協する点を模索して、やっていくストーリーだと思うんです。世代論にかまけてたり、時代環境のせいにするのではなく、当事者意識をもって問題の解決に(能力差があっても)構成員全員で取り組もうというメッセージだと思うんです。左翼/右翼若者/年配で内ゲバ起こしてる場合じゃないんですよ、今の日本って。GDPは下がり年金受給年齢は上がり、消費も増えない。賃金も上がらない。対立してる場合じゃないんですマジで

2016-01-09

日本戦争していないのだから世界平和である

そもそも世界にあるのは「War」であり「戦争」では無い。

戦争とは日本国主体となって行うWar的なモノであり、各国が行うWarは単なる軍事的衝突を伴う公共事業しか無い。

日本戦争をしていない状態平和というのだから、現状は平和である

2015-12-25

右翼的作品批判するとき設定面を批判するというのは伝統なんだろうか?

いや、特にそういうのをやめろとか言う話ではない。

どうにもマブラブGateSAO魔法科などそうだが全体的な傾向として設定面の批判に行き着くことがそこかしこで見られる。

しかもそれを批判してる層がこぞって左側の人だ。


これはなにかそういう伝統的側面があるんだろうか?

ひょっとしてガメラ自衛隊批判の時もそういった軍事的な設定批判が多かったのだろうか?

だとしたらちょっと面白い傾向だ。

2015-10-16

世界の名争50戦

前1285カデシュの戦いエジプトの大ファラオ・ラムセス2世と、製鉄技術で名高いヒッタイトの王ムワタリの戦い。戦況が膠着状態に陥った後、ムワタリが停戦を申し入れ、ラムセス2世が受諾した。これは記録に残る最古の戦争であり、記録に残る最古の平和条約でもある。
前479プラタイアの戦い古代ギリシアペルシアの一連の戦争における決戦。数十万を誇るペルシア軍の攻勢を、一万のスパルタ軍だけで防ぎ止め、押し返し、打ち破った。これによりギリシアからペルシア軍は駆逐され、スパルタは前年のテルモピュライの戦い(映画『300』で有名)の雪辱を果たした。
前371レウクトラの戦い古代ギリシア都市国家テーバイスパルタの戦い。テーバイのエパメイノンダスが編み出した、兵力を左翼に集中する戦術「斜線陣」により、精強を誇ったスパルタファランクスは打ち破られた。皮肉にも、後に斜線陣はテーバイではなくマケドニアに伝わり、ギリシア諸都市はその戦術によって敗れ去ることになる。
前331ガウガメラの戦い「大王」アレクサンドロス3世率いるマケドニア軍とアケメネス朝ペルシア軍の戦い。マケドニア軍の重装歩兵ペルシア軍を受け止めているあいだに、アレクサンドロス自らが率いる騎兵がペルシア軍にできた間隙を衝く、いわゆる「鎚と鉄床」戦術によってマケドニアが勝利し、大国ペルシアは滅びた。
前260長平の戦い中国の戦国時代、趙の老将・廉頗の持久戦術に手を焼いた秦は、情報工作によって廉頗の悪評を流し、若い趙括と交替させた。趙括は勢い込んで秦との決戦に挑んだが、秦の名将・白起によってあっけなく包囲殲滅された。四十万人の捕虜が虐殺されたという。秦の中華統一の過程において最も大きな勝利の一つである
前216カンネーの戦いアルプスを越えてイタリア半島に侵入したカルタゴの名将・ハンニバルが二倍の兵数のローマ軍に大勝した戦い。中央の歩兵が敵を受け止め、両翼の騎兵が敵側背に回り込む、「包囲殲滅」戦術の鮮やかな見本として史上に名高い。しかし、そのハンニバルも後にザマの戦いで敗れ、地中海の覇権はローマのものとなっていく。
前202垓下の戦い秦が倒れた後、中華を二分して戦っていた楚の項羽と漢の劉邦は、互いに疲弊したことで和睦を結んだ。しかし、劉邦は直後に盟約を破り、引き上げる楚軍に襲いかかった。「四面楚歌」となった項羽は、最後の力を振り絞って包囲を破るも、衆寡敵せず自害した。天下は漢のものとなった。
前48ファルサルスの戦い古代ローマ代表する二人の軍事的天才、カエサルポンペイウスの戦い。カエサルは、包囲を狙うポンペイウスの騎兵を重装歩兵で囲い込み、投槍を投げずにそのまま騎兵の顔や目を刺すよう指示して打ち破った。勝利したカエサルローマの実権を握ったが、やがて暗殺されることになる。
前31アクティウムの海戦カエサルの跡を継いだオクタウィアヌスとその政敵アントニウスの戦い。しかし、アントニウスとその愛人クレオパトラは、本拠地エジプトへ逃れることを優先してすぐに戦場を離脱、取り残されたアントニウス軍は壊滅した。アントニウスクレオパトラは自殺し、数年ののちにオクタウィアヌスは初代ローマ皇帝となる。
23年昆陽の戦い漢から帝位を簒奪した王莽に反発して「赤眉の乱」が起こる。昆陽に篭もる赤眉軍は、実数でも40万と言われる王莽軍に包囲されたが、リーダーの一人である劉秀は数千の兵とともに敵の中枢へ突撃を敢行、王莽軍は大混乱に陥り全滅した。主力を失った王莽はまもなく滅亡。劉秀はのちに光武帝として後漢王朝を開く。
208赤壁の戦い三国志に名高い一大決戦。中原を制し、中華統一を目指して大軍を南下させた曹操だったが、見知らぬ土地での疫病、慣れない水上戦に悩まされ、呉の都督・周瑜の火計によって打ち破られた。呉に協力していた劉備は、勝ちに乗じて荊州の南部を占拠し、後の飛躍へと繋げた。
383淝水の戦い五胡十六国時代、前秦皇帝・苻堅は天下統一を狙って百万を号する大軍を南下させ、東晋の将軍・謝石と謝玄が数万の軍でそれを迎え撃った。苻堅は異民族の融和を目指した理想主義的な君主だったが、異民族の混成軍は実際には統率がとれておらず、偽装後退を命じたことが本当の撤退と勘違いされ、前秦軍は自壊して潰走した。
451カタラウヌムの戦いフン族の王アッティラの侵略に対して、西ローマ帝国の名将アエティウスと西ゴート王テオドリックなどが連合して挑んだ決戦。痛み分けに近いものの、西ローマ帝国軍の勝利に終わった。のちにアエティウスの武功を恐れた西ローマ皇帝は彼を暗殺した。この戦いから二十五年後に西ローマ帝国は滅びた。
506鍾離の戦い数十万の大軍同士が激突した南北朝時代最大の決戦。北魏軍は、河に橋を掛けて梁の鍾離城を攻め立てていたが、長雨もあり戦いは長期化した。救援に来た梁の智将・韋叡は、増水に乗じて戦艦を走らせ、北魏が掛けた橋を焼き払った。大混乱に陥った北魏軍は十数万の死者を出して敗走した。
530ダラの戦いサーサーン朝ペルシアの大軍を東ローマ帝国のベリサリウスが破った戦い。ベリサリウスはあえて要塞から出て敵の攻撃を誘うと共に、壕を掘って相手の中央突破を防ぎ、伏兵を巧みに使って撃破した。その後、ベリサリウスは中世欧州最高の名将として、東ローマ帝国の最大版図を現出させる。
627ハンダクの戦い初期イスラムの三つの戦いの一つ。敵対するメッカ軍に対し、ムハンマド率いるメディナ軍は数で劣ったため、ペルシャ人技術者の進言で「ハンダク=塹壕」を巡らせた。メッカ軍は初めて目にする塹壕を突破できず、メディナ攻略を諦めた。以降、アラブ世界におけるイスラムの優位が確立された。世界初の塹壕戦とも言われる。
636ヤルムークの戦い「神の剣」ハーリド率いるイスラム軍と、皇弟テオドロス率いる東ローマ帝国軍の戦い。砂漠の戦闘に慣れたイスラム騎兵が東ローマ帝国軍を渓谷に追い込み撃滅した。イスラム軍は、直後のニハーヴァンドの戦いを経てサーサーン朝ペルシアをも滅ぼし、ここにイスラム帝国が興隆することとなった。
732トゥール・ポワティエ間の戦いイベリア半島から侵攻したウマイヤ朝イスラム帝国と、フランク王国の宮宰カール・マルテルの戦い。イスラム騎兵の猛攻をフランク重装歩兵が跳ね返し、撃退した。イスラム騎兵の強さを痛感したマルテルは、直属の臣下に土地を与えて「騎士」制度を創設し、これが欧州の封建制へと繋がっていった。
751タラス河畔の戦い西へ拡大する大唐帝国と東へ拡大するアッバース朝イスラム帝国中央アジアにおいて衝突した戦い。唐の同盟者ウイグル族に従っていたカルルク族が裏切ったことでアッバース朝が大勝した。これによって、唐の伸張は止まり、中央アジアイスラムに帰し、そして製紙法が西方に伝播した。
1098アンティオキア攻囲戦第一回十字軍は、半年以上の攻城戦の末にアンティオキアを陥落させたが、遅れて到着したイスラム諸国連合軍七万によって逆に包囲されてしまう。しかし「聖槍」の発見で士気を高めた十字軍は、城外に打って出てイスラム軍を打ち破った。次の年にはエルサレムを陥とし、まさしく奇跡的に十字軍成功に終わった。
1141カトワーンの戦いイスラムセルジューク朝を復興させたサンジャルと、遼の再興を掲げて中央アジアに覇を唱えた西遼の耶律大石との戦いで、西遼軍がセルジューク朝軍を包囲殲滅した。セルジューク朝は再び衰退、まもなく耶律大石も亡くなったことで西遼も勢いを失った。この戦いがプレスター・ジョン伝説の原型となったという。
1187ヒッティーンの戦い暑さと渇きに苦しむエルサレム王国軍に対し、イスラムアイユーブ朝サラディンは、夜通し弓矢で攻め立てて士気を挫き、野に火を放って追い詰め、壊滅させた。聖地エルサレムは再びイスラム勢力のものとなった。その奪回のために第三回十字軍、すなわちサラディンと「獅子心王」リチャードの戦いが開始される。
1212ナバス・デ・トロサの戦いイベリア半島で争っていたキリスト教諸勢力が、教皇インノケンティウス3世の要請により連合してイスラム勢力を迎え撃った、「レコンキスタ」最大の決戦。イスラムムワッヒド朝の十二万の大軍が悠然と構えるのに対し、連合軍は猛烈な突撃を敢行。ムワッヒド軍は十万とも言われる被害を出して敗走した。
1214ブーヴィーヌの戦いフランスの「尊厳王」フィリップ2世と、神聖ローマ帝国イングランド王国などの連合軍の戦い。フィリップ2世は北へと逃げてブーヴィーヌに陣取ると、ばらばらに追いかけてきた連合軍を到着した順に各個撃破した。脆弱だったフランスが強国として台頭し、またイングランドで大憲章が成立するきっかけともなった。
1241モヒの戦いバトゥ率いるモンゴル帝国の遠征軍に対し、ハンガリー軍は堅固な陣地を築いて健闘したが、モンゴル軍はイスラムの投石機と中国の火薬兵器で攻撃を加え、さらに周りこんだスブタイの軍によって包囲殲滅した。同時にリーグニッツでもモンゴルの別働隊が勝利していたが、オゴタイ・ハンの死を聞いてバトゥは引き返した。
1260アインジャールートの戦いモンゴル帝国西アジア遠征軍と、イスラム勢力のクトゥズやバイバルスの戦い。先鋒のバイバルス軍が退却を装い、それを追撃したモンゴル軍は、伏兵のクトゥズ軍に包囲されて壊滅した。モンゴルの西進はここで止まった。バイバルスはその後もモンゴル軍に勝ち続け、マムルーク朝実質的建国者となった。
1267襄陽・樊城の戦いモンゴル帝国のクビライ・カンは、入念な準備の上で襄陽と樊城を大軍で包囲、長大な土塁を築いて封鎖した。南宋の主力軍十万が救援に向かったがモンゴルの水軍の前に完敗した。中東由来の新型投石機「回回砲」による攻撃が開始されると襄陽・樊城は為す術なく降伏した。この敗北は南宋の滅亡を決定付けた。
1346クレシーの戦いイングランドフランス百年戦争における初期の決戦。イングランド軍は斜面にV字に長弓部隊を並べ、中央に下馬騎士を置いた。フランス軍クロスボウは射程の違いで長弓に対抗できず、重装騎兵も敵軍を突破できずに惨敗した。その後、百年戦争の終盤まで、イングランドは同様の戦術で勝利を収めていった。
1363鄱陽湖の戦い中国・元末の群雄である朱元璋と陳友諒の戦いで、それぞれ数十万人規模の大船団同士が激突した。大型の艦を鎖で繋いでいた陳友諒軍は、朱元璋が特攻させた火船によって大炎上して敗北した。この勝利により優位を確立した朱元璋は後に明の建国者となる。三国志演義における赤壁の戦いの描写はこの戦いがモデルだという。
1402アンカラの戦いニコポリスの戦いで欧州連合軍に圧勝したイスラムオスマン帝国の「雷帝」バヤズィトと、モンゴルの後継を自称して大帝国を築いたティムールが激突した戦い。結果、オスマンが敗れてバヤズィトは捕虜となり、日の出の勢いだったオスマン一時的に衰退した。ティムールもこの戦いを最後に生涯不敗のまま亡くなった。
1410グルンヴァルトの戦いポーランドリトアニア連合軍ドイツ騎士団が戦った、中世最大とも言われる会戦。リトアニア軍の偽装撤退に誘い込まれたドイツ騎士団は、連合軍の反攻によって壊滅した。この勝利のあと、ポーランドリトアニアは欧州最強国として最盛期を迎える。現代では古戦場跡で行われる祭りが有名。
1420ヴィトコフの戦いヤン・ジシュカ率いるフス派と、それを鎮圧するために結成された10万の十字軍の戦い。フス派は包囲されプラハに立てこもったが、欧州で初めて銃を装備し、武装した荷車をつなげて砦とするなど、革新的な戦術を用いたジシュカの活躍で、十字軍は撤退に追い込まれた。以降もフス派は勝ち続けていくことになる。
1450フォルミニーの戦い他国に先駆けて常備軍を創設し、長弓より射程の長い大砲を活用するなどの軍政改革を行ったフランス元帥リッシュモンは、百年戦争で負け続けだったフランス軍を立て直してイングランド軍を撃破した。このフォルミニーでの勝利は、百年戦争におけるフランスの勝利と、そして以降のフランス軍事的優位を決定付けた。
1453コンスタンティノープルの陥落東ローマ帝国首都にして史上最強城塞都市と、それを包囲したオスマン帝国軍の戦い。「ウルバンの巨砲」「艦隊の山越え」といった大仕掛けにも耐えたコンスタンティノープルだったが、施錠を忘れていた通用口からオスマン軍に侵入され、あえなく陥落した。古代から続いたローマ帝国は中世と共に終わりを迎えた。
1503チェリニョーラの戦い二次イタリア戦争におけるスペインフランスの戦い。レコンキスタにおいて攻城戦の経験豊富だったスペイン軍指揮官ゴンサロは、野戦に攻城戦の技術を持ち込んだ。長槍兵と銃兵の陣形「テルシオ」と塹壕の組み合わせによって、フランスの重装騎兵を打ち破り、欧州に野戦築城の有効性を知らしめた。
1514チャルディラーンの戦いイスラムサファヴィー朝建国者スマーイール1世は神がかり的な戦争の天才だったが、対するオスマン帝国のセリム1世は鉄砲と大砲を大量に運用して、不敗の騎兵「クズルバシュ」をさんざんに打ち破った。初めての敗北を味わったイスマーイール1世は無気力となり、サファヴィー朝の拡大は停滞した。
1588アルマダの海戦黄金時代スペインイングランドが迎え撃った戦い。接舷攻撃を企図するスペインの大艦隊に対し、ドレイク率いるイングランド海軍はヒットアンドアウェイの砲撃戦で勝利した。以降、海戦の主役は白兵から大砲へと移っていく。スペイン没落の画期とも言われるが、実際にはスペインの優位はしばらく続いた。
1619サルフの戦い女真族を統一したヌルハチ率いる後金軍と、その討伐に差し向けられた明軍の戦い。圧倒的に数で優る明軍は、四手に分かれて後金を包囲しようとしたが、全く連携が取れておらず、ヌルハチの見事な内線作戦によって各個撃破された。後金はやがて清となり、明を滅ぼすことになる。
1631ブライテンフェルトの戦い三十年戦争に参戦したスウェーデン王グスタフ・アドルフと、ティリー伯率いる神聖ローマ帝国軍の戦い。グスタフ・アドルフは歩兵・騎兵・砲兵が緊密に連携する「三兵戦術」によって、神聖ローマ帝国軍のテルシオを完全に打ち破った。この三兵戦術が近代的な軍制の基礎となる。
1683二次ウィーン包囲オスマン帝国は15万の大軍をもってオーストリア首都ウィーンを包囲したが、要塞化された都市は容易に陥落しなかった。キリスト教諸勢力は連合して救援に向かい、特にポーランドが誇る有翼重騎兵「フサリア」3000騎の中央突破によって、オスマン軍は大敗した。オスマン帝国の衰退を決定付ける戦いとなった。
1704ブレンハイムの戦いスペイン継承戦争において、イングランドマールバラ公とオーストリアプリンツ・オイゲンの名コンビが、フランス軍を打ち破った戦い。開戦後、しばらくは一進一退が続いたが、マールバラ公はオイゲンと連携して粘り強く戦い、フランス軍の両翼を釘付けにした上で手薄になった敵中央を突破して撃破した。
1709ポルタヴァの戦い北欧の覇権を握ったスウェーデンをめぐる大北方戦争最大の決戦。スウェーデンの若き天才カール12世は、並み居る敵国を瞬く間に撃破し、残るロシアに攻め込んだが、寒さと焦土作戦により疲弊、ポルタヴァで大敗を喫した。カール12世はオスマン帝国に亡命し、スウェーデンの「大国時代」は終わりを迎えた。
1757ロイテンの戦い七年戦争プロイセンの「大王」フリードリヒ2世とオーストリア軍の戦い。斜めに行軍して敵の側面に回りこみ火力を集中させる「斜行戦術」により、プロイセンは倍する敵に勝利した。その後も、イギリス以外のすべての国を敵に回した状況で、フリードリヒ大王は粘り強く戦い抜き、七年戦争プロイセン優位に終わった。
1781ヨークタウンの戦いアメリカ独立戦争。チェサピーク湾の海戦でフランス海軍に敗れたことにより、ヨークタウンに篭もるイギリス軍に支援は届かず、彼らはアメリカ軍に包囲された。イギリス軍は幾度かの抵抗の後に降伏し、この戦いが事実上の終戦となった。勝利の立役者となった総司令官ワシントンは、のちに初代大統領に選ばれた。
1805トラファルガーの海戦欧州を支配し、イギリス本土へ侵攻せんとするナポレオンと、名提督ネルソン率いるイギリス海軍の戦い。敵列の側面に縦列で突入する「ネルソンタッチ」によりイギリスが勝利、ナポレオンの計画は頓挫した。勝利したネルソンは、しかし狙撃により重傷を負い、「私は義務を果たした」と言い残して亡くなった。
1805アウステルリッツの戦いフランス皇帝ナポレオンと、オーストリア皇帝・ロシア皇帝が戦ったために、「三帝会戦」の異名がある。ナポレオンの正確な洞察と完璧な機動により、数で劣るフランス軍が大勝利を収めた。あえて要地を明け渡し、機を見て奪回することで敵を分断する、その華麗な用兵は「戦争芸術」と讃えられた。
1819ボヤカの戦い南米を植民地とするスペイン軍と、それからの独立を目指すシモン・ボリバル率いる革命軍との戦い。わずか三時間で革命軍の勝利に終わったが、南アメリカ諸国の独立を決定づける重要な戦いとなった。敗れたスペインは彼らの独立を承認し、ボリバル大統領とした大コロンビアが誕生することになる。
1863ゲティスバーグの戦い「鉄道と電信の戦い」となったアメリカ南北戦争、最大の決戦。鉄道と街道が集まる要衝ゲティスバーグを巡り、偵察部隊の小競り合いが発生。増援を送りあって戦闘はみるみる拡大、両軍に多大な損害を出して終わった。国力に劣る南軍にとっては、より大きなダメージとなり、名将リーが計画した北部侵攻も頓挫した。
1870セダンの戦い国民皆兵制と鉄道による大規模かつ迅速な動員、参謀幕僚制と電信による戦略レベルでの分進合撃戦術により、参謀総長モルトケの指揮するプロイセン軍が、フランス皇帝ナポレオン3世と十万のフランス兵を捕虜とした戦い。これにより邪魔者を排除したプロイセンは、「鉄血宰相」ビスマルクのもとでドイツ統一を成し遂げる。

2015-09-17

http://anond.hatelabo.jp/20150917160744

「これまでより拡大した集団的自衛権行使を認めること」に反対すること」と「アメリカとの軍事的同盟関係を即座に破棄すること」はイコールではないべ。

野党各党が今回の国会で求めているのが「集団的自衛権の拡大なんかもっての外だから、この機会に日米安保も廃棄しよう」というのなら別だが、そうではないだろう?

http://anond.hatelabo.jp/20150917155725

現状だと集団的自衛権は認めてないことになっている(日米安保あるのに何言ってんだか、と個人的には思うが)が、「防衛力はない」のか?

その「今もっとアメリカとの関係を強化しないと明日すぐに中国侵略されて征服される」っていう認識おかしいぞ。

アメリカが「今集団自衛権行使を認めて我が国との軍事的関係を強化しなければ日米安保は廃棄するし中国侵略してきても一切日本支援しない」って公式に言ってきたなら別だが、言ってきてるのか?

「実はそうなんです。公式にはまだですが、内々にそう言われてます近いうちに公式にもそう宣言されます」っていうのなら、そりゃ仕方ないな・・・ただし、法案可決したりするのは公式に宣言された後でね、と思うけど。

2015-08-12

http://anond.hatelabo.jp/20150812150508

理解する気がないの?

理解できないの?

南シナ海における中国東南アジア諸国問題について、

安保法制中国に対する抑止力となるのか、

それとも安保法制偶発的な軍事的衝突に対応するためのものなのか、

という議論

だと説明してるだろ?

http://anond.hatelabo.jp/20150812142407

ぜんぜん違う。

南シナ海における中国東南アジア諸国問題について、

安保法制中国に対する抑止力となるのか、

それとも安保法制偶発的な軍事的衝突に対応するためのものなのか、

という議論

http://anond.hatelabo.jp/20150812044028

軍事的抑止力不要」なんてどこに書いてあるんですか?

だらだら長文書いても「ああ相手の反応なんて見ずに脳内妄想繰り広げてるだけの馬鹿なんだな」と思われるだけですよ?

http://anond.hatelabo.jp/20150812135234

すいません!アニキが言っていた

なんの国防努力もしていないちおうのは池沼勘違いだと思うけど なんか根拠あんの?w

意味不明すぎてよく分かりませんでした!

相手の人が言っているのは、コウノウアニキ集団的自衛権がない前提で一体どうやって利害が相反する日本よりも軍事的に強大な国と外交交渉するのか?ってことみたいだったけどコウノウアニキには難しすぎると思うんでいつも通り「低能www」とか言っといたほうがいいと思います

http://anond.hatelabo.jp/20150812131413

ここで問題となっているのは南シナ海における中国東南アジア諸国の争いであって、

そこで偶発的にでも戦闘が発生した場合アジアひいては世界経済に壊滅的な影響を与えるから

そうなったときシーレーン防衛という名目日本が参戦できるように、

集団的自衛権行使を認める必要があるという話でしょ?

日本を助ける」? 日本がどうやって東南アジア諸国を助けるかという話でしょ?

そこ分かってる? 分かってないよね? アホなの?

いや仮に尖閣諸島などの問題に置き換えたとしても、

中国日本戦争をはじめて「日本は助けてくれないからほっとこ」なんてなるわけないでしょ?

日中あわせてどれだけ世界に影響があると思ってんの?

先進国でこぞって介入しなきゃ大惨事でしょ?

百万歩譲って日本があらゆる国際的な影響力を失って最貧国に成り下がったとしたら見捨てられるだろうけど、

そうならないように政治外交ってもんがあるんでしょ?

そうした政治外交を抜きにして軍事的解決だけでどうにかなると思うのかって話なんだけど理解できてる?

http://anond.hatelabo.jp/20150812085512

なんねえだろうな。

処刑にも大戦争にも。

軍事的対抗手段を持たない日本は折れるもの

折れないとしても、日本集団的自衛権行使しない前提だろ?だとしたら米国だろうがどこの国だろうが自国若者生命危険晒してまで日本を助けねえよ。自衛隊と共同行動させたら自国若者が殺されるのを見殺しにするかもしれないんだぜ、日本自衛隊は。

そりゃ自衛隊米軍の盾になって被害を受けてから反撃に転じるっていうけど、それがうまくいかなければ同じことだし。何回も繰り返せばそのうちしくじるよな?

その時点で米国東南アジアのどこの国でも「日本自衛隊はわが国の若者を見殺しにしたー!日本なんか助けるのやめろー!」って大宣伝すりゃいい。

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