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はてなキーワード: 探偵・癸生川凌介事件譚とは

2024-02-12

[]2月12日

ご飯

朝:スナック菓子。昼:なし。夜:ハンバーガー。間食:なし。

調子

むきゅーはややー。おしごとは、おやすみ

眠い。めちゃくちゃ眠い

睡眠のことしかえれない。

平日はそうでもないから、なんなんだろう、怠惰かなあ。

探偵・癸生川凌介事件譚 泣かない依頼人

携帯電話配信されていたアプリニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第十二弾にあたる。

癸生川探偵事務所小学生依頼人が訪れることからまり、幾つかの謎が同時並行的に展開していく。

学校に来ない小学生ウサギ殺害事件、数ヶ月前のプールでの事故死、そして殺人事件

目まぐるしく次々と事件が起きていくが、シリーズいつもの面々が事件解決のために右往左往するオーソドックスシナリオになっている。

小学校中学校が主な舞台になるので、聞き込みの対象も生徒や先生学校関係者が中心となる。

生徒サイドは良い意味で今までのシリーズらしくない、キャラクタの可愛らしさが強調されたパートもあり、この辺は結構好みな展開。

個人的には、ウサギアクセサリーを弄る癖がある北村ちゃん可愛いと思ったのでもっと出番が欲しかったところ。

何故ウサギが殺されていたのか、という魅力的な謎が開幕早々に提示されるので開幕の引きはバッチリ

ただ前作と同様にトリックらしいトリック、興味深い論理の飛躍などはないのは好みが別れそう。

この魅力的な謎も、解決を読んだときの納得感は薄く、腑に落ちなかった。

地に足を付いた聞き込みと証拠から犯人を少しづつ浮き彫りにしていく様はゲームにはなっているが、探偵・癸生川凌介事件譚らしさがあるかと言われると悩ましい。

しかし、トリックロジック以外の、小説的な情緒を語る部分もまた探偵・癸生川凌介事件譚のらしさが映えるポイント

そちらの方面バッチリ決まっていた。

今作は人の身勝手な悪意に文量がしっかり割かれていて、犯人が最低で嫌なヤツだからこそ、憤りつつ読み進められた。

小学校中学校舞台なので序盤は朗らかで可愛らしい雰囲気で進み、殺人事件が起きてもなおどこか優しい空気感がある。

ところが、それらの可愛らしさがとある証拠発見を境に一転するのが恐ろしい。

この人間の底知れぬ悪意を端的な文章で切り込んでくれるのは、興味深く楽しめたポイントだった。

シリーズとしては、シーズン2はこれで終わりで、13作目からシーズン3としてまた別のライターさんが手がけることになる。

前作あねの壁も今作も、ミステリとしてはあっさり目ながら、情緒的な部分で探偵・癸生川凌介事件譚をやろうという気概は感じられて、これはこれで楽しめたシリーズだった。

2023-12-31

[]12月31日

ご飯

朝:なし。昼:バターロールチーズ。夜:ほうれん草豆苗ウインナースープマグロイカ刺身。間食:チョコ

調子

むきゅーはややー。13連休5日目。

ダラダラしてる。連休最高!

探偵・癸生川凌介事件譚 あねの壁

携帯電話配信されていたアプリニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第十一弾にあたる。

姉の壁という伝承調査にやってきたライター弥勒院蓮児とその助手十六夜彩子が殺人事件に巻き込まれる。

今作からシナリオライターさんが変わっておりシーズン2と括られている。

登場人物もいつもの面々の出番は控え目で、五作目昏い匣の上で登場していた弥勒院と十六夜が主役になっている。

作風的にも新本格の流れの影響をバリバリに受けていたシーズン1とは少し異なっていて、どちらかというとミステリよりサスペンスな趣きで、謎解きはあまり話の主題ではない雰囲気だ。

伝承についての調査パート、その伝承になぞらえた奇妙な殺人事件を追う調査パート、そして謎解き編という構成だが、ボリュームはかなり控えめで謎らしい謎の提示が無いので引っかかるところがなかった。

この謎らしい謎の提示の弱さは短編ミステリとしては物足りなさを感じた。

フーダニットが絞り込めないことを作中では度々繰り返しているが、そもそもそれらしい謎の提示が無いから、ただ悩んでるだけでもう少し前向きに進められるところの議論が欲しかった。

とある解釈を序盤に深い理由なく除外していたり、科学捜査の基礎中の基礎をとある人物理解していなかったり、医療従事者に金を握らせて隠蔽していることがすぐバレたりと、そもそもクローズドサークルが閉じている中で謎解きをする意味が見出せなかったりと、なんというか“ぎこちなさ”が目立った。

からダメなんじゃなくて、こういう部分が気になるぐらい魅力的な大きな謎がないことが評価に繋げられなかった。

名探偵癸生川凌介最後最後まで登場せず、ためにためて出てくるシリーズお馴染みの構図は、謎が謎だからこそ輝くのだが、今回は頼るのが早すぎて語り手の弥勒院の情けなく思えてしまった。

小説的な情緒を語るパートは文量をしっかり割いていて、こちらは面白かった。

伝承現代感情リンクするところは特に良く出来ており、パズラー的な見立て殺人の妙でなく、小説らしい物語構造としての比較の妙が決まっていて面白かった。

この辺はシーズン1から2へ切り替わってライターの好みも変わったことを強く感じて面白かった。(石川さん情緒面のエピソード主題にした作品はあったけどね)

ミステリのぎこちなさと比べると、姉弟感情の揺れ動きや、残酷大人無垢子供の対比など、情緒面の文章の筆の乗り方はかなり好印象。

本格やパズラー的な要素が好きな僕の好みとは違っていたが、見るべきポイントはしっかりあって面白かった。

2023-07-31

anond:20230731001659

ニンテンドースイッチゲーム50本遊んで感想書いたのでまとめ(23〜47)

探偵・癸生川凌介事件譚 永劫会事件

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第十弾。

シーズン1最終作ということで、今までの縦筋として伏線が貼られていた過去事件永劫会事件がついに描かれる。

今までの癸生川シリーズ全部盛りな贅沢な作品で、ミステリらしい意外な展開、文書の書き方で読者を騙すものマルチサイト構成の妙、小説として情緒的な染みる文章と、良かったところが沢山ある。

シリーズを通じての伏線が回収される展開も多いため、必ず全作遊んでからここに辿り着きたい。

人によってはこの作品シリーズで一番に据える人がいそうな、ゲームとしての完成度は抜群だった。


探偵・癸生川凌介事件譚 対交錯事件

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第六弾。

マルチサイトシステムを導入していて、伊綱さんと、生王の視点を行き来しながら事件を追う。

構造自体に仕掛けがある系の作品になっていて、ミステリやってる感がかなり強い。

人によってはこの作品シリーズで一番に据える人がいそうな、トリックの魅せ方としての完成度は抜群だった。


探偵・癸生川凌介事件譚 白鷺に紅の羽

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第四弾。

助手の伊綱さんの過去編で、とても情緒豊かな小説的な作品

もちろん、ミステリらしい意外な展開や、文章での表現を利用したトリックなどもあってそちらも楽しめる。

人によってはこの作品シリーズで一番に据える人がいそうな、物語としての完成度は抜群だった。


少女首領の推理領域 -黄金島の密約-

株式会社オレンジロマンティックミステリの第二弾で、女性主人公事件捜査して解決しながら男性キャラといい感じになっていくストーリー

普通女子大生が突然マフィアボスになるという突飛な開幕ながら、割と丁寧で良い意味で地味な捜査解決をしていく。

とはいえマフィアボスらしく、違法行為をしてでも事件の手がかりを集めるところなんかは今作独自の魅力があり、このシリーズ女性主人公の成長も魅力なんだけど、今作ではマフィアボスらしくなっていくという本当にその方向で成長していいのか? と困惑しながら遊ぶことになる。

そして本当にマフィアボスらしくなっていくのが本当に面白くて、好きなところだ。


ルートフィルム

あのルートレターシリーズ的には続編に当たる角川ミステリシリーズの第二弾。

奇作、怪作としか言いようがない前作とは違い、しっかりと地に足が着いた丁寧な良作だった。

主人公八雲マックス映像作家としての矜持を持つプロに徹する人間性なのも好印象で、熱苦しいものの痛快な好男子で好きなキャラだった。

またもう一人の主人公新人女優のリホも駄洒落に拾い食いと評されるひょうきんなキャラで、主人公がどちらも魅力的な作品だった。


ゴシックマーダー-運命を変えるアドベンチャー-

株式会社オレンジロマンティックミステリ第一弾で、女性主人公事件捜査して解決しながら男性キャラといい感じになっていくストーリー

主人公他人の死を夢で予知できる能力を持っているが、メイドという立場なのでそれをありのまま報告しても信じてもらえないので、色々と工夫して殺人事件を阻止するという展開。

この夢で見た予知の死を覆すという展開が短編連作的に続くのだけど、どれも同じ人、攻略対象で主人として支えている男性キャラの死を予知するため、何してもこの人死ぬじゃん、とシリアスな笑いを感じてしまったのは不謹慎から反省したい。

貴族平民という立場の差のエピソードなどは興味深く、伝えたいことの取捨選択がしっかりしてて短いボリュームながらしっかりまとまっている好きな作品


バディミッション BOND

ニンテンドーコーエーテクモがバディを組んで送る超贅沢なアドベンチャーゲーム

タイトルの通り二人組の関係性がかなり重要キーワードになってくるが、あくまでバディなので男女問わず楽しめる王道ストーリー

舞台となるミカグラ島に住む市井の人々にもサブエピソードがいっぱいあって、モブキャラ活躍する展開が大好きな自分としてはそちらの方向も嬉しかった。

ヒーローを目指す主人公ルークに延々とずっと辛い展開が続くので、遊ぶ手が止まりかけるほどだったのだけど、バディのアーロンがそれを引っ張り上げる展開が熱くて沸る燃えるゲームだった。


幻想牢獄のカレイドスコープ

女の子万華鏡、といえば何をやっても良いと思ってるゲロカス美少女デスゲームもの

ふわふわした可愛い4人の美少女が、罵倒有り暴言有り暴力有り可愛げ無しのデスゲームに巻き込まれながら、剥き出しの人間性露出していく。

そんな残酷なデスゲームの間に、いかにもな可愛い萌え過去日常パートが挟まり、この落差の凄まじさが独自の味わいになっている。

罵倒シーンの声優さんの熱演も見所で特に茜屋日海夏さん演じる五条風華暴言下品すぎて、日常パートでの可愛さとの差が凄かった。


死印

ダンジョンRPGの老舗エクスペリエンスが送るホラーアドベンチャーで、怪異の噂をDRPGのような探索パートで調べてからRPGボス戦のような怪異との対決パートに挑む構成で、テキスト主体アドベンチャーゲームらしくない画面構成になっている。

とはいえ、要するにで言うと、事件の手がかりを見つける捜査パートと、容疑者を追い詰める尋問パートみたいなもので、怪異と言いながらも探索パートで手に入れた情報からフェアに対決パート選択肢を推理可能なように作られている。

RPGっぽいパラメーターの表現フレバーに過ぎず、テキストをしっかり読むことが大切なので、そういうゲームが苦手でも問題なく遊べた。

印人と呼ばれる仲間を連れて探索するのが特徴で、中年男性ながらかなり露骨ツンデレキャラ萌え真下悟さんが僕はお気に入り


普通

THREE-3つの記憶-

三つしか記憶を保持できない主人公自身恋人をなぜナイフで刺したのかを巡るサスペンスコマンド選択ADV

時系列未来から過去へ進んでいくため行き来する渋谷の街のモブキャラ達にも物語があり、当時の雰囲気を感じられる。

フラグ記憶出来るにも三つだけという設定をシステムに落とし込んでいるのが見どころ。

ただし、この試みが成功しているのかは若干疑問が残り面倒なだけだったかもしれない。


いづみ事件ファイルVol.1潮騒編

編集者美女としての自覚が強い木戸いづみが担当作家鏡月正宗から無茶振り事件捜査することになるコマンド選択ADV

物語としての起伏は少なく、ミステリというよりはクイズの趣きが強い。

美女自称するいづみの強引な聞き込みパート面白く、話がテンポよく進む。

携帯電話ゲームから移植だが背景絵のクオリティが高くあの当時に遊んでいたらまた違う感想があったかもしれない。


イヌワシ~うらぶれ探偵とお嬢様刑事の池袋事件ファイル~

うらぶれた探偵狗神エイジとお嬢様刑事鷲宮ヒナのバディもの

舞台池袋に住む市井の人々の協力を得ながら様々な事件解決しつつ、エイジの相棒でありヒナの兄が死んだ真相も追う縦筋の物語もある。

協力者の面々がかなり優秀な人が多く、主役の二人よりも探偵として優秀なのでは? と思ってしまう良い意味でのテンポの良さが楽しい

システム面では、よくわからないミニゲームや、頻繁に挟まる話に区切りがついているわけでもない暗転など、運営スマートフォンゲーム移植故のシステム的にしっくりこないところがあった。


神田アリスも推理スル

少女同士の恋愛を描きつつ、幾つかの日常の謎を解決する公称ジャンル百合ミステリ

ただ、ミステリ部分は少女同士の恋愛を際立たせるための背景のようなもので、あっさりと進んでいく。

その分、恋愛に関する描写はかなり多めでかつ濃厚なもので、恋と友情の差を自覚しつつ、はっきりと恋愛的な意味で好きになっていく過程が描かれていた。

それだけに短編連作で4つしかエピソードがないのは、良い意味で物足りなかった。


探偵・癸生川凌介事件譚 五月雨は鈍色の調べ

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第九弾。

白鷺に紅の羽の裏を描く、と言っても時系列人間関係のそれではなくて、モチーフ的なというか、表現が難しいやつだ。

癸生川シリーズを通しての、探偵は何のために事件解決するのかを端的に示した短編になっている。

テーマ性の塊みたいな剥き出しの作品なので好き嫌いは別れそうだけど、僕はかなり好きな方だ。


探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第八弾、元々はDS版の移植である

久々にスピンオフ短編マルチサイトではなく、いつメン達のいつもの構図。

ただ、ボリュームが多いのにいつもの構図をやるせいで、伊綱さんの推理がひっくり返るのが、少しもったいなさを感じてしまった。

あくまであのいつもの構図は短編や中編だから決まるもので、長編にはあまり向いていなかったかもしれない。


探偵・癸生川凌介事件譚 昏い匣の上

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第五弾。

ちょっと今まではとは毛色が違い、いつものレギュラーメンバの出番も控え目で雰囲気ホラー寄り。

とはいえ、我らが名探偵癸生川凌介が出てくるシーンは格好良く決まっている。

彼をなぜかホッとすると評するのは、なるほどな意見で、なかなか自己分析が出来ているセリフだと思った。


探偵・癸生川凌介事件譚 音成刑事の捜査メモ

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第七弾。

今作はちょっと箸休め的なスピンオフ短編で、正直ちょっと読みどころはあまりない。

可愛い可愛いゲーム一言で終わっても良いぐらい犬は可愛い

とはいえ、これだけ遊ばないのも勿体無いので通して遊べば良いと思うな。


探偵・癸生川凌介事件譚 死者の楽園

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第三弾。

三作目ともなると、いつメンのいつもの構図でいつものやつと簡単に評したくなっちゃうね。

とはいえシリーズを通しての縦筋なんかもで出して、探偵・癸生川凌介事件譚として好きになれる要素が増えていくキッカケも多い。

今作は割と聞き込みや証拠品集めから推理が多く、今までの突飛な発想の飛躍が求められるものじゃないのも特徴的かつ、以降はこれが主になっていく。


探偵・癸生川凌介事件譚 海楼館殺人事件

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの第二弾。

前作の流れは踏襲しつつも、本格ミステリさながらの大胆なトリックが映える面白作品だった。

とはいえこの類の方向性はしっくりこなかったのか、これ以降はもう少し社会派だったり、テーマ性だったり、文章の書き方で読者に対して何かを隠蔽する類の方向性になっていく。

物理トリックの類はゲームだと映えるんだけど、携帯電話の容量の少なさを考えると難しかったんだろうなあ。


探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻想殺人事件

携帯電話で展開していた探偵・癸生川凌介事件譚シリーズ第一弾。

名探偵癸生川凌介、その助手白鷺洲伊綱、彼らの事件ゲームにしている生王正生、いつもの面々のデビュー作。

伊綱さんと生王が捜査をしてそれらしき答えに辿り着くも、癸生川がどんでん返すいつもの構図は初見だと結構驚く。

携帯電話という限られた容量の中でしっかりとミステリをやろうとする気概が素晴らしい、


マルコと銀河竜

めちゃくちゃ豊富なスチル絵に軽快なBGM、そしてカートゥーン調のアニメーションハイスピード物語が展開していくSFもの

テキストを読むことが主体ゲームって落ち着いた作品が多く、議論をしたり腰を据えてお話を聞いたりが多いんだけど、この作品はとにかく主人公たちが走る! 動く! 飛ぶ! と終始忙しなく動いてばかりで色々な物語が手早く展開していく。

テーマソングの飢餓と宝玉はオープニングテーマでありながら、作品の全てを包括するような歌詞になっていて、クリア後に聞くとまた違った感想になる曲で大好き。

ただ、このスピード感故に細かい部分の整合性説明カットされているのは好みが分かれそうかな。


√Letter Last Answer

奇作としか言いようがない、実写のテキストアドベンチャー

とにかく全体を通じて奇妙な作品で、十数年ぶりに高校時代文通相手との手紙発見して、彼女に会いたくなりその地元島根に向かう。

こんな如何にもな青春振り返り系エモストーリーの導入だが、全くこんなストーリーではなく、罵倒悪口恫喝を繰り返す反社会的主人公に振り回される恐ろしいお話

ストーリーリアリティラインルートによって様々すぎて、突飛な展開が続くかと思いきや、現実的な着地を見せたりと、唯一無二な奇妙すぎる作品だった。


GOODBYE WORLD

インディーゲーム開発者女性二人の関係性を淡いドット絵の演技で描くナラティブアドベンチャー

全てを文章で語らず、キャラクタの演技で語るストーリーが見所でかなり細かい演技が丁寧に表現されている。

また、途中で挿入されるゲームボーイライクなパズルゲームが、レベルデザインでなにかを暗喩しており、キャラクタがなにを感じたのかを、台詞や演技だけでなく、このパズルゲームでも表現しているのが今作独自の特徴的な部分。

なかなかハード現実的な部分が多く、少し心に余裕がある時に遊んだ方が楽しめそうだ。


マリンエクスプレス殺人事件

修学旅行で水中を走る列車に乗り込んだ学生たちの中で起こる殺人事件お話

スペインインディーメーカー作品だが日本サブカルが大好きな人たちが作っているようで、そういうのが好きな人向けの小ネタがたんまり入っている。

とはいえジェンダー政治的な正しさ規定とした問題提起が挟まるなど、日本ではあまり見られないストーリーもあり独自の良さがあった。

殺人事件にまつわる解法も、トリックロジックなどのあれこれではなく、人間関係の妙に重きが置かれているのも、ある種のらしさなのだろうか。


デスカムトゥルー

奇妙なホテルの一室で目覚めた男性がいきなり殺人事件容疑者報道されるニュースを見るところが始まるホットスタートな実写ゲーム

短編ほどのボリュームながら、ゲームシステムを利用した演出や、繰り返しループする世界での面白コメディや、シリアスな男女の恋愛など色々な要素がみっちり詰まってる。

特にヒロインのサチムラアカネは、敵なのか味方なのか、頼れる強キャラなのか守るべき弱い子なのかが目まぐるしく変わる上に、扇状的なシーンも多く、演じている栗山千明さんの魅力が盛りだくさん。

取捨選択がしっかりしてる小粒ながらも好きな作品だ。


48作目以降はこちら

2023-06-04

[]6月3日

ご飯

朝:なし。昼:ネギ納豆たまごかけご飯。夜:ネギ納豆たまごかけご飯サラダ豚汁。間食:ポテロングアイス

調子

むきゅーはややー。お仕事は、おやすみ

○ THREE-3つの記憶-

携帯電話で展開していたサイコミステリーシリーズ第一弾というか第ゼロ弾というかのニンテンドースイッチ移植版。

あの探偵・癸生川凌介事件譚シリーズの元気が開発しているのでちょっとしたクロスオーバーっぽいシーンもあったりするが、テキスト主体ゲームでそのライターが異なるためかなり味わいは異なっている。

突然三つの記憶しか保持できなくなった高校生主人公が、何故か自身恋人ナイフを刺してしまうところから物語が始まる。

記憶の中で何故こんなことが起きたのかを探って行く内に、恋人の件だけでなく自身ルーツにまつわる大きな問題にも立ち向かうことになる、サスペンスなドキドキ感と、記憶を逆に辿って行くことによる時系列前後する物語の妙を楽しむ作品だ。

……とは書いたものの、正直テキスト量が少なくて個性を感じられる場面が悪い意味で少なかった。

タイトルの通り、三つの記憶しか保持できなくなった主人公コマンド選択式のADVというシステムに落とし込むため、手がかりや情報証言記憶という形で最大三つだけ保存できる。

逆に言うとこの三つの中だけでフラグ管理をやりくりするんだけど、このシステムが単なるプレイ時間の水増しにしかなっていないのが大変残念な点だった。

どの三つを保持するのかという取捨選択の楽しみは殆ど無く(皆無ではないが)、大半が話を読んでいれば自然重要さがわかり保存できる。

これ自体難易度が低いという意味ではそこまで批判したくはないが、問題なのは移動先すらこの三つでやりくりする点だ。

渋谷の街を行き来しながら、主人公が失った記憶を遡って行く展開のために、延々と移動しながらフラグを立てて行く。

フラグ立て自体サスペンス事件を追って行く楽しみもあるにはあるものの、それ以上に移動にかかる面倒さがずば抜けてて楽しめなかった。

移動先を教えてくれる人やお店が物語の進行によって変化する点と、一方通行の道が多い点の二点によって、シンプルコマンド選択ADVマップにしては移動にかかる操作が多すぎる。

プレイ時間にして2時間かかるかかからいか程度だったと思うのだけど、体感では1時間以上は移動していたような気がする。(こういうのはロード時間と同じく体感が長く感じるものだけども)

正直、良かった点もあったと思うのだけど、この移動にかかるストレスが大きすぎて、忘れてしまった。

例えば主人公恋人親友というメインキャラ三人以外にも、渋谷で暮らす市井の人々のサイドストリーっぽいものもあったのだけど、なにぶん名前すらないモブキャラである点、移動によって物語がぶつ切りにされる点、時系列シャッフルされていることによるややこさとによる相乗効果で頭に殆ど残らなかった。

土地柄かナンパ不倫や逆ナンなど、粗雑な男女の関係にまつわるサイドエピソードが多すぎることも混乱を招く。

ゲームシステムでそれを整理するような仕組みも無いため、ただ事象前後して描写されているだけの複雑かつ、それを整理したところで特に何か感慨に浸る部分がないというアッサリさとが際立つ。(名前個性も知らない少女とあるから逃げている理由が、メシだけ食べて後の行為に付き合わなかったことがわかったところで、それはなあ)

物語の本筋については、記憶が三つしか持てないことによる誤解と、男女の下手なすれ違い、それにサイコミステリーサイコの部分の設定開示と言ったところだが、どれも文量が少なく、シリーズが進んでいけば布石として機能していくのかなあと、現時点ではあまり思い入れはわかなかった。

携帯電話の限られた容量で遊べるゲームを作ることは難しいのだろうが、ちょっと移動にまつわるややこしいシステムによるプレイ時間の水増しのせいで、テキストを楽しみという根幹がブレているのは残念だった。

とはいえ、こういうのは好みの問題しかなく、昔の所謂ビーパソコンの時代アドベンチャーゲームは、作家性のあるテキストを楽しむというよりは、知恵比べやフラグ立ての複雑さを整理する楽しみが主流だったような気もする(ゲーム歴史を語るのは烏龍がましいので、雰囲気の話)ので、こういうのが好きな人もいるんだろう。

色々と文句を書いてしまったが、携帯電話配信されていた今は遊べないシリーズをこうして楽しめるだけでも嬉しいし、後続のシリーズではこのシステム採用されていないらしいので、是非とも次々と販売して欲しいし、発売の度に購入して追いかけようとは思えた。

2023-03-12

[]3月12日

ご飯

朝:ピーナッツ。昼:袋ラーメン。夜:カツカレー

調子

むきゅーはややー。お仕事は、おやすみ

探偵・癸生川凌介事件譚 永劫会事件

・はじめに

携帯電話配信されていたアプリニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第十弾。

シリーズとしてはこれ以降も続いてはいくのだが、原作者である石山貴也が関わった癸生川凌介シリーズとしてはこれが最後となる。

そんなわけで、今までのシリーズで度々言及され、いろいろな人物ターニングポイントとして語られてきた永劫会事件が遂に題材になっている。

1999年に新興団体が絡む大量殺人、その新興団体の会員はまだいること、生王と癸生川の出会いエピソード、生王がヤバいことになる。

そんな前置きを踏まえて今作は、新米刑事殺人事件捜査をする工藤貴樹、恋人の不穏な様子を探ってほしいと癸生川に依頼に来た石上雅人、その恋人妹浦澄佳、事件を嗅ぎ回っている謎の人物、都合4人の主人公視点を行き来しながら物語が進んでいく。

そして全てのルートプレイすることで真実が見えてくる構成だ。

・4パートによるマルトサイト面白い

まずは警察として王道捜査を行う工藤貴樹パートは、聞き込みや調査証言証拠を集めていく安定の面白さ。

石上雅人パートではシリーズでは珍しく癸生川が同行するため彼の聞き込みの態度がじっくり楽しめるのが好き。今までも稀にはあったが今回は沢山あって満足。

謎の人物パートは流石に工数関係コマンド選択部分はかなりあっさり目で捜査結果を確認するような部分が序盤は続く。

とはいえスムーズで端的な捜査結果でありつつ、そもそも目的不明なため、この捜査情報は何のためなのか? という大きな謎が物語を引っ張ってくれる。

妹浦澄佳パート歴代屈指の重たい鬱々とした展開。

四者四葉面白さがあり、プレイする手が止まらなかった。

シリーズの前提を踏まえて根底から覆す展開が面白い

このシリーズといえば最後最後に癸生川や伊綱さんが今での過程を大きくひっくり返す展開が待っている。

今作でもそれは健在で、一気に事件を見る目が変える必要が出てくる大きな展開が待っている、それも何個も。

さらにそれが、今までのシリーズを遊んでいるからこそファーストインプレッション解釈がブレる楽しさも、シリーズものならではの面白味だ。

特に今作は「生王と癸生川の出会いエピソード」ということが散々言われて来ていることを踏まえるとなるほど納得である

また、ちゃんとそれらの事実が今作のテーマに大きく絡んでおり、単なるサプライズに終わらないところが、このシリーズの妙だろう。

社会的テーマが重い

そんなわけでテーマの話も書く。

今までも多くの社会的な有り様を問うような問題を掲げて来たが、今作では被害者救済という重たいテーマが早々に提示される。

しかし、この被害者救済という重たいテーマを書き連ねてはいるが、今作ではその背後に明確な営利目的に起因する犯罪者存在が用意されていた。

これでは答えの出ない問題に向き合った割には結局悪い奴がいたという、収まるべきところに収まっていたと思った。

それが悪いと書いているのではなくて、この社会的テーマを扱っていて、各々の登場人物たちの苦悩や答えもキチンと表現されていて、読み応えはあった。

しかしながら、それはそれとして今作においては反論余地のない巨悪が裏で操作していたと言われてしまうと、被害者救済のための自由意志すらも剥奪されるかのような、ある種、慈悲深いが故にそれを許されてしまたかのような勿体なさを感じてしまった。

行きすぎた被害者救済は良くないがその悩みに寄り添うことの難しさはわかるものの、今作においてはそれを誘導した全ての根源がいてソイツが悪いという展開で、その悩みからの行き過ぎた行為を罰せられることすらも許されてしまうのは、ある種発端となる加害行為と表裏関係にあるのかもしれないとすら思ってしまった。

もちろん大前提として発端となった加害者が悪いことは当たり前なのだけど、その先にある被害者救済のための行きすぎた報復の結果、それが平等に裁かれないのは、それはそれで差別的だと思ってしまった。

あくまで今作がそのような設定をとったことはエンターテイメントとして犯人を用意するミステリ作品のある種の義務なのだけど、その犯人による誘導に全てを委ねてしまうのは、被害者救済のための報復を誓った、その誓いの気持ちを無碍にしてしまうようなモドかしさがあった。

それが面白い面白くなかったとか、フェアであるアンフェアであるとかではなく、魅力的で自立したキャラクタを多く描いている本作だからこそ、報復もまた犯罪と知りながらも被害者救済だと信じて犯罪をおこうなうような存在が、このテーマを描くにあたって期待してしま犯人象だった。

これは単に僕が作者のやろうとしたことと異なる部分を期待してしまっただけで、繰り返し書くが面白い面白くなかったという話をしているわけではない。

・さいごに

探偵・癸生川凌介事件譚シリーズを通して遊んできた。

総じて、アドベンチャーゲームというよりは、本格ミステリ文脈に近い作品が多く、それが好きな自分としては楽しめた。

携帯電話ゲームという制約もある意味プラスに働いていて、余計な不純物がないアドベンチャーゲームとして必要最小限ながら十分な遊びで楽しめた。(僕は、後半突然3Dダンジョン脱出ゲームを遊ぶ必要がある類のADV極端に嫌う性質があるので)

シリーズを通してのベストは当然今作永劫会事件だが、作品の幅が広く多種多様物語を楽しめた。

愛すべきマンネリとしてお馴染みの展開を繰り返してもいいものを、手を変え品を変え楽しませてくれたサービス精神も素晴らしかった。

以降も別の作者で看板はそのままシリーズがまだあり、そちらも復刻が決まっているため今後もう暫くは定期的にいつもの面々と会えそうなのも嬉しいところ。

作者という意味では、パラノマサイトスクストなどもあるためそれらも遊んでいきたい。

[]3月11日

ご飯

朝:カップスープチーズクラッカー。昼:袋ラーメン。夜:マクド

調子

むきゅーはややー。お仕事は、おやすみ

探偵・癸生川凌介事件譚 五月雨は鈍色の調べ

携帯電話配信されていたアプリニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第九弾。

今回は、4作目で登場していた伊綱さんの前任者であり、癸生川が唯一自身に並び立つと称していた白鷺洲涼二のエピソード

婚約者借金を代わりに返すために貯金を降ろそうとしたら、事前に父親貯金を盗まれた!」と主張する依頼人の話を聞き調査を始める涼二、その裏には一体何があるのか。

プレイ時間は1〜2時間ほどの短編だが、家族を想う気持ちの尊さと自己犠牲の切なさが存分に詰まった悲しい良いストーリーだった。

癸生川とはまた違った形で優秀な白鷺洲涼二が操作キャラになり、短編という縛りありきなのかもしれないが、捜査はかなりサクサク進む。

そのため今作は事件捜査のロールプレイというよりは、上述した家族愛情を描くことに専念しており、その目論みは見事に成功している。

シリーズでは割とお馴染み感もある文章の書き方で読者を騙すテクニックや、縦筋となるあるシリーズキャラクタの意外な登場による驚きなどが、キチンと依頼人家族愛のエピソードへ繋がっていくのが見事。

依頼人父親母親が何を感じて子供を育てることになったのかが、依頼人言葉で伝えられるのではなく、繰り返される状況に陥るからこそ理解できる構造寄与している。

こうやって物語と関連付けたサプライズ演出は大歓迎、とても良かった。

(ただただ驚きたいだけなら所謂「5分間ミステリーだって驚けるわけでね)

短い作品ながら、ゲストキャラたちの家族エピソード物語の冒頭に答えがあった構図、シリーズを通しての見どころある展開とかなり身が詰まった面白い作品だった。

これで都合九作遊んできたが、次が原作者的な意味ではオーラスとなり、何やらすごい作品であると噂を聞き、ここまで来た十作品目「永劫会事件」だ。

何度も何度も言及だけはされており、今作でもその片鱗が幾つも見えており、はっきり言ってハードルはかなり上がっている。

探偵・癸生川凌介事件譚面白いです。

[]3月10日

ご飯

朝:なし。昼:サラダスープ。夜:サブウェイ

調子

むきゅーはややー。お仕事は、暇。

探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻影殺人事件

ニンテンドーDSで発売された後、携帯電話配信されていたアプリ移植されたものニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第八弾。(このナンバリングスイッチ移植に当たって整備されたものらしい)

すっかりお馴染みになった、破天荒名探偵癸生川凌介、その助手ながらテキパキと捜査をこなす白鷺洲伊綱、そして視点人物になる助手助手書記生王正生の三人による殺人事件捜査を題材にしたゲームだ。

今作は今まで携帯電話アプリリリースされていたシリーズが遂に家庭用ゲームであるニンテンドーDSで発売されたものが初出で、今までの作品よりも随分と力が入っている。

キャラクタ立ち絵UI、背景絵なども相応のクオリティで、特に準レギュラー矢口床子はオッパイが大きい設定だったことを十二分に披露する良い立ち絵をもらっており、出番の少なさの割に印象深い。

肝心の事件についても、今までより複雑なものになっており文章ボリューム、解くべき謎の量共にたっぷりだ。

まずは、事件捜査を題材にしたネットゲームミスティックオンラインを遊ぶところが始まり、そこでまずオンラインゲーム上の架空事件が発生する。

それに合わせて現実でも似通った殺人事件が発生する。

その上、3年前に起きた放火事件との関連が示唆されていく。

という感じで、都合三つの事件を同時並行的に捜査していくボリューミーな内容だ。(都市伝説として語られる謎の事件とかもあるし)

タイトルにもある「仮面幻影」の名の通り、名前と顔を仮面で覆い、幻影でわかりづらくしているため、中々事件輪郭が見えてこないまま話が進んでいくのも楽しいところだ。

ただ、正直言って、ちょっとこのボリューム感を上手く捌けたとは思えなかった。(シリーズ内での比較であって、ADV全体的に見るとそうでもないので、無茶な挑戦だとは思わなかったけど)

ミステリのネタとしては所謂「意外な犯人ものに分類されると思うのだけど、それに全振り過ぎて、他のハウダニットホワイダニットなどをあまりにもザックリ解決しすぎている。

もちろん、ミステリとして主題に専念することは大事で「そういうものとして飲み込んでくれ」と前提を打ちながら展開する名作は数多くある。

しかし、本作はそのような前提を打つことなく、当初は解くべき謎として提示しておきながら雑に片付けてしまうのがシックリこない。

「意外な犯人」がやりたかったのであればそれ以外の謎については、早々に解決するなり、そもそも謎として提示しないなどの工夫が欲しかった。

捜査した結果が解決に結びついていくのが楽しいのであって、徒労感ばかりが残ってしまった。

シリーズ恒例の癸生川による超能力染みた先回り力によるものなら、シリーズをここまで遊んできた身としては脱力しながらも肯定できたかもしれない。

しかし、そういうわけでもなく、なんというか端的に言ってしまうと、今作の飯綱さんが若干ポンコツ入ってただけでは疑惑すら浮かぶ

科学捜査オチまでいけそうだし。

社会的話題についても、少年犯罪という過酷テーマを扱った割には、消化不良。

というか確かに題材は少年犯罪だけど「意外な犯人」の意外さのために、話がブレてたようにも感じた。

犯罪手段として用いれる人間社会生活を送ることの是非のような、また違ったテーマになっていたかなと。

シリーズ恒例の生王君がわたふたする中、伊綱さんがテキパキ捜査推理をするんだけど、癸生川がちゃぶ台返しをするという構図も、今回のボリューム感では、伊綱君の手際が悪く見えてしまうのが残念。

特に、3年前の被害者と、現在事件の有力な容疑者が、外見的特徴や年齢や名前が同じなのに、苗字が違うからそもそも同一人物だと考えすらしないのは、伊綱さんらしさを全く感じなかった。

というのも、そもそもこの点はミスリードで本題ではないのだから普段の伊綱さんなら最短ルートで辿り着いていただろうし、癸生川に言われて気付くでもなく、単に後から気づくだけなら、それは単に察しの悪いだけではと思ってしまった。

総じて、三つの事件が絡み合うという構図を全部処理しきれていない惜しい作品だった。

シリーズを通しての縦筋も抑え目で、今作のテーマが好きそうな朱の出番が影も形もないのは残念。

いや、っていうか、3年前に道を訪ねて来た謎の女性と、一番最初出会ったゆきいるかの中身と、生王正生ミステックオンラインを送りつけたの奴の正体が朱って設定あるのに語れてないだけだと思うんだけど違うんかな?(次作である鈍色と永劫会で語れるのかな?)

決して面白くなかったわけではなく、良き点もあったんだけど、シリーズを通して上がってきたハードルは超えてくれなかったかな。

2023-03-05

[]3月5日

ご飯

朝:チーズクラッカーコーンスープ。昼:ラーメン。夜:サブウェイ

調子

むきゅーはややー。お仕事は、おやすみ

探偵・癸生川凌介事件譚 対交錯事件

携帯電話配信されていたアプリニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第六弾。

今作はミステリADV王道中の王道ADVやるならこれをやってこそ、満を辞してのマルチサイトだ! マルチサイトとは、小説と異なり、読む順序をある程度ユーザ自由度に任せることができるゲームならではの手法

簡単に言えば異なる主人公シナリオ自由な順番で、それも交互に行き来しながら読むシステムだ。

EVE、街、428、Ever17、ルートダブル、AI2、etc… 僕がオールタイムベストに上げたくなる大好きな名作が数多くあるものの、Remember11タイムトラベラーズのように名作に挑もうとしたが消化不良で上手く扱えなかった作品も幾つか思い付く。

扱いは難しいがハマれば絶大な魅力を持つことになるジャンルだ。

そんなわけで、今回の対交錯事件では、いつメンの二人、助手ながら名探偵顔負けの実力者の白鷺洲伊綱と、プレイヤー投影先となる一人称キャラで察しの悪さが際立つ生王正生いつメン二人の視点を行き来しながら事件に挑む。

伊綱ルートでは準レギュラーキャラ音成コンビを組んで被害者共通点が見当たらない連続殺人事件調査、生王ルートでは行方不明になった大手広告代理店社員捜査を始める。

じょじょに二つの事件が交差し始め、ついに衝撃の真実が明らかになる、という流れ。

低価格ゲームながら、かなり本格的な構造で、先に上げた幾つもの名作と、やりたいことが劣っているとは思わなかった。

この構図自体に何らかの仕掛けがありそうな雰囲気作りも、遊んでいてワクワクした。

マルチサイトといえばコレだよねー、と呑気に思うのもよくないが、交互に視点を行き来するお話しで片方が頑なに交流を拒み出したり電話しか会話しなかったりすると、あらあらまあまあだ。

原作携帯電話アプリなこともあり容量的な制約と戦いながら高度なことをやっており、テキストが魅力の大半を占めるADVからこそ、今この時代(2023年)に遊んでも全く見落とりしない名作の圧を感じた。

とはいえマルチサイト構造を利用した文章記述の仕方による驚きを感じさせる、という一点突破作品で、それが驚いたかどうかと言われると若干悩ましい。

度々この感想で書いているがネタバラしの前に先んじたか/先んじれなかったか、で作品評価する気はなく、ネタバラしで驚かなかったからと言って面白くなかったと言うつもりはない。

(逆に驚いたからと言って評価する気もない)

それはミステリあくま物語ミステリの謎は物語を際立たせるための仕掛けであり、クイズ大会問題や、所謂ナゾトキゲーム」や「脱出ゲーム」の謎とは大きく異なっているためだ。

バランスの難しいところで、本作は少し僕の好みよりもそちらに寄っていたかなと思った。

勿論、物語として情緒を書かせても一線級なのは先の4作目でわかっているので、限られた文量の中で最大限やれることをやった結果なのは伝わってくる。

ただまあ、幾つかの著名なミステリ作品でも、サプライズに振り切って、驚かせたら俺の勝ち、驚かなかったら俺の負け、みたいな態度のもいるっちゃいるような気もするようなしないようなただのサービストークのような何というかなので、難しい問題ではある。

低価格短編ADVとして面白いこと、そうとは思えない高度なことをやっているのは間違いなく事実面白かった。

ミステリにおける物語トリックバランスという、それこそ大山誠一郎米澤穂信一流中の一流でも、読者である僕とのバランス感が違いシックリこないこともある、とても難しい部分での満点ではなかったものの、そもそもこの点を感想に書こうと思うこと自体が、ミステリやってるねえ、感のある素晴らしい出来だった。

これで6作品プレイしてきたが、現時点では一番面白かった。

しかしながら、このシリーズ10作目がヤバいとの前評判から遊び出したこと、今作でもそこへ繋がるキーワードがあり、そちらへのハードルは爆上がりしているのも確かだ。

癸生川凌介シリーズ面白いぜ!

探偵・癸生川凌介事件譚 音成刑事捜査メモ

携帯電話配信されていたアプリニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第七弾。

シリーズ準レギュラーキャラ音成刑事過去編を描く番外編。

今作はかなり箸休め的な内容でボリューム歴代で一番小さく、謎やお話もすごく薄め。

一応過去作のキャラがチラッと登場したりのファンサービスはあるものの、そっと添えてるだけ。

面白くないことはないが流石に文量が短すぎた。

音成刑事チワワと一緒に捜査をする牧歌的雰囲気を楽しめればそれで良いのかもしれないが、生憎僕は小動物が怖いので、物語でもあまり素直に可愛いと思えなかったのも合わない点だ。

これで7作目までプレイしてきて、次はコンシュマー移植でかなり大規模な作品になっているらしい8作目、4作目で示唆されていたあの人の前任者にまつわる9作目、そしてこのシリーズを遊び始めたキッカケでありなにやらすごい展開が待っていると噂の10作目と、ここからはもう遊び回は無いので、緊張感を持ちながら遊んでいきたい。

(パラノマサイトまでに全話遊ぶのは厳しそうだ)

[]3月4日

ご飯

朝:朝マクド(どっひゃー)。昼:ラーメン。夜:アルフォート

調子

むきゅーはややー。お仕事は、おやすみ

探偵・癸生川凌介事件譚 死者の楽園

携帯電話配信されていたアプリニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第三弾にあたる。

すっかりお馴染みのいつメンで、遊園地で起こる事件捜査する。

オンラインゲームを利用した人物の誤認、館モノのらしさを利用してのミスディレクションと、構造の妙を生かしているシリーズで、良い意味ユーザの介入度が低いゲームらしくない作家性溢れる展開が続いていたが、今作はシンプル推理ADVらしいシナリオ

証言を聞いて、物証調査してっていう、お馴染みのやつ。

悲劇を笑い飛ばす癸生川のキャラクタ性に救われるものの、だいぶと重たいストーリーだった。

完全に恒例だが助手白鷺洲伊綱が大活躍するのも、前作で僕が興味を惹かれた矢口床子の再登場、シリーズを通しての前置きや、次の作品へのキャラクタも登場したりと、色々やってきている感じ。

白鷺洲伊綱女性に好かれやすい設定のようで、今作でもスキンシップ描写があるのが良き。

彼女へかなりの偏愛を見せる久美浜ちゃんは、今先だけの出番ではなさそうなので、この辺は要チェック。

短編ADVとしてシンプルながら出来が良いし、アクが無い真っ直ぐした味付けでありながらキチンと作家性をミステリ的なそれでなく、人間確執や恨みの方向で出しているので、ここまで遊んだ中ではかなりど真ん中な位置付けだと感じた。

ただ、流石に三作品目ともなると同じ構図は避けたようで、癸生川によるちゃぶ台返しがなかった。

正直、そのパートこそが他との明確な差異面白味だと感じていたので、マンネリを恐れずやって欲しかった気持ちもある。

とはいえシリーズ作品としての趣が強くなってきて益々楽しくなってきたぜ!

探偵・癸生川凌介事件譚 白鷺に紅の羽

携帯電話配信されていたアプリニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第四弾。

2作目で前振りがあった伊綱さんの過去エピソード

前振りで随分ハードルが上がっていたが、それに相応しい価値のある良いシナリオだった。

感想を書くのが勿体無く感じるタイプ作品で、良い意味でこの余韻を具体的な文章で残したくない。

あらすじとしては、伊綱さんの過去記憶喪失の謎の女性一人称で追いつつ、視点人物の失われた過去と、伊綱さんの家族にまつわる事件捜査するお話

伊綱さんの家族や周辺の人間名前関係性だけが示唆される、本人が登場しないキャラの多さが、視点人物の正体を曖昧にしていくのが、暗中模索雰囲気楽しい

とはいえ、落ち着きそうなところに落ち着いており、そこの意外性や、叙述の方法による誤認を誘うソレは主題ではないのだろう。

かなりど直球ど真ん中に「小説」をやっていて、ミステリ界隈に伝わる有名な嫌味な反転させて「人間が書けている」と評するのが相応しいと思った。

めちゃくちゃな人格で、事件に幕を引くためだけの舞台装置的な名探偵癸生川の出番がほんの僅かなのも、今作はそこがやりたいんじゃないからねっていうことかな。

田舎風景描写キャラクタ心理描写を重ねながら情緒的な文章を魅せるところも多く、他のシリーズとはかなり毛色の違う内容だった。

特に最後の方にあるタイトル意味がわかる構図は、背景絵を使った演出も決まっておりすごく印象的なシーンで感情的に訴えかけられた。

物語冒頭の意味深なやりとりが、最初から全てを語っていたところも、話の順序の工夫で魅せる良きシーンで、思わずクリア後すぐにもう一度最初から遊んで確認した。

探偵縦横無尽自由さを面白がる一作目、本格ミステリのある種の滑稽さを笑う二作目、証言から人間関係を整理していくADV王道をしつつシリーズとしての縦筋の前振りをしていく三作目ときての今作は、シリーズの幅の広さに感心させられた。

探偵・癸生川凌介事件譚 昏い匣の上

携帯電話配信されていたアプリニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第五弾。

今回は、いつメンの出番は少な目で新しい登場人物都市伝説ライター弥勒院蓮児を主人公にした今までは雰囲気の違うお話だった。

都市伝説を扱うだけあってホラー雰囲気で恐ろしいお話が展開していく。

新しいことをやろうとしたからか、気を衒う要素は少なく、良く言えば手堅くまとまっている、悪く言えば事件については見所がなかった。

ミステリ的には疑うべきところを然るべき疑いを持って読めばまあそりゃそうだし、そもそも容疑者の数的にもミステリをやりたいのではないだろう。

合う合わないの個人的な話をし出すと、ミステリとホラー親和性みたいなところに行き着きそうなので、まあ僕の好みではなかったと短くまとめておこう。

ただし、上で事件については見所が無かったと述べたのは、事件以外、シリーズものとしての見所があった。

それが新キャラ弥勒院蓮児が我らが名探偵癸生川凌介ファーストインプレッションの評、

出会った瞬間、なぜかホッとしてしまった。一瞬だが、もう大丈夫だ… という気持ちにさせられた。」という文章だ。

これはなるほどなるほど、癸生川凌介という人間をすごく端的にわかやすく伝える良き文章で、それが初対面のキャラ一人称視点地の文表現されるのが良かった。

これは癸生川凌介への評ではあるが、僕がミステリを愛する理由って要するにコレだよなあ、と思わせられた。

作中でどんな悲惨な恐ろしい事件が起きても、名探偵がそれを引き摺り回し、現実解決可能事件に落とし込むところは、まさに「ホッとする」は良い形容だ。

(ミステリの世界は広いので、ここをズラす名探偵も両手で数えられない程度にはパッと浮かぶけども)

そんなわけで、4作目の過去編に続いて、新キャラの新しい展開と、いつメンミステリがそろそろ恋しくなってきたところで、次の第6作目は王道中の王道を取り扱うようなので、一気にプレイしようと思う。

2023-03-04

[]3月3日

ご飯

朝:なし。昼:サラダスープ。夜:サブウェイ

調子

むきゅーはややー。お仕事は、それなりー。

探偵・癸生川凌介事件譚 海楼館殺人事件

携帯電話配信されていたアプリニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているものの第二弾にあたる。

発生した事件を追うだけだった前作とは異なり、シリーズキャラたちの縦筋になるエピソードもあり、キャラクタに愛着を持ち出せる展開が特徴的だった。

特に前作の感想で僕が気に入ったと書いた助手白鷺洲伊綱は、今作でも大活躍な上に、くだんの縦筋になる布石エピソードもあると、たくさん彼女の魅力を楽しめた。

今回の事件は館モノ。クローズドサークルに、密室殺人、奇妙な構造の館、怪しい招待客たち。新本格ミステリと共に生まれ育った身としては実家のやつ。

開幕早々の建物見取り図を見て、あーアレね、まあ、割と最近も読んだことあるし、やっとかないとねえ、うんうん、と納得した。

納得したのも束の間、いやいや、このシリーズ探偵・癸生川凌介事件譚だぞ、とタイトルをもう一読してから捜査に挑んだ。

ミステリの謎を探偵役より先んじてわかる/わからないに意味はないという建前を思いながらだった。

そんなわけで、王道を楽しく遊べた。

キャラクタの方面では、最初にも書いた白鷺洲伊綱ちゃんの魅力だけでなく、癸生川凌介の身も蓋もない展開も前作以上のスピード感でこれが恒例になりそうな感じが楽しい

シリーズキャラ以外だと、伊綱と妙に距離感の付け方が早かったのと、名前の読み間違いという鉄板面白をやってくれた矢口床子さんが印象強かったかな。

白鷺洲伊綱のテキパキ高速推理からの、癸生川凌介ちゃぶ台返という構造の妙に磨きがかかった良い2作目だった。

3作目や4作目への縦筋の展開も用意されており、続きが気になるので、また近いうちに遊ぼうと思う。

2023-02-26

[]2月25日

ご飯

朝:なし。昼:オムライス。夜:サイゼリヤ

調子

クヨクヨはおしまい

ゲームしようゲーム

探偵・癸生川凌介事件譚 仮面幻想殺人事件

携帯電話配信されていたアプリニンテンドースイッチに復刻したADVで、シリーズ化されているもの第一弾にあたる。

システムシンプルコマンド選択ADVで、複雑なフラグ立てはいらず、真っ直ぐプレイできた。

素っ頓狂で自堕落で豪快で傍若無人名探偵癸生川凌介と、その助手でしっかり者ながら時折暴走する白鷺洲伊綱、彼らの事件ゲームにまとめている主観人物となる生王正生たちが、ゲーム開発者自殺した事件捜査をするうちに、オンラインゲーム中に突然死したもう一つの事件との関連性が見えてくるお話

2時間もかからクリアできるボリュームだが、かなり中身が詰まった肉厚な作品だった。

まずは、オンラインゲーム現実、二つの世界の中で被害者容疑者たちがどのような立場だったかを聞き込みしていき、彼らの輪郭が少しずつ見えてくる捜査パート

元が携帯電話アプリなのでシンプルグラフィックではあるものデザイン意図が伝わる過不足ない立ち絵も用意されている点が、ADVの勘所を抑えている良き点。

そして何より、頭が良く会話の二歩三歩先を行くと自負する伊綱さんのテキスト面白楽しい

まだ一作目だが、もう伊綱さんにメロメロで好きなキャラクタになったのは、この捜査パートでの切れ者描写の素晴らしさ故だ。

ボリュームの容量的な都合という裏事情を感じなくもないが、その点を伊綱さんは頭が良いから一を聞いて十を知るんだよ、としている点はアイデアシナリオの妙が工夫になっていて、僕は好き。

主観人物生王正生は察しが悪くお馬鹿なので、話が先に進みすぎて置いてきぼりにならないバランス感もキチンとある

そして捜査パート終了後の謎解きパートでは、タイトルにもなっている名探偵癸生川凌介が大活躍する。

この謎解きパートが、捜査パートで散々伊綱さんの頭の良さを語っていたからこそキマる、癸生川無双

所謂サプライズ」よりの作風で、事件解決ロジックや意外な犯人というよりは、事件構造自体理解していなかった滑稽さと、それを見抜く癸生川の先を行く捜査と推測が面白かった。

事件重要そうなキーワードをかなりあっさり、犯人関係のない偶然だと断定するところも、偶然であることを示唆しつつも犯罪捜査においてそれを偶然と思うのはよくなさそう、という漠然とした素人目線だとするのが楽しい

捜査パート事件輪郭を浮き彫りにしていく過程が重視され、犯人との対決パートではそこまでで得た証拠で答え合わせをする古き良きADVとは大きく違い、犯人との対決パートからこそ本題が始まるミステリ小説よりの作風だった。

好みは別れそうだが、僕はとても気に入った。

作品移植されており、そこで一区切りがつくようなので、続きも遊んで行こうと思う。

 
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