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2018-07-29

徴兵制日本を救う、らしい。

https://diamond.jp/articles/-/173282  

>>現役兵として徴集されなかった人は「在郷軍人会」という組織に入り、戦時や事変などで、兵力が不足した場合召集された。

>>大東亜戦争中、成人男性の多くが戦地に送り込まれたのは事実だが、戦中だからといって「誰も彼もが戦地に送り出された」というのは、事実に反しているのだ。

2018-06-23

究極的には、

熾烈な競争を勝ち抜いた、

才色兼備男と女を結びつけて

の子供を大量生産すればよいのだよね

それで、国内科学技術

兵力が増強されれば

我々凡人は、働かなくとも

今以上の暮らしができる

時代になるかもしれない

何故、ジャップランド老害

自らの首を締めるのだろうか?

マゾなの?

2018-06-10

anond:20180610020218

僕に考えた『創生の儀』実話

壱人称がソルジャー

神を屠る魔力の拳をやってる帝国第3級市民層のパン屋さんで働く元気だけが取り柄の女の子

グルガン族の男弱そうだね暗闇に沈めぇ! 満身創痍にされるかオ・カーネという黄金に光輝く戦士 出すか選んでね…クク……フハハ……!」と言われて

バイセージ変革の時…その命の灯火尽きるまで殴られ蹴られた上に

ギル込みで兵力も取られたけども

色欲掻き立てる忌まわしきΔ-デルタ-が観測《み》えて人間認識を超えたシウァ=ワセ、神すら恐れる凶刃の一撃…と、されてきた

2018-05-31

改憲派自衛隊米軍ロシア軍になれると根拠なく妄想してる

しまえに無条件降伏して全部放り出したばっかりじゃん

まだその影響で自治権がない状態なのになんで勇ましいことを法律に書いたら日本が有利になると思うわけ?

勇ましいのが正しいならまだ十分兵力があって何で無条件降伏したの

何で戦死した3000000人を見捨てたの

つじつまが合わないんだよ

2018-05-22

anond:20180522123522

・あの盾でモビルスーツ作れば最強じゃね?

あの盾は攻撃を食らえば普通に壊れる

現実に使われてる盾も想定以上の破壊力を食らえば壊れるのは当然

盾が壊れないのはゲームの中だけ

シャア強すぎてもボール1万機でかかればさすがに倒せるんじゃね?

出来るちゃ出来るけど一人倒すのにそんなに兵力を使うのは無駄すぎて現実的に不可能だろう

シャア一人倒しても戦争には勝った事にはならないのでやる意味もない

・接近肉弾戦じゃなくて遠くから狙ってビームとかミサイルで撃って倒せばいいんじゃね?

出来る。ってかガンダムビームライフルで劇中やってる

2018-01-24

教室テロリスト妄想亜種

高校生の時、自称進学校の授業についていけなかった俺はこんな妄想ばかりしていた。

政治行政の腐敗。資本主義による金が金を生む現実。みんな触れたがらないが明らかにある階級格差。過剰な対米従属

現代日本の現状を憂いた俺はこの国を変えるために立ち上がることを決意する。

そしてネット反体制活動をしているうちに憂国の同志達と繋がり彼らと革命軍を結成。発足時メンバー86人。

闇市場から武器を買い集めるなど着々と準備を進め結成2年後ついに実力行使に出る。

2001年2月20日革命軍東京六本木にある米軍施設赤坂プレスセンター攻撃を加え一時占領することに成功

その後、米軍自衛隊攻撃され撤退。俺はなんとか生き残る。

多くの同志が殺害または逮捕され革命軍解散危機に瀕するかに思えたがその勇敢さに感動した憂国の同志が日本中から集まることによりむしろ兵力は増強された。

その後、警察公安、軍による掃討作戦に抵抗しながら蜂起の時を待ち続ける。

そして2008年1月16日新宿渋谷池袋などで革命軍は一斉に蜂起。永田町霞ヶ関へも侵攻。

国の中枢への攻撃民間人大量虐殺により日本は大混乱する。

その混乱に乗じて革命軍臨時政府樹立宣言を行う。

しかし次第に自衛隊米軍の態勢が整い体制側の反撃が始まる。

革命軍ゲリラ戦で抵抗するが相手の圧倒的な火力と人数、練度の差により次々と駆逐されついに一時解散を決定。

池袋戦線にいた俺は奥多摩へ逃亡を始めるが途中で自衛隊に遭遇。近接戦闘になり首を折られて死亡。38歳だった。

俺は死んだので革命軍がその後どうなったのかはわからない。

2018-01-02

日韓対立慰安婦問題解決されない本当の理由について

何度も蒸し返される慰安婦問題執拗韓国市民団体無能に見える韓国政府。どうしようもない韓国人たちという風な報道が連日なされているが、本当に韓国の人々はこうまで醜いものなのか。

分断統治という手法がある。支配する側が支配される側の人々の間の対立あおり、結束できぬようにし、支配者への挑戦を未然に防ごうとするもの陰湿な話である起源古代ローマ帝国にさかのぼる。

アメリカ人ジョージフリードマンが「100年予測」の中でこう書いている。示唆に富んだ記述なので引用する。

・“世界中海洋支配するという、前例のない偉業を達成したアメリカは、当然ながらその支配を維持したいと考えた。これを最も簡単に行う方法は、他国海軍を構築させないことだ。つまり海軍を構築する動機資源を持たせなければよい。“

・“仮想敵国地上戦主体とした紛争に釘付けにして、陸軍兵力戦車軍事予算を吸い上げ、海軍に投入できる予算ほとんど残させない。“

・“地域覇権国になりそうな国を手一杯にさせておくために、いくつもの同盟体制を絶えず組み替えた。“

・“アメリカは強国が出現しそうな地域の安定を乱そうとした。アメリカが目指したのは地域を安定させることではなく、不安定に陥れることだったのだ。“

・“韓国はそれ自体でも侮れない強国だが、その真の重要性は、韓国アメリカにとって強大化する日本への対抗勢力であり、アメリカ日本海勢力を誇示するための拠点だということにある。“

日韓対立が長期化して一番得をするのは誰なのか?この問題の背後にいて対立あおり、焚きつけている者はいないのか?この問いは発し続ける価値がある。

単純な陰謀論に与したいとは思わないが、本当の悪人は意外と善人面・友人面をした連中のなかにいるのかもしれない。

要するに、慰安婦問題日韓対立北朝鮮の核の脅威という問題対処する必要に迫られる人々にとって、アメリカ合衆国は悪の帝国のようなものである

上記のことから、近い将来の出来事について確度高く予測できることは次のとおり。

米朝衝突はない。危機感が高まっても、実際の衝突、核戦争シナリオはそこにはない。

日韓対立はなくならない。領土問題歴史問題は、名を変え品を変えて対立を再燃させ続ける。双方の国のリーダーたちがどんなに努力しても、完全解決はなされない。領土問題歴史問題は、ひどいいいがかりとしか思えなくとも、現状のアメリカ海洋覇権を維持しようとし続ける限り、消えることはない。現状を理解し、上手に付き合っていくより他ない。

支配者面をした傲慢な連中に泡を吹かせられるその日まで、無知な被支配民の顔をして準備を進めることが最善と思われる。

2017-10-26

anond:20171026182537

まあ、「直接的な脅威であれば個別的自衛権がある」というのは同意見です。

そこで集団的自衛権を設定したいのはアメリカ傭兵がほしいんでしょ。アメリカのほうがガチ議論できるから経済的徴兵問題になる。

で、北朝鮮の脅しで日本兵力ガンガン出させて、アメリカ軍隊を出さなくて済むようにしたいからなんだと思います

選挙始まるまでバンバンミサイル飛ばしてきたのに、選挙始まったら脅しばかりで打たなくなったのがそれ示してるでしょう。

北朝鮮国民全部が無視すれば遠回しに9条の問題もなくなると思います

2017-08-30

日本が急激に衰退している理由

結局のところ、ネトウヨは一体いつの時代からタイムスリップしてきたんだというレベルコミンテルン共産主義の残党、中韓のせいにして

ブサヨ日本のクソみたいな商慣行文化のせいだろう、とネットで盛んに言われているが、日本が急速に社会的にも衰退している理由って

単に世界史で見ればわかるが、アメリカ一極体制が2008年に崩壊したせいでしかいからね、実質アメリカ属国なんだからアメリカコケたらそら余波を思いっきり食らったってだけ

そりゃそうでしょ、同じ仕事してても給料収入が半端じゃない速度で平均が落ちてるのもまさにそのせいでしかいからね。

小泉竹中路線から続く、自己責任だの努力不足論者さん、残念でした。何をどう頑張ろうとも、マイナスサムゲーム突入しているだけだから、勝ってるだけでも負けてるのが大半な訳

でも俺は勝ってるって?あのね、あんたらの年収今幾らよ?マイナスサムゲームで勝てるのなら、あんたら10年前同じことやってたなら今頃あんたら億万長者よ?上級国民の末席に入れてたかもしれないのよ?

年収500万平均が今や300万が大半、同じ努力をしても4割近く大半の人間は稼げる利益が減ってるわけ。わかる?4割だよ、4割。

現状維持するだけでも、俺らは40%増しで努力しなきゃいけないわけ、これが、加速度的にこれからもっと増えてくるのよ。

5年後か10年後には、年収300万維持するだけでも、今の150%くらいの努力をしなきゃいけない時が確実にくるわけ。

「じゃあどうすればいいんだ冷笑野郎ペシミスト野郎!」なんていうかもしれないけど、まぁいい年こいてお前ら人にもの聞いてばっかだな、たまには自分で考えたら?と言いたいところだが、ハッキリ言っちゃうとね、勝ち馬に乗ればいいだけなのよね。

つーかさぁ、北朝鮮みたいな吹けば飛ぶようなゴミ国家ミサイルポンポン撃たれて挑発されただけで、空母を回航させるだけで口ばかり勇ましいことしか言えなくなったくらいアメリカなんて、ギリギリまで利用してポイして、他のところへすり寄ればいいだけじゃね?イラク戦争の時なんてさ、あるはずもない大量破壊兵器でっちあげて、速攻で地上兵力数十万も送り込んで、1か月で制圧しちゃってたのに、アメリカもそんだけ凋落してるってわけよ

いつまで落ち目に甘んじてるつもりだ?勝ち馬に乗ろうぜいい加減、お前らだってネットでは弱者をぶったたいて、本当にやべぇ犯罪犯した上級国民は、ガンスルーじゃん、その精神でいけばきっとうまくいくと思うんだけどね、俺は

何でこれがマクロになれば、みんな義理人情に篤い善人面するかわからん、お前らが普段ネットでしてることを拡大しすりゃいいだけだろ?

2017-08-16

https://anond.hatelabo.jp/20170816221505

からだけどお前バカかよ。

絶滅させようっていうのにその人一人自殺した所で日本人絶滅には全く意味が無い。

本気で絶滅させようと思ってるなら、もっと他の方法取らないとダメだろう。

テロも精々数百死ねばいい程度だし、核施設など狙えばまた少しは増えるだろうがそこに行くまでが難しいだろう。

ゲームに出てきた特定言語話者だけ殺す寄生虫みたいな感じとかは日本人絶滅させるとかい目的はいいかもしれないが、そもそもそんなフィクション産物設計するのは無理だろう。

草の根的に個人で出来そうな辺りでは、歴史ある国なら大なり小なり負の歴史を持っているものだしそこから引っ張り出してナチスなどといった絶対悪と同一の存在を見なすように仕向けたりして世界的に日本へのヘイトを高めていって、日本孤立化させ日本人絶滅収容所などを作られても仕方ないあの民族は核で浄化するしかないと思えるようにもっていくのはいいかもしれない。

戦争辺りもいいかもしれないし、前案で世界からヘイトを募りつつ、自国保守派バカにして煽る一方日本の軍国化を批判して兵力を削ぐのが良さそう。その過程内戦で潰れてくれればなおよし。

2017-06-02

http://anond.hatelabo.jp/20170602000031

失業者の吸収のために軍隊を増強する国が現れてその兵力を使って他国侵略する国が現れそう。

あれ?これって第2次世界大戦前のドイツやんwwwww

日本も笑い話じゃすまない、今の日本の情勢を見ると第三次世界大戦を起こすのは日本可能性が高いと思う。

左派が衰退し右派思考の台頭、社会不安秘密保護法テロ共謀罪制定その他諸々戦前日本雰囲気と似ている。

AIの台頭により第三次世界大戦が起きるのは間違いない。

2017-05-19

この条約が締結される頃の東アジア世界は、近代国際法を掲げながら、実際には弱肉強食を旨とする西欧列強が浸透してくる時期にあたる。当時朝鮮は清の冊封国であったが、鎖国政策を国是としていたため、国際交流は非常に限られていた。しかしそのような朝鮮にも1860年代以降国際化の波(外圧)が押し寄せ、海上から西欧諸国が訪れるようになる。朝鮮西欧列強との出会いは、概ね芳しいものではなかった。たとえば1866年にはフランス軍キリスト教徒虐殺事件丙寅迫害)の報復として軍艦7隻総兵力1000人で朝鮮江華島攻撃占領する丙寅洋擾が発生し、1871年にはアメリカ合衆国ジェネラルシャーマン事件1866年発生)の報復として軍艦5隻総兵力1200人艦砲85門で朝鮮江華島攻撃占領を行っている(辛未洋擾)。丙寅洋擾と辛未洋擾は朝鮮通商を行うための侵略であったが却って斥和碑を建てるなど攘夷につながった。

当時朝鮮政権を担っていたのは高宗の実父興宣大院君である清朝から西欧列強情報を得ていた大院君は、断固として鎖国を維持する姿勢を貫いた。これは中国における西欧側の非道を知ったこともあるが、朱子学以外を認めない衛正斥邪という思想政策積極的に推し進めたことから分かるように、大院君は中華思想的発想の持ち主であり、その点から西欧諸国夷狄視していたことも理由の一つである。その強い姿勢は「西洋蛮人の侵犯に戦わない事は和議をする事であり、和議を主張することは売国行為である」と書かれた斥和碑を朝鮮各地に建てたことに窺うことができる。このように当時の朝鮮では攘夷熱が高まっていた。

また朝鮮では、文禄・慶長の役時に、中国朝鮮を守ったため、今回も中国朝鮮を守ってくれるに違いないという立場であり、小島毅は「中国東アジア全体にとっての親分だというのが朝鮮認識ですから親分である中国自分を守ってもらおうとするわけですね」と述べている[2]。

日朝間の懸案:書契問題[編集]

他方、西欧列強が迫っていた東アジア諸国の中で、いちはや開国明治維新により近代国家となった日本は、西欧諸国のみならず、自国周辺のアジア諸国とも近代的な国際関係樹立しようとした。朝鮮にも1868年12月明治政府樹立するとすぐに書契、すなわち国書対馬藩の宗氏を介し送った。江戸時代を通じて、朝鮮との関係は宗氏を通じ行われてきたためであるしか国書の中に「皇」や「奉勅」といったことばが使用されていたために、朝鮮側は受け取りを拒否した。近代的な国際関係樹立は、はなから躓いたといえよう。

この問題は、日朝双方の国交に対する思惑がすれ違ったことが原因である日本側は従来の冊封体制的な交隣関係から条約に基礎づけられた関係へと、日朝関係を変化させることを企図したのであるが、一方朝鮮側はこれまでどおり冊封関係にとどまり、その中で日本との関係位置づけようとしていた。前近代における冊封体制下において、「皇上」や「奉勅」ということばは中国王朝にのみ許されたことばであって、日本がそれを使用するということは、冊封体制の頂点に立ち朝鮮よりも日本の国際地位を上とすることを画策したと朝鮮は捉えたのである

なお近代以前の日朝関係については朝鮮通信使に詳しい。

征韓論を唱えた西郷隆盛。ただし江華島事件及びその後の日朝修好条規締結に対して義に悖ると批判していた。

1868年以来、何度か日本から国書がもたらされたが、日朝双方の思惑の違いか両国関係は円滑なものとは言えなかった。書契問題を背景として生じた日本国内における「征韓論」の高まりに、大院君が非常な警戒心を抱いたことも一因である。また釜山においては日朝両国官僚同士が険悪となっていた。長崎出島のごとき釜山倭館限定した国交を望む朝鮮側と、対馬宗氏から外交権を取り上げて外交を一元化し、開国を迫る日本との間に齟齬が生じたのである釜山倭館朝鮮側が日本特に対馬藩使節商人を饗応するために設けた施設であったが、明治政府対馬藩から外交権を取り上げ、朝鮮との交渉に乗り出そうとした。その際、倭館をも朝鮮側の承諾無しに接収日本公館としたことから事態悪化したのである。結果、必要物資供給及び密貿易の停止が朝鮮から宣言される事態となった。

日本側も単に国書を送りつけるだけだったわけではない。版籍奉還という日本国内の難問を無事に乗り越えた1870年朝鮮との国交交渉を有利にするため、冊封体制の頂点に立つ清朝と対等の条約日清修好条規を締結した。これにより冊封体制の維持を理由に国交交渉忌避する朝鮮を、交渉テーブルに着くように促したのである

1873年に対外強硬派の大院君が失脚し、王妃閔妃一派が権力を握っても、日朝関係は容易に好転しなかった。転機が訪れたのは、翌年日清間の抗争に発展した台湾出兵である。この時、日本朝鮮出兵する可能性を清朝より知らされた朝鮮側では、李裕元や朴珪寿を中心に日本から国書受理すべしという声が高まった。李・朴は対馬藩のもたらす国書に「皇」や「勅」とあるのは単に自尊意味するに過ぎず、朝鮮に対して唱えているのではない、受理しないというのは「交隣講好の道」に反していると主張した。これにより朝鮮側の対日姿勢がやや軟化した。

条約締結までの経過[編集]

国交交渉[編集]

国交交渉再開の気運が高まり1875年交渉が行われた。日本側は外務省理事官森山茂と広津弘信、朝鮮側は東莱府の官僚交渉テーブルに着いたが、やはり書契に使用される文字について両者の認識に食い違いが生じた。この他森山洋服着用など欧米スタイルを貫こうとする姿勢朝鮮側が嫌悪感を示したことで交渉ははかばかしくなかった。交渉の停滞に業を煮やした森山4月には砲艦外交を行うことを日本政府に上申した[3]が、三条実美の反対があり、川村純義の建議により日本海軍砲艦二隻(雲揚および第二丁卯)が5月派遣され朝鮮沿岸海域の測量などの名目示威活動を展開した。その後雲揚は対馬近海の測量を行いながら一旦長崎に帰港するが、9月に入って改めて清国牛荘(営口)までの航路研究を命じられて出港した。

江華島事件[編集]

詳細は「江華島事件」を参照

9月20日首都漢城に近い江華島付近で、雲揚所属の端艇が朝鮮砲台から砲撃を受ける事件が発生した(江華島事件)。雲揚は反撃し、永宗島要塞を一時占領、砲台を武装解除し、武器旗章楽器等を戦利品として鹵獲した。この事件における被害は、朝鮮側の死者35名、日本側の死者1名負傷者1名(のち死亡)であった。事件朝鮮側が日本海軍所属軍艦と知らずに砲撃してしまった偶発的なものとされ[4]、この江華島事件の事後交渉を通じて、日朝間の国交交渉が大きく進展した。

条約交渉における日本側の基本姿勢[編集]

ボアソナード

明治政府のお雇い外国人ボアソナードは、事件を処理するために派遣される使節への訓令について、以下を決して朝鮮に譲歩すべきではないと具申した。

釜山・江華港を貿易港として開港する。

朝鮮領海航行の自由

江華島事件についての謝罪要求

またこれらが満たされない場合軍事行動も含む強硬外交姿勢を採ることをも併せて意見している。これらの意見ほとんど変更されることなく、太政大臣三条実美を通じて訓示に付属する内諭として使節に伝えられた。さら朝鮮に対する基本姿勢として、三条はこの江華島事件に対して「相応なる賠償を求む」べきとしながら、使節団の目的を「我主意の注ぐ所は、交を続くに在るを以て、・・・和約を結ぶことを主とし、彼能我が和交を修め、貿易を広むるの求に従ひときは、即此を以て雲揚艦の賠償と看做し、承諾すること」だと述べていた(強調、加筆者)。これは欧米列強干渉を招かないよう配慮すべし、という森有礼の言が容れられたものである

さらボアソナードのいう軍事行動も含む強硬外交姿勢も、日本は忠実に実行に移している。使節団一行には軍艦兵士の護衛がつき、威圧効果朝鮮側に与えようとした。また交渉が決裂した場合に備え、山縣有朋山口県下関に入り、広島熊本両鎮台の兵力をいつでも投入できるよう準備していたのであるさらにいえば、日本砲艦外交姿勢は無論朝鮮の屈服を促すものであったが、同時に日本国内の「征韓論」を唱える不平士族の溜飲を下げることも狙ったものであった。

ただこのように軍事的高圧な姿勢を表面上見せながら、当時の日本は軍費の負担という点からいって、戦争が好ましいとは考えていなかった。また戦争の発生がロシア清朝の介入を許すきっかけになるかもしれず、その点からも極力戦争は避ける考えであった。

以上をまとめると日本側の交渉の基本姿勢は、以下の二点に集約される。

砲艦外交を最大限推し進めながら、実際には戦争をできるだけ回避すること。

江華島事件の問罪を前面に押し出しながら、実質的には条約を締結し、両国の懸案で長年解決しなかった近代的な国際関係樹立すること。

また対朝鮮政策は、実質的には朝鮮宗主国である清朝政策でもあり、清朝干渉をなくすべく事前に清朝の大官たちと折衝を重ねることも日本は行っている。19世紀欧米列強アジア侵略に対抗するため、清朝朝鮮ベトナム琉球などの冊封国保護国化あるいは併合することによって皇帝を中心としたアジア伝統的な国際関係をそのまま近代国際関係へと移行させて清の地位と影響力を保持しようとし、冊封国に対して保護国化、モンゴルチベット新疆などの保護国に対しては植民地化を強めようとしていた。

この時期の東アジアは、日中朝そして西欧列強の間における複雑な絡み合いが相互作用する場が形成されつつあった。日朝間の国交交渉再開もその結果としてもたらされたものであると同時に、また別の歴史事象の原因でもあったのである

2017-04-12

アメリカの実力をもってすれば北の体制を潰すのはたやすい、が…………

問題は”どうやって”北朝鮮体制を潰すかであり、もっと言うならば”どうすれば、体制崩壊の混乱に伴い核&ミサイル技術流出を避けられるか”だ。

元増田も指摘している通り、結局のところアメリカ北朝鮮無視できないのは核兵器&それを運ぶ技術弾道ミサイル)を持っているからだ。その点に異論は無い。

だが、不確定要素は多いにせよ、まだ北朝鮮しか技術を持っていないならば、差し迫った脅威にはならない。

金正恩にしても別に自分の命に代えてもアメリカ人or日本人絶滅させねばならない』のようなことを考えているわけではなくあくま自分たちの生き残りを考えていて、

同時に「核を使ったら流石にアメリカ無視できないし、それで全面戦争になったら自分たち絶対に勝てない」と金正恩は考えているだろうことを踏まえてアメリカ中国も動いている。

「北が核を使えば、アメリカ武力行使する」。相互確証破壊とはそういうことだ。

この前提が通用しなくなるのはどういう時かというと──北朝鮮がよく分からないけど物凄い勢いで国力を伸ばしたらそれはそれで覆るが、それは十年二十年どころかもっと先の話だ──核とミサイル技術流出する状況だ。

中国ロシアは、この点において北以上の技術を持っているから今更流出しても変わらない。韓国日本流出した場合、多少のパワーバランスの変化は起こるだろうが、それも喫緊の脅威ではない。

アメリカにとってもっとも困るのは、技術テロリスト流出する場合だ。

先述したとおり、「北朝鮮が」核を使ったならば北朝鮮報復攻撃すればいい。だが、テロリスト北朝鮮から流出した核技術を使い、アメリカ欧州日本テロを起こしたら、どこへ報復攻撃すればいいのか直ぐには分からない。相互確証破壊が成立しなくなる。

からアメリカは単に北朝鮮を潰せばいいというものではない。問題は、北朝鮮崩壊の混乱に伴い、核燃料や技術テロリスト流出する可能性を可能な限り潰さねばならない。

そちらの十分な目処まで現時点でついているのかというと…………おそらくCIA案件から読みきれないが、一朝一夕にその目処が立つとは思えない。

からもしアメリカ北朝鮮全面的に(陸上兵力まで投入して)潰しにかかるとすると、『オバマ政権時代から流出を阻止する目処は立っていたが、政権として武力行使をためらっていた』というケースだろうか。

もちろんこれは、空爆ミサイルによる核関連施設への攻撃可能性は除外しない。

http://anond.hatelabo.jp/20170412085744

2017-04-04

右に行っても左に行っても戦争ルート

北朝鮮が核持ってるとかアメリカが急に騒ぎ立てはじめたのって過去イラク大量破壊兵器持ってるとか言い出したのと一緒で、第二次朝鮮戦争の前フリだよね。

さらにその戦力はアメリカ自身兵力じゃなくて、教育勅語みたいなものをまた掲げだす右傾化の流れを利用して、日本人兵力として使おうとしてるよね。

左の方々は、沖縄からアメリカ軍撤退させようとしてるけど、ここのアメリカ軍が空白になれば、ある日突然、中国沖縄実効支配するシナリオも成立する。

この日本の右と左は保守とか革新とかではなくて、右は地図上の右、つまりアメリカ従属する勢力、左は地図上の左、つまり中国従属する勢力、だよね。

そんで右も左も、日本人戦争に巻き込むシナリオに向かって進んでいますけど、ぞっとするのは自分だけ?

日本は、米中の軋轢のど真ん中にいて、韓国THAAD配備に対する中国報復とか、他人事ではありませんぜ。

2017-03-29

anond:20170329102739

日本一国で中国に対抗するのは難しいか集団的自衛権なんでしょ?

それを反対していたのは左翼

彼等は個別的自衛権でいいって言ってたじゃん?

はっきり言って、個別的自衛権のほうが徴兵制しないと兵力足りないと思うけど?

矛盾してるんだよ

2017-02-05

[]赤道防人

 モレツ帝国とテイジー同盟が接触したとき、国力においてモレツ帝国は圧倒的な優位に立っていた。

 その差を埋めた要素の一つは、強制的冬眠打破によりモレツ帝国内部で社会不安が増大していたことだ。

特に過酷赤道地帯勤務に不満をもつ兵士は多く、反乱の温床になっていた。

赤道地帯での勤務にはセックスアピールとなる長い毛を短く刈らねばならないことも彼らの不満を強めた。

 これではテイジー同盟征服するどころではない。

仮に征服成功しても遠征軍がそのまま反乱軍と化すことを帝国政府危惧せざるを得なかった。

 一方のテイジー同盟は語り継がれてきた帝国の脅威を一体感の糧にした。

それだけではなく、一年仕事をせざるをえない赤道地帯防人

健康活動させるための方策を生み出した。

 これは高山地帯を冬の代わりに利用するものだった。

冬眠必要兵士はかわりばんこに高山に登り、長く深い眠りにつくのだ。

 こうしてテイジー同盟軍は北の防人士気一定に保つことに成功した。

また、冬眠中の兵士が予備兵力となり敗戦による全軍の壊滅をふせぐ効果も期待できた。

 それは兵力分散と裏表ではあったが……。

http://anond.hatelabo.jp/20170204174627

2016-08-23

通常兵器効果があるなら最大火力?

から「後から判明したこと」から遡って「なぜあのときああしなかったの?」と言うのは無しでいこうよ。小学生じゃないんだからちゃんとストーリーの中での必然性を語ろうよ。

エネルギー切れるまで打たせろ」→ゴジラが一通り東京荒らし尽くして制止している状態が「休眠」であると「仮定」できるようになって初めて言えること。それ自体ゴジラ停止から数日後でしょ。

無人機使ってから誘導兵器云々」→だからそれも後出し軍隊同士の戦争じゃなく「どんな進化するかわからない不明生物」との戦闘なんだって相手の出方が全く予想できない状態で「相手停止!一斉攻撃!」なんて指揮したらそれこそ負けフラグのものでしょ。ましてそこに「群体化・有翼化」なんて可能性が出てきたら、確実に「通常兵器による攻撃差し控えよう」という判断になるわ。

「休眠してる間に次なる進化可能性を誰も考慮してないの?」→だから、それがあったからこその国連の「核攻撃やむなし」って判断でしょ。ちゃんと見てた? その考察あったから安田くんも「そりゃ選択肢としてはある」って言ったんだよ。むしろ、群体・有翼化して四方八方に飛び散るかもしれない(そして各地で再び巨大化するかもしれない!)生き物に対して、あなたが「物量作戦空爆が上策」と思ってるのが不思議で仕方ないよ。

結果論結果論、そして穴だらけの考察あなたの書いてることは、普通に全てシナリオの中で解決がついてることばかりだよ。あなたが「おかしい」と感じるのは、端的に言って読解力不足のせいなんだよ。

ハッキリ言うけど、そもそもあなた最初は「群体・有翼化」の話が作中で出ていたことを完全に見落としてたでしょ? そのレベル記憶作品の「あれがおかしい、これがおかしい」と言うのはちょっとどうかと思うよ。

それにね。「シン・ゴジラ」のラストは、「みんなでゴジラ倒したったwwwやったぜww」じゃないんだよ。あなたはそれさえ分かってないんじゃないの? ラストシーン尻尾の大写しは、最後最後で「ほんとにギリギリ幸運による成功だったに過ぎない」「一歩間違えたら最悪の事態だったかもしれない」「しかもその悪夢はまだ終わってないかもしれない」ってことをあの映像で観ているものに見せつけて、最後にゾッとさせる系のエンディングだったんだよ? 人類ゴジラ禍をまだ全然逃れ得ていないし、だからそもそも「あの攻撃が後から見てもベストでした」なんてこと、映画の中でも誰も言ってないしそういう作りにもなっていない。ただ「その時点その時点で得ていた情報の中で、各自が最適を選びながらがんばった」という話だったんだよ。各自の行動に、ストーリーご都合主義的で不自然かつ間抜けな見落としはほとんどない。そういった完成度の高さも、あの映画評価されてる一因なんだよ。

もちろん、本当のところ映画制作の都合上「そう言いつつも、この絵を見せたいからこうしたんだよねー」という部分は、そりゃある。映画からね。「リアル」と「リアリティ」は違うからね。ただ、その嘘の見せ方自体もかなりうまかった。納得して許せるなと思えるレベル。その意味で、あの作品の防御力はゴジラ並に堅い。だから、あの映画に切り込みたいならもっと違った角度、切り口、意表をつくアプローチ必要なんだよ。

http://anond.hatelabo.jp/20160823104151

なお、タイトルの「通常兵器による最大火力」について一言考察。ここからはオマケ。

アメリカには「通常兵器有効」だというデータはあったのだろうけど、それに加えて、ゴジラレーダーのような能力を備えることまで予測していたのかもしれないね。でないと『同質量の金と同額』とまで言われる世界一高価なステルス爆撃機B2を(しかも3機も!)投入するのは不自然から。そして爆撃に使用するのは外しようのない、最大火力の誘導兵器である地中貫通爆弾バンカーバスター

まり、この時点ですでにアメリカは「普通に適切と考えられる最大の兵力」を投入してるんだよね。しか当事国同意を得ないうちに素早く。アメリカいか危機感をもち早期収束を焦っていたかが分かるね。しかし、そんなアメリカですら残念ながら予測できていなかったことが二つあった。「ゴジラ攻撃の対空レーザーへの進化」加えて「バンカーバスターで貫くことはできても死なないどころか怒らせただけというゴジラ身体構成(結果、馬鹿みたいに被害火災とおそらく放射能汚染)が拡大)」という2点。この2点のミスは致命的でかなり痛い。結果、米軍全体でも21機しか保有しないB2のうち3機(しめて約5000億円?)とその搭乗員を失い(エリート爆撃機乗員6名以上…プライスレス)、同盟である当事国の首脳陣をほぼ全滅させ(プライスレス)、同首都に壊滅的な打撃を与え(東北震災の約10倍としてざっと数百兆円? 円と株の暴落による世界経済への影響は…少なくとも米国債ドル暴落にも歯止めかからないレベルの打撃はまさにプライスレス)…。これ、単なる「攻撃作戦失敗」の域を越えてるよ?! いくら大統領に巨大な権限があるとしても「判断ミス」追及されたら辞任どころか死刑になってもおかしくないくらいの大失態だよ? ゴジラ対処する必要がある超非常事態からこそギリギリ責任問われずに済んでるけど。結果、アメリカ自分判断では動けなくなり、国連主導の解決策に移行するしかなくなった。その国連判断が、中露という地勢的に近隣な国々を中心とした「核攻撃止むなし」という結論であって、「通常兵器でなんとかしようとしてた前半」と「核攻撃止むなしの後半」では主体が変わってることもけっこう重要ポイントですね。

2016-07-08

http://anond.hatelabo.jp/20160708010449

ググレカス曰く「ほかにすることはないのですか」

大韓民国憲法

http://www.geocities.jp/koreanlaws/kenpou.html

朝鮮民主主義人民共和国憲法

http://www.geocities.co.jp/WallStreet/3277/2013kenpou.html

ドイツ基本法

http://www.fitweb.or.jp/~nkgw/dgg/index.htm

ネーデルラント王国基本法

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8186538

北大西洋条約

http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/docs/19490404.T1J.html

国際連合憲章

http://www.unic.or.jp/info/un/charter/text_japanese/

2016-06-22

諸君、私はおっぱいが好きだ

諸君、私はおっぱいが好きだ 諸君、私はおっぱいが好きだ 諸君、私はおっぱいが大好きだ

女性が好きだ ブラジャーが好きだ 乳首が好きだ 乳房が好きだ 母乳が好きだ

街頭で 満員電車プール職場二次元

この地上に存在するありとあらゆるおっぱいが大好きだ

静脈が浮き出るほど白く丸いおっぱいが好きだ 乳房ブラジャー水着から横にはみ出てる時など心がおどる

お椀型の形のいいおっぱいが好きだ 自分の顔を包みこんでくれたときなど胸がすくような気持ちだった

初めて見せた乳首が好きだ 穢れを知らないピンク色だった時など感動すらおぼえる

吸いつき次第に乳首が固くなっていく時などもうたまらない 後ろから手を回し持ち上げるように揉んだのは最高だ

貧乳派がステータスだとか言ってるのを 巨乳画像をみせて虜にさせた時など絶頂すら覚える

服の隙間から見える素敵な谷間が好きだ 寄せて上げて作ってるだけと知るのはとてもとても悲しいもの

圧倒的な質量おっぱいが好きだ ただ垂れてるだけと卑下されるのは屈辱の極みだ

諸君 私はおっぱいを 白く丸くメロンの様なおっぱいを望んでいる 諸君 私に付き従うおっぱい好きの諸君 君たちは一体何を望んでいる? 更なるおっぱいを望むか  糞の様なおっぱいを望むか? 張りがありつつも柔らかくマシュマロのようなおっぱいを望むか?

おっぱい!! おっぱい!! おっぱい!!

よろしい ならばおっぱい

だが、夏の浜辺で、満員電車で揉みたい欲求に耐え続けて来た我々には ただのおっぱいではもはや足りない!! 大おっぱいを!! 一心不乱の大おっぱいを!!

我々はわずかに小数 貧乳女性に比べれば物の数ではない だが諸君一騎当千おっぱい星人だと私は信じている ならば我らは諸君と私で総兵力100万と1人の変態集団となる 我らを忘却の彼方へと追いやり、貧乳派を叩きのめそう 髪の毛をつかんで引きずり下ろし 眼(まなこ)をあけて思い出させよう

連中におっぱいこそ女性象徴であることを思い出させてやる 連中に人類おっぱいで育ってきたことを思い出させてやる おっぱいには奴らの哲学では思いもよらないロマンがある事を思い出させてやる 1000人のおっぱい星人集団で 世界おっぱいで埋め尽くしてやる

目標 裏垢女子

おっぱい作戦 状況を開始せよ

征くぞ 諸君

2016-06-21

[]21:増田公方

 一年以上の準備期間を費やして増田連合軍北方異民族追討の兵をあげた。

遠征軍には中心的な増田四家の当主がすべて参加し、統治の安定ぶりを誇示している。

会談では他家に強敵を任せる流れだった増田家(四)も戦後立場を考えれば一家だけ参戦しない判断はできなかった。

そこまで読んでの決断なら増田家(八)の当主は大した奴だと、ちんぽこ将軍は半ば安心していた。

 遠征軍には他の増田家に連なる人間も、北は増田軍(三)ごと降伏した増田家(一)の亡命武将から

南は降伏以来実家に帰っていない増田家(士)の敗戦処理当主まで参加していた。

増田家(六)は増田家(四)の当主兼任

 彼らの総兵力は二十万に達する。まさに増田島の総力を結集した史上初の増田連合軍と言えた。

 二十万人の増田増田領(一)と増田領(三)の境界をなす増峠、その南に広がる大きな盆地邀撃の陣を構えた。

 増峠を越えてやってきた北方異民族軍勢が、平原の北を赤黒く染める。

傭兵を導火線に、全球的な寒冷化に押されて、南下してきたなどの同情できる動機は彼らになく、欲得ずくである

北方異民族支配階級は南からイノシシの子供を輸入し、

肥育したものを潰して塩漬けにし、金の容器に封入保存する風習で知られていた。

 これは缶詰の起源ともされるもので、彼らの文化はともかく、技術は決して侮ることはできない。

また増田島にはない特有兵科を持っていた。

 ?騎兵である

増田島の住民が知らない角のやたらと大きく広い動物?を騎乗可能品種改良したもの騎兵で、威圧感は馬の比ではない

中にはチャリオット形式の敵もいて、赤い服をまとった御者の姿は、何故か増田たちの本能的な殺意を呼び起こした。

 両翼に展開した?騎兵相手取るのは、カラトラヴァ騎士団増田騎馬軍団だ。

尤も、彼らの数はどんなに集めても合計で五千を超えないので左翼に集められている。

右翼には各家から集中された騎乗士を、前列に配置された武熊が補強する状態だった。

 目算では敵の?騎兵は左右共に一万から一万五千。これに数千の軽装歩兵が加わっている。

味方は右翼騎乗士一万に武熊五十頭、左翼騎士団三百に騎馬軍団四千五百、その他が五千であった。

 バックボーン構成する歩兵の数では増田連合軍が確実に上回っている。

上回るように動員し、補給体制を整えてきたのだから劣勢だったら大問題であった。

前衛言い出しっぺの法則増田家(八)本国衆四万がつとめる。指揮官増田出羽守

「このいくさに勝てば、殿が増田家(四)の姫を紹介してくれる……」

 独り言をつぶやいているのは、おめでたいからではなく、恐怖をまぎらわすためだ。

十万人に迫る目前の異民族

https https」「スマフォ」「ニッキニッキ」「タノシクタノシク」

などと口々に意味不明言葉供述しており、受け身の意識でいると狂気に引き込まれる。


特にwww」や「//」と笑ったり恥ずかしがったりしている輩が憎々しいでござる。

 笑ったり恥ずかしがったりできなくしてやるでござる!」

 増田出羽守の後方で増田家(五)の先鋒をつとめる増田左混は言った。

江川の敗北で一時干されていた彼であるが、大軍をひきいた経験はやはり貴重なため、起用されていた。

彼は転がり込んできたカラトラヴァ騎士団と合同訓練を積むことで戦術視野を広げていた。

 中軸を構成する増田軍(五)全体の兵力比較戦場に近いこともあり五万を数える。

彼らの領土は一度も本格的な戦闘舞台になったことがなかった。実に幸せな家であった。


 増田左混の右手には増田家(四)を中核とする歴戦の精鋭たちがいた。

「昔は傭兵にしていたくらいで話が通じる連中だったので候が、そやつらがさらに遠方の異民族まで呼び集めたようでござる」

 増田家(一)の亡命武将が、当主説明する。峠の向こうが冬の間に地獄になったことを想像しながら、

長い準備期間を耐えてきた彼はこのいくさで退くなら果てる覚悟を決めていた。

 戦意の高すぎることが心配される増田軍(四)は合わせて三万であった。

なお、増田軍(四)には旧増田領(二)などに展開している他の部隊存在する。

「ついに増田島を縦断してしまった……」

 反対側の中央左翼よりには増田家(十)の当主がいた。故郷が遠く、別に海上輸送負担があるため、彼らの軍役は軽い。

武熊がトラウマになっている旧増田家(九)家臣団も寄騎につけられて総勢三万だった。


 最後増田家(八)当主がひかえる後衛には、四万人が集まっている。

輜重兵が一部混じった雑多な集団であり、味方にはあまり期待されていなかった。

「この地は我々のシマだ(お腹グルグルしてきた……)!!」

 実はこの当主戦術レベルで戦いに参加するのは初めてだった。


 最初に動いたのはもう一つの部外者であるカラトラヴァ騎士団だった。

恐怖を知らない騎士たちは三十倍を超える敵にむかってまっすぐ突っ込んでいく。

「キホウキホウ」「ツカエツカエ」

 敵はおめきながら迎撃の体勢を整えた。先頭をはしる騎士団グランドマスダーは異国語で部下に叫ぶ。

「カラコール戦法だ!」

 彼が槍を掲げると騎士たちは一斉に顔を左手のあらぬ方向にねじ曲げた。そちらに指をさす。

「「あっ!!?」」

 言語の壁を通じて通用するしぐさをみて、?騎兵たちは一斉に右手をみた。

「「??」」

 何もないことを不審に思って視線を戻した先には視界一杯の白銀騎士たち。

 ごあ、ぐあっしゃゃあああああん!!

 耳を聾する轟音をかなでて敵味方が激突する。?の大きな角も馬にまで装甲を施したカラトラヴァ騎士団相手には障害にならず、敵の右翼は切り裂かれた。

 彼らがこじ開けた突破口を五千の騎乗士が拡張する。一方、増田騎馬軍団は大きく左に回り込む機動をおこなった。

騎士のいない反対翼の戦いは増田連合軍の有利には展開しなかった。

「com.com.」

 ?チャリオットが耳障りな音を立てて迫り、旋回しながら武熊に矢の雨霰をふらす。

「ぶおっ、まおっ」

 武熊たちは腕で頭をかばい、いやいやをした。さらに射られるとたまらず敗走する武熊が現れる――味方の方向へ。

「こっちくんな!」

「やっぱり武熊は増田の敵」

「敵に回すと恐ろしいが、味方にしても頼りないっ!」

 武熊とハサミは使いようなのだが、右翼騎兵勝手なことをわめいて混乱をきたした。

そこに?騎兵たちが威勢よく突っ込んでくる。

「「うわあああああっ」」

 戦場東側での戦いは幸先の悪いものになった。

「すべての増田が我らの背中をみているぞ!」

 増田出羽守は由緒正しいスカラベの前立てを部下に向かって反射させ、刀で敵を指し示した。

五万の雑魚ナメクジがうねうねと敵に向かって進む。時折、敵味方の矢が飛び交い、飛翔音が恐怖を煽り立てる。

至近距離に近づいたことで増田兵は黒い毛皮をまとった敵の中に、本物の生きた毛皮が混ざっていることに気付いた。

「敵の武熊だ!」

「いや、セルクマだ!」

 そいつの身体は増田島の武熊より一回り大きかった。しかも、暴れた時の危険無視して敵兵が大武熊の近くにまとわりついていた。

増田たちはさっそく脱糞する。それでも槍にすがってへっぴり腰で向かっていく。

「イチランイチラン!」「モウケモウケ!」

 異民族は突然騒ぎだし増田の肝をつぶした。ほとんど気を呑まれ状態中央での戦いがはじまった。

右翼の連中は何をやっておる!」

 増田ちんぽこ将軍右翼崩壊をみて叫んだ。事前に打ち合わせた作戦があっさり台無しになってしまった。

「右を向けぇい!」

 烏合の騎兵集団を破砕した敵の?騎兵が奇声をあげて駆け寄ってくる。三万の歩兵は味方の右側面を守るために戦いはじめた。

「やっぱダメだ~~っ」

 同じ頃、中央でも増田家(八)軍団が後退に追い込まれていた。

あれだけ意気込んで進んだのに、撃退されるとは情けない。

負け上手の増田出羽守は無理して流れに逆らうことはせず、部下と一体になって逃げた。

「姫との結婚は無理でござるな……」

 敵の中央はいきおいに乗って増田連合軍を追ってきた。増田家(五)が汚れた尻拭いに割ってはいる。

「必ず負ける兵は必ず勝つ兵と同じ。やはり、軍師にとっては使いやすいわい」

 増田匿兵衛はうそぶいて銅鑼を鳴らせた。前衛が引き出した敵を左右の歩兵が側撃する――計画だったのだが、右側は?騎兵への対処必要だったため機能したのは左側の増田家(十)軍団だけだった。

「放てぇ~~っ」

 自慢の手銃が火を吹き、防備の薄い斜め右から撃ちまくられた蛮族がバタバタ倒れる。

コミュニケーション不能な連中もさすがに怯んだ。そこに増田家(士)の尖兵が斬り込んでいく。

「……この兵があれば天下も狙えたはずでござるが」

 自分のではない脱糞臭いがして、増田中弐は邪念を追い払った。

 戦場西側では増田軍が圧倒していた。鋼鉄戦士たちが?騎兵中央を食いちぎる一方で、増田騎馬軍団が側面や背後に回り込み、騎射で滅多撃ちにする。

増田島の湿潤な気候が蛮族の合成弓にあわなかった影響もあり、一方的射撃戦になる。

 このまま敵の後方を回り込んで、東の騎兵戦も勝利に導けば完勝。

そんな、計画だったのだが、味方の右翼時間稼ぎに失敗したため計画根本から狂っている。

喧騒の中、増田騎馬軍団指揮官たちは、その事実を忍びに聞かされた。

「父上!」

 ある増田騎馬が北を弓でさした。増田典厩は頭をつるりと撫でる。

「まったく、とんだぢゃぢゃ馬ぢゃわい……」

 増田騎馬軍団はじゃじゃ馬が導く方へ進んだ。

 増田軍(四)は敵左翼騎兵の攻勢をしのぎ続けていた――むしろダメージは?騎兵の方が大きかった――が、

動力にまさる敵の動きを拘束することはできず、敵左翼の一部はついに本陣にまで乱入してきた。

精強な増田軍(四)に近い右寄り本陣をおいた方が安全という読みが裏目に出た。

「うろたえるな。うろたえるではない!」

 と叫ぶ増田家(八)当主が一番うろたえていた。尻は腸そのものを体外に排出してしまった感触だ。

ナマコならそれを囮にして逃げるのだが、最高司令官ともなれば、そういうわけにもいかない。

「ipip!」

 馬廻りが角の派手な?騎兵相手にしている間に、随伴していた軽装歩兵が足下まで迫ってくる。

「ひかえろ、下郎が!!」

 当主悲鳴をあげると、腰の大業物を抜いて、一刀のもとに小鬼を斬り捨てた。

!?

「://」

 敵は一瞬硬直する。増田家(八)の当主はかつて伝説的な剣士師事し、

免許皆伝を受けた腕前であり、その太刀筋は異様に鋭かった。

「ぬりゃ!てりゃっ!」

 漏らしながらも、バターのように雑魚ナメクジを斬りまくる。

「それ以上、いけませぬ」

 太刀が刃こぼれだらけになったところで馬廻りが主を止めた。四万の後衛は?騎兵を軒並み倒しおえていた。

普段輜重を護衛している彼らが、増田家(八)では最精鋭なのであった。

輜重が奪われない信頼があるからこそ、増田軍(八)は安心して戦えた(負けられた)。

そして、彼らが防衛された食糧を期待して本隊への合流を目指すことで全体が敗北から早期に立ち直るのであった。

 だが、やはり実戦経験の乏しさは問題であり、頭領がみずから戦う事態後衛はそうとう混乱していた。

そんな最悪のタイミングで敵中央から東にこぼれた大量の歩兵軍団が襲いかかってきた。

 最初東西に引かれていた戦線はいつのまにか、南北に引かれる状態になっており、本陣最右翼最前線だった。

敵味方が増田左混が戦っているあたりを中心にして、回転扉のように右回転した結果である

「ここは一旦、お引きを」

 増田匿兵衛が進言する。当主は言い返しかけたが考えを改めて軍師にしたがった。

くそっ」

 当主の隣で馬を攻める軍師は尋ねた。

「お腰の物は味噌ですかな?」

「……たわけ。うんこに決まっておろうが」

「某もでござる」

 見ると増田匿兵衛も漏らしていた。

 大将敵前逃亡したことで増田連合軍士気は低下、思い思いの方向に退却をはじめた。

あくまでも退却をこばんだ増田家(一)の旧臣たちは敵に突入して討ち死にを遂げた。

「むごい……」

 と漏らしつつも、増田家(四)の当主も、死兵の抵抗を利用して戦場から離脱した。

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2016-06-19

[]19:増田の共謀

「どういうことぢゃ!?

 増田典厩はひさしぶりに実家に帰ってきた娘を詰問した。彼女はまず平伏した。

 首尾良く増田家(八)内部に入り込んだ娘は増河の合戦時点では正確な情報を送ってきていた。

そのおかげで増田家(四)は思い切って兵力を東に集中し、死戦に勝利することができたのだ。

 帰ってきたら昇級だと褒められていた娘だが、みやこを巡る増田家と増田家(士)の戦いには正反対のことをした。

増田家と同盟の後増田家が北の国境に十分な兵力を残していると偽り、主家の判断を誤らせたのである

実際に残っていた野戦戦力はカラトラヴァ騎士団くらいのものであった。

 増田家(四)は増田中弐船団の難破者を助けたことで増田海側での中入り策を知っていたが、

さらに反対側の海岸でも同様の作戦を行うとは予想していなかった。

もしも、知っていれば武力に訴えなくても旧増田家(六)領の残り半分くらいは切り取れた可能性がある。

 歩き巫女ゆっくりと顔をあげた。強いまなざしで父を見つめる。

少し頬を染めてから唇を開いた。

「実は……漏らしてしまったのです」

 もちろん大便のことである

「あわてふためくわたくしを見て、あの方はこう仰いました。「ここで我が漏らしたのは二人だけの内緒だぞ」と……」

 増田典厩の瞳が揺れた。上を向いて瞼を閉じる。一筋の涙が皺だらけの頬を伝った。

美談じゃな」

はい増田島に生まれた者なら誰でも一度は漏らすもの

 でも、多くの人はそれを認めることができません。

 その弱さを他人の分まで背負って泰然としておられるあの方は真に強き方だと思いました」

「……だからと言って主家を売っていいわけがあろうか」

 娘は頬をこわばらせた。

「ええ、おめおめと戻ってこられる身とは思っておりません。

 ただ、これだけはわたくしの口から父上に直接お話たかったのです」

 いま増田家(八)は恒常的な和睦を求めている。

現状に少し変更を加えるだけで各家の領土固定化し、増田島の戦乱を終結させたい。

 具体的には増田家(四)が旧増田家(二)と旧増田家(六)の半分を割譲し、増田家(一・三・四)を治める。

割譲された旧増田家(二)は増田家(五)に分配し、旧増田家(六)の残り半分を放出する。

中心となる増田家(八)は本土の他に(六・七・九)を治める。

増田家(八)の下に入りながら復興をなしとげた増田家(十)が(士)の領土支配する。

 彼らの希望はこのような国割りである

増田家(士)との戦いに多大な貢献をした増田家(五)は土地を重視するため、少しでも領地をわけ与える必要がある。

また、重心となるべき増田家(八)は明確に最大の勢力でなければならない。

 このような事情から考えられた領土分配は、つまるところ彼らの都合に過ぎず、増田家(四)内部の気持ちをおもんばかっていない。

 確かに国力では圧倒される立場だが、仮想敵一枚岩になりきれず、以前行われた旧増田領(二)での直接対決でも自分たちが快勝している。

 仮に当主が和睦案に納得しても家臣たちが納得しないであろう。

増田典厩は娘に説明した。

 増田家(六)の半分だけであっても領土割譲は難しい。

そして、領土割譲が皆無では増田家(八)(というより後増田家)も和睦を受け入れない。

 やはり一戦に及ぶしかない。

 そして戦いが始まってしまえば増田家(四)の当主最後まで勝利を追求するに違いなかった。

「いくさはイヤにござります!」

「シエーーッ!!」

 増田典厩は娘の言葉に横から頭を抱えるポーズを取った。武家の娘が何を言う……。

「考えてくださいませ。両家のいくさとなれば主戦場になるのは、わたくしたちの故郷でございます!」

「う、うむ」

「父上は主家や増田家(八)の思惑ばかり考えていらっしゃいますが、

 もっとも大切にするべきなのは果たして何なのですか?

 おめおめ帰ってきたのは、それをどうしてもお聞きしたかたからです」

 彼女は激烈な調子で言い放って、顔を青ざめさせた。増田典厩は長時間腕組みをして考え込んだ。

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2016-06-18

[]18:増田の野望

 増田家(八)の領土は史上最大となり、そして史上最大の危機にあった。

増田家(士)との戦争本貫地を荒らされ、一度は決戦に敗れ、極限までの動員を強いられた。

金食い虫である艦隊増田島の南北両岸に整備してもいる。

増田(七)領に避難してきた「宮」への手当も必要だった。

 なにより深刻なのは、かつての本拠地継続している一揆存在だ。

増田家(士)の横暴をうけて決起した彼らは独力で侵略者を追い払ったのだと過信し、

独立や自治の大幅な拡大を求めていた。

増田家は外敵から彼らを守る義務を一時放棄したわけで、しかたのない面はある。

 だが、巨大な領主に戦功以上のものを認めるつもりは、さらさらなく、官僚たちにねばり強い交渉を継続させていた。

 内憂に対して外患である増田家(四)も増河決戦後の無理が祟って活力を大幅に減じている。

それでも、増田島に一対一の存在になった事実は重く、早期の統一による平和を求める世間圧力もあって、

戦機の果実は無理矢理エチレンを塗りたくられた状態にあった。

 最悪の場合増田領(八)の内部で増田島の群雄割拠再現されるだけなのだが、

相手意識なき増田島の統合意思ではそれを指摘しても説得しようがない。

 両者は神経と国力をすり減らしながら共に戦備を整える状況だった。

 そんな中、キャスティングボートを握ることになったのが、西の祖国を取り戻した増田家(十)当主である

彼は「主君から再三の出兵を求められながら、言を左右にして逃げていた。

 実際に旧増田領(士)の平定に手を焼いていることや、船団が嵐に遭い兵力の六割を失った事情があって、

兵の抽出は困難だった。

 しかし、それだけではない。彼には増田家同士が消耗した状態中央に打って出れば、

漁夫の利によって天下を得られるのでは?という野心が確かにある。

 お家を再興できただけでも恵まれているのに天下を望んでしまう。

人の欲望には限りがない。あるいは傭兵となって天下を見てきたからこそ、

それを手に入れる夢を見てしまうのかもしれなかった。

 少なくとも出兵の見返りに増田(九)領くらいは手に入れたいものだ。

甘い考えに溺れていた当主鼻歌交じりに寝室に入ったところで、その鼻をひくつかせた。

(わ、私のじゃない脱糞臭いがする!?……こ、こわ~っ)

「タレカアル!?

 不審を通り越して恐怖を覚えた当主ふすまを開けて人を呼んだ。

「ここに」とやってきた一人の男に安堵するも、よく見るとまったく知らない顔だ。

プライベート空間の深部で、それはありえない。

「お主は誰じゃ!?

 そいつは鍋が煮立つように笑う。

「拙者は増田。誰でもあり、誰でもない。時にはお主自身でもある……こぉんな風に!」

 男の顔は当主の顔と、うり二つに豹変した。それでいて、まがまがしい瞳の奥は底が見えない。

当主の写し身は大口を開いて笑う。

「ぬぉおおおおっ!」じょばばばばば

 当主は失禁しながら刀を振り上げた。――その動きが布団をはねのけて、彼は目覚めた。

「……夢か」

 しんと静まりかえった寝室を見回す。そして気付く。

(私のじゃない脱糞臭いがする!?

 増田家(十)当主大脳が壊れるよりも出兵を選んだ。

増田家(士)と同じように、忍びいくさでは「主家」に敵わないと判断したのだ。

もっとも忍びの働きも本人の解釈にすぎず、彼が来て見て嗅いだモノの正体は後世に至るも謎のままである

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2016-06-15

[]15:増田の攻防

 急いで増田家(八)との同盟を成立させた増田家(五)は、北の空白地帯の奪取に兵三千を送った。

 浅ましい態度であるが、長い間平野部に逼塞を余儀なくされていた増田家にとっては待望の好機なのであった。

競争相手因縁のある増田家(四)であることから、後れをとるわけにはいかなかった。

 驚くべきことに同盟を結んだばかりの増田家(八)は、この遠征に援軍を派遣してきた。

それでいて奪った領地はすべて増田家(五)のものにして良いというのだから断る理由がない。

 誠意の援軍は主体となるべき後増田軍をうわまわる規模の五千人で、

指揮官増田大学増田出羽守増田金吾ほか四名とある意味で錚々たる面々だった。

 彼らは軍師増田匿兵衛に簡単な指示を受けていた。曰く

「いつも通り戦ってください」

 いつも通りの意気込みで増田軍は北へ走った。

 だが、疾さで増田騎馬軍団にまさる存在はない。

 旧増田(三)領の占領を味方にまかせて素通りした彼らは有利な地点を敵に先んじて押さえた。

 彼らは二千の半数を下馬させて高台に配置し、残りの騎乗士に両翼を守らせる。

最初増田大学隊一千が敵に接触した。

 増田大学時間稼ぎに言った。

「後からもっと戦いがいのある連中が現れるから通してくれ」

 もちろん、言葉部隊も一蹴された。

続いて増田出羽守隊千五百が敵に補足された。出羽守姑息手段を試みた。

「次にくるのは大部隊だ。戦う体力を残しておいた方がいい」

 余計なお世話だった。そもそも、それならなおさら合流を許すわけがなかった。

最後に二千五百人をひきいる増田金吾がやってきた。

「やあやあ、我こそは増田家(八)一の家臣!増田金吾なるぞ」

 連勝をみた現地の国人勝ち馬についたことで、増田騎馬軍団兵力三千に補強されていた。

増田金吾の負けっぷりは増田家(八)一の家臣にふさわしいものであった。

 ジャイアントキリングをなしとげて士気が天を衝かんばかりの増田軍(四)の相手雑魚ナメクジたちには荷が重すぎた。

 後増田軍も同盟軍の敗走に巻き込まれ、いつの間にか南へ逃げていた。

「何しに来たんだ、あやつらは!!」

 増田家一門衆の増田左混は罵ったが、後の祭りであった。

 ただ彼らの言葉は「無用深追い」を避けさせて、我が身を守る役には立った。増田金吾が戦った時には三連戦で流石に疲れていた。

増田軍(四)は北の旧増田領(一)の制圧を優先したこともあって、同盟軍戦略的な追撃を受けずに済んだ。

亡命希望するカラトラヴァ騎士団を戦いに紛れて収容できたことが唯一の成果であろう。

 さすがにしょんぼりして復命した諸将を、増田家(八)当主はひとりひとり手を握ってねぎらった。

「よく生きて帰ってきてくれた」

 当主は漏らした後、手を洗っておらず、増田大学増田出羽守は感激と下痢に悩まされた。

増田金吾は自分も漏らして、まとめて手を洗ったので無事だった。

 同盟軍時間無駄にしている間に、西の国境には増田家(士)の大軍が刻々と迫っていた。

独自領土拡大に失敗した後増田家はもはや同盟国と運命共同体になるしかない事実を突きつけられた。

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2016-06-12

[]12:増田展望

 北の増田家(一)が謀略によってあっさり滅亡したことで増田家(四)は周囲から孤立した。

 さいわい増田家(八)が増田家(五)との戦いに集中していることは、いろいろな情報源から明らかになっている。

控えめにみつもっても二倍の国力差を埋めるべく、増田家は用意周到に戦いの準備を整えた。

 増田家(三)も戦の準備を着々と整え、戦う前に勝負は決まっている状態を作って南下をはじめた。

 なお、増田家(五)を増田家(八)と折半する戦略は、増田家(五)が好意的な態度を示していたこから否決された。

増田家(四)を併合して増田家(三)が圧倒的な存在になれば、増田家(五)は戦うまでもなく屈するはずだった。

 せいぜい、敵に滅ぼされない程度に耐えてくれていればよい。

 総兵力六万を号する増田軍は自慢の鯖街道を伝って一路、南進。国境を越えた増河のほとりで、

乾坤一擲迎撃作戦に出てきた増田軍二万五千と遭遇した。

背水の陣か……」

 増田家(三)の当主は遠眼鏡で敵陣を観察した。

 敵軍は増河が馬蹄形に屈曲した部分の内側に立てこもっており、カーブする上流と下流が約1kmまで最接近した部分に戦列を連ねていた。

 側面から攻撃は難しく、まずは正面から攻撃するしかない。その点では利に適っている。

 だが、すいすい背水の陣危険な戦法だ。兵は死力を尽くして戦うかもしれないが、負ければ河に退路を塞がれて壊滅は免れない。

この一戦に負ければ後がないとの増田家(四)の覚悟が伝わってくる。

 当主は足止め部隊を残して敵軍を無視して先に進む妄想をもてあそんだが、

ここは海岸へ向かう重要な渡河点の近くであり、足止め部隊が負ければ、背水の陣になるのは自分たちの方だ。

 敵がゲリラ戦に走らず、雁首そろえて出てきてくれたことを幸いとして、叩き潰すにしくはない。

 増田軍六万は敵軍の前に堂々と展開した。

 右翼には裏切りによって味方についた旧増田家(二)一門を中核とする増田勢、

中央にはもっとも頼りになる譜代勢、そして左翼には本領国人衆と北の傭兵軍団。

前衛には降伏直後で信用されていない旧増田(一)勢が配置された。

 秘蔵のカラトラヴァ騎士団は全軍の後方に配置され、名にしおう増田騎馬軍団の出現と、両翼部隊の万が一の裏切りに備えている。

戦闘正面が狭い問題をのぞけば万全の布陣だった。

それも旧増田(一)勢を使いつぶしにして波状攻撃しかけることで最終的には数の優位を活かせる算段だ。

 増田家(士)が増田家(十)攻めに使ったのと同類の戦法である

 一方、増田軍は二倍以上の敵を前にして多くの兵士脱糞を済ませていた。

おかげで、はらわた刃物にえぐられても感染症死ぬ可能性が低下した。大量のうんこも背水に排水できた。

 増河は赤く染まる前に茶色く染まった。

 下っ端には到底勝てると思えない状況なのだが、当主は泰然自若としていた。

それがブラフなのか、本当に秘策があるのかは、火蓋を切るまでわからない。

 戦いを先にしかけたのは劣勢の増田軍であった。すべての敵を視界におさめておきたい事情は彼らも同じだった。

激しく銅鑼をうちならし、一部の兵が増田前衛に突っ込んでくる。

昨日までの敵にむりやり戦わされている前衛部隊はそれでも勇敢な兵士たちであり、敵の攻撃を真っ向から受け止めた。

 しばしもみ合い両者が離れた時には、大地は両軍の血で汚されていた。

「追えーっ!」

 前衛部隊から誰かの声があがり先制攻撃しかけて来た敵を追う。釣られて六万にのぼる増田軍全体が動き出した。

 迎え撃つは増田軍の歩兵戦列。堅固に隊列をくみ、長柄の先をそろえた彼らは肝を据えて、馬蹄形陣地の栓になった。

なにせ背水の陣なのだ

 増田軍の第一波はおしかえされ、前衛指揮官は冷や汗を流しながら、まずは弓と投石で敵を崩そうとする。

飛道具で狙われた長柄兵は置き楯の後ろに隠れ、増田軍(四)の弓兵が応射する。

味方の支援の下に増田前衛突撃すると、矢の雨が止んだ一瞬をついて、長柄兵が再配置され敵を押し返す。

 その繰り返しは増田家(三)当主を苛立たせたが、確実に敵の体力を削っていった。

「両翼からも弓兵を寄騎にまわしてやれ!」

 噂の手銃がたくさんあれば……と当主は唇を噛んだ。

 いよいよ損耗が深刻になってきた増田軍の第一線は大量の矢を浴びながらやっと後退する。

だが、後退は交代であり、すぐ後ろには第二線の歩兵が穂先を連ねていた。

 しかも、第一線と二線の間には浅い溝が掘られていて、いきおいをえて突撃した増田前衛は転んだところを刺されて大損害を被った。

「下がらせよ」

 不機嫌そうに当主は言い捨て、こちらも前線にたつ部隊を変更させる。

両翼と中央から抽出させた精鋭部隊だ。さらに両翼の部隊には一部に増河をわたらせて敵の側面や背後に出るように命じた。

 直接攻撃するにはもう一度、河を渡らなければならないので実害を与えるのは難しいが、心理的に与える影響は大きい。

裏目に出て背水の陣意識を強めてしま可能性も含めて……。

もっと増田軍は敵の迂回を歓迎していないらしく、渡河部隊は岸にたどり着く直前に伏兵攻撃を受けた。

増田騎馬軍団だ!」

 増田軍の中から悲鳴があがる。川岸に展開した増田軍の騎兵は水中で身動きの取りにくい敵を、馬上から次々としとめて行った。

同じ騎兵相手をしようとしても武具が水を吸っていて分が悪い。何よりも渡河中で相互支援ができなかった。

 おかげで両翼での戦いも思うようには進展しない。

「ワタシたちが出ましょうか?」

 カラトラヴァ騎士団グランドマスダー、アトビーノは増田騎馬軍団の出現を受けて、当主に進言した。

「……しばし待て」

 増田騎馬軍団に河を渡ってくる力がなく、迎撃に専念するなら、突破力のあるカラトラヴァ騎士団中央での決め手として使いたい。

両翼にはせいぜい騎馬軍団を引きつけてもらおう。

 増田家の当主はそんな判断で両翼の渡河作戦を続行させたのだけど、それをみた増田家の当主わずかな焦りをみせた。

「やむをえぬ……我が自ら出るぞ。馬廻衆は続けぇ!!」

 彼は第二線の直後まで本陣を進めて、盛んに督戦した。

大将首だ!」

ヒャッハー!!」

恩賞は思いのママぞ~」

 著名なションベンタレ(魚類、別名タカノハダイ)の前立てを目撃した増田兵が戦場中央殺到する。

その先から屈強な怖いお兄さんたちに追い散らされても次々と新手が押し寄せてくる。

 血と泥と汗の渦、その中心に増田がいた。先に脱糞していなければ、脱糞していたかもしれない。

激闘は数刻の長さに感じられたが、実際には太陽ほとんど動いていなかった。

「御館様!これ以上は!!」

 敵を刺して折れた槍を捨て、太刀を抜いて馬廻りが叫んだ。

同士討ちの危険無視して弓矢が当主の近くまでびゅんびゅん飛んでくる。

「おのれ!ここまでか!?

 増田軍は第三線への切り替えをめざし、二度目の後退をはじめた。

「もらった!つっこめぇーーッ!!」

 敵が下がるのを知った増田当主中央譜代衆に命令をくだした。

最大の手柄は自分たちが収める。複数地域支配する家ならではの狡猾さが現れていた。

 下がる増田軍は一気に圧力を増やされ、今度は思ったところで踏みとどまれなかった。

後ろは河なのにずるずると下がり続けてしまう。それをみて、敵は嵩にかかって攻め立ててくる。

 もはや増田軍は風前の灯火。ついに殿をつづける当主を見捨てて、武具も脱ぎ捨て河を泳ぎ渡る兵士が出没しはじめた。

忠誠心の期待できない増田家(六)出身兵の行動だったが、動揺は増田軍全体に広がっていく。

「もうだめだぁ」

「お助けを」

 武器を捨てるもの、敵の慈悲にすがるもの戦意を失ったものパラパラと現れる。

「御館様、ここはお下がりください」

「敵の勢いが激しすぎます

 近侍の諫めに対して、増田当主正反対の行動で応えた。

「ここで生きながらえて意味があろうか。死中に活を得ん!」

 最前線に躍り出て、鞘を抜き放つと、太刀を陽の光にかざして叫ぶ。

「我こそは増田鎮北将軍なり!討って手柄とせよ!!」

 戦場が一瞬、鎮まり――どよめき立った。

「鎮北将軍だとぉ……!?

 敵の名乗りを聞いた増田当主は顔を歪めた。

鎮北将軍といえば、かつて増田家(六)の血筋東北支配に任じられた極めて高位の官職であり、

その権力増田家(三)の現支配領域全体におよんだ。

 増田家(六)の血筋を奪ったことで無理矢理名乗っているのであろうが、当主にとっては非常に不快である

頭の一部では挑発理解しつつも、兵をけしかけてしまう。

「あの僭称者の希望通りにせよ!首をとった者には一城、いや一国を授けるぞ!」

「「おおっ!!」」

 目前に高価な肉をぶら下げられて六万人が一人の殺害に心を合わせた。

まさに殺到が起こり、圧死者が敵味方に発生する。もはや人の津波である。汗の蒸気が霧になり、戦場を覆った。

ちょっと言い過ぎたか……?)

 自称鎮北将軍は鎧の中で冷や汗をかいた。

ちなみに戦場の喧噪の中で鎮北将軍は、ちんぽこ将軍と聞こえた。

 もはや六万人の大半が馬蹄型の内部に入り込み、隊列の入れ替えも難しい状況だった。

目端の利く指揮官は川沿いを走らせることで、敵の側面攻撃を狙った。

彼らが最初被害者になった。

 太鼓の乱打音を受けて対岸に配置されていた増田軍(四)投石機部隊偽装撤去、全力射撃を始めたのだ。

「せーの!」

 数十人が力をあわせて綱を引き下げると、腕木が旋回し、反対側にくくられた飛礫が高速で飛翔していく。

敵だらけなので狙いを付ける必要もない。ただ発射速度を優先して撃ちまくる。

綱を引くだけなら戦闘訓練なしの人材でも行える点も便利だった。

 増田軍は決戦のために領内の投石機をかき集めていた。新造もおこない三十メートルに一基の密度で砲台を築いている。

さらに吊り井楼まで投入され、一挙に高所にあがった精鋭弓兵が対岸の的を射まくった。

 増田兵が吹き飛び、苦悶の声をあげて倒れ、死体が折り重なっていく。射撃から逃れる遮蔽物といえば、その死体しかない。

 増河屈曲部は地獄絵図と化した。

バカ!?野戦あんものを準備できるはずが……ッ」

 増田家(三)の当主絶句する。ただ配置するだけではなく、偽装完璧とは信じられない。

最近の設置であれば動きを察知できたはずだ。自分たちの進撃路は完全に読まれていたと言うのか。

「やつは海から一日行程以上離れない。そして、ここの先には有名な漁港がある……」

 賭けに勝った増田家(四)当主はひとりごちた。長年にわたる地道な諜報活動のたまものであった。

東北で勝ち抜いたのが、以前から国境を接している増田であることが幸いした。

他の二家であれば、ここまでの情報は集められなかったはずだ。

 射程三百メートルを超える投石機の猛射撃によって増田軍はやむなく馬蹄型空間の中心に集められていった。

当初はひとりあたり六平方メートルあった空間が一平方メートルになってしまい、

武具や馬の存在を考えれば満足に体の向きを変えることさえできない。

本陣だけは馬廻りのスクラム空間が確保されていたが、押しつぶされるのも時間問題に思われた。

「ワレラが退路を切り開きもうす」

 アトビーグランドマスダーが当主に告げた。

「よし、いけ!」

 カラトラヴァ騎士団蝟集する味方を吹き飛ばして後方へ走った。

だが、そこには敵の視界外から長駆して進出してきた騎馬軍団が展開を終えていた。

本当の増田騎馬軍団だ。両翼に伏せていたのは増田軍(四)の騎兵にすぎない。内通者によって、その誤認は導かれていた。

 彼らは重騎兵との正面衝突をさけ、騎射でもっぱら馬を狙った。

卑怯者ガ!!」

「ふんっ、武士畜生と言われようが勝つことにござる」

 増田典厩は騎士の主張を鼻で笑う。彼らは戦場からの脱出を試みる敵をことごとく網に掛けていった。

 そうこうしている間にも増田軍本隊は末期状態に陥っており、三国出身者が混在しているせいで同士討ちさえ起こっていた。

「まて、拙者は増田軍だ」

「どの増田軍だ」

「味方だ」

「俺がどの軍か分かるのか」

増田軍だ!」

 もはやグダグダである。一部の兵士にいたっては自分空間を確保するためにあえて味方を殺傷していた。

「降れ!降れ!」

勝負はもう着いた」

 もっともな勧告が正面から聞こえてきて、傷つき疲れ果て恐怖のあまり脱糞した増田軍はついに武器放棄した。劇的な逆転であった。

 カラトラヴァ騎士団のみが何とか組織を維持して戦場離脱する。

 増田家(三)の当主三国の太守から一転、毎年サバ一年分の捨て扶持を与えられる身になった。

「おのれ!我が青ザリガニ大事に育てていることがバレるとは!!」

 ……そんなことは誰も知らなかった。

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2016-06-11

[]11:増田の志望

 増田家(八)軍師増田匿兵衛(かくべえ)は、増田大学に言った。

「旧増田領は敵にとって、間引きしそこねた柿の実のごとき場所

 いずれは熟さず落ちるのに栄養を送り続けるしかない。

 ここに敵の戦力をできるかぎり引きつけてください」

 増田大学はうなづき、大言壮語する。

「だが別に、勝ってしまっても構わんのだろう?」

 意気揚々と出陣した増田軍二万は、山頂に布陣した部将増田左混ひきいる増田(五)軍五千に不用意に近づいたところ、逆落としの攻撃をうけて敗北した。

 数日後、増田匿兵衛は当主に報告する。

増田大学からの書が来ました。「敵の足止めに成功した」とのこと」

「そうか……チェンジ!」

 次に送り込まれ増田出羽守は敵を大きく包囲しようとした。そして、手薄になった中央攻撃を受けて負けた。

 三人目の増田金吾は水場のない丘に登った敵を火計で攻めたが、突如おこった突風によって自分たちが炎に巻かれ、駆け降りてきた敵に追い散らされた。

 その後も増田北方派遣軍は敗北を重ねた。

それでも、指揮官よりも後方支援部隊の尽力によって、敵の兵力山間地に留めおくことには成功した。

 また、みんなが敗北の達人になっていたことで(より根本的には兵力差によって)致命傷を避けて負けることができた。

しかしながら、彼我の兵力比的に意味のある作戦行動だったかは疑問とされる。


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