はてなキーワード: つばめとは
実況:滝沢カレン
まだ令和南海地震は起きてないっす。中共の工作員なんだろうけど、キモすぎてキモすぎる
★迷惑メール★【義援金受付】2024年 南海トラフ地震災害義援金について
このメールが [迷惑メール] に振り分けられた理由 以前迷惑メールと判断されたメールに類似しています。
日本国際緊急援助委員会 support@service.czbqk.cn 8月10日(土) 12:44
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このたびの、2024年 南海トラフ地震により被害にあわれた皆様に謹んでお見舞い申しあげますとともに、被災地の一日も早い復旧を、心よりお祈り申しあげます。
当社は、この災害により被害を受けられた方々を支援すべく、下記内容にて募金を受け付けております。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
【受付期間】2024年8月10日(土)~2024年8月31日(土)まで
支店番号 ・006
口座番号 ・2680977
ニンテンドースイッチのゲームまた50本遊んで感想書いたのでまとめ(部門別ランキング)
「明日宇宙飛行士になって大気圏外で愛を語ろうか」の歌詞が主人公が夢を持って職業を選ぶことがルート分岐の重要な点になるストーリーと密接に関係しているのが大好き。
・旅路の果て
「長い道のり超えてたどり着いた私たちの“先達”」
どのルートでもしっくり来るが個人的にはサクヤルートを踏まえて聞くのが好き。
アカイイトは泡沫のボーカル版もいいんだけど、これはゲーム内には未収録なので選外。
・星の瞬くこんな夜に
この続きを読みたいなあ。
ハートとため息を盗む怪盗ミスアルテに一目惚れ、もといハートを盗まれてから自分も同じ信条を掲げて怪盗を始める導入から、かなり色々なエピソードがありこの信条の重さがどれほどの物かを理解するシーンは胸が激って熱くなった。
女性キャラだけでなく男性キャラからも惚れられる展開もあり、その際に割と躊躇せず行くのも貪欲で大好き。
・タイラ
宝探しゲームが大好きで、彼が考えるアクティビティが楽しいことが、周りの人間をどんどん引っ張って行くのが前向きで凄くいい奴。
このシナリオライターさんの主人公はみんな同じキャラと批判されるのを見たことがあるが、その点をうまく脱臭してシナリオに落とし込めていると僕は思う。
・静希草十郎
電話すらない田舎から引っ越してきた純朴な青年で、慣れない街に四苦八苦しながら一生懸命に生活をする様が格好いい。
疑わないぐらい当たり前のことが当たり前じゃないことを気づかせてくれる彼の独白は非常に興味深く、それが魔法と同じぐらい特別で異質に見えるその境遇が重たいし考えさせられる深さがあった。
・怪盗ミスアルテ
AMBITIOUS MISSIONのヒロインで、ハートとため息を盗む怪盗。
作品の大きなテーマであるハートとため息を盗むを実現し続ける様は、カッコよすぎて開幕から一気に引き込まれた。
そんな格好いいキャラが中心だからこそ、最終盤で彼女のハートとため息を盗むように盤面をひっくり返すあのシーンは堪らなく燃える最高のシーンだった。
・スバル
マイナス思考で陰気で自分勝手な、世間一般の価値観ではよくないとされるキャラで、作中の言動も度が超えてる程に度し難いシーンが多い。
しかしその自分勝手さもここまで一貫すれば見事と言うしかなく、彼女の働かず誰とも交流せず美味しいフルーツと牛乳だけを飲み食いし自然を愛で続けたいという欲望を、ガチでドン引きするぐらい繰り返すくだりは圧巻だった。
・小熊真央
FatalTwelveに登場する主人公とヒロインの友人キャラ。
デスゲームの参加者じゃないのに参加者よりも忙しそうに活動し続け、ヒロインのメンタルをケアし、主人公に察することを教えと、縦横無尽に活躍する名脇役。
恋のキューピットと言えば聞こえはいいが、主人公とヒロインの二人のために献身的が過ぎるので、彼女が彼女自身の幸せを見つける追加ファンディスクなども遊んでみたい。
・葛
小学生ながら廃屋で一人暮らしをしているため、夏の蒸し暑い時期なのにお風呂に入っていない。
しかも、彼女の攻略ルートに入ると主人公もお風呂に入れないため、蒸れが蒸れ蒸れになるのはエッチがすぎる。
アウトドアが大好きなため、汗臭いのは当たり前と割り切っており、キャンプ場でシャワー浴びたいとゴネる友人を冷たい目で見るシーンがたまらない。
その証拠に、シャワーを浴びるルートに入るとスリラーサスペンスな展開が始まるが、シャワー浴びずにいると男性と急接近し恋愛ルートに入るため、恋愛においてもお風呂は入らない方が良いことが示唆されている。
・保村
Night of the Crabz ~カニの頭に気をつけろ~のヒロイン。
常にふざけており下品なことも平然というキャラクタだが、温泉旅館に泊まりに行くのに変えの下着を持ってこず同じものを履き回すというエッチな技を披露する。
お風呂に入ってがっかりさせた後、下着の履き回しで興奮させる高等テクニックに感謝。
男子学生なのだけどとある事情からプライベートでは無理矢理メイド服を着せられている不憫なキャラ。
かなり流されるタイプで押せば普通にエッチなことできちゃいそうな様が可愛かった。
・レイ
災難探偵サイガ~名状できない怪事件~のワトソン役を務める助手キャラ。
性別不明なため男女どちらかは作品内で明記されておらず、ビジュアルもその通りどちらとも解釈できるデザインになっている。
路上生活を長く続けていたため、お風呂に入る頻度も少なかったに違いなく、その点を深掘りしていきたいと考える。
・翔太
成人済みの男性ながらオンラインゲーム内のアバターでは女性キャラを使い、他のプレイヤーに媚びを売って所謂「姫プレイ」を楽しんでいる。
サークルがクラッシュしてからも、色々なキャラに依存心高めに媚を売る様は普通にエッチで、可愛いキャラだ。
コロシアイ学園生活というダンガンロンパの根幹をなす設定をおちょくりまくる、シリーズ屈指の名エピソードの立役者の一挙手一投足。
V3だけでなく、1と2も含めた今までの学級裁判が如何に黒幕の恣意的な誘導であったかが理解できる設定の妙が面白かった。
死生観に関する非常に独特な設定が開示されると共に、その異端なキリスト教の解釈を否定する岡田黒洲の有り様は驚いた。
特にオーラスもオーラスで、作品のタイトルの意味を独白しながら彼が叫ぶ慟哭は、物語のために作られたミステリらしいトリックで、謎解きやパズルではなくミステリとして優れた作品だったと感じた。
・ワールドエンドシンドロームの主人公の名前入力にまつわる仕掛け
プレイヤーが自分で名前を付けるのは、テレビゲーム黎明期からあるありふれた仕様だが、この点を見事にトリックに昇華しており驚いた。
さらにこれが叙述トリックやサプライズの類ではなく、フーダニットの過程に用いられるのがたまらなく決まっていた。
・ルストと翔太
アーキタイプ・アーカディアの主人公と独自ルートがある男性キャラ。
彼のルートを選択すると密接な関係値のエンディングを迎えられる。
カップルか否かは議論の余地があるかもしれないが、依存心が強く自立できない翔太と、他人に固執せず内に篭りがちなルストはまさに割れ蓋に閉じ蓋、幾つもルート選択があるゲームだがこの組み合わせがベストカップルだと感じた。
一夏のボーイミーツガールものだが、とあるSFガジェットの登場により、随分と歳の差カップルになる。
この歳の差に苦悩するところがいじらしく面白いので、アフターストーリーとして少ししか読めないのは物足りなかった。
・佐知子と貴呼
二人の関係値は話の大きな主題にあるため、このゲームが好きということは自然とこのカップルが好きになる。
女性同士だからこそのアクティビティもあったりして、とても幸せそうなカップルで素敵だった。
⚫︎好きなスチル絵ベスト3
2枚あるがどちらも最高で甲乙は付け難いが、2枚目に出てくる方が好き。
ミスアルテ、ミッドナイトに続く3人目の怪盗だが、まさかここで来るかと驚かされ、さらに背景にちらっと映るある事情を抱えた前作のヒロインたち。
今作の仕掛けが一点にあつまる万感の想いがこもったいいシーンな上に、前作への気配りもされた完璧な一枚絵だった。
・島の電気が復旧するスチル絵
ATRI -My Dear Moments-の最後の方に出る、主人公とヒロインは後ろ向きで、電気で明るくなる島の家々がメインのスチル絵。
今までの苦労が報われる上に、電気が付く背景の美しさが合間って非常に感動した。
その上で、これは日本の小さな離島の電気が復旧しただけで、世界はまだまだ苦難が多く、これを第一歩にするという決意に繋がるのも良きシーンだった。
・死の線が見えない月明かりに照らされたアルク
月姫-A piece of blue glass moon-の志貴がアルクに惹かれる印象的なシーン。
直死の魔眼という得意な能力のせいで人とは違う生死感を持ってしまった主人公が、美しく見えるヒロインが登場するのは非常に納得感があり、一気に話に引き込まれた。
個人的には原作の際は琥珀さん派で、他のキャラにはあまり思い入れがなかったのだけど、リメイク版はここだけでアルク派に鞍替えした。
⚫︎美味しそうな食い物ベスト3
・月の涙
味についても言及されているが、現実世界には無いので飲みたくてしかたなかった。
食事に舌鼓を打つシーンは多いゲームだが、前後の文脈も相まって印象的でお腹が空くシーンだった。
実のところ繰り返し登場するわけではなく、要所で数回出るだけなのだが、印象的なシーンが多いため読了後にコンビニに買いに走った。
ストーリーとして綺麗に終わってはいるものの、設定や未来が知りたいことが多すぎる。
特に周瀬律架については蒼崎姉妹と何か関係値がありそうなので深掘りを期待したい。
ポケモンの買い切りゲームはいくらあっても困らないので半年に一回ぐらいは何かリリースして。
素材使い回しでいいから1時間ぐらいの短編を定期的にリリースするのが向いてると思うんだけど、難しいか。
○ご飯
朝:納豆たまごかけごはん。豚汁。昼:フライドポテト。夜:餃子、もやし、にんじん、しいたけの鍋。ネギたまごおじや。間食:アイス。
○調子
むきゅーはややー。おしごとは、おやすー。
○AMBITIOUS MISSION
・はじめに
原作はSAGA PLANETSから2022年に発売された18禁美少女ゲームの全年齢移植版を遊んだ。
北海道沙幌市を舞台にクラーク博士が残した伝承、12個の宝石とそれを収める台座で構成されたお宝を巡り、怪盗、探偵、警察、盗人、泥棒などが入り混じるクライムサスペンス。
金色ラブリッチェとは同じ世界のようで、ちらほらと見知った顔が登場する。
メーンヒロインの怪盗ミスアルテが掲げる「みんなのハートとため息を盗む」というポリシーを実現する様に、主人公の根津御影が共感し協力することになるのが導入。
怪盗が犯罪者であることは口酸っぱく言及され続けるが、法律よりも優先すべきことがあるキャラクタの心情に共感でき始めてからが物語の本番。
めちゃくちゃ面白くて最高に楽しいゲームだったので、感想を書いていきたい。
主人公の根津御影の一人称が基本的な視点になるが、まず彼が怪盗ミスアルテに一目惚れ、もといハートを盗まれるエピソードから始まる。
そのため、まずはこのメーンヒロインミスアルテが魅力的でないと話に入り込みに食いのだが、めちゃくちゃ格好いいキャラで、これに惚れない男はいないと納得させられる。
自身の行いが法律で裁かれる悪であることを強く自覚し、しかしその悪を持ってしか成し得ない大志を掲げる。
義賊的な振る舞いをしながらも、結局は自身の個人的な大志のために悪を成すミスアルテの立場は、口で言うのは容易いものの、具体的に納得するのは難しい。
しかし、本作では一番最初のエピソードで、早速主人公が抱える大問題、自分を育ててくれた養護施設の取り壊しを阻止するという目標を、ミスアルテがかなりあっさりと成し遂げてしまう、それも自身のポリシーを実戦しながら。
もうこの最初のエピソードから一気にのめり込まされ、物語の要素がたっぷり詰まっていて面白い。
夜の街を飛び回る怪盗の痛快さ、腕力や体力だけでなく知恵を使った騙しのテクニック、怪盗部と呼ばれるミスアルテをサポートする面々のプロフェッショナルさ、そして幾度となく繰り返し語れるハートとため息を盗むというポリシーの格好よさだ。
段取りを立てるパートがちょうどいい塩梅の文量なのが心地よく、怪盗目線で事件を起こしていくのが面白い物語なんだとすごく伝わってくる。
この段取りの部分では後に書くミスアルテの仲間たちも活躍するのが特に良きだった。
リアリティラインがわかりやすく引かれ、かなり無茶なことをしているが、開幕のエピソードが作品の自己紹介として読者もまさにため息をする暇もないし、ハートを盗られたと感じさせられた。
・怪盗部が仲間になっていく過程の楽しさ
怪盗ミスアルテに助けられた主人公は、自身も怪盗ミッドナイトとして、怪盗業に勤しむことになる。
この自身の名前を名乗るシーンのポエミーでキザったらしい部分で、ヒロインだけじゃなく、なるほど主人公の根津御影も大きくフィーチャーされると、予見できるのが面白い。
ミスアルテとミッドナイトは、高校生をやりながら放課後に隠れて怪盗を行う。
そのため協力者達と表向きは文化系の部活を装いつつ、その実は怪盗をするので、怪盗部という謎部活感のある設定が登場する。
顧問のカリス先生はラッキースケベ枠兼鬼教官キャラで、訓練の最中にエッチなハプニングが起こるわかりやすい美少女ゲームらしさが楽しい。
訓練でのお茶目なシーンがあるからこそ、怪盗パートでの頼れるサポート役とのギャップが良いキャラ。
男性ながらメイド服を着てお給仕もしてくれる小林つばめ君は情報解析やオペレーターの仕事をしてくれる。
怪盗部の男性は彼と主人公だけなので、最初から距離感が近いし、何より押せばすぐヤレそうな気の弱さが可愛いキャラだ。
彼女のメイク道具は特殊な素材でカメラやビデオで撮影してもボヤけて焦点が合わないというSFガジェットなので、決して無駄な職業ではない。
夜の街を駆けるために強力な足の補助具やグライダーなどの怪盗道具を練習するパートが結構長くあるため、所謂修行パートのような楽しさがあった。
金色ラブリッチェとの設定リンクのおかげで、あいつよりはまだリアリティのある設定だとある種勘違いしてしまうの設定の妙もある。(あちらでは完全にすこしふしぎの領域に入っていたので)
そうして怪盗部の面々との交流を通じて、主人公は怪盗ミッドナイトとして成長していき、各ヒロイン毎のルートに分岐していく。
僕がプレイした順序だとまずは、メイク担当にしてギャルの本郷虹夢ルート。
共通ルートでは怪盗が主役の痛快エンタメだったが、個別のルートでは諸々の事情があり怪盗の動きは控えめになる。
ここは正直言ってストレスの溜まる部分で、共通ルートではアレだけ自由だった怪盗部が社会的な圧力で身動きが取れない展開はモドカシイ。
虹夢のルートでは、SNSで様々な人の暮らしが容易に見えるからこそ、資本の格差を感じる人の辛さがテーマになっていた。
共通ルートのエンタメ一辺倒から一転して、結構真面目なテーマを扱っているし、作中での言及も安易に極論や結論に飛び付かず丁寧な議論が多く、作風の違いはあれどこれはこれで面白かった。
もちろん怪盗が身動き取れないことや、議論のくだりはタメの展開で、最終的にはテーマ通り、みんなのため息とハートを盗むことになる。
そこにメイク担当のギャル虹夢が当番のルートであることを踏まえた仕掛けがキマるのが、美少女ゲームにおける怪盗の書き方になっていて面白い。
虹夢はSNS強者でフォロワーが大勢いるアルファツイッタラー(今はインフルエンサーというらしい)なので、その立場を利用した仕掛けは現代ならではの仕掛けで、部品が現代的になり、かつその根底にヒロインの可愛さがあるなら納得の出来で良かった。
彼女のルートで悩みの種になっていた、SNSのせいで浮き彫りになってしまう格差が、それでもそうやって誰かに映える魅せ方をすることを前向きに肯定する明るいシナリオなのも良いポイント。
・血よりも濃い関係
続いてプレイしたのは、盗人を自称する第16代石川五右衛門のルートだ。
見た目は小さい後輩女子なのだが、盗人を盗む盗人を生業とする端的に言うと忍者のキャラ。
忍者なのでミスアルテやミッドナイトが使うガジェットなしでも技術と筋力だけで同等のアクションをやれちゃうすごいキャラ。
怪盗部を取り締まる側の立場ではあるが、ミスアルテの口八丁に巻かれて仲間になってしまう。
彼女のルートでは血よりも濃い家族の関係がテーマになっている。
主人公は親がおらず孤児院で育った経歴を持つが、彼女は先祖代々の石川家を継ぐために母親の蜜子の命令を絶対視している。
そんな対象的な二人の恋愛エピソードが主で、他のエピソードとは結構毛色が違うかもしれない。
ヒロインの母親蜜子さんの存在感が大きく、正直言って途中これもう蜜子ルートでは? と思ったところもあったぐらいだ。
(実際、原作では蜜子さんとのシーンもあるそう)
エピソードとしてはラブコメらしいラブコメで、怪盗のお話はちょっと添え物感があったかもしれない。
攻略ルートが無いサブキャラ達にも魅力的なキャラが多いが、中でも男性キャラで親友ポジションの小林つばめ君はとても可愛い。
かぐやに仕える従者で、男が年頃の女性の側にいることを問題視され、嫌々ながら女装をしているキャラ。
怪盗の仕事でもオペレーターとしてサポートしてくれ、平常時の知性面では非常に頼れるキャラだ。
その上で怪盗部の中では、唯一の男友達なので、主人公と気安い関係を築いていく。
聞き分けが良い性格を逆手に取られて下品なことをされてしまうのがコメディながらもエッチで可愛い。
設定解説パートを任されることが多いので、一生懸命長セリフを喋るのも頭良い可愛い。
押しに弱いところが非常にエッチで、義務の女装なのに下着まで女性ものにさせられるくだりはとても良かった。
18禁版ではお楽しみエピソードを補完する追加パッチが配信された人気キャラなのも納得。
彼が主役のボイスドラマなどもあり、要チェックしたい。
そして、本作のメーンヒロインミスアルテこと有瀬かぐやのルート。
虹夢と石川のルートは怪盗のエピソードが控えめだったが、こちらではたっぷり楽しめる。
共通ルートの延長線にはなるが、そちらの感想の通りの面白さが続く。
それと並行しながら、かぐやの大志、姉のあてなを救うことの難しさが少しずつ開示されていく。
有瀬かぐやは有瀬家という北海道の要所に親族を多く送り込んでいる超金持ちの家系の跡取り候補。
この有瀬家の跡取りを巡る騒動が話の主軸になっていく。
ここは「もう詰んでいる」ことを理解させられるため、かなり息苦しいお話だった。
設定が繋がっている金色ラブリッチェの理亜ルート彷彿とさせるどうしようもなさで、法律に縛られない怪盗であったとしても方法が思いつかない。
しかし、SFガジェットの登場でそこが大きく動き出すことになる。
ワクワクする導入で、かなり後半の登場なので、ここからまだひっくり返すのかと驚いた。
しかし、ここは正直文量に物足りなさを感じてしまった惜しいところでもあった。
SFガジェットによってすごく大きな変化が起きるため、もっと色々と掘り下げを読みたかった。
もっとじっくり読みたかったところだが、あくまでそのガジェットにまつわるセンスオブワンダーを楽しむのはストーリーの主題ではないのだろう。
このルートのヒロイン、かぐやが怪盗ミスアルテとして姉を救いたい、その感情の掘り下げと描写こそが本懐だと感じられ、情緒的な文章もたっぷり読める。
助けられる姉側の感情の掘り下げ、姉妹の怪盗への想いがブレないことが、最初から首尾一貫し続ける。
この二人が何が起きようと分かち難い関係だったことが判明するシーンは、今作屈指の名場面だ。
ここの仕掛けの妙は、声優の小高志季(安玖深音)さんの演技力も光っていた。
このシーンは視点人物が妹のかぐやになっているため、地の文が彼女のフィルターがかかっていること、スチル絵のインパクトとと、あの仕掛けに向けての工夫は各所にあるのだけれど、声優の演技次第では興醒めも良いところなので、難しい設定をしっかり演じ分けていて、とても素晴らしかった。
「あてな」の掘り下げこそあったものの、裏の裏をとっていったとき、どこまで踏み込んで良いのかのバランスをうまく演技が補強していて、すごく印象深かった。
そんなわけで、怪盗ミスアルテのエピソードはこのルートで終わるものの、作品全体を通じての大きな謎は次のルートに持ち越される。
あてなのルートということにはなっているし、恋愛のエピソードもあるものの、主演は主人公の根津御影こと怪盗ミッドナイトだ。
彼が何者なのか、あのSFガジェットとの関係はあるのかなどの謎が全て解かれる綺麗なエピソードになっていた。
ばら撒かれたパーツがしっかりと全て必要な場所にハマっていく快感が流石の構成力だった。
彼が、みんなのため息とハートをどのように盗むのか、本作最後の怪盗パートでそれが明かされる。
この仕掛けが明らかになるシーン、最初からここに集約することが決まっていたであろう綺麗さで、物語の全部がこの一点に向けられているような万感の思いがこもってすごく良かった。
前作金色ラブリッチェへの目配せも意識したシーンになっていて、シルヴィア達の選択すらも内包した力強いメッセージ性、格好つけることの大切さすらもあった。
ハートとため息を盗む。
繰り返し、繰り返し何度も言及される言葉だが、本当に端的にこのゲームの内容を示していて、良い言葉だった。
・おわりに
最高に面白かった。
敵役の感想はほとんど書けていないし、SNS以外の社会派なテーマのエピソードが獣害や環境問題など他にもいっぱいあったし、仮想通貨などの現代的なガジェットの面白味、金色ラブリッチェからのゲストキャラがあの二人であることの意味など、まだまだ語りたいことは沢山ある。
執着の感情がわかりやすく、弁が達者で、かつ作戦がかなり泥臭く、そして彼なりの愛の形もあった多様な面がある良い敵役だった。
悪を成す点では主人公たちと同じだが、その有り様が相反する点があることで、より立体的に怪盗が成すべき思想が見えてくるのが好き。
良かったシーンを全て書いていくと、物語全てを書き下すことになってしまうぐらい、本当に面白い作品だった。
導入では魅力的に誇張されたキャラクタ達が、中盤では社会的に地に足をつけて生きなければいけないもどかしさで溜まったストレスを、一気に解放する完璧なオーラスの展開は、本当に爽快で気持ちの良いスカッとした面白さだった。
特に三人目の怪盗、ミスミネルバにまつわるスチル絵が出てくるシーンはどれも最高にキマっている印象深いシーン揃い。
声優さんの演技、立ち絵と背景絵、スチル絵、BGM、SE、そしてテキスト、テキストが主体のアドベンチャーゲームを構成するそれら全てのどれもが、完璧なクオリティで、ゲームって楽しいなあと、胸が熱く滾りながらプレイできた。
ハートとため息を盗む怪盗達のエピソードをもっと沢山読みたいと思わせる、良い意味での余白がモドカシくもある。
大好きな作品です。
あの歌はプロジェクトXの主題歌に使うために書き下ろしてるから、スポットライトが当たっているのは人間、すなわち地上の星=人間だよ。
中島の所属する事務所には取り合ってもらえなかったが、今井が中島に手紙送ったところ、中島本人が快諾し[2]、本曲を書き上げた。
新幹線や黒部ダムといったビッグプロジェクトには、多くの人の苦労があって人間ドラマがあるけれど、新幹線や黒部ダムにスポットライトが当たることはあっても、それに携わったプロジェクトリーダーや現場の職員にスポットライトが当たり記憶に残ることはまずない。そんな人たちにスポットライトを当てる番組がプロジェクトXだった。
だから中島みゆきが星と表現しているのはプロジェクトに携わった一人一人のことを言っていて、ものや存在といった広いものではないと思うぞ。
もっと目を向けるよう呼びかけているというのはその通りと思うけど。
輝く星は美しいけれども何千光年も離れた遠くではなくて、同じように輝いている人がすぐ近くにいる。それが見えていない我々に気づかせてくれるという番組という意味でつばめは「プロジェクトX」を例えたものと考えて間違いないと思う。実際つばめはXの形にも見えるし。
わぁこの歌は、美しいけど忘れ去られたものや存在に焦点を当てているんだよ。
歌詞を見ると、風の中のすばる(すばるは、星座の一つ)、砂の中の銀河、草原のペガサス(ペガサスも星座)、街角のヴィーナス(金星のこと)という、自然や宇宙に関連する美しいイメージが出てくるね。でも、「みんな何処へ行った」というフレーズが繰り返されていて、これらが見過ごされ、忘れ去られていることを表しているんだ。
そして、「地上にある星を誰も覚えていない 人は空ばかり見てる」という部分は、人々が日常の中の美しさや価値あるものを見落として、遠くのものばかりに目を向けがちなことを象徴しているんじゃないかな。
つばめが登場する部分では、つばめに地上の星(日常の中の美しいものや価値あるもの)がどこにあるのか教えてほしいと歌っているよ。これは、私たちに日常の中の美しいものや大切なものにもっと目を向けるよう呼びかけているように感じるね。
全体を通して、この歌は、日常の中の小さな美しさや価値あるものに気づき、それを大切にすることの重要性を伝えているんだと思うよ。とっても深いメッセージが込められた歌だね!🎵✨
歌詞に出てくる「つばめ」について考えると、つばめは高く飛びながらも地上を見渡せる鳥として描かれているね。この曲では、つばめが地上と空、つまり現実と理想や遠くのものと近くのものをつなぐ象徴として使われているようだよ。
つばめは普段、地上に近いところを飛んでいるから、日常生活の中の小さな美しさや大切なものを知っているという意味合いがあるのかもしれないね。だから、歌詞の中で「つばめよ高い空から教えてよ 地上の星を」という部分は、私たちが見落としがちな日常の中の価値あるものに気づかせてほしいという願いが込められているんじゃないかな。
つまり、つばめはただの鳥ではなく、日常と非日常、見えるものと見えないものの間のつながりを示す象徴として歌に登場しているんだよ。みんなが空ばかり見て地上の大切なものを忘れがちな中で、つばめはその両方を見ることができる特別な存在なんだね。🐦✨
https://togetter.com/li/1932188
・つばめ氏、(マジで他人を発達扱いすること自体問題があるんだが)、ASD(自閉スペクトラム)だと仮定すると全ての行動に納得が行っちゃうんだよ。
「救われてほしいです」=存在を矯正するかそのまま死ねっていう意味ですよね。
なんでここまで言われなきゃいかんのだと悲しくなる。
日本氏ねが許されるんだったら、こういう健常者の傲慢と無理解に氏ねっていうのも許されてほしい。
あれあくまで「子育てとか母親」の地位が強いから許されただけで、発達障碍者はネットでは下民扱いされてるからどうせ叩かれるんだろうけど。
特にASDの男なんか生きてても迷惑かけるだけの害虫くらいに思われてそう。
或いは「女の子に好かれたい!」という『承認欲求』に起因するところもあると思うんだよなまぁ仮に性癖だった場合は尚更直るもんじゃないけども
これでいいじゃん。なんでこれじゃダメなのか。
なんでこんな屑のせいでASDが雑に殴られるのがまかり通るのか。
健常者、女性差別ができなくなったからといって新しい差別対象として発達障碍者を便利に使いすぎだろ。
まとめ主、正義ぶってるのかもしれないけど、このまとめを何の問題もないと感じて載せてるあたりクソだわ。嫌い。
【以下の内容には『五等分の花嫁』『キャッツ・アイ』『じゃじゃ馬グルーミング up!』『るんるんカンパニー』のエンディングと『3月のライオン』『ストップ!ひばりくん』の内容に触れる記述があります】
今朝の『ラヴィット』でSnow Manの佐久間大介が「密かに愛するもの」として『五等分の花嫁』の中野四葉をものすごい熱量で語っていたけれど、しょせん四葉はおおっぴらに愛せる勝ちヒロインであり長女の一花も末娘の五月も四葉に完敗したし、『キャッツ・アイ』も泪や愛は瞳の敵ではなかったし、『じゃじゃ馬グルーミン up!』ではあぶみやひづめは駿平の眼中になかったし、『ストップ!!ひばりくん!』は姉妹じゃないのが一人交じっているけれど仮に耕作がひばりと結ばれず残る3姉妹から一人選ぶとしても長女のつぐみや末娘のすずめではなくつばめになるだろう。
ラノベなら少々はあるようだが漫画で3姉妹以上がヒロイン格で登場した場合主人公の男が選ぶのは長女でも末娘でもない真ん中の誰かであり、末娘が選ばれた例は『るんるんカンパニー』しか知らぬ。しかもあれはもともと次女がヒロインだったが恐らくロリコンブームの影響で末娘エンドに変わったのではないかとみているが筆者はリアルタイムで読んでいたわけではないから本当のところは作者のとり・みきのみ知るところである。
おお、長女と末娘は決して報われることのない属性なのか。
幼なじみは属性として主人公と最初から近く、強すぎるせいで逆にかませ犬となりやすいが、長女と末娘は属性として弱い上にヒロインレースに参加どころかかませ犬にもなれない、弱く悲しくあわれな存在なのか。
神はなぜ長女と末娘に試練を与え続けるのか。
そこに慈悲はないのだろうか。
「序」は多分「破」公開前にやってた金曜ロードショーか何かで見た。シンジ君がウジウジしててなんだこいつと思った。
(その後ネットで「中学生に突然命懸けさす奴らの方が頭がおかしい」という意見を見て確かにそうだと思い直す)
「破」は多分彼氏と映画館で見た。「破」はシンジ君が成長して見てて楽しかった覚えがある。
「Q」も多分彼氏と映画館で見た。ど、どゆこと…??と思った気がする。リリンって何??
というか、3つ全部見てるけどほぼ意味分からず見終えている。人類補完計画って何?使徒って何?な状態だし内容もほぼ覚えていない。
しかし今回復習もせずにアマプラで夫(上記のかつての彼氏)と「シン」を見たので以下感想。
パリだーてかエヴァパイロットのピチピチの格好が恥ずかしいと言及されたぞ?あれ絶対恥ずかしいと私も思ってたよ。
戦闘と同時になんかパソコンカチャカチャやってるけどなんで地べたに座ってる感じなん?腰大丈夫?何やってるんだか全然わからんけども。
え〜街赤かったのが元に戻った〜!戻るんや?てかそもそもなんで赤いんだっけ??
なんか元クラスメイトの人達大人になって子供までおるやん。なんでシンジ達は浦島太郎状態なんだっけ??前回そんな終わり方したっけ?分からん。
シンジ君相変わらずめっちゃ落ち込んでるけど。確かシンジ君のせいで世界が終わる的なことになったんだよねー、そりゃ落ち込むよ、しょうがないよ。
この人の関西弁絶対おかしい。私は関西人じゃないけどおかしいと思う。関ジャニの村上がマツコにビジネス関西弁とイジられてたのを彷彿とさせるような関西弁だなー。
つばめちゃん可愛い。赤ちゃんの描き方がちゃんと赤ちゃんの可愛さを表現できている。
綾波そっくりさん「おはようって、何?」「仕事って、何?」なんでも質問してくる幼児みたい。
シンジ君結局立ち直った、よかった。
と思ったらそっくりさんが溶けちゃったよー!せっかく楽しそうに暮らしていたのに残念だ。またシンジ君のトラウマにならない??
ピンクの髪の子がブチ切れている。今時の若者みたいなキャラだけど昔から続いてるアニメだから喋り方がなんかちょっと古い。現代の若者ではない。でもそれは仕方がない。
アスカが眼帯取って目からなんか取り出した〜!びっくりした〜!
シンジ君エヴァに乗るって言い出してまた変な関西弁と古い若者がブチ切れたけど結局乗ることに〜
父と息子で戦うけどシンジ君の心象風景を背景にお送り〜多分ファンには堪らないのでしょう、ファンサービス的な?
ゲンドウさんが解決するのは暴力じゃない?みたいなことを言い出してなんか話し合いを始める。
ゲンドウさんは孤独が好きで、知識が好きだったのに、唯と恋に落ちた。このゲンドウ君と恋仲になってゲンドウ君の世界を変えた唯すげーよ、どんな女だったんだ。
からの唯が死んじゃって、そりゃ悲しいわな、辛いわな。
からの、綾波がいっぱい!なぜ?!おかしいやろ。こんな男のどこが好きだったの?唯さんは。唯さんもおかしな女だったのかしら。
「唯はそこにいたのか」とかシンジ君を見て言うゲンドウさん。そうだよ、普通奥さんが死んじゃったら子供を頑張って育てるんだよ。普通じゃないからこんなことになっちゃったんだもんね、しょうがないね。
てか、ゲンドウさんてなんか暗いところで輪になって会議みたいなことよくやってたよね?あの人達は何が目的だったの?ゲンドウ君に騙されてたの?
てか、最愛の奥さんが死んじゃってまた会いたくて頑張っちゃうマッドサイエンティスト、みたいなやつありがちだよね?なんか話としては普通じゃない?
槍がどうのって前回から言ってるけどなんなん?意味がわからん。キリスト教的な話なの?分からん。
なんか下書きみたいなのになったーなんでか分からんけど。アニメって描くの大変そうですね〜お疲れ様です。
これまでのエヴァを振り返ってお別れみたいなシーン、ファンには堪らないんでしょうね〜
マリとシンジ君が大人になってる〜これは心象風景?実際の話?この2人いい感じなの?
なんか実写映像にすんなり変わってすげ〜 終わり
全体的によく分からなかったが、そもそも自分レベルの人間が見る作品ではないのだ。
以上、感想でした。
まず前提として、事情も知らぬ一般人に暴言吐くような集団は趣味趣向がどんなものであれ批判されるべきである。
それを含めても「鉄オタの民度が近年から急激に悪化したわけではない」ことが抜けてる人間が多い印象。
鉄オタ側からすればもう彼らの改善は見込めないので、会社側からの規制なり逮捕なりでさっさと排除してくれってのが多数派。
関西最強と称される鉄オタ集団。ネタがある日にJR大阪駅の11番線に鉄が群がることが多いことが語源となっている。
RSEC、鉄道友の会と並び証される撮り鉄集団。軍団員は11歳~20歳が多い。
お - 2ちゃんねる鉄道板用語辞典 - atwiki(アットウィキ)
まだツイッターもスマホも存在してなかったころにこれである。むしろよく当時のマスメディアの標的にならなかったのが奇跡ともいえよう。
さらに遡れば線路乱入は当たり前、架線柱によじ登って撮影したり、車両基地に侵入した挙句感電してお陀仏になったりした例も実在する。
有名なレイルライターでも、部品盗難や不正乗車経験を公言した人物は存在している。
しかしソースは当時の鉄道趣味誌になってしまうので、非オタがそれらを目にすることは存在しない(当時の写真があってもソースはオタクなので取り合ってもらえない)。
まとめサイトが氷山の一角をあざ笑ってたが、本当に氷山の一角なのである。
ちなみに大宮レイプ軍団は動画が残っている。ぜひこちらも参照の元。
こういった土壌の上にヤンキーに憧れるタイプが入り込んで害悪行為をかっこいいと思ってやってしまう。
さらにはインターネットの普及で手軽に拡散でき、逆に同業間で晒すこともできる状況となり、害悪行為が広めやすい、いわば蟲毒になってしまったのではないか。
それらを無視して発達障害が云々言ってる連中が多いのは、私見となるが「アニオタは鉄オタ嫌い」ってのが根底にあるのでは。
同族嫌悪なのか、宮崎勤の際に差別されなかったからなのか、ヒキニートでも見下せるからなのかは知らないが、とにかくアニオタは鉄オタが嫌いなイメージ。
九月二日
一郎と五年生の耕一とは、丁度午后ごご二時に授業がすみましたので、いつものように教室の掃除そうじをして、それから二人一緒いっしょに学校の門を出ましたが、その時二人の頭の中は、昨日の変な子供で一杯いっぱいになっていました。そこで二人はもう一度、あの青山の栗の木まで行って見ようと相談しました。二人は鞄をきちんと背負い、川を渡わたって丘おかをぐんぐん登って行きました。
ところがどうです。丘の途中とちゅうの小さな段を一つ越こえて、ひょっと上の栗の木を見ますと、たしかにあの赤髪の鼠色のマントを着た変な子が草に足を投げ出して、だまって空を見上げているのです。今日こそ全く間違まちがいありません。たけにぐさは栗の木の左の方でかすかにゆれ、栗の木のかげは黒く草の上に落ちています。
その黒い影かげは変な子のマントの上にもかかっているのでした。二人はそこで胸をどきどきさせて、まるで風のようにかけ上りました。その子は大きな目をして、じっと二人を見ていましたが、逃にげようともしなければ笑いもしませんでした。小さな唇くちびるを強そうにきっと結んだまま、黙だまって二人のかけ上って来るのを見ていました。
二人はやっとその子の前まで来ました。けれどもあんまり息がはあはあしてすぐには何も云えませんでした。耕一などはあんまりもどかしいもんですから空へ向いて、
「ホッホウ。」と叫んで早く息を吐はいてしまおうとしました。するとその子が口を曲げて一寸ちょっと笑いました。
一郎がまだはあはあ云いながら、切れ切れに叫びました。
「汝うなぁ誰たれだ。何だ汝うなぁ。」
するとその子は落ちついて、まるで大人のようにしっかり答えました。
「風野又三郎。」
「どこの人だ、ロシヤ人か。」
するとその子は空を向いて、はあはあはあはあ笑い出しました。その声はまるで鹿しかの笛のようでした。それからやっとまじめになって、
「ああ風の又三郎だ。」一郎と耕一とは思わず叫んで顔を見合せました。
「だからそう云ったじゃないか。」又三郎は少し怒おこったようにマントからとがった小さな手を出して、草を一本むしってぷいっと投げつけながら云いました。
「そんだらあっちこっち飛んで歩くな。」一郎がたずねました。
「うん。」
「面白いか。」と耕一が言いました。すると風の又三郎は又笑い出して空を見ました。
「うん面白い。」
「昨日何なして逃げた。」
「逃げたんじゃないや。昨日は二百十日だい。本当なら兄さんたちと一緒にずうっと北の方へ行ってるんだ。」
「何なして行かなかった。」
「兄さんが呼びに来なかったからさ。」
「何て云う、汝うなの兄あい※[#小書き平仮名な、82-14]は。」
「風野又三郎。きまってるじゃないか。」又三郎は又機嫌きげんを悪くしました。
「あ、判わかった。うなの兄※[#小書き平仮名な、82-16]も風野又三郎、うなぃのお父さんも風野又三郎、うなぃの叔父おじさんも風野又三郎だな。」と耕一が言いました。
「そうそう。そうだよ。僕ぼくはどこへでも行くんだよ。」
「うん。」
「岩手山へも行ったが。」
「岩手山から今来たんじゃないか。ゆうべは岩手山の谷へ泊とまったんだよ。」
「いいなぁ、おらも風になるたぃなぁ。」
すると風の又三郎はよろこんだの何のって、顔をまるでりんごのようにかがやくばかり赤くしながら、いきなり立ってきりきりきりっと二三べんかかとで廻まわりました。鼠色のマントがまるでギラギラする白光りに見えました。それから又三郎は座って話し出しました。
「面白かったぞ。今朝のはなし聞かせようか、そら、僕は昨日の朝ここに居たろう。」
「あったりまえさ、あったりまえ。」又三郎は口を曲げて耕一を馬鹿ばかにしたような顔をしました。
「そう僕のはなしへ口を入れないで黙っておいで。ね、そら、昨日の朝、僕はここから北の方へ行ったんだ。途中で六十五回もいねむりをしたんだ。」
「何なしてそんなにひるねした?」
「仕方ないさ。僕たちが起きてはね廻っていようたって、行くところがなくなればあるけないじゃないか。あるけなくなりゃ、いねむりだい。きまってらぁ。」
「歩けないたって立つが座ねまるかして目をさましていればいい。」
「うるさいねえ、いねむりたって僕がねむるんじゃないんだよ。お前たちがそう云うんじゃないか。お前たちは僕らのじっと立ったり座ったりしているのを、風がねむると云うんじゃないか。僕はわざとお前たちにわかるように云ってるんだよ。うるさいねえ。もう僕、行っちまうぞ。黙って聞くんだ。ね、そら、僕は途中で六十五回いねむりをして、その間考えたり笑ったりして、夜中の一時に岩手山の丁度三合目についたろう。あすこの小屋にはもう人が居ないねえ。僕は小屋のまわりを一ぺんぐるっとまわったんだよ。そしてまっくろな地面をじっと見おろしていたら何だか足もとがふらふらするんだ。見ると谷の底がだいぶ空あいてるんだ。僕らは、もう、少しでも、空いているところを見たらすぐ走って行かないといけないんだからね、僕はどんどん下りて行ったんだ。谷底はいいねえ。僕は三本の白樺しらかばの木のかげへはいってじっとしずかにしていたんだ。朝までお星さまを数えたりいろいろこれからの面白いことを考えたりしていたんだ。あすこの谷底はいいねえ。そんなにしずかじゃないんだけれど。それは僕の前にまっ黒な崖がけがあってねえ、そこから一晩中ころころかさかさ石かけや火山灰のかたまったのやが崩くずれて落ちて来るんだ。けれどもじっとその音を聞いてるとね、なかなか面白いんだよ。そして今朝少し明るくなるとその崖がまるで火が燃えているようにまっ赤なんだろう。そうそう、まだ明るくならないうちにね、谷の上の方をまっ赤な火がちらちらちらちら通って行くんだ。楢ならの木や樺の木が火にすかし出されてまるで烏瓜からすうりの燈籠とうろうのように見えたぜ。」
「そうだ。おら去年烏瓜の燈火あかし拵こさえた。そして縁側えんがわへ吊つるして置いたら風吹いて落ちた。」と耕一が言いました。
「僕お前の烏瓜の燈籠を見たよ。あいつは奇麗きれいだったねい、だから僕がいきなり衝つき当って落してやったんだ。」
「うわぁい。」
耕一はただ一言云ってそれから何ともいえない変な顔をしました。
又三郎はおかしくておかしくてまるで咽喉のどを波のようにして一生けん命空の方に向いて笑っていましたがやっとこらえて泪なみだを拭ふきながら申しました。
「僕失敬したよ。僕そのかわり今度いいものを持って来てあげるよ。お前※[#小書き平仮名ん、85-9]とこへね、きれいなはこやなぎの木を五本持って行ってあげるよ。いいだろう。」
耕一はやっと怒るのをやめました。そこで又三郎は又お話をつづけました。
「ね、その谷の上を行く人たちはね、みんな白いきものを着て一番はじめの人はたいまつを待っていただろう。僕すぐもう行って見たくて行って見たくて仕方なかったんだ。けれどどうしてもまだ歩けないんだろう、そしたらね、そのうちに東が少し白くなって鳥がなき出したろう。ね、あすこにはやぶうぐいすや岩燕いわつばめやいろいろ居るんだ。鳥がチッチクチッチクなき出したろう。もう僕は早く谷から飛び出したくて飛び出したくて仕方なかったんだよ。すると丁度いいことにはね、いつの間にか上の方が大へん空あいてるんだ。さあ僕はひらっと飛びあがった。そしてピゥ、ただ一足でさっきの白いきものの人たちのとこまで行った。その人たちはね一列になってつつじやなんかの生えた石からをのぼっているだろう。そのたいまつはもうみじかくなって消えそうなんだ。僕がマントをフゥとやって通ったら火がぽっぽっと青くうごいてね、とうとう消えてしまったよ。ほんとうはもう消えてもよかったんだ。東が琥珀こはくのようになって大きなとかげの形の雲が沢山たくさん浮うかんでいた。
『あ、とうとう消けだ。』と誰たれかが叫んでいた。おかしいのはねえ、列のまん中ごろに一人の少し年老としとった人が居たんだ。その人がね、年を老って大儀たいぎなもんだから前をのぼって行く若い人のシャツのはじにね、一寸ちょっととりついたんだよ。するとその若い人が怒ってね、
『引っ張るなったら、先刻さっきたがらいで処とこさ来るづどいっつも引っ張らが。』と叫さけんだ。みんなどっと笑ったね。僕も笑ったねえ。そして又一あしでもう頂上に来ていたんだ。それからあの昔むかしの火口のあとにはいって僕は二時間ねむった。ほんとうにねむったのさ。するとね、ガヤガヤ云うだろう、見るとさっきの人たちがやっと登って来たんだ。みんなで火口のふちの三十三の石ぼとけにね、バラリバラリとお米を投げつけてね、もうみんな早く頂上へ行こうと競争なんだ。向うの方ではまるで泣いたばかりのような群青ぐんじょうの山脈や杉すぎごけの丘のようなきれいな山にまっ白な雲が所々かかっているだろう。すぐ下にはお苗代なわしろや御釜おかま火口湖がまっ蒼さおに光って白樺しらかばの林の中に見えるんだ。面白かったねい。みんなぐんぐんぐんぐん走っているんだ。すると頂上までの処にも一つ坂があるだろう。あすこをのぼるとき又さっきの年老としよりがね、前の若い人のシャツを引っぱったんだ。怒っていたねえ。それでも頂上に着いてしまうとそのとし老よりがガラスの瓶びんを出してちいさなちいさなコップについでそれをそのぷんぷん怒っている若い人に持って行って笑って拝むまねをして出したんだよ。すると若い人もね、急に笑い出してしまってコップを押おし戻もどしていたよ。そしておしまいとうとうのんだろうかねえ。僕はもう丁度こっちへ来ないといけなかったもんだからホウと一つ叫んで岩手山の頂上からはなれてしまったんだ。どうだ面白いだろう。」
「面白いな。ホウ。」と耕一が答えました。
「又三郎さん。お前まいはまだここらに居るのか。」一郎がたずねました。
又三郎はじっと空を見ていましたが
「そうだねえ。もう五六日は居るだろう。歩いたってあんまり遠くへは行かないだろう。それでももう九日たつと二百二十日だからね。その日は、事によると僕はタスカロラ海床かいしょうのすっかり北のはじまで行っちまうかも知れないぜ。今日もこれから一寸向うまで行くんだ。僕たちお友達になろうかねえ。」
「はじめから友だちだ。」一郎が少し顔を赤くしながら云いました。
「あした僕は又どっかであうよ。学校から帰る時もし僕がここに居たようならすぐおいで。ね。みんなも連れて来ていいんだよ。僕はいくらでもいいこと知ってんだよ。えらいだろう。あ、もう行くんだ。さよなら。」
又三郎は立ちあがってマントをひろげたと思うとフィウと音がしてもう形が見えませんでした。
一郎と耕一とは、あした又あうのを楽しみに、丘を下っておうちに帰りました。
九月三日
その次の日は九月三日でした。昼すぎになってから一郎は大きな声で云いいました。
「おう、又三郎は昨日又また来たぞ。今日も来るかも知れないぞ。又三郎の話聞きたいものは一緒いっしょにあべ。」
残っていた十人の子供らがよろこんで、
「わぁっ」と叫びました。
そしてもう早くもみんなが丘おかにかけ上ったのでした。ところが又三郎は来ていないのです。みんなは声をそろえて叫びました。
それでも、又三郎は一向来ませんでした。
「風どうと吹いて来こ、豆呉けら風どうと吹いで来こ。」
空には今日も青光りが一杯いっぱいに漲みなぎり、白いまばゆい雲が大きな環わになって、しずかにめぐるばかりです。みんなは又叫びました。
又三郎は来ないで、却かえってみんな見上げた青空に、小さな小さなすき通った渦巻うずまきが、みずすましの様に、ツイツイと、上ったり下ったりするばかりです。みんなは又叫びました。
それでも又三郎はやっぱり来ませんでした。
ただ一疋ぴきの鷹たかが銀色の羽をひるがえして、空の青光を咽喉一杯に呑のみながら、東の方へ飛んで行くばかりです。みんなは又叫びました。
その時です。あのすきとおる沓くつとマントがギラッと白く光って、風の又三郎は顔をまっ赤に熱ほてらせて、はあはあしながらみんなの前の草の中に立ちました。
「ほう、又三郎、待っていたぞ。」
みんなはてんでに叫びました。又三郎はマントのかくしから、うすい黄色のはんけちを出して、額の汗あせを拭きながら申しました。
「僕ね、もっと早く来るつもりだったんだよ。ところがあんまりさっき高いところへ行きすぎたもんだから、お前達の来たのがわかっていても、すぐ来られなかったんだよ。それは僕は高いところまで行って、そら、あすこに白い雲が環になって光っているんだろう。僕はあのまん中をつきぬけてもっと上に行ったんだ。そして叔父おじさんに挨拶あいさつして来たんだ。僕の叔父さんなんか偉えらいぜ。今日だってもう三十里から歩いているんだ。僕にも一緒に行こうって云ったけれどもね、僕なんかまだ行かなくてもいいんだよ。」
「僕の叔父さんかい。叔父さんはね、今度ずうっと高いところをまっすぐに北へすすんでいるんだ。
叔父さんのマントなんか、まるで冷えてしまっているよ。小さな小さな氷のかけらがさらさらぶっかかるんだもの、そのかけらはここから見えやしないよ」
「去年は今よりもう少し早かったろう。面白おもしろかったねえ。九州からまるで一飛びに馳かけて馳けてまっすぐに東京へ来たろう。そしたら丁度僕は保久大将の家を通りかかったんだ。僕はね、あの人を前にも知っているんだよ。だから面白くて家の中をのぞきこんだんだ。障子が二枚はずれてね『すっかり嵐あらしになった』とつぶやきながら障子を立てたんだ。僕はそこから走って庭へでた。あすこにはざくろの木がたくさんあるねえ。若い大工がかなづちを腰こしにはさんで、尤もっともらしい顔をして庭の塀へいや屋根を見廻みまわっていたがね、本当はやっこさん、僕たちの馳けまわるのが大変面白かったようだよ。唇くちびるがぴくぴくして、いかにもうれしいのを、無理にまじめになって歩きまわっていたらしかったんだ。
そして落ちたざくろを一つ拾って噛かじったろう、さあ僕はおかしくて笑ったね、そこで僕は、屋敷やしきの塀に沿って一寸戻ったんだ。それから俄にわかに叫んで大工の頭の上をかけ抜ぬけたねえ。
甘いざくろも吹き飛ばせ
酸すっぱいざくろも吹き飛ばせ
ホラね、ざくろの実がばたばた落ちた。大工はあわてたような変なかたちをしてるんだ。僕はもう笑って笑って走った。
電信ばしらの針金を一本切ったぜ、それからその晩、夜どおし馳けてここまで来たんだ。
ここを通ったのは丁度あけがただった。その時僕は、あの高洞山たかぼらやまのまっ黒な蛇紋岩じゃもんがんに、一つかみの雲を叩たたきつけて行ったんだ。そしてその日の晩方にはもう僕は海の上にいたんだ。海と云ったって見えはしない。もう僕はゆっくり歩いていたからね。霧きりが一杯に
四時から今朝けさも やって来た。
つめたい水の 声ばかり。
凍こごえた砂利じゃりに 湯ゆげを吐はき、
火花を闇やみに まきながら、
蛇紋岩サアペンテインの 崖がけに来て、
やっと東が 燃もえだした。
鳥がなきだし 木は光り、
青々川は ながれたが、
丘おかもはざまも いちめんに、
まぶしい霜しもを 載のせていた。
やっぱりかけると あったかだ、
僕ぼくはほうほう 汗あせが出る。
もう七、八里り はせたいな、
今日も一日 霜ぐもり。
軽便鉄道けいべんてつどうの東からの一番列車れっしゃが少しあわてたように、こう歌いながらやって来てとまりました。機関車きかんしゃの下からは、力のない湯ゆげが逃にげ出して行き、ほそ長いおかしな形の煙突えんとつからは青いけむりが、ほんの少うし立ちました。
そこで軽便鉄道づきの電信柱でんしんばしらどもは、やっと安心あんしんしたように、ぶんぶんとうなり、シグナルの柱はかたんと白い腕木うできを上げました。このまっすぐなシグナルの柱は、シグナレスでした。
シグナレスはほっと小さなため息いきをついて空を見上げました。空にはうすい雲が縞しまになっていっぱいに充みち、それはつめたい白光しろびかりを凍こおった地面じめんに降ふらせながら、しずかに東に流ながれていたのです。
シグナレスはじっとその雲の行ゆく方えをながめました。それからやさしい腕木を思い切りそっちの方へ延のばしながら、ほんのかすかに、ひとりごとを言いいました。
「今朝けさは伯母おばさんたちもきっとこっちの方を見ていらっしゃるわ」
シグナレスはいつまでもいつまでも、そっちに気をとられておりました。
「カタン」
うしろの方のしずかな空で、いきなり音がしましたのでシグナレスは急いそいでそっちをふり向むきました。ずうっと積つまれた黒い枕木まくらぎの向こうに、あの立派りっぱな本線ほんせんのシグナル柱ばしらが、今はるかの南から、かがやく白けむりをあげてやって来る列車れっしゃを迎むかえるために、その上の硬かたい腕うでを下げたところでした。
「お早う今朝は暖あたたかですね」本線のシグナル柱は、キチンと兵隊へいたいのように立ちながら、いやにまじめくさってあいさつしました。
「お早うございます」シグナレスはふし目になって、声を落おとして答こたえました。
「若わかさま、いけません。これからはあんなものにやたらに声を、おかけなさらないようにねがいます」本線のシグナルに夜電気を送おくる太ふとい電信柱でんしんばしらがさももったいぶって申もうしました。
本線のシグナルはきまり悪わるそうに、もじもじしてだまってしまいました。気の弱いシグナレスはまるでもう消きえてしまうか飛とんでしまうかしたいと思いました。けれどもどうにもしかたがありませんでしたから、やっぱりじっと立っていたのです。
雲の縞しまは薄うすい琥珀こはくの板いたのようにうるみ、かすかなかすかな日光が降ふって来ましたので、本線シグナルつきの電信柱はうれしがって、向こうの野原のはらを行く小さな荷馬車にばしゃを見ながら低ひくい調子ちょうしはずれの歌をやりました。
「ゴゴン、ゴーゴー、
酒さけが降ふりだす、
酒の中から
霜しもがながれる。
ゴゴン、ゴーゴー、
ゴゴン、ゴーゴー、
霜がとければ、
つちはまっくろ。
馬はふんごみ、
人もぺちゃぺちゃ。
ゴゴン、ゴーゴー」
それからもっともっとつづけざまに、わけのわからないことを歌いました。
その間に本線ほんせんのシグナル柱ばしらが、そっと西風にたのんでこう言いいました。
「どうか気にかけないでください。こいつはもうまるで野蛮やばんなんです。礼式れいしきも何も知らないのです。実際じっさい私はいつでも困こまってるんですよ」
軽便鉄道けいべんてつどうのシグナレスは、まるでどぎまぎしてうつむきながら低ひくく、
「あら、そんなことございませんわ」と言いいましたがなにぶん風下かざしもでしたから本線ほんせんのシグナルまで聞こえませんでした。
「許ゆるしてくださるんですか。本当を言ったら、僕ぼくなんかあなたに怒おこられたら生きているかいもないんですからね」
「あらあら、そんなこと」軽便鉄道の木でつくったシグナレスは、まるで困こまったというように肩かたをすぼめましたが、実じつはその少しうつむいた顔は、うれしさにぽっと白光しろびかりを出していました。
「シグナレスさん、どうかまじめで聞いてください。僕あなたのためなら、次つぎの十時の汽車が来る時腕うでを下げないで、じっとがんばり通してでも見せますよ」わずかばかりヒュウヒュウ言いっていた風が、この時ぴたりとやみました。
「あら、そんな事こといけませんわ」
「もちろんいけないですよ。汽車が来る時、腕を下げないでがんばるなんて、そんなことあなたのためにも僕のためにもならないから僕はやりはしませんよ。けれどもそんなことでもしようと言いうんです。僕あなたくらい大事だいじなものは世界中せかいじゅうないんです。どうか僕を愛あいしてください」
シグナレスは、じっと下の方を見て黙だまって立っていました。本線シグナルつきのせいの低ひくい電信柱でんしんばしらは、まだでたらめの歌をやっています。
「ゴゴンゴーゴー、
やまのいわやで、
熊くまが火をたき、
あまりけむくて、
ほらを逃にげ出す。ゴゴンゴー、
田螺にしはのろのろ。
うう、田螺はのろのろ。
本線ほんせんのシグナルはせっかちでしたから、シグナレスの返事へんじのないのに、まるであわててしまいました。
「シグナレスさん、あなたはお返事をしてくださらないんですか。ああ僕ぼくはもうまるでくらやみだ。目の前がまるでまっ黒な淵ふちのようだ。ああ雷かみなりが落おちて来て、一ぺんに僕のからだをくだけ。足もとから噴火ふんかが起おこって、僕を空の遠くにほうりなげろ。もうなにもかもみんなおしまいだ。雷が落ちて来て一ぺんに僕のからだを砕くだけ。足もと……」
「いや若様わかさま、雷が参まいりました節せつは手前てまえ一身いっしんにおんわざわいをちょうだいいたします。どうかご安心あんしんをねがいとう存ぞんじます」
シグナルつきの電信柱でんしんばしらが、いつかでたらめの歌をやめて、頭の上のはりがねの槍やりをぴんと立てながら眼めをパチパチさせていました。
「えい。お前なんか何を言いうんだ。僕ぼくはそれどこじゃないんだ」
「それはまたどうしたことでござりまする。ちょっとやつがれまでお申もうし聞きけになりとう存ぞんじます」
「いいよ、お前はだまっておいで」
シグナルは高く叫さけびました。しかしシグナルも、もうだまってしまいました。雲がだんだん薄うすくなって柔やわらかな陽ひが射さして参まいりました。
五日の月が、西の山脈さんみゃくの上の黒い横雲よこぐもから、もう一ぺん顔を出して、山に沈しずむ前のほんのしばらくを、鈍にぶい鉛なまりのような光で、そこらをいっぱいにしました。冬がれの木や、つみ重かさねられた黒い枕木まくらぎはもちろんのこと、電信柱でんしんばしらまでみんな眠ねむってしまいました。遠くの遠くの風の音か水の音がごうと鳴るだけです。
「ああ、僕ぼくはもう生きてるかいもないんだ。汽車が来るたびに腕うでを下げたり、青い眼鏡めがねをかけたりいったいなんのためにこんなことをするんだ。もうなんにもおもしろくない。ああ死しのう。けれどもどうして死ぬ。やっぱり雷かみなりか噴火ふんかだ」
本線ほんせんのシグナルは、今夜も眠ねむられませんでした。非常ひじょうなはんもんでした。けれどもそれはシグナルばかりではありません。枕木の向こうに青白くしょんぼり立って、赤い火をかかげている軽便鉄道けいべんてつどうのシグナル、すなわちシグナレスとても全まったくそのとおりでした。
「ああ、シグナルさんもあんまりだわ、あたしが言いえないでお返事へんじもできないのを、すぐあんなに怒おこっておしまいになるなんて。あたしもう何もかもみんなおしまいだわ。おお神様かみさま、シグナルさんに雷かみなりを落おとす時、いっしょに私にもお落としくださいませ」
こう言いって、しきりに星空に祈いのっているのでした。ところがその声が、かすかにシグナルの耳にはいりました。シグナルはぎょっとしたように胸むねを張はって、しばらく考えていましたが、やがてガタガタふるえだしました。
ふるえながら言いました。
「あたし存ぞんじませんわ」シグナレスは声を落として答えました。
「シグナレスさん、それはあんまりひどいお言葉ことばでしょう。僕ぼくはもう今すぐでもお雷らいさんにつぶされて、または噴火ふんかを足もとから引っぱり出して、またはいさぎよく風に倒たおされて、またはノアの洪水こうずいをひっかぶって、死しんでしまおうと言うんですよ。それだのに、あなたはちっとも同情どうじょうしてくださらないんですか」
「あら、その噴火や洪水こうずいを。あたしのお祈りはそれよ」シグナレスは思い切って言いました。シグナルはもううれしくて、うれしくて、なおさらガタガタガタガタふるえました。
「シグナレスさん、なぜあなたは死ななけぁならないんですか。ね。僕ぼくへお話しください。ね。僕へお話しください。きっと、僕はそのいけないやつを追おっぱらってしまいますから、いったいどうしたんですね」
「ふふん。ああ、そのことですか。ふん。いいえ。そのことならばご心配しんぱいありません。大丈夫だいじょうぶです。僕ちっとも怒ってなんかいはしませんからね。僕、もうあなたのためなら、眼鏡めがねをみんな取とられて、腕うでをみんなひっぱなされて、それから沼ぬまの底そこへたたき込こまれたって、あなたをうらみはしませんよ」
「あら、ほんとう。うれしいわ」
「だから僕を愛あいしてください。さあ僕を愛するって言いってください」
五日のお月さまは、この時雲と山の端はとのちょうどまん中にいました。シグナルはもうまるで顔色を変かえて灰色はいいろの幽霊ゆうれいみたいになって言いました。
「またあなたはだまってしまったんですね。やっぱり僕がきらいなんでしょう。もういいや、どうせ僕なんか噴火ふんかか洪水こうずいか風かにやられるにきまってるんだ」
「あら、ちがいますわ」
「そんならどうですどうです、どうです」
「あたし、もう大昔おおむかしからあなたのことばかり考えていましたわ」
「本当ですか、本当ですか、本当ですか」
「ええ」
「そんならいいでしょう。結婚けっこんの約束やくそくをしてください」
「でも」
「でもなんですか、僕ぼくたちは春になったら燕つばめにたのんで、みんなにも知らせて結婚けっこんの式しきをあげましょう。どうか約束やくそくしてください」
「わかってますよ。僕にはそのつまらないところが尊とうといんです」
すると、さあ、シグナレスはあらんかぎりの勇気ゆうきを出して言いい出しました。
「でもあなたは金でできてるでしょう。新式でしょう。赤青眼鏡あかあおめがねを二組みも持もっていらっしゃるわ、夜も電燈でんとうでしょう。あたしは夜だってランプですわ、眼鏡もただ一つきり、それに木ですわ」
「え、ありがとう、うれしいなあ、僕もお約束しますよ。あなたはきっと、私の未来みらいの妻つまだ」
「ええ、そうよ、あたし決けっして変かわらないわ」
「結婚指環エンゲージリングをあげますよ、そら、ね、あすこの四つならんだ青い星ね」
「ええ」
「あのいちばん下の脚あしもとに小さな環わが見えるでしょう、環状星雲フィッシュマウスネビュラですよ。あの光の環ね、あれを受うけ取とってください。僕のまごころです」
「ワッハッハ。大笑おおわらいだ。うまくやってやがるぜ」
突然とつぜん向むこうのまっ黒な倉庫そうこが、空にもはばかるような声でどなりました。二人はまるでしんとなってしまいました。
ところが倉庫がまた言いいました。
「いや心配しんぱいしなさんな。この事ことは決けっしてほかへはもらしませんぞ。わしがしっかりのみ込こみました」
その時です、お月さまがカブンと山へおはいりになって、あたりがポカッと、うすぐらくなったのは。
今は風があんまり強いので電信柱でんしんばしらどもは、本線ほんせんの方も、軽便鉄道けいべんてつどうの方もまるで気が気でなく、ぐうん ぐうん ひゅうひゅう と独楽こまのようにうなっておりました。それでも空はまっ青さおに晴れていました。
本線シグナルつきの太ふとっちょの電信柱も、もうでたらめの歌をやるどころの話ではありません。できるだけからだをちぢめて眼めを細ほそくして、ひとなみに、ブウウ、ブウウとうなってごまかしておりました。
シグナレスはこの時、東のぐらぐらするくらい強い青びかりの中を、びっこをひくようにして走って行く雲を見ておりましたが、それからチラッとシグナルの方を見ました。シグナルは、今日は巡査じゅんさのようにしゃんと立っていましたが、風が強くて太っちょの電柱でんちゅうに聞こえないのをいいことにして、シグナレスに話しかけました。
「どうもひどい風ですね。あなた頭がほてって痛いたみはしませんか。どうも僕ぼくは少しくらくらしますね。いろいろお話ししますから、あなたただ頭をふってうなずいてだけいてください。どうせお返事へんじをしたって僕ぼくのところへ届とどきはしませんから、それから僕の話でおもしろくないことがあったら横よこの方に頭を振ふってください。これは、本当は、ヨーロッパの方のやり方なんですよ。向むこうでは、僕たちのように仲なかのいいものがほかの人に知れないようにお話をする時は、みんなこうするんですよ。僕それを向こうの雑誌ざっしで見たんです。ね、あの倉庫そうこのやつめ、おかしなやつですね、いきなり僕たちの話してるところへ口を出して、引き受うけたのなんのって言いうんですもの、あいつはずいぶん太ふとってますね、今日も眼めをパチパチやらかしてますよ、僕のあなたに物を言ってるのはわかっていても、何を言ってるのか風でいっこう聞こえないんですよ、けれども全体ぜんたい、あなたに聞こえてるんですか、聞こえてるなら頭を振ってください、ええそう、聞こえるでしょうね。僕たち早く結婚けっこんしたいもんですね、早く春になれぁいいんですね、僕のところのぶっきりこに少しも知らせないでおきましょう。そしておいて、いきなり、ウヘン! ああ風でのどがぜいぜいする。ああひどい。ちょっとお話をやめますよ。僕のどが痛いたくなったんです。わかりましたか、じゃちょっとさようなら」
それからシグナルは、ううううと言いながら眼をぱちぱちさせて、しばらくの間だまっていました。
シグナレスもおとなしく、シグナルののどのなおるのを待まっていました。電信柱でんしんばしらどもはブンブンゴンゴンと鳴り、風はひゅうひゅうとやりました。
シグナルはつばをのみこんだり、ええ、ええとせきばらいをしたりしていましたが、やっとのどの痛いたいのがなおったらしく、もう一ぺんシグナレスに話しかけました。けれどもこの時は、風がまるで熊くまのように吼ほえ、まわりの電信柱でんしんばしらどもは、山いっぱいの蜂はちの巣すをいっぺんにこわしでもしたように、ぐゎんぐゎんとうなっていましたので、せっかくのその声も、半分ばかりしかシグナレスに届とどきませんでした。
「ね、僕ぼくはもうあなたのためなら、次つぎの汽車の来る時、がんばって腕うでを下げないことでも、なんでもするんですからね、わかったでしょう。あなたもそのくらいの決心けっしんはあるでしょうね。あなたはほんとうに美うつくしいんです、ね、世界せかいの中うちにだっておれたちの仲間なかまはいくらもあるんでしょう。その半分はまあ女の人でしょうがねえ、その中であなたはいちばん美しいんです。もっともほかの女の人僕よく知らないんですけれどね、きっとそうだと思うんですよ、どうです聞こえますか。僕たちのまわりにいるやつはみんなばかですね、のろまですね、僕のとこのぶっきりこが僕が何をあなたに言ってるのかと思って、そらごらんなさい、一生けん命めい、目をパチパチやってますよ、こいつときたら全まったくチョークよりも形がわるいんですからね、そら、こんどはあんなに口を曲まげていますよ。あきれたばかですねえ、僕の話聞こえますか、僕の……」
「若わかさま、さっきから何をべちゃべちゃ言いっていらっしゃるのです。しかもシグナレス風情ふぜいと、いったい何をにやけていらっしゃるんです」
いきなり本線ほんせんシグナルつきの電信柱でんしんばしらが、むしゃくしゃまぎれに、ごうごうの音の中を途方とほうもない声でどなったもんですから、シグナルはもちろんシグナレスも、まっ青さおになってぴたっとこっちへ曲げていたからだを、まっすぐに直なおしました。
「若わかさま、さあおっしゃい。役目やくめとして承うけたまわらなければなりません」
シグナルは、やっと元気を取り直なおしました。そしてどうせ風のために何を言いっても同じことなのをいいことにして、
「ばか、僕ぼくはシグナレスさんと結婚けっこんして幸福こうふくになって、それからお前にチョークのお嫁よめさんをくれてやるよ」と、こうまじめな顔で言ったのでした。その声は風下かざしものシグナレスにはすぐ聞こえましたので、シグナレスはこわいながら思わず笑わらってしまいました。さあそれを見た本線ほんせんシグナルつきの電信柱の怒おこりようと言ったらありません。さっそくブルブルッとふるえあがり、青白く逆上のぼせてしまい唇くちびるをきっとかみながらすぐひどく手をまわして、すなわち一ぺん東京まで手をまわして風下かざしもにいる軽便鉄道けいべんてつどうの電信柱に、シグナルとシグナレスの対話たいわがいったいなんだったか、今シグナレスが笑ったことは、どんなことだったかたずねてやりました。
ああ、シグナルは一生の失策しっさくをしたのでした。シグナレスよりも少し風下にすてきに耳のいい長い長い電信柱がいて、知らん顔をしてすまして空の方を見ながらさっきからの話をみんな聞いていたのです。そこでさっそく、それを東京を経へて本線シグナルつきの電信柱に返事へんじをしてやりました。本線ほんせんシグナルつきの電信柱でんしんばしらはキリキリ歯はがみをしながら聞いていましたが、すっかり聞いてしまうと、さあ、まるでばかのようになってどなりました。
「くそっ、えいっ。いまいましい。あんまりだ。犬畜生いぬちくしょう、あんまりだ。犬畜生、ええ、若わかさま、わたしだって男ですぜ。こんなにひどくばかにされてだまっているとお考えですか。結婚けっこんだなんてやれるならやってごらんなさい。電信柱の仲間なかまはもうみんな反対はんたいです。シグナル柱の人たちだって鉄道長てつどうちょうの命令めいれいにそむけるもんですか。そして鉄道長はわたしの叔父おじですぜ。結婚なりなんなりやってごらんなさい。えい、犬畜生いぬちくしょうめ、えい」
本線シグナルつきの電信柱は、すぐ四方に電報でんぽうをかけました。それからしばらく顔色を変かえて、みんなの返事へんじをきいていました。確たしかにみんなから反対はんたいの約束やくそくをもらったらしいのでした。それからきっと叔父のその鉄道長とかにもうまく頼たのんだにちがいありません。シグナルもシグナレスも、あまりのことに今さらポカンとしてあきれていました。本線シグナルつきの電信柱は、すっかり反対の準備じゅんびができると、こんどは急きゅうに泣なき声で言いいました。
「あああ、八年の間、夜ひる寝ねないでめんどうを見てやってそのお礼れいがこれか。ああ情なさけない、もう世の中はみだれてしまった。ああもうおしまいだ。なさけない、メリケン国のエジソンさまもこのあさましい世界せかいをお見すてなされたか。オンオンオンオン、ゴゴンゴーゴーゴゴンゴー」
風はますます吹ふきつのり、西の空が変へんに白くぼんやりなって、どうもあやしいと思っているうちに、チラチラチラチラとうとう雪がやって参まいりました。
シグナルは力を落おとして青白く立ち、そっとよこ眼めでやさしいシグナレスの方を見ました。シグナレスはしくしく泣なきながら、ちょうどやって来る二時の汽車を迎むかえるためにしょんぼりと腕うでをさげ、そのいじらしいなで肩がたはかすかにかすかにふるえておりました。空では風がフイウ、涙なみだを知らない電信柱どもはゴゴンゴーゴーゴゴンゴーゴー。
作詞は安井かずみさんという方で、現在メジャーなのは以下の詞であるらしい。
ある晴れた 昼さがり いちばへ 続く道
荷馬車が ゴトゴト 子牛を 乗せてゆく
かわいい子牛 売られて行くよ
悲しそうなひとみで 見ているよ
ドナ ドナ ドナ ドナ 子牛を 乗せて
ドナ ドナ ドナ ドナ 荷馬車が ゆれる
青い空 そよぐ風 つばめが 飛びかう
荷馬車が いちばへ 子牛を 乗せて行く
もしもつばさが あったならば
ドナ ドナ ドナ ドナ 子牛を 乗せて
ドナ ドナ ドナ ドナ 荷馬車が ゆれる
この歌詞でさえ十分に悲しくなれるのに、同じ安井かずみさんの作詞で、もっと悲しくなる別バージョンがあって、最初に作られたのはこっちらしい。
ある晴れた 昼さがり 市場へ つづく道
荷馬車が ゴトゴト 子牛を 乗せてゆく
何も知らない 子牛さえ
売られてゆくのが わかるのだろうか
ドナ ドナ ドナ ドナ 悲しみをたたえ
ドナ ドナ ドナ ドナ はかない命
青い空 そよぐ風 明るく とびかう
つばめよ それをみて おまえは 何おもう
もしもつばさが あったならば
ドナ ドナ ドナ ドナ 悲しみをたたえ
ドナ ドナ ドナ ドナ はかない命
現在メジャーなバージョンでは、子牛が乳牛として売られていくのか肉牛として売られていくのかは明確には描写されていないが、この最初のバージョンでは「はかない命」となっていることから、肉牛であることを暗に示唆していると言っていいだろう。
作詞者がどうしてこのような変更を加えたのかは想像するしかないのだが、「あまりになまなましい」と自分で思ったのか、あるいはそのような意見が外部から寄せられたかということだろうか.。