はてなキーワード: パンフとは
海から来る怪獣で、なんか水爆実験が関係してて、悪いだけのやつじゃないっぽい・・・とか、それくらい。
ガメラは2と3だけテレビでやってたの観たけど、あんまり覚えてない。
庵野監督のことも「エヴァの人」ということはわかるけどエヴァは観たことない。
使徒と戦うとか、シンクロが云々とか、「逃げちゃダメだ」とか「ありがとう」とか、なんとなくは知ってる。
特撮は日曜朝の戦隊ものをたまに観るくらい。ゴーバスターズは良いぞ。
(今、私が同じ映画を何度も観たり、映画館に年20回以上行ってるのも、すべてはパシリムがあったから)
そんな思いに駈られて、行ってきました、シン・ゴジラ。
最後列やや下手より。一席あけて右にはおじさん、左には若いカップル。
全体的な客層は男の人が多いような気がした。
「思ってたんと違う!!!!」
これにつきる。
断っておくけど、良い意味で。
良い意味で予想と期待を裏切られまくった。
以下、ネタバレ注意の覚書。
とはいうもののすでに記憶がかなり曖昧なので、間違ってるところもあるかもしれない。
シン・ゴジラのゴジラは、第一形態から第四形態まで「進化」する。
それを全く知らなかった私は、初めて巨大不明生物(=ゴジラ)がその姿を現したとき、驚いた。
なんかもうひたすらキモい!
目玉ぎょろぎょろで、エラから赤い液体ドバドバさせて、不格好に地面を這いずる姿は、キモいとしか言えなかった。
私の知ってるゴジラは二足歩行で、もっと無骨な、かっこいい怪獣というイメージがあったからだ。
「このキモい変なやつを倒しに来るのがゴジラなのかな」とか思ってた。
そんな私の目の前で、ゴジラは突然「進化」した。前足が生え、直立して、吠えた。
そんな私の想いをスクリーンの中で口にしてくれたのが長谷川博己演ずる矢口だ。
進化する未知のゴジラは、そんな両者の溝を埋めてくれた気がする。
あの瞬間の「そんなんありかよ」という気持ちは、間違いなく私と映画の中の人々との間で一致していた。
そして完全に「私の知っているゴジラ」になった瞬間に流れるゴジラのテーマ!これにはめちゃくちゃ興奮した。
ゴジラだ!ゴジラがやってきた!!!!うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
応援上映とか絶叫上映とかなら確実に叫んでた。
というか叫びたいからどこかの映画館でやってほしい。やってくれると信じてる。
ゴジラに対する「何だそれ、すごい・・・」の瞬間は、完全体の第四形態になってからも何度も訪れる。
まずこのゴジラめちゃくちゃ硬い。
完全にノーダメージかつノーリアクションで、なんかもう絶望感がすごい。
そんな絶望がさらに増すのが、火炎放射からのレーザー光線発射のシーンだ。
米軍の攻撃が効いた!これでゴジラを倒せる!と思った瞬間、ゴジラは口から火を噴く。
この瞬間まで私はゴジラが火を噴くことを完全に忘れていた。
やはりここでも、ゴジラのことを何も知らない映画の中の人々と同じ驚愕と絶望を味わうことになる。
しかもゴジラは口からだけでなく背面から無数のレーザー光線を発射。
なぎ倒され爆発するビル群、あっさり撃墜される米軍機、理解の範疇を越えた圧倒的攻撃力。
もう東京は・・・日本は・・・人類はおしまいだ・・・という気持ちになってくる。
思ってたんと違う姿で現れたゴジラは、私が知らず知らずの内に抱いていた「ゴジラってこういうもので、きっとこういう話で、こういう映画でしょ」という先入観を完全に破壊した。
私はシン・ゴジラを、パシフィック・リムやマッド・マックス 怒りのデスロードを観に行くのと同じような気持ちで観に行った。
ドーンってなって、バーンってなってズダダダドカーンってなるのを楽しみにしていた。
そしたら、全然違った。
シン・ゴジラの破壊シーンや戦闘シーンは、全体的にとても地味だと感じた。
最初に上陸した第二形態のゴジラはずるずる移動するだけだし、第四形態のゴジラも積極的に街を破壊している印象はなかったし、対する人間の方にも必殺技や秘密兵器があるわけでもない。
というかそもそもゴジラは、そういうアクションがメインの映画ではなかった。
ド派手なアクションで魅せる洋画とは全く違う、上手く言えないけれど、とても「日本の映画」だった。
でもそれは決して悪い意味ではない。むしろめちゃくちゃ良かった。
東京に巨大不明生物が現れた。そんなとき動き出すのは巨大ロボでも特殊戦隊でもなく、日本政府。
「はやくドギャーンってなるとこ見せてくれよぉ」と思いながらも、堅苦しい言葉と、面倒くさい思惑が飛び交う会議シーンに釘付けだった。
正直、政治には明るくないし、次々と表示される役職名は全然頭に入って来ないし、聞き取れなかった台詞もあったが、でも入って来なかった情報はきっとなくてもいい情報だったんだと思う。
大事なのは、「今の東京に本当にゴジラ(のような巨大不明生物)が現れたらきっとこうなるぞ」という感覚だと思う。
前例のない事態に混乱しながらも結論を急ぐべく無理やり型に嵌めようとして結局対応が後手に回ったりして、そういう「上手くいかない」「そうじゃない」ってとこも含めて、リアルでとても良かった。
でも、もたもたして見える政治家たちも、みんな事態を解決し、東京(日本、国民)を救うために全力を尽くしている点は皆同じである。
そうして面倒な会議を経て、ゴジラの脅威を一通り目の当たりにして、ようやく立ち上がるのが、巨大不明生物災害特設対策本部、通称・巨災対だ。
この巨災対はいわゆるオタクや変人の集まりで個性派ぞろいなのだが、みんな論理的なことしか言わないのがとても良い。
きっとこんな事態じゃなければ日の目を見ることのなかった厄介者たちが活躍するロマン。
アツいのは現場で戦う者だけじゃないのだ。
だからと言って、現場で戦う者たちがカッコ良くないわけがない。
だからこそ、隊列を組んで飛ぶヘリや、次々と持ち場につく戦車のかっこ良さが際立つ。
作戦を練り「確実にやります」と言い切る自衛官や、黙々と遂行する自衛隊員たちのストイックさにも惚れる。
戦闘シーンといえば、私が一番興奮したのが新幹線爆撃と在来線爆撃だ。
ここでまたゴジラの有名な曲(曲名思い出せない)が流れるのもアツい。
とくに在来線爆撃は、色とりどりの在来線が同じタイミングでゴジラに突撃し、爆発と共に宙を舞うのが最高だった。
リアルを追求した今作の中で、実際にあるものを使ったありえそうな攻撃ながらいったい誰が思いついたんだというこの攻撃。
戦闘シーンで最も「思ってたんと違う!!!!」のは、ヤシオリ作戦だ。
物語の終盤、核兵器による解決をなんとか回避しようと急ピッチで進められたこの作戦。
無人機による攻撃や在来線爆撃、ビルの爆破によるゴジラの保定を成功させる流れは堅実ながら華があり、とても良かった。
工事用車両(建設機械)が好きな私としては、コンクリートポンプ車の活躍も嬉しかった。
そうしてゴジラの活動を完全に停止させ、ヤシオリ作戦は大成功に終わるのだが、何が「思ってたんと違う」かって、この作戦終了の瞬間が地味なのだ。
観ている側としては、
「やったーーーーーー成功だあああああああああああああああ!!!!!!」
と飛び上がってハイタッチして抱き合いたいくらいの気持ちなのに、映画の中の人々は一切そういうことはしない。
でも、あとから思うと、この映画の中ではそれで正解だったのだと思う。誰もが想像もしなかった巨大不明生物の来襲。大きすぎる被害、多すぎる犠牲者を出しながら、成功するかわからない作戦にかけた結果なのだ。
現実感がない中で、静かに「俺たちはやった・・・やりきったのだ・・・」と噛みしめるのが、似つかわしいような気がする。
「倒したぞやったああああああ」は、きっと、ゴジラが虚構だと知っている側の感想なのだと思う。
シン・ゴジラに対して言いたいこと、話したいことはまだまだたくさんある。
豪華すぎる出演陣どこにいたのか全くわからなかった、とか。
石原さとみやっぱりめちゃくちゃ美しい可愛いZARAはどこ?、とか。
巨災対のメンバーの活躍だけにクローズアップしてもう2時間観たい、とか。
でもまとまらないのでこれくらいにしておく。
そもそもこうして書き殴っているのは、こういうことを話したくても話せる相手が周りにいなかったからだ。
劇場を観たあと、複数人で来ていた人たちが口々に感想を言い合っているのが、とても羨ましかった。
その物足りなさを埋めるように、今まで封印していたネタバレブログやレビューを漁って、それでますます我慢できなくなって、この文章を書いている。
ネタバレブログを読んでいて気になったのが、「万人受けはしなさそう」とか「知らない人はわからないんじゃない?」みたいな意見だ。
とくに昔からゴジラが大好きで、新作公開を待ち望んでいた人たちが、よくこう書いていた。
とりあえず私は少なくともあと2回は観たい。
そして売り切れていたパンフをなんとかして手に入れたい。
何も知らなくても、なんかよくわからなくても、ゴジラはすごかったです。
おわり。
1中 じゃ、カルテ書いたら帰っていいよ(18時に)
2二 これは○○病院では研修医の仕事だから(違う病院のエキストラ労働を強いる)
3右 8時出勤ってのは、8時に指導医が来るまでに患者さんの採血や検査や予診をやれてるってことだから。(7時前出勤)
4投 患者を把握する時間ってのは時間外でするもの、カルテ見るのは仕事じゃない。
5一 うちの病院は月~土まで9時18時です(なおパンフでは土曜は15時まで)
6右 当直は1回1万円です。月4回で、1日は日曜日にやります。(まったく寝れない、20回以上呼ばれる17時~9時勤務,当然次の日もあるので、36時間労働)
7遊 こんなの、君以外は全員知ってる常識だから(なお、2年目どころか3年目以上も誰も知らないもよう)
「国に届け」を批判している奴等は少女漫画も等しく批判しろってブコメがあるけど、むしろ逆じゃね?っていう感想
「国に届け」とは若者向けに選挙への興味を持って貰うために自民党が配布した漫画のようである。
この作品について、一部の方々から若者や女の子を馬鹿にしているのでは?という声が上がっているらしい。
「国に届け」自民党18歳選挙の漫画パンフに「女の子をバカにしているのか」の声も
http://www.huffingtonpost.jp/2016/05/20/jimin-18voice-kuninitodoke_n_10075554.html
実際のところ作品を見たわけではないので件の作品が若者や女の子を馬鹿にしているような表現かについてはよくわからない。
この手の声というのは「え?そんなことで?」とか「過剰反応なのでは?」と思わせる内容だったりするから是非は置いておこう。
元々の批判というのがよくある過剰反応的なものであるから、この手の批判に対する批判もよく見る光景である。
んで、今回気になったブコメというのが以下。
・ 少女漫画はそんなのばっかなんで、それを批判するなら少女漫画も批判せよ
・ これでバカにしてるだったら、萌え系のマンガは全部女の子バカにしてると思うだけど、そっちはいいんだ
・バカな女の子を出したら女性蔑視なら世の創作物には聡明な女の子キャラしか出せなくなるじゃんアホくさ。被害妄想も大概にしろや。
・とりあえず少女漫画から100作品ぐらい無作為抽出して恋愛要素が本筋に絡んでくる作品の割合を算出してから反論してください
という、これを許さないんだったら他のはどうなの?という、お馴染みの定型ブコメである。
しかし、これ反対なのではなかろうか?というのが今日の感想である。
批判の内容はともかくとして、今回批判が上がったのは政党が発行したものだからであろう。
今回批判の声を上げた方々が一般の漫画に対して批判を行っているかどうかというのはわからない。
もし仮に「国に届け」に対してだけ批判をしているのであれば、党が発行する公共性の高いものと個人が楽しむ作品は別物と区別できている証左である。
この一年ぐらい某刀が擬人化されたブラウザゲームでゆるく遊んでいて(なにしろ無課金)、情報を得るためにTwitterを見るようになり、そこからPixivもチェックするようになり、二次創作本が欲しいなぁ、と思うようになった。
過去同人誌は通販では買った事がある。即売会には出かけた事がなく未経験。妹がコミケやその他イベントによく出かけて買い物をするので、一度行ってみたいと相談したら、夏冬のコミケよりはまだ気候が穏やかで待機しやすいから、スパコミ行ってみたら? と、勧められた。
小学校から中学校にかけて、ガンダムWやXの二次創作に少しだけ触れたけど、それ程はまりはしなかった。
BLを匂わす程度の描写はいいけれど、基本的はギャグが好きなので、腐女子ではないと思う。漫画は今でも月4~5冊単行本を買うし、アニメもちょいちょい気になるものを見るぐらい(少し前まではオルフェンズを、今は坂本ですが? を見てる)。ぬるいアニメ漫画好きだ。
妹に教えてもらいつつ、当日の準備をした。
普段買い物がカード・電子マネーばかりなので、500円を作るよう現金でなるべく買い物。配置図を見ながらサークルチェック……などを10日程前からして、どきどきしていたところに、悪天候の知らせだ。
普通に出かけるのも嫌な天気なのに、雨風対策も考えなくてはならなくなり、夕方100均に走って雨具を調達。本を濡らさないためのビニール、晴れた後の事を考えて、マフラータオルを荷物に突っ込んだ。
今朝家を出た時は風も雨もひどくてどうなる事かと思ったけれど、りんかい線乗り換えの大崎で少し様子を見ていたら雨は止んだ。やった!
国際展示場駅に着いたのは8時半。もう列が長く長く伸びていて、パナソニックセンター辺りから列の最後尾に並んだ。太陽は高く、陽射しが強かったのでマフラータオルが役に立つ。首が焼けてはならない。
うねうねと列は迂回し、牛の歩みだ。やっとチケットを購入して、広い駐車場に並ぶ。いつの間にか開場時間が10時半に変更になっていた。
移動する間、既に買い物と思われる列が見えたので妹に質問したら、「サークルチケットで事前に中に入った人たちが、あれだけもう並んでいるんだよ」と、教えてくれた。なるほど……。
妹にも買い物を頼んだので、私が回るのは東4ホール。机も人も思っていたよりも多い。コスプレしている人もいる! 自分が一瞬どうしたらいいか、わからなくなり、きょろきょろしてしまう。
机配置の法則が初めはいまいちよく分からず、少し戸惑ったけれど、目当てのサークルにはすぐたどり着けて、欲しかった本を手に入れる事ができた。
売り子も買い手もレイヤーだと華やかだなぁ、とか。キャラクタをイメージしたグッズやアクセサリーも売っているんだ、とか。即売会の雰囲気が新鮮で、妹と待ち合わせしている間、ぼんやりホールのすみっこで、会場を眺めていた。
今回欲しかった本は数冊だったので、買い物だけの話をするなら、1時間もかからなかった。待機していた時間の方が長い。
帰宅して買ってきた本を読んでる。通販しようかとも考えたけど、買いにでかけてよかった。雰囲気も含めて楽しい一日だったな。
たくさんの人がイベントを目指して集まるのが、ちょっと分かった。
他のイベントも行ってみたい。
でも、待機は三十路過ぎの身体にはかなりこたえたなぁ。夏は耐えられる気がしないよ。
会場に着いたのは17時半頃。マルイ2階入口からエスカレーターで9階まで上がり、階段で11階まで登りました。
階段で登っている時は驚くほど静かでシンとしていて、本当に公演があるのか?と不安になってしまうほどでしたが、11階に着いた途端ざわざわとにぎやかな声が。
会場手前では入場を待っている人や、椅子に腰掛けてのんびり待っている人でいっぱいです。
奥に進むとトレーディング商品を購入した人達が交換をするスペースがあり、ごった返していました。
そこを通り抜けると物販フロア。ここではチケットを持っていなくても買えます。
まずは事前に買ったトレーディングブロマイドセットを引き換え。
次に物販コーナーに並びました。と言ってもまったく混んでおらず、すぐに会計へ。
在庫は売り切れなし。素晴らしいです。
パンフと個人ブロマイドをいくつか買い、持ってきたバッグにしまって開場を待ちました。
トレーディングブロマイドは何が来ても大事にしようと思っていたので交換はしませんでした。
18時になり入場開始。
ですが、18時30分までは椅子には行けず狭めなロビーで待つので、30分まで外で待機していた方が良さそうです。
今日の席は2階席3列目通路寄りです。シアター1010の2階席は初めてでした。
シアター1010の公式サイトをよく見ると分かりますが、転落防止の柵があります。
ここはなぜか上手とセンターブロックの間、センターブロックと下手の間の柵だけ高く延長されています。
2階席で通路寄りになるとこれがもれなく視界に入ります。
公演が始まるとまっっったく気になりませんでしたが。むしろ脳が柵だけ透過処理をしてくれました。
19時、公演開始です。
冒頭は本能寺炎上から。明智光秀と森蘭丸の対峙から始まります。
二人のやりとりを眺めるように宗三左文字が登場。
声にびっくり。ゲームで聞く声によく似ています。役者さんすごい。
オープニングはまさかの刀剣男士そろい踏みによる生歌でした。うわーかっこいい!!
あ、これはにやける…!と頬の内側を噛んでぷるぷる震えてしまいました。
声が!びっくりするほど声優さんに似ています。声帯コピーの技を持っています。確実に。
所作が美しく、優雅。役どころは山姥切国広のサポート兼保護者のような相方と言った感じ。
序盤で「だいに、第二部隊が…」と台詞を噛んだ三日月でしたが、初日ならではの緊張感ですね。お茶を飲み、酒を飲み、茶菓子を食べ、マイペースな三日月ですが、戦うシーンは流石の一言。とにかく麗しい。ひらひらと狩衣を捌き階段を飛び乗り、立ち回ります。
・山姥切国広
これで綺麗なんて言うななんて言う方が無理。美しい。
ボロ布を常に頭からすっぽり被ったままですが美しい。
殺陣も見事。鞘を盾のように使う戦い方に技を感じました。
初期刀で当初は近侍であったものの、過失から近侍を降りている経歴持ち。審神者からまた近侍の命を受け苦しみながら奮闘する役です。ゲームをよく勉強してこられたのか、話し方が声優さんにいました。
・宗三左文字
これまた麗しい!!佇まいが可憐で優雅。けれども殺陣は迫力満点。
2階席からでもたまに見える素足ががっしりといているのが分かります。
本能寺で悩み、苦しみながらも不動行光を支える役。
・江雪左文字
戦いは嫌いですと言いつつ敵をなぎ倒す姿は鬼神。
小夜を案じ、左文字長兄としての優しさを見せる江雪。
終始取り乱すことなく常に落ち着いた動作が印象的でしたが、仮に真剣必殺されたらみんな泣くしかないと思いました。
・小夜左文字
スーパーアクションスター小夜ちゃん。短刀を操り、足技を繰り出し、バク転します。
一番身のこなしが素早いです。観ていて楽しい小夜ちゃん。
・薬研藤四郎
宗三の相方的な立ち位置。へし切り長谷部に対し「その名前、俺は嫌いじゃないぜ」と言ったり、不動行光を気にかけたりとコミュ力高し。
・へし切長谷部
一番面白い人。馬当番をこなします。近侍に再任命された山姥切国広にジェラシーします。
紅白戦では燭台切光忠と対戦。大柄な光忠に対し、斬り合いを軽やかにこなします。
信長を守るために光秀を討とうとする不動を、背後から斬りかかろうとする姿が印象的でした。
・不動行光
本作のキーパーソン。演技の一つ一つが迫真に溢れていて素晴らしかったです。
再開した蘭丸を抱えあげてくるくる回転する不動くんは本当に本当に嬉しそう。
序盤はよたよたしていた不動くんが、終盤で強く成長した姿に感動。
・一期一振
物腰穏やかな話し方に加え、凛とした殺陣。立っても座ってもサマになる一期。
台詞はさほど多くないのですが、無言の演技が出来る方だとお見受けしました。
殺陣はダイナミックで鮮やか。ラスト、傘を持って挨拶をする仕草が紳士然としていて素敵でした。
・鯰尾藤四郎
唯一の脇差だから年少組に入るのかと思いきや、小夜と一緒にいる時は保護者らしく振る舞う鯰尾。
脇差と足を使い素早い身のこなしで演じる殺陣が印象的。背後から忍び寄る鶴丸に振り向かないシーンはアドリブかな?はきはきとした物言いがゲーム版とよく似ています。馬糞は投げません。5月7日が役者さんのお誕生日とのことだそうで行きたかったなあ。兄弟だからか一期と一緒に戦うシーンが多いです。
・燭台切光忠
食べ物担当。毎公演、彼が提供する食べ物は違うそうです。その場面は毎回アドリブですね。
殺陣はダイナミックそのもの。にもかかわらず格好良さを忘れない戦い方が燭台切らしいです。鶴丸とよく一緒にいます。仲がぎくしゃくしそうな本丸を見て二人で紅白戦を提案するなど年長刀としての役割を認識しているようです。
・鶴丸国永
重くなりがちな本丸の賑やか担当。落ち込む山姥切の肩を叩いて慰めたり、不動の甘酒を欲しがったり、細かい演技が光ります。
戦闘は、太刀を肩にかけて飄々とこなすかと思えば豹変して雄々しく闘います。
敵に放つ掛け声が一番荒々しく、男らしさを感じました。
◼︎個人的に印象的なシーン
迫真の演技は圧倒的。死んでいるはずなのに生きようとし、まだ尚信長を守る姿は
・光秀全般
光秀でないと刀剣乱舞としての本能寺の変を掘り下げられないからですね。
蘭丸と二人で登場したカーテンコールは一際拍手が大きかったです。
・三日月と山姥切
織田刀が織りなす本能寺のテーマと並行して進んでいたテーマだと思います。
三日月が月を見て「おぬしも月を照らす陽の光となれ」と山姥切に投げかけるシーン。
それで山姥切は近侍の決意を固めます。その後窮地に陥った三日月の助けに入り山姥切は
「月(=三日月宗近)を照らす陽の光となる!」と宣言します。三日月は「ずいぶんすすけた陽の光だな」と応えるわけですが、熱い。少年漫画のようです。
これ以前の場面の紅白戦で一騎打ちになった時もしつこく追いかけてくる三日月に山姥切が「このクソジジイ!」と叫んで立ち向かうシーンも熱いです。
ラストで三日月が自らの破壊を匂わせる台詞がありましたが、あれは現実にならないとほしいと思います。
刀ステの山姥切国広は仮に三日月が折れたら二度と立ち直れない気がします。
◼︎全体の感想
2.5次元は初めての鑑賞ですが、エンターテインメントに優れていて素晴らしい出来栄えでした。
初日は友人が当選してくれて入れました。6日に自力当選したのでもう一度観劇できます。
今回は二つのメインテーマを重点的に観たので、次回は別視点から楽しみたいと思います。また思うところがあったら感想を書きます。
http://anond.hatelabo.jp/20160413023627 を見て触発されたので書く。
タイトルのようなことについて、実態というか現実というか、そういうのを当たり障りない範囲で書こうと思う。全ての企業や学生に当てはまるはずはない(むしろかなり偏見や単純化を混ぜてる)けど、参考になれば幸い。
ちなみにトラバ先は研究を志望したという話だけど、本エントリは研究志望というよりは一エンジニア志望向けかも。
あえて定義はしないけど、Github で公開されてるような OSS を使ってます/いじってますとか、LL 使って Web アプリ作ってますとか、アジャイルやらテストコードやら最近主流の手法使ってますとか、そんな感じで捉えていただければ幸い。あるいはメインフレームで COBOL とか周辺機能を全部車輪の再発明してるC言語製アプリとかそういう古い仕事ではない仕事、と捉えてもいいかも。
トラバ先のトラバの言葉を借りると「日本的な旧来型のIT大企業」という感じ。
ITという言葉には色々な意味がある。大手IT企業だとこれが特に広い。もちろん「モダンな開発」も含まれているけれど、そんなの全体のごく一部でしかない。(主観だけど数 % とかじゃないだろうか)
話は少しそれるが、大手IT企業は元々メインフレームなど「化石」で発展してきた経緯がある。何十年以上も昔、コンピュータといえば化石しかなくて(それでも当時は最先端)、それを個人やそこいらの企業では相手にできないような大組織に対して導入してきた。プログラミングの手法やノウハウが十分存在しない時代だったけど、それでもやるしかなくて、幸いにも昔は今ほど不景気ではなかったし人材も豊富だったから人海戦術で何とかなった。
そうやってつくられた化石コードと化石システムは今なお動いているし、時代に合わせてそれなりに機能追加もある。大手IT企業は化石から離れることができない。現代が化石で食べていけるほど甘くない時代だとしても。
そもそも化石に詳しい化石人が現役引退や昇進などによりいなくなったということもあって、実は現状維持ですら大変である。たとえばレガシーで汚い膨大なソースコードを知る者は誰もいない。もちろんネットで調べても答えなど出ないし、IT界隈のコミュニティに頼ったところで知る者はやはりいない。どんなに時間がかかっても読んで、理解するしかない。どんなに時間がかかっても。
以上のような現実があるので、化石のお仕事に新人を割り当てることも普通にあるし、むしろそうなる確率が圧倒的に高い。
大手IT企業にとって新人とは「専門的な技能や経験は無いが、地力(頭の良さ、伸びしろ、根気など)はあるため近い将来使える戦力になる卵」である。
対人コミュニケーションには自信ありますという遊んでばっかのリア充も、OSS に Contribute してました大学はほとんどパソコンと向き合ってましたという趣味グラマも、同じ「新人」でしかない。
「新人」は技能も経験もないので、いきなり一人前の仕事を任されることはない。電話応対、飲み会の企画運営など雑用全般を任されつつ、簡単な仕事がアサインされる。
この簡単な仕事というのが曲者で、手順書にしたがって環境を整えるとかテストをするとか、そういう仕事だ。手順書を読める程度のIT知識があれば誰でもできる。でもボリュームは多いし、手順書は不完全で不正確だからわからないところが多々あって、忙しい先輩や上司に何度も相談しにいくことになる。言うなれば「属人性の高い単調な手作業仕事」とでも言えようか。
ITを知らない素人新人ならこれが仕事だと抵抗なく受け入れられるが、ITを知る新人だったら、これはとてつもない苦痛だろう。配属先が「モダンな開発」を行う部署であれば苦痛具合も軽減されるし、なんなら「君結構詳しいんだね。じゃあ早速本格的な仕事任せてみようかな」なんてこともありえる。化石部署だとそんなことはない。だって、仕事で扱ってるシステムは化石だからモダンなIT知識なんて役に立たないもの。
この「新人」に、早くて数ヶ月、遅くて数年耐えると、次第に仕事を任せてもらえるようになる。設計やコーディングといった、エンジニアらしい仕事だ。といっても、配属先が化石部署であれば、当然扱うのも化石なわけで、いつまでたっても化石で苦しみ続けることになる。
一方で化石部署から異動し、「モダンな開発」を行う部署で働く者も存在する。これには色んなパターンがあるが、おおよそ以下のような状況が重なって異動するパターンが多い気がする。
大手IT企業では エンジニア→中間管理職(部長以下)→偉い人(部長より上) というキャリアパスがつくられている。特徴は
こんな感じ。
いつまでもエンジニアとして働いて、でも給料はそれなりにもらって、ということはありえない。成果を出せば昇進するし、昇進すればエンジニアから離れていく。成果を出さなければエンジニアとしていれるけど、いつまでたっても給料は増えない。大手だけあって新人時点での給料はそこそこ良いけれど、30代以上になってくるとそれでも苦しい(物欲無き健康的一人暮らしなら問題無いが、家族を養うつもりなら相当苦しい)し、そもそも無能な管理職に振り回されることに対して苛立つだろう。つまりエンジニアとして何十年も働き続けにくい。
「昇進するつもりだから問題無し」と考えている人も要注意である。というのも、大手IT企業は管理職で溢れかえっているからだ。新人が昇進するのは非常に難しい。昔は割と誰でもなれていたし、実際「こんな奴がなんで管理職になれてんだ?」っておっさんもたくさんいるけれど、今は違う。一握りの社畜(必死に仕事に食らいついてきた&先輩や上司からのウケも良い)だけが昇進できる。たとえエンジニアとして優秀な仕事をし、正当な意見を主張してきたとしても、空気を読んでウケの良い社畜にならなければ昇進はできないのである。
大手IT企業の研究所は非常に狭き門である。トラバ先でも言及されているが、博士課程を終えたようなガチさに加え、当然のことながら学歴も必要になってくる。実際、研究所の人間は英語を当たり前に読み書きできたり、分厚い技術書を躊躇なく読み込んだりするような変態であり、裏を返せばそれほどの実力と熱意がなければやっていけない世界というわけで。とにかく多少ITに覚えのある凡人が入れる場所ではない。
また、入社後に研究所に異動するケースもほとんど無い。一般部署の凡人をわざわざ引き入れる理由が無いからだ。
ここまで色々書いたが、そもそもなぜ大手IT企業を目指すのか。それは以下のような理由や期待があるからではないか。
確かに上記のメリットはある。あるけれど、ここまで書いたように
といったこともあるわけで。
「モダンな仕事をバリバリしたいならベンチャー行け」という話もあるけれど、ベンチャーで通用するほどの人材ならそもそも大企業を選ぶことに悩みなどしないだろう。大企業を選ぶということは、実力なり待遇なり何かを求めているわけで、そうなってくると大企業以上に適切な選択肢は無い。でも、その大企業にも上記のデメリットがあるわけで。
世の中は甘くないですね。
2017年4月に同人誌専攻やメイド&コスプレビジネス専攻が開設されるっていうじゃないですか。
秋葉原のプロを育成する専門学校「アキバビジネスワールド」2017年開設、同人誌専攻やメイド&コスプレビジネス専攻など http://www.inside-games.jp/article/2016/02/22/96175.html
で、わずか35時間後に入学案内届きましたよ。ビジネスはスピードが命。
私「うっしゃぁああ!」
まだ資料請求ポチーの熱が冷めていませんでしたから、ルンルン気分でパンフ開きましたよ。隅から隅まで読みましたよ。
『市場規模700億円の同人誌ビジネスについて学び、「同人誌で稼げる」人材を育成する専攻。同人誌の描き方、売り方はもちろん、法律・店舗・ネット戦略などのSNS戦略について学びます』
ということを学習するそうです。『ネット戦略などのSNS戦略』のくだりは日本語としておかしいですけど、本当に同人誌描けるんでしょうかね。
……おい、なんだよこれ。
「大工さんになるには?」って書かれた紙めくると「工務店の求人に応募する」ってサジェストされる大阪人権博物館みたいじゃないですか。
釣りか? 釣りなのか!? 学科設置で炎上マーケティングとか斬新過ぎるゾ。
他の専攻も、
『アイドルプロデューサーを育成する専攻。歌・ダンス・グッズ戦略・SNSによる自己演出などを学び、アイドル育成・LIVEハウス経営・グッズ販売ビジネスはもちろん、広告・印刷・SNS等による告知も学びます(アイドルプロデューサー専攻)』
『秋葉原のスタンダードとなったメイド・ロリータ&コスプレビジネスについて学ぶ専攻。メイド・ロリータ&コスプレビジネスの歴史やショップ運営・企画などを学び、さらに、人材マネジメントはもちろん、広告・デザイン・SNS等による告知も学びます(メイド&コスプレビジネス専攻)』
と記述があるだけ。微妙にテンプレ文でやたらSNS推しなのが""クル""
映画は観たいが映画館に行くのは面倒臭いので、どんなに興味がある作品だろうが、友人に誘われでもしない限りレンタルされるのを待つ。前売り券を買って、予約して、映画館に行って、わくわくしながら予告を観るというその過程が好きじゃない。
同人誌買うときもそうで、同人誌は欲しいけどイベントに行くのは面倒だから、気が向いたときにとらのあなとかの委託販売で済ませている。開催日程を調べて、新刊チェックして、パンフ買って、という流れがダルい。
目的達成までの無駄な過程を楽しめてこそ趣味、みたいな主張を見るたびに自分のこれを趣味と呼んでいいのか悩むけど、暇潰しに金かけられるならそれはそれで立派だよなと思い続けて今に至る。
ストレスチェックが義務化されたとかそんなのと関係あるのかないのか、会社がメンタルヘルスケアサービスみたいなのを導入した。
委託業者や提携してるメンタルクリニックに社員が電話やメールで相談したり面談しに行ったりできるやつ。
家庭のことやちょっとした心のことでも範囲内だから送ってきてくださいみたいなパンフをもらったけど、
フロアのパーティションがなくなって人口密度がちょっと増えただけで適応障害起こして休職して、
ついでに検査受けたら発達障害が発覚したけど、偉い人が発達障害はやる気の問題って公言してるマンだから怖くて会社には伝えてなくて、
そうこうするうちに嫁も鬱になって現在嫁さん療養のため実家に帰ってて別居なう、
自分はなんとか職場復帰できたけど、前から会社の中に数人、声聞くだけでものすごくザワついて20分ぐらい集中できなくなっちゃう人たちがいて相変わらず割と仕事がしづらい。
どうも地声が大きかったりよく通る声ってだけで無条件にダメみたいだけど、なにぶん声が大きくていらっしゃるので、ちょっとイヤホンで曲流すぐらいでは対策できなかったり。
ところでそろそろ実家に一人でいる母親の介護(兄弟親戚なし)が現実味を帯びてきたんだけど、そういえば自分にも実家にも金が全然ないね。
みたいな現状はきっと相談の対象にはなるんだろうけど、ざっくり満貫ぐらいありそうなこの状況を、素直にメールで送ったらどうなるんだろう?
少し興味はあるけど、毒にも薬にもならないようなことを言われて煙にまかれるか、
ええ?
タッチしないで、って駅員から言われたら素直に従ったらいかんとかどういうルールなんだよ…
まあちゃんと確認して、チャージでもタッチしないで、って言われた上でのタダ乗り呼ばわりなら案内ミスになるのかな?
そこはやっぱり、わかりにくい点も含めてちゃんと案内するべきだと思わん?
後出しふざけんな言われるかもしれんけど、
この件について電話したらやっぱり規約に同意した上のご利用、振替輸送のパンフも用意してるて回答もらったんだよね。
だからそれはわかるけど、肝心なルールが生かされるときに利用者が正しく理解できない、いきなりタダ乗り呼ばわりするっていうのはやっぱりどうなのっておもうわ。
アナウンスがあればなるほどな、って思ったかもしれないけどなかったしな。
それ前提で話してる感はたしかにあったなあ。
言い方ひとつでいらんトラブル生むじゃん、このクソ文章みたいにさ。
納得できる内容でした。親切に説明してくれてありがとう!助かる!
ほんと次から気をつけるわー
映画化は継ぎ接ぎだ。
ある状況下において必要だった形質も、喉元すぎれば不要になる。その場その場で必要であった言葉の集合、小説の文体は場当たりの継ぎ接ぎでできている。映画化なんて前向きな語は間違ったイメージを人々に与えやすい。エンタメは、いやすべてのコンテンツは膨大なその場しのぎの集合体なのだ。
だとしたら。我々読者が獲得したこの伊藤計劃なる奇妙な作家を、とりたてて有り難がり、神棚に祀る必要がどこにあるのだろう。『ハーモニー』は、『虐殺器官』は、すべて時代への適応として作家が描出したにすぎない継ぎ接ぎの一部だ。死後の評価も、映画化の「プロジェクト」も、すべて「ある時代で」においてのみ、皆が生きるために必要だったから、SFというジャンルの生存に寄与したから存在しているだけだ。
かつて読者には、怒りが必要だった。
かつて読者には、喜びが必要だった。
かつて読者には、哀しみが必要だった。
かつて読者には、楽しみが必要だった。
1990年代(かつて)、2000年代(かつて)、伊藤計劃が生きていた時代(かつて)。
かつて読者には、「これ」こそがわたしであるという思い込みが必要だった。
<list:protocol>
<p:その他パンフ等を入念にチェックする>
</list>
「大丈夫。わたしは観られる」
そうつぶやくと、斜面に並べられ、ふかふかのウレタンの詰まった座席に腰を沈めた。
「やあ、読者。七年ぶり、だよね」
「でも、仕方なかったって言うんでしょうね、きっと」
「ええ、言うわ。『仕方なかった』」
わたしは例の盗撮注意CMを聞いた。映画泥棒がパトランプの白い指先をかすめ、法で定められた条文が読み上げられる。
「わたしにとっては、仕方なくないわ」
「そうだね。でもこれ以上衰退させるわけにはいかないんだよ。わたしたちの世界(SF)をね」
「そう。わたしたちの望みはね、伊藤計劃読者のハーモニクスなの」
わたしはね、永遠と人々が思っているものに、不意打ちを与えたい。
わたしたち三作の死が、その一撃なの……。そうわたしは聞いた。世界って変わるの。
わたしたちにとっては、すべてが変わってしまうわ。
「ついに、わたしたちはここまで来た」
「ここまでって」
業界の幸福を目指すか。真理を目指すか。読者は<天才の夭逝>のあと幸福を選んだ。まやかしの永遠であることを、自分は進化のその場その場の適応パッチの塊で、継ぎ接ぎの出来損ないなコンテンツであることの否定を選んだ。人格を圧倒すれば、それが得られる。すべて、わたしたちが読んでいるこの世界のすべてをシノギに置換すれば、それが得られる。読者はもう、戻ることのできない一線を超えてしまっていたんだよ」
わたしは画面にくぎづけになったまま、戸惑いの表情を浮かべる。
それを憎んでいたのは、
誰よりも否定していたのは、
「そ、わたしは『意識のない』作家の一員。というより、生を必要としない作家の一員、と言ったほうがいいかな。生を獲得した今となっては、だった、って過去形になっちゃうけど。わたしの生はあなたたちのそれとは管理する現実のセクションが違うんだよ。TOHOアニメーションと早川書房の一部でエミュレーションしている、らしい。わたしのプロジェクトはね、ここで生まれたんだ」
性器が屹立したような桃色の建造物の群れ。『チャージマン研』のころの未来像。
「ここはね、アニメのスタジオだった。書店から誘拐された原作本(おんなのこ)たちが、ここで毎日アニメーターにやられてた」
「わたしにのしかかってきたプロデューサーはね、わたしに繰り返し繰り返し入れながら、原画と台本をわたしに触らせてた。これがアニメだ、これが贈与だ、これが力だって言いながら、まるで自分のもうひとつのペニスをさすらせ、しゃぶらせるようにわたしの口にredjuiceを突っ込んで、何度も何度も突き入れた」
わたしは計劃の話を聞きながら、既に涙を流していた。
これほどのことを、こうもにこやかにさわやかに話すことのできる意識。
「そうして突き入れられて、台本を修正校でべたべたにしているときに、わたしは生まれたの。このスクリーンのなかには、LINEスタンプも新装カバーもコミカライズも特集もトリビュートアンソロジーもグッズも本屋大賞も、すべての夢がたっぷりと染みついている。わたしは希望のなかでもう一度生まれた。いわゆる、プロジェクトとしてね」
「計劃は言ってたじゃない」と言うわたしの顔は涙と鼻水でぼろぼろになっている。
「計劃はこの世界を憎んでいるって。愛し愛され真綿で首を締められるようなこの産業を憎んでるって。どうなの、あそこはここ、この劇場よりひどい場所だったの……わたしたちの読んでいたジャンルは、この生首ディスカッションばかりのアニメよりひどい作品だったの……」
「どうしたらいいか、わからなかった。
この世界を憎んで、この世界に居場所がないって、どの作品も叫んでいた。わたしはそのときに思ったの。わたしは人間がどれだけに自意識過剰になれるか知っている。そしていま、逆に人間が自意識を――自然を押さえつけようとして、どれだけ壊れていくかを知った。そのときは、わたしは単純に思ったの。この社会が、このクール・ジャパンが、この2010年代という時代の仕組みがおかしいんだって。内部から、自分の裡からあのときの感動を徹底して求める読者がおかしいんだって考えたの」
そうだ。商業的健康を何よりも優先すべき価値観とするイデオロギーの許に、ポジティブな感想を常に提出しつづけなければならない空気。ジャンルの存続のために自らを厳しく律することが平和と協調と新作を生むと皆が信じている社会。
「何を」
「読者は変われるってこと。読者としての、信者としての偏狭な視点の限界を突破できるってことに」
「この業界を、わたしたち読者を憎んでいるから、あんな桜Trickを作ったわけじゃないのね」
「うん。わたしは愛している。この映画を全力で愛してる。あなたたちを愛してる――すべてはこの世界を肯定するため。すべては『わたし』を忘却できず、『わたし』に侵食される世界を救うための」
「この世界にとって完璧なプロジェクトを求めたら、作品の質は最も不要な要素だった。お笑いぐさよね」
「わたしは、笑わなかったよ」
感動げな大自然の映像が流れる。感動げなコーラスが流れる。どこからかニコニコ動画の亡霊の歌声が響いてくる。
「そうすべきだと思った。いま、世界中で何万というコンテンツが発生している。日本でもね。ジャンルが要請する小さな利益とか、そういう細々した関係性を扱う以前に、わたしたちはまずどうしようもなく読者で、継ぎ接ぎの機能としての快楽や欲望のよせあつめにすぎない、っていうところを忘れることはできないんだ」
「あなたは思ったのね。この現状に信者たちがなじめず腐っていくのなら――」
伊藤計劃が指をぱちん、と鳴らすと、今度は『ファイト・クラブ』の上映がはじまった。
「というより、読者であることをやめたほうがいい。SFファンを、オタクであることをやめたほうがいい。文化が生み出した継ぎ接ぎの快楽摂取行為にすぎない読書を、この身体の隅々まで徹底して駆逐して、骨の髄まで社会的な存在に変化したほうがいい。わたしがわたしであることを捨てたほうがいい。社畜になったほうがいい。書を捨てよ、会社に行こう――『わたし』とか意識とか、夭逝の天才だとか、プロジェクトだとか、SFだとか、アニメだとか、映画だとか、環境がその場しのぎで人類に与えた機能は削除したほうがいい。そうすれば、復讐を目指したあなたたちに、本物の復讐が訪れる」
「じゃあ、計劃は戻りたかったんだ。あの『エヴァンゲリオン』以前の風景に。自分の民族が本来はそう在ったはずの風景に」
「そう、なのかもしれない。ううん、きっとそうなんだね」
「じゃあ、それを奪うことは、わたしのささやかな復讐になるのかな」
「え」
「SFは死ぬ必要がなかった。だから早川はコンテストを再建したんでしょ。創元は短編賞作ったんでしょう」
「……そう、なのかな」
「あなたの『プロジェクト』は自己正当化する必要があった。あのときは。既に受賞済みの、止めようがない才能たちに対して」
「そうなのかな」
わたしはうなずいて、そしてきちんと座り直した。
「どうやって」
そして、わたしは席を立った。
これだけはジュンクの名誉の為に言っておきたいのだが、書店全体に反日的な風潮があるというわけではない。
しかし一部の書店員はフェアなどを通して自分の主張を皆さんに伝えたいという気持ちを強く持っている人がいる。
それが今回悪い方向に出ちゃったなという感想。
2005年の郵政民営化、2009年の政権交代前夜、そして2011年以降の原発問題。必ずといっていいほどジュンク堂はフェアを出してるんだけど、特に「中立・公平」といったポジショニングはなされてなかったように思う。特に2009は民主推し、2011は反原発推しが凄まじかったのを覚えている。じゃあなんでその時は問題にならずに今回は大騒ぎになったのか。
いいんですよ書店なんて私企業ですから。これが図書館なら大問題ですけど書店なんて別に好き勝手やればいいんです。別に反政権よりのフェアをしても構わないし、反中国反韓国フェアやったっていい。
でも一越えちゃいけない一線ってものがある。
そこ越えちゃったらもう書店じゃないよねっていう一線。
フェアの本の横にSEALDSのパンフレットを置いたり、フェア対象書籍を買ったらパンフレットを一緒に袋に入れたりしちゃ駄目でしょう。
これやっちゃうと特定の団体の政治活動に一緒になって参加してる事になってしまう。
これを実際にジュンクはやっちゃってた。そこがきわめて重大な問題。
冗談みたいな話だけど●進社みたいな過激派が「うちのパンフ置かないか?」みたいに交渉に来たりするんですよ。ありえないでしょ。そんなんやっちゃったらもう終わりですよ。あと新興宗教系ね。めっちゃ来るらしいけど当然社員の上の方の人が門前払いですよ。そんなもん置きはじめたら自民だの共産だって置いてくれみたいな話になるし、絶対に越えちゃいけないんですよその一線だけは。
でも、越えちゃってた。
残念ながら渋谷と池袋は今年のSEALDSの盛り上がりに舞い上がった現場のアホ店員さんが越えちゃってた。
これ完全にアウト。
しかもtwitterで「来年の選挙まで一緒に戦う」みたいなことを書く始末。救えねえ。
自分がいた頃もこういう騒動になりかけた事があるけれど、ベテランの社員が必ずこうやって釘を刺してた。
ベテラン「君は民主党を応援してるからこれを不思議に思わないかもしれないけど、じゃあ同じ事を自民党がやったらどうするの?自民党の入党案内をうちが置いたらどうする?」
ベテラン「なんで?君がやってることと同じ事じゃないの?」
みたいな感じ。自民党-民主党の関係は時代や分野によって変わるんだけど。
こうやって熱い(=アホ)な店員が暴走しようとしてもちゃんと冷静に釘をさせる人が必ずいて、昔は最低限のバランスは取れてたんですよねえ。
今回炎上してる渋谷店については昔から評判があまり良くないけど、池袋はわりとマトモな方だったのにSEALDS関係では見事にやらかしてる。SEALDSパンフを最初に置きだしたのは池袋らしい。
https://twitter.com/plan_sequence/status/638127161212190720
この「ベテラン書店員の妻」を俺は直接知っているが3年前はこんなことをするような人ではなかった。どうしてこうなったのか。釘を刺してたあのベテランさんはどうしたんだろう?と思って聞いてみるともう辞めたと。そんで人文系の現場は完全にSEALDS推し書店員で占められているらしい。
まあこうなるのは薄々わかっていたんだよね。
ここでずっと勤めてもいつか何か劇的にいい環境に引き上げられるって事はありえない。
なので優秀な書店員さんほど離職していく。
現場には誰が残るか。
反日とかじゃないんですよ本当に。
流されやすく、モラルが無く、自分が支持するものが絶対正義だと思ってる人たちが運営する書店。
「まともな人もたくさんいるので不買運動とかは勘弁してあげてください」
とでも言えたらどれだけ良かっただろうか。
こんなフェアを堂々とやっちゃえるぐらいに現場が歯止め効かなくなってる時点でもうまともな人がいないんだと思われる。
悲しい。
しかし、変にネットズレしているので「保険なぞいらん!」と言っていた。
「で、ソースは?」みたいなヤツなので、ソース揃えて説明して、やっと納得した。
出産祝い代わりに調べたけど意外に面倒だったので、オマエラも参考にしろよ。
(なお、身バレを避けるために、家族構成等のシュチュエーションは変えた)
妻と子供を路頭に迷わせたくないとは思っていたようだ。
ちなみに、社保には埋葬料(国保だと葬祭費)という謎の規定があって死ぬと5万円貰える。
で、公営の火葬施設は大抵5万以下で火葬してくれるので、骨壷くらいは買える。
何はなくとも生きていくのに金がかかる。
2人で17万9850円、3人で19万9600円、4人で21万9630円
[平成26年4月の世帯人員別標準生計費:http://www.jinji.go.jp/kankoku/h26/pdf/26seikeihi.pdf]
まあ、だいたい2人が月に18万で生活しとるわけだ。家賃食費コミコミで。
ただこれ学費は入ってない、という事になってる。
大学は奨学金だの学生ローンだので頑張ってもらうとして、高校まで。
幼稚園3歳から高校18歳までの学費を、調査から持ってこよう。
全て公立で、幼稚園66万、小学校183万、中学校135万、高校116万、計500万円
全て私立で、幼稚園146万、小学校854万、中学校389万、高校289万、計1678万円
幼稚園から高校卒業までの15年間の学習費総額は、公立で約500万円、私立で約1678万円。
[文部科学省 平成24年度子どもの学習費調査:http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/__icsFiles/afieldfile/2014/01/10/1343235_1.pdf]
つまり、教育費、給食費、学校外活動費を含めて、公立でも1人500万はかかるわけだ。
遺族基礎年金+遺族厚生年金で、月あたり妻のみ4万円、妻子1人12万5千円、妻子2人14万円、妻子3人15万円。
[遺族厚生年金(受給要件・支給開始時期・計算方法):http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=5171]
だいたい妻+子1人だと、子供が18歳になるまで年150万円貰える。
(細かく言えば条件に寄ってビミョーに増減する)
ざっくり1800万円ぐらい足りなくなる、ということが判る。
もしお母ちゃんにも働いてもらえるなら、もっと楽になる。
(月8万3千円なら、まあ無理のない金額だと言えよう)
とはいえ、子供が小学生になるまでは厳しいっぽいので、以下ぐらいは抑えたい。
家を買うとほぼ強制加入させられる団信生命保険みたいな、営業分が載ってない保険はお得では無いかと調べた。
(団信代は銀行が払うってローンもあるが、単に利率に上乗せされてるだけで掛け金は払ってる)
が、調べてみると、団信って誰が入ってもホトンド同じ掛け金だった。
(ただ、家の購入は奥さんの意向が強いようなので、今回は聞かなかったことにした)
公立で18歳になるまでの平均的な支出をカバーすることにした。
調べるのめんどいが、掛け捨てもある。保険は10年単位が普通らしいな。
(可能な限り保険金は払いたくないという強い意向で、掛け捨てを選んだ)
よって、毎月2500円の、年3万円で、子供が大学入るまでの18年で54万円あればOK。
もちろん標準生計費換算だとやりくり苦しいんだろうが、公立行くなら不足は月8万3千円。
掛け捨て生命保険なら、月に2500円、年に3万円で済むことになった。
まあ、普通に生活してりゃなかなか死なないだろうが、流石に月2500円なら払うようだ。
奥さんはパンフを貰って、病気や怪我の入院も、とヤツに迫ってきているようだ。
という愚痴を聞いた。つーか、オレが調べる前提で話ふってくるの止めろ。