はてなキーワード: 伏線とは
○ご飯
朝:なし。昼:カラムーチョ。夜:手羽元、白菜、人参、大根、舞茸、ネギの鍋。たまごネギおじや。リンゴ。間食:チョコ。
○調子
○SeaBed
・はじめに
田舎から上京しデザイン事務所を立ち上げたサチとタカコ、二人の日常と休日を丁寧な文体で淡々と描く公称ジャンルは百合要素を含むミステリーなノベルゲーム。
まずミステリという言葉には多様な意味があり、パズラーや本格だけを指す言葉ではなく、衒学趣味だの狂人の解放治療だのをアンチミステリーだと喜んで受け入れた当時の評論家たちが悪いのであって、そのようなものをミステリと呼称することの是非は呼称する側にはないのだ、と言った面倒臭いミステリオタクの言い分はこの一文だけで終わりにして、以後の感想でもミステリ部分への言及は抑えることにする。(なお虚無の幻想描写だけ否定しないのは流水によって解体済みだからなんだよなあ(何が何やら))
そんなわけで公称ジャンルはさておいて、百合作品女性同士の恋愛ものとして僕は楽しんだ。
様々な時系列が入り混じりながらお話が進んでいき、未就学児時代、小中高、社会人、現在と長い時を過ごす二人の女性のエピソードの回想がたっぷり遊べる。
エピソードと書いたものの、所謂起承転結のような物語的な起伏はかなり薄いものもある。
食べたご飯、気持ちのいい温泉、美しい風景、自然の中で感じるニオイや音などなどの、ただそこにあるものの描写、それとそれを二人で楽しむことのかけがえのなさが淡々と描かれる。
良い意味で二人は仲良しなのだ以上の物語のスジが無いエピソードが多い上に、キャラクタの内面の描写もお互いのことが好きなこと以外は控え目。
おそらく文学的な言葉でなにか括ることが出来るのだろうけど、僕の語彙には無いので情景の描写にたっぷりと尺がつかわれているということを伝えたかった。(自然派が自然の描写、森とか山の描写を書く意味でないことぐらいは僕も流石に知っている)
伏線が云々と評価することも出来るのだろうが、これらの美しい文章をありのままに楽しむだけでも十分面白い作品だと思う。
勿論、それだけのゲームではなく、あくまで回想シーンはそのような作風になっていると感じた。
明るくていつも元気で突飛な行動をするが結果をちゃんと出すタカコのカップル。
恋愛に関するフィクションって付き合うまでのドキドキがキモなものが多いけど、今作ではその辺はかなり控えめ。
二人はもうすでに付き合っているところから物語が始まり、回想シーンの大半も付き合って以降のものになる。
そのため、駆け引き無しキス有りセックス有りで、ひたすらにラブラブなシーンばかり。
全年齢向けゲームではあるものの、かなり直接的な表現も多くイチャイチャ度合いをたっぷり楽しめる。
性欲強めなタカコに渋々付き合うサチなパッケージと見せかけて、サチも普通にノリノリなシーンもあったりとシチュエーション豊富。
恋の鞘当て的なシーンもなくもないが、基本的には二人の関係値は最初から最後まで揺るがない。
一番揺らぐのがタカコが性欲ベースで他の女性に手を出そうとするシーンで、それがかなり「らしさ」に思えてしまうのは好きが別れそうだ。
冷静で落ち着いているサチが視点人物のパートでは、最初のうちは一歩引いた客観的な描写のように思う。
事実その通りなシーンもあるのだけれど、ストーリーが進んでいくにつれサチへの理解が進むとなかなかそう単純な話ではないことがわかる。
文体が落ち着いている上に、サチが「怒った」とか「悲しんだ」のような感情を表現しないため気づきにくいだけで、めちゃくちゃ感情補正をかけて客観的に見ている風を装っているように読める。
これは作中でも主観を完全に排除できないことへの言及がされているため、間違いなく自覚的な演出なのだろう。
なかなかに凝った趣向で、読み進めていくにつれファーストインプレッションからずいぶん離れたところにいるサチを見るのが楽しかった。
・タカコの前向きさに救われる
そんな複雑なサチに対して、タカコは最初から最後までほとんどブレない。
公式の粗筋の範疇だけでも彼女にはずいぶんと辛いことが起こるのだけど、それでも前向きの色々なことをしてくれる。
パーティや旅行などのイベントごとが好きなので、彼女が様々な話の起点になるのが特に良い。
サチを引っ張るタカコという繰り返される構図に慣れ親しめば慣れ親しむほどに、SeaBedにハマっていける。
そんな魅力的なサチとタカコについて語ってきたが、彼女達二人っきり以外のシーンだと同僚を交えた職場での会話劇も楽しかった。
大人の女性ながらぬいぐるみ大好きな文と、真面目でちゃらけない犬飼の二人がタカコに振り回され、それをサチがツッコミして締めるのは、他者が混ざることでよりタカコとサチの分かち難さが伝わってくる楽しいシーンだ。
先に述べた食事シーンの豊富な文量はここでも活かされていて、オヤツを巡るいくつかのシーケンスなやり取りが面白かった。
どれも序盤に集中していて後半になるにつれて出番が激減するのは残念なところ。
中盤以降はかなり出番が多く活躍するんだけど、なんといってもサチを誘惑シーンの頭の良さと淫猥さが凄かった。
まず、客観視が得意なサチを納得させるためにペラペラと理屈を捲し立てる。
サチに上手く言い訳を与えつつ自分の欲求を飲ませようとするのが頭良くて賢さを感じた。
その上で、まあ普通にエッチな格好もするという二段構えさが、頭イイ淫猥だ。
中盤ということもあり、サチとタカコの関係値、分かち難さを嫌というほど体験した後にも関わらず、ワンチャンいけるかもかもかな? と思わず七重さん側を応援してしまった。
そんなかなり策を練ったであろう誘惑シーンだが、サチとタカコの関係はブレない。
誘惑しているセリフの量と、断るときのセリフの量の差がえげつなくて、全然笑うシーンじゃないのにクスっときてしまった。
・生と向き合うことで死と向き合える重たいシナリオ
明るくて楽しい見所ばかり書いたが、それだけのゲームではない。
悲しい、落ち込む重たいシナリオの部分もたくさんある。
それが生と向き合うことで死と向き合える重たいシナリオだ。
ここでいう生と向き合うは、考えることを辞めないことのような意味で、思考し理解することを解いていると僕は感じた。
ただその重さも、サチの独特な客観視の妙と、それでも頑張るタカコの朗らかな様が、そんなざっくりした一言ではまとめきれない多様なグラデーションのある感情になる。
読む人によってかなり受け取り方に違いがありそうで、全編ずっと悲しい話じゃんと思う人もいそうだし、同じぐらいと思う人も、いや楽しいの方が多いという人もいるかもしれない。
僕はミステリやコメディにようなエンタメを求めてゲームを遊んでいるところがあるので、明るい楽しいところばかり感想を書いてしまったかもしれない。
(何しろ公式粗筋にいる3人の主人公内2人の感想は書いても、最後の1人については触れてすらいないからね)
・おわりに
女性同士のイチャイチャラブラブの先に重苦しい生きるとは、死とはを問うシナリオが待っていた。
かなり好みが分かれそうだけど、僕は公称ジャンルの是非以外についてはかなり好きな作品だ。
テーマ的な部分以外だと美味しい食事に舌鼓を打つシーンが多いのも好きな理由。
ニンテンドースイッチのゲーム50本遊んで感想書いたのでまとめ(23〜47)
携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第十弾。
シーズン1最終作ということで、今までの縦筋として伏線が貼られていた過去の事件、永劫会事件がついに描かれる。
今までの癸生川シリーズ全部盛りな贅沢な作品で、ミステリらしい意外な展開、文書の書き方で読者を騙すもの、マルチサイトの構成の妙、小説として情緒的な染みる文章と、良かったところが沢山ある。
シリーズを通じての伏線が回収される展開も多いため、必ず全作遊んでからここに辿り着きたい。
人によってはこの作品をシリーズで一番に据える人がいそうな、ゲームとしての完成度は抜群だった。
携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第六弾。
マルチサイトシステムを導入していて、伊綱さんと、生王の視点を行き来しながら事件を追う。
構造自体に仕掛けがある系の作品になっていて、ミステリやってる感がかなり強い。
人によってはこの作品をシリーズで一番に据える人がいそうな、トリックの魅せ方としての完成度は抜群だった。
携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第四弾。
もちろん、ミステリらしい意外な展開や、文章での表現を利用したトリックなどもあってそちらも楽しめる。
人によってはこの作品をシリーズで一番に据える人がいそうな、物語としての完成度は抜群だった。
株式会社オレンジのロマンティックミステリの第二弾で、女性主人公が事件を捜査して解決しながら男性キャラといい感じになっていくストーリー。
普通の女子大生が突然マフィアのボスになるという突飛な開幕ながら、割と丁寧で良い意味で地味な捜査と解決をしていく。
とはいえマフィアのボスらしく、違法行為をしてでも事件の手がかりを集めるところなんかは今作独自の魅力があり、このシリーズは女性主人公の成長も魅力なんだけど、今作ではマフィアのボスらしくなっていくという本当にその方向で成長していいのか? と困惑しながら遊ぶことになる。
そして本当にマフィアのボスらしくなっていくのが本当に面白くて、好きなところだ。
あのルートレターのシリーズ的には続編に当たる角川ミステリシリーズの第二弾。
奇作、怪作としか言いようがない前作とは違い、しっかりと地に足が着いた丁寧な良作だった。
主人公の八雲マックスが映像作家としての矜持を持つプロに徹する人間性なのも好印象で、熱苦しいものの痛快な好男子で好きなキャラだった。
またもう一人の主人公新人女優のリホも駄洒落に拾い食いと評されるひょうきんなキャラで、主人公がどちらも魅力的な作品だった。
株式会社オレンジのロマンティックミステリの第一弾で、女性主人公が事件を捜査して解決しながら男性キャラといい感じになっていくストーリー。
主人公は他人の死を夢で予知できる能力を持っているが、メイドという立場なのでそれをありのまま報告しても信じてもらえないので、色々と工夫して殺人事件を阻止するという展開。
この夢で見た予知の死を覆すという展開が短編連作的に続くのだけど、どれも同じ人、攻略対象で主人として支えている男性キャラの死を予知するため、何してもこの人死ぬじゃん、とシリアスな笑いを感じてしまったのは不謹慎だから反省したい。
貴族と平民という立場の差のエピソードなどは興味深く、伝えたいことの取捨選択がしっかりしてて短いボリュームながらしっかりまとまっている好きな作品。
ニンテンドーとコーエーテクモがバディを組んで送る超贅沢なアドベンチャーゲーム。
タイトルの通り二人組の関係性がかなり重要なキーワードになってくるが、あくまでバディなので男女問わず楽しめる王道なストーリー。
舞台となるミカグラ島に住む市井の人々にもサブエピソードがいっぱいあって、モブキャラが活躍する展開が大好きな自分としてはそちらの方向も嬉しかった。
ヒーローを目指す主人公のルークに延々とずっと辛い展開が続くので、遊ぶ手が止まりかけるほどだったのだけど、バディのアーロンがそれを引っ張り上げる展開が熱くて沸る燃えるゲームだった。
女の子は万華鏡、といえば何をやっても良いと思ってるゲロカスな美少女デスゲームもの。
ふわふわした可愛い4人の美少女が、罵倒有り暴言有り暴力有り可愛げ無しのデスゲームに巻き込まれながら、剥き出しの人間性を露出していく。
そんな残酷なデスゲームの間に、いかにもな可愛い萌えな過去の日常パートが挟まり、この落差の凄まじさが独自の味わいになっている。
罵倒シーンの声優さんの熱演も見所で特に茜屋日海夏さん演じる五条風華の暴言は下品すぎて、日常パートでの可愛さとの差が凄かった。
ダンジョンRPGの老舗エクスペリエンスが送るホラーアドベンチャーで、怪異の噂をDRPGのような探索パートで調べてから、RPGのボス戦のような怪異との対決パートに挑む構成で、テキストが主体のアドベンチャーゲームらしくない画面構成になっている。
とはいえ、要するにで言うと、事件の手がかりを見つける捜査パートと、容疑者を追い詰める尋問パートみたいなもので、怪異と言いながらも探索パートで手に入れた情報からフェアに対決パートの選択肢を推理可能なように作られている。
RPGっぽいパラメーターの表現はフレバーに過ぎず、テキストをしっかり読むことが大切なので、そういうゲームが苦手でも問題なく遊べた。
印人と呼ばれる仲間を連れて探索するのが特徴で、中年男性ながらかなり露骨にツンデレキャラで萌える真下悟さんが僕はお気に入りだ
○普通
三つしか記憶を保持できない主人公が自身の恋人をなぜナイフで刺したのかを巡るサスペンスなコマンド選択式ADV。
時系列が未来から過去へ進んでいくため行き来する渋谷の街のモブキャラ達にも物語があり、当時の雰囲気を感じられる。
フラグを記憶出来るにも三つだけという設定をシステムに落とし込んでいるのが見どころ。
ただし、この試みが成功しているのかは若干疑問が残り面倒なだけだったかもしれない。
編集者で美女としての自覚が強い木戸いづみが担当作家の鏡月正宗からの無茶振りで事件を捜査することになるコマンド選択式ADV。
物語としての起伏は少なく、ミステリというよりはクイズの趣きが強い。
美女を自称するいづみの強引な聞き込みパートが面白く、話がテンポよく進む。
携帯電話のゲームからの移植だが背景絵のクオリティが高くあの当時に遊んでいたらまた違う感想があったかもしれない。
うらぶれた探偵の狗神エイジとお嬢様刑事の鷲宮ヒナのバディもの。
舞台の池袋に住む市井の人々の協力を得ながら様々な事件を解決しつつ、エイジの相棒でありヒナの兄が死んだ真相も追う縦筋の物語もある。
協力者の面々がかなり優秀な人が多く、主役の二人よりも探偵として優秀なのでは? と思ってしまう良い意味でのテンポの良さが楽しい。
システム面では、よくわからないミニゲームや、頻繁に挟まる話に区切りがついているわけでもない暗転など、運営型スマートフォンゲームの移植故のシステム的にしっくりこないところがあった。
少女同士の恋愛を描きつつ、幾つかの日常の謎を解決する公称ジャンルは百合ミステリ。
ただ、ミステリ部分は少女同士の恋愛を際立たせるための背景のようなもので、あっさりと進んでいく。
その分、恋愛に関する描写はかなり多めでかつ濃厚なもので、恋と友情の差を自覚しつつ、はっきりと恋愛的な意味で好きになっていく過程が描かれていた。
それだけに短編連作で4つしかエピソードがないのは、良い意味で物足りなかった。
携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第九弾。
白鷺に紅の羽の裏を描く、と言っても時系列や人間関係のそれではなくて、モチーフ的なというか、表現が難しいやつだ。
癸生川シリーズを通しての、探偵は何のために事件を解決するのかを端的に示した短編になっている。
テーマ性の塊みたいな剥き出しの作品なので好き嫌いは別れそうだけど、僕はかなり好きな方だ。
携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第八弾、元々はDS版の移植である。
久々にスピンオフ短編やマルチサイトではなく、いつメン達のいつもの構図。
ただ、ボリュームが多いのにいつもの構図をやるせいで、伊綱さんの推理がひっくり返るのが、少しもったいなさを感じてしまった。
あくまであのいつもの構図は短編や中編だから決まるもので、長編にはあまり向いていなかったかもしれない。
携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第五弾。
ちょっと今まではとは毛色が違い、いつものレギュラーメンバの出番も控え目で雰囲気もホラー寄り。
とはいえ、我らが名探偵癸生川凌介が出てくるシーンは格好良く決まっている。
彼をなぜかホッとすると評するのは、なるほどな意見で、なかなか自己分析が出来ているセリフだと思った。
携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第七弾。
今作はちょっと箸休め的なスピンオフな短編で、正直ちょっと読みどころはあまりない。
犬可愛い可愛いゲームと一言で終わっても良いぐらい犬は可愛い。
とはいえ、これだけ遊ばないのも勿体無いので通して遊べば良いと思うな。
携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第三弾。
三作目ともなると、いつメンのいつもの構図でいつものやつと簡単に評したくなっちゃうね。
とはいえ、シリーズを通しての縦筋なんかもで出して、探偵・癸生川凌介事件譚として好きになれる要素が増えていくキッカケも多い。
今作は割と聞き込みや証拠品集めからの推理が多く、今までの突飛な発想の飛躍が求められるものじゃないのも特徴的かつ、以降はこれが主になっていく。
携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第二弾。
前作の流れは踏襲しつつも、本格ミステリさながらの大胆なトリックが映える面白い作品だった。
とはいえこの類の方向性はしっくりこなかったのか、これ以降はもう少し社会派だったり、テーマ性だったり、文章の書き方で読者に対して何かを隠蔽する類の方向性になっていく。
物理トリックの類はゲームだと映えるんだけど、携帯電話の容量の少なさを考えると難しかったんだろうなあ。
携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第一弾。
名探偵癸生川凌介、その助手白鷺洲伊綱、彼らの事件をゲームにしている生王正生、いつもの面々のデビュー作。
伊綱さんと生王が捜査をしてそれらしき答えに辿り着くも、癸生川がどんでん返すいつもの構図は初見だと結構驚く。
携帯電話という限られた容量の中でしっかりとミステリをやろうとする気概が素晴らしい、
めちゃくちゃ豊富なスチル絵に軽快なBGM、そしてカートゥーン調のアニメーションでハイスピードに物語が展開していくSFもの。
テキストを読むことが主体のゲームって落ち着いた作品が多く、議論をしたり腰を据えてお話を聞いたりが多いんだけど、この作品はとにかく主人公たちが走る! 動く! 飛ぶ! と終始忙しなく動いてばかりで色々な物語が手早く展開していく。
テーマソングの飢餓と宝玉はオープニングテーマでありながら、作品の全てを包括するような歌詞になっていて、クリア後に聞くとまた違った感想になる曲で大好き。
ただ、このスピード感故に細かい部分の整合性や説明がカットされているのは好みが分かれそうかな。
とにかく全体を通じて奇妙な作品で、十数年ぶりに高校時代の文通相手との手紙を発見して、彼女に会いたくなりその地元島根に向かう。
こんな如何にもな青春振り返り系エモストーリーの導入だが、全くこんなストーリーではなく、罵倒、悪口、恫喝を繰り返す反社会的な主人公に振り回される恐ろしいお話。
ストーリーもリアリティラインがルートによって様々すぎて、突飛な展開が続くかと思いきや、現実的な着地を見せたりと、唯一無二な奇妙すぎる作品だった。
インディーゲーム開発者の女性二人の関係性を淡いドット絵の演技で描くナラティブアドベンチャー。
全てを文章で語らず、キャラクタの演技で語るストーリーが見所でかなり細かい演技が丁寧に表現されている。
また、途中で挿入されるゲームボーイライクなパズルゲームが、レベルデザインでなにかを暗喩しており、キャラクタがなにを感じたのかを、台詞や演技だけでなく、このパズルゲームでも表現しているのが今作独自の特徴的な部分。
なかなかハードで現実的な部分が多く、少し心に余裕がある時に遊んだ方が楽しめそうだ。
修学旅行で水中を走る列車に乗り込んだ学生たちの中で起こる殺人事件のお話。
スペインのインディーメーカーの作品だが日本のサブカルが大好きな人たちが作っているようで、そういうのが好きな人向けの小ネタがたんまり入っている。
とはいえ、ジェンダーや政治的な正しさを規定とした問題提起が挟まるなど、日本ではあまり見られないストーリーもあり独自の良さがあった。
殺人事件にまつわる解法も、トリックやロジックなどのあれこれではなく、人間関係の妙に重きが置かれているのも、ある種のらしさなのだろうか。
奇妙なホテルの一室で目覚めた男性がいきなり殺人事件の容疑者と報道されるニュースを見るところが始まるホットスタートな実写ゲーム。
短編ほどのボリュームながら、ゲームシステムを利用した演出や、繰り返しループする世界での面白コメディや、シリアスな男女の恋愛など色々な要素がみっちり詰まってる。
特にヒロインのサチムラアカネは、敵なのか味方なのか、頼れる強キャラなのか守るべき弱い子なのかが目まぐるしく変わる上に、扇状的なシーンも多く、演じている栗山千明さんの魅力が盛りだくさん。
アンドレアーッス
本日は世界肝炎デー、日本においては地名の日、菜っ葉の日、なにわの日、シュタゲの日となっております。
シュタゲといえばアレですね、世界線って言葉を一般化させた奴ですね。
とはいえジョンタイターやらアベンジャーズやら色々あっての髭ダンのプリテンダーって感じでしょうね。
よく考えたらそれ以降はあんまり世界線って使われてないか…?ミニミニ流行語みたいな感じか…?
というかアベンジャーズはマルチバースであってパラレルワールドではないから世界線という表現はまた違うものになるか…?
あーでもジョンタイターの予言を追っていく感じはちょっと楽しかったですよね。
じゃあそれでいいじゃん、世界線とかマルチバースとかそんな難しい話仕事でも聞きたくないですね。
ということで本日は【聞き取りやすい話し方よいか】でいきたいと思います。
まあ、どのくらいの数のよねぽオタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、その上で全く知らないミステリの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、よねぽのことを紹介するために読ませるべき10作を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にミステリを布教するのではなく相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、情緒に過大な負担を伴う短編集は避けたい。
あと、いくらよねぽ的に基礎といっても雑誌でしか読めないものは避けたい。
よねぽの歴史小説好きが「安寿と厨子王ファーストツアー」は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は
ミステリ知識はいわゆる『名探偵コナン』的なものを除けば、古畑任三郎程度は見ている
サブカル度も低いが、頭はけっこう良い
という条件で。
まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「よねぽ以前」を濃縮しきっていて、「よねぽ以後」を決定づけたという点では外せないんだよなあ。長さも200ページちょいだし。
ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
この情報過多な作品について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。
アレって典型的な「オタクが考える映像化がうまくいきそうな推理小説(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際はインシテミルは一度も映像化されてない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「よねぽオタとしてはこの二つは“謎解き”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。
ある種のSFミステリオタが持ってるファンタジィとミステリの両立への憧憬と、中世ヨーロッパについてみっちり調べたオタ的な考証へのこだわりを彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも漫画映えしそうな
の二人をはじめとして、オタ好きのするキャラを世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。
たぶんこれを読んだ彼女は「フィリップ・マーロウだよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
このシリーズの作品がその後続いていないこと、これがミステリ読みのあいだでは大人気になったこと、アメリカなら実写映画になって、それが日本に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、日本国内でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。
「やっぱり学園ミステリは少年少女のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは『秋期限定栗きんとん事件』でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかけるよねぽの思いが好きだから。
断腸の思いで削りに削ってそれでも368ページ、っていう尺が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、その「捨てる」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
〈図書委員〉シリーズの長さを俺自身は冗長とは思わないし、もう削れないだろうとは思うけれど、一方でこれが相沢沙呼や似鳥鶏だったらきっちり300ページにしてしまうだろうとも思う。
なのに、各所に頭下げて迷惑かけて368ページを作ってしまう、というあたり、どうしても「自分の物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、たとえよねぽがそういうキャラでなかったとしても、親近感を禁じ得ない。作品自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。
今の若年層でユーゴスラヴィア見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
折れた竜骨よりも前の段階で、よねぽの哲学とかヨーロッパ描写とかはこの作品で頂点に達していたとも言えて、こういうクオリティの作品がソフトカバー単行本でこの時代に出ていたんだよ、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくミステリ好きとしては不思議に誇らしいし、いわゆるジブリ劇場用アニメでしかユーゴスラヴィアを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。
よねぽの「目」あるいは「伏線張り」をオタとして教えたい、というお節介焼きから読ませる、ということではなくて。
「終わらない学校祭を毎日生きる」的な感覚がオタには共通してあるのかなということを感じていて、だからこそアニメ版『涼宮ハルヒの憂鬱』で一番印象的なシーンはハルヒが学園祭で歌う「God knows...」以外ではあり得なかったとも思う。
「祝祭化した日常を生きる」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の源は学園祭での謎解きにあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。
これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういうジュベナイル小説風味の青春をこういうかたちでオススメして、それが非オタに受け入れられるか「二度と勧めてこなくて構いません」という反応を誘発するか、というのを見てみたい。
9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的に直木賞受賞作を選んだ。
角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞から始まって直木三十五賞で終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、日本の歴史をガッツリ舞台にする作風の先駆けとなった作品でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。
「駄目だこの増田は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
id:lady_jokerさんの書いた増田を見て急によねぽ語りをしたくなったので書いた。今は反省していない。
「おもしろいミステリ」を読みたい増田はこれを参考に米澤穂信を読むか有栖川有栖の江神シリーズを読んでくれ。
〈小市民〉シリーズがないのはツッコまれるかな、と思ってたけど(どれ入れるかは迷うところだけど、やっぱ仮に入れるとしたら『秋期限定栗きんとん事件』かな? でも『夏期限定トロピカルパフェ事件』もいいんだよなぁ〜〜〜……)、予想以上に『儚い羊たちの祝宴』がブコメで言及されててビックリした。いや、たしかに良い短編集ではあるけど、そんな高評価するか? 短編集から1冊選ぶならどう考えても『儚い羊たちの祝宴』じゃなくて『満願』だろJK……
なんか誰も書いてないっぽいので書いておく。
ネタバレなので未見の人で観る予定がある人はこれ以降は読まないでほしい。
オレも泣いていた。
エドガンは妻を蘇らせるためにメチャクチャ苦労して命を懸けていろんな冒険するわけなんだけど、
結局は妻は蘇らない。
なぜかって、ホルガを蘇らせるためにアイテム使っちゃったから。
でもさ、これには理由があるんだ。
エドガンの娘のキーラは、もう何年もホルガと一緒に暮らしていて、母と娘のような関係になっていたんだ。
妻のジアが戻ってくるのはいいんだけど、ホルガを押し退けてまで戻るべきではない。
その判断は、エドガンの夢で**事前に**行われているんだよ。
ジアはエドガンの夢に出てきて「過ぎたものは行かせてやりなさい」みたいなことを言ってる。
これはもちろんエドガンの深層心理的に妻よりも、ホルガの存在のほうが大きくなっているということもあるだろうし、
(ひねくれた見方をすると、主人公が妻を忘れることの言い訳をしているとも取れるんだけど)
ファンタジー世界としては、**本当に妻の霊魂が**「私のことはもういいから、いざというときはホルガのほうを優先してね」と言っているということだ。
ジアの「自分の命よりも娘のこれからのことを心配している親心」の表明なんだよ!!!
エドガンが「ジアよりもホルガと娘の関係を優先するという判断を内心でしている(ジアならたぶんこう考えるだろう)」ということの心理表現なのかもしれない。
これだけでも泣けるんだけど、
主人公のエドガンが妻の気持ちを汲み取って、ホルガを生き返らせるところで映画館にいた人全員泣いていたと思う。
「ジア、お前の気持ちはわかった。悲しいが、お前の意思を尊重するぜ。そしてこれがオレの娘をこれから守っていくという決心だ」
ホルガとしては「私なんかを蘇らせやがって、お前の妻はどうしたんだよ」と思っているが、
ここまでホルガとキーラの関係を描いてきた映画としてはこれしかない結論だ。
娘のことが心残りで現生に留まっていたジアの魂も、ここで本当に納得して死ねたんだな、ということかもしれない。
ぜんぜん「成仏」という概念がないはずのファンタジーなんだけど、実質的に成仏している。
ジアの自己犠牲、そして死んだ者が死んだ者として役割をまっとうするという点。
これをもってしか、ダンジョンズアンドドラゴンズという映画は成立しない。
いろいろあって死ぬほど苦労して、スペクタクルなこともあったけど、一番重要なことは「愛していた死んだ人間を生き返らせること」じゃない。
未来を娘が健やかに生きていく、そしてホルガとの関係性なんだ。
これから生きていくこと、人とのつながりを大事にしようぜって話なんだよ。
死んだ人が本当に死ぬためにはなにをしないといけないのかってこと。
それはファンタジー世界であろうがフィクションであろうが変わらない。
物語は嘘っぱち、セリフも嘘っぱち、もちろん魔法なんかは存在するはずもない。
でも、この真実が作り物である映画を超えて、胸に迫ってくるんですよ。
娘を愛する母の願い。このメッセージだけは本物の本物だ。
君たちはどう生きるかのストーリーが難解だとか、伏線が回収されないとか言われているが、ストーリーのプロットはすっごく単純。という意味では、着ぐるみを着てるエヴァなんかよりわかりやすい。
要はこういうこと
・現実世界は戦争もあるし泥臭い人間関係もあるしすごく醜い。とにかく汚い。妹と結婚するお父さんも嫌だと思っている。
・まひとは理想世界に引き込まれて、そこで自分の理想とする母と冒険する
・叔父さんは、つまり、エンターテイメントにおける先人たちの叡智の象徴
・君も一緒に理想世界を作らないか?と言われ、自分の心は醜いのでできません。と言って世界を崩壊させる
・醜い物をそのまま受け入れて、この世界をありのままに受けいれて生きていくことを、まひとは決める
あまりにも単純すぎて何も皮をかぶってない。宮崎駿の原液と言われるのもそれが理由。これがエンターテイメントなのかと言われたらよくわからん。ストーリーを楽しむというより、宮崎駿の美術館を楽しむと思った方が良い。
宮崎駿は夏目漱石の草枕が好きと言っていて、それも頷ける。草枕もストーリーはないし、感情移入するところがない。むしろそれをあえて避けている。君たちはどう生きるかは意図的に、宮崎駿は誰にも感情移入しないように作っていると思う。細かな辻褄を指摘する人もいると思うけど、そこが主眼じゃない映画。
所々美しい、ジブリらしい映像はあったし、自分はそれだけで十分だった。誰かに感情移入して、泣いたり喜んだり苦しんだりするのは疲れたし、こういう表現はありだと思う。これがエンタメかは別として。
宮崎駿の最新作『君たちはどう生きるか』を見てきたんで、ある程度ネタバレありで感想書きなぐっておこう。
正直、観る前に想像してたより悪くなかった。
作画が徹底的に心象風景に寄っているのも、職人芸の趣があった。
火災とか草原の描き方なんて、ゴッホともセザンヌともなんだか判らんけどとにかく印象派的に歪みまくっていて、主人公の高熱に魘された夢のような心が伝わってくる。
田舎の家も、当初は主人公の内心の萎縮ぶりを示すかのように何もかも巨大で、玄関なんてどこの古刹の大伽藍かと見紛う巨大さであり、今に残ってたら家ごと国宝になりそうだ。
心象風景として東大寺大仏殿並の巨大建築に見えているだけである。
敢えて心象風景とわかるように表現している事で、主人公が実際には父の後妻を嫌っていない事も想像がついた。
なぜならすんごく清潔感のある優し気な美女として描かれているからである。嫌っているなら心象風景でそうはならない。
でまあ、作品は途中から塔の中パートと、塔の外パートという二輪構成で進んでいくのだが、
まず塔の中パートだが、なんというか、とにかく意味があり過ぎる。
これは褒めてない。
宮崎駿はもののけ姫辺りから、やたらと意味のあるものを描こうとするようになってしまってるように思える。
1シーン毎に意味があり、多分本人に質問すれば「このシーンはこういう意味がある」と全部答えてくるだろう。
つまり、寓話的で哲学的で記号的で、イソップ童話とか不思議の国のアリスとか、そういう感じの、「意味の塊」として作品を作ってしまっているのが塔の中パートだ。
ムスカがラピュタの雷をぶっぱなしたシーンに意味なんてないだろ。王蟲がペジテのドーム食い破ったのも意味なんてないだろ。
「どうやお前らこんな凄えの見た事ないだろ。俺も見た事ないから作ってやったぞ。見て驚け。」
妄想を爆発させるためにそこには当然無理がある。歪みがある。そのシーンを効果的に描くために、他のシーンで入念に爆発物を積んでいる。
その無理、その歪みが、ある人には滑り、ある人には刺さるのだ。
本人が見せたいのは爆発の部分だが、関係なく歪んだ部分が受けたりする。それが創作の快感である。
ところが、この作品含めて後期宮崎はその「見た事ないだろ」をやらない。庵野もだけど。
なぜなら、名前が売れて裁量が大きくなった事で、作りたいものを作れるようになったからだ。作りたいものは作ってしまい、もはや「こんなの見た事ないだろ」が無い。
庵野はその無理のなさを、その歪みの無さを、オタク知識で埋めてシン・ウルトラマンやシン・仮面ライダーを作った。
そこにはTV版エヴァのような溜めに溜めた便秘大解放のような妄想の爆発は無く、無い物を何とか絞り出した感のある細長いウンコでしかない。
一方、宮崎駿はそれを哲学と記号で埋めてこの作品の塔の中パートを作ったのだ。これは最早宮崎駿のバランス感覚のみで構成された世界だから、やたらとデジャヴがある。
もののけ姫と変わらずに「鎮まりたまえ~鎮まりたまえ~」とやってるし、千と千尋と変わらずに仕事やらされたり禁忌に触れて怒られたりしている。
でてくるのもやたら思わせぶりな妖怪連中である。思わせぶりなだけで、記号であるために特に伏線とかない。どういう存在か説明されてフェードアウトする。
エンタメに徹するなら、塔の中はクトゥルーばりの別の星・異星文明でも良かったはずだ。せっかく宇宙から飛来した謎物体的な設定があるんだから、一気にスターウォーズの世界になっても良かったのだ。
そこから進めて、「現代日本を主人公の迷い込む異世界として描く」まで手が伸びても良かったはずだ。
ところが、そういうエンタメに走らず、やたら寓話的な見たような話で埋めてしまうのが今の宮崎駿である。
ブチ切れるセンス・オブ・ワンダーではなく、賽の河原の石積みみたいなひじょーに心象的なもので埋めてしまうのが今の宮崎駿のマイブームである。
そういう「意味」だけで構成されたパートだから、ストーリーなんてあって無きがごとしである。断片的な寓話を職人芸でつなぎ合わせた取り留めのないタペストリーである。
一方、塔の外パートは違う。庵野と同じく、オタク知識で埋めている。
人力車の描写一つ、言葉遣い一つ、看板一つ、食事のお膳一つから、「当時はこうだったんだぞ」という聞いてもないのに披露されるオタク知識臭がする。
多分、キャノピーも実在のナントカ式とかそういう裏打ちされた設定があるんだろう。田舎がどこの県のどこの地方かも絶対決まってるねありゃ。
っつーことで塔の中パートより終わってる感のある塔の外パートだが、そこで主人公の父親が妙な存在感出してるおかげでかなり良くなっている。
というのも、この父親はある意味で主人公と後妻という二人の問題の元凶と言える一人であり(まあ、亡くなった実母の方がより存在感は大きいが)、更に経営者であり金持ちで何でも自分で決めてしまうタイプ、
こういうタイプは、通常は出て来ても悪役なのだが、この作品ではそれを悪役として描かない。塔の外の部外者として描く。(大叔父と血のつながりもないし)
そんなわけで、このキャラについては宮崎駿の才能の爆発が感じられるのである。
経営者であり第一線でもある、という後期宮崎駿が手にした立場が意図せずに作り上げた鬱屈が爆薬になってこのキャラに込められているのだろう。そのせいで、後半になって妙に生き生きしている。
主人公の心象にだけフォーカスするなら、後半の塔の外パートは要らなかったはずだ。少なくとも、もっと小さくなり、警察とかが来て事務的に進むのがセオリーだったはずだ。
しかし、おそらく宮崎駿はこの父親を描くことに創作の快感を感じたのではないかと思う。
なんかもう藤井聡太ばりに全く失着を犯さず最善手を打ち続ける主人公の代わりに、
この父親は勝手にやらかすし勝手に決断するし部外者でありながらガンガン行くしで、
前半には明らかに狂言回しだったこのキャラだけが、後半に「キャラが勝手に動いた」を感じさせるのである。作中で唯一、記号を感じさせないのがこの父親である。
そんなわけで、ち密に意味を積み上げて作り上げたであろう全体の印象を、後半の父親がぶっ壊して変になっているが、その父親がぶっ壊した所こそが個人的には最も見ごたえがあった、という何とも評しがたい作品である。
まあ、悪くなかったよ。
さっぱり理解できない。映画でも小説でも絵本でも、説教はあることのほうが多いだろう。友達(仲間)を大事にしよう、人のつながりは大事だよ、自然を大切にしよう、うそつきは罰せられるべし、などなど
さりげなく教訓を仄めかすような作品だと、今度は「何が言いたいのかよくわからない、あの描写は~で、あの伏線は~か?」とか言い出して、アホになる。カメラに向かってキャラクターがセリフをしゃべらないと、自分ごととして受け取れないのだ。
「宮崎駿は最近説教ばっかりだ」こう言う人が大体好きなラピュタとかそうとう直接的な説教映画だと思うんですが。
「君たちはどう生きるか」はストーリー自体はシンプルで、宮崎駿の内省を描いた映画だ。そうするとアホは自分ごとにできないから論理的なチェックシート片手に「意味不明な映画」と言いながら、ありもしないオマージュや実在の人物への紐づけに終始する。
https://note.com/eclipse1228/n/n548a742c5a0b
これを読んで、はぁ、構造似てるなぁと思った。
こんな感じちゃう?
山下ー小杉ラインが長年の盟友関係でがっちり義理で結ばれてるラインで、小杉がジャニーズとべったりだから、勢い、山下達郎もそこに忖度。竹内まりやのアルバムのライナーノーツで山下達郎が中森明菜の駅の歌い方をきつめにくさしてるのがなんとなく頭に残ってたんだけど、小杉が中森明菜と近藤真彦の件で暗躍していたとかいう嘘かほんまかわからん噂を見て、あーそうなんかって数十年の時を超えて、俺の中で伏線回収した。中森明菜ってジャニーズにとっての邪魔ものだから、ジャニーズに忖度した小杉に忖度した山下達郎もこんな感じで、悪口にブーストかかるんかぁと。知らんけど。
伏線回収の鬼
やり直し姫は夫と恋したい 全巻無料
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BH2LVC29?ref=cm_sw_tw_r_mng_sd_rwt_LQOzgRIRv1K0h
先日もおすすめ漫画エントリあっていくつか買ってみたけど(俺は元増田じゃないよ)、完結済み限定でおすすめを知りたい欲張りな増田です。
連載中のも読んでるけど新刊出るたびに過去巻読み直しが発生してそろそろ辛くなって来た。あとマンネリ、引き伸ばしが顕著になって嫌になってしまうパターンや、休載も辛い!
連載中金落とさない悪い読者だとは思う。すまん。
●好きな完結済み漫画
のだめカンタービレ クラシック好きになった → 誤記「のダメ」ご指摘ありがとう
きりひと讃歌 そもそも手塚治虫でハズレ引いた記憶なし。アトムなど少年向けは読んだことないのでわからんけど
約束のネバーランド 絶望的状況「でも誰も死なないんだろ」の安心感嫌いじゃない
ゴールデンカムイ チタタプ可愛い樺太俺の中で真っ白だったのに色がついた
ヒカルの碁 成長譚好き
ドラゴン桜 これも成長譚
賭博破戒録カイジ 主人公がああでもないこうでもないと思考巡らせる話も好き → 「カイジ」連載中、ご指摘ありがとう
最強伝説黒沢 主人公がああでもないこうでもないと思考巡らせてろくでもない決断するのも好き
デスノート L以降も好きだよ。高田様可哀想。Lとニアメロの絡みがあったら完璧だった
スラムダンク やっぱいい、映画のラスト無音、ずるい!泣きたいのに恥ずかしくて泣けないじゃないか
梅図かずお じめっとグロいの好き。Googleで「12歳 漫画」と「14歳 漫画」で画像検索してみてほしい
ひぐらし 漫画じゃくなくサウンドノベルだけど。伏線回収お見事です
●好きな連載中
宇宙兄弟 素晴らしい、みんな熱いのに暑苦しくない
キングダム インフレ気味で心配。史実ありきだけにどうやって風呂敷畳む? 好きから評価保留になりかけてる
推しの子 ミステリも成長譚も群像劇も全部いい。ネット民の描写好き
ヒストリエ 一番好きかも。一番完結しなさそうだけど
ミステリという勿れ 同上。でもいい
菌と鉄 数話のみ読んだ。たまったらまとめ読みしたい
メダリスト 前の増田ブコメおすすめで読んだ。素晴らしい。ミミズとか小物遣いうまいよな。
●次点(楽しめたが引っ掛かり要素大きめ)
鬼滅の刃 楽しめたんだけど鬼殺隊が子供たち殺しすぎなのが終始心に引っかかり続けた漫画。鬼との戦闘じゃなく選抜試験でだよ? 他の方法ないんか?
ドクターストーン 進化譚いいね。ラスト引き伸ばしならぬ駆け足だったのが残念。宇宙まで広げちゃうとそうならざるを得んのか?
アイアムアヒーロー 途中からグダグダになったよね? あんな畳み方せんでも
メジャー 強キャラに試練与えるのは良いがケガを根性で克服は無理。キャプ翼で飽きた。余談だが吾郎を超える逸材がリアルで登場するとは思わなんだ
彼岸島 途中からグダグダ系。ネット見たらみんな同じ感想で安心した
チェンソーマン 俺はあの作者そこまで意味とか考えてないと思う。2は読んでない
食糧人類 過激な広告に釣られて読んだが過激シーン一点突破すぎた
生贄投票 同上。小説のクリムゾンの迷宮は好きなんだが何が違うんやろ
エデンの星 これもブコメから。パッとみて楽しんでパッと忘れる系
●評価保留の連載中
ブルーロック 1ページめで新入職員のアンリがいきなり会議仕切ってるとこでおいおいってなった。おカッパ含めなんであんな連盟内で権力持ってるの?今後語られる?
最果てのソルテ これもブコメから。まだ夢中とまではいかず。完結心配系
はじめの一歩 世界取らせてあげてー! 全部難敵、全部苦戦やっぱあかんよね。超強敵に圧勝して成長実感とか、安牌に苦戦して挫折とか、メリハリが欲しかった
大きく振りかぶって 一打席にどんなけ話数かけんねん。あとプロでもそんなコントロールないで
●人気だが俺は無理かも
ジャイアントキリング なんでかハマらんかった
ジョジョ 第3部一巻のみ購入。ページが進まん
全体的にきっちり伏線回収してるのが好きみたいです。あとありえない世界観に説得力持たせてるのとか、絶望的状況の克服とか。
あと今回自分でひとことコメントつけることで自分の好みがわかってよかったという副次効果もあった。今回おすすめされて買ったのもコメント書いていきたいと思いました。
> 完結済みの火の鳥ぼくもほしい
すみません!ぼくもほしいです
> 何だよ「のダメ」って
直しました!
> 「カイジ」完結したの?
> 彼方のアストラ
今回も名前出てきてるので読むの楽しみ
ブコメ、トラバの伸びをチェックしつつ、さっそく「彼方のアストラ」を一気に読んでました。
おすすめしてもらった10%もチェックできてないけど、とりあえず買ったものなどご報告。
●読んだよ!
【彼方のアストラ 全5巻】 最高すぎた。ストーリー、世界観、伏線回収、キャラ、テンポすべて文句なし。
ハイパーインフレーション 全6巻、レイリ 全6巻、七夕の国 全4巻、イムリ 全26巻、BANANAFISH 全19巻、ストッパー毒島 全12巻、プラネテス 全4巻、やり直し姫は夫と恋したい 全31巻(kindleで無料と聞いてとりあえずDL、買ったとは言わないが)、嘘喰い 全49巻、ハイキュー 全45巻、ムジナ 全9巻、鋼の錬金術師 全27巻(Kindle Unlimited)
正直上記以外にもそそられたコメントがたくさんあります。ありがたいです。Wikipediaで各作品の巻数とあらすじチェックしながら物色してる。
また名前上がった中では漂流教室、帯ギュ、ブッダ、七色いんこ、陽だまりの樹、銀河鉄道999は既読でした。全部「好き」に分類されます。999はアニメ。子供のころメーテル怖かったんだが大人になってみると色っぽくて惚れた。あとやっぱジョジョはもう少し頑張って読み進めようかと思いました。
そろそろホッテントリ落ちそうだし見てる人もあんまいないだろうけど追加しときます。
●読んだよ!
【ハイパーインフレーション 全6巻】 序盤「ショタ興味ないし誰に感情移入すればええの・・・?」→終盤「うぉおぉぉぉぉぉ!」。元ネタやパロディ探しも楽しかった
追記をしこしこ書くのが楽しくなってきた、すなわち追記のための追記。
●読んだよ!
【レイリ 全6巻】 だめだ・・・切なすぎる・・・。歴史の小さな小さな点をかき集め紡いだ限りなく細く美しい線!究極のエンタメにしてアート!至高の叙事詩!褒め言葉のハイパーインフレーション! ヒストリエに似たアプローチだね。
「チ。 全8巻」と「サマータイムレンダ 全13巻」を購入。楽しみ。あと「七夕の国」を読み始めたのだが、鳥と手と太陽の家紋(?)を見た瞬間、既読だったことを確信。しかしなぜかストーリーをまったく思い出せず(私にはよくあること)。こちらも楽しみです。
●読んだよ!
【ストッパー毒島 全12巻】 野球好きなのでチョイス。映画「メジャーリーグ」や昔モーニングで連載していた「REGGIE」のように気軽にサクサク楽しめる。スポーツ漫画はリアル路線が好きなのでその点もグッド。酷使もまあ時代相応レベルか。チックくんの正体気になりすぎるしSNS時代の今なら逆に大人気キャラになっていたであろう。
前述のとおりハイキューは1巻をとりあえず買ったのだがアマプラで(途中までなら)アニメ見れるのでそっちで見ようか検討中。金銭的都合。アニメ化されてない部分は買うしかないけどね。
●読んだよ!
【七夕の国 全4巻】 楽しめたことを前提に厳しいことを書くと、ミステリーもテーマも消化不良に感じた。寄生獣風味も含め、編集サイドの都合に振り回されてしまったのではと邪推するなど。
そろそろ増田の字数制限にひっかかりそう・・・もっと書きたいよー
●読んだよ!
【チ。 全8巻】 これは面白かった!複雑に絡み合いギリギリで繋がるプロット。賛否ある最終章については俺も賛否あり。でも賛否ありの感想のままで良いというか、もうここは作者の選択を尊重するしかないやろというほどには楽しませてもらった。未使用の伏線(てほどでもないが)は地下道くらいか。お見事。終盤キャラに語らせすぎな点だけ惜しかった。
【ハイキュー(アニメ・シーズン1)】 これぞ正統派少年ジャンプ漫画。安心して王道ストーリーを楽しめるが、純真無垢キャラ「イヒヒ〜(目尻クシャ笑い)」→ニヒルキャラ「・・・!」みたいなファンサ演出は飛ばして見ちゃう派(実在男子そんなんしやんで)。「最終章が一番熱い」「大団円」など気になるコメントがあったので完走するか迷い中でございます。
●読んだよ!
【サマータイムレンダ 全13巻】 個人的歴代No.1候補の作品がたぶん10個くらいあるのだが間違いなくそこに入る漫画!
●読んだよ!
【イムリ 全26巻】 序盤、独特な絵柄、見分けのつきにくいキャラ、難解な用語で進む淡々としたストーリー、かと思ったらミューバが妙に少女漫画チックな愛情表現で場をかき回し、母親は母親で思わせぶりなわりに感情がさっぱり読めず・・・などなど、ほぼ脱落しかけた(実際数日嘘喰い読んでた)。しかしそれらは中盤以降怒涛の勢いで解決し、最後はページを繰る手が止まらなくなる。正直オススメコメが無ければ読了できてなかった。最後まで読んで良かった!母親の愛情は重要ファクターのひとつなので、もっと感情移入しやすい描写がほしかった。面白いだけにホント導入部分だけが惜しまれる。
●読んだよ!
【同じ月を見ている 全7巻】 あらすじだけでやばいなー泣くなーこれとなってしまう漫画は読むのを躊躇しがち(決して嫌いではない)で、普段はついついハッピーエンド漫画をチョイスしがちなのだが、土田世紀の絵が好きだったのと高評価なのを見て意を決して購入。期待に違わぬ作品だった。登場人物は理不尽で利己的、ときに暴力的である。陰鬱な出来事もたくさん起こる。なのに作品に通底するのは希望であり、最後はきっと悲しい結末なのだろうと予測しつつも、文字通り一縷の希望を持って読み進めてしまう。テンポの良いストーリー、スリリングなプロットでしっかりエンタメしつつ、切なく爽やかな読後感を残す作品だった。
●読んだよ!
【BANANA FISH 全20巻】 息をつかせぬストーリー、駆け引き、カタルシス! アッシュ、月龍、ブランカら天才たちも魅力的だし、彼らの暗い過去も、悪役のクズっぷりもグッド! ドラッグ、男娼、ギャング、人種間対立、政官財の癒着など舞台装置もよい。ただ一点、アッシュと英二の関係性の描写が気になった。なぜいきなりあんな惹かれ合うの? なぜ英二はさっさと日本に帰らない? 死ぬで? 命をかけて非合理的な選択をするには相応の理由が必要だが、作者はそこでひたすらBL「風味」の描写に頼り切る。思わせぶりの棒高跳びでの挫折は放ったらかし。二人がゲイでちゃんと恋人してればまだ納得感があるのに、あくまで「男の友情」として描くからリアリティがない。ハイキューのファンサ演出と違い、こちらは物語の根幹を成すテーマ。そこに終始引っかかり続けてしまった。だから当然ラストも納得いかん。序盤も挫折しかかった。中盤以降の疾走感はお見事で一気に読み切れただけに、BLに頼らない友情を描いてほしかった。
●読んだよ!
【SAND LAND 全1巻】 鳥山明の短編は初めて読んだが、なんだこれ?めちゃくちゃいい話じゃないか!たった1巻の中にエンタメが詰まっている。ドラゴンボールがまだちゃんとドラゴンボールを探索していたころのワクワクを思い出したじゃないか!もっとこういう話を読みたい!
●読んだよ!
【ミギとダリ 全7巻】 昨年アニメ化された当作を敢えてのコミックで。ジメッとしがちな設定(それはそれで好きだが)をシュールなギャグで緩和しつつテンポよく進む秀逸な作品。作者が亡くなっていたことを後で知る。素晴らしい漫画をありがとうございます。
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」です。
社会現象になってたのが小学生くらいの頃でほぼ忘れかけてたのに、この前突然脳によぎってちょっと興味が出てきたので読んだ。
要するに野球部を一人の女子マネージャーが『マネジメント』に沿って改革して甲子園を目指すという話。
本文は爆速で読める上に、『マネジメント』を読む→改革→成果が何ループも起きるのでなろうのような気持ちよさ。
物語を作るのに必要な人物だけが存在しているので、登場人物全員がそれぞれ機能していて気分が良かった。
突然登場人物の一人が死んだ時は、「うわ、人の死で物語に起伏をつけるタイプの作家だ‼(鉄拳タイプ)」と思って嫌な気持ちになった。
最後の決勝で、主人公の小学校時代の経験と同じことが起きるのは伏線としていいんじゃないでしょうか。
しかし結局「マネジメント」を読んだときに具体的な身の回りの現象に結びつけるの難しそうだよね。
これこそが(プロ)サッカーの本質を表す金言なので覚えておいてください。
フィールドにいる9割の人間がボールを持っていませんが、その全員がボールを相手チームのゴールに入れるために動いています。
彼らがやっているのは「ボールがこれから通るルートを構築するための陣取り合戦」なんです。
ボールそのものを見るのは大事ですが、より大事なのはボールをゴールに通すための道をどう作っているかです。
ゴールから逆に辿っていくと「どういう道筋を作りたいのか」「その道をどうやって潰そうとしているのか」が見やすいと思います。
気持ちに余裕があるのでしたらシュートが決まった所から逆再生してどういうい順番で運んでいったのかを逆から見るのを何度かやるといいかと。
「シュートを打ちやすい空間」を作るための伏線はプロは何重にも貼るので難しくはありますが、いくつか見ていけば簡単なパターンにも出会えるかと。
シュートした数秒前からだけ見れば「ガラガラじゃん」と思うような状況も、チームメイトが必死に誘導をした結果だったりします。
オフサイドのルールもあり、基本的にゴールに近づくほど相手選手のほうが数が多くなるのですが、そこで1vs1(ゴールキーパーは除いてディフェンスを1人掻い潜ればの状態です)、もっと言えば2vs1や1vs0の「物凄くシュートが打ちやすいシチュエーション」をどう作っていくのかです。
シュートが打ちやすい状況でゴールキーパーとの最後の戦いになったときの成功率はもちろん重要なのですが、その状況での成功率をどこまで皆で上げられているのかこそがサッカーというスポーツで競っているものなわけです。
それを根底から覆すスーパーフィジカルやスーパーシュートは本当チートなんでめっちゃ盛り上がるんすけど、本当にアレはただのチートで本質ではないと思った方がいいです。
脚本家が伏線張って史実に合わせて回収する自分に酔ってるのが見えちゃってるのが悪いところだと思う。
「どう俺?史実とも整合しててすごいでしょ?」とドヤ顔してるのが見えるのがキツい。
その超絶技巧()を見せつけるために大河の脚本を書いてるからオナニー見せられてる気分になってくる。
しかも早漏で伏線→回収を繰り返し過ぎで伏線の価値も下がって、「あーまたこれですか」って気分になってくる。
伏線を安売りせず、もう少し溜めて経緯も丁寧に描きながら「なるほど!一本取られた!」ってなる方がいいと思うんだよね、特に大河は1年かけてやるモノだし。
ただ、最近流行ってる(?)伏線回収モノが好きな人は伏線を溜めるとその間に飽きて離れるからこの早漏ペースも仕方ないのかもしれない。
ただでさえファンタジーすぎて従来客が離れてるから、新たに開拓しようとしている現代的な伏線回収モノが好きな人を繋ぎ止めるにはこのペースで回収を続けないといけないのかな。