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はてなキーワード: 都市国家とは

2024-03-16

古代ローマ共和政期と帝政期に別れると習った。

共和政期とは実質的貴族たちによる寡頭政治のことだ。

帝政期とはその貴族たちによる議員政治制度を利用して独裁的な権力行使する仕組みのことだ。

共和政ローマにおいての首長は、独裁を避けるために二人の執政官が選出され元老院リードする形を取られた。

しか有事に際しては一人の独裁官が選出される仕組みとなっていた。

国家の存亡(といっても当初はローマ周辺の小さな都市国家だったのだが)の危機にあたって合議していては遅いからだ。

素早く決断して、素早く行動する。

そのためには一人の権力者が必要となるということだ。

しかし、共和政ローマにおいて常に危惧されていたのは一人の人間権力を握ることでやがて王政への道を開くことだった。

ということは常にそのようなことを夢想する輩がいたということの反証でもある。

そのような男の一人がユリウス・カエサルである

彼はその前時代独裁官の権力政敵粛清したスッラのやり方を見て着想を得た。

スッラ内戦により権力を握ると独裁官となり、自身政治信条に基づいた元老院運営体制を築いた後に独裁官を退き元老院へと権力を戻した。

なぜなら元老院による貴族政治スッラ理想とするところだったからだ。

しかし、民衆派であったカエサルは違った。

彼はその支持層貴族ではないことから権力を握るためには元老院による寡頭政治ではなく、より独裁必要としたからだ。

これは彼自身の野心であると同時に、対立したポンペイウス派に対抗するための手段でもあった。

カエサルルビコン川を超えてローマに帰還したあと独裁官に就任、その後内戦勝利したあと、永久独裁官に就任するところで暗殺された。

元老院派にとって、共和制の原点であり拠点とも言うべき元老院において、ひとつ政体を退けるために暴力行使されたというのは元老院議員にとって如何に王政に対する忌避感が強かったのかの現れであろう。

これを見ていた後継者アウグストゥスは、永久独裁官という地位を求めることはせずに、様々な制度を複合することで実質的独裁権を得た。

その王政アレルギーを刺激しない方式をとることで自らの権力をより受け入れやすものへと変質させたのだ。

2024-01-23

首都国土中央部にあるか

ある作品で「首都国土中央部にないのはおかしい」というツッコミが入ったという。

だが、そもそも首都国土中央部にあるものだろうか。現代舞台検証してみよう。(シンガポールモナコのような都市国家考慮しない)

Category A:首都国土のほぼ中央にある国

スペインマドリード

お手本のように中央部にある国といえばまずここだろう

ベルギーブリュッセル

そもそも北部フラマン語オランダ語)圏と南部フランス語圏中間に作った都市なので

マダガスカルアンタナナリボ

アフリカ大陸の南東にある世界で4番目に大きい島+付属島を国土とする島国である

ベラルーシミンスク) ・スロベニアリュブリャナ) ・ラトビアリガ) ・バングラデシュダッカ) ・イラクバグダッド) ・チリサンティアゴ) ・エチオピアアディスアベバ) ・コロンビアボゴタ) ・パナマパナマシティ) ・ナミビア(ウイントフック) ・ナイジェリアアブジャ) ・コートジボワールヤムスクロ

Category B:どちらかといえば中央と言えるかなという国

フランスパリ

厳密な中央はヌベールあたりか? ともかくCatBは初手がここであるからお察し。

オランダアムステルダム

厳密にはもっと内陸へ行ったところだと思うけれど、海洋国家だし。

トルコアンカラ

厳密な中央はもう少し東のシバスあたりか。

サウジアラビアリヤド

厳密な中央はもう少し南西だと思う。

ニュージーランドウェリントン

北島南島が主な国土南島の方が広い。首都ウェリントン北島の最南部

イランテヘラン

中央はもう少し南だとおもうけれど、まあ。

タイバンコク

そもそも国土中央』の定義がしにくい国だけれど、まだマシ。

メキシコメキシコシティ) ・セルビアベオグラード) ・チェコプラハ) ・スーダンハルツーム) ・カメルーンヤウンデ) ・ペルーリマ

Category C:流石に中央ではないよね国家

アメリカ合衆国ワシントンDC) ・カナダオタワ) ・ロシア連邦モスクワ) ・ドイツベルリン) ・イギリスロンドン) ・ノルウェーオスロ) ・スウェーデンストックホルム) ・フィンランドヘルシンキ) ・デンマークコペンハーゲン) ・オーストラリアキャンベラ) ・中国北京) ・韓国ソウル) ・インドデリー

Category D:『国土中央』ってどこだ?

日本

日本の四大島付属島が均一な平面であるとすると、重心の場所能登半島佐渡島の間の海上になるらしい。

インドネシア

島国はこういうときは分かりにくい。日本と同様に重心を出すとスラウェシ島あたりになりそうな気がする。

イタリア

シチリア島サルディーニャ島まで含めて考えれば、ローマ中央付近か?

クロアチア

国土三日月型の国も難しい。首都ザグレブは割り引けば中央付近かも?

マレーシア

マレー半島部だけを見ればクアラルンプール中央範疇かもしれないが、カリマンタン島部を含めた重心は大ナトゥナ島あたりだろうか? ただし、大ナトゥナ島インドネシア領である

まとめ

・巨大な大陸国家では、水運(特に海運)の都合上どこかの海岸大河沿いが首都になりやすい(アメリカ合衆国ロシア中国オーストラリアインド等)

・一方向でしか海に面していない国も、海運の都合上その海岸線近くが首都になりやすい(アフリカギニア湾沿岸で顕著。あと北欧

首都国土中央に来る国は『大陸の端の方で2方向以上で海に面している』か『大きすぎない島国』に多いかも?

2023-11-06

南アフリカってライオンとかゾウとか、いわゆるアフリカ動物共存している都市国家だと思うので、

日本クマのそれも南アフリカから見習ってみると良いのでは?と思う。

アフリカ動物オールスターが街にやって来る迫力に比べたら、

日本クマなんてどうってことなくない?

そう言う動物対策南アフリカに学べば良くない?

2023-10-21

ヘレニズム期の少子化はどのように解決たか

ヘレニズム期

1.結婚義務感が失われる

2.移動の拡大 代々の土地放棄

3.男性の新しい仕事傭兵冒険家

4.貧富の差の拡大

5.子殺し育児放棄の増加

結婚できない・少子化

過疎化

その時の答え

家父長制都市国家の最小単位は個々の家族

その中で女は男に従うべき byアリストテレス


https://pbs.twimg.com/media/Fj8vDvZVsAA0F4h.jpg

https://twitter.com/rubitora/status/1603051737954545664

まり、このままいくと家父長制を再発明する可能性が高い。

https://anond.hatelabo.jp/20231017005537

2023-09-05

ヘレニズム時代少子化はどのように解決たか

ヘレニズム期

1.結婚義務感が失われる

2.移動の拡大 代々の土地放棄

3.男性の新しい仕事傭兵冒険家

4.貧富の差の拡大

5.子殺し育児放棄の増加

結婚できない・少子化

過疎化

その時の答え

家父長制都市国家の最小単位は個々の家族

その中で女は男に従うべき byアリストテレス


https://pbs.twimg.com/media/Fj8vDvZVsAA0F4h.jpg

https://twitter.com/rubitora/status/1603051737954545664

まり、このままいくと家父長制を再発明する可能性が高い。

https://anond.hatelabo.jp/20230904221133

2023-06-13

3大○○の象徴と思われているがそうじゃないもの 1/2

ファミマ入店

ファミリーマートに入った時になるメロディファミマ特製のものではなくて、パナソニック/ナショナル1982年から作っている赤外線入店センサーメロディサインシリーズ

EC5117/EC5227/EC5347型。一番安いのは4000円。

 

JR東日本の駅時計

東京などJR東日本の駅には緑の文字盤の時計が吊るされていて、JR東のコーポレートカラーの緑の特注品に見える。

しかしこれはSEIKOの親子時計(駅や工場など時間狂いが許されない箇所に使われるシステムで、正確な親時計が30秒or1分毎に指令を出して子時計が運針する)のうち、バックライトがなくても視認できる蛍光塗料を使った商品で特注ではない。つまり目覚まし時計が緑なのと同じ。

 

無印良品の駅の時計

無印の横長で四角い「駅の時計」は国鉄ものと誤認されがち。だが国鉄は秒が刻まれ時計採用していたので間違い。

目盛りが分刻みのあのデザインを使っていたのは地下鉄交通営団天井の低い銀座線丸の内線で使っていた。

 

名古屋ういろう

名古屋でもういろうは売られていたが、ういろう名産地と言ったら小田原だった。

だが東海道新幹線開業すると、ういろう販売店の内、名古屋青柳本店けが車内販売権を獲得。当社は電車名古屋を出ると「名古屋名物ういろう」と売りまくったためにういろう名古屋利用者に刷り込まれた。

 

日本四季の国

漢の時代中国四季に合わせて漢詩を詠む事が教養となり、それを日本も倣った。漢詩和歌俳句→散文と受け継がれ、風流教養から手紙の頭などに必ず季節を入れるのが常識となった。

この為に日本の特徴的な季節である梅雨などは無視されるか夏に入れられている。

梅雨前線が停滞することで起きるので青森台湾中国沿岸部しか梅雨にならず、中国沿岸部梅雨は軽度でしかなかったため。

 

○○銀座

商店街銀座を名乗るのは賑やか、高級のイメージと思われているが、最初銀座を名乗った戸越銀座がそう名乗ったのは本物の銀座で使われていた煉瓦舗装に使ったため。

関東大震災の復旧で銀座舗装をやり直す事になり、それまで使われていた煉瓦の敷石が戸越譲渡された。戸越煉瓦舗装で雨の日でも泥まみれにならなくなったので「戸越銀座」を名乗った。つまり銀座根拠煉瓦舗装

 

黒船

ペリー黒船蒸気機関車混同されて鉄製+石炭蒸気船イメージがあるが、木造帆船

木に腐食防止のコールタールを塗っていたので黒く、普段は帆走していて港での移動にの蒸気機関による外輪を補助的に使っていた。

 

ヨコハマタイヤの顔

昔のヨコハマタイヤ看板広告に使っていた、タイヤの中に濃い顔があるデザインは頭おかしい系怖いデザインとして有名だが、実はヨコハマタイヤ意匠ではない。

アメリカBFグッドリッチ社がディーラーサイン(取扱店)として配布していたもの。(The Smileage!)。だからヨコハマタイヤのも取扱店の目印で、大村崑オロナミンCホーロー看板と同じ。

BFグッドリッチが使っていたのは戦前戦後初期と古く、また白黒イラストに赤文字だったのだが、戦後下ってから何故かヨコハマタイヤが色付けして復刻。その姿で多くの幼子を泣かせた。

錆びると紫外線遮蔽力が弱い白目部分と赤い唇の塗料が先行して剥げ易く、目と口から赤い錆汁を垂らすようになる。サイレントヒル

ヨコハマタイヤ古河財閥BFグッドリッチの合弁。戦争関係が切れていたが戦後関係が復活したのでキャンペーンデザイン統一した意味があったのかもしれない。

BFグッドリッチ社はオーチスエレベータ等も擁するユナイテッド・テクノロジーズ社に吸収されて消滅タイヤBFグッドリッチブランドミシュランが持っている。

google:image:BF GOODRICH TIRES SMILEAGE

新幹線

新幹線固有名詞になっているが、元は単に幹線鉄道に平行する新しい幹線、って意味

 

金沢八景

京急線も通る金沢八景はそういう土地があったわけではない。

元は瀟湘八景で、中国湖南省水郷地帯を季節を違えて八か所描いた山水画

四季」と同じくこれが日本教養化されたもの。元が侘び寂び的であるので日本で更に洗練された。

山水画だけでなく連句を詠む/選ぶ、散文に登場させる、浮世絵写真、単に選ぶなどのスタイル流行した。

晴嵐、晩鐘、夜雨、夕照、帰帆、秋月落雁、暮雪のテーマをなるべく入れる事が求められ、何も入っておらず単に綺麗な景色8選だと無教養と評される。

金沢八景は全八テーマ網羅された景色であり、多くの漢詩俳句浮世絵が作られた。

当地は沈降海岸リアス海岸)で入り江と小さい島が多く松島のような絶景富士山詣での返りにわざわざ訪れたりするほどの景勝地だった。

後に埋め立て等で景色は全て失われて八景の由来も判らなくなったが、「眺めが素晴らしい金沢」みたいな駅名である

だがその駅により周囲の埋め立てが進んで八景が無くなったのだから皮肉である

 

鬼怒川

数年前の鬼怒川決壊氾濫で、過去にも「鬼が怒った」ような暴れ川だったと考える人が居るが、単に鬼怒川の源流付近を昔「けぬ」と言っていたかである

前橋から日光群馬から栃木西側に掛けてけぬ(毛野)と呼ばれていた。後に上野国(こうづけのくに)下野国しもつけのくに)となるが、読みの「こうづけ」の「け」は「けぬ」の「け」であって、漢字の方で脱落してしまったもの

上毛と言った時の「毛」もけぬの「け」である

 

アルファロメオエンブレム人を食う大蛇

ビショーネという。google:image:biscione

安倍晋三総理若い時に乗っていたというアルファロメオエンブレムには十字架とビショーネが描かれているが、これはアルファ象徴という訳ではなく、都市国家ミラノ支配していたヴィスコンティ家の紋章である

ミラノ市ではヴィスコンティ家に因み市章としている。

ミラノ商人貴族ビスコンティ家より紋章が描かれた皿を下賜され、忠誠の証しとして家に飾っていた。

十字軍の武勲に因むので喰われているのはイスラムの民である

余談だが安倍総理が乗っていたアルファ年代的にアルフェッタという車種と思われる。https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b4/1978_Alfa_Romeo_Alfetta_GTV_%287254572400%29.jpg

実はこの年代アルファソ連製鋼板の品質に由来する品質問題を抱えていて評判を低下させた時期である自動車鉄板は防錆の為に亜鉛メッキされているのだが共産国ソ連生産管理ダメさによって亜鉛メッキちゃんとされておらず錆だらけになってしまう。

なぜソ連鉄板など使っていたかというとデタントソ連との交易を増やそうというイタリア国策である。だがこれはイタリアが東寄りだったいう訳ではなく旧枢軸国独裁国でフランスなどに経済制裁されていたスペインにも工場進出しており単に節操がない。

当時日本の鉄鋼が米国を打ち負かす程の伸長をしており、日本製鋼板を使っていればこんな事にならなかった。アルファに乗っていた安倍氏卒業後に日本の鉄鋼会社に勤めていたというのが皮肉である

 

あと一つ入らないから続く→https://anond.hatelabo.jp/20230613182714

2023-04-24

マンガを買うという行為結構難しい

日常的にマンガを読む人は感じないだろうけど、マンガを買うという行為結構ハードルが高い。

最近経験したので書いておく。

 

マンガ単行本というのを今まで買ったことが無かった。いや、AKIRAは買ったが大分前だ。

一方、無料で公開されてるWEBマンガ結構読んでいて漫画太郎や『アンテン様の腹の中』とか、漫画家の病気体験記とか楽しく読ませてもらっていた。

そこで虚構新聞を見るたびに広告が出て気になっていた『無能の鷹』のリンククリックしてAmazonで買ってみた。

めっちゃおもろいやんけ。美人で身のこなしもさまになっていて如何にも仕事が出来そうな女性社員が実はポンコツ仕事も出来ず仕事の話も出来ずに話にならない。

でもその天然ボケなのに威厳がある立ち振る舞いによってポジティブ勘違いされ組織としての仕事うまい方に転がるって話だ。

主人公の鷹野爪子が三浦瑠璃に似ている。

 

次に以前かなり人気があったブログデマこい」の作者が描いたという『女騎士経理になる。』を注文した。

これ読もうと決意して6年以上経ってるわ。

これも最高に面白かった。昔ネトゲしてた頃、中世ヨーロッパファンタジー文脈勉強していたので話の勘所が判って大変に面白い。

ファンタジー舞台はどっかの港町なのだが、これは中世近世を調べた事があればモデルイタリア都市国家フィレンツェジェノバベニスなどと判る。この頃複式簿記が普及し、同時に紙と株式会社持株会社という資本主義の原型が出来た。そこら辺の歴史会計史)を教養主義外連味なくプロットにしている。

同時に度々複式簿記実践が挿しはさまれるという流れだ。これ青色申告簿記勉強してる時に読みたかったぞ。

 

そんな風にマンガ熱に浮かれだした増田は街の本屋に出かけたのだ。

すると、どうやってマンガを買えばいいのかが全然判らぬ!

まず、『無能の鷹』と『女騎士経理になる。』の続巻がどこにあるのかが判らない。また、ネットちょっと読んで名前を知っているような本も全く見つからない。

探しているうちにすっかり疲れて何も買わずに店を出てしまった。

 

次に小さめのブックオフに行ってみた。

すると女戦士の方は見つかった。しかしそれ以外は見つからない。

 

家に帰ってから考えるに、どうも店が大きいと見つからないが小さいと限定的に見つかるという事のようだ。

それは察するに総当たりで探しているからでは?

 

という事で次は棚の並びの特徴を捉えることを目標にしてみた。

すると、ダーッと並ぶ棚は集英社講談社の大出版社単行本が並び、それが一番の売れ線らしいという事が判った。

そして自分が探しているようなマンガマイナーロングテールに属するものになり、それらは端っこや奥の方に追いやられて陳列されているのだと。

でも待てよ?奥付を見ると『無能の鷹』は講談社刊だ。なんで講談社のところにないのか…。

考えながら棚を観察するとマンガ雑誌の連載の有無で場所が決まっているらしいという事に気が付いた。講談社刊であっても連載物じゃない作品中小出版社のものと同じ扱いを受けるようだ。世知辛い

ここまで到達するのに2週間程度を要した。

 

しかし未だ解明されていないのが、漫画家の病気ルポみたいな実録マンガがどこにあるか?だ。

本屋マンガコーナーをぐるぐる回り続ける増田氏はやがて棚の下の方に「大判本」というジャンルを見つけた。

普通単行本より一回り大きいので、高さが違う棚に入っている。

そして下の方にあるという事は売れ行きは良くないという事であろう。本屋によってはこの大判本は柱の影の凹みなどに棚があったりする。

そして実録マンガ系はこのジャンルなのだと。

更に気が付いたのは、連載物は巻数が多く、新刊が出てる限りは現役で、棚を占拠し続ける。

だが実録系は単発なので売り切りなのだ。元がマイナー発行部数が少ない上に、配本があった時しか棚刺しされない。

それが売れたらそれっきりなので本屋で買うのは結構難しいらしい、という事に気が付いた。

ネットで見るとフラットに見えてしまうが実店舗ではヒエラルキーがある。増田が好むのは下層に近い。実録系に至っては一期一会で、偶然見つけた時に確保せねばもう出会いはないのだ。

 

ここまでに至るのに1ヶ月くらい掛かっている。

最初の右も左も分からずすごすごと敗退した時に比べたら大分成長したが、それでも未だに不如意感覚はする。

東京に出てきて「中央線黄色じゃなくてオレンジ電車に乗ればいいんだ」と覚えていたら深夜早朝に黄色電車が無くなって混乱みたいな事が良く起きる。

マンガを買う層と買わない層の間には結構深い溝があり、マンガの売り場は購買スキルがある人間最適化されていると思われる。

シャバに出てもスーパーでの買い物が出来ずに他の客が買ったものを大量にかごに入れてるニキータになった気分である

 

因みにせっかく買ったマンガ本はと言えば、全然読んでいない。

というのも、かなりの速読なので半日10冊近く読んでしまうのだ。買う時に苦労するもの半日10冊も減らしてしまうなど勿体なくて気軽に読めない。無くなったら「どのマンガ面白いのか」という新しいミッションエイムに立ち向かう事になるのだ。

から大事積ん読したままである

2023-02-04

求む、イタリア歴史的英雄(中世以降で)

古代を含むなら、途方もない人数になりそうなのはわかる。

問題ローマが分裂してできた西ローマ帝国の滅亡後、現在に至るまでの話。

今のイタリアにあたる領土群雄割拠(?)していた都市国家やら諸王国やらで、カール大帝フリードリヒ大王、あるいはルイ14世ナポレオンクラス英雄いたっけ?

直近ですら、ムッソリーニを除外したら20世紀英雄が皆無になりそうなんだが?

個人的にはイギリスの飯が不味い以上に気になる話だったり。

(いうてイギリスは朝食やお菓子紅茶は美味しいと聞くので)

2023-01-07

蒼い土煙

時は13世紀、世界帝国モンゴルの小さな軍団が、

要塞堅固強兵で名だたる強大な都市国家に襲いかかります

都市の強みはなんと言っても地形を生かしつつ、

代々に渡り何重にも巡らした堀や城壁

かつてどのような侵略者も一度もこれを破ることは、

叶わなかった。

一族言い伝えには、

要塞を出て戦ってはならぬ、

ひたすら塀を厚く高く、堀を深く大きく、

いつか東方からやってくる蒼き狼も、

これを食い破ることはできない、、、。

400年に渡りコツコツと造営された城壁はもはや

絶峰のように積み上げられ、

日々更に積み上がっていった。

さてモンゴル軍、

反撃を受けると多くの戦死者を残して、

意外にもアッサリ

逃げ始めます

それに、先方に立った歩兵傭兵なのか、 。

ロクな装備ではありません。

騎兵と見ると馬は驢馬の様に小さく、兵士甲冑も貧弱です、

敵は弱し、逃がしてはならじと追うのですが、

の子軍団ども、延々と遁走を続けます

深追いはならじ、要塞都市に引き上げると、

意外にも又攻めてきますが、

又又貧弱な歩兵隊が大敗して騎兵が遁走を繰り返します。

3年にわたり

弱いのに、只々、数万の犠牲を払って

ハエのように襲いかかる軍団

いつからか、狼どころか負け犬ハイエナ軍団嘲笑する声も、、。

剛腕と武勇で知られた若き王はまさに人気絶頂

白兵戦では常勝、味方の損傷はほぼゼロに近い、

近隣の小さな村々で卑怯な略奪放火強姦を繰り返すモンゴル軍、

村長からも嘆願の声が、、、。

そんなある日、

城外に討って出ることに一番反対していた、

皇太后密偵の手にかかり場内の寝室で惨殺。

遂に決意した総大将隣国の協力も取り付け、

10万の連合軍で大追尾の命令を下しました。

それでも反対する幼馴染の大臣の家から

大量のモンゴル帝国金貨皇太后暗殺手紙が、

密告により発見

疑心暗鬼の中処刑は断行された。

今年の収穫や交易の時期も迫っています

それに実は、

三年間塩の流通路を絶たれ欠乏してきています

今度は徹底的に弔いの殲滅攘夷命令です。

軍団の指揮は大いに上がり、

女たちも勝利確信してお祝いの用意すら始めました。

蹴散らし蹴散らし徹底追尾すると、

さなモンゴル馬と軽装備騎兵

とんでもないスタミナで逃げ続けます、。

総力戦の興奮で見落としていたのですが、

各騎馬兵は数頭の引き馬まで引き連れて、

走りながら巧みに乗り換えています

時間でも12時間でも追っ手の息が切れるまで走る、

実は人馬一体の、内蔵を揺らさない見事な走法です。

遂に追っ手の馬脚が止まった瞬間から

遠巻きに囲み矢の嵐を降らせます

追うと下がり、又矢を浴びせます

各自数頭の引き馬には、

大量の矢が積まれていました。

どうも下手な矢で大軍団の戦士には殆ど当たらないし、

戦士の堅固な鎧や盾はドンドンはじき返します。

押し問答が続くのですが、

追っ手兵士の損傷は極、軽微です。

やはりハイエナども、今日は引き上げようと号令に合わせるように

馬が泡を吹いて倒れ始めました。

馬を狙った毒矢だったのです。

城塞の方を見やると、

夕闇に紛れて蒼い不気味な土煙が、、、。

おや、更に援軍が来たのかとみやると、、

モンゴル帝国の重装騎兵大軍団が地平線を埋め尽くしています

リーダー蒼き狼の地を轟かす咆哮に、

祖先皇太后親友言葉を思い出しました、、、、。

ムスリム商人偽装し、

潜入していたスパイ城塞都市リーダーの大追尾命令を、

本軍に通知していました。

軽騎兵奴隷を使って徹底的におびき寄せられ、

密偵情報戦に愚弄され、

背後から遊撃能力抜群の主力重装騎兵大軍団に囲まれ

草原の真っ只中で脚を失った、

甲冑兵団蒼き狼にすり潰されるように、

殲滅され、

それでも、投降するもの奴隷として生かされました。

つぎの、堅固な要塞都市の前で死ぬ為です。

王は祖先城壁の前で惨殺され、

城内の士気は多いに下がる中、

三年間をかけて開発された超大型の攻城機が投入されます

実は地下には城壁を避けるトンネル

完成間近です。

この400年の都が一人残らず見せしめ虐殺されたあと、

近隣では刃向かうものは無くなり、

奴隷たちは更に西方の強大な王国戦に投入された。

自分たちが侮った罪を贖うように。

〜〜〜

この創作たとえ話は20年前に、

デフレファイターとの同質競争まり

相手土俵や戦法での戦いは、

止めた方が良いのではないかと、

知人にした例えです。

「君のやっていることはこの若き王のように、

 実は凡庸ではないか、、と。」

自分らしい

戦い方はいくらでもあるのですから

参謀情報を集めて知恵を出しあい

勝てる作戦戦場を選び、

それに合った兵の訓練や装備を固めて、

時に備えるべきです。

必ず出自自然に合わせた自分らしい、

漸進的な努力を、

平時の今こそ、、と、、。

ある理由があって、

飛行機の中で思い出したので書き留めておきました。

テーマ性の深い、映画でも作ってみたいですね。

商売も常に原点の確認です、、

皆に好かれる面白いテーマがいいですね。

お話の筋を妄想するのと、ビジネスを組み立てるのは全くよく似てますね。

2022-12-18

anond:20221218194539

SF妄想では解決せず、2300年前のギリシャのように家父長制を再発明して解決する確率のほうが高い。

~ヘレニズム期~

1.結婚義務感が失われる

2.移動の拡大 代々の土地放棄

3.男性の新しい仕事傭兵冒険家

4.貧富の差の拡大

5.子殺し育児放棄の増加

結婚できない・少子化

過疎化

~その時の答え~

家父長制都市国家の最小単位は個々の家族

その中で女は男に従うべき byアリストテレス


https://pbs.twimg.com/media/Fj8vDvZVsAA0F4h.jpg

https://twitter.com/rubitora/status/1603051737954545664

今の少子化はヘレニズム期のギリシャに通じる

https://anond.hatelabo.jp/20221218153253

~ヘレニズム期~

1.結婚義務感が失われる

2.移動の拡大 代々の土地放棄

3.男性の新しい仕事傭兵冒険家

4.貧富の差の拡大

5.子殺し育児放棄の増加

結婚できない・少子化

過疎化

~その時の答え~

家父長制都市国家の最小単位は個々の家族

その中で女は男に従うべき byアリストテレス


https://pbs.twimg.com/media/Fj8vDvZVsAA0F4h.jpg

https://twitter.com/rubitora/status/1603051737954545664

まり、このままの出生率2.2を回復できなければ家父長制を再発明することになる。

2022-08-02

最近中世ナーロッパ話題でないね。まあ殺伐とした事件が続いてるからそれどころじゃないんだろうな。

ナーロッパはいうけどやたら文化的だったり奴隷と高級奴隷がいたり公衆浴場があったり下水道が完備されてたり都市国家だったりして古代ナーローマなんじゃねえかなあという気がしてきたが

だれもそんな言葉は使っていなかったのだった

2022-06-26

世界の終りにおいて、世界を救った男テミストクレス(2)

anond:20220626003343


 十年の時が経った。

 満を持したペルシア軍の大遠征が始まる。十年前のマラトンの戦いの規模を遥かに上回る戦力(十五万人程度と言われている)を前に、ギリシア世界は当然のごとくパニックに陥った。

 しかし、ギリシア軍は自国陸軍主体を成す重装歩兵に絶大な信頼を置いており、特にギリシア連合軍の雄たる都市国家スパルタは、強大な軍事力を背景にペルシア軍に対する陸上決戦を提案し、その決戦をスパルタ自身に主導させようと画策する。しかし、テミストクレスがそこで動いた。

 テミストクレス海上決戦以外に活路が無いことを、十年前から看破し、その準備を着々と進めていた。そのため、軍事力を背景に陸上決戦を主張するスパルタ陣営を確実に抑え込む必要があった。また、スパルタの主張する決戦案は、バルカン半島南方コリントス地峡において、複数都市国家犠牲にすることによって最終的な決戦に持ち込む、一種焦土作戦の体を成しており、当然ながらテミストクレスはそのようなスパルタ立案を容れることができなかった。そのため彼は当時ギリシア市民に信頼されていたデルフォイ神託を利用することに決める。

 ギリシア諸侯要請に対してデルフォイから下った神託は以下のようなものであった。『陸上決戦を避け、木の砦を頼れ』。

 テミストクレスは、この『木の砦』こそが、アテナイが着々と準備を進めていた軍艦なのだと主張し、海軍によってペルシア軍を打倒する海上決戦案にギリシア諸侯意識誘導することに成功する。また、自軍立案妨害され立腹するスパルタに対しては、海上決戦の際の軍事的イニシアチブを譲ると確約することによって、何とか説き伏せることにも成功した。

(なお、艦船保有数の関係アテナイ海上決戦においてスパルタに対して大きな影響力を持っていたため、スパルタあくま形式的海上決戦の総司令官に任命されたに過ぎなかった)

 また、このデルフォイ神託は、恐らく事前にテミストクレス賄賂を贈ることによって歪曲された結果であると、後世の歴史家たちによって推測されている。


 以下は歴史の辿った事実の列挙であるギリシア連合軍は、陸路においてスパルタ陸軍、また海路においてアテナイ海軍が主力をなす軍隊を、それぞれ沿岸の主要な陸路海路に布陣させ、海峡と山際の隘路という大軍の利を発揮させにくい地形を戦場に選ぶことで、ペルシアの侵攻を食い止める作戦に出た。

 しかし、要衝であるテルモピュレーにてスパルタ軍は味方の裏切りに遭い、精強を誇ったスパルタ陸軍は時のスパルタであるレオニダ一世の指揮の下で壮絶に奮戦したものの、全滅を遂げる。その情報を聞きつけたギリシア海軍は、実質的指揮官であるテミストクレスの指示の元、南下、後退し、最終的にはアテナイに程近いサラミス海峡へと撤退することによって、当初の予定通り最終的な海上決戦にてペルシア海軍撃滅することを画策していた。

 しかし、ここでテミストクレスの元に悪いニュースが届く。

 テルモピュレーを突破したペルシア陸軍が急速に南下を続け、アテナイへと到達し、故郷が陥落したというニュースであった。

 ギリシア諸侯において絶大な信頼を誇っていたアテナイの陥落に、周囲からテミストクレスに対して注がれる視線は冷ややかであった。しかし、テミストクレスは冷静であった。事前に彼はアテナイ市民サラミス島やその他の土地疎開させていたため、人的な被害殆ど出なかったことが幸いした。テミストクレス諸侯に対して、アテナイ保有するギリシア海軍の半数以上に及ぶ軍船存在を主張し、未だアテナイはその国土を失っていないと説得すると、依然軍議における主導権を確保したままに、海軍を南下させ続けた。やがて、テミストクレス率いるギリシア海軍は、サラミス海峡の隘路に布陣し、静かにペルシア海軍の来襲を待った。


 ペルシア海軍の来襲と共に、膠着状態スタートする。

 この際、テミストクレスペルシャの首脳陣と使者を交わすことで内通していた。ギリシャ陣営の内部情報ペルシャへと流し続けていたのである

 テミストクレスは誰も信用していなかった。敵に対しても、味方に対しても、一切の信用を持たなかった。この内通が、ペルシア侵攻の初期の段階から行われていたという説さえ存在している。

 テミストクレスは膠着状態が続く中で、ギリシャ陣営内において撤退論、転進論が巻き起こっていることをペルシャであるクセルクセスへと伝えると、さらサラミス海峡の出口を塞ぐことができれば、艦隊撤退不可能となり、必ずやギリシア海軍撃滅され、ペルシア軍は勝利栄光に浴することができるだろう、とクセルクセスを焚き付けていた。また、テミストクレスクセルクセスに対して、海上決戦の際にはアテナイギリシア陣営裏切りペルシア勝利に手を貸すことを約束していた。テミストクレスの思惑通り、クセルクセスサラミス海峡へと向かわせていた七百隻の主力艦隊を二つに分けると、二百隻に海峡の出口を包囲させ、また残りの五百隻を以てサラミス海峡に立て籠るギリシア海軍撃滅しようとした。テミストクレスは謀略によって、まんまと敵艦隊を二つに分断したのである

 敵艦隊が二手に別れたことを知ったテミストクレスは、ギリシア諸将に対して海峡が包囲されていると伝えると、撤退や転進は不可能であり決戦のみが活路であると諸将を誘導した。そのようにして諸将の士気を奮起させたテミストクレスは、海峡へと侵入してくる五百のペルシア艦船を静かに待ち受けた。


 当初、ペルシア海軍海峡の奥深くで待ち受けるギリシア海軍発見した際に、攻撃を急がず機を見計らっていた。内通者であるテミストクレス情報通り、アテナイが離反しギリシア海軍が劣勢に立たされるのを待ったのである

 しかし、ペルシア軍の目に映ったのは異様な光景であった。ギリシア陣営の旗の上に、戦意鼓舞するための戦場ラッパの音色が鳴り響き、そしてギリシア艦船が淀みなく戦陣を整え始めたのである

 それでもペルシア軍は攻撃を保留し続けた。ペルシア軍は最後までテミストクレス情報に踊らされ続けた。


     ◇


 テミストクレスの号令一下、突撃を開始したギリシア艦隊の前に、ペルシア軍には動揺が走った。テミストクレスが離反するという事前の情報との乖離も影響した。密集体形で海峡の奥深くへと侵入していたペルシア艦隊は、有効な機動を取ることができず見る見る間に壊走を始める。更には、後方から押し寄せたペルシア艦隊の援軍までもが、ペルシア前衛艦隊撤退を妨げることとなった。

 ペルシア海軍は大混乱へと陥り、急速に戦闘能力を喪っていった。ギリシア海軍勝利が決定づけられたのである


     ◇


 主力艦隊の大部分を喪失したペルシア軍は、このサラミス海峡の戦いの敗戦を重く受け止め、海上部隊の撤退決断する。テミストクレスが当初画策していた、海上兵站を寸断する計略は成功し、ペロポネソス半島への侵略を行っていたペルシア陸軍も急速にその影響力を喪っていった。最終的に、ギリシア連合軍の反撃によってペルシア陸軍ギリシア世界から追い出され、十年を費やしたペルシア帝国の大遠征は失敗に終わり、ギリシア世界の完全勝利となったのである


 当然、この勝利立役者となったのは英雄テミストクレスであった。テミストクレスはまさしく英雄であり、一度は終わってしまった世界、喪われた故郷を彼は取り戻した。ペルシア戦争の勝利はひとえに彼の超人的な洞察力、長期的な戦略立案能力、謀略や陰謀を駆使し敵と味方をコントロールする政治力、それらの能力によって成し遂げられた勝利であった。

 とは言え、テミストクレスはあまりにも優秀すぎ、また、あまりにも自分能力を過信し過ぎていた。

 最終的に、テミストクレスギリシア世界にとっての危険人物である判断され、政治的指導者地位から失脚させられ、かつての仇敵であるペルシアへと亡命している(相変わらずペルシアと内通を行っていた)。その後、ペルシア軍によってギリシア攻撃責任者へと任命されるのだが、母国に弓引くことをよしとせず、毒を呷って自決したと言われている。

 テミストクレスは間違いなく英雄であり、凡庸人間とは違う視野を持って生きた人物であった。とは言え、狡兎死して走狗烹らるという言葉の例に漏れず、自国から危険視された英雄最期は、あまりにも物悲しい。

世界の終りにおいて、世界を救った男テミストクレス(1)

 ギリシャ世界ペルシア軍の大遠征において黄昏に瀕していた。

 空前の規模を誇るペルシア軍団紀元前480年、テルモピュレーの戦いにおいてギリシア陸軍の主力であるスパルタ軍を激戦の末に破り、スパルタの王であるレオニダ一世戦死させた。スパルタ軍という防波堤を失ったギリシア本土容赦なく侵攻され、ギリシアの中心都市であるアテナイペルシア陸軍によって陥落するに至り、アテナイ軍人テミストクレス率いるギリシア海軍絶望していた。「帰る国が無いのに、このまま戦ったところで何になる?」と。

 しかし、彼らのリーダーであるテミストクレスだけは絶望していなかった。

 絶望に染まる軍人たちの中で、彼は唯一希望を手放していなかった。彼は言った。「さあ、世界を取り戻しにいこう」と。


     ◇


 ペルシア戦争の戦乱の始まりをどこに求めるかは諸説あるが、紀元前480年以降のペルシア軍の大規模侵略より10年前、先駆けて起こったマラトンの戦いにおいて既に戦端は開いていた、とする説が有力である

 紀元前490年、マラトンの戦いにおいて沿岸に押し寄せたペルシア軍を、アテナイ軍を主力とするギリシャ連合軍完膚なきまでに破った。二倍に比するペルシア軍に対して、旺盛な士気原動力に戦ったギリシア連合軍は、5000人以上にものぼるペルシア軍の戦死者に対して、僅かに戦死者200人足らずに留まる圧倒的な戦果を以てペルシア軍を退けたのである勝利に沸くギリシア民衆は口々にギリシアの精強な陸軍を讃え、自らの勝利を誇った。それほどまでに完璧勝利だったのである

 一方、自軍主力の三割を一挙に失ったペルシア軍は撤退を始める。ギリシア世界アジアに対する完全な勝利であった。

 しかしただ一人、アテナイ政治家であり軍人でもあるテミストクレスだけは絶望していた。

 いずれギリシア絶対に負ける、と


     ◇


 アテナイギリシアの中心都市であるが、しかしこの都市が円熟を迎えるまでに辿った経緯は涙を誘う。ギリシアはいわゆる都市国家と呼ばれる、一つの都市国家を成す統治形態政治が行われていたのだが、これら都市国家が成立する以前の、ギリシア暗黒時代においてはギリシア半島ペロポネソス半島)には大量の異民族流入しており、戦乱の嵐が吹き荒れていた。

 そのような戦乱のさなか、開闢におけるアテナイいかにして生き延びたのか?

 それは、あまりにも乏しい資源によってであった。

 アテナイは極めて痩せた厳しい土地であった。地中海性の気候の中、雨量は少なく、養えるだけの人口は決して多くない。要するに、戦乱の時代においては重要性の極めて低い土地だったのである。そのため、アテナイ暗黒時代における異民族侵略において、常に見逃され続け、戦乱からは遠ざけられ、その地盤と地歩を少しずつ伸長させてきた。最終的には、ギリシアにおける最も優秀な文化都市としての地位確立するに至ったのである

 さて、そのような経緯もあり、スパルタアテナイ、あるいはテーベといったギリシアの主要都市基本的に国力に乏しく、幾ら軍制を整えたところで養える軍隊には限界があった。当時のアテナイ人口については諸説あるが、最盛期における人口は十万人程度だったと言われ、まともな軍隊として機能する人員は精々一万人を上回る程度だったであろう。


 一方、ペルシア現在におけるアフリカ中東中央アジア南アジア北部にまで跨る大帝国であり、根本的な軍事力、そして人口においてはギリシアに対して天地の差があった。そのような地政学的要因をテミストクレス紀元前480年以前から看破しており、このまま仮に戦争継続すれば、最終的にギリシアが間違いなく敗北するという未来を予見していたのである

 しかし、テミストクレス絶望してばかりではいなかった。来るべきペルシア本軍の大遠征に向けて、着々と準備を開始した。

 彼が最初に行ったのは、海軍備の増強である。これは正に慧眼であり、ギリシア絶望的な状況を打破する最善手にほかならなかった。

 無論、軍事力が精強なペルシア海軍備は相当なものであり、実際、ペルシア戦争が激化した際の艦船保有数は、ギリシア保有する400隻足らずの軍艦に比べ、ペルシア軍のそれは3倍から4倍の1500隻以上(輸送船を含む)に達していた。ギリシア軍は結局のところ、陸軍備においても劣り、海軍備においても劣っていたのである。そのため、不足している海軍備の増強に多少着手したところで、いずれ来る黄昏を打破する目覚ましい一手にはなり難い――そう目するギリシア市民政治家も決して少なくはなかった。というか、そもそもギリシア軍は精強な陸軍を抱えているのだから海軍備の増強は不要であると楽観論に耽るギリシア市民が圧倒的だった。テミストクレスは頭を抱えた。


 テミストクレスは異常者であった。常に真実を見ることしかできない目を持ち、常に真実しか思考きぬ頭脳を持ち得ていた。

 テミストクレスは十年に渡って、世界の終りをただ一人、真摯に見据えていた。やがてギリシアは滅びる。しかし、その寿命を一秒でも長く保つこと、その呼吸が、須臾の間なりとも長く伸びることを目指し続けていた。また、テミストクレス軍人である前に政治家であった。そのため、テミストクレスは数多くの権謀術数を駆使することを厭わなかった。彼の謀略が活かされるのは、決して外敵に対してばかりではない。むしろ、同じくギリシアに属する味方勢力に対して、しばしばその陰謀は向けられていた。 

 ともかく、海軍備の増強に前向きでないアテナイ首脳部を説き伏せるためにテミストクレスは一計を案じる。海軍備の増強に消極的であったアテナイ首脳を説得するために、テミストクレスは同じくギリシア海洋都市国家であるアイギナと呼ばれる都市国家の脅威を説いたのである

 アイギナはギリシア世界においては珍しく、海軍備を主体とする軍制を整えた都市国家であった。地理的にはアテナイの属する沿岸からかに南下した地点に位置しており、当時のアテナイ首脳や市民にとっては、遠くアジア大国ペルシア帝国よりも、海洋国家アイギナはよほど身近な脅威に映っていた。テミストクレスはその心理を利用したのである。まずはこの手近なライバルとなり得るアイギナの脅威を喧伝することで、テミストクレスは徐々にアテナイ首脳の意識海軍備の増強へと向けさせることに成功した。

 さて、この時アテナイ新造した艦船の数は200隻程度で、かつて備えていた旧式の軍艦の凡そ十倍にあたる新型の艦船を建造しおおせたのである。とは言え、先述の通りそれでもなおペルシア軍の海軍備に比べれば、アテナイの所有していた軍艦の数は圧倒的に劣っていた。それでも、テミストクレスの企てた長期的な戦略は間違いなく最善のものであったと言えた。結果的に、海軍備の増強という手段以外にペルシアを打倒し得る勝ち筋は無かったのである

 何故か。


 ペルシア軍は強大な軍事力を動員するだけの国力を備えていた。軍事力インフラを整備する技術力、そして、兵士を養うために必要な兵糧を創出する農業力、それらの総合力において、ペルシアは明らかにギリシアの力を上回っていた。しかし、そのような強大な力は、反面ある種の脆弱性を抱えることにもなる。テミストクレスはそこに目を付けた。

 テミストクレスが着目したのは、ペルシア軍における高度な兵站戦略であるペルシア軍は圧倒的な数の軍隊を抱えるが故に、その大軍を支えるための兵站戦略を整備していた。中継都市本国から創出した食料を、効率的前線へと運び届けるインフラを整備し、兵の士気が低下しないための細心の注意を払っていた。

 しかし、ギリシアが属するバルカン半島並びにペロポネソス半島海岸線は長く、その補給路は長大に達し、沿岸陸路は決して効率の良い輸送ルートとは言えなかった。陸路における兵站戦略が決して最善のものでないことを、ペルシア軍は理解していたのである。したがって、ペルシア軍の兵站必然的海路依存していた。

 艦船による食料の輸送は、陸上のそれに対して圧倒的に効率的である大軍を支えるために行われる、ペルシア軍の必然的兵站形態を、実際にペルシア軍が襲来する十年前の段階で、テミストクレス明察していた。更には、そのペルシア軍が抱える唯一の弱点を攻撃するための、唯一の手段を十年前から整備し続けていたのである

 つまり海上兵站破壊し、ペルシア陸軍機能不全にすること。それが、それだけがギリシアペルシア軍を打倒するための唯一の方策であった。

 そして、それを理解していたのはテミストクレスだけであった。


     ◇


anond:20220626003448

2022-06-25

ゴミ捨てのコツ

玄関脇の小さな収納スペースは、週末までにダルボールが詰められていき、土曜の朝にはいっぱいになっている。

ダンボール置き場の空間には、限られた資源ダークマターが充満している。ダンボールに住む住民たちは、それを平和利用しているが、ダンボール居住地)が増え、人口密度高まると、小さな諍いも増えていく。土曜の朝には一触即発、いくつかの都市国家間で、資源の奪い合いが大規模な戦争を招こうかという状態だ。終末の時は近い。

という物語想像しはじめてから、土曜朝の資源ゴミを捨て忘れることがなくなった。ゴミを捨てるごとに、私は救世主屠となり、次の世界創造する。ダンボールからも、喜びの声が届く。

2022-05-22

anond:20220522034722

でもシヴィライゼーションの蛮族は交渉傭兵に出来るし蛮族の理になる行動を続けたら都市国家に移行するし

このレベルすら期待できないのにシリアス書いてるつもりで戦描写をしてはいけない

2022-03-24

anond:20220324123125

「ポリ」はまさに都市国家の「ポリスから来ている。

マリウ」は女性名の「マリア」から来ている。

まりマリポリス」→「マリウポリ」で覚えろ。

2021-11-13

高校世界史先生の話

高校の頃の世界史先生は大変な変人だった。

当時、世界史が必修科目であるが、理系では受験科目ではなく、

まり力を入れてはいなかった。

そのためか教科書通りではなく、先生趣味で語る歴史講座だった。

ギリシャでの都市国家ローマの賢帝・愚帝についてどこまでも語っていた。

この先生の話をきっかけに塩野七生さんに興味を持ったものだ。

高校の文集に、自分青春時代恋人との思い出を情熱的な筆致で描いていたのも

この先生だった。

灘や麻布などの自由度が高い私立中高一貫校ではそのような教師もいるという話を聞くが、

これは普通公立高校の話である

振り返ると、大学文学部を出てアカデミアにも会社にも進まなかった文学青年教師になったのだろうという

独特の雰囲気を感じる先生だった。

今はあのような先生はいないのだろうと思うが、一抹の寂しさも感じる。

2021-09-26

馬鹿な話だけど時を戻せたとしたら

歴史は同じことを繰り返すのかな?

例えば紀元前何年とかに時間を戻せたとしたら

再び都市国家ローマ覇権を握って大帝国へとのし上がるのかな?

歴史シミュレーションゲームなんかでCPU勝手に動かさせてたら

同じ展開にはならないやんか。

まあそういう風に変数調整されてるからでもあるんだろうけれど。

時のリセットボタンを押したとき

果たして現実世界はもう一度同じことは繰り返すのか?

繰り返さないのか?

ワイは繰り返さない派。

歴史は偶然のランダム要素の塊だから再現性はないはず。

2021-07-21

anond:20210721144010

不可避じゃなくてすんでいるのは、社会構成する自分以外の女がそれをやっているからであり、自分の女以外がやっていれば生きていける都市国家というシステムでもある。

 

「生きていくには食料を作らねばならないって、違和感しか感じないんだよな。買えば済む事なのに」

 

君がいっているのはこういう事。

もちろん、スーパーで食料を買うのは悪いことじゃあないが。しかしやってくれている人への感謝というか、仕事を任せているという気持ちはあっていいんじゃないか。

スーパーで飯を買うことが環境破壊の原因であるように、子供を作らないことは少子高齢化の原因の一端でもあるし……。

2021-06-13

anond:20210611225555

岡田斗司夫主催SNSクラウドシティ」はどうなったのかな。

https://www.facebook.com/CloudCityex?sk=app_7146470109

クラウドシティ世界初の「理屈民族」のための都市国家です。

 「理屈民族」とは、ついつい理屈ものを考えてしまう、私やあなたのような人たちです。

 理屈が嫌いな人や、理屈が苦手な人たちから「なんだか面白くない」「堅苦しい」「ノリが悪い」と思われたり、「そんな理屈ばっかり考えて、人生何が楽しいの?」と真顔で聞かれて苦笑い

 そう、それが私たち理屈民族」です。

 クラウドシティは、そんな理屈民族のための楽園です。

 ここでは、いくら小難しい話でも、理屈っぽい冗談でも、難解な哲学の話でも、敬遠されがちな宗教論でもなんでも大歓迎。

 その実態世界中どこからでも、年中24時間アクセスできるSNSシステムとしてはmixiみたいなのを考えてくれたらOKです。

 このfacebook案内所では、クラウドシティの紹介をしています

 興味を持たれたあなた理屈っぽいあなた、ぜひクラウドシティに参加してください。

 クラウドシティは、新しい市民をお待ちしています

2021-06-09

大規模ガチ農家がどうやって生きているか(続き)

初めて増田に書いたのだけど、思ったよりブクマ数が伸びた。

うかれてトラクター作業しながらコメントも大体全部読んで、

いろんな人がいろいろ、そして概ね好意的に書いてくれて面白かった。

いくつか触れておきたいトピックがあったので、農業中の人として個人的見解感想を書いておこうと思う。

そういえば、一つ書き忘れたんだけど、借地料について。

今の相場10aで年間6000円。

ミスタイプではないです。300坪、年間で6000円。

GPSドローン豪農の証?

豪農意味が大規模とイコールなら正解。

GPS直進機能は優秀だし必要

なんで直進が必要かというと、作物を均質に作るために均等な環境を用意するため。

まり同じ深さで耕して、同じ量の肥料を撒いて、同じだけの根圏を用意するためなんだけど、

圃場の長さが70mくらいなら目印なく直進できるけど、100m超えたあたりから絶対曲がるんだわ。

ただそんな圃場は当地にはほとんどないので、僕らの地域はいらんけど。

ドローンは主に水稲農薬散布で使われるイメージかな。

水稲農薬って剤形もいろいろあるんだけど、幅が40m超えたあたり?からどうやっても水田の中を歩かないといけなくなってくる。

水田の中なんてできれば、歩きたくないのよ。うちでも40枚くらい、ほんとの大規模なら何百枚も田んぼあるのよ。

体力勝負仕事から、体力はできるだけ温存したい。

当地では必要ないけど、ドローン使う気持ち理解できる。

農業って人間がやるような仕事じゃないんだよね。

それは違う。効率を重視しすぎた結果、人間対応できなくなっただけ。

効率的な肉体労働は、効率的に疲労を生み出し、効率的に人間の体を壊す。

ネギを抜くにしてもそう、手で抜くのか、腰で抜くのか、足で抜くのかを変えるんだ。

一番早いやり方でやり続ければ、必ず体のどこかが痛くなる。

でも足の置き方変えたり、肘を体につけて支点を変えたり、ネギを順手で持つか逆手で持つか変えたり、

出力に使う筋肉はできるだけ大きい筋肉、例えば背筋を使うのか大臀筋を使うのか、こういうのを意識的に変えたりすれば、

少し効率は悪くなるけど、ずっと続けて(休憩はいるけど)作業できる。

こういうのを教えるのは大変なんだ。言葉が通じないと尚更。

雇用外国人

うちは日本人。ここでいう外国人というのは、外国人技能実習生のことを指してのことだろう。

永住権を持つ外国人パートとして雇ったことはある。)

この制度に賛成か反対かは政治的議論になってしまうから避けたいところ。

農業に限った話ではないけれども実業家として見て、

利益リスクという観点から日本人雇用するという選択をした理由は以下2点。

1、制度の建前と実行内容が矛盾している。突然はしごをを外される可能性がある。

研修生という名目労働力を得ているのはよく言われる通りだと思う。

ただ、研修生技術を持ち帰るためではなく金を稼ぐために来ているというのもあり、どっちもどっちだとも思う。

技術を持ち帰るのであれば、きちんと農学を学んだ人が来るべきだと思う。

そもそも日本農業には参考になる点はあっても、技術をそのまま母国に持ち帰っても使えないはずだ。

日本気候特殊すぎる。暖かすぎず、寒すぎず、四季がある。世界で最も雪が降る。各地で気候が違いすぎる。

冬がなければ、土中の有機物が年中分解し続けてしまうので肥沃さが失われる。

寒すぎれば泥炭のように未分解の有機物が溜まりすぎてこれまた作れるものが限られる。

それに火山灰土が多い、当然だが火山がなければ火山灰土はない。

そんな絶妙バランスの中で培われた技術日本農業であって、だからこそ日本各地に農業改良普及センター存在する。

気候や土が違えば技術が変わるし、技術選択できる領域に達するのに2-3年は短すぎる。

業界比較して農業特殊性を訴えるアプローチは嫌いなのだけど、

農業はどうしても同じ環境経験を積めるのは年1回しかない。

僕も稲作はあと30回くらいしか経験改善ができないのだ。

からこそ世代を超えて経験値を蓄えていかなくてはいけない。

研修という名目で人を入れているのに、どう考えても研修自体が成立しないのだ、

大体、外国研修しなくても、モナコシンガポールのような都市国家は除いてどんな国にも自国農業はある。

国際世論からバッシングを受けたら制度自体が突然なくなっても不思議ではない。

人がいなくなってどうしようもなくなったら、規模縮小せざるをえない。

規模拡大の阻害要因農地の獲得だが、規模縮小の阻害要因借金だ。

一度大きくするために借金してしまったら、土地を返して済む話ではなくなってしまう。

それに農家はすでに減反廃止というはしご外しを経験している。

現在農家数が著しく減少している、それは農政が票田として魅力的ではなくなることを意味する。

はしご外しはされるべくしてされたのだ。

全然関係ないけど、ホンダアクティがなくなったのも農家数減少のせいだと思っている。

2.冬の仕事が作れない&変形労働制が使えない

当地は夏秋作が中心の地域だ。12月から3月までは農作物ほとんどできないし、土は凍結している。

一度、トラクターを動かそうと思って地面に置いてあったロータリー持ち上げたら爪が折れてしまった。氷は恐ろしく固い。

野菜ができても暖地とは生産量で勝負にならない。

日本人なら年間の変形労働制で対応できるが、外国人技能実習生はそれができないはずだ。(たぶん)

農業仕事がない時はないのだ。稼げる時にしっかり稼いで、稼げない時は充電期間だ。

強引に自然に逆らうと利益は出ない。ちょっと逆らうくらいがちょうどいい。

個人で売って儲けてる実績はある?農協喧嘩するとどうなる?

これは国が助成金をもらった新規就農者にアンケートを取って調査した実績がある。

内容がネットで公開されているかは分からないし、僕も見た後に捨ててしまったのでソースを示せないのが残念。

記憶では個人販売で儲かるのはコメ野菜は難しいという結果が出ている。

野菜はあっという間に悪くなるので在庫ほとんど持てない。取れる量も気温と日照で倍くらい余裕で変わる。

値段をつけられないが全量取ってくれる市場に出荷する方がロスが少なく圧倒的に楽。

農協手数料市場手数料で合わせて販売額の12%弱。

農協の取り分は3%ほど。なお運賃・予冷代・箱代などは別でかかる。

農協は優秀よ。運賃なんて1箱数十円、個人ではトラックチャーター便とか出せないからね。

あのインフラは生かすべき。

農協については、まず誤解を解くところから始めなければいけない。

今ここでいう農協とは単協、つまり農協組織の末端である地域農協のみを指す。

農協解体とか言われるのは単協の上部組織全農とか中央会とかの、つまり農協のための農協のことだ。

前提として、農協敵対する組織ではない。言うなれば農家自身だ。

農家が集まって作った協同組合という体になっていて、農家生産者であり出資者でもあり、顧客肥料などの購入)でもある。

株式会社との一番の違いは、出資額や出荷額に関係なく一人一票制という民主的組織であるという点。

意思決定において販売額が10万円でも1千万円でも権利は変わらない。

小さくても人が集まれ政治が発生する。農協がノーというのは、実は農業者の世論?がノーと言っているのである

僕が農協喧嘩をするということは、地域農家喧嘩をするということであり、それは絶対に得策ではない。

ましてや僕のような移住者を支えるのは、地元出身農業からの信頼と必要性だ。

外国人力士のようなものだと僕はよく言っている。

角界を維持し盛り上げるのに必要から存在が許されるのであって、役割を終えたら国に帰る。理事会にまで入ることはない。

(それほど相撲に詳しいわけではないので、間違ってたらすまん。でも年寄り相撲が好きだ。だからこの話は通じやすい。)

地域農業には歴史がある。それをちゃん理解し、説得し、それで初めて若者として提案ができる。

そう、若いだけで目立つ、目立ちすぎる。

なにせ60歳で「期待のルーキー」とか呼ばれる業界だ、40歳未満の若造なんてどう見られるか想像してもらいたい。

農協職員喧嘩はする。会議では論戦にもなる。

でも農協職員農協ではないのだ。彼らは転属になって数年でいなくなる。

でも農家死ぬまでそこにいるのだ。

僕らが向き合うのは農協職員ではなく、これまで地域農業を支えてきた方々だ。

青年就農給付金(現 農業次世代人材投資金)の効果はあったか

僕もこの制度は使わせてもらった。150万円ね。

150万の計算根拠は当時の最賃で月160時間程度働くと大体年間150万円くらいだから理解している。

個人で言えば本当にありがたく有効に使わせてもらった。もらったお金は全部農機具に変わった。

ただし全体で見れば追跡調査の結果、5年後の給付金打ち切りとともに経営が成り立たなくなるケースが多かったとのこと。

この調査結果は公開されていると思うので、興味があれば調べて欲しい。

当時は制度が始まったばかりでアラが多かったけれども、今はだいぶ洗練wされて、条件が厳しくなってもらいにくくなっているはず。

転職した理由が気になる

ここから雑談

当時の専門はWebプログラミングSE続けてもそこそこ稼げたと思う。

多分生まれるのが20年早くってメインフレーム触ってるような時代だったらそのまま続けていただろうね。

そういうプログラミングは大好きだった。

でもスマホが出たあたりから風向きが変わって、

ちょっと偉くなったところで社内で事業を立ち上げるようなものが求められるようになって、

僕にそういう企画力はなかった。

僕はHackしているのが好きだったのだ。

今は制度的にも複雑で、読めない自然相手

農業は実にHackしがいがある。いいところに流れ着いたものだ。

かに稼ぎは多くない。

でも、農家が稼げる時というのは食糧危機の時だ。そんな時はもうきてはならない。

農家がもらえる補助金はよく話題に上がるが、

実は農業に限らず法人がもらえる補助金はとても種類が多く、給与所得者の多くは遠回りに恩恵に預かっている。

DanKogaiツイートしていたように、雇用社会保障チャンネルになってしまっているからだ。

問題農業事業体がほとんどが個人であって、事業個人の財布が区別されていないことにある。

だけどこれもじきに解決していくと思う。

農業産業として意識されつつあり、大規模化が進んでいる。

大規模になればなるほど、個人財産では事業赤字負債を処理できなくなっていく。

税務署貸借対照表の左右が合わなくても受け取ってくれるそうだが、

いくら儲かっていくら払ってくれるの?ってのが分かれば、税務署的には問題ない)

そんな会計していたら回らない。

農家がどうやって食っているのかという元エントリーの話に戻すと、

兼業年金などで誤魔化していて農業では食っていないというのが、おじいちゃん農家の大多数の実情だ。

規模が小さければそれができる。プラマイゼロくらいには割と容易にできるし、それで十分だと思う。

時間はあるが金は最低限しか使うなという暮らしは辛い。

金を使わない最良の方法は、何かしら仕事をすることだ。

世の中に自分仕事が役立っているという実感があって、

その上食っていけているなら、それは仕事として必要十分ではないだろうか。

僕は定年後に農業を始めたいという60歳くらいの人は応援したいと思うし、ウェルカムです。

どうか、農家を生かさず殺さずにしておいてもらえればありがたい。

これは謙遜しているのではない。

全く手が届かないのはhack余地がない。

金をジャブジャブ投入されたら、それは何も考えなくなる。

金がありすぎるのは、ないよりも問題だ。少し足りないくらいが一番いい。

そうしてくれれば、あとは勝手に楽しむから

アグリテックについて書いて欲しいと言ってくれた人、ありがとう

今は過渡期で、ネットで言えばADSLを普及してるような段階だと思うよ。

続きはまた今度、面白そうなトピック見つけた時にするわ。

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追記1:農地いねやってみようかなという人へ

農地農家でなければ借りられない。しか農家になるには農地がなければならない。

ニワトリタマゴみたいなこの参入障壁を非農家は越えなければいけない。

どうやって超えるかは書かないので調べてね。

追記2:ネギが1本5円になったらどうすんの?ってブコメがあったので。

それはネギ作るのやめるよ。機械投資の回収も全て諦める。これまで学んで身につけた栽培技術も全て捨てる。

未練はない。埋没原価は回収できないから埋没なんだ。何をしてきたかではなく、これから何ができるかだけを考える。

借金は?ってなるけど、詳しく書かないがそれをカバーする金融スキーム存在する。大丈夫

事業の失敗は事業で取り戻すしかないんだ。もう個人資産カバーできる範囲は超えてるんだから

僕はネギ農家だけど、「ネギしか作れない農家」ではない。

明日から5円になったら、ネギ畑を半分潰して5年経験があるブロッコリー作るかな。

6/15播種なら9/5には採れる、めっちゃギリだけどネギ収穫開始をカバーできるな。

育苗期間が25日ほどあるので、とりあえず播種だけして、その間がネギを潰すかの検討できる猶予期間になる。

作ったことない作型ではあるけど、技術的なフォロー種苗会社・普及センターがやってくれるし、栽培している仲間もいる。

計画立て直して、明後日には種発注してるだろうね。

それ以外にも考えられる方法はまだいくつかある。こんな感じでオプション存在する。

僕のネギを待っていてくれるお客さんがいて、その人が再生価格を出してくれるのであればその分は栽培は続ける。

価格暴落より、信頼を失う方が怖いです。

中国に勝てる?って言われても、僕は別に中国勝負してるわけじゃないし、

日本ネギ栽培運命背負ってるわけでもないので、戦わないという選択をするね。

前提を崩すようで悪いが、ネギ1本5円は産業構造上、実現しないと思われる。

輸入は青果業者がする。青果業者が全国に販売するには市場というインフラを使うわけだが、

市場手数料を売上からパーセンテージで取る商売なので、そもそもそんな安いくせにかさばるものは取り扱いたくない。

どんなスーパー外食チェーンであっても、市場の世話に全くならないところはないだろう。

それ故、そのネギシェアを取ることはできない。多分市場に到達する前にどこかで、市場価格まで上がるだろう。

普通に考えれば生産業者の総取りになり、5円でネギを作れる業者はウハウハだろうけど、

市場価格がそんなに暴落することにはならないし、

大量に作りすぎても販売上不利になってしまうので、ほどほどのところでやめるのではないか

風が吹けば桶屋が儲かるくらい遠い話のような気がするが、こう聞けば納得してもらえるだろう。

安いもの消費者は喜ぶだろう。でもそれに関わる業者は適切な利益が取れなければ、産業として成立しない。

農家はしぶといよ。じゃないとやってられない、心がもたない。

就農初年度に建てたビニールハウス100年に1度の大雪で潰れかけて徹夜雪下ろししてなんとか守ったのに、

翌年には突風でぶっ飛んでしまったなぁ。生き残った部材かき集めて、小さいハウス作り直して倉庫にした。

自然災害と価格変動ではもう心は動じなくなってしまったよ。

anond:20210608230420

2021-05-04

anond:20210504214556

から国と国の戦争は泥沼化するんよね

都市国家みたいな、この山あい都市を爆撃すれば国全滅みたいな、そういうミニマムな状況ならなんとでもなるんだけど

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