はてなキーワード: オールタイムベストとは
批判的なブコメが多いみたいだが、良く出来たリストであると思う。
いくつか思うところもあるけれど、これらの作品を網羅できていれば、いわゆるマニアとの会話に困ることはあるまい。
もしも『こち亀』で中川や麗子が邦画キチの取引先と盛り上がるために一夜漬けするという回があったとして、そのときに両さんが作ってくれるリストとして出てきてもおかしくないものだ。
取引先「なんと、きみは『感染列島』でも『64-ロクヨン-』でもなくそんな作品を……面白いヤツだ!」
麗子「なるほど……」
もちろんリストを記憶した麗子の会食が両さんのせいで上手くいかないのがオチになるわけだが、それは今回全然違う話なので、リストの話に戻る。
そもそも100本は多すぎること。100本選ぶ流れなので仕方ないけど。
サイレントやアニメ、ドキュメンタリーなどは不得意そうなジャンルが見受けられる。
なので、高校生に最適なリストだとは思わないけれど、いいリストであることは間違いないと思う。
おそらく箸にも棒にも掛からない作品はないだろう(全作鑑賞済ではないので補償はしかねるが)。
年代順で丁寧なリストなのだが、重要度とかでのつまみ食いはしずらく、そういう点ではキネ旬とかのオールタイムベストの使い勝手の良さが逆に光ってしまう。
久しぶりに、伊藤計劃「ハーモニー」読んだんだけど、少し気がついたことがあるので、
間違っているかもしれないけど、書いてみる。
「ハーモニー」のETMLが文法的におかしいのは、生府の検閲から逃れるため。
「ソースを見る」の状態で未来の人類が読んでいる状況を「ハーモニー」は表している。
それで、実は「ハーモニー」はミァハがトァンをかばうために書いた物語だった。
色んな所で言われてるけど、この小説のファイル形式であるETMLは、文法的におかしい。
例えば、箇条書きでタグで両方から囲まなきゃいけない(HTMLなら<li>~</li>)のに、<i:~>と、タグの中に箇条書きの要素を書いたり、
皮肉っぽくQ&Aをしているところでも、<q:~><a:~>と書いていたりする。
それはもう、至る所で間違えている。
伊藤計劃がXMLとかHTMLの文法に詳しくないってことはないと思う。たぶん、わざと間違えた。
じゃあなぜ間違えたのか?
もし、こういう文法間違いがあると、どうなるか。
もしHTMLなら、表示ソフト(ブラウザ、たとえばGoogle Chrome)であいまいに解釈してくれたりするけど、
本来なら「文法がおかしいので表示できません」とか、真っ白いページになるべき。
だから、ETMLの文法がおかしい「ハーモニー」も、ETML用表示ソフトでは何も表示されないことになる。
そうなったら、普通の人は見るのを止めるよね。でも、何人かに一人は、Google Chromeの機能にあるような「ソースを見る」に似た行動をとる。
そうなると、タグがあって読みにくいけど、きちんと文章が表示されることになる。
その何人かに一人に読んでもらいたいために、文法として間違えたETMLで「ハーモニー」を書いた。
そういう、何人かに一人が読んでいる状況を表すために、伊藤計劃はETMLのタグ付きで「ハーモニー」を書いたんだと思う。
そりゃあ、もちろん、ハーモニクス後の世界で、なぜハーモニクスが起こったのかを記録として残すため、だと思う。
もし、ETMLが正しい「ハーモニー」を書いたら、生府の検閲に引っかかって、消されるかもしれない。
だから、ETML表示ソフトウェアに入力しても、何も表示されないようにした。
何人かに一人に気づいてもらえばそれでいいと思って、書いたんだろう。
でね、「ハーモニー」で文法的におかしい部分を読んでいたら、冒頭部分にこんな文章があるのに気づいた。
いまから語るのは、
<declaration:calculation>
<pls:敗残者の物語>
<pls:脱走者の物語>
</declaration>
ETMLのタグの意味はわからないから推測だけど、「declaration:calculation」で数式を宣言してると思う。
で、「pls」は加算記号+で、「eql」は等号記号=だと思う。
となると、「ハーモニー」を語っているのは、「わたし=敗残者+脱走者」ってことになる。
真っ先に出てくるのはトァンだよな。本人がそう気取ってるし。
社会に馴染めなくて、負けるように、逃げるように辺境の戦地に行って、
でもさ、社会的にはトァンは官僚で、しかも本人が言っているように、高級官僚でありエリートだよな。
社会的には敗残者でも脱走者でもない。
じゃあ他に誰がいる?
一人いる。<次世代ヒト行動特性記述ワーキンググループ>の争いから敗れ、
チェチェンに逃亡した者が。
そう、ミァハ。
この物語は、ミァハが書いている。
死んだはずのミァハが書いている。
すごく謎に思える。
でも、こう考えたらどうだろう?
ミァハは、トァンをかばいたくて、トァンを主人公に物語を書いた。
実は、チェチェンで意識が芽生えたのがトァンで、ヌァザの実の娘がミァハだとしたら。
トァンが、長老たちにハーモニクスをさせたいがために、全世界同時自殺を実行したとしたら。
最大限つじつまが合うように「ハーモニー」を書いたとしたら。
そう思って読むと、つじつまが合わないところがある。
「ハーモニー」は、全部で5日間の物語だよね。トァンがセラピーを受けるまでの猶予期間である5日間の物語。
そのうち、日本で2日、バクダッドで飛行機移動込みで2日、チェチェンで飛行機もろもろ移動込みで1日。これで5日間。
なのにさ、バクダッドからチェチェンに出発する前に日本に立ち寄ってミァハの名刺を取りに戻った、と書かれてる。
バクダッドと日本を往復するだけでもう1日かかるよね。これでは5日間を越えてセラピーを受けることになっちゃう。
時間的に間に合わない。
となると、トァンは5日間の内に実家に行ったことになる。トァンが誰かの家に行ったのは、ミァハの実家だけだよね。
日本やバクダッドのホテルに名刺があるわけないし、飛行機の中にもあるわけないよね。
つまり、ミァハの実家によった時に、トァンは名刺を手に入れたんだよ。
ミァハの実家なのに、トァンは名刺を手に入れることができた。何故か?
「ミァハの実家が、トァンの実家でもあった」とすると、説明がつく。
ミァハとトァンが義理の姉妹だと考えると、整合性が取れることが多い。
例えば、ミァハが13年前になぜ栄養を取らないようにする錠剤を作れたか、について。
錠剤を作るための技術に近かったのは、むしろトァンじゃん。何しろ父ヌァザがWatchMeを作ったんだし。
その気になれば知識はいくらでも入ったはず。でも錠剤を作ったのは、普通の家庭で養女になっていたミァハ。
ミァハがヌァザの養女になっていたら、納得できる。いくらでも知識を得られるし、錠剤も作れる。
もう一つ、なぜ本というデッドメディアを普通の家庭のミァハが持っていたかについて。
普通の家庭では存在も知らないはず。でも、ヌァザの養女であれば、冴紀ケイタでもわかるように、
本を持っていても不思議ではないし、それだけのお小遣いを持っていても不思議ではない。
そもそも名刺の知識もヌァザから得られる。ヌァザがそういう人々とも交流があっただろうし。
そして、ミァハとトァンが義理の姉妹なら、最初の段階で「もしかしたら必要になるかも」と考えて、
あと一つだけ、なぜトァンではなく、キアンを自殺させたのかについても説明がつく。
どちらを殺すか選択するとき、義理とはいえ姉妹であったトァンではなく、キアンを選択した。
もちろん、後から呼び出すことや、行動力の差で選んだという可能性はあるけど、
一番の理由になるでしょ。
最後に、なんで姉妹であることを隠して、別人であるかのように書かれたのかについて。
これだけの殺人事件の内、もしミァハとトァンが義理の姉妹で、かつトァンをかばうために
ミァハが書いているのだとしたら、まずは全世界同時自殺を自分のせいにする。
問題は、残り2件。義理の姉妹のままだと、ミァハが自分の父親を殺害するのは
書いていて受け入れられたとしても、トァンが義理とはいえ姉妹を殺害することになる。
トァンにとって、あまり聞こえは良くない。
そうすると、トァンは、自分の目的を達成するために全世界同時自殺を実行し、
それに紛れて、こともあろうにかつての友人を自殺させ、
DummyMeを入れているから。WatchMeからハーモニクスの命令を実行したように見せかけることができる。
その上で、ETMLのシステムができたときに、「ハーモニー」を書いたんじゃないかな。
自分の思いを達成するためとはいえ、偽の歴史を後世に残すことになるので、
https://anond.hatelabo.jp/20210215101500
・しょうもない犯人、しょうもない気付き、しょうもないミステリの元祖。
ウィルキー・コリンズ「月長石」
・長さのわりにミステリを期待して読むと徒労に終わる。ドラマ観れば十分。
・ミステリか? 別にいいんだけど。主人公の臭い自意識に長時間堪えられるのなら。手塚治虫の漫画版で十分。
コンラッド「闇の奥」
・「闇の奥」そのものより、「闇の奥」をもとにした無数のコンテンツのほうがおもしろい。『地獄の黙示録』とか。
F.W.クロフツ「樽」
・『樽』はタルい。これミステリ界の常識アルよ。クロフツはもっと薄くておもしろいのがいっぱいある。
・ヴァン・ダインとか今更読むやつおる??
・これもルールタビ―ユくんのキャラ小説なんだよな。意外にミステリしてる点は評価できなくもない。
・別のトラバの人も言ってたけど、悲劇四部作は通しで読めよ。おまえはスター・ウォーズをEP5から観るのか?
・オカルト〜〜〜〜〜〜wwwwww すいません、ふつうに好きです。
・クリスティならなんぼでもこれよりおもしろいのがある。まあ、ある種のパターンを確立したという意味で必読ではある。
イーデン・フィルポッツ「赤毛のレドメイン家」
・いいかげん昔の人が評価してたからって理由だけでレドメイン家をこういうリストに入れるのやめない?
・アイルズ入れるのは当然として、バークリーも入れないのは理解に苦しむ。
ウィリアム・アイリッシュ「幻の女」
・惰性でオールタイム・ベスト入ってる系の古典としては意外なほどエキサイティング。アイリッシュはもっと評価されてもいい。
・ハッタリのきかせ方は歴史に残るけど、わりに印象に残りにくいんだよな。
・これも型を確立したという点で必読ではある。
・出たよホッグ。20年くらい前ならおもしろかったのかもしれんけどさ。
・知名度の割に、ブクオフに行ったらかならず置いてあるだけの理由はあるものだ。
・出来不出来が激しい作家の一人。奇妙な味勉強したいんなら異色作家短編集読めば。
・そういえば映画版が最近リメイクされてましたね。つまんなかったなあ。ヒッチコック版と原作はいいです。
レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」
・御三家のなかで一番キツい。春樹訳はさらにキツい。ロバート・アルトマンくらいの諧謔が加わって初めて鑑賞に堪えうる。
・ハードボイルドの先鋭性をもっともよく表した作家ではある。本篇より諏訪部浩一の『「マルタの鷹」講義』のほうがおもしろい。
・ロスマクの一冊を選ぶとなると戦争が起きる。法月綸太郎みたいなものさ。ここでもな。
・めちゃめちゃエキサイティングなんだけど、分厚いし今手に入りにくいし……。
・ル・カレのなかでは読みやすい部類だし、正解だと思う。
・ボアナルほんとに読んだことある?俺はない。映画は傑作だった。
・ルポルタージュミステリとしては先駆的だったのかもしれないが、今読むと長いしタルいし冗長。カポーティの美点がほとんど失われてしまっている。
・ポップでしょ。
・たかだかミステリ読みごときにエーコの真価が理解できるとはおもわない。
ローレンス・ブロック「八百万の死にざま」
・一発ネタで長編まるまるひとつ持たせた奇跡のような書物。とはいえレンデルはもっと濃ゆいのがある。
ジェイムズ・クラムリー「酔いどれの誇り」
・ネオハードボイルド作家たちは再評価されるべきだと思うが、中途半端に古くなってしまった感もあり、難しい。
・反面エルロイは古びない。ただLA四部作は何も知らない人が「ブラック・ダリア」だけ読んでもわからん気がする。
ジャック・ヒギンズ「鷲は舞い降りた」
・冒険小説も進化してるので、いつまでもヒギンズを引きずるのは不幸というか、グリーニーとか読ませたほうがいいのでは。俺は嫌いだが。
・マクリーンなんかよりイアン・フレミングのほうがよほどリストに入れる意味あるよ。
・作者がキモい。
・このリストのなかでは比較的新しい作品で、オールタイム・ベスト的なリストでみかけるのは珍しい。個人的な思い入れがあるのか? たしかに発売当時からそこそこ評判高かったけれど、薄い記憶を掘る限りそこまで評価する理由が見当たらない。気になる。
・ライスはたまに読むと心温まってよいが、それはスレた読者の愉しみなのであって、入門者が読んでも伝わりにくい。
・たしかに仕掛けはミステリなしおもしろい小説なのだが、別にこのリストに入れる必要はない。なんでミステリの人は文学にコンプレックスを抱くのだろう。
・うーん。
リチャード・二ーリィ「心ひき裂かれて」
・オールタイムベストでも陰が薄い存在なので、入っていると嬉しい。まあでも数合わせだよね。
ケン・フォレット「針の眼」
・フォレットもそろそろ再評価されるべきだと思うのだが、ダン・ブラウンみたいなものと思われているのだろうか。
・北欧系の元祖ではあるのだろうが、だったらよりエポックなミレニアム入れたほうが誠実な気がする。
・はあ。
江戸川乱歩「孤島の鬼」
・え?
・変格って今読むとふつうにつまんないの多いよね。
・そりゃ読んでも損はないとは思うが。
・当時としてはアベレージはある作家だろうが、そこで鉄鎖を選ぶ理由がよくわからない。
・うーん……いいんじゃないんですか。
・どう読むかによる。単純な出来でいったら虫太郎にはもっといいのがいくらでもある。すまん、いくらでも、はない。
・横正の作品をチョイス理由を添えずにポンと出されても困るんだよな。高校生も困ると思うよ。こんなんだけ読まされても。しょうがない。
・本格ベタな安吾のなかでもなんでよりによって一二を争うほど不出来な作品を選ぶのか。嫌いなのか?
・高木彬光でこれがあがってしまうのは、消去法の結果なのだと思う。
・通っぽいセクレトだが、そこは素直に「天狗」にしとけ。コケまくったサンドマンが唯一正位置になってしまった作品なのだから。
・映画の印象は強いが、清張であえてピックアップするほどかといえばどうか。
・変化球狙いすぎて外しとる。
・流れ的にはわからないでもない。
仁木悦子「猫は知っていた」
・と思ったらいきなり脳死みたいな。
・今あえて読むほどのものではない。
・同上。長いだけ。
笹沢左保「暗い傾斜」
・飛鳥高の長編ってそんな良いイメージないのだが。賞とったってだけで入れてない?
・今選ぶとなると難しい作家だが、針の誘いとかでいいのでは。
陳舜臣「玉嶺よふたたび」
・パッションだけで突っ走った奇跡であることは間違いないが、三大奇書にならべて語るほどかといわれれば疑問符がつく。竹本健治は”今”が面白い現役の作家だ。
・不可欠だとは思うが、真剣に読んでる人は少数派だろう。
・そうね。
・またひねくれたもん入れてくるな。
・ごめん、森村あんま興味ない。
西村寿行「滅びの笛」
・戸川昌子の話をすることはあるかもしれないな。
・マスト。
・鉄板。
・入れても良いとは思うが、そういえば結城昌治がおらんな。
・エッ? そこ?
栗本薫「絃の聖域」
・読んでない。そろそろ疲れてきた。
連城三紀彦「宵待草夜情」
船戸与一「猛き方舟」
・このへんはね。
・入るよね。
・急に九十年代っぽくなったけど、2000年代にもインスタントクラシックな作品はたくさんあると思うよ。
皆川博子「死の泉」
・皆川博子がミステリ的に評価できるかといえば微妙なんだけど、ミステリ界以外で評価される土壌がさほどないようなので、不運な作家だと思う。偉大な人です。
事件当時ロマン・ポランスキー監督は不在で(映画でもその通り)、犯人たちに襲われていない。
現在も存命で去年も作品を出している。(少し昔の作品だが、戦場のピアニストはかなり話題になった作品)
しかも殺人犯とは何ら関わりがなく、以前に引っ越した住人と勘違いされて彼女らは殺された。監督らの素性は事件に関係がない。
この映画が救ってみせたのは監督ではなくその妻、シャロン・テートだ。
劇中でも説明される通り、当時売り出し中の女優で、監督との子供を妊娠中だった。
この映画ではシャロン・テートの魅力的な姿が何度も描かれ、しかし最終的にディカプリオが彼女の家に招かれる場面ではインターホン越しでのみ会話し、ディカプリオと同じフレームには映らない。
とても誠実な描写だと思う。
実行犯に殺害を指示したチャールズ・マンソンは額に鉤十字のタトゥーを入れているが、タランティーノは過去のイングロリアス・バスターズで憎きナチの額に鉤十字を刻んだ。(ちなみにこのナチ将校役の俳優がポランスキー監督の映画おとなのけんかで主演してる)
そしてイングロリアスバスターズでは「映画を使って」ナチどもを焼き殺したように、この映画でもマンソンの手下を「映画の小道具を使って」焼き殺す。
1969年は「ロックが死んだ年」ともいわれ、アメリカにとって大きな節目だったことには違いがない。
しかし監督のタランティーノは「ハリウッド監督」ではないし(アメリカ映画=ハリウッド映画ではないのがややこしい)、彼はハリウッドやアメリカなどメインストリーム以外の映画も浴びるほど見ていて、それこそ中国や香港や日本などアジアの映画に多大な影響を受けた人間である。
キルビルが急遽テイストの違う二本立てになったのも、チャイニーズ・オデッセイという香港映画の影響である。(チャイニーズ~は一作目がコメディで、二作目が恋愛もの)
(タラがオールタイムベスト一位に挙げている続・夕陽のガンマンもイタリア産のマカロニウェスタンでアメリカ映画ではない。ちなみに監督のセルジオ・レオーネが撮ったワンスアポンアタイムインアメリカも長いけど大変な名作。セルジオ・レオーネ監督の大ファンでもあるし、タイトルからもわかる通りタランティーノはかなり影響を受けている。~インアメリカについては、ラストのデニーロの微笑みの解説を見ると、また味わいが増す)
ブルース・リーの話が出てきたが、タラはキル・ビルでは死亡遊戯の衣装を真似し(何の説明もなく出てくる「カトーマスク」も、グリーンホーネットでブルース・リー演じるカトーがつけていたマスクのこと)、主人公ブライドの使う技はブルース・リーのワンインチパンチで、必殺技は(ブルース・リーに影響を受けた)北斗の拳の技のようだ。オーレン石井へ敬意を示す闘いは、ドラゴンへの道のチャック・ノリス戦を思い起こさせる。
キルビルで描かれる復讐や暴力の虚しさは、燃えよドラゴンでブルース・リーが奇妙な泣き顔で表現したのと同じものだ。
そして敵役のビルには、ブルース・リーのドラマ企画を奪った俳優デヴィッド・キャラダインを配している。
タランティーノは、そういう監督なのである。ちなみにブルース・リーの主演が叶わなかったドラマ企画が、ちょうどワンス~の時代の頃の出来事でもある。
ちなみに、キルビルが前後編になった元ネタのチャイニーズ・オデッセイの主演はチャウ・シンチー(少林サッカーが有名)であるが、彼もまたブルース・リーマニアだったりする。(ドラゴン怒りの鉄拳のパロディや、少林サッカーやカンフーハッスル等、ブルース・リーネタ多し)
少し脱線するが死亡遊戯という映画もまた、「ブルース・リーという俳優の死後に、彼が生きているかのように撮られた」特別な作品で、その点がワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドと共通している。
(すでに香港ではスターだったが)ブルース・リーもハリウッドでの売り出し中にこの世を去った人なのだ。(ワンス~劇中でシャロン・テートが自分の映画を見るシーンがあるが、ブルース・リーは燃えよドラゴンの公開やそのヒットを目にすることがなかった)
ちなみに作中で喧嘩していたブラピ本人もブルース・リーおたくである。楽しかっただろうなあ。(ファイトクラブでの物真似が彼のアイデアというのは有名)
あとワンス~作中のブルース・リーが調子こいてるのは、実際の彼がああいうキャラだったためでむしろファンとしては大喜びするポイント。(ブルース・リーの物真似をするときは、顎をしゃくって半目で相手を文字通り見下したように眺める。服のセンスも、実際にああいうチンピラのようなダサいファッション)
何より、タランティーノは「超」がつく映画狂で、大げさではなく映画から人生のすべてを学んだような人間だ。
あらゆる映画を吸収し、現実にはモテないスーパーボンクラだったくせに、(映画からの知識だけで)玄人好みの渋い「中年の恋愛映画」すら物にしてしまう監督である。
落ち目だった俳優を「自分が好きだから」という理由で起用し、劇的にカムバックさせたりと、フィクションの力で現実を変えたこともある。
(※ネタバレ注意:この俳優とはジョン・トラボルタのことだが、タランティーノの好きな某映画ではヒロインを救えず、せめて「映画の中だけで生かす」ことを選ぶ。言うまでもなく、ワンス~を思い起こす)
(というよりもともと映画そのものが、亡くなった俳優の生きている姿を見られるタイムマシンのような装置なのだろう。そういう評論はよく見る)
そして、前述のイングロリアスバスターズではユダヤ系の、ジャンゴではアフリカ系の観客の心を、荒唐無稽なフィクションで熱く揺さぶった。
ヘイトフル・エイトでは差別主義者と黒人の和解をそれこそ「フィクション」という小道具を介し、素晴らしい形で描いてみせた。
日本ではネタにされがちなキルビルも実に真面目な女性映画である。「五点掌爆心拳」などという冗談のような技で、男女の歪な恋愛関係を誠実に描いたのだ。この映画では男はみな弱くて使えず、女性は強く逞しい。
(タランティーノは「強い女性」を描く監督としても有名だ。殺人鬼の変態スタントマンが、女性スタントマンたちにボコボコにされる映画デス・プルーフも撮っている)
タランティーノはフィクションの虚しさも当然知っているだろうが、同時にフィクションの力を強く信じている人間でもあるのだ。
(ちなみにデス・プルーフの主演であるゾーイ・ベルはキルビルでユマ・サーマンの「スタント」をしていた女性で、ワンス~にも出演。例の「ブルース・リーとの喧嘩」で車を壊されたひと。死亡遊戯→キルビル→ワンス~と考えてみても面白い)
(ディカプリオについては、ある種かなり本人に近い役。若手時代から演技力が高かったのに、レヴェナントで受賞するまでアカデミー賞からは長年ずっと無視され、色んな人に揶揄されてきた。アカデミーに無視されてきたのはタランティーノも同じ)
もちろんワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドは、ハリウッドやその他の「アメリカ黄金時代」への郷愁が詰まったお伽噺ではある。
基本的には「半年に1回くらい読み直したくなるページ」をブックマークするのが多い。言論には加わるつもり全くなし。スターも基本付けてない。
じゃあある程度ジャンル別に分けたから以下どうぞ。当然俺しかブクマ付けてないのでニッチなもの多数。
一つの記事に全部入れると反映されないみたいだから、3つに分けた。
みんなも自分しかブクマしてない良ページ挙げよう。俺も挙げたんだからさ。
バランスポリシー あるいはTSFが持つ暴力性に対する一考察 - 送りバントブログ
…俺もバランスポリシーはTSFの最高傑作だと思ってる。秘密基地に行く回とか、すごく好き。
佐藤太志 - 全ジャンル主人公最強議論スレまとめ@wiki - アットウィキ
…俺達のデブジさん。真面目に強さ議論してるレスで笑う。「催眠術使ってイケメンからヒロイン寝取りたい……せや!イケメンに催眠かけて心を女にしてイチャイチャしたろ!」という発想は未来に生きてる。
【咲-Saki-】 県予選 決勝 清澄(長野)vs龍門渕(長野)vs鶴賀学園高等部(長野)vs風越女子(長野) 得点収支MEMO
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nerdy World order キルミーベイベーの魅力~初級の続き・アニメの魅力編~
…前後の記事はそこそこブクマされてるけど、俺はこの記事が一番好き。「アニメには原作にはなかった「時間の流れ」が生まれている」という指摘には唸らされる。
勝手に読書伝説Vol.14 久住昌之・水沢悦子インタビュー&『花のズボラ飯』ガイド | ひかりTVブック
…久住昌之と水沢悦子のインタビュー。2ページ目以降の水沢悦子パートが男らしくて好き。「ダメ出しをされるたびに「うるせえ、このアマ!」とか「細けえんだよ小娘!」とか本当によく思ったものです。」
【4月1日追記】「進化の可能性感じた」“ポケモン”イーブイが新日本プロレス入団!デビューはEVIL(イービル)戦 | 新日本プロレスリング
…イーブイが新日本プロレスに入団するエイプリルフール記事。かわいい。退団の経緯好き。
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R23JUKGU13V8TP
…ウイニングポスト9のAmazonレビュー。面白い上にレビューとしても要点が伝わってわかりやすい。俺の中でのオールタイムベストレビュー1位。
80年代の映画にはありがちなことだが、日本では「善」のイメージが強いバックトゥザフューチャーも実は露骨に黒人差別的な描写がある。
例の「チャックベリーが白人からロックをパクった」描写(忘れがちだが作品に出てくる黒人には『人権』のない時代で、そんな彼らから音楽すらも奪う)や、黒人市長のもとではホームレスが増えている描写など、ギャグの体を装っているがかなり黒人蔑視が目立つのだ。
監督のロバート・ゼメキスは他の作品でも人種描写の悪評が高い人物である。
この作品が国民的人気があるのは日本くらいで(アメリカではオールタイムベストで選ばれることは少ない)、前述の点も海外では批判されている。もちろん「過去の作品であることは前提として」だが。
だからあえてこの作品を、今の時代、今まさに黒人によるデモがニュースになっているこの瞬間に地上波で放送することを、「往年の名作が放送された」などと喜んでばかりでいいのだろうかと思う。もちろん放送するなとは言わないが。
SNSでもトリビアを書く人はいるが、こういった問題点に一切触れないのもそれこそ映画好きとしてどうなのだろうと思ったので、書いてみた次第。
このあたりに影響されて。ちなみに順不同。
https://anond.hatelabo.jp/20200127132401
https://mizchi.hatenablog.com/entry/2020/01/27/172334
https://kirimin.hatenablog.com/entry/2020/01/27/204453
初めてガウル平原に出たときの感動を超える経験を、今後プレイしたRPGで、できるだろうか?
新しくRPGをプレイするときに、いつも比べてしまう存在。それがゼノブレイド。
リメイクも今年出るらしいが、リメイクゆえにあのときの感動を超えられないだろう。
ゼノブレイド2は面白いゲームだったけど、自分的には大傑作とは言えなかった。3を楽しみにしています。
なぜこれがここにあるのか?それは誰にもわからない。
しかし、我々がデジタルダンスミックス安室奈美恵を買ったときから、
CGモデルを舐めるように下から見るという行為が大切だと思って生きてきたはずだ。
最近はカメラが自由に動かせないゲームが多く、真下から見ることは難しい。
DOAX3はそんなことない。俺たちの自慢のモデルを舐めるように見てくれ、という熱い思いがあった。
仕事から帰ってきた後に、仕事のように単調な作業プレイをして、水着を集め、配る。
DLC(という名のガチャ。水着が直接売られていたら買ってただろう)は決して買わないという誓いのために、
アホみたいなプレイ時間を強いられる。当時の2chではプロデューサー早矢仕氏の悪口しか書かれていない。
ただ、スレではみんな一体となって、オートセーブを避けて、効率的に水着を集める方法を共有してたんだ。
こんなゲームがあるだろうか?ちなみにスカーレットはやってない。
ゲームは綺麗なCG表現だけではない、ということを明らかにしたゲームであり、
またインディーゲームからメジャーゲームに上り詰めたにもかかわらず、
コミュニティからも愛されている稀有なゲームである。それ以上の説明は不要。
このゲームのためだけにPSVRを買う価値がある。そういうゲーム。
なぜSIEはこのゲームを真面目に押さなかったのか、いまいちよくわからないが、
マリオのようなベタなキャラクターを持っていないSIEの欠点が出てしまったともいえる。
金でもバラまいてディズニーの有名キャラなり、マーベルのキャラなり使えばよかったのに、
だが、ゲームの出来とは無関係なので、アストロボットやってほしい。
よくオールタイムベストのゲーム選出でクロノ・トリガーが選ばれていて、
「実際、クロノ・トリガーそこまでのゲームじゃないだろ」という感想をよく見かける。
たしかにクロノ・トリガーはそこまでのゲームではないかもしれない。なら、なぜ選ばれるのだろうか?
それはクロノ・トリガーの演出が異常に記憶に残りやすく、記憶の中で美化されているからだと思う。
オープニング、ドラゴン戦車での横向きの戦闘、裁判、魔王決戦など。クロノ・トリガーらしいゲーム画面がいつでも思い出せる。
ニーアオートマタをプレイしながら、何も似ていないけど、これはクロノ・トリガーの後継者だなぁと感じた。
そうかもしれない。しかし、私は十年後も遊園地廃墟のシーンを覚えているだろう。
ある意味でストーリーを捨て、クエスト、サブクエストも大半を捨て、
続編ではおそらく別解が示されることだろう。今から楽しみだ。
撃ち合いを塗り合いと呼ぶ詭弁によって、新たな次元に昇華したゲーム。
徹夜してやったストーリー重視のゲームは、逆転裁判、ダンガンロンパ、レイジングループなど数あれど、
リアリティのあるフィクションの中で、続きが気になるストーリーを作り上げたのは、これか龍が如く0だけ。
龍が如く0はあくまで続編であり、桐生ちゃんと真島の兄さん人気を使っているが、これは完全新作。
その観点で、こっちを選んだ。ピエール瀧の代役だけが悲しい。彼が復帰したらピエール瀧をDLCで売ってほしい。
テン年代はCSにおけるFFの存在感がなくなった10年だと感じる (FF11, 14は除く)
JRPG (この言葉は好きではない)がいつのまにか蔑称となり、
「量より質」という言葉の対義語(?)に「量は質に転化する」という言葉がある。
JRPGの進化の一つの方向性に、この量質転化があるのではないかと思う。
FE風花雪月でも似たようなことを感じたし、
つまり、見た目のテクスチャに凝るよりも、膨大なテキスト(フレーバーテキストを含む)に凝った方が
ゲーム体験の質は高まるのではないかという仮説だ。ペルソナ5は確実に質に転化した新たなJRPGだ。
ある意味では上記のペルソナもそうかもしれない。(3で確変した)
これは、典型的な「自分でやっていない、なにやら盛り上がっている作品を、気に食わないと上から目線で批判する文章」だ。
本文は『月姫』と『Fate/stay night』のネタバレを含む可能性がある。特に『Fate/stay night』原作を未プレイで、劇場版『Fate/stay night [Heaven's Feel]』の続きを楽しみにしている人は、ネタバレを含むため読まないでほしい。
私が奈須きのこの作品と出会ったのは2003年。月姫、月姫PLUS+DISC、歌月十夜の3作が収められた『月箱』であった。いわゆる型月ファンとしてそれほど古参というわけではない(型月における古参とは、竹箒に連載されていた時代の『空の境界』読者――とまでは言わないものの、最低でも2001年には『月姫』に触れたレベルを指すものだろう)。当時『ONE』『Kanon』『AIR』に心酔する所謂「鍵っ子」であった私は、もちろん月姫の噂は聞いていたものの、手を出すきっかけを掴みかねていた。月箱が頒布されたのは、そんなときである。歌月十夜まで一揃えで化粧箱に収められたそのパッケージは、初めてのTYPE-MOONとしては最適であった。同時期、彼らが商業へと移行し、次回作「Fate」は商業ゲームとしてリリースすることを発表したことも背中を押した。群雄割拠のエロゲ界についに鳴り物入りで乗り込んでくる新進気鋭の代表作を、体験しておかねばならぬと考えたのだ。
『月姫』は衝撃であった。連綿と積み重ねられてきたビジュアルノベルや恋愛アドベンチャーゲームの文法に沿っていそうに見えながら、しかし決定的に異なる「それ」は、私に新しい刺激を与えてくれた。私はシエル先輩が好きになった。この文章を打っている2018年に至ってなお、人生のオールタイムベストはシエル先輩だと胸を張って言える。もちろんそれだけではない。ファーストインパクトとなったアルクェイドが醸し出す寂しさを、そして、ひまわり畑で微笑む琥珀さんの愛おしさを、今なお昨日のことのように思い出せる。
月姫の魅力のひとつに、不思議なノスタルジーがあると思っている。あの文章とグラフィックと音楽には、懐かしいナニカを思い出させるものがある。去り行く少年時代を描いた作品だからだろうか。遠野邸の遠い記憶がそうさせるのかもしれない。
PLUS+DISC、歌月十夜まで一気にプレイした私は、そのまま『MELTY BLOOD』も楽しんだ。シエル先輩を動かせるのが楽しかった。弓塚さつきの話が出ると抜き身のナイフのようになる志貴を思うと切なくなった。琥珀さんが楽しそうで涙が出た。G秋葉でゲラゲラ笑った。
したらばのTYPE-MOON板にも入り浸った。それまで葉鍵板が主戦場であった自分が。当時、すでに「月厨」は鬱陶しい存在として認知されていた。私は努めて無関係な場ではTYPE-MOONの話をしないようにし、型月板でその分、目一杯、楽しんだ。たくさんのアンソロジーコミックにも手を出した。武梨えり、佐々木少年、磨伸映一郎……(そういえば特に好きだったこのお三方はみな現在も商業作家として活躍中であり、同時に、シエル先輩ファンであった。当時、武内崇は「シエル先輩が好きな作家さんは漫画力が高い人が多い」というような趣旨の発言をしていた記憶がある)。
だが。不思議なもので、このとき私は『空の境界』にはハマらなかった。もちろん原作は読んだのだが。当時、マルチシナリオ形式のビジュアルノベルに未来を見ていたためか。あるいは、純粋に趣味に合わなかっただけなのか。後年、空の境界はアニメ映画化され大ヒットを飛ばすことになる。
2004年、ついにTYPE-MOONの商業作品第一弾『Fate/stan night』がリリースされる。もちろん発売日に予約して買った。事前の雑誌での情報を見ていて、藤ねえがお気に入りだった(まさかあんなことになるなんて)。ライダーさんはビジュアルだけ見て絶対にアサシンだと思っていた。体験版の段階でクオリティが大幅に上がっていることは明らかだった。心が躍った。世界が変わる瞬間が、目の前にあった。
魔術師と英雄が跋扈する本作を終えて、私は思った。私は優秀な魔術師でも高潔な英雄でもなく、なんでもない、取るに足らない、醜い人間が好きなんだと。だから私は、間桐桜と衛宮士郎の物語が好きになった。
桜は魔術師ではあるが、本作においては魔術師としてよりも、もっと違う存在として描かれる。衛宮士郎もまた、魔術師ではなく魔術使いとして描かれる。そしてラストシナリオである桜ルートでは、桜は家族の呪縛から解き放たれて人間として生き始め、士郎は正義の味方に憧れたロボットからひとりの人間に生まれ変わる。魔術師と英雄が闘い続けた果てにたどり着いたのが、ふたりの人間の、人間としての歩みであったことは、とても感動的で、同時にこれが、奈須きのこが幻の弓塚さつきルートで実現しようとした未来なのではないかと想像した。
そして絶望する。ご存じの通り、桜ルートは批判された。当時の型月板は荒れた。セイバールートと凛ルートが絶賛されるとともに、桜ルートは徹底的に批判されたのだ。
イリヤスフィールの物語とオーバーラップして主題が分かりづらいという主張には一理ある(一説にはイリヤルートを作るリソースが間に合わず、桜ルートに混ぜた、と言われている)。描写不足であるという批判も、ある意味では仕方ないだろう。だがそれ以上に、ファンたちは、「多くの人間を殺しながら幸せなエンドを迎える桜」と、「正義の味方であることを諦めてセイバーを犠牲にした士郎」を批難した(正確には、彼ら2人に対してというより、そのようにある物語を避難した)。私は憤慨した。衛宮士郎の、何を見てきたというのだ。
正直に言うならば、私はセイバールートや凛ルートの衛宮士郎が嫌いだ。凛ルートの遠坂凛も苦手である。はっきりと言ってしまえば、物語として楽しみながら、登場人物たちに対しては苦々しい思いを抱き続けてプレイした。そんな彼らが、桜ルートで丸ごと好きになった。桜ルートでは、みな、人間として生きている。それが愛おしかった。
同時に、TYPE-MOON作品のふたつの側面のうち、ファンに望まれる側と、望まれない側が見えた気がした。考え過ぎかもしれないけれど、私がより好む側は、望まれていないように見えた。
これ以降、私はTYPE-MOON作品と少しずつ距離を置くようになっていく。厳密に言えば『Fate/hollow ataraxia』は心から楽しんだ(アンリマユとカレン・オルテンシアの物語はとても好みだ)。だが、『DDD』は未読、『Fate/Zero』は同人誌として頒布された際に1巻だけ読んで断念、『Fate/unlimited codes』『Fate/EXTRA』には手を出さず、期待した『魔法使いの夜』はプレイしたものの、それほど心惹かれなかった。この間、各種メディア展開で楽しんだものは、佐々木少年による漫画版『真月譚 月姫』のみであった。パスタ先輩のことは一生許さないよ。
時は流れ、2014年7月27日。もうTYPE-MOONに何の期待もしなくなった私は、それでも「Fate Project 最新情報発表会」をニコ生の中継で見ていた。そこでUBWのテレビアニメ化や『Fate/strange fake』の正式出版化に並んで、ひとつの新作が発表された。『Fate/Grand Order』。通称FGO。ついにソーシャルゲームをやるのか、と私は冷めた目で眺めていた。むしろ発表会本編終了後のサプライズ、Heaven's Feel の劇場版制作決定の発表の方が魂が震えた(今でもあの瞬間の、観客席からの絶叫と、涙を流しながら挨拶をする下屋則子さんの姿をよく覚えている)。
私はソーシャルゲームをほとんどやらなかった。手を出してみたことはあるが、純粋に楽しみ方が分からなかった。というよりそれ以前に、私はいわゆるオンラインゲーム全般が合わなかった。だからFGOが楽しめるかどうか不安だった。2015年、サービス開始に合わせてダウンロードし、序盤をプレイした。だめだった。まったく合わなかった。どう頑張っても楽しむことができなかった。私はFGOをアンインストールし、Twitterのタイムラインに流れてくるFGOプレイヤーたちの悲喜こもごもを眺めるだけになった。年を重ねてしまった、と感じた。
やがて、現実の人間関係の中でも、FGOの話題が上がることが増えてきた。2016年末のイベントの様子はTwitterでも見ていたが、彼らはとても熱っぽくFGOがいかに面白く、衝撃的で、とてつもないかを語った。私は羨ましかった。もうTYPE-MOON作品でこんなにも熱く語れることはないだろう。そう思った。
私はFGO本編をプレイしていない。いろいろと明かされたアレやソレを、なんとなく知識で知っているだけだ。そうした立場で評価するのは御法度であろう。それでも私はFGOが気に食わない。これは負け惜しみだろうか。それともただの老害でしかないのだろうか。私が好きだった奈須きのことTYPE-MOONの描く取るに足らない人間たちの物語は、もしかするとFGO本編でも繰り広げられているのかもしれない(琥珀さんルートや桜ルートが好きで、かつFGOのシナリオがそれと同様に面白い、という人がいたら、ぜひ魅力を語ってほしい。皮肉ではなく、ぜひ知りたい)。だけれども、数多くの英雄がスマートフォン上で戦い続け、それをプレイするファンたちが嬉々としてお気に入りの英雄が引けたことをTwitter上に報告する様子を、どこか冷めた気持ちで眺めてしまう自分に気付く。私がTYPE-MOONに求めていたものは、これだったのだろうか? 幾度となく繰り返されてきた、単に自分が望むような創作から外れていってしまった存在を寂しく思うという、これはきっとただそれだけのことなのだ。つまり、八つ当たりと取ってもらって構わない。
劇場版『Fate/stay night [Heaven's Feel] I.presage flower』は、公開初日に映画館に観にいった。素晴らしかった。須藤友徳監督の、間桐桜と桜ルートに対する圧倒的な「理解」に目眩がした。アバンで桜と士郎の「それまでの日々」をたっぷり描いた時点で、完全に勝利だった。FGOで得た利益でこんなにも素晴らしい映像作品が作れるのなら、FGOに感謝すべきであろう、などと思った。第二章も楽しみだ。
聞くところによると、FGOの世界には死徒二十七祖(という概念)は存在しないそうだ。私が好きだった奈須きのこワールドとは違う世界がそこにあるのだな、と改めて思った。繰り返すが、これはただの八つ当たりだ。
2017年末も、FGOは盛り上がっていた。きっと酸っぱいに違いないと、私は新年からこのような文章を打っている。2008年4月、月姫リメイク制作決定が発表された。今年、ついに発表から10年が経過する。優先順位があることくらい私だって理解できる。だからもう「月姫リメイクはよ」とは言わない。そのようなファンに耳を貸す必要だってない。FGOを楽しむ人々に向けて頑張っているスタッフの皆さんに、おつかれさまです、と声をかけたい(年始メンテおつかれさまです)。FGOという作品を批判する気もない。そもそも批判できるだけの素地すらない。何しろ、プレイしていないのだから。本当に申し訳ない。
結局のところ、私はTYPE-MOONが、奈須きのこの世界が好きだったのではなく、ただ『月姫』という作品が好きだっただけなのだろう。あるいは、月姫が生まれた、あのころが。
こんにちは。今年も残すところあと二日。皆さんはこの一年どんなブックマークをされましたか。私がこの一年のはてなブックマークを振り返りますと、時事の話題についてBuzzfeedなどの活躍によりこれまでより踏み込んだ情報が提供されるようになった点を好ましく思う反面、全般的に記事内容に触発されて知的好奇心を湧き上がらせながらブコメを書く体験が減ったと感じられる点は残念であります。
また、ホットエントリーで無内容なブログを目にすることが減ったのは、実際に数が減ったのか無意識にセルフフィルタリングしているのか分かりませんがよいことでございました。
では、これより昨年の受賞記事の紹介、優秀賞、大賞の発表を行っていきます。
まず2016年の大賞はこちら。この記事によってGoogleの研究が職場における心理的安全性に着目したことを知りました。
グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ(小林 雅一) | 現代ビジネス | 講談社
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48137
https://anond.hatelabo.jp/20170220063610
次に、2017年の優秀賞を二本発表します。ともに増田さんの受賞となりました
やる気はスイッチの姿をしていない
https://anond.hatelabo.jp/20170506003013
最近アラフォー童貞と付き合うことになったアラフォーおばさんだけど
https://anond.hatelabo.jp/20171125105328
前者はやる気スイッチというワードについて、後者はコミュニケーションの良い循環について見事に言葉にした素晴らしい記事でした。この1-2年、ブコメ→本文ではなく、本文→ブコメの順で読む率は増田が一番高いです。
それではいよいよ大賞の発表です。ドコドコドコドコドコ ドン!
まず2Dゲームで開発、社員300人で1週間遊ぶ!? 新作ゼルダ、任天堂の驚愕の開発手法に迫る。「時オカ」企画書も公開! 【ゲームの企画書:任天堂・青沼英二×スクエニ・藤澤仁】
http://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/zelda
今年、各国でゲームオブザイヤーを受賞した「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」。その発売前日に公開されたこちらの記事が大賞に輝きました。ゲーム記事であり、一般性に欠けるのではないかという懸念もなくはなかったのですが、最後までこの記事から受けたボリュームある熱量が一番にあり続けました。
宮本茂のゼルダを継いだ青沼さんに、堀井雄二のドラクエを継いだ藤澤さんとゲーム系インタビューなら日本で一番のTAITAIさんが訊くという陣立てです。後継者としての悩み、たくさんの問題とたくさんの解決、開発の裏話、からくり人形を作っていたという青沼さんのバックグラウンド、任天堂の開発体制など面白い話が盛りだくさんで、ゲームをやらない人が読んでもなにか感じるものがあるのではないかと思います。
https://anond.hatelabo.jp/20170328015206
https://anond.hatelabo.jp/20171008162514
「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」はオールタイムベスト級の傑作なので、Switchも手に入りやすくなったようですし、まだの方はぜひ遊んでみてください。
今年もNHKのサイトで「ドキュメント72時間」の人気投票をしているけど、本年放送分のみなのが残念。
まあそうだよね。制限がないと過去放送が何回もエントリーしちゃうし。
1位 | 名古屋~苫小牧・旅立ちのフェリー | 2007 |
---|---|---|
2位 | 秋田・真冬の自販機の前で | 2015 |
3位 | 徳島~高知・ゆきゆきて 酷道439 | 2016 |
4位 | 千葉・大病院の小さなコンビニ | 2014 |
5位 | 大阪・串カツエレジー | 2013 |
6位 | 福島・東北道あだたらサービスエリア | 2012 |
7位 | 埼玉・最後の避難所から | 2013 |
8位 | 佐賀・トラック一人旅 風に吹かれて | 2017 |
9位 | 青森・冬津軽 100円の温泉で | 2016 |
オールタイムベストを紹介するので、好きな人にとっては「ベタすぎ!」と怒られるかも。
男が一切出てこない、徹底した百合スカで、出したら食べたり塗ったりするものが多い。
あっけらかんとした世界観で、さも当然かのようにバクバク食べる。
サドマゾや調教の関係の延長線としてのスカトロではなく、純愛の先にあるスカトロを描いていて、ラブラブっぷりも面白い。
オススメは「ある姉妹愛のかたち」で「ほうれん草よく噛まないと」という繰り返されるセリフの意味合いが非常に、非常に、萌えます。
ヘテロも百合もあり、食べたり塗ったりもある、再録がほとんどだけど、いろんな単行本からまとまってるので、きあい猫知らない人に特にオススメ。
サドマゾ関係や調教の末にあるスカトロを描いていて、特に手のひらにウンコを乗せて往来を歩く「必要条件」がベストかな。
一切性的な快楽を描写するシーンがないにも関わらず非常にエロく、エロさとは? ということを考えさせられることが多い。
後半、手のひらにウンコを乗せて往来を歩かされたヒロインが涙を流した理由が明らかになるが、その時の顔が圧巻、サドとは? マゾとは? の一つの答えのように思えた。
百合調教もので、一部ヘテロセックス描写もありの一巻通じての長編もの、スカトロ描写は口にくわえたり飲み込んだりのシーンがあるが、調教の一環でメインではない。
女の子同士の調教描写が見どころで、どんどんと調教の快楽にはまっていくマゾの描写が見どころ。
特に面白いのが後半のサド役の子の年齢が明らかになるところ、このシーンを見てから最初から読み返すと2度面白い叙述トリックのような味わいもある。
○朝食:ハヤシライス
○昼食:なし
○調子
はややー。
お休みですので、掃除したり、ゲームしたり、散歩したりしていました。
これで、今月の中頃ぐらいからプレイしていた、ケムコADVのシリーズは一通りプレイし終えた。
シリーズ外の文章を読む作品もあるみたいだけど、アンドロイド端末は持ってないので、ここら辺で一旦区切りとしよう。
来週もお仕事頑張るぞいや。
今月は、東京出張とかがあるので、体を壊さないように気をつけないとなあ。
●スイッチ
暴露モード、エキストラシナリオ、家庭用追加シナリオ、全てクリア。
ケムコADVシリーズの中でも、なんならADVジャンルのオールタイムベスト、いや、ゲームとしてのオールタイムベスト級の超超超超面白い作品だった。
昨日も書いたけど、とにかくあのキャラの「狂気」が凄まじかった。
要所要所の「滾る!」展開は、過去作品も負けてないと思うけども、
この作品はこの滾りに「狂気」が味付けされていて、そこがもう、今まで味わったことがない、すごい面白さになってる。
「え? ここから踏ん張るの? がんばえー、まけるなー、がんばえー!」
と、キャラクタの頭の良さに滾ることが多いし、
それらと同じぐらい
「え? すごいけど、こいつ狂ってる…… こわい……」
と思わせられるのが、もうなんか途轍もなく面白かった。
何がすごいって、この「滾る展開」が合計で五回ぐらいあって、
毎回毎回、その狂気に底知れなさを感じるところ。
クリア終えた今でも、底が見えないあのキャラはとにかくすごかった。
ただ、5本目のエキストラシナリオと、暴露モードでのオチを、ネットのレビューで過去作品のキャラが出るぞ、と読んでいたので知っていたせいで、
いや、こんなのレビューを読む僕が悪いし、僕自身ネタバレをガンガンするタイプだから仕方ないんだけど、
という段階で、どの作品の誰が登場するかわかっちゃうし、中盤のあのキャラの異能の手続きが明らかになったところで、もう時系列含めてこの謎解きは一直線な感じだよなあ。
繰り返しになるけど、だからそこをばらすレビューはよくない、とかそういう話じゃなくて、
○ヒューマン・リソース・マシーン
面白いDLソフトはないかなーとストアを探して見つけた、パズルゲーム。
ノベルゲームが続いたのでゲームゲームしたのがプレイしたかったんだけど、
イメージ的には、Scratchをよりシンプルにした感じかな?
今、16面だけど、if文の判定式に否定を使えないのが非常に面倒臭い、けど中々ハマる。
さすがに、それなりにプログラミングの仕事をしているので、ただクリアするだけならそこまで悩まずにできるけど、
ステップ数を縮めたりするのはかんり苦労しそう。
い、いや、その、ほら、業務の世界は、その、なんていうの、読みやすさ? 大事やん? その、なんというか、ほら、ね? おれおれコードでおれおれしたロジック読むの嫌じゃん? だからそのシンプルにしか書かない的な?
ごめんなさい、言い訳だね、まずは普通にクリアすることを目指して頑張るぞいやー。
○ポッ拳
アミーボとデイリー。
●3DS
○ポケとる
○昼食:なし
○夕食:ちゃんぽん
○調子
はややー。
台風一過でいい天気。
でしたが、家でずーっとゲームしてました。
明日からまたお仕事ですが、火水木金と四日間行ったらまた土日はお休みなので、頑張るぞいや。
●3DS
○ポケとる
ケムコ熱が高いので、最近真面目にプレイしてないですが、一応ランキングに参加しておいた。
今、6438位で、僕にしては珍しく4桁順位にいる。
メガスキルアップ三つもらえたら超嬉しいけど、さすがにこの位置は維持できないだろうから、明日の結果発表は気楽にまとう。
○D.M.L.C
こちらも一気にメインルートはクリア、おまけシナリオは全部まだ未プレイ。
これもネタバレが致命的なゲームなので、あまり筋は書かないけど、とにかく面白かった。
ストーリーの筋としてはトガビトノセンリツの方が面白かったかもだけど、
メインキャラクタ全員が魅力的で、チームとしての面白さみたいなのもあるんだけど、
中でもダントツに可愛かったのが「東護美弥」
今までの人生の萌えキャラオールタイムベスト級、人生の師で生き方を決めてくれたかの読子リードマンさんに負けずと劣らず大好きなキャラクタになりました。
いやもう、あのですね、僕の性癖というか好きになるキャラクタって
「僕のことを好きにならないキャラクタ」なんですよ。
で、かつそれが嫌な人だったり根性が曲がったキャラじゃなくて、
もうただその人の生き様において、僕が干渉できることは少ないだろうなあ、と確信を持って言える、
そういうキャラクタが好きなんですよ。
その点において「東護美弥」さんは、もう完璧だった。
彼女が主役のおまけシナリオがあるみたいなので、楽しくプレイしようと思う。
うおおおおお、テンションマーックス!
ヒット作品、何かの賞を受賞してる作品、クリエイターがよく挙げている作品、ネームバリュー等々……要するに「よく語られてる作品」をリストアップしていたらあっという間に100を超えてしまったので、ちょっと手を加えて100作品に調整してみた。正直なところ100だと枠が全く足りない。映画だけで絞ってもだ。
オールタイムベストではないので、ここに載ってるから優れているとかそういう意図はないです。